JPH0619780Y2 - オイルフイルタ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車に搭載される内燃機関および各機器の
オイルを濾過するオイルフイルタ装置に関し、さらに詳
しくは、エレメントの交換時に、異物やダストが本体ケ
ースの二次通路に混入しないようにしたオイルフイルタ
装置に関するものである。

〔従来技術〕

自動車等の潤滑系統は、第２図のように構成されてお
り、この潤滑系統には、オイルパン１に通ずるオイルポ
ンプ２から供給されたオイルを濾過するための全流式の
オイルフイルタ装置３が設けられ、このオイルフイルタ
装置３内に設けるペーパ式のオイルフイルタ４は第３図
のように構成されている。

つまり、オイルポンプ２で圧送されたオイルは、第３図
に示す本体ケース５の一次通路（入口通路）６から上昇
して矢印方向でエレメント７を通過することにより濾過
された後、エレメント７の内側通路10に連通する本体ケ
ース５の二次通路９を通り、二次通路９の下方に設けた
逆止弁11の開弁位置で二次通路12からオイルサーモスタ
ツト13またはインジエクシヨンポンプ14等の各機器に供
給される。また、エンジンの停止状態では、逆止弁11が
閉弁位置となることによつて本体ケース５の二次通路９
内に所定量のオイルが貯留され、二次通路９内にエアー
が溜まらないようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、従来のエレメント７は、本体ケース５に設け
たボス15に、下端が螺入する上下方向のセンターボルト
16の着脱操作によつて、カバー17と一体的、または個別
的に着脱自在となつているので、エレメント７の交換に
際しセンターボルト16を取外し、カバー17およびエレメ
ント７を取り外すと、露出するボス15周りの二次通路９
に、エレメント７に付着の異物・または取り外した後の
ダスト等が落ち込み、この異物またはダストは、二次通
路12を通つて他の機器にオイルと一緒に流れ込んでしま
う、という危険があつた。

また、実公昭46−11965号公報には、センターボルトを
中空構造として、エレメントによって濾過されたオイル
を、このセンターボルトの側周面に形成した連通穴から
センターボルト内の二次通路に循環させるように構成
し、エレメントの交換時には、センターボルトが本体ケ
ース側に残るようにしたオイルフィルタ装置が提案され
ている。

しかしながら、このオイルフィルタ装置によると、エレ
メントの交換時に、エレメントを上方に持ち上げると、
それに伴う攪拌流がオイルフィルタ内のオイルに発生
し、同時にエレメントの表面から落下した異物やダスト
が下方から巻き上げられることになるので、その一部が
連通穴から本体ケースの二次通路に流入してしまうとい
う問題があった。

本考案は以上の問題点に鑑みて、オイルフィルタのエレ
メントを交換する際に、交換作業に伴う攪拌流がオイル
フィルタ内のオイルに発生して、エレメントの表面から
落下した異物やダストが巻き上げられた場合であって
も、それらの異物やダストが、本体ケースの二次通路に
流入することを防止できるオイルフィルタ装置を提供す
ることを目的とするものである。

〔問題を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本考案のオイルフィルタ装置
は、内部に濾過後のオイルが流れる二次通路を形成した
センターボルトの下端をオイルフィルタの本体ケースに
螺合すると共に、このセンターボルトの上端に螺合した
着脱ボルトによってカバーを本体ケースに固定し、この
カバーの内側にセンターボルトを囲繞するエレメントを
収容したオイルフィルタ装置において、前記センターボ
ルトに形成した二次通路と、このセンターボルトとエレ
メントの間に形成される内側通路とを連通する連通穴
を、センターボルトの側周面に形成すると共に、このセ
ンターボルトとエレメントとの間をシールするパッキン
を、連通穴の下方に位置するようにエレメントの内周側
に取り付けたことを特徴とするものである。

〔作用〕

本考案のオイルフィルタ装置は以上の構成を有している
ため、エレメントの交換時にエレメントを上方に持ち上
げるのに伴って、一側をエレメントの内周側に取り付け
たパッキンの他側はセンターボルトの外周面を摺動する
ことになり、このパッキンによって、センターボルトと
エレメントとの間をシールすることができる。

従って、エレメントの交換時にエレメントを上方に持ち
上げることによって、オイルフィルタ内のオイルに攪拌
流が発生しても、この攪拌流によって巻き上げられた異
物やダストは、前記パッキンによって遮られ、これらの
異物やダストがセンターボルトに形成した連通穴から二
次通路に流入することを防止できる。

〔実施例〕

以下、本考案を一実施例として示す図面について、先に
説明した従来例との重複を避けて説明する。

第１図において、本体ケース５には、エレメント７の載
置面21よりも高さＨだけ低い高さのボス22が設けられ、
このボス22にエレメント７の高さよりも若干低い高さに
設定したセンターボルト23の先端を螺入固定することに
より、センターボルト23の内径に形成した二次通路24が
ボス22内に設けた本体ケース側の二次通路25に連通され
ると共に、センターボルト23の上方には二次通路24とエ
レメント７の内側通路10とを連通する連通穴26が載置面
21から高さＯだけ上方に開口されている。さらに上記連
通穴26の周りは多数の小孔を有する円筒状のカバー27に
より上方から側方にかけて囲繞され、下方側は開放され
ている。

このカバー27を設けたことにより、エレメント７を取り
外す際に、連通穴26の上方からエレメント７の表面に付
着していた異物やダストが落下しても、このカバー27に
よって、二次通路24への異物やダストの侵入が阻止され
る。

また、エレメント７の内部には、本体ケース５の載置面
21よりも高さＴだけ高い位置にパツキン29が設けられて
おり、このパッキン29によって、エレメント７とセンタ
ーボルト23との間をシールしている。

そして、センターボルト23の頂部に設けた二次通路24と
は連通しない雌ネジ部23aには、カバー17とエレメント
７とを着脱するための着脱ボルト31の下端のネジ部31a
が螺入されるが、この着脱ボルト31の頂部には、着脱ボ
ルト31に開口したエアー抜き穴19aを開閉するエアー抜
きプラグ19が設けられている。

このように、エレメント７の内側通路10を上下方向に通
るセンターボルト23を利用し、センターボルト23の内部
に設けた二次通路24を、本体ケース５の二次通路25に連
通することにより、着脱ボルト31の操作によりエレメン
ト７およびカバー17を着脱しても、本体ケース５の二次
通路25がセンターボルト23により被覆されているので、
異物やダストが二次通路24,25に落ち込むのを確実に防
止できる。

さらに、二次通路24を形成したセンターボルト23にあつ
ても、その頂部を利用してエレメント７およびカバー17
を従来と同様に着脱できる。

また、エレメント７の内側通路10下方にパツキン29を設
けることにより、通路32に溜つた異物やダストが、エレ
メント７の交換時に生じる攪拌流によって巻き上げら
れ、二次通路24,25に流入することを防止でき、更に、
エンジンが停止しても、連通穴26より下方のカバー17内
にはオイルが溜つているので、第３図に示す従来のよう
に二次通路９にオイルを貯留するための逆止弁11を不要
にできる利点がある。

そして、オイルポンプ２からのオイルは、本体ケース５
の一次通路６から上昇して矢印方向に流れエレメント７
を通過することにより濾過された後、エレメント７の内
側通路10に連通する連通穴26からセンターボルト23内の
二次通路24を通り、本体ケース５の二次通路25下方に連
通する二次通路12（第３図参照）からオイルサーモスタ
ツト13またはインジエクシヨンポンプ14等の各機器に供
給される。

〔考案の効果〕

本考案のオイルフィルタ装置は、内部に濾過後のオイル
が流れる二次通路を形成したセンターボルトの下端をオ
イルフィルタの本体ケースに螺合すると共に、このセン
ターボルトの上端に螺合した着脱ボルトによってカバー
を本体ケースに固定し、このカバーの内側にセンターボ
ルトを囲繞するエレメントを収容したオイルフィルタ装
置において、前記センターボルトに形成した二次通路
と、このセンターボルトとエレメントの間に形成される
内側通路とを連通する連通穴を、センターボルトの側周
面に形成すると共に、このセンターボルトとエレメント
との間をシールするパッキンを、連通穴の下方に位置す
るようにエレメントの内周側に取り付けたことを特徴と
するので、以下の効果を奏することができる。

エレメントを交換する際に、エレメントを上方に持ち上
げるのに伴って、一側をエレメントの内周側に取り付け
たパッキンの他側はセンターボルトの外周面を摺動する
ことになり、このパッキンによって、センターボルトと
エレメントとの間をシールすることができる。

従って、エレメントの交換時にエレメントを上方に持ち
上げることによって、オイルフィルタ内のオイルに攪拌
流が発生しても、この攪拌流によって巻き上げられた異
物やダストを、前記パッキンによって遮ることができる
ので、これらの異物やダストがセンターボルトに形成し
た連通穴から二次通路に流入することを確実に防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考案を実施
したオイルフイルタの縦断側面図、第２図は自動車にお
ける潤滑油の循環経路図である。 第３図は従来例のオイルフイルタの縦断側面図である。 ３…オイルフィルタ装置、４…オイルフィルタ、５…本
体ケース、７…エレメント、10…内側通路、17…カバ
ー、23…センターボルト、24…二次通路、26…連通穴、
29…パッキン、31…着脱ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に濾過後のオイルが流れる二次通路を
   形成したセンターボルトの下端をオイルフィルタの本体
   ケースに螺合すると共に、このセンターボルトの上端に
   螺合した着脱ボルトによってカバーを本体ケースに固定
   し、このカバーの内側にセンターボルトを囲繞するエレ
   メントを収容したオイルフィルタ装置において、前記セ
   ンターボルトに形成した二次通路と、このセンターボル
   トとエレメントの間に形成される内側通路とを連通する
   連通穴を、センターボルトの側周面に形成すると共に、
   このセンターボルトとエレメントとの間をシールするパ
   ッキンを、連通穴の下方に位置するようにエレメントの
   内周側に取り付けたことを特徴とするオイルフィルタ装
   置。