JP2024510588A - 抗il23特異的抗体による、tnf療法に対する不十分な応答を有する乾癬性関節炎患者を治療する方法 - Google Patents

抗il23特異的抗体による、tnf療法に対する不十分な応答を有する乾癬性関節炎患者を治療する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024510588A
JP2024510588A JP2023555519A JP2023555519A JP2024510588A JP 2024510588 A JP2024510588 A JP 2024510588A JP 2023555519 A JP2023555519 A JP 2023555519A JP 2023555519 A JP2023555519 A JP 2023555519A JP 2024510588 A JP2024510588 A JP 2024510588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
week
treatment
subject
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023555519A
Other languages
English (en)
Inventor
シー. シャ,エリザベス
カライカー,チェタン
コルマイアー,アレクサ
ノエル,ウィム
オリヴァー ヴィゲラス,ハイメ
シューベルト-ヴォダルチク,アガタ
シャーウィ,メイ
タリアドロス,ヴァージニア
テアンダー,エルケ
シュ,シエ
Original Assignee
ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド filed Critical ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
Publication of JP2024510588A publication Critical patent/JP2024510588A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/24Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against cytokines, lymphokines or interferons
    • C07K16/244Interleukins [IL]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/24Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against cytokines, lymphokines or interferons
    • C07K16/241Tumor Necrosis Factors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/505Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/545Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the dose, timing or administration schedule
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/56Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments variable (Fv) region, i.e. VH and/or VL
    • C07K2317/565Complementarity determining region [CDR]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/70Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
    • C07K2317/76Antagonist effect on antigen, e.g. neutralization or inhibition of binding

Abstract

IL-23特異的抗体、例えばグセルクマブを、臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効量で投与することにより、抗TNF療法による治療に対して不十分な応答を示してきた患者の乾癬性関節炎を治療する方法であり、患者は、初期治療の16週後、24週後、及び48週後に測定される場合に、有意なACR20/50/70、IGA、HAQ-DI、CRP、SF-36PCS/MCS、MDA、VLDA、腱付着部炎、指炎、及びLEI/指炎の改善を達成する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年3月4日付で作成された、「JBI6473WOPCT1SEQLIST.txt」というファイル名のASCII形式の配列表としてEFS-Webを介して電子的に提出された、9KBのサイズを有する配列表を含む。EFS-Webを介して提出された配列表は、本明細書の一部であり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、ヒトIL-23タンパク質に結合する抗体で乾癬性関節炎を治療するための方法に関する。具体的には、本発明は、乾癬性関節炎を罹患している患者にとって安全かつ有効である、抗IL-23特異性抗体、例えば、グセルクマブを投与する方法に関する。
(発明の背景)
インターロイキン(Interleukin、IL)-12は、2つのジスルフィド結合グリコシル化タンパク質サブユニット(それらのおおよその分子量のためにp35及びp40と表記される)から構成される、分泌されるヘテロ二量体サイトカインである。IL-12は主に抗原提示細胞によって産生され、T細胞又はナチュラルキラー(natural killer、NK)細胞の表面上に発現される2鎖受容体複合体に結合することによって細胞性免疫を促進する。IL-12受容体ベータ-1(IL-12Rβ1)鎖は、IL-12のp40サブユニットに結合し、IL-12とその受容体との間の一次相互作用をもたらす。しかしながら、細胞内シグナル伝達(例えば、STAT4リン酸化)及び受容体保有細胞の活性化を付与するのは、第2のレセプター鎖IL-12Rβ2のIL-12p35ライゲーションである。抗原提示と並行するIL-12シグナル伝達は、インターフェロンγ(interferon gamma、IFNγ)産生を特徴とするTヘルパー1(T helper 1、Th1)表現型に向けてT細胞分化を引き起こすと考えられる。Th1細胞は、いくつかの細胞内病原体に対する免疫を促進し、補結抗体アイソタイプを生成し、腫瘍免疫監視に寄与すると考えられる。これにより、IL-12は、宿主防御免疫機構にとって重要なコンポーネントであると考えられる。
IL-12のp40タンパク質サブユニットはまた、p19と表記される別個のタンパク質サブユニットと会合して、新たなサイトカインIL-23を形成し得ることが発見された。IL-23も2鎖受容体複合体を通してシグナル伝達する。p40サブユニットは、IL-12とIL-23との間で共有されるため、IL-12Rβ1鎖はIL-12とIL-23との間でも共有されることになる。しかしながら、IL-23特異的細胞内シグナル伝達(例えば、STAT3リン酸化)及びその後のT細胞によるIL-17産生を付与するのは、IL-23受容体複合体IL-23Rの第2のコンポーネントのIL-23p19ライゲーションである。最近の研究は、IL-23の生物学的機能とIL-12の生物学的機能は、これら2つのサイトカイン間の構造的類似性にもかかわらず、異なることを示した。
抗体によるIL-12の中和が、乾癬、多発性硬化症(multiple sclerosis、MS)、関節リウマチ、炎症性腸疾患、インスリン依存性(1型)真性糖尿病、及びブドウ膜炎の動物モデルの治療において有効であるため、IL-12及びTh1細胞集団の異常な制御は、多くの免疫媒介性疾患に関連付けられている。しかしながら、これらの研究は共通のp40サブユニットを標的化しているため、IL-12及びIL-23の両方をインビボで中和した。したがって、IL-12又はIL-23が疾患を媒介していたかどうか、あるいは疾患の抑制を達成するために両サイトカインが阻害される必要があるかは明らかではない。研究は、IL-23阻害が抗IL-12p40戦略と同等の利益を提供し得ることを、IL-23p19欠損マウス又はIL-23の特異的抗体中和により確認した。したがって、免疫介在性疾患におけるIL-23の特異的な役割に関する証拠が増加している。IL-12経路を阻害することなくIL-23を中和することは、重要な宿主防御免疫機構に対する影響が限定的である、免疫媒介疾患の有効な療法を提供することができる。これは、現在の治療選択肢に対して有意な改善を表すであろう。
乾癬は、乾癬性関節炎(psoriatic arthritis、PsA)、抑うつ、心血管疾患、高血圧、肥満、糖尿病、代謝症候群、及びクローン病などの重大な共存症を伴う一般的な慢性免疫媒介性皮膚疾患である。尋常性(プラーク)乾癬は、この疾患の最も一般的な形態であり、白銀色の鱗屑で覆われた境界が明確な紅斑性病変を示す。プラークは、掻痒性、有痛であり、外観を損ないかつ不具にすることが多く、かなりの割合の乾癬患者が手/爪、顔、足、及び生殖器上にプラークを有する。したがって、乾癬は、健康関連の生活の質(health-related quality of life、HRQoL)にかなりの程度まで悪影響を及ぼす。その悪影響の例としては、身体的な皮膚症状を越え、日常活動にさえ干渉する、物理的及び心理社会的負担を強いることが挙げられる。例えば、乾癬は、家族との関係、配偶者との関係、社会的関係、及び仕事上の関係に悪影響を及ぼし、高い抑うつの発生率及び自殺傾向の増加に関連があるとされている。
乾癬性関節炎(PsA)は、指炎、腱付着部炎、仙腸骨炎、及び/又は関節変形を含む様々な臨床的及び放射線学的症状を有する関節炎及び乾癬を特徴とする多系統疾患である。コントロール不良のPsAに関連する、機能障害、生活の質の低下、及び健康管理資源利用の増加は、経済的負担が顕著である。生物製剤(例えば、腫瘍壊死因子[tumor-necrosis-factor、TNF]α阻害剤、ウステキヌマブ、セクキヌマブ)、及び他の薬剤(例えば、アプレミラスト)の利用にもかかわらず、異質性疾患コンポーネントを治療するのに高レベルの有効性及び安全性を提供することができる新たなPsA療法のためのまだ対処されていない大きなニーズが存在する。
乾癬病変の組織学的特徴付けにより、異常なケラチノサイト増殖及び分化に起因する表皮の肥厚、並びにCD3+Tリンパ球及び樹状細胞の皮膚浸潤及び共局在化が明らかにされている。乾癬の病因は十分に明らかにされたとは言い難いが、遺伝子及びタンパク質分析によって、IL-12、IL-23、及びそれらの下流分子が乾癬病変において過剰発現され、一部は乾癬疾患の重症度と相関し得ることが示されている。乾癬の治療に使用されるいくつかの療法は、それらの有効性に寄与すると推測されるIL-12及びIL-23のレベルを調節するものである。Th1及びTh17細胞は、血管拡張因子、化学誘因物質の産生、及び内皮細胞上の接着分子の発現を誘導するエフェクタサイトカインを産生することができ、これらは、順に、単球及び好中球の動員、T細胞浸潤、血管新生、並びにケラチノサイトの活性化及び過形成を促進する。活性化ケラチノサイトは、好中球、単球、T細胞、及び樹状細胞輸送を促進する化学誘引物質因子を産生することができ、したがって、炎症及びケラチノサイト過剰増殖の周期が確立される。
乾癬の病因の解明は、腫瘍壊死因子-アルファ(tumor necrosis factor-alpha、TNF-α)、インターロイキン(IL)-12及びIL-23の両方、並びに直近ではIL-17及びIL-23単独(グセルクマブを含む)を標的とする、有効な生物学的治療をもたらした。グセルクマブ(CNTO1959としても知られ、Tremfaya(登録商標)として販売)は、IL-23のp19サブユニットに結合し、Tヘルパー(Th)17細胞の末端分化に必要とされるIL-23の細胞内及び下流シグナル伝達を阻害する、完全ヒトIgG1ラムダモノクローナル抗体である。グセルクマブは、中程度から重度までのプラーク乾癬及び活動性の乾癬性関節炎の治療について、米国、欧州連合、及び他の国で現在承認されている。更に、グセルクマブは、汎発性膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、掌蹠膿疱症、化膿性汗腺炎、クローン病、及び潰瘍性大腸炎をはじめとする、いくつかの他の免疫媒介性疾患において評価されている。
(発明の概要)
本発明は、乾癬性関節炎(PsA)の治療に関する。具体的には、本発明は、対象に抗IL-23特異性抗体を投与することにより、PsAを治療する臨床的に証明された安全かつ有効な方法に関する。
全般的な一態様では、本発明は、抗TNFα抗体などの抗TNFα療法に対して非応答者であるか、不十分な応答を有するか(難治性)、かつ/又は不耐容である、乾癬性関節炎(PsA)の治療を必要とする対象における乾癬性関節炎(PsA)を治療する方法であって、有効量のグセルクマブなどの抗IL-23抗体(IL-23p19抗体とも呼ばれる)を対象に皮下投与することを含み、抗IL-23抗体が4週毎に1回(q4w)投与される、方法に関する。好ましくは、対象は、臨床的に明らかな有害事象を有することなく、治療後に米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも20%の改善(ACR20)を達成する。
一実施形態では、抗TNFα療法は、エタネルセプト、アダリムマブ、ゴリムマブ、又はセルトリズマブペゴル療法、インフリキシマブ又はこれらの分子のバイオシミラーからなる群から選択される。
特定の実施形態では、抗IL-23抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列、及び配列番号3のCDRH3アミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列、及び配列番号6のCDRL3アミノ酸配列を含む。
特定の実施形態では、抗IL-23抗体は、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含む。
特定の実施形態では、抗IL-23抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列と、配列番号10の軽鎖アミノ酸配列と、を含む。
特定の実施形態では、抗IL-23抗体は、投与当たり、25mg~200mg、好ましくは約50mg~約150mg、より好ましくは約100mgの総用量で投与される。
特定の実施形態では、対象は、抗IL-23抗体による治療に対する応答者であり、疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別され、疾患活動性は、以下の群:米国リウマチ学会コアセット疾患指数の20%の改善(ACR20)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%の改善(ACR50)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%の改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(Health Assessment Questionnaire Disability Index、HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(Investigator's Global Assessment、IGA)、疾患活動性スコア28(Disease Activity Score 28、DAS28)C反応性タンパク質(C-reactive protein、CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(Leeds enthesitis index、LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(mental and physical component summary、MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(Short Form Health survey、SF-36)、最小疾患活動性(minimal disease activity、MDA)の達成、及び非常に低い疾患活動性(very low disease activity、VLDA)の達成から選択される1つ又は2つ以上の基準によって決定される。
別の全般的態様では、本発明は、乾癬性関節炎の治療を必要とする対象における乾癬性関節炎を治療する方法であって、抗IL-23抗体を対象に皮下投与することを含み、抗IL-23抗体が初期用量、4週間後の用量、及びその後8週毎に1回(q8w)の投与間隔で投与され、対象は、直径≧2cmの少なくとも1つの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有する、方法に関する。好ましくは、対象は、臨床的に明らかな有害事象を有することなく、治療後に米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも20%の改善(ACR20)を達成する。
特定の実施形態では、対象は、PsAの標準的療法に対して不十分な応答を有してきていた。任意選択的に、対象は、本発明の実施形態による治療中に標準的療法も行われる。
本発明の1つ又は2つ以上の実施形態の詳細は、下記の説明に述べられている。他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
上述の「発明の概要」及び以降の「発明を実施するための形態」は、添付の図面と併せて読むことでより良好に理解されるであろう。本発明は、図面に示される正確な実施形態に限定されない点を理解する必要がある。
COSMOSの48週目までの主要な二次アウトカムを示す。HAQ-DIスコアにおけるLS平均変化及び平均変化(図1A)、ACR50応答(図1B)、SF-36PCSスコアにおけるLS平均変化及び平均変化(図1C)、並びにPASI100応答(図1D)の、24週目までの一次分析及び48週目での事後NRI分析。24週目の後、非応答者としてのEE患者の代入法を含むNRIを使用して分析を行った(患者及び方法を参照)。プラセボの結果→48週目のグセルクマブ群は、EEに入らず、24週目にグセルクマブにクロスオーバーした患者について報告されている。ACR50、米国リウマチ学会の応答基準における≧50%の改善;CI、信頼区間;GUS、グセルクマブ;HAQ-DI、健康評価質問票-障害指数;LS、最小二乗;PASI100、乾癬の面積及び重症度指数の100%の改善;PBO、プラセボ;Q8W、8週毎;SF-36PCS、36項目のショートフォーム健康調査の身体的要素の要約。 COSMOSの48週目までの主要な二次アウトカムを示す。HAQ-DIスコアにおけるLS平均変化及び平均変化(図1A)、ACR50応答(図1B)、SF-36PCSスコアにおけるLS平均変化及び平均変化(図1C)、並びにPASI100応答(図1D)の、24週目までの一次分析及び48週目での事後NRI分析。24週目の後、非応答者としてのEE患者の代入法を含むNRIを使用して分析を行った(患者及び方法を参照)。プラセボの結果→48週目のグセルクマブ群は、EEに入らず、24週目にグセルクマブにクロスオーバーした患者について報告されている。ACR50、米国リウマチ学会の応答基準における≧50%の改善;CI、信頼区間;GUS、グセルクマブ;HAQ-DI、健康評価質問票-障害指数;LS、最小二乗;PASI100、乾癬の面積及び重症度指数の100%の改善;PBO、プラセボ;Q8W、8週毎;SF-36PCS、36項目のショートフォーム健康調査の身体的要素の要約。 COSMOSの48週目までの主要な二次アウトカムを示す。HAQ-DIスコアにおけるLS平均変化及び平均変化(図1A)、ACR50応答(図1B)、SF-36PCSスコアにおけるLS平均変化及び平均変化(図1C)、並びにPASI100応答(図1D)の、24週目までの一次分析及び48週目での事後NRI分析。24週目の後、非応答者としてのEE患者の代入法を含むNRIを使用して分析を行った(患者及び方法を参照)。プラセボの結果→48週目のグセルクマブ群は、EEに入らず、24週目にグセルクマブにクロスオーバーした患者について報告されている。ACR50、米国リウマチ学会の応答基準における≧50%の改善;CI、信頼区間;GUS、グセルクマブ;HAQ-DI、健康評価質問票-障害指数;LS、最小二乗;PASI100、乾癬の面積及び重症度指数の100%の改善;PBO、プラセボ;Q8W、8週毎;SF-36PCS、36項目のショートフォーム健康調査の身体的要素の要約。 COSMOSの48週目までの主要な二次アウトカムを示す。HAQ-DIスコアにおけるLS平均変化及び平均変化(図1A)、ACR50応答(図1B)、SF-36PCSスコアにおけるLS平均変化及び平均変化(図1C)、並びにPASI100応答(図1D)の、24週目までの一次分析及び48週目での事後NRI分析。24週目の後、非応答者としてのEE患者の代入法を含むNRIを使用して分析を行った(患者及び方法を参照)。プラセボの結果→48週目のグセルクマブ群は、EEに入らず、24週目にグセルクマブにクロスオーバーした患者について報告されている。ACR50、米国リウマチ学会の応答基準における≧50%の改善;CI、信頼区間;GUS、グセルクマブ;HAQ-DI、健康評価質問票-障害指数;LS、最小二乗;PASI100、乾癬の面積及び重症度指数の100%の改善;PBO、プラセボ;Q8W、8週毎;SF-36PCS、36項目のショートフォーム健康調査の身体的要素の要約。
(発明の詳細な記述)
本明細書で使用される場合、乾癬性関節炎の治療方法は、単離された、組換え、及び/又は合成抗IL-23特異的ヒト抗体を投与すること、並びに診断用及び治療用組成物、方法、及びデバイスを含む。
本明細書において使用される場合、「抗IL-23特異的抗体」、「抗IL-23抗体」、「抗体部分」、又は「抗体断片」、及び/若しくは「抗体変異体」などは、本発明の抗体に組み込むことができる、重鎖若しくは軽鎖の少なくとも1つの相補性決定領域(complementarity determining region、CDR)若しくはそのリガンド結合部分、重鎖若しくは軽鎖可変領域、重鎖若しくは軽鎖定常領域、フレームワーク領域、又はこれらの任意の部分、あるいはIL-23受容体又は結合タンパク質の少なくとも一部分などであるが、これらに限定されない、免疫グロブリン分子の少なくとも一部を含む、任意のタンパク質又はペプチド含有分子を含む。このような抗体は、任意選択的に、更に特異的なリガンドに影響を及ぼし、限定するものではないが、例えばこのような抗体は、インビトロ、インサイチュ及び/又はインビボで、少なくとも1つのIL-23活性若しくは結合、又はIL-23受容体活性若しくは結合を、調節、低減、増大、拮抗、刺激、軽減、緩和、遮断、阻害、抑止する及び/又は妨げる。非限定的な例として、本発明の好適な抗IL-23抗体、特定の部分、又は変異体は、少なくとも1つのIL-23分子又はその特定の部分、変異体若しくはドメインに結合することができる。好適な抗IL-23抗体、特定の部分、又は変異体はまた、任意選択的に、少なくとも1つのIL-23活性又は機能にも影響を及ぼすことができ、このような活性又は機能としては、RNA、DNA、若しくはタンパク質合成、IL-23の放出、IL-23受容体のシグナル伝達、膜IL-23の切断、IL-23活性、IL-23の産生及び/又は合成などが挙げられるが、それらに限定されない。
「抗体(antibody)」という用語は、抗体模倣薬を含む、あるいは単鎖抗体及びその断片などといった抗体の構造及び/若しくは機能を模倣する抗体の部分又はその特定された断片若しくは一部分を含む、抗体、その消化断片、特定された部分、及び変異体を包含することを更に意図する。機能断片として、哺乳類のIL-23に結合する抗原結合断片が挙げられる。例えば、Fab(例えば、パパイン消化による)、Fab’(例えば、ペプシン消化及び部分的還元による)及びF(ab’)(例えば、ペプシン消化による)、facb(例えば、プラスミン消化による)、pFc’(例えば、ペプシン又はプラスミン消化による)、Fd(例えば、ペプシン消化、部分的還元及び再集合による)、Fv又はscFv(例えば、分子生物学的技術による)断片が挙げられるがこれらに限定されない、IL-23又は一部分に結合することができる抗体断片が、本発明に包含される(例えば、上記のColligan,Immunologyを参照)。
このような断片は、当該技術分野において周知であるような、及び/又は本明細書に記載のような、酵素による切断、合成又は組換え技術により生成することができる。抗体はまた、1つ又は2つ以上の終止コドンが天然の終止部位の上流に導入されている抗体遺伝子を使用して、様々な切断型で生成することもできる。例えば、F(ab’)重鎖部をコード化する遺伝子の組み合わせは、重鎖のC1ドメイン及び/又はヒンジ領域をコード化するDNA配列を含むよう設計することができる。抗体の様々な部分を従来の技術により化学的に結合でき、又は遺伝子工学技術を用いて隣接タンパク質(contiguous protein)として調製できる。
本明細書で使用する場合、「ヒト抗体」という用語は、実質的にタンパク質の全ての部分(例えば、CDR、フレームワーク、C、Cドメイン(例えば、C1、C2、C3)、ヒンジ(V、V))が軽微な配列の変化又は変異を有するだけで実質的にヒトにおいて非免疫原性である抗体を指す。「ヒト抗体」はまた、ヒト生殖細胞系列型免疫グロブリン配列に由来する抗体でも、又はそれに厳密に一致する抗体であってもよい。ヒト抗体は、生殖細胞系列型免疫グロブリン配列にコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロにおけるランダムな若しくは部位特異的な変異の導入により、又はインビボにおける体細胞突然変異により導入された変異)を含んでもよい。多くの場合、これは、ヒト抗体がヒトにおいて実質的に非免疫原性であることを意味する。ヒト抗体は、それらのアミノ酸配列の類似性に基づいてグループに分類されている。したがって、配列類似性検索を使用して、類似の直鎖配列を有する抗体を、ヒト抗体を作り出すためのテンプレートとして選択することができる。同様に、名称に霊長類(サル、ヒヒ、チンパンジーなど)、げっ歯類(マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスターなど)及びその他の哺乳類を含む抗体は、このような種、亜属、属、亜科、及び科に特異的な抗体を指定する。更に、キメラ抗体は、上記の任意の組み合わせを含むことができる。このような変化又は変異は、場合によりかつ好ましくは、修飾していない抗体に比べて、ヒト又はその他の種における免疫原性を保持するか、又は低減させる。したがって、ヒト抗体は、キメラ抗体又はヒト化抗体とは異なる。
ヒト抗体は、機能的に再構成されたヒト免疫グロブリン(例えば、重鎖及び/又は軽鎖)遺伝子を発現することができる、ヒト以外の動物、又は原核若しくは真核細胞により産生され得ることが指摘される。更に、ヒト抗体が単鎖抗体である場合、天然のヒト抗体では見られないリンカペプチドを含むことができる。例えば、Fvは、重鎖の可変領域と軽鎖の可変領域とを接続する2~約8個のグリシン又はその他のアミノ酸残基などのリンカペプチドを含むことができる。このようなリンカペプチドは、ヒト由来のものとみなされる。
また、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクローナルの、好ましくはヒト抗体又はヒト化抗体である、二重特異的抗体、異種特異的抗体、異種結合性抗体、又は類似の抗体を使用してもよい。この場合、結合特異性のうち一方は少なくとも1つのIL-23タンパク質に対するものであり、他方は任意の他の抗原に対するものである。二重特異的抗体の製造方法は、技術分野において既知である。従来、二重特異的抗体の組換え体生成は、2種の免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の共発現に基づくが、ここで2本の重鎖は異なる特異性を有する(Milstein及びCuello、「Nature」305:537頁(1983))。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の無作為な組み合わせのために、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の可能な混合物を産生し、これらのうち1種のみが正しい二重特異的構造を有する。正確な分子の精製(通常アフィニティクロマトグラフィ工程により行われる)はかなり面倒であり、生成物の収率は低い。類似する手順が、例えば、国際公開第93/08829号、米国特許第6,210,668号、同第6,193,967号、同第6,132,992号、同第6,106,833号、同第6,060,285号、同第6,037,453号、同第6,010,902号、同第5,989,530号、同第5,959,084号、同第5,959,083号、同第5,932,448号、同第5,833,985号、同第5,821,333号、同第5,807,706号、同第5,643,759号、同第5,601,819号、同第5,582,996号、同第5,496,549号、同第4,676,980号、国際公開第91/00360号、同第92/00373号、欧州特許第03089号、Traunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991)、Suresh et al.,Methods in Enzymology 121:210(1986)に開示されており、これらの各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法及び組成物において有用である抗IL-23特異的抗体(IL-23特異的抗体とも称される)(又はIL-23に対する抗体)は、IL-23への高親和性結合、並びに任意選択的にかつ好ましくは、低毒性を有することを、任意選択的に特徴とし得る。具体的には、可変領域、定常領域、及びフレームワークなどの個々の構成要素が、個々に及び/又は集合的に、任意選択的にかつ好ましくは、低い免疫原性を有する、本発明の抗体、その特定の断片、又は変異体が本発明において有用である。本発明で使用することができる抗体は、任意選択的に症状の測定可能な緩和並びに低い及び/又は許容できる毒性で、長期間患者を治療する能力を特徴とする。低い若しくは許容できる免疫原性、及び/又は高い親和性、並びに他の好適な特性が、得られる治療結果に寄与することができる。「低い免疫原性」は、本明細書では、治療される患者の約75%未満、若しくは好ましくは約50%未満で有意にHAHA、HACA若しくはHAMA応答が増加する、及び/又は、治療される患者において低い力価(二重抗原酵素免疫アッセイで測定したとき約300未満、好ましくは約100未満)が増加することとして定義される(Elliott et al.,Lancet 344:1125-1127(1994)、これは参照により全体が本明細書に組み込まれる)。「低い免疫原性」は、治療期間中の推奨療法の経過の間、推奨用量で治療される患者の25%未満、好ましくは治療される患者の10%未満で発生するとき、抗IL-23抗体で治療される患者における抗IL-23抗体に対する漸増可能なレベルの抗体の発生率としても定義することができる。
用語「臨床的に証明された有効性」及び「臨床的に証明された有効な」とは、用量、投与レジメン、治療又は方法の文脈において本明細書で使用するとき、特定の用量、投与、又は治療レジメンの臨床的に証明された有効性を意味する。有効性は、実施される臨床試験、例えば、第3相及びそれ以前の臨床試験に基づいて、本発明の薬剤に応答した、疾患の経過中の変化に基づいて測定され得る。例えば、本発明の抗IL-23抗体(例えば、抗IL-23抗体グセルクマブ)は、治療される障害の重篤度を反映する少なくとも1つの指標において改善、好ましくは持続的な改善を引き起こすのに十分な量及び時間で、対象に対して投与される。その治療の量及び時間が充分であるかどうかを判定するために、対象の疾病、疾患又は状態の程度を反映する様々な指標が評価され得る。このような指標には、例えば、疾患重篤度、症状、又は問題となっている障害の発現についての、臨床的に認識されている指標が含まれる。改善度は全体的に医師により決定され、医師はこの決定を、兆候、症状、生検、又は他の検査結果に基づいて行うことができ、また対象に対して行う質問票、例えば所与の疾患に関して開発された生活の質に関する質問票などを採用することもできる。例えば、本発明の抗IL-23抗体は、乾癬性関節炎に関連する患者の状態の改善を達成するために投与され得る。この改善は、疾患活動性指数の改善、臨床症状の寛解、又は疾患活動性の任意の他の測定によって示すことができる。
一実施形態では、対象における乾癬性関節炎の治療の有効性は、関節リウマチの改善について米国リウマチ学会(ACR)の予備的基準を使用して決定することができる。ACR基準は、圧痛又は腫脹関節数の改善と、次の5つのパラメータ:急性期反応物(沈降速度など);患者の評価;医師の評価疼痛尺度;及び障害/機能に関する質問票、のうちの3つの改善を測定する。ACR基準は、ACR20(圧痛又は膨脹関節数の20パーセントの改善、及び他の5つの基準のうちの3つの20パーセントの改善)、ACR50(圧痛又は膨脹関節数の50パーセントの改善、及び他の5つの基準のうちの3つの50パーセントの改善)、及びACR70(圧痛又は膨脹関節数の70パーセントの改善、及び他の5つの基準のうちの3つの70パーセントの改善)として示される(Felson D T,et al.Arthritis Rheum 1995;38:727-35参照)。
別の実施形態では、対象における乾癬性関節炎の治療の有効性は、皮膚疾患の重症度/程度を評価するために使用される疾患の指数である乾癬の面積及び重症度指数(PASI)によって決定され、例えば、PASI75=75%の改善、PASI90=90%の改善、PASI100=プラークの実質的なクリアである。有効性の尺度には、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、ベースライン腱付着部炎/指炎患者の腱付着部炎/指炎の改善、SF-36の精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)スコアの変化、及び最小疾患活動性(MDA)基準スコアの達成の1つ又は2つ以上も含まれ得る。
用語「臨床的に証明された安全」は、本発明の抗IL-23抗体(例えば、抗IL-23抗体グセルクマブ)による用量、投与レジメン、治療又は方法に関するとき、標準的治療又は別の比較基準と比較して、例えば、実施される臨床試験、例えば、第2相臨床試験、及びそれ以前の臨床試験からの、治療中に発生した有害事象(AE又はTEAEと称される)の比較的低い若しくは低減された頻度及び/又は低い若しくは低減された重症度を指す。有害事象とは、医薬品を投与された患者における好ましくない医療上の出来事である。特に、本発明の抗IL-23抗体による用量、投与レジメン又は治療に関連するとき、臨床的に証明された安全は、原因が抗IL-23抗体の使用による可能性がある、確率が高い、又は非常に可能性が高いと考えられる場合、抗体の投与に関連する有害事象の比較的低い若しくは低減された頻度及び/又は低い若しくは低減された重症度を指す。
本明細書で使用する場合、別途注記のない限り、用語「臨床的に証明された(clinically proven)」(独立して、又は用語「安全(性)」及び/又は「有効(性)」を修飾するために使用される)は、米国食品医薬品局、EMEA、又は対応する国家規制機関の承認基準を満たしている臨床試験によって証明されていることを意味するものとする。例えば、臨床試験は、薬剤の効果を臨床的に証明するために使用される、適切なサイズの無作為化二重盲検試験であってもよい。
有用性
本発明の単離された核酸は、少なくとも1つの抗IL-23抗体又はその特定の変異体の産生に使用することができ、これらの抗体又は変異体は、乾癬の症状を診断、観察、調節、治療、緩和し、その発生の防止を支援、又はその症状を低減するために、細胞、組織、器官、又は動物(哺乳動物及びヒトを含む)を測定するために又はそれらに作用させるために使用することができる。
このような方法は、症状、効果、又は機序を調節、治療、軽減、予防、若しくは軽減することを必要としている細胞、組織、器官、動物、又は患者に、少なくとも1つの抗IL-23抗体を含む組成物又は医薬組成物を有効量投与することを含んでよい。有効量は、本明細書に記載のように、又は関連分野で既知のように、既知の方法を使用して行い決定するとき、単回(例えば、ボーラス)、複数回、若しくは持続投与当たり約0.001~500mg/kgの量、又は単回、複数回、若しくは持続投与当たり0.01~5000μg/mlの血清中濃度を達成する量、又はこの中の任意の有効範囲若しくは値を含んでもよい。
引用文献
本明細書で引用する全ての刊行物又は特許は、具体的な指定の有無にかかわらず、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本発明の時点での先行技術を示し、かつ/又は本発明の説明及び実施可能性を提供する。刊行物とは、電子形式若しくは印刷形式で記録されたものを全て含む任意のメディア形式で利用可能な、任意の科学刊行物若しくは特許公報又は任意の他の情報を指す。以下の文献は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Ausubel,et al.,ed.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,NY,NY(1987~2001)、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Harlow and Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Colligan et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,Inc.,NY(1994~2001)、Colligan et al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,NY,NY,(1997~2001)。
本発明に有用な抗体-産生及び生成
本発明の方法に使用される少なくとも1つの抗IL-23は、任意選択的に、当該技術分野において周知の細胞株、混合細胞株、不死化細胞、又は不死化細胞のクローン集団によって産生することができる。例えば、各々が参照により全体が本明細書に組み込まれる、Ausubel,et al.,ed.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,NY,NY(1987-2001)、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Harlow and Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Colligan et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,Inc.,NY(1994~2001)、Colligan et al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,NY,NY,(1997~2001)。
ヒトIL-23タンパク質又はその断片に特異的なヒト抗体は、単離されたIL-23タンパク質及び/又はそれらの一部(合成ペプチドなどの合成分子を含む)などの適切な免疫原性抗原に対して生じ得る。その他の特異的な又は一般的な哺乳動物の抗体もまた、同様に生じることができる。免疫原性をもつ抗原の調製及びモノクローナル抗体の生成は、任意の好適な技術を使用して行うことができる。
1つのアプローチでは、適切な不死細胞株(例えば、限定されるものではないが、Sp2/0、Sp2/0-AG14、NSO、NS1、NS2、AE-1、L.5、L243、P3X63Ag8.653、Sp2 SA3、Sp2 MAI、Sp2 SS1、Sp2 SA5、U937、MLA 144、ACT IV、MOLT4、DA-1、JURKAT、WEHI、K-562、COS、RAJI、NIH 3T3、HL-60、MLA 144、NAMALWA、NEURO 2Aなどの骨髄腫細胞株、又はヘテロミローマス、その融合産物、又はそれに由来する任意の細胞若しくは融合細胞、又は当該技術分野において周知の任意のその他の好適な細胞株)(例えば、www.atcc.org、www.lifetech.com.などを参照されたい)を、限定されるものではないが、単離された又はクローン化された脾臓、末梢血、リンパ、扁桃腺、又はその他の免疫若しくはB細胞含有細胞などの抗体産生細胞、あるいは内因性又は異種核酸として、組換え若しくは内因性、ウイルス、細菌、藻、原核生物、両生類、昆虫、爬虫類、魚、哺乳類、げっ歯類、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ヒツジ、霊長類、真核生物、ゲノムDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDNA若しくはRNA、葉緑体DNA若しくはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、単一、二重若しくは三重鎖、ハイブリダイズなど、又はそれらの任意の組み合わせとしてのいずれかで、重鎖又は軽鎖の定常若しくは可変、又はフレームワーク若しくはCDR配列を発現する任意のその他の細胞と融合することにより、ハイブリドーマを産生する。例えば、上記のAusubel、及び上記のColligan,Immunologyの第2章を参照されたい。なお両文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
抗体産生細胞はまた、目的の抗原で免疫化されたヒト又はその他の好適な動物の末梢血、又は好ましくは脾臓若しくはリンパ節から得ることもできる。任意のその他の好適な宿主細胞を使用して、本発明の抗体、特定の断片又はその変異体をコードする異種核酸若しくは内在核酸を発現させることもできる。融合細胞(ハイブリドーマ)又は組換え細胞は、選択的培養条件又はその他の好適な周知の方法を使用して単離し、限界希釈若しくは細胞選別又はその他の周知の方法によってクローニングすることができる。所望の特異性を有する抗体を産生する細胞は、好適なアッセイ(例えば、ELISA)によって選択することができる。
ペプチド又はタンパク質ライブラリから組換え抗体を選択する方法が挙げられるがこれらに限定されない、必要とされる特異性を有する抗体を産生又は単離するのに好適なその他の方法を使用することができる(例えば、バクテリオファージ、リボソーム、オリゴヌクレオチド、RNA、cDNAなどのディスプレイライブラリであるがこれらに限定されるものではなく、例えば、Cambridge antibody Technologies,Cambridgeshire,UK、MorphoSys,Martinsreid/Planegg,DE、Biovation,Aberdeen,Scotland,UK、BioInvent,Lund,Sweden、Dyax Corp.,Enzon,Affymax/Biosite、Xoma,Berkeley,CA、Ixsys.から入手可能である)。例えば、欧州特許第368,684号、国際出願PCT/GB91/01134号、同GB92/01755号、同GB92/002240号、同GB92/00883号、同GB93/00605号、米国特許出願第08/350260号(5/12/94)、国際出願GB94/01422号、同GB94/02662号、同GB97/01835号、(CAT/MRC)、国際公開第90/14443号、同第90/14424号、同第90/14430号、国際出願PCT/US94/1234号、国際公開第92/18619号、同第96/07754号(Scripps)、同第96/13583号、同第97/08320号(MorphoSys)、同第95/16027号(BioInvent)、同第88/06630号、同第90/3809号(Dyax)、米国特許第4,704,692号(Enzon)、国際出願PCT/US91/02989号(Affymax)、国際公開第89/06283号、欧州特許第371998号、同第550400号、(Xoma)、同第229046号、国際出願PCT/US91/07149号(Ixsys)、又は確率論的に生成されるペプチド若しくはタンパク質-米国特許第5723323号、同第5763192号、同第5814476号、同第5817483号、同第5824514号、同第5976862号、国際公開第86/05803号、欧州特許第590689号(Ixsys、適用された分子進化(Applied Molecular Evolution、AME)の前身、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)か、又は当該技術分野において周知であり、かつ/若しくは本明細書に記載される、ヒト抗体のレパートリーを産生することができるトランスジェニック動物の免疫化に依存する(例えば、SCIDマウス、Nguyen et al.,Microbiol.Immunol.41:901~907(1997)、Sandhu et al.,Crit.Rev.Biotechnol.16:95~118(1996)、Eren et al.,Immunol.93:154~161(1998)、それぞれが参照によりその全体が組み込まれる)。このような技術には、リボソームディスプレイ(Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94:4937~4942(1997年5月)、Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:14130~14135(1998年11月))、単一細胞抗体産生技術(例えば、選択リンパ球抗体方法(「selected lymphocyte antibody method、SLAM」)(米国特許第5,627,052号、Wen et al.,J.Immunol.17:887~892(1987)、Babcook et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7843~7848(1996))、ゲルマイクロドロップレット及びフローサイトメトリ(Powell et al.,Biotechnol.8:333~337(1990))、One Cell Systems(Cambridge,MA)、Gray et al.,J.Imm.Meth.182:155~163(1995)、Kenny et al.,Bio/Technol.13:787~790(1995))、B細胞選択物(Steenbakkers et al.,Molec.Biol.Reports 19:125-134(1994)、Jonak et al.,Progress Biotech,Vol.5,In Vitro Immunization in Hybridoma Technology,Borrebaeck,ed.,Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam、Netherlands(1988))が挙げられるが、これらに限定されない。
ヒト以外の抗体又はヒト抗体を操作又はヒト化する方法も同様に使用でき、当該技術分野において周知である。一般に、ヒト化抗体又は修飾抗体は、ヒト以外、例えば、限定されるものではないが、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、又はその他の哺乳動物の供給源からの1つ又は2つ以上のアミノ酸残基を有する。これらのヒト以外のアミノ酸残基は、しばしば「インポート」残基と呼ばれる残基により置き換えられるが、この「インポート」残基は、典型的には周知のヒト配列の「インポート」可変ドメイン、定常ドメイン、又はその他のドメインから得られる。
周知のヒトIg配列が、例えば以下に開示されている:www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi、www.ncbi.nih.gov/igblast、www.atcc.org/phage/hdb.html、www.mrc-cpe.cam.ac.uk/ALIGNMENTS.php、www.kabatdatabase.com/top.html、ftp.ncbi.nih.gov/repository/kabat;www.sciquest.com、www.abcam.com、www.antibodyresource.com/onlinecomp.html、www.public.iastate.edu/~pedro/research_tools.html、www.whfreeman.com/immunology/CH05/kuby05.htm、www.hhmi.org/grants/lectures/1996/vlab、www.path.cam.ac.uk/~mrc7/mikeimages.html、mcb.harvard.edu/BioLinks/Immunology.html;www.immunologylink.com、pathbox.wustl.edu/~hcenter/index.html;www.appliedbiosystems.com、www.nal.usda.gov/awic/pubs/antibody、www.m.ehime-u.ac.jp/~yasuhito/Elisa.html、www.biodesign.com、www.cancerresearchuk.org、www.biotech.ufl.edu、www.isac-net.org、baserv.uci.kun.nl/~jraats/links1.html;www.recab.uni-hd.de/immuno.bme.nwu.edu、www.mrc-cpe.cam.ac.uk、www.ibt.unam.mx/vir/V_mice.html、http://www.bioinf.org.uk/abs、antibody.bath.ac.uk;www.unizh.ch、www.cryst.bbk.ac.uk/~ubcg07s、www.nimr.mrc.ac.uk/CC/ccaewg/ccaewg.html、www.path.cam.ac.uk/~mrc7/humanisation/TAHHP.html、www.ibt.unam.mx/vir/structure/stat_aim.html、www.biosci.missouri.edu/smithgp/index.html、www.jerini.de、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Dept.Health(1983)、それぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
このようなインポートされた配列は、免疫原性を低減させるため、あるいは、当該技術分野において周知のように、結合、親和性、結合速度定数、解離速度定数、結合活性、特異性、半減期、又は任意のその他の好適な特性を低減、増強又は改変するために使用することができる。一般的に、CDR残基は、抗原結合に直接的にかつほとんど実質的に影響する。したがって、ヒト以外のCDR配列又はヒトCDR配列の一部又は全てを維持しつつ、可変領域及び定常領域のヒト以外の配列を、ヒトのアミノ酸又は他のアミノ酸に置き換えることもできる。
抗体は、任意選択的に、ヒト化されてもよい、又はヒト抗体は、抗原に対する高い親和性及び他の有利な生物学的特性を保持させたまま修飾させることができる。本目的を達成するためには、任意選択的に、親配列及びヒト化配列の三次元モデルを使用して親配列及び様々な理論上のヒト化産物を解析するプロセスによって、ヒト化(又はヒト)抗体を調製することができる。三次元の免疫グロブリンモデルが一般的に利用可能であり、当業者に周知である。選択された免疫グロブリン配列候補について確率の高い三次元立体構造を図示及び表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの表示を調べることにより、免疫グロブリン配列候補の機能において残基が示す可能性の高い働きの解析、すなわち免疫グロブリン候補の抗原結合能に影響する残基の解析が可能となる。このようにして、標的抗原に対する親和性の増強などといった望ましい抗体特性が達成されるように、コンセンサス配列及びインポート配列からフレームワーク(FR)残基を選択し組み合わせることができる。
加えて、本発明の方法に使用されるヒトIL-23特異的抗体は、ヒト生殖系列軽鎖フレームワークを含み得る。特定の実施形態では、軽鎖生殖系列配列は、A1、A10、A11、A14、A17、A18、A19、A2、A20、A23、A26、A27、A3、A30、A5、A7、B2、B3、L1、L10、L11、L12、L14、L15、L16、L18、L19、L2、L20、L22、L23、L24、L25、L4/18a、L5、L6、L8、L9、O1、O11、O12、O14、O18、O2、O4、及びO8を含むが、これらに限定されない、ヒトVK配列から選択される。ある特定の実施形態では、本軽鎖ヒト生殖系列フレームワークは、V1-11、V1-13、V1-16、V1-17、V1-18、V1-19、V1-2、V1-20、V1-22、V1-3、V1-4、V1-5、V1-7、V1-9、V2-1、V2-11、V2-13、V2-14、V2-15、V2-17、V2-19、V2-6、V2-7、V2-8、V3-2、V3-3、V3-4、V4-1、V4-2、V4-3、V4-4、V4-6、V5-1、V5-2、V5-4、及びV5-6から選択される。
他の実施形態では、本発明の方法に使用されるヒトIL-23特異的抗体は、ヒト生殖細胞系列重鎖フレームワークを含み得る。特定の実施形態では、本重鎖ヒト生殖系列フレームワークは、VH1-18、VH1-2、VH1-24、VH1-3、VH1-45、VH1-46、VH1-58、VH1-69、VH1-8、VH2-26、VH2-5、VH2-70、VH3-11、VH3-13、VH3-15、VH3-16、VH3-20、VH3-21、VH3-23、VH3-30、VH3-33、VH3-35、VH3-38、VH3-43、VH3-48、VH3-49、VH3-53、VH3-64、VH3-66、VH3-7、VH3-72、VH3-73、VH3-74、VH3-9、VH4-28、VH4-31、VH4-34、VH4-39、VH4-4、VH4-59、VH4-61、VH5-51、VH6-1、及びVH7-81から選択される。
特定の実施形態では、軽鎖可変領域及び/又は重鎖可変領域は、フレームワーク領域、又はフレームワーク領域の少なくとも一部分(例えば、FR2及びFR3などの2又は3つの小領域を含有する)を含む。ある特定の実施形態では、少なくともFRL1、FRL2、FRL3、又はFRL4は、完全ヒトである。その他の実施形態では、少なくともFRH1、FRH2、FRH3、又はFRH4は、完全ヒトである。いくつかの実施形態では、少なくともFRL1、FRL2、FRL3、又はFRL4は、生殖系列配列(例えば、ヒト生殖系列)であるか、又は特定のフレームワークのためのヒトコンセンサス配列(上述の周知のヒトIg配列の供給源で容易に入手可能である)を含む。その他の実施形態では、少なくともFRH1、FRH2、FRH3、又はFRH4は、生殖系列配列(例えば、ヒト生殖系列)であるか、又は特定のフレームワークのためのヒトコンセンサス配列を含む。好ましい実施形態では、フレームワーク領域は、完全なヒトフレームワーク領域である。
本発明の抗体のヒト化又は操作は、Winter(Jone et al.,Nature 321:522(1986)、Riechmann et al.,Nature 332:323(1988)、Verhoeyen et al.,Science 239:1534(1988))、Sims et al.,J.Immunol.151:2296(1993)、Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901(1987)、Carter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992)、Presta et al.,J.Immunol.151:2623(1993)、米国特許第5723323号、同第5976862号、同第5824514号、同第5817483号、同第5814476号、同第5763192号、同第5723323号、同第5,766886号、同第5714352号、同第6204023号、同第6180370号、同第5693762号、同第5530101号、同第5585089号、同第5225539号、同第4816567号、国際出願PCT/:US98/16280号、同US96/18978号、同US91/09630号、同US91/05939号、同US94/01234号、国際出願PCT/:GB89/01334号、同GB91/01134号、同GB92/01755号、国際公開第90/14443号、同第90/14424号、同第90/14430号、欧州特許第229246号(それぞれ、参照によりその全体が明細書に組み込まれ、その中に引用される文献を含む)に記載されるものなどであるがこれらに限定されない、任意の周知の方法を使用して行うことができる。
ある特定の実施形態では、抗体は、変更された(例えば、変異を導入された)Fc領域を含む。例えば、いくつかの実施形態では、Fc領域は、抗体のエフェクタ機能を低減又は増強するために変更されている。いくつかの実施形態では、Fc領域は、IgM、IgA、IgG、IgE、又は他のアイソタイプから選択されるアイソタイプである。あるいは、又は加えて、アミノ酸修飾と、IL-23結合分子のFc領域のC1q結合及び/又は補体依存性細胞傷害性機能を変更する1つ又は2つ以上の更なるアミノ酸修飾とを組み合わせることが有用であり得る。特に注目の出発ポリペプチドは、C1qに結合するものであってもよく、補体依存性細胞毒性(complement dependent cytotoxicity、CDC)を示すものである。既存のC1q結合活性を有し、任意選択的に、CDCを介在する能力を更に有するポリペプチドは、これらの活性のうちの1つ又は両方が増進するように、修飾されてもよい。C1qを変更する、かつ/又はその補体依存性細胞傷害機能を修飾するアミノ酸修飾は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第0042072号に記載されている。
上記に開示されるように、例えば、C1q結合及び/又はFcγR結合を修飾し、それにより、補体依存性細胞毒性(CDC)活性及び/又は抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)活性を変化させることによって、変更されたエフェクタ機能を有する本発明のヒトIL-23特異的抗体のFc領域を設計することができる。「エフェクタ機能」は、(例えば、対象における)生物学的活性を活性化又は低減させる役割を果たす。エフェクタ機能の例としては、これらに限定されるものではないが、C1q結合、CDC、Fc受容体結合、ADCC、貪食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体、BCR)のダウンレギュレーションなどが挙げられる。このようなエフェクタ機能は、Fc領域が、結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と結合することを必要とする場合があり、多種多用な試験法(例えば、Fc結合アッセイ、ADCCアッセイ、CDCアッセイなど)を使用して評価することができる。
例えば、改善されたC1q結合及び改善されたFcγRIII結合を有する(例えば、改善されたADCC活性及び改善されたCDC活性の両方を有する)ヒトIL-23(又は抗IL-23)抗体の変異体Fc領域を生成することができる。あるいは、エフェクタ機能を低減又は除去することが所望される場合、変異体Fc領域は、CDC活性を低減させるよう及び/又はADCC活性を低減させるよう修飾することができる。他の実施形態において、これらの活性の1つだけが増強されてもよく、任意選択的に、同時に他の活性が低減されてもよい(例えば、改善されたADCC活性と低減されたCDC活性を有するFc領域変異体、及びこの逆のFc領域変異体を生成するため)。
Fc変異は、胎児性Fc受容体(Fc receptor、FcRn)との相互作用を変更し、それらの薬物動態特性を改善するように遺伝子を操作して、導入することもできる。FcRnへの結合を改善したヒトFc変異体の収集は、説明されている(Shields et al.,(2001).High resolution mapping of the binding site on human IgG1 for FcγRI,FcγRII,FcγRIII,and FcRn and design of IgG1 variants with improved binding to the FcγR,J.Biol.Chem.276:6591-6604)。
別のタイプのアミノ酸置換は、ヒトIL-23特異的抗体のFc領域のグリコシル化パターンを改変するように働く。Fc領域のグリコシル化は、典型的に、N結合型又はO結合型のいずれかである。N結合型は、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の付加を指す。O結合型グリコシル化は、5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシリジンも使用される可能性があるが、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリン又はスレオニンへの糖類、N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースのうちの1つの付着を指す。アスパラギン側鎖ペプチド配列への炭水化物部分の酵素的付着のための認識配列は、アスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-スレオニンであり、Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸である。このため、ポリペプチド中にこれらのいずれかのペプチド配列が存在すると、潜在的なグリコシル化部位がもたらされる。
グリコシル化パターンは、例えば、ポリペプチドに見出される1つ又は2つ以上のグリコシル化部位を欠失させること、及び/又はポリペプチド中に存在しない1つ又は2つ以上のグリコシル化部位を付加することによって変更され得る。ヒトIL-23特異的抗体のFc領域へのグリコシル化部位の付加は、上記のトリペプチド配列の1つ又は2つ以上を含有するようにアミノ酸配列を変更することによって首尾よく達成される(N結合型グリコシル化部位の場合)。代表的なグリコシル化変異体は、重鎖の残基Asn297のアミノ酸置換を有する。この変更は、元のポリペプチド配列への1つ又は2つ以上のセリン又はスレオニン残基の付加、又はこれらによる置換によって行われてもよい(O結合型グリコシル化部位の場合)。加えて、Asn 297をAlaに変更すると、グリコシル化部位の1つを除去することができる。
特定の実施形態において、本発明のヒトIL-23特異的抗体は、GnT IIIがGlcNAcをヒトIL-23抗体に付加するように、ベータ(1,4)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnT III)を発現する細胞において発現される。このような様式で抗体を産生するための方法は、国際公開第9954342号、同第03011878号、特許公報第2003/0003097(A1)号、及びUmana et al.,Nature Biotechnology,17:176-180,Feb.1999に提供されており、これらの全ては、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる。
抗IL-23抗体はまた、任意選択的に、本明細書に記載及び/又は当該技術分野において既知であるように、ヒト抗体のレパートリーを生成することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、非ヒト霊長類など)の免疫化により生じる場合もある。ヒト抗IL-23抗体を産生する細胞は、本明細書に記載の方法のような好適な方法を使用して、このような動物から単離し、不死化してもよい。
ヒト抗原に結合するヒト抗体のレパートリーを産生することができるトランスジェニックマウスは、既知の方法(例えば、これらに限定されないが、Lonbergらに発行された米国特許第5,770,428号、同第5,569,825号、同第5,545,806号、同第5,625,126号、同第5,625,825号、同第5,633,425号、同第5,661,016号、及び同第5,789,650号、Jakobovitsらの国際公開第98/50433号、Jakobovitsらの国際公開第98/24893号、Lonbergらの国際公開第98/24884号、Lonbergらの国際公開第97/13852号、Lonbergらの国際公開第94/25585号、Kucherlapateらの国際公開第96/34096号、Kucherlapateらの欧州特許第0463151(B1)号、Kucherlapateらの欧州特許0710719(A1)号、Suraniらの米国特許第5,545,807号、Bruggemannらの国際公開第90/04036号、Bruggemannらの欧州特許第0438474(B1)号、Lonbergらの欧州特許第0814259(A2)号、Lonbergらの英国特許第2272440(A)号、Lonberg et al.,Nature368:856~859(1994)、Taylor et al.,Int.Immunol.Int.Immunol.6(4)579-591(1994)、Green et al,Nature Genetics 7:13-21(1994)、Mendez et al.,Nature Genetics 15:146-156(1997)、Taylor et al.,Nucleic Acids Research 20(23):6287~6295(1992)、Tuaillon et al.,Proc Natl Acad Sci USA 90(8)3720~3724(1993)、Lonberg et al.,Int Rev Immunol 13(1):65~93(1995)及びFishwald et al.,Nat Biotechnol 14(7):845~851(1996)であって、これらは、参照により各全体が本明細書に組み込まれる)によって生成することができる。一般に、これらのマウスは、機能的に再構成された、又は機能的な再構成を受けることができる少なくとも1つのヒト免疫グロブリン遺伝子座に由来するDNAを含む、少なくとも1つの導入遺伝子を含む。このようなマウスの内因性免疫グロブリン遺伝子座を破壊又は欠失させて、マウスの、内因性遺伝子によりコードされている抗体の産生能を除去することができる。
類似のタンパク質又は断片への特異的結合についての抗体のスクリーニングは、ペプチドディスプレイライブラリを使用して首尾よく達成することができる。本方法は、望ましい機能又は構造をもつ個々のメンバーについてペプチドの大規模コレクションをスクリーニングすることを含む。ペプチドディスプレイライブラリの抗体スクリーニングは当該技術分野において周知である。ディスプレイされたペプチド配列の長さは、3~5000個又はそれ以上のアミノ酸であり、頻繁には5~100個のアミノ酸長、多くは約8~25個のアミノ酸長であることができる。ペプチドライブラリを作成する直接化学合成法に加えて、いくつかの組換えDNA方法も記述されている。1つのタイプは、バクテリオファージ又は細胞の表面上でのペプチド配列のディスプレイを含む。各バクテリオファージ又は細胞は、特定のディスプレイされたペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含有する。このような方法は、国際出願特許公報第91/17271号、同第91/18980号、同第91/19818号、及び同第93/08278号に記載されている。
ペプチドライブラリを作成するためのその他のシステムは、インビトロでの化学合成法及び組換え法の両方の態様を有する。国際出願特許公報第92/05258号、同第92/14843号、及び同第96/19256号を参照されたい。米国特許第5,658,754号及び同第5,643,768号も参照されたい。ペプチドディスプレイライブラリ、ベクター、及びスクリーニングキットは、Invitrogen(Carlsbad,CA)及びCambridge antibody Technologies(Cambridgeshire,UK)のような供給元から市販されている。例えば、Enzonに譲渡された米国特許第4704692号、同第4939666号、同第4946778号、同第5260203号、同第5455030号、同第5518889号、同第5534621号、同第5656730号、同第5763733号、同第5767260号、同第5856456号、Dyaxに譲渡された米国特許第5223409号、同第5403484号、同第5571698号、同第5837500号、Affymaxに譲渡された米国特許第5427908号、同第5580717号、Cambridge antibody Technologiesに譲渡された米国特許第5885793号、Genentechに譲渡された米国特許第5750373号、Xomaに譲渡された米国特許第5618920号、同第5595898号、同第5576195号、同第5698435号、同第5693493号、同第5698417号、上記のColligan、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照されたい、上記特許及び刊行物の各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法に使用される抗体は、このような抗体を乳中に産生するヤギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギなどのトランスジェニック動物又は哺乳動物を提供するために、核酸をコードする少なくとも1つの抗IL23抗体を使用して調製することもできる。このような動物は、周知の方法を使用して準備することができる。例えば、これらに限定されるものではないが、米国特許第5,827,690号、同第5,849,992号、同第4,873,316号、同第5,849,992号、同第5,994,616号、同第5,565,362号、同第5,304,489号などを参照されたい(それらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
本発明の方法に使用される抗体は、植物部分又はそれから培養された細胞において、このような抗体、特定の部分、又は変異体を産生するトランスジェニック植物及び培養された植物細胞(例えば、タバコ及びトウモロコシであるが、これらに限定されない)を提供するために、核酸をコード化する少なくとも1つの抗IL23抗体を使用して更に調製することができる。非限定的な実施例として、例えば、誘導プロモータを用い、組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉をうまく使用して、大量の組換えタンパク質が提供されてきた。例えば、Cramer et al.,Curr.Top.Microbol.Immunol.240:95~118(1999)及びその中で引用される文献を参照されたい。また、トランスジェニックトウモロコシは、他の組換え系において生成されるタンパク質又は天然資源から精製されるタンパク質に等しい生物学的活性を有する哺乳動物タンパク質を、商業生成レベルで発現するために使用されてきた。例えば、Hood et al.,Adv.Exp.Med.Biol.464:127-147(1999)及びその中で引用される文献を参照されたい。抗体は、単鎖抗体(scFv)などの抗体断片を含む、タバコ種子及びポテト塊茎などといったトランスジェニック植物の種子からも、大量に産生されてきた。例えば、Conrad et al.,Plant Mol.Biol.38:101-109(1998)及びその中で引用される文献を参照されたい。したがって、本発明の抗体はまた、周知の方法に従って、トランスジェニック植物を使用して産生することもできる。例えば、Fischer et al.,Biotechnol.Appl.Biochem.30:99~108(1999年10月)、Ma et al.,Trends Biotechnol.13:522~7(1995)、Ma et al.,Plant Physiol.109:341~6(1995)、Whitelam et al.,Biochem.Soc.Trans.22:940~944(1994)、及びこれらの中で引用される文献も参照されたい。上記文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法に使用される抗体は、広範囲にわたる親和性(K)でヒトIL-23に結合することができる。好ましい実施形態では、ヒトmAbは、任意選択的に、高い親和性でヒトIL-23に結合することができる。例えば、ヒトmAbは、ヒトIL-23を約10-7M以下、例えば、限定されないが、0.1~9.9(又はその中の任意の範囲若しくは値)X10-7、10-8、10-9、10-10、10-11、10-12、10-13、又はその中の任意の範囲若しくは値などのKで結合することができる。
抗原に対する抗体の親和性又は結合活性は、任意の好適な方法を用いて実験により求めることができる。(例えば、Berzofsky,et al.,「Antibody-Antigen Interactions,」Fundamental Immunology,Paul,W.E.,Ed.,Raven Press:New York,NY(1984)、Kuby,Janis Immunology,W.H.Freeman and Company:New York,NY(1992)、及び本明細書に記載される方法を参照されたい)。特定の抗体抗原相互作用について測定される親和性は、異なる条件(例えば、塩濃度、pH)下で測定された場合に異なることができる。したがって、親和性及び他の抗原結合パラメータ(例えば、K、K、K)の測定は、好ましくは、抗体及び抗原の標準化溶液、及び本明細書で記載される緩衝剤などの標準化緩衝剤を用いて行われる。
核酸分子
本明細書に開示される他の配列の中でも、例えば、本明細書に記載される軽鎖若しくは重鎖可変又はCDR領域のうちの少なくとも1つの隣接アミノ酸の少なくとも70~100%をコードするヌクレオチド配列、特定の断片、変異体、若しくはそれらのコンセンサス配列、又はこれらの配列のうちの少なくとも1つを含む寄託ベクターなどの本明細書に提供される情報を使用して、少なくとも1つの抗IL-23抗体をコードする本発明の核酸分子は、本明細書に記載されるか又は当該技術において既知の方法を使用して得ることができる。
本発明の核酸分子は、mRNA、hnRNA、tRNA若しくは任意の他の形態のようなRNAの形態、又はクローニングにより得られる若しくは合成的に産生されるcDNA及びゲノムDNAが挙げられるがこれらに限定されないDNAの形態、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。DNAは、3本鎖、2本鎖若しくは1本鎖、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。DNA又はRNAの少なくとも1本の鎖の任意の部分は、センス鎖としても知られるコード鎖であってもよいし、又はアンチセンス鎖と呼ばれる、非コード鎖であってもよい。
本発明の方法に使用される単離された核酸分子には、任意選択的に1つ又は2つ以上のイントロン、例えば、限定されないが、少なくとも1つの重鎖若しくは軽鎖のCDR1、CDR2、及び/又はCDR3などの少なくとも1つのCDRの少なくとも1つの特定の部分を有するオープンリーディングフレーム(open reading frame、ORF)を含む核酸分子、抗IL-23抗体又は可変領域のコード配列を含む核酸分子、並びに前述のものと実質的に異なるヌクレオチド配列を含むが、遺伝子コードの縮重のために、本明細書に記載される及び/又は当該技術分野で既知である少なくとも1つの抗IL-23抗体を依然としてコードする核酸分子が含まれ得る。当然のことながら、遺伝子コードは、技術分野において周知である。したがって、本発明の方法で使用される特異的な抗IL-23抗体をコードするこのような変性核酸変異体を作製することは、当業者には日常的であるだろう。例えば、上記のAusubelらを参照されたい。このような核酸変異体は、本発明に含まれる。単離された核酸分子の非限定的な例としては、それぞれ、HC CDR1、HC CDR2、HC CDR3、LC CDR1、LC CDR2、及びLC CDR3をコードする核酸が挙げられる。
本明細書に記載されるように、抗IL-23抗体をコードする核酸を含む核酸分子としては、それ自体で抗体断片のアミノ酸配列をコードするもの、抗体の全長若しくは抗体の一部をコードする配列、抗体、断片若しくは部分のコード配列、並びに追加の配列、例えば、少なくとも1つのイントロンなど、前述の追加のコード配列を伴って、又は伴わずに、非コード5’及び3’配列、例えば、スプライシング及びポリアデニル化シグナル(例えば、mRNAのリボソーム結合及び安定性)を含む、転写、mRNAプロセシングにおいて役割を果たす転写された非翻訳配列を含むがこれに限定されない、追加の非コード配列とともに、少なくとも1つのシグナルリーダー若しくは融合ペプチドのコード配列、追加のアミノ酸、例えば、追加の機能を提供するアミノ酸をコードする追加のコード配列を挙げることができるが、これらに限定されない。したがって、抗体をコードする配列はマーカ配列に融合させることができ、例えば、マーカ配列は、これを融合させた抗体断片又は部分を含む抗体の精製を促進するペプチドをコードする配列である。
本明細書に記載のポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチド
本発明の方法は、本明細書に開示されるポリヌクレオチドに対して、選択的なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする単離された核酸を使用する。したがって、本実施形態のポリヌクレオチドは、このようなポリヌクレオチドを含む核酸を単離、検出、及び/又は定量するために使用することができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドを使用して、寄託されたライブラリにおける部分長又は完全長クローンを同定、単離、又は増幅することができる。いくつかの実施形態においては、ポリヌクレオチドは、単離された、又はそうでなければヒト若しくは哺乳動物の核酸ライブラリのcDNAに相補的な、ゲノム配列又はcDNA配列である。
好ましくは、cDNAライブラリは完全長配列の少なくとも80%、好ましくは完全長配列の少なくとも85%又は90%、より好ましくは完全長配列の少なくとも95%を含む。このcDNAライブラリは、稀な配列の発現量を増大させるよう正規化することができる。相補配列に対する配列同一性が低い配列を使用する、低又は中ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件が典型的なものであるが、これに限定されない。同一性がより高い配列には、任意選択的に、中及び高ストリンジェンシーの条件を使用することができる。低ストリンジェンシー条件は、約70%の配列同一性をもつ配列の選択的ハイブリダイゼーションを可能にし、オーソロガス又はパラロガス配列を特定同定するために利用できる。
任意選択的に、ポリヌクレオチドは、抗体の少なくとも一部分をコードする。ポリヌクレオチドは、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドに対する選択的ハイブリダイゼーションに利用することができる核酸配列を包含する。例えば、上記のAusubel、上記のColliganを参照されたい。各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
核酸の構築
単離された核酸は、当該技術分野において周知のように、(a)組換え方法、(b)合成技術、(c)精製技術、及び/又は(d)これらの組み合わせを使用して作製することができる。
核酸には、本発明のポリヌクレオチドに加えて、都合よく配列を含ませることができる。例えば、1つ又は2つ以上のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むマルチクローニングサイトを核酸に挿入して、ポリヌクレオチドの単離に役立てることができる。また、翻訳可能な配列を挿入して、本発明の翻訳されたポリヌクレオチドの単離に役立てることができる。例えば、ヘキサヒスチジンマーカ配列は、本発明のタンパク質を精製するのに便利な手段を提供する。本発明の核酸(コード配列を除く)は、任意選択的に、本発明のポリヌクレオチドのクローニング及び/又は発現のためのベクター、アダプタ、又はリンカである。
このようなクローニング配列及び/又は発現配列に追加の配列を付加して、クローニング及び/又は発現におけるそれらの機能を最適化すること、ポリヌクレオチドの単離に役立てること、又は細胞へのポリヌクレオチドの導入を改善することができる。クローン化ベクター、発現ベクター、アダプタ、及びリンカの使用は、当該技術分野において周知である。(例えば、Ausubel(上記)、又はSambrook(上記)を参照されたい)
核酸を構築するための組換え方法
RNA、cDNA、ゲノムDNA、又はこれらの任意の組み合わせなどの単離された核酸組成物は、当業者に既知の任意の数のクローニング方法を用いて生物源から得ることができる。いくつかの実施形態において、本発明のポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下で選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブが、cDNA又はゲノムDNAライブラリ内の望ましい配列の同定に使用される。RNAの単離、並びにcDNA及びゲノムライブラリの構築は、当業者には周知である。(例えば、Ausubel(上記)、又はSambrook(上記)を参照されたい)
核酸のスクリーニング及び単離方法
本明細書に開示されているものなど、本発明の方法に使用されるポリヌクレオチドの配列に基づいたプローブを使用して、cDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングすることができる。プローブを使用して、ゲノムDNA又はcDNA配列にハイブリダイズさせて、同じ又は異なる生体の相同遺伝子を単離することができる。当業者であれば、アッセイに様々な度合のハイブリダイゼーションストリンジェンシーを用いることができ、ハイブリダイゼーション又は洗浄媒質のいずれかをストリンジェントなものにできることを理解するであろう。ハイブリダイゼーション条件がストリンジェントになるほど、二重鎖の形成が生じる際のプローブと標的との間の相補性の度合が大きくなるはずである。ストリンジェンシーの程度は、温度、イオン強度、pH、及びホルムアミドのような部分的に変性する溶媒の存在のうちの1つ又は2つ以上によって制御され得る。例えば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、例えば、0%~50%の範囲内でのホルムアミド濃度の操作により反応溶液の極性を変えることにより首尾よく変更される。検出可能な結合に必要とされる相補性(配列同一性)の程度は、ハイブリダイゼーション媒質及び/又は洗浄媒質のストリンジェンシーによって異なる。相補性の程度は、最適には100%、又は70~100%、又はその中の任意の範囲若しくは値である。しかしながら、プローブ及びプライマ中の配列のわずかな違いは、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄媒質のストリンジェンシーを低減させることで埋め合わせることができることを理解すべきである。
RNA又はDNAの増幅方法は技術分野において周知であり、本明細書で紹介する教示及び指針に基づいて、過度の実験なしに、本発明に従って使用可能である。
DNA又はRNA増幅の既知の方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction、PCR)及び関連する増幅プロセス(例えば、Mullisらの米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、同第4,800,159号、同第4,965,188号、Taborらの米国特許第4,795,699号及び同第4,921,794号、Innisの米国特許第5,142,033号、Wilsonらの米国特許第5,122,464号、Innisの米国特許第5,091,310号、Gyllenstenらの米国特許第5,066,584号、Gelfandらの米国特許第4,889,818号、Silverらの米国特許第4,994,370号、Biswasの米国特許第4,766,067号、Ringoldの米国特許第4,656,134号を参照されたい)、及び二本鎖DNA合成のためのテンプレートとして標的配列に対してアンチセンスRNAを使用するRNA媒介増幅(Malekらの米国特許第5,130,238号、商標名NASBA)が挙げられるが、これらに限定されない(これらの文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。(例えば、Ausubel(上記)、又はSambrook(上記)を参照されたい。)
例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を使用して、ゲノムDNA又はcDNAライブラリから直接、本発明の方法に使用されるポリヌクレオチド及び関連する遺伝子の配列を増幅することができる。PCR及び他のインビトロ増幅方法はまた、例えば、発現すべきタンパク質をコードする核酸配列をクローニングすること、サンプル中の所望のmRNAの存在を検出するため、核酸の配列決定のため、又は他の目的のためのプローブとして用いる核酸を作製することに関し有用であり得る。インビトロでの増幅方法によって当業者を導くのに充分な技術の例は、上記のBerger、上記のSambrook、及び上記のAusubel、並びにMullisらの米国特許第4,683,202号(1987)、及びInnis et al.,PCR Protocols A Guide to Methods and Applications,Academic Press Inc.,San Diego,CA(1990)に見られる。ゲノムPCR増幅用の市販キットは技術分野において既知である。例えば、Advantage-GC Genomic PCR Kit(Clontech)を参照されたい。加えて、例えば、T4遺伝子32タンパク質(Boehringer Mannheim)を用いて、長いPCR産物の収率を改善することができる。
核酸を構築するための合成方法
本発明の方法に使用される単離された核酸はまた、既知の方法による直接化学合成によっても調製可能である(例えば、上記のAusubelらを参照されたい)。化学合成は、一般に、相補的配列とのハイブリダイゼーションによって、又は1本鎖をテンプレートとして使用するDNAポリメラーゼとの重合によって、2本鎖DNAに変換可能な1本鎖オリゴヌクレオチドを産生する。当業者であれば、DNAの化学合成は約100又はそれ以上の塩基の配列に限定され得るが、より長い配列は、より短い配列のライゲーションによって得ることができることを認識するであろう。
組換え発現カセット
本発明は核酸を含む組換え発現カセットを使用する。核酸配列、例えば本発明の方法に使用される抗体をコードするcDNA又はゲノム配列を使用して、少なくとも1つの所望の宿主細胞に導入することができる組換え発現カセットを構築することができる。組換え発現カセットは、典型的には、意図される宿主細胞においてポリヌクレオチドの転写を導く、転写開始調節配列に操作可能に連結される、ポリヌクレオチドを含む。異種及び非異種(すなわち、内因性)プロモータの両方を利用して、核酸の発現を導くことができる。
いくつかの実施形態では、プロモータ、エンハンサ、又は他の要素として機能する単離された核酸を、ポリヌクレオチドの発現を上方又は下方調節するために、本発明のポリヌクレオチドの非異種形の適切な位置(上流、下流、又はイントロン内)に導入することができる。例えば、変異、欠失、及び/又は置換により、インビボ又はインビトロで内因性プロモータを変化させることができる。
ベクター及び宿主細胞
本発明はまた、単離された核酸分子を含むベクター、組換えベクターを用いて遺伝子工学処理された宿主細胞、及び当該技術分野において周知である組換え技術による少なくとも1つの抗IL-23抗体の産生に関する。例えば、上記のSambrookら、上記のAusubelらを参照されたく、それぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
ポリヌクレオチドは、任意選択的に、宿主の増殖についての選択マーカを含有するベクターに結合することができる。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿物のような沈殿物内、又は荷電脂質との複合体内に導入される。ベクターがウイルスである場合は、適切なパッケージング細胞株を用いてインビトロでこれをパッケージングし、その後、宿主細胞内に形質導入することができる。
DNA挿入物は、適切なプロモータに機能的に連結されるべきである。発現コンストラクトは、転写開始部位、転写終結部位、及び転写された領域内では翻訳のためのリボソーム結合部位を更に含有する。コンストラクトにより発現した成熟した転写産物のコード部分は、好ましくは、翻訳されるべきmRNAの最後に適切に位置する開始及び終止コドン(例えば、UAA、UGA、又はUAG)で始まる翻訳を含み、哺乳類又は真核生物細胞の発現ではUAA及びUAGが好ましい。
発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカを含むが、これは任意選択的である。このようなマーカは、例えば、真核細胞培養のためのメトトレキサート(methotrexate、MTX)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dihydrofolate reductase、DHFR、米国特許第4,399,216号、同第4,634,665号、同第4,656,134号、同第4,956,288号、同第5,149,636号、同第5,179,017号、アンピシリン、ネオマイシン(G418)、ミコフェノール酸、又はグルタミンシンセターゼ(glutamine synthetase、GS、米国特許第5,122,464号、同5,770,359号、同第5,827,739号)抵抗性遺伝子、並びにE.coli及び他の細菌又は原核生物における培養のためのテトラサイクリン又はアンピシリン抵抗性遺伝子を含むが、これらに限定されない(上記特許は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。上記の宿主細胞に対して適切な培養培地及び条件は、技術分野において周知である。好適なベクターは、当業者にとって容易に明白となるであろう。宿主細胞へのベクターコンストラクトの導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストランを介在させたトランスフェクション、カチオン性脂質を介在させたトランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染又は他の周知の方法により達成することができる。このような方法については、上記のSambrook、第1~4章及び第16~18章、上記のAusubel、第1、9、13、15、16章などの技術分野に記載されている。
本発明の方法に使用される少なくとも1つの抗体は、融合タンパク質などの修飾された形態で発現され得、分泌シグナルだけでなく、追加の異種機能領域も含むことができる。例えば、追加アミノ酸の領域、特に荷電アミノ酸を抗体のN末端に追加して、精製中又は後続の処理及び保存中に、宿主細胞における安定性及び持続性を改善することができる。また、ペプチド部分を本発明の抗体に追加して、精製を促進することもできる。抗体又は少なくとも1つのその断片の最終調製前に、このような領域を除去することができる。このような方法は、上記のSambrook、第17.29~17.42章及び第18.1~18.74章、上記のAusubel、第16、17及び18章などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載されている。
当業者であれば、本発明の方法に使用されるタンパク質をコードする核酸の発現に利用可能な多数の発現系について精通している。あるいは、核酸は、抗体をコードする内因性DNAを含有する宿主細胞内で、(操作により)オンに切り替えることにより、宿主細胞中で発現させることができる。このような方法は、米国特許第5,580,734号、同第5,641,670号、同第5,733,746号、及び同第5,733,761号に記載されているように、当該技術分野において周知であり、上記特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
抗体、その特定の部分又は変異体の産生に有用な細胞培養物の一例は、哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞系は、しばしば細胞からなる単層形態を取るが、哺乳動物細胞の懸濁液又はバイオリアクタも使用可能である。無傷なグリコシル化タンパク質を発現可能ないくつかの好適な宿主細胞株が当該技術分野において開発されており、これにはCOS-1(例えばATCC CRL 1650)、COS-7(例えばATCC CRL-1651)、HEK293、BHK21(例えばATCC CRL-10)、CHO(例えばATCC CRL1610)及びBSC-1(例えばATCC CRL-26)細胞株、Cos-7細胞、CHO細胞、hep G2細胞、P3X63Ag8.653、SP2/0-Ag14、293細胞、HeLa細胞などが挙げられ、これらは例えば、American Type Culture Collection(Manassas,Va)(www.atcc.org)から容易に入手できる。好ましい宿主細胞としては、骨髄腫及びリンパ腫細胞などのリンパ系に由来する細胞が挙げられる。特に好ましい宿主細胞は、P3X63Ag8.653細胞(ATCC寄託番号CRL-1580)及びSP2/0-Ag14細胞(ATCC寄託番号CRL-1851)である。特に好ましい実施形態では、組換え細胞は、P3X63Ab8.653又はSP2/0-Ag14細胞である。
これらの細胞の発現ベクターは、複製起点、プロモータ(例えば、後期又は初期SV40プロモータ、CMVプロモータ(米国特許第5,168,062号、同第5,385,839号)、HSV tkプロモータ、pgk(ホスホグリセレートキナーゼ)プロモータ、EF-1アルファプロモータ(米国特許第5,266,491号)、少なくとも1つのヒト免疫グロブリンプロモータ、エンハンサ、及び/又はリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位(例えば、SV40ラージT Agポリ付加部位)、並びに転写終結配列などのプロセシング情報部位などであるがこれらに限定されるものではない、発現制御配列のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。例えば、上記のAusubelら、上記のSambrookらを参照されたい。本発明の核酸又はタンパク質の生成に有用なその他の細胞は周知である、並びに/あるいは例えば、American Type Culture Collection Catalogue of Cell Lines and Hybridomas(www.atcc.org)又はその他の周知の供給源若しくは商業的供給源から入手可能である。
真核宿主細胞が利用される場合、典型的には、ベクター内にポリアデニル化又は転写終結配列が組み込まれる。終結配列の一例は、ウシ成長ホルモン遺伝子からのポリアデニル化配列である。転写の正確なスプライシングのための配列も、同様に含むことができる。スプライシング配列の一例は、SV40由来のVP1イントロンである(Sprague,et al.,J.Virol.45:773-781(1983))。加えて、当該技術分野において周知であるように、宿主細胞内の複製を制御するための遺伝子配列をベクター内に組み込むことができる。
抗体の精製
抗IL-23抗体は、プロテインA精製、硫酸アンモニウム又はエタノール沈殿、酸抽出、アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィ、ホスホセルロースクロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ、アフィニティクロマトグラフィ、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィ、及びレクチンクロマトグラフィが挙げられるがこれらに限定されない、周知の方法により、組換え細胞培養物から回収し、精製することができる。高速液体クロマトグラフィ(「high performance liquid chromatography、HPLC」)を精製に利用することもできる。例えば、Colligan、Current Protocols in Immunology又はCurrent Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,NY,NY(1997~2001)の、例えば、第1、4、6、8、9、10章を参照されたく、それぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法に使用される抗体には、天然に精製された生産物、化学合成工程の生産物、並びに例えば、酵母、高等植物、昆虫、及び哺乳動物細胞を含む、真核宿主から組換え技術により生産された生産物が含まれる。組換え生産工程において利用される宿主に応じて、抗体は、グリコシル化されてもグリコシル化されなくてもよいが、グリコシル化されるのが好ましい。このような方法は、上記のSambrook、セクション17.37-17.42、上記のAusubel、第10、12、13、16、18、及び20章、上記のColligan,Protein Science、第12~14章などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載されており、全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
抗IL-23抗体。
発明の実施形態による方法のために有用な、本明細書では抗IL-23特異的抗体」とも称されるIL-23抗体は、抗体に組み込むことができる、免疫グロブリン分子の少なくとも一部、例えば、限定されないが、少なくとも1つのリガンド結合部分(ligand binding portion、LBP)、例えば、限定されないが、重鎖若しくは軽鎖の相補性決定領域(CDR)又はそのリガンド結合部分、重鎖又は軽鎖可変領域、フレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3、FR4、又はそれらの断片、更に任意選択的に、少なくとも1つの置換、挿入、又は欠失を含む)、重鎖若しくは軽鎖定常領域(例えば、少なくとも1つのC1、ヒンジ1、ヒンジ2、ヒンジ3、ヒンジ4、C2、若しくはC3、又はそれらの断片、更に任意選択的に、少なくとも1つの置換、挿入、又は欠失を含む)、又はそれらの任意の部分を含む、任意のタンパク質又はペプチド含有分子を含む。抗体は、ヒト、マウス、ウサギ、ラット、げっ歯類、霊長類、又はこれらの任意の組み合わせなどであるがこれらに限定されるものではない、任意の哺乳動物を含むか、又はそれに由来することができる。
本発明の方法に使用される単離された抗体は、任意の好適なポリヌクレオチドによってコードされた、本明細書に開示される抗体のアミノ酸配列、又は任意の単離又は調製された抗体を含む。好ましくは、ヒト抗体又は抗原結合断片は、ヒトIL-23に結合し、それにより、タンパク質の少なくとも1つの生物学的活性を部分的又は実質的に中和する。少なくとも1つのIL-23タンパク質又は断片の少なくとも1つの生物学的活性を部分的に又は好ましくは実質的に中和する、抗体、又はその特定の部分若しくは変異体は、タンパク質又は断片に結合し、それによりIL-23受容体へのIL-23の結合を介して、又は他のIL-23依存性若しくは媒介型機序を介して、媒介される活性を阻害することができる。本明細書で使用するとき、「中和抗体」という用語は、アッセイに応じて、約20~120%、好ましくは少なくとも約10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%又はそれ以上、IL-23依存性活性を阻害できる抗体を指す。IL-23依存性活性を阻害する抗IL-23抗体の能力は、好ましくは、本明細書に記載され、かつ/又は当該技術分野において既知の、少なくとも1つの好適なIL-23タンパク質又は受容体アッセイによって評価される。ヒト抗体は、任意のクラス(IgG、IgA、IgM、IgE、IgDなど)又はアイソタイプのものであってもよく、カッパ又はラムダ軽鎖を含むことができる。一実施形態において、ヒト抗体は、IgG重鎖又は規定された断片、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4(例えば、γ1、γ2、γ3、γ4)のうちの少なくとも1つのアイソタイプを含む。このタイプの抗体は、本明細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知の、少なくとも1つのヒト軽鎖(例えば、IgG、IgA、及びIgM)導入遺伝子を含む、トランスジェニックマウス又は他のヒト以外のトランスジェニック哺乳動物を利用することによって調製することができる。別の実施形態において、抗IL-23ヒト抗体は、IgG1重鎖と、IgG1軽鎖とを含む。
抗体は、少なくとも1つのIL-23タンパク質、サブユニット、断片、部分、又はそれらの任意の組み合わせに特異的な少なくとも1つの特定のエピトープに結合する。本少なくとも1つのエピトープは、タンパク質の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの抗体結合領域を含むことが可能であり、このエピトープは好ましくは、タンパク質の少なくとも1つの細胞外部分、可溶性部分、親水性部分、外側部分、又は細胞質部分から構成されている。
一般に、ヒト抗体又は抗原結合断片は、少なくとも1つのヒト相補的決定領域(CDR1、CDR2、及びCDR3)又は少なくとも1つの重鎖可変領域の変異体、及び少なくとも1つのヒト相補的決定領域(CDR1、CDR2、及びCDR3)又は少なくとも1つの軽鎖可変領域の変異体を含む抗原結合領域を含む。CDR配列は、ヒト生殖細胞系列型配列に由来するものでも、生殖細胞系列型配列に厳密に一致するものでもよい。例えば、元の非ヒトCDRに由来する合成ライブラリからのCDRを使用することができる。これらのCDRは、元のヒト以外の配列に由来する保存的置換の組込みによって形成され得る。別の特定の実施形態では、抗体又は抗原結合部分又は変異体は、対応するCDR1、2及び/又は3のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの軽鎖CDR(すなわち、CDR1、CDR2、及び/又はCDR3)の少なくとも一部分を含む抗原結合領域を有することができる。
このような抗体は、組換えDNA技術に関する従来技術を使用して抗体をコードする(すなわち、1つ又は2つ以上の)核酸分子を調製して発現させることによって、又は任意のその他の好適な方法を使用することによって、従来技術を使用して抗体の様々な部分(例えば、CDR、フレームワーク)を一緒に化学的に結合させることにより調製できる。
一実施形態では、本発明に有用な抗IL-23抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2、及び配列番号3のCDRH3を含み、軽鎖可変領域は、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2、及び配列番号6のCDRL3を含む。
本発明に有用な好ましい抗IL-23抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域と、を含む。
本発明に有用なより好ましい抗IL-23抗体は、グセルクマブ(CNTO1959とも呼ばれ、Tremfaya(登録商標)として販売されている)である。
本発明に有用な他の抗IL-23抗体としては、米国特許第7,935,344号に記載されている配列を有するものが挙げられるが、これらに限定されず、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
更なる治療活性成分を含む抗体組成物
本発明の方法に使用される抗体組成物は、任意選択的に更に、抗感染症薬、心血管(cardiovascular、CV)系作用薬、中枢神経系(central nervous system、CNS)薬、自律神経系(autonomic nervous system、ANS)薬、呼吸器薬、消化(gastrointestinal、GI)管作用薬、ホルモン薬、体液又は電解質平衡薬、血液作用薬、抗腫瘍薬、免疫調節薬、眼、耳又は鼻用薬、局所作用薬、栄養薬などのうち、少なくとも1つから選択される、有効量の少なくとも1つの化合物又はタンパク質を含むことができる。このような薬物は、本明細書に示されるそれぞれの製剤、適応症、投与量、及び投与を含めて、当該技術分野では周知である(例えば、Nursing 2001 Handbook of Drugs,21st edition,Springhouse Corp.,Springhouse,PA,2001;Health Professional’s Drug Guide 2001,ed.,Shannon,Wilson,Stang,Prentice-Hall,Inc,Upper Saddle River,NJ、Pharmcotherapy Handbook,Wells et al.,Appleton&Lange,Stamford,CTを参照されたく、それぞれは、参照により本明細書に組み込まれる)。
本発明の方法の抗体と組み合わせることができる薬剤の例として、抗感染薬は、殺アメーバ薬又は少なくとも1種の抗原虫薬、駆虫薬、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗結核薬又は少なくとも1種の抗らい菌薬、アミノグリコシド、ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、スルホンアミド、フルオロキノロン、抗ウイルス薬、マクロライド抗感染薬、及び種々の抗感染薬から選択される少なくとも1種であることができる。ホルモン薬は、コルチコステロイド、アンドロゲン、又は少なくとも1種のアナボリックステロイド、エストロゲン、又は少なくとも1種のプロゲスチン、ゴナドトロピン、抗糖尿病薬、又は少なくとも1種のグルカゴン、甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモン拮抗薬、下垂体ホルモン、及び副甲状腺様薬から選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種のセファロスポリンは、セファクロル、セファドロキシル、セファゾリンナトリウム、セフジニル、塩酸セフェピム、セフィキシム、セフメタゾールナトリウム、セフォニシドナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフォキシチンナトリウム、セフポドキシムプロキセチル、セフプロジル、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシムナトリウム、セフトリアキソンナトリウム、セフロキシムアキセチル、セフロキシムナトリウム、塩酸セファレキシン、セファレキシン一水和物、セフラジン、及びロラカルベフから選択される少なくとも1種であることができる。
少なくとも1種のコルチコステロイド(coricosteroid)は、ベタメタゾン、酢酸ベタメタゾン又はリン酸ベタメタゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム、酢酸コルチゾン、デキサメサゾン、酢酸デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、酢酸フルドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、テブト酸プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、及び二酢酸トリアムシノロンから選択される少なくとも1種であることができる。少なくとも1種のアンドロゲン又はタンパク質同化ステロイドは、ダナゾール、フルオキシメステロン、メチルテストステロン、デカン酸ナンドロロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、テストステロン、シピオン酸テストステロン、エナント酸テストステロン、プロピオン酸テストステロン、及びテストステロン経皮系から選択される少なくとも1種であることができる。
少なくとも1種の免疫抑制剤は、アザチオプリン、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ、リンパ球免疫グロブリン、ムロモナブ-CD3、ミコフェノール酸モフェチル、塩酸ミコフェノール酸モフェチル、シロリムス、及びタクロリムスから選択される少なくとも1種であり得る。
少なくとも1種の局所抗感染薬は、アシクロビル、アンホテリシンB、アゼライン酸クリーム、バシトラシン、硝酸ブトコナゾール、リン酸クリンダマイシン、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、エリスロマイシン、硫酸ゲンタマイシン、ケトコナゾール、酢酸マフェニド、メトロニダゾール(局所)、硝酸ミコナゾール、ムピロシン、塩酸ナフチフィン、硫酸ネオマイシン、ニトロフラゾン、ナイスタチン、スルファジアジン銀、塩酸テルビナフィン、テルコナゾール、塩酸テトラサイクリン、チオコナゾール、及びトルナフテートから選択される少なくとも1種であることができる。少なくとも1種の疥癬殺虫剤若しくは殺シラミ薬は、クロタミトン、リンデン、ペルメトリン、及びピレトリンから選択される少なくとも1種であることができる。少なくとも1種の局所コルチコステロイドは、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、二酢酸ジフロラゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、ハルシノニド(halcionide)、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、フロ酸モメタゾン、及びトリアムシノロンアセトニドから選択される少なくとも1種であることができる。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookの1098~1136ページを参照されたい。)
抗IL-23抗体組成物は、このような調節、治療、又は療法を必要とする細胞、組織、器官、動物、又は対象に接触されるか又は投与される少なくとも1つの抗IL-23抗体を含み、任意選択的に更に、少なくとも1つのTNF拮抗薬(例えば、限定されないが、TNF化学若しくはタンパク質拮抗薬、TNFモノクローナル若しくはポリクローナル抗体又は断片、可溶性TNF受容体(例えば、p55、p70、又はp85)又は断片、その融合ポリペプチド、又は小分子TNF拮抗薬、例えば、TNF結合タンパク質I若しくはII(TBP-1又はTBP-II)、ネレリモンマブ(nerelimonmab)、インフリキシマブ、エタナセプト(eternacept)、CDP-571、CDP-870、アフェリモマブ、レネルセプトなど)、抗リウマチ薬(例えば、メトトレキサート、オーラノフィン、アウロチオグルコース、アザチオプリン、エタネルセプト、金チオリンゴ酸ナトリウム、ヒドロキシクロロキン硫酸塩、レフルノミド、スルファサラジン)、免疫化物質、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えば、アザチオプリン、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、サイトカイン又はサイトカイン拮抗薬から選択される少なくとも1種を含む、任意の好適かつ有効な量の組成物又は医薬組成物のうちの少なくとも1つを更に含むことができる。このようなサイトカインの非限定的な実施例としては、IL-1~IL-23など(例えば、IL-1、IL-2など)のいずれかが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な投与量は、技術分野において周知である。例えば、Wells et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,CT(2000)、「PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000」特別版、Tarascon Publishing、Loma Linda,CA(2000)を参照されたく、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法に使用される抗IL-23抗体化合物、組成物、又は混合物は更に、希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、塩、親油性溶媒、保存剤、アジュバントなどであるがこれらに限定されない、任意の好適な助剤のうちの少なくとも1つを含み得る。薬学的に許容される助剤が好ましい。このような滅菌溶液を調製する方法及びその非限定例は、当該技術分野において周知であり、例えば、Gennaro,Ed.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.(Easton,PA)1990が挙げられるが、これに限定されない。当該技術分野において周知である、又は本明細書に記載されるように、抗IL-23抗体、断片、又は変異体組成物の投与方式、溶解度、及び/又は安定性に好適な薬学的に許容される担体は、日常的に選択することができる。
本組成物において有用な薬学的賦形剤及び添加剤は、これらに限定されるものではないが、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質及び炭水化物(例えば、単糖類、二糖、三糖、四糖、及びオリゴ糖を含む糖類、アルジトール、アルドン酸、エステル化糖などの誘導体化糖、並びに多糖類又は糖ポリマー)を含み、これらは、単独で又は組み合わせて存在してもよく、単独で又は組み合わせて1~99.99重量%又は容量%含まれる。代表的なタンパク質賦形剤としては、ヒト血清アルブミン(human serum albumin、HSA)などの血清アルブミン、組換えヒトアルブミン(recombinant human albumin、rHA)、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。緩衝能においても機能し得る代表的なアミノ酸/抗体構成要素としては、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテームなどが挙げられる。好ましいアミノ酸の1つはグリシンである。
本発明で使用するのに好適な炭水化物賦形剤としては、例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなどの単糖類、ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなどの二糖類、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプン類などの多糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルシトール)、ミオイノシトールなどのアルジトールが挙げられる。本発明で使用するのに好ましい炭水化物添加物は、マンニトール、トレハロース、及びラフィノースである。
抗IL-23抗体組成物はまた、緩衝剤又はpH調整剤を含むことができ、典型的には、緩衝剤は、有機酸又は塩基から調製される塩である。代表的な緩衝剤としては、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、又はフタル酸の塩などの有機酸塩、トリス、トロメタミン塩酸塩、又はリン酸緩衝剤が挙げられる。本組成物で使用するのに好ましい緩衝剤は、クエン酸などの有機酸塩である。
更に、抗IL-23抗体組成物は、ポリビニルピロリドン、フィコール(ポリマー糖)、デキストレート(例えば、2-ヒドロキシプロピル--シクロデキストリンなどのβシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、着香剤、抗菌剤、甘味料、抗酸化剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、「TWEEN20」及び「TWEEN80」などのポリソルベート)、脂質(例えば、リン脂質、脂肪酸)、ステロイド(例えば、コレステロール)、及びキレート剤(例えば、EDTA)などのポリマー賦形剤/添加剤を含み得る。
本発明による抗IL-23抗体、部分又は変異体組成物における使用に好適なこれら及び追加の既知の薬学的賦形剤及び/又は添加剤は、当該技術分野において既知であり、例えば、「Remington:The Science & Practice of Pharmacy」(第19版)Williams&Williams(1995)、及び「Physician’s Desk Reference」(第52版)Medical Economics(Montvale,NJ)(1998)に記載され、これらの開示は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。好ましい担体又は添加物材料は、炭水化物(例えば、単糖類及びアルジトール)及び緩衝剤(例えば、クエン酸)又はポリマー剤である。例示的な担体分子はムコ多糖、ヒアルロン酸であり、これらは関節内送達に有用であり得る。
製剤
上述したとおり、本発明は、好ましくは、生理食塩水又は選択された塩を含むリン酸緩衝剤である安定した製剤、並びに保存剤を含有する保存溶液及び製剤、並びに薬学的に許容される製剤中に少なくとも1つの抗IL-23抗体を含む薬剤学的又は獣医学的用途に好適な多用途保存製剤を提供する。保存製剤は、水性希釈剤中に、少なくとも1つのフェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド、クロロブタノール、塩化マグネシウム(例えば、六水和物)、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びチメロサール、又はそれらの混合物からなる群から任意選択的に選択される、少なくとも1つの既知の保存剤を含有する。当該技術分野において周知であるように、0.001~5%、又はその中の任意の範囲若しくは値、例えば、0.001、0.003、0.005、0.009、0.01、0.02、0.03、0.05、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.3、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9など、又はその中の任意の範囲若しくは値の、任意の好適な濃度又は混合物を使用することができる。非限定的な実施例としては、保存剤無添加、0.1~2%のm-クレゾール(例えば、0.2、0.3.0.4、0.5、0.9、1.0%)、0.1~3%のベンジルアルコール(例えば、0.5、0.9、1.1、1.5、1.9、2.0、2.5%)、0.001~0.5%のチメロサール(例えば、0.005、0.01)、0.001~2.0%のフェノール(例えば、0.05、0.25、0.28、0.5、0.9、1.0%)、0.0005~1.0%のアルキルパラベン(例えば、0.00075、0.0009、0.001、0.002、0.005、0.0075、0.009、0.01、0.02、0.05、0.075、0.09、0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、0.9、1.0%)などが挙げられる。
上述のとおり、本発明の方法は、包装材と、任意選択的に水性希釈剤中に処方された緩衝剤及び/又は保存剤を伴う少なくとも1つの抗IL-23特異的抗体の溶液を含む少なくとも1つのバイアルと、を含む製品を使用し、この包装材は、このような溶液を1、2、3、4、5、6、9、12、18、20、24、30、36、40、48、54、60、66、72時間以上にわたり保持することができることを記したラベルを含む。本発明は、包装材と、凍結乾燥された抗IL-23特異的抗体を含む第1のバイアルと、処方された緩衝剤又は保存剤の水性希釈剤を含む第2のバイアルと、を含む製品を更に使用し、この包装材は、抗IL-23特異的抗体を水性希釈剤でもどして、24時間以上にわたって保持することができる溶液を形成するように患者に指示するラベルを含む。
本発明により使用される抗IL-23特異的抗体は、本明細書に記載されるか又は当該技術分野において既知の、哺乳類細胞又はトランスジェニック調製物から産生することを含む組換え手段により産生され得るか、又は他の生物源から精製され得る。
抗IL-23特異的抗体の範囲は、湿式/乾式系の場合、もどすときに約1.0μg/ml~約1000mg/mlの濃度が得られる量で含まれるが、より低い濃度及び高い濃度でも作業可能であり、意図される送達ビヒクルに依存し、例えば溶液製剤では、経皮パッチ、肺、経粘膜、又は浸透圧性若しくはマイクロポンプ方法とは異なる。
好ましくは、水性希釈剤は任意選択的に、医薬的に許容される保存剤を更に含む。好ましい保存剤には、フェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びチメロサール、又はそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。製剤中で使用される保存剤の濃度は、抗菌効果を生み出すのに充分な濃度である。このような濃度は選択された保存剤によって異なり、当業者により容易に決定される。
その他の賦形剤、例えば、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、及び保存剤エンハンサは、任意選択的にかつ好ましくは希釈剤に添加することができる。グリセリンなどの等張剤が、既知の濃度で一般に使用される。好ましくは、生理学的に耐性の緩衝剤を添加して、改善されたpH制御を提供する。製剤は、約pH4~約pH10、及び好ましくは約pH5~約pH9の範囲、及び最も好ましくは約6.0~約8.0の範囲などの、広範囲のpH範囲を網羅することができる。好ましくは、本発明の製剤は、約6.8~約7.8のpHを有する。好適な緩衝剤には、リン酸緩衝剤、最も好ましくは、リン酸ナトリウム、特にリン酸緩衝生理食塩水(phosphate buffered saline、PBS)が含まれる。
その他の添加剤、例えばTween20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、Tween40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、Tween80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、Pluronic F68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、及びPEG(ポリエチレングリコール)などの、医薬的に許容される可溶化剤、又はポリソルベート20若しくは80又はポロキサマー184若しくは188、Pluronic(登録商標)ポリル(polyl)などの非イオン性界面活性剤、その他のブロックコポリマー、並びにEDTA及びEGTAなどのキレート剤を、任意に製剤又は組成物に添加して、凝集を低減させることができる。これらの添加物は、製剤を投与するためにポンプ又はプラスチック容器が使用される場合に特に有用である。医薬的に許容される界面活性剤の存在により、タンパク質が凝集する傾向が軽減される。
製剤は、少なくとも1つの抗IL-23抗体と、フェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びチメロサール、又はこれらの混合物からなる群から選択される保存剤と、を水性希釈剤中で混合することを含むプロセスにより調製することができる。少なくとも1つの抗IL-23特異的抗体と保存剤との水性希釈剤中での混合は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な製剤を調製するために、例えば、緩衝溶液中の一定量の少なくとも1つの抗IL-23特異的抗体を、所望の濃度のタンパク質及び保存剤を提供するために十分な量の緩衝溶液中で所望の保存剤と組み合わせる。本プロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
製剤は、透明な溶液として、又は水、保存剤及び/若しくは賦形剤、好ましくはリン酸塩緩衝剤及び/若しくは生理食塩水、並びに選択された塩を水性希釈剤中に含有する第2のバイアルでもどされる、凍結乾燥された抗IL-23特異的抗体のバイアルを含む併用バイアル(dual vial)として、患者に提供することができる。単一溶液バイアル又は再構成を必要とするデュアルバイアルはいずれも複数回再利用することができ、単一又は複数の患者治療サイクルを満たすことができ、したがって、現在使用できるよりも便利な治療レジメンを提供することができる。
本製品は、即時から24時間以上の範囲の期間にわたる投与に有用である。したがって、本発明により特許請求される製品は、患者に大きな利益を提供する。本発明の製剤は、任意選択的に、約2℃~約40℃の温度で安全に保存し、タンパク質の生物学的活性を長期間保持することができ、したがって、包装ラベルで、溶液を6、12、18、24、36、48、72、又は96時間以上保持及び/又は使用し得ることを示すことができる。保存されている希釈剤を使用する場合には、このようなラベルは、最高1~12ヶ月、半年、1年半、及び/又は2年までの使用を含むことができる。
抗IL-23特異的抗体の溶液は、少なくとも1つの抗体を水性希釈剤中で混合することを含むプロセスにより調製することができる。混合は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な希釈剤を調製するために、例えば、水又は緩衝剤中の一定量の少なくとも1つの抗体を、所望の濃度のタンパク質、及び任意選択的に保存剤又は緩衝剤を提供するのに十分な量で組み合わせる。本プロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
特許請求される製品は、透明な溶液として、又は水性希釈剤を含有する第2のバイアルでもどされる、凍結乾燥された少なくとも1つの抗IL-23特異的抗体のバイアルを含む併用バイアルとして、患者に提供することができる。単一溶液バイアル又は再構成を必要とするデュアルバイアルはいずれも複数回再利用することができ、単一又は複数の患者治療サイクルを満たすことができ、したがって、現在使用できるよりも便利な治療レジメンを提供する。
特許請求される製品は、透明な溶液、又は水性希釈剤を含有する第2のバイアルでもどされる、凍結乾燥された少なくとも1つの抗IL-23特異的抗体のバイアルを含む併用バイアルを、薬局、診療所、又はその他のこのような機関及び施設に提供することによって、患者に対し間接的に提供することができる。この場合の透明な溶液は最高1リットル又は更にはそれ以上の容量であってもよく、この大きな容器からより少量の少なくとも1つの抗体溶液を1回又は複数回取り出してより小さなバイアルに移し、かつ薬局又は診療所により顧客及び/又は患者に提供できる。
単一バイアルシステムを含む認識されているデバイスとしては、溶液を送達するためのペン注射器デバイスが挙げられ、例えば、BD Pen、BD Autojector(登録商標)、Humaject(登録商標)、NovoPen(登録商標)、B-D(登録商標)Pen、AutoPen(登録商標)、及びOptiPen(登録商標)、GenotropinPen(登録商標)、Genotronorm Pen(登録商標)、Humatro Pen(登録商標)、Reco-Pen(登録商標)、Roferon Pen(登録商標)、Biojector(登録商標)、Iject(登録商標)、Jチップニードルフリー注射器(登録商標)、Intraject(登録商標)、Medi-Ject(登録商標)、Smartject(登録商標)、例えば、Becton Dickensen(Franklin Lakes,NJ,www.bectondickenson.com)、Disetronic(Burgdorf,Switzerland,www.disetronic.com;Bioject(Portland,Oregon(www.bioject.com)、National Medical Products,Weston Medical(Peterborough,UK,www.weston-medical.com)、Medi-Ject Corp(Minneapolis,MN,www.mediject.com)によって製造又は開発されているもの)、及び類似の好適なデバイスが挙げられる。デュアルバイアルシステムを含む認知されたデバイスとしては、もどした溶液を送達するために、凍結乾燥された薬品をカートリッジ内でもどすためのペン型注射器システム、例えばHumatroPen(登録商標)などが挙げられる。好適なその他のデバイスの実施例としては、予め充填された注射器、自動注射器、針なし注射器、及び針なしIV注入セットが挙げられる。
製品は、包装材を含み得る。包装材は、規制当局によって必要とされる情報に加えて、製品を使用することができる条件を提供する。本発明の包装材は、適用できる場合、少なくとも1つの抗IL-23抗体を水性希釈剤でもどして溶液を形成し、2~24時間以上の期間にわたって、この溶液を湿式/乾式の2つのバイアル製品に使用する、という指示を患者に提供する。シングルバイアルの溶液製品、予め充填された注射器、又は自動注射器の場合、ラベルは、このような溶液を2~24時間以上の期間にわたって使用することができることを示す。製品は、ヒト用医薬製品用途に有用である。
本発明の方法に使用される製剤は、抗IL-23抗体及び選択された緩衝剤、好ましくは生理食塩水又は選択された塩を含有するリン酸塩緩衝剤を混合することを含むプロセスにより調製することができる。抗IL-23抗体と緩衝剤との水性希釈剤中での混合は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な製剤を調製するために、例えば、水又は緩衝剤中の一定量の少なくとも1つの抗体を、所望の濃度のタンパク質及び緩衝剤を提供するのに充分な量の水中で所望の緩衝剤と組み合わせる。本プロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
本発明の方法は、ヒト又は動物患者に投与するのに有用かつ許容できる様々な製剤を含む医薬組成物を提供する。このような医薬組成物は、希釈剤として「標準状態」の水、及び当業者に周知の日常的な方法を使用して調製される。例えば、ヒスチジン及びヒスチジン一塩酸塩水和物などの緩衝構成成分が最初に提供され、続いて適切な非最終容量の「標準状態」の水希釈剤、スクロース、及びポリソルベート80が添加され得る。次いで、単離された抗体を添加することができる。最後に、水を希釈剤として使用して「標準状態」条件の下で、医薬組成物の容量を所望の最終容量に調整する。当業者は、医薬組成物の調製に好適ないくつかのその他の方法を認識する。
医薬組成物は、水の容量単位当たりの示される質量の各構成成分を含むか、又は「標準状態」の示されるpHを有する水溶液又は懸濁液であってもよい。本明細書で使用する場合、「標準状態」という用語は、25℃±2℃の温度及び1気圧の圧力を意味する。「標準状態」という用語は、当該技術分野では、当該技術分野が認識する単一の温度又は圧力のセットを指すように使用されないが、代わりに参照「標準状態」条件下の特定の組成物を含む溶液又は懸濁液を説明するために使用される温度及び圧力を特定する参照状態である。これは、溶液の容量が一つには温度及び圧力の関数であるためである。当業者は、本明細書に開示されるものと同等の医薬組成物がその他の温度及び圧力で製造され得ることを認識するであろう。このような医薬組成物が本明細書に開示されるものと同等であるかは、上記に定義された「標準状態」条件下(例えば、25℃±2℃及び1気圧の圧力)で決定されるべきである。
重要なことに、このような医薬組成物は、医薬組成物の単位容積当たり「約」ある特定の値の構成成分の質量(例えば、「約0.53mgのL-ヒスチジン」)を含有するか、又は約ある特定の値のpH値を有し得る。医薬組成物中に存在する構成成分の質量又はpH値は、単離された抗体が医薬組成物に存在するか、又は単離された抗体が医薬組成物から除去された後(例えば、希釈により)に、医薬組成物中に存在する単離された抗体がペプチド鎖に結合することができる場合の、「約」所与の数値である。つまり、構成成分の質量値又はpH値などの値は、単離された抗体を医薬組成物中に入れた後に単離された抗体の結合活性が維持され、検出可能である場合の、「約」所与の数値である。
競合結合分析を行って、IL-23特異的mAbが類似の若しくは異なるエピトープに結合し、かつ/又は互いに競合するかを決定する。ELISAプレート上にAbを個々にコーティングする。競合するmAbを添加し、続いてビオチン化hrIL-23を添加する。陽性対照には、コーティングに同じmAbを競合mAb(「自己競合」)として使用してもよい。IL-23結合は、ストレプトアビジンを使用して検出される。これらの結果は、mAbがIL-23上の類似の又は部分的に重複するエピトープを認識するかどうかを示す。
本発明の方法の一態様は、医薬組成物を患者に投与する。
医薬組成物の一実施形態では、単離された抗体濃度は、1mlの医薬組成物当たり約77~約104mgである。医薬組成物の別の実施形態では、pHは約5.5~約6.5である。
安定又は保存製剤は、透明な溶液として、又は水性希釈剤中に保存剤若しくは緩衝剤及び添加物を含有する第2のバイアルでもどされる、凍結乾燥された少なくとも1つの抗IL-23抗体のバイアルを含むデュアルバイアルとして、患者に提供することができる。単一溶液バイアル又は再構成を必要とするデュアルバイアルはいずれも複数回再利用することができ、単一又は複数の患者治療サイクルを満たすことができ、したがって、現在使用できるよりも便利な治療レジメンを提供する。
抗IL-23抗体を安定化する他の製剤又は方法は、抗体を含む凍結乾燥粉末の透明溶液以外のものであってよい。非透明溶液としては、微粒子懸濁液を含む製剤があり、このような微粒子は、ミクロスフェア、微小粒子、ナノ粒子、ナノスフェア、又はリポソームとして様々に知られる様々な大きさの構造内に、抗IL-23抗体を含有する組成物である。活性薬剤を含有するこのような比較的均質な本質的に球状の微粒子製剤は、米国特許第4,589,330号に教示されるとおり、活性薬剤及びポリマーを含有する水相と非水相とを接触させ、次に、非水相を蒸発させて水相からの粒子の合体を引き起こすことにより、形成することができる。多孔性微小粒子は、米国特許第4,818,542号に教示されるとおり、連続溶媒中に分散された活性薬剤とポリマーとを含有する第1相を使用し、凍結乾燥又は希釈-抽出-沈殿により懸濁液からこの溶媒を除去することで調製することができる。こうした調製に好ましいポリマーは、ゼラチン寒天、デンプン、アラビノガラクタン、アルブミン、コラーゲン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコリド-L(-)ラクチドポリ(エプシロン-カプロラクトン、ポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-乳酸)、ポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-グリコール酸)、ポリ(β-ヒドロキシ酪酸)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン、ポリ(アルキル-2-シアノアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリアミド、ポリ(アミノ酸)、ポリ(2-ヒドロキシエチルDL-アスパルトアミド)、ポリ(エステル尿素)、ポリ(L-フェニルアラニン/エチレングリコール/1,6-ジイソシアナトヘキサン)及びポリ(メチルメタクリレート)からなる群から選択される、天然又は合成のコポリマー又はポリマーである。特に好ましいポリマーは、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコリド-L(-)ラクチドポリ(エプシロン-カプロラクトン、ポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-乳酸)、及びポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-グリコール酸)などのポリエステルである。ポリマー及び/又は活性物質を溶解させるのに有用な溶媒としては、水、ヘキサフルオロイソプロパノール、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ベンゼン、又はヘキサフルオロアセトンセスキ水和物が挙げられる。活性物質含有相を第2相に分散させるプロセスは、ノズル内のオリフィスに当該第1相を圧力で強制的に通して液滴形成に作用させることを含むことができる。
乾燥粉末製剤は、例えば、噴霧乾燥法、又は蒸発による溶媒抽出法、若しくは水性若しくは非水性溶媒を除去するための1つ又は2つ以上の工程が後続する結晶性組成物の沈殿による溶媒抽出法などの、凍結乾燥以外のプロセスの結果として得てもよい。噴霧乾燥抗体製剤の調製は、米国特許第6,019,968号に教示されている。抗体ベースの乾燥粉末組成物は、抗体の溶液又はスラリーを、及び任意選択的に、呼吸用乾燥粉末を提供するための条件下で溶媒中の、賦形剤を、噴霧乾燥させることによって生産できる。溶媒としては、容易に乾燥可能な、例えば水及びエタノールなどの極性化合物が挙げられる。抗体の安定性は、酸素不在下、例えば窒素ブランケット下において噴霧乾燥手順を実施すること、又は乾燥用気体として窒素を使用することにより増強させることができる。別の比較的乾燥した製剤は、国際公開特許第9916419号に教示されているような、典型的にはヒドロフルオロアルカン噴射剤を含む懸濁培地中に分散した、複数の有孔微細構造の分散物である。安定化された分散物は、定量吸入器を用いて患者の肺に投与できる。噴霧乾燥された薬物の商業的製造において有用な機器は、Buchi Ltd.又はNiro Corp.により製造されている。
本明細書に記載される安定若しくは保存製剤又は溶液中のいずれかで抗IL-23抗体は、技術分野において周知のように、SC若しくはIM注射、経皮、経肺、経粘膜、埋め込み、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポンプ、又は当業者により理解されるその他の手段などの様々な送達方法を介して、本発明に従って患者に投与することができる。
治療への応用
一般的な一態様において、本出願は、当該技術分野において既知又は本明細書に記載のように、少なくとも1つの本発明のIL-23抗体を用いて、例えば、細胞、組織、器官、動物、又は患者に、治療有効量のIL-23特異的抗体を投与又は接触させて、細胞、組織、器官、動物、又は患者における乾癬性関節炎を調節又は治療するための方法を提供する。
本発明のいずれの方法も、このような調節、治療、又は療法を必要としている細胞、組織、器官、動物又は患者に、抗IL-23抗体を含む有効量の組成物又は医薬組成物を投与することを含み得る。このような方法は、任意選択的に、このような疾患又は障害の治療のための同時投与又は併用療法を更に含むことができ、ここで、この少なくとも1つの抗IL-23抗体、その特定の部分、又は変異体を投与することは、少なくとも1つのTNF拮抗薬(例えば、限定されないが、化学物質性若しくはタンパク質性TNF拮抗薬、TNFモノクローナル若しくはポリクローナル抗体若しくは断片、可溶性TNF受容体(例えば、p55、p70、又はp85)若しくは断片、その融合ポリペプチド、又は低分子TNF拮抗薬、例えば、TNF結合タンパク質I又はII(TBP-1又はTBP-II)、ネレリモンマブ、インフリキシマブ、エタネルセプト(eternacept)(Enbrel(商標))、アダリムマブ(Humira(商標))、CDP-571、CDP-870、アフェリモマブ、レネルセプトなど)、抗リウマチ薬(例えば、メトトレキサート、オーラノフィン、アウロチオグルコース、アザチオプリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、スルファサラジン)、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(non-steroid anti-inflammatory drug、NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬(例えば、アミノグリコシド、抗真菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬、カルバペナム、セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、その他抗菌薬)、乾癬治療薬、コルチコステロイド、アナボリックステロイド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養薬、甲状腺剤、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止瀉薬、鎮咳薬、制吐剤、抗腫瘍薬、緩下剤、抗凝固薬、エリスロポエチン(例えば、エポエチンアルファ)、フィルグラスチム(例えば、G-CSF、Neupogen)、サルグラモスチム(GM-CSF、Leukine)、免疫付与剤、免疫グロブリン、免疫抑制剤(例えば、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エストロゲン受容体調節薬、散瞳剤、毛様体筋麻痺薬、アルキル化剤、代謝拮抗薬、分裂阻害剤、放射性医薬品、抗うつ薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬、交感神経刺激薬、刺激薬、ドネペジル、タクリン、ぜんそく治療薬、ベータ作用薬、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害剤、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリン若しくは類似体、ドルナーゼアルファ(Pulmozyme)、サイトカイン若しくはサイトカイン拮抗薬から選択される少なくとも1つを、前に、同時に、及び/又は後に投与することを更に含む。好適な投与量は、技術分野において周知である。例えば、Wells et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,CT(2000)、PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,CA(2000)、Nursing 2001 Handbook of Drugs,21st edition,Springhouse Corp.,Springhouse,PA,2001、Health Professional’s Drug Guide 2001,ed.,Shannon,Wilson,Stang,Prentice-Hall,Inc,Upper Saddle River,NJ、これらの参照文献の各々は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
治療処置
典型的には、乾癬性関節炎の治療は、有効量又は有効用量の抗IL-23抗体組成物を投与することによって達成され、これは、組成物に含まれる活性剤の特異的活性に応じて、合計で、平均して、1用量当たり、患者1キログラム当たり少なくとも約0.01~500ミリグラムの範囲の抗IL-23抗体であり、好ましくは、単回又は複数回投与当たり、1用量当たり、患者1キログラム当たり少なくとも約0.1~100ミリグラムの抗体である。あるいは、有効な血清濃度は、単回又は複数回投与当たり0.1~5000μg/mlの血清濃度を含んでもよい。好適な投与量は、医療実践者には既知であり、当然のことながら、具体的な疾患状態、投与される組成物の比活性、及び治療を受けている具体的な患者に依存する。いくつかの場合では、望ましい治療量を達成するために、反復投与、すなわち特定の監視された用量又は計量された用量の反復個別投与を提供することが必要となる場合があり、この場合、個別投与は、所望の1日の投与量又は効果が得られるまで繰り返される。
好ましい用量は、任意選択的に、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、及び/若しくは100~500mg/kg/投与、又はその任意の範囲、値若しくは分画を含むか、あるいは単回若しくは複数回投与当たり0.1、0.5、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.9、2.0、2.5、2.9、3.0、3.5、3.9、4.0、4.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、20、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14.0、14.5、4.9、5.0、5.5.、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、12、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14、14.5、15、15.5、15.9、16、16.5、16.9、17、17.5、17.9、18、18.5、18.9、19、19.5、19.9、20、20.5、20.9、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、及び/若しくは5000μg/ml、又はその任意の範囲、値若しくは分画の血清濃度を達成するように含み得る。
あるいは、投与される用量は、特定の薬剤の薬力学的特徴並びにその投与方法及び経路;受容者の年齢、健康状態及び体重;症状の性質及び程度、同時治療の種類、治療頻度、並びに所望の作用などの周知の因子に応じて異なり得る。活性成分の投与量は、通常、体重1キログラム当たり約0.1~100ミリグラムであり得る。通常、0.1~50、好ましくは0.1~10ミリグラム/キログラム/投与、又は徐放性形態が、望ましい結果を得るために有効である。
非限定的な例として、ヒト又は動物の治療は、単回、注入又は反復投与を使用して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39若しくは40日目のうちの少なくとも1日に、あるいは又は追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51若しくは52週目のうちの少なくとも1週に、あるいは又は追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19若しくは20年目のうちの少なくとも1年に、又はこれらの任意の組み合わせで、1日当たり0.1~100mg/kg、例えば、0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90、又は100mg/kgの、本発明の少なくとも1つの抗体の1回又は周期的な投与量として提供され得る。
体内投与に好適な剤形(組成物)は、一般に、ユニット又は容器当たり約0.001ミリグラム~約500ミリグラムの活性成分を含有する。これらの医薬組成物において、活性成分は、組成物の総重量に基づいて、通常、約0.5~99.999重量%の量で存在する。
非経口投与に関して、抗体は、医薬的に許容される非経口溶剤と合わせて、又は別個に提供される、溶液、懸濁液、エマルション、粒子、粉末、若しくは凍結乾燥粉末として製剤化され得る。このような溶剤の実施例は、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、及び1~10%ヒト血清アルブミンである。リポソーム及び不揮発性油などの非水性溶剤を使用することもできる。溶剤又は凍結乾燥粉末は、等張性及び化学安定性を維持する添加剤(例えば、等張性に関しては塩化ナトリウム、マンニトール、化学安定性に関しては緩衝剤及び保存剤)を含有することができる。製剤は、周知の又は好適な技術によって滅菌される。
好適な薬学的担体は、本分野での標準的参考テキストであるRemington’s Pharmaceutical Sciences,A.Osolの最新版の中で記載されている。
代替的投与
薬学的有効量の抗IL-23抗体を投与するために、本発明に従って、多くの既知の及び開発された方式を使用することができる。以下の記述では経肺投与が使用されているが、本発明に従って他の投与方式を使用して、好適な結果を得てもよい。本発明のIL-23特異的抗体は、担体中で、溶液、エマルション、コロイド若しくは懸濁液として、又は乾燥粉末として、吸入によるか、又は本明細書に記載される若しくは当該技術分野において既知である他の方法による投与に適した様々なデバイス及び方法のいずれかを使用して、送達することができる。
非経口製剤及び投与
非経口投与用製剤は、一般的な賦形剤として滅菌水又は生理食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物性油、水素化ナフタレンなどを含有してもよい。注射用の水性又は油性懸濁液は、周知の方法に従って、適切な乳化剤又は加湿剤及び懸濁剤を使用することによって調製可能である。注射剤は、例えば水溶液、無菌注射液又は溶媒中懸濁液などの非毒性の非経口投与可能な希釈剤であることができる。使用可能な溶剤又は溶媒としては、水、リンゲル液、等張生理食塩水などが許容され、通常の溶媒又は懸濁溶媒としては、無菌の不揮発性油を使用することができる。これらの目的では、天然又は合成若しくは半合成の、脂肪油又は脂肪酸、天然又は合成若しくは半合成の、モノグリセリド又はジグリセリド又はトリグリセリドを含む、あらゆる種類の不揮発性油及び脂肪酸を使用することができる。非経口投与は技術分野において周知であり、従来の注射手段、米国特許第5,851,198号に記載されているようなガス加圧式無針注射デバイス、及び米国特許第5,839,446号に記載されているようなレーザ穿孔機デバイスが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
代替的送達
本発明は更に、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹部内、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、子宮頸部内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、脊髄内、滑液嚢内、胸腔内、子宮内、膀胱内、病巣内、ボーラス、膣内、直腸、口腔内、舌下、鼻腔内又は経皮手段による抗IL-23抗体の投与に関する。IL23抗体組成物は、特に液体溶液若しくは懸濁液の形態で、非経口(皮下、筋肉内、又は静脈内)又は任意の他の投与用に使用するために、特に、クリーム及び座薬などであるがこれらに限定されるものではない半固体形態で、膣若しくは直腸の投与における使用のために、錠剤若しくはカプセルなどであるがこれらに限定されるものではない形態で、口腔若しくは舌下投与用に、あるいは粉末、点鼻薬若しくはエアロゾル、又はある特定の薬剤などであるがこれらに限定されるものではない形態で、鼻腔内用に、あるいは、皮膚構造を改変するか又は経皮パッチ中の薬剤濃度を増加させるかのいずれかのために、ジメチルスルホキシドなどの化学的促進剤を用いて(Junginger et al.,「Drug Permeation Enhancement」;Hsieh,D.S.,Eds.,pp.59-90(Marcel Dekker,Inc.New York 1994収載、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、又はタンパク質及びペプチドを含有する製剤の皮膚への適用(国際公開第98/53847号)、又は電気穿孔法などの一過性の輸送経路を作り出すための、若しくはイオントフォレシスなどの皮膚を通して荷電薬剤の移動度を増加させるための電界の適用、又は超音波導入などの超音波の適用(米国特許第4,309,989号及び同第4,767,402号)を可能にする酸化剤を用いて、限定されるものではないが、ゲル、軟膏、ローション、懸濁液若しくはパッチ送達系システムなどで、経皮用に、調製することができる(上記の刊行物及び特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
本発明を全般的に記述してきたが、上記と同様のことは、実例として提供されるが制限することを意図していない以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるであろう。更に、本発明の詳細は、以下の非限定的実施例によって例示される。本明細書の全ての引用の開示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
実施形態
実施形態1は、乾癬性関節炎(PsA)の治療を必要とする対象における乾癬性関節炎を治療する方法であって、対象は、(抗TNFα抗体などの抗TNF療法又は他の療法による治療に対して不十分な応答を示しており、対象に安全かつ有効な量の抗IL-23抗体及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を皮下投与することを含み、医薬組成物が4 4週間(4w)毎に1回投与される、方法である。
実施形態1aは、実施形態1の方法であり、抗-IL-23抗体が重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列、及び配列番号3のCDRH3アミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列、及び配列番号6のCDRL3アミノ酸配列を含む。
実施形態1bは、実施形態1に記載の方法であり、抗体は、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含む。
実施形態2は、実施形態1~1cのいずれか1つに記載の方法であり、抗体は、投与当たり25mg~200mgの総投与量、例えば、投与当たり25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、及び200mg、又はその間の任意の投与量で投与される。
実施形態2aは、実施形2に記載の方法であり、総投与量は投与当たり約50~約150mgである。
実施形態2bは、実施形態2に記載の方法であり、総投与量は投与当たり約100mgである。
実施形態3は、実施形態1~2bのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、PsAの標準的療法に対して不十分な応答を有する。
実施形態3aは、実施形態3に記載の方法であり、標準的療法は、非生物学的疾患修飾抗リウマチ薬(disease-modifying antirheumatic drugs、DMARD)、経口コルチコステロイド、アプレミラスト、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群から選択される少なくとも1つである。
実施形態3bは、実施形態3に記載の方法であり、標準的療法は、対象に≦25mg/週で投与されるメトトレキサート(MTX)、対象に≦3g/日で投与されるスルファサラジン(SSZ)、対象に≦400mg/日で投与されるヒドロキシクロロキン(HCQ)、又は対象に≦20mg/日で投与されるレフルノミド(LEF)からなる群から選択されるDMARDである。
実施形態3cは、実施形態3に記載の方法であり、標準的療法は、≦10mg/日のプレドニゾンに相当する量で対象に投与される経口コルチコステロイドである。
実施形態3dは、実施形態3に記載の方法であり、標準的療法は、規制当局によって承認された販売用量で対象に投与されるNSAID又は他の鎮痛剤である。
実施形態3eは、実施形態3に記載の方法であり、標準的療法は、規制当局によって承認された販売用量で対象に投与されるアプレミラストである。
実施形態3fは、実施形態3~3eのいずれか1つに記載の方法であり、対象は生物学的治療ナイーブである。
実施形態3gは、実施形態3~3eのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、PsAに対する少なくとも1つの生物学的治療を以前に受けている。
実施形態3hは、実施形態3gに記載の方法であり、対象は、少なくとも1つの生物学的治療に対して不十分な応答を有する。
実施形態3iは、実施形態3g又は3hに記載の方法であり、生物学的治療は、グセルクマブ、ウステキヌマブ、セクキヌマブ(AIN457)、抗腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)剤(例えば、アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、ゴリムマブ皮下[SC]又は静脈内[IV]、セルトリズマブペゴル、又はそれらのそれぞれのバイオシミラー)、チルドラキズマブ(MK3222)、イクセキズマブ(LY2439821)、ブロダルマブ(AMG827)、リサンキズマブ(BI-655066)、又はPsA若しくは乾癬のための他の治験的生物学的治療である。
実施形態3jは、実施形態3iに記載の方法であり、対象は、抗腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)治療に対して非応答者である。
実施形態3kは、実施形態1~3jのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、治療前に少なくとも3%の体表面積(BSA)のプラーク乾癬を有する。
実施形態3lは、実施形態1~3jのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、治療前に、直径≧2cmの少なくとも1つの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有する。
実施形態3mは、実施形態1~3lのいずれか1つに記載の方法であり、任意選択的に、対象にPsAの標準的療法を投与することを更に含む。
実施形態3nは、実施形態1~3lのいずれか1つに記載の方法であり、任意選択的に、対象にPsAのための生物学的治療を投与することを更に含む。
実施形態4は、実施形態1~3nのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別され、疾患活動性は、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の20%改善(ACR20)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%改善(ACR50)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)、最小疾患活動性の達成(MDA)、及び非常に低い疾患活動性の達成(VLDA)からなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準によって決定される。
実施形態4aは、実施形態4に記載の方法であり、改善は、初期治療の16、20、24、28又は48週間後に測定される。
実施形態4bは、実施形態4~4aのいずれか1つに記載の方法であり、改善は初期治療の16週後に測定される。
実施形態4cは、実施形態4~4aのいずれか1つに記載の方法であり、改善は初期治療の24週又は48週後に測定される。
実施形態5は、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週又は48週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の20%の改善(ACR20)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5aは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の16週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の20%の改善(ACR20)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5bは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%の改善(ACR50)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5cは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の16週目までに米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%の改善(ACR50)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5dは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%の改善(ACR70)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5eは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体を用いた治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週又は48週目までに健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
対象が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法における実施形態5f。
対象が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、治験責任者によるグローバル評価(IGA)の0(クリア)若しくは1(最小)及び/又はIGAのベースラインからの≧2のグレード低下を達成したと識別され、対象は、ベースラインで≧3%のBSAの乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法における実施形態5g。
対象が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに骨膜炎の解消によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法における実施形態5h。
対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに指炎の解消によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法における実施形態5i。
対象が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までにリーズ腱付着部炎指数(LEI)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別される、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法における実施形態5j。
実施形態5kは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに、0~3((0=なし、1=軽度、2=中程度、3=重度)の指炎評価スコアによって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5lは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体を用いた治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週又は48週目までにショートフォーム36(SF-36)健康調査によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5mは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)スコアによって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5nは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、
抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに最小疾患活動性(MDA)基準によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定される。
実施形態5oは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、非常に低い疾患活動性(VLDA)の達成によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態6は、実施形態4~5oのいずれか1つに記載の方法であり、改善は、少なくとも12週間、24週間、36週間、48週間、60週間、72週間、若しくは84週間、又はその間の任意の時間維持される。
実施形態7は、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法であり、抗IL-23抗体はグセルクマブである。
実施形態8は、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法であり、乾癬性関節炎の治療に使用される1つ又は2つ以上の追加の薬剤を対象に投与することを更に含む。
実施形態8aは、実施形態8に記載の方法であり、追加の薬剤は、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、メトトレキサート(MTX)、抗B細胞表面マーカ抗体、抗CD20抗体、リツキシマブ、TNF-阻害剤、コルチコステロイド、及び共刺激修飾剤からなる群から選択される。
実施形態9は、対象における乾癬性関節炎(PsA)を治療する方法であり、安全かつ有効な量の抗IL-23抗体及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を対象に皮下投与することを含み、医薬組成物は、初回投与、4週間後の投与、及びその後8週毎に1回(q8w)の投与間隔で投与され、対象は、治療前に少なくとも1つの直径≧2cmの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有する。
実施形態9aは、実施形態9に記載の方法であり、抗IL-23抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2、及び配列番号3のCDRH3を含み、軽鎖可変領域は、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2、及び配列番号6のCDRL3を含む。
実施形態9bは、実施形態9に記載の方法であり、抗体は、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含む。
実施形態9cは、実施形態9に記載の方法であり、抗IL-23抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列と、配列番号10の軽鎖アミノ酸配列と、を含む。
実施形態10は、実施形態9~9cのいずれか1つに記載の方法であり、抗体は、投与当たり25mg~200mgの総投与量、例えば、投与当たり25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、及び200mg、又はその間の任意の投与量で投与される。
実施形態10aは、実施形10に記載の方法であり、総投与量は投与当たり約50~約150mgである。
実施形態10bは、実施形態10に記載の方法であり、総投与量は投与当たり約100mgである。
実施形態11は、実施形態9~10bのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、PsAに対する標準的療法に対して不十分な応答を有する。
実施形態11aは、実施形態11に記載の方法であり、標準的療法は、非生物学的疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)、経口コルチコステロイド、アプレミラスト、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群から選択される少なくとも1つである。
実施形態11bは、実施形態11に記載の方法であり、標準的療法は、対象に≦25mg/週で投与されるメトトレキサート(MTX)、対象に≦3g/日で投与されるスルファサラジン(SSZ)、対象に≦400mg/日で投与されるヒドロキシクロロキン(HCQ)、又は対象に≦20mg/日で投与されるレフルノミド(LEF)からなる群から選択されるDMARDである。
実施形態11cは、実施形態11に記載の方法であり、標準的療法は、≦10mg/日のプレドニゾンに相当する量で対象に投与される経口コルチコステロイドである。
実施形態11dは、実施形態11に記載の方法であり、標準的療法は、規制当局によって承認された販売用量で対象に投与されるNSAID又は他の鎮痛剤である。
実施形態11eは、実施形態11に記載の方法であり、標準的療法は、規制当局によって承認された販売用量で対象に投与されるアプレミラストである。
実施形態11fは、実施形態11~11eのいずれか1つに記載の方法であり、対象は生物学的治療ナイーブである。
実施形態11gは、実施形態11~11eのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、PsAに対する少なくとも1つの生物学的治療を以前に受けている。
実施形態11hは、実施形態11gに記載の方法であり、対象は、少なくとも1つの生物学的治療に対して不十分な応答を有する。
実施形態11iは、実施形態11g又は11hに記載の方法であり、生物学的治療は、グセルクマブ、ウステキヌマブ、セクキヌマブ(AIN457)、抗腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)剤(例えば、アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、ゴリムマブ皮下[SC]又は静脈内[IV]、セルトリズマブペゴル、又はそれらのそれぞれのバイオシミラー)、チルドラキズマブ(MK3222)、イクセキズマブ(LY2439821)、ブロダルマブ(AMG827)、リサンキズマブ(BI-655066)、又はPsA若しくは乾癬のための他の治験的生物学的治療である。
実施形態11jは、実施形態11iに記載の方法であり、対象は、抗腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)治療に対して非応答者である。
実施形態11kは、実施形態9~11jのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、治療前に少なくとも3%の体表面積(BSA)のプラーク乾癬を有する。
実施形態11lは、実施形態9~11jのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、治療前に、直径≧2cmの少なくとも1つの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有する。
実施形態11mは、実施形態9~11lのいずれか1つに記載の方法であり、任意選択的に、対象にPsAの標準的療法を投与することを更に含む。
実施形態11nは、実施形態9~11lのいずれか1つに記載の方法であり、任意選択的に、対象にPsAのための生物学的治療を投与することを更に含む。
実施形態12は、実施形態9~11nのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別され、疾患活動性は、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の20%改善(ACR20)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%改善(ACR50)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)、最小疾患活動性の達成(MDA)、及び非常に低い疾患活動性の達成(VLDA)からなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準によって決定される。
実施形態12aは、実施形態12に記載の方法であり、改善は、初期治療の16、20、24又は28週間後に測定される。
実施形態12bは、実施形態12~12aのいずれか1つに記載の方法であり、改善は初期治療の16週後に測定される。
実施形態12cは、実施形態12、12aのいずれか1つに記載の方法であり、改善は初期治療の24週後に測定される。
実施形態13は、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週又は48週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の20%の改善(ACR20)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13aは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の16週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の20%の改善(ACR20)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13bは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに、米国リウマチ学会130%改善基準(ACR130)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別される。
実施形態13cは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の16週目までに、米国リウマチ学会130%改善基準(ACR130)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別される。
実施形態13dは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%改善(ACR70)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13eは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体を用いた治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週又は48週目までに健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
対象が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目又は48週目までに、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法における実施形態13f。
対象が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、治験責任者によるグローバル評価(IGA)の0(クリア)若しくは1(最小)及び/又はベースラインからの≧2のグレード低下を達成したと識別され、対象は、ベースラインで≧3%のBSAの乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法における実施形態13g。
対象が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに骨膜炎の解消によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法における実施形態13h。
対象が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに指炎の解消によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法における実施形態13i。
対象が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までにリーズ腱付着部炎指数(LEI)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別される、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法における実施形態13j。
実施形態13kは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、0~3((0=なし、1=軽度、2=中程度、3=重度)の指炎評価スコアによって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13lは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体を用いた治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週又は48週目までにショートフォーム36(SF-36)健康調査によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13mは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)スコアによって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13nは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、
抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週又は48週目までに最小疾患活動性(MDA)基準によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定される。
実施形態13oは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、非常に低い疾患活動性(VLDA)の達成によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態14は、実施形態12~13oのいずれか1つに記載の方法であり、改善は、少なくとも12週間、24週間、36週間、48週間、60週間、72週間、若しくは84週間、又はその間の任意の時間維持される。
実施形態15は、実施形態9~14のいずれか1つに記載の方法であり、抗IL-23抗体はグセルクマブである。
実施形態16は、実施形態9~15のいずれか1つに記載の方法であり、乾癬性関節炎の治療に使用される1つ又は2つ以上の追加の薬剤を対象に投与することを更に含む。
実施形態16aは、実施形態16に記載の方法であり、追加の薬剤は、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、メトトレキサート(MTX)、抗B細胞表面マーカ抗体、抗CD20抗体、リツキシマブ、TNF-阻害剤、コルチコステロイド、及び共刺激修飾剤からなる群から選択される。
実施例
実施例1:活動性乾癬性関節炎を有し、かつ抗腫瘍壊死因子に対する不十分な応答を有する参加者において、グセルクマブの皮下投与の有効性及び安全性を評価するための、第3b相多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験(COSMOS)
目的:
この研究の主な目的は、関節疾患の徴候及び症状の軽減を評価することによって、活動性PsAを有し、かつ抗TNFα療法に対する不十分な応答を有する参加者において、グセルクマブ対プラセボの有効性を評価することであった。主要評価項目は、24週目における米国リウマチ学会基準判定(ACR)20を達成した患者の割合であった。
第2の目的は、身体機能の改善、一般的及び疾患特異的な健康関連の生活の質及び患者報告の健康アウトカムの改善、並びに乾癬皮膚病変の改善における、グセルクマブ対プラセボの有効性を評価することであった。少なくとも1用量の介入を受けた参加者間でのグセルクマブの安全性及び忍容性もまた、研究の重要な二次的目的であった。
方法論:
これは、1つ若しくは2つの抗TNFα治療に対して不十分な応答を有したか、又は不耐性であった活動性PsAを有する参加者においてグセルクマブを評価するために行われた、第3b相無作為化二重盲検プラセボ対照多施設2群試験である。試験は、0週目から24週目までのプラセボ対照期間、24週目から48週目までの積極的治療相(44週目に試験介入の最後の投与を伴う)、及び44週目から56週目までの12週間の安全性追跡期間を含んだ。この報告の時点で、研究は進行中である。しかしながら、0週目から24週目までのプラセボ対照期間が完了し、報告されている。
参加者の数(計画及び解析された):
主要評価項目に対する統計的に有意な治療差を検出する90%の検出力を達成するために計画された総サンプルサイズは、およそ245人の参加者(グセルクマブ群において163人、及びプラセボ群において82人)であった。0週目に、合計285人の参加者を無作為化して、試験介入を受けた。ベースラインの非生物学的DMARDの使用(はい/いいえ)によって、及び1つ又は2つの抗TNFα剤への事前曝露によって試験レベルで層別化された順列ブロック無作為化を使用して、2:1の比で、96人の参加者を無作為化してプラセボを与え、189人の参加者を無作為化してグセルクマブを与えた。
・群I:グセルクマブSC100mgを0週目及び4週目に投与し、次いで8週毎(12週目、20週目、28週目、36週目)に44週目まで投与し、プラセボSCを24週目に投与して盲検を維持した。
・群II:0週目、4週目、12週目、及び20週目にプラセボSC投与し、24週目にクロスオーバーして、グセルクマブSC100mgを、24週目、28週目、36週目、及び44週目に投与した。
試験における治療予定期間は44週間であり、二重盲検治療期間は24週間であり、実薬治療段階は20週間である。
組み入れのための診断及び主な基準:
適格な参加者は、3以上の圧痛関節及び3以上の腫脹関節、並びに1つ又は2つの抗TNFα剤のいずれかによる以前の治療にもかかわらず、活動性PsAの存在(治験責任者によって評価される)として定義される抗TNFα療法に対する不十分な応答又は不耐性を有していなければならなかった。選択された非生物学的DMARD(MTX、SSZ、HCQ、LEF)、経口コルチコステロイド(10mg/日までのプレドニゾン又は同等物)、及びNSAID/鎮痛剤の安定用量は許容されたが、必須ではなかった。
試験生成物の用量及び投与様式:
全ての試験介入(グセルクマブ及びプラセボ)をSC注射により投与した。プラセボ群の参加者は、0週目及び4週目、次いで20週目まで8週毎にプラセボを受け、24週目にクロスオーバーして、24週目、28週目、次いで44週目まで8週毎にSCグセルクマブ100mgを受けた。グセルクマブ群の参加者は、0週目及び4週目、次いで8週毎に100mgのグセルクマブレジメンを受けた。
早期離脱:
16週目に、腫脹関節数及び圧痛関節数の両方におけるベースラインからの5%未満の改善を有する参加者が、早期離脱(early escape、EE)の資格を有する。早期離脱後の任意の時点で、参加者は、プロトコルで指定されている通り、許可された併用薬のうち1つを最大許容量まで開始又は増量することができる。早期離脱の資格を有するグセルクマブ群の参加者は、16週目にプラセボを、20週目にグセルクマブを、次いで8週毎にグセルクマブを受けたが、計画されたグセルクマブ用量の数及び頻度に変化はなかった。早期離脱の資格を有するプラセボ群の参加者は、16週目及び20週目にグセルクマブを受け、次いで8週毎にグセルクマブを受ける。
処理持続期間:
試験における治療予定期間は44週間であり、二重盲検治療期間は24週間であり、実薬治療段階は20週間である。試験は、最終的にデータベースがロックされるまで、最初の治療割り当てに対して盲検化されたままである。24週目までのグセルクマブの有効性及び安全性は、この臨床試験報告書に詳述されている。
評価基準:
関節炎の評価には、関節評価(腫脹関節数及び圧痛関節数)、参加者による疼痛の評価、参加者による疾患活動性(関節炎)のグローバル評価、及び医師による視覚的アナログ尺度(visual analogue scale、VAS)での疾患活動性のグローバル評価が含まれた。指炎及び腱付着部炎も評価した。24週目におけるPsA応答の重要な有効性尺度は、ACR応答及びHAQ-DIスコアを含んだ。
PsAにおけるドメイン関与の多様かつ高度に個別的な性質(例えば、皮膚/爪の疾患、末梢関節症、指炎/腱付着部炎、体軸性疾患)を考慮して、疾患の活動性をより包括的に評価し、全ての徴候にわたって頑強な有効性を有する薬剤を潜在的に同定するために、複合的な指数が開発されている。活動性指数には、乾癬性関節炎の疾患活動性スコア(Psoriatic ArthritiS Disease Activity Score、PASDAS)、グラッパ複合スコア(GRAppa Composite scorE、GRACE)、複合乾癬性疾患の活動性指数(Composite Psoriatic Disease Activity Index、CPDAI)、乾癬性関節炎の応答基準(Psoriatic Arthritis Response Criteria、PsARC)、及び乾癬性関節炎の疾患活動性指数(Disease Activity index for PSoriatic Arthritis、DAPSA)が含まれる。疾患状態は、全体的な疾患状態、例えば、DAPSA寛解、最小疾患活動性(MDA)又は非常に低い疾患活動性(VLDA)を説明するために使用することができる。
乾癬応答は、乾癬の治験責任者によるグローバル評価(IGA)、皮膚疾患の生活の質指数(DLQI)、並びに乾癬の面積及び重症度指数(PASI)に基づいて評価した。他の患者報告アウトカムは、SF-36質問票、及び慢性疾患療法の機能評価(Functional Assessment of Chronic Illness Therapy、FACIT)-疲労、並びに関節、皮膚及び疼痛負荷の参加者によるグローバル評価であった。
安全性評価は、有害事象(adverse events、AE)、重篤な有害事象(serious adverse events、SAE)、注射部位及びアレルギー反応、臨床検査パラメータ(血液学及び化学;尿妊娠検査)、電子的コロンビア自殺重症度評価尺度(eC-SSRS)、身体検査、バイタルサイン、心電図(electrocardiogram、ECG;0週目のみ)、及び結核(tuberculosis、TB)の早期検出を含んだ。
組み入れ基準
参加者は、本試験に登録されるために、下記の主要な組み入れ基準を満たしていなければならない:
・少なくとも18歳の男性又は女性である(又は研究が行われている管轄区域における法定同意年齢である)。
・試験介入の最初の投与前に少なくとも6ヶ月間PsAの診断を有し、スクリーニング時に乾癬性関節炎の分類基準(ClASsification criteria for Psoriatic ARthritis、CASPAR)を満たす。
・スクリーニング時及びベースラインにおいて≧3つの腫脹関節及び≧3つの圧痛関節により定義される、活動性PsAを有する。
・PsAサブセット:遠位指節間関節障害、リウマチ結節が存在しない多発性関節炎、離断性関節炎、非対称性末梢関節炎、又は末梢関節炎を伴う脊椎炎のうちの少なくとも1つを有する。
・少なくとも1つの直径≧2cmの乾癬性プラーク、又は乾癬に一致する爪の変化、又は文書化されたプラーク乾癬の病歴を有する、活動性プラーク乾癬を有する。
・1つ又は2つの抗TNFα剤のいずれかによる以前の治療にもかかわらず、及び以下のいずれかによって、活動性PsAの存在として定義される、抗TNFα療法に対する不十分な応答を有する:
-少なくとも12週間のエタネルセプト、アダリムバブ、ゴリムマブ、又はセルトリズマブペゴル療法(若しくはバイオシミラー)、及び/又は少なくとも14週間のインフリキシマブ(若しくはバイオシミラー)の投薬レジメン後に、抗TNFα療法の利益が欠如している。
-抗TNFα療法エタネルセプト、アダリムマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブペゴル、又はインフリキシマブ(又はバイオシミラー)に対して不耐性である。
・非生物学的DMARD(MTX、SSZ、HCQ、又はLEFに限定される)を現在使用している場合、参加者は、試験介入の最初の投与の少なくとも3ヶ月前に治療を受けているはずである。用量は、試験介入の最初の投与前に少なくとも4週間安定でなければならず、非生物学的DMARDに起因する重篤な毒性副作用があってはならない。MTX、SSZ、又はHCQを現在使用していない場合、試験介入の最初の投与前の少なくとも4週間にわたって、これらを受けていてはならない。現在LEFを使用していない場合、試験介入の最初の投与前の少なくとも12週間にわたって、これを受けていてはならない。
・MTXを使用している場合、投与経路及び用量は安定でなければならず、用量は≦25mg/週でなければならない;SSZを受けている場合、用量は≦3g/日でなければならない;HCQを受けている場合、用量は≦400mg/日でなければならない;LEFを受けている場合、用量は≦20mg/日でなければならない。
・PsAのためにNSAID又は他の鎮痛剤を現在使用している場合、試験介入の最初の投与前の少なくとも2週間にわたって、安定な用量でなければならない。PsAのためにNSAID又は他の鎮痛剤を現在使用していない場合、試験介入の最初の投与前の少なくとも2週間以内に、PsAのためにNSAID又は他の鎮痛剤を受けていてはならない。
・PsAのために経口コルチコステロイドを現在使用している場合、参加者は、試験介入の最初の投与前の少なくとも2週間にわたって、≦10mg/日のプレドニゾンに相当する安定用量を受けていなければならない。経口コルチコステロイドを現在使用していない場合、参加者は、試験介入の最初の投与前の少なくとも2週間以内に、経口コルチコステロイドを受けていてはならない。
除外基準
以下の重要な除外基準のいずれかを満たした参加者は、研究への参加から除外された:
・グセルクマブ療法の利益の評価を混乱させ得る他の炎症性疾患、例えば、限定されるものではないが、RA、体軸性脊椎関節炎(これは、付随する脊椎炎を伴うPsAの一次診断を含まない)、全身性エリテマトーデス、又はライム病を有した。
・2つ以上の異なる抗TNFα剤を受けたことがあった。
・第1の試験介入の投与前の以下の時間枠内に抗TNFα剤を投与された:
-インフリキシマブ(又はバイオシミラー)、ゴリムマブIV-8週間以内
-ゴリムマブSC、アダリムマブ(又はバイオシミラー)、セルトリズマブペゴル-6週間以内
-エタネルセプト(又はバイオシミラー)-4週間以内
・以前にグセルクマブで治療されていた。
・以前に任意の生物学的治療(抗TNFα剤以外)を受けていた。
・以前にトファシチニブ、バリシチニブ、フィルゴチニブ、ペフィシチニブ(ASP015K)、デセルノチニブ(VX-509)、又は任意の他のJAK阻害剤を受けていた。
・試験介入の最初の投与の4週間以内に、任意の全身免疫抑制剤を以前に受けていた。
・試験介入の最初の投与前4週間以内に、非生物学的DMARD(MTX、SSZ、HCQ、LEF以外)を受けていた。
・ベースラインで2つ又は3つ以上の(指定された)非生物学的DMARDを受けていた。
・試験介入の最初の投与前4週間以内にアプレミラストを受けていた。
・試験介入の最初の投与の4週間以内に、光線療法又は乾癬評価に影響を及ぼし得る任意の全身投薬/治療を受けていた。
・任意の試験介入の最初の投与の2週間以内に、乾癬評価に影響を及ぼし得る局所投薬/治療を受けていた。
・試験介入の最初の投与前の4週間に、硬膜外、関節内、筋内、又はIVコルチコステロイドを受けていた。
・任意の試験介入の最初の投与の4週間以内にリチウムを受けていた。
・試験介入の最初の投与の前の90日以内若しくは5半減期以内に(どちらか長い方)、実験的抗体若しくは生物学的療法(組み入れ基準に記載される抗TNFα剤以外)を受けていたか、又は任意の他の実験的療法を受けたか、又は治験薬若しくは手順を使用する別の試験に現在登録された。
・重篤な、進行した、又は制御されていない腎臓、肝臓、心臓、血管、肺、胃腸、内分泌、神経、血液、リウマチ(PsAを除く)、精神、尿生殖器、又は代謝障害の病歴を有するか、又は現在それらの徴候若しくは症状を有していた。
・最近6ヶ月間に不安定な希死念慮又は自殺行為を有し、メンタルヘルス専門家による評価に基づいて治験責任者によってリスクがあることが確認された。
試験介入の情報
グセルクマブは、UltraSafe PLUS(商標)Passiveニードルガード(PFS-U)とともに組み立てられた単回使用の充填済みシリンジ中のSC注射用の滅菌液体として本研究に供給された。製品は防腐剤を含有しない。各単回使用のPFS-Uは、1mL溶液中に100mgのグセルクマブを含有した。プラセボは、PFS-U中のSC注射用の滅菌液体として供給された。各単回使用のPFS-Uは、1mLの溶液を含有した。グセルクマブ及びプラセボの供給物は、2℃~8℃で冷蔵保存し、光への曝露から保護した。
無作為化及び盲検化
無作為化
この試験では中央無作為化を実施した。0週目に、参加者は、コンピュータ生成無作為化スケジュールに基づいて、グセルクマブ及びプラセボをそれぞれ受けるように2:1の比率で無作為化された。無作為化は、順列ブロック無作為化法に基づいてバランスをとり、ベースライン非生物学的DMARD使用(あり又はなし)及び抗TNFα剤への事前曝露(あり又はなし)によって階層化した。対話型ウェブ応答システム(interactive web response system、IWRS)には、参加者の介入割り当て及び対応する試験介入を指示する固有の介入コードが割り当てられた。
盲検
参加者は、ベースライン来診時に無作為化番号を割り当てられ、これは、各参加者のための薬剤キットの分配において施設に指示するために使用された。無作為化コードは、対話型ウェブ応答システム(IWRS)内に維持された。治験責任者には無作為化コードが提供されなかった。試験盲検を維持するために、試験介入容器は、その中に含まれる試験介入を識別しないが、臨床供給物のための適切な規制要件を含むマルチパートのラベルを有した。
治療割り当てのための盲検は、参加者の治療割り当てを知ることによって特定の救急治療が影響され得る場合にのみ破られた。
データ分析及び臨床試験報告のために24週目のデータベースロック時に患者レベルデータに対して盲検化されていないスポンサー職員を、そのデータベースロックの前に記録した。全ての施設職員及び参加者は、最終データベースロックまで、治療割り当てに対して盲検化されたままであった。
用量及び投与
全ての試験介入(グセルクマブ及びプラセボ)を皮下(subcutaneous、SC)注射により投与した。PsAにおける第2相試験(CNTO1959PSA2001)及び乾癬における第3相試験におけるこの投与レジメンの評価に基づいて、0週目及び4週目、次いで8週毎(q8w)に100mgのグセルクマブ用量レジメンをこの試験のために選択した。
CNTO1959PSA2001試験では、関節の兆候及び症状、身体的機能、乾癬、腱付着部炎、指炎、並びに活動性PsA及びBSAの≧3%の乾癬患者における生活の質を含むPsAの全ての重要なドメインにおいて、この用量レジメンにより、強固な有効性及び臨床的に意味のある改善が観察された。更に、第3相乾癬試験では、中等度から重度の乾癬患者のプラーク乾癬に対しても、この用量レジメンで有意な利益が観察された。第3相PsA試験では、追加の投与レジメンを含めた(4週毎;q4w)。しかしながら、この用量レジメンは、維持中のq8w投与によって達成されるよりも、実質的に高いレベルの有効性をもたらすとは予想されない。
このq8w用量レジメンの安全性は、大規模な乾癬開発プログラムで確立されている。更に、PsA及びRAを有する患者における第2相試験における安全性プロファイルは、乾癬プログラムにおいて見られるものと一致する。第3相PsAプログラムの結果は、本研究の設計時には入手できなかった。
プラセボ群の参加者は、0週目及び4週目、次いで20週目まで8週毎にプラセボを受け、24週目にクロスオーバーして、24週目、28週目、次いで44週目まで8週毎にSCグセルクマブ100mgを受けた。試験介入は、0週目及び4週目に健康管理専門家(health care professional、HCP)によって、試験施設で投与された。12週目で始めて、治験責任者及び参加者の裁量において、及び適切かつ文書化されたトレーニングの後、参加者は、HCPの監督下の治験施設での自己投与試験薬剤の選択肢を有し、又はHCPによって行われる試験薬剤注射を継続した。COVID-19パンデミックの影響を制限するために、国、地域又は地方の制限を考慮して施設来診が不可能であった場合に、24週目後に試験施設の外で試験介入の皮下注射を自己投与できるようにプロトコルを修正した。これは24週目後にのみ関連したので、これは本文書で報告された結果に影響を及ぼすことができなかった。24週目の時点までの全ての来診は、試験のために最初にスケジュールされた適切な時間枠内で行われた(例外は、主要なプロトコル逸脱として報告された)。
以下の重要な有効性評価を実施して、試験の主要評価項目及び二次的評価項目に関してPsAの徴候及び症状を評価した。
・関節評価:関節評価並びに腱付着部炎及び指炎評価を行うことを除いて他のいかなる研究実施にも関与しなかった指定された独立関節評価者(independent joint assessor、IJA)によって、68個の関節の各々を圧痛について評価し、66個の関節の各々を腫脹について評価した(股関節は腫脹について評価できないので除外した)。関節は、関節を評価することが物理的に不可能であった場合にのみ、IJAによって「評価不可能」と指定された。
・患者による疼痛評価:参加者は、100mm視覚的アナログ尺度(VAS)で過去1週間の平均疼痛を評価するように求められ、左端は「疼痛なし」を示し、右端は「起こり得る最悪の疼痛」を示した。
・患者による疾患活動性のグローバル評価(関節炎及び乾癬):参加者は、100mm VAS上で、彼らの乾癬及び関節炎に関して、彼らが過去1週間にどのように感じたかを評価するように求められ、左端は「素晴らしい」を示し、右端は「不良」を示す。
・患者による疾患活動性のグローバル評価(関節炎):参加者は、100mm VAS上で、彼らの関節炎に関して、彼らが過去1週間にどのように感じたかを評価するように求められ、左端は「素晴らしい」を示し、右端は「不良」を示す。
・医師による疾患活動性のグローバル評価:医師は、100mm VAS上で、患者の関節炎を評価するように求められ、左端は「関節炎活動なし」を示し、右端は「非常に活動的な関節炎」を示す。
・米国リウマチ学会(ACR)応答:ACR20は、腫脹関節数(66関節)及び圧痛関節数(68関節)の両方におけるベースラインからの≧20%の改善、並びに以下の5つの評価:VASよる患者の疼痛評価、疾患活動性のグローバル評価(関節炎、患者及び医師のVAS)、医師による疾患活動性のグローバル評価(VAS)、HAQ-DI、及びCRP、のうちの3つにおけるベースラインからの≧20%の改善として定義された。ACR50及びACR70は、ベースラインからの改善閾値がそれぞれ50%及び70%であることを除いて、同様に定義される。
・健康評価質問票障害指数(Health Assessment Questionnaire-Disability Index、HAQ-DI):8つの機能領域(身支度、起床、食事、歩行、衛生、伸展、握力、及び日常生活活動)におけるタスクの達成で人が感じる困難の程度を評価する20問の質問票。各機能領域における応答は、困難なしを示す0からその領域内でタスクを実行することが不可能であることを示す3までスコアリングされた(すなわち、より低いスコアは、より良好な機能を示す)。PsAでは、0.35のスコア減少が臨床的に意味のある改善を示すものと決定された。
・C反応性タンパク質:CRP:総合的な炎症負荷についてのバイオマーカであるCRPの血清中濃度を、中央検査室において高感度法によって測定した。
・患者による皮膚疾患活動性の評価:参加者は、100mm VAS上で、彼らの乾癬に関して、彼らが過去1週間にどのように感じたかを評価するように求められ、左端は「素晴らしい」を示し、右端は「不良」を示す。
・乾癬の体表面積(BSA):手のひら法を用いて0週目に乾癬のBSAを測定した。乾癬病変を有する体表面積のサイズは、参加者の手のひらの数に基づいて推定され、各手のひら(手首の付け根から親指を含む近位指節間関節まで)は、1%のBSAに相当する。
・治験責任者によるグローバル評価(IGA):IGAは、所与の時点における参加者の乾癬の治験責任者による評価を記録した。全体的な病変を、0(証拠なし)、1(最小)、2(軽度)、3(中等度)及び4(重度)の尺度を使用して、硬結、紅斑及び鱗屑について評定した。乾癬のIGAスコアは、硬結、紅斑、鱗屑のスコアの平均値に基づく。患者の乾癬を、クリア(0)、最小(1)、軽度(2)、中等度(3)、又は重度(4)として評価した。
・乾癬面積及び重症度指数(PASI):乾癬病変の重症度及び療法に対するそれらの応答を評価し、評定するために使用されるシステム。PASI系では、身体は4つの領域:頭部、胴体、上肢、及び下肢に分割される。これらの領域のそれぞれを、0(関与なしを示す)~6(90%~100%の関与)の範囲の数値スコアに変換される関与する領域のパーセンテージについて、並びに0~4の尺度でそれぞれ評価される紅斑、硬結、及び鱗屑について、別々に評価した。PASIは、0(乾癬なし)~72の範囲の数値スコアを生成することができる。PASI50応答は、ベースラインからのPASIスコアの50%以上の改善として定義され、PASI75、PASI90、及びPASI100は、同様に定義される。
・指炎の評価:指炎の存在及び重症度は、0~3のスコアリングシステム(0-指炎なし、1-軽度の指炎、2-中程度の指炎、及び3-重篤な指炎)を各指に使用して、両手及び両足において評価された。結果を合計して、0~60の範囲の最終スコアを得た。
・腱付着部炎の評価:腱付着部炎は、リーズ腱付着部炎指数(LEI)及びカナダの脊椎関節炎研究コンソーシアム(Spondyloarthritis Research Consortium of Canada、SPARCC)腱付着部炎指数を使用して評価した。
-LEIは、PsA患者に対して特異的に検証されたツールであり、以下のもの:左及び右外側上腕骨上顆、左及び右側大腿骨内顆、並びに左及び右側アキレス腱挿入部、の中から疼痛を伴う腱付着部の数を数える。LEI指数は、0~6の範囲である。
-SPARCC腱付着部炎指数は、一般的な脊椎関節炎(すなわち、PsA又はASに限定されない)集団から開発され、以下:左及び右側棘上筋挿入部、左及び右側上腕骨内側上顆、左及び右側上腕骨外側上顆、左及び右側大転子、左及び右側大腿四頭筋-腰蓋骨、左及び右側アキレス腱挿入部、並びに左及び右側足底筋膜、のうちの疼痛を伴う腱付着部の数を評価する。SPARCC腱付着部炎指数は、0~16の範囲である。
・最小疾患活動性:PsA MDA基準は、PsAで使用される7つのアウトカム尺度の複合体である。参加者は、7つのアウトカム尺度:圧痛関節数1以下、腫脹関節数1以下、乾癬活動性及び重症度指数1以下、参加者の疼痛VASスコア15以下、参加者のグローバル疾患活動性VAS(関節炎及び乾癬)スコア20以下、HAQ-DIスコア0.5以下、及び圧痛腱付着部点1以下、のうちの5つを満たした場合、MDAを達成することと分類される。
・乾癬性関節炎疾患活動性スコア:PASDAS(範囲0~10)は、以下の変数を使用して計算される:参加者によるグローバルVAS(関節炎及び乾癬、0~100)、医師によるグローバルVAS(範囲0~100)、腫脹関節数(0~66)、圧痛関節数(0~68)、CRPレベル(mg/L)、腱付着部炎(LEIによって測定される)、指炎の数(2つの異なる数を使用する:[1]各指を0~3でスコアリングし、0~1で記録する、ここで、0を超える任意のスコアが1に等しい、[2]圧痛について各指を0~1でスコアリングする)、並びに最後に、SF36健康調査のPCS尺度)。
・乾癬及び乾癬性関節炎の研究及び評価のためのグループ複合スコア:GRACEは、乾癬及び乾癬性関節炎の研究及び評価のためのグループ(Group for Research and Assessment of Psoriasis and Psoriatic Arthritis、GRAPPA)の複合スコアであり、GRACE指数=(1-AMDF)×10として導出され、式中、AMDFは、望ましさ関数の算術平均である。AMDFは、以下の変数を変換することによって計算され、所定のアルゴリズムを使用し、0~1のスコア範囲を有する平均として総スコアを表し、1は0よりも良好な状態を示す:圧痛関節数(0~68)、腫脹関節数(0~66)、HAQ-DIスコア(0~3)、参加者による疾患活動性のグローバル評価(関節炎及び乾癬、0 100 VAS)、参加者による皮膚疾患活動性の評価(0~100 VAS)、参加者による疾患活動性のグローバル評価(関節炎、0~100 VAS)、PASIスコア(0~72)、及び乾癬性関節炎生活の質指数(PsAQOL)スコア。
・疾患活動性指数スコア28:DAS28 CRPは、圧痛関節(28関節)、腫脹関節(28関節)、CRP、及び参加者による疾患活動性のグローバル評価(GH)を組み合わせた統計的に導出された指数である。28の関節数のセットは、右上肢及び左上肢の両方の肩、肘、手首、中手指節(metacarpophalangeal、MCP)1、MCP2、MCP3、MCP4、MCP5、近位指節間(proximal interphalangeal、PIP1)、PIP2、PIP3、PIP4、PIP5関節、並びに右下肢及び左下肢の膝関節の評価に基づく。
・乾癬性関節炎についての疾患活動性指数:DAPSAスコアは、以下のコンポーネントの合計として計算される:圧痛関節数(0~68)、腫脹関節数(0~66)、CRPレベル(mg/dL)、参加者による疼痛評価(0~10 VAS)、及び参加者による活動性のグローバル評価(0~10 VAS)。
・修正乾癬性関節炎応答基準:参加者は、関節基準のうちのうちの少なくとも1つを含む以下の基準のうちの少なくとも2つにおいて改善を有し、他の基準において悪化を有さない場合、応答者と考えられる:腫脹関節数(66関節)の30%以上の減少、圧痛関節数(68関節)の30%以上の減少、VASにおける参加者による疾患(関節炎)の全体的な評価において20%以上の改善、及びVASにおける医師による疾患の全体的な評価において20%以上の改善。
・修正複合乾癬活動性指数:mCPDAIは、4つのドメイン(関節、皮膚、腱、及び指炎)を評価する。mCPDAIスコアを、以下の評価を使用して計算する:関節(66の腫脹関節数及び68の圧痛関節数)、HAQ-DI、PASI、指炎、及び腱付着部炎。各ドメイン内で、スコア(範囲0~3)は、所定のカットオフに従って割り当てられる。次いで、各ドメインについてのスコアを合計して、0(なし)~12(重度)の最終スコア範囲を得る。
・バス強直性脊椎炎疾患活動性指数:参加者自己評価質問票は、本来、強直性脊椎炎のために開発されたものであり、その疾患の5つの主要な症状に関する6つの質問からなる。(治験責任者によって評価されるような)PsAの一次的関節炎提示として末梢関節炎を伴う脊椎炎を有する参加者のみが、6つの10単位VAS尺度を使用してBASDAIを完了して、以下の基準に基づいて過去1週間にわたる彼らの症状の程度を示した:疲労、脊椎疼痛、関節疼痛、腱付着部炎、定性的朝硬直、定量的朝硬直。より高いスコアは、より大きな疾患重症度を示し、50%又は2ポイントのスコア減少は、臨床的に意味があると考えられる。
・36項目ショートフォーム健康調査(SF-36):健康状態及び生活の質を、研究参加者によって自ら実施された36項目を有するマルチドメイン機器を使用して評価した。それは、以下の機能の範囲をカバーする8つのサブ尺度を含んだ:身体機能、身体的役割機能、身体的疼痛、一般的な精神的健康(心理的苦痛及び幸福)、感情的役割機能、社会的機能、活力(エネルギー及び疲労)、並びに一般的な健康認識。スコアリングは、身体的コンポーネントサマリー(PCS)並びに精神的コンポーネントサマリー(MCS)、及びサブ尺度スコアをもたらす。より高いスコアはより良いアウトカムを表し、5ポイントの増加は臨床的に意味があると考えられた。
・慢性疾患療法の機能評価(FACIT)-疲労:FACIT-疲労質問票は、過去7日間にわたる参加者の疲労及び倦怠感のレベルを評価する13の質問からなる。各質問は、5点尺度で評定された(0=全くない、1=少しだけ、2=幾分か、3=結構、4=非常に多い)。スコアは0~52の範囲であり、より低いスコアはより重度の疲労を反映する。リウマチ学において、4ポイントの変化は意味があると考えられ、PsA集団において使用されている。
バイオマーカ
薬力学バイオマーカの分析のための血清及び糞便試料を全ての参加者から採取した。試料は、PsAの生物学をよりよく理解するため、グセルクマブによる治療に対する患者の応答の生物学的評価を提供するため、応答者と非応答者との間の差異を分析するため、及び治療前に患者を潜在的応答者として分類するためにマーカを使用することができるかどうかを決定するために使用される。
試料は更に、炎症及び脊椎関節症関連タンパク質を分析するために使用される。Th17、IL-17A、IL-17F、IL-21、IL-22及びIL-23 PsAの生物学に関連するマーカ、メタボロミクス及び骨ホメオスタシス経路を測定する。PsAの分子プロファイルを決定し、グセルクマブ治療後の遺伝子発現の変化を評価するための遺伝子発現分析のために、全血液試料からのリボ核酸を使用する。
ベースラインにおける人口統計の要約
ベースラインにおける人口統計学的特徴の概要を表1に示す。男性参加者の割合は、グセルクマブ群(45.5%、n=86)よりもプラセボ群(54.2%、n=52)において高かった。プラセボ群における参加者間の平均(SD)体重(91.7kg[22.58kg])もまた、グセルクマブ群(83.6kg[17.40kg])よりも高く、この群における男性のより高い割合と一致した。プラセボ群及びグセルクマブ群におけるベースライン特性は、年齢(それぞれ平均[SD]=49.1[12.14]歳及び49.1[12.31]歳)並びにBMI(それぞれ平均[SD]=30.7[7.12]kg/m及び29.0[5.86]kg/m)に観点から均衡がとれていた。グセルクマブ群は、プラセボ群よりも高齢な参加者(65歳以上の年齢)の割合が高かった(10.6%、n=20対7.3%、n=7)。両方の試験群の参加者は、肥満の頻度が最も高く、ベースラインでBMI≧30kg/mを有する参加者の割合は、プラセボ群及びグセルクマブ群についてそれぞれ45.3%(n=43)及び39.2%(n=74)であった。
ベースラインにおける乾癬性関節炎の特徴の要約:
乾癬性関節炎の異なるサブタイプの発生は、両群にわたって均衡がとれていた。リウマチ小結節のない多関節性関節炎(41.7%[n=40]及び39.4%[n=74])並びに非対称性末梢関節炎(37.5%[n=36]及び35.1%[n=66])は、それぞれプラセボ及びグセルクマブ群において、最も頻繁に報告されたサブタイプであった。ベースラインにおいて、プラセボ群及びグセルクマブ群の参加者は、それぞれ平均(SD)8.7年(7.20年)及び8.3年(7.77年)にわたってPsAと診断されていた。グセルクマブ群における1人の参加者を除き、研究において無作為化された全ての参加者は、関節施術に対してナイーブであった。
ベースラインにおけるACRコンポーネントについてのPsA疾患特性を表2に要約する。腫脹関節及び圧痛関節の平均(SD)数は、プラセボ群(それぞれ9.0[5.69]及び18.2[10.68])よりもグセルクマブ群(それぞれ10.2[6.75]及び21.0[13.21])において高かった。0~10の尺度では、プラセボ群及びグセルクマブ群における患者による疼痛評価の平均(SD)VASスコアは、それぞれ6.03(1.813)及び6.46(1.873)であった。1~10の尺度で評価された疾患活動性に関して、医師によるグローバル評価についての平均(SD)VASスコアは、プラセボ群及びグセルクマブ群において、それぞれ6.42(1.743)及び6.87(1.511)であった。患者によるグローバル評価についての平均(SD)VASスコアは、プラセボ群及びグセルクマブ群において、それぞれ6.22(1.739)及び6.52(1.749)であった。プラセボ群及びグセルクマブ群における平均(SD)HAQ-DIスコアは、それぞれ1.2227(0.59747)及び1.3305(0.60157)であった。
プラセボ群及びグセルクマブ群の平均(SD)CRPレベルは、それぞれ1.154mg/dL(2.5358mg/dL)及び1.225mg/dL(1.9583mg/dL)であった。
ACRコンポーネント以外の徴候及び症状に関するベースラインにおけるPsA疾患特性の要約を表3に示す。プラセボ群及びグセルクマブ群において観察された平均(SD)DAS28 CRPレベルは、それぞれ4.57(0.770)及び4.90(1.002)であった。66/68関節数ではなく28関節数を用いると、腫脹関節及び圧痛関節の平均(SD)数は、プラセボ群(それぞれ4.7[3.16]及び8.6[5.34])よりもグセルクマブ群(それぞれ5.9[4.05]及び10.6[6.46])において高かった。LEIに基づいて、プラセボ群の参加者の66.7%(n=64)及びグセルクマブ群の参加者の67.4%(n=126)が腱付着部炎に罹患しており、LEI腱付着部炎尺度(1~6の範囲)でそれぞれ2.7(1.45)及び2.9(1.53)の平均(SD)をスコア付けした。SPARCC腱付着部炎指数に基づいて、プラセボ群の参加者の76.0%(n=73)及びグセルクマブ群の参加者の70.6%(n=132)が腱付着部炎に罹患しており、SPARCC腱付着部炎指数(1~16の範囲)でそれぞれ5.1(3.31)及び5.5(3.80)の平均(SD)をスコア付けした。指炎は、プラセボ群及びグセルクマブ群の参加者のそれぞれにおいて、37.5%(n=36)及び35.8%(n=67)によって報告された。1~60の尺度で、プラセボ群及びグセルクマブ群の参加者は、それぞれ7.4(8.31)及び6.7(6.47)の平均(SD)をスコア付けした。
ベースラインにおける乾癬の特性の要約
ベースラインにおける乾癬疾患の特徴の概要を表4に示す。プラセボ群の合計61人(63.5%)の参加者及びグセルクマブ群の120人(63.4%)の参加者が、ベースラインで乾癬皮膚疾患を報告した。これらの参加者の中で、頭皮乾癬(プラセボ群及びグセルクマブ群においてそれぞれ78.7%[n=48]及び82.5%[n=99])並びに爪乾癬(プラセボ群及びグセルクマブ群においてそれぞれ78.7%[n=48]及び79.2%[n=95])が、ベースラインにおいて最も一般的に報告された乾癬型であった。手及び/又は足の関与は、プラセボ群及びグセルクマブ群の参加者のそれぞれにおいて、21.3%(n=13)及び23.3%(n=28)によって報告された。ベースラインにおいて、乾癬の程度(BSAに関して)は、プラセボ群において最も頻繁に<3%(34.4%、n=33)及び≧3%及び<10%(27.1%、n=26)であり、グセルクマブ群において≧20%(31.7%、n=60)及び≧3%及び<10%(29.1%、n=55)であった。PASIスコアは、プラセボ群(67.7%、n=65)及びグセルクマブ群(63.3%、n=119)の両方において最も頻繁に<12であった。平均(SD)PASIスコアは、プラセボ群において9.2(9.41)であり、グセルクマブ群において11.7(11.87)であった。IGAスコア≧2を有する参加者の割合は、プラセボ群及びグセルクマブ群においてそれぞれ69.8%(n=67)及び78.8%(n=149)であった。プラセボ及びグセルクマブ群における平均(SD)VASスコアに基づく患者による関節炎及び乾癬のグローバル評価は、それぞれ6.4(1.75)及び6.8(1.80)であった。プラセボ及びグセルクマブ群における患者による皮膚疾患活動性の評価からの平均(SD)VASスコアは、それぞれ5.6(2.40)及び6.3(2.35)であった。プラセボ群及びグセルクマブ群における平均(SD)ベースラインDLQIスコアは、それぞれ12.4(7.34)及び13.5(6.80)であり、両方の群の参加者の間では、生活の質に対して乾癬の非常に大きな影響及び極めて大きな影響があったことが報告された(それぞれ58.3%[n=56]及び63.6%[n=119])。
事前及び併用の医薬/療法
参加者が受けた以前の医薬の概要(ベースラインで記録)を表5に示す。両方の試験群(ベースラインで記録された)の参加者が受けた以前の療法及び医薬のタイプは類似していた。アダリムマブ(33.3%[n=32]及び30.2%[n=57])及びジクロフェナク(29.2%[n=28]及び22.2%[n=42])は、それぞれプラセボ群及びグセルクマブ群において最も頻繁に使用されたPsA関連の医薬であった。葉酸は、PsA又は乾癬に関連しない、最も頻繁に投与された以前の医薬であった(プラセボ群及びグセルクマブ群において、それぞれ41.7%[n=40]及び32.3%[n=61])。
ベースライン時に参加者が受けた以前の非生物学的、DMARD、免疫抑制剤、ステロイド、NSAID、又はアプレミラスト治療の要約を表6に示す。
プラセボ群及びグセルクマブ群の参加者の大部分は、以前に非生物学的DMARD、免疫抑制剤、又はアプレミラストを受けていた(それぞれ、94.8%[n=91]及び93.7%[n=177])。両方の群の全ての参加者はまた、以前の抗TNFα医薬の使用を報告し、大多数は、1つの以前の抗TNFを医薬を受けている(プラセボ群及びグセルクマブ群において、それぞれ、88.5%[n=85]及び88.4[n=167])。メトトレキサートは、最も頻繁に受けたDMARDであり、プラセボ群及びグセルクマブ群の参加者のそれぞれ91.7%(n=88)及び90.5%(n=171)が受けた。両群の参加者のわずかな割合(<6%)のみが、以前の免疫抑制剤又はアプレミラスト療法を報告した。
24週目まで参加者が受けた、頻繁に受けたベースライン後の併用薬の要約を表7に示す。試験の24週目までの併用薬の使用は、プラセボ群(77.1%[n=74])及びグセルクマブ群(70.4%[n=133])において均衡がとれていた。メトトレキサートなどの免疫抑制剤は、両群の参加者に最も頻繁に投与された(プラセボ群及びグセルクマブ群において、それぞれ53.1%[n=51]及び55.6%[n=105])。パラセタモール(3.1%[n=3]及び5.8%[n=11])及びグルココルチコイド(4.2%[n=4]及び5.3%[n=10])の併用は制限されたが、それぞれプラセボ及びグセルクマブ群において他の最も一般的に受けた併用薬を構成した(表7)。
研究において無作為化された全ての参加者は、以前にMTXで治療されており、最も頻繁には3年以上の曝露を報告した(プラセボ群において51.1%[n=45]及びグセルクマブ群において45.0%[n=77])。最近3ヶ月間に受けたMTXの最大用量は、両群の参加者について同様であった(プラセボ群及びグセルクマブ群において、それぞれ平均[SD]=10.7[8.12]及び10.5[8.09])。両群の参加者の半数以上が、試験中にMTXの使用を継続することを選択した(プラセボ群及びグセルクマブ群それぞれ58.0%[n=51]及び61.4%[n=105])。
24週目までに、プラセボ群の2人(2.1%)の参加者及びグセルクマブ群の1人(0.5%)の参加者について、関節施術が報告された。プラセボ群の1人(1.0%)の参加者及びグセルクマブ群の4人(2.1%)の参加者は、試験の24週目までに関節注射を受けた。
24週目までのプロトコル逸脱の要約を表8に示す。プラセボ群の34人(35.4%)の参加者及びグセルクマブ群の45人(23.8%)の参加者について、試験の24週目までの主要なプロトコル逸脱が報告された。プロトコル逸脱の主な理由は、「誤った治療又は不正確な用量を受けた」(プラセボ群及びグセルクマブ群において、それぞれ16.7%[n=16]及び11.1%[n=21])であった。しかしながら、これらの大多数は、来診ウィンドウ外で行われた試験介入に関連していた。プラセボ群における合計8人(8.3%)の参加者及びグセルクマブ群における12人(6.3%)の参加者は、早期離脱基準を満たさないにもかかわらず、早期離脱に誤って送られた。プラセボ群及びグセルクマブ群において、それぞれ14人(14.6%)及び27人(14.3%)の参加者について、主要なプロトコル逸脱の「他の」理由を記録した。
治療コンプライアンス率は両方の試験群で高く、24週目までの平均(SD)率はプラセボ群で99.8%(2.04%)、グセルクマブ群で99.6%(4.06%)であった。プラセボ群では、プラセボ注射の平均(SD)コンプライアンス率は99.7%(3.40%)であった。プラセボ群の合計45人の参加者に早期離脱を割り当て、24週目の前にグセルクマブ注射を受けた。これらの参加者のうち、グセルクマブ注射のコンプライアンス率は100.0%であった。グセルクマブ群では、グセルクマブ注射の平均(SD)コンプライアンス率は99.6%(4.06%)であった。グセルクマブ群の合計39人の参加者は、早期離脱を割り当てられ、16週目にプラセボ注射を受け、コンプライアンス率は100.0%であった。
24週目まで治療失敗基準を満たした参加者の要約を表9に示す。24週目に、プラセボ群及びグセルクマブ群の参加者のそれぞれ54.2%(n=52)及び27.0%(n=51)が、1つ又は2つ以上の治療失敗基準を満たした。両方の試験群における参加者の最大の割合は、16週目での早期離脱による治療失敗として分類された(プラセボ群及びグセルクマブ群においてそれぞれ46.9%[n=45]及び20.6%[n=39])。これには、16週目に早期離脱に間違って送られたが、早期離脱基準を満たさなかった20人の参加者(プラセボ群及びグセルクマブ群においてそれぞれ8人及び12人)も含まれていた。
24週目以前の治療曝露の要約を表10に示す。24週目の来診の前に、両方の群における参加者の大多数(>92%)は、試験介入の4回以上の投与を受けていた。これらのうち、84人の参加者が16週目に早期離脱基準を満たした。プラセボ群の早期離脱参加者(96人の参加者のうち45人)は、16週目及び20週目にグセルクマブ用量を受けており、グセルクマブ群の参加者(189人の参加者のうち39人)は、16週目にプラセボを受けていた。24週目までグセルクマブを投与されたプラセボ(早期離脱)群及びグセルクマブ群の参加者は、それぞれ平均(SD)2.0(0.15)及び3.9(0.44)のSC用量のグセルクマブを投与された。グセルクマブの総平均(SD)投与量は、プラセボ早期離脱群において197.8mg(14.91mg)であり、グセルクマブ群において389.4mg(43.69mg)であった。平均(SD)追跡期間は、両群について同様であった(プラセボ群及びグセルクマブ群について、それぞれ、23.8週[2.14週]及び23.9週[1.50週])。
統計的方法
有効性:
有効性の一次分析は、試験薬剤の少なくとも1用量(完全又は部分的)を受けた全ての無作為化された参加者を含んだ。有効性分析において、参加者は、彼らが受けた治療にかかわらず、彼らが割り当てられた無作為化治療群毎に分析された。二元応答有効性評価項目については、非生物学的DMARDのベースライン使用(はい、いいえ)及び1つ又は2つの抗TNFα剤への事前曝露によって層別化されたコクラン-マンテル-ヘンツェル(Cochran-Mantel-Haenszel、CMH)検定を使用して、治療比較を行った。治療差の大きさは、Wald統計に基づいて計算された95%信頼区間(confidence interval、CI)及びp値を伴う、グセルクマブ群とプラセボ群との間の応答率の差によって推定された。
連続的評価項目については、混合効果モデル反復測定(Mixed-Effect Model Repeated Measures、MMRM)モデルを使用して治療比較を行った。モデルは、24週目までの2つの治療群からの全ての利用可能なデータを含んでいた。グセルクマブ群とプラセボ群との間の治療の差を、LS平均の差によって推定した。LS平均及びp値の差についての95%CIを計算した。
特に明記しない限り、全ての治療群の比較は、0.05の両側αレベルで行われる。
全体的なタイプ1エラー率を制御するために、主要評価項目及び二次的評価項目を固定された順序で試験した。主要評価項目(24週目にACR20応答を達成した参加者の割合)が陽性(p<0.05)であった場合にのみ、第1の二次的評価項目(24週目のHAQ-DIスコアのベースラインからの変化)を試験した。同様に、以前の二次的評価項目が陽性(p<0.05)であった場合にのみ、第2(24週目にACR50応答を達成した参加者の割合)、第3(24週目のSF-36 PCSスコアにおけるベースラインからの変化)、及び第4(ベースラインで≧3%BSA及び≧2 IGAを有する参加者のうち、24週目にPASI 100応答を達成した参加者の割合)の二次的評価項目は、試験した。主要評価項目又は二次的評価項目のうちの1つが陰性と検定され、正式な検定が停止された場合、95%信頼区間及び名目上の未調整p値を、残りの評価項目について順次生成した。
探索的分析のために、名目上のp値を報告した。
ほとんどの有効性分析は、複合的エスティマンド(Composite Estimand)に基づいており、これは、変数測定値並びに治療失敗(Treatment Failure、TF)基準において定義された併発事象に基づいて治療効果を評価した。参加者は、24週目までで、彼らが以下のTF基準のいずれかを満たした最も早い日からTFとみなされた:
・何らかの理由により、試験薬注射を中止した。
・何らかの理由により、試験への参加を終了した。
・PsAのベースラインに対して、非生物学的DMARD(MTX、SSZ、HCQ、LEF)又は経口コルチコステロイドの用量を開始又は増加させた。
・PsAについてのプロトコル禁止医薬/療法を開始した。
・早期離脱基準を満たした。
このエスティマンドは、TF基準を満たすことが好ましくないアウトカムであることを承認する。したがって、応答タイプの評価項目については、TFは非応答を意味し、連続的評価項目については、TFはベースラインからの変化がないことを意味する。
安全性:
安全性分析セットは、少なくとも1(完全又は部分)用量の試験薬剤を受けた全ての参加者を含んでいた。安全性分析において、参加者は、彼らが無作為化された治療群にかかわらず、彼らが受けた治療毎に分析された。試験中、治療下で発現した有害事象、検査検体値、及びバイタルサイン測定値をまとめた。治療下で発生した有害事象を、Medical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)、バージョン23.0に従ってコード化した。
結果:
試験母集団:
0週目に無作為化された285人の参加者(プラセボ群で96人及びグセルクマブ群で189人)のうち、5人の参加者(プラセボ群で2人[2.1%]及びグセルクマブ群で3人[1.6%])は、24週目までに試験を中止した。プラセボ群では、1人の参加者が同意を撤回し、1人の参加者が「その他」の理由により中止した。グセルクマブ群では、2人の参加者が同意を撤回し、1人が追跡不能であった。
プラセボ群及びグセルクマブ群における参加者の人口統計的特性は、年齢(それぞれ平均[SD]=49.1[12.14]歳及び49.1[12.31]歳)並びにBMI(それぞれ平均[SD]=30.7[7.12]kg/m2及び29.0[5.86]kg/m)に観点から均衡がとれていた。両方の試験群の参加者は、肥満の頻度が最も高く、ベースラインでBMI≧30kg/mを有した(プラセボ群及びグセルクマブ群についてそれぞれ45.3%(n=43)及び39.2%(n=74))。グセルクマブ群は、プラセボ群よりも高齢な参加者(65歳以上の年齢)の割合が高かった(10.6%、n=20対7.3%、n=7)。男性参加者の割合は、グセルクマブ群(45.5%、n=86)よりもプラセボ群(54.2%、n=52)において高かった。
ベースラインにおけるPsA特性:
リウマチ小結節のない多関節性関節炎(41.7%[n=40]及び39.4%[n=74])並びに非対称性末梢関節炎(37.5%[n=36]及び35.1%[n=66])は、それぞれプラセボ及びグセルクマブ群において、最も頻繁に報告されたサブタイプであった。ACRコンポーネントに関して、腫脹関節及び圧痛関節の平均(SD)数は、プラセボ群においてそれぞれ9.0(5.69)及び18.2(10.68)であり、グセルクマブ群においてそれぞれ10.2(6.75)及び21.0(13.21)であった。プラセボ群及びグセルクマブ群における平均(SD)HAQ-DIスコアは、それぞれ1.2227(0.59747)及び1.3305(0.60157)であった。同様の平均(SD)CRPレベルが、プラセボ群及びグセルクマブ群において観察された(それぞれ、1.154[2.5358]及び1.225[1.9583])。
LEIに基づくと、プラセボ群の参加者の66.7%(n=64)及びグセルクマブ群の参加者の67.4%(n=126)が腱付着部炎に罹患していた。指炎は、プラセボ群及びグセルクマブ群の参加者のそれぞれにおいて、37.5%(n=36)及び35.8%(n=67)によって報告された。
ベースラインにおける乾癬特性:
プラセボ群の合計61人(63.5%)の参加者及びグセルクマブ群の120人(63.4%)の参加者が、ベースラインで乾癬皮膚疾患を報告した。乾癬の程度(BSAに関して)は、プラセボ群において最も頻繁に<3%(34.4%、n=33)及び≧3%及び<10%(27.1%、n=26)であり、グセルクマブ群において≧20%(31.7%、n=60)及び≧3%及び<10%(29.1%、n=55)であった。平均(SD)PASIスコアは、プラセボ群及びグセルクマブ群において、それぞれ9.2(9.41)及び11.7(11.87)であった。IGAスコア≧2を有する参加者の割合は、プラセボ群及びグセルクマブ群においてそれぞれ69.8%及び78.8%であった。頭皮乾癬(プラセボ群及びグセルクマブ群においてそれぞれ78.7%[n=48]及び82.5%[n=99])並びに爪乾癬(プラセボ群及びグセルクマブ群においてそれぞれ78.7%[n=48]及び79.2%[n=95])が、ベースラインにおいて最も一般的に報告された乾癬型であった。手及び/又は足の関与は、プラセボ群及びグセルクマブ群の参加者のそれぞれにおいて、21.3%(n=13)及び23.3%(n=28)によって報告された。ベースラインDLQIスコアは、両方の群の参加者の間では、生活の質に対して乾癬の非常に大きな影響及び極めて大きな影響があったことが報告された(それぞれ58.3%[n=56]及び63.6%[n=119])。
治療失敗:
24週目に、プラセボ群及びグセルクマブ群の参加者のそれぞれ54.2%(n=52)及び27.0%(n=51)が、1つ又は2つ以上の治療失敗基準を満たした。両方の試験群における参加者の最大の割合は、16週目での早期離脱による治療失敗として分類された(プラセボ群及びグセルクマブ群においてそれぞれ46.9%[n=45]及び20.6%[n=39])。これには、16週目に早期離脱に間違って送られたが、早期離脱基準を満たさなかった20人の参加者(プラセボ群及びグセルクマブ群においてそれぞれ8人及び12人)も含まれていた。したがって、EEに正しく送られた参加者の割合は、プラセボ群及びグセルクマブ群についてそれぞれ38.5%(n=37)及び14.3%(n=27)であった。
曝露の程度:
24週目の来診の前に、両方の群における参加者の大多数(>92%)は、試験介入の4回以上の投与を受けていた。24週目までグセルクマブを投与されたプラセボ(早期離脱)群及びグセルクマブ群の参加者は、それぞれ平均(SD)2.0(0.15)及び3.9(0.44)用量のグセルクマブを投与された。これは、プラセボ(早期離脱)群における2回のグセルクマブ注射からの197.8mg(14.91mg)及びグセルクマブ群における4回のグセルクマブ注射からの389.4mg(43.69mg)の総平均(SD)用量に換算された。
有効性の結果:
有効性の一次分析を、複合的エスティマンドを用いて、完全分析セット(Full Analysis Set)で行った。
一次分析:24週目におけるACR20応答:
ACR20応答は、圧痛関節数(68の関節)及び腫脹関節数(66の関節)の両方におけるベースラインからの≧20%の改善、並びに5つの追加のACR指定評価のうち少なくとも3つにおけるベースラインからの≧20%の改善として定義された。24週目に、複合的エスティマンドに基づいて、プラセボ群と比較して、グセルクマブ群の有意により高い割合の参加者がACR20応答を達成した(44.4%[n=84]対19.8%[n=19])。グセルクマブに有利な群間の百分率差(95%CI)は、24.6(14.1、35.2;p<0.001)であった。以下の表11及び12を参照されたい。
二次分析:
ベースラインから24週目までのHAQ-DIの変化:
HAQ-DIは、参加者の機能状態を測定し、0~3の尺度でスコア付けされ、スコアが低いほど機能が高いことを示す。24週目に、プラセボ群と比較してグセルクマブ群において、ベースラインからの有意により大きな平均低下が観察された(LS平均(95%CI)=0.178[-0.269,-0.086]対-0.009[-0.120,-0.102])。グセルクマブに有利な群間の平均差(95%CI)は、-0.169(-0.279、-0.059、p=0.003)であった。表13及び表14を参照されたい。
24週目のACR50応答:
ACR50応答は、ACR応答スコアのベースラインからの≧50%の改善として定義される。24週目に、プラセボ群と比較して(5.2%,n=5)、グセルクマブ群の有意により高い割合の参加者(19.6%,n=37)がACR50応答を達成した。グセルクマブに有利な群間の百分率差(95%CI)は、14.3(7.2、21.4;p=0.001)であった。表15及び表16を参照されたい。
ベースラインから24週目までのSF-36PCSの変化:
24週目に、プラセボ群と比較してグセルクマブ群において、SF-36PCSスコアにおけるベースラインからの有意により大きな改善が観察された(それぞれLS平均(95%CI]=3.514[2.314,4.715]対-0.387[-1.841,1.067])。グセルクマブに有利な群間のLS平均差異は、3.901(95%CI=2.457、5.346;p<0.001)であった。表17及び表18を参照されたい。
ベースラインでBSA≧3%及びIGAスコア≧2を有する参加者のうちの24週目でのPASI100応答:
24週目に、PASI100応答を達成した参加者の割合は、プラセボ群よりもグセルクマブ群において有意に高かった(それぞれ、30.8%[n=41]対3.8%[n=2])。グセルクマブに有利な群間の百分率差(95%CI)は、27.4(17.9、36.8;p<0.001)であった。表19及び表20を参照されたい。
探索的分析
24週目におけるSF-36 MCSスコアのベースラインからの変化を、SF-36機器の8つの尺度に基づいて計算し、スコアが高いほど健康が良好であることを示した。24週目に、SF-36スコアのLS平均(95%CI)変化は、プラセボ群(0.364[-1.525、2.252])よりもグセルクマブ群(2.095[0.540、3.650])において数値的に高かった。群間の平均差(95%CI)は、1.731(-0.144、3.606)であった。TF基準を満たすかどうかにかかわらず、全ての観察された24週目データを使用した分析から同様の結果が得られたが、群間の平均差(95%CI)(0.909[-1.222、3.040])は、一次分析からの結果と比較して低かった。EE TF基準を無視することによってEE誤差を補正する解析では、グセルクマブに有利な群間の平均差(95%CI)(2.075[0.178、3.972])は、一次分析で得られた結果よりも大きかった。
ベースラインでは、プラセボ群の合計64人(66.7%)の参加者及びグセルクマブ群の126人(67.4%)の参加者が、腱付着部炎に罹患しており、LEIスコア>0であった。腱付着部炎におけるベースラインからの変化を、24週目にLEIで測定する。LEIは、6つの腱付着部炎部位に基づいて計算され、ベースラインからの負の変化は改善を示す。24週目に、プラセボ群と比較してグセルクマブ群において、ベースラインからの腱付着部炎のより大きな改善が観察された(それぞれLS平均(95%CI]=-1.377[-1.738,-1.015]対-0.680[-1.125,-0.235])。グセルクマブに有利な群間の平均差(95%CI)は、-0.697(-1.145、-0.248)であった。同様の結果が、TF基準を満たすかどうかにかかわらず、全ての観察された24週目のデータを使用した分析について得られた(補足分析1)。しかしながら、群間の平均差(95%CI)(-0.269[-0.728、0.189])は、一次分析からの結果より低かった。
ベースラインでSPARCCスコア>0を有する参加者の間の24週目の腱付着部炎におけるベースラインからの変化を測定した。腱付着部炎のSPARCC測定は、対象となる16の腱に圧をかけ、その部位の疼痛を評価することに基づいており、負のスコアは改善を示した。24週目に、プラセボ群と比較してグセルクマブ群において、ベースラインからの腱付着部炎のより大きな改善が観察された(それぞれLS平均(95%CI]=-2.049[-2.719,-1.380]対-1.150[-1.978,-0.322])。-0.899(-1.735、-0.063)の平均差(95%CI)が、グセルクマブを優先して群間で観察された。同様の結果が、TF基準を満たすかどうかにかかわらず、全ての観察された24週目のデータを使用した分析について得られた。しかしながら、群間の平均差(95%CI)(-0.496[-1.403、0.412])は、一次分析より低かった。
プラセボ群の合計36人(37.5%)の参加者及びグセルクマブ群の67人(35.8%)の参加者が、ベースラインで指炎を患っていた。ベースラインで指炎を有する参加者の間の指炎におけるベースラインからの変化を測定した。指炎は0~60の尺度でスコア付けし、各指について最大スコアは3であり、ベースラインスコアからの負の変化は改善を示す。24週目に、グセルクマブ群の参加者は、プラセボ群と比較して、指炎スコアにおけるベースラインからの数値的により大きな平均低下を記録した(それぞれ、LS平均[95%CI]=-2.488[-3.704,-1.273]対-1.282[-2.695,0.131])。-1.206(-2.621、0.208)の平均差(95%CI)が群間で観察された。対照的な結果が、TF基準を満たしているにもかかわらず、全ての観察された24週目データを用いた分析において観察され、グセルクマブ群における指炎の平均改善(95%CI)(0.323[-1.087,1.733])は、プラセボ群よりも低かった。
24週目でのFACIT-Fスコアにおけるベースラインからの変化を測定した。FACIT-Fスコアは0~52の範囲で、より高いスコアは、より少ない倦怠感を示す。24週目に、プラセボ群(1.050[-0.780、2.881])と比較して、グセルクマブ群(4.607[3.102、6.113])において、FACIT-Fスコアのより大きな平均増加が観察された。グセルクマブに有利な群間の平均差(95%CI)は、3.557(1.741、5.373)であった。TF基準を満たすかどうかにかかわらず、全ての観察された24週目データを使用した分析からの結果は、一次分析と同様であった。しかしながら、グセルクマブに有利な群間の平均差(95%CI)(2.979[0.859、5.098])は、一次分析よりも小さかった。
24週目までの来診による腫脹及び圧痛関節数のベースラインからの変化を測定した。合計68及び66の評価可能な関節からそれぞれ圧痛関節及び腫脹関節を計数した。各時点での変化を0(改善なし)のベースラインから測定し、正の値は腫脹又は圧痛関節の増加を示し、負の値は減少を示した。グセルクマブ治療後の圧痛関節及び腫脹関節の改善は8週目から明らかであり、グセルクマブに有利な、それぞれ-3.308(-5.487、-1.129)及び-1.847(-3.074、-0.620)の平均(95%CI)差が群間で観察された。8週目の介入間の乖離は経時的に増加し、グセルクマブに有利な-3.965(-6.046、-1.884)及び-2.433(-3.638、-1.228)の平均差(95%CI)が、24週目に、圧痛関節数及び腫脹関節数においてそれぞれ観察された。
24週目のDAS28CRPにおけるベースラインからの変化を測定した。DAS28は、圧痛関節数(28関節)、腫脹関節数(28関節)、CRP、及び患者の疾患活動性のグローバル評価を組み合わせ、スコアが高いほどPsA重症度が高いことを示す。4週目に、平均DAS28スコアのより大きな減少が、プラセボ群と比較してグセルクマブ群において観察された。グセルクマブに有利な群間の平均差(95%CI)は、-0.272(-0.449、-0.095)であった。群間の差は経時的に維持され、4週目から24週目まで増加した。24週目において、グセルクマブに有利な群間の平均差(95%CI)は、-0.655(-0.898、-0.412)であった。同様の結果が、TF基準を満たすかどうかにかかわらず、全ての観察された24週目のデータを使用した分析について得られた。4週目における群間の平均差(95%CI)は、-0.259(-0.439、-0.079)であった。群間の差は、その後の時点にわたって増加し、24週目における群間の平均差(95%CI)は、-0.474(-0.728、-0.221)であった。
ベースラインからのDAPSAスコアの変化を測定した。DAPSAスコアは、圧痛関節数及び腫脹関節数、CRP、患者の疼痛の評価、並びに患者による関節炎疾患活動性のグローバル評価の複合であり、より高いDAPSAスコアは、より大きな疾患重症度を示す。24週目に、プラセボ群(-5.754[-9.517、-1.991])と比較して、グセルクマブ群(-14.541[-17.639、-11.443])において、ベースラインからのDAPSAスコアにおけるより大きな平均(95%CI)低下が観察された。グセルクマブに有利な群間の平均差(95%CI)は、-8.787(-12.538、-5.036)であった。観察された24週目のデータ分析の結果は、一次分析からの結果と一致したが、群間の差の大きさ(95%CI)(-5.764[-9.595,-1.933])はより低かった。
24週目までの来診によってBASDAIスコアにおいてベースラインから≧20%、≧50%、≧70%、及び≧90%の改善を達成した参加者の割合を測定した。BASDAIは、患者の自己評価による強直性脊椎炎の5つの主要症状に関する6つの質問に基づく。より高いスコアは、より大きな疾患重症度を示し、50%又は2ポイントのスコア減少は、臨床的に意味があると考えられる。プラセボ群(26[27.1%])及びグセルクマブ群(47[25.0%])における一次関節炎症状として、脊椎炎及び末梢関節障害に罹患した参加者のサブセットのうち、プラセボ群及びグセルクマブ群における同様の割合の参加者が、24週目のBASDAIスコアにおいて≧20%の改善(それぞれ34.6%[n=9]及び31.9%[n=15])及び≧50%の改善(それぞれ5(19.2%[n=5]及び19.1%[n=9])を達成した。スコアにおける≧70%及び≧90%の改善が、グセルクマブ群においてのみ観察された(それぞれ、2.8%[n=6]及び2.1%[n=1])。
24週目までの来診によるmCPDAIにおけるベースラインからの変化を測定した。mCPDAIスコアは、圧痛関節数及び腫脹関節数、HAQ-DI、PASI、DLQI、指炎及び腱付着部炎の組み合わせから計算される。最終的なスコアは0~12の範囲であり、より高いスコアはより大きな疾患重症度を示す。16週目及び24週目に、プラセボ群(それぞれ-0.560[-1.061,-0.058]及び-0.426[-0.981,0.130])と比較して、グセルクマブ群(それぞれ-1.913[-2.334,-1.493]及び-1.853[-2.318,-1.388])において、mCPDAIスコアにおけるベースラインからのより大きな平均(95%CI)低下が観察された。16週目及び24週目におけるグセルクマブに有利な群間の平均差(95%CI)は、それぞれ-1.354(-1.850、-0.858)及び-1.428(-1.974、-0.881)であった。同様の結果が、TF基準を満たすかどうかにかかわらず、全ての観察された24週目のデータを使用した分析から得られたが、グセルクマブに有利な群間の24週目(-0.864[-1.389,-0.339])での差の大きさ(95%CI)は、一次分析と比較して低かった。
複合的エスティマンドに基づく、24週目におけるGRACEスコアのベースラインからの変化を測定した。GRACE指数スコアは、望ましさ関数の算術平均(arithmetic mean of the desirability function、AMDF)から計算される。AMDFは、圧痛関節数及び腫脹関節数、HAQ-Dスコア、患者による疾患活動性(関節症及び乾癬)のグローバル評価、患者による皮膚病の活動性評価、患者による疾患活動性(関節症)のグローバル評価、PASIスコア、及び乾癬性関節炎の生活の質指数スコアの関数である。より高いGRACEスコアは、より高い疾患重症度を示す。16週目及び24週目に、プラセボ群(それぞれ-0.363[-0.720,-0.005]及び-0.287[-0.663,0.088])と比較して、グセルクマブ群(それぞれ-1.451[-1.749,-1.153]及び-1.538[-1.850,-1.225])において、GRACEスコアにおけるベースラインからのより大きな平均低下(95%CI)が観察された。これは、ベースラインから24週目までのグセルクマブ群における疾患活動性の低下を示した。16週目及び24週目におけるグセルクマブに有利な群間の平均差(95%CI)は、それぞれ-1.089(-1.446、-0.731)及び-1.251(-1.626、-0.876)であった。同様の結果が、TF基準を満たすかどうかにかかわらず、全ての観察された24週目のデータを使用した分析から得られたが、グセルクマブに有利な群間の24週目(-0.815[-1.181,-0.450])での差の大きさ(95%CI)は、一次分析と比較して低かった。
24週目までGRACEに基づいて低い疾患活動性(≦2.3)を達成した参加者の結果を測定した。16週目及び24週目に、プラセボ群(それぞれ、5.2%[n=5]及び3.1%[n=3])と比較して、グセルクマブ群(それぞれ、15.3%[n=29]及び17.5%[n=33])の参加者のより大きな割合で、低い疾患活動性が観察された。グセルクマブに有利な16週目及び24週目の群間の百分率差(95%CI)は、それぞれ10.1(3.4、16.8)及び14.3(7.9、20.6)であった。ベースラインでは、プラセボ群の合計64人(66.7%)の参加者及びグセルクマブ群の126人(67.4%)の参加者が、腱付着部炎に罹患しており、LEIスコア>0であった。
24週目に、腱付着部炎の解消は、ベースラインにおいて少なくとも1つ(合計6つのうち)の腱付着部炎部位を有した参加者において腱付着部炎がないこととして定義された。24週目に、プラセボ群(18.8%[n=12])と比較して、グセルクマブ群(39.7%[n=50])の参加者のより高い割合が、腱付着部炎の解消を報告した。グセルクマブに有利な群間の24週目での百分率差(95%CI)は、21.6(8.8、34.4)であった。同様の結果が、TF基準を満たすかどうかにかかわらず、全ての観察された24週目のデータを使用した分析から得られた。しかしながら、グセルクマブに有利な群間の百分率差(95%CI)(11.0[-3.7、25.7])は、一次分析から得られたものより低かった。
ベースラインで腱付着部炎(LEI)を有する参加者のうち、複合的エスティマンドに基づいて、及びTF基準分析1を満たすかどうかにかかわらず観察された全ての24週目データを使用する分析について、24週目までの来診によって腱付着部炎(LEI)の解消を達成する参加者の割合が、それぞれ添付ファイルTEFENL05及び添付ファイルTEFENL06に提示されている。
プラセボ群の合計36人(37.5%)の参加者及びグセルクマブ群の67人(35.8%)の参加者が、ベースラインで指炎を患っていた。24週目に指炎の解消を達成した参加者の割合を測定した。指炎は、各指(手及び足)について3の最大スコアで、0~60の尺度でスコア付けされる。指炎の解消は、ベースラインで0を超えるスコアを有した参加者について0のスコアとして定義された。24週目に、プラセボ群(25.0%、n=9)と比較して、グセルクマブ群(44.8%、n=30)の参加者のより高い割合が、指炎の解消を達成した。19.9(2.7、37.1)の百分率差(95%CI)が、グセルクマブに有利な群間で観察された。TF基準を満たすかどうかにかかわらず、全ての観察された24週目データを使用した分析からの結果は、一次分析と相反した;グセルクマブ群(59.7%、n=40)と比較して、プラセボ群(63.9%、n=23)の参加者の数的により高い割合が、指炎の解消を達成した。群間の百分率差(95%CI)は、-3.0(-21.8、15.8)であった。
24週目にMDA及びVLDAを達成した参加者の割合を測定した。最小疾患活動性(MDA)は、以下の7つの基準のうち少なくとも5つを達成するものとして定義される:圧痛関節数≦1、腫脹関節数≦1、乾癬活動性及び重症度指数≦1、患者による疼痛評価≦15、患者による疾患活動性のグローバル評価≦20、HAQ-DIスコア≦0.5、圧痛腱付着点≦1。以下の全ての7つの基準が満たされた場合、非常に低い疾患活動性(VLDAが)達成された。24週目に、プラセボ群と比較して(3.1%,n=3)、グセルクマブ群のより高い割合の参加者(14.8%,n=28)がMDA応答を達成した。グセルクマブに有利な群間の百分率差(95%CI)は、11.7(5.6、17.7)であった。TF基準を満たすかどうかにかかわらず、全ての観察された24週目データを使用した分析からの結果は、一次分析と一致した;グセルクマブに有利な群間の百分率差(95%CI)は、11.6(4.7、18.5)であった。24週目に、グセルクマブ群の7人(3.7%)の参加者がVLDA応答を達成したのに対し、プラセボ群では誰も達成しなかった。TF基準を満たすかどうかにかかわらず、全ての観察された24週目データを使用した分析から得られた結果は、一次分析と同一であった。
16週目及び24週目に、プラセボ群(両方の時点で3.1%、n=3)と比較して、グセルクマブ群の参加者のより大きな割合(それぞれ、10.6%[n=20]及び14.8%[n=28])がMDA応答を達成した。16週目及び24週目におけるグセルクマブに有利な群間の百分率差(95%CI)は、それぞれ7.5(1.9、13.0)及び11.7(5.6、17.7)であった。TF基準を満たすかどうかにかかわらず、全ての観察された24週目データを使用した分析からの結果は、一次分析と一致した;16週目及び24週目におけるグセルクマブに有利な群間の百分率差(95%CI)は、それぞれ7.5(1.5、13.5)及び11.6(4.7、18.5)であった。16週目に、グセルクマブ群の3人(1.6%)の参加者及び1人(1.0%)の参加者がVLDA応答を達成した。24週目までに、グセルクマブ群の7人(3.7%)の参加者がVLDA応答を達成した。プラセボ群の参加者は、24週目までにVLDA応答を誰も達成しなかった。
安全性の結果:
24週目までの安全性の分析のためのデータセットは以下の通りであった:
・プラセボにて:これは、0週目にプラセボ群に無作為化された96人の参加者を含んだ。これらのうち、51人は24週目までプラセボのみを受け、45人は16週目にグセルクマブに切り替えるまでプラセボを受けた。このセットについては、プラセボを服用している間の安全性のみが記載されている。
・24週目の前にプラセボからグセルクマブに切り替えられた:これは、プラセボ群に無作為化されたが、早期離脱基準を満たし、16週目にグセルクマブに切り替えられた45人の参加者を含んだ。このセットについては、グセルクマブを服用している間の安全性事象のみが記載された。
・グセルクマブに無作為化された:これは、0週目にグセルクマブ群に無作為化され、24週目までグセルクマブのみを受けた189人の参加者を含んだ。盲検を維持するために16週目に早期離脱プラセボ注射を割り当てられたこのセットの参加者もまた、この群の一部とみなされた。
・グセルクマブ併用:これは、24週目まで少なくとも1用量のグセルクマブを受けた234人の参加者を含み、0週目にグセルクマブを受けるように無作為化された参加者(189人の参加者)に加えて、早期離脱後24週目より前にグセルクマブに切り替えたプラセボ群からの参加者(45人の参加者)を含んだ。
24週目までのAEの要約:
24週目までに、プラセボ群の46人(47.9%)の参加者及びグセルクマブ併用群の86人(36.8%)の参加者が少なくとも1つのTEAEを報告し、そのうちの3人(3.1%)及び8人(3.4%)がそれぞれ少なくとも1つの重篤な有害事象(SAE)を報告し、2人(2.1%)及び5人(2.1%)がそれぞれAEのために試験介入を中止した。早期離脱後にグセルクマブに切り替えた参加者のうち、6人(13.3%)が少なくとも1つのTEAEを報告し、1人(2.2%)が少なくとも1つのSAEを報告したが、AEのために試験介入を中止した者はいなかった。各群の参加者の大多数(>95%)は、軽度又は中程度の強度のAEのみを報告した。第24週目まで死亡は報告されなかった。
24週目までの関連TEAE:
プラセボ群では、感染症及び外寄生(n=8、8.3%)が、試験介入に関連すると考えられる最も頻繁に報告された治療下で発生したAEであった。グセルクマブ併用群では、試験介入に関連すると合理的に考えられるTEAEが27人(11.5%)の参加者によって報告され、そのうちの2人は早期離脱後にグセルクマブに切り替えた。グセルクマブに対して妥当な因果関係を有する最も頻繁に報告されたTEAEは、感染症及び寄生虫症(n=10、4.3%)、一般的障害及び投与部位状態(n=6、2.6%)、並びに実験室調査における異常(n=6、2.6%)であった。
24週目までの重篤な有害事象:
24週目までに、プラセボ群の3人(3.1%)の参加者及びグセルクマブ併用群の8人(3.4%)の参加者が、少なくとも1つのSAEを経験し、そのうちの1人は早期離脱後にグセルクマブに切り替えた。
他の有意な有害事象:
24週目まで、プラセボ群の2人(2.1%)の参加者及びグセルクマブ併用群の5人(2.1%)が、1つ又は2つ以上のTEAE後に試験介入を中止した。
24週目の結論:
本試験における0週目及び4週目、次いで8週毎のグセルクマブ100mgによる治療は、24週目のACR20応答の主要評価項目に関して、プラセボに勝るグセルクマブの優位性を実証した。プラセボに勝るグセルクマブの優位性は、予め定義された階層的試験手順に基づいて、24週目における4つの主要な二次的評価項目:HAQ-DI、ACR50応答、SF-36 PCS、及びPASI100、全てに関して確立された。
全体として、グセルクマブは、関節及び皮膚乾癬の徴候及び症状に対して頑強な有効性を示し、身体機能を改善し、健康に関連する生活の質の身体的コンポーネントを改善した。
グセルクマブ投与レジメンは、この試験において24週目まで安全であり、忍容性が良好であった。抗TNF療法に対して抵抗性であった乾癬性関節炎患者のこの集団における24週目までのグセルクマブの安全プロファイルは、一般に、乾癬又は生物学的にナイーブな乾癬性関節炎徴候において示されたものと一致する。
48週目:有効性の結果
48週目の前に、対象の11.6%及び13.5%が、それぞれ、GUS及びPBO群において試験薬剤を中止した。試験薬剤の中止の最も一般的な理由は、有害事象(それぞれ、31.8%対23.1)、有効性の欠如/喪失(それぞれ、22.7%対23.1)及び対象による離脱(それぞれ、22.7%対23.1)であった。24週後に試験薬剤を継続した対象(それぞれ174及び87人、FAS2に含まれる)のうち、4.0%及び4.6%の対象が、それぞれGUS及びPBO群において、24週後及び48週前に試験薬剤を中止した。48週目より前に、1つ又は2つ以上の主要なプロトコル逸脱を有する、45.0%及び45.8%の対象が、それぞれGUS及びPBO群において報告され、そのうちそれぞれ24.7%及び20.5%がCOVID-19によるものであった。データの医学的検証に基づいて、主要なプロトコル逸脱が48週目の有効性分析に影響を与えたため、合計で11人の対象を56週目のプロトコル毎の分析から除外した。
ACR応答
4週目から48週目までの経時的なACR20/50/70応答を達成する対象の割合を以下に要約する。以下の表21及び22に示すように、GUS無作為化対象のうち、ACR20応答を達成する対象の全体的な観察された割合は、24週目で54.9%であり、更に48週目で72.3%までであった。16週目のEEに送られた対象のうち、36.8%が24週目にACR20応答を達成し、58.3%が48週目に達成した。16週目のEEを対象のうち、ACR20応答は、24週目に59.6%、48週目に76.2%の対象において観察された。24週目にACR20を達成し、48週目まで試験を継続したGUS無作為化対象のうち、91.2%が、EE経路を取ることに関係なく、48週目にACR20を維持した。
以下の表23及び24に示されるように、GUS無作為化対象において、16週目にEEに送られた対象及び送られなかった対象について、24週目で、それぞれ13.2%及び26.7%のACR50応答が観察された。48週目では、これはそれぞれ41.7%及び50.4%に増加した。全体として、48週目に48.5%がACR50応答を達成した。24週目にACR50を達成し、48週目まで試験を継続したGUS無作為化対象のうち、94.6%が、EE経路を取ることに関係なく、48週目にACR50を維持した。
以下の表25及び26に示されるように、GUS無作為化対象において、16週目EEに送られた対象及びEEなしの対象について、24週目で、それぞれ2.6%及び10.3%のACR70応答が観察された。48週目に、ACR70応答率は、それぞれ22.2%及び30.1%に増加した。全体として、48週目に28.4%がACR70応答を達成した。24週目にACR70を達成し、48週目まで試験を継続したGUS無作為化対象のうち、81.3%が48週目にACR70を維持した。
HAQ-DI
以下の表27に示すように、ベースラインでの1.33の平均HAQ-DIから開始して、GUS無作為化対象は、24週目で平均0.29ポイント、48週目で平均0.47ポイント改善した。16週目EEに送られた対象は、EEなしの対象と比較して、わずかに高いベースライン、1.31と比較して1.42を有した。EEに送られたGUS無作為化対象は、24週目において、EEなしのGUS対象と比較して、-0.32と比較して-0.18で、改善が少なかったが、48週目におけるこれらの群間の改善は同様であり、それぞれ、-0.48と比較して-0.43であった。
SF36-PCS
以下の表28に示すように、ベースラインでの33.0の平均SF36-PCSスコアから開始して、GUS無作為化対象は、24週目で平均5.83ポイント、48週目で平均8.44ポイント改善した。EEに送られた対象は、EEなしの対象と比較して、わずかに低いベースライン、33.3と比較して31.8を有した。24週目での平均改善は、それぞれ5.11及び6.02であり、48週目では7.83及び8.60であった。
PASI応答
PASI100、PASI90及びPASI75応答を、ベースライン(登録)で≧3%の体表面積(BSA)乾癬病変、及び≧2(軽度)の治験責任者によるグローバル評価(IGA)スコアを有した対象(それぞれ全PBO及びGUS集団の55%及び70%)の間で評価した。
以下の表29に示すように、GUS無作為化対象のうち、PASI100応答を達成する対象の全体的な観察された割合は、24週目で41.1%であり、48週目で66.1%に増加した。16週目EEに送られたGUS対象のうち、53.6%が48週目にPASI100応答を達成したが、EEなしの対象のうち、69.9%が48週目にPASI100応答を達成した。全体の48週目の応答は、PASI90について84.3%、PASI75について93.4%であった。
圧痛関節数
以下の表30に示されるように、GUS無作為化対象について、ベースラインで、圧痛関節の平均の数は21.0であり、24週目で-10.1及び48週目で-12.9の平均改善を有した。16週目EEに送られた対象は、EEなしの対象と比較して、ベースライン時に平均でより多くの圧痛関節、20.5と比較して22.9を有した。EEあり又はEEなしの患者について、24週目での平均改善は、それぞれ-6.3及び-11.1であり、48週目では-12.0及び-13.2であった。
腫脹関節数
以下の表31に示されるように、GUS無作為化対象について、ベースラインで、腫脹関節の平均の数は10.2であり、24週目で-6.7及び48週目で-8.5の平均改善を有した。16週目EEに送られた対象は、EEなしの対象と比較して、ベースライン時に平均でより多くの腫脹関節、9.7と比較して12.4を有した。24週目での平均改善は、それぞれ-6.0及び-6.9であり、48週目では-9.8及び-8.2であった。
MDA状態
以下の表32に示すように、GUS無作為化対象のうち、MDAを達成する対象の全体的な観察された割合は、24週目で17.4%であり、48週目で32.5%であった。16週目EEに送られた対象のうち、5.3%が24週目にMDAを達成し、22.2%が48週目に達成し、EEなしの対象のうち、これは24週目に20.5%、48週目に35.3%であった。
腱付着部炎の解消
腱付着部炎の解消は、ベースライン(LEI>0)において腱付着部炎を有する対象において評価され、GUS集団及びPBO集団の両方の67%であった。以下の表33に示すように、GUS無作為化対象のうち、腱付着部炎の解消を達成する対象の全体的な観察された割合は、24週目で52.0%であり、48週目で67.50%であった。16週目のEEに送られた対象のうち、61.5%が48週目に腱付着部炎の解消を達成し、EEなしの対象のうち、これは69.3%であった。
FACIT-疲労改善
以下の表34に示すように、GUS無作為化対象のうち、FACIT-疲労スコアにおけるベースラインからの4ポイント以上の改善を有する対象の全体的な観察された割合は、24週目で58.5%であり、48週目で69.0%であった。16週目のEEに送られたGUS対象のうち、60.0%が48週目にFACIT-疲労において4ポイント以上の改善を達成したのに対し、EEなしの対象については71.3%であった。
56週目までの安全性:
無作為化で割り当てられた治療に関わらず、試験中に受けた実際の治療に従って、少なくとも1用量のグセルクマブ(部分的又は完全な)を受けた、全ての無作為化されかつ治療を受けた参加者全員の間で、56週目の安全性を評価した。これは、安全性分析セットとも称される。重要な安全性事象を以下の表35に要約する。
56週目までに、全体で対象の49.8%が少なくとも1つの有害事象を報告した。16週目又は24週目にGUSにクロスオーバーした患者については、これはそれぞれ46.7%及び44.4%であった。GUSに無作為化された患者については、24週目の後の追跡調査中の患者(30.5%)よりも多くの患者が、1回目の24週目の間に有害事象を報告した(42.3%)。GUS無作為化対象のうち、3.7%が24週目までに重篤な有害事象(SAE)を有し、2.9%が24週目の後の追跡調査中に重篤な有害事象(SAE)を有した。16週目にGUSにクロスオーバーしたPBO無作為化患者、並びに24週目にクロスオーバーした患者のうち、4.4%がSAEを報告した。全体として、対象の2.5%が、グセルクマブ投与の中止をもたらす有害事象を報告し、大部分は試験の最初の24週間で報告した(2.1%対1.7%)。
56週目までに、GUS治療対象の21.9%が、治験責任者によって同定された少なくとも1つの感染を有した。GUSに無作為化された患者については、24週目の後から56週目までの追跡調査中(9.2%)よりも多くの感染が、1回目の24週目の間に報告された(21.2%)。PBOに無作為化された対象のうち、15.6%が16週目のクロスオーバー後に感染を報告し、13.3%が24週目のクロスオーバー後に感染を報告した。2人の対象(0.7%)が1つ又は2つ以上の重篤な感染を報告し、1人はGUS無作為化対象であり、1人はPBO無作為化対象であり、両方とも肺炎を報告した。
56週目まで、全体で、GUS治療対象の1.8%(n=5)が、少なくとも1つの注射部位反応を有した。
56週目までに、1人(0.5%)の対象において悪性腫瘍が報告された。試験19週目にGUS群で報告されたこの悪性腫瘍は、前立腺癌であった。対象の慢性前立腺炎の病歴、及び試験治療開始と癌の診断との間の比較的短い間隔を考慮して、因果関係は、試験治療に関連しないと評価された。
56週目まで、死亡、日和見感染、結核、希死念慮又は行動、及びアナフィラキシー又は血清病反応は報告されなかった。
56週目まで、観察された治療上緊急の有害事象、器官別大分類(System Organ Class、SOC)は、感染症及び寄生虫症(20.8%)であり、そのうち、報告された最も一般的なAEは、上咽頭炎(5.7%)及び上気道感染(3.6%)であった。
56週目までに、アラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase、ALT)血清レベルの上昇が11人の対象(3.9%)においてAEとして報告され、そのうちの1人がSAEの指定に達した。上昇したアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferase、AST)血清レベルは、6人の対象(2.2%)においてAEとして報告された。1人の対象(0.4%)について、上昇した肝酵素はSAEとして報告された。これらのSAEに対する更なる詳細は、CSRにおいて提供される。
56週目まで、好中球及び白血球数の減少(有害事象として報告されている)が、それぞれ1.1%及び1.1%で観察された。これらの事象はいずれもSAEの閾値に達しなかった。
以下の表36に示されるように、24週目に評価された追加の二次的評価項目の結果もまた、ACR70、MDA、及びVLDAの達成に関して、並びにベースラインで3%以上のBSAを有し、乾癬及びIGA≧2を有する患者におけるPASI75及びPASI90の達成に関して、プラセボに勝るグセルクマブの数値的利益を示した。これらの分析は、非応答者代入法を用いて行った。ベースラインで腱付着部炎又は指炎を有する参加者の間で、プラセボ患者よりも数値的に高い割合のグセルクマブ患者が、24週目にそれぞれ腱付着部炎又は指炎の解消を有していた。臨床的に意味のある改善を反映する、FACIT-Fにおける≧4ポイントの改善を達成した患者の割合は、プラセボ群よりもグセルクマブ群において高かった。SF-36 MCSスコアにおけるベースラインからのLS平均変化もまた、グセルクマブ群において数値的により大きかった。
24週目の後、二次的評価項目についての応答率及び平均改善は、ベースラインでグセルクマブに無作為化された患者において48週目まで持続したか、又は数値的に改善された。24週目にプラセボからグセルクマブにクロスオーバーした患者の間で、二次的評価項目における応答率及び平均変化は48週目に増加した。
24週目にACR20、ACR50、又はACR70応答を達成したグセルクマブ無作為化患者について、応答の維持を評価した。これらの患者のうち、それぞれ83.3%(70/84)、81.1%(30/37)、及び86.7%(13/15)が48週目に応答を維持した。
考察及び第48/56週の結論
全体として、0週目、4週目、次いで、44週目まで8週毎(q8w)のグセルクマブ(guselkumab、GUS)100mgの有効性及び安全性を評価するCOSMOS臨床試験は、有効性の観点で実証された:(i)24週目のACR20応答の主要評価項目に関するPBOに勝るGUSの優位性、(ii)24週目における4つ全ての重要な二次的評価項目:HAQ-DI、ACR50応答、SF36-PCS、及びPASI100に関するPBOに勝るGUSの優位性(所定の階層的試験手順に基づく)、(iii)腱付着部炎及び指炎の解消、SF-36、FACIT-疲労などの探索的評価項目に関するPBOに勝るGUSの利益、(iv)GUS療法の48週目までの関節アウトカムにおける応答の高い維持(ACR20:91.2%;ACR50:94.6%;ACR70:81.3%)、及び(v)試験における患者の高い保持率が観察された(48週目まで85%超)。
全体として、GUSは、療法の48週目まで、関節及び皮膚乾癬の徴候及び症状に対して頑強な有効性を示し、身体機能、健康に関連する生活の質の身体的コンポーネントを改善した。GUS投与レジメンは、この試験において56週目まで安全であり、忍容性が良好であった。抗TNF療法に対して抵抗性であった乾癬性関節炎患者のこの集団における第56週までのグセルクマブの安全プロファイルは、一般に、乾癬又は生物学的にナイーブな乾癬性関節炎徴候において示されたものと一致する。24週目以降に評価された全てのアウトカムについて、経時的に利益が増加する傾向が観察された。これらの傾向が「観察されたままの」データに基づくと仮定すると、適切な非応答者及び多重代入法技術をこれらの観察に適用して、所見を確認する。これら及び他の探索的分析は、PBO患者をGUSに移行させる効果を含めて、臨床試験報告書において報告される。
試験の全体的な理論的根拠
この第3b相PsA臨床試験におけるグセルクマブの調査は、PsAを有する患者のサブセットを含む乾癬における第3相試験、並びにPsAにおけるグセルクマブを用いた第2a相試験及び2つの第3相試験からの頑強な有効性結果及び好ましい安全プロファイルによって支持された。
乾癬におけるグセルクマブの第3相試験は、2つの大規模なプラセボ及び活動性比較対照試験(CNTO1959PSO3001[VOYAGE-1]及びCNTO1959PSO3002[VOYAGE-2])を含み、これらは、ベースラインで活動性PsAを有する参加者を含んだ(それぞれ18.6%及び18.0%)。これらの試験は、グセルクマブが非常に有効であり、治療がこの集団における乾癬の迅速で、実質的で、かつ臨床的に有意な改善をもたらすことを一貫して実証した。全集団と比較して、グセルクマブは、性別、ベースライン年齢、ベースライン体重、人種、地理的地域、ベースライン時のPsAの有無、及び乾癬治療歴によって定義されるような、全ての亜集団にわたって同等に有効であった。両方の試験において、グセルクマブは、複数の主要評価項目及び全ての主要な二次的評価項目について、プラセボ又はアダリムマブよりも統計的に優れていた(p<0.001)。
PsAにおけるグセルクマブについての第2a相試験、CNTO1959PSA2001は、活動性PsA及び3%以上の体表面積(BSA)の乾癬を有する参加者において、関節症状、身体機能、乾癬、腱付着部炎、指炎、及び生活の質を含む有意な症状改善を実証した。主要評価項目及び全ての二次的評価項目は、この試験において満たされ、有効性は、グセルクマブ群の参加者の間で約1年の曝露を通して維持された。これらのデータは、グセルクマブをPsAにおける有効な治療介入として検証する、2つの登録済み第3相試験(CNTO1959PSA3001[DISCOVER-1]及びCNTO1959PSA3002[DISCOVER-2])において確認された。
第3相試験(DISCOVERプログラム)は、主に生物学的ナイーブな患者を含んだ。この試験(CNTO1959PSA3003[COSMOS])の目的は、臨床効果(関節及び乾癬性皮膚疾患の徴候及び症状の低減)を更に定義し、以前に抗TNFα療法に対して不十分な応答(すなわち、治療抵抗性)を有したか、又は抗TNFα療法に不耐性であった活動性PsAを有する患者の治療におけるグセルクマブの安全性を評価することであった。
本発明は更に、抗TNF療法に対する不十分な応答を有する対象における乾癬性関節炎の治療のための抗IL-23抗体及びパッケージングの医薬組成物を含み、この抗体は、(i)重鎖可変領域及び軽鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列、及び配列番号3のCDRH3アミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号4の相補的決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列、及び配列番号6のCDRL3アミノ酸配列、を含む、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、(ii)配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域及び配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域、又は(iii)配列番号9のアミノ酸配列の重鎖及び配列番号10のアミノ酸配列の軽鎖を含む。
本発明は、以下の番号付けされた実施形態を参照して説明することができる。
1.乾癬性関節炎の治療を必要とする対象における乾癬性関節炎を治療するための抗23抗体の使用であって、対象は、抗TNF療法による治療に対して不十分な応答を示しており、対象に約50mg~約150mgの抗体が4週毎に1回(q4w)皮下投与され、抗体が重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2、及び配列番号3のCDRH3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2、及び配列番号6のCDRL3を含み、対象が治療後に米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも20%の改善(ACR20)を達成する、使用。
2.抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域及び、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域を含む、実施形態1に記載の使用。
3.抗体が、配列番号9の重鎖アミノ酸配列と、配列番号10の軽鎖アミノ酸配列と、を含む、実施形態1に記載の使用。
4.抗体が投与当たり約100mgの用量で投与される、実施形態1に記載の使用。
5.ACR20が約24週の治療期間の後に達成される、実施形態1に記載の使用。
6.ACR20が、約48週の治療期間の後に達成又は維持される、実施形態5に記載の使用。
7.抗TNF療法が、抗TNFα抗体又はTNFα非抗体拮抗薬である、実施形態1に記載の使用。
8.抗TNFα抗体が、アダリムマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブペゴル療法、インフリキシマブ及び/又はそれらのバイオシミラーであり、TNFα非抗体拮抗薬が、エタネルセプト及び/又はそのバイオシミラーである、実施形態7に記載の使用。
9.治療後、対象が、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%の改善(ACR50)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%の改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)、最小疾患活動性(MDA)の達成、非常に低い疾患活動性(VLDA)、バス強直性脊椎炎疾患活動性指数(BASDAI)、GRAppa複合スコア(GRACE)、乾癬性関節炎疾患活動性スコア(PASDAS)、修正複合乾癬疾患活動性指数(mCPDAI)、乾癬の面積及び重症度指数(PASI)、皮膚疾患の生活の質指数(DLQI)、慢性疾患療法の機能評価(FACIT)、及び患者報告アウトカム測定情報システム-29(PROMIS-29)からなる群から選択される少なくとも1つの基準によって決定される疾患活動性の改善を更に達成する、実施形態1に記載の使用。
10.対象が、治療後に、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも50%の改善(ACR50)を更に達成する、実施形態1に記載の使用。
11.対象が、少なくとも約24週又は約48週の治療期間の後の健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)の改善を更に達成する、実施形態1に記載の使用。
12.対象が、少なくとも約24週又は約48週の治療期間の後の疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)の改善を更に達成する、実施形態1に記載の使用。
13.対象が、少なくとも約24週又は少なくとも約48週の治療期間の後の、治験責任者によるグローバル評価(IGA)の0(クリア)若しくは1(最小)、又はIGAの2以上のグレード低下を更に達成し、対象が、治療前のベースラインで、3%以上の体表面積(BSA)の乾癬性病変及び2以上のIGAスコアを有する、実施形態1に記載の使用。
14.対象が、PsAの標準的療法に対して不十分な応答を有してきており、任意選択的に、対象が、治療中に標準的療法も受ける、実施形態1に記載の使用。
15.乾癬性関節炎の治療を必要とする対象における乾癬性関節炎を治療するための抗IL-23抗体の使用であって、対象は、抗TNF療法による治療に対して不十分な応答を示しており、0週目に1回、4週目に1回、及びその後8週毎に1回(q8w)、対象に約50mg~150mgの抗IL-23抗体を皮下投与し、抗体が、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2、及び配列番号3のCDRH3を含み、軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2、及び配列番号6のCDRL3を含み、対象が、治療前に、直径≧2cmの少なくとも1つの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有し、対象が、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも20%の改善(ACR20)を達成する、使用。
16.抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域及び、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域を含む、実施形態15に記載の使用。
17.抗体が、配列番号9の重鎖アミノ酸配列と、配列番号10の軽鎖アミノ酸配列と、を含む、実施形態16に記載の使用。
18.抗体が投与当たり約100mgの用量で投与される、実施形態15に記載の使用。
19.ACR20が約24週又は約48週の治療期間の後に達成される、実施形態1又は15に記載の使用。
20.抗TNF療法が、抗TNFα抗体又はTNFα非抗体拮抗薬である、実施形態15に記載の使用。
21.抗TNFα抗体が、アダリムマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブペゴル療法、インフリキシマブ及び/又はそれらのバイオシミラーであり、TNFα非抗体拮抗薬が、エタネルセプト及び/又はそのバイオシミラーである、実施形態20に記載の使用。
22.治療後、対象が、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%の改善(ACR50)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%の改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)、最小疾患活動性(MDA)の達成、非常に低い疾患活動性(VLDA)、バス強直性脊椎炎疾患活動性指数(BASDAI)、GRAppa複合スコア(GRACE)、乾癬性関節炎疾患活動性スコア(PASDAS)、修正複合乾癬疾患活動性指数(mCPDAI)、乾癬の面積及び重症度指数(PASI)、皮膚疾患の生活の質指数(DLQI)、慢性疾患療法の機能評価(FACIT)、及び患者報告アウトカム測定情報システム-29(PROMIS-29)からなる群から選択される少なくとも1つの基準によって決定される疾患活動性の改善を更に達成する、実施形態15に記載の使用。
23.対象が、治療後に、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも50%の改善(ACR50)を更に達成する、実施形態15に記載の使用。
24.対象が、少なくとも約24週又は約48週の治療期間の後の健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)の改善を更に達成する、実施形態15に記載の使用。
25.対象が、少なくとも約24週又は少なくとも約48週の治療期間の後の疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)の改善を更に達成した、実施形態15に記載の使用。
26.対象が、少なくとも約24週の治療期間の後の、治験責任者によるグローバル評価(IGA)の0(クリア)若しくは1(最小)、又はIGAの2以上のグレード低下を更に達成し、対象が、治療前のベースラインで、3%以上の体表面積(BSA)の乾癬性病変及び2以上のIGAスコアを有する、実施形態15に記載の使用。
27.対象が、PsAの標準的療法に対して不十分な応答を有してきた、実施形態1に記載の使用。
28.対象が、治療中に標準的療法も受ける、実施形態27に記載の使用。
29.抗TNF療法による治療に対して不十分な応答を示してきた、乾癬性関節炎の治療を必要とする対象において乾癬性関節炎を治療するのに使用するための抗IL-23抗体の医薬組成物であって、
a.(i)重鎖可変領域及び軽鎖可変領域であって、重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列、及び配列番号3のCDRH3アミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域が、配列番号4の相補的決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列、及び配列番号6のCDRL3アミノ酸配列を含む、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、(ii)配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域及び配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域、又は(iii)配列番号9のアミノ酸配列の重鎖及び配列番号10のアミノ酸配列の軽鎖を含む、抗体と、
b.抗TNF療法に対する不十分な応答を伴う中等度から重度の動性の乾癬性関節炎を有する成人男性及び女性における無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験からのデータを含む1つ又は2つ以上の薬物製品ラベル要素を含む包装と、を含む、医薬組成物。
30.グセルクマブを含む薬物製品を販売する方法であって、グセルクマブを製造することと、グセルクマブを含む療法が、抗TNF療法による治療に対して不十分な応答を示してきた活動性乾癬性関節炎を有する対象の治療に安全かつ有効であることを宣伝することであって、工程a)及びb)を実施することにより、医療専門家(HCP)が薬物製品を購入をもたらす、宣伝することと、これにより、薬物製品を販売することと、を含む、方法。

Claims (30)

  1. 乾癬性関節炎の治療を必要とする対象における乾癬性関節炎を治療する方法であって、前記対象は、抗TNF療法による治療に対して不十分な応答を示していたのであり、前記方法は、前記対象に約50mg~約150mgの抗IL-23抗体を4週毎に1回(q4w)皮下投与することを含み、前記抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2、及び配列番号3のCDRH3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2、及び配列番号6のCDRL3を含み、前記対象が、前記治療後に米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも20%の改善(ACR20)を達成する、方法。
  2. 前記抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記抗体が、配列番号9の重鎖アミノ酸配列と、配列番号10の軽鎖アミノ酸配列と、を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記抗体が、投与当たり約100mgの用量で投与される、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記ACR20が、約24週の治療期間の後に達成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ACR20が、約48週の治療期間の後に達成又は維持される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記抗TNF療法が、抗TNFα抗体又はTNFα非抗体拮抗薬である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記抗TNFα抗体が、アダリムマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブペゴル療法、インフリキシマブ及び/又はそれらのバイオシミラーであり、前記TNFα非抗体拮抗薬が、エタネルセプト及び/又はそのバイオシミラーである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記治療後、前記対象が、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%の改善(ACR50)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%の改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)、最小疾患活動性(MDA)の達成、非常に低い疾患活動性(VLDA)、バス強直性脊椎炎疾患活動性指数(BASDAI)、GRAppa複合スコア(GRACE)、乾癬性関節炎疾患活動性スコア(PASDAS)、修正複合乾癬疾患活動性指数(mCPDAI)、乾癬の面積及び重症度指数(PASI)、皮膚疾患の生活の質指数(DLQI)、慢性疾患療法の機能評価(FACIT)、及び患者報告アウトカム測定情報システム-29(PROMIS-29)からなる群から選択される少なくとも1つの基準によって決定される疾患活動性の改善を更に達成する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記対象が、前記治療後に、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも50%の改善(ACR50)を更に達成する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記対象が、少なくとも約24週又は約48週の治療期間の後の健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)の改善を更に達成する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記対象が、少なくとも約24週又は約48週の治療期間の後の疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)の改善を更に達成する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記対象が、少なくとも約24週又は少なくとも約48週の治療期間の後の、治験責任者によるグローバル評価(IGA)の0(クリア)若しくは1(最小)、又は前記IGAの2以上のグレード低下を更に達成し、前記対象が、前記治療前のベースラインで、3%以上の体表面積(BSA)の乾癬性病変及び2以上のIGAスコアを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記対象が、PsAの標準的療法に対して不十分な応答を有してきており、任意選択的に、前記対象が、前記治療中に前記標準的療法も受ける、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 抗TNF療法による治療に対して不十分な応答を示してきており、乾癬性関節炎の治療を必要とする対象における乾癬性関節炎を治療する方法であって、0週目に1回、4週目に1回、及びその後8週毎に1回(q8w)、前記対象に約50mg~150mgの抗IL-23抗体を皮下投与することを含み、前記抗体が、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2、及び配列番号3のCDRH3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2、及び配列番号6のCDRL3を含み、前記対象が、前記治療前に、直径≧2cmの少なくとも1つの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有し、前記対象が、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも20%の改善(ACR20)を達成する、方法。
  16. 前記抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記抗体が、配列番号9の重鎖アミノ酸配列と、配列番号10の軽鎖アミノ酸配列と、を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記抗体が、投与当たり約100mgの用量で投与される、請求項15~17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記ACR20が、約24週又は48週の治療期間の後に達成される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記抗TNF療法が、抗TNFα抗体又はTNFα非抗体拮抗薬である、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記抗TNFα抗体が、アダリムマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブペゴル療法、インフリキシマブ及び/又はそれらのバイオシミラーであり、前記TNFα非抗体拮抗薬が、エタネルセプト及び/又はそのバイオシミラーである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記治療後、前記対象が、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%の改善(ACR50)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%の改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)、最小疾患活動性(MDA)の達成、非常に低い疾患活動性(VLDA)、バス強直性脊椎炎疾患活動性指数(BASDAI)、GRAppa複合スコア(GRACE)、乾癬性関節炎疾患活動性スコア(PASDAS)、修正複合乾癬疾患活動性指数(mCPDAI)、乾癬の面積及び重症度指数(PASI)、皮膚疾患の生活の質指数(DLQI)、慢性疾患療法の機能評価(FACIT)、及び患者報告アウトカム測定情報システム-29(PROMIS-29)からなる群から選択される少なくとも1つの基準によって決定される疾患活動性の改善を更に達成する、請求項15~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記対象が、前記治療後に、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも50%の改善(ACR50)を更に達成する、請求項15~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記対象が、少なくとも約24週又は約48週の治療期間の後の健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)の改善を更に達成する、請求項15~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記対象が、少なくとも約24週又は少なくとも約48週の治療期間の後の疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)の改善を更に達成する、請求項15~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記対象が、少なくとも約24週の治療期間の後の、治験責任者によるグローバル評価(IGA)の0(クリア)若しくは1(最小)、又は前記IGAの2以上のグレード低下を更に達成し、前記対象が、前記治療前のベースラインで、3%以上の体表面積(BSA)の乾癬性病変及び2以上のIGAスコアを有する、請求項15~25のいずれか一項に記載の方法
  27. 前記対象が、PsAの標準的療法に対して不十分な応答を有してきた、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記対象が、前記治療中に前記標準的療法も受ける、請求項27に記載の方法。
  29. 抗TNF療法による治療に対して不十分な応答を示してきた、乾癬性関節炎の治療を必要とする対象において乾癬性関節炎を治療するのに使用するための抗IL-23抗体の医薬組成物であって、
    a.(i)重鎖可変領域及び軽鎖可変領域であって、前記重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列、及び配列番号3のCDRH3アミノ酸配列を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号4の相補的決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列、及び配列番号6のCDRL3アミノ酸配列を含む、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、(ii)配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域及び配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域、又は(iii)配列番号9のアミノ酸配列の重鎖及び配列番号10のアミノ酸配列の軽鎖を含む、抗体と、
    b.抗TNF療法に対する不十分な応答を伴う中等度から重度の活動性の乾癬性関節炎を有する成人男性及び女性における無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験からのデータを含む1つ又は2つ以上の薬物製品ラベル要素を含む包装と、を含む、医薬組成物。
  30. グセルクマブを含む薬物製品を販売する方法であって、グセルクマブを製造することと、グセルクマブを含む療法が、抗TNF療法による治療に対して不十分な応答を示してきた活動性乾癬性関節炎を有する対象の治療に安全かつ有効であることを宣伝することであって、工程a)及びb)を実施することにより、医療専門家(HCP)の前記薬物製品の購入をもたらす、宣伝することと、これにより、前記薬物製品を販売することと、を含む、方法。
JP2023555519A 2021-03-12 2022-03-10 抗il23特異的抗体による、tnf療法に対する不十分な応答を有する乾癬性関節炎患者を治療する方法 Pending JP2024510588A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202163160078P 2021-03-12 2021-03-12
US63/160,078 2021-03-12
US202163188707P 2021-05-14 2021-05-14
US63/188,707 2021-05-14
PCT/IB2022/052163 WO2022190034A1 (en) 2021-03-12 2022-03-10 Method of treating psoriatic arthritis patients with inadequate response to tnf therapy with anti-il23 specific antibody

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024510588A true JP2024510588A (ja) 2024-03-08

Family

ID=80786838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023555519A Pending JP2024510588A (ja) 2021-03-12 2022-03-10 抗il23特異的抗体による、tnf療法に対する不十分な応答を有する乾癬性関節炎患者を治療する方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20220289834A1 (ja)
EP (1) EP4305062A1 (ja)
JP (1) JP2024510588A (ja)
KR (1) KR20230156764A (ja)
AU (1) AU2022232007A1 (ja)
BR (1) BR112023018400A2 (ja)
CA (1) CA3213278A1 (ja)
IL (1) IL305836A (ja)
WO (1) WO2022190034A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3980065A4 (en) * 2019-06-04 2023-07-05 Janssen Biotech, Inc. SAFE AND EFFECTIVE METHOD OF TREATMENT OF PSORIAL ARTHRITIS WITH ANTI-IL23 SPECIFIC ANTIBODY

Family Cites Families (126)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US941234A (en) 1909-02-25 1909-11-23 Frank De Clercq Syrup-percolator.
US4309989A (en) 1976-02-09 1982-01-12 The Curators Of The University Of Missouri Topical application of medication by ultrasound with coupling agent
FR2413974A1 (fr) 1978-01-06 1979-08-03 David Bernard Sechoir pour feuilles imprimees par serigraphie
US4399216A (en) 1980-02-25 1983-08-16 The Trustees Of Columbia University Processes for inserting DNA into eucaryotic cells and for producing proteinaceous materials
US4634665A (en) 1980-02-25 1987-01-06 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Processes for inserting DNA into eucaryotic cells and for producing proteinaceous materials
US5179017A (en) 1980-02-25 1993-01-12 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Processes for inserting DNA into eucaryotic cells and for producing proteinaceous materials
GB2097032B (en) 1981-04-22 1984-09-19 Teron International Urban Dev A combined ceiling air and services distribution system mechanical chasse and structural roof member
US4656134A (en) 1982-01-11 1987-04-07 Board Of Trustees Of Leland Stanford Jr. University Gene amplification in eukaryotic cells
US5149636A (en) 1982-03-15 1992-09-22 Trustees Of Columbia University In The City Of New York Method for introducing cloned, amplifiable genes into eucaryotic cells and for producing proteinaceous products
US4818542A (en) 1983-11-14 1989-04-04 The University Of Kentucky Research Foundation Porous microspheres for drug delivery and methods for making same
US5168062A (en) 1985-01-30 1992-12-01 University Of Iowa Research Foundation Transfer vectors and microorganisms containing human cytomegalovirus immediate-early promoter-regulatory DNA sequence
US4683195A (en) 1986-01-30 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or-cloning nucleic acid sequences
US4965188A (en) 1986-08-22 1990-10-23 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or cloning nucleic acid sequences using a thermostable enzyme
US6492107B1 (en) 1986-11-20 2002-12-10 Stuart Kauffman Process for obtaining DNA, RNA, peptides, polypeptides, or protein, by recombinant DNA technique
GB2183661B (en) 1985-03-30 1989-06-28 Marc Ballivet Method for obtaining dna, rna, peptides, polypeptides or proteins by means of a dna recombinant technique
US4766067A (en) 1985-05-31 1988-08-23 President And Fellows Of Harvard College Gene amplification
US4676980A (en) 1985-09-23 1987-06-30 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Target specific cross-linked heteroantibodies
US5576195A (en) 1985-11-01 1996-11-19 Xoma Corporation Vectors with pectate lyase signal sequence
US5618920A (en) 1985-11-01 1997-04-08 Xoma Corporation Modular assembly of antibody genes, antibodies prepared thereby and use
DE3600905A1 (de) 1986-01-15 1987-07-16 Ant Nachrichtentech Verfahren zum dekodieren von binaersignalen sowie viterbi-dekoder und anwendungen
GB8601597D0 (en) 1986-01-23 1986-02-26 Wilson R H Nucleotide sequences
US4800159A (en) 1986-02-07 1989-01-24 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or cloning nucleic acid sequences
US5225539A (en) 1986-03-27 1993-07-06 Medical Research Council Recombinant altered antibodies and methods of making altered antibodies
US4767402A (en) 1986-07-08 1988-08-30 Massachusetts Institute Of Technology Ultrasound enhancement of transdermal drug delivery
US4889818A (en) 1986-08-22 1989-12-26 Cetus Corporation Purified thermostable enzyme
US4946778A (en) 1987-09-21 1990-08-07 Genex Corporation Single polypeptide chain binding molecules
US5260203A (en) 1986-09-02 1993-11-09 Enzon, Inc. Single polypeptide chain binding molecules
US4704692A (en) 1986-09-02 1987-11-03 Ladner Robert C Computer based system and method for determining and displaying possible chemical structures for converting double- or multiple-chain polypeptides to single-chain polypeptides
US4921794A (en) 1987-01-14 1990-05-01 President And Fellows Of Harvard College T7 DNA polymerase
US4795699A (en) 1987-01-14 1989-01-03 President And Fellows Of Harvard College T7 DNA polymerase
EP0832981A1 (en) 1987-02-17 1998-04-01 Pharming B.V. DNA sequences to target proteins to the mammary gland for efficient secretion
WO1988006630A1 (en) 1987-03-02 1988-09-07 Genex Corporation Method for the preparation of binding molecules
US4873316A (en) 1987-06-23 1989-10-10 Biogen, Inc. Isolation of exogenous recombinant proteins from the milk of transgenic mammals
CA1341235C (en) 1987-07-24 2001-05-22 Randy R. Robinson Modular assembly of antibody genes, antibodies prepared thereby and use
US4939666A (en) 1987-09-02 1990-07-03 Genex Corporation Incremental macromolecule construction methods
JP2980626B2 (ja) 1988-01-11 1999-11-22 ゾーマ・コーポレーション ペクチン酸リアーゼのシグナル配列を含む新規プラスミドベクター
US6010902A (en) 1988-04-04 2000-01-04 Bristol-Meyers Squibb Company Antibody heteroconjugates and bispecific antibodies for use in regulation of lymphocyte activity
US4956288A (en) 1988-04-22 1990-09-11 Biogen, Inc. Method for producing cells containing stably integrated foreign DNA at a high copy number, the cells produced by this method, and the use of these cells to produce the polypeptides coded for by the foreign DNA
US5130238A (en) 1988-06-24 1992-07-14 Cangene Corporation Enhanced nucleic acid amplification process
US5601819A (en) 1988-08-11 1997-02-11 The General Hospital Corporation Bispecific antibodies for selective immune regulation and for selective immune cell binding
US5223409A (en) 1988-09-02 1993-06-29 Protein Engineering Corp. Directed evolution of novel binding proteins
US5142033A (en) 1988-09-23 1992-08-25 Hoffmann-La Roche Inc. Structure-independent DNA amplification by the polymerase chain reaction
US5091310A (en) 1988-09-23 1992-02-25 Cetus Corporation Structure-independent dna amplification by the polymerase chain reaction
US5066584A (en) 1988-09-23 1991-11-19 Cetus Corporation Methods for generating single stranded dna by the polymerase chain reaction
US4987893A (en) 1988-10-12 1991-01-29 Rochal Industries, Inc. Conformable bandage and coating material
GB8823869D0 (en) 1988-10-12 1988-11-16 Medical Res Council Production of antibodies
ES2052027T5 (es) 1988-11-11 2005-04-16 Medical Research Council Clonacion de secuencias de dominio variable de inmunoglobulina.
US5530101A (en) 1988-12-28 1996-06-25 Protein Design Labs, Inc. Humanized immunoglobulins
US4994370A (en) 1989-01-03 1991-02-19 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services DNA amplification technique
US5266491A (en) 1989-03-14 1993-11-30 Mochida Pharmaceutical Co., Ltd. DNA fragment and expression plasmid containing the DNA fragment
DE3909708A1 (de) 1989-03-23 1990-09-27 Boehringer Mannheim Gmbh Verfahren zur herstellung bispezifischer antikoerper
CA2016841C (en) 1989-05-16 1999-09-21 William D. Huse A method for producing polymers having a preselected activity
AU652539B2 (en) 1989-05-16 1994-09-01 Medical Research Council Co-expression of heteromeric receptors
CA2016842A1 (en) 1989-05-16 1990-11-16 Richard A. Lerner Method for tapping the immunological repertoire
ES2096590T3 (es) 1989-06-29 1997-03-16 Medarex Inc Reactivos biespecificos para la terapia del sida.
EP0494955B1 (en) 1989-10-05 1998-07-15 Optein, Inc. Cell-free synthesis and isolation of novel genes and polypeptides
SG48759A1 (en) 1990-01-12 2002-07-23 Abgenix Inc Generation of xenogenic antibodies
TW212184B (ja) 1990-04-02 1993-09-01 Takeda Pharm Industry Co Ltd
US5427908A (en) 1990-05-01 1995-06-27 Affymax Technologies N.V. Recombinant library screening methods
EP0547065B1 (en) 1990-06-29 2001-08-29 Large Scale Biology Corporation Melanin production by transformed microorganisms
US5580734A (en) 1990-07-13 1996-12-03 Transkaryotic Therapies, Inc. Method of producing a physical map contigous DNA sequences
WO1992002551A1 (en) 1990-08-02 1992-02-20 B.R. Centre Limited Methods for the production of proteins with a desired function
US5625126A (en) 1990-08-29 1997-04-29 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals for producing heterologous antibodies
US5770429A (en) 1990-08-29 1998-06-23 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies
US5661016A (en) 1990-08-29 1997-08-26 Genpharm International Inc. Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies of various isotypes
US5789650A (en) 1990-08-29 1998-08-04 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals for producing heterologous antibodies
US5545806A (en) 1990-08-29 1996-08-13 Genpharm International, Inc. Ransgenic non-human animals for producing heterologous antibodies
US6300129B1 (en) 1990-08-29 2001-10-09 Genpharm International Transgenic non-human animals for producing heterologous antibodies
ES2108048T3 (es) 1990-08-29 1997-12-16 Genpharm Int Produccion y utilizacion de animales inferiores transgenicos capaces de producir anticuerpos heterologos.
US5633425A (en) 1990-08-29 1997-05-27 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies
AU8727291A (en) 1990-10-29 1992-06-11 Cetus Oncology Corporation Bispecific antibodies, method of production, and uses thereof
ES2113940T3 (es) 1990-12-03 1998-05-16 Genentech Inc Metodo de enriquecimiento para variantes de proteinas con propiedades de union alteradas.
US5582996A (en) 1990-12-04 1996-12-10 The Wistar Institute Of Anatomy & Biology Bifunctional antibodies and method of preparing same
EP0580737B1 (en) 1991-04-10 2004-06-16 The Scripps Research Institute Heterodimeric receptor libraries using phagemids
DE4118120A1 (de) 1991-06-03 1992-12-10 Behringwerke Ag Tetravalente bispezifische rezeptoren, ihre herstellung und verwendung
US5637481A (en) 1993-02-01 1997-06-10 Bristol-Myers Squibb Company Expression vectors encoding bispecific fusion proteins and methods of producing biologically active bispecific fusion proteins in a mammalian cell
WO1993008829A1 (en) 1991-11-04 1993-05-13 The Regents Of The University Of California Compositions that mediate killing of hiv-infected cells
US5641670A (en) 1991-11-05 1997-06-24 Transkaryotic Therapies, Inc. Protein production and protein delivery
US5968502A (en) 1991-11-05 1999-10-19 Transkaryotic Therapies, Inc. Protein production and protein delivery
US5932448A (en) 1991-11-29 1999-08-03 Protein Design Labs., Inc. Bispecific antibody heterodimers
DE69233745D1 (de) 1991-12-02 2008-10-23 Cambridge Antibody Tech Herstellung von Autoantikörpern auf Phagenoberflächen ausgehend von Antikörpersegmentbibliotheken
ES2202310T3 (es) 1991-12-13 2004-04-01 Xoma Corporation Metodos y materiales para la preparacion de dominios variables de anticuerpos modificados y sus usos terapeuticos.
US5667988A (en) 1992-01-27 1997-09-16 The Scripps Research Institute Methods for producing antibody libraries using universal or randomized immunoglobulin light chains
DE4207475A1 (de) 1992-03-10 1993-09-16 Goldwell Ag Mittel zum blondieren von menschlichen haaren und verfahren zu dessen herstellung
WO1994008038A1 (en) 1992-10-02 1994-04-14 Trustees Of Dartmouth College Bispecific reagents for redirected targeting of low density lipoprotein
US5643252A (en) 1992-10-28 1997-07-01 Venisect, Inc. Laser perforator
AU5670194A (en) 1992-11-20 1994-06-22 Enzon, Inc. Linker for linked fusion polypeptides
US5770428A (en) 1993-02-17 1998-06-23 Wisconsin Alumni Research Foundation Chimeric retrovial expression vectors and particles containing a simple retroviral long terminal repeat, BLV or HIV coding regions and cis-acting regulatory sequences, and an RNA translational enhancer with internal ribsome entry site
JPH08509612A (ja) 1993-04-26 1996-10-15 ジェンファーム インターナショナル インコーポレイテッド 異種抗体を産生することができるトランスジェニック非ヒト動物
US5625825A (en) 1993-10-21 1997-04-29 Lsi Logic Corporation Random number generating apparatus for an interface unit of a carrier sense with multiple access and collision detect (CSMA/CD) ethernet data network
DE4337197C1 (de) 1993-10-30 1994-08-25 Biotest Pharma Gmbh Verfahren zur selektiven Herstellung von Hybridomazellinien, die monoklonale Antikörper mit hoher Zytotoxizität gegen humanes CD16-Antigen produzieren, sowie Herstellung bispezifischer monoklonaler Antikörper unter Verwendung derartiger monoklonaler Antikörper und des CD30-HRS-3-Antikörpers zur Therapie menschlicher Tumore
SE9304060D0 (sv) 1993-12-06 1993-12-06 Bioinvent Int Ab Sätt att selektera specifika bakteriofager
US5827690A (en) 1993-12-20 1998-10-27 Genzyme Transgenics Corporatiion Transgenic production of antibodies in milk
ES2178669T3 (es) 1994-03-07 2003-01-01 Medarex Inc Moleculas biespecificas que tienen utilidad clinica.
US5763733A (en) 1994-10-13 1998-06-09 Enzon, Inc. Antigen-binding fusion proteins
WO1996013583A2 (en) 1994-10-20 1996-05-09 Morphosys Gesellschaft Für Proteinoptimierung Mbh Targeted hetero-association of recombinant proteins to multi-functional complexes
US5731168A (en) 1995-03-01 1998-03-24 Genentech, Inc. Method for making heteromultimeric polypeptides
US6037453A (en) 1995-03-15 2000-03-14 Genentech, Inc. Immunoglobulin variants
US5656730A (en) 1995-04-07 1997-08-12 Enzon, Inc. Stabilized monomeric protein compositions
US6019968A (en) 1995-04-14 2000-02-01 Inhale Therapeutic Systems, Inc. Dispersible antibody compositions and methods for their preparation and use
AU2466895A (en) 1995-04-28 1996-11-18 Abgenix, Inc. Human antibodies derived from immunized xenomice
US5730723A (en) 1995-10-10 1998-03-24 Visionary Medical Products Corporation, Inc. Gas pressured needle-less injection device and method
ES2176484T3 (es) 1995-08-18 2002-12-01 Morphosys Ag Bancos de proteinas/(poli)peptidos.
US5714352A (en) 1996-03-20 1998-02-03 Xenotech Incorporated Directed switch-mediated DNA recombination
DE19624387C2 (de) 1996-06-19 1999-08-19 Hatz Motoren Kaltstartvorrichtung
DK0826695T3 (da) 1996-09-03 2002-04-15 Gsf Forschungszentrum Umwelt Tilintetgørelse af kontaminerende tumorceller i stamcelletransplantater med bispecifikke antistoffer
EP2305027B1 (en) 1996-12-03 2014-07-02 Amgen Fremont Inc. Transgenic mammals having human Ig loci including plural VH and Vkappa regions and antibodies produced therefrom
US6235883B1 (en) 1997-05-05 2001-05-22 Abgenix, Inc. Human monoclonal antibodies to epidermal growth factor receptor
IL120943A (en) 1997-05-29 2004-03-28 Univ Ben Gurion A system for administering drugs through the skin
EA003665B1 (ru) 1997-09-29 2003-08-28 Нектар Терапьютикс Перфорированные микрочастицы и способ их использования
DK2180007T4 (da) 1998-04-20 2017-11-27 Roche Glycart Ag Glycosyleringsteknik for antistoffer til forbedring af antistofafhængig cellecytotoxicitet
KR100940380B1 (ko) 1999-01-15 2010-02-02 제넨테크, 인크. 효과기 기능이 변화된 폴리펩티드 변이체
KR20040054669A (ko) 2001-08-03 2004-06-25 글리카트 바이오테크놀로지 아게 항체 의존적 세포 독성이 증가된 항체 글리코실화 변이체
EP1506302A4 (en) 2002-05-23 2006-02-08 Cognis Ip Man Gmbh CANDIDA TROPICALIS BLOCKED BY OXIDATION BETA NON REVERSIBLE
RS53685B1 (en) * 2005-12-29 2015-04-30 Janssen Biotech Inc. HUMAN ANTI-IL-23 ANTIBODIES, COMPOSITIONS, METHODS AND APPLICATIONS
JP5470817B2 (ja) 2008-03-10 2014-04-16 日産自動車株式会社 電池用電極およびこれを用いた電池、並びにその製造方法
RU2012114854A (ru) * 2009-09-14 2013-10-27 Эбботт Лэборетриз Способы лечения псориаза
JP5155355B2 (ja) 2010-04-07 2013-03-06 レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド 無線基地局の自律的な負荷調整が可能な無線端末装置
RU2014125071A (ru) * 2011-11-21 2015-12-27 Новартис Аг Способы лечения псориатического артрита (psa) с использованием антагонистов il-17 и аллелей ответа psa или отсутствия ответа psa
JP6136279B2 (ja) 2013-01-15 2017-05-31 株式会社ジェイテクト 転がり軸受装置
TWI503850B (zh) 2013-03-22 2015-10-11 Polytronics Technology Corp 過電流保護元件
TWI510996B (zh) 2013-10-03 2015-12-01 Acer Inc 控制觸控面板的方法以及使用該方法的可攜式電腦
US9816280B1 (en) 2016-11-02 2017-11-14 Matthew Reitnauer Portable floor
CN111432828A (zh) * 2017-05-26 2020-07-17 约翰霍普金斯大学 用以调节免疫耐受的多功能抗体-配体捕获剂
CA3081343A1 (en) * 2017-11-06 2019-05-09 Janssen Biotech, Inc. Safe and effective method of treating psoriatic arthritis with anti-il23 specific antibody
EP3980065A4 (en) * 2019-06-04 2023-07-05 Janssen Biotech, Inc. SAFE AND EFFECTIVE METHOD OF TREATMENT OF PSORIAL ARTHRITIS WITH ANTI-IL23 SPECIFIC ANTIBODY

Also Published As

Publication number Publication date
IL305836A (en) 2023-11-01
KR20230156764A (ko) 2023-11-14
US20220289834A1 (en) 2022-09-15
CA3213278A1 (en) 2022-09-15
AU2022232007A1 (en) 2023-10-26
BR112023018400A2 (pt) 2023-12-12
EP4305062A1 (en) 2024-01-17
AU2022232007A9 (en) 2023-11-02
WO2022190034A1 (en) 2022-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210363235A1 (en) Safe and Effective Method of Treating Psoriatic Arthritis with Anti-IL23 Specific Antibody
JP2023025173A (ja) 抗il23特異的抗体で乾癬を治療する方法
US20230340103A1 (en) Safe and Effective Method of Treating Psoriatic Arthritis with Anti-IL23 Specific Antibody
JP2022071020A (ja) 抗il23特異的抗体で乾癬を治療する安全かつ有効な方法
JP2024038223A (ja) 抗il23特異的抗体で治療した後の持続応答予測因子
US20220289834A1 (en) Method of Treating Psoriatic Arthritis Patients with Inadequate Response to TNF Therapy with Anti-IL23 Specific Antibody
US20220025035A1 (en) Safe and Effective Method of Treating Psoriatic Arthritis with Anti-IL23 Specific Antibody
CN117337302A (zh) 用抗il23特异性抗体治疗对tnf疗法响应不足的银屑病关节炎患者的方法
KR20230084283A (ko) 항-il12/il23 항체로 크론병을 치료하는 방법
KR20210093973A (ko) 항-il23 특이적 항체로 건선을 치료하는 안전하고 효과적인 방법
US20220298236A1 (en) Safe and Effective Method of Treating Psoriatic Arthritis with Anti-IL23 Specific Antibody
JPWO2020104943A5 (ja)