JP2500975Y2 - 縦型エンジンの潤滑オイルリリ―フ装置 - Google Patents

縦型エンジンの潤滑オイルリリ―フ装置

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JP2500975Y2
JP2500975Y2 JP1990007567U JP756790U JP2500975Y2 JP 2500975 Y2 JP2500975 Y2 JP 2500975Y2 JP 1990007567 U JP1990007567 U JP 1990007567U JP 756790 U JP756790 U JP 756790U JP 2500975 Y2 JP2500975 Y2 JP 2500975Y2
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和夫 峯野
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、芝刈機などに用いるクランクシャフトを
縦置きにした縦型エンジンの潤滑オイルリリーフ装置に
関する。
〔従来の技術〕
芝刈機などでは、クランクシャフトを縦置きにした縦
型エンジンを用い、クランクシャフトの下端にカッタを
連結して回転させて芝を刈るようにしている。この種の
縦型エンジンでは、ロアクランクケースに所定量の潤滑
オイルを入れてオイルパンにし、クランクシャフトに連
動させたカムシャフトまたはバランサシャフトにオイル
ポンプを取付け、オイルポンプで潤滑オイルを汲上げ
て、各部を潤滑するようにしている。一般には、第9図
および第10図に示すように、クランクシャフトAに連動
するカムシャフトBなどの下端にオイルポンプCを連結
してポンプカバーDで被着し、ロアクランクケースEに
溜められた潤滑オイルをオイルストレーナFを介して吸
入孔Gに吸入し、オイルフィルタ側の通孔Hに吐出する
ようにしている。そして、通孔Hには、リリーフ孔Jを
設けてリリーフ弁KをバネLで押えてキャップMでバネ
Lを止めていて、通孔Hの潤滑オイルの圧力を一定に保
ち、余分な潤滑オイルをリリ一フ弁Kが開いて逃すよう
にしている。例えば、実開昭62−105311号公報、実開昭
58-82414号公報参照。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記従来の潤滑オイルリリーフ装置に
おいては、リリーフ孔Jが吸入孔Gの入口がオイルスト
レーナFに近いため、リリーフ孔Jから吸入孔Gの入口
までの経路が短く、リリーフした潤滑オイルに含まれる
泡が吸入孔Gに吸入されることがあり、このため潤滑オ
イルの供給量が不足することがある。
この考案は、かかる点に鑑み、リリーフされた潤滑オ
イルに含まれる泡がオイルポンプの吸入孔に吸込まれる
ことを防止する縦型エンジンの潤滑オイルリリーフ装置
を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、この考案の縦型エンジン
の潤滑オイルリリーフ装置は、縦置きにしたクランクシ
ャフト(3)を支持するクランクジャーナル(8)と、
前記クランクシャフト(3)に連動するカムシャフト
(5)の下端部を支持するカムジャーナル(9)とを上
方に突出させてロアクランクケース(1)に一体形成
し、前記カムジャーナル(9)を挟んで前記クランクジ
ャーナル(8)とは反対側にオイルフィルタ(11)を配
置した縦型エンジンにおいて、前記カムシャフト(5)
の下端にオイルポンプ(7)を連結すると共に、該オイ
ルポンプ(7)を前記カムジャーナル(9)の下側に設
けたポンプ室(10)に収容し、前記クランクジャーナル
(8)と前記カムジャーナル(9)と前記オイルフィル
タ(11)とを連結する壁(12)を前記ロアクランクケー
ス(1)内を区画するように該ケース(1)に一体形成
すると共に、前記クランクジャーナル(8)と前記ポン
プ室(10)と前記オイルフィルタ(11)とを連通する通
油孔(13)を前記壁(12)の内部に形成し、前記クラン
クジャーナル(8)と前記カムジャーナル(9)との間
における壁(12)の一側では、通油孔(13)に連通する
リリーフ孔(18)の出口側を開口させる一方、他側で
は、前記ロアクランクケース(1)の底壁(1a)にオイ
ルポンプ(7)の吸入孔(14)を設けると共に該吸入孔
(14)の入口(14a)を前記底壁(1a)の内部から上方
に向けて開口させ、さらに前記壁(12)の他側であって
前記吸入孔(14)の入口(14a)よりも外方位置に、導
入側の面を該外方側に向けたオイルストレーナ(15)を
立設し、該オイルストレーナ(15)の一側端(15a)を
前記クランクジャーナル(8)に近接させると共に他側
端(15b)を前記カムジャーナル(9)に近接させたこ
とを特徴とする縦型エンジンの潤滑オイルリリーフ装置
である。
〔作用〕
本考案によれば、リリーフ孔(18)の出口側から逃げ
た潤滑オイルは、前記壁(12)の存在により、吸入孔
(14)の入口(14a)に達するまでには壁(12)の一側
およびクランクジャーナル(8)周りを経由する。した
がって、リリーフ孔(18)から入口(14a)に達するま
での回路が長くなるため、リリーフした潤滑オイルが入
口(14a)に達するまでに、潤滑オイルに含まれる泡を
無くするか、または、入口(14a)に吸入される泡を大
幅に少なくすることができる。
また、オイルストレーナ(15)の一側端(15a)をク
ランクジャーナル(8)に近接させると共に他側端(15
b)をカムジャーナル(9)に近接させたので、入口(1
4a)は、壁(12)、クランクジャーナル(8)、カムジ
ャーナル(9)およびオイルストレーナ(15)によって
囲まれるため、入口(14a)へ吸入される潤滑オイル
は、その吸入前にオイルストレーナ(15)の外方側の導
入面からオイルストレーナ(15)を抜けて濾過される。
よって、この濾過の過程でも前記泡の吸入が防止され
る。
さらに入口(14a)が底壁(1a)の内部から上方に向
けて開口したものであるため、潤滑オイルは、入口(14
a)で下方に向けて吸い込まれるようになる。よって、
泡は、上方に分離し入口(14a)には吸い込まれにくく
なるので、より一層泡の吸入が防止される。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を第1図乃至第8図によって説
明する。
クランクケースは、第6図に示すように、ロアクラン
クケース1の上にアッパクランクケース2を重ね合せて
締着するようにしてある。クランクシャフト3は、ロア
クランクケース1およびアッパクランクケース2を貫通
させて縦に配置する。ピストン4は、横方向に往復運動
する。クランクシャフト3には、カムシャフト5とバラ
ンサシャフト6を歯車で連結して連動させる。カムシャ
フト5の下端には、第5図に示すように、トロコイド型
のオイルポンプ7を連結する。ロアクランクケース1に
は、第1図に示すように、クランクジャーナル8やカム
ジャーナル9を上方に向けて突出させて設けてあり、カ
ムジャーナル9の下側には、第2図および第8図に示す
ように、ロアクランクケース1を上方に快ってポンプ室
10を設け、このポンプ室10には、第5図に示すように、
オイルポンプ7を挿入してある。オイルフィルタ11は、
第7図に示すように、カムジャーナル9を挟んでクラン
クジャーナル8とは反対側に配置されており、ロアクラ
ンクケース1のカムジャーナル9の外側部分に締着する
ようにしてある。
そして、第1図に示すように、クランクジャーナル8
とカムジャーナル9とオイルフィルタ11とを連結する壁
12を、ロアクランクケース1内を区画するように該ケー
ス1に一体形成すると共に、クランクジャーナル8とポ
ンプ室10とオイルフィルタ11とを連通する通油孔13を前
記壁12の内部に穿設する。
クランクジャーナル8とカムジャーナル9との間にお
ける壁12の一側では、第1図および第4図に示すよう
に、通油孔13に連通するリリーフ孔18の出口側を開口さ
せてある。リリーフ孔18は、第3図に示すように、ロア
クランクケース1に上方に突出させて一体に設け、その
上部には出口となるスリット19を設ける。リリーフ孔18
には鋼球のリリーフ弁20を挿入してバネ21で押え、バネ
21をオイルストレーナ15(後述)のカバー16で止める。
ポンプ室10は、下側にキャップ17を取付けてシールして
ある。
一方、クランクジャーナル8とカムジャーナル9との
間における壁12の他側では、第1図および第4図に示す
ように、ロアクランクケース1の底壁1aにオイルポンプ
7の吸入孔14を設けると共に吸入孔14の入口14aを底壁1
aの内部から上方に向けて開口させてある。
さらに壁12の他側であって吸入孔14の入口14aよりも
外方位置には、第1図に示すように、導入側の面を該外
方側に向けたオイルストレーナ15を立設し、オイルスト
レーナ15の一側端15aをクランクジャーナル8に近接さ
せると共に他側端15bをカムジャーナル9に近接させ
る。オイルストレーナ15は、第4図に示すように、前記
バネ21の上端を受けたカバー16で上方から押え止められ
る。なお、ロアクランクケース1には、所定量の潤滑オ
イルを注入してオイルバスにする。
以上のような構成を有する本実施例においては、オイ
ルストレーナ15で塵が取除かれた潤滑オイルは、入口14
aから吸入孔14を介してオイルポンプ7に流れた後、通
油孔13からオイルフィルタ11に流れて、さらに細い塵が
取除かれて通油孔13をさらに流れてクランクジャーナル
8などに導かれる。通油孔13の油圧が高いときは、リリ
ーフ孔18を塞いでいるリリーフ弁20が、油圧でバネ21を
押上げて開き、余分な潤滑オイルがリリーフ孔18から流
出する。
リリーフ孔18の出口となるスリット19から逃げた潤滑
オイルは、泡立っているが、壁12の存在により吸入孔14
の入口14aに達するまでには壁12の一側およびクランク
ジャーナル8周りを通らねばならない。したがって、リ
リーフ孔18から入口14aに達するまでの回路が長くなる
ため、リリーフした潤滑オイルが入口14aに達するまで
の間に、潤滑オイルに含まれる泡を無くするか、また
は、入口14aに吸入される泡を大幅に少なくすることが
できる。
また、オイルストレーナ15の一側端15aをクランクジ
ャーナル8に近接させると共に他側端15bをカムジャー
ナル9に近接させたので、入口14aは、壁12、クランク
ジャーナル8、カムジャーナル9およびオイルストレー
ナ15によって囲まれるため、入口14aへ吸入される潤滑
オイルは、その吸入前にオイルストレーナ15の外方側の
導入面からオイルストレーナ15を抜けて濾過される。よ
って、この濾過の過程でも前記泡の吸入が防止される。
さらに、入口14aが底壁1aの内部から上方に向けて開
口したものであるため、潤滑オイルは、入口14aで下方
に吸い込まれるようになる。よって、泡は、上方に分離
し入口14aには吸い込まれにくくなるので、より一層泡
の吸入が防止される。
さらに、従来の潤滑オイルリリーフ装置は、第9図に
示すごとくリリーフ孔J、リリーフ弁K、ポンプカバー
Dの孔、バネL、キャップM、キャップMを締着するボ
ルトで構成されており、部品点数が多くコスト高である
のに対し、本実施例では、リリーフ孔18がロアクランク
ケース1に一体形成され、かつ、スリット19も一体鋳造
でき、しかもリリーフ弁20のバネ21をオイルストレーナ
15のカバー16で受けるので、部品構成が少く、安価にで
きてコストダウンが図れる。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案によれば、潤滑オイル
に含まれた泡が良好に消失するため、吸入孔(14)の入
口(14a)に吸入される泡が無くなるか大幅に少くな
り、潤滑不足になることを解消できる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第8図は本考案の一実施例を示し、第1図は
ロアクランクケースの要部の平面図、第2図は同底面
図、第3図は第7図X−X矢視拡大断面図、第4図は第
1図Y−Y矢視拡大断面図、第5図は第2図Z−Z矢視
拡大断面図、第6図は全体の概略展開側面図、第7図は
ロアクランクケースの平面図、第8図は同底面図、第9
図および第10図は従来例を示し、第9図は第10図W−W
矢視拡大断面図、第10図はロアクランクケースの平面図
である。 1……ロアクランクケース、1a……底壁、3……クラン
クシャフト、5……カムシャフト、7……オイルポン
プ、8……クランクジャーナル、9……カムジャーナ
ル、10……ポンプ室、11……オイルフィルタ、12……
壁、13……通油孔、14……吸入孔、14a……入口、15…
…オイルストレーナ、15a……オイルストレーナの一側
端、15b……オイルストレーナの他側端、18……リリー
フ孔、19……スリット。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】縦置きにしたクランクシャフト(3)を支
    持するクランクジャーナル(8)と、前記クランクシャ
    フト(3)に連動するカムシャフト(5)の下端部を支
    持するカムジャーナル(9)とを上方に突出させてロア
    クランクケース(1)に一体形成し、前記カムジャーナ
    ル(9)を挟んで前記クランクジャーナル(8)とは反
    対側にオイルフィルタ(11)を配置した縦型エンジンに
    おいて、 前記カムシャフト(5)の下端にオイルポンプ(7)を
    連結すると共に、該オイルポンプ(7)を前記カムジャ
    ーナル(9)の下側に設けたポンプ室(10)に収容し、
    前記クランクジャーナル(8)と前記カムジャーナル
    (9)と前記オイルフィルタ(11)とを連結する壁(1
    2)を前記ロアクランクケース(1)内を区画するよう
    に該ケース(1)に一体形成すると共に、前記クランク
    ジャーナル(8)と前記ポンプ室(10)と前記オイルフ
    ィルタ(11)とを連通する通油孔(13)を前記壁(12)
    の内部に形成し、 前記クランクジャーナル(8)と前記カムジャーナル
    (9)との間における壁(12)の一側では、通油孔(1
    3)に連通するリリーフ孔(18)の出口側を開口させる
    一方、他側では、前記ロアクランクケース(1)の底壁
    (1a)にオイルポンプ(7)の吸入孔(14)を設けると
    共に該吸入孔(14)の入口(14a)を前記底壁(1a)の
    内部から上方に向けて開口させ、 さらに前記壁(12)の他側であって前記吸入孔(14)の
    入口(14a)よりも外方位置に、導入側の面を該外方側
    に向けたオイルストレーナ(15)を立設し、該オイルス
    トレーナ(15)の一側端(15a)を前記クランクジャー
    ナル(8)に近接させると共に他側端(15b)を前記カ
    ムジャーナル(9)に近接させたことを特徴とする縦型
    エンジンの潤滑オイルリリーフ装置。
JP1990007567U 1990-01-31 1990-01-31 縦型エンジンの潤滑オイルリリ―フ装置 Expired - Lifetime JP2500975Y2 (ja)

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