JP2502785B2 - 光学記録媒体とこれを用いた記録方法及び再生方法 - Google Patents

光学記録媒体とこれを用いた記録方法及び再生方法

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JP2502785B2 JP2086563A JP8656390A JP2502785B2 JP 2502785 B2 JP2502785 B2 JP 2502785B2 JP 2086563 A JP2086563 A JP 2086563A JP 8656390 A JP8656390 A JP 8656390A JP 2502785 B2 JP2502785 B2 JP 2502785B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は書き換え可能な光学記録媒体とその記録再生
方法に関する。
従来の技術 従来、波長の異なる2種類の光源により、可逆的な色
の変化を生ずる材料としてフォトクロミック材料が知ら
れている。
一般にフォトクロミック化合物の着色体からなる記録
層にその着色体の吸収する可視レーザを照射し無色体に
することで記録を行い、紫外線レーザを照射して着色体
に戻すことで消去を行なう。
再生は可視レーザを記録時より弱い強度で照射し、前
記着色体の吸収を検知して行なうものと、前記着色体の
蛍光を検知するものとがある。
発明が解決しようとする課題 従来の様にフォトクロミック化合物からなる記録媒体
に、フォトクロミック化合物の着色体が吸収する可視レ
ーザを照射して記録を行い、弱い可視レーザ照射により
着色体の吸収を検知する場合、一定の吸収の変化を起こ
して記録をするためには大量の記録エネルギーが必要で
あった。
また、従来の記録媒体に記録時と同じ波長の弱い可視
レーザを照射して、着色体からの蛍光を検知する場合
も、一定の蛍光強度の変化を起こして記録を行なうため
には、大量の記録エネルギーが必要であった。
従って従来のフォトクロミック化合物を用いた光学記
録媒体では、光反応(すなわちフォトクロミック反応)
の効率が悪いため、記録エネルギーが大きくなり、大出
力の光源が必要となる課題があった。
本発明の目的は、記録エネルギーが小さい光学記録媒
体を提供し、この光学記録媒体を用いた新規な記録方法
と再生方法とを提供することである。
課題を解決するための手段 この課題を解決するために、色素とフォトクロミック
化合物を含む記録層において、前記色素の蛍光が前記フ
ォトクロミック化合物の吸収と重なりを持ち、フォトク
ロミック反応を利用した光学記録媒体を用いる。
作用 記録媒体に、少なくとも色素の吸収波長域の光を照射
すると、光を吸収した色素の励起エネルギーがフォトク
ロミック化合物の着色体分子に移動し、エネルギー移動
によって励起されたフォトクロミック化合物は、着色体
から無色体への反応(フォトクロミック反応)を起こし
て記録がなされる。
この時、フォトクロミック化合物の吸光度よりも大き
い吸光度を有する色素分子を励起エネルギーの供与体と
して用いると、フォトクロミック化合物が直接光を吸収
して励起される場合よりも、多くの励起エネルギーが移
動し、励起される確率が増加する。
この結果、フォトクロミック化合物の着色体から無色
体へのフォトクロミック反応が促進され、記録エネルギ
ーが小さくなる 実施例 記録を行う光源が例えばキセノンランプのように、広
い波長領域の光を出す場合、記録録媒体中のフォトクロ
ミック化合物と色素の両方が光吸収を起こし、色素から
のエネルギー移動によるフォトクロミック反応と、フォ
トクロミック化合物が直接光励起されたことによるフォ
トクロミック反応とが両方起こる。
従って従来より小さなエネルギーで記録でき、広い波
長領域の光を出す光源を用いた記録が容易になる。
本発明の光学記録媒体の記録方法は、上述した方法に
限定されるものではなく、例えば可視レーザ光を記録の
光源として用いた場合には、記録層中に存在する色素と
フォトクロミック化合物との各々の吸収帯にレーザ光源
の波長が存在すれば有効であるため、用いるレーザ光源
の波長の選択性が拡がり、また記録エネルギも上述した
理由により、従来のフォトクロミック化合物のみを励起
する記録方法に比べると記録エネルギが低減できる。
従って本発明の光学記録媒体は、記録層中に含有され
る色素を有効に用いるところに特徴がある。
次に本発明の光学記録媒体の再生方法について述べ
る。
本発明の色素を含んだ記録媒体に関しても、従来のよ
うにフォトクロミック化合物の吸収する光の照射を行な
って、フォトクロミック化合物からの吸収或は蛍光を検
知して再生を行なうことができる。
但し、本発明の記録媒体の目的は記録エネルギの低減
にあり、そのためには励起エネルギーの供与体である色
素の濃度を上げることが有効である。換言すると本発明
の光学記録媒体の記録層中の色素分子の数が、フォトク
ロミック化合物分子の数より多い方が記録エネルギの観
点からは有点である。
しかし色素濃度が上昇する分、フォトクロミック化合
物の濃度が低くなる。この結果記録エネルギを低減して
ゆくと、従来の様に再生時にフォトクロミック化合物の
蛍光もしくは吸収を直接検知する再生方法では、検知す
る蛍光もしくは吸収光量が減少してゆき再生が難しくな
る。
そこで、再生も記録時と同じ波長の弱い光を照射して
色素からの蛍光を検知すれば、良好な感度で再生が可能
になる。
本発明の再生法では、記録部分では蛍光強度が強く、
未記録部分では蛍光強度が弱くなる。
すなわち、未記録部分であれば色素からの蛍光は、フ
ォトクロミック化合物が着色体であるため、励起エネル
ギーの移動によって色素の蛍光が消光され、記録部分で
はフォトクロミック化合物が無色体であるため、エネル
ギー移動は起こらず色素の蛍光が強く検知されるからで
ある。
色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素を用
いたが、本発明がこれら2種類の色素に限定されるもの
ではないことは勿論である。他にスクワリリウム色素、
ピリリウム色素等がある。
さらに、エネルギー移動の効率を高めるためにJ会合
体を形成する色素を利用することが効果的である。
これは一般にJ会合体形成色素からのエネルギー移動
の効率が高く、蛍光強度が強いことによる。
フォトクロミック化合物としてはスピロピラン系、フ
ルギド系の他にチオインジゴ系、アゾベンゼン系、スチ
ルベン系、ビオロゲン系、アジン系、ジチゾン系、フォ
ルムアザン系、サリシリデンアニリン系等がある。
これらのフォトクロミック化合物の内スピロピラン系
は、着色体と無色体の間の吸収度変化が大きいため、記
録媒体への利用には好ましい。
また、特に下記構造を有するスピロピランは、熱的に
安定な着色体を与えるのでさらに好ましい。
また、本発明の光学記録媒体では、色素からフォトク
ロミック化合物へのエネルギー移動の効率が高い方が好
ましいため、各分子間の距離を小さくする様な構造をつ
くることが有効である。このような色素とフォトクロミ
ック化合物との構成をとるためには、記録層の製造方法
としてLB法等の手法によることが好ましい。
LB法で記録層を作製するためには、色素とフォトクロ
ミック化合物とが両親媒性を有する必要がある。
通常、このために各分子に長鎖の炭化水素鎖等を結合
して、疎水性をもたせることが行われる。
長鎖の炭化水素鎖の炭素数を11〜31にすると、親水性
と疎水性とのバランスがとれ、良質なLB膜が得られるた
め好ましい。
以下の実施例では、フォトクロミック化合物として下
記の構造で示されるフルギドとスピロピラン(以下FT−
1O,SP1802c、SP1801と略す)を用い、色素には下記の構
造を持つもの(以下色素1、色素2と呼ぶ。)を用いた
が、本発明の光学記録媒体に適応されるフォトクロミッ
ク化合物及び色素に限定されるものではない。
実施例1 フォトクロミック化合物としてFT−1O、色素として色
素1を用いた。
FT−1Oの合成法は、特願昭62−163991に記載されてお
り、これに従って合成した。また、色素1は日本感光色
素から購入した。
ポリカーボネイトの基板上に、色素1と、FT−1Oを含
む記録層をスピンコート法により記録媒体を形成した。
0.1mmolの色素1と0.02mmolのFT−1Oとをトルエン10m
lに溶解した溶液を用い、スピンコートは回転数2000rpm
の条件で行なった。
こうして作製された記録媒体に、351nmの紫外線レー
ザを出力エネルギー100mJ/cm2照射し、FT−1Oを着色体
にして初期化を行なった。
次に、色素1の吸収帯の波長430nmの可視光レーザで
出力エネルギー240mJ/cm2を照射して記録を行なった。
記録条件は色素の蛍光強度の変化が2割になるように制
御した。
再生は、記録時と同じ波長のレーザ出力エネルギー1m
J/cm2を照射して、色素1の蛍光帯の波長490nmの蛍光を
検知することで行なった。
尚、351nmの紫外線レーザ100mJ/cm2を照射する事で消
去が可能であった。
比較例1 比較のために色素1を含まないFT−1Oのみから記録層
を形成した。
0.1mmolのFT−1Oを10mlのトルエンに溶解した溶液を
用い、実施例1と同じ条件でポリカーボネイト基板上に
スピンコート法で記録媒体を作成し、実施例5と同様に
して初期化をした。
この記録媒体にFT−1Oの吸収極大波長540nmの可視光
レーザで出力エネルギー390mJ/cm2を照射して記録を行
ない、同じ波長のレーザで出力エネルギー1mJ/cm2を照
射してFT−1Oの蛍光帯630nmの蛍光を検知して再生を行
なった。記録条件は記録前後で色素の蛍光強度の変化が
2割になるように制御した。
また、再生を吸収検知によっても行ったが、記録前後
の吸収強度の変化量もやはり2割であった。
比較例2 比較のために、色素濃度の低い記録層を持つ記録媒体
作成した。色素として色素1、フォトクロミック化合物
としてFT−1Oを用いた。
0.09mmolの色素1と0.03mmolのFT−1Oとをトルエン10
mlに溶解した溶液を用いて、スピンコート法により実施
例1と同じ条件で記録媒体を作成し、実施例1と同様に
初期化した。
この記録媒体に色素1の吸収極大波長430nmの可視光
レーザで出力エネルギー360mJ/cm2を照射して記録を行
ない、同じ波長のレーザで出力エネルギー1mJ/cm2を照
射して色素1の蛍光帯490nmの蛍光を検知して再生を行
なった。記録条件は記録前後で色素の蛍光強度の変化が
2割になるように制御した。
以上の様に、本実施例では記録層中に色素を含有させ
ることで、記録層中に色素を含まない記録媒体及び記録
層中の色素濃度が低い記録媒体に比べて、第1表に示し
たように記録エネルギーは小さくなった。
これは、本実施例で用いた色素1の蛍光(λmax=490
nm)とFT−1Oの吸収(λmax=540nm)の重なりが大き
く、しかも励起エネルギーの供与体である色素の濃度が
高いために、色素からフォトクロミック化合物へのエネ
ルギー移動が起こりやすくなり、これにより記録に相当
するフォトクロミック反応が進行しやすくなるからであ
る。
実施例2 LB法で記録層を形成して、この効果を調べた。
0.1mmolの色素1と0.02mmolのFT−1Oとをクロロホル
ム100mlに溶解した溶液を用い、LB法により単分子膜2
層を累積して光学記録媒体を作製した。溶液中の各化合
物のモル比は実施例1と同じである。基板には、石英基
板を用いた。
まず、実施例1と同じ方法で初期化を行なった。
次に、色素1の吸収帯の波長430nmの可視光レーザで
出力エネルギー200mJ/cm2を照射して記録を行なった。
記録状件は記録前後で色素の蛍光強度の変化が2割にな
るように制御した。
再生は、記録時と同じ波長のレーザで出力エネルギー
1mJ/cm2を照射して、色素1の蛍光帯の波長490nmの蛍光
を検知することで行なった。この時の記録エネルギーを
第2表に示す。
尚、351nmの紫外線レーザ100mJ/cm2を照射する事で消
去が可能であった。
以上の様に本実施例では記録層をLB法により形成する
ことでさらに記録エネルギーは小さくなった。これは、
本実施例では色素1の蛍光(λmax=490nm)とFT−1Oの
吸収(λmax=540nm)の重なりが大きくエネルギー移動
が起こりやすい上に、記録層がLB法でつくられたため
に、分子間の距離が短くなり、さらに効率よくエネルギ
ー移動が起こるからである。
実施例3 色素として色素1、フォトクロミック化合物としてSP
1802cを用いた。
SP1802cは日本感光色素から購入してものを用いた。
0.5mmolの色素1と0.1mmolのSP1802cと2mmolのステア
リン酸を100mlのクロロホルムに溶解した溶液を用い
て、LB法により単分子膜2層を累積して光学記録媒体を
作製した。基板は、石英基板を用いた。
作製時から1802cは着色体であり、初期化された状態
であった。
次に、実施例1と同様に色素1の吸収帯の波長430nm
の可視光レーザで出力エネルギー190mJ/cm2を照射して
記録を行なった。記録条件は、記録前後で色素の蛍光強
度の変化が2割になるように制御した。
再生は、記録時と同じ波長のレーザで出力エネルギー
1mJ/cm2を照射して、色素1の蛍光帯の波長490nmの蛍光
を検知することで行なった。この時の記録エネルギーを
第3表に示す。
尚、351nmの紫外線エネルギー100mJ/cm2を照射する事
で消去が可能であった。
比較例3 比較のために色素1を含まない記録媒体を作成した。
0.1mmolのSP1802cと2mmolのステアリン酸を100mlのク
ロロホルムに溶解した溶液を用いて、LB法により単分子
膜2層を累積して光学記録媒体を作製した。基板は、石
英基板を用いた。
この記録媒体にSP1802cの吸収極大波長470nmの可視光
レーザで出力エネルギー360mJ/cm2を照射して記録を行
ない、同じ波長をレーザで出力エネルギー1mJ/cm2を照
射してSP1802cの蛍光帯660nmの蛍光を検知して再生を行
なった。記録条件は色素の蛍光強度の変化が2割になる
ように制御した。この時の記録エネルギーを第3表に示
す。
以上の様に、フォトクロミック化合物がスピロピラン
の場合も、記録層中に色素を含有させることで、記録層
中に色素を含まない従来の記録媒体比べて、記録エネル
ギーは小さくなった。これは、本実施例で用いた色素1
の蛍光(λmax=490nm)とSP1802の吸収(λmax=470n
m)の重なりが大きいため、フォトクロミック化合物へ
のエネルギー移動が起こりやすくなり、これにより記録
に相当するフォトクロミック反応が進行しやすくなるか
らである 実施例4 実施例3とは異なるスピロピランに対して色素の濃度
を高くして記録媒体を作成し、その効果を調べた。
色素として色素2、フォトクロミック化合物としてSP
1801を用いた。
色素2は日本感光色素から購入し、SP1801は、シン
ソリッド フィルムズ1988年第160巻 279頁(E.Ando e
t al.Thin Solid Films,160,279(1988))に記述され
ており、これに従って合成した。
0.5mmolの色素2と0.01mmolのSP1801を100mlのクロロ
ホルムに溶解した溶液を用いて、LB法により単分子膜2
層を累積して光学記録媒体を作製した。基板は、石英基
板を用いた。
作製時から1801は着色体であり、初期化された状態で
あった。
次に、色素2の吸収帯の波長500nmの可視光レーザで
出力エネルギー110mJ/cm2を照射して記録を行なった。
記録条件は記録前後で色素の蛍光強度の変化が2割にな
るように制御した。
再生は、記録時と同じ波長のレーザで出力エネルギー
1mJ/cm2を照射して、色素2の蛍光帯の波長580nmの蛍光
を検知することで行なった。
尚、351nmの紫外線レーザ100mJ/cm2を照射する事が消
去が可能であった。
比較例4 比較のために色素2を含まない記録媒体を作成した。
0.1mmolのSP1801を100mlのクロロホルムに溶解した溶
液を用いて、LB法により単分子膜2層を累積して光学記
録媒体を作製した。基板は、石英基板を用いた。
作成時にSP1801は着色体で初期化された状態であっ
た。
この記録媒体にSP1801の吸収極大波長590nmの可視光
レーザで出力エネルギー350mJ/cm2を照射して記録を行
ない、同じ波長のレーザで出力エネルギー1mJ/cm2を照
射してSP1801の蛍光帯の波長680nmの蛍光を検知して再
生を行なった。記録条件は記録前後で色素の蛍光強度の
変化が2割になるように制御した。
以上述べた実施例4と比較例4との記録エネルギの値
を、第4表に示す。
第4表の様に、フォトクロミック化合物が実施例3と
は異なるスピロピランの場合も、記録層中に色素を含有
させることで、記録層中に色素を含まない従来の記録媒
体比べて、記録エネルギーは小さくなった。これは、本
実施例で用いた色素2の蛍光(λmax=580nm)とSP1801
の吸収(λmax=590nm)の重なりが大きいため、フォト
クロミック化合物へのエネルギー移動が起こりやすくな
り、しかも励起エネルギーの供与体である色素の濃度が
高いために、大量のエネルギーが移動するためである。
こうして、記録に相当するフォトクロミック反応が進行
しやすくなる。
実施例5 色素がJ会合を形成する場合について、J会合体の効
果を調べた。
色素として色素2、フォトクロミック化合物としてSP
1801を用いた。
0.5mmolの色素2と0.01mmolのSP1801と1.5mmolのヘキ
サデカンのを100mlのクロロホルムに溶解した溶液を用
いて、LB法により単分子膜2層を累積して光学記録媒体
を作成した。基板は、石英基板を用いた。
作製時から1801は着色体であり、初期化された状態で
あった。
また、作製された記録媒体中で色素2はJ会合体を形
成し、その吸収極大波長は540nm、蛍光極大波長は560nm
であった。
次に、色素2の吸収帯の波長540nmの可視光レーザで
出力エネルギー80mJ/cm2を照射して記録を行なった。記
録条件は、記録前後で色素の蛍光強度の変化が2割にな
るように制御した。
再生は、記録時と同じ波長のレーザで出力エネルギー
1mJ/cm2を照射して、色素2の蛍光帯の波長560nmの蛍光
を検知することで行なった。
記録後再生のために検出した蛍光強度を第5表に示
す。
この蛍光強度は実施例の未記録時の検出蛍光強度を1
とした場合の相対強度で表している。
尚、351nmの紫外線レーザ100mJ/cm2を照射する事で消
去が可能であった。
比較例5 比較のために、従来の再生法で再生を行った。
実施例と同じ記録媒体に、実施例5と同じ方法で記録
を行った。
再生は、記録時と同じ波長のレーザで出力エネルギー
1mJ/cm2を照射して、色素2の蛍光帯の波長560nmの蛍光
を検知することで行なった。
第5表に、記録後再生のために検出した蛍光強度を示
した。
また、実施例5の記録前後の蛍光強度の変化量は、再
生を吸収で行う従来の再生法の場合の吸収変化量よりも
大きかった。
但し、吸収検知により再生はフォトクロミック化合物
SP1801の吸収波長590nmの光を1mJ/cm2照射して行なっ
た。
このため、従来の再生法より再生が容易になった。
この様に、記録層中の色素がJ会合を形成する場合、
色素がJ会合体を形成しない場合(実施例4)に比べ
て、記録エネルギーが小さくなった。また、再生時に検
出される蛍光強度も従来の再生法より強くなった。
これは、本実施例で用いた色素2の蛍光(λmax=560
nm)とSP1801の吸収(λmax=590nm)の重なりが大きい
上に、記録層中の色素がJ会合体を形成するために、色
素からフォトクロミック化合物へのエネルギー移動が起
こりやすくなり、これにより記録に相当するフォトクロ
ミック反応が進行しやすくなるからである。
さらに、記録に用いる波長は、記録層中のフォトクロ
ミック化合物が同じであっても、記録層中の色素によっ
て500nm(実施例4)、560nm(実施例5)と変えること
が可能で、選択する記録用光源の自由度も増えた。
実施例6 発光の波長領域の広いランプで記録を行う場合の効果
を調べた。
色素として色素2、フォトクロミック化合物としてSP
1801を用いた。記録用光源にはキセノンランプを用い
た。
0.5mmolの色素2と0.01mmolのSP1801を100mlのクロロ
ホルムに溶解した溶液を用いて、LB法により単分子膜2
層を累積して光学記録媒体を作製した。基板は、石英基
板を用いた。
作製時から1801は着色体であり、初期化され状態であ
った。
次に、キセノンランプを400nmのシャープカットフィ
ルターを通して出力エネルギー250mJ/cm2で照射して記
録を行った。
記録条件は、記録前後で検出される蛍光強度の変化が
2割になるように制御した。この時の記録エネルギの結
果を第6表に示す。
再生は、記録時と同じ波長のレーザで出力エネルギー
1mJ/cm2を照射して、色素2の蛍光帯の波長580nmの蛍光
を検知することで行なった。
比較例6 比較のために色素を含まない記録媒体についてキセノ
ンランプで記録を行った。
フォトクロミック化合物として、SP1801を用いた。
0.5mmolの1801を100mlのクロロホルムに溶解した溶液
を用いて、LB法により単分子膜2層を累積して光学記録
媒体を作製した。基板は、石英基板を用いた。
次に、キセノンランプを400nmのシャープカットフィ
ルターを通して出力エネルギー810mJ/cm2で照射して記
録を行った。
記録条件は、記録前後で検出される蛍光強度の変化が
2割になるように制御した。この時の記録エネルギの結
果を第6表に示す。
再生は、SP1801が吸収する590nmの可視レーザで出力
エネルギー1mJ/cm2を照射して、色素2の蛍光帯の波長5
80nmの蛍光を検知することで行なった。
第6表の様に、記録層中に色素を含有する記録媒体を
用いて、キセノンランプの様に発光波長範囲の広い光源
で記録を行うと、色素を含まない記録媒体に比べて、記
録エネルギーが小さくなる効果が大きかった。
本実施例では記録時に色素とフォトクロミック化合物
がともに光を吸収する。したがって、フォトクロミック
化合物が、直接記録に相当するフォトクロミック反応を
おこし、さらに色素からの励起エネルギー移動によるフ
ォトクロミック反応も同時に起こる。このようにフォト
クロミック反応の進行が促進されて、記録のエネルギー
が小さくなる。
尚、実施例4〜6中で長鎖炭化水素の炭素数が18のス
ピロピランSP1801を用いているが、前記炭素数が11及び
31のものについても良好なLB膜が形成され、同様の効果
が得られた。
発明の効果 本発明の光学記録媒体は、記録層中に含有された色素
の蛍光が、フォトクロミック化合物の吸収と重なりを持
つ記録層からなるため、色素の吸収する波長の光を照射
して記録を行うことができ、色素からフォトクロミック
化合物への励起エネルギーの移動が効率よく起こり、記
録エネルギーが小さくなる効果がある。
また、本発明の記録媒体で、記録光の照射により、色
素とフォトクロミック化合物の両方が光吸収を起こし励
起される場合には、さらに記録エネルギーが低下し、同
時に光源の波長にも自由度がでて、光源の選択が容易に
なるという効果がある。
以上のように、本発明は新規な記録媒体とその記録再
生方法を提供するものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−234083(JP,A) 特開 平2−293737(JP,A) 特開 平4−284290(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】色素とフォトクロミック化合物を含む記録
    層において、前記色素の蛍光が前記フォトクロミック化
    合物の吸収と重なりを持ち、フォトクロミック反応を利
    用したことを特徴とする光学記録媒体。
  2. 【請求項2】記録層中の色素分子の数が、フォトクロミ
    ック化合物の分子の数より多いことを特徴とする、請求
    項1記載の光学記録媒体。
  3. 【請求項3】色素がJ会合体を形成することを特徴とす
    る、請求項1記載の光学記録媒体。
  4. 【請求項4】フォトクロミック化合物がスピロピランで
    あることを特徴とする、請求項1記載の光学記録媒体。
  5. 【請求項5】スピロピランが下記一般式の化学構造を持
    つことを特徴とする、請求項4記載の光学記録媒体。 (ただし、R1は炭化水素基、またR2は水素原子、炭化水
    素基、あるいは−OR3、−CH2OCOR3でR3は水素原子であ
    る炭化水素基である。またR1、R2とR3が炭化水素基であ
    る場合には、各々の炭素数が31以下で、かつ少なくとも
    1つの基は炭素数11〜31の炭化水素基)
  6. 【請求項6】請求項1記載の光学記録媒体を用い、色素
    が吸収する波長の光の照射で記録することを特徴とする
    光学記録媒体の記録方法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の光学記録媒体を用い、色素
    が吸収する波長の光を照射し、色素からの蛍光を検知す
    ることを特徴とする光学記録媒体の再生方法。
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