JP2501545Y2 - 誘電体基板の測定装置 - Google Patents

誘電体基板の測定装置

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JP2501545Y2
JP2501545Y2 JP13088089U JP13088089U JP2501545Y2 JP 2501545 Y2 JP2501545 Y2 JP 2501545Y2 JP 13088089 U JP13088089 U JP 13088089U JP 13088089 U JP13088089 U JP 13088089U JP 2501545 Y2 JP2501545 Y2 JP 2501545Y2
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容平 石川
裕明 田中
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は誘電体基板の測定装置に関し、特にたとえ
ば誘電体共振器の共振周波数の摂動から複素誘電率を測
定する、誘電体基板の測定装置に関する。
〔従来技術〕
マイクロ波を扱うハイブリッド集積回路には、セラミ
ック等から形成される誘電体基板が用いられる。したが
って、ハイブリッド集積回路を定量的に解析するには、
誘電体基板の複素誘電率およびtanδを、非接触、非破
壊の状態で高精度に測定する必要がある。
そこで、本件考案者等は、昭和61年度電子通信学会光
・電波部門全国大会において、『セラミック基板複素誘
電率の非接触相対局所測定法』という論文を発表し、そ
の中で誘電体基板の複素誘電率を測定するための測定装
置を開示した。その測定装置は、測定しようとする誘電
体基板の上面と下面に、それぞれTE01δモードの誘電体
共振器を取り付けた開口金属ケースを非接触の状態で配
置する構造である。そして、この測定装置においては、
TE01δモードの共振周波数,誘電体基板を2つの金属ケ
ース間に挿入しない状態での共振系の無負荷Q,誘電体共
振器のQ0の摂動から複素誘電率を求める。
このとき、無負荷Qが高ければ高い程、誘電損tanδ
の測定精度が高くなる。
〔考案が解決しようとする課題〕
従来の測定装置では、誘電体共振器のQ0が略7000程度
(共振周波数7GHzにおいて)であるので、誘電体基板の
tanδを余り高精度に測定することができない。
他方、最近開発されている高周波で低誘電体損失の誘
電体基板材料などは、高い測定精度が要求され、非常に
無負荷Qの高い誘電体共振器が必要になってきた。
それゆえに、この考案の主たる目的は、tanδを高い
精度で測定できる、誘電体基板の測定装置を提供するこ
とである。
〔課題を解決するための手段〕
この考案は、誘電体基板の上面側および下面側にそれ
ぞれの開口が対向するように配置される第1および第2
の金属ケース、第1および第2の金属ケース内に取り付
けられる第1および第2の誘電体共振器、第1および第
2の金属ケースに取り付けられる4つの端子、2つの端
子に接続されるネットワークアナライザ、および残りの
2つの端子に接続される正帰還ループを備える、誘電体
基板の測定装置である。
〔作用〕
第1および第2の金属ケース内に、それぞれたとえば
TE01δモードの第1および第2の誘電体共振器を配置す
る。そして、2つの端子にネットワークアナライザを、
残りの2つの端子に正帰還ループを接続する。ついで、
ネットワークアナライザから周波数信号を送る。する
と、第1および第2の金属ケースによってそれぞれ規定
される共振キャビティ内には電磁界が発生する。正帰還
ループは誘電体共振器の損失を補償し、したがってみか
け上に誘電体共振器のQ0が高くなる。この状態で摂動法
を利用して複素誘電率を測定する。
〔考案の効果〕
この考案によれば、正帰還ループによって、共振系の
無負荷Qを高くすることができるので、誘電体基板のta
nδを高精度に測定することができる。したがって、特
に高周波で低損失の誘電体基板材料であっても、その評
価が十分に行える。
この考案の上述の目的,その他の目的,特徴および利
点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明か
ら一層明らかとなろう。
〔実施例〕
第1図を参照して、この実施例の誘電体基板の測定装
置10は、それぞれ一面開口の上ケース12および下ケース
14を含む。これらの上ケース12および下ケース14は、そ
れぞれたとえばアルミニウムや銅またはそれらの合金な
どの良導体の金属から形成され、測定しようとする誘電
体基板16の上面側および下面側に非接触の状態で、その
開口が対向するように配置される。このようにして、た
とえば樹脂,紙などで形成された誘電体基板16を挟むよ
うに配置された上ケース12と下ケース14とで規定される
空間が共振キャビティとなる。
上ケース12内の天井部分(底板)の中心部には、低誘
電率の樹脂などで形成され円柱状の支持部18が、たとえ
ば接着剤などによって固着される。支持部18の下端部に
は、たとえばTE01δモードであり円柱状の誘電体共振器
20が、たとえば接着剤などによって取り付けられる。
また、上ケース12の側壁の下部には、コネクタ22およ
び24が対向するように取り付けられる。これらのコネク
タ22および24の接地電極は、上ケース12にそれぞれ接続
され、これらの中心導体の先端部がループ状にして共振
キャビティ内に臨まされる。
下ケース14内の底部にも上ケース12と同じように支持
部18が取り付けられ、その支持部18の上には同じ誘電体
共振器20が配置される。
また、下ケース14の側壁の上部には、コネクタ26およ
び28が対向するように取り付けられる。これらのコネク
タ26および28の接地電極は、下ケース14にそれぞれ接続
され、これらの中心導体の先端部がループ状にして共振
キャビティ内に臨まされる。
このように、上ケース12および下ケース14に合計4つ
のコネクタ22〜28が取り付けられる。
そして、コネクタ22および24にはネットワークアナラ
イザ30が接続され、コネクタ26および28には正帰還ルー
プ32が接続される。正帰還ループ32は増幅器34と位相調
整回路36との直列接続を含む。
このようにして形成される誘電体基板の測定装置10を
用いて誘電体基板16の複素誘電率を測定するには、ネッ
トワークアナライザ30から共振キャビティ内に周波数信
号を送る。すると、共振キャビティ内には電磁界が発生
する。このときの共振周波数の摂動を利用して複素誘電
率を測定する。
ここで、共振系のQは次式で表される。
或る実験例においてはQ0=7×103,Qe=7×104、A
=11.9とした。このとき、増幅器34を動作させれば、
Q0′=7×105となった。
そして、誘電体基板16のtanδ=10-3,周波数摂動を
1%とし、摂動後の無負荷QをQpとすれば、 (Q0−Qp)/Q0×100=6(%) (Q0′−Qp)/Q0′×100=88(%) となる。
このように、正帰還ループ32すなわち増幅器34を動作
させることによって、誘電体共振器20の損失を補償し、
みかけ上、誘電体共振器20のQ0をQ0′まで高くすること
ができる。したがって、上述の実験例でいえば、複素誘
電率の測定精度は従来の約15倍となる。
なお、上述の実施例においては、ネットワークアナラ
イザ30をコネクタ22および24に接続し、正帰還ループ32
をコネクタ26および28に接続したが、ネットワークアナ
ライザ36を端子22および26に接続し、正帰還ループ30を
コネクタ24および28に接続してもよい。すなわち、ネッ
トワークアナライザ36は4つのコネクタ22〜28の中から
任意の2つのコネクタに接続し、正帰還ループ30は残り
の2つのコネクタに接続すればよい。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を示す断面図解図である。 図において、10は誘電体基板の測定装置、12は上ケー
ス、14は下ケース、16は誘電体基板、20は誘電体共振
器、22,24,26,28はコネクタ、30はネットワークアナラ
イザ、32は正帰還ループを示す。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体基板の上面側および下面側にそれぞ
    れの開口が対向するように配置される第1および第2の
    金属ケース、 前記第1および第2の金属ケース内に取り付けられる第
    1および第2の誘電体共振器、 前記第1および第2の金属ケースに取り付けられる4つ
    の端子、 2つの端子に接続されるネットワークアナライザ、およ
    び 残りの2つの端子に接続される正帰還ループを備える、
    誘電体基板の測定装置。
JP13088089U 1989-11-09 1989-11-09 誘電体基板の測定装置 Expired - Lifetime JP2501545Y2 (ja)

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JP6301739B2 (ja) * 2014-06-02 2018-03-28 京セラ株式会社 誘電特性測定方法

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