JP2024516175A - 中和モノマーレベルが低い低濃度逆エマルジョン重合によって得られるポリマーの水性アルコール組成物における使用 - Google Patents

中和モノマーレベルが低い低濃度逆エマルジョン重合によって得られるポリマーの水性アルコール組成物における使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、逆油中水型エマルジョン中の1種又は複数のモノマーの水溶液を重合することによって得られる分枝状又は架橋ポリマーの、50%~80質量%の少なくとも1種のアルコール及び少なくとも10質量%の水相を含む水性アルコール組成物を製造することを目的とした使用に関するものであって、使用されるモノマーの少なくとも1種はアクリルモノマーであり、使用されるモノマーの少なくとも1種又は複数は少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーであり、使用される全てのモノマーに対して少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーのモルパーセント値が少なくとも30%であり、i)重合は、水溶液1グラム当たり1.3mmol~3.6mmolの範囲の水溶液中の全モノマーの濃度で実施され、ii)重合の間、少なくとも1つの酸官能基をもつモノマー上に存在する酸官能基の20モル%以下が中和された形態である。

Description

本発明は、ヒドロアルコール組成物の分野に関する。より具体的には、本発明は、ヒドロアルコール組成物の製造のための、中和されたモノマーの割合が低い低濃度逆エマルジョン重合によって得られるコポリマーの使用に関する。
ウィルスは、感冒、水痘及び疱疹を含めた最も一般的なヒトの病気の一部を引き起こす。現代社会において多くの伝染病の原因となっているものを含めたいくつかの重篤な疾患、例えばエボラ、AIDS、SARS及びSARS-CoV-2等も、ウィルスによって引き起こされる。
ウィルスは、タンパク膜中の核酸(DNA/RNA)からなる感染因子であり、生物の宿主細胞に付着し、宿主細胞にウィルスの遺伝物質を強制的にコピーさせることによって複製する。ウィルスは、宿主の防御機構にかかわらず体内で複製できるので、生涯にわたる慢性感染症を引き起こす可能性がある。重篤な病気を引き起こすそれらの破壊的な能力に加えて、ウィルスはまた、体液、汚染された食物/飲料、昆虫及び物理的接触を通過できて容易に伝染する。
アルコール含有量が高い組成物は、一般に、皮膚を刺激せずに殺ウィルス効果を可能にするため、皮膚を介したウィルス及び他の病原体の伝染の防止に役立つ。これらのヒドロアルコール組成物は、皮膚消毒液であり、皮膚、特に手の上に存在し得る広範囲のウィルス及び他の病原体を殺す。それらは直接的及び機械的接触(摩擦)を必要とし、水なしで使用される。
増粘ポリマーは、一般にヒドロアルコール組成物に加えられて、それらに流動学的性質を与え、したがって、それらの適用を効率的且つ実用的にする。
弱酸官能基を含有する少なくとも1種のモノマーから形成された様々なタイプのポリマーは、一般に、様々なタイプの用途で増粘剤及び/又は安定剤として使用されている。例えば、特許FR 2 810 545及びFR 2 873 126、又は米国特許第3,724,547号も挙げられる。
特許EP 1 047 716は、逆エマルジョン重合によって得られるアクリル酸及び2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸に基づくポリマーについて記載している。これらのポリマーは水性媒体中で増粘効果があるように見えるが、これらはヒドロアルコール組成物中ではあまり有効ではない。
特許JPH 09157130は、異なる重合技術によって得られるアクリル酸及び2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸に基づくポリマーについて記載している。例示されたポリマーは、分散重合によって得られる。
しかしながら、今日公知のヒドロアルコール組成物は、満足できるものではない。実際に、それらの使用中、ヒドロアルコール組成物は、適用中にべたつき感を有する傾向がある。
FR 2 810 545 FR 2 873 126 米国特許第3,724,547号 EP 1 047 716 JPH 09157130
出願人が解決しようとする問題は、満足できる粘度を有しながら、適用中に僅かなべたつき感及びより柔らかな感触を示すヒドロアルコール組成物を得ることである。
したがって、本発明の目的は、1個若しくは複数のモノマー単位の繰り返しから構成される分枝状又は架橋ポリマーの、50%~80質量%の少なくとも1種のアルコール及び少なくとも10質量%の水相を含むヒドロアルコール組成物を製造するための使用であって、モノマー単位の少なくとも1つがアクリル基を含み且つモノマー単位の少なくとも30モル%が少なくとも1つの弱酸官能基を任意選択で中和された形態でもつ、使用を提案することである。前記ポリマーは、
油中水型逆エマルジョン中の1種又は複数のモノマーの水溶液の重合によって得られ、ここで、使用されるモノマーの少なくとも1種はアクリルモノマーであり、使用されるモノマーの少なくとも1種は少なくとも1種の弱酸官能基をもつモノマーであり、使用される全てのモノマーに対して少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーのモルパーセント値が少なくとも30%であり、重合により分枝状又は架橋ポリマーが生じるように、水溶液の水相が分岐剤として作用する少なくとも1種のモノマーを含有し、
i) 重合は、水溶液1グラム当たり1.3mmol~3.6mmolの範囲の水溶液中の全てのモノマーの濃度で実施され、
ii) 重合の間、少なくとも1つの酸官能基を有するモノマー上に存在する酸官能基の20モル%以下が中和された形態である。
このように製造されたヒドロアルコール組成物は、50%~80質量%の前記少なくとも1種のアルコール、少なくとも10質量%の前記水相、及び上記のような分枝状又は架橋ポリマーを含み、パーセント値は組成物の全質量に対して示されている。
表現「重合の間」は、重合の開始時、少なくとも1つの酸官能基を有するモノマー上に存在する20モル%以下の酸官能基が中和された形態であることを意味する。言い換えれば、中和は、重合の前に実施される。
表現「水溶液中の全てのモノマーの濃度で」は、水溶液中の全てのモノマーの質量による濃度の合計が水溶液1グラム当たり1.3mmol~3.6mmolの範囲であることを意味する。全モノマー濃度には、「使用される」モノマーとして知られている、分枝状又は架橋ポリマーのモノマー単位を形成するものであるモノマー、並びに分岐剤として作用するモノマーが含まれる。
重合の後に任意選択で以下の1つ又は複数の工程:
- 得られたエマルジョンの希釈又は濃縮工程、
- ポリマーを粉末の形態で得るための分離工程、
- 得られたポリマー上に存在する遊離酸官能基の少なくとも部分中和工程
が続く。好ましくは、中和は、ポリマーが、ポリマー上に存在する全ての酸官能基に対して30~100モル%の割合の中和された酸官能基を含むように実施される。
このようなポリマーは、それを得るためのプロセスによって定義され、以下の説明で「増粘ポリマー」、「アクリルポリマー」又は「分枝状又は架橋ポリマー」と名付けられている。
本発明はまた、50%~80質量%の少なくとも1種のアルコール及び少なくとも10質量%の水相を含む増粘ヒドロアルコール組成物を得るための、ヒドロアルコール組成物を増粘させるための、このような増粘ポリマーの使用に関する。したがって、増粘組成物は、50%~80質量%の前記少なくとも1種のアルコール、少なくとも10質量%の前記水相、及び前記増粘ポリマーを含む。
本発明はまた、50%~80質量%の少なくとも1種のアルコール、少なくとも10質量%の水相、及び1個若しくは複数のモノマー単位の繰り返しからなる分枝状又は架橋ポリマーを含む、ヒドロアルコール組成物であって、モノマー単位の少なくとも1つがアクリル基を含み且つモノマー単位の少なくとも30モル%が少なくとも1つの弱酸官能基を少なくとも部分的に中和された形態でもつ、ヒドロアルコール組成物に関する。
前記ポリマーは、
油中水型逆エマルジョン中の1種又は複数のモノマーの水溶液の重合によって得られ、ここで、使用されるモノマーの少なくとも1種はアクリルモノマーであり、使用されるモノマーの少なくとも1種は少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーであり、使用される全てのモノマーに対して少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーのモルパーセント値が少なくとも30%であり、重合により分枝状又は架橋ポリマーが生じるように、水溶液の水相が分岐剤として作用する少なくとも1種のモノマーを含有し、
i) 重合は、水溶液1グラム当たり1.3mmol~3.6mmolの範囲の水溶液中の全てのモノマーの濃度で実施され、
ii) 重合の間、少なくとも1つの酸官能基を有するモノマー上に存在する酸官能基の20モル%以下が中和された形態である。
本発明によるヒドロアルコール使用及び組成物は、好ましくは以下の特徴のいずれか、又はこれらの特徴の任意の組合せ、又は相互に排他的なものではない場合には以下の特徴の全てさえも有している:
- 重合の間、少なくとも1つの酸官能基を有するモノマー上に存在する酸官能基の10%以下、好ましくは5%以下、好ましくは2%以下が中和された形態であり;特定の実施形態によれば、重合の間、モノマー上に存在する全ての酸官能基、すなわち、酸官能基の100%が、遊離酸形態であり;示されるパーセント値はモルパーセント値であり;
- 重合は、水溶液1グラム当たり1.7mmol~3.3mmolの範囲の水溶液中の全てのモノマーの濃度で実施され;
- ポリマーは、全てのモノマー単位に対して、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%の、1つ又は複数の弱酸官能基をもつモノマー単位のモルパーセント値を含み;
- ポリマーを調製するために使用される全てのモノマーは、少なくとも1種のエチレン性不飽和を有するモノマーであり;
- 少なくとも1つの弱酸官能基を遊離形態でもつモノマー単位は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸及びフマル酸から選択され、アクリル酸が好ましく;
- ポリマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-ビニルメチルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、酢酸ビニル、ジアセトンアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-[2-ヒドロキシ-1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロペンアミド、(2-ヒドロキシエチル)アクリレート、(2,3-ジヒドロキシプロピル)アクリレート、メチルメタクリレート、(2-ヒドロキシエチル)メタクリレート、(2,3-ジヒドロキシプロピル)メタクリレート及びビニルピロリドンから選択される少なくとも1個の中性モノマー単位を含むコポリマーであり;
- 好ましくは、
・ ポリマー中に存在する少なくとも1つの酸官能基をもつ全てのモノマー単位は、1つ又は複数の弱酸官能基をもつモノマー単位である。特に、組成物中に存在するポリマーは、アクリル酸官能基の30%~100%が中和された形態であるアクリル/アクリルアミド酸コポリマーであり;
・ 或いは、ポリマーは、1つ又は複数の強酸官能基をもつ少なくとも1個のモノマー単位を含むコポリマーである。好ましくは、全てのモノマー単位に対して1つ又は複数の強酸官能基をもつモノマー単位のモルパーセント値は、50%未満、好ましくは30%未満である。好ましくは、1つ又は複数の強酸官能基を遊離形態でもつモノマー単位は、アクリルアミドアルキルスルホン酸、例えば2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸から選択される。特に、組成物中に存在するポリマーは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸/アクリル酸又は2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸/アクリル/アクリルアミド酸コポリマーであり、その酸官能基の30%~100%が中和された形態であり;
- 分岐剤は、メチレンビスアクリルアミド(MBA)、エチレングリコールジ-アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアクリルアミド、シアノメチルアクリレート、ビニルオキシエチルアクリレート、ビニルオキシメタクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルアンモニウムクロリド(TAAC)、ホルムアルデヒド、グリオキサール、グリシジルエーテル、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ、及びその混合物から選択され;
- 組成物中の分岐剤の量は、モノマーの全質量に対して質量で5ppm~10,000ppm、好ましくは100ppm~5,000ppmであり;
- 重合反応は、油中水型乳化剤の存在下で実施され;
- 組成物は、組成物の全質量に対して0.01%~10質量%の分枝状又は架橋ポリマー、好ましくは0.1%~5質量%の分枝状又は架橋ポリマーを含み;
- 組成物は、例えばキレート剤、希釈剤、中和剤及びpH調整剤、乳白剤、防腐剤、展着剤、皮膚軟化剤、フィルム形成ポリマー、酸化防止剤、芳香剤、反射剤、融合助剤及びその混合物から選択される少なくとも1種の添加剤、特に少なくとも1種の配合助剤を含み;
- 組成物は、組成物の全質量に対して60%~70質量%の少なくとも1種のアルコールを含み;
- ヒドロアルコール組成物に含まれているアルコールは、有利にはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、それらの異性体及びその混合物から選択される。好ましくは、アルコールは、エタノール及び/又はイソプロパノールから選択され;
- ヒドロアルコール組成物は、
a) 50%~80質量%の前記の少なくとも1種のアルコール、
b) 0.1%~10質量%の分枝状又は架橋コポリマー、
c) 10%~49.9質量%の水、
d) 0%~10質量%の少なくとも1種の添加剤
を含む。
- ヒドロアルコール組成物は、
a) 60%~75質量%の少なくとも1種のアルコール、
b) 0.1%~5質量%の分枝状又は架橋コポリマー、
c) 25%~39.9質量%の水、
d) 0%~10質量%の少なくとも1種の添加剤
を含む。
まず、本発明において使用されるポリマー及びそれらの製造方法について説明する。
本発明において使用されるポリマーは、1個又は複数のモノマー単位の繰り返しからなり、モノマーに対応するモノマー単位の少なくとも1つは、アクリル基を含有する。言い換えれば、これらのポリマーは、アクリル基を含むモノマーの重合によって得られるホモポリマー、又はモノマーのうちの少なくとも1種がアクリル基を含むモノマーの混合物の共重合によって得られるコポリマーに対応する。簡潔にするために、以下の説明では、このようなポリマーは単に「アクリルポリマー」と呼ぶことができる。
それらの増粘の役割を効果的に果たすために、本発明において使用されるポリマーは、水溶性又は水膨潤性である。これらのポリマーの調製に使用されるモノマー、特に、親水性モノマーの割合は、このような特性を得るように選択されることになる。
表現「水溶性ポリマー」は、25℃の温度で撹拌することにより水に50g/lの濃度で溶解すると、不溶性粒子を含まない溶液が得られるポリマーを意味するものと理解される。
表現「水膨潤性ポリマー」は、25℃の温度で水に溶解すると、溶液を膨潤及び増粘させるポリマーを意味するものと理解される。
本発明において使用されるポリマーは、分枝状であり、又は架橋している。表現「分枝状ポリマー」は、従来、側鎖を有する非直鎖状ポリマーを意味するものと理解される。分枝状ポリマーには、特に、星形及び櫛形ポリマーが含まれる。表現「架橋ポリマー」は、従来、水に不溶性だが、水に膨潤性の三次元網目構造の形態である非直鎖状ポリマーを意味するものと理解される。
架橋は、水相に組み込まれる分岐剤を重合の間に実装することによって得られる。このような分岐剤は、2つ以上のエチレン性不飽和を含むモノマーに対応する。分岐剤は、例えば、メチレンビスアクリルアミド(MBA)、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアクリルアミド、シアノメチルアクリレート、ビニルオキシエチルアクリレート、ビニルオキシメタクリレート、トリアリルアミン、テトラアリル塩化アンモニウム(TAAC)、ホルムアルデヒド、グリオキサール、グリシジルエーテル、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ及びその混合物から選択される。
本発明において、重合プロセスに関して得られるモノマーの全濃度には、分岐剤として作用するモノマーが含まれることを明記するべきである。
本発明において、出願人は、特に、少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーを少なくとも30モル%含む、使用される全てのモノマーに対して高モルパーセント値の1つ又は複数の弱酸官能基をもつモノマーを使用して、油中水型逆エマルジョン重合によって調製されるポリマーの逆エマルジョンに対応する、又はそれから得られるアクリルポリマーを使用することに興味をもっていた。弱酸官能基をもつこのような割合のモノマーを用いて、発明者らは、得られるポリマーの特性が、実際、一方では、重合の間に使用されるモノマーの酸官能基の中和の割合に依存し、他方では、水相中のモノマーの全濃度に依存することを実証している。先行技術で提案されている手法と比較した新規な方法では、酸官能基の中和の割合が高い重合を行うことが推奨され、出願人は、本発明の範囲内で、中和の割合が低い、特に、酸官能基の中和の割合が20モル%以下のポリマーの逆エマルジョン重合プロセスを選択した。
本発明において、出願人は、油中水型逆エマルジョン中のモノマーの水溶液の重合によって得られるこのようなポリマーを使用することを提案し、ここで、重合は、水溶液1グラム当たり1.3mmol~3.6mmolの範囲の全モノマーの濃度で実施される。その上、出願人は、このような濃度範囲が、特に先行技術で使用されているより高い濃度とは異なり、存在する弱酸官能基の中和の割合が低いポリマーを得ることに適合し、先行技術で注意されている安定性の問題を克服することを可能にすることを実証している。
本発明において、使用されるポリマーは、油中水型逆エマルジョン中の1種又は複数のモノマーの水溶液の重合により、ポリマーを調製するプロセスを実施することによって得られ、ここで、使用される1種又は複数のモノマーは少なくとも1つの弱酸官能基を含むモノマーであり、使用される全てのモノマーに対して少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーのモルパーセント値が少なくとも30%であり、
i) 重合は、水溶液1グラム当たり1.3mmol~3.6mmolの範囲の水溶液中の全てのモノマーの濃度で実施され、
ii) 重合の間、少なくとも1つの酸官能基を有する使用されるモノマー上に存在する酸官能基の20モル%以下が中和された形態である。
特に、重合の間、少なくとも1つの酸官能基を有する使用されるモノマー上に存在する酸官能基の10%以下、好ましくは5%以下、好ましくは2%以下が中和された形態であり、それにより更に有利な増粘特性を得ることが可能になる。特定の実施形態によれば、重合の間、使用されるモノマー上に存在する酸官能基の100%は、遊離酸形態である。
本発明において、最適な方法で、重合は、水溶液1グラム当たり1.7mmol~3.3mmolの範囲の水溶液中に存在するモノマーの全濃度で実施される。本発明において、モノマー濃度は、水溶液(水相とも呼ばれる)の全質量に対して与えられ、すなわち、モノマーの質量が含まれている。
したがって、特に、以下の組合せで重合を実施することが可能である:
- 水溶液中の全てのモノマーの濃度が水溶液1グラム当たり1.3mmol~3.6mmolの範囲であり、少なくとも1つの酸官能基を有するモノマー上に存在する酸官能基の20モル%以下、有利には10モル%以下、好ましくは5モル%以下、好ましくは2モル%以下、又は更には0%が中和された形態であり、
- 水溶液中の全てのモノマーの濃度が水溶液1グラム当たり1.7mmol~3.3mmolの範囲であり、少なくとも1つの酸官能基を有するモノマー上に存在する酸官能基の20モル%以下、有利には10モル%以下、好ましくは5モル%以下、好ましくは2モル%以下、又は更には0%が中和された形態である。
使用される全てのモノマーに対して少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーのモルパーセント値は、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%である。こうしたモルパーセント値は、上記のモノマー濃度/中和割合の組合せのいずれにも使用することができる。
本発明において、重合は、好ましくは全てが少なくとも1種のエチレン性不飽和有するモノマーで実施される。
好ましくは、重合は、少なくとも1つの弱酸官能基をもつ単一モノマーで実施され、使用される全てのモノマーに対してモルパーセント値は、少なくとも30%であり、遊離形態で、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸及びフマル酸から選択される。少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーは、最も好ましくは遊離形態の、又は本発明による中和の割合のアクリル酸である。特に上に挙げたものから選択される、少なくとも1つの弱酸官能基をもついくつかのモノマーを使用することも可能であり、使用される全てのモノマーに対するその全モルパーセント値は少なくとも30%である。好ましくは、これらのモノマーの1種は、遊離形態の、又は本発明による中和の割合のアクリル酸である。
重合は、少なくとも1つの強酸官能基をもつ少なくとも1種のモノマーで実施することができる。この場合には、重合は、好ましくは、使用される全てのモノマーに対して少なくとも1つの強酸官能基をもつモノマーの濃度が50%未満、好ましくは30%未満で実施される。重合は、例えば、アクリルアミドアルキルスルホン酸、例えば2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)から選択される、遊離形態の、少なくとも1つの強酸官能基をもつモノマーで実施されうる。この場合には、重合は、例えば、アクリル酸/AMPS又はアクリル酸/AMPS/アクリルアミドの組合せで実施されえ、酸モノマーは、場合によっては遊離形態であり、又は本発明による中和の割合である。
本発明において、逆エマルジョン中で重合反応を実施するために、水溶液1グラム当たり1.3mmol~3.6mmolの範囲のモノマーの濃度を選択することによって、安定な、すなわち、急速な沈殿現象が観察されない、中和の割合が低い、又は更には中和していない、酸官能基をもつポリマーの逆エマルジョンを調製することが可能であることが判明した。その上、特に、先行技術で使用されるより高い濃度とは異なり、存在する酸官能基の中和が低いことに関連する、このような濃度範囲は、少なくとも部分的な中和工程の後に適用した場合に、逆エマルジョン重合によって得られる先行技術のポリマーより優れた、より良好な感覚特性をもたらすポリマーを得ることを可能にすることが実証された。
表現「少なくとも1つの酸官能基をもつモノマー」は、1つ又は複数の遊離又は中和された酸官能基をもつモノマー(すなわち、塩基の作用によって塩化された)を意味するものと理解される。したがって、表現「酸官能基」は、更に正確でなければ、遊離形態及び中和された形態の酸官能基の両方を示す。モノマーが2つ以上の酸官能基を有する場合、酸官能基の一部のみを中和された形態で有することが可能である。存在する酸官能基は、弱酸官能基又は強酸官能基であってもよい。一般に、使用されるモノマーは、弱酸官能基のみ又は強酸官能基のみを含有することになり、ほとんどの場合、単一酸官能基をもつモノマーが使用されることになる。得られるポリマー上に存在するモノマー単位に同じ定義及び選好が適用される。
少なくとも1つの弱酸官能基を遊離形態でもつモノマーの-COOHタイプの例として、全てが単一弱酸官能基を有するアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、並びに2つの弱酸官能基を有するマレイン酸及びフマル酸が挙げられる。
強酸官能基を遊離形態でもつモノマーの一例として、ホスホン酸又はスルホン酸官能基をもつモノマー、例えば2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルキルスルホン酸が挙げられる。
それらの中和された形態では、酸官能基は陰イオン形態であり、対イオン又は陽イオンは、中和に使用される塩基に依存し、例えばソーダを使用した場合にNa+型、又はアンモニアを使用した場合にNH4+になる。従来、中和された形態の酸官能基の数の制御は、モノマーの水溶液のpHの選択によって保証され、それは存在する酸官能基のpKaに応じて調整されることになる。
重合では、次いで少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーから選択される単一タイプのモノマー、又は、少なくとも一方が少なくとも1つの弱酸官能基をもつ異なるタイプのモノマーが、使用されるモノマー上、したがって得られるコポリマー上に、20モル%以下である中和された形態で存在するある割合の酸官能基と関与し得る。特に、少なくとも1つの弱酸官能基をもつ前述のモノマー単位に加えて、得られるポリマーは、他のモノマー単位、例えば少なくとも1つの強酸官能基をもつモノマー単位、中性(又は非イオン性)モノマー単位、陽イオン性モノマー単位及び/又は疎水特性のモノマー単位を含有し得る。いずれの場合においても、水相の形成及び重合の条件は、関係するモノマーの酸官能基が主に遊離形態のままであり、塩化形態の形成によって中和されていない、又は20モル%以下の限定された中和割合で弱く中和されたようなものである。20モル%以下の中和が行われる場合、一般に、適量の塩基を加えることによって水相で実施される。ソーダ又はアンモニア等の塩基を使用してもよい。
特に、重合反応は、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-ビニルメチルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、酢酸ビニル、ジアセトンアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-[2-ヒドロキシ-1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロペンアミド、(2-ヒドロキシエチル)アクリレート、(2,3-ジヒドロキシプロピル)アクリレート、メタクリレートメチルメタクリレート、(2-ヒドロキシエチル)メタクリレート、(2,3-ジヒドロキシプロピル)メタクリレート、ビニルピロリドン、又は他のアクリル酸エステル、又は他のエチレン性不飽和エステルから選択される少なくとも1種の中性モノマーで実施されうる。例えば、重合は、1つ又は複数の弱酸官能基を有する30~99モル%の少なくとも1種のモノマー及び1~70モル%の少なくとも1種の中性モノマーを用いて実施されうる。重合は、例えば、アクリル酸/アクリルアミドの組合せで実施されえ、アクリル酸は、中性形態又は本発明による中和の割合である。
また、少なくとも1種の陽イオン性モノマーを用いて共重合を実施することも可能である。陽イオン性モノマーの例として、ジアリルジアルキルアンモニウム塩、例えばジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC);ジアルキルアミノアルキルアクリレート及びメタクリレート、特にジアルキルアミノエチルアクリレート(ADAME)及びジアルキルアミノエチルメタクリレート(MADAME)の酸性化又は四級化塩;ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド又はメタクリルアミドの酸性化又は四級化塩、例えば、メタクリルアミド-プロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、アクリルアミド-プロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)及びマンニッヒ生成物、例えば四級化ジアルキルアミノメチルアクリルアミド等が挙げられる。
酸性化塩は、当業者に公知の手段によって、特に、プロトン化によって得られる。四級化塩も、当業者に公知の手段によって、特に塩化ベンジル、塩化メチル(MeCl)、塩化アリール若しくは塩化アルキル、又は硫酸ジメチルとの反応によって得られる。
また、少なくとも1種の疎水性モノマーとの共重合を実施することもできる。疎水性モノマーの例として、アクリルアミドウンデカン酸、ウンドデシル酸メチルアクリルアミド、アクリル酸誘導体、例えばアルキルアクリレート又はメタクリレート、例えば、エトキシル化ベヘニルメタクリレート等が挙げられる。この場合には、使用される全てのモノマーに対して疎水性モノマーのモルパーセント値は10%未満、一般に0.001%~7%である。
本発明による方法の第1の変形形態によれば、重合を実施するのに使用される少なくとも1つの酸官能基をもつ全てのモノマーは、少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーである。
本発明による方法の第2の変形形態によれば、重合は、少なくとも1つの弱酸官能基をもつ少なくとも1種のモノマーに加えて、少なくとも1つの強酸官能基をもつ少なくとも1種のモノマーを用いて実施される。この場合には、使用される全てのモノマーに対して少なくとも1つの強酸官能基をもつモノマーのモルパーセント値は、好ましくは50%未満、最も好ましくは30%未満である。
本発明の方法によって得られるコポリマーは、特に、少なくとも1つの弱酸官能基をもつ少なくとも1個のモノマー単位と少なくとも1つの強酸官能基をもつ少なくとも1個のモノマー単位との組合せから形成され、特に、アクリル酸/AMPSコポリマーに対応して、これらの酸モノマーは、中性形態であり、又は本発明による中和の割合であり;少なくとも1つの弱酸官能基をもつ少なくとも1個のモノマー単位と少なくとも1種の中性モノマー単位、及び、任意選択で、少なくとも1つの強酸官能基をもつ少なくとも1個のモノマー単位との組合せから形成され、特に、アクリル酸/アクリルアミドコポリマー又はアクリル酸/AMPS/アクリルアミドコポリマーに対応して、アクリル酸及びAMPSは、中性形態であり、又は本発明による中和の割合であり;少なくとも1つの弱酸官能基をもつ少なくとも1個のモノマー単位と少なくとも1種の陽イオン性モノマー単位、及び、任意選択で、少なくとも1つの強酸官能基をもつ少なくとも1個のモノマー単位との組合せから形成され;或いは少なくとも1つの弱酸官能基をもつ少なくとも1個のモノマー単位と少なくとも1種の中性モノマー単位及び少なくとも1種の陽イオン性モノマー、及び、任意選択で、少なくとも1つの強酸官能基をもつ少なくとも1個のモノマー単位との組合せから形成されうる。
本発明において使用される逆エマルジョン重合プロセスでは、モノマーは、水溶液に入れられる。この水溶液は、逆エマルジョンの水相に対応する。本発明において、重合に使用される水溶液では、少なくとも1つの酸官能基を有するモノマー上に存在する酸官能基の20モル%以下が中和された形態である。
「連鎖制限剤」としても公知の移動剤を使用することが可能である。移動剤の使用は、得られるポリマーの分子量を制御するのに特に有利である。移動剤の例として、メタノール、イソプロパノール、次亜リン酸ナトリウム、2-メルカプトエタノール、メタリルスルホン酸ナトリウム及びその混合物が挙げられる。公知の方法で、当業者は、分枝状又は架橋ポリマーを得ることを望むかどうかに応じて、使用する分岐剤の量、及び、任意選択で、移動剤の量を調整することになる。
より詳細には、本発明において使用される方法は、以下の工程:
a) 水性相と呼ばれる、選択されたモノマーの水溶液を有する工程と、
b) 前記水溶液を、油相と呼ばれる、水-不混和相に乳化する工程と、
c) 重合反応を実施する工程と
を含む。
必然的に、工程a)の水溶液は、本発明の範囲内に記載されているプロセスに基づき、全濃度のモノマー、使用される全てのモノマーに対して少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーのモルパーセント値及び少なくとも1つの酸官能基を有するモノマー上で存在する酸官能基の中和の割合を有する。
一般に、重合反応は、油中水型乳化剤の存在下で実施される。後者はほとんどの場合、水溶液を乳化させた油相に導入される。表現「油中水(W/O)型の乳化剤」は、油中水型エマルジョンをもたらすのに十分低いHLB値、特に、10未満のHLB 値を有する乳化剤を意味するものと理解される。
HLB値は、以下の関係:
HLB=(親水性部分の質量%)/5
に従って計算され、親水性部分の質量パーセント値は、親水性部分の分子量と分子の全分子量との比である。
こうした油中水型乳化剤の例として、界面活性剤ポリマー、例えば分子量が1000~3000のポリエステル、ポリ(イソブテニル)コハク酸又はその無水物とポリエチレングリコールとの縮合の生成物、分子量が2500~3500のブロックコポリマー、例えばHYPERMER(登録商標)の名称で市販されているもの、ソルビタン抽出物、例えばモノオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン又はセスキオレイン酸ソルビタン、ポリエトキシル化ソルビタンの特定のエステル、例えばペンタエトキシル化ソルビタンモノオレエート又はペンタエトキシル化ソルビタンイソステアレート、又はジエトキシル化オレオセチルアルコール及びテトラエトキシル化ラウリルアクリレートが挙げられる。
逆エマルジョン重合プロセスでは、水溶液は、モノマーと、任意選択で、分岐剤及び移動剤を含有する。それはまた、錯化剤、例えばエチレンジアミン又はエチレンジアミン四酢酸も含有していてもよい。
ほとんどの場合、工程c)の重合反応は、工程b)で形成されたエマルジョンにフリーラジカル開始剤を導入することによって開始される。フリーラジカル開始剤の例として、酸化剤のうち、クメンヒドロペルオキシド又は第三級ブチルヒドロキシペルオキシドと、還元剤のうち、過硫酸塩、例えばメタ重亜硫酸ナトリウム及びモール塩と結合する酸化還元剤が挙げられる。アゾ化合物、例えば2,2'-アゾビス(イソブチロニトリル)及び2,2'-アゾビス(2アミジノプロパン)塩酸塩も使用してもよい。
従来、重合は、一般に、等温、断熱又は温度制御された方法で実施される。つまり、温度は一定、一般に10~50℃(等温)に維持され、或いは温度は、自然に増加してよく(断熱)、この場合、反応は、一般に10℃未満の温度で開始され、最終温度は、一般に50℃より高く、或いは、最後に、温度の上昇が制御されて、等温と断熱温度の間で温度曲線が得られる。
重合反応の終わりに、1種又は複数の水中油型乳化剤を、好ましくは50℃未満の温度で導入することができる。
表現「水中油(O/W)型の乳化剤」は、水中油型エマルジョンをもたらすのに十分低い高いHLB値、特に、10より高いHLB値をもつ乳化剤を意味するものと理解される。こうした水中油型乳化剤の例として、エトキシル化ソルビタンエステル、例えば20当量の酸化エチレン(EO 20、すなわち分子内の酸化エチレン単位の繰り返しが20)を含むエトキシル化ソルビタンオレエート、20モルの酸化エチレンを含むラウレートポリエトキシル化ソルビタン、40モルの酸化エチレンを含むポリエトキシル化ヒマシ油、デカエトキシル化オレオデシルアルコール、へプタエトキシル化ラウリルアルコール、又は20モルの酸化エチレンを含むポリエトキシル化ソルビタンモノステアレートが挙げられる。
導入された乳化剤の量は、得られる逆エマルジョンが、一般に、1%~10質量%、好ましくは2.5%~9質量%の油中水(W/O)型の乳化剤と、任意選択で、2%~10質量%、好ましくは2.5%~6質量%の水中油(O/W)型の乳化剤を含有するようなものである。
一般に、水性相の油相に対する質量比は、50/50~90/10である。
逆エマルジョン重合プロセスで使用される油相は、例えば、鉱油、特に、室温(22℃)で密度が0.7~0.9のパラフィン系、イソパラフィン系、シクロパラフィン系、ナフタル系の飽和炭化水素を含有する市販の油;植物油;合成油、例えば水添ポリデセン又は水添ポリイソブテン;エステル、例えばステアリン酸オクチル又はオレイン酸ブチル;植物油、例えばスクアラン又はヘミスクアラン;又はこれらの油のいくつかの混合物から構成されうる。
重合反応の終わりに、得られるエマルジョンを希釈又は濃縮することも可能である。特に、蒸留によって得られるエマルジョンを濃縮し、又は完全に乾燥させて粉末を得ることが可能である。こうした濃縮又は乾燥は、水中油(O/W)型の乳化剤を予め導入して、又は導入しないで実施することになる。
このようにして得られた逆エマルジョンを、例えば蒸留によって濃縮してもよい。次いで逆エマルジョンが得られ、そのポリマー濃度は、30~75質量%、好ましくは40~65質量%であってもよい。
逆エマルジョンから得られ、続いて単離工程にかけたポリマーは、粉末の形態で見つけられうる。このような単離工程は、例えば、沈殿、共沸蒸留並びに微粒化及び噴霧化による乾燥の技術から選択されうる。
実際に、本発明において、逆エマルジョン重合プロセスの終わりに直接得られた逆エマルジョンの形態のポリマーを、得られたポリマーの有利な特性を損なうことなく、濃縮又は単離することが可能である。特に、エマルジョンの他の構成成分から有効成分を単離することで構成される、ポリマーの逆エマルジョンから粉末を得るための多くのプロセスがあり、例えば、
- 非溶媒媒体、例えばアセトン、メタノール又はポリマーが溶解しない任意の他の極性溶媒中での沈殿である。次いで簡単なろ過により、ポリマー粒子の単離が可能になる。
- 凝集剤及び安定化ポリマーの存在下で共沸蒸留すると、粒子を乾燥させる前にろ過することによって容易に単離される凝集体が生成可能になる。
- 制御された期間、熱気流中でエマルジョンの微細液滴の雲を作成することで構成される「噴霧乾燥」である。
こうした工程の後に得られるポリマーは、増粘能力及び電解質に対する耐性に関してそれらの有利な特性を維持する。
追加の中和工程なしで、逆エマルジョン重合プロセスの終わりに、又は乾燥若しくは濃縮工程の後、得られたポリマー上に存在する酸官能基の20モル%以下、好ましくは10モル%以下、更により好ましくは5%以下、好ましくは2モル%以下は、中和された形態である。存在する酸官能基のこの中和の割合が低いことが、配合者に高い柔軟性をもたらし、必要に応じて中和の割合を調整することによって、配合者がポリマーの特性を調整することが可能になり、したがって、所望の増粘効果が得られる。このような手法では、配合者は、目的の使用に適合する、使用する中和剤の性質を選択することもできる。
所望の効果を得るために、重合の後には、通常、ポリマー上に存在する遊離酸官能基の少なくともいくつか、又は更には全ての中和工程が続き、この中和工程は、他の場合には「後中和(post-neutralization)工程」とも呼ばれる。得られたポリマー上に存在する遊離酸官能基の少なくとも部分的な中和の工程が重合反応後に実施される場合、好ましくはポリマー上に存在する全ての酸官能基に関して30~100%の中和のパーセント値をもたらす。
このような後中和工程は、異なる方法で実施することができる:
- 後中和は、逆エマルジョン重合プロセスの終わりに、得られた逆エマルジョンで行うことができる。一般に、これは、製造者自身がポリマーを逆エマルジョンの形態で中和する場合のことである。
- 後中和は、水中での逆エマルジョンの逆転後に得られる水溶液に行うことができる。一般に、これは、配合者が逆エマルジョン、又は得られた粉末を、「保存溶液」と呼ばれる水溶液中に導入してから後者を増粘すべき組成物に添加する場合のことである。次いで配合者は、溶液のポリマー濃度、中和割合及び中和剤の性質を調整する自由がある。
- 後中和も、逆エマルジョン又は得られた粉末が組み込まれた組成物に実施してもよい。上述の場合と同様に、使用者は、中和割合と中和剤の性質を自由に調整することができる。
中和は、当業者によって選択される重合プロセス、性質及び量に関連して前述のモノマーの中和と類似した方法で、塩基を使用して実施される。
このように中和されたこれらのポリマーは、本発明による方法で定義されたモノマーの濃縮及び中和の条件を満たさない逆エマルジョン重合によって得られるポリマーと比較して、他の全ての条件が等しい場合、はるかに良好な増粘特性及びより良好な感覚特性を与える。特に中和後、ポリマーは、同じモノマーから作製されたが、逆エマルジョン重合によってより高い中和割合及び/又は異なる全モノマー濃度で直接調製されたポリマーに対して有利な特性を与える。
有利には、本発明において使用されるポリマーは、存在する遊離酸官能基の完全な中和、又は少なくとも更なる中和後、ヒドロアルコール組成物中に存在する水性媒体をはるかに効果的に増粘することを可能になる。
本発明によるヒドロアルコール組成物を調製する方法、特に、前述のポリマーの組み込みについて以下に詳しく説明する。
ヒドロアルコール組成物の製造は、当業者に広く知られている。上記の増粘アクリルポリマーの添加は、ヒドロアルコール組成物の製造のどの段階で行われてもよい。好ましくは、第1の工程では、添加剤を含有し得る水溶液は、増粘剤を用いて増粘される。第2の工程では、1種又は複数のアルコールは、撹拌下で徐々に添加される。中和が必要な場合、中和は増粘ポリマーについては、逆エマルジョンの形態で調製の終わりに実施されることが好ましい。
ヒドロアルコール組成物は、好ましくは0.01%~10質量%、好ましくは0.1~5質量%の増粘アクリルポリマーを含み、これらのパーセント値は、ヒドロアルコール組成物の全質量に対して与えられる。
ヒドロアルコール組成物は、500~8000cps、好ましくは700~6000cps、より好ましくは1000~5500cpsの粘度を有する。粘度は、25℃でBrookfield RVT粘度計(回転速度20rpm)によって測定され、2,000mPa.s~100,000mPa.sの範囲、特に3,000mPa.s~50,000mPa.sの範囲である。
ポリマー上に存在する全ての酸官能基に対して、30~100%のパーセント値の中和された酸官能基をもたらす中和工程は、ポリマーの組成物への組み込みの前又は後に行われうる。
更に、上記の方法に従って、逆エマルジョン重合によって得られるポリマーは、それが多少とも濃縮された逆エマルジョン、粉末、又は水溶液の形態であってもその有利な特性を保持している。その結果、増粘アクリルポリマーは、逆エマルジョン、粉末の形態で、又は例えば水に可溶化した形態で、或いは水性若しくは有機分散体の形態で使用されうる。一般に、水中の逆エマルジョンの逆転によって、又は粉末を水に溶解させることによって得られる、ポリマーが水に可溶化した形態が使用される。使用時に、どのような形態で導入されても、ポリマーは、その増粘剤の役割を果たす。
従来、本発明によるヒドロアルコール組成物は、少なくとも1種の添加剤を含み、その含量は、組成物の0~10質量%である。添加剤は、有利には、界面活性剤、pH調整剤、香料、染料、防腐剤、及び保湿剤、抗菌剤、又は抗錯化剤から選択される。こうした活性剤及び添加剤は、ヒドロアルコール組成物の配合者、特に化粧品及び皮膚科学の分野において周知である。
好ましくは、ヒドロアルコール組成物は、少なくとも1種の保湿剤を含む。保湿剤は、アラントイン;ピロリドンカルボン酸及びその塩;ヒアルロン酸及びその塩;ソルビン酸及びその塩;アミノ酸、例えば尿素、リジン、アルギニン、システイン、又はグアニジン;ポリヒドロキシアルコール、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキサントリオール、エトキシジグリコール、ジメチコーンコポリオール及びソルビトール、並びにそのエステル;ポリエチレングリコール;グリコール酸及びグリコール酸塩(例えばアンモニウム及び第四級アルキルアンモニウム);キトサン;アロエベラ抽出物;海藻抽出物;蜂蜜及びその抽出物;イノシトール;乳酸及び乳酸塩(例えばアンモニウム及び第四級アルキルアンモニウム);D-パンテノール;リン酸アスコルビルマグネシウム;麹酸;ラクタミド-モノエタノールアミン;アセトアミド-モノエタノールアミン;それらの類似体及びその混合物から選択することができる。好ましくは、保湿剤はグリセリンである。
好ましくは、ヒドロアルコール組成物は、
a) 50%~80質量%の少なくとも1種のアルコール、
b) 0.1%~10質量%の少なくとも1種の上記のような分枝状又は架橋コポリマー、
c) 10%~49.9質量%の水、
d) 0%~10質量%の少なくとも1種の添加剤
を含む。
より好ましくは、ヒドロアルコール組成物は、
a) 60%~75質量%の少なくとも1種のアルコール、
b) 0.1%~5質量%の少なくとも1種の上記のような分枝状又は架橋コポリマー、
c) 25%~39.9質量%の水、
d) 0%~10質量%の少なくとも1種の添加剤
を含む。
好ましくは、ヒドロアルコール組成物は、組成物の全質量に対して、0.1%~10質量%の少なくとも1種の保湿剤、好ましくは0.5%~8質量%、より好ましくは、1%~5質量%の少なくとも1種の保湿剤を含む。
本発明及び結果として得られる利点は、以下の実施例からより良く明らかになるであろう。
以下の図は、本発明の非限定的な方法で利点及び特徴を例示する。
ヒドロアルコール組成物の感覚分析の結果の図示である。
(実施例1(本発明による))
水性相の成分を、磁気撹拌下の1Lビーカーに導入する:
- 氷アクリル酸150g
- 脱イオン水600g
- 次亜リン酸ナトリウム(150ppm)0.023g
- ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム0.10g
- メチレンビスアクリルアミド(500ppm)0.075g
- 臭素酸ナトリウム0.15g
- 水酸化ナトリウム5.8g
次に、機械的撹拌下の1Lガラス反応器に、下記を用いて有機相を調製する:
- 脂肪族炭化水素(Isopar L)102g
- 白色鉱油(Marcol 152)98g
- ソルビトールモノオレエート20g
- ポリマー安定剤(Hypermer 1083)25g。
水性相は、有機相に徐々に移動する。このように形成したプレエマルジョンを次に高剪断に1分間かける(Ultra Turrax、IKA社)。
次に、逆エマルジョンを簡単な窒素スパージングによって30分間脱ガスする。
次に、1.0質量%のメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する水溶液を、2.5ml/hの速度で1.5時間添加する。最高温度に達したら、反応混合物の温度を60分間維持してから冷却する。
最後に、温度が約30℃のとき、エトキシル化トリデシルアルコール(6モル)40gを添加する。
(実施例2(本発明による))
水性相の成分を、磁気撹拌下の1Lビーカーに導入する:
- 氷アクリル酸150g
- 脱イオン水605g
- ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム0.10g
- メチレンビスアクリルアミド(1500ppm)0.225g
- 臭素酸ナトリウム0.15g
次に、機械的撹拌下の1Lガラス反応器に、下記を用いて有機相を調製する:
- 脂肪族炭化水素(Isopar L)102g
- 白色鉱油(Marcol 152)98g
- ソルビトールモノオレエート20g
- ポリマー安定剤(Hypermer 1083)25g。
水性相は、有機相に徐々に移動する。このように形成したプレエマルジョンを次に高剪断に1分間かける(Ultra Turrax、IKA社)。
次に、逆エマルジョンを簡単な窒素スパージングによって30分間脱ガスする。
次に、1.0質量%のメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する水溶液を、2.5ml/hの速度で1.5時間添加する。最高温度に達したら、反応混合物の温度を60分間維持してから冷却する。
最後に、温度が約30℃のとき、エトキシル化トリデシルアルコール(6モル)40gを添加する。
本発明によれば、他の実施例3~6は、実施例1のプロトコルに従って、全てのモノマーに対する弱酸のモルパーセント値、並びに中和された弱酸のモルパーセント値を変えることによって調製される。
本発明によらない、反例1~4は、実施例1のプロトコルに従って、水溶液中の全てのモノマーの濃度、全てのモノマーに対する弱酸のモルパーセント値、並びに中和された弱酸のモルパーセント値を変えることによって調製される。
ヒドロアルコール組成物の調製
脱イオン水82.5gをビーカーに加え、次に所望量の逆エマルジョン(実施例1~6)を、機械的撹拌(三枚羽根-500rpm)下で徐々に添加して、所望の活性ポリマーの質量パーセント値を含有する溶液を得る。溶液を5分間撹拌して、エマルジョンを逆転させる。次に、グリセリン4.5gを溶液に添加する。1分間撹拌した後、エタノールを徐々に導入し、媒体が完全に均質化されるまで撹拌する。
次に、Brookfield RVT粘度計を使用してモジュール4及び回転数20rpmで粘度を測定する。
本発明によるポリマーを、市販されている増粘ポリマーと比較する。SEPIGEL(登録商標)305 (SEPPIC社により販売されている)が逆エマルジョンである。この商品は、通常、増粘剤としてヒドロアルコール組成物に使用されている。
Table 2(表2)では、「水性相質量」は、組成物中の水性相のグラムによる質量に相当し、「水性相[モノマー]」は、水溶液中の全てのモノマーの、水溶液1グラム当たりのmmolによる濃度に相当する。
以下のTable 3(表3)は、ポリマーの異なる質量パーセント値に対して、実施例1及び2並びにSEPIGEL(登録商標)305で得られた粘度を列挙する。
ゲルとして認めるためには、組成物の粘度は500cpsを超える必要がある。
実施例1~6のポリマーは、同一の濃度でSEPIGEL(登録商標)305よりも粘性の高い組成物をもたらす。それらの粘度が500cpsを超える場合、これらの組成物はゲルである。
反例に関して、中和された弱酸のパーセント値が20%を超え(CEx 1)、他の全てのパラメーターが変わらないままである場合、ポリマーの沈殿を招き、したがって不満足なヒドロアルコール組成物が生じることに留意されたい。
水溶液中の全てのモノマーの濃度が水溶液1グラム当たり3.6mmolを超え(CEx 2)、又は水溶液1グラム当たり1.3mmol未満(CEx 4)であり、任意の他のパラメーターが変わらないままである場合、それぞれ粘度が測定できない不安定な組成物が生じ、或いはその粘度がSEPIGEL(登録商標)305より低い、特に、100cpsよりも低い組成物が生じる。これらの組成物はゲルではない。
使用した全てのモノマーに対して少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーのモルパーセント値が30モル%未満(CEx 3)であり、任意の他のパラメーターが変わらないままである場合、その粘度がSEPIGEL(登録商標)305より低い、特に100cpsよりも低い組成物が生じる。この組成物はゲルではない。
感覚分析:
実施例1~6の組成物(0.5質量%のポリマー)及び等粘度のSEPIGEL(登録商標)の組成物(1質量%のポリマー)の感覚分析を、25人の官能試験員が参加して実施した。官能試験員は、これらのヒドロアルコール組成物の各々について以下のTable 4(表4)に列挙されている基準を評価し、これらの組成物の適用中及び適用後に、0~5の評価を割り当てる。
感覚分析の結果を図1に例示する。この図では、下線を引いた基準を、組成物の適用後に評価し、下線を引いていない基準を、組成物の適用中に評価した。
適用中、本発明の実施例1~6のポリマー及びSEPIGEL(登録商標)305は、類似した特徴を示し、すなわち、滑らかさだけでなく、爽やかさの感覚も同一であると考えられる。他方では、本発明の実施例1~6のポリマーは、組成物の適用中に不快と考えられるべたつき感がはるかに少ないが、とりわけ組成物の適用中に糸状外観が全くないことが、SEPIGEL(登録商標)305とは異なる。
組成物の適用後、官能試験員は、本発明の実施例1~6の組成物は肌を柔らかくしたが、乾燥時間が長くなった(平均6s)ことに気付き、調査した他のパラメーターは同一のままであると判定した。
全体的な印象は、SEPIGEL(登録商標)305で調製した組成物と比較して、実施例1~6で調製した組成物に対して感覚的品質がより良い傾向にある。

Claims (18)

1個若しくは複数のモノマー単位の繰り返しから構成される分枝状又は架橋ポリマーの、50%~80質量%の少なくとも1種のアルコール及び少なくとも10質量%の水相を含むヒドロアルコール組成物を製造するための使用であって、モノマー単位の少なくとも1つがアクリル基を含み且つモノマー単位の少なくとも30モル%が少なくとも1つの弱酸官能基を場合によっては中和された形態で有し、前記ポリマーが、
油中水型逆エマルジョン中の1種又は複数のモノマーの水溶液の重合によって得られ、ここで、使用されるモノマーの少なくとも1種がアクリルモノマーであり、使用されるモノマーの少なくとも1種が少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーであり、使用される全てのモノマーに対して少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーのモルパーセント値が少なくとも30%であり、重合により分枝状又は架橋ポリマーが生じるように、水溶液の水相が分岐剤として作用する少なくとも1種のモノマーを含有し、
i) 重合が、水溶液1グラム当たり1.3mmol~3.6mmolの範囲の水溶液中の全てのモノマーの濃度で実施され、
ii) 重合の間、少なくとも1つの酸官能基を有するモノマー上に存在する酸官能基の20モル%以下が中和された形態である、
使用。
50%~80質量%の少なくとも1種のアルコール及び少なくとも10質量%の水相を含む増粘ヒドロアルコール組成物を得るための、ヒドロアルコール組成物を増粘させるための1個若しくは複数のモノマー単位の繰り返しからなる分枝状ポリマー又は架橋化合物の使用であって、モノマー単位の少なくとも1つがアクリル基を含み且つモノマー単位の少なくとも30モル%が少なくとも1つの弱酸官能基を任意選択で中和された形態で有し、前記ポリマーが、
油中水型逆エマルジョン中の1種又は複数のモノマーの水溶液の重合によって得られ、ここで、使用されるモノマーの少なくとも1種がアクリルモノマーであり、使用されるモノマーの少なくとも1種が少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーであり、使用される全てのモノマーに対して少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーのモルパーセント値が少なくとも30%であり、重合により分枝状又は架橋ポリマーが生じるように、水溶液の水相が分岐剤として作用する少なくとも1種のモノマーを含有し、
i) 重合が、水溶液1グラム当たり1.3mmol~3.6mmolの範囲の水溶液中の全てのモノマーの濃度で実施され、
ii) 重合の間、少なくとも1つの酸官能基を有するモノマー上に存在する酸官能基の20モル%以下が中和された形態である、
使用。
ポリマーが、重合後、且つ組成物の調製前又は調製後に実施される、ポリマー上に存在する酸官能基の少なくとも部分的な中和工程によって得られる、ポリマー上に存在する全ての酸官能基に対して30~100モル%の割合の中和された酸官能基を含む、請求項1又は2に記載の使用。
ヒドロアルコール組成物が、
a) 50%~80質量%の前記少なくとも1種のアルコール、
b) 0.1%~10質量%の分枝状又は架橋ポリマー、
c) 10%~49.9質量%の水、
d) 0%~10質量%の少なくとも1種の添加剤
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
ヒドロアルコール組成物が、
a) 60%~75質量%の少なくとも1種のアルコール、
b) 0.1%~5質量%の分枝状又は架橋ポリマー、
c) 25%~39.9質量%の水、
d) 0%~10質量%の少なくとも1種の添加剤
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
少なくとも1つの弱酸官能基を遊離形態でもつモノマー単位が、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸及びフマル酸から選択され、アクリル酸が好ましい、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
ポリマーが、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-ビニルメチルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、酢酸ビニル、ジアセトンアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-[2-ヒドロキシ-1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロペンアミド、(2-ヒドロキシエチル)アクリレート、(2,3-ジヒドロキシプロピル)アクリレート、メチルメタクリレート、(2-ヒドロキシエチル)メタクリレート、(2,3-ジヒドロキシプロピル)メタクリレート及びビニルピロリドンから選択される少なくとも1個の中性モノマー単位を含むコポリマーである、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
分岐剤が、メチレンビスアクリルアミド(MBA)、エチレングリコールジ-アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアクリルアミド、シアノメチルアクリレート、ビニルオキシエチルアクリレート、ビニルオキシメタクリレート、トリアリルアミン、ホルムアルデヒド、グリオキサール、グリシジルエーテル、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ及びその混合物から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
分岐剤の量が、モノマーの全質量に対して質量で5ppm~10,000ppm、好ましくは100ppm~5,000ppmである、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。
50%~80質量%の少なくとも1種のアルコール、少なくとも10質量%の水相、及び1個若しくは複数のモノマー単位の繰り返しから構成される分枝状又は架橋ポリマーを含む、ヒドロアルコール組成物であって、モノマー単位の少なくとも1つがアクリル基を含み、モノマー単位の少なくとも30モル%が少なくとも1つの弱酸官能基を少なくとも部分的に中和された形態で有し、前記ポリマーが、
油中水型逆エマルジョン中の1種又は複数のモノマーの水溶液の重合によって得られ、ここで、使用されるモノマーの少なくとも1種がアクリルモノマーであり、使用されるモノマーの少なくとも1種が少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーであり、使用される全てのモノマーに対して少なくとも1つの弱酸官能基をもつモノマーのモルパーセント値が少なくとも30%であり、重合により分枝状又は架橋ポリマーが生じるように、水溶液の水相が分岐剤として作用する少なくとも1種のモノマーを含有し、
i) 重合が、水溶液1グラム当たり1.3mmol~3.6mmolの範囲の水溶液中の全てのモノマーの濃度で実施され、
ii) 重合の間、少なくとも1つの酸官能基を有するモノマー上に存在する酸官能基の20モル%以下が中和された形態である、
ヒドロアルコール組成物。
重合の後に、ポリマーを組成物に組み込む前又は後に実施される、ポリマー上に存在する酸官能基の少なくとも部分中和の工程が続く、請求項10に記載のヒドロアルコール組成物。
ポリマーが、中和工程によって得られる、ポリマー上に存在する全ての酸官能基に対して30~100モル%の割合の中和された酸官能基を含む、請求項10又は11に記載のヒドロアルコール組成物。
a) 50%~80質量%の前記少なくとも1種のアルコール、
b) 0.1%~10質量%の分枝状又は架橋ポリマー、
c) 10%~49.9質量%の水、
d) 0%~10質量%の少なくとも1種の添加剤
を含む、請求項10から12のいずれか一項に記載のヒドロアルコール組成物。
a) 60%~75質量%の少なくとも1種のアルコール、
b) 0.1%~5質量%の分枝状又は架橋ポリマー、
c) 25%~39.9質量%の水、
d) 0%~10質量%の少なくとも1種の添加剤
を含む、請求項10から12のいずれか一項に記載のヒドロアルコール組成物。
少なくとも1つの弱酸官能基を遊離形態でもつモノマー単位が、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸及びフマル酸から選択され、アクリル酸が好ましい、請求項10から14のいずれか一項に記載の組成物。
ポリマーが、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-ビニルメチルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、酢酸ビニル、ジアセトンアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-[2-ヒドロキシ-1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロペンアミド、(2-ヒドロキシエチル)アクリレート、(2,3-ジヒドロキシプロピル)アクリレート、メチルメタクリレート、(2-ヒドロキシエチル)メタクリレート、(2,3-ジヒドロキシプロピル)メタクリレート及びビニルピロリドンから選択される少なくとも1個の中性モノマー単位を含むコポリマーである、請求項10から15のいずれか一項に記載の組成物。
分岐剤が、メチレンビスアクリルアミド(MBA)、エチレングリコールジ-アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアクリルアミド、シアノメチルアクリレート、ビニルオキシエチルアクリレート、ビニルオキシメタクリレート、トリアリルアミン、ホルムアルデヒド、グリオキサール、グリシジルエーテル、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ及びその混合物から選択される、請求項10から16のいずれか一項に記載の組成物。
分岐剤の量が、モノマーの全質量に対して質量で5ppm~10,000ppm、好ましくは100ppm~5,000ppmである、請求項10から17のいずれか一項に記載の組成物。
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