JP2024517609A - エポキシドのカルボニル化の改良された方法 - Google Patents

エポキシドのカルボニル化の改良された方法 Download PDF

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Abstract

一酸化炭素を用いて、エポキシド及び/又はラクトンを、改善された触媒効率及び反応器の生産性で連続してカルボニル化する方法であって、溶媒において、エポキシ及び/又はラクトンを一酸化炭素とともに、触媒の存在下、少なくとも80℃の温度、反応器からの流出物の最大約150ppmの水分量で反応させることを含む、方法。本発明の方法で使用される任意の成分における水分量は、前述した反応器からの流出物における水分濃度よりも実質的に低いことが好ましい。同様に、本発明の方法では、ポリエーテル副生成物の量は実質的に存在しない。本方法は、触媒をリサイクルすることなく行われてもよい。

Description

本発明は、ラクトン又は無水物のようなカルボニル化生成物を生成するためのエポキシドの改良されたカルボニル化に関する。
気体と液体の反応物との触媒反応は、通常、反応気体の過圧と、気体反応物の液体への連続的な注入を維持するように、撹拌バッチ又は連続撹拌反応器で行われている。バッチ反応器は触媒を効率的に使用する傾向がある(つまり、触媒のターンオーバー数「TON」が高い)が、所定の処理量に対して高い資本コストとバッチ間のダウンタイムの問題がある。
連続撹拌反応器(CSTR)は製品を連続的に生産できるが、通常、望ましい生産性を実現するには触媒の充填量を増やす必要があり、触媒の非効率的な使用が必要となる。触媒の非効率的な使用は、一般に、触媒を連続的に分離、リサイクル、及び補充することにより克服されるが、これによって、複雑さ、分離膜の汚れなどの好ましくない問題が増加する。
米国特許第9,493,391号には、触媒のリサイクルを用いたエチレンオキシドなどのエポキシドの連続的なカルボニル化が記載されている。この特許において、反応を実行するためのさまざまなパラメーターが記載され、触媒が90℃で失活することが示唆されている。
従って、上述の問題のような従来技術の1つ以上の問題を回避するように、エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法が提供されることが好ましい。
米国特許第9,493,391号明細書
出願人は、驚くべきことに、CTSRで高温でエポキシド又はラクトンをカルボニル化する場合に、平均水分濃度が150ppm(液体流出物の重量による百万分の1)未満になるように、運転/条件制御することにより、触媒を不活性化することなく、触媒濃度を低下させると同時にTON(ターンオーバー数)を増加させて生産性を維持できることを発見した。ここで、便宜上、溶媒を含む又は含まないエポキシド及び/又はラクトンを「液体反応物」と呼ぶ。いかなる形でも制限することなく、十分なCOが存在する場合、反応は、より高温で、過剰な水やその他の望ましくない生成物を形成することなく実行すると考えられる(つまり、1つ以上の副反応を回避する)。同様に、高温では、リサイクルされた触媒の使用は、副反応を開始及び促進する可能性のある低濃度の望ましくない生成物が導入され、より高い操作温度での効率及び生産性が低下する可能性があることが発見された。
本発明の第1の態様は、液体溶媒に溶解されたエポキシド又はラクトンを、一酸化炭素及び触媒の存在下、80℃を超える温度、カルボニル化生成物を形成するための最大約150ppmの水分濃度で連続的に反応することを含む、エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法である。水分濃度は、反応器が定常状態に達した後(例えば、約1~3の平均滞在時間後)に、液体流出物に存在する水の量である。流出物には、通常、例えば、溶媒、カルボニル化生成物、触媒、未反応の反応物(例えばエポキシド)、及び副生成物(例えば、ポリエーテル又はアルデヒド)が含まれる。本明細書で使用されるCO圧力は、圧力の大部分がCOから生成される、本明細書に記載の反応器の作動圧力を意味すると理解される。
本発明の第2の態様は、液体溶媒に溶解されたエポキシド又はラクトンを、一酸化炭素及び触媒の存在下、80℃を超える温度、少なくとも700psiの一酸化炭素圧力で、副生成物ポリマーが実質的に存在しない状態で反応することを含む、エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法である。副生成物ポリマーは、ポリエーテル、ポリエステル又はポリエーテルエステルである。副生成物ポリマーが実質的に存在しないとは、そのようなポリマーの量が流出物の約0.5重量%未満で、好ましくは流出物の0.1重量%未満であるという意味である。触媒のリサイクルがない場合に、より高い温度及び圧力で、副生成物ポリマーが最小化され、重合の開始剤又は成長中心として作用し、所望のラクトン又は無水物の収率の低下を引き起こす可能性があることが発見されている。本明細書の副生成物ポリマーは、カルボニル化されるエポキシドから生成され得る任意のオリゴマー又はポリマーポリエーテル、ポリエステル又はポリエーテルエステルである(例えば、エチレンオキシドがポリ(エチレンオキシド)を形成する)。ポリエーテルの量は、既知の方法であるGPLC(ゲル浸透液体クロマトグラフィー)、赤外分光法、核磁気滞留法などの任意の適切な方法によって決定され得る。
本発明の第3の態様は、液体溶媒において、エポキシド又はラクトンを一酸化炭素とともに、触媒の存在下、80℃を超える温度、少なくとも700psiの一酸化炭素圧力で連続的に反応することを含み、エポキシド、ラクトン、溶媒及び一酸化炭素(反応器に導入されるすべての成分)の総水分濃度は、最大約150ppmである、エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法である。好ましくは、連続反応器に導入されるすべての成分の総水分濃度は、最大約100ppm又は50ppmである(ここで、「ppm」は、別段の指示がない限り、重量による百万分率である)。反応器で乾燥反応物と成分を使用するのは、より高い反応温度と圧力でそれぞれラクトンと無水物を形成するように、エポキシドとラクトンを効率的かつ実用的に連続的にカルボニル化することを許容する。
本発明の方法は、一酸化炭素によるエポキシド、ラクトン、又はそれらの組み合わせのカルボニル化を改良する。本発明は、例えば、連続的に撹拌される反応器で、触媒をリサイクルする必要がなく、エポキシドの連続カルボニル化を可能にするとともに、無水物を形成するエポキシドのカルボニル化又はラクトンのカルボニル化によるラクトン類の実用的生産のコストを最小化するために十分な生産性と収率を実現する。
本明細書に記載される説明及び図面は、本発明、その原理、及び実際の応用を当業者に知らせることを目的とする。説明される本開示の特定の実施形態は、本開示の範囲を網羅したり、限定したりすることを意図するものではない。
本方法は、溶媒に溶解されたエポキシド又はラクトンを、触媒の存在下、少なくとも80℃の温度で一酸化炭素を用いてカルボニル化することに関する。驚くべきことに、いかなる形でも制限することなく、適切な条件で、触媒の不活性化や副反応の増加を引き起こす可能性のある過剰な水分濃度を回避することによって、生産性とターンオーバー数(TON)の向上を実現できる。これにより、反応に汚染物質が導入され、副生成物ポリマーなどの好ましくない副生成物の開始が増加するため、所望のラクトン又は無水物の収率低下を引き起こすと考えられる触媒のリサイクルを使用せずに、商業的に実行可能な方法が可能になる。
エポキシド又はラクトンは、当技術分野で知られるような任意の適当なエポキシド又はラクトンであってもよい。置換エポキシド(すなわち、「オキシラン」)は、一置換オキシラン、二置換オキシラン、三置換オキシラン、及び四置換オキシランを含む。このようなエポキシドは、さらに必要に応じて置換されてもよい。いくつかの実施形態において、エポキシドは単一のオキシラン部分から構成される。いくつかの実施形態において、エポキシドは2つ以上のオキシラン部分から構成される。ラクトンは前述のエポキシドをカルボニル化するときに生成されるラクトンなどの任意のラクトンであってもよい。このようなエポキシド及びラクトンの例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びそれらの対応するラクトンカルボニル化生成物であるベータプロピオラクトン及びベータブチロラクトンを含む。このようなラクトンの例は、ベータプロピオラクトン、ベータブチロラクトン、及びそれらの対応するカルボニル化生成物である無水コハク酸及び無水メチル琥珀酸を含む。エポキシド及びラクトンのさらなる例は、参照として本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2020/033267号の表A(段落65と66の間)にある。
エポキシド又はラクトンは、溶媒に混合、懸濁、又は溶解される。任意の有用な溶媒が使用されてもよい。溶媒は、エポキシド又はラクトンとのガス反応物の存在を増強するために使用されてもよい。例として、溶媒は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化溶媒、エーテル、エステル、ケトン、ニトリル、アミド、カーボネート、アルコール、アミン、スルホン、それらの混合物又はそれらの組み合わせなどの有機溶媒であってもよい。例示的な溶媒は、ジエチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、グライム、ジグライム、トリグライム、高級グライム、又はそれらの混合物を含み得る。溶媒の量は、本方法を実施するのに有用な任意の量であってもよく、広範囲にわたって変化することができる。例えば、エポキシド又はラクトンに対する溶媒の重量による量(溶媒/(エポキシド又はラクトン))は、1、10、又は20から99、90、又は80まで変化することができる。
エポキシド又はラクトンは、触媒の存在下で一酸化炭素を用いてカルボニル化される。一酸化炭素は、それ自体(汚染物質以外)で供給されてもよいし、他のガスと混合されてもよい。例えば、一酸化炭素は、窒素又は不活性ガス(例えば、希ガス)などの1つ以上の他のガスと混合されてもよい。一酸化炭素は、例えば、市販の合成ガス中などで水素と混合されることもできる。
触媒は均一系触媒、不均一系触媒、又はその組み合わせであってもよい。触媒は、エポキシドに、及び/または溶媒を伴ってもしくは伴わずに、溶解され、混合され、又は懸濁される均一系触媒であってもよい。触媒は不均一系触媒であってもよい。不均一系触媒は、反応器に添加する前に液体反応物(スラリー)中で粒子として存在してもよい。担体に固定される不均一系触媒は、プラグフロー反応器の充填物として使用されてもよい。例として、不均一系触媒は、参照として本明細書に組み込まれる同時係属出願PCT/US2020/044013に記載されるものなどの、エポキシド又はラクトンのカルボニル化に有用な担持された触媒であってもよい。担体は、上述のパッキングビードなどの多孔質セラミックであってもよく、一実施形態において、参照として本明細書に組み込まれる前記同時係属出願の段落36に記載されるようなゼオライト、シリカ、チタニア、銀(例えば、粘土バインダーにおける銀)であってもよい。エポキシド又はラクトンのカルボニル化のための他の例示的な触媒は、それぞれ参照として本明細書に組み込まれる米国特許第6,852,865号及び第9,327,280号、ならびに米国特許出願第2005/0014977号及び第2007/0213524号に記載される。
触媒は、均一金属カルボニル触媒であることが好ましい。金属カルボニル触媒は、[QMy(CO)w]xで表されてもよく、ここで、Qが任意の配位子、Mが金属原子、yが1から6の整数(両端を含む)、wが金属カルボニルを安定にする数、xが-3から+3までの整数(両端を含む)である。Mは、Ti、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Cu、Zn、Al、Ga又はInであってもよく、好ましくはCoである。金属カルボニル触媒はアニオン性であってもよく、さらにカチオン性ルイス酸から構成されてもよい。カチオン性ルイス酸は、[M’(L)b]c+で表される金属錯体であってもよく、ここで、M’が金属、各Lが配位子、bが1~6の整数、cが1、2、又は3であり、ここで、複数のLが存在する場合に、各Lは同じでも異なっていてもよい。配位子Lは、ジアニオン性四座配位子であってもよい。ジアニオン性四座配位子は、ポルフィリン誘導体、サレン誘導体、ジベンゾテトラメチルテトラアザ14アヌレン(「TMTAA」)誘導体、フタロシアネート誘導体、トロスト配位子の誘導体、又はそれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、ジアニオン性四座配位子はポルフィリン誘導体である。M’は、トランスレーション金属又は13族金属であってもよい。好ましくは、M’はアルミニウム、クロム、インジウム、ガリウム又はそれらの組み合わせであってもよく、特にM’はアルミニウム、クロム又はそれらの組み合わせである。
反応器に注入される一酸化炭素、溶媒、エポキシド又はラクトンは、個別に又は全体として、最大約150重量部(ppm)の水分含有量を有することが好ましい。一般には、一酸化炭素、溶媒、エポキシド又はラクトンは、個別に又は全体(例えば、溶媒、一酸化炭素、及びエポキシド、ラクトン又は両方の組み合わせ)として、最大約100ppm、50ppm、40ppm、30ppm、25ppm、15ppm、10ppm、又は5ppmの水を有することが好ましい。溶媒、エポキシド又はラクトンにおける水分濃度は、当技術分野で知られるような、液体又は気体から水を除去するための任意の適当方法によって低減されることができる。例示的な方法は、蒸留、ジュール・トムソン膨張、液体又は固体の乾燥剤など、又はそれらの組み合わせを含む。
反応物(エポキシド、ラクトン、一酸化炭素)、溶媒及び触媒は、当技術分野で知られるような連続撹拌反応器又はプラグフロー反応器、好ましくは垂直プラグフロー反応器などの任意の適当な連続反応器に導入されることができる。特に有用な反応器は、発明者Branden Cole及びJeff Uhrigが2021年1月29日に出願した同時係属の米国仮出願第63/143,348号である「IMPROVED REACTOR AND METHOD FOR REACTING A GAS AND LIQUID REACTANTS」に記載されるハイブリッドバブルプラグフロー反応器である。液体反応物、溶媒及びCOは、任意の適当な手段によって反応器に導入されてもよい。例えば、反応物、溶媒及びCOのそれぞれは、別々に導入されてもよく、又は所望の任意の組み合わせで予備混合されてもよい。一例として、溶媒、触媒、及び液体反応物(例えば、エポキシド)は、反応器への導入前に混合され、CO欠乏による収率の低下又は触媒の失活につながる可能性のある副反応を制限するために、十分な速度でCOが液体にバブリングされる。
COは、所望の触媒TON及び反応器の生産性を実現するために、任意の有用な速度で反応器に注入されてもよい。通常、CO/液体反応物(例えば、エポキシド及び/またはラクトン)のモル比(又は当量比)は、1、1.1、1.2、1.4、又は1.5より大きく、約20、10、7、5、4、又は3までである。いかなる形でも制限することなく、反応器の気体反応物が枯渇するのを回避するために、気体反応物の過剰により、反応器内の滞在時間全体にわたってCO濃度を維持することが可能になると考えられる。同様に、飽和状態をもたらす過剰な量の気体反応物は、限定されないが、液体反応物、生成物、又は溶媒が液体反応物内に形成された気泡内に蒸発して、触媒反応を阻害する可能性があると考えられる。
反応器の滞在時間は、カルボニル化を行うための有用な任意の時間であってもよい。滞在時間は、例として、1分間、5分間、10分間、20分間又は30分間から数時間(3~5)、240分間、180分間、120分間又は90分間の範囲であってもよい。1つ以上の反応器は、直列又は並列的に使用されてもよい。反応器が直列的に使用される場合に、それらはそれぞれ、説明したように個別の滞在時間を持ち得る。直列反応器の総滞在時間は、個々の反応器の滞在時間を任意に組み合わせてもよいが、好ましくは、直列反応器の総滞在時間は、この段落に記載される時間内に収まる。
好ましくは、液体反応物で形成される気泡は、液体溶媒及び反応物(エポキシド及び/又はラクトン)における溶解及び濃度の維持、反応器全体に渡る均一な分布を促進するサイズである。気体反応物を注入するときに噴霧器が使用されてもよい。噴霧器は、一般的に化学又は生化学の産業で使われる任意のものでよい。例えば、噴霧器は、Mott Corp.Farmington,CTから入手可能なものなどの多孔質焼結セラミックフリット又は多孔質金属フリットであってもよい。多孔質焼結フリット噴霧器の細孔径は、0.5μm、1μm、2μmから100μm、50μm、20μm、又は15μmの細孔径のような有用なものであってもよい。適当な他の気体噴霧器の例は、所望の気泡の大きさに応じて、様々なサイズの孔を有する多孔板、針、スパイダー、又はそれらの組み合わせを含む。同様に、CSTRで、好ましい気泡サイズは、使用する撹拌の度合と撹拌機によって促進されてもよい。また、好ましい気泡の大きさは、個別に添加されるイオン性(カチオン性、アニオン性、及び両性界面活性剤)又は非イオン性の界面活性剤を含むがこれらに限定されない界面活性剤を使用することによって促進されてもよい。界面活性剤は、反応器に添加するときに溶媒及びエポキシドに懸濁してもよいし、別々に挿入されてもよい。一実施形態において、界面活性剤は副生成物として制御された方法でその場で生成されてもよい。例えば、反応器の生産性又は触媒のTONに悪影響を与える過剰量が生成されない限り、エポキシド又はラクトンを一酸化炭素でカルボニル化するときにグリコール系オリゴマーが生成されてもよい。
反応時の水の量は、反応器が定常状態に達した後(例えば、約平均反応滞在時間の後)、CSTRなどの連続反応器の流出物から決定される。一般には、液体流出物における水分濃度は最大約150ppmであり、好ましくは最大約125ppm、110ppm、100ppm、90ppm、80ppm、70ppm、60ppm、50ppmから微量の水、1ppm又は5ppmの水である。流出物における水、又は反応器に添加される任意の成分(例えば、液体反応物、溶媒、CO、及び触媒)における水の量は、当技術分野で知られるような任意の適切な方法によって決定されることができる。例示的な方法としては、カールフィッシャー滴定、ガスクロマトグラフィー/質量分析法-選択イオンモニタリング/熱伝導率検出、赤外分光法などが挙げられる。
反応温度は、少なくとも80℃の温度、十分なCO圧力及び低い触媒濃度(例えば、十分に高いエポキシド/触媒のモル比)で行われ、TON及び反応器の生産性の向上が実現される。いかなる形でも制限することなく、触媒の早発不活性化及び副反応の低減を伴わない方法を実現するために、高温での十分な圧力が所望の生産性及びTONを促進すると考えられる。高い圧力は、触媒反応部位でのCOの最小閾値圧力を維持することによって副反応を抑制して、触媒及び反応経路に対する水の悪影響を減少させると考えられる。一般には、反応器内の作動圧力は少なくとも約700psiである。好ましくは、圧力は、少なくとも800psi、900psi、1000psi又は1100psiから2000又は3000psiなどの任意の実用的な圧力である。作動圧力はエチレンオキシド又は窒素などの他の種を含むが、一般には気体の少なくとも約80%又は90%が一酸化炭素であることが理解される。
約80℃の反応温度でも十分であり得るが、触媒をリサイクルすることなく、所望のTONと生産性を実現すると同時に、上述のような特に高いCO圧力での水の過剰生成を回避するには、より高い温度が好ましい場合があることが発見された。一般には、反応温度は、少なくとも約85℃、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃、又は120℃から約130℃であってもよい。
所望のTON及び反応器の生産性を実現するために、一般に、限定されないが、触媒の濃度を十分に低くし、好ましくない副反応又は水の生成を最小限に抑える。通常、触媒の濃度は、液体反応物/触媒のモル比又は当量比によって与えられる(液体反応物は、前述したエポキシド、ラクトン又はそれらの組み合わせである)。好ましくは、反応物はエポキシドであり、反応物/触媒のモル比はエポキシド/触媒の比である。比は、連続反応器(つまり、CSTR又はプラグフロー反応器)に導入されるエポキシド及び/又はラクトンと触媒との反応物/触媒比を意味すると理解される。一般には、反応物/触媒比は少なくとも1500以上であり、1750、2000、2200、2500又は2800から約50,000、25,000又は20,000であってもよい。反応物は、必要に応じてプラグフロー反応器の長さに沿って添加されてもよい。
本発明のエポキシドとラクトンを反応させる方法は、低濃度の触媒で、驚くほど高い触媒TON及び反応器の生産性を実現する。ターンオーバー数(TON)は、連続反応に関する当技術分野で一般に理解されるように使用され、所定の時間で生成される触媒及び生成物の量が連続的な反応のTONとなり、(生成物のモル数/時間)/(触媒のモル数/時間)で与えられる。TONは、生成物の産出が同様である連続的な反応に対する触媒の効果を示す。生産性は、所定の反応器容積において所定の時間で生成される生成物の量(生成物のモル数/(時間×容積))によって与えられる。この驚くべき結果により、触媒をリサイクルすることなく、エポキシド及び/又はラクトンを連続的にカルボニル化することが可能になる。TONは、少なくとも約1500、2000、3000、4000、5000、7500、9000、又はさらには10,000から、50,000(生成物のモル数/分)/(触媒のモル数/分)などの任意の実行可能な量が好ましい。触媒濃度が減少しても、生産性は維持され、さらには増加する可能性がある。生産性は、少なくとも約1×10-8、5×10-8、又は1×10-7モル生成物/s・mLから任意の実行可能な生産性が好ましい。
例示的な実施形態
下記の実施例は、本発明の範囲を限定することなく、本方法及び反応器を例示するために提供される。すべての部及び百分率は、別に記載されない限り重量によるものである。
実施例1~19及び比較例1~17
Parker/Autoclave Engineers(Pennsylvania)から入手可能な316ステンレス鋼で構成され、2000rpmで撹拌される2リットルの高圧の実験室規模の連続撹拌反応器を、実施例1~19及び比較例1~17のそれぞれに使用する。各実施例及び比較例の反応物(フィード)及び実行条件を表1に示す。これらの実施例及び比較例のそれぞれで使用したものは、メソテトラフェニルポルフィリンAlビス(THF)テトラカルボニルコバルテートである。各実施例及び比較例の結果を表2に示す。表2では、ACHがアセトアルデヒド副生成物、bPLがベータプロピオラクトン、SAHが無水コハク酸、PPLがポリプロピオラクトン、PEGがポリエーテルグリコールである。結果は、反応器が定常状態に達した後(たとえば、少なくとも約1滞在時間)の流出物から決定され、反応器は数回の滞在時間にわたって運転される。THF(テトラヒドロフラン)、エチレンオキシド(EO)及び一酸化炭素(CO)を合わせたものは、約20から40ppmの総水分濃度であった。TONは、生成された生成物(βプロピオラクトン「bPL」)のモル数を、反応器に投入される触媒のモル量で割った値((生成物モル数/分)/(触媒モル数/分))を測定することによって決定される。生産性は、1分間あたりに生成される生成物のモル数を反応器の容積で割った値を測定することによって決定される((生成物モル数/分)/反応器容積(ml))。
流出物の組成は、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリプロピオラクトン(PPL)などの副生成物ポリマーを除いて、Agilent 7890A GC/TCD(ガスクロマトグラフィー/熱伝導率検出(GC/TCD))によって測定される。PEGとPPLは、300MHzで作動するVarian MercuryによるNMR分析によって決定される。
比較例18~20
比較例18~20は、70℃、900psi、反応器での触媒濃度1.66mM、滞在時間60分間で、実施例1~19と同じ方法と反応器を用いて実施したが、表3に示すように総水分供給のみを変えて実施した。結果を表3に示す。これらの結果は、水があまり生成しない反応条件でも、給水濃度が副生成物ポリマー(例えば、ポリプロピオラクトン(PPL)、ポリエチレンオキシド(PEO))などの好ましくない副生成物を増加させることを示す。
Figure 2024517609000001
Figure 2024517609000002
Figure 2024517609000003
Figure 2024517609000004
本発明は、ラクトン又は無水物のようなカルボニル化生成物を生成するためのエポキシドの改良されたカルボニル化に関する。
気体と液体の反応物との触媒反応は、通常、反応気体の過圧と、気体反応物の液体への連続的な注入を維持するように、撹拌バッチ又は連続撹拌反応器で行われている。バッチ反応器は触媒を効率的に使用する傾向がある(つまり、触媒のターンオーバー数「TON」が高い)が、所定の処理量に対して高い資本コストとバッチ間のダウンタイムの問題がある。
連続撹拌反応器(CSTR)は製品を連続的に生産できるが、通常、望ましい生産性を実現するには触媒の充填量を増やす必要があり、触媒の非効率的な使用が必要となる。触媒の非効率的な使用は、一般に、触媒を連続的に分離、リサイクル、及び補充することにより克服されるが、これによって、複雑さ、分離膜の汚れなどの好ましくない問題が増加する。
米国特許第9,493,391号には、触媒のリサイクルを用いたエチレンオキシドなどのエポキシドの連続的なカルボニル化が記載されている。この特許において、反応を実行するためのさまざまなパラメーターが記載され、触媒が90℃で失活することが示唆されている。
従って、上述の問題のような従来技術の1つ以上の問題を回避するように、エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法が提供されることが好ましい。
米国特許第9,493,391号明細書
出願人は、驚くべきことに、CTSRで高温でエポキシド又はラクトンをカルボニル化する場合に、平均水分濃度が150ppm(液体流出物の重量による百万分の1)未満になるように、運転/条件制御することにより、触媒を不活性化することなく、触媒濃度を低下させると同時にTON(ターンオーバー数)を増加させて生産性を維持できることを発見した。ここで、便宜上、溶媒を含む又は含まないエポキシド及び/又はラクトンを「液体反応物」と呼ぶ。いかなる形でも制限することなく、十分なCOが存在する場合、反応は、より高温で、過剰な水やその他の望ましくない生成物を形成することなく実行すると考えられる(つまり、1つ以上の副反応を回避する)。同様に、高温では、リサイクルされた触媒の使用は、副反応を開始及び促進する可能性のある低濃度の望ましくない生成物が導入され、より高い操作温度での効率及び生産性が低下する可能性があることが発見された。
本発明の第1の態様は、液体溶媒に溶解されたエポキシド又はラクトンを、一酸化炭素及び触媒の存在下、80℃を超える温度、カルボニル化生成物を形成するための最大約150ppmの水分濃度で連続的に反応することを含む、エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法である。水分濃度は、反応器が定常状態に達した後(例えば、約1~3の平均滞在時間後)に、液体流出物に存在する水の量である。流出物には、通常、例えば、溶媒、カルボニル化生成物、触媒、未反応の反応物(例えばエポキシド)、及び副生成物(例えば、ポリエーテル又はアルデヒド)が含まれる。本明細書で使用されるCO圧力は、圧力の大部分がCOから生成される、本明細書に記載の反応器の作動圧力を意味すると理解される。
本発明の第2の態様は、液体溶媒に溶解されたエポキシド又はラクトンを、一酸化炭素及び触媒の存在下、80℃を超える温度、少なくとも700psi(4.83MPa)の一酸化炭素圧力で、副生成物ポリマーが実質的に存在しない状態で反応することを含む、エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法である。副生成物ポリマーは、ポリエーテル、ポリエステル又はポリエーテルエステルである。副生成物ポリマーが実質的に存在しないとは、そのようなポリマーの量が流出物の約0.5重量%未満で、好ましくは流出物の0.1重量%未満であるという意味である。触媒のリサイクルがない場合に、より高い温度及び圧力で、副生成物ポリマーが最小化され、重合の開始剤又は成長中心として作用し、所望のラクトン又は無水物の収率の低下を引き起こす可能性があることが発見されている。本明細書の副生成物ポリマーは、カルボニル化されるエポキシドから生成され得る任意のオリゴマー又はポリマーポリエーテル、ポリエステル又はポリエーテルエステルである(例えば、エチレンオキシドがポリ(エチレンオキシド)を形成する)。ポリエーテルの量は、既知の方法であるGPLC(ゲル浸透液体クロマトグラフィー)、赤外分光法、核磁気滞留法などの任意の適切な方法によって決定され得る。
本発明の第3の態様は、液体溶媒において、エポキシド又はラクトンを一酸化炭素とともに、触媒の存在下、80℃を超える温度、少なくとも700psi(4.83MPa)の一酸化炭素圧力で連続的に反応することを含み、エポキシド、ラクトン、溶媒及び一酸化炭素(反応器に導入されるすべての成分)の総水分濃度は、最大約150ppmである、エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法である。好ましくは、連続反応器に導入されるすべての成分の総水分濃度は、最大約100ppm又は50ppmである(ここで、「ppm」は、別段の指示がない限り、重量による百万分率である)。反応器で乾燥反応物と成分を使用するのは、より高い反応温度と圧力でそれぞれラクトンと無水物を形成するように、エポキシドとラクトンを効率的かつ実用的に連続的にカルボニル化することを許容する。
本発明の方法は、一酸化炭素によるエポキシド、ラクトン、又はそれらの組み合わせのカルボニル化を改良する。本発明は、例えば、連続的に撹拌される反応器で、触媒をリサイクルする必要がなく、エポキシドの連続カルボニル化を可能にするとともに、無水物を形成するエポキシドのカルボニル化又はラクトンのカルボニル化によるラクトン類の実用的生産のコストを最小化するために十分な生産性と収率を実現する。
本明細書に記載される説明及び図面は、本発明、その原理、及び実際の応用を当業者に知らせることを目的とする。説明される本開示の特定の実施形態は、本開示の範囲を網羅したり、限定したりすることを意図するものではない。
本方法は、溶媒に溶解されたエポキシド又はラクトンを、触媒の存在下、少なくとも80℃の温度で一酸化炭素を用いてカルボニル化することに関する。驚くべきことに、いかなる形でも制限することなく、適切な条件で、触媒の不活性化や副反応の増加を引き起こす可能性のある過剰な水分濃度を回避することによって、生産性とターンオーバー数(TON)の向上を実現できる。これにより、反応に汚染物質が導入され、副生成物ポリマーなどの好ましくない副生成物の開始が増加するため、所望のラクトン又は無水物の収率低下を引き起こすと考えられる触媒のリサイクルを使用せずに、商業的に実行可能な方法が可能になる。
エポキシド又はラクトンは、当技術分野で知られるような任意の適当なエポキシド又はラクトンであってもよい。置換エポキシド(すなわち、「オキシラン」)は、一置換オキシラン、二置換オキシラン、三置換オキシラン、及び四置換オキシランを含む。このようなエポキシドは、さらに必要に応じて置換されてもよい。いくつかの実施形態において、エポキシドは単一のオキシラン部分から構成される。いくつかの実施形態において、エポキシドは2つ以上のオキシラン部分から構成される。ラクトンは前述のエポキシドをカルボニル化するときに生成されるラクトンなどの任意のラクトンであってもよい。このようなエポキシド及びラクトンの例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びそれらの対応するラクトンカルボニル化生成物であるベータプロピオラクトン及びベータブチロラクトンを含む。このようなラクトンの例は、ベータプロピオラクトン、ベータブチロラクトン、及びそれらの対応するカルボニル化生成物である無水コハク酸及び無水メチル琥珀酸を含む。エポキシド及びラクトンのさらなる例は、参照として本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2020/033267号の表A(段落65と66の間)にある。
エポキシド又はラクトンは、溶媒に混合、懸濁、又は溶解される。任意の有用な溶媒が使用されてもよい。溶媒は、エポキシド又はラクトンとのガス反応物の存在を増強するために使用されてもよい。例として、溶媒は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化溶媒、エーテル、エステル、ケトン、ニトリル、アミド、カーボネート、アルコール、アミン、スルホン、それらの混合物又はそれらの組み合わせなどの有機溶媒であってもよい。例示的な溶媒は、ジエチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、グライム、ジグライム、トリグライム、高級グライム、又はそれらの混合物を含み得る。溶媒の量は、本方法を実施するのに有用な任意の量であってもよく、広範囲にわたって変化することができる。例えば、エポキシド又はラクトンに対する溶媒の重量による量(溶媒/(エポキシド又はラクトン))は、1、10、又は20から99、90、又は80まで変化することができる。
エポキシド又はラクトンは、触媒の存在下で一酸化炭素を用いてカルボニル化される。一酸化炭素は、それ自体(汚染物質以外)で供給されてもよいし、他のガスと混合されてもよい。例えば、一酸化炭素は、窒素又は不活性ガス(例えば、希ガス)などの1つ以上の他のガスと混合されてもよい。一酸化炭素は、例えば、市販の合成ガス中などで水素と混合されることもできる。
触媒は均一系触媒、不均一系触媒、又はその組み合わせであってもよい。触媒は、エポキシドに、及び/または溶媒を伴ってもしくは伴わずに、溶解され、混合され、又は懸濁される均一系触媒であってもよい。触媒は不均一系触媒であってもよい。不均一系触媒は、反応器に添加する前に液体反応物(スラリー)中で粒子として存在してもよい。担体に固定される不均一系触媒は、プラグフロー反応器の充填物として使用されてもよい。例として、不均一系触媒は、参照として本明細書に組み込まれる同時係属出願PCT/US2020/044013に記載されるものなどの、エポキシド又はラクトンのカルボニル化に有用な担持された触媒であってもよい。担体は、上述のパッキングビードなどの多孔質セラミックであってもよく、一実施形態において、参照として本明細書に組み込まれる前記同時係属出願の段落36に記載されるようなゼオライト、シリカ、チタニア、銀(例えば、粘土バインダーにおける銀)であってもよい。エポキシド又はラクトンのカルボニル化のための他の例示的な触媒は、それぞれ参照として本明細書に組み込まれる米国特許第6,852,865号及び第9,327,280号、ならびに米国特許出願第2005/0014977号及び第2007/0213524号に記載される。
触媒は、均一金属カルボニル触媒であることが好ましい。金属カルボニル触媒は、[QMy(CO)w]xで表されてもよく、ここで、Qが任意の配位子、Mが金属原子、yが1から6の整数(両端を含む)、wが金属カルボニルを安定にする数、xが-3から+3までの整数(両端を含む)である。Mは、Ti、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Cu、Zn、Al、Ga又はInであってもよく、好ましくはCoである。金属カルボニル触媒はアニオン性であってもよく、さらにカチオン性ルイス酸から構成されてもよい。カチオン性ルイス酸は、[M’(L)b]c+で表される金属錯体であってもよく、ここで、M’が金属、各Lが配位子、bが1~6の整数、cが1、2、又は3であり、ここで、複数のLが存在する場合に、各Lは同じでも異なっていてもよい。配位子Lは、ジアニオン性四座配位子であってもよい。ジアニオン性四座配位子は、ポルフィリン誘導体、サレン誘導体、ジベンゾテトラメチルテトラアザ14アヌレン(「TMTAA」)誘導体、フタロシアネート誘導体、トロスト配位子の誘導体、又はそれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、ジアニオン性四座配位子はポルフィリン誘導体である。M’は、トランスレーション金属又は13族金属であってもよい。好ましくは、M’はアルミニウム、クロム、インジウム、ガリウム又はそれらの組み合わせであってもよく、特にM’はアルミニウム、クロム又はそれらの組み合わせである。
反応器に注入される一酸化炭素、溶媒、エポキシド又はラクトンは、個別に又は全体として、最大約150重量部(ppm)の水分含有量を有することが好ましい。一般には、一酸化炭素、溶媒、エポキシド又はラクトンは、個別に又は全体(例えば、溶媒、一酸化炭素、及びエポキシド、ラクトン又は両方の組み合わせ)として、最大約100ppm、50ppm、40ppm、30ppm、25ppm、15ppm、10ppm、又は5ppmの水を有することが好ましい。溶媒、エポキシド又はラクトンにおける水分濃度は、当技術分野で知られるような、液体又は気体から水を除去するための任意の適当方法によって低減されることができる。例示的な方法は、蒸留、ジュール・トムソン膨張、液体又は固体の乾燥剤など、又はそれらの組み合わせを含む。
反応物(エポキシド、ラクトン、一酸化炭素)、溶媒及び触媒は、当技術分野で知られるような連続撹拌反応器又はプラグフロー反応器、好ましくは垂直プラグフロー反応器などの任意の適当な連続反応器に導入されることができる。特に有用な反応器は、発明者Branden Cole及びJeff Uhrigが2021年1月29日に出願した同時係属の米国仮出願第63/143,348号である「IMPROVED REACTOR AND METHOD FOR REACTING A GAS AND LIQUID REACTANTS」に記載されるハイブリッドバブルプラグフロー反応器である。液体反応物、溶媒及びCOは、任意の適当な手段によって反応器に導入されてもよい。例えば、反応物、溶媒及びCOのそれぞれは、別々に導入されてもよく、又は所望の任意の組み合わせで予備混合されてもよい。一例として、溶媒、触媒、及び液体反応物(例えば、エポキシド)は、反応器への導入前に混合され、CO欠乏による収率の低下又は触媒の失活につながる可能性のある副反応を制限するために、十分な速度でCOが液体にバブリングされる。
COは、所望の触媒TON及び反応器の生産性を実現するために、任意の有用な速度で反応器に注入されてもよい。通常、CO/液体反応物(例えば、エポキシド及び/またはラクトン)のモル比(又は当量比)は、1、1.1、1.2、1.4、又は1.5より大きく、約20、10、7、5、4、又は3までである。いかなる形でも制限することなく、反応器の気体反応物が枯渇するのを回避するために、気体反応物の過剰により、反応器内の滞在時間全体にわたってCO濃度を維持することが可能になると考えられる。同様に、飽和状態をもたらす過剰な量の気体反応物は、限定されないが、液体反応物、生成物、又は溶媒が液体反応物内に形成された気泡内に蒸発して、触媒反応を阻害する可能性があると考えられる。
反応器の滞在時間は、カルボニル化を行うための有用な任意の時間であってもよい。滞在時間は、例として、1分間、5分間、10分間、20分間又は30分間から数時間(3~5)、240分間、180分間、120分間又は90分間の範囲であってもよい。1つ以上の反応器は、直列又は並列的に使用されてもよい。反応器が直列的に使用される場合に、それらはそれぞれ、説明したように個別の滞在時間を持ち得る。直列反応器の総滞在時間は、個々の反応器の滞在時間を任意に組み合わせてもよいが、好ましくは、直列反応器の総滞在時間は、この段落に記載される時間内に収まる。
好ましくは、液体反応物で形成される気泡は、液体溶媒及び反応物(エポキシド及び/又はラクトン)における溶解及び濃度の維持、反応器全体に渡る均一な分布を促進するサイズである。気体反応物を注入するときに噴霧器が使用されてもよい。噴霧器は、一般的に化学又は生化学の産業で使われる任意のものでよい。例えば、噴霧器は、Mott Corp.Farmington,CTから入手可能なものなどの多孔質焼結セラミックフリット又は多孔質金属フリットであってもよい。多孔質焼結フリット噴霧器の細孔径は、0.5μm、1μm、2μmから100μm、50μm、20μm、又は15μmの細孔径のような有用なものであってもよい。適当な他の気体噴霧器の例は、所望の気泡の大きさに応じて、様々なサイズの孔を有する多孔板、針、スパイダー、又はそれらの組み合わせを含む。同様に、CSTRで、好ましい気泡サイズは、使用する撹拌の度合と撹拌機によって促進されてもよい。また、好ましい気泡の大きさは、個別に添加されるイオン性(カチオン性、アニオン性、及び両性界面活性剤)又は非イオン性の界面活性剤を含むがこれらに限定されない界面活性剤を使用することによって促進されてもよい。界面活性剤は、反応器に添加するときに溶媒及びエポキシドに懸濁してもよいし、別々に挿入されてもよい。一実施形態において、界面活性剤は副生成物として制御された方法でその場で生成されてもよい。例えば、反応器の生産性又は触媒のTONに悪影響を与える過剰量が生成されない限り、エポキシド又はラクトンを一酸化炭素でカルボニル化するときにグリコール系オリゴマーが生成されてもよい。
反応時の水の量は、反応器が定常状態に達した後(例えば、約平均反応滞在時間の後)、CSTRなどの連続反応器の流出物から決定される。一般には、液体流出物における水分濃度は最大約150ppmであり、好ましくは最大約125ppm、110ppm、100ppm、90ppm、80ppm、70ppm、60ppm、50ppmから微量の水、1ppm又は5ppmの水である。流出物における水、又は反応器に添加される任意の成分(例えば、液体反応物、溶媒、CO、及び触媒)における水の量は、当技術分野で知られるような任意の適切な方法によって決定されることができる。例示的な方法としては、カールフィッシャー滴定、ガスクロマトグラフィー/質量分析法-選択イオンモニタリング/熱伝導率検出、赤外分光法などが挙げられる。
反応温度は、少なくとも80℃の温度、十分なCO圧力及び低い触媒濃度(例えば、十分に高いエポキシド/触媒のモル比)で行われ、TON及び反応器の生産性の向上が実現される。いかなる形でも制限することなく、触媒の早発不活性化及び副反応の低減を伴わない方法を実現するために、高温での十分な圧力が所望の生産性及びTONを促進すると考えられる。高い圧力は、触媒反応部位でのCOの最小閾値圧力を維持することによって副反応を抑制して、触媒及び反応経路に対する水の悪影響を減少させると考えられる。一般には、反応器内の作動圧力は少なくとも約700psi(4.83MPa)である。好ましくは、圧力は、少なくとも800psi(5.52MPa)、900psi(6.21MPa)、1000psi(6.89MPa)又は1100psi(7.58MPa)から2000psi(13.79MPa)又は3000psi(20.68MPa)などの任意の実用的な圧力である。作動圧力はエチレンオキシド又は窒素などの他の種を含むが、一般には気体の少なくとも約80%又は90%が一酸化炭素であることが理解される。
約80℃の反応温度でも十分であり得るが、触媒をリサイクルすることなく、所望のTONと生産性を実現すると同時に、上述のような特に高いCO圧力での水の過剰生成を回避するには、より高い温度が好ましい場合があることが発見された。一般には、反応温度は、少なくとも約85℃、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃、又は120℃から約130℃であってもよい。
所望のTON及び反応器の生産性を実現するために、一般に、限定されないが、触媒の濃度を十分に低くし、好ましくない副反応又は水の生成を最小限に抑える。通常、触媒の濃度は、液体反応物/触媒のモル比又は当量比によって与えられる(液体反応物は、前述したエポキシド、ラクトン又はそれらの組み合わせである)。好ましくは、反応物はエポキシドであり、反応物/触媒のモル比はエポキシド/触媒の比である。比は、連続反応器(つまり、CSTR又はプラグフロー反応器)に導入されるエポキシド及び/又はラクトンと触媒との反応物/触媒比を意味すると理解される。一般には、反応物/触媒比は少なくとも1500以上であり、1750、2000、2200、2500又は2800から約50,000、25,000又は20,000であってもよい。反応物は、必要に応じてプラグフロー反応器の長さに沿って添加されてもよい。
本発明のエポキシドとラクトンを反応させる方法は、低濃度の触媒で、驚くほど高い触媒TON及び反応器の生産性を実現する。ターンオーバー数(TON)は、連続反応に関する当技術分野で一般に理解されるように使用され、所定の時間で生成される触媒及び生成物の量が連続的な反応のTONとなり、(生成物のモル数/時間)/(触媒のモル数/時間)で与えられる。TONは、生成物の産出が同様である連続的な反応に対する触媒の効果を示す。生産性は、所定の反応器容積において所定の時間で生成される生成物の量(生成物のモル数/(時間×容積))によって与えられる。この驚くべき結果により、触媒をリサイクルすることなく、エポキシド及び/又はラクトンを連続的にカルボニル化することが可能になる。TONは、少なくとも約1500、2000、3000、4000、5000、7500、9000、又はさらには10,000から、50,000(生成物のモル数/分)/(触媒のモル数/分)などの任意の実行可能な量が好ましい。触媒濃度が減少しても、生産性は維持され、さらには増加する可能性がある。生産性は、少なくとも約1×10-8、5×10-8、又は1×10-7モル生成物/s・mLから任意の実行可能な生産性が好ましい。
例示1 エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法であって、液体溶媒において、前記エポキシド又はラクトンを一酸化炭素とともに、触媒の存在下、80℃を超える温度、最大約150ppmの水分濃度で連続的に反応させて、カルボニル化生成物を形成することを含む、前記方法。
例示2 前記圧力は700psi(4.83MPa)から2000psi(13.79MPa)である、例示1に記載の方法。
例示3 CO/エポキシドのモル比は1.2から約20である、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示4 前記モル比は1.5から約5である、例示3に記載の方法。
例示5 前記圧力は少なくとも800psi(5.52MPa)である、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示6 COは、前記溶媒中で飽和する速度よりも低い速度で前記溶媒に導入される、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示7 前記圧力は少なくとも1000psi(6.89MPa)であり、前記温度は90℃よりも高い、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示8 前記エポキシドはカルボニル化され、前記エポキシドはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はそれらの組み合わせである、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示9 前記エポキシドはエチレンオキシドである、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示10 第2の気体をさらに含む、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示11 前記第2の気体は、不活性ガス、水素、窒素、又はそれらの混合物である、例示10に記載の方法。
例示12 前記エポキシド及び触媒は、前記エポキシド及び触媒のエポキシド/触媒のモル比が1500を超えるような量で存在する、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示13 前記エポキシド/触媒比は2000から25,000である、例示12に記載の方法。
例示14 前記触媒は均一系触媒から構成される、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示15 前記触媒は金属カルボニル触媒である、例示14に記載の方法。
例示16 前記金属カルボニル触媒は、[QM (CO) で表され、Qが任意の配位子、Mが金属原子、yが1から6の整数(両端を含む)、wが前記金属カルボニルを安定にする数、xが-3から+3までの整数(両端を含む)である、例示15に記載の方法。
例示17 MはTi、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Cu、Zn、Al、Ga又はInである、例示15に記載の方法。
例示18 MはCoである、例示17に記載の方法。
例示19 前記金属カルボニル触媒はアニオン性であり、さらにカチオン性ルイス酸から構成される、例示16から18のいずれか1つに記載の方法。
例示20 前記カチオン性ルイス酸は、[M’(L) c+ で表される金属錯体であり、M’が金属、各Lが配位子、bが1~6の整数、cが1、2、又は3であり、複数のLが存在する場合に、各Lは同じでも異なっていてもよい、例示19に記載の方法。
例示21 前記配位子Lはジアニオン性四座配位子である、例示20に記載の方法。
例示22 前記ジアニオン性四座配位子は、ポルフィリン誘導体、サレン誘導体、ジベンゾテトラメチルテトラアザ14アヌレン(TMTAA)誘導体、フタロシアネート誘導体、トロスト配位子の誘導体、又はそれらの組み合わせである、例示20又は21に記載の方法。
例示23 前記ジアニオン性四座配位子はポルフィリン誘導体である、例示22に記載の方法。
例示24 M’はトランスレーション金属又は13族金属である、例示20から23のいずれか1つに記載の方法。
例示25 M’はアルミニウム、クロム、インジウム、ガリウム又はそれらの組み合わせである、例示20から24のいずれか1つに記載の方法。
例示26 M’はアルミニウム、クロム、又はそれらの組み合わせである、例示25に記載の方法。
例示27 前記一酸化炭素は合成ガスで供給される、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示28 前記触媒は、反応前に前記エポキシド及び溶媒と混合されて反応混合物を形成する、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示29 前記一酸化炭素が前記反応混合物にバブリングされる、例示28に記載の方法。
例示30 前記方法は、連続撹拌反応器又はプラグフロー反応器で行われる、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示31 前記反応器は前記プラグフロー反応器であり、前記プラグフロー反応器はハイブリッド垂直バブルプラグフロー反応器である、例示30に記載の方法。
例示32 前記溶媒は、エーテル、炭化水素、非プロトン性極性溶媒、又はそれらの混合物である、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示33 前記溶媒は、テトラヒドロフラン(「THF」)、テトラヒドロピラン、2,5-ジメチルテトラヒドロフラン、スルホラン、N-メチルピロリドン、1,3ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジエチレングリコールジブチルエーテル、イソソルビドエーテル、メチルtertブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、1,4-ジオキサン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、二塩基性エステル、ジエチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2-ブタノン、シクロヘキサノン、トルエン、ジフルオロベンゼン、ジメトキシエタン、アセトン、メチルエチルケトン、又はそれらの混合物である、例示32に記載の方法。
例示34 前記溶媒はTHFである、例示33に記載の方法。
例示35 前記水分濃度は最大約75ppmである、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示36 前記水分濃度は最大約50ppmである、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示37 連続撹拌反応器で行われ、前記平均滞在時間は約5分間から120分間である、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示38 前記平均滞在時間は約15分間から240分間である、例示37に記載の方法。
例示39 前記エポキシド、ラクトン、溶媒、一酸化炭素のうちのいずれか1つ以上は、反応前に乾燥される、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示40 触媒は少なくとも約2000のターンオーバー数を有する、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示41 前記連続撹拌反応器の生産性は少なくとも1×10 -8 モルカルボニル化生成物/ml・sである、例示37から40のいずれか1つに記載の方法。
例示42 前記方法は、プラグフロー反応器で行われる、例示1から36のいずれか1つに記載の方法。
例示43 前記プラグフロー反応器は垂直プラグフロー反応器である、例示42に記載の方法。
例示44 前記カルボニル化生成物は、無水物が実質的に存在しない状態でベータラクトンである、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示45 前記エポキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はその組み合わせである、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示46 前記エポキシドはエチレンオキシドである、先行例示のいずれか1つに記載の方法。
例示47 エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法であって、液体溶媒において、前記エポキシド又はラクトンを一酸化炭素とともに、触媒の存在下、80℃を超える温度、少なくとも700psi(4.83MPa)の一酸化炭素圧力で、ポリエーテルが実質的に存在しない状態で連続的に反応させることを含む、前記方法。
例示48 前記反応は、前記触媒のリサイクルを行わずに行われる、例示47に記載の方法。
例示49 前記反応は、最大約150ppmの水分濃度で行われる、例示47又は48に記載の方法。
例示50 前記触媒は、1500を超えるエポキシド/触媒のモル比で存在する、例示47から49のいずれか1つに記載の方法。
例示51 前記平均滞在時間は約5分間から240分間である、例示47から50のいずれか1つに記載の方法。
例示52 前記滞在時間は30分間から240分間である、例示51に記載の方法。
例示53 前記ポリエーテルの濃度は最大約0.2重量%である、例示47から52のいずれか1つに記載の方法。
例示54 エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法であって、液体溶媒において、前記エポキシド又はラクトンを一酸化炭素とともに、触媒の存在下、80℃を超える温度、少なくとも700psi(4.83MPa)の一酸化炭素圧力で連続的に反応させることを含み、前記エポキシド、ラクトン、一酸化炭素及び溶媒は最大100ppmの総水分濃度を有する、前記方法。
例示55 前記エポキシドは最大25ppmの水分濃度を有する、例示54に記載の方法。
例示56 前記一酸化炭素は最大25ppmの水分濃度を有する、例示53又は54に記載の方法。
例示57 前記溶媒は最大25ppmの水分濃度を有する、例示54から56のいずれか1つに記載の方法。
例示58 前記総水分濃度は最大50ppmである、例示54から57のいずれか1つに記載の方法。
例示59 前記総水分濃度は最大約25ppmである、例示58に記載の方法。
例示60 前記総水分濃度は最大約20ppmである、例示59に記載の方法。
例示的な実施形態
下記の実施例は、本発明の範囲を限定することなく、本方法及び反応器を例示するために提供される。すべての部及び百分率は、別に記載されない限り重量によるものである
実施例1~19及び比較例1~17
Parker/Autoclave Engineers(Pennsylvania)から入手可能な316ステンレス鋼で構成され、2000rpmで撹拌される2リットルの高圧の実験室規模の連続撹拌反応器を、実施例1~19及び比較例1~17のそれぞれに使用する。各実施例及び比較例の反応物(フィード)及び実行条件を表1に示す。これらの実施例及び比較例のそれぞれで使用した触媒は、メソテトラフェニルポルフィリンAlビス(THF)テトラカルボニルコバルテートである。各実施例及び比較例の結果を表2に示す。表2では、ACHがアセトアルデヒド副生成物、bPLがベータプロピオラクトン、SAHが無水コハク酸、PPLがポリプロピオラクトン、PEGがポリエーテルグリコールである。結果は、反応器が定常状態に達した後(たとえば、少なくとも約1滞在時間)の流出物から決定され、反応器は数回の滞在時間にわたって運転される。THF(テトラヒドロフラン)、エチレンオキシド(EO)及び一酸化炭素(CO)を合わせたものは、約20から40ppmの総水分濃度であった。TONは、生成された生成物(βプロピオラクトン「bPL」)のモル数を、反応器に投入される触媒のモル量で割った値((生成物モル数/分)/(触媒モル数/分))を測定することによって決定される。生産性は、1分間あたりに生成される生成物のモル数を反応器の容積で割った値を測定することによって決定される((生成物モル数/分)/反応器容積(ml))
流出物の組成は、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリプロピオラクトン(PPL)などの副生成物ポリマーを除いて、Agilent 7890A GC/TCD(ガスクロマトグラフィー/熱伝導率検出(GC/TCD))によって測定される。PEGとPPLは、300MHzで作動するVarian MercuryによるNMR分析によって決定される
比較例18~20
比較例18~20は、70℃、900psi(6.21MPa)、反応器での触媒濃度1.66mM、滞在時間60分間で、実施例1~19と同じ方法と反応器を用いて実施したが、表3に示すように総水分供給のみを変えて実施した。結果を表3に示す。これらの結果は、水があまり生成しない反応条件でも、給水濃度が副生成物ポリマー(例えば、ポリプロピオラクトン(PPL)、ポリエチレンオキシド(PEO))などの好ましくない副生成物を増加させることを示す。
Figure 2024517609000005
Figure 2024517609000006
Figure 2024517609000007
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Claims (60)

  1. エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法であって、液体溶媒において、前記エポキシド又はラクトンを一酸化炭素とともに、触媒の存在下、80℃を超える温度、最大約150ppmの水分濃度で連続的に反応させて、カルボニル化生成物を形成することを含む、前記方法。
  2. 前記圧力は700psiから2000psiである、請求項1に記載の方法。
  3. CO/エポキシドのモル比は1.2から約20である、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記モル比は1.5から約5である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記圧力は少なくとも800psiである、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. COは、前記溶媒中で飽和する速度よりも低い速度で前記溶媒に導入される、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記圧力は少なくとも1000psiであり、前記温度は90℃よりも高い、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記エポキシドはカルボニル化され、前記エポキシドはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はそれらの組み合わせである、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記エポキシドはエチレンオキシドである、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 第2の気体をさらに含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記第2の気体は、不活性ガス、水素、窒素、又はそれらの混合物である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記エポキシド及び触媒は、前記エポキシド及び触媒のエポキシド/触媒のモル比が1500を超えるような量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記エポキシド/触媒比は2000から25,000である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記触媒は均一系触媒から構成される、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記触媒は金属カルボニル触媒である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記金属カルボニル触媒は、[QM(CO)で表され、Qが任意の配位子、Mが金属原子、yが1から6の整数(両端を含む)、wが前記金属カルボニルを安定にする数、xが-3から+3までの整数(両端を含む)である、請求項15に記載の方法。
  17. MはTi、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Cu、Zn、Al、Ga又はInである、請求項15に記載の方法。
  18. MはCoである、請求項17に記載の方法。
  19. 前記金属カルボニル触媒はアニオン性であり、さらにカチオン性ルイス酸から構成される、請求項16から18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記カチオン性ルイス酸は、[M’(L)c+で表される金属錯体であり、M’が金属、各Lが配位子、bが1~6の整数、cが1、2、又は3であり、複数のLが存在する場合に、各Lは同じでも異なっていてもよい、請求項19に記載の方法。
  21. 前記配位子Lはジアニオン性四座配位子である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記ジアニオン性四座配位子は、ポルフィリン誘導体、サレン誘導体、ジベンゾテトラメチルテトラアザ14アヌレン(TMTAA)誘導体、フタロシアネート誘導体、トロスト配位子の誘導体、又はそれらの組み合わせである、請求項20又は21に記載の方法。
  23. 前記ジアニオン性四座配位子はポルフィリン誘導体である、請求項22に記載の方法。
  24. M’はトランスレーション金属又は13族金属である、請求項20から23のいずれか1項に記載の方法。
  25. M’はアルミニウム、クロム、インジウム、ガリウム又はそれらの組み合わせである、請求項20から24のいずれか1項に記載の方法。
  26. M’はアルミニウム、クロム、又はそれらの組み合わせである、請求項25に記載の方法。
  27. 前記一酸化炭素は合成ガスで供給される、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記触媒は、反応前に前記エポキシド及び溶媒と混合されて反応混合物を形成する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記一酸化炭素が前記反応混合物にバブリングされる、請求項28に記載の方法。
  30. 前記方法は、連続撹拌反応器又はプラグフロー反応器で行われる、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記反応器は前記プラグフロー反応器であり、前記プラグフロー反応器はハイブリッド垂直バブルプラグフロー反応器である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記溶媒は、エーテル、炭化水素、非プロトン性極性溶媒、又はそれらの混合物である、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記溶媒は、テトラヒドロフラン(「THF」)、テトラヒドロピラン、2,5-ジメチルテトラヒドロフラン、スルホラン、N-メチルピロリドン、1,3ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジエチレングリコールジブチルエーテル、イソソルビドエーテル、メチルtertブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、1,4-ジオキサン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、二塩基性エステル、ジエチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2-ブタノン、シクロヘキサノン、トルエン、ジフルオロベンゼン、ジメトキシエタン、アセトン、メチルエチルケトン、又はそれらの混合物である、請求項32に記載の方法。
  34. 前記溶媒はTHFである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記水分濃度は最大約75ppmである、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記水分濃度は最大約50ppmである、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  37. 連続撹拌反応器で行われ、前記平均滞在時間は約5分間から120分間である、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記平均滞在時間は約15分間から240分間である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記エポキシド、ラクトン、溶媒、一酸化炭素のうちのいずれか1つ以上は、反応前に乾燥される、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  40. 触媒は少なくとも約2000のターンオーバー数を有する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記連続撹拌反応器の生産性は少なくとも1×10-8モルカルボニル化生成物/ml・sである、請求項37から40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記方法は、プラグフロー反応器で行われる請求項1から36のいずれか1項に記載の方法。
  43. 前記プラグフロー反応器は垂直プラグフロー反応器である、請求項42に記載の方法。
  44. 前記カルボニル化生成物は、無水物が実質的に存在しないベータラクトンである、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記エポキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はその組み合わせである、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記エポキシドはエチレンオキシドである、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
  47. エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法であって、液体溶媒において、前記エポキシド又はラクトンを一酸化炭素とともに、触媒の存在下、80℃を超える温度、少なくとも700psiの一酸化炭素圧力で、ポリエーテルが実質的に存在しない状態で連続的に反応させることを含む、前記方法。
  48. 前記反応は、前記触媒のリサイクルを行わずに行われる、請求項47に記載の方法。
  49. 前記反応は、最大約150ppmの水分濃度で行われる、請求項47又は48に記載の方法。
  50. 前記触媒は、1500を超えるエポキシド/触媒のモル比で存在する、請求項47から49のいずれか1項に記載の方法。
  51. 前記平均滞在時間は約5分間から240分間である、請求項47から50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 前記滞在時間は30分間から240分間である、請求項51に記載の方法。
  53. 前記ポリエーテルの濃度は最大約0.2重量%である、請求項47から52のいずれか1項に記載の方法。
  54. エポキシド又はラクトンをカルボニル化する方法であって、液体溶媒において、前記エポキシド又はラクトンを一酸化炭素とともに、触媒の存在下、80℃を超える温度、少なくとも700psiの一酸化炭素圧力で連続的に反応させることを含み、前記エポキシド、ラクトン、一酸化炭素及び溶媒は最大100ppmの総水分濃度を有する、前記方法。
  55. 前記エポキシドは最大25ppmの水分濃度を有する、請求項54に記載の方法。
  56. 前記一酸化炭素は最大25ppmの水分濃度を有する、請求項53又は54に記載の方法。
  57. 前記溶媒は最大25ppmの水分濃度を有する、請求項54から56のいずれか1項に記載の方法。
  58. 前記総水分濃度は最大50ppmである、請求項54から57のいずれか1項に記載の方法。
  59. 前記総水分濃度は最大約25ppmである、請求項58に記載の方法。
  60. 前記総水分濃度は最大約20ppmである、請求項59に記載の方法。
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