JP2024506117A - シートベルト装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、自動車用のシートベルト装置（１）であって、挿入スロット（３）を有するベルトバックル（２）と、ベルトバックル（２）の挿入スロット（３）に差し込むことができ、挿入スロット（３）の中にロックすることができ、かつベルトタング本体（５）及びベルトタングトリムパネル（６）を有する、ベルトタング（４）と、シートベルト（７）と、を備え、シートベルト（７）がベルトタング（４）の環（８）を通る、シートベルト装置（１）に関する。ベルトバックル（２）及びベルトタング（４）は、ベルトバックル（２）からベルトタング（４）に電力及び／又は信号を伝送するように構成されている。【選択図】図２

Description

本発明は、請求項１のプリアンブルの特徴を有するシートベルト装置に関する。

シートベルト装置では、追加機能のために、例えばマイクロフォンなどの異なる電気部品又は電子部品を安全ベルトに設けることができる。これらの構成要素は、永続的な動作のためには電力が供給されなければならない。シートベルトにマイクロフォンを接続することは、例えば独国特許第１０２００５００２８６５（Ｂ３）から知られている。

三点式ストラップの場合、シートベルトの一端は、通常アンカープレートと呼ばれる締結要素上に締結して車両又は車両シートに一般的に締結され、そこで必要な導電体の結合を簡単な方法で行うことができる。

更に、電子デバイスを有するシートベルト装置が独国特許第１０２０１９１０３４６０（Ａ１）から知られており、その電子デバイスでは、エネルギーがベルトストラップの外側に配置された送信機ユニットを介してウェビング内の対応する受信ユニットに誘導的に伝送される。この場合、使用中のウェビングの位置を補償するために、送信ユニット及び／又は受信ユニットとしての複数のオフセットコイルを使用することができる。

この背景に対して、本発明の目的は、シートベルト装置の可動部分への電力及び／又は信号の改善された伝送を可能にするシートベルト装置を明記することである。

本発明によれば、請求項１の特徴を有するシートベルト装置が、その目的を実現するために提案される。更なる好ましい展開は、従属請求項、図、及び関連する説明から得ることができる。

本発明の基本概念によれば、挿入スロットを有するベルトバックルと、ベルトバックルの挿入スロットに挿入可能であり、その中にロック可能なベルトタングであって、ベルトタング本体及びベルトタングカバーを有する、ベルトタングと、シートベルトと、を備える、自動車用のシートベルト装置が提案される。シートベルトは、ベルトタングの環を通って延びている。本発明によれば、ベルトバックル及びベルトタングは、電力及び／又は信号をベルトバックルからベルトタングに伝送するように設計されていることが提案される。

ベルトバックルからベルトタングへの電力及び／又は信号の伝送は、従来技術ではシートベルト装置の可動部分、この場合はシートベルトへの単純な伝送を可能にするシートベルトの固定停止点とは無関係に、対応する伝送を可能にする。提案されたベルトタングへの伝送の結果として、三点式ベルトの場合にはそれぞれが胸部及び腰部ベルト用の別個のリトラクタを有するいわゆるダブルリトラクタを、シートベルト装置に簡単な方法で使用することができる。したがって、このようなシートベルト装置では、シートベルトの固定停止点を伝送に利用することができない。

この場合における電力及び／又は信号の伝送は、ベルトタングによる電気接点の単なる閉鎖を超え、例えば、挿入状態を検出することができるように使用することができる。それにもかかわらず、ベルトタングへの電力及び／又は信号の伝送は、挿入状態を制御するために使用することができる。したがって、挿入状態の検出には、ベルトバックルに追加のマイクロスイッチを必要としない。有利な実施形態では、ベルトタングは、１つ、２つ又はそれ以上の状態インジケータ、例えば２つの状態ＬＥＤを有することができ、これらの状態インジケータは、例えば、挿入状態及び／又は例えばＢｌｕｅｔｏｏｔｈによる無線データ接続の状態を示すことができる。

シートベルト装置の可動部分は、シートベルトとベルトタングとを含む。

更なる発展形態によれば、ベルトバックル及びベルトタングはそれぞれ、電力及び／又は信号を伝送するためのインダクタコイルを有することが提案される。

２つのインダクタコイルは、ベルトバックルからベルトタングへの電力の非接触伝送を可能にし、それによって、伝送は、非接触で、いかなる汚染とも無関係に行うことができる。伝送可能な電力は、例えば２．５Ｗとすることができる。更に、２つのインダクタコイルは、代替的又は追加的に、ベルトバックルからベルトタングへ、及び／又はベルトタングからベルトバックルへ電気信号を伝送するために使用することもできる。

更に、ベルトバックルのインダクタコイルが、ベルトタングを挿入するための挿入スロットの領域に配置されていることが提案される。

ベルトタングからの距離を可能な限り小さくするためには、挿入スロットの領域にインダクタコイルを配置するのが特に好適である。挿入スロットの領域におけるインダクタコイルの配置は、インダクタコイルが挿入スロット内に部分的にのみ配置されるように、例えば、挿入スロットの上流、挿入スロット自体、又は中間位置に配置することができる。

更なる発展形態によれば、ベルトバックルのインダクタコイルは、挿入スロットから見て、ベルトバックルのロック解除ボタンの反対側に配置されていることが提案される。

ロック解除ボタンから離れる方を向いた側での反対の配置により、構造を簡略化することができ、インダクタコイルとベルトタングのインダクタコイルとの間の距離を可能な限り小さくして、高い伝送効率を達成することができる。更に、インダクタコイルは、従来の設置状況においてベルトタングによって隠されており、これは、光学的利点をもたらす。

更なる提案された実施形態によれば、ベルトタングのインダクタコイルは、挿入方向から見て、ベルトタング本体のロック部の上方に配置されている。

したがって、ベルトタングのインダクタコイルをベルトバックル内に広い範囲にわたって挿入する必要がなく、したがって、挿入スロット及びベルトタング本体のロック部分に係合するロック機構を、インダクタコイルとは独立して設計することができる。

更なる発展形態によれば、ベルトタングのインダクタコイルは、ベルトタング本体の主面上に配置されており、インダクタコイルがベルトタングカバーによって覆われていることが提案される。

ベルトタング本体は、例えば、金属シートから製造され、したがって２つの主面、例えば前側及び後側を有する。主面は、ベルトタング本体の表面の大部分を形成する。インダクタコイルは、対応する配置において２つの主面のうちの１つに配置することができる。特に、ベルトタングが挿入されたときにロック解除ボタンから離れる方を向いた主面が好適である。したがって、平坦なインダクタコイルを簡単な方法でベルトタング本体上に配置することができ、好ましくはプラスチック製のベルトタングカバーが、機械的保護のためにインダクタコイルを覆う。ベルトタングカバーはまた、インダクタコイルとベルトタング本体との間に延び得る。

更に、ベルトタングは、挿入されロックされた状態において、挿入軸に沿って移動の自由度を有することが提案される。移動の自由度は、一方ではロック解除プローブの作動なしではベルトタングの更なる伸長が不可能であるベルトタングのロック位置によって制限され、他方では挿入スロット内へのベルトタングのより深い挿入が不可能であるベルトタングの押し込み位置によって制限される。ベルトタングのインダクタコイル及びベルトバックルのインダクタコイルは、移動クリアランス内の特定の相対位置に互いに同心で配置される。

これにより、挿入されロックされた状態におけるベルトタングの移動クリアランス内でのベルトタング及びベルトバックルのインダクタコイルの最適なカバレッジが得られ、電力及び／又はデータ伝送が最適になる。

挿入スロット内へのベルトタングのより深い挿入が不可能なベルトタングの押し込み位置は、オーバートラベル位置とも呼ばれる。ロック解除プローブの作動なしではベルトタングをそれ以上伸長させることができないベルトタングのロック位置は、通常位置と呼ぶこともできる。

更に、ベルトタングのインダクタコイル及びベルトバックルのインダクタコイルが互いに同心で配置される相対位置が、移動クリアランスの中央領域に配置されることが提案される。

中央領域は、ベルトバックルの挿入軸に沿って延びる移動クリアランスの部分区間である。中央領域は、例えば、それぞれ、挿入軸に沿った全移動クリアランスの例えば２０％、更に例えば２５％の、移動範囲の限界からの距離を有することができる。

更なる発展形態によれば、ベルトタング及びベルトバックルはそれぞれ、ベルトタングが挿入されてロックされたときに、ベルトバックルとベルトタングとの間で電力及び／又は信号を伝送するための複数の電気接続をもたらす複数の電気接点を有することが提案される。

したがって、電力及び／又は信号は、ベルトタング及びベルトバックル上の電気接点を介して、ベルトバックルからベルトタングに、及び／又はベルトタングからベルトバックルに伝送することができる。

ベルトバックルの接点が、挿入スロットから見て、ベルトバックルのロック解除ボタンの反対側に配置されていることが更に提案される。

その結果、ロック解除ボタン及び関連するロック解除機構を、ベルトバックルの接点とは別個に配置及び設計することができる。加えて、ロック解除プローブはそれによって、特に容易な方法で挿入スロットまで設計することができる。加えて、ロック解除ボタンが作動されたときに操作者のアクセス領域に接点がないので、汚染を回避することができる。

更なる発展形態によれば、ベルトタングの接点は、挿入方向から見て、ベルトタング本体のロック部の上方に配置されていることが提案される。

このようにして、ベルトタング上の接点を、ベルトバックルの挿入スロット内のロック機構から幾何学的に分離することができる。

また、電力及び／又は信号をベルトタングからシートベルトに伝送するために、少なくとも２つの電気接続部が設けられていることが提案される。

ベルトタングとシートベルトとの間の２つ以上の電気接続によって、ベルトバックルからの電力及び／又は信号を、ベルトタングを介してシートベルトに伝送することができる。このようにして、シートベルト内又はシートベルト上の電子部品を動作させる及び／若しくは制御することができる。

更に、有利な実施形態では、電力のみをベルトバックルからベルトタングを介してシートベルトに、又はシートベルト内若しくはシートベルトに設けられた電気及び／若しくは電子部品に伝送することができる。シートベルト内の電気及び／又は電子部品と車両内の更なるシステムとの間の信号の伝送は、例えばＢｌｕｅｔｏｏｔｈなどの無線規格を介して行うことができる。

有利な実施形態では、プラグ接続部が、ベルトタングの環に設けられ、環の挿入方向とは反対を向いた側に配置されている。

よって、プラグ接続部は、環のベルトタング引き出し方向を向いた側に配置されている。これはあらゆるベルト力が作用する方向でもあるが、環のこの側又は面は応力を受けない。したがって、ベルトタング上のプラグイン接続部は、ベルトタングとシートベルトとの間の力の伝達のために設けられていない領域に配置されている。

更なる発展形態によれば、ベルトタングの環がシートベルトの縫合されたループによって包まれ、シートベルトにはプラグ接続部が設けられ、プラグ接続部がシートベルトの縫合されたループ内に配置されていることが提案される。

シートベルトの縫合されたループは環を囲んで、ベルトタングの環に互いに独立して張力を加えることができるシートベルトの２つの端部がベルトタングから取り外される。このために、少なくとも２つのベルト層が縫合される。そのような縫合されたループは、胸部ストラップ及び骨盤ストラップに２つのリトラクタをそれぞれ使用するために特に好適である。ループ内にプラグ接続部を配置することにより、シートベルトによってプラグ接続部を保護することが可能になり、その結果、ユーザはプラグ接続部に引っ掛かることなく、又は簡単な方法でプラグ接続部を操作することができる。

更に、シートベルトのプラグ接続部が、縫合されたループ内で安全ベルトから出ているケーブル上に配置されていることが提案される。

プラグイン接続部におけるケーブルは、ベルトタングの環の周りでの縫合されたループの可動性を補償するのに十分な接続の可撓性を達成し、その結果、ベルトタング及びベルトバックルのプラグ接続部の接続は、機械的応力を受けない状態に保たれ得る。

更なる発展形態によれば、ケーブルがシートベルトの縫合されたループの縫合部を通って延びていることが提案される。

ケーブルは、シートベルトの２つの縫合ベルト層の間に案内され、縫合部に保持され得る。あるいは、ケーブルは、縫合部を通ってシートベルトの管状ベルト位置内に延び、管状ベルト位置からループ内の縫合されたループ内に出てもよい。これにより、ケーブルは縫合部によって位置が固定される。

有利な実施形態では、ケーブルは、少なくとも縫合部において、２ｍｍより大きい、好ましくは４ｍｍより大きい、更に好ましくは６ｍｍの幅を有する２本のラインを有する。

対応する幅広のケーブルは、非常に平坦に設計することができ、同時に十分なライン断面をもたらすことができる。その結果、縫合部におけるケーブルの視認性も著しく低下する。加えて、このようなケーブルは、縫合部の製造中に縫い針によって生じ得るような穿刺に対して非常に高い耐性をもたらす。あらゆる穿刺による対応する幅におけるライン断面の減少は、最小限であるため、製造中に高い誤差許容範囲を達成することができる。

更なる発展形態によれば、フレキシブルプリント回路がシートベルト内又はシートベルト上に設けられ、電力及び／又は信号がベルトバックルからベルトタング及びシートベルトを介してフレキシブルプリント回路に伝送されることが提案される。

例えば、ベルトマイクロフォン、ベルトエアバッグのトリガ、乗員分類、照明、振動要素などの様々な機能のための様々な電子部品をフレキシブル回路基板上に設けることができる。ケーブルは、縫合部において、例えば、フレキシブル回路基板に接続されてもよく、あるいはフレキシブル回路基板と一体であってもよい。

本発明について、添付の図を参照して、好ましい実施形態を使用して以下で説明する。以下を図示する。
インダクタコイルを有するベルトタング及びベルトバックルの背面図である。 インダクタコイルを有するベルトタング及びベルトバックルの正面図である。 インダクタコイルを有するベルトバックルと、インダクタコイルを有する挿入されたベルトタングとを示す図である。 インダクタコイルを有するベルトバックルと挿入されたベルトタングとを側面図で示す図である。 移動クリアランス内でのベルトタング及びベルトバックルのインダクタコイルの概略図である。 シートベルトの縫合されたループとフレキシブルプリント回路とを有するベルトタングを示す図である。 インダクタコイルを有するベルトタングの分解図である。 インダクタコイルを有するベルトバックルの分解図である。 ベルトロック用の電気接点を有するベルトタングを示す図である。 ベルトタング用の電気接点を有するベルトバックルを示す図である。

図１は、電力及び／又は信号をベルトバックル２からベルトタング４に誘導的に伝送するように設計されたシートベルト装置１の実施形態を示す。

ベルトタング４は、例えば、板金で作製することができるベルトタング本体５を有する。ベルトタング本体５は、ベルトタングカバー６によって部分的に覆われている。ベルトタング４の、ベルトバックル２の挿入スロット３に挿入されるために設けられた部分は、ベルトタング４のロック部１１を形成する凹部を有する。ベルトバックル２のロック機構は、ベルトタング４の挿入スロット３への挿入後に、ロック部に係合する。代替的な実施形態では、ロック部１１は、ベルトタング４の外郭上に形成され、凹部を有さなくてもよい。ロックは、操作者がロック解除ボタン１０を押すことによって解除することができる。

インダクタコイル９は、ベルトタング４の背面側又は乗員に向くように調整された側に設けられている。この有利な実施形態では、インダクタコイル９は、ベルトタング本体５の主面１２に平行に位置する、すなわち、インダクタコイル９の主軸は、主面１２に対して垂直である。インダクタコイル９は、挿入方向Ｂから見て、ロック部１１の上方に配置されている。したがって、ロック部１１の上方とは、ロック部１１がいずれの場合においてもインダクタコイル９の前方で挿入スロット３に挿入されなければならないことを意味する。１つの可能な実施形態では、インダクタコイル９は、挿入スロット３に挿入され得る。あるいは、インダクタコイル９のみが部分的に挿入されてもよい、すなわち、ベルトタング４が挿入された状態で挿入スロット３の移行領域に設けられてもよい。インダクタコイル９が外部の影響から機械的に保護されるように、インダクタコイル９は、ベルトタングカバー６によって覆われていることが好ましい。ベルトタングカバー６は、プラスチック製であり、それによって、ベルトタングカバー６は、誘導電力及び／又は信号伝送の障害とならない。

また、ベルトタング４は、環８を有し、この環８を通ってシートベルト７が案内され、それにより、シートベルト７から環８に力を導入することができる。有利な例示的実施形態では、環８は、特に挿入方向Ｂの側でベルトタングカバー６によって覆われ、その結果、例えば、金属製ベルトタング本体５の縁部をベルトタングカバー６によって丸くすることができ、これにより、とりわけ、シートベルト７の摩耗が最小限に抑えられる。

図２は、図１の例示的な実施形態を正面図で示しており、この正面図は、ベルトを締めた乗員の身体から離れる方を指すように示されている。すなわち、乗員は、ベルトを締めたときに主にこの側を見る。この図では、ベルトタング４のインダクタコイル９は、ベルトタング４自体によって隠されている。

図１の図とは対照的に、ベルトバックル２上のインダクタコイル９の位置は、正面図で見ることができる。インダクタコイル９は、挿入スロット３の領域においてベルトバックル２上に配置されており、ベルトバックル２のハウジング２１によって隠されている。挿入スロット３は、一方の側のインダクタコイル９と他方の側のロック解除ボタン１０との間に配置されている（図３参照）。有利な例示的実施形態では、ハウジング２１、はプラスチック製である。

図３は、ベルトタング４が挿入されてロックされたベルトバックル２を示す。挿入状態において、ベルトタング４及びベルトバックル２のインダクタコイル９は、ベルトバックル２のインダクタコイル９からベルトタング９のインダクタコイル９への誘導電力伝送を行うことができる程度に接近している。このようにして、自動車の電源からの電流をベルトタング４に供給することができる。この目的のために、ベルトバックル２は、好ましくは、自動車の車載電源システムに接続されるか、又は接続可能であり、これは、ケーブル及び／又はプラグ接続部によって簡単な方法で可能である。ベルトタング４への電気エネルギーの伝送に加えて、又はその代わりに、２つのインダクタコイル９によって電気信号の誘導信号伝送を行うことができる。

更に、プラグ接続部１５がベルトタング４に設けられており、プラグ接続部１５は、シートベルト７に電力を伝送すること、及び／又はシートベルト７とベルトタング４との間で電気信号若しくはデータを伝送することを可能にする。図３の例示的な実施形態では、プラグ接続部１５は、環８に配置され、ベルトタング４のインダクタコイル９に接続されている。この接続は、ベルトタング４内の電子システム（図示せず）を介して行われることが好ましい。ベルトタング４の環８でのプラグ接続部１５の配置は、この領域においてシートベルト７からベルトタング４に力が加えられないように提供される。

ベルトタング４は、例えば、２つの状態ＬＥＤの形態の２つの状態インジケータ２２を有することができる。これらは、例えば、それらの点灯状態によって、すなわち点滅及び／又は異なる発光色によって、ベルトタング４のロック状態についてユーザに知らせることができる。更に、例えば、状態ディスプレイ２２は、例えばシートベルト７内のベルトマイクロフォンから車両内の更なるシステムへのＢｌｕｅｔｏｏｔｈを介した無線データ接続の状態を示すことができる。

図４は、インダクタコイル９を有するベルトバックル２及び挿入されたベルトタング４を側面図で示しており、挿入軸Ａを明確に見ることができる。ベルトタング４は、ベルトタング本体５の一部及びロック部１１とともに挿入軸Ａに沿って挿入スロットに挿入されて、その中にロックされる。ロック解除ボタン１０が作動されると、ベルトタング４を、挿入方向Ｂとは反対方向に挿入軸Ａに沿ってベルトバックル２から取り外すことができる。図４におけるベルトバックル２内のベルトタング４の位置は、ロック解除ボタン１０の作動なしにベルトバックル２からのベルトタング４の更なる伸長が不可能な位置に対応する。この位置は、挿入軸Ａに沿ったベルトタング４の移動クリアランスの第１の限界を形成し、これは通常位置と呼ぶこともできる。ロック状態では、端部停止部に達するまで、挿入軸Ａに沿ってベルトタング４をベルトバックル２に更に押し込むことも、設計により可能である。オーバートラベルとも呼ばれるこの位置は、挿入軸Ａに沿ったベルトタング４の移動クリアランスの第２の限界を形成する。移動クリアランスは、ロック状態にのみ関連し、ベルトタング４が解除されると、移動クリアランスの第１の限界を超える。

この有利な実施形態では、移動範囲の各位置における電力及び／又は信号の誘導伝送が可能である。この目的のために、ベルトタング４及びベルトバックル２のインダクタコイル９は、中心位置において互いに対して最適に配置される、すなわち、移動範囲の限界のうちの一方に配置されない。２つのインダクタコイル９の同心配置によって、可能な限り小さい距離に加えて、最適な配置が達成される。この場合、インダクタコイル９は、通常位置では互いに対して最適に配置されておらず、このことは、この位置における効率を明らかに低下させるが、電力及び／又は信号の十分な伝送が移行位置においても可能であるという利点を提供する。

移動範囲におけるコイル９の相対位置を図４に概略的に示しており、実線の螺旋は、ベルトタング４のインダクタコイル９を表す。破線の螺旋は、ベルトバックル２のインダクタコイル９を概略的に表す。

図５の左側の図では、ベルトタング４、ひいては関連するインダクタコイル９は、ロックを解除しなければそれ以上伸長することができない通常位置に位置している。したがって、インダクタコイル９の互いに対する配置は、電力及び／又は信号の誘導伝送にとって最適ではない。

図５の中央の図は、インダクタコイル９が互いに同心で配置されているインダクタコイル９の最適な相対位置を示す。この相対位置は、移動クリアランスの中央領域を占めている。したがって、中央領域は、挿入軸Ａに沿った移動クリアランスの限界からある距離を有し、この距離は、例えば、挿入軸Ａに沿った移動クリアランスの２５％とすることができる。更に、中央領域は、例えば、３５％以上、例えば４５％の距離であってもよい。更に、中央における最適な相対位置は、通常位置と移動位置との間の限界から同じ距離にあると仮定することが可能である。

ベルトタング４のインダクタコイル９は、オーバートラベル位置で図５の右図に見ることができ、オーバートラベル位置では、ロックされたベルトタング４が、例えば乗客がベルトタング４上に手を置くことによってベルトバックル２内に深く押し込まれている。誘導電力伝送は、この位置でも十分な程度で可能である。

図６は、ベルトタング４の環８を囲む縫合されたループ１７を有するシートベルト７を有するベルトタング４を示す。よって、環８を通ってシートベルト７が摺動することは不可能である。縫合されたループ１７は、縫合されたループ１７の両端を互いに接続する縫合部分１８によって閉じられている。縫合されたループ１７によって固定されたベルトタング４を有するシートベルト７は、例えば、２つのリトラクタ又はベルトリトラクタを有する三点式ベルトに好適であり、一方のベルトリトラクタは、骨盤ストラップ用に設けられ、他方のベルトリトラクタは、胸部用に設けられている。

したがって、環８上のプラグ接続部１５（図３も参照）は、縫合されたループ１７によって大部分が隠されており、縫合されたループ１７の側方開口部を介してのみ見える。環８のプラグ接続部１５は、シートベルト７のプラグ接続部１６に接続又はロックされる。プラグ接続部１６は、ケーブル１４に固定されており、ケーブル１４は、縫合されたループ１７内で、シートベルト７又はケーブル１４の出口開口部とプラグ接続部１６との間の接続部の十分な可動性を可能にして、縫合されたループ１７内での環８の移動を補償することができる。この有利な実施形態において、ケーブル１４は、縫合されたループ１７に内面を介して入る。

ケーブル１４は、電力及び／又は信号をベルトバックル２からフレキシブル回路基板２０に伝送することができ、フレキシブル回路基板２０は、シートベルト７内に一体化されており、例えばベルトマイクロフォン、ベルト照明、触覚警告装置、ベルトエアバッグのトリガ、又は乗員分類などの様々な機能を可能にする。

ケーブル１４及びフレキシブル回路基板２０は、例えば、ホースとして設計されたシートベルト７内に配置することができる。ケーブル１４は、縫合されたループ１７内の好ましくは管状のシートベルト７に入る。ケーブル１４は、電力及び／又は信号を伝送するための少なくとも２つのライン１９を有する。

ケーブル１４のライン１９は、縫合部１８から距離を置いて互いに隣接して案内される。ライン１９は、少なくともこの領域において、比較的幅が広く、すなわち、例えば２ｍｍより広く、又は例えば５ｍｍより広い。これにより、ライン１９を、シートベルト７において見えないように、非常に細く設計することができるという事実をもたらす。同時に、縫合部１８の製造中に、ライン１９は、縫い目がライン１９自体を貫通するように穿孔され得る。

図７は、インダクタコイル９を有する対応するベルトタング４の分解図を示しており、２部品のベルトタングカバー６を有するベルトタング本体５を見ることができる。更に、ベルトタングカバー６によって外側からは隠されているインダクタコイル９の位置を見ることができる。インダクタコイル９は、プラグ接続部１５に電気的に接続される。

ベルトバックル２の分解図を図８に示す。ベルトバックル２のインダクタコイル９の位置もここで見ることができ、インダクタコイル９は、ベルトバックル２のハウジング２１の部品によって全ての側から覆われている。挿入スロット３の領域におけるインダクタコイル９の配置を明確に見ることができる。ロック解除ボタン１０及びベルトバックル２のロック機構は図示されていない。

図９は、シートベルト７への電力及び／又は信号の伝送も可能にするベルトタング４の代替実施形態を示す。シートベルト７への伝送は、例えば図６の例示的な実施形態と同じ方法で行うことができる。前述の例示的な実施形態とは対照的に、電力及び／又は信号の誘導伝送は行われない。代わりに、４つの電気接点１３がベルトタング４に設けられ、これらの電気接点を介して、対応するベルトバックル２（図１０参照）への電気接続をもたらすことができる。例えば、４つの接点に加えて、ベルトタング本体５もまた、例えば接地用の接点であってもよい。

電気接点１３は、挿入方向Ｂに平行に向けられ、ロック部１１に対して挿入方向Ｂの反対側に配置されている。平行な整列は、挿入軸Ａに沿った移動クリアランス内の摺動接触を可能にする。

図１０は、挿入スロット３の下に電気接点１３を有する対応するベルトバックル２を示し、電気接点１３は、挿入されたベルトタング４において、ベルトタング４の電気接点への電気接続を確立することができる。

Claims (18)

1. 挿入スロット（３）を有するベルトバックル（２）と、
   前記ベルトバックル（２）の前記挿入スロット（３）に挿入することができ、前記挿入スロット（３）の中にロックすることができ、かつベルトタング本体（５）及びベルトタングカバー（６）を有する、ベルトタング（４）と、
   シートベルト（７）と、
   を備える、自動車用のシートベルト装置（１）であって、
   前記シートベルト（７）が前記ベルトタング（４）の環（８）を通って延びており、前記ベルトバックル（２）及び前記ベルトタング（４）が、電力及び／又は信号を前記ベルトバックル（２）から前記ベルトタング（４）に伝送するように設計されていることを特徴とする、シートベルト装置（１）。
2. 前記ベルトバックル（２）及び前記ベルトタング（４）がそれぞれ、電力及び／又は信号を伝送するためのインダクタコイル（９）を有することを特徴とする、請求項１に記載のシートベルト装置（１）。
3. 前記ベルトバックル（２）の前記インダクタコイル（９）が、前記ベルトタング（４）を挿入するための前記挿入スロット（３）の領域に配置されていることを特徴とする、請求項２に記載のシートベルト装置（１）。
4. 前記ベルトバックル（２）の前記インダクタコイル（９）が、前記挿入スロット（３）から見て、前記ベルトバックル（２）のロック解除ボタン（１０）の反対側に配置されていることを特徴とする、請求項２又は３に記載のシートベルト装置（１）。
5. 前記ベルトタング（４）の前記インダクタコイル（９）が、挿入方向（Ｂ）から見て、前記タング本体（５）のロック部（１１）の上方に配置されていることを特徴とする、請求項１から４のいずれか一項に記載のシートベルト装置（１）。
6. 前記ベルトタング（４）の前記インダクタコイル（９）が、前記ベルトタング本体（５）の主面（１２）上に配置されており、前記インダクタコイル（９）が、前記ベルトタングカバー（６）によって覆われていることを特徴とする、請求項１から５のいずれか一項に記載のシートベルト装置（１）。
7. 前記ベルトタング（４）が、挿入されてロックされた状態において、挿入軸（Ａ）に沿って移動クリアランスを有し、
   前記移動クリアランスが、一方ではロック解除ボタン（１０）の作動なしでは前記ベルトタング（４）の更なる伸長が不可能である前記ベルトタング（４）のロック位置によって制限され、他方では前記挿入スロット（３）内への前記ベルトタング（４）のより深い挿入が不可能である前記ベルトタング（４）の押し込み位置によって制限され、
   前記ベルトタング（４）の前記インダクタコイル（９）及び前記ベルトバックル（４）の前記インダクタコイル（９）が、前記移動クリアランス内の特定の相対位置において互いに同心で配置されることを特徴とする、
   請求項１から６のいずれか一項に記載のシートベルト装置（１）。
8. 前記ベルトタング（４）の前記インダクタコイル（９）及び前記ベルトバックル（４）の前記インダクタコイル（９）が互いに同心で配置される前記相対位置は、前記移動クリアランスの中央領域に配置されることを特徴とする、請求項７に記載のシートベルト装置（１）。
9. 前記ベルトタング（４）及び前記ベルトバックル（２）がそれぞれ、前記ベルトタング（４）が挿入されてロックされたときに、前記ベルトバックル（２）と前記ベルトタング（４）との間で電力及び／又は信号を伝送するための複数の電気接続をもたらす複数の電気接点（１３）を有することを特徴とする、請求項１から８のいずれか一項に記載のシートベルト装置（１）。
10. 前記ベルトバックル（２）の前記接点（１３）が、前記挿入スロット（３）から見て、前記ベルトバックル（２）のロック解除ボタン（１０）とは別の側に配置されていることを特徴とする、請求項９に記載のシートベルト装置（１）。
11. 前記ベルトタング（４）の前記接点（１３）が、前記挿入方向（Ｂ）から見て、前記ベルトタング本体（５）のロック部（１１）の上方に配置されていることを特徴とする、請求項９又は１０に記載のシートベルト装置（１）。
12. 前記ベルトタング（４）から前記シートベルト（７）に電力及び／又は信号を伝送するために、少なくとも２つの電気接続が設けられていることを特徴とする、請求項１から１１のいずれか一項に記載のシートベルト装置（１）。
13. プラグ接続部（１５）が、前記ベルトタング（４）の前記環（８）に設けられ、前記環（８）の前記挿入方向（Ｂ）とは反対を向いた側に配置されていることを特徴とする、請求項１から１２のいずれか一項に記載のシートベルト装置（１）。
14. 前記ベルトタング（４）の前記環（８）が、前記シートベルト（７）の縫合されたループ（１７）によって包まれ、プラグ接続部（１６）が、前記シートベルト（７）に設けられ、前記シートベルト（７）の前記縫合されたループ（１７）内に配置されていることを特徴とする、請求項１から１３のいずれか一項に記載のシートベルト装置（１）。
15. 前記シートベルト（７）の前記プラグ接続部（１６）が、前記縫合されたループ（１７）内で前記シートベルト（７）から出ているケーブル（１４）上に配置されていることを特徴とする、請求項１４に記載のシートベルト装置（１）。
16. 前記ケーブル（１４）が、前記シートベルト（７）の前記縫合されたループ（１７）の縫合部（１８）を通って延びていることを特徴とする、請求項１５に記載のシートベルト装置（１）。
17. 前記ケーブル（１４）が、少なくとも前記縫合部に２本のライン（１９）を有し、前記ラインが２ｍｍより大きい、好ましくは４ｍｍより大きい、更に好ましくは６ｍｍの幅を有することを特徴とする、請求項１６に記載のシートベルト装置（１）。
18. 前記ベルトバックル（２）から前記ベルトタング（４）を介して及び前記シートベルト（７）を介して電力及び／又は信号が伝送されるフレキシブルプリント回路（２０）が、前記シートベルト（７）内又は前記シートベルト（７）上に設けられていることを特徴とする、請求項１から１７のいずれか一項に記載のシートベルト装置（１９）。