JP2501298Y2 - シ―ルド掘削機の障害物掘削装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は，シールド掘削機の障害物掘削装置に関する
ものである。

（従来の技術） 従来のシールド掘削機の障害物掘削装置を第4,5図に
より説明すると，（１）が鋭角な障害物掘削刃，（２）
が通常のカツタビツト，（３）がカツタヘツド（6a）の
カツタスポーク部，（４）がカツタヘツド（6a）のカツ
タフエース面板部，（５）が障害物，（６）がシールド
掘削機本体で，カツタヘツド（6a）をシールド掘削機本
体（６）の前部に回転可能に取付け，各カツタビツト
（２）をカツタヘツド（6a）のカツタスポーク部（３）
に溶接等により固定し，各障害物掘削刃（１）をカツタ
スポーク部（３）を含むカツタフエース面板部（４）の
全域に分散，配置して，これをカツタスポーク部（３）
を含むカツタフエース面板部（４）に溶接等により固定
して，同各障害物掘削刃（１）の先端部を上記各カツタ
ビツト（２）の先端部よりも前方に突出させており，シ
ールド掘削機本体（６）を前進させるとともにカツタヘ
ツド（6a）を回転させ，各カツタビツト（２）及び各障
害物掘削刃（１）を土及び障害物（５）に押し当てて，
これを掘削するようにしている。

（考案が解決しようとする課題） 前記第4,5図に示す従来のシールド掘削機の障害物掘
削装置では，杭等に入っている鉄筋をも掘削できること
がテスト及び実工事で実証されているが，シールド掘削
機を使用した掘削工事で，鉄筋の入った障害物（５）に
遭遇するのは，工事区間の途中であることが多く，鉄筋
の入った障害物（５）を掘削した後の通常の土を掘削し
ている段階で，障害物掘削刃（１）が磨耗して，それ以
後の土の掘削作業が不可能になる。また障害物（５）の
量が多い場合には，障害物（５）を掘削している途中で
障害物掘削刃（１）が磨耗して，それ以後の障害物
（５）の掘削作業が不可能になるという問題があった。

本考案は前記の問題点に鑑み提案するものであり，そ
の目的とする処は，障害物を掘削している途中での掘削
刃の磨耗に基づく掘削作業の中断を防止できるシールド
掘削機の障害物掘削装置を提供しようとする点ある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために，本考案のシールド掘削
機の障害物掘削装置は，カツタヘッドのカツタフエース
面板部の全域に複数の切削刃を分散、配置し、同各切削
刃を複数の群に分けて、一部の群の掘削刃を上記カツタ
フエース面板部に固定して切羽側へ突出するとともに、
残りの群の掘削刃を上記カツタフエース面板部に同面板
部から切羽側への突出及び反対側への後退を可能に取付
けている。

（作用） 本考案のシールド掘削機の障害物掘削装置は前記のよ
うに構成されており、シールド掘削機本体を前進させる
とともにカツタヘツドを回転させ、各カツタヘツド及び
一部の群の各切削刃を土に押し当てて、土を掘削してい
るときに、障害物に遭遇すると、障害物を一部の群の切
削刃により掘削する。そして同一部の群の切削刃が摩耗
すると、残りの群の切削刃を前進させ、その先端部をカ
ツタフエース面板部から切羽側へ次々に突出させ、これ
を障害物に押し当てて、土及び障害物の掘削作業を続行
する。

（実施例） 次に本考案のシールド掘削機の障害物掘削装置を第1,
2図に示す一実施例により説明すると，（1b）が第１群
の鋭角な掘削刃，（1a）が第２群の鋭角な掘削刃，
（２）が通常のカツタビツト，（３）がカツタヘツド
（6a）のカツタスポーク部，（４）がカツタヘツド（6
a）のカツタフエース面板部，（６）がシールド掘削機
本体で，カツタヘツド（6a）をシールド掘削機本体
（６）の前部に回転可能に取付け，各カツタビツト
（２）をカツタヘツド（6a）に溶接等により固定してい
る。また第１群の掘削刃（1b）をカツタスポーク部
（３）を含むカツタフエース面板部（４）の全域に分
散，配置し，これを溶接等により固定して，同各掘削刃
（1b）の先端部を上記各カツタビツト（２）から切羽側
へ突出している。また第２群の掘削刃（1a）をカツタス
ポーク部（３）を含むカツタフエース面板部（４）の全
域に分散，配置して，同各掘削刃（1a）を次のように前
進可能に支持している。即ち，（９）が上記カツタヘツ
ド（6a）後部の反力板，（７）が上記第２群の掘削刃
（1a）を１個または複数個単位で（図の場合２個単位
で）支持する連結板，（８）が同連結板（７）を上記反
力板（９）に前後進可能に支持するジャッキで，同ジャ
ッキ（８）を伸長方向に作動して，第２群の掘削刃（1
a）をカツタビツト（２）の先端部から切羽側へ突出さ
せるようになっている（第１図の（1a′）参照）。なお
第１群の掘削刃（1b）も第２群の掘削刃（1a）と同様に
前後進可能に支持してもよい。

次に前記第1,2図に示すシールド掘削機の障害物掘削
装置の作用を具体的に説明する。シールド掘削機本体
（６）を前進させるとともにカツタヘツド（6a）を回転
させ，カツタビツト（２）及び第１群の各掘削刃（1b）
を土に押し当てて，土を掘削しているときに，障害物に
遭遇すると，土及び障害物を同第１群の各掘削刃（1b）
により掘削する。そして同第１群の掘削刃（1b）が磨耗
すると，ジャッキ（８）を伸長方向に作動して，第２群
の掘削刃（1a）をカツタビツト（２）の先端部から切羽
側へ突出させ（（1a′）参照），これを障害物に押し当
てて，土及び障害物の掘削作業を続行する。

第３図は，掘削刃の形式を回転式掘削刃に変えた他の
実施例で，この実施例では，ジャッキ（８）を作動し，
掘削刃（1c）を垂直な回転中心軸線を中心に回転して，
同掘削刃（1c）の先端部をカツタビツト（２）の先端部
から切羽側へ突出させるようにしており（（1c′）参
照），シールド掘削機本体（６）を前進させるとともに
カツタヘツド（6a）を回転させ，掘削刃（1c）を回転
（公転）させて，土及び障害物を掘削するときの抵抗に
より，回転式掘削刃（1c）を回転（自転）させるように
している。

（考案の効果） 本考案のシールド掘削機の障害物掘削装置は前記のよ
うにシールド掘削機本体を前進させるとともにカツタヘ
ツドを回転させ、各カツタヘツド及び一部の群の各切削
刃を土に押し当てて、土を掘削しているときに、障害物
に遭遇すると、障害物を一部の群の切削刃により掘削す
る。そして同一部の群の切削刃が摩耗すると、残りの群
の切削刃を前進させ、その先端部をカツタフエース面板
部から切羽側へ次々に突出させ、これを障害物に押し当
てて、土及び障害物の掘削作業を続行するので、障害物
を掘削している途中での掘削刃の摩耗に基づく掘削作業
の中断を防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わるシールド掘削機の障害物掘削装
置の一実施例を示す縦断側面図，第２図はその斜視図，
第３図は他の実施例を示す縦断側面図，第４図は従来の
シールド掘削機の障害物掘削装置を示す側面図，第５図
はその斜視図である。 （1a）（1c）（1c）……掘削刃，（２）……カツタビツ
ト，（３）……カツタスポーク部，（４）……カツタフ
エース面板部，（５）……障害物，（６）……シールド
掘削機本体，（6a）……カツタヘツド，（７）……連結
板，（８）……ジヤツキ，（９）……カツタヘツド（6
a）の反力板。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カツタヘッドのカツタフエース面板部の全
   域に複数の切削刃を分散、配置し、同各切削刃を複数の
   群に分けて、一部の群の掘削刃を上記カツタフエース面
   板部に固定して切羽側へ突出するとともに、残りの群の
   掘削刃を上記カツタフエース面板部に同面板部から切羽
   側への突出及び反対側への後退を可能に取付けたことを
   特徴とするシールド掘削機の障害物掘削装置。