JP2024503705A - 吸引間ヒータコントロールを含む加熱式(hnb)エアロゾル発生デバイス、およびヒータを制御する方法 - Google Patents

吸引間ヒータコントロールを含む加熱式(hnb)エアロゾル発生デバイス、およびヒータを制御する方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2024503705000001
少なくとも1つの例示的実施形態は、不燃性エアロゾル発生デバイス内のヒータを制御するシステムを提供する。システムは、コンピュータ読み取り可能命令を記憶するメモリと、コントローラであって、コンピュータ読み取り可能命令を実行して不燃性エアロゾル発生デバイスに、不燃性エアロゾル発生デバイス内の空気流を検出することと、検出された空気流に基づいて第1の電力をヒータに印加することと、第1の電力を印加した後に、目標予熱温度と、検出された空気流が空気流閾値より小さいこととに基づいて第2の電力をヒータに印加することと、第2の電力を印加した後に、目標予熱温度と、検出された空気流が空気流閾値より小さいこととに基づいて、第2の電力より大きい第3の電力をヒータに印加することとをさせるように構成されたコントローラとを含む。
【選択図】図1

Description

本開示は、加熱式(HNB)エアロゾル発生デバイスと、エアロゾル発生デバイス内のヒータを制御する方法に関する。
電子デバイスの中には、植物材料を、その成分を放出するに十分な温度まで加熱しつつ、該植物材料の燃焼点未満に温度を保持することによって該植物材料の実質的熱分解を回避するように構成されたものがある。このようなデバイスは、エアロゾル発生デバイス(例えば、加熱式エアロゾル発生デバイス)と呼ばれ得、加熱した植物材料はタバコであり得る。いくつかの例では、エアロゾル発生デバイスの加熱チャンバに植物材料を直接導入してもよい。他の例では、個々の容器に植物材料を予めパッケージングして、エアロゾル発生デバイスへの挿入またはエアロゾル発生デバイスからの除去を容易にしてもよい。
少なくとも1つの実施形態は、加熱式(HNB)エアロゾル発生デバイスに関する。ある例示的実施形態では、エアロゾル発生デバイスは含み得る。
少なくとも1つの実施形態は、不燃性エアロゾル発生デバイス内のヒータを制御するシステムに関する。システムは、コンピュータ読み取り可能命令を記憶するメモリと、コントローラであって、前記コンピュータ読み取り可能命令を実行して前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、前記不燃性エアロゾル発生デバイス内の空気流を検出することと、前記検出された空気流に基づいて第1の電力を前記ヒータに印加することと、前記第1の電力を印加した後に、予熱温度と、前記検出された空気流が空気流閾値より小さいこととに基づいて第2の電力を前記ヒータに印加することと、前記第2の電力を印加した後に、前記予熱温度と、前記検出された空気流が前記空気流閾値より小さいこととに基づいて、前記第2の電力より大きい第3の電力を前記ヒータに印加することとをさせるように構成されたコントローラとを含む。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記空気流閾値は第1の閾値であり、前記コントローラは前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、前記検出された空気流が第2の閾値を超えたときに、前記第1の電力を印加させるように構成されている。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記第2の閾値は、前記第1の閾値より大きい。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記コントローラは前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、加熱温度を決定することと、前記加熱温度と吸引温度とに基づいて前記第1の電力を下げることと、前記吸引温度と前記予熱温度とに基づいて前記第2の電力を印加することとをさせるように構成されている。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記予熱温度と前記吸引温度とは等しい。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記吸引温度は、前記予熱温度より高い。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記コントローラは前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、加熱温度を決定することと、前記空気流を検出した後であって前記第2の電力を印加する前に、前記第1の電力を上げることと、前記第3の電力を印加する前に、前記第2の電力を上げることとをさせるように構成されている。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記第1の電力は、前記第2の電力より小さい。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記コントローラは、比例-積分-微分(PID)コントローラを含み、前記コントローラは前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、前記検出された空気流に基づいて前記PIDコントローラの比例項と積分項と微分項のうち少なくとも1つを変更させるように構成されている。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記コントローラは前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、前記検出された空気流が前記第2の閾値より大きいときに前記比例項を増加させ、前記検出された空気流が前記第1の閾値より小さいときに前記比例項を減少させるように構成されている。
少なくとも1つの例示的実施形態では、システムは、前記空気流を検出して、前記空気流の大きさを示す信号を前記コントローラに出力するように構成されたセンサをさらに含む。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記予熱温度は、400℃より低い。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記予熱温度は、320℃である。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記予熱温度は、300℃である。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記第1の電力は、設定最大電力である。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記第2の電力は、設定最小電力である。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記設定最小電力は、1Wである。
少なくとも1つの例示的実施形態では、前記コントローラは、前記不燃性エアロゾル発生デバイスに加熱温度を決定させるように構成されており、前記加熱温度が前記予熱温度であるときに、前記第3の電力の印加によって前記第3の電力が印加される。
少なくとも1つの例示的実施形態は、不燃性エアロゾル発生システムを提供する。システムは、ヒータと、回路であって、不燃性エアロゾル発生デバイスに、前記不燃性エアロゾル発生デバイス内の空気流を検出することと、前記検出された空気流に基づいて第1の電力を前記ヒータに印加することと、前記第1の電力を印加した後に、予熱温度と、前記検出された空気流が空気流閾値より小さいこととに基づいて第2の電力を前記ヒータに印加することと、前記第2の電力を印加した後に、前記予熱温度と、前記検出された空気流が前記空気流閾値より小さいこととに基づいて、前記第2の電力より大きい第3の電力を前記ヒータに印加することとをさせるように構成された回路とを含む。
少なくとも1つの例示的実施形態では、システムは、前記ヒータを含む取り外し可能カプセルであって、前記空気流を前記カプセルの長手方向軸に沿った向きにするように構成された取り外し可能カプセルをさらに含む。
少なくとも1つの例示的実施形態は、不燃性エアロゾル発生デバイス内のヒータを制御するシステムを提供する。システムは、コンピュータ読み取り可能命令を記憶するメモリと、コントローラであって、前記コンピュータ読み取り可能命令を実行して前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、前記不燃性エアロゾル発生デバイス内の空気流を検出することと、前記検出された空気流が第1の閾値を超えたときに第1の電力を前記ヒータに印加することと、前記検出された空気流が前記第1の閾値を超えている間に前記第1の電力を下げて吸引温度を達成することと、前記検出された空気流が前記第1の閾値より小さい第2の閾値より小さいときに、前記第1の電力を下げて前記吸引温度を達成した後で、前記第1の電力より小さい第2の電力を前記ヒータに印加することと、前記第2の電力を印加した後であって、前記検出された空気流が前記第2の閾値より小さいときに、前記第2の電力より大きい第3の電力を前記ヒータに印加することとをさせるように構成されたコントローラとを含む。
少なくとも1つの例示的実施形態は、不燃性エアロゾル発生デバイス内のヒータを制御するシステムを提供する。システムは、コンピュータ読み取り可能命令を記憶するメモリと、コントローラであって、前記コンピュータ読み取り可能命令を実行して前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、予熱電力を印加することにより予熱温度を達成することと、前記不燃性エアロゾル発生デバイス内の空気流を検出することと、前記検出された空気流が第1の閾値を超えたときに、前記予熱電力より小さい前記第1の電力を前記ヒータに印加することと、前記検出された空気流が前記第1の閾値を超えている間に前記第1の電力を上げて、前記予熱温度より低い吸引温度を達成することと、前記検出された空気流が、前記第1の閾値より小さい第2の閾値より小さいときに、前記第1の電力を上げて前記吸引温度を達成した後で、前記上げられた前記第1の電力より大きい第2の電力を前記ヒータに印加することとをさせるように構成されたコントローラとを含む。
本開示を限定しない実施形態の様々な特徴および利点は、添付の図面と共に詳細な説明を読むことで、より明らかとなり得る。添付の図面は説明のためのものに過ぎず、請求の範囲を限定すると理解すべきではない。添付の図面は、明確に記載しない限り、正確な縮尺で描かれていると考えるべきではない。図面の様々な寸法は明瞭化のために誇張されていることもある。
図1Aから図1Cは、1以上の例示的実施形態によるエアロゾル発生デバイスの様々な斜視図である。
図2Aは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図1Aから図1Cのエアロゾル発生デバイスを示す図である。
図2Bは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図1Aから図1Cのエアロゾル発生デバイス用カプセルを示す図である。
図2Cおよび図2Dは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図1Aから図1Cのエアロゾル発生デバイスの一部が取り外された状態を示す図である。
図2Eおよび図2Fは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図1Aから図1Cのエアロゾル発生デバイスの断面図である。
図3は、1以上の例示的実施形態によるエアロゾル発生デバイスおよびカプセルの電気システムを示す図である。
図4は、1以上の例示的実施形態によるヒータ電圧測定回路を示す図である。
図5は、1以上の例示的実施形態によるヒータ電流測定回路を示す図である。
図6Aおよび図6Bは、1以上の例示的実施形態による補償電圧測定回路およびアルゴリズムを示す図である。
図7Aから図7Cは、1以上の例示的実施形態による加熱エンジン制御回路を示す回路図である。
図8Aおよび図8Bは、1以上の例示的実施形態による不燃性エアロゾル発生デバイス内のヒータを制御する方法を示す図である。
図9は、1以上の例示的実施形態による温度加熱エンジン制御アルゴリズムを示すブロック図である。
図10は、1以上の例示的実施形態による、図8Aおよび図8Bに示す方法のタイミング図である。
図11Aおよび図11Bは、例示的実施形態による不燃性エアロゾル発生デバイス内のヒータを制御する方法を示す。
図11Cは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図11Aおよび図11Bに示す方法であって、1段階温度予熱を用いる方法のタイミング図である。
図11Dは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図11Aおよび図11Bに示す方法であって、2段階温度予熱を用いる方法のタイミング図である。
図11Eは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図11Aおよび図11Bに示す方法であって、2段階温度予熱を用いる方法のタイミング図である。
図11Fは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図11Aおよび図11Bに示す方法であって、2段階温度予熱を用いる方法のタイミング図である。
図11Gは、パフ間加熱制御を行わない不燃性エアロゾル発生デバイスのタイミング図である。
いくつかの詳細な例示的実施形態を本明細書に開示する。但し、本明細書に開示する特定の構造および機能の詳細は例示的実施形態を述べるために示すにすぎない。但し、例示的実施形態は多くの異なる形態で実施され得、本明細書に記載する例示的実施形態のみに限定されると解釈すべきではない。
従って、例示的実施形態は様々な改変および変更が可能であり、その実施例を図面に示し、本明細書に詳細に述べる。但し、例示的実施形態を、開示した特定の形態に限定する意図はなく、むしろ例示的実施形態は、あらゆる改変、均等物および変更を網羅する。図面に関する記載全体を通じて、同様の参照符号は同様の要素(element)を示す。
ある部材または層が別の部材または層「の上にある」、「に接続されている」、「に連結されている」、「に取り付けられている」、「に隣接している」、または「を覆っている」と表現された場合、ある部材または層は直接、他の部材または層の上にある、他の部材または層に接続されている、連結されている、取り付けられている、隣接している、または他の部材または層を覆っている場合もあるし、間に介入する部材または層が存在する場合もある。逆に、ある部材が別の部材または層「の直接上にある」、「に直接接続されている」、または「に直接連結されている」と表現された場合、間に介入する部材または層は存在しない。明細書全体を通じて、同様の参照符号は同様の部材を示す。本明細書において、語「および/または」は、この語と共にリストアップされたアイテムのうち1以上のいずれか及びすべての組み合わせまたはサブコンビネーションを含む。
本明細書において様々な部材、領域、層および/または部分を表すために第1、第2、第3などの語を用いているが、これらの部材、領域、層および/または部分はこれらの語に制限されないことを理解されたい。これらの語は、ある部材、領域、層または部分を他の領域、層または部分と区別するために用いているにすぎない。従って、以下に述べる第1の部材、領域、層または部分は、例示的実施形態の教示内容から逸脱することなく、第2の部材、領域、層または部分とも表現し得る。
本明細書において空間的な相対関係を表す語(例えば、「の下」、「の下方」、「下部」、「の上方」、「上部」など)は、ある部材(単数または複数)または特徴(単数または複数)に対する別の部材または特徴の、図示する関係を表すために便宜上用いている。空間的な相対関係を表す語は、図面に示す向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの様々な向きを含むことを意図していると理解されたい。例えば、図面中のデバイスがひっくり返された場合、別の部材または特徴の「下方」または「下」にあると記載されていた部材は、別の部材または特徴の「上方」にあるということになる。そのため「下方」という語は、上方および下方の両方の向きを含み得る。デバイスはそれ以外の向き(90度回転した向き又はその他の向き)を取り得、本明細書で用いる空間的な相対関係を表す語はそれに従って解釈され得る。
本明細素で用いる用語は、様々な例示的実施形態を述べるためのものに過ぎず、例示的実施形態を限定することは意図しない。本明細書で用いる単数の形態「a」、「an」、および「the」は、明確にそうでないと特定しない限り、複数の場合も含むことを意図する。さらに本明細書において、「含む」、「含んで」、「備える」、および/または「備えて」という語はここで述べる特徴、整数、工程、動作、および/または部材の存在を特定するものであり、1以上の他の特徴、整数、工程、動作、部材および/またはこれらの群の存在または追加を排除するものではないことを理解されたい。
本明細書において、「約」および「実質的に」という語を数値に関連して用いる場合、これらが用いられる数値は、明確にそうでないと特定しない限り、記載した数値の±10%の許容誤差を含むことを意図する。
本明細書で用いるすべての語(技術用語および科学的用語を含む)は、そうでないと特定しない限り、例示的実施形態が属する分野において当業者が共通して理解するものと同じ意味を有する。さらにこれらの語は、一般的に用いられている辞書で定義される語も含めて、対応する分野での意味に一致する意味を有すると解釈すべきであり、本明細書で明確にそうでないと特定しない限り、理想化された又は過剰に形式ばった意味で解釈されることはないと理解されたい。
図1Aは、ある例示的実施形態によるエアロゾル発生デバイスを前方から見た斜視図である。図1Bは、図1Aのエアロゾル発生デバイスを後方から見た斜視図である。図1Cは、図1Aのエアロゾル発生デバイスを上流側から見た斜視図である。図1Aから図1Cに示すように、エアロゾル発生デバイス10は、エアロゾル生成物質を受け取り加熱してエアロゾルを製造するように構成されている。エアロゾル発生デバイス10は、様々な構成要件の中でも特に、フレーム1208(例えば、シャーシ)に連結された前ハウジング1202と、後ハウジング1204と、底ハウジング1206とを含む。ドア1210も前ハウジング1202に回動可能に接続されている/取り付けられている。例えばドア1210は、ヒンジ1212周りに移動または揺動するように構成されており、ラッチ1214を介して可逆的に前ハウジング1202と係合する/前ハウジング1202から外れることにより開位置と閉位置との間で切り換わるように構成されている。エアロゾル生成物質はカプセル100(例えば、図2)内に含まれ得、ドア1210を介してエアロゾル発生デバイス10にロードされ得る。エアロゾル発生デバイス10の動作中、製造されたエアロゾルは、マウスピース1100(例えば、図2)のマウス端部セグメント1104により規定されるエアロゾル流出口1102を介してエアロゾル発生デバイス10から吸引され得る。
図1Bに示すように、エアロゾル発生デバイス10は、第1のボタン1218と第2のボタン1220とを含む。第1のボタン1218は予熱ボタンであり得、第2のボタン1220は電源ボタンであり得る(あるいはその逆であってもよい)。さらに、第1のボタン1218および第2のボタン1220の一方または両方が発光ダイオード(LED)を含み得、LEDは第1のボタン1218および/または第2のボタン1220が押されたときに可視光を発するように構成されている。第1のボタン1218および第2のボタン1220の両方がLEDを含む場合、発光する光は同じ色であってもよいし、異なる色であってもよい。光はさらに同じ強度であってもよいし、異なる強度であってもよい。さらに光は、連続光として構成されていてもよいし、間欠性の光として構成されていてもよい。例えば、電源ボタン(例えば、第2のボタン1220)に関連する光は、点滅する/瞬間的に光ることにより、電源(例えば、電池)のレベルが低く、充電が必要なことを示し得る。エアロゾル発生デバイス10を2つのボタンを有するものとして示しているが、所望のインターフェースおよび機能に応じて、より多くの(例えば、3つの)またはより少ないボタンが設けられていてもよいことを理解されたい。
エアロゾル発生デバイス10は直方体の形状を有し得る。直方体は、前面と、前面に対向する後面と、前面と後面との間の第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面と、下流端面と、下流端面に対向する上流端面とを有する。本明細書において、「上流」(およびその逆の「下流」)は、エアロゾルの流れに対するものであり、「近位」(およびその逆の「遠位」)はエアロゾル発生中にエアロゾル発生デバイス10を操作する大人に対するものである。エアロゾル発生デバイス10を多角形の断面を有する直方体状(例えば、角の丸い、立方体以外の直方体状)の形状を有するものとして示しているが、例示的実施形態はこれに限られないことを理解されたい。例えばいくつかの実施形態では、エアロゾル発生デバイス10は、円形の断面を有する円筒(例えば、円筒)状形状を有していてもよいし、楕円形の断面を有する円筒(例えば、楕円筒)状形状を有していてもよい。
図1Cに示すように、エアロゾル発生デバイス10は流入インサート1222を含み、流入インサート1222は、周囲空気がデバイス本体1200(例えば、図2)に入ることを許可するように構成されている。ある例示的実施形態では、流入インサート1222は、エアロゾル流出口1102と流体連通する空気流入口としてのオリフィスを規定する。その結果、エアロゾル流出口1102が吸引(例えば、パフ)されたり又はこれに負の圧力が付与されたりしたときに、流入インサート1222内のオリフィスを介して周囲空気がデバイス本体1200に引き込まれる。流入インサート1222内のオリフィスのサイズ(例えば、直径)は、流路内の他の変数(例えば、カプセル100)を考慮しながら所望の全体的対吸引抵抗(RTD)を提供するように調整され得る。他の実施形態では、流入インサート1222を完全に無くして、底ハウジング1206によって空気流入口が規定されてもよい。
エアロゾル発生デバイス10はさらに、ジャック1224とポート1226とを含み得る。ある例示的実施形態では、ジャック1224は、研究開発(R&D)の目的のために動作情報をダウンロードすること(例えば、RS232ケーブルを介して)を許可する。ポート1226は、外部電源から電流を受け取って(例えば、USB/ミニUSBケーブルを介して)、それによりエアロゾル発生デバイス10内の内部電源を充電するように構成されている。さらにポート1226は、別のエアロゾル発生デバイスまたはその他の電子デバイス(例えば、電話、タブレット、コンピュータ)との間でデータを送信および/または受信する(例えば、USB/ミニUSBケーブルを介して)ように構成されていてもよい。さらにエアロゾル発生デバイス10は、別の電子デバイス(例えば、電話など)と、その電子デバイスにインストールされたアプリケーションソフトウェア(アプリ)を介して無線通信をするように構成されていてもよい。このような例では、大人の操作者がアプリを介してエアロゾル発生デバイス10を制御してもよいし、その他の相互連絡(例えば、エアロゾル発生デバイスの位置を見つける、使用情報をチェックする、動作パラメータを変更するなど)をしてもよい。
図2Aは、図1Aから図1Cのエアロゾル発生デバイスを前方から見た斜視図であり、マウスピース1100およびカプセル100がデバイス本体から分離している。図2に示すように、エアロゾル発生デバイス10は、カプセル100とマウスピース1100とを受け取るように構成されたデバイス本体1200を含む。ある例示的実施形態では、デバイス本体1200は、カプセル100を受け取るように構成された受容部1228を規定する。受容部1228は、外方に延び直径方向に互いに対向する側部スロットを有する円筒ソケットの形態にあり得、それによりカプセル100の電気端部/コンタクトを収容する。但し、受容部1228は、カプセル100の形状/構成に基づいて他の形態にあってもよいことを理解されたい。
上記したように、デバイス本体1200はドア1210を含み、ドア1210は、カプセル100およびマウスピース1100の挿入を許可するように開き、且つカプセル100およびマウスピース1100を保持するように閉じるように構成されている。マウスピース1100は、マウス端部(例えば、マウス端部セグメント1104のマウス端部)と、それに対向するカプセル端部(例えば、カプセル端部セグメント1106のカプセル端部)とを含む。ある例示的実施形態では、カプセル端部はマウス端部より大きく、デバイス本体1200のドア1210が閉じたときにマウスピース1100がカプセル100から外れることを阻止するように構成されている。カプセル100がデバイス本体1200に受け取られ/固定されてエアロゾルを発生させる準備が完了するとカプセル100は見えなくなり得るが、他方、マウスピース1100のエアロゾル流出口1102を規定するマウス端部セグメント1104は見える。図示するように、マウスピース1100のマウス端部セグメント1104は、デバイス本体1200の下流端面から/下流端面を介して延び得る。さらにマウスピース1100のマウス端部セグメント1104は、デバイス本体1200の後面よりも前面に近い位置にあり得る。
いくつかの例では、エアロゾル発生デバイス10のデバイス本体1200は、マウスピースセンサおよび/またはドアセンサを適宜含んでもよい。マウスピースセンサは受容部1228の縁上に(例えば、デバイス本体1200の前面に隣接して)配置され得る。ドアセンサは、前ハウジング1202のうちヒンジ1212に隣接する部分上で且つドア1210の揺動路内に配置され得る。ある例示的実施形態では、マウスピースセンサおよびドアセンサは、安全スイッチとして構成されたバネ式(例えば、退避可能な)突出部である。例えば、マウスピースセンサは、マウスピース1100が受容部1228内にロードされたカプセル100と完全に係合したときに退避/押圧(例えば、作動)され得る。さらにドアセンサは、ドア1210が完全に閉じたときに退避/押圧(例えば、作動)され得る。このような例では、デバイス本体1200の制御回路は、電流がカプセル100に供給されることによりカプセル100内のエアロゾル生成物質を加熱することを許可し得る(例えば、第1のボタン1218が押されたときに予熱することが許可される)。デバイス本体1200の制御回路(例えば、コントローラ2105)は逆に、マウスピースセンサおよび/またはドアセンサが作動していないとき又は作動を停止されたとき(例えば、解除されたとき)には電流の供給を阻止または停止し得る。従って、マウスピース1100が完全に挿入されない限り、および/またはドア1210が完全に閉じられない限り、エアロゾル生成物質の加熱は開始されない。同様に、エアロゾル生成物質の加熱中にドア1210が開くと、カプセル100への電流の供給は中断/停止される。
カプセル100は、本明細書でより詳細に述べるが、流入開口部、流出開口部、および流入開口部と流出開口部との間のチャネルを規定するハウジングを概して含む。ハウジングのチャンバ内にエアロゾル生成物質が配置される。さらにヒータが外部からハウジング内に延出し得る。ハウジングは、本体部と上流部とを含み得る。ハウジングの本体部は、近位端と遠位端とを含む。ハウジングの上流部は、本体部の遠位端と係合するように構成され得る。
図2Bは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図1Aから図1Cのエアロゾル発生デバイス用のカプセルを示す図である。
カプセル100内に含まれるエアロゾル生成物質は、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bの形態にあり得る。ある例示的実施形態では、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bは、第1のカバー110と第2のカバー120との間に収容されている。エアロゾル発生デバイス10の動作中、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bは、ヒータ336により加熱されることにより、エアロゾルを発生させ得る。本明細書でより詳細に述べるように、ヒータ336は、第1の端部142と中間部144と第2の端部146とを含む。さらに製造プロセス中、カプセル100を組み立てる前に、ヒータ336はベース部130に搭載され得る。
図示するように、カプセル100の第1のカバー110は、第1の上流溝112と、第1の凹部114と、第1の下流溝116とを規定する。第1の上流溝112および第1の下流溝116は各々、一連の溝の形態にあり得る。同様に、カプセル100の第2のカバー120は、第2の上流溝と、第2の凹部と、第2の下流溝126とを規定する。ある例示的実施形態では、第2のカバー120の第2の上流溝、第2の凹部および第2の下流溝126はそれぞれ、第1のカバー110の第1の上流溝112、第1の凹部114および第1の下流溝116と同じである。特にいくつかの例では、第1のカバー110と第2のカバー120とは同一かつ補完的な構造を有する。このような例では、第1のカバー110および第2のカバー120を互いに対向させた状態でベース部130と係合させることにより、補完的な構造が得られる。その結果、1つの部品が第1のカバー110または第2のカバー120として交換可能に用いられ得、それにより製造方法が簡略化する。
第1のカバー110の第1の凹部114と第2のカバー120の第2の凹部とは共同でチャンバを形成しており、チャンバは、第1のカバー110および第2のカバー120がベース部130と連結したときにヒータ336の中間部144を収容するように構成されている。第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bもまたチャンバ内に収容され得、それによりカプセル100が組み立てられたときにヒータ336の中間部144と熱的接触をする。チャンバは、流入開口部(例えば、上流側流路162の流入開口部)のうちの1つから流出開口部(例えば、下流側流路166の流出開口部)のうち上記流入開口部に対向する1つまで延びる最長寸法を有し得る。ある例示的実施形態では、カプセル100のハウジングは長手方向軸を有し、チャンバの最長寸法はハウジングの長手方向軸に沿って延びる。
第1のカバー110の第1の下流溝116と第2のカバー120の第2の下流溝126とは共同で下流側流路166を形成している。同様に、第1のカバー110の第1の上流溝112と第2のカバー120の第2の上流溝とは共同で上流側流路162を形成している。下流側流路166および上流側流路162は、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bをチャンバ内に保持するに十分小さい又は狭い寸法であるが、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bがヒータ336によって加熱されたときに空気および/またはエアロゾルの通過を許可するに十分大きい又は広い寸法を有する。
1つの例では、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bの各々は連結され一体化された形態(consolidated form)(例えば、シート、パレット、タブレット)にあり得る。上記連結され一体化された形態は、その形状を維持して、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bが、それぞれ第1のカバー110の第1の凹部114および第2のカバー120の第2の凹部内に統一した様式で配置されることを可能にするように構成されている。このような例では、第1のエアロゾル生成物質160aがヒータ336の中間部144の一方の側(例えば、第1のカバー110に対向する側)に配置され、第2のエアロゾル生成物質160bがヒータ336の中間部144の他方の側(例えば、第2のカバー120に対向する側)に配置されて、それぞれ第1のカバー110の第1の凹部114および第2のカバー120の第2の凹部を実質的に充填してもよい。これにより、第1のエアロゾル生成物質160aと第2のエアロゾル生成物質160bとの間にヒータ336の中間部144が挟まれる/埋め込まれる。あるいは、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bの一方または両方が、設定された形状を有していない緩い形態(例えば、粒子、繊維、粉、片、破片)にあり、導入されたときに第1のカバー110の第1の凹部114および/または第2のカバー120の第2の凹部の形状を取るようになっていてもよい。
上記したように、カプセル100のハウジングは、第1のカバー110と、第2のカバー120と、ベース部130とを含み得る。カプセル100が組み立てられると、ハウジングは約30mm~40mm(例えば、35mm)の高さを有し得るが、例示的実施形態はこれに限られない。さらに第1のカバー110の第1の凹部114および第2のカバー120の第2の凹部の各々は約1mm~4mm(例えば、2mm)の深さを有し得る。このような例では、第1のカバー110の第1の凹部114と第2のカバー120の第2の凹部とによって形成されたチャンバは、約2mm~8mm(例えば、4mm)の全体的厚みを有し得る。これらによると、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bの各々は、連結され一体化された形態にある場合、約1mm~4mm(例えば、2mm)の厚みを有し得る。その結果、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bは、ヒータ336の中間部144によって比較的迅速かつ均一に加熱され得る。
制御回路は、電源に指示してヒータ336に電流を供給させ得る。電源からの電流の供給は、手動操作(例えば、ボタン作動)に呼応するものであってもよく、自動操作(例えば、吸うことにより作動する(puff-activated))に呼応するものであってもよい。電流供給の結果、カプセル100は加熱されてエアロゾルを発生させ得る。さらに、ヒータの抵抗値の変化を用いて、エアロゾル化温度を監視および制御し得る。発生したエアロゾルは、マウスピース1100を介してエアロゾル発生デバイス10から吸引され得る。さらに制御回路(例えば、コントローラ2105)は、電源に指示してヒータ336に電流を供給させることにより、吸引間のカプセル100の温度を維持してもよい。
本明細書に述べるようにエアロゾル生成物質は、エアロゾルを産生し得る材料、またはそのような材料の組み合わせである。エアロゾルとは、本明細書に開示し請求の範囲に記載するデバイスおよびその均等物によって発生する又は生産される物質である。このような材料は化合物(例えば、ニコチン、カンナビノイド)を含み得、材料が加熱されると、この化合物を含むエアロゾルが製造される。加熱は燃焼温度未満であり得、それによりエアロゾル生成物質の実質的な熱分解または燃焼副産物(そのようなものがあれば)の実質的な発生を引きおこすことなく、エアロゾルが製造される。そのため、ある例示的実施形態では、加熱中および、それによるエアロゾルの製造中には熱分解は起こらない。他の例では、熱分解および燃焼副産物がいくらかあり得るが、その程度は比較的小さい、および/または単に偶発的なものだと考えられ得る。
エアロゾル生成物質は繊維状材料であり得る。繊維状材料は、例えば植物材料であり得る。繊維状材料は、加熱されると化合物を放出するように構成されている。化合物は、繊維材料の天然成分であり得る。繊維材料は、例えばタバコなどの植物材料であり得、放出される化合物はニコチンであり得る。用語「タバコ」はいずれのタバコ植物材料をも含み、これは、タバコ植物の1以上の種、例えばNicotiana rusticaおよびNicotiana tabacumから得られるタバコの葉、タバコのプラグ、再構成タバコ、圧縮タバコ、形を整えたタバコ(shaped tobacco)、またはパウダータバコ、およびこれらの組み合わせを含む。
いくつかの例示的実施形態では、タバコ材料はNicotiana属のいずれのメンバーから得られる材料をも含み得る。さらにタバコ材料は、2つ以上の異なるタバコ種のブレンドを含み得る。タバコ材料の使用可能な適切な種類の例は、黄色種タバコ、バーリータバコ、ダークタバコ、メリーランドタバコ、オリエンタルタバコ、レアタバコ、スペシャルティタバコ、これらのブレンドなどを含むが、これらに限られない。タバコ材料はいずれの適切な形態でも提供され得、これはタバコ層、加工タバコ材料(例えば、体積を増やしたタバコまたは膨化タバコ)、加工タバコの茎(例えば、裁断圧延茎または裁断膨化茎)、再構成タバコ材料、これらのブレンドなどを含むが、これらに限られない。いくつかの例示的実施形態では、タバコ材料は実質的にドライタバコの塊の形態にある。さらにいくつかの例示的実施形態では、タバコ材料は、プロピレングリコール、グリセリン、これらのサブコンビネーション、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つと混合されてもよく、および/または組み合わされてもよい。
化合物は、医学的に受容可能な治療効果を有する薬用植物の天然成分でもあり得る。例えば、薬用植物はカンナビス植物であり得、化合物はカンナビノイドであり得る。カンナビノイドは体内のレセプターと相互作用して広範囲の効果をもたらす。その結果、カンナビノイドは様々な医療目的(例えば、痛み、吐き気、てんかん、精神疾患の治療)に用いられてきた。繊維状材料は、カンナビス植物の1以上の種(例えば、Cannabis sativa、Cannabis indicaおよびCannabis ruderalis)から得られる葉、および/または花材料を含み得る。いくつかの例では、繊維状材料はCannabis sativaを60~80%(例えば、70%)含み、Cannabis indicaを20~40%(例えば、30%)含む混合物である。
カンナビノイドの例は、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビクロメン(CBC)、およびカンナビゲロール(CBG)を含む。テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)はテトラヒドロカンナビノール(THC)の前駆体であり、カンナビジオール酸(CBDA)はカンナビジオール(CBD)の前駆体である。テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)およびカンナビジオール酸(CBDA)は、加熱によりテトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD)にそれぞれ変換され得る。ある例示的実施形態では、ヒータ(例えば、図2Bに示すヒータ336)からの熱は脱炭酸を引き起こし得、それによりカプセル100中のテトラヒドロカンナビノール酸(THCA)をテトラヒドロカンナビノール(THC)に変換し、および/またはカプセル100中のカンナビジオール酸(CBDA)をカンナビジオール(CBD)に変換する。
テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)およびテトラヒドロカンナビノール(THC)が共にカプセル100中に存在する例では、脱炭酸およびその結果起こる変換は、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)を減らし、テトラヒドロカンナビノール(THC)を増やす。カプセル100の加熱中に、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)の少なくとも50%(例えば、少なくとも87%)がテトラヒドロカンナビノール(THC)に変換され得る。同様に、カンナビジオール酸(CBDA)およびカンナビジオール(CBD)が共にカプセル100中に存在する例では、脱炭酸およびその結果起こる変換は、カンナビジオール酸(CBDA)を減らし、カンナビジオール(CBD)を増やす。カプセル100の加熱中に、カンナビジオール酸(CBDA)の少なくとも50%(例えば、少なくとも87%)がカンナビジオール(CBD)に変換され得る。
さらに、化合物は天然でない添加物であってもよいし、天然でない添加物をさらに含んでもよく、これらはその後、繊維状材料に導入される。ある例では、繊維状材料は、綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、これらの組み合わせなど(例えば、ガーゼの形態)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。別の例では、繊維状材料はセルロース材料(例えば、非タバコ材料および/または非カンナビス材料)などの天然材料を含んでもよい。いずれの例でも、導入される化合物は、ニコチン、カンナビノイド、および/または香味剤を含み得る。香味剤は、植物抽出物(例えばタバコエキス、カンナビスエキス)などの自然のソースからのものであってもよいし、および/または人工的ソースからのものであってもよい。さらに別の例では、繊維状材料がタバコおよび/またはカンナビスを含むとき、化合物は1以上の香味剤(例えば、メントール、ミント、バニラ)であってもよいし、これをさらに含んでもよい。このように、エアロゾル生成物質中の化合物は、天然成分および/または天然でない添加物を含み得る。この点について、エアロゾル生成物質の天然成分の存在レベルは、補充によって増加し得ることを理解されたい。例えば、ある量のタバコ中のニコチンの存在レベルは、ニコチン含有抽出物を補充することにより増加し得る。同様に、ある量のカンナビス中の1以上のカンナビノイドの存在レベルは、カンナビノイド含有抽出物を補充することにより増加し得る。
第1のカバー110および第2のカバー120はさらに、第1の溝部118および第2の溝部128をそれぞれ規定する。第1の溝部118と第2の溝部128とは共同で下流溝部を形成し、下流溝部は第1の環状部材150aを収容するように構成されている。同様に、ベース部130は上流溝部138を規定し、上流溝部138は第2の環状部材150bを収容するように構成されている。上記したように、ベース部130は係合アセンブリ136を含み、係合アセンブリ136は、第1のカバー110および第2のカバー120との接続を容易にするように構成されている。係合アセンブリ136は、ベース部130の一体形成部であり得る。ある例示的実施形態では、ベース部130は、ベース側流入口132と流体連通するベース側流出口134を規定する。係合アセンブリ136は、ベース側流出口134の各側にある突出縁部/襟部の形態にある。さらに第1のカバー110および第2のカラー120の各々はスロットを規定し、スロットは、係合アセンブリ136のうち、それぞれ対応する突出縁部/襟部を受け取るように構成されている。その結果、第1のカバー110および第2のカバー120は、(例えば、その遠位端を介して)ベース部130の係合アセンブリ136と噛み合う(さらに互いに連結する)ことにより、よりカプセル100のハウジングを形成する。
第1のカバー110および第2のカバー120は、例えば液晶ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)またはアルミニウムにより形成され得る。
ヒータ336を製造するために、シート材料は切断されてもよいし、或いは他の方法で加工(例えば、打ち抜き、電気化学的エッチング、ダイカット、レーザカット)されてもよい。シート材料は、ジュール加熱(オーム加熱/抵抗加熱としても知られている)されるように構成された1以上の導体により形成されてもよい。シート材料に適した導体は、鉄系合金(例えば、鋼鉄、鉄アルミナイド)、ニッケル系合金(例えば、ニクロム)、および/またはセラミック(例えば、金属でコーティングしたセラミック)を含む。例えば、鋼鉄は当該分野でSS316Lとして知られているタイプであってもよいが、例示的実施形態はこれに限られない。シート材料は、約0.1~0.3mm(例えば、0.15~0.25mm)の厚みを有し得る。ヒータ336は、約0.5~2.5オーム(例えば、1~2オーム)の抵抗値を有し得る。
ヒータ336は、第1の端部142と、中間部144と、第2の端部146とを含む。第1の端部142および第2の端部146は、ヒータ336の作動中、電源から電流を受け取るように構成されている。ヒータ336が作動すると(例えば、それによりジュール加熱されると)、第1のエアロゾル生成物質160aおよび第2のエアロゾル生成物質160bの温度が上昇し得、エアロゾルが発生してカプセル100の下流側流路166を介して吸引され得るか又は他の方法で放出され得る。第1の端部142および第2の端部146は各々、フォークターミナルを含むことにより電源との電気的接続(例えば、接続ボルトを介して)を容易にし得るが、例示的実施形態はこれに限られない。さらに、ヒータ336はシート材料から製造され得るため、第1の端部142と第2の端部146と中間部144とは同一平面上にあり得る。さらに、ヒータ336の中間部144は、複数の互いに平行なセグメント(例えば、8から16の互いに平行なセグメント)を有する、圧縮振動またはジグザグに似た平面状かつ曲がりくねった形態を有し得る。但し、ヒータ336の中間部144には他の形態(例えば、螺旋形態、花様形態)も可能であることを理解されたい。
ある例示的実施形態では、ヒータ336はベース部130を通って延びる。このような例では、第1の端部142および第2の端部146の各々の終点部は、ベース部130の互いに対向する両側から突出する、ヒータ336の外部セグメントと考えられ得る。特にヒータ336の中間部144は、ベース部130の下流側にあってベース側流出口134と並んでいる。製造中、ヒータ336は、射出成形(例えば、インサート成形、オーバーモールディング)によってベース部130内に埋め込まれ得る。例えばヒータ336は、中間部144が係合アセンブリ136の1対の突出縁部/襟部の間で、1対の突出縁部/襟部から均等な距離を取るように埋め込まれてもよい。
図面では、ヒータ336の第1の端部142および第2の端部146を、ベース部130の両側から延びる突出部(例えば、フィン)として示しているが、いくつかの例示的実施形態では、ヒータ336の第1の端部142および第2の端部146はカプセル100の側面の一部をなすように構成され得ることを理解されたい。例えば、ヒータ336の第1の端部142および第2の端部146の露出部は、ベース部130の両側に載置される/折り曲げられる(さらに、ベース部130の基本的輪郭に沿う)ような寸法/方向を有し得る。その結果、第1の端部142および第2の端部146はカプセル100の側面の一部をなすことに加え、それぞれ第1の電気コンタクトおよび第2の電気コンタクトを構成し得る。
図2Cは、図1Aから図1Cのエアロゾル発生デバイスの一部が取り外された状態を示す図である。図2Dは、図2のエアロゾル発生デバイスの一部が取り外された状態を示す図である。図2Cおよび図2Dに示すように、フレーム1208(例えば、金属シャーシ)はエアロゾル発生デバイス10の内部部品の土台として作用し、これらの内部部品はフレーム1208に直接的または間接的に取り付けられ得る。図面に示し且つ上記した構造物/部品については、関連する教示内容が明細書の当該部分にも適用可能であり、記載の簡潔化のために繰り返しては説明しなかったかもしれないことを理解されたい。ある例示的実施形態では、底ハウジング1206がフレーム1208の上流端に固定されている。さらに受容部1228(例えば、カプセル100を受け取る)がフレーム1208の前側に搭載されてもよい。受容部1228と底ハウジング1206との間には流入チャネル1230があり、流入チャネル1230は、入ってくる周囲空気流を受容部1228内にあるカプセル100側に方向付けるように構成されている。流入する空気は流入インサート1222(例えば、図1C)を介して流入し得るが、流入インサート1222は流入チャネル1230の遠位端上に配置され得る。さらに受容部1228および/または流入チャネル1230はフローセンサ(例えば、一体型フローセンサ)を含み得る。
カバー1232およびその中の電源1234(例えば、図2E)は、フレーム1208の後側に搭載され得る。カプセル100(例えば、受容部1228内にあり、マウスピース1100のカプセル端部セグメント1106によって覆われている)との電気的接続を確立するために、第1のパワーターミナルブロック1236aおよび第2のパワーターミナルブロック1236bが設けられ得、それにより電流の供給が容易になる。例えば、第1のパワーターミナルブロック1236aおよび第2のパワーターミナルブロック1236bは、ヒータ336の第1の端部142および第2の端部146を介して電源1234とカプセル100との間に必須の電気的接続を確立し得る。第1のパワーターミナルブロック1236aおよび/または第2のパワーターミナルブロック1236bは、真鍮製であり得る。
エアロゾル発生デバイス10はさらに、その動作を容易にするように構成された複数のプリント基板(PCB)を含み得る。ある例示的実施形態では、第1のプリント基板1238(例えば、電力用のブリッジPCBおよびI2C)が、電源1234用カバー1232の下流端に搭載されている。さらに第2のプリント基板1240(例えば、HMI PCB)がカバー1232の後方に搭載されている。別の例では、第3のプリント基板1242(例えば、シリアルポートPCB)がフレーム1208の前方に固定され流入チャネル1230の後方に配置されている。さらに第4のプリント基板1244(例えば、USB-C PCB)がフレーム1208の後方と電源1234用カバー1232との間に配置されている。但し、プリント基板に関して本明細書で述べる例示的実施形態は、そのサイズ、形状および位置がエアロゾル発生デバイス10の所望の特徴によって様々に変化し得るため、上記に限定されないことを理解されたい。
図2Eは、図1Aから図1Cのエアロゾル発生デバイスの断面図である。図2Fは、図1Aから図1Cのエアロゾル発生デバイスの別の断面図である。図面に示し且つ上記した構造物/部品については、関連する教示内容が明細書の当該部分にも適用可能であり、記載の簡潔化のために繰り返しては説明しなかったかもしれないことを理解されたい。図2Eおよび図2Fには、マウスピース1100のマウス端部セグメント1104を、単一の流出口という形態にあるエアロゾル流出口1102を規定するものとして示している。但し、例示的実施形態はこれに限られないことを理解されたい。例えばエアロゾル流出口1102は、複数のより小さい流出口(例えば、2から6の流出口)という形態であってもよい。ある例では、複数の流出口は4つの流出口という形態であってもよい。流出口は半径方向に並んでいてもよく、及び/又は外方に向けて角度を有していてもよく、それによりエアロゾルの流れが枝分かれして流出する。
ある例示的実施形態では、マウスピース1100のマウス端部セグメント1104内に、フィルタまたは味媒体の少なくとも一方が適宜配置され得る。このような例では、フィルタおよび/または味媒体はチャンバ164から下流にあり、その結果、発生したエアロゾルがフィルタまたは味媒体の少なくとも一方を通過して、その後少なくとも1つのエアロゾル流出口1102から外に出る。フィルタは、エアロゾル生成物質(例えば、エアロゾル生成物質160aおよび/またはエアロゾル生成物質160b)からの粒子が誤ってカプセル100から吸引されることを低減または阻止し得る。フィルタはさらに、口に触れる感覚を所望のものにするためにエアロゾルの温度を下げることを補助し得る。味媒体(例えば、味ビーズ)は、エアロゾルが味媒体を通過するときに呈味成分を放出し得、それによりエアロゾルに所望の味を与える。呈味成分は、エアロゾル生成物質に関して上記したものと同じであり得る。さらに、フィルタおよび/または味媒体は、エアロゾル生成物質に関して上記した連結され一体化された形態にあってもよいし、緩い形態にあってもよい。
エアロゾル発生デバイス10はさらに、受容部1228内に配置された第3の環状部材150cを含み得る。第3の環状部材150c(例えば、弾性のOリング)は、カプセル100のベース部130が受容部1228に完全に挿入されたときに気密状態を確立するように構成されている。その結果、受容部1228に引き込まれた空気のうち全部ではないにしても大半がカプセル100を通過し、カプセル100を迂回する流れは存在するとしても非常に少なくなる。ある例示的実施形態では、第1の環状部材150a、第2の環状部材150bおよび/または第3の環状部材150cは透明なシリコーン製であり得る。
エアロゾル発生デバイス10は上記したプリント基板に加えて、フレーム1208と電源1234との間に配置された第5のプリント基板1246(例えば、主要PCB)をさらに含み得る。電源1234は900mAhの電池であり得るが、例示的実施形態はこれに限られない。さらにカプセル100の上流にセンサ1248が配置されることにより、エアロゾル発生デバイス10の動作が向上し得る。センサ1248は例えば、空気流センサであり得る。第1のボタン1218および第2のボタン1220に加えてセンサ1248を鑑みると、エアロゾル発生デバイス10の動作は、自動操作によるもの(例えば、吸うことにより作動する(puff-activated))であってもよいし、手動操作によるもの(例えば、ボタンによる作動)であってもよい。少なくとも1つの例示的実施形態では、センサは、マイクロエレクトロケミカルシステム(MEMS)フローセンサであってもよいし、圧力センサであってもよいし、熱線流速計などの、空気流を測定するように構成された他のタイプのセンサであってもよい。
エアロゾル発生デバイス10が作動すると、デバイス本体1200内のカプセル100が加熱されることにより、エアロゾルを発生させ得る。ある例示的実施形態では、センサ1248による空気流の検出、ならびに/あるいは第1のボタン1218および/または第2のボタン1220の押圧に連動した信号の発生により、エアロゾル発生デバイス10が作動し得る。空気流の検出については、マウスピース1100のエアロゾル流出口1102を吸引する又はこれに負の圧力を付与することにより、周囲空気が流入チャネル1230を介してデバイス本体1200に引き込まれ、空気は、まず流入インサート1222(例えば、図1C)を通過し得る。空気は一旦デバイス本体1200内に入ると、流入チャネル1230を通って受容部1228に流れ、ここでセンサ1248によって検出される。センサ1248の後、空気は引き続き受容部1228を通過して、ベース部130を介してカプセル100に入る。特に空気流は、カプセル100のベース側流入口132を通過した後に上流側流路162を通過してチャンバ164に流れ込む。さらに制御回路(例えば、コントローラ2105)が電源に指示して、ヒータ336に電流を供給させることにより、吸引間のカプセル100の温度を維持し得る。
センサ1248によって空気流が検出されると、制御回路が電源1234に指示して、ヒータ336の第1の端部142および第2の端部146を介してカプセル100に電流を供給させ得る。その結果、ヒータ336の中間部144の温度が上昇し、それにより、チャンバ164内のエアロゾル生成物質(例えば、エアロゾル生成物質160aおよび/またはエアロゾル生成物質160b)の温度が上がり、その結果、エアロゾル生成物質により揮発性物質が放出されてエアロゾルが製造される。製造されたエアロゾルは、チャンバ164内を流れる空気に引っ張られる。特に、チャンバ164内の製造されたエアロゾルはカプセル100の下流側流路166を通過した後、マウスピース1100のエアロゾル流出口1102を通ってエアロゾル発生デバイス10から出る。
エアロゾル発生デバイス、カプセル、および/またはエアロゾル生成物質のさらなる詳細および/またはそれらの代替物は本明細書の記載に見られ得るが、さらに、本出願と同時に出願する米国特許出願第XX/XXX,XXX号、発明の名称「HEAT-NOT-BURN(HNB)AEROSOL-GENERATING DEVICES AND CAPSULES」(加熱式(HNB)エアロゾル発生装置およびカプセル)(代理人整理番号24000NV-000717-US)、本出願と同時に出願する米国特許出願第XX/XXX,XXX号、発明の名称「HEAT-NOT-BURN AEROSOL-GENERATING DEVICES WITH A FLIP-TOP LID」(フリップトップ蓋を有する加熱式エアロゾル発生装置)(代理人整理番号24000NV-000719-US)、本出願と同時に出願する米国特許出願第XX/XXX,XXX号、発明の名称「CAPSULES INCLUDING EMBEDDED HEATERS AND HEAT-NOT-BURN(HNB)AEROSOL-GENERATING DEVICES」(埋め込まれたヒータを含むカプセル、および加熱式(HNB)エアロゾル発生装置)(代理人整理番号24000NV-000667-US)、本出願と同時に出願する米国特許出願第XX/XXX,XXX号、発明の名称「CLOSED SYSTEM CAPSULE WITH AIRFLOW,HEAT-NOT-BURN(HNB)AEROSOL-GENERATING DEVICES, AND METHODS OF GENERATING AN AEROSOL」(空気流を有する閉式カプセル、加熱式(HNB)エアロゾル発生装置、およびエアロゾルを発生させる方法)(代理人整理番号24000NV-000630-US)、本出願と同時に出願する米国特許出願第XX/XXX,XXX号、発明の名称「AEROSOL-GENERATING CAPSULES」(エアロゾル発生カプセル)(代理人整理番号24000NV-000716-US)、本出願と同時に出願する米国特許出願第XX/XXX,XXX号、発明の名称「HEAT-NOT-BURN(HNB)AEROSOL-GENERATING DEVICES AND CAPSULES」(加熱式(HNB)エアロゾル発生装置およびカプセル)(代理人整理番号24000NV-000734-US)に見られ得る。上記出願の各々の開示全体を参考のためここに援用する。
図3は、1以上の例示的実施形態によるエアロゾル発生デバイスおよびカプセルの電気システムを示す。
図3に示すように電気システムは、エアロゾル発生デバイス電気システム2100とカプセル電気システム2200とを含む。エアロゾル発生デバイス電気システム2100は、エアロゾル発生デバイス10に含まれ得、カプセル電気システム2200はカプセル100に含まれ得る。
図3に示す例示的実施形態では、カプセル電気システム2200はヒータ336を含む。
カプセル電気システム2200はさらに、エアロゾル発生デバイス10とカプセル100との間で電力および/またはデータを伝送する本体電気/データインターフェース(図示せず)を含み得る。少なくとも1つの例示的実施形態によると、例えば図2Bに示す電気コンタクトが本体電気コンタクトとして作用し得るが、例示的実施形態はこれに限られない。
エアロゾル発生デバイス電気システム2100は、コントローラ2105と、電源1234と、デバイスセンサまたは測定回路2125と、加熱エンジン制御回路2127と、エアロゾルインジケータ2135と、オンプロダクトコントロール2150(例えば、図1Bに示すボタン1218および1220)と、メモリ2130と、クロック回路2128とを含む。いくつかの例示的実施形態では、コントローラ2105、電源1234、デバイスセンサまたは測定回路2125、加熱エンジン制御回路2127、メモリ2130およびクロック回路2128は同じPCB(例えば、主要PCB1246)上にある。エアロゾル発生デバイス電気システム2100はさらに、エアロゾル発生デバイス10とカプセル100との間で電力および/またはデータを伝送するカプセル電気/データインターフェース(図示せず)を含み得る。
電源1234は、エアロゾル発生デバイス10とカプセル100とに電力を供給する内部電源であり得る。電源1234からの電力の供給は、電力制御回路(図示せず)を介してコントローラ2105により制御され得る。電力制御回路は、電源1234から出力される電力を規制する1以上のスイッチまたはトランジスタを含み得る。電源1234は、リチウムイオン電池であってもよいし、その異種(例えば、リチウムイオンポリマー電池)であってもよい。
コントローラ2105は、エアロゾル発生デバイス10の動作全体を制御するように構成されている。少なくともいくつかの例示的実施形態によると、コントローラ2105は、論理回路を含むハードウェア、ソフトウェアを実行するプロセッサなどのハードウェア/ソフトウェアの組み合わせ、またはこれらの組み合わせなどの処理回路を含み得る。より特定すると処理回路は例えば、中央処理装置(CPU)、算術論理演算装置(ALU)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システム・オン・チップ(SoC)、プログラマブルロジックユニット、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含み得るが、これらに限られない。
図3に示す例示的実施形態では、コントローラ2105を、入力/出力(I/O)インターフェース(例えば、汎用入力/出力(GPIO)、インターインテグレイティッド回路(IC)インターフェース、シリアルペリフェラルインターフェースバス(SPI)インターフェースなど)と、マルチチャネルアナログ-デジタルコンバータ(ADC)と、クロックインプットターミナルとを含むマイクロコントローラとして示している。但し、例示的実施形態はこの実施例に限られない。少なくとも1つの実施形態では、コントローラ2105はマイクロプロセッサであってもよい。
メモリ2130をコントローラ2105の外部にあるものとして図示している。いくつかの例示的実施形態では、メモリ2130はコントローラ2105上に搭載されていてもよい。
コントローラ2105は、デバイスセンサ2125、加熱エンジン制御回路2127、エアロゾルインジケータ2135、メモリ2130、オンプロダクトコントロール2150、クロック回路2128および電源1234と通信可能に連結されている。
加熱エンジン制御回路2127は、GPIO(汎用入力/出力)ピンを介してコントローラ2105に接続されている。メモリ2130は、SPI(シリアルペリフェラルインターフェース)ピンを介してコントローラ2105に接続されている。クロック回路2128は、コントローラ2105のクロック入力ピンに接続されている。エアロゾルインジケータ2135は、インターインテグレイティッド回路(IC)インターフェースおよびSPI/GPIOピンを介してコントローラ2105に接続されている。デバイスセンサ2125は、マルチチャネルADCのそれぞれ対応するピンを介してコントローラ2105に接続されている。
クロック回路2128は、発振回路などのタイミング機構であり得、コントローラ2105がアイドルタイム、予熱長さ、エアロゾル発生(吸引)長さ、アイドルタイムとエアロゾル発生(吸引)長さとの組み合わせ、および電力使用時間を追跡することにより、エアロゾル発生デバイス10のホットカプセルアラート(例えば、インスタンスが起こってから30秒後)などを決定することを可能にする。クロック回路2128はさらに専用外部クロッククリスタルを含み得、専用外部クロッククリスタルはエアロゾル発生デバイス10用システムクロックを発生させるように構成されている。
メモリ2130は不揮発性メモリであり得、不揮発性メモリは、コントローラ2105用の動作パラメータおよびコンピュータ読み取り可能命令を記憶することにより本明細書に記載するアルゴリズムを実行する。1つの実施例では、メモリ2130は、フラッシュメモリなどの電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)であってもよい。
さらに図3に示すようにデバイスセンサ2125は、複数のセンサまたは測定回路を含み得、これらはセンサ情報または測定情報を示す信号をコントローラ2105に供給するように構成されている。図3に示す実施例では、デバイスセンサ2125は、ヒータ電流測定回路21258と、ヒータ電圧測定回路21252と、補償電圧測定回路21250とを含む。図3の電気システムはさらに、図1Aから図2Fを参照して述べたセンサを含み得る。
ヒータ電流測定回路21258は、ヒータ336を流れる電流を示す(例えば、電圧)信号を出力するように構成され得る。ヒータ電流測定回路21258のある例示的実施形態を、図5を参照してより詳細に後述する。
ヒータ電圧測定回路21252は、ヒータ336内の電圧を示す(例えば、電圧)信号を出力するように構成され得る。ヒータ電圧測定回路21252のある例示的実施形態を、図4を参照してより詳細に後述する。
補償電圧測定回路21250は、カプセル100とエアロゾル発生デバイス10との間の電力インターフェース(例えば、電気コネクタ)の抵抗を示す(例えば、電圧)信号を出力するように構成され得る。いくつかの例示的実施形態では、補償電圧測定回路21250は、補償電圧測定信号をコントローラ2105に供給し得る。補償電圧測定回路21250の例示的実施形態を、図6Aおよび図6Bを参照してより詳細に後述する。
上記したように補償電圧測定回路21250、ヒータ電流測定回路21258およびヒータ電圧測定回路21252は、マルチチャネルADCのピンを介してコントローラ2105に接続されている。エアロゾル発生デバイス10およびカプセル100の特性および/またはパラメータ(例えば、ヒータ336の電圧、電流、抵抗、温度など)を測定するために、コントローラ2105のマルチチャネルADCは、デバイスセンサ2125からの出力信号を、それぞれのデバイスセンサによって測定された所与の特性および/またはパラメータに適したサンプリングレートでサンプリングし得る。
エアロゾル発生デバイス電気システム2100は、センサ1248を含むことにより、エアロゾル発生デバイス10内を流れる空気流を測定し得る。少なくとも1つの例示的実施形態では、センサは、マイクロエレクトロケミカルシステム(MEMS)フローセンサであってもよいし、圧力センサであってもよいし、熱線流速計などの、空気流を測定するように構成された他のタイプのセンサであってもよい。ある例示的実施形態では、コントローラ2105への空気流を測定するセンサの出力は、デジタルインターフェースまたはSPIを介して流れを瞬間的に測定した値(単位:ml/sまたはcm/s)である。別の例示的実施形態では、センサは、熱線流速計であってもよいし、デジタルMEMSセンサであってもよいし、他の公知のセンサであってもよい。フローセンサは、フロー値が1mL/s以上であるときに吸引を検出し、その後フロー値が0mL/sに低下したときに吸引を終了させることによりパフセンサとして動作し得る。ある例示的実施形態では、センサ1248は差圧センサに基づくMEMSフローセンサであってもよく、その場合、差圧(単位:パスカル)は、曲線あてはめ校正機能またはルックアップテーブル(各差圧読み取り値に対するフロー値の曲線あてはめ校正機能またはルックアップテーブル)を用いて瞬間フロー読み取り値(単位:mL/s)に変換されている。別の例示的実施形態では、フローセンサーは容量式圧力降下センサであってもよい。
加熱エンジン制御回路2127は、GPIOピンを介してコントローラ2105に接続されている。加熱エンジン制御回路2127は、エアロゾル発生デバイス10のヒータ336への電力を制御することによりヒータ336を制御(イネーブルする及び/又はディセーブルする)ように構成されている。
コントローラ2105はエアロゾルインジケータ2135を制御することにより、エアロゾル発生デバイス10の状態および/または動作を大人の操作者に対して示し得る。エアロゾルインジケータ2135は、光ガイドを介して少なくとも部分的に作用し得、電力インジケータ(例えば、LED)を含み得る。電力インジケータは、大人の操作者がボタンを押したことをコントローラ2105が感知したときに作動し得る。エアロゾルインジケータ2135はさらに、バイブレータ、スピーカ、またはその他のフィードバック機構を含み得、大人の操作者が制御するエアロゾル発生パラメータ(例えば、エアロゾル体積)の現在の状態を指示し得る。
さらに図3に示すようにコントローラ2105は、ヒータ336への電力を制御することにより、加熱プロファイル(例えば、体積、温度、味などに基づく加熱)に応じてエアロゾル生成物質を加熱し得る。加熱プロファイルは、経験によるデータに基づき得、エアロゾル発生デバイス10のメモリ2130に記憶され得る。
図4は、ヒータ電圧測定回路21252のある例示的実施形態を示す。
図4に示すように、ヒータ電圧測定回路21252は、レジスタ3702とレジスタ3704とを含み、これらは、入力電圧信号COIL_OUTを受け取るように構成された端子とグラウンドとの間に分圧回路の構成で接続されている。レジスタ3702およびレジスタ3704の抵抗値は、それぞれ8.2キロオームおよび3.3キロオームであり得る。入力電圧信号COIL_OUTは、ヒータ336に入力された電圧(ヒータ336の入力端子における電圧)であり得る。レジスタ3702とレジスタ3704との間のノードN3716は、動作増幅器(Op-Amp)3708の正の入力に連結されている。キャパシタ3706は、ノードN3716とグラウンドとの間に接続されることにより、ローパスフィルタ回路(R/Cフィルタ)を形成し、それによりOp-Amp3708の正の入力に入力された電圧を安定化させる。キャパシタ3706の容量値は、例えば18ナノファラッドであり得る。フィルタ回路はさらに、ヒータ336にエネルギーを与えるために用いられるPWM信号により導入されたスイッチングノイズによって起こる不正確さを減少させ得、電流および電圧の両方に対して同一の位相応答/群遅延を有し得る。
ヒータ電圧測定回路21252はさらに、レジスタ3710および3712ならびにキャパシタ3714を含む。レジスタ3712はN3718と、出力電圧信号COIL_RTNを受け取るように構成された端子との間に接続されており、例えば8.2キロオームの抵抗値を有し得る。出力電圧信号COIL_RTNは、ヒータ336から出力された電圧(ヒータ336の出力端子における電圧)である。
レジスタ3710とキャパシタ3714とは、ノードN3718とOp-Amp3708の出力との間で並列接続されている。例えば、レジスタ3710は3.3キロオームの抵抗値を有し得、キャパシタ3714は18ナノファラッドの容量値を有し得る。Op-Amp3708の負の入力はさらにノードN3718に接続されている。レジスタ3710および3712ならびにキャパシタ3714は、ローパスフィルタの構成で接続されている。
ヒータ電圧測定回路21252はOp-Amp3708を用いて、入力電圧信号COIL_OUTと出力電圧信号COIL_RTNとの間の電圧差を測定し、ヒータ336の電圧を表す、スケーリング済みヒータ電圧測定信号COIL_VOLを出力する。ヒータ電圧測定回路21252は、コントローラ2105がデジタルサンプリングおよび測定を行えるように、スケーリング済みヒータ電圧測定信号COIL_VOLをコントローラ2105のADCピンに出力する。
Op-Amp3708のゲインは、周囲の受動的電気エレメント(例えば、レジスタおよびキャパシタ)に基づいて設定されることにより、電圧測定値のダイナミックレンジを向上させ得る。1つの実施例では、Op-Amp3708のダイナミックレンジは、電圧をスケーリングして最大電圧出力をADCの最大入力範囲(例えば、2.5V)に合致させることにより達成され得る。少なくとも1つの例示的実施形態では、スケーリングは1V当たり402mVであり、従ってヒータ電圧測定回路21252は約2.5V/0.402V=6.22Vまで測定し得る。
電圧信号COIL_OUTおよびCOIL_RTNは、それぞれダイオード3720および3722によってクランプされることにより、静電気放電(ESD)イベントによるダメージのリスクを減少させる。
いくつかの例示的実施形態では、4線/ケルビン測定値が用いられ得、測定接点(電圧感知接続部(主要電力コンタクトではなく)とも呼ぶ)において電圧信号COIL_OUTおよびCOIL_RTNが測定され得、それによりヒータ336とエアロゾル発生デバイス10との間の電力インターフェース(例えば、電気コネクタ)の接触抵抗およびバルク抵抗が考慮される。
図5は、図3に示すヒータ電流測定回路21258のある例示的実施形態を示す。
図5に示すように出力電流信号COIL_RTN_Iが、グラウンドに接続された4端子(4T)測定レジスタ3802に入力される。4端子測定レジスタ3802の差動電圧はOp-Amp3806によってスケーリングされる。Op-Amp3806は、ヒータ336を流れる電流を示すヒータ電流測定信号COIL_CURを出力する。ヒータ電流測定信号COIL_CURは、コントローラ2105でヒータ336を流れる電流のデジタルサンプリングおよび測定が行えるように、コントローラ2105のADCピンに出力される。
図5に示す例示的実施形態では、4線/ケルビン電流測定技術を用いて電流測定の誤差を減らすために、4端子測定レジスタ3802が用いられ得る。この実施例では、電流測定パスを電圧測定パスから分離することにより、電圧測定パスのノイズを減少させ得る。
Op-Amp3806のゲインは、測定値のダイナミックレンジを向上させるように設定され得る。この実施例では、Op-Amp3806のスケーリングは約0.820V/Aであり得、従ってヒータ電流測定回路21258は、約2.5V/(.820V/A)=3.05Aまで測定し得る。
図5により詳細に示すように、4端子測定レジスタ3802の第1の端子は、ヒータ336の端子に接続されることにより、出力電流信号COIL_RTN_Iを受け取る。4端子測定レジスタ3802の第2の端子は、グラウンドに接続されている。4端子測定レジスタ3802の第3の端子は、レジスタ3804とキャパシタ3808とレジスタ3810とを含むローパスフィルタ回路(R/Cフィルタ)に接続されている。例えば、レジスタ3804の抵抗値は100オームであり得、レジスタ3810の抵抗値は8.2キロオームであり得、キャパシタ3808の容量値は3.3ナノファラッドであり得る。
ローパスフィルタ回路の出力は、Op-Amp3806の正の入力に接続されている。ローパスフィルタ回路は、ヒータ336にエネルギーを与えるために印加されるPWM信号により導入されるスイッチングノイズによって起こる不正確さを減少させ得、さらに電流および電圧の両方に対して同一の位相応答/群遅延を有し得る。
ヒータ電流測定回路21258はさらに、レジスタ3812および3814ならびにキャパシタ3816を含む。レジスタ3812および3814ならびにキャパシタ3816は、4端子測定レジスタ3802の第4の端子と、Op-Amp3806の負の入力と、Op-Amp3806の出力とにローパスフィルタ回路の構成で接続されている。ローパスフィルタ回路の出力は、Op-Amp3806の負の入力に接続されている。例えば、レジスタ3812および3814は、それぞれ100オームおよび8.2キロオームの抵抗値を有し得、キャパシタ3816は3.3ナノファラッドの容量値を有し得る。
Op-Amp3806は、コントローラ2105がヒータ336を流れる電流のサンプリングおよび測定を行えるように、ヒータ電流測定信号COIL_CURとしての差動電圧をコントローラ2105のADCピンに出力する。
少なくともこの例示的実施形態によると、ヒータ電流測定回路21258の構成は、ヒータ電圧測定回路21252の構成と似ているが、レジスタ3804および3810ならびにキャパシタ3808を含むローパスフィルタ回路が4端子測定レジスタ3802の端子に接続されている点と、レジスタ3812および3814ならびにキャパシタ3816を含むローパスフィルタ回路が4端子測定レジスタ3802の別の端子に接続されている点とが異なる。
コントローラ2105は、エアロゾル発生デバイス10内で用いられる「ティック」タイム(制御ループの反復時間)に対応する時間窓(例えば、約1ms)に亘る複数のサンプル(例えば、電圧のサンプル)の平均値を算出し得、その平均値を、スケーリング値の適用によってヒータ336の電圧および電流の数学的表現に変換し得る。スケーリング値は、それぞれのOp-Ampで実行されたゲイン設定に基づいて決定され得、これらのゲイン設定は、エアロゾル発生デバイス10のハードウェアに特有のものであり得る。
コントローラ2105は、例えば3タップ移動平均フィルタを用いて変換済み電圧および電流測定値をフィルタリングすることにより、測定ノイズを減衰させ得る。コントローラ2105はその後、フィルタ済み測定値を用いて、ヒータ336の抵抗値RHEATER(RHEATER=COIL_VOL/COIL_CUR)、ヒータ336に印加される電力PHEATER(PHEATER=COIL_VOL*COIL_CUR)などを計算し得る。
1以上の例示的実施形態によると、図4および/または図5に示す回路の受動的エレメントのゲイン設定は、コントローラ2105の出力信号範囲を入力範囲に合致させるように調整され得る。
図6Aは、1以上の例示的実施形態による、別体の補償電圧測定回路を含むエアロゾル発生デバイスの電気システムを示す。
図6Aに示すように、ヒータ336とエアロゾル発生デバイス電気システム2100との間の接触インターフェースは、入力電力コンタクト6100と、入力測定コンタクト6200と、出力測定コンタクト6300と出力電力コンタクト6400とを有する4線/ケルビン構造を含む。
電圧測定回路21252Aは、入力測定コンタクト6200で測定電圧値COIL_OUT_MEASを受け取り、出力測定コンタクト6300で出力測定電圧値COIL_RTN_MEASを受け取る。電圧測定回路21252Aは、図4に示す電圧測定回路21252と同じ回路であり、スケーリング済みヒータ電圧測定信号COIL_VOLを出力する。図4にはCOIL_OUTおよびCOIL_RTNを示すが、別体の補償電圧測定回路を含まない例示的実施形態では、電圧測定回路21252は、入力電力コンタクト6100および出力電力コンタクト6400の代りに入力測定コンタクト6200および出力測定コンタクト6300で電圧を受け取り得ることを理解されたい。
図6Aに示すシステムはさらに、補償電圧測定回路21250を含む。補償電圧測定回路21250は、補償電圧測定回路21252Aと同じであるが、補償電圧測定回路21250が入力電力コンタクト6100で電圧COIL_OUTを受け取る点と、出力電力コンタクト6400で電圧COIL_RTNを受け取る点と、補償電圧測定信号VCOMPを出力する点とが異なる。
電流測定回路21258は、出力電力コンタクト6400で出力電流信号COIL_RTN_Iを受け取り、ヒータ電流測定信号COIL_CURを出力する。
図6Bは、例示的実施形態による、補償電圧測定信号を用いてヒータ用の目標電力を調整する方法を示す。
コントローラ2105は、図6Bに示す方法を実行し得る。
S6500においてコントローラは、ヒータ用電力送達ループを開始する。6505においてコントローラは、メモリから動作パラメータ(例えば、加熱エンジン制御回路閾値電圧、電力損失閾値、およびウェットタイマ限界)を引き出す。
6510においてコントローラは、コンタクトPCONTACTで損失した電力が損失閾値を超えるか否かを決定する。コントローラは、以下のようにしてコンタクトPCONTACTで損失した電力を決定し得る。
PCONTACT=abs((VCOMP*COIL_CUR)-(COIL_VOL*COIL_CUR))
損失閾値は、ヒータに印加される電力の絶対値(例えば、3W)であってもよいし、パーセンテージ(例えば、25%)であってもよい。
損失した電力PCONTACTが損失閾値以下であるとコントローラが決定した場合、コントローラはS6515でウェットフラグをクリアする。コントローラは、S6520で補償電圧測定信号VCOMPを監視し、S6525で、補償電圧測定信号VCOMPが閾値電圧VMAXを超えたか否かを決定する。閾値電圧VMAXは、加熱エンジン制御回路2127の定格電圧であり得る。
補償電圧測定信号VCOMが閾値電圧VMAXを超えていないとコントローラが決定した場合、コントローラはS6530で次の反復ループ(即ち、次のティックタイム)に進む。補償電圧測定信号VCOMが閾値電圧VMAXを超えているとコントローラが決定した場合、コントローラはS6532で次の反復ループ用のヒータ電力目標を低下させて、6530で次の反復ループに進む。
従って電力損失PCONTACTが損失閾値より小さい場合、コントローラは印加する電力を下げることにより、接触加熱効力を低下させる。
S6510に戻り、電力損失PCONTACTが損失閾値より大きいとコントローラが決定した場合、コントローラは6535において、ウェットフラグが立っているか否かを決定する。S6535でウェットフラグが立っているとコントローラが決定した場合、コントローラはS6550で加熱を終了する(例えば、ヒータに電力を供給しない)。
S6535でウェットフラグが立っていないとコントローラが決定した場合、コントローラはS6540でウェットタイマが動いているか否かを決定する。ウェットタイマは、所望の/選択された時間(例えば、200ms)に亘って電力損失が増えることを許可するために用いられる。
ウェットタイマが動いていないとコントローラが決定した場合、コントローラはS6545でウェットタイマを開始させ、その後6520で補償電圧測定信号VCOMPを監視する。
S6540でウェットタイマが動いているとコントローラが決定した場合、コントローラはS6555でウェットタイマの時間が経過したか否かを決定する。ウェットタイマの時間は経過していないとコントローラが決定した場合、コントローラはS6520で補償電圧測定信号VCOMPを監視する。そのため、ウェットタイマが動いている場合、コンタクトPCONTACTでの電力損失が電力損失の閾値を超えることが許可される。
ウェットタイマの時間が経過したとコントローラが決定した場合、コントローラは6560でウェットフラグを立てる。その後コントローラはS6565でヒータ電力目標を下げて、コンタクトPCONTACTでの電力損失が損失閾値より小さくなるようにし、6520で補償電圧測定信号VCOMPを監視する。より特定するとコントローラは、PIDコントローラが用い得る電力上限を設定する(即ち、PIDループが電力範囲全体を用いることができるようにするのではなく、電力範囲はより低い範囲(例えば、12Wではなく6W)に制限される)。コントローラは同じ温度誤差入力を用い続けるが、電力上限が下げられたため、よりゆっくりと応答する。
別の例示的実施形態では、コントローラは温度目標を変更してもよい。
コンタクトの抵抗値は温度と共に変化する(或いは、「ウェット電流」がコンタクトの酸化層を除去するためにコンタクトの抵抗値は低下し得る)。その結果、電力コンタクトで損失した電力の割合は使用中に変化し得る。電気システムは、コンタクトでの電力損失を補償することにより、ヒータへの電力送達を向上させる(例えば、ウェット降下が一旦起こると電力を増加させることにより、ヒータ温度を達成するレイテンシーが短縮し得る)。
図6Bに示す、電力送達ループの2回目以降の反復ループの各々において、コントローラ2105は、「ウェット」プロセスに再度入り(例えば、それによりコンタクト力の変化に応答する)得るが、コントローラが連続的にプロセスに再度入らないことを保証するためにウェットフラグが用いられる。
図7Aから図7Cは、例示的実施形態による加熱エンジン制御回路の回路図である。図7Aから図7Cに示す加熱エンジン制御回路は、図3に示す加熱エンジン制御回路2127の一例である。
加熱エンジン制御回路は、ブースト変換回路7020(図7A)と第1のステージ7040(図7B)と、第2のステージ7060(図7C)とを含む。
ブースト変換回路7020は、電圧源BATTから電圧信号VGATE(例えば、9V電源)(電力信号または入力電圧信号とも呼ぶ)を生成することにより、第1の電力イネーブル信号PWR_EN_VGATE(シャットダウン信号とも呼ぶ)に基づき第1のステージ7040に電力を供給するように構成されている。コントローラは、第1の電力イネーブル信号PWR_EN_VGATEを生成することにより、エアロゾル発生デバイスを用いる準備が完了したときに論理高レベルを有し得る。換言すると、カプセルがエアロゾル発生デバイスに適切に接続されていることを少なくともコントローラが検出したときに、第1の電力イネーブル信号PWR_EN_VGATEは論理高レベルを有する。他の例示的実施形態では、カプセルがエアロゾル発生デバイスに適切に接続されていることをコントローラが検出し、且つボタンが押されるなどの行為をコントローラが検出したときに、第1の電力イネーブル信号PWR_EN_VGATEは論理高レベルを有する。
第1のステージ7040は、ブースト変換回路7020からの入力電圧信号VGATEを用いて、加熱エンジン制御回路2127を駆動する。第1のステージ7040と第2のステージ7060とは、バックブースト変換回路を形成している。
図7Aに示す例示的実施形態では、第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEがアサートされた(存在する)ときのみ、ブースト変換回路7020が入力電圧信号VGATEを生成する。コントローラ2105は、第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEをディアサートする(停止または終了させる)ことにより、第1のステージ7040への電力をカットし得る。第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEは、デバイス1000でエアロゾル発生オフ動作を行うデバイス状態電力信号として作用し得る。この実施例では、コントローラ2105は、第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEをディアサートすることによりエアロゾル発生オフ動作を行い得、それにより第1のステージ7040、第2のステージ7060およびヒータ336への電力をディセーブルする。その後コントローラ2105は、ブースト変換回路7020に対して第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEを再びアサートすることによってデバイス1000でのエアロゾル発生をイネーブルし得る。
コントローラ2105は、ブースト変換回路7020が高レベル(9Vまたはその前後)を有する入力電圧信号VGATEを出力するような論理レベルで第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEを生成することにより、デバイス1000でのエアロゾル発生状況に呼応して第1のステージ7040およびヒータ336への電力をイネーブルしてもよい。コントローラ2105は、ブースト変換回路7020が低レベル(0Vまたはその前後)を有する入力電圧信号VGATEを出力するような別の論理レベルで第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEを生成することにより、第1のステージ7040およびヒータ336への電力をディセーブルしてもよく、それによりヒータオフ動作を行う。
図7Aのブースト変換回路7020をより詳細に述べると、電圧源BATTとグラウンドとの間にキャパシタC36が接続されている。キャパシタC36は10マイクロファラッドの容量値を有し得る。
インダクタL1006の第1の端子は、電圧源BATTとキャパシタC36との間のノードNode1に接続されている。インダクタL1006は、ブースト変換回路7020の主要保存エレメントとして作用する。インダクタL1006は10マイクロヘンリーのインダクタンスを有し得る。
Node1は、ブーストコンバータチップU11の電圧入力ピンA1に接続されている。いくつかの例示的実施形態では、ブーストコンバータチップはTPS61046であり得る。
インダクタL1006の第2の端子は、ブーストコンバータチップU11のスイッチピンSWに接続されている。ブースターコンバータチップU11のイネーブルピンENは、コントローラ2105から第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEを受け取るように構成されている。
図7Aに示す実施例では、ブーストコンバータチップU11は、ブースト変換回路7020の主要スイッチングエレメントとして作用する。
レジスタR53は、ブースターコンバータチップU11のイネーブルピンENとグラウンドとの間に接続されることによりプルダウンレジスタとして作用して、第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEが中間状態にあるときにヒータ336の動作が阻止されることを保証する。いくつかの例示的実施形態では、レジスタR53は100キロオームの抵抗値を有し得る。
ブーストコンバータチップU11の電圧出力ピンVOUTは、レジスタR49の第1の端子とキャパシタC58の第1の端子とに接続されている。キャパシタC58の第2の端子は、グラウンドに接続されている。電圧出力ピンVOUTによって出力された電圧は、入力電圧信号VGATEである。
レジスタR49の第2の端子とレジスタR51の第1の端子とは第2のノードNode2において互いに接続されている。第2のノードNode2は、ブースターコンバータチップU11のフィードバックピンFBに接続されている。ブースターコンバータチップU11は、レジスタR51の抵抗値に対するレジスタR49の抵抗値の割合を用いて約9Vで入力電圧信号VGATEを生成するように構成されている。いくつかの例示的実施形態では、レジスタR49は680キロオームの抵抗値を有し得、レジスタR51は66.5キロオームの抵抗値を有し得る。
キャパシタC36およびC58は、平滑キャパシタとして動作し、それぞれ10マイクロファラッドおよびお4.7マイクロファラッドの容量値を有し得る。インダクタL1006は、所望の出力電圧(例えば、9V)に基づいて選択されたインダクタンスを有し得る。
図7Bに示すように第1のステージ7040は、入力電圧信号VGATEと第2のイネーブル信号COIL_Zとを受け取る。第2のイネーブル信号はパルス幅変調(PWM)信号であり、第1のステージ7040に対する入力である。
第1のステージ7040は、様々な構成要件の中でも特に、集積ゲートドライバU6を含み、集積ゲートドライバU6は、コントローラ2105からの低電流信号を高電流信号に変換して、第1のステージ7040のトランジスタのスイッチングを制御するように構成されている。集積ゲートドライバU6はさらに、コントローラ2105からの電圧レベルを第1のステージ7040のトランジスタが必要とする電圧レベルに転換するように構成されている。図7Bに示す例示的実施形態では、集積ゲートドライバU6は、ハーフブリッジドライバである。しかし、例示的実施形態はこの実施例に限られない。
より詳細に述べると、ブースト変換回路7020からの入力電圧信号VGATEは、レジスタR22とキャパシタC32とを含むフィルタ回路を介して第1のステージ7040に入力される。レジスタR22は10オームの抵抗値を有し得、キャパシタC32は1マイクロララッドの容量値を有し得る。
レジスタR22とキャパシタC32とを含むフィルタ回路はノードNode3において、集積ゲートドライバU6のVCCピン(ピン4)とツェナーダイオードD2のアノードとに接続されている。キャパシタC32の第2の端子は、グラウンドに接続されている。ツェナーダイオードD2のアノードはノードNode7において、キャパシタC32の第1の端子と集積ゲートドライバU6のブーストピンBST(ピン1)とに接続されている。キャパシタC31の第2の端子はノードNode8において、集積ゲートドライバU6のスイッチングノードピンSWN(ピン7)と、トランジスタQ2およびQ3の間とに接続されている。図7Bに示す例示的実施形態では、ツェナーダイオードD2とキャパシタC31とが、集積ゲートドライバU6の入力電圧ピンVCCとブーストピンBSTとの間に接続されたブートストラップチャージポンプ回路の一部を形成している。キャパシタC31がブースト変換回路7020からの入力電圧信号VGATEに接続されているため、キャパシタ31はダイオードD2を介して、入力電圧信号VGATEにほぼ等しい電圧までチャージされる。キャパシタC31は220ナノファラッドの容量値を有し得得る。
さらに図7Bに示すように、レジスタR25は、高側ゲートドライバピンDRVH(ピン8)とスイッチングノードピンSWN(ピン7)との間に接続されている。レジスタR29の第1の端子はノードNode9において、低側ゲートドライバピンDRVLに接続されている。レジスタR29の第2の端子は、グラウンドに接続されている。
レジスタR23とキャパシタC33とは、集積ゲートドライバU6の入力ピンIN(ピン2)に接続されたフィルタ回路を形成している。フィルタ回路は、入力ピンINに入力された第2のヒータイネーブル信号COIL_Zから高周波数ノイズを除去するように構成されている。第2のヒータイネーブル信号COIL_Zは、コントローラ2105からのPWM信号である。従ってフィルタ回路は、PWM正弦波パルストレインの高周波数成分をフィルタにより除去するように設計されており、正弦波エッジでの立ち上がり及び立ち下がりの回数を僅かに減少させ、その結果、トランジスタが徐々にオン/オフする。
レジスタR24はノードNode10において、フィルタ回路と入力ピンINとに接続されている。レジスタR24はプルダウンレジスタとして用いられ、第2のヒータイネーブル信号COIL_Zが浮遊している(または不確定である)場合に集積ゲートドライバU6の入力ピンINが論理低レベルに保持されることにより、ヒータ336の作動を阻止するようになっている。
レジスタR30とキャパシタC37とは、集積ゲートドライバU6のピンOD(ピン3)に接続されたフィルタ回路を形成している。フィルタ回路は、ピンODに入力された入力電圧信号VGATEから高周波数ノイズを除去するように構成されている。
レジスタR31はノードNode11において、フィルタ回路とピンODとに接続されている。レジスタR31はプルダウンレジスタとして用いられ、入力電圧信号VGATEが浮遊している(または不確定である)場合に集積ゲートドライバU6のピンODが論理低レベルに保持されることにより、ヒータ336の作動を阻止するようになっている。レジスタR30とキャパシタC37とによって形成されたフィルタ回路によって出力された信号は、フィルタ済み信号GATEONと呼ばれる。R30およびR31はさらに除算回路であり、信号VGATEがトランジスタドライバチップ入力用に-2.5Vまで除算されるようになっている。
トランジスタQ2およびQ3は、電圧源BATTとグラウンドとの間に直列接続された電界効果トランジスタ(FET)である。さらにインダクタL3の第1の端子は、電圧源BATTに接続されている。インダクタL3の第2の端子はノードNode12において、キャパシタC30の第1の端子とトランジスタQ2のドレインとに接続されている。キャパシタC30の第2の端子は、グラウンドに接続されている。インダクタL3とキャパシタC30とはフィルタを形成することにより、電圧源BATTからの過渡スパイクを低下させる及び/又は阻止する。
トランジスタQ3のゲートは、集積ゲートドライバU6の低側ゲートドライバピンDRVL(ピン5)に接続されており、トランジスタQ3のドレインはノードNode8において、集積ゲートドライバU6のスイッチングノードピンSWN(ピン7)に接続されており、トランジスタQ3のソースは、グラウンドGNDに接続されている。低側ゲートドライバピンDRVLから出力された低側ゲート駆動信号がHIGHであるとき、トランジスタQ3は低インピーダンス状態(ON)にあり、そのためノードNode8をグラウンドに接続する。
上記したように、キャパシタC31がブースト変換回路7020からの入力電圧信号VGATEに接続されているため、キャパシタ31はダイオードD2を介して、入力電圧信号VGATEに等しい又は実質的に等しい電圧までチャージされる。
低側ゲートドライバピンDRVLから出力された低側ゲート駆動信号がLOWであるとき、トランジスタQ3は高インピーダンス状態(OFF)にスイッチし、高側ゲートドライバピンDRVH(ピン8)は、集積ゲートドライバU6内のブーストピンBSTに内部接続される。その結果、トランジスタQ2が低インピーダンス状態(ON)になり、そのためスイッチングノードSWNを電圧源BATTに接続することにより、スイッチングノードSWN(Node8)を電圧源BATTの電圧に引き込む。
この場合、ノードNode7はブートストラップ電圧V(BST)=V(VGATE)+V(BATT)まで上昇し、それにより、電圧源BATTの電圧にかかわらず(または電圧源BATTの電圧から独立して)、トランジスタQ2のゲート-ソース電圧が入力電圧信号VGATEの電圧と等しく又は実質的に等しく(例えば、V(VGATE))なることが可能となる。回路構成は、電圧源が降下するときにBST電圧は変化しないこと、即ち電圧源BATTの電圧が変化するときにトランジスタは効率的にスイッチすることを保証する。
その結果、スイッチングノードSWN(Node8)が高電流スイッチされた信号を供給する。この信号は、第2のステージ7060に出力される電圧(およびヒータ336に出力される電圧)であって、電池の電圧源BATTに等しい最大値を有するがそれ以外は電池の電圧源BATTから出力される電圧から実質的に独立している電圧を生成するために用いられ得る。
キャパシタC34の第1の端子およびツェナーダイオードD4のアノードはノードNode13において、第2のステージ7060への出力端子に接続されている。キャパシタC34とレジスタR28とは直列接続されている。キャパシタC34の第2の端子とレジスタR28の第1の端子とは互いに接続されている。ツェナーダイオードD4のカソードおよびレジスタR28の第2の端子は、グラウンドに接続されている。
キャパシタC34とツェナーダイオードD4とレジスタR28とは、インダクタL4(図7Cに示す)からのエネルギーが第1のステージ7040に戻ることを阻止するバックEMF(電界および磁界)防止回路を形成している。
レジスタR25は、トランジスタQ2のゲートとトランジスタQ3のドレインとの間に接続されている。レジスタR25はプルダウンレジスタとして作用し、トランジスタQ2がより確実に高インピーダンスにスイッチすることを保証する。
第1のステージ7040の出力は、電圧源の電圧からは実質的に独立しており、電圧源の電圧以下である。第2のヒータイネーブル信号COIL_Zが100%PWMであるとき、トランジスタQ2は常に作動し、第1のステージ7040の出力は、電圧源の電圧または実質的に電圧源の電圧である。
図7Cは、第2のステージ7060を示す。第2のステージ7060は、第1のステージ7040からの出力信号の電圧を上げる。より特定すると、第2のヒータイネーブル信号COIL_Zがコンスタントな論理高レベルにあるとき、第3のイネーブル信号COIL_Xが作動して第1のステージ7040の出力を上げ得る。第3のイネーブル信号COIL_Xはコントローラ2105からのPWM信号である。コントローラ2105は、第3のイネーブル信号COIL_Xのパルス幅を制御することにより第1のステージ7040の出力を上げ、入力電圧信号COIL_OUTを生成する。第3のイネーブル信号COIL_Xがコンスタントな論理低レベルであるとき、第2のステージ7060の出力は第1のステージ7040の出力である。
第2のステージ7060は、入力電圧信号VGATEと、第3のイネーブル信号COIL_Xと、フィルタ済み信号GATEONとを受け取る。
第2のステージ7060は、様々な構成要件の中でも特に、集積ゲートドライバU7を含み、集積ゲートドライバU7は、コントローラ2105からの低電流信号を高電流信号に変換して、第2のステージ7060のトランジスタのスイッチングを制御するように構成されている。集積ゲートドライバU7はさらに、コントローラ2105からの電圧レベルを、第2のステージ7060のトランジスタが必要とする電圧レベルに転換するように構成されている。図7Bに示す例示的実施形態では、集積ゲートドライバU7は、ハーフブリッジドライバである。しかし、例示的実施形態はこの実施例に限られない。
より詳細に述べると、ブースト変換回路7020からの入力電圧信号VGATEは、レジスタR18とキャパシタC28とを含むフィルタ回路を介して第2のステージ7060に入力される。レジスタR18は10オームの抵抗値を有し得、キャパシタC28は1マイクロファラッドの容量値を有し得る。
レジスタR18とキャパシタC28とを含むフィルタ回路はノードNode14において、集積ゲートドライバU7のVCCピン(ピン4)とツェナーダイオードD1のアノードとに接続されている。キャパシタC28の第2の端子は、グラウンドに接続されている。ツェナーダイオードD2のアノードはノードNode15において、キャパシタC27の第1の端子と集積ゲートドライバU7のブーストピンBST(ピン1)とに接続されている。キャパシタC27の第2の端子はノードNode16において、集積ゲートドライバU7のスイッチングノードピンSWN(ピン7)と、トランジスタQ1およびQ4の間とに接続されている。
図7Cに示す例示的実施形態では、ツェナーダイオードD1とキャパシタC27とが、集積ゲートドライバU7の入力電圧ピンVCCとブーストピンBSTとの間に接続されたブートストラップチャージポンプ回路の一部を形成している。キャパシタC27がブースト変換回路7020からの入力電圧信号VGATEに接続されているため、キャパシタC27はダイオードD1を介して、入力電圧信号VGATEにほぼ等しい電圧までチャージされる。キャパシタC31は220ナノファラッドの容量値を有し得得る。
さらに図7Cに示すように、レジスタR21は、高側ゲートドライバピンDRVH(ピン8)とスイッチングノードピンSWN(ピン7)との間に接続されている。トランジスタQ4のゲートは、集積ゲートドライバU7の低側ゲートドライバピンDRVL(ピン5)に接続されている。
インダクタL4の第1の端子は、第1のステージ7040の出力に接続されており、インダクタL4の第2の端子はノードNode16に接続されている。インダクタL4は、第1のステージ7040の出力の主要保存エレメントとして作用する。例示的実施形態では、集積ゲートドライバU7が低側ゲートドライバピンDRVL(ピン5)から低レベル信号を出力すると、トランジスタQ4が低インピーダンス状態(ON)にスイッチし、それにより電流がインダクタL4およびトランジスタQ4を流れることを可能にする。これによりエネルギーがインダクタL4に保存され、電流は経時的に直線的に増加する。インダクタ内の電流は、トランジスタのスイッチング周波数(第3のヒータイネーブル信号COIL_Xによって制御される)に比例する。
レジスタR10とキャパシタC29とは、集積ゲートドライバU7の入力ピンIN(ピン2)に接続されたフィルタ回路を形成している。フィルタ回路は、入力ピンINに入力された第3のヒータイネーブル信号COIL_Xから高周波数ノイズを除去するように構成されている。
レジスタR20はノードNode17において、フィルタ回路と入力ピンINとに接続されている。レジスタR20はプルダウンレジスタとして用いられ、第3のヒータイネーブル信号COIL_Xが浮遊している(または不確定である)場合に集積ゲートドライバU7の入力ピンINが論理低レベルに保持されることにより、ヒータ336の作動を阻止するようになっている。
レジスタR30とキャパシタC37とは、集積ゲートドライバU6のピンOD(ピン3)に接続されたフィルタ回路を形成している。フィルタ回路は、ピンODに入力された入力電圧信号VGATEから高周波数ノイズを除去するように構成されている。
集積ゲートドライバU7のピンODは、フィルタ済み信号GATEONを受け取る。
トランジスタQ1およびQ4は、電界効果トランジスタ(FET)である。トランジスタQ1のゲートとレジスタR21および第1の端子とはノードNode18において、集積ゲートドライバU7の高側ゲートドライバピンDRVH(ピン8)に接続されている。
トランジスタQ1のソースはノードNode16において、レジスタR21の第2の端子と、ツェナーダイオードD3のアノードと、トランジスタQ4のドレインと、キャパシタC35の第1の端子と、キャパシタC27の第2の端子と、集積ゲートドライバU7のスイッチングノードピンSWN(ピン7)とに接続されている。
トランジスタQ4のゲートはノードNode19において、集積ゲートドライバU7の低側ゲートドライバピンDRVL(ピン5)とレジスタR27の第1の端子とに接続されている。トランジスタQ4のソースおよびレジスタR27の第2の端子は、グラウンドに接続されている。
キャパシタC35の第2の端子は、レジスタR29の第1の端子に接続されている。レジスタR29の第2の端子は、グラウンドに接続されている。
トランジスタQ1のドレインはノードNode20において、キャパシタC36の第1の端子と、ツェナーダイオードD3のカソードと、ツェナーダイオードD5のカソードとに接続されている。キャパシタC36の第2の端子およびツェナーダイオードD5のアノードは、グラウンドに接続されている。第2のステージ7060の出力端子7065はノードNode20に接続されており、入力電圧信号COIL_OUTを出力する。出力端子7065は、加熱エンジン制御回路2127の出力として作用する。
キャパシタC35は平滑キャパシタであり得、レジスタは流入する電流を制限する。ツェナーダイオードD3は逆流防止ダイオードであり、ノードNode20の電圧がキャパシタC35にディスチャージされるのを止める。キャパシタC36は第2のステージ7060によりチャージされる出力キャパシタであり(さらにCOIL_OUTのリップルを減少させ)、ツェナーダイオードD5はESD(静電気放電)保護ダイオードである。
低側ゲートドライバピンDRVLから出力された低側ゲート駆動信号がHIGHであるとき、トランジスタQ4は低インピーダンス状態(ON)にあり、それによってノードNode16をグラウンドに接続してインダクタL4の磁界に保存されたエネルギーを増加させる。
上記したように、キャパシタC27がブースト変換回路7020からの入力電圧信号VGATEに接続されているため、キャパシタC27はダイオードD1を介して、入力電圧信号VGATEに等しい又は実質的に等しい電圧までチャージされる。
低側ゲートドライバピンDRVLから出力された低側ゲート駆動信号がLOWであるとき、トランジスタQ4は高インピーダンス状態(OFF)にスイッチされ、高側ゲートドライバピンDRVH(ピン8)は集積ゲートドライバU7内のブートストラップピンBSTに内部接続される。その結果、トランジスタQ1が低インピーダンス状態(ON)になり、そのためスイッチングノードSWNをインダクタL4に接続する。
この場合、ノードNode15はブートストラップ電圧V(BST)=V(VGATE)+V(INDUCTOR)まで上昇し、それにより、インダクタL4からの電圧にかかわらず(またはインダクタL4からの電圧から独立して)、トランジスタQ1のゲート-ソース電圧が入力電圧信号VGATEの電圧と等しく又は実質的に等しく(例えば、V(VGATE))なることが可能となる。第2のステージ7060はブースト回路であるため、ブートストラップ電圧はブースト電圧とも呼ばれ得る。
スイッチングノードSWN(Node8)はインダクタ電圧に接続され、出力キャパシタC36はチャージされて、第1のステージ7040から出力された電圧から実質的に独立している電圧出力信号COIL_OUT(ヒータ336に出力される電圧)を生成する。
図8Aおよび図8Bは、例示的実施形態による不燃性エアロゾル発生デバイス内のヒータを制御する方法を示す。
多くの不燃性デバイスは、使用前に有機材料(例えば、タバコ)を予熱することを用いる。予熱は、興味の対象である化合物が蒸発し始めて大人の操作者が付与した第1の負の圧力が適切な量と組成のエアロゾルを含む温度まで材料の温度を上げるために用いられる。
少なくとも1つの例示的実施形態では、印加されたエネルギーは予熱中にヒータを制御するベースとして用いられる。印加されたエネルギーを用いてヒータを制御することにより、大人の操作者が付与した第1の負の圧力の質および一貫性が向上する。他方、時間および温度は予熱を制御するベースとして一般的に用いられている。
図8Aおよび図8Bの方法は、コントローラ2105で実行され得る。1つの実施例では、図8Aおよび図8Bの方法は、コントローラ2105によって実行されるデバイスマネジャー有限状態機械(FSM)ソフトウェア実行の一部として実行されてもよい。
図8Aに示すようにこの方法は、S805において第1の目標予熱温度に基づいて第1の電力を印加することを含む。S805の例示的実施形態を、さらに図8Bに示す。
図8Bに示すように、コントローラは、カプセルがエアロゾル発生デバイスに挿入されたことを検出する。いくつかの例示的実施形態では、コントローラは、図1Aから図1Cに示すドアに連結された開閉スイッチから信号を獲得する。他の例示的実施形態では、エアロゾル発生デバイスは、カプセル検出スイッチをさらに(または上記に代えて)含む。カプセル検出スイッチは、カプセルが適切に挿入されたか否かを検出する(例えば、カプセルが適切に挿入されると、カプセル検出スイッチが押圧される/閉じる)。カプセルが適切に挿入されると、コントローラは論理高レベルとして信号PWR_EN_VGATE(図7Aに示す)を生成し得る。さらにコントローラは、ヒータ連続性チェックを行うことにより、カプセルが挿入されて且つヒータの抵抗値が特定の範囲内(±20%)にあると決定し得る。
カプセルが挿入された(スイッチによって検出されたように)後、および/またはエアロゾル発生デバイス10がパワーオンになった(例えば、ボタン操作により)とき、ヒータ336は加熱エンジン制御回路からの低電力信号(-1W)を短期間(-50ms)だけ印加され得、抵抗値はこのエネルギーのインパルスの間に、測定された電圧値および電流値から計算され得る。測定電圧値が特定の範囲(例えば、公称2100mΩ±20%)内に収まっている場合、カプセルは受容可能と考えられ、システムはエアロゾル発生に進み得る。
低電力および短期間は、カプセルの加熱を最小限にする(それによりエアロゾルの発生を阻止する)ことを意図している。
S825においてコントローラは、メモリから動作パラメータを獲得する。動作パラメータは、最大電力レベル(Pmax)、最初の予熱温度、それに続く予熱温度、および予熱エネルギー閾値を特定する値を含み得る。動作パラメータは例えば、経験によるデータに基づいて予め決定されてもよいし、カプセルから得られた測定値(例えば、電圧および電流)に基づいて調整されてもよい。しかし例示的実施形態はこれらに限られない。動作パラメータは、マルチインスタンスデバイス用の場合、上記に加えて又は上記に代えて、後に続くインスタンス用の様々な最初の予熱温度を含んでもよい。コントローラは例えば、最初のインスタンス用の動作パラメータおよびそれに続く2回目のインスタンス用の動作パラメータを獲得してもよい。
S830においてコントローラは、エアロゾル発生デバイスに「ON」状態を表示させ得る。コントローラは、エアロゾル発生デバイスにビジュアルインジケータおよび/または触角フィードバックを生成させることにより「ON」状態を表示させてもよい。
S835においてコントローラは、予熱が開始されたか否かを決定する。いくつかの例示的実施形態では、コントローラは、コンシューマがボタンを押して予熱を開始したことを示すオンプロダクトコントロールからの入力を受け取ると、予熱を開始し得る。いくつかの例示的実施形態では、このボタンはエアロゾル発生デバイスをパワーオンにするボタンとは別であってもよく、他の例示的実施形態では、このボタンはエアロゾル発生デバイスをパワーオンにするボタンと同じであってもよい。他の例示的実施形態では、予熱は、空気流が閾値レベルより上であることを感知するなどの別の入力に基づいて開始されてもよい。他の例示的実施形態では、オンプロダクトコントロールによって、大人の操作者が1以上の温度プロファイル(各温度プロファイルがメモリに記憶された動作パラメータと関連している)を選択することが許可されてもよい。
予熱が開始されていないとコントローラが決定した場合、方法はS880に進み、ここでコントローラはオフタイマの時間が経過した否かを決定する。オフタイマの時間が経過していない場合、方法はS830に戻る。オフタイマの時間が経過したとコントローラが決定した場合、コントローラはS885でエアロゾル発生デバイスに「オフ」状態を表示させ、S890でパワーオフにする。オフタイマは、検出された空気流が閾値レベルより低くなったときに開始される。オフタイマは、ある時間(例えば、15分間)に亘って作動状態がなかった場合に「オフ」状態を表示するために用いられる。しかし例示的実施形態は15分に限られない。オフタイマの時間は例えば、2分でもよいし10分でもよい。
S835で予熱が開始されたとコントローラが決定した場合(例えば、オンプロダクトコントロールからの入力を検出した場合)、コントローラは、オンプロダクトコントロールからの入力に関連する動作パラメータをメモリから獲得する。エアロゾル発生インスタンスがカプセルにとって最初のインスタンスではない実施例では、コントローラは、インスタンス番号に関連する動作パラメータを獲得してもよい。メモリは例えば、インスタンス番号に基づいて様々な温度目標(インスタンス番号ごとに異なる温度目標)を記憶し得、さらにインスタンス番号に基づいて予熱で用いる様々な目標エネルギーレベルを記憶し得る。
最初のインスタンスが起こるのは、コントローラが、カプセルが除去されて別のカプセルが挿入されたことを検出した後に初めて予熱アルゴリズムを開始するときである。従って、インスタンスがタイムアウトした場合(例えば、8分後)、またはコンシューマがインスタンス中にデバイスをオフにした場合、インスタンス番号がインクリメントする。
コントローラはS840で動作パラメータを獲得すると、エアロゾル発生デバイスに、予熱が開始されたことをエアロゾルインジケータを介して表示させる。
S850においてコントローラは、ヒータに対する最大使用可能電力までランプアップする(加熱エンジン制御回路2127に供給されたVGATE、COIL_ZおよびCOIL_X信号を介して)(例えば、コントローラは200ms以内に10Wの最大使用可能電力を供給する)。より詳細に述べると、コントローラは最大電力を要請するが、最大電力までランプアップすることにより、電源に対する瞬間的負荷を減少させる。ある例示的実施形態では、最大使用可能電力は、電池の能力に基づいた設定値であり、オーバーシュートを最小限にしてエアロゾル生成物質がヒータによって燃えないようにする値(即ち、エアロゾル生成物質を燃やすことなく投入できるエネルギーの最大値)である。最大使用可能電力は、経験に基づくエビデンスによって設定されてもよく、10から15Wの間でもよい。コントローラはS855で、ヒータの最初の目標予熱温度(例えば、320℃)に近づきつつあると決定するまで、最大使用可能電力を供給する。タバコを含むエアロゾル生成物質用の最初の目標予熱温度の例として320℃を用いているが、例示的実施形態はこれに限られないことを理解されたい。タバコを含むエアロゾル生成物質用の最初の目標予熱温度は例えば、400℃未満であってもよく、例えば350℃であってもよい。さらに最初の目標予熱温度は、エアロゾル生成物質中の材料に基づく。コントローラは、ヒータ電圧測定回路からの測定電圧値(例えば、COIL_VOL)および補償電圧測定回路からの測定電圧値を用いてヒータの温度を決定し得、ヒータ電流測定回路から測定電流値(例えば、COIL_RTN_I)を決定し得る。コントローラは、いずれの公知の様式でヒータ336の温度を決定してもよい(例えば、ヒータ336の抵抗値と温度との比較的直線的な関係に基づいて決定してもよい)。
さらにコントローラは、測定電流値COIL_RTN_Iと測定電圧値COIL_RTNとを用いてヒータ336の抵抗値であるヒータ抵抗値RHeaterを決定し得る(例えば、オームの法則またはその他の公知の方法を用いることにより決定し得る)。例えば少なくともいくつかの例示的実施形態によると、コントローラは測定電圧値COIL_RTN(または補償電圧値VCOMP)を測定電流値COIL_RTN_Iで除算してヒータ抵抗値RHeaterを算出し得る。
いくつかの例示的実施形態では、抵抗値の計算用に測定コンタクトで測定された測定電圧値COIL_RTNが温度制御に用いられ得る。
コントローラ2105は例えば、以下の式を用いて温度を決定(即ち、推定)し得る。
Heater=R[1+α(T-T)]
上記式において、αはヒータの材料の抵抗(TCR)値の温度係数であり、Rは開始抵抗値であり、Tは開始温度であり、RHeaterは現在の抵抗決定値であり、Tは推定温度である。
開始抵抗値Rは、最初の予熱中、コントローラ2105によってメモリ2130に記憶される。より特定すると、ヒータ336に印加された電力が、温度計算に対する測定誤差の影響が少ない値に達したとき、コントローラ2105は開始抵抗値Rを測定し得る。コントローラ2105は例えば、ヒータ336に供給された電力が1Wである(抵抗測定誤差が約1%未満である)ときに、開始抵抗値Rを測定し得る。
開始温度Tは、コントローラ2105が開始抵抗値Rを測定したときの周囲温度である。コントローラ2105は、開始温度Tを測定するオンボードサーミスタまたは任意の温度測定デバイスを用いて開始温度Tを決定し得る。
少なくとも1つの例示的実施形態によると、ヒータ電流測定回路21258およびヒータ電圧測定回路21252による測定を行うために10ms(ミリ秒)の測定間隔が用いられ得る(なぜなら、これが最大のサンプリングレートであるから)。しかし少なくとも1つの他の例示的実施形態では、抵抗に基づくヒータ測定には1msの測定間隔(システムのティックレート)を用いてもよい。
他の例示的実施形態では、ヒータ温度値の決定は、決定された抵抗値に基づいてルックアップテーブル(LUT)からヒータ温度値を獲得することを含み得る。いくつかの例示的実施形態では、開始抵抗値に対する抵抗値の変化によってインデックスをつけられたLUTを用いてもよい。
LUTは、複数のヒータ抵抗値のそれぞれに対応する複数の温度値を保存し得、得られたヒータ温度値は、LUTに保存された複数の温度値のうち、決定された抵抗値に対応する温度値であり得る。
さらにエアロゾル発生デバイス10は、複数のヒータ抵抗値をインデックスとして保存するルックアップテーブル(LUT)を保存(例えば、メモリ2130内に)し得、上記インデックスは、それぞれに対応する複数のヒータ温度値用のインデックスであって、これもまたLUTに保存されている。その結果、コントローラは、前回決定したヒータ抵抗値RHeaterをLUTのインデックスとして用いて、ヒータ336の現在の温度を推定することにより、LUT内に保存されたヒータ温度の中から対応するヒータ温度Tを特定し得る(例えば、調べ得る)。
最初の目標予熱温度に近づきつつあるとコントローラが一旦決定すると、コントローラはS855でヒータに印加する電力を中間の電力レベルまで下げ始めることにより、温度オーバーシュートを回避する。
比例-積分-微分(PID)コントローラ(図9に示す)は、誤差信号(即ち、目標温度-現在の決定温度)に基づいて比例制御を行う。従って、誤差信号がゼロに向かって減少しているときに、コントローラ2105は印加する電力を下げ始める(これは、大部分はPIDコントローラの比例項(P)によって制御されるが、積分項(I)と微分項も貢献している)。
P値、I値およびD値は、オーバーシュート、レイテンシーおよび定常誤差のバランスを互いに取り、PIDコントローラがいかにしてその出力を調整するかを制御する。P値、I値およびD値は経験に由来するものであってもよいし、シミュレーションによるものであってもよい。
図9は、少なくともいくつかの例示的実施形態による温度加熱エンジン制御アルゴリズムを示すブロック図である。
図9に示すように、温度加熱エンジン制御アルゴリズム900は、PIDコントローラ970を用いて、加熱エンジン制御回路2127に印加する電力量を制御し、それによって所望の温度を達成する。例えば以下により詳細に述べるように、いくつかの例示的実施形態によると、温度加熱エンジン制御アルゴリズム900は、決定された温度値974(例えば、上記したように決定された)を獲得することと、目標温度値(例えば、目標温度976)をメモリ2130から獲得することと、決定されたヒータ温度値と目標温度値とに基づいてPIDコントローラ(例えば、PIDコントローラ970)によってヒータに供給する電力レベルを制御することとを含む。
さらに少なくともいくつかの例示的実施形態によると、目標温度976は、PIDコントローラ970によって制御されるPID制御ループ内でセットポイント(即ち、温度セットポイント)として作用する。
その結果、PIDコントローラ970は、電力制御信号972のレベルを連続的に訂正し、それにより電力レベル設定動作944によって加熱エンジン制御回路2127に出力される電力波形930(即ち、COIL_XおよびCOIL_Z)を制御する。この制御は、目標温度976と決定された温度974との差(例えば、差の大きさ)が減少するか又は最小限になるように行われる。目標温度976と決定された温度974との差は、PIDコントローラ970が減少させようとする又は最小限にしようとする誤差値であると考えることもできる。
例えば少なくともいくつかの例示的実施形態によると、電力レベル設定動作944は、電力波形930のレベルが電力制御信号972によって制御されるように、電力波形930を出力する。加熱エンジン制御回路2127は、電源1234によってヒータ336に供給される電力量を、加熱エンジン制御回路2127に出力された電力レベル波形の電力レベルの大きさの増加または減少に比例するように、増加または減少させる。その結果、PIDコントローラ970は電力制御信号972を制御することにより、ヒータ336に供給される電力レベルを制御する(例えば、電源1234により制御する)。この制御は、目標温度値(例えば、目標温度976)と決定された温度値(例えば、決定された温度974)との差の大きさが減少するか又は最小限になるように行われる。
少なくともいくつかの例示的実施形態によると、PIDコントローラ970は、公知のPID制御方法に従って動作し得る。少なくともいくつかの例示的実施形態によると、PIDコントローラ970は、比例項(P)と積分項(I)と微分項(D)のうち2以上の項を生成し得る。PIDコントローラ970は、これら2以上の項を用いて、公知の方法に従って電力制御信号972を調整または訂正し得る。いくつかの例示的実施形態では、最初の予熱相とそれに続く予熱相とに同じPID設定を用いてもよい。
別の例示的実施形態では、各相に異なるPID設定を用いてもよい(例えば、最初の予熱用の温度目標とそれに続く予熱用の温度目標が実質的に異なる場合)。
図10は、PIDコントローラ970が、電力レベル動作944に供給された電力制御信号972を連続的に訂正している間、電力波形930のレベルが経時的にどのように変化し得るかの例を示す。図10は、温度およびエネルギーがそれぞれの閾値に到達するときに電力波形930のレベルがどのように変化し得るかの例を示す。図10の電力は、COIL_VOL*COIL_CURである。図10では、温度がセットポイントに近づくと、PIDループが印加電力を最大電力Pmaxから下げ始める。このことが目標温度のオーバーシュートを減少させる。
図10について以下にさらに詳細に述べる。
図8Aに示すように、コントローラはS810において、第1の電力印加の一部としてヒータに送達された推定エネルギーを決定する。
図8Bに示し上記したように、コントローラはS855において、ヒータに供給する電力を制御する。S860においてコントローラは、ヒータに印加された推定エネルギーが予熱エネルギー閾値に達したか否かを決定する。より特定すると、コントローラは、予熱を開始してからヒータに送達された電力を積分する(またはサンプルを合計する)ことにより、ヒータに送達されたエネルギーを推定する。ある例示的実施形態では、コントローラは、ヒータに印加された電力(電力=COIL_VOL*COIL_CUR)を1ミリ秒ごとに決定し、決定した電力を積分(または合計)の一部として用いる。
予熱エネルギー閾値にまだ達していないとコントローラが決定した場合、方法はS855に進み、ここでヒータの予熱プロセスの一部として電力がヒータに供給される。
印加されたエネルギーが予熱エネルギー閾値(例えば、75J)に達したとコントローラが決定した場合、コントローラはS865で、エアロゾル発生デバイスに、エアロゾルインジケータを介して予熱完了指示を出力させる。
図8Aおよび図8Bに示すように、コントローラは、予熱エネルギー閾値が達成されると、S815において第2の電力をヒータに印加する。第2の電力は、第1の電力より小さい。
コントローラは、ヒータの最初の目標予熱温度を次の予熱温度(例えば、300℃)に変更し、従って図9に示す温度制御アルゴリズムを用いて入力電力を第2の電力まで下げる。次の予熱温度は、経験によるデータに基づいてもよく、最初の目標予熱温度より低くてもよい。いくつかの例示的実施形態では、次の予熱温度は、デバイス内にカプセルがある状態でデバイスに負の圧力を付与した回数に基づき得る。
図8Bおよび図10は、次の予熱温度目標まで予熱することを示しているが、大人の操作者は、最初の予熱温度目標に達した後にエアロゾル発生を開始してもよい。より特定すると、コントローラ2105は、大人の操作者によって負の圧力が付与されたことが検出され、且つ最初の予熱温度目標に達したときに、エアロゾル発生を開始し得る(即ち、ヒータがエアロゾルを製造するに十分な温度に達するようにヒータに電力を供給する)。
予熱エネルギー閾値は、経験によるデータに基づいて決定されてもよく、圧力閾値よりも高い負の圧力が付与されたときに所望の/選択された量のエアロゾルを生成するに十分なエネルギーであると決定されてもよい。
S875において、大人の操作者はエアロゾル発生デバイスに負の圧力を付与し得る。エアロゾル発生デバイスはこれに呼応して、カプセル内のエアロゾル前の物質を加熱してエアロゾルを発生させる。
印加したエネルギーを、ヒータ及び/又は加熱中の温度を制御する要因として用いることにより、感覚的経験とエネルギー効率が向上し、その結果、電池パワーが保存される。
図10は、図8Aおよび図8Bに示す方法のタイミング図である。Tにおいて、予熱が開始され、コントローラは電力を増加させることにより、ヒータに第1の電力を印加する。第1の電力は本実施例では、最大電力Pmaxである。Tにおいて、ヒータが最初の予熱温度Temp1に近づきつつあるとコントローラが決定し(PID制御ループ内の誤差信号の低下による)、印加する電力をPmaxから中間電力Pintに下げ始めることにより、温度オーバーシュートを回避する。中間電力Pintへの低下は、少なくとも2つの間隔Int1およびInt2を含む。コントローラは電力を、間隔Int2中のレートよりも速いレートで(即ち、より大きいスロープで)下げる。間隔Int2はより変化の割合が小さく、それにより、最初の予熱温度Temp1に達したとコントローラが決定するのと実質的に同時に、中間電力Pintに達することが可能となる。予熱に用いられるPID設定は、間隔Int1およびInt2の両方に対して同じ(例えば、P=100、I=0.25、且つD=0)であってよい。間隔Int1およびInt2中に電力印加が変化するのは、温度誤差信号が低下した結果である。
においてコントローラは、最初の予熱温度Temp1に達したと決定する。Tにおいてコントローラは、印加されたエネルギーが予熱エネルギー閾値に達したと決定し、電力を第2の電力P2まで下げることにより、ヒータの温度を次の予熱温度Temp2に維持する。
中間電力Pintから第2の電力Pへの遷移は、2つの間隔Int3およびInt4を含む。Int3においてコントローラは、第1のスロープで電力を下げる。Int4においてコントローラは、第1のスロープの大きさより小さい大きさのスロープで電力を上げる。電力がPdipであるときにコントローラは間隔Int4を開始する。Pdipは第2の電力Pより小さい。
図11Aから図11Fは、例示的実施形態による不燃性エアロゾル発生デバイス内のヒータを制御する方法を示す。
以下に述べるように、エアロゾル発生デバイスは、感覚経験を向上させる単一吸引(例えば、2~4秒の吸引)の間にヒータに送達される電力/エネルギーを規制することができる。これらの方法は、吸引間制御と呼ばれ得る。
エアロゾル発生デバイスの加熱バスケットおよびタバコロッド形態の両方において、熱応答は、大人の操作者によって負の圧力がデバイスに付与される期間に対して遅いことがあり得る。その結果、このようなエアロゾル発生デバイスは、パフセンサも空気流速センサも含まない。
しかし、例示的実施形態のエアロゾル発生デバイスは、負の圧力が閾値を超えた時と閾値を下った時とを検出する空気流センサ(例えば、空気流センサ1248)を含む。
図11Aから図11Fの方法は、コントローラ2105において実行され得る。1つの実施例では図11Aから図11Fの方法は、コントローラ2105で実行されるデバイスマネジャー有限状態機械(FSM)ソフトウェア実行の一部として実行されてもよい。
図11Aに示すように、エアロゾル発生デバイスが入力を受け取ってオンになるか、又は又は予熱を開始すると、コントローラはS1102で予熱アルゴリズムを開始する。予熱は図8Aから図10を参照して述べた例示的実施形態に従って行われ得る。
S905において、空気流センサによって空気流が検出される。図11Bは、空気流検出のさらなる詳細を示す。図11Bに示すように、コントローラはS1125でヒータの温度を制御して予熱温度目標(例えば、最初の予熱温度目標)まで上げる。コントローラは、予熱温度目標に従ってヒータの温度を制御しながら、S1130で空気流センサからの入力を監視することにより検出された空気流が第1の空気流閾値を超えているか否かを決定する。検出された空気流が第1の空気流閾値を超えていないと決定した場合、コントローラはS1175で、デバイスがシャットダウンするか又はスリープモードに入るような閾値時間が経過したか否かを決定する。閾値時間が経過していない場合、方法はS1125に戻り、コントローラは、予熱温度目標に従ってヒータ温度の制御を継続する。図11Bの実施例では時間を用いてエアロゾル発生デバイスをオフにすべきか否かを決定しているが、エアロゾル発生デバイスをオフにすべきか否かを決定するために他の基準も用いられ得ることを理解されたい。例えば、コントローラは、閾値回数だけ吸引が行われた後に、あるいは閾値時間が負の圧力の閾値または一例としての(instance)エネルギー消費の閾値を超えたときに、エアロゾル発生を禁止することを決定してもよい。
検出された空気流が第1の閾値を超えたとS1130で決定した場合、コントローラはS1135で、エアロゾル発生イベントを開始するに十分な負の圧力がエアロゾル発生デバイスに付与されていると決定する。図11Aから図11Fは空気流センサについて示しているが、空気流センサに代えて又は空気流センサに加えて、負の圧力による吸引を検出する圧力センサまたは他のタイプのセンサを用いてもよいことを理解されたい。
空気流センサは20ミリ秒ごとに大きさの測定値をコントローラ2105に供給する。コントローラは、複数のサンプル(例えば、7つのサンプル)の平均である閾値検出値を用いてノイズを減少させる。例えばコントローラは、空気流センサからの複数のサンプルの大きさを平均し、平均値が第1の空気流閾値(例えば、1ml/秒)を超えているか否かを決定する。
いくつかの例示的実施形態では、コントローラは、検出された空気流が第1の閾値に等しいとき、エアロゾル発生イベントを開始するに十分な負の圧力がエアロゾル発生デバイスに付与されていると決定する。別の例示的実施形態では、コントローラは、検出された空気流が第1の閾値に等しいとき、エアロゾル発生イベントを開始するに十分な負の圧力がエアロゾル発生デバイスに付与されていないと決定する。
図11Aに示すように、コントローラはS1110で、検出された空気流に基づき第1の電力を印加する。図11Bに示すようにコントローラは、エアロゾル発生イベントを開始するに十分な負の圧力がエアロゾル発生デバイスに付与されていると決定すると、S1140において、吸引温度および比例-積分-微分(PID)設定をメモリからロードする。
メモリ(例えば、2130)は、PID設定および温度セットポイント(目標温度)を設定するために用いられる規定済み閾値を記憶し得る。例えば、予熱中に、高い正確性および遅い反応性に対するPID設定(例えば、P=100、I=0.25、D=0)が設定され得る。空気流が第1の空気流閾値を超えていると検出されると(それにより吸引フェーズが開始されると)、コントローラによってPID設定が設定され得、それにより応答するPID設定(例えば、P=300、I=1、D=0)を用いて空気流が補償される。PID設定は、動作フェーズ(即ち、予熱または吸引(例えば、負の圧力が閾値を超えているとき)中は一定である。例えば、十分な負の圧力(例えば、第1の空気流閾値を超える)が付与されていると決定したとき、コントローラは比例設定および積分設定を増加させることによりヒータに送達する電力を増加させ得、それによりヒータからの温度降下を回避する/減少させる、又は低レイテンシーでより高い又はより低い温度を達成する。
S1145においてコントローラは、検出された空気流およびPID設定に関連する目標温度に応じて第1の電力をヒータに供給するコマンドを発生させる。システムは、吸引検出開始の低レイテンシー検出を行うことにより、吸引期間用のより高いP値を含むより高い温度セットポイント(目標温度)に切り替えて、製造されたエアロゾルの質を上げ、その後、吸引間の維持温度レベル(例えば、予熱温度)に戻すということをし得る。これは、電池の消耗およびカプセルからの揮発性物質の喪失を減少させるためである。
ある例示的実施形態では、コントローラは、設定最大電力(例えば、10W)に関連する比率(proportional)を印加することにより、最大使用可能電力をヒータに供給する。ヒータが目標イベント温度(例えば、320℃)に近づきつつあると電圧および電流測定回路を用いて一旦決定すると、コントローラはヒータに送達する電力を下げることにより目標イベント温度を維持する。吸引が検出されたとき、新しいPID設定がコントローラによって引き出され得る。
S1150においてコントローラは、検出された空気流に関連する目標温度に応じてヒータの温度を制御しながら、空気流センサからの入力を監視することにより、検出された空気流が第2の閾値より小さいか否かを決定する。
検出された空気流が第2の空気流閾値を超えているとコントローラが決定した場合、方法はS1145に戻り、コントローラは、検出された空気流に関連する目標温度に応じてヒータ温度の制御を継続する。検出された空気流が第2の閾値を超えていないとS1150で決定した場合、コントローラはS1155で、エアロゾル発生イベントを継続するに十分な負の圧力がエアロゾル発生デバイスに付与されていないと決定する。
いくつかの例示的実施形態では、検出された空気流が第2の空気流閾値に等しいとき、コントローラは、エアロゾル発生イベントを継続するに十分な負の圧力がエアロゾル発生デバイスに付与されていると決定する。別の例示的実施形態では、検出された空気流が第2の空気流閾値に等しいとき、コントローラは、エアロゾル発生イベントを継続するに十分な負の圧力がエアロゾル発生デバイスに付与されていないと決定する。
いくつかの例示的実施形態では、第1および第2の空気流閾値は異なっていてもよく、別の例示的実施形態では、第1および第2の空気流閾値は同じでもよい。いくつかの例示的実施形態では、第1の空気流閾値は第2の空気流閾値より大きい。圧力が第1の空気流閾値を超えてから第2の空気流閾値を下るまでの期間は吸引フェーズと呼ばれ得る。
図11Aおよび図11Bに示すように、S1115(より具体的には図11BのS1160)において、検出された空気流が第2の閾値より小さいとき、コントローラは第2の電力をヒータに印加させる。第2の電力は目標予熱温度に基づく。
いくつかの例示的実施形態では、コントローラはS1160で、設定最小電力(例えば、1W)に関連するPID設定を引き出して、設定最小電力をヒータに送達させる。
S1165においてコントローラは、電流および電圧測定回路からの測定値を用いて、ヒータが目標予熱温度に達したか否かを決定する。ヒータが目標予熱温度以下でないと決定した場合、コントローラはS1160で、第2の電力(例えば、最小電力)を印加し続ける。ヒータが目標予熱温度以下であると決定した場合、コントローラはS1120で、第3の電力をヒータに印加させることにより、電流および電圧測定値を用いてコントローラが決定した予熱温度を規制/維持する。
図11Cは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図11Aおよび図11Bに示す方法であって、1段階温度予熱を用いる方法のタイミング図である。図11Cに示す実施例では、吸引温度目標Draw1は予熱温度Temp3より高い。
においてコントローラは、予熱アルゴリズムの開始に関する入力を受け取り、それにより電力を上げて最大電力Pmaxをヒータに印加する。Tにおいてコントローラは、ヒータの目標予熱温度Temp3に達したか否かを決定する。上記したように、目標温度に近づきつつあるとき、コントローラはヒータに印加する電力を下げることにより温度オーバーシュートの尤度を低下させ、目標予熱温度Temp3を維持する。Tにおいてコントローラは、エアロゾル発生イベント(即ち、吸引)を開始するに十分な負の圧力を検出し、高速電力応答用システムを構築して第1の電力を印加する。負の圧力からの空気流が存在するいくつかの例示的実施形態では、第1の電力は最大電力Pmaxであり得る。コントローラは、PID設定を変更することにより高速電力応答を構築する。Tにおいてヒータの温度が目標吸引温度Draw1に近づきつつあると一旦決定すると、コントローラは、ヒータに送達する第1の電力を、目標吸引温度Draw1を維持するに十分な電力まで下げる。Tにおいてコントローラは、負の圧力がエアロゾル発生イベントを継続するに十分ではないと検出し、第2の電力を印加する。いくつかの例示的実施形態では、第2の電力は最小電力Pminであり得る。Tにおいてコントローラは、ヒータが目標予熱温度Temp1以下であると決定し、電力P(第3の電力)をヒータに印加させることにより、電流および電圧測定値を用いてコントローラが決定した予熱温度Temp3を規制/維持する。
図11Dは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図11Aおよび図11Bに示す方法であって、2段階温度予熱を用いる方法のタイミング図である。図11Dに示す実施例では、2段階予熱が、図8Aから図10を参照して述べた予熱である。図11Dに示す実施例では、吸引目標温度Draw2は、最初の目標予熱温度(図11DにTemp1として示す)と同じである。
図11Dにおいて、時間Tまでの温度および電力波形は図10を参照して説明したものである。
においてコントローラは、エアロゾル発生イベント(即ち、吸引)を開始するに十分な負の圧力を検出して、第1の電力を印加する。いくつかの例示的実施形態では、第1の電力は最大電力Pmaxであり得る。Tにおいてヒータの温度が目標吸引温度Draw2に近づきつつあると一旦決定すると、コントローラは、ヒータに送達する第1の電力を、目標吸引温度Draw2を維持するに十分な電力Pmainまで下げる。電力Pmainは、最初の予熱温度Temp1を維持する電力Pintより高いことがあり得る。電力Pmainが電力Pintより高いことがあり得るのは、吸引からの空気流による追加の冷却効果によるものであり、予熱温度と同じ(または実質的に同じ)温度を達成するためである。Tにおいてコントローラは、負の圧力はエアロゾル発生イベントを継続するに十分でないと検出し、電力Pdipを印加する。電力Pdipは、次の予熱温度Temp2を維持する電力Pよりも低い。Tにおいてコントローラは、ヒータが次の予熱温度Temp2に近づきつつあると決定し、電力Pをヒータに印加させることにより、電流および電圧測定値を用いてコントローラが決定した次の予熱温度Temp2を規制/維持する。
図11Eは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図11Aおよび図11Bに示す方法であって、2段階温度予熱を用いる方法のタイミング図である。図11Dに示す実施例では、2段階予熱が、図8Aから図10を参照して述べた予熱である。図11Eに示す実施例では、吸引目標温度Draw3は、最初の目標予熱温度(図11EにTemp1として示す)より低く、次の目標予熱温度(Temp2として示す)より低い。最初の目標予熱温度よりも低く次の目標吸引温度よりも低い吸引目標温度を用いることにより、吸引中に製造されたエアロゾルに対するエアロゾルの暖かさに関する知覚は低下/最小化する。
図11Eにおいて、時間Tまでの温度および電力波形は図10を参照して説明したものである。
においてコントローラは、エアロゾル発生イベント(即ち、吸引)を開始するに十分な負の圧力を検出して、第1の電力を印加する。いくつかの例示的実施形態では、第1の電力は最小値Pminであり得る。第1の電力まで下がる勾配は、予熱の開始後に最大電力まで上がる勾配より急である。Tにおいてヒータの温度が目標吸引温度Draw3に近づきつつあると一旦決定すると、コントローラは、ヒータに送達する第1の電力を、目標吸引温度Draw3を維持するに十分な電力Pmain2まで上げる。電力Pmain2は、次の予熱温度Temp2を維持する電力Pより高いことがあり得る。Tにおいてコントローラは、負の圧力はエアロゾル発生イベントを継続するに十分でないと検出し、電力を上げて電力Pを印加することにより、温度を次の予熱温度Temp2まで上げて次の予熱温度Temp2を維持する。
図11Fは、少なくとも1つの例示的実施形態による、図11Aおよび図11Bに示す方法であって、2段階温度予熱を用いる方法のタイミング図である。図11Fに示す実施例では、2段階予熱が、図8Aから図10を参照して述べた予熱である。図11Fに示す実施例では、吸引目標温度は、次の目標予熱温度(Temp2として示す)である。吸引目標温度として次の目標予熱温度を用いることにより、吸引中、一貫した質のエアロゾルが製造される。
図11Fにおいて、時間Tまでの温度および電力波形は図10を参照して説明したものである。
においてコントローラは、エアロゾル発生イベント(即ち、吸引)を開始するに十分な負の圧力を検出して、高速電力応答用システムを構築して第1の電力を印加する。負の圧力からの空気流が存在するいくつかの例示的実施形態では、第1の電力は電力Pmain3であり得る。高速電力応答(即ち、PID設定の変更)および電力Pmain3により、エアロゾル発生デバイスが次の目標予熱温度として吸引温度を有することが許可される。Tにおいてコントローラは、負の圧力はエアロゾル発生イベントを継続するに十分でないと検出し、電力を下げて電力Pを印加することにより、次の予熱温度Temp2を維持する。Tの前後で温度が実質的に一定に保持される一方で、コントローラは、減少した負の圧力からの減少した空気流のせいでTにおいて電力を下げる。
図11Cから図11Fに示す高速電力応答は、第1の閾値を超える吸引および/または負の圧力が検出されたときにコントローラがPID設定をダイナミックに変更したことによる。
図11Gは、パフ間加熱制御を行わない不燃性エアロゾル発生デバイスのタイミング図である。Tにおいて、大人の操作者は負の圧力を付与するが、エアロゾル発生デバイスは温度を維持するに十分迅速に電力を上げないため、温度降下が起こる。その結果、大人の操作者がTにおいて負の圧力による吸引を停止するまで、ヒータ(およびエアロゾル生成物質)の温度は回復しない。
本明細書に多くの例示的実施形態を記載してきたが、他のバリエーションも可能であることを理解されたい。このようなバリエーションは本開示の思想および範囲から逸脱するものと考えるべきではなく、当業者に明らかなすべての変更は以下の請求の範囲に含まれることを意図する。

Claims (22)

  1. 不燃性エアロゾル発生デバイス内のヒータを制御するシステムであって、
    コンピュータ読み取り可能命令を記憶するメモリと、
    コントローラであって、前記コンピュータ読み取り可能命令を実行して前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、
    前記不燃性エアロゾル発生デバイス内の空気流を検出することと、
    前記検出された空気流に基づいて第1の電力を前記ヒータに印加することと、
    前記第1の電力を印加した後に、予熱温度と、前記検出された空気流が空気流閾値より小さいこととに基づいて第2の電力を前記ヒータに印加することと、
    前記第2の電力を印加した後に、前記予熱温度と、前記検出された空気流が前記空気流閾値より小さいこととに基づいて、前記第2の電力より大きい第3の電力を前記ヒータに印加することと、
    をさせるように構成されたコントローラと、
    を含むシステム。
  2. 前記空気流閾値は第1の閾値であり、前記コントローラは前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、前記検出された空気流が第2の閾値を超えたときに、前記第1の電力を印加させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記第2の閾値は、前記第1の閾値より大きい、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記コントローラは前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、
    加熱温度を決定することと、
    前記加熱温度と吸引温度とに基づいて前記第1の電力を下げることと、
    前記吸引温度と前記予熱温度とに基づいて前記第2の電力を印加することと、
    をさせるように構成されている、請求項2に記載のシステム。
  5. 前記予熱温度と前記吸引温度とは等しい、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記吸引温度は、前記予熱温度より高い、請求項4に記載のシステム。
  7. 前記コントローラは前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、
    加熱温度を決定することと、
    前記空気流を検出した後であって前記第2の電力を印加する前に、前記第1の電力を上げることと、
    前記第3の電力を印加する前に、前記第2の電力を上げることと、
    をさせるように構成されている、請求項2に記載のシステム。
  8. 前記第1の電力は、前記第2の電力より小さい、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記コントローラは、比例-積分-微分(PID)コントローラを含み、前記コントローラは前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、前記検出された空気流に基づいて前記PIDコントローラの比例項と積分項と微分項のうち少なくとも1つを変更させるように構成されている、請求項2に記載のシステム。
  10. 前記コントローラは前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、前記検出された空気流が前記第2の閾値より大きいときに前記比例項を増加させ、前記検出された空気流が前記第1の閾値より小さいときに前記比例項を減少させるように構成されている、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記空気流を検出して、前記空気流の大きさを示す信号を前記コントローラに出力するように構成されたセンサをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記予熱温度は、400℃より低い、請求項1に記載のシステム。
  13. 前記予熱温度は、320℃である、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記予熱温度は、300℃である、請求項12に記載のシステム。
  15. 前記第1の電力は、設定最大電力である、請求項1に記載のシステム。
  16. 前記第2の電力は、設定最小電力である、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記設定最小電力は、1Wである、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記コントローラは、前記不燃性エアロゾル発生デバイスに加熱温度を決定させるように構成されており、前記加熱温度が前記予熱温度であるときに、前記第3の電力の印加によって前記第3の電力が印加される、請求項16に記載のシステム。
  19. 不燃性エアロゾル発生システムであって、
    ヒータと、
    回路であって、不燃性エアロゾル発生デバイスに、
    前記不燃性エアロゾル発生デバイス内の空気流を検出することと、
    前記検出された空気流に基づいて第1の電力を前記ヒータに印加することと、
    前記第1の電力を印加した後に、予熱温度と、前記検出された空気流が空気流閾値より小さいこととに基づいて第2の電力を前記ヒータに印加することと、
    前記第2の電力を印加した後に、前記予熱温度と、前記検出された空気流が前記空気流閾値より小さいこととに基づいて、前記第2の電力より大きい第3の電力を前記ヒータに印加することと、
    をさせるように構成された回路と、
    を含む不燃性エアロゾル発生システム。
  20. 前記ヒータを含む取り外し可能カプセルであって、前記空気流を前記カプセルの長手方向軸に沿った向きにするように構成された取り外し可能カプセルをさらに含む、請求項19に記載の不燃性エアロゾル発生システム。
  21. 不燃性エアロゾル発生デバイス内のヒータを制御するシステムであって、
    コンピュータ読み取り可能命令を記憶するメモリと、
    コントローラであって、前記コンピュータ読み取り可能命令を実行して前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、
    前記不燃性エアロゾル発生デバイス内の空気流を検出することと、
    前記検出された空気流が第1の閾値を超えたときに第1の電力を前記ヒータに印加することと、
    前記検出された空気流が前記第1の閾値を超えている間に前記第1の電力を下げて吸引温度を達成することと、
    前記検出された空気流が前記第1の閾値より小さい第2の閾値より小さいときに、前記第1の電力を下げて前記吸引温度を達成した後で、前記第1の電力より小さい第2の電力を前記ヒータに印加することと、
    前記第2の電力を印加した後であって、前記検出された空気流が前記第2の閾値より小さいときに、前記第2の電力より大きい第3の電力を前記ヒータに印加することと、
    をさせるように構成されたコントローラと、
    を含むシステム。
  22. 不燃性エアロゾル発生デバイス内のヒータを制御するシステムであって、
    コンピュータ読み取り可能命令を記憶するメモリと、
    コントローラであって、前記コンピュータ読み取り可能命令を実行して前記不燃性エアロゾル発生デバイスに、
    予熱電力を印加することにより予熱温度を達成することと、
    前記不燃性エアロゾル発生デバイス内の空気流を検出することと、
    前記検出された空気流が第1の閾値を超えたときに、前記予熱電力より小さい前記第1の電力を前記ヒータに印加することと、
    前記検出された空気流が前記第1の閾値を超えている間に前記第1の電力を上げて、前記予熱温度より低い吸引温度を達成することと、
    前記検出された空気流が、前記第1の閾値より小さい第2の閾値より小さいときに、前記第1の電力を上げて前記吸引温度を達成した後で、前記上げられた前記第1の電力より大きい第2の電力を前記ヒータに印加することと、
    をさせるように構成されたコントローラと、
    を含むシステム。
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