JP2512462Y2 - 調和歯車変速装置の波動発生器 - Google Patents
調和歯車変速装置の波動発生器Info
- Publication number
- JP2512462Y2 JP2512462Y2 JP1990030231U JP3023190U JP2512462Y2 JP 2512462 Y2 JP2512462 Y2 JP 2512462Y2 JP 1990030231 U JP1990030231 U JP 1990030231U JP 3023190 U JP3023190 U JP 3023190U JP 2512462 Y2 JP2512462 Y2 JP 2512462Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wave generator
- cam plate
- inner ring
- external gear
- gear
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Retarders (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は調和歯車変速装置の波動発生器に関し、特
に、波動発生器を構成する転がり軸受けの内輪軌道面に
発生するフレーキングを防止するための構造に関するも
のである。
に、波動発生器を構成する転がり軸受けの内輪軌道面に
発生するフレーキングを防止するための構造に関するも
のである。
代表的な調和歯車変速装置は、環状の剛性内歯歯車の
内側に、これに噛み合い可能な環状の弾性外歯歯車が組
み込まれており、この弾性歯車の内側には、波動発生器
が組み込まれた構成となっている。波動発生器は、例え
ば楕円形状をした剛性カム板と、このカム板の外周面に
嵌め込んだボールベアリングとから構成され、ボールベ
アリングの外輪が弾性外歯歯車の内周に嵌入され、その
内輪がカム板の外周に嵌合している。ここに、カム板の
外周面とボールベアリングの内輪内周面とは接着材によ
って強固に固着されて一体回転するようになっている。
内側に、これに噛み合い可能な環状の弾性外歯歯車が組
み込まれており、この弾性歯車の内側には、波動発生器
が組み込まれた構成となっている。波動発生器は、例え
ば楕円形状をした剛性カム板と、このカム板の外周面に
嵌め込んだボールベアリングとから構成され、ボールベ
アリングの外輪が弾性外歯歯車の内周に嵌入され、その
内輪がカム板の外周に嵌合している。ここに、カム板の
外周面とボールベアリングの内輪内周面とは接着材によ
って強固に固着されて一体回転するようになっている。
この構造の装置においては、楕円形状をした波動発生
器によって弾性外歯歯車が楕円形状に撓まされる。従っ
て、波動発生器の側には、その長軸両端の位置に大きな
ラジアル方向の力が作用する。波動発生器におけるカム
板と、その外周に嵌めたボールベアリングの内輪とは、
このようなラジアル荷重を絶えず受けた状態で高速回転
する。ここに、カム板とボールベアリングの内輪とは接
着材によって一体化されているので、このような大きな
ラジアル荷重は、常にボールベアリング内輪の同一部分
に作用する。このために、装置を長期間使用すると、長
軸両端に位置するボールベアリングの内輪軌道面にフレ
ーキングが発生するおそれがある。
器によって弾性外歯歯車が楕円形状に撓まされる。従っ
て、波動発生器の側には、その長軸両端の位置に大きな
ラジアル方向の力が作用する。波動発生器におけるカム
板と、その外周に嵌めたボールベアリングの内輪とは、
このようなラジアル荷重を絶えず受けた状態で高速回転
する。ここに、カム板とボールベアリングの内輪とは接
着材によって一体化されているので、このような大きな
ラジアル荷重は、常にボールベアリング内輪の同一部分
に作用する。このために、装置を長期間使用すると、長
軸両端に位置するボールベアリングの内輪軌道面にフレ
ーキングが発生するおそれがある。
本考案の課題は、このような波動発生器における転が
り軸受けの内輪軌道面にフレーキングが発生することの
ない構造を実現することにある。
り軸受けの内輪軌道面にフレーキングが発生することの
ない構造を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本考案の調和歯車変速
装置の波動発生器においては、転がり軸受けを構成する
内輪が、剛性カム板の外周面上に、周方向に向けて相対
移動が可能な状態に取付けられていることを特徴として
いる。
装置の波動発生器においては、転がり軸受けを構成する
内輪が、剛性カム板の外周面上に、周方向に向けて相対
移動が可能な状態に取付けられていることを特徴として
いる。
両部材の相対移動が可能な構造としては、内輪の内周
面、カム板の外周面の少なくとも一方に表面処理あるい
はコーティングを施して摩擦係数を低下させた構造を挙
げることができる。また、内輪の内周面の周長をカム板
の外周面の周長よりも僅かに（例えば10μｍ程度）長く
する構造を挙げることができる。
面、カム板の外周面の少なくとも一方に表面処理あるい
はコーティングを施して摩擦係数を低下させた構造を挙
げることができる。また、内輪の内周面の周長をカム板
の外周面の周長よりも僅かに（例えば10μｍ程度）長く
する構造を挙げることができる。
この構成の本考案の装置では、カム板の外周面に取り
つけた内輪が相対的に周方向に移動するので、大きなラ
ジアル荷重を受ける内輪軌道面の位置も、相対移動に伴
って変動する。従って、大きなラジアル荷重が内輪軌道
面の同一位置に常に作用する事態を回避できる。このた
めに、内輪軌道面の部分にフレーキングが発生する可能
性が大幅に低減する。
つけた内輪が相対的に周方向に移動するので、大きなラ
ジアル荷重を受ける内輪軌道面の位置も、相対移動に伴
って変動する。従って、大きなラジアル荷重が内輪軌道
面の同一位置に常に作用する事態を回避できる。このた
めに、内輪軌道面の部分にフレーキングが発生する可能
性が大幅に低減する。
以下に第１図および第２図を参照して本考案の実施例
を説明する。
を説明する。
まず、第１図には本例を全体構成を示してある。図に
示すように、本例の調和歯車変速装置１は、環状の剛性
内歯歯車２と、この内歯歯車の内側に配置された環状の
弾性外歯歯車３と、この弾性外歯歯車３の内側に組み込
まれた波動発生器４とから構成されている。波動発生器
４は、楕円形状の剛性カム板41と、このカム板の外周面
41aに嵌合して楕円形状に撓められているボールベアリ
ング42から構成され、このボールベアリングを構成する
内輪421がカム板の外周面41aに取付けられ、その外輪42
2が外歯歯車３の内周に嵌入されている。外歯歯車３
は、この構成の波動発生器４によって楕円形状に撓めら
れているので、円形の剛性内歯歯車２に対して、楕円形
状の長軸の両端の２か所の位置においてのみ、外歯歯車
３は内歯歯車２に噛み合っている。波動発生器４のカム
板41は通常は、モータ出力軸などに連結された高速回転
入力軸（図示せず）に連結されて高速回転される。カム
板が回転すると、これによって楕円形状に撓められてい
る弾性外歯歯車３のその楕円形状も回転し、これによっ
て、歯数の異なる剛性内歯歯車２と弾性外歯歯車３との
間に相対回転が発生する。従って、これらの要素のうち
の一方を固定しておくことにより、他方の要素から歯数
差に応じて減速された減速回転出力を取り出すことがで
きる。
示すように、本例の調和歯車変速装置１は、環状の剛性
内歯歯車２と、この内歯歯車の内側に配置された環状の
弾性外歯歯車３と、この弾性外歯歯車３の内側に組み込
まれた波動発生器４とから構成されている。波動発生器
４は、楕円形状の剛性カム板41と、このカム板の外周面
41aに嵌合して楕円形状に撓められているボールベアリ
ング42から構成され、このボールベアリングを構成する
内輪421がカム板の外周面41aに取付けられ、その外輪42
2が外歯歯車３の内周に嵌入されている。外歯歯車３
は、この構成の波動発生器４によって楕円形状に撓めら
れているので、円形の剛性内歯歯車２に対して、楕円形
状の長軸の両端の２か所の位置においてのみ、外歯歯車
３は内歯歯車２に噛み合っている。波動発生器４のカム
板41は通常は、モータ出力軸などに連結された高速回転
入力軸（図示せず）に連結されて高速回転される。カム
板が回転すると、これによって楕円形状に撓められてい
る弾性外歯歯車３のその楕円形状も回転し、これによっ
て、歯数の異なる剛性内歯歯車２と弾性外歯歯車３との
間に相対回転が発生する。従って、これらの要素のうち
の一方を固定しておくことにより、他方の要素から歯数
差に応じて減速された減速回転出力を取り出すことがで
きる。
本例の波動発生器４においては、そのカム板41の外周
面41aと、ボールベアリング42の内輪421は、カム板４の
外周面41aに対して、それらの周方向に向けて相対移動
可能な状態で取付けられている。すなわち、第２図に示
すように、内輪421の内周面421aには、その全周に亘っ
てテフロンコーティング11が施されており、同様に、カ
ム板４の外周面41aにもその全周に亘ってテフロンコー
ティング12が施されている。一方、カム板41の外周面41
aの一方の側には、内輪421の抜け止め用の突起部41bが
形成され、他方の側には、抜け止め板13がカム板41の側
面に固着されている。
面41aと、ボールベアリング42の内輪421は、カム板４の
外周面41aに対して、それらの周方向に向けて相対移動
可能な状態で取付けられている。すなわち、第２図に示
すように、内輪421の内周面421aには、その全周に亘っ
てテフロンコーティング11が施されており、同様に、カ
ム板４の外周面41aにもその全周に亘ってテフロンコー
ティング12が施されている。一方、カム板41の外周面41
aの一方の側には、内輪421の抜け止め用の突起部41bが
形成され、他方の側には、抜け止め板13がカム板41の側
面に固着されている。
このように構成した本例の装置１の波動発生器４で
は、そのカム板41の長軸両端に位置しているボールベア
リングの内輪軌道面421bの部分に最も大きなラジアル荷
重が作用する。しかし、本例では、カム板外周面41aお
よび内輪内周面421aがテフロンコーティングされてお
り、比較的自由に周方向に向けて相対的に移動可能であ
る。従って、従来とは異なり、最大ライジアル荷重が作
用するカム板長軸両端に位置する内輪軌道面421bの部分
も、上記の相対移動に伴って変動する。よって、最大ラ
ジアル荷重が常に内輪軌道面の同一部分に作用すること
に起因して内輪軌道面にフレーキングするという弊害を
解消することができる。
は、そのカム板41の長軸両端に位置しているボールベア
リングの内輪軌道面421bの部分に最も大きなラジアル荷
重が作用する。しかし、本例では、カム板外周面41aお
よび内輪内周面421aがテフロンコーティングされてお
り、比較的自由に周方向に向けて相対的に移動可能であ
る。従って、従来とは異なり、最大ライジアル荷重が作
用するカム板長軸両端に位置する内輪軌道面421bの部分
も、上記の相対移動に伴って変動する。よって、最大ラ
ジアル荷重が常に内輪軌道面の同一部分に作用すること
に起因して内輪軌道面にフレーキングするという弊害を
解消することができる。
なお、カム板外周面および内輪内周面の表面処理法と
しては、M0S2のスパッタリングなどに代表されるよう
に、固体潤滑材を表面に被着させるようにしてもよい。
しては、M0S2のスパッタリングなどに代表されるよう
に、固体潤滑材を表面に被着させるようにしてもよい。
以上説明したように、本考案の調和歯車変速装置にお
ける波動発生器においては、その転がり軸受けを構成す
る内輪は、剛性カム板の外周面上に、周方向に向けて相
対移動が可能な状態で取付けられている。従って、本考
案によれば、内輪軌道面の特定の部分に絶えず大きなラ
ジアル荷重が作用するという事態を回避でき、転がり軸
受けの内輪軌道面にフレーキングが発生することを防止
できる。
ける波動発生器においては、その転がり軸受けを構成す
る内輪は、剛性カム板の外周面上に、周方向に向けて相
対移動が可能な状態で取付けられている。従って、本考
案によれば、内輪軌道面の特定の部分に絶えず大きなラ
ジアル荷重が作用するという事態を回避でき、転がり軸
受けの内輪軌道面にフレーキングが発生することを防止
できる。
第１図は本考案の一実施例に係る調和歯車変速装置を示
す全体構成図、第２図は第１図のII−II線で切断した部
分を示す部分断面図である。 〔符号の説明〕 １……調和歯車変速装置 ２……剛性内歯歯車 ３……弾性外歯歯車 ４……波動発生器 41……カム板 41a……カム板の外周面 42……ボールベアリング 421……内輪 421a……内輪の内周面 421b……内輪軌道面 11、12……コーティング 13……止め板。
す全体構成図、第２図は第１図のII−II線で切断した部
分を示す部分断面図である。 〔符号の説明〕 １……調和歯車変速装置 ２……剛性内歯歯車 ３……弾性外歯歯車 ４……波動発生器 41……カム板 41a……カム板の外周面 42……ボールベアリング 421……内輪 421a……内輪の内周面 421b……内輪軌道面 11、12……コーティング 13……止め板。
Claims (1)
- 【請求項１】環状の剛性内歯歯車と、この剛性内歯歯車
の内側に配置された環状の弾性外歯歯車と、この弾性外
歯歯車の内側に組込まれ、この弾性外歯歯車を弾性変形
させて前記剛性内歯歯車に対して複数箇所で噛み合わ
せ、これらの噛み合い位置を円周方向に向けて回転させ
る波動発生器とを有し、この波動発生器は、前記弾性外
歯歯車を弾性変形させるための剛性カム板と、この剛性
カム板の外周と前記弾性外歯歯車の内周との間に嵌入さ
れた転がり軸受けとから構成され、この転がり軸受けの
内輪は、前記剛性カム板の外周面上に、周方向に向けて
相対移動が可能な状態で取付けられていることを特徴と
する調和歯車変速装置の波動発生器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1990030231U JP2512462Y2 (ja) | 1990-03-23 | 1990-03-23 | 調和歯車変速装置の波動発生器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1990030231U JP2512462Y2 (ja) | 1990-03-23 | 1990-03-23 | 調和歯車変速装置の波動発生器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03119645U JPH03119645U (ja) | 1991-12-10 |
| JP2512462Y2 true JP2512462Y2 (ja) | 1996-10-02 |
Family
ID=31532957
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1990030231U Expired - Lifetime JP2512462Y2 (ja) | 1990-03-23 | 1990-03-23 | 調和歯車変速装置の波動発生器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2512462Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2023163832A (ja) * | 2022-04-28 | 2023-11-10 | ナブテスコ株式会社 | 波動歯車装置及び産業ロボット |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5442839U (ja) * | 1977-08-31 | 1979-03-23 | ||
| JPS62114246U (ja) * | 1986-01-10 | 1987-07-21 |
-
1990
- 1990-03-23 JP JP1990030231U patent/JP2512462Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03119645U (ja) | 1991-12-10 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |