JP2024528195A - ブラジキニンb2受容体拮抗薬を経口投与するための脂質ベースの組成物 - Google Patents

ブラジキニンb2受容体拮抗薬を経口投与するための脂質ベースの組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、下記式1で表される化学構造を有するブラジキニン(BK)B2受容体拮抗薬又はその塩若しくは溶媒和物を含む経口投与用の医薬組成物に関し:式(1)は、例えば、(S)-N-(1-ジュウテロ-1-(3-クロロ-5-フルオロ-2-((2-メチル-4-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)キノリン-8-イルオキシ)メチル)フェニル)エチル)-2-(ジフルオロメトキシ)アセトアミドである。組成物は、プロピレングリコールモノカプリレート、ポリオキシルヒマシ油、及びプロピレングリコールを含む液体ビヒクル中に溶解された形態のBK B2受容体拮抗薬を含む。さらに、前記組成物の治療的使用が提供される。【化1】TIFF2024528195000020.tif4680(式中、Rは、重水素又は水素である。)

Description

本発明は、式1で表される化学構造を有するブラジキニンB2受容体拮抗薬を含む医薬組成物、このような組成物を調製する方法、及びブラジキニンB2受容体拮抗薬から利点を得ることができる対象の処置における医薬としてのその使用に関する。
ブラジキニン(BK)は、血管の拡張、血管透過性の増加、一酸化窒素の産生、及びアラキドン酸の動員を引き起こす内皮細胞の活性化による炎症プロセスに関与するペプチドホルモンである。BKは、感覚神経終末も刺激し、灼熱性感覚異常をもたらす。したがって、炎症の古典的パラメーター(例えば、発赤、熱、腫脹、及び疼痛)は全てBK形成に起因し得る。BKは、カリクレイン-キニン系の短命な構成要素である。循環BKの濃度は通常の生理学的条件下では低レベルで維持されており、キニノーゲンと呼ばれる循環糖タンパク質前駆体の酵素分解によって病理学的状況下で急速に増加する場合がある。2つの最も強力なキニノーゲン代謝酵素は、トリプシン様セリンプロテアーゼ血漿カリクレイン及び組織カリクレインである。これらの酵素の前駆体は通常全ての組織に存在し、生理学的又は病態生理学的プロセスによってすぐに活性化される。BK B2受容体は大部分の細胞及び組織タイプにおいて構造的に発現し、血漿又は組織中で産生された場合、既知のBKの影響の大部分を介在する。多数のin vivoでの研究によって、BK B2受容体をブロックする薬剤が、病理学的状態、例えば、喘息、アレルギー性鼻炎、膵炎、変形性関節症、外傷性脳損傷、アルツハイマー疾患、及び血管性浮腫に治療的利点を与えることが示されている。
BK B2受容体の多数のペプチド拮抗薬及び非ペプチド拮抗薬が先行技術に記載されており、BK B2受容体拮抗薬としての活性を有するキノリン誘導体は、例えば、WO2014/159637、WO2010/031589、WO2008/116620、WO2006/40004、WO03/103671、WO03/87090、WO00/23439、WO00/50418、WO99/64039、WO97/41104、WO97/28153、WO97/07115、WO96/13485、EP0795547、EP0796848、EP0867432、及びEP1213289に開示されている。しかしこれらの化合物は、WO2014/159637に開示されているように、低い代謝安定性、低いバイオアベイラビリティ、グルタチオン付加物の形成、及び生体内活性化(毒性)を含む、薬物としてのその有用性を妨げる多数の欠陥を示した。
最近になって、式1の化合物が、新規な生物学的活性及び十分な忍容性を有するBK B2受容体拮抗薬として提案された(例えばWO2019/101906を参照のこと)。この化合物は魅力的な薬理学的特性を示すが、むしろ生理学的媒体中で水溶性が非常に低いことを含め、困難な物理的又は物理化学的特性も示す。したがって、これらの困難な化合物特性に起因する問題を克服する、例えば、有効な経口送達を可能にし、ヒト対象における顕著な全身曝露及びバイオアベイラビリティを達成する、製剤設計及び医薬組成物が必要とされている。例えば、BKと関連する急性の兆候又は状態に関して有効な処置を提供する目的で、全身循環への経口での素早い吸収(すなわち経口投与後急速に吸収されること)によって作用の急速な発現に到達するための、式1の化合物が組み込まれた製剤又は医薬組成物も必要とされており、それがこのような難溶性化合物にとっての特別な課題を表している。その性能において安定であり、確立された医薬製造技術によって製造することができる式1の化合物が組み込まれた製剤又は医薬組成物の提供がさらに必要とされている。
式1の化合物は水溶性が非常に低く、例えば、十分な速度及び程度のバイオアベイラビリティ及び有効な血漿レベルを、特に経口投与後の十分に急速な全身吸収をもたらすことになり、BKと関連する急性の兆候及び状態の有効な非侵襲的処置を可能にする経口製剤を開発するのに極めて困難となる。
本発明の目的は、これらの要求のうちのいずれか1つ又は複数に取り組むことである。さらなる目的は、BK B2受容体拮抗薬、例えば、式1で表される化学構造を有する化合物の経口送達に関する先行技術の欠陥、ギャップ、及び制限を克服することである。さらなる目的は、以下の説明、実施例、及び特許請求の範囲に基づいて明らかになるであろう。
1つの態様において、本発明は、式1:
Figure 2024528195000002
(式中、Rは、重水素又は水素である。)による化学構造を有するブラジキニン(BK)B2受容体拮抗薬、又はその立体異性体、塩、若しくは溶媒和物を含む経口投与用の液体医薬組成物であって;BK B2受容体拮抗薬が、プロピレングリコールモノカプリレート、ポリオキシルヒマシ油、及びプロピレングリコールを含む液体ビヒクル中に溶解されていることをさらに特徴とする組成物に関する。特に、BK B2受容体拮抗薬は、(S)-N-(1-ジュウテロ(deutero)-1-(3-クロロ-5-フルオロ-2-((2-メチル-4-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)キノリン-8-イルオキシ)メチル)フェニル)エチル)-2-(ジフルオロメトキシ)アセトアミドであってもよく、プロピレングリコールモノカプリレートは、II型プロピレングリコールモノカプリレートであってもよく、ポリオキシルヒマシ油は、ポリオキシル40水素化ヒマシ油であってもよい。
さらなる態様において、本発明は、カプセル、例えば、このような液体医薬組成物を含む軟カプセル又は軟ゲルに関する。
さらなる態様において、本発明は、特に治療法における本発明によるこのようなカプセル又は液体医薬組成物の使用に関する。概して、本明細書において記載する液体医薬組成物又はカプセルは、ブラジキニンB2受容体モジュレートに応答する疾患又は状態の処置において使用してもよい。例えば、これらは、浮腫、例えば遺伝性の血管性浮腫の処置に有利である。
図1は、線形及び片対数スケールでの、サルの血漿中の個々のAPI濃度対時間を示す。図1A及びIBは、メチルセルロース(1wt.%)を含む水性担体中のAPIが投与された3匹のサルの血漿中のAPI濃度を示す。図1C及びIDは、本発明による製剤中のAPIが投与された3匹のサルの血漿中のAPI濃度を示す。 図2は、本発明に従って製剤化された、1、2、4.5、12、及び22mgの用量が投与されたヒト対象に関する血漿中のAPI濃度の平均及び標準偏差を示す。 図3は、絶食時に(白丸)又は高カロリー/高脂肪(HCHF)朝食後(黒丸)に22mgの用量が投与されたヒト対象に関する血漿中のAPI濃度の平均及び標準偏差を示す。
本発明は、式1:
Figure 2024528195000003
(式中、Rは、重水素又は水素である。)による化学構造を有するブラジキニン(BK)B2受容体拮抗薬又はその塩若しくは溶媒和物を含む経口投与用の液体医薬組成物であって;BK B2受容体拮抗薬が、プロピレングリコールモノカプリレート、ポリオキシルヒマシ油、及びプロピレングリコールを含む液体ビヒクル中に溶解されていることをさらに特徴とする組成物を提供する。
驚くことに、このような組成物が、水性媒体で希釈された際の急速な結晶化の影響を受けることなく溶解形態で組み込まれるようになり、化合物が対象の血流に予想外に急速に吸収されるようになるという点で、BK B2受容体拮抗薬の経口送達を実質的に促進することが本発明者らによって発見され、これは、その物理的性質、特にその分子サイズが大きいこと、容易にイオン化可能な化学基が存在しないこと、及びその水溶性が低いことの観点から特に注目に値する。
式1において、Rは水素及び重水素から選択してもよい。1つの好ましい実施形態又は実施形態の群において、Rは重水素である:
Figure 2024528195000004
この化合物は、(S)-N-(1-ジュウテロ-1-(3-クロロ-5-フルオロ-2-((2-メチル-4-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)キノリン-8-イルオキシ)メチル)フェニル)エチル)-2-(ジフルオロメトキシ)アセトアミド(CAS2340111-58-0)、あるいはアセトアミド、N-[(1S)-1-[3-クロロ-5-フルオロ-2-[[[2-メチル-4-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)-8-キノリニル]オキシ]メチル]フェニル]エチル-1-d]-2-(ジフルオロメトキシ)-とも呼ばれる場合があり、本発明の文脈における式1による化合物の特に有利な例である。この優先事項は、特に言及されているかいないかにかかわらず、以下のこの説明において開示される全ての他の必要に応じた特徴又は優先事項と組み合わせて適用されることも理解するべきである。
あるいは、式1において、Rは水素であってもよく:
Figure 2024528195000005
これは、(S)-N-(1-(3-クロロ-5-フルオロ-2-((2-メチル-4-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)キノリン-8-イルオキシ)メチル)フェニル)エチル)-2-(ジフルオロメトキシ)アセトアミドとも呼ばれる場合がある。
式1の化合物は、本質的な非イオン化形態、又はイオン化形態、すなわち塩の形態で存在していてもよい。さらに必要に応じて、溶媒和物の形態であってもよい。例えば、化合物は、水和物、例えば、(S)-N-(1-ジュウテロ-1-(3-クロロ-5-フルオロ-2-((2-メチル-4-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)キノリン-8-イルオキシ)メチル)フェニル)エチル)-2-(ジフルオロメトキシ)アセトアミド一水和物であってもよい。
好ましい実施形態のうちの1つにおいて、液体組成物中の化合物の状況は、実質的に非イオン化された、例えば完全に非イオン化された状況である。さらに、式1の化合物は、本明細書において記載する液体医薬組成物中に存在する場合、通常は塩の形態でも溶媒和物の形態でもないか、又はいずれの固体形態でもないことになる。しかし誤解を避けるために示すと、化合物は、それが他の構成要素と組み合わされて本発明の組成物を形成する場合、固体形態であっても、塩及び/又は溶媒和物の形態であってもよい。例えば、必要に応じて結晶形態の化合物の水和物、例えば一水和物は、液体医薬組成物を調製するために使用してもよい。しかし、完全に溶解された状況、すなわち化合物が液体医薬組成物中に存在する形態に変換された際、化合物はもはや結晶材料の形態でも水和物の形態でもないと考えられる。
好ましい実施形態のうちの1つにおいて、式1のBK B2受容体拮抗薬は、本発明の液体医薬組成物中の唯一の活性医薬成分(API)である。これは、また、本発明の文脈において一般的な優先事項として理解されるべきである。あるいは、組成物は、1つ又は複数のさらなる活性成分を含んでいてもよい。
医薬組成物は、本発明の文脈において、医薬として対象、例えばヒト患者に投与されるのに技術的に好適な組成物として理解されるべきである。それは、例えば、規制当局、例えば、FDA及びEMAによって発行された公的な薬局方又はガイダンスにおいて定義され得るように、一般的な医薬基準に従って構成され、製剤化され、処理される。好ましい実施形態のうちの1つにおいて、組成物は経口投与に適応しており、これは、例えば、使用される賦形剤がそのグレード及びその量を含め、経口での使用に、特にヒト対象への経口投与に安全であり、許容されることを示唆する。
「液体」という用語は、本明細書において使用される場合、通常条件下、すなわち室温、通常大気圧下での材料の液体の状況を指す。通常の条件のより正確に定義されたセットの例は、米国のNational Institute of Standards and Technology(NIST)に定義されているような、通常温度及び圧力(NTPと省略される)であり、温度20℃(293.15K、68°F)及び絶対圧力1atm(14.696psi、101.325kPa)が使用されている。
液体ビヒクルは、本発明の文脈において使用される場合、少なくとも1つの活性医薬成分、例えば、式1で表される化合物が組み込まれている薬学的に許容される液体賦形剤又は賦形剤混合物である。正式には、APIは、例えその中に溶解していたとしても液体ビヒクルの一部として考えられるわけではない。いずれの懸濁された固体賦形剤もまた、ビヒクルの一部と考えられない。したがって、液体ビヒクルの重量は、その中に組み込まれたAPIの重量、存在する場合にはその中に懸濁された材料の重量も除外する。液体ビヒクルは担体と呼ばれる場合もある。
誤解を避けるために示すと、その全ての構成成分を含む液体ビヒクルを個別に準備し、次いで少なくとも1つのAPIと合わせて本発明の液体医薬組成物を形成することは必要ではない。むしろ、液体ビヒクルの液体構成成分のうちの1つの中に少なくとも1つのAPIを溶解し、その後、残りの構成成分を添加するか、又は液体医薬組成物の全ての構成成分を同時に合わせることも可能である。また誤解を避けるために示すと、液体ビヒクルの全ての構成成分は、それらを合わせた場合に液相を形成する(すなわち溶解する)のであれば、それ自体(個々に)は通常の条件下で液体であることは必要とされない。
「薬学的に許容される」という用語は、本明細書において使用される場合、連邦政府若しくは州政府の規制当局又は米国以外の国における対応する機関によって承認された又は承認可能なもの、又は動物、さらに詳細にはヒトにおいて使用するための米国薬局方又は他の一般的に認められた薬局方に挙げられているものを意味する。特に、薬学的に許容されるとは、本明細書において記載する医薬組成物及び方法において使用される薬学的活性化合物及び他の成分が、ヒト及び下等動物の組織との接触における使用に好適であり、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを伴わず、妥当な利点/リスク比に見合うことを意味する。
言及されるように、液体医薬組成物は、本明細書において定義されるような液体ビヒクル中に溶解されたBK B2受容体拮抗薬を含む。この文脈において、「溶解された」という表現は、溶解されている状況を、すなわち、完全に溶解された状況における化合物の存在を指す。これは、化合物が、懸濁された粒子の形態で組み込まれているというよりはむしろ液体ビヒクル中に分子的に分散していることを示唆する。したがって、この文脈において活性成分、API、又は原薬とも呼ばれる場合があるBK B2受容体拮抗薬は、非固体形態で液体医薬組成物に存在する。
本明細書において使用される場合、「プロピレングリコールモノカプリレート」という表現は、厳密な化学的命名法というよりはむしろ薬剤学の文脈において理解されるべきである。薬剤学の文脈において、プロピレングリコールモノカプリレートは、プロピレングリコールモノカプリレートに関連する通常認められている公定書モノグラフに適合する賦形剤を指す。これには、例えば、米国薬局方及び国民医薬品集(USP/NF)、例えばそのバージョンUSP-NF2021のモノグラフ「I型プロピレングリコールモノカプリレート」及び「II型プロピレングリコールモノカプリレート」、及び/又は他の薬局方、例えば欧州薬局方(Ph.Eur.)における関連のモノグラフが含まれる。
一般的に言うと、プロピレングリコールモノカプリレートとして表される材料又は賦形剤は、いくつかの化学種の混合物を含む。それは、主にカプリル酸から構成される脂肪酸のプロピレングリコールのモノエステルとジエステルとの混合物として記載してもよい。モノエステル及びジエステルの含有量は、プロピレングリコールモノカプリレートのタイプ間で異なっていてもよく:USP-NFによれば、プロピレングリコールモノカプリレートI型を表す賦形剤は、55.0ないし80.0パーセントのモノエステル及び20ないし45パーセントのジエステルを含み、一方、II型プロピレングリコールモノカプリレートを表す材料は、少なくとも90.0パーセントのモノエステル及び10.0パーセント以下のジエステルを含む。I型又はII型のいずれかにおける脂肪酸残基に関しては、脂肪酸エステルの少なくとも90.0パーセントはカプリレート(又はオクタノエート)であり、3.0パーセント以下はそれぞれ-これらの残基それぞれに関して個々に-、カプレート(又はデカノエート)、ラウレート(又はドデカノエート)、及びミリステート(又はテトラデカノエート)である。I型もII型も、プロピレングリコールモノカプリレートは1.0パーセントを超えるパルミテート(又はヘキサデカノエート)を含んでいない。プロピレングリコールモノカプリレートI型の現在のところ利用可能な市販グレードの非限定的な例としては、Capryol(登録商標)PGMC(Gattefosse)及びCapmul(登録商標)PG-8-70 NF(Abitec)があり、II型プロピレングリコールモノカプリレートの市販バージョンとしては、Capmul(登録商標)PG-8 NF(Abitec)、及びCapryol(登録商標)90(Gattefosse)がある。
好ましい実施形態のうちの1つにおいて、本発明の液体医薬組成物中に含まれる液体ビヒクル中に含まれるプロピレングリコールモノカプリレートは、II型プロピレングリコールモノカプリレート、例えば、II型プロピレングリコールモノカプリレート(USP/NF)である。別の好ましい実施形態において、II型プロピレングリコールモノカプリレートは、液体ビヒクル中に組み込まれるプロピレングリコールモノカプリレートの唯一の型である。あるいは、プロピレングリコールモノカプリレートの混合物も使用してもよい。
さらなる実施形態において、約5ないし6の範囲の親水性-親油性バランス(HLB値)を示すプロピレングリコールモノカプリレートが選択される。
同様に、「ポリオキシルヒマシ油」という用語は、本発明の技術文脈によれば、適切な公定書、例えば、上記の薬局方のそれぞれのモノグラフにおいて確立された任意のポリオキシルヒマシ油に関する通常許容される医薬基準に適合する賦形剤又は材料を意味すると解釈されるべきである。したがって、その用語は、医薬品グレードのポリオキシエチレンヒマシ油誘導体を指す。ポリオキシルヒマシ油は、異なる化学種の混合物であり、典型的には、エチレンオキシドとヒマシ油又は水素化ヒマシ油とを反応させることによって生成される。
1つのタイプのポリオキシルヒマシ油は、モノグラフ「ポリオキシル40水素化ヒマシ油」(USP、最新版)に適合する材料であり、これは、モノグラフ「マクロゴールグリセロールヒドロキシステアレート」(欧州薬局方、最新版)に実質的に対応し、PEG-40水素化ヒマシ油とも呼ばれる。ポリオキシル40水素化ヒマシ油は、典型的には、室温では白色から黄色がかった半固体ペーストとして存在し、約30℃超で液化する。この賦形剤の主要な構成成分は、グリセロールポリエチレングリコールヒドロキシステアレートであり、それは、脂肪酸グリセロールポリグリコールエステル、ポリエチレングリコール、及びグリセロールエトキシレートをさらに含む。欧州薬局方によれば、それは、7ないし60個の分子のエチレンオキシド(公称値)でエトキシル化されたトリヒドロキシステアリルグリセロールの反応生成物を主に含み、少量のマクロゴールヒドロキシステアレート及び対応する遊離グリコールを含む。市販グレードのポリオキシル40水素化ヒマシ油の例としては、Cremophor(登録商標)RH40の名称で以前に販売されていたKolliphor(登録商標)RH40(BASF)、及びCroduret(Croda)がある。
別のタイプのポリオキシルヒマシ油は、モノグラフ「マクロゴールグリセロールリシノレート」(欧州薬局方、最新版)に対応する、モノグラフ「ポリオキシル35ヒマシ油」(USP、最新版)に適合し、PEG-35ヒマシ油とも呼ばれる。それは、30~50個の分子のエチレンオキシド(公称値)でエトキシル化されたリシノレイルグリセロールを主に含み、少量のマクロゴールリシノレート及び対応する遊離グリコールを含む。それは、ヒマシ油とエチレンオキシドとの反応から得られる。市販グレードのポリオキシル35ヒマシ油の例としては、Cremophor(登録商標)ELとして以前に販売されていたKolliphor(登録商標)EL(BASF)がある。
好ましい実施形態のうちの1つにおいて、本発明の液体医薬組成物の液体ビヒクル中に含まれるポリオキシルヒマシ油は、ポリオキシル40水素化ヒマシ油、例えば、ポリオキシル40水素化ヒマシ油(USP/NF)である。別の好ましい実施形態において、ポリオキシル40水素化ヒマシ油は、液体ビヒクル中に組み込まれた唯一のタイプのポリオキシルヒマシ油である。あるいは、さらなるタイプのポリオキシルヒマシ油が存在していてもよい。
さらなる好ましい実施形態によれば、液体ビヒクル中に含まれるポリオキシルヒマシ油は、ポリオキシル40水素化ヒマシ油であり、プロピレングリコールモノカプリレートは、II型プロピレングリコールモノカプリレートであり、他のタイプのポリオキシルヒマシ油又はプロピレングリコールモノカプリレートは存在しない。言い換えれば、液体医薬組成物は、本明細書において定義されるようなポリオキシル40水素化ヒマシ油、II型プロピレングリコールモノカプリレート、及びプロピレングリコールを含み、他のプロピレングリコールモノカプリレート又はポリオキシルヒマシ油は含んでいない液体ビヒクル中に溶解された式1の化合物を含んでいてもよい。
さらなる好ましい実施形態によれば、液体ビヒクルは、したがってまた本発明の医薬組成物は、水をさらに含んでいてもよい。水は、液体ビヒクルの構成成分の一部として意図的に添加しても、例えば軟ゼラチンカプセル中にカプセル化することによる、液体医薬組成物の調製又はそのさらなる処理のために使用される原材料又は中間体生成物の含水量の結果として液体ビヒクルの一部となってもよい。例えば、液体医薬組成物を調製するために使用される式1の化合物が、結晶性水和物の形態で提供される場合、水和物の結晶の水は液体ビヒクルの一部となることになる。さらに、液体医薬組成物が、軟ゼラチンカプセルの調製において典型的には使用される湿潤ゼラチン塊と組み合わされる場合、ゼラチン塊の水の一部が液体医薬組成物に移動し、液体ビヒクルの一部を形成する場合がある。
本発明の液体医薬組成物のさらなる好ましい実施形態において、ブラジキニンB2受容体拮抗薬は、式1(式中、Rは重水素である。)による化合物であり、ポリオキシル40水素化ヒマシ油、II型プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコール、及び水を含む液体ビヒクル中に溶解されている。
一般的に、液体ビヒクルは、必要に応じて、1つ又は複数のさらなる賦形剤を含んでいてもよい。1つの実施形態において、それは、さらなる溶媒及び/又はさらなる界面活性剤を含んでいてもよい。この文脈において、さらなる溶媒とは、プロピレングリコールだけではなく、本発明によるいかなる場合においても存在する溶媒を意味する。好ましくは、溶媒は、有機溶媒、例えば水混和性有機溶媒、例えば薬学的に許容される水混和性有機溶媒、例えば、グリセロール又はエタノールである。1つの実施形態において、液体ビヒクルはエタノールを含む。
1つの実施形態において、さらなる界面活性剤、例えば追加の薬学的に許容される界面活性剤を使用してもよい。この文脈において、「さらなる界面活性剤」は、プロピレングリコールモノカプリレート及びポリオキシルヒマシ油に追加される界面活性剤を意味し、これらのいずれも、いくつかの他の機能性ラベルがまたこれらの賦形剤に使用され得るにもかかわらず、界面活性剤として考えてもよい。好ましい実施形態において、液体ビヒクルは、さらなる界面活性剤として、カプリロカプロイルマクロゴール-8グリセリドとも呼ばれるカプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリドを含んでいてもよい。カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリドを表す市販されている賦形剤の例はLabrasol(登録商標)ALF(Gattefosse)という製品である。
さらに、1つ又は複数のさらなる賦形剤は、必要に応じて液体ビヒクルの一部として液体医薬組成物中に組み込まれていてもよく(例えば、1つ又は複数の液体賦形剤が組み込まれる場合)、安定化剤、抗酸化剤、保存剤、pH改変剤、味改変剤、着色剤、及び粘度改変剤から選択してもよい。前述のさらなる賦形剤の2つ以上の混合物又は組合せも使用してもよい。
1つの実施形態において、液体医薬組成物は、複数回投薬に適応しており、例えば、液体は複数回投薬用容器中で提示され、少なくとも1つの味改変剤を含み、いずれの保存剤も含まないことをさらに特徴とする。実際、多回投薬用液体製剤として提示される場合でさえ、保存剤の添加を必要としないことは本発明の利点のうちの1つである。この文脈において、「保存剤」という用語は、その唯一の又は主要な機能が、安全で永続的な抗菌機能を果たす賦形剤を指すとして理解されるべきである。保存剤の例は、抗菌保存剤、例えば、安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、メチルパラベン、プロピルパラベンなどである。
言及されるように、本発明者らは、驚くことに、本明細書において記載する液体医薬組成物がin vitroとin vivoの両方で優れた性能を示すことを見出した。それは、水性媒体、例えば、水、酸性化水、又は人工胃液で希釈された際の急速な結晶化の影響を受けることなく、完全に溶解された(非固体の)形態で組み込まれるようになるという点で、BK B2受容体拮抗薬の経口送達を実質的に促進する。理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者らは、本明細書において記載する液体医薬組成物は、いわゆる自己乳化型又は自己マイクロ乳化型薬物送達システム(それぞれSEDDS又はSMEDDS)としてふるまうか又はそれらに相当すると考えている。これらは、水性媒体で希釈した場合に、典型的には機械的撹拌でさえ必要とせずに水中油(o/w)エマルション又は水中油(o/w)マイクロエマルションを自発的に形成する等方性液体混合物として記載してもよい。本発明の文脈において、SEDDSは、SMEDDSを包含する広範な表現として理解されるべきである。SMEDDSは、ときとして800nm未満の、さらに100nmの範囲の小さな平均液滴サイズによって特徴づけられる。好ましい実施形態のうちの1つにおいて、液体医薬組成物はSMEDDSの形態である。これは一般的な優先事項であり、本明細書において記載する全ての他の優先事項と組み合わせても適用可能であるとして理解されるべきである。
SEDDSは、難溶性原薬のための潜在的な製剤戦略として示唆されているが、多くの薬物製品がSEDDSとしての開発に実際に成功し、市場承認を受けているわけではない。多くのSEDDS製剤が、十分な薬物ロードを達成していない(薬物の単回用量が、例えば1つ又は2つの軟ゼラチンカプセル中に収容することができないように)か、又は水又は胃液で希釈された際に形成される(マイクロ)エマルション中に溶解されたままのような方法で活性成分を組み込んでいないという点で失敗している。実際、活性成分が液体担体中に十分に溶解する場合でさえ、活性成分が急速に沈殿するという問題が頻繁に生じ、これがSEDDS製剤戦略が実際に成功しないことが多い理由のうちの1つである。さらに、SEDDS中に溶解された原薬は不良な安定性を示すことが非常に多く、急速な化学分解によって短い保存期間につながり、それはマーケティング及びサプライチェーンの視点から魅力的なものではないか又は実現不可能でさえある。
また、式1によるBK B2受容体拮抗薬の場合、本発明者らは、自己乳化又は自己マイクロ乳化性質を有することが期待された多くの液体ビヒクル組成物が、式1の化合物が組み込まれた場合に急速に薬物沈殿又は液相分離を示すという点で、この活性成分に適合しないことを見出した。しかし、本発明者らは、実施例において実証されたように、生成後ただちに室温の酸性化水で希釈後、数時間内に化合物を沈殿させることも液相を分離させることもない賦形剤の1つの特定の組合せ、すなわち、プロピレングリコールモノカプリレート、ポリオキシルヒマシ油、及びプロピレングリコールの組合せを予想外に見出した。より重要で特に注目すべきことには、本発明者らは、この液体ビヒクルが優良な安定性を提供し、十分な薬物ロードを可能にすることを見出した。BK B2受容体拮抗薬の沈殿も液相分離も、実施例によっても示されているように、高温で、例えば40℃で6か月の貯蔵後、観察されなかった。
上述のような本発明の液体ビヒクル又は液体医薬組成物のさらなる構成成分に関連する好ましい実施形態に加えて、本発明者らは、液体ビヒクル中のそれぞれの賦形剤のある特定の量が特に有利であるらしいことも見出した。特に、本発明者らは、液体ビヒクルの重量に対して比較的多量の、例えば約40wt.%以上のプロピレングリコールモノカプリレートが有利であることを見出したが、この量は、他の原薬の一部の既知のSMEDDS製剤において使用される量を顕著に上回る。例えば、さらなる好ましい実施形態において、液体ビヒクル中のプロピレングリコールモノカプリレートの量は、液体ビヒクルの重量に基づいて、約40~60wt.%、例えば、約45~55wt.%、例えば、約48~52wt.%である。1つを超えるタイプのプロピレングリコールモノカプリレートが使用される場合、約40~60wt.%の量は、液体ビヒクル中の全てのプロピレングリコールモノカプリレートの総量を指すと理解されるべきである。関連する実施形態において、液体ビヒクルは、約40~60wt.%、例えば、約45~55wt.%、例えば、約48~52wt.%のII型プロピレングリコールモノカプリレートを含む。
さらなる好ましい実施形態において、液体組成物中のポリオキシルヒマシ油の量は、液体ビヒクルの重量に基づいて、約30~50wt.%、例えば、約35~45wt.%、例えば、約38~42wt.%である。繰り返すが、範囲は、1つを超えるタイプのポリオキシルヒマシ油がビヒクル中に存在する場合の液体ビヒクル中のポリオキシルヒマシ油の総量を指す。さらに、ポリオキシルヒマシ油の30~50wt.%全体がポリオキシル40水素化ヒマシ油を表す場合も好ましい実施形態である。1つの実施形態において、液体組成物は、約40~60wt.%、例えば約45~55wt.%、例えば約48~52wt.%のプロピレングリコールモノカプリレート(好ましくはII型のもの)と、30~50wt.%、例えば約35~45wt.%、例えば約38~42wt.%のポリオキシルヒマシ油(好ましくはポリオキシル40水素化ヒマシ油)とを含む。
液体ビヒクル中のプロピレングリコールの量に関しては、液体ビヒクルの総重量に基づいて、比較的少量、例えば約15wt.%以下が有利であり、好ましくは約2.5~15wt.%の範囲が有利であることが認められた。またこの場合も、液体ビヒクルの総重量に基づいて、約2.5~11wt.%、例えば約3.5~11wt.%、又は例えば約4.5~10wt.%の範囲のプロピレングリコールの量が好ましい。
好ましい実施形態において、液体ビヒクルは、プロピレングリコールモノカプリレート(好ましくはII型のもの)、ポリオキシルヒマシ油(好ましくはポリオキシル40水素化ヒマシ油)、プロピレングリコールを上述の量で含み、必要に応じて残部としてさらなる水を含む。例えば、液体ビヒクルは、約40~60wt.%のプロピレングリコールモノカプリレート(好ましくはII型のもの)、30~50wt.%のポリオキシルヒマシ油(好ましくはポリオキシル40水素化ヒマシ油)、及び2.5~15wt.%のプロピレングリコールを含んでいてもよい。
本明細書において記載する液体医薬組成物は水も含んでいてもよい。水は、最大5wt.%の量で存在していてもよい。例えば、水は、液体ビヒクルの構成成分であってもよく、例えば、液体ビヒクルは、最大5wt.%の量で水を含んでいてもよい。この文脈において、液体医薬組成物が、例えば以下でさらに記載するような軟ゼラチンカプセル中へのカプセル化を意図される場合、カプセル化されたプロピレングリコール及び/又は水の一部がカプセルシェルに移動する可能性が一部あるため、プロピレングリコール及び/又は水を含むある特定の構成成分の含有量は、経時的に貯蔵中に変化する場合があることを留意されたい。例えば、液体医薬組成物は、例えば約10wt.%のプロピレングリコール含有量を示すように製造してもよいが、軟ゼラチンカプセル中にカプセル化し、数か月又は数年にわたって貯蔵後、軟ゼラチンカプセルの液体充填物中のプロピレングリコールの含有量は移動に起因して少量、例えば約8又は9wt.%である場合がある。逆もまた同様であり、カプセル壁は、例えばプロピレングリコールを含むように調製され、移動したプロピレングリコールの量によって貯蔵後のカプセル壁のプロピレングリコールの含有量が増加する場合がある。
液体医薬組成物のさらなる好ましい実施形態において、液体ビヒクル中の、プロピレングリコールモノカプリレート、ポリオキシルヒマシ油、及びプロピレングリコールの合計重量に基づいて、プロピレングリコールモノカプリレートの含有量(好ましくはII型のもの)は約50wt.%であり、ポリオキシルヒマシ油の含有量(好ましくはポリオキシル40水素化ヒマシ油)は約40wt.%であり、プロピレングリコールの含有量は約10wt.%である。本明細書において使用される場合、「約」という用語は、例えば、さまざまなグレードの賦形剤間の小さな差を相殺するための見込まれ得る小さな変動を指し、一部がそれ自体の異なる化学種の混合物であるか(例えば、プロピレングリコールモノカプリレート又はポリオキシルヒマシ油の場合)又は可変量のある特定の不純物、例えば水を含んでいてもよい(例えば、プロピレングリコールの場合)ということに留意されたい。例えば、最大10%の相対偏差(例えば50±5wt.%)、例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、又は9%は、通常は実質的に同じ機能を有する組成物として考えられることになる。
液体医薬組成物の別の好ましい実施形態によれば、液体ビヒクルは、液体ビヒクル中の全ての液体構成成分の合計重量に基づいて、プロピレングリコールモノカプリレート、ポリオキシルヒマシ油、プロピレングリコール、及び約10wt.%の以下の他の液体構成要素から実質的になる。上述のように、液体ビヒクルは、さらなる液体構成成分、例えば、必要に応じて液体界面活性剤、水、又は有機溶媒、例えばエタノールを含んでいてもよく、この特定の実施形態によれば、これらの総量は、液体ビヒクルの重量に対して約10wt.%に制限される。
液体医薬組成物中の式1のBK B2受容体拮抗薬の含有量に関しては、処置されることになる対象のタイプ(例えば小児ヒト患者、成人ヒト患者)、治療的適応、及び組成物の提示(すなわち、例えば軟ゼラチンカプセルなどのような経口投与用の液体として提示されているかどうか)を考慮して選択するべきである。好ましくは、化合物の相対量は、液体組成物1gあたり約1mgないし約160mgの範囲である。この文脈において、式1のBK B2受容体拮抗薬の量は、重量として示される場合、活性成分の非イオン化形態、非溶媒和形態の量、又は言い換えれば用量としても公表されている化合物の薬理学的活性部分の量を指すと解釈されるべきである。例えば、化合物の水和物形態が液体医薬組成物を調製するために使用される場合、活性成分の重量は、水和水を除外する(これは、上記で説明されたような液体ビヒクルの一部であるということになる)。ある特定の実施形態において、式1の化合物の量は、液体組成物1gあたり少なくとも約5mgであり、約0.5wt.%に対応する。別の特定の実施形態において、前記量は、液体組成物1gあたり少なくとも約10mgであり、約1wt.%に対応する。
さらなる好ましい実施形態において、液体医薬組成物は、液体医薬組成物1gあたり約5mgないし約100mgの範囲、例えば、1gあたり約20mgないし約70mgの範囲のBK B2受容体拮抗薬の含有量を示す。好ましい実施形態において、その含有量は1gあたり約5mgないし約65mgの範囲、例えば、1gあたり約5mgないし約50mgの範囲である。本発明者らによって同定され、本明細書において記載する液体ビヒクルは、このような比較的大量の活性成分を収容することができることは本発明の液体医薬組成物の特別な利点である。さらなる好ましい実施形態において、BK B2受容体拮抗薬の含有量は、1gあたり約10mgないし約65mgの範囲、例えば1gあたり約20mgないし約65mgの範囲である。特定の実施形態において、前記含有量は、1gあたり約20、25、30、40又は50mgであり、それぞれ約2、2.5、3、4又は5wt.%に対応する。
上記で検討されたBK B2受容体拮抗薬の全ての量に関しては、これらの優先事項も式1(式中、Rは重水素である。)で表されるBK B2受容体拮抗薬に特に適用されることを理解するべきである。
さらなる好ましい液体医薬組成物は:
(a)液体医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5ないし6.5wt.%、例えば5wt.%の式1(式中、Rは重水素である。)で表される化合物、又はその立体異性体、塩、若しくは溶媒和物;(b)液体医薬組成物の総重量に基づいて、約93.5ないし99.5wt.%の液体ビヒクルであって;(i)約50部(重量)のプロピレングリコールモノカプリレート、例えば、II型プロピレングリコールモノカプリレート;(ii)約40部(重量)のポリオキシルヒマシ油、例えば、40水素化ヒマシ油;(iii)約5ないし10部(重量)のプロピレングリコール;及び(iv)最大約5部(重量)の水から実質的になる前記液体ビヒクル;及び必要に応じて(c)液体ビヒクル中に溶解又は分散された1つ又は複数のさらなる賦形剤である残り部分
から実質的になり得る。さらなる特定の実施形態において、前記液体医薬組成物は、約5wt.%の式1の化合物を含み、液体ビヒクル中に溶解又は分散されたさらなる賦形剤は含んでいない。
本発明の液体医薬組成物は、それ自体を使用しても、すなわち、経口投与用の液体として製剤化され提示された医薬として使用しても、例えばそれを固体の単一の単位投薬形態、例えばカプセルに組み込むことによって処理してもよい。液体投薬形態としての提示に関しては、それは、例えば、活性成分の単回用量又は複数回用量のいずれかを含むように、好適な一次包装単位又は容器に充填してもよい。本明細書において使用される場合、一次包装単位は、例えば、それと直接接触させることになる薬物製剤を保持する包装手段又は包装手段の組合せである。一次包装単位を一緒に形成する包装手段の組合せの例は、ねじ込み式蓋を備えたボトルである。
単回用量は、例えば、ガラス若しくはプラスチックのボトル、バイアル、又はアンプル中に収容されていてもよい。あるいは、分包又はスティックパックを使用してもよい。複数回用量の液体組成物を保持するための一次包装単位として、ガラス又はプラスチックのボトルが好適である。測定された量の組成物の取り出しを容易にするために、投薬又は分注補助具を使用してもよく、それは、一次包装単位の一部であっても個別であってもよい。1つのこのような実施形態によれば、本発明は、上述のような液体組成物と投薬又は分注補助具とを含む一次包装単位を提供する。さらなる実施形態において、投薬又は分注補助具は投薬ポンプである。必要に応じて、投薬ポンプは、一次包装手段に直接接続可能であり;例えば、一次包装容器は、蓋を備えたガラス又はプラスチックのボトルであってもよく、その蓋はひねって外し、ねじ込み式投薬ポンプに置き換えてもよい。
さらなる好ましい実施形態において、液体医薬組成物は、液体医薬組成物が充填されたカプセルの形態で単回用量単位として提示される。したがって、本発明の1つのさらなる態様は、上述のような液体医薬組成物を含む経口投与用のカプセルである。必要に応じて、カプセルは、硬カプセル、特に硬ゼラチンカプセルであってもよい。
好ましい実施形態のうちの1つにおいて、カプセルは軟カプセルであり、軟ゼラチンカプセル又は軟ゲルとも呼ばれる。より具体的には、軟カプセルは、好ましくは、ゼラチン、水、及び少なくとも1つの可塑剤を含むカプセル壁を含む。この文脈において、カプセル壁とは、液体充填材料を取り囲むか又はカプセル化するカプセルのシェルを意味し、この場合のその液体充填材料は、本明細書において開示される液体医薬組成物である。また、軟ゼラチンカプセルの文脈において、「可塑剤」は、カプセル壁をより弾性で柔軟にし、そのもろさ及びクラッキングのリスクを最小限にするために使用される医薬賦形剤である。ある程度、水もゼラチンカプセル壁材料に対して可塑化効果を有するが;本発明の文脈において、「可塑剤」という用語は、水を除外するものとして理解されるべきである。
軟ゼラチンカプセル壁の主要な構成要素は、典型的には、ゼラチン自体である。ゼラチンは、ウシ及びブタの骨、ウシの皮膚(皮革)、ブタの皮、及び魚の皮膚から得られた動物コラーゲンの部分酸加水分解(A型ゼラチン)又は部分アルカリ加水分解(B型ゼラチン)のいずれかによって得られた精製タンパク質分画の混合物に関する総称である。ゼラチンはまた、両方のタイプの混合物であってもよい。タンパク質分画は、アミド結合によって一緒に結合して、分子量20000ないし200000までの異なる直鎖状ポリマーを形成しているアミノ酸からほぼ完全になる。
ゼラチン材料の機械的強度は、ブルーム試験によって判定される、ブルーム値とも呼ばれるブルーム番号によって特徴づけてもよく、その値は、規格化されたプランジャーが、ゼラチンゲル試料の表面を破壊することなく4mm押圧するのに必要とする重量をグラム単位で表すものである。典型的には、ゼラチンゲル試料は、6.67%ゼラチン溶液として調製され、それは約10℃、数時間で固化する。一般的に、ブルーム番号が高いほど平均分子量の高いゼラチン材料が認められ、逆もまた同様である。異なるタイプのゼラチンの混合物が使用される場合、ブルーム値は-本発明の文脈において-、混合物に関連するものと解釈されるべきである。
本発明者らは、原理上、両タイプのゼラチン、すなわちタイプA及びタイプBを使用して本発明による軟カプセルを作製してもよいことを見出した。さらに、異なるゲル強度のゼラチンも、適切に可塑化されている限り使用してもよい。1つの実施形態において、カプセル壁のゼラチンは、約100ないし約250の範囲のブルーム値を有する。別の好ましい実施形態において、ゼラチンのブルーム値(又はブルーム番号)は、約130ないし約220の範囲であり、さらなる実施形態において、ブルーム値はそれぞれ、約150±20又は約200±20である。一部のさらなる特定の実施形態において、ゼラチンはそれぞれ約195のブルーム値を有するA型ゼラチンであるか又は約150のブルーム値を有するB型ゼラチンである。
可塑剤に関しては、これは、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ソルビタン、マルチトール、コーンシロップ、クエン酸エステル、例えばクエン酸トリエチル、又はこれらのいずれかの組合せから選択してもよい。1つの好ましい実施形態において、軟ゼラチンカプセルは、ゼラチン、水、及びプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールベースの可塑剤混合物、又は任意のこれらの組合せから選択される少なくとも1つの可塑剤を含むカプセル壁を含む。
ソルビタンが使用される場合、ソルビトールも使用することが好ましい。例えば、ソルビトールとソルビタンとの混合物(現在、例えばSorbitol Special(登録商標)としてISPより販売されている)を使用してもよい。可塑化特性を改変するためのソルビトールと1つ又は複数のさらなる賦形剤との混合物は、ソルビトールベースの可塑剤混合物とも呼ばれ、典型的には、実質的に非結晶性形態のソルビトールを含むという利点も有する。この文脈において、「非結晶性ソルビトール」という表現は、ソルビトールベースの可塑剤混合物、例えば、ソルビトール-ソルビタンの組合せ、例えばSorbitol Special(登録商標)を包含するためにも使用してもよく、ソルビタン及び/又は別の添加物を添加することによってソルビトールが結晶化できないようにする。さらなる好ましいソルビトールベースの可塑剤混合物は、Roquetteより市販されているPolysorb(登録商標)85/70/00であり、部分的に脱水されたソルビトールの液体として記載されている。より正確には、製品は、ソルビトール(20~40%)、1,4-無水-D-グルシトール(20~30%)、及び水素化コーンシロップ(20~25%)の混合物である。このような製品は、USPモノグラフ「ソルビトールソルビタン溶液」(以前は「無水化液体ソルビトール」)、又はPh.Eur.モノグラフ「ソルビトール、液体、部分的脱水」にも記載されている。
さらなる好ましい実施形態において、カプセル壁は、少なくともグリセロールで可塑化されている。グリセロール及び少なくとも1つのさらなる可塑剤を含むカプセル壁組成物も好ましい。1つの好ましい実施形態において、第2の可塑剤は、非結晶性ソルビトール(又はソルビトール-ソルビタン若しくは部分的に脱水された液体ソルビトール)及びプロピレングリコールから選択される。
可塑剤の量、又は1種類を超える可塑剤が使用される場合はカプセル化し、カプセルを乾燥する前のカプセル壁組成物中の可塑剤の総量(すなわち、カプセル化プロセスに使用された湿潤ゲル組成物中の量)は、好ましくは、湿潤カプセル壁組成物の総重量に対して約15~35wt.%の範囲で選択されるべきである。前述と同様、本発明の文脈において、水は、可塑剤の量から除外される。別の好ましい実施形態において、カプセル壁組成物中の可塑剤の量は、約15~30wt.%の範囲、特に約18~28wt.%の範囲である。
可塑剤の量はまた、カプセル壁中の(総)ゼラチン量の(総)可塑剤量に対する比率として示してもよい。この比率に言及する利点は、含水量と比較的無関係なことであり;可塑剤がカプセル壁からカプセル充填物に移動する可能性に起因して経時的に変化する場合があり、又は逆もまた同様であるが、湿潤ゼラチン塊と製造後の乾燥軟ゼラチンカプセル壁との間で劇的に異なることはない。一部の好ましい実施形態において、比率はそれぞれ、約1.0ないし3.0の範囲、又は約1.3ないし2.8、又は約1.3ないし2.5の範囲で選択される。
軟カプセル壁がグリセロールに加えて第2の可塑剤を含む場合、それは好ましくはプロピレングリコール又はソルビトール(ソルビトール-ソルビタン混合物又は部分的に脱水された液体ソルビトールを含む)であり、グリセロールの第2の可塑剤に対する重量比は、一般的に当技術分野において知られているように選択してもよい。例えば、比率は、約0.1~10の範囲、又は約0.2~5の範囲であってもよい。好ましい実施形態のうちの1つにおいて、比率は約0.5~2の範囲である。
軟ゼラチンカプセル壁の組成に関する優先事項を観察した場合、液体組成物を上手くカプセル化することができ、そのカプセルのもろさ及び薄膜形成を大幅に回避することができることが本発明者らによって見出された。
軟カプセル壁中の水の量、又はカプセルを調製するために適用される最初の湿潤ゲル塊中の水の量は、処理可能性を確実にするために必要に応じて典型的な範囲で選択してもよい。例えば、湿潤ゼラチン塊は、約20~60wt.%の初期含水量を有していてもよい。いくつかの実施形態において、含水量は、約25~45wt.%の範囲で選択される。含水量は、例えば、他の賦形剤、例えば、グリセロール(例えば85%のグリセロールが使用される場合)又はソルビトール-ソルビタン溶液によって導入される水を含むように計算されるべきであることに留意されたい。(総)ゼラチンの(総)水に対する重量比はまた、軟ゲル製造において通常使用されるように、すなわち約0.5~2の範囲で選択してもよい。
必要に応じて、カプセル壁は、1つ又は複数のさらなる成分、例えば、着色剤、顔料、乳白剤、香料、及び滑沢剤から選択される1つ又は複数の賦形剤を含んでいてもよい。典型的には、これらの賦形剤は、それぞれの機能を発揮するために比較的少量で組み込まれていてもよい。例えば、二酸化チタンは、典型的には最大3wt.%の量で乳白剤として使用してもよい。同様に、着色カプセルが所望される場合、着色剤、例えば1つ又は複数の酸化鉄を、典型的には同様に少量で、例えば最大約5wt.%で添加してもよい。カプセル壁はまた、少量の処理補助剤、例えば、滑沢剤を含んでいてもよい。潜在的に好適な滑沢剤の例は中性脂肪油(液体トリグリセリド)である。必要に応じて、界面活性剤、例えばレシチンを油に添加してもよい。
さらなる態様によれば、本発明は、カプセル、特に上述の軟カプセルを製造するための、同じく本明細書において記載する液体医薬組成物の使用に関する。プロセスの観点から示すと、本発明は、本明細書において記載する液体医薬組成物を使用して軟カプセルを調製する方法を提供する。方法は、以下:
(a)本明細書において記載する液体組成物を提供するステップ;
(b)ゼラチン、水、グリセロールである第1の可塑剤、並びにソルビトール及びプロピレングリコールから選択される第2の可塑剤を含む湿潤カプセル壁材料を提供するステップ;
(c)液体組成物を湿潤カプセル材料内にカプセル化して、例えばカプセルを形成するステップ;
(d)工程(c)で形成されたカプセルを乾燥するステップ;及び必要に応じて
(e)乾燥したカプセルを保管するステップ
によって特徴づけることができる。
プロセスパラメーターに関しては、方法は、標準的な装置及び設定を使用して行ってもよい。工程(a)において提供される液体医薬組成物に関しては、本発明のその態様の文脈において記載されているのと同じように必要に応じた特徴及び優先事項が適用されることが強調される。例えば、工程(a)において:
- 液体組成物の総重量に基づいて、約0.5ないし6.5wt.%-例えば、5wt.%-の式1(式中、Rは重水素である。)で表される化合物、又はその立体異性体、塩、若しくは溶媒和物;
- 液体組成物の総重量に基づいて、約93.5ないし99.5wt.%の液体ビヒクルであって:
(i)約50部(重量)のプロピレングリコールモノカプリレート、例えば、II型プロピレングリコールモノカプリレート;
(ii)約40部(重量)のヒマシ油、例えば40水素化ヒマシ油;
(iii)約5ないし10部(重量)のプロピレングリコール;及び必要に応じて
(iv)最大約5部(重量)の水
から実質的になる前記ビヒクル;
並びに必要に応じて
- 液体ビヒクル中に溶解又は分散された1つ又は複数のさらなる賦形剤である残り部分
から本質的になる液体組成物が提供されることも、軟カプセルを調製するための方法の好ましい実施形態のうちの1つである。
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、ステップ(a)から(e)によって特徴づけられる方法によって入手可能な軟カプセルを提供する。例えば、可塑剤がカプセル壁から充填液体に移動し、又は成分が液体充填物からカプセル壁に移動し、したがって、液体充填物とカプセル壁の両方が経時的な定量的組成が変化することに起因して軟カプセルがその有効期間中に受け得る変化を考慮し、その製造プロセス及びその出発(又は中間体)材料の観点から軟カプセルを定義するのに完全に適切と思われる。
本発明のさらなる態様によれば、液体医薬組成物又はこのような組成物を含むカプセルは、ブラジキニンB2受容体モジュレートに応答する任意の疾患又は状態に罹患した対象の急性的又は慢性的な処置において使用してもよい。BK B2受容体モジュレートに応答する疾患又は状態の例としては、疾患又は状態、例えば、皮膚障害;眼疾患;耳疾患;口腔、咽喉及び呼吸器疾患;消化管疾患;肝臓、胆嚢、及び膵臓疾患;尿路及び腎臓疾患;男性生殖器及び女性生殖器疾患;ホルモン系疾患;代謝性疾患;心血管疾患;血液疾患;リンパ系疾患;中枢神経系障害;脳障害;筋骨格系疾患;アレルギー障害;疼痛;感染症性疾患;炎症性障害;損傷;免疫学的障害;がん;遺伝性疾患;及び浮腫がある。他の単語で表現すると、本発明の1つの態様は、ブラジキニンB2受容体モジュレートに応答する任意の疾患又は状態に罹患した対象を処置する方法であって、上述のような組成物又はカプセルを投与することを含む方法に関する。同様に、本発明は、ブラジキニンB2受容体モジュレートに応答する任意の疾患又は状態を処置するための、例えば、BK B2受容体モジュレートに応答する疾患又は状態を急性的又は慢性的に処置するための医薬の製造における、本明細書において記載する組成物又はカプセルの使用を提供する。
本明細書において使用される場合、「処置」、「処置すること」などの表現は、任意のタイプの予防又は治療処置を含むと解釈されるべきである。したがって、それは、疾患若しくはその再発又はこのような疾患若しくは状態と関連する任意の兆候の阻止、管理、又は治療を包含する。さらに、本発明の文脈において、「急性的」とは、任意の非慢性的投与レジメン、例えば、本明細書において記載する組成物又はカプセルの有効な単回用量の単回投与、並びに比較的短い期間、例えば、最大4週、又は最大2週にわたる散発的又は規則的投薬レジメンを含む。好ましい実施形態のうちの1つにおいて、本発明によって提供される液体組成物又はカプセルは、ブラジキニンB2受容体モジュレートに応答する疾患又は状態を急性的に処置するために使用される。
以下の疾患又は状態は、ブラジキニンB2受容体モジュレートに対して応答性であるか又は少なくとも潜在的に応答性であるとして考えてもよい:
限定するものではないが、障害、例えば、皮膚老化、褥瘡、褥瘡性潰瘍を含む皮膚発疹、刺激された敏感な感覚異常の皮膚、紅斑、発疹、皮膚浮腫、乾癬、湿疹、ネザートン症候群、苔癬、フルンケル、膿瘍、蜂巣炎、丹毒、毛包炎及び膿痂疹、シラミ、疥癬、及び単純ヘルペスを含む細菌、ウイルス、真菌、及び寄生生物誘発性皮膚感染症、座瘡、発疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎を含む皮膚炎、神経皮膚炎、放射線損傷、日焼け、掻痒症、そう痒、胆汁鬱滞性掻痒症、慢性掻痒症、慢性痒疹、結節性痒疹、蕁麻疹、慢性自然蕁麻疹、慢性誘発性蕁麻疹、寒冷蕁麻疹、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS)、FXII関連寒冷自己炎症性症候群(FACA)、乾癬、真菌症、組織潰瘍、表皮水疱症、異常創傷治癒を含む創傷、火傷、凍傷、毒物によって引き起こされる皮膚の炎症ウイルス腫、脱毛症、毛髪の鱗屑(hair squama)、ウオノメ、いぼ、並びにひょう疽を含む、皮膚障害。
限定するものではないが、炎症性障害、例えば、強膜炎、結膜炎、結膜浮腫、虹彩炎、虹彩毛様体炎、ブドウ膜炎、脈絡網膜炎、並びに障害、例えば、網膜脈絡膜循環障害、細菌性眼感染症、非特異的結膜炎及び眼炎症、未熟児網膜症、増殖性硝子体網膜症、黄斑変性症(加齢黄斑変性症を含み、湿性と乾性の両形態を含む)、角膜のグラフト拒絶、角膜損傷、角膜瘢痕、角膜潰瘍、角膜混濁、円錐角膜症を含む角膜疾患、緑内障(好ましくは開放隅角緑内障)、近視、眼緑内障、高眼圧症、眼血管損傷、血管新生、眼線維症(例えば、前部包膜下線維症、後部包膜下混濁、後部包膜混濁、レーザー外科手術後の角膜混濁、緑内障外科手術後の結膜下瘢痕)、増殖性硝子体網膜症(PVR)、麦粒腫、並びに睫毛脱落を含む細菌性眼感染症を含む、眼疾患。
これらに限定されないが、障害、例えば、メニエール疾患、中耳炎、外耳道炎、及び急性難聴を包含する、耳疾患。
限定するものではないが、障害、例えば、アフタ及び口内炎、歯周炎、喉頭蓋炎、咽頭炎、喉頭気管炎、扁桃炎、一般的な風邪、咽喉痛を含む口腔粘膜及び歯茎の炎症、季節性アレルギー性鼻炎若しくは通年性アレルギー性鼻炎、鼻漏、全てのタイプの病因若しくは病原の副鼻腔炎、又は化膿性若しくは非化膿性副鼻腔炎、急性及び慢性副鼻腔炎からなる群から選択されるメンバーである副鼻腔炎、及び篩骨洞炎、前頭洞炎、上顎洞炎、若しくは蝶形骨洞炎、痰を含む鼻炎、例えば、アルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿肺、石肺症、鉄沈着症、珪肺症、タバコ症、特に、綿肺症を含む全てのタイプの又はそれらに起原するじん肺症、気管支炎、咳、気管炎、うっ血、肺炎、好酸球性肺浸潤、慢性好酸球性肺炎、特発性肺線維症、及び他の線維性肺疾患、例えば、放射線、メトトレキサート、化学療法、アミオダロン、又はニトロフラントインと関連する処置関連線維性肺疾患、サルコイドーシス、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)、気管支収縮、全てのタイプ、病因、又は病原の喘息、又はアトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性及び非アレルギー性喘息、環境因子によって引き起こされる外因性喘息、病態生理学的撹乱によって引き起こされる内因性喘息、気管支喘息、IgE介在性喘息、内因性喘息及び未知の原因又は原因不明の内因性喘息、真正喘息、気腫性喘息、運動誘発性喘息、職業性喘息、細菌、真菌、原生動物、又はウイルス感染症によって引き起こされる感染性喘息、初期喘息の群から選択されるメンバーである喘息、喘鳴性乳児症候群、気管支過敏症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、不可逆的な進行性の気道閉塞によって特徴づけられるCOPD、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、及び他の薬物治療法の結果として生じる気道過敏症の増悪、呼吸困難、高酸素性肺胞損傷、肺気腫、胸膜炎、結核、高高度への曝露、すなわち急性高山病、好ましくは高高度肺水腫(HAPE)、抵抗性の咳、気管支反応性低下を含む、口腔、咽喉及び呼吸器疾患。
限定するものではないが、食道炎、胃炎、胃の過敏性、胃及び十二指腸潰瘍、イレウス、結腸過敏症、クローン病及び潰瘍性結腸炎、直腸炎を含む炎症性腸疾患、高血圧性の胃及び結腸の病気、腸炎、腹膜炎、虫垂炎、直腸炎、門脈圧亢進症によって引き起こされる消化管出血、側副循環又は充血、胃切除後ダンピング症候群、消化不快感、下痢、痔、寄生虫疾患、腹部疝痛及び消化管系の一部の疝痛を含む、消化管疾患を含む障害。
これらに限定されないが、障害、例えば、肝炎、肝硬変、肝線維症(例えばウイルスに起因する(HBV/HCV)感染症、毒素(アルコール)、脂肪肝、胆汁うっ滞、低酸素症)、門脈圧亢進症、腎肝症候群、肝原性浮腫、非悪性腹水、胆管炎、胆嚢炎、急性及び慢性膵炎、並びに胆汁疝痛を包含する、肝臓、胆嚢、及び膵臓疾患。
限定するものではないが、尿路感染症、例えば、急性及び慢性膀胱炎、間質性膀胱炎、過敏性膀胱、過剰活性膀胱、これらに限定されないが、ストレス性、切迫性、及び反射性失禁を含む失禁、良性前立腺肥大、慢性腎臓疾患、尿道炎、糸球体腎炎を含む炎症性腎臓疾患、腎臓の糸球体疾患、間質性腎炎、腎盂腎炎、利尿、タンパク尿、ナトリウム利尿、カルシウム排泄増加(calciuresis)、水分バランス障害、電解質バランス障害、酸塩基バランス障害、及び腎臓疝痛、腎臓線維症、慢性腎臓同種移植片機能不全、造影剤誘発性ネフロパシーを含む、尿路及び腎臓疾患。
限定するものではないが、精子運動の変化、男性不妊症、精巣炎、前立腺炎、前立腺肥大、乳腺炎、炎症性骨盤疾患、膣感染症及び疼痛、付属器炎、膣炎、軟性潰瘍、梅毒、淋菌感染症、及び卵巣過剰刺激症候群を含む、男性生殖器及び女性生殖器の疾患。
限定するものではないが、月経障害及び疼痛、更年期障害、嘔吐、早期子宮収縮、早産、子宮内膜症、子宮内膜炎、筋腫、子癇前症を含む、ホルモン系疾患。
限定するものではないが、障害、例えば、インスリン非依存性糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性腎症、及び糖尿病性ニューロパチー、インスリン抵抗性、及び糖尿病性潰瘍を含む糖尿病、タンパク質代謝及びプリン代謝の疾患、例えば、痛風、及び脂質代謝障害、低血糖を含む、代謝性疾患。
限定するものではないが、血管透過性、血管拡張、充血、末梢の循環障害、心容積過負荷、大動脈瘤、腹部大動脈瘤、脳大動脈瘤を含む動脈循環障害、高血圧、透析中誘発性低血圧及び敗血症と関連する低血圧、経皮経壁冠動脈拡張術後の再狭窄、アテローム性動脈硬化性プラーク破裂を含むアテローム性動脈硬化症、血管腫、血管線維腫、静脈障害、例えば、血栓症、静脈瘤、静脈炎、血栓性静脈炎、静脈血栓症、心臓病、うっ血性心不全、肝動脈性心疾患、カルチノイド症候群、狭心症、不整脈、心内膜炎、心膜炎及び収縮性心膜炎、心筋炎を含む炎症性心疾患、心筋梗塞、心筋梗塞後症候群、左心室拡張、虚血後再灌流損傷、敗血症、アレルギー性、外傷後及び血液動態性ショック、羊水塞栓症を含むショック及び虚脱、外科手術中の心肺バイパスによって引き起こされるSIRS、心肺バイパス手術中の敗血症並びに内部及び外部の合併症(これらに限定されないが、ヘパリンの硫酸プロタミン逆転後の有害な血流動態学的影響)を含む全身性炎症性応答症候群(SIRS)を含む障害を含む、心血管疾患。
限定するものではないが、障害、例えば、凝固、播種性血管内凝固障害、出血、出血性素因、高コレステロール血症、及び高脂血症、血液量減少性ショック、発作性夜間ヘモグロビン尿症を含む、血液疾患。
限定するものではないが、脾腫、リンパ管炎、リンパ節炎、及び過形成性咽頭扁桃を含む、リンパ系疾患。
限定するものではないが、障害、例えば、脳炎、髄膜炎、脳脊髄炎、髄膜脳炎を含む中枢神経系の炎症性疾患、水頭症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄外傷、脊髄浮腫、神経系の脱髄性疾患、多発性硬化症、老化、アルツハイマー疾患、及びパーキンソン疾患を含む急性及び慢性神経変性性障害、多発性硬化症、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、神経炎、及び末梢ニューロパチー、抑うつ、食欲不振、不安症及び統合失調症、睡眠障害を含む、中枢神経系障害。
限定するものではないが、障害、例えば、向知性又は認知性の向上のもの、脳アミロイド血管症、脳卒中、頭部及び脳の外傷、外傷性脳損傷、脳腫瘍、脳の熱損傷、脳虚血、脳出血、外傷後及び虚血後の脳浮腫、一般的な脳浮腫、急性高山病、好ましくは高高度での脳浮腫(HACE)、細胞傷害性脳浮腫、血管原性脳浮腫、術後脳浮腫、代謝性疾患と関連する脳浮腫、血液脳関門又は血液脳腫瘍関門の透過性の亢進を含む、脳障害。
限定するものではないが、障害、例えば、炎症性筋骨格の障害、関節外傷後の、半月板又は膝蓋骨損傷又は靭帯損傷後の関節の比較的に長期間の固定後の、関節症、変形性関節症(osteoarthrosis)、変形性関節症(osteoarthritis)、又は軟骨粗鬆症、急性関節炎、急性痛風性関節炎、慢性炎症性関節炎、変性性関節炎、感染性関節炎、ライム関節炎、増殖性関節炎、脊椎関節炎、敗血症関節炎、乾癬性関節炎、慢性多発性関節炎、リウマチを含む全てのタイプ、病因、又は病原の関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、腰痛、脊椎炎、脊椎関節炎、強直性脊椎炎、骨髄炎、捻挫、腱滑膜炎、炎症誘発性骨吸収、骨折など、骨粗鬆症、筋骨格の疼痛及び硬化、脊髄ディスク症候群を含む、筋骨格系疾患。
限定するものではないが、障害、例えば、一般的なアレルギー反応、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、アレルギー性接触性過敏症、アレルギー性皮膚反応、アレルギー性喘息、春季結膜炎、及び季節性又は通年性のアレルギー性鼻炎を含む、アレルギー障害。
限定するものではないが、中枢性及び末梢性介在性疼痛、血管疼痛、内臓疼痛、炎症性介在性疼痛、神経性疼痛、関連疼痛、侵害受容性疼痛、反射性疼痛、心因性疼痛、例えば、骨、筋肉、組織、軟組織、臓器の急性損傷、外傷、又は外科手術によって引き起こされる急性疼痛、オピオイド誘発性痛覚過敏、虫刺され後の疼痛、脳卒中後疼痛症候群、術後疼痛、進行性疾患関連疼痛、慢性疼痛、例えば、ニューロパチー性疼痛状態によって引き起こされるもの(これらに限定されないが複合性局所性疼痛症候群、灼熱痛、スーデック病、反射性交換神経性ジストロフィー、糖尿病性末梢ニューロパチー、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、がん関連疼痛を含む)、関節リウマチ、変形性関節症、腱滑膜炎、痛風、月経、及び狭心症と関連する疼痛、線維筋痛症、眼疼痛、背疼痛、頭痛、群発型頭痛、緊張型頭痛、片頭痛、急性炎症又は慢性炎症と関連する場合がある炎症性疼痛を含む、疼痛。炎症性疼痛としては、これらに限定されるものではないが、ニューロパチー性疼痛、虚血性疼痛、関節炎によって誘発される疼痛、急性又は慢性炎症によって誘発される筋肉疼痛、急性又は慢性の炎症によって引き起こされる神経痛、痛覚過敏がある。また、化学療法誘発性末梢ニューロパチー、痛覚過敏、オピオイド誘発性痛覚過敏、及び発熱がある。さらに、本発明の化合物は、一般的な麻酔及び監視麻酔中に使用するための鎮痛剤として有用である。
限定するものではないが、細菌、ウイルス、真菌、寄生生物、原虫、プリオン、又はマイコバクテリアの感染症が介在するものを含む疾患を含む、感染症性疾患。特に、本発明は、連鎖球菌属(Streptococcus)、エシェリキア属(Escherichia)、サルモネラ属(Salmonella)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)、クレブシエラ属(Klebsiella)、モラクセラ属(Moraxella)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、及びエルシニア属(Yersinia)によって引き起こされる細菌感染症の処置に有用である。本発明の範囲内を意図する細菌感ウイルスとしては、これらに限定されるものではないが、ペスト、敗血症、発疹チフス、食中毒、破傷風、猩紅熱、百日咳、ジフテリアがある。本発明の範囲内であることを意図するウイルス感染症の例としては、これらに限定されるものではないが、疾患、例えば、水痘及び帯状ヘルペス、AIDS、インフルエンザ、デングウイルス熱、SARS-CoV-2疾患(COVID-19)、ハンタウイルス疾患、天然痘のような疾患、及び小児疾患、例えば、麻疹、風疹、ムンプス、急性脊髄前角炎がある。本発明はマンソン住血吸虫、コナヒョウダニ(Dermatofagoides・farinae)、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma・cruzi)、リーシュマニア属(Leishmania)、及びマラリアを誘発するプラスモディウム属(Plasmodium)によって引き起こされる原虫及び寄生生物感染症の処置に有用である。本発明の範囲内であることを意図するプリオン感染症の例としては、これらに限定されるものではないが、ウシ海綿状脳症(BSE)、クロイツフェルトヤコブ疾患、及びクールー、デング熱、出血熱などの疾患がある。
限定するものではないが、障害、例えば、急性期反応、局所性及び全身性の炎症、並びに全てのタイプ、病因又は病原の他の疾患によって引き起こされる炎症、及び本出願において指定される炎症性疾患によって引き起こされる炎症を含む、炎症性障害。
損傷:本出願の範囲内で「損傷」という用語は、これらに限定されるものではないが、多発性外傷、頭部及び脳の外傷、高血圧性組織損傷、肺損傷、外部、内部、及び外科手術の創傷、これらに限定されないが、熱損傷、電気損傷、化学熱傷、低温損傷、電離放射線及び日光熱傷を含む熱損傷を包含する。
限定するものではないが、障害、例えば、知覚過敏、自己免疫障害、移植における移植片拒絶、移植毒性、肉芽腫性炎症/組織リモデリング、重症筋無力症、免疫抑制、免疫複合体疾患、抗体の産生過剰及び産生不足、血管炎、移植片の機能遅延、ループスを含む、免疫学的障害。
限定するものではないが、障害、例えば、乳がん、肺がん(非小細胞肺がん及び小細胞肺がん)、前立腺がん、口腔及び咽頭(口唇、舌、口腔、咽頭)、食道、胃、小腸、大腸、結腸、直腸、胆嚢及び胆汁管、膵臓、喉頭、肺、骨、骨肉腫、結合組織のがんを含む固形腫瘍がん、カポジ症候群、黒色腫及び皮膚転移、類表皮がん、基底細胞癌腫、子宮頚部、子宮体内膜(corpus endometrium)を含む皮膚がん、卵巣、精巣、膀胱、尿管及び尿道、腎臓、眼、脳及び中枢神経系のがん、偽脳腫瘍、肉腫、サルコイド、甲状腺及び他の内分泌腺(これらに限定されないが、カルチノイド腫瘍を含む)、ホジキン疾患、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、白血病を含む造血器悪性腫瘍、及びリンパ球性、顆粒球性及び単球性のリンパ腫を含むリンパ腫、腫瘍浸潤、転移、腹水、腫瘍増殖及び血管新生を含む、がん。
限定するものではないが、障害、例えば、遺伝性血管性浮腫及び血管神経性浮腫、軟骨石灰化症、ハンチントン疾患、嚢胞性線維症を含む、遺伝性疾患。
本明細書において使用される場合、これらに限定されるものではないが、任意の形態及び/又はタイプの血管性浮腫(AE)を含む一般的な浮腫、及び炎症によって引き起こされる浮腫、因子XII欠乏誘発性浮腫、これらに限定されないが、アンジオテンシン変換酵素阻害剤誘発性血管性浮腫、薬物誘発性血管性浮腫、血栓溶解薬療法誘発性血管性浮腫を含む他の薬物、例えば薬物誘発性血管性浮腫、感染症、火傷、損傷、外傷、凍傷、外科手術、捻挫、骨折、高高度への曝露(例えば高高度肺水腫(HAPE)及び高高度脳の浮腫(HACE))、遺伝性、自己免疫、並びに他の疾患及び障害、特にこれらに限定されないが、本出願において指定する障害、消化管ストレス性誘発性浮腫(顕著な腫脹)含む、浮腫。
限定するものではないが、敗血症、熱傷、アレルギー、薬物/毒素誘発性状態、臓器移植、及びIL-2サイトカイン療法における全身性毛細血管漏出症候群を含む、毛細血管漏出症候群。
好ましい実施形態において、液体医薬組成物又はカプセルは、遺伝性血管性浮腫(HAE)、後天性血管性浮腫(AAE)、ブラジキニン介在性非ヒスタミン性特発性血管性浮腫、アレルギー性血管性浮腫、又は薬物誘発性血管性浮腫、又は原因不明のブラジキニン介在性血管性浮腫を含む血管性浮腫(AE)の急性的又は慢性的な処置において使用される。遺伝性血管性浮腫(HAE)は、重度の腫脹発作を繰り返し示す障害である。腫脹は、腕、肢、顔、腸管に、気道にも影響を与えることが多い。腸管に影響が与えられた場合、腹痛及び嘔吐が生じる場合がある。気道の腫脹は、その気管支閉塞及び呼吸困難をもたらす場合がある。急性発作は、典型的には、数日間持続し、HAE患者は約2週ごとの頻度で発作を経験する。HAEは、I型HAE、II型HAE、又はIII型HAE、好ましくはI型HAE又はII型HAEを含むいずれのタイプのものであってもよい。
さらなる好ましい実施形態によれば、液体医薬組成物又はカプセルは、例えば遺伝性血管性浮腫に罹患した対象の血管性浮腫の前区症状又は急性発作の処置において使用される。前述のように、本発明による液体医薬組成物は、化合物の分子サイズの大きさ、及び生理学的液体中での溶解度の低さにもかかわらず、式1のブラジキニンB2受容体拮抗薬の優れた放出速度を示す。活性成分の患者血流へのこのような急速な送達のために、組成物は、薬物作用の急速な発現を必要とする重度腫脹の急性発作又はエピソードの管理において使用される場合に特に有利である。
さらなる実施形態において、液体医薬組成物又はカプセルは、組成物又はカプセルをそれぞれ1日1回又は2回、好ましくは少なくとも2週にわたって経口投与することを含む処置において使用される。組成物は、ほぼ注射のような急速な薬物放出を提供するが、その経口投与は、注射よりもいっそう好都合であり、このようなレジメンも特に有利になる。
本発明のさらなる態様、実施形態、必要に応じた特徴、及び優先事項は、実施例及び特許請求の範囲に基づいて明らかになるであろう。
さらなる定義
明確にするために、説明及び特許請求の範囲全体にわたって使用される用語の一部のさらなる定義が与えられる。定義は、文脈によって異なる意味が必要とされていない限り、それぞれの表現の意味を定めるために使用されるべきである。
「a」又は「an」という用語は、複数を除外するものではなく、すなわち、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに示されていない限り又は特に要求がない限り、複数形の参照対象を含むとして理解されるべきである。言い換えれば、本開示の単数形の特性又は限定に対する全ての言及は、言及される文脈によって特に明確に指定されていない限り又は逆であることが明らかに暗示されていない限り、対応する複数形の特徴又は限定を含むべきであり、逆もまた同様である。したがって、「a」、「an」、及び「the」という用語は、別段の定義がない限り、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」と同じ意味を有する。例えば、「成分(an ingredient)」への言及は、成分の混合物などを含む。
「約(about)」又は「約(ca.)」という用語は、医薬業界において認められ、医薬品において固有の、変動、例えば、製造上の変動及び/又は時間による製品の分解に起因する含有量における差を相殺することになる。その用語は、任意の変動を認め、医薬の実施において、製品が、主張される製品の挙げられた強度と対象において生物学的に同等と考えられるように評価されるべきであることを認めている。
「活性薬剤」、「治療剤」、「活性医薬成分(API)」、「活性原理」、「薬物」、「生物活性薬剤」という用語は、同義的に使用され、不所望の状態に対して薬学的活性を有する化合物又は化合物の組合せを指す。
「組成物」という用語は、指定の成分が、任意でさらなる構成成分とともに組み込まれていてもよい、任意のタイプの組成物を指す。
「化合物」という用語は、実質的に同じ化学構造及び性質を有する分子からなる材料である化学物質を指す。低分子化合物に関しては、分子は、典型的には、その原子組成及び構造的立体配置に関して同一である。高分子又はポリマー化合物に関しては、化合物の分子は非常に類似しているが、それら全てが必ずしも同一ではない。
「を含む(comprise)」、「を含む(comprises)」、及び「を含むこと(comprising)」という用語、及び類似の表現は、「~としては、~があるが(including)、これらに限定されない」のように、オープンで包含的な意味で解釈されるべきである。
「本質的に」、「約」、「およそ」、「実質的に」などという用語は、属性又は値に関連して、正確な属性又は正確な値を含み、並びにいずれの属性又は値も、典型的には、関連する技術分野において許容される通常の範囲内又は変動に入ると考えられる。例えば、「実質的に水を含まない」は、水が組成物中に意図的に含まれないことを意味するが、残留水分の存在を除外するものではない。
「から実質的になる」という用語は、挙げられたもの以外のさらなる構成要素が添加されていない組成物又は投薬形態を指す。それにもかかわらず、ごく少量の他の材料、例えば材料固有の不純物が潜在的に存在する場合がある。さらに、例えば、「A、B、C及び必要に応じてDから実質的になる」に言及する場合、これは、A、B、C及びD以外のさらなる構成要素が組成物又は投薬形態に添加されておらず、Dは、前記組成物又は投薬形態中の必要に応じた構成要素である(すなわち、必須ではない)ことを意味する。
「実質的に含まない」という用語は、それぞれの成分の機能量未満、典型的には、1重量%未満、好ましくは0.1%未満、又はさらに0.01%未満を含む組成物を指し、それぞれの成分の0重量パーセントを含む。
[実施例1]
液体組成物A~H
プロピレングリコールモノカプリレート、ポリオキシルヒマシ油、及びプロピレングリコールをベースとするいくつかの液体組成物(表1A及びIBを参照のこと)を、それぞれの液体構成成分を秤量し、混合し、次いで液体混合物と、指定の量の活性成分、例えば液体混合物中に活性成分(API)の溶解を可能にするものとを合わせることによって調製した。APIとして、(S)-N-(1-ジュウテロ-1-(3-クロロ-5-フルオロ-2-((2-メチル-4-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)キノリン-8-イルオキシ)メチル)フェニル)エチル)-2-(ジフルオロメトキシ)アセトアミド一水和物を使用した。APIの量又は含有量は、一水和物として指定される。したがって、液体組成物は、指定の量のAPI一水和物を含んでいた。プロピレングリコールモノカプリレートとして、市販グレードのII型プロピレングリコールモノカプリレート(Capryol(登録商標)90)を使用した。ポリオキシルヒマシ油として、市販グレードのポリオキシル40水素化ヒマシ油(Kolliphor(登録商標)RH40)を使用した。
Figure 2024528195000006
Figure 2024528195000007
結果として、これらの組成物A~Hは完全な溶解形態で活性成分が組み込まれており、透明、乳白色、又は濁った溶液が得られ、未溶解APIを示し得るいずれの固体残渣も認められなかったことが観察された。
[実施例2]
液体組成物A~Hの水性媒体での希釈
組成物A~Hを水性媒体で希釈した際、その溶解された状況でAPIを維持するためのそれらの能力に関して試験した。この目的のために、胃液の単純な代用物、すなわち塩酸溶液を用いてpH3に酸性化された水を、例えばそれらを10倍、すなわち10倍の重量に希釈するように、組成物の試料に添加した。希釈された試料を室温で3時間保存した。
希釈の際、全ての組成物A~Hは、視覚的に観察することができたように、2つの液相が一切分離することなく物理的に安定なエマルション又はマイクロエマルションを形成した。したがって、組成物は、本明細書において定義されるようなSEDDS又はSMEDDSを示すことが認められた。さらに、希釈された試料は薬物沈殿の兆候を示さなかった。言い換えれば、組成物は、大幅に過剰な水で希釈した場合でさえ、完全に溶解された形態で活性成分を安定化することができた。
さらに、組成物Eから得られた希釈された試料を室温でさらに数日間保存し、それは非常に安定であった。5日後でさえ、試料は、依然として乳白色マイクロエマルションの形態のままであり、沈殿はほぼ認められず、この組成物は特に有利であり、例えば、急速に吸収され、急速な作用の発現を可能にするための活性成分の可溶化が可能であったことを示した。
[実施例3]
液体組成物の性能頑強性
当初は有望な多くのさまざまな原薬のSMEDDS製剤が、性能に一貫性がないか又は性能頑強性が低いため、市販製品の開発中に最終的には失敗することは既知であるため、本発明による代表的な液体組成物、すなわち実施例1の組成物Eに一連の性能頑強性試験を行った。
FaSSIF-V2の希釈
液体組成物の治療的投与(例えば、軟カプセルを用いた)の際、組成物は消化管液で最初に希釈される可能性がある。この想定をシミュレーションするために、組成物の試料を、広範囲に認識されている消化管液の生物学的関連性がある代用物であるFaSSIF-V2(絶食状況の人工腸液V2)と混合して、例えば、1/10及び1/100の希釈比をそれぞれ達成した。比較のため、同じ希釈比を使用して、さらに一連の試料を水で希釈した。希釈された試料は、全て不透過なマイクロエマルション(そのサブミクロンの液滴サイズを考慮してナノエマルションとも呼ばれる)であり、37℃で維持した。エマルションの液滴サイズは、希釈直後及び希釈してから6時間後、Malvern Zetasizer Nano ZSを使用して測定した。
結果として、全ての希釈された試料は、サブミクロンのエマルションを示し、z-平均粒子径は約50ないし200nmの範囲であることが認められた。希釈比が1/10の試料は、初期と6時間後の両方で、1/100の希釈比のものよりもわずかに大きい液滴サイズ(例えば、FaSSIF-V2に関しては197nm対119nm)を示したという点で小さな差が観察された。さらに、6時間にわたる貯蔵は、全ての希釈に関して液滴サイズにおけるいくつかの増大につながった。この効果は、FaSSIF-V2の場合、希釈剤としての水と比較してわずかに強調され、37℃で6時間後でさえFaSSIF-V2での希釈によってサブミクロンのエマルションが示され、したがって、FaSSIF-V2が緩衝系だけではなく界面活性剤であるタウロコール酸ナトリウム及びレシチンも含むという事実を特に考慮すると、性能に関して製剤の優れた頑強性を示すことが発見されたのは驚くべきことであった。この一連の実験において測定された液滴のz平均を以下の表2に要約した。
Figure 2024528195000008
さまざまな媒体中の分散体
3ないし5滴の組成物Eを、以下の媒体:水、0.01nの塩酸、pH6.8のリン酸緩衝液、人工胃液(SGF)、絶食状況の人工腸液(FaSSIF)、及び摂食状況の人工腸液(FeSSIF)それぞれ10mLに37℃で個別に添加した。試料を、混合直後、反転後、及び2ないし6時間にわたる貯蔵後、薬物沈殿の兆候に関して視覚的に調査した。結果として、沈殿の兆候は観察されなかった。
温度サイクル
液体組成物Eのアリコート約5gをバイアル中に充填し、冷蔵下(2℃ないし8℃)でおよそ24時間保存した。次いで、バイアルを、特に全ての薬物沈殿又は相分離に関して視覚的に調査した。その後、バイアルを高温(30℃ないし40℃)でさらに約24時間保存し、再び調査した。2つの温度条件間のサイクルを6日行った。いずれの時点においても、製剤のいずれの変化も、特に薬物沈殿又は相分離も目視検査によって認められなかった。
[実施例4]
液体組成物I~N
プロピレングリコールモノカプリレート、ポリオキシルヒマシ油、プロピレングリコール、及びさらなる液体賦形剤をベースとしたさらなる一連の液体組成物(表2を参照のこと)を、実施例1に記載されているように調製した。この場合も、化合物(S)-N-(1-ジュウテロ-1-(3-クロロ-5-フルオロ-2-((2-メチル-4-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)キノリン-8-イルオキシ)メチル)フェニル)エチル)-2-(ジフルオロメトキシ)アセトアミド一水和物をAPIとして使用し、同じグレードのプロピレングリコールモノカプリレート及びポリオキシルヒマシ油を使用した。賦形剤に関しては、カプリロカプロイルマクロゴール-8グリセリドとも呼ばれる市販グレード(Labrasol(登録商標))のカプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリドを使用した。
Figure 2024528195000009
目視検査の際、これらの組成物I~Nは、完全な溶解形態で活性成分を組み込み、透明、乳白色、又は濁った溶液を得ることができ、未溶解のAPIを示し得るいずれの固体残渣も認められなかったことも認められた。この実施例はまた、プロピレングリコールモノカプリレート、ポリオキシルヒマシ油、及びプロピレングリコールに加えて、さらなる賦形剤、例えばさらなる有機溶媒(エタノールによって表されるような)及びさらなる界面活性剤(カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリドによって表されるような)を組み込むことができることを示す。
[実施例5]
液体組成物の安定性
液体組成物Eのアリコートをガラスバイアル中に充填し、25℃/60%相対湿度を含む異なる温度及び湿度条件で保存した。試料を採取し、薬物含有量(アッセイ)及び化学的不純物だけではなく、物理的外観、含水量及び乳化性能も含め異なる時間間隔で最大36か月試験した。
結果として、顕著な化学的又は物理的変化は認められなかった。36か月後でさえ、組成物は透明でわずかに茶色がかった溶液であり、それは乳化を示したが、水で希釈後、沈殿又は相分離は認められなかった。注目すべきことに、36か月後の薬物含有量は初期値とほぼ同一であり(ラベル表示の94.1%対94.5%)、不純物の総含有量の非常にわずかな増加(1.65%ないし2.00%)のみを示した。これらの結果は、商業的に魅力的な製品有効期間を約束するだけではなく、高機能賦形剤の混合物中に完全に溶解された非晶質形態で活性成分を含む液体SMEDDS製剤は、典型的には、従来の医薬製剤よりも薬物分解が多い傾向があるという事実を考慮して非常に驚くべきことでもある。
[実施例6]
液体組成物I~Nの水性媒体での希釈
実施例2と同様に、組成物I~Nを水性媒体で希釈した際、溶解された状況でAPIを維持するためのそれらの能力に関して試験した。この場合も、全ての組成物がエマルション又はマイクロエマルションを自発的に形成し、それらは物理的に安定であり、液相分離を示さなかった。したがって、これらの組成物もSEDDS又はSMEDDSを示すことが認められた。希釈された試料は、いずれの薬物沈殿の兆候も示さなかった。
比較例
他の活性成分のSEDDS又はSMEDDS製剤を調製するために通常使用されるいくつかの他の賦形剤及び賦形剤の組合せを、式1で表されるブラジキニンB2受容体拮抗薬で試験し、試験は成功しなかった。例えば:
(a)50:50の重量比のグリセリルカプリレート/カプレート(Capmul(登録商標)MCM)及びカプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド(Labrasol(登録商標));
(b)50:40:10の重量比のグリセリルカプリレート/カプレート(Capmul(登録商標)MCM)、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド(Labrasol(登録商標))及びエタノール;
(c)20:80の重量比のII型プロピレングリコールモノカプリレート(Capryol(登録商標)90)及びカプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド(Labrasol(登録商標));及び
(d)さまざまな重量比のII型プロピレングリコールモノカプリレート(Capryol(登録商標)90)、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド(Labrasol(登録商標))、及びプロピレングリコール
の混合物中に(S)-N-(1-ジュウテロ-1-(3-クロロ-5-フルオロ-2-((2-メチル-4-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)キノリン-8-イルオキシ)メチル)フェニル)エチル)-2-(ジフルオロメトキシ)アセトアミド一水和物を組み込むと、
酸性水で希釈した際に活性成分が急速に沈殿するだけではなく、液液相分離、すなわちエマルション又はマイクロエマルション系の物理的破壊、及びその2つの個別の非分散液相への変換にもつながった。
さらに、同じ式1の化合物を、他の通常使用される賦形剤混合物:
(e)40:60の重量比のII型プロピレングリコールモノカプリレート(Capryol(登録商標)90)及びポリオキシル40水素化ヒマシ油(Kolliphor(登録商標)RH40);
(f)95:5の重量比のカプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド(Labrasol(登録商標))及びグリセリルカプリレート/カプレート(Capmul(登録商標)MCM);及び
(g)70:20:10の重量比のポリオキシル40水素化ヒマシ油(Kolliphor(登録商標)RH40);II型プロピレングリコールモノカプリレート(Capryol(登録商標)90)及びエタノール
中に溶解すると、液液相分離は示さないが、活性成分の急速な沈殿を示した。
[実施例7]
軟ゼラチンカプセルの調製
実施例1の組成物Eを、標準的なカプセル化装置及び技術を使用して、軟ゼラチンカプセルの製造における液体充填材料として使用した。
2つのプロトタイプのカプセル組成物(プロトタイプE-l及びE-2)を、表4に示す湿潤ゼラチンカプセルシェル組成物を使用して調製した。市販グレードのソルビトールシロップ、又は部分的に脱水された液体のソルビトールであるPolysorb(登録商標)85/70/00(Roquette)を使用した。
Figure 2024528195000010
経験豊富な技術者による目視検査の際、軟カプセルの外観は、両方のカプセル製剤に関して非常に良好であることが認められた。滑らかな表面及び形よく形成された密封領域が存在した。ゼラチンの伸展はなく、特に欠損は観察されず、そのため、カプセルシェル組成物は、カプセル化液体組成物Eに好適であることが認められた。
カプセルの硬度を、さまざまな温度及び湿度条件(25℃/60%室温;30℃/65%室温;40℃/75%室温)で3か月の期間にわたる貯蔵にわたって試験し、モニターした。小さな変化のみが生じることが認められ、これはカプセルの全体的な特性に影響はなかった。
[実施例8]
サルにおける単回用量薬物動態研究
カニクイザルにおける単回経口投与後の本発明による液体組成物の薬物動態特性を研究し、メチルセルロース(1wt.%)を含む水性担体中の同じAPIの懸濁液のものと比較した。被検製剤は、APIの濃度が、組成物Eと実質的に同じ液体ビヒクル中の5mg/mLであることを除いて、実施例1の組成物Eに基づいていた。比較製剤は、メチルセルロース(1wt.%)をさらに含む水性薬物懸濁液として製剤化された、同じAPIを2mg/mLの濃度で含んでいた。
材料及び方法:
研究を、以下のとおり:少なくとも5日のウォッシュアウトを挟んだ2段階で3匹の動物において行った
段階1:
Figure 2024528195000011
段階1が完了したら、サルを同じ順序で段階2に再割り付けした。
段階2:
Figure 2024528195000012
名目用量レベルを使用して薬物動態評価を行った。
in vitro薬理学的試験によって、APIがヒト及びサルのB2受容体に関して類似の高い拮抗薬潜在力を有するが、イヌ、ラット及びマウスのB2受容体に関しては低い拮抗潜在力を有することを明らかになった、非ヒト霊長類はこの研究に関しては特に適切な種であった。
薬物動態評価のための血液試料を、投薬前、並びに投薬から0.5、1、2、3、4、6、8及び24時間後に両段階において全ての動物から採取した。全ての血液試料を、名目サンプリング時間の20%よりも厳密には短い間隔内で採取し、理論的サンプリング時間を薬物動態評価のために考慮した。
薬物動態パラメーターを、Kinetica(商標)4.4.1(Thermo Fisher)を使用した非コンパートメント分析によって個々の血漿濃度から判定した。LLOQ(試験項目に関しては1.2ng/mL未満)を下回る血漿濃度を0とみなした。線形及び片対数スケールでの個々の濃度対時間のグラフを、Kinetica(商標)4.4.1(図1A~1D)を使用して実行した。
薬物動態パラメーター、比率、SD、及びCV(又はデルタ%)が、100未満の数に関しては3桁の有効数字で報告され、時間値及びnを除く100以上の全ての数に関しては最も近い整数で報告された。
主要な薬物動態パラメーター
最大血漿濃度(Cmax)、Cmaxのサンプリング時間(Tmax)、及びLLOQを超える最後の血漿濃度のサンプリング時間(Tlast)のパラメーターを観察から判定した。投薬時間から最後の定量化可能な濃度までの血漿濃度-時間曲線下面積を、線形上昇/対数下降台形規則(AUClast)を使用して計算した。AUGの計算に関しては少なくとも3つの連続した定量化可能な濃度が利用可能である必要があった。
二次薬物動態パラメーター
濃度時間プロファイルの対数線形終末相の線形回帰係数(R)を、Cmax以外の少なくとも3つのデータ点が利用可能なKinetica(商標)4.4.1によって計算した。回帰係数(R)を絶対値で示し、期間を、対数線形終末相の線形回帰を計算するために使用される時間点の範囲として判定した。Rの絶対値が0.8以上であり、期間が半減期の2倍であった場合、線形回帰の消失速度定数(k)を使用してさらに計算することができ、したがって、式ln2/kを使用して単回投与後にtl/2を計算した。
Tlastから無限大までの外挿されたAUGのパーセンテージを、以下の式を使用し、KineticaTM4.4.1によって計算した:
AUCextra(%)=(Clast/k)×100/AUCinf
この外挿が20%を下回り、2つの上述の条件(R及び期間)を満たした場合、以下のパラメーターが単回投与後に表示される:
AUCinf:以下の式を使用して計算された投薬時間から無限大までの推定曲線下面積:
AUCinf=AUClast+AUCextra
分析物又は製剤の用量効果及び比較
用量比例性:この効果を、グラフを用い、個々の用量正規化Cmax及びAUClastを計算することによって評価した。
製剤の比較:この効果を、比較製剤と被検製剤との間の個々のCmax及びAUClast比を計算することによって評価した。
結果
薬物動態パラメーターを表5に挙げる。さらに、図1は、線形及び片対数スケールでの個々のAPI血漿濃度対時間を示す。図1A及びIBは、メチルセルロース(1wt.%)を含む水性担体中のAPIを投与した後のAPI血漿濃度を示す。図1C及びIDは、本発明による組成物中のAPIを投与した後のAPI血漿濃度を示す。
Figure 2024528195000013
APIへの曝露は全ての動物において実証された。
計算されたパラメーターは動物間で非常にばらつきがあり:値の67%は、30%を超えるCV又はデルタ%を有していた。
API血漿濃度は、被検製剤で処置された1匹の動物を除いて、投与後最大24時間定量化可能であり、化合物は24時間の時点で検出されなかった(表6及び7)。最大API血漿濃度は、比較製剤を投薬した後0.5ないし3時間の間及び被検製剤を投薬した後1ないし4時間の間に観察された(表6及び7)。
Figure 2024528195000014
比較製剤に関しては半減期値を報告することができず、したがって消失に関して結論を出すことができなかった。被検製剤に関しては、半減期値は用量に関係なく比較的類似しており:個々の値は2.72ないし4.57時間の間であった(表7)。
Figure 2024528195000015
製剤の比較:APIの全身曝露は、比較製剤よりも被検製剤の方がはるかに高かった。平均Cmax及びAUClast比(比較製剤対被検製剤)はそれぞれ0.679及び0.430であった(表8)。言い換えれば、被検製剤によって達成された経口バイオアベイラビリティの程度は、比較製剤のものよりも2倍以上高かった。
Figure 2024528195000016
死亡率。この研究中に死亡は発生しなかった。
[実施例9]
ヒトにおける経口バイオアベイラビリティ
単回経口投与後、本発明による液体組成物の経口バイオアベイラビリティ、薬物動態特性、及び安全性を評価した。組成物は実施例1の組成物Eと同一であった。
方法:組成物を、健常ボランティアにおける二重盲検プラセボ対照単回漸増用量ファーストインヒューマン研究において経口溶液として投与した。表9は、研究の実験デザインを示す。
Figure 2024528195000017
安全性を、身体的検査、バイタルサイン、有害事象、安全性実験室、及び心電図(ECG)によって投薬後72時間まで評価した。血漿薬物動態(PK)パラメーターを投薬後72時間まで評価した。
薬物動態の結果:
組成物は非常に急速に吸収され、絶食条件下で全ての被験者に投薬後、30ないし60分以内にピーク血漿レベルに到達した。全身曝露は用量に比例し、平均tl/2は、用量間で3.5ないし5.6時間の範囲であった。APIに関する血漿レベルは、全ての用量に関して15分以内に治療有効閾値濃度(推定EC50 2.4ng/mL及びEC85 13.8ng/mL)に到達し、12mg及び22mgの用量でおよそ12時間維持された(図2)。
HCHF朝食とともに22mgの用量を投与することによって、Cmaxが32%低下し、AUClastが49%上昇し、tmaxの中央値がおよそ2時間遅延した。血漿レベルは依然として15分以内に有効な治療効果が期待されるレベルに到達したままであり、12時間を超えて維持された(図3)。観察された薬物動態パラメーターの概要を表10に提供する。
Figure 2024528195000018
これらの結果は、実施例8の結果によって既に示されるように、組成物の優れた特性を確認するものであり、治療的に適切な血漿レベルが確実に達成されたことを示すだけではなく、その非常に低い水溶性にもかかわらず、活性成分が全身血液循環に著しく急速に吸収されることを示す。このような薬物動態性能の範囲内で、組成物は、一般的にブラジキニンB2受容体モジュレートに応答する疾患又は状態に罹患した患者の経口処置に明らかに有用であり、ただちに有効な介入を必要とする急性的な惹起又は兆候の処置にさえ明らかに有用である。

Claims (18)

  1. 下記式1で表される化学構造を有するブラジキニン(BK)B2受容体拮抗薬、又はその立体異性体、塩、若しくは溶媒和物を含む経口投与用の液体医薬組成物であって;
    BK B2受容体拮抗薬が、プロピレングリコールモノカプリレート、ポリオキシルヒマシ油、及びプロピレングリコールを含む液体ビヒクル中に溶解されている、液体医薬組成物。
    Figure 2024528195000019

    (式中、Rは、重水素又は水素である。)
  2. BK B2受容体拮抗薬が、式1(式中、Rは重水素である。)で表される化合物又はその塩若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の液体医薬組成物。
  3. 液体ビヒクル中のプロピレングリコールモノカプリレートの量が、液体ビヒクルの重量に基づいて、約40~60wt.%である、請求項1又は2に記載の液体医薬組成物。
  4. 液体ビヒクル中のポリオキシルヒマシ油の量が、液体ビヒクルの重量に基づいて、約30~50wt.%である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液体医薬組成物。
  5. プロピレングリコールの量が、液体ビヒクルの重量に基づいて、約2.5~15wt.%である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の液体医薬組成物。
  6. プロピレングリコールモノカプリレートが、II型プロピレングリコールモノカプリレート(USP/NF)である、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の液体医薬組成物。
  7. ポリオキシルヒマシ油が、ポリオキシル40水素化ヒマシ油(USP/NF)である、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の液体医薬組成物。
  8. 液体ビヒクル中の、プロピレングリコールモノカプリレート、ポリオキシルヒマシ油、及びプロピレングリコールの合計重量に基づいて、プロピレングリコールモノカプリレートの含有量が約50wt.%であり、ポリオキシルヒマシ油の含有量が約40wt.%であり、プロピレングリコールの含有量が約10wt.%である、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の液体医薬組成物。
  9. 液体医薬組成物1gあたり約5mgないし約100mg、例えば、1gあたり約5mgないし約65mg、又は例えば、1gあたり約20mgないし70mgの範囲のBK B2受容体拮抗薬の含有量を示す、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の液体医薬組成物。
  10. (a)液体医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5ないし6.5wt.%、例えば5wt.%の式1(式中、Rは重水素である。)で表される化合物、又はその立体異性体、塩、若しくは溶媒和物;
    (b)液体医薬組成物の総重量に基づいて、約93.5ないし99.5wt.%の液体ビヒクルであって:
    (i)約50部(重量)のプロピレングリコールモノカプリレート、例えば、II型プロピレングリコールモノカプリレート(USP/NF);
    (ii)約40部(重量)のポリオキシルヒマシ油、例えば、40水素化ヒマシ油(USP/NF);
    (iii)約5ないし10部(重量)のプロピレングリコール;及び必要に応じて(iv)最大約5部(重量)の水
    から実質的になる液体ビヒクル;並びに必要に応じて
    (c)液体ビヒクル中に溶解又は分散された1つ又は複数のさらなる賦形剤である残り部分
    から実質的になる、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の液体医薬組成物。
  11. 請求項1ないし10のいずれか一項に記載の液体医薬組成物を含む、経口投与用のカプセル。
  12. 軟カプセルである、請求項11に記載のカプセル。
  13. ゼラチンと、
    水と、
    プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールベースの可塑剤混合物、又はこれらの任意の組合せから選択される少なくとも1つの可塑剤と、
    を含むカプセル壁を含む、請求項12に記載の軟カプセル。
  14. BK B2受容体モジュレートに応答する疾患又は状態に罹患した対象の急性的又は慢性的な処置において使用するための、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の液体医薬組成物、又は請求項11ないし13のいずれか一項に記載のカプセル。
  15. BK B2受容体モジュレートに応答する疾患又は状態が、浮腫、例えば遺伝性血管性浮腫である、請求項14に記載の使用のための液体医薬組成物、又は請求項14に記載の使用のためのカプセル。
  16. 対象におけるBK B2受容体モジュレートに応答する疾患又は状態を処置又は予防する方法であって:
    (i)有効量の請求項1ないし10のいずれか一項に記載の液体医薬組成物;又は
    (ii)少なくとも1つの請求項11ないし13のいずれか一項に記載のカプセル
    を、BK B2受容体モジュレートに応答する疾患又は状態を呈する対象に経口投与することを含む方法。
  17. BK B2受容体モジュレートに応答する疾患又は状態を処置又は予防するための医薬の製造における、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の液体医薬組成物、又は請求項11ないし13のいずれか一項に記載のカプセルの使用。
  18. BK B2受容体モジュレートに応答する疾患又は状態が、浮腫、例えば、遺伝性血管性浮腫である、請求項16に記載の方法、又は請求項17に記載の使用。
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