JP2504473Y2 - 波動歯車装置 - Google Patents

波動歯車装置

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JP2504473Y2 JP6561889U JP6561889U JP2504473Y2 JP 2504473 Y2 JP2504473 Y2 JP 2504473Y2 JP 6561889 U JP6561889 U JP 6561889U JP 6561889 U JP6561889 U JP 6561889U JP 2504473 Y2 JP2504473 Y2 JP 2504473Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は波動歯車装置に関し、特に、波動発生器を改
良した波動歯車装置に関する。
〔従来の技術〕
代表的な波動歯車装置は、剛性円形内歯車と、この内
歯車の内側に配置され該内歯車に二個所で噛み合うよう
に非円形(多くの場合、楕円形)に変形され、該内歯車
の歯数より2n(nは正の整数)少ない歯数を有する可撓
性外歯車と、該可撓性外歯車の内側に嵌合して該可撓性
外歯車を非円形に撓ませる波動発生器とからなる。例え
ば、剛性円形内歯車を固定して、波動発生器に連結した
入力軸を回転させ、波動発生器を回転させると楕円形に
弾性変形している可撓性外歯車と剛性円形内歯車との噛
み合い位置が順次移動する。波動発生器が1回転する
と、可撓性外歯車は、剛性円形内歯車より歯数が2n少な
い分だけ波動発生器の回転方向と逆の方向に移動し、こ
の動きを出力として可撓性外歯車に連結した出力軸から
取り出すことができる。
波動発生器としては、楕円形の板とこの板の外周に嵌
合させた可撓性軸受とからなるものが一般的に用いられ
ているが、コスト低減のために波動歯車装置を樹脂で形
成した樹脂製波動歯車装置においては、複数(通常は二
つ)の円形部材その他のローラーをフレクスプライン内
面に当接させてフレクスプラインを楕円形に撓める形式
の波動発生器が採用されている。
この形式の波動発生器を備えた波動歯車装置の一例を
第1図(a)、(b)に示す。波動歯車装置1は、サー
キュラスプライン2、フレクスプライン3およびフレク
スプライン3を楕円形に撓めてサーキュラスプライン2
に楕円形の長軸上の二個所で噛み合わせる波動発生器4
からなる。波動発生器4は、一対の軸受5とこの軸受5
が一直線上にあるように支持する支持板6とからなり、
軸受5がフレクスプライン3内面に当接し、フレクスプ
ライン3を楕円形に変形させている。支持板6は入力軸
7と、フレクスプライン3はその閉端部において出力軸
8とそれぞれ連結している。
なお、軸受5は本例のように2個のみならず、3個以
上とすることもできる。例えば、軸受5を3個用いる場
合には、それらをフレクスプライン3の軸線を中心とし
て放射状に等角度に配置する。この場合は、フレクスプ
ライン3は楕円形ではなく、三角形状に撓み、フレクス
プライン3とサーキュラスプライン2とは三点で接す
る。
入力軸7を回転させると、楕円形に変形しているフレ
クスプライン3とサーキュラスプライン2との噛み合い
位置が順次移動し、フレクスプライン3はサーキュラス
プライン2より歯数が少ない分だけ波動発生器4の回転
方向と逆の方向に移動する。この両スプラインの相対的
な動きを出力として出力軸8から取り出すことができ
る。
しかし、このように樹脂で形成した波動歯車装置にお
いては、樹脂で成形した部品は加工精度が低いので支持
板、フレクスプラインその他の部品の成形誤差が比較的
大きい。このためサーキュラスプラインとフレクスプラ
インと間のバックラッシユを排除することが困難である
ことが多い。
〔考案が解決しようとする課題〕
本考案はこの点に鑑みてなされたものであり、樹脂成
形部品の成形誤差を吸収し、両スプラインの噛み合い部
のバックラッシュの排除を容易に行うことができる波動
発生器を備えた波動歯車装置を低することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するため、本考案に係る波動歯車装置
は、波動歯車装置が、複数の円形部材と、該円形部材を
フレクスプラインの軸線を中心として放射状に配置し、
フレクスプラインの内面に当接するように支持する支持
部材とからなるものである波動歯車装置において、支持
部材は可撓性部材からなり、その大きさは、前記円形部
材の周面が、前記サーキュラスプラインに噛み合ってい
る前記フレクスプラインの部分の内面に丁度接する寸法
よりも大きい寸法に設定されている。また、この支持部
材は半径方向に撓ませた状態で前記フレクスプラインの
内側に装着されて、前記円形部材が、当該支持部材の弾
性復帰力によって前記フレクスプラインの内面に押しつ
けられた状態となっている。さらには、この支持部材の
形状は、前記フレクスプラインの内側に装着する前の状
態において、前記円形部材を支持している各外端部分が
前記フレクスプラインの軸線方向の同一位置にあり、そ
の中心部分がこれらの外端部分に対して前記フレクスプ
ラインの軸線方向に向けて相対的に突出していることを
特徴としている。
このような支持部材としては、中心がフレクスプライ
ンの軸線上に位置している円弧形状をしたもの、あるい
は、中心部分のみがフレクスプラインの軸線方向に突出
した形状のものがある。
〔作用〕
支持部材は、それによって支持されている複数の円形
部材をフレクスプラインの内側にはめ込むことができる
寸法となるように半径方向に撓ませ、その状態でフレク
スプラインの内側に装着する。装着された状態において
は、支持部材の弾性復帰力が円形部材に作用する。よっ
て、円形部材がフレクスプラインを内面から押圧する度
合いがその分大きくなる。この結果、両スプライン間の
バックラッシュを無くすことができる。
〔実施例〕
第2図に本考案に係る波動歯車装置の波動発生器10を
示す。波動発生器10は、一対の軸受11とこの軸受11が一
直線上にあるように支持する支持板12とからなる。支持
板12は樹脂からなり、第2図(b)に示すように、波動
発生器10をフレクスプライン3(第1図(a)参照)内
部に取り付けた場合にフレクスプライン3の軸線方向を
曲率中心とする方向に円弧状に形成されている。波動発
生器10の長手方向の長さAはフレクスプライン3が楕円
形に変形したときの楕円形の長軸上の内径D(第1図
(b)参照)よりもやや大きい。
このため、円弧状に形成されている支持板12を撓めて
支持板12を真直状態に変形させ、その状態のまま、第1
図(a)に示したのと同様に、波動発生器10をフレクス
プライン3内部に取り付ければ、支持板12が元の状態に
戻ろうとする復元力のために一対の軸受11がフレクスプ
ライン3を内面からサーキュラスプライン2に向かって
押圧する力がより大きくなる。この押圧力の増加によっ
て、フレクスプライン3とサーキュラスプライン2との
噛み合いがより確実なものとなり、両スプラインの噛み
合い部におけるバックラッシュは解消される。なお、波
動発生器10は、一対の軸受11がフレクスプライン3を介
してサーキュラスプライン2から押圧力の反力を受けて
いるので、支持板12は真直状態に保たれ、復元力によっ
て円弧状に復元することはない。
なお、波動発生器10の支持板12は第3図(a)、
(b)に示すように、一部分だけを円弧状に形成するこ
とも可能である。
また、一般に、成形部品の寸法公差は±0.05〜±0.1m
mであるので、部品の寸法誤差を吸収するためには、 A=D+0.1〜0.2〔mm〕 とすれば十分である。
支持板12、22の材質は可撓性材料であれば足りるが、
上記実施例に挙げたように樹脂が最も好ましい。
〔考案の効果〕
本考案に係る波動歯車装置により、部品点数を増やす
ことなく、また大きな手間をかけることなく波動発生器
構成部品の寸法誤差を吸収し、フレクスプラインとサー
キュラスプラインとの噛み合い部におけるバックラッシ
ュを解消させることが可能になる。
また、本考案の可撓性支持部材は、スリット等を形成
して弾性特性を付与している訳ではないので、支持部材
の製造が簡単であり、付与すべき弾性特性も適切に設定
することが容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は従来の波動歯車装置の断面図、同図
(b)は同図(a)のX−X線に沿って切断した部分の
断面図である。 第2図(a)および(b)は、本考案に係る波動歯車装
置の波動発生器の一例を示す平面図および側面図であ
る。 第3図(a)および(b)は、本考案に係る波動歯車装
置の波動発生器の他の例を示す平面図および側面図であ
る。 〔符号の説明〕 1……波動歯車装置 2……サーキュラスプライン 3……フレクスプライン 4……波動発生器 5……軸受 6……支持板 7……入力軸 8……出力軸 10……波動発生器 11……軸受 12……支持板

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】サーキュラスプライン(2)、フレクスプ
    ライン(3)および前記フレクスプライン(3)を非円
    形に撓めて前記サーキュラスプライン(2)に部分的に
    噛み合わせる波動発生器(10)を有しており、前記波動
    発生器(10)は、複数の円形部材(11)と、該円形部材
    (11)を前記フレクスプライン(3)の軸線を中心とす
    る放射状に配置し、前記フレクスプライン(3)の内面
    に当接するように支持する支持部材(12)とを備えた波
    動歯車装置(1)において、 前記支持部材(12)は可撓性部材からなり、その大きさ
    は、前記円形部材(11)の周面が、前記サーキュラスプ
    ライン(2)に噛み合っている前記フレクスプライン
    (3)の部分の内面に丁度接する寸法(D)よりも大き
    い寸法(A)に設定されており、 また、この支持部材(12)は半径方向に撓ませた状態で
    前記フレクスプライン(3)の内側に装着されて、前記
    円形部材(11)が、当該支持部材(12)の弾性復帰力に
    よって前記フレクスプライン(3)の内面に押しつけら
    れた状態となっており、 さらに、この支持部材(12)の形状は、前記フレクスプ
    ライン(3)の内側に装着する前の状態において、前記
    円形部材(11)を支持している各外端部分が前記フレク
    スプライン(3)の軸線方向の同一位置にあり、その中
    心部分がこれらの外端部分に対して前記フレクスプライ
    ン(3)の軸線方向に向けて相対的に突出していること
    を特徴とする波動歯車装置。
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