JPH0626620Y2 - カッターヘッド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、水道管等に用いる塩化ビニール製等のパイプ
を配管するため、一定の径を有する円形断面の孔を地中
に掘削する際に、地中配管用装置の駆動軸先端に連結し
て用いるカッターヘッドに関するものである。

（従来の技術） 従来より、カッターヘッドを使用した地中への水道管等
の配管工事は、地中配管用装置の駆動軸先端に連結した
各種のカッターヘッドによって、地中に横方向の孔を掘
削し、当該横方向の孔に塩化ビニール製等のパイプを圧
入していくものであって、カッターヘッドによって掘削
された横方向の孔は、圧入する塩化ビニール製等のパイ
プの外径よりもやや小径であれば、その形状を意識する
ものではなく、地中配管用装置による押圧力によって塩
化ビニール製等のパイプを圧入するものであった。

そして、このカッターヘッドによる掘削は軟かい土質を
対象とするものであった。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、地中に配管する塩化ビニール製等のパイプを円
滑に圧入するためには、一定の径を有する円形断面の孔
を掘削する必要がある。従来のカッターヘッドは、塩化
ビニール製等のパイプの径よりもやや小径の孔を掘削す
ることのみを目的とするものであるが、掘削すべき範囲
の土質が通常の硬度である場合には、地中にほぼ一定の
径を有する円形断面の孔を掘削することができるのであ
るが、コンクリートまたはこれに類する硬度の高い土質
の場合には、カッターヘッドに設けられた掘削刃が作用
する部分の周辺が崩れ落ち、一定の径を有する円形断面
の孔を掘削することは極めて困難であり、配管用の孔を
掘削するには不適当なものであった。

本考案は上記諸点にかんがみ、コンクリートまたはそれ
に類する硬度の高い土質において、配管用の一定の径を
有する円形断面の孔を掘削することができるカッターヘ
ッドを提供することを目的とするものである。

（問題を解決するための手段） 本考案は、推進可能な回転駆動軸の先端に連結するヘッ
ド軸と、該ヘッド軸の前側先端に設けられた掘削刃と、
上記ヘッド軸先端よりも後方の位置に、該ヘッド軸から
放射状に立設する支持部と、該支持部の前側端面に設け
られた掘削刃と、上記ヘッド軸の先端よりも後方、か
つ、上記支持部の前側端面よりも前方の位置に、該支持
部を包囲するように設けられた円筒体カッター部と、該
円筒体カッター部の前側端面の全周に設けられた掘削刃
とからなることを特徴とする地中配管用装置のカッター
ヘッドを要旨とする。

（作用） 本考案によれば、カッターヘッドを回転させながら前方
へ推進させていくと、ヘッド軸の前側先端に設けた掘削
刃が、コンクリート等の掘削すべき円形断面の孔の中心
部分を掘削し、同時にヘッド軸が掘削された中心部分に
挿入される。さらに回転させながら前方へ推進させてい
くと、円筒体カッター部の前側端面の全周に設けた掘削
刃が円形断面の孔の外径を掘削することとなる。そし
て、円筒体カッター部に設けた掘削刃によって掘削され
たコンクリート等は、塊となって円筒体カッター部の内
側に侵入する。さらに回転させながら前方へ推進させて
いくと、円筒体カッター部の内側に立設する支持部が、
円筒体カッター部内に侵入したコンクリート等の塊に衝
突し、支持部の前側端面に設けた掘削刃によって、コン
クリート等の塊を砕くこととなる。さらに回転させなが
ら前方へ推進させていくと、砕かれたコンクリート等
は、前方より順次侵入してくるコンクリート等の塊に押
されて、後方へ送られることとなり、ヘッド軸から放射
状に立設する各支持部の間隙よりカッターヘッドの後側
外方へ排出されることとなる。

このように、掘削すべきコンクリート等において、ヘッ
ド軸を中心に円筒体カッター部が設けるべき円形断面の
孔の径に従って掘削した後、支持部によって、細かく砕
かれて排出されていくことになり、円筒体カッター部の
外径に沿った円形断面の孔を掘削することができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

本考案のカッターヘッド（１）は、第１図に示すよう
に、地中配管用装置（２）の先端に取付けられるもので
あり、駆動軸（３）に、ヘッド軸（４）が連結されてい
る。駆動軸（３）は、地中配管用装置（２）の油圧動力
源（５）の作動によって、回転しながら推進できるよう
なものである。このため、駆動軸（３）に連結されたヘ
ッド軸（４）は、駆動軸（３）に連動して回転しながら
推進することができる。そして、第２図に示すように、
ヘッド軸（４）の前側先端には、掘削刃（６）が設けら
れている。ヘッド軸（４）の後方に、ヘッド軸（４）の
表面から支持部（７）が放射状に立設されている。放射
状に立設された各支持部（７）の前側端面には、掘削刃
（８）が設けられている。さらに、各支持部（７）を包
囲するように、カッター部（９）が設けられている。カ
ッター部（９）は円筒体であり、前側端面の全周には、
掘削刃（１０）が設けられている。カッター部（９）
は、ヘッド軸（４）よりも後方であり、支持部（７）の
位置よりも前方の位置に設けられている。カッター部
（９）に設けられた掘削刃（１０）は支持部（７）に設
けられた掘削刃（８）の位置よりも前方に位置するよう
になっている。

次に、本考案による掘削工程を説明する。地中配管用装
置（２）を油圧動力源（５）によって起動させることに
よって、駆動軸（３）に連結されたカッターヘッド
（１）が回転しながら前方へ推進する。

そして、第３図に示すように、ヘッド軸（４）の前側先
端に設けた掘削刃（６）が、コンクリート等（１１）に
当接する。ヘッド軸（４）の回転と前方への推進によっ
て、掘削刃（６）が、ヘッド軸（４）を挿入できる孔
（ａ）を掘削すると同時に、ヘッド軸（４）が掘削され
た孔（ａ）に挿入される。

さらに、カッターヘッド（１）が回転しながら前方へ推
進していくと、第４図に示すように、ヘッド軸（４）の
後方に設けられたカッター部（９）の掘削刃（１０）が
コンクリート等（１１）に当接する。掘削刃（１０）
は、円筒体のカッター部（９）の前側端面の全周に設け
られていることから、回転しながら掘削すべき範囲の外
径部分（ｂ）を掘削することができる。このとき、ヘッ
ド軸（４）が、掘削刃（６）によって掘削された孔
（ａ）に挿入されていることから、外径部分（ｂ）の掘
削を、その径が偏心することなく安定的に行うことがで
きる。こうして、掘削刃（１０）によって外径部分
（ｂ）の掘削が行われ、さらにカッターヘッド（１）を
回転させながら前方へ推進させていく。

そして、第５図に示すように、掘削刃（１０）によって
掘削されたコンクリート等（１１）は、塊（１１ａ）と
なってカッター部（９）の内側へ侵入していく。塊（１
１ａ）は、前方へ推進していく支持部（７）に設けられ
た掘削刃（８）に当接し、さらに細かく砕かれる。砕か
れた小塊（１１ｂ）は、カッターヘッド（１）がさらに
前方へ推進するにしたがって、各支持部（７）の間隙を
通過して、カッターヘッド（１）の後方へ押し出され、
外部へ排出される。

このようにして、カッター部（９）の掘削刃（１０）に
よって外径部分（ｂ）を設け、その際にできるコンクリ
ート等（１１）の塊（１１ａ）を、支持部（７）の掘削
刃（８）によって細かく砕き、砕かれた小塊（１１ｂ）
が、支持部（７）の間隙を通過してカッターヘッド
（１）の後方へ押し出されて排出されることから、掘削
すべき範囲が、コンクリートまたはこれに類する硬度の
高い土質である場合に、円筒体のカッター部（９）の外
径に沿った円形断面の孔（１２）を掘削することができ
る。

また、カッター部（９）の掘削刃（１０）による掘削
は、掘削しない範囲のコンクリート等（１１）には、影
響を与えないため、周辺部が崩壊することがなく、第６
図に示すように、塩化ビニール製等のパイプ（１３）の
配管に適した円形断面の孔（１２）を掘削することがで
きる。

（効果） 以上のように、円筒体カッター部の前側端面の全周に掘
削刃を設けることによって、コンクリートまたはそれに
類する硬度の高い土質において、円筒体カッター部の外
径に沿った円形断面の孔を掘削することができる。

また、ヘッド軸を中心に円筒体カッター部が回転して掘
削することにより、円筒体カッター部の外径に沿った円
形断面の孔が偏心することなく正確に掘削することがで
きる。

さらに、砕かれたコンクリート等を、支持に設けた掘削
刃によって、さらに細かく砕くことができ、カッターヘ
ッドが前方へ推進することによって、砕かれたコンクリ
ート等を後方へ排出することができるため、効率の良い
掘削を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案にかかるカッターヘッドの使用状態を
示す図である。 第２図は、本考案にかかるカッターヘッドの斜視図であ
る。 第３図ないし第５図は、掘削状態をあらわす断面図であ
る。 第６図は、配管の状態を示す断面図である。 １……カッターヘッド ２……地中配管用装置 ３……駆動軸 ４……ヘッド軸 ５……油圧動力源 ６……掘削刃 ７……支持部 ８……掘削刃 ９……カッター部 １０……掘削刃 １１……コンクリート等 １２……円形断面の孔 １３……パイプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】推進可能な回転駆動軸の先端に連結するヘ
   ッド軸と、該ヘッド軸の前側先端に設けられた掘削刃
   と、上記ヘッド軸先端よりも後方の位置に、該ヘッド軸
   から放射状に立設する支持部と、該支持部の前側端面に
   設けられた掘削刃と、上記ヘッド軸の先端よりも後方、
   かつ、上記支持部の前側端面よりも前方の位置に、該支
   持部を包囲するように設けられた円筒体カッター部と、
   該円筒体カッター部の前側端面の全周に設けられた掘削
   刃とからなることを特徴とするカッターヘッド。