JP2503617Y2 - 自動演奏装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案は自動演奏装置に関し、特にリズムレジスト
レーション機能を有する自動演奏装置におけるテンポ情
報の記憶と報知の技術に関する。

［背景技術］ リズムレジストレーションと呼ばれる機能は、複数の
リズム選択スイッチの操作状態により定められるリズム
選択情報を、ごく少数のスイッチ操作により、リズムレ
ジストレーションメモリと呼ばれるメモリに、登録し、
適宜、呼び出せる機能であり、自動リズム演奏の再生を
行うような場合に、あるいはシーケンサメモリのような
ものにリズム情報を入力するような場合などに、ユーザ
ーの作業が効率よく行え、大変便利である。

本件出願人は、上述のようなリズムレジストレーショ
ン機能にテンポメモリ機能を選択的に付加できる電子楽
器を、実願昭61-084018号において提案している。

そこに開示される考案によれば、登録時に、リズム選
択情報とともに、テンポ操作子で設定される所望のテン
ポ情報をレジストレーション情報として登録しておくこ
とにより、再生の際、いつも決まったテンポで自動リズ
ム演奏を行うことができる。

しかし、上記の考案の場合、往々してユーザーは、テ
ンポ情報を登録したかどうかを忘れてしまうことがあ
り、そのような場合、自動リズム演奏を実際に再生して
みる必要があった。また、鍵盤等でイントロを弾いて、
途中で自動リズム演奏も加えたいような場合に、テンポ
ボリュームの定める現在テンポで自動リズム演奏が再生
されると予想していたのにもかかわらず、実際にはテン
ポ情報が登録されていたために、リズムも加えての演奏
が始まるときに、それまでの鍵盤マニュアル演奏と合わ
ないテンポで自動リズムが鳴り出してしまうなどの不都
合があった。

［考案の目的］ したがって、この考案は上述した事情に鑑みてなされ
たもので、より具体的な目的は、事前にレジストレーシ
ョン情報にテンポ情報が含まれているかどうかをユーザ
ーに報知可能な自動演奏装置を提供することである。

［考案の要点］ この考案は、上記の目的を達成するため、任意のレジ
ストレーション情報が読み出されたとき、このレジスト
レーション情報にテンポ情報が含まれているか否かを判
別し、含まれているときには、そのテンポ情報に基づい
た報知を行うようにしたことを要点とする。

［実施例］ 以下、この考案の一実施例について説明する。

第１図は本実施例に係る電子楽器の全体構成を示すも
ので、CPU1の制御のもとに、各種デバイスが機能する。
リズムレジストレーションメモリ２には、表示／スイッ
チ部４上で設定される複数のリズム選択スイッチによる
リズム選択情報または、リズムテンポ情報にテンポボリ
ュームで設定した選択情報を付加した情報が、複数個、
読み出し可能に登録される。リズムパターンメモリ３に
は、各種リズムパターンが記憶されている。本例におけ
るリズムのデータ構造は階層化されており、複数の基本
リズム（リズムの種類、例えば、ロック、スウィング）
のそれぞれの下に、リズム音源別に複数の異なるリズム
パターンのバリエーションが用意されており、その選択
は表示／スイッチ部４にある複数の基本リズム／パター
ンの選択スイッチを介して行われる。テンポクロック５
は、自動リズム演奏におけるリズムの再生タイミング信
号をCPU1に与えるものであり、通常は、表示／スイッチ
部４内のテンポボリュームの状態を追従する速度のクロ
ック信号を発生するが、リズムレジストレーションメモ
リ２を使用して自動リズム演奏の再生が行われる場合に
おいて、リズムレジストレーション情報中に、テンポ情
報が含まれているときには、そのテンポ情報に従う速度
のクロック信号を発生する。

ここで、第２図参照して、表示／スイッチ部４に含ま
れるリズム関係の選択スイッチと表示素子について説明
する。40が上述したテンポボリュームである。41は上述
した基本リズムの選択スイッチとその表示LEDであり、
ここでは、ロックとスウィングとワルツの選択スイッチ
/LEDが示されている。42は、上述したリズム音源（コー
ド伴奏音源も含む）別のリズムパターン選択スイッチと
その表示LEDであり、ここでは、バスドラム、スネアド
ラム、ハイハット、パーカッション、伴奏の５つの音源
別のリズムバリエーション選択スイッチが、押されるた
びに、パターンＩ→II→III→Ｉと、順次、サイクリッ
クにパターン選択し、３×５のマトリクス構成のLEDが
選択パターンを点灯表示する構成になっている。43はテ
ンポLEDである。44から46は自動リズム演奏のモード制
御スイッチであり、44がリズムスタート／ストップスイ
ッチ、45がシンクロ／エンディングスイッチ、46がイン
トロ／フィルインスイッチである。47はリズムレジスト
レーションスイッチで、Ｗと記されているのはライトキ
ー、１、２、３、４の番号が記されているのはリズムレ
ジストレーション番号選択スイッチである。41と42のリ
ズム選択スイッチにより設定されるリズム選択情報をリ
ズムレジストレーションメモリ２に登録する場合には、
ライトキーＷを押しながらいずれかのリズムレジストレ
ーション番号選択スイッチを押す。この場合において、
そのときのモードがリズムラン（演奏）中のときは、設
定されているリズム選択情報に加え、テンポボリューム
40の示すテンポ情報も一緒に登録される。一方、再生中
または再生されるリズム情報をリズムレジストレーショ
ンメモリ２内にセットしてあるリズムレジストレーショ
ン情報で変更する場合には、リズムレジストレーション
番号選択スイッチの方だけを選択して押す。

第１図に示す残りの要素はすべて周知のものである。
すなわち、鍵盤としては上鍵6Aと下鍵6Bとペダル鍵6Cが
設けられており、音源としては、音源8A〜8Dが示されて
おり、音源出力をD/A変換するのは9A〜9Dであり、エフ
ェクトを導入するのは各種エフェクト10においてであ
り、アンプ11とスピーカー12はサウンドシステムの要素
である。

第３図に、リズムレジストレーション情報をリズムレ
ジストレーションメモリ２に登録する場合のCPU1の処理
フローが示されている。CPU1はリズムレジストレーショ
ンスイッチ47のライトキーＷ（WSW）とリズムレジスト
レーション番号選択スイッチ（RRNo）の同時押しに応答
してこのフローに入り、現在、パネル上のリズム関係の
スイッチ41と42で設定されているリズムNoと各バリエー
ションNoより成るリズム選択情報を、リズムレジストレ
ーションNoで指定されるリズムレジストレーションメモ
リ２内のエリアに書き込む（S1）。次に、現在、リズム
がランしているかどうかをチェックし（S2）、リズムラ
ンであれば、現在、テンポボリューム40が示す現テンポ
情報をリズムレジストレーションメモリ２のテンポ格納
エリアに書き込む（S3）が、リズム停止中の場合は同エ
リアにテンポオフのコードを書き込む（S4）。

したがって、ユーザーは、テンポ情報を加えて登録し
たいときは、リズムスタート／ストップスイッチ44によ
り、リズムをスタートさせた後で、ライトキーＷとリズ
ムレジストレーション番号選択スイッチを同時押しすれ
ばよく、テンポ情報は登録したくなければ、リズムを停
止させた状態で同時押しをすればよい。

第４図は、リズムレジストレーション番号選択スイッ
チが単独に押されたときにCPU1が実行する処理フローで
ある。まず、CPU1はリズムがランしているかどうかをチ
ェックし（T1）、ランしておれば、リズムレジストレー
ション番号選択スイッチの指定に係るリズムレジストレ
ーションメモリ２上のテンポ格納エリア内のデータを読
み出し、それがテンポオフコードかどうかをチェック
し、テンポオフコードであれば、指定されているリズム
レジストレーション情報を使ってリズムをセットする
（T4）。この結果、リズムは変更されるが、再生テンポ
はそれまでのテンポ、すなわちテンポボリューム40の示
すテンポを保つ。一方、テンポオフコードでないときは
リズムレジストレーションメモリ２より読みだしたテン
ポ情報に従ってテンポクロック５の発生テンポをセット
して（T3）からリズムをセットする（T4）。この結果、
リズムだけでなく、再生テンポの方も変更される。

一方、リズム停止中にリズムレジストレーション番号
選択スイッチが押されたときは、T1からT5へ進み、指定
されたリズムレジストレーション情報にテンポ情報が含
まれるかどうかをチェックし（T5）、テンポオフのとき
は、テンポを変更することなくリズムセットする。この
結果、次にリズムスタート／ストップスイッチ44を押し
たときには、リズムはリズムレジストレーション情報の
リズムNoとリズムバリエーションNoにより選択されてい
るリズムパターンが、リズムパターンメモリ３より読み
出される。ただし、その再生テンポは、テンポボリュー
ム40の現在位置で定められるテンポである。これに対
し、T5のチェックにおいてテンポ情報ありと判断したと
きは、T6へ進み、リズムレジストレーションメモリ２よ
り読み出したテンポ情報に従ってテンポクロック５の発
生クロック速度を切り換え、T7でそのテンポLED43を３
回点滅し、しかる後リズムをセットする。

ここで、上述した本実施例の動作形態を要約して説明
する。

初期状態：リズムは停止中であり、リズムレジストレー
ションメモリ２には、何も登録されていない。

つまり、リズムレジストレーションスイッチ（リズムレ
ジストレーション番号選択スイッチ47−１〜47−４）47
を押しても、何のリズムも選択されない。

この初期状態において、ユーザーが基本リズム選択ス
イッチ41のうち１つを選択して押し、その後でリズムバ
リエーション選択スイッチ42を夫々押す。

すると、選択されたリズムん種類（ロック，スウィン
グ，…）に対応する各楽器音（バスドラム，スネアドラ
ム，…）毎のリズムパターンが選択される。

．この後でリズムスタート／ストップスイッチ44を押
した場合… →ユーザーが選択した基本リズム（リズムNo）及びリズ
ムバリエーション（リズムバリエーションNo）に基づく
リズムを、テンポボリューム40の位置に応じたテンポで
再生する。

．リズムスタート／ストップスイッチ44を押さずに、
ライトキーＷと１つのリズムレジストレーションスイッ
チ47とを押した場合… →ユーザーが選択した基本リズム及びリズムバリエーシ
ョンをリズムレジストレーション情報（リズム選択情
報）として、ユーザーの押したリズムレジストレーショ
ンスイッチ47に対応するリズムレジストレーションメモ
リ２のエリアに記憶する。

．の後、つまりユーザーの選択したリズムが、所望
のテンポ（ユーザーはテンポボリューム40を任意に操作
して所望のテンポに設定できる）で再生されているとき
に、ライトキーＷと１つのリズムレジストレーションス
イッチ47とを押した場合… →ユーザーが選択した基本リズム及びリズムバリエーシ
ョンをリズムレジストレーション情報として、さらには
現在リズムが再生されている（テンポボリューム40で設
定されている）テンポをテンポ情報として、夫々をユー
ザーの押したリズムレジストレーションスイッチ47に対
応するリズムレジストレーションメモリ２のエリアに記
憶する。

．の後、つまり１つのリズムレジストレーションス
イッチ47に、ユーザーの選択したリズムレジストレーシ
ョン情報（基本リズム及びリズムバリエーション）が割
当てられているときに、ユーザーがその１つのリズムレ
ジストレーションスイッチ47を押した場合（リズム停止
中）… →基本リズム選択スイッチ41及びリズムバリエーション
選択スイッチ42をいちいち押さなくても、リズムレジス
トレーションスイッチ47の１回の操作で基本リズム及び
リズムバリエーションが選択される。

この後にリズムスタート／ストップスイッチ44を押した
場合は、リズムレジストレーションスイッチ47の操作に
よって選択された基本リズム及びリズムバリエーション
に基づくリズムを、テンポボリューム40の位置に応じた
テンポで再生する。

．の後、つまり１つのリズムレジストレーションス
イッチ47にユーザーの選択したリズムレジストレーショ
ン情報及びテンポ情報が割当てられている場合（リズム
再生中）… →リズムスタート／ストップスイッチ44を押して一旦リ
ズムを停止させる。

その後で上記１つのリズムレジストレーションスイッチ
47を押すと、このリズムレジストレーションスイッチ47
に割当てられているテンポに応じた速さでテンポLED43
を３回点滅させる。

この後にリズムスタート／ストップスイッチ44を押す
と、上記リズムレジストレーションスイッチ47に割当て
られているリズムレジストレーション情報に基づくリズ
ムを、同じく割当てられているテンポ情報に基づくテン
ポで再生する（テンポボリューム40の値は無視する）。

また上記〜の操作を行うことにより、リズムレジ
ストレーション番号選択スイッチ47−１にリズムレジス
トレーション情報のみが割当てられ、リズムレジストレ
ーション番号選択スイッチ47−２にリズムレジストレー
ション情報及びテンポ情報が割当てられているとする。
さらに、なんらかのリズムが再生中だったとする。

A.リズムレジストレーション番号選択スイッチ47−１を
押した場合… →このスイッチ47−１に割当てられているリズムレジス
トレーション情報に基づくリズムに変更すると共に、テ
ンポボリューム40の位置に応じたテンポでリズムを再生
する。

B.リズムレジストレーション番号選択スイッチ47−２を
押した場合… →このスイッチ47−２に割当てられているリズムレジス
トレーション情報に基づくリズムに変更すると共に、同
じくこの47−２に割当てられているテンポ情報に基づく
テンポでリズムを再生する（テンポボリューム40の値は
無視する）。

上の説明からわかるように、本実施例の場合、リズム
停止中にリズムレジストレーション番号選択スイッチに
よりリズムレジストレーション情報を指定したとき、そ
のなかにテンポ情報が含まれているかどうかよって表示
処理を異にし、テンポ情報が登録されていれば、第２図
のテンポLED43を対応するテンポで点滅表示し、テンポ
情報が登録されてなければなにもしない。これにより、
ユーザーは、実際にリズムを再生してみなくても、リズ
ムレジストレーション情報にテンポ情報が登録されてい
るか否か、さらに、登録されているならば、それが希望
するテンポかどうかも容易に確認することができる。

［考案の効果］ この考案ではテンポ情報を登録するかしないかを選択
できる記憶手段を備える自動演奏装置において、任意の
レジストレーション情報が読み出されると、それに応答
して、読み出されたレジストレーション情報中にテンポ
情報が登録されているかどうかを判別し、登録されてい
る場合には、そのテンポ情報に基づいた報知を行ってい
るので、ユーザーは容易に、テンポ情報の登録の有無を
無視することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る電子楽器の全体構成
図、第２図はリズムとリズムレジストレーション関係の
スイッチ類とLED類を示す図、第３図と第４図は本実施
例の動作のフローチャートである。 １……CPU、２……リズムレジストレーションメモリ、4
0……テンポボリューム、41……基本リズム選択スイッ
チ/LED、43……テンポLED、44……リズムスタート／ス
トップスイッチ、47……リズムレジストレーションスイ
ッチ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数種のリズム音の中から所望のリズム音
   を選択可能であり、選択されたリズム音に対応するリズ
   ム選択情報を発生するリズム選択手段と、 発生すべきリズム音のテンポを規定可能であり、規定さ
   れたテンポに対応するテンポ情報を発生するテンポ規定
   手段と、 上記リズム選択手段にて発生されるリズム選択情報の
   み、あるいはこのリズム選択情報と上記テンポ規定手段
   にて発生されるテンポ情報とをレジストレーション情報
   として記憶可能な記憶手段と、 該記憶手段に記憶されている上記レジストレーション情
   報を読み出す読出手段と、 該読出手段により上記記憶手段から読み出される上記レ
   ジストレーション情報にテンポ情報が含まれているか否
   かを判別する判別手段と、 該判別手段により上記レジストレーション情報にテンポ
   情報が含まれていると判別されたときに、該テンポ情報
   によって規定されるテンポを示す報知を所定の回数行う
   報知手段と、 上記読出手段で読み出される上記レジストレーション情
   報に基づいたリズム音の発生開始を指示するリズム音発
   生開始指示手段と、 該リズム音発生開始指示手段によりリズム音の発生開始
   が指示されたときにおいて、上記判別手段で上記レジス
   トレーション情報にテンポ情報が含まれていないと判別
   された場合には、上記読出手段で読み出されるリズム選
   択情報及び上記テンポ規定手段にて発生されるテンポ情
   報に基づいてリズム音の発生を指示すると共に、上記判
   別手段で上記レジストレーション情報にテンポ情報が含
   まれていると判別されたときには、上記読出手段で読み
   出されるリズム選択情報及びテンポ情報に基づいてリズ
   ム音の発生を指示するリズム音発生指示手段と、 上記記憶手段に対して上記レジストレーション情報の書
   き込みを指示する書込指示手段と、 該書込指示手段により書込指示があった時点で、上記リ
   ズム音発生指示手段にてリズム音の発生が指示されてい
   るときは、上記リズム選択手段にて発生されるリズム選
   択情報及び上記テンポ規定手段にて発生されるテンポ情
   報をレジストレーション情報として上記記憶手段に書き
   込み、上記書込指示手段により書込指示があった時点
   で、上記リズム音発生指示手段にてリズム音の発生が指
   示されていないときは上記リズム選択手段にて発生され
   るリズム選択情報のみをレジストレーション情報として
   上記記憶手段に書き込む書込手段と、 を有することを特徴とする自動演奏装置。