JP2024503235A - Cdk2阻害剤の固体形態 - Google Patents

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Abstract

本発明は、(1R,3S)-3-[3-({[3-(メトキシメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)-1H-ピラゾール-5-イル]シクロペンチルプロパン-2-イルカルバメートの固体形態、そのような固体形態を含む医薬組成物、ならびにがんの処置のためのそのような固体形態および医薬組成物の使用に関する。【図1】TIFF2024503235000023.tif87163

Description

本発明は、(1R,3S)-3-[3-({[3-(メトキシメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)-1H-ピラゾール-5-イル]シクロペンチルプロパン-2-イルカルバメート(本明細書ではPF-07104091とも称される)の固体形態、そのような固体形態を含む医薬組成物、ならびにがんの処置のためにそのような固体形態および医薬組成物を使用する方法に関する。
化合物(1R,3S)-3-[3-({[3-(メトキシメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)-1H-ピラゾール-5-イル]シクロペンチルプロパン-2-イルカルバメート(PF-07104091)は、構造:
Figure 2024503235000002
を有するサイクリン依存性キナーゼ2(CDK2)の強力阻害剤である。
結晶性一水和物(形態1)として単離されるPF-07104091の調製は、国際特許公開第WO2020/157652号においておよび米国特許第11,014,911号において開示されており、それぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、高い結晶化度、高い純度、低い吸湿性、好都合な溶解もしくは機械的特性、製造可能性もしくは濾過性の向上、および/または好都合な安定性等の望ましい特性を有する、PF-07104091の結晶性形態を提供する。本発明は、非晶質PF-07104091も提供する。
本発明は、(1R,3S)-3-[3-({[3-(メトキシメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)-1H-ピラゾール-5-イル]シクロペンチルプロパン-2-イルカルバメート(PF-07104091)の固体形態を提供する。
一部の態様および実施形態では、本発明は、PF-07104091の結晶性形態を提供する。一部の態様および実施形態では、結晶性形態は無水結晶性PF-07104091(形態2)である。好ましい態様および実施形態では、結晶性形態は結晶性PF-07104091一水和物(形態3)である。他の態様および実施形態では、結晶性形態は無水結晶性PF-07104091(形態5)である。
他の態様および実施形態では、本発明は、PF-07104091の非晶質形態を提供する。一部の態様および実施形態では、非晶質形態は非晶質PF-07104091(形態4)である。
一態様では、本発明は、
(1)(a)表1における°2θ±0.2°2θでのピークからなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超えるピーク、または(b)図2と本質的に同じ2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターン(2θ)、
(2)(a)表2におけるcm-1±2cm-1での値からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える波数(cm-1)値、または(b)図7と本質的に同じ波数(cm-1)値を含むラマンスペクトル、または
(3)(a)表3におけるppm±0.2ppmでの値からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える共鳴(ppm)値、または(b)図11と本質的に同じ共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル(ppm)、
または(1)(a)~(b)、(2)(a)~(b)および(3)(a)~(b)のうちの2つ以上の任意の組合せを有し、ただし、それらが互いに矛盾しない、
無水結晶性PF-07104091(形態2)を提供する。
さらなる態様では、本発明は、
(a)9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターン、
(b)1691、1582および996cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトル、もしくは
(c)24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル、
または(a)、(b)および(c)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する無水結晶性PF-07104091(形態2)を提供する。
一部の実施形態では、結晶性形態は、実質的に純粋な無水結晶性PF-07104091(形態2)である。
別の態様では、本発明は、本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態2)と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物を提供する。
一態様では、本発明は、
(1)(a)表4における°2θ±0.2°2θでのピークからなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超えるピーク、または(b)図3と本質的に同じ2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターン(2θ)、
(2)(a)表5におけるcm-1±2cm-1での値からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える波数(cm-1)値、または(b)図8と本質的に同じ波数(cm-1)値を含むラマンスペクトル、または
(3)(a)表6におけるppm±0.2ppmでの値からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える共鳴(ppm)値、または(b)図12と本質的に同じ共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル(ppm)、
または(1)(a)~(b)、(2)(a)~(b)および(3)(a)~(b)のうちの2つ以上の任意の組合せを有し、ただし、それらが互いに矛盾しない、
結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
さらなる態様では、本発明は、
(a)8.4、10.1および21.5°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターン、
(b)1657、1595および1408cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトル、もしくは
(c)25.2、37.5および159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル、
または(a)、(b)および(c)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一部の実施形態では、結晶性形態は、実質的に純粋な結晶性PF-07104091一水和物(形態3)である。
別の態様では、本発明は、本明細書において記述される態様または実施形態に従う結晶性PF-07104091一水和物(形態3)と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物を提供する。
PF-07104091一水和物(形態1)のPXRDパターンを示す図である。 PF-07104091(形態2)のPXRDパターンを示す図である。 PF-07104091一水和物(形態3)のPXRDパターンを示す図である。 PF-07104091(形態4)のPXRDパターンを示す図である。 PF-07104091(形態5)のPXRDパターンを示す図である。 PF-07104091一水和物(形態1)のFT-ラマンスペクトルを示す図である。 PF-07104091(形態2)のFT-ラマンスペクトルを示す図である。 PF-07104091一水和物(形態3)のFT-ラマンスペクトルを示す図である。 PF-07104091(形態5)のFT-ラマンスペクトルを示す図である。 PF-07104091一水和物(形態1)の炭素CPMASスペクトルを示す図である(#はスピニングサイドバンドを指し示す)。 PF-07104091(形態2)の炭素CPMASスペクトルを示す図である(#はスピニングサイドバンドを指し示す)。 PF-07104091一水和物(形態3)の炭素CPMASスペクトルを示す図である(#はスピニングサイドバンドを指し示す)。 PF-07104091(形態5)の炭素CPMASスペクトルを示す図である(#はスピニングサイドバンドを指し示す)。 10℃/分の変化速度でのPF-07104091(形態4)の示差走査熱量測定サーモグラムを示す図である。 PF-07104091(形態5)の熱重量分析を示す図である。 PF-07104091一水和物(形態3)の単結晶構造を示す図である。
本発明は、本発明の実施形態の下記の詳細な記述および本明細書に含まれる実施例を参照することにより、より容易に理解され得る。本明細書において使用される術語は、具体的な実施形態を記述することのみを目的とし、限定的であることを意図したものではないことを理解されたい。本明細書において具体的に定義されているのでない限り、本明細書において使用される術語は、関連技術分野において公知である通りのその慣習的な意味が与えられていることをさらに理解されたい。
本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、別段の指示がない限り、複数の参照物を含む。例えば、「a」置換基は、1つまたは複数の置換基を含む。
用語「約」は、当業者が考慮する場合、許容される標準誤差内に収まる値を有することを意味する。
用語「非晶質」は、本明細書において使用される場合、(1)三次元では秩序を欠く、もしくは(2)三次元未満での秩序、短距離(例えば、10Å未満)秩序のみを呈する、または両方である、固体物質を指す。非晶質固体は、典型的には1つまたは2つのブロードピークを含む散乱したPXRDパターンを与える。
用語「無水」は、本明細書において使用される場合、その結晶格子の一部として医薬品有効成分(API)のみを含有する結晶性形態を指す。
用語「結晶性」は、本明細書において使用される場合、分子または外面平面の規則的に繰り返す配列を有することを意味する。結晶性形態は、熱力学的安定性、物理的パラメーター、x線構造および調製プロセスに関して異なっていてよい。
用語「多形体」または「多形」は、同じ化合物の他の結晶性形態と比較して明確な空間格子配置を持つ化合物の結晶性形態を指す。
用語「溶媒和物」は、化合物(例えば、薬物製品の医薬品有効成分(API))と化学量論または非化学量論量の1つまたは複数の溶媒分子(例えば、水またはエタノール)とを含む分子錯体について記述するものである。溶媒が化合物と密接に結合している場合、得られる錯体は、湿度とは無関係な明確に定義された化学量論を有することになる。しかしながら、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物のように溶媒が弱く結合している場合には、溶媒含有量は湿度および乾燥条件に依存することになる。そのような場合には、錯体は多くの場合、非化学量論的となる。
用語「水和物」は、化合物と化学量論または非化学量論量の水とを含む溶媒和物について記述するものである。「一水和物」は、化合物1分子当たり1分子の水を含む水和物である(すなわち、1:1化学量論の水対化合物)。
表現「実質的に純粋な」は、実質的に純粋であるとして記述される結晶性または非晶質形態が、化合物の任意の他の物理的形態を含む、5重量%未満、好ましくは3重量%未満およびより好ましくは1重量%未満の不純物を含むこと(すなわち、95%より大きい、好ましくは97%より大きいおよびより好ましくは99%より大きい化学純度)を意味する。
本明細書において使用される場合、用語「本質的に同じ」は、特定の方法に典型的な変動性が考慮に入れられることを意味する。例えば、X線回折ピーク位置に関して、用語「本質的に同じ」は、ピーク位置および強度における典型的な変動性が考慮に入れられることを意味する。当業者ならば、ピーク位置(2θ)がいくらかの、典型的には±0.2°程度の変動性を示すことが分かるであろう。さらに、当業者ならば、相対ピーク強度は、装置間変動性、ならびに、結晶化度、選択配向、調製試料表面および当業者に公知である他の要因による変動性を示し、単なる定性的測定値として解釈されるべきであることが分かるであろう。同様に、ラマンスペクトル波数(cm-1)値は、典型的には±2cm-1程度の変動性を示し、一方、13C固体状態NMRスペクトル(ppm)は、典型的には±0.2ppm程度の変動性を示す。
本明細書において記述される発明は、本明細書で具体的に開示されていない任意の要素の非存在下で適宜実践され得る。故に、例えば、本明細書の各事例において、用語「を含む」、「から本質的になる」および「からなる」のいずれかを、他2つの用語のいずれかと置きかえてよい。
本明細書において記述されるPF-07104091の固体形態は、以下の方法:(1)粉末X線回折(PXRD)(2θ)、(2)ラマン分光法(cm-1)、(3)13C固体状態NMR分光法(ppm)もしくは(4)示差走査熱量測定(DSC)(Tg℃)のいずれか、または方法(1)、(2)、(3)および(4)のうちの2つ以上の任意の組合せによって、特徴付けることができる。
PXRDによって特徴付けられる本明細書における態様および実施形態のそれぞれにおいて、PXRDピークは、1.5418λのCuKα放射線を使用して測定した。
そのような固体形態を、フーリエ変換赤外線分光法(FTIR)、熱重量分析(TGA)または示差熱分析(DTA)等の追加の技術によってさらに特徴付けることができる。
国際特許公開第WO2020/157652号においておよび米国特許第11,014,911号において記述されている結晶性PF-07104091一水和物(形態1)についての比較用のPXRD、ラマンおよび13C ssNMRデータを、それぞれ図1、図6および図10で提供する。
一態様では、本発明は、無水結晶性PF-07104091(形態2)を提供する。
一部の実施形態では、PF-07104091(形態2)は、その粉末X線回折(PXRD)パターンによって特徴付けられる。他の実施形態では、PF-07104091(形態2)は、そのラマンスペクトルによって特徴付けられる。他の実施形態では、PF-07104091(形態2)は、その13C固体状態NMRスペクトルによって特徴付けられる。
さらなる実施形態では、無水結晶性PF-07104091(形態2)は、これらの方法のうちの2つ以上の任意の組合せによって特徴付けられる。以下のうちの2つ以上を含む例示的な組合せが本明細書において提供される:粉末X線回折(PXRD)パターン(2θ)、ラマンスペクトル波数値(cm-1)または13C固体状態NMRスペクトル(ppm)。
一部の実施形態では、PF-07104091(形態2)は、PXRDおよびラマンによって特徴付けられる。他の実施形態では、PF-07104091(形態2)は、PXRDおよび13C固体状態NMRによって特徴付けられる。他の実施形態では、PF-07104091(形態2)は、ラマンおよび13C固体状態NMRによって特徴付けられる。他の実施形態では、PF-07104091(形態2)は、PXRD、ラマンおよび13C固体状態NMRによって特徴付けられる。
一態様では、本発明は、粉末X線回折(PXRD)パターンによって特徴付けられる無水結晶性PF-07104091(形態2)を提供する。
一実施形態では、本発明は、9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
一実施形態では、本発明は、4.2、9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
一実施形態では、本発明は、7.5、9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、4.2、7.5、9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
一実施形態では、本発明は、9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピーク、ならびに場合により4.2および7.5°2θ±0.2°2θからなる群から選択される1つまたは2つのピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、4.2、7.5、9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θからなる群から選択される2θ値における3つ以上のピークを含むPXRDパターンを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、(a)表1における°2θ±0.2°2θでのピークからなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超えるピーク、または(b)図2と本質的に同じ2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
別の態様では、本発明は、ラマンスペクトルによって特徴付けられる無水結晶性PF-07104091(形態2)を提供する。
一実施形態では、本発明は、1691、1582および996cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、1691、1582、1036および996cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、1691、1582、1365および996cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、1691、1582、1365、1036および996cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
一実施形態では、本発明は、1691、1582および996cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値、ならびに1365および1036cm-1±2cm-1からなる群から選択される1つまたは2つのピークを含むラマンスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
一実施形態では、本発明は、(a)表2におけるcm-1±2cm-1での値からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える波数(cm-1)値、または(b)図7と本質的に同じ波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
別の態様では、本発明は、13C固体状態NMRスペクトルによって特徴付けられる無水結晶性PF-07104091(形態2)提供する。
一実施形態では、本発明は、24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
一実施形態では、本発明は、21.8、24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
一実施形態では、本発明は、24.1、39.8、41.6および138.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、21.8、24.1、39.8、41.6および138.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
一実施形態では、本発明は、24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値、ならびに21.8および138.2ppm±0.2ppmからなる群から選択される1つまたは2つの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
一実施形態では、本発明は、24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値、ならびに場合により21.8および138.2ppm±0.2ppmからなる群から選択される1つまたは2つのピークを含む13C固体状態NMRスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、21.8、24.1、39.8、41.6および138.2ppm±0.2ppmからなる群から選択される3つ以上の共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有するPF-07104091(形態2)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、(a)表3におけるppm±0.2ppmでの値からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える共鳴(ppm)値、または(b)図11と本質的に同じ共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル(ppm)を有するPF-07104091(形態2)を提供する。
別の態様では、本発明は、
(a)9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターン、
(b)1691、1582および996cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトル、もしくは
(c)24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル、
または(a)、(b)および(c)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する無水結晶性PF-07104091(形態2)を提供する。
別の態様では、本発明は、
(a)9.8および13.3°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含み、ならびに17.4°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークをさらに含んでいてもよい粉末X線回折(PXRD)パターン、
(b)1691cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含み、ならびに1582および996cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値をさらに含んでいてもよいラマンスペクトル、もしくは
(c)24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル、
または(a)、(b)および(c)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する無水結晶性PF-07104091(形態2)を提供する。
別の態様では、本発明は、
(1)
(a)9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θ、
(b)4.2、9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θ、
(c)7.5、9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θ、もしくは
(d)4.2、7.5、9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θ
の2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターン、
(2)
(a)1691、1582および996cm-1±2cm-1
(b)1691、1582、1036および996cm-1±2cm-1
(c)1691、1582、1365および996cm-1±2cm-1、もしくは
(d)1691、1582、1365、1036および996cm-1±2cm-1
の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトル、または
(3)
(a)24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppm、
(b)21.8、24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppm、
(c)24.1、39.8、41.6および138.2ppm±0.2ppm、もしくは
(d)21.8、24.1、39.8、41.6および138.2ppm±0.2ppm
の共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル、
または(1)(a)~(d)、(2)(a)~(d)および(3)(a)~(d)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する無水結晶性PF-07104091(形態2)を提供する。
本明細書におけるPF-07104091(形態2)の態様および実施形態のそれぞれの一部の実施形態では、結晶性形態は、実質的に純粋な無水結晶性PF-07104091(形態2)である。
別の態様では、本発明は、本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態2)と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象においてがんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態2)、または無水結晶性PF-07104091(形態2)を含む医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象においてがんを処置する方法であって、対象に、ある量の本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態2)、または無水結晶性PF-07104091(形態2)を含む医薬組成物と、ある量の追加の抗がん剤とを投与するステップを含み、ここで、PF-07104091(形態2)および追加の抗がん剤の量が、合わせると、がんを処置するのに有効である方法を提供する。
別の態様では、本発明は、がんの処置において使用するための、本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態2)、または無水結晶性PF-07104091(形態2)を含む医薬組成物を提供する。
また別の態様では、本発明は、がんの処置のための医薬の製造において使用するための、本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態2)を提供する。
別の態様では、本発明は、がんの処置のための、本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態2)、または無水結晶性PF-07104091(形態2)を含む医薬組成物の使用を提供する。
また別の態様では、本発明は、がんの処置のための医薬の製造における、本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態2)の使用を提供する。
本明細書において記述される無水結晶性PF-07104091(形態2)の態様および実施形態のそれぞれにおいて、結晶性形態は、実質的に純粋な無水結晶性PF-07104091(形態2)であってよい。
無水結晶性PF-07104091(形態2)について本明細書において記述される実施形態のそれぞれを、他のそのような実施形態と組み合わせてよく、ただし、実施形態は互いに矛盾しない。
好ましい態様では、本発明は、結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。一部の実施形態では、結晶性PF-07104091一水和物(形態3)は、その粉末X線回折(PXRD)パターンによって特徴付けられる。他の実施形態では、結晶性PF-07104091一水和物(形態3)は、そのラマンスペクトルによって特徴付けられる。他の実施形態では、結晶性PF-07104091一水和物(形態3)は、その13C固体状態NMRスペクトルによって特徴付けられる。
さらなる実施形態では、結晶性PF-07104091一水和物(形態3)は、これらの方法のうちの2つ以上の任意の組合せによって特徴付けられる。以下のうちの2つ以上を含む例示的な組合せが本明細書において提供される:粉末X線回折(PXRD)パターン(2θ)、ラマンスペクトル波数値(cm-1)または13C固体状態NMRスペクトル(ppm)。一部の実施形態では、結晶性PF-07104091一水和物(形態3)は、PXRDおよびラマンによって特徴付けられる。他の実施形態では、結晶性PF-07104091一水和物(形態3)は、PXRDおよび13C固体状態NMRによって特徴付けられる。他の実施形態では、結晶性PF-07104091一水和物(形態3)は、ラマンおよび13C固体状態NMRによって特徴付けられる。他の実施形態では、結晶性PF-07104091一水和物(形態3)は、PXRD、ラマンおよび13C固体状態NMRによって特徴付けられる。
一態様では、本発明は、粉末X線回折(PXRD)パターンによって特徴付けられる結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、8.4、10.1および21.5°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、8.4、10.1、16.9および21.5°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、8.4、10.1、21.5および27.0°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、8.4、10.1、16.9、21.5および27.0°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、
(a)8.4、10.1および21.5°2θ±0.2°2θ、
(b)8.4、10.1、16.9および21.5°2θ±0.2°2θ、
(c)8.4、10.1、21.5および27.0°2θ±0.2°2θ、または
(d)8.4、10.1、16.9、21.5および27.0°2θ±0.2°2θ
の2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、8.4、10.1および21.5°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピーク、ならびに場合により16.9および27.0°2θ±0.2°2θからなる群から選択される1つまたは2つのピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、8.4、10.1、16.9、21.5および27.0°2θ±0.2°2θからなる群から選択される2θ値における3つ以上のピークを含むPXRDパターンを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、(a)表4における°2θ±0.2°2θでのピークからなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超えるピーク、または(b)図3と本質的に同じ2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の態様では、本発明は、ラマンスペクトルによって特徴付けられる結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、1657、1595および1408cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、1657、1595、1408および923cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、1657、1595、1408および1272cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、1657、1595、1408、1272および923cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、
(a)1657、1595および1408cm-1±2cm-1
(b)1657、1595、1408および923cm-1±2cm-1
(c)1657、1595、1408および1272cm-1±2cm-1、または
(d)1657、1595、1408、1272および923cm-1±2cm-1
の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、1657、1595および1408cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値、ならびに1272および923cm-1±2cm-1からなる群から選択される1つまたは2つのピークを含むラマンスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、(a)表5におけるcm-1±2cm-1での値からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える波数(cm-1)値、または(b)図8と本質的に同じ波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の態様では、本発明は、13C固体状態NMRスペクトルによって特徴付けられる結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、25.2および37.5ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、25.2、37.5および159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、25.2、37.5、151.9および159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、25.2、37.5、152.5および159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、25.2、37.5、151.9、152.5および159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、25.2、37.5および159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値、ならびに151.9および152.5ppm±0.2ppmからなる群から選択される1つまたは2つの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、
(a)25.2および37.5ppm±0.2ppm、
(b)25.2、37.5および159.3ppm±0.2ppm、
(c)25.2、37.5、151.9および159.3ppm±0.2ppm、
(d)25.2、37.5、152.5および159.3ppm±0.2ppm、または
(e)25.2、37.5、151.9、152.5および159.3ppm±0.2ppm
の共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
一実施形態では、本発明は、25.2、37.5および159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値、ならびに場合により151.9および152.5ppm±0.2ppmからなる群から選択される1つまたは2つのピークを含む13C固体状態NMRスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、25.2、37.5、151.9、152.5および159.3ppm±0.2ppmからなる群から選択される3つ以上の共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、(a)表6におけるppm±0.2ppmでの値からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える共鳴(ppm)値、または図12と本質的に同じ(b)共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル(ppm)を有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の態様では、本発明は、
(a)8.4、10.1および21.5°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターン、
(b)1657、1595および1408cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトル、もしくは
(c)25.2、37.5および159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル、
または(a)、(b)および(c)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の態様では、本発明は、
(a)8.4および10.1°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含み、21.5°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークをさらに含んでいてもよい粉末X線回折(PXRD)パターン、
(b)1657cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含み、1595および1408cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値をさらに含んでいてもよいラマンスペクトル、もしくは
(c)25.2および37.5ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含み、159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値をさらに含んでいてもよい13C固体状態NMRスペクトル、
または(a)、(b)および(c)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の態様では、本発明は、
(1)
(a)8.4、10.1および21.5°2θ±0.2°2θ、
(b)8.4、10.1、16.9および21.5°2θ±0.2°2θ、
(c)8.4、10.1、21.5および27.0°2θ±0.2°2θ、もしくは
(d)8.4、10.1、16.9、21.5および27.0°2θ±0.2°2θ
の2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターン、
(2)
(a)1657、1595および1408cm-1±2cm-1
(b)1657、1595、1408および923cm-1±2cm-1
(c)1657、1595、1408および1272cm-1±2cm-1、もしくは
(d)1657、1595、1408、1272および923cm-1±2cm-1
の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトル、または
(3)
(a)25.2および37.5ppm±0.2ppm、
(b)25.2、37.5および159.3ppm±0.2ppm、
(c)25.2、37.5、151.9および159.3ppm±0.2ppm、
(d)25.2、37.5、152.5および159.3ppm±0.2ppm、もしくは
(e)25.2、37.5、151.9、152.5および159.3ppm±0.2ppm
の共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル、
または(1)(a)~(d)、(2)(a)~(d)および(3)(a)~(e)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書において記述される態様または実施形態に従う結晶性PF-07104091一水和物(形態3)と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象においてがんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書において記述される態様または実施形態に従う結晶性PF-07104091一水和物(形態3)、または結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を含む医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象においてがんを処置する方法であって、対象に、ある量の本明細書において記述される態様または実施形態に従う結晶性PF-07104091一水和物(形態3)、または結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を含む医薬組成物と、ある量の追加の抗がん剤とを投与するステップを含み、ここで、PF-07104091一水和物(形態3)および追加の抗がん剤の量が、合わせると、がんを処置するのに有効である方法を提供する。
別の態様では、本発明は、がんの処置において使用するための、本明細書において記述される態様または実施形態に従う結晶性PF-07104091一水和物(形態3)、または結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を含む医薬組成物を提供する。
また別の態様では、本発明は、がんの処置のための医薬の製造において使用するための、本明細書において記述される態様または実施形態に従う結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を提供する。
別の態様では、本発明は、がんの処置のための、本明細書において記述される態様または実施形態に従う結晶性PF-07104091一水和物(形態3)、または結晶性PF-07104091一水和物(形態3)を含む医薬組成物の使用を提供する。
また別の態様では、本発明は、がんの処置のための医薬の製造における、本明細書において記述される態様または実施形態に従う結晶性PF-07104091一水和物(形態3)の使用を提供する。
本明細書において記述される結晶性PF-07104091一水和物(形態3)の態様および実施形態のそれぞれにおいて、結晶性形態は、実質的に純粋な結晶性PF-07104091一水和物(形態3)であってよい。
結晶性PF-07104091一水和物(形態3)について本明細書において記述される実施形態のそれぞれを、他のそのような実施形態と組み合わせてよく、ただし、実施形態は互いに矛盾しない。
別の態様では、本発明は、非晶質PF-07104091(形態4)を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、約5から約35°2θ±0.2°2θまでの回折角(2θ)におけるブロードピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有する非晶質PF-07104091(形態4)を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、図4と本質的に同じ粉末X線回折(PXRD)パターンを有する非晶質PF-07104091(形態4)を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、59.8±5℃のガラス転移温度(T)を有する非晶質PF-07104091(形態4)を提供する(図14)。
別の実施形態では、本発明は、
(1)
(a)約5から約35°2θ±0.2°2θまでの回折角(2θ)におけるブロードピーク、もしくは
(b)図4と本質的に同じ2θ値におけるピーク
を含む粉末X線回折(PXRD)パターン(2θ)、または
(2)
(a)約59.8±5℃のガラス転移温度(T)(10℃/分の変化速度でDSCによって測定される)、もしくは
(b)図14と本質的に同じDSCサーモグラム
を含むDSCサーモグラム、
または(1)(a)~(b)および(2)(a)~(b)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する非晶質PF-07104091(形態4)を提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書において記述される態様または実施形態に従う非晶質PF-07104091(形態4)と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象においてがんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書において記述される態様または実施形態に従う非晶質PF-07104091(形態4)、または非晶質PF-07104091(形態4)を含む医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象においてがんを処置する方法であって、対象に、ある量の本明細書において記述される態様または実施形態に従う非晶質PF-07104091(形態4)、または非晶質PF-07104091(形態4)を含む医薬組成物と、ある量の追加の抗がん剤とを投与するステップを含み、ここで、非晶質PF-07104091(形態4)および追加の抗がん剤の量が、合わせると、がんを処置するのに有効である方法を提供する。
別の態様では、本発明は、がんの処置において使用するための、本明細書において記述される態様または実施形態に従う非晶質PF-07104091(形態4)、または非晶質PF-07104091(形態4)を含む医薬組成物を提供する。
また別の態様では、本発明は、がんの処置のための医薬の製造において使用するための、本明細書において記述される態様または実施形態に従う非晶質PF-07104091(形態4)を提供する。
別の態様では、本発明は、がんの処置のための、本明細書において記述される態様または実施形態に従う非晶質PF-07104091(形態4)、または非晶質PF-07104091(形態4)を含む医薬組成物の使用を提供する。
また別の態様では、本発明は、がんの処置のための医薬の製造における、本明細書において記述される態様または実施形態に従う非晶質PF-07104091(形態4)の使用を提供する。
本明細書において記述される非晶質PF-07104091(形態4)の態様および実施形態のそれぞれにおいて、非晶質形態は、実質的に純粋な非晶質PF-07104091(形態4)であってよい。
非晶質PF-07104091(形態4)について本明細書において記述される実施形態のそれぞれを、他のそのような実施形態と組み合わせてよく、ただし、実施形態は互いに矛盾しない。
さらなる態様では、本発明は、無水結晶性PF-07104091(形態5)を提供する。形態5は、PF-07104091一水和物(形態3)の脱水によって調製される。一部の実施形態では、PF-07104091(形態5)は、その粉末X線回折(PXRD)パターンによって特徴付けられる。他の実施形態では、PF-07104091(形態5)は、そのラマンスペクトルによって特徴付けられる。他の実施形態では、PF-07104091(形態5)は、その13C固体状態NMRスペクトルによって特徴付けられる。
さらなる実施形態では、PF-07104091(形態5)は、これらの方法のうちの2つ以上の任意の組合せによって特徴付けられる。以下のうちの2つ以上を含む例示的な組合せが本明細書において提供される:粉末X線回折(PXRD)パターン(2θ)、ラマンスペクトル波数値(cm-1)または13C固体状態NMRスペクトル(ppm)。一部の実施形態では、PF-07104091(形態5)は、PXRDおよびラマンによって特徴付けられる。他の実施形態では、PF-07104091(形態5)は、PXRDおよび13C固体状態NMRによって特徴付けられる。他の実施形態では、PF-07104091(形態5)は、ラマンおよび13C固体状態NMRによって特徴付けられる。他の実施形態では、結晶性PF-07104091(形態5)は、PXRD、ラマンおよび13C固体状態NMRによって特徴付けられる。
一態様では、本発明は、粉末X線回折(PXRD)パターンによって特徴付けられる無水結晶性PF-07104091(形態5)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、10.2、12.4、15.4、17.2、17.9、19.8、21.6、22.5、23.7および26.2°2θ±0.2°2θからなる群から選択される2θ値における3つ以上のピークを含むPXRDパターンを有する無水結晶性PF-07104091(形態5)を提供する。
別の実施形態では、本発明は、(a)表8における°2θ±0.2°2θでのピークからなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超えるピーク、または(b)図5と本質的に同じ2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する無水結晶性PF-07104091(形態5)を提供する。
別の態様では、本発明は、ラマンスペクトルによって特徴付けられる無水結晶性PF-07104091(形態5)を提供する。
一実施形態では、本発明は、(a)表9におけるcm-1±2cm-1での値からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える波数(cm-1)値、または(b)図9と本質的に同じ波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する無水結晶性PF-07104091(形態5)を提供する。
別の態様では、本発明は、13C固体状態NMRスペクトルによって特徴付けられる無水結晶性PF-07104091(形態5)を提供する。
一部のそのような実施形態では、本発明は、(a)表10におけるppm±0.2ppmでの値からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える共鳴(ppm)値、または(b)図13と本質的に同じ共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル(ppm)を有する無水結晶性PF-07104091(形態5)を提供する。
別の態様では、本発明は、
(a)図5と本質的に同じ2θ値におけるピーク、
(b)図9と本質的に同じ波数(cm-1)値、もしくは
(c)図13と本質的に同じ共鳴(ppm)値、
または(a)、(b)および(c)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する無水結晶性PF-07104091(形態5)を提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態5)と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象においてがんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態5)、または無水結晶性PF-07104091(形態5)を含む医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象においてがんを処置する方法であって、対象に、ある量の本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態5)、または無水結晶性PF-07104091(形態5)を含む医薬組成物と、ある量の追加の抗がん剤とを投与するステップを含み、ここで、PF-07104091(形態5)および追加の抗がん剤の量が、合わせると、がんを処置するのに有効である方法を提供する。
別の態様では、本発明は、がんの処置において使用するための、本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態5)、または無水結晶性PF-07104091(形態5)を含む医薬組成物を提供する。
また別の態様では、本発明は、がんの処置のための医薬の製造において使用するための、本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態5)を提供する。
別の態様では、本発明は、がんの処置のための、本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態5)、または無水結晶性PF-07104091(形態5)を含む医薬組成物の使用を提供する。
また別の態様では、本発明は、がんの処置のための医薬の製造における、本明細書において記述される態様または実施形態に従う無水結晶性PF-07104091(形態5)の使用を提供する。
本明細書において記述される無水結晶性PF-07104091(形態5)の態様および実施形態のそれぞれにおいて、結晶性形態は、PF-07104091の実質的に純粋な結晶性形態(形態5)であってよい。
無水結晶性PF-07104091(形態5)について本明細書において記述される実施形態のそれぞれを、他のそのような実施形態と組み合わせてよく、ただし、実施形態は互いに矛盾しない。
本明細書において記述される方法および使用の一部の実施形態では、がんは、乳がん、前立腺がん、肺がん(非小細胞肺がん、NSCLCおよび小細胞肺がん、SCLCを含む)、肝臓がん(肝細胞癌、HCCを含む)、腎臓がん(腎細胞癌、RCCを含む)、膀胱がん(上部尿路の尿路上皮癌、UUTUC等の尿路上皮癌を含む)、卵巣がん(上皮性卵巣がん、EOCを含む)、腹膜がん(原発性腹膜がん、PPCを含む)、卵管がん、子宮頸がん、子宮がん(子宮内膜がんを含む)、膵臓がん、胃がん、結腸直腸がん、食道がん、頭頸部がん(頭頸部の扁平上皮細胞癌(SCCHN)、甲状腺がんおよび唾液腺がんを含む)、精巣がん、副腎がん、皮膚がん(基底細胞癌および黒色腫を含む)、脳腫瘍(星状細胞腫、髄膜腫および膠芽細胞腫を含む)、肉腫(骨肉腫および脂肪肉腫を含む)、ならびにリンパ腫(マントル細胞リンパ腫、MCLを含む)からなる群から選択される。
本明細書において記述される方法および使用の一部の実施形態では、がんはSCLCである。一部のそのような実施形態では、SCLCは、Rb陰性またはRb欠損である。
本明細書において記述される方法および使用の一部の実施形態では、がんはNSCLCである。一部のそのような実施形態では、NSCLCは、サイクリンE1(CCNE1)および/またはサイクリンE2(CCNE2)の増幅または過剰発現によって特徴付けられる。
本明細書において記述される方法および使用の一部の実施形態では、がんは、卵巣がん(上皮性卵巣がん、EOCを含む)、腹膜がん(原発性腹膜がん、PPCを含む)または卵管がんである。一部のそのような実施形態では、がんは、CCNE1および/またはCCNE2の増幅または過剰発現によって特徴付けられる。
本明細書において記述される方法および使用の一部の実施形態では、がんはTNBCである。一部のそのような実施形態では、TNBCは、パルボシクリブ等のCDK4/6阻害剤に対して不応性である。
本明細書において記述される方法および使用の一部の実施形態では、がんは、進行性または転移性乳がんを含むHR陽性、HER2陰性乳がんである。一部のそのような実施形態では、乳がんは、パルボシクリブ等のCDK4/6阻害剤に対して不応性である。
本明細書において記述される方法および使用の一部の実施形態では、がんは、進行性または転移性がんである。本明細書において記述される方法および使用の一部の実施形態では、がんは、早期または非転移性がんである。
他の実施形態では、がんは、例えば、ER陽性/HR陽性、HER2陰性乳がん;ER陽性/HR陽性、HER2陽性乳がん;トリプルネガティブ乳がん(TNBC);または炎症性乳がんを含む乳がんである。一部の実施形態では、乳がんは、内分泌療法、抗HER2標的剤、CDK4/CDK6阻害または化学療法(例えば、タキサンまたはプラチン)に対して一次または獲得耐性を実証する。
一部の実施形態では、乳がんは、進行性または転移性乳がんである。先述のそれぞれの一部の実施形態では、乳がんは、CCNE1および/またはCCNE2の増幅または過剰発現によって特徴付けられる。
本明細書において提供される方法の一部の実施形態では、異常な細胞成長は、CCNE1および/またはCCNE2の増幅または過剰発現によって特徴付けられるがんである。本明細書において提供される方法の一部の実施形態では、対象は、CCNE1および/またはCCNE2の増幅または過剰発現によって特徴付けられるがんを有するとして同定される。
一部の実施形態では、がんは、乳がんまたは卵巣がんである。一部のそのような実施形態では、がんは、CCNE1および/またはCCNE2の増幅または過剰発現によって特徴付けられる乳がんまたは卵巣がんである。一部のそのような実施形態では、がんは、(a)乳がんもしくは卵巣がんであるか、(b)CCNE1もしくはCCNE2の増幅もしくは過剰発現によって特徴付けられるか、または(c)(a)および(b)の両方である。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、第一選択療法として投与される。他の実施形態では、本発明の化合物は、第二(または後方)選択療法として投与される。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、内分泌療法および/またはCDK4/6阻害剤による処置後に第二(または後方)選択療法として投与される。一部の実施形態では、本発明の化合物は、内分泌療法、例えば、アロマターゼ阻害剤、SERMまたはSERDによる処置後に第二(または後方)選択療法として投与される。一部の実施形態では、本発明の化合物は、CDK4/6阻害剤(例えば、パルボシクリブ、リボシクリブもしくはアベマシクリブ、または薬学的に許容できるその塩)による処置後に第二(または後方)選択療法として投与される。一部の実施形態では、本発明の化合物は、1つまたは複数の化学療法レジメン(例えば、タキサンまたは白金剤を含む)による処置後に第二(または後方)選択療法として投与される。一部の実施形態では、本発明の化合物は、抗HER2標的剤(例えば、トラスツズマブ、パーツズマブ、ラパチニブまたはアドトラスツズマブエムタンシン(T-DM1))による処置後に第二(または後方)選択療法として投与される。
本明細書において使用される場合、化合物または医薬組成物の「有効投薬量」、「有効量」または「治療有効量」は、指示されるように使用される場合(単剤として使用される場合には単独で、または組み合わせて使用される場合には他の作用物質と一緒にでよい)、疾患、その合併症、および疾患の発生中に存在する中間的な病理学的表現型の、生化学的、組織学的または行動的症状を、予防する、改善するまたは処置することを含む1つまたは複数の有益なまたは所望の転帰に影響を及ぼすために十分である量である。防護的使用では、有益なまたは所望の転帰は、リスクを排除するもしくは低減させること、重症度を減らすこと、または疾患の発症を遅延させることを含み得る。治療的使用では、有益なまたは所望の転帰は、疾患の発生率を低減させるまたはその1つもしくは複数の症状を改善すること、疾患を処置するために使用される別の薬剤の用量を低減させること、疾患を処置するために使用される別の薬剤の効能もしくは安全性を強化すること、または疾患進行までの時間を遅延させることを含み得る。
がんの処置に関連して、治療有効量は、(1)腫瘍のサイズを低減させる、(2)腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度減速させる、好ましくは停止させる)、(3)腫瘍成長または腫瘍侵襲性をある程度阻害する(すなわち、ある程度減速させる、好ましくは停止させる)、(4)がんに関連する1つまたは複数の兆候または症状をある程度和らげる(または、好ましくは排除する)、(5)疾患を処置するために必要とされる他の薬剤の用量を減少させる、および/または(6)別の薬剤の効果を強化する、および/または(7)患者における疾患の進行を遅延させるという効果を有する量を指す。
有効投薬量は、1回または複数回の投与で投与され得る。本発明の目的のために、薬物、化合物または医薬組成物の有効投薬量は、防護的または治療的処置を直接または間接的にのいずれかで遂行するために十分な量である。臨床的文脈で理解されるように、薬物、化合物または医薬組成物の有効投薬量は、別の薬物、化合物または医薬組成物と併せて実現されてもよいし、そうでなくてもよい。
「非標準的投薬レジメン」は、臨床または治療環境においてその物質、作用物質、化合物または医薬組成物に典型的に使用される量、用量またはスケジュールとは異なる、ある量の物質、作用物質、化合物または医薬組成物を投与するためのレジメンを指す。「非標準的投薬レジメン」は、「非標準的用量」または「非標準的投薬スケジュール」を含む。
「低用量レジメン」は、レジメンにおける物質、作用物質、化合物または医薬組成物のうちの1つまたは複数の量が、例えば、作用物質が単剤療法として投薬される場合のその作用物質のための臨床または治療環境において典型的に使用されるよりも低い量または用量で投薬される、投薬レジメンを指す。
網膜芽細胞腫感受性遺伝子(RB1)は、分子的に定義された最初の腫瘍抑制遺伝子であった。網膜芽細胞腫遺伝子産物、RBは、網膜芽細胞腫および骨肉腫において高頻度で突然変異または欠失し、前立腺がん(神経内分泌前立腺癌を含む)、乳がん(トリプルネガティブ乳がん、TNBCを含む)、肺がん(小細胞肺がん、SCLCおよび非小細胞肺がん、NSCLCを含む)、肝臓がん、膀胱がん、卵巣がん、子宮がん、子宮頸がん、胃がん、食道がん、頭頸部がん、膠芽細胞腫およびリンパ腫等の他の腫瘍型において可変頻度で突然変異または欠失する。ヒトがんにおいて、RBの機能は、結合タンパク質による中和(例えば、子宮頸癌におけるヒトパピローマウイルス-E7タンパク質;Ishiji,T、2000[0021]、J Dermatol.、27:73~86)または最終的にそのリン酸化を司る経路の脱制御を介して破壊され得る。
「RB経路」が意味するのは、網膜芽細胞腫タンパク質(RB)、ならびにCDK、E2f、非定型プロテインキナーゼCおよびSkp2を含むがこれらに限定されない他のタンパク質/タンパク質ファミリーを経路に含む、分子シグナル伝達の全経路である。RB経路の不活性化は、多くの場合、p16INK4a、サイクリンD1およびCDK4の摂動から生じる。
用語「RB+」、「RBプラス」、「RBプロフィシェント(proficient)」または「RB陽性」は、検出可能な量の機能性RBタンパク質を発現している細胞を記述するために使用され得る。RB陽性は、野生型および非突然変異RBタンパク質を含む。野生型RB(RB-WT)は、対応する母集団に通例存在し、このタンパク質に現在割り当てられている機能を有するRBタンパク質の形態を意味すると概して理解されている。RB陽性は、機能性RB遺伝子を含有する細胞であってよい。RB陽性である細胞は、検出可能なRBタンパク質機能をコードすることができる細胞であってもよい。
用語「RB-」、「RBマイナス」、「RB欠損」または「RB陰性」は、検出不可能な量の機能性RBタンパク質を生成する細胞を含む、RBの機能が破壊されている数種類の細胞を記述するものである。RB陰性である細胞は、機能性RB遺伝子を含有しない細胞であってよい。RB陰性である細胞は、RBタンパク質をコードすることができるがタンパク質が適正に機能しない細胞であってもよい。
本明細書において記述される方法および使用のそれぞれの一部の実施形態では、がんは、網膜芽細胞腫野生型(RB-WT)として特徴付けられる。本明細書において記述される方法および使用のそれぞれの一部の実施形態では、がんは、RB陽性またはRBプロフィシェントとして特徴付けられる。そのようなRB陽性またはRBプロフィシェントがんは、少なくともいくつかの機能性網膜芽細胞腫遺伝子を含有する。一部の実施形態では、そのようなRB-WT、RB陽性またはRBプロフィシェントがんは、RB1-WT、RB1陽性またはRB1プロフィシェントがんとして特徴付けられる。
本明細書において記述される方法および使用のそれぞれの一部の実施形態では、がんは、RB陰性またはRB欠損として特徴付けられる。そのようなRB陰性またはRB欠損がんは、機能喪失突然変異によって特徴付けることができ、ミスセンス突然変異(すなわち、誤ったアミノ酸をコードする)またはナンセンス突然変異(すなわち、終止コドンをコードする)をコードし得る。代替として、そのようなRB陰性がんは、網膜芽細胞腫遺伝子の全部または一部の欠失によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、そのようなRB陰性またはRB欠損がんは、RB1陰性またはRB1欠損として特徴付けられる。
「腫瘍」は、がんと診断されたまたはがんを有すると疑われる対象に適用する場合、悪性もしくは潜在性悪性新生物またはあらゆるサイズの組織塊を指し、原発腫瘍および二次新生物を含む。固形腫瘍は、通常は嚢胞も液体領域も含有しない組織の異常な成長または塊である。固形腫瘍の例は、肉腫、癌腫およびリンパ腫である。白血病(血液のがん)は、概して固形腫瘍を形成しない(National Cancer Institute、Dictionary of Cancer Terms)。
「腫瘍組織量」または「腫瘍負荷」は、全身に分布している腫瘍性物質の総量を指す。腫瘍組織量は、リンパ節および骨髄を含む全身のがん細胞の総数または腫瘍の総サイズを指す。腫瘍組織量は、例えば、キャリパーを使用して、または体内にある間は、撮像技術、例えば、超音波、骨走査、コンピュータ断層撮影(CT)もしくは磁気共鳴撮像(MRI)走査を使用して等、当技術分野において公知である様々な方法によって決定され得る。
用語「腫瘍サイズ」は、腫瘍の長さおよび幅として測定され得る腫瘍の総サイズを指す。腫瘍サイズは、例えば、対象からの除去時に、例えばキャリパーを使用して、または体内にある間は、撮像技術、例えば、骨走査、超音波、CRもしくはMRI走査を使用して腫瘍の寸法を測定することによって等、当技術分野において公知である様々な方法によって決定され得る。
用語「患者」または「対象」は、ヒトならびにウシ、ウマ、イヌおよびネコ等の哺乳動物の獣医患者を含む、療法が所望されているまたは臨床試験、疫学的研究に参加しているもしくは対照として使用されている任意の単一の対象を指す。一部の実施形態では、対象はヒトである。
本明細書において記述される方法および使用のそれぞれの一部の実施形態では、患者または対象は成人である。一部の実施形態では、対象は、あらゆる閉経状態の女性、または男性である。一部の実施形態では、対象は、閉経後の女性、または男性である。一部の実施形態では、対象は、閉経後の女性である。一部の実施形態では、対象は、閉経前または閉経周辺期の女性である。一部の実施形態では、対象は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニストで処置された閉経前または閉経周辺期の女性である。一部のそのような実施形態では、対象は男性である。一部の実施形態では、対象は、LHRHまたはゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストで処置された男性である。
がんを「処置する」または「処置すること」という用語は、本明細書において使用される場合、がんを有するまたはがんと診断された対象に、例えば、がん細胞数の低減、腫瘍サイズの低減、末梢臓器へのがん細胞の浸潤速度の低減、または腫瘍転移もしくは腫瘍成長の速度の低減、そのような用語が当てはまる障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状を、回復させる、緩和する、その進行を阻害する、もしくは予防すること等の少なくとも1つの陽性治療効果を実現するために、本発明の化合物を投与することを意味する。用語「処置」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、「処置すること」がすぐ上で定義された通りに処置する行為を指す。用語「処置すること」は、対象のアジュバントおよびネオアジュバント処置も含む。
本発明の目的のために、有益なまたは所望の臨床結果は、以下のうちの1つまたは複数:新生物性またはがん性細胞の増殖を低減させること(または破壊すること);転移または新生物性細胞を阻害すること;腫瘍のサイズを縮小させるまたは減少させること;がんの寛解;がんから生じた症状を減少させること;がんに罹患している人々の生活の質を増大させること;がんを処置するために必要とされる他の薬剤の用量を減少させること;がんの進行を遅延させること;がんを治癒させること;がんの1つまたは複数の耐性機構を克服すること;および/またはがん患者の生存期間を延長することを含むがこれらに限定されない。がんにおける陽性治療効果は、いくつかの手法で測定することができる(例えば、W.A.Weber、Assessing tumor response to therapy、J.Nucl.Med.50付録1:1S~10S(2009)を参照)。例えば、腫瘍成長阻害(T/C)に関して、国立がん研究所(NCI)の基準によれば、42%以下のT/Cは、最低レベルの抗腫瘍活性である。10%未満のT/Cは、高い抗腫瘍活性レベルとみなされ、ここで、T/C(%)=処置済みのメジアン腫瘍体積/対照のメジアン腫瘍体積×100である。
一部の実施形態では、本発明の化合物によって実現される処置は、以下のいずれか:部分奏功(PR)、完全奏効(CR)、全奏効(OR)、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、放射線PFS、無転移(metastasis fee)生存期間(MFS)、無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)を参照することによって定義される。
本明細書において使用される場合、用語「完全奏効」または「CR」は、処置に応答したがんのすべての兆候の消失(例えば、すべての標的病変の消失)を意味する。これは、がんが治癒したことを必ずしも意味するとは限らない。
本明細書において使用される場合、用語「無病生存期間」(DFS)は、がんの一次処置が終了した後、そのがんのいかなる兆候も症状もなしに患者が生存した時間の長さを意味する。
本明細書において使用される場合、用語「奏効期間」(DoR)は、がんが成長することも広がることもなく、腫瘍が処置に応答し続ける時間の長さを意味する。DoRの向上を実証する処置は、疾患進行における持続可能で意味のある遅延を生成することができる。
本明細書において使用される場合、用語「客観的奏効」および「全奏効」は、完全奏効(CR)または部分奏功(PR)を含む測定可能な奏功を指す。用語「全奏効率」(ORR)は、完全奏効(CR)率および部分奏功(PR)率の和を指す。
本明細書において使用される場合、用語「全生存期間」(OS)は、がん等の疾患の診断日またはそのための処置開始のいずれかから、該疾患と診断された患者がまだ生きている時間の長さを意味する。OSは、典型的には、対照群の患者(すなわち、別の薬物またはプラセボのいずれかを服用している)と比較した、ある特定の処置を受けている患者における平均余命の延長として測定される。
本明細書において使用される場合、用語「部分奏功」または「PR」は、処置に応答した、1つもしくは複数の腫瘍もしくは病変のサイズにおける、または体内のがんの進展度における減少を指す。例えば、一部の実施形態では、PRは、ベースラインSLDを参照として取り、標的病変の最長径(SLD)の和における少なくとも30%の減少を指す。
本明細書において使用される場合、用語「無増悪生存期間」または「PFS」は、処置の最中および後に、処置されている疾患(例えば、がん)が悪化しない時間の長さを指す。PFSは、「腫瘍進行までの時間」とも称され、患者がCRまたはPRを経験した時間の量および患者がSDを経験した時間の量を含み得る。
本明細書において使用される場合、用語「進行性疾患」または「PD」は、成長している、広がっているまたは悪化しているがんを指す。一部の実施形態では、PRは、最小のSLDを参照として取り、処置が始まってからまたは1つもしくは複数の新たな病変の存在まで記録された標的病変のSLDにおける少なくとも20%の増大を指す。
本明細書において使用される場合、用語「安定疾患」(SD)は、進展度または重症度が減少しても増大してもいないがんを指す。
本明細書において使用される場合、用語「持続的な奏効」は、処置の休止後に腫瘍成長を低減させることに対する持続的な効果を指す。例えば、腫瘍サイズは、医薬投与相の開始時におけるサイズと比較して、同じサイズであってもよいし、またはより小さくてもよい。一部の実施形態では、持続的な奏効は、処置持続期間と少なくとも同じ、処置持続期間の少なくとも1.5倍、2倍、2.5倍もしくは3倍の長さの、またはより長い持続期間を有する。
「客観的奏効」、「完全奏効」、「部分奏功」、「進行性疾患」、「安定疾患」、「無増悪生存期間」、「奏効期間」を含む、がんを処置する方法の抗がん効果は、本明細書において使用される場合、調査員らにより、RECIST v1.1を使用して定義および評価され得る(Eisenhauerら、New response evaluation criteria in solid tumours:Revised RECIST guideline(バージョン1.1)、Eur J of Cancer、2009;45(2):228~47)。
本明細書において記述される方法および使用のそれぞれの一部の実施形態では、本発明は、ネオアジュバント療法、アジュバント療法、第一選択療法、第二選択療法、第二選択もしくは後方選択の療法、または第三選択もしくは後方選択の療法に関する。本明細書においてさらに記述されている通りの各場合において、がんは、限局性、進行性または転移性であり得、疾患の連続性に沿った時点において(すなわち、がんの任意の段階において)介入が起こり得る。
がん患者を処置するために有効である本発明の化合物のための処置レジメンは、患者の病状、年齢および重量、ならびに対象において抗がん応答を誘発する療法の能力等の要因に従って変動し得る。本発明の態様のいずれかの実施形態は、すべての対象において陽性治療効果を実現するのに有効であるとは限らない場合があるが、スチューデントのt検定、カイ二乗検定、マン・ホイットニーのU検定、クラスカル・ウォリス検定(H検定)、ヨンクヒール・タプストラ検定(testy)およびウィルコンオン(Wilcon on)検定等の当技術分野において公知である任意の統計的検定によって決定される、統計的に有意な数の対象において有効であるはずである。
用語「処置レジメン」、「投薬プロトコール」および「投薬レジメン」は、本発明で記述されている通りのPF-07104091の結晶性または非晶質形態のいずれかの、単独でのまたは追加の抗がん剤と組み合わせた投与の用量およびタイミングを指すために交換可能に使用されてよい。
「改善すること」は、本発明で記述されている通りのPF-07104091の結晶性または非晶質形態のいずれか等の化合物または薬物による処置時に、化合物を投与しない場合と比較して、1つまたは複数の症状をある程度低減させるまたは向上させることを意味する。「改善すること」は、症状の持続期間の短縮または低減、すなわち、症状をある程度低減させること、好ましくは排除することも含む。
「異常な細胞成長」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、正常な調節機構(例えば、接触阻害の喪失)とは無関係な細胞成長を指す。異常な細胞成長は、良性(がん性ではない)または悪性(がん性)であり得る。本明細書において提供される方法のいくつもの実施形態では、異常な細胞成長はがんである。
異常な細胞成長は、(1)CDK2の増幅または過剰発現によって特徴付けられる腫瘍、(2)CCNE1および/またはCCNE2の増幅または過剰発現によって特徴付けられる腫瘍、(3)喪失またはRbによって特徴付けられる腫瘍、ならびに(4)内分泌療法、抗HER2標的剤、CDK4/6阻害または化学療法(例えば、タキサンまたはプラチン)に耐性がある腫瘍の、異常な成長を含む。
一部の実施形態では、本発明の方法および使用は、1つまたは複数の追加の抗がん剤をさらに含み得る。一部の実施形態では、追加の抗がん剤は、抗腫瘍剤、抗血管新生剤、シグナル伝達阻害剤および抗増殖剤からなる群から選択される。一部の実施形態では、追加の抗がん剤は、分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、挿入抗生物質、成長因子阻害剤、放射線、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾物質、抗体、細胞毒性物質、ならびに抗アンドロゲン剤、アンドロゲン除去療法(ADT)および抗エストロゲン剤等の内分泌治療剤からなる群から選択される。追加の抗がん剤は、低分子治療薬および薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物、治療抗体、抗体薬物コンジュゲート(ADC)、タンパク質分解誘導キメラ分子(PROTAC)、またはアンチセンス分子を含み得る。
一部の実施形態では、追加の抗がん剤は抗エストロゲン剤であり、ここで、抗エストロゲン剤は、アロマターゼ阻害剤、SERDまたはSERMである。一部の実施形態では、抗エストロゲン剤はアロマターゼ阻害剤である。一部のそのような実施形態では、アロマターゼ阻害剤は、レトロゾール、アナストロゾールおよびエキセメスタンからなる群から選択される。一部のそのような実施形態では、アロマターゼ阻害剤はレトロゾールである。一部の実施形態では、抗エストロゲン剤はSERDである。一部のそのような実施形態では、SERDは、フルベストラント、エラセストラント(RAD-1901、Radius Health)、SAR439859(Sanofi)、RG6171(Roche)、AZD9833(AstraZeneca)、AZD9496(AstraZeneca)、リントデストラント(G1 Therapeutics)、ZN-c5(Zentalis)、LSZ102(Novartis)、D-0502(Inventisbio)、LY3484356(Lilly)およびSHR9549(Jiansu Hengrui Medicine)からなる群から選択される。一部のそのような実施形態では、SERDはフルベストラントである。一部の実施形態では、抗エストロゲン剤はSERMである。一部のそのような実施形態では、SERMは、タモキシフェン、ラロキシフェン、トレミフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェンおよびアフィモキシフェンからなる群から選択される。一部のそのような実施形態では、SERMは、タモキシフェンまたはラロキシフェンである。
一部の実施形態では、追加の抗がん剤は、アビラテロン、アパルタミド、ビカルタミド、シプロテロン、エンザルタミド、フルタミドまたはニルタミド等の抗アンドロゲン剤である。一部の実施形態では、方法または使用は、アンドロゲン除去療法(ADT)、例えば、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト、LHRHアンタゴニスト、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストまたはGnRHアンタゴニストをさらに含む。
一部の実施形態では、本発明の方法および使用は、以下から選択される1つまたは複数の追加の抗がん剤をさらに含む。
抗血管新生剤は、例えば、VEGF阻害剤、VEGFR阻害剤、TIE-2阻害剤、PDGFR阻害剤、アンジオポエチン(angiopoetin)阻害剤、PKCβ阻害剤、COX-2(シクロオキシゲナーゼII)阻害剤、インテグリン(アルファ-v/ベータ-3)、MMP-2(マトリックス-メタロプロテイナーゼ2)阻害剤およびMMP-9(マトリックス-メタロプロテイナーゼ9)阻害剤を含む。
シグナル伝達阻害剤は、例えば、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ、セリン/トレオニンキナーゼまたはサイクリン依存性キナーゼの阻害剤)、プロテアソーム阻害剤、PI3K/AKT/mTOR経路阻害剤、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ1および2(IDH1およびIDH2)阻害剤、B細胞リンパ腫2(BCL2)阻害剤、ニューロトロフィン受容体キナーゼ(NTRK)阻害剤、トランスフェクション時に再編成した(RET)阻害剤、ノッチ阻害剤、PARP阻害剤、ヘッジホッグ経路阻害剤、ならびに核外輸送の選択的阻害剤(SINE)を含む。
シグナル伝達阻害剤の例は、アカラブルチニブ、アファチニブ、アレクチニブ、アルペリシブ、アキシチニブ、ビニメチニブ、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブリグチニブ、カボザンチニブ、カルフィルゾミブ、セリチニブ、コビメチニブ、コパンリシブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダコミチニブ、ダサチニブ、デュベリシブ、エナシデニブ、エンコラフェニブ、エヌトレクチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ギルテリチニブ、グラスデギブ、イブルチニブ、イデラリシブ、イマチニブ、イパタセルチブ、イボシデニブ、イキサゾミブ、ラパチニブ、ラロトレクチニブ、レンバチニブ、ロルラチニブ、ミドスタウリン、ネラチニブ、ニロチニブ、ニラパリブ、オラパリブ、オシメルチニブ、パゾパニブ、ポナチニブ、レゴラフェニブ、ルカパリブ、ルキソリチニブ、ソニデギブ、ソラフェニブ、スニチニブ、タラゾパリブ、トラメチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ベネトクラクスおよびビスモデギブ、または薬学的に許容できるその塩および溶媒和物を含むがこれらに限定されない。
抗新生物剤は、例えば、アルキル化剤、白金配位錯体、細胞傷害性抗生物質、代謝拮抗物質(antimetabolies)、生体応答修飾物質、ヒストンデアセチラーゼ(deacetylate)(HDAC)阻害剤、ホルモン剤、モノクローナル抗体、成長因子阻害剤、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、ビンカアルカロイドおよび種々雑多な作用物質を含む。
アルキル化剤は、アルトレタミン、ベンダムスチン、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、シクロフォスファミド、ダカルバジン、イホスファミド、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、プロカルバジン、ストレプトゾシン、テモゾロマイド、チオテパおよびトラベクテジンを含む。
白金配位錯体(本明細書では「白金剤」とも称される)は、カルボプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチンを含む。
細胞傷害性抗生物質は、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシンおよびバルルビシンを含む。
代謝拮抗物質は、メトトレキサート、ペメトレキセド、プララトレキサートおよびトリメトレキサート等の抗葉酸剤;アザチオプリン、クラドリビン、フルダラビン、メルカプトプリンおよびチオグアニン等のプリン類似体;ならびに、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、デシタビン、フロクシウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビンおよびトリフルリジン/チピラシル(tipracil)等のピリミジン類似体を含む。
生体応答修飾物質は、アルデスロイキン(IL-2)、デニロイキンディフティトックスおよびインターフェロンガンマを含む。
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ベリノスタット、パノビノスタット、ロミデプシンおよびボリノスタットを含む。
ホルモン剤は、抗アンドロゲン剤、抗エストロゲン剤、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)類似体およびペプチドホルモンを含む。抗エストロゲン剤の例は、レトロゾール、アナストロゾールおよびエキセメスタン等のアロマターゼ阻害剤;フルベストラント、エラセストラント(RAD-1901、Radius Health)、SAR439859(Sanofi)、RG6171(Roche)、AZD9833(AstraZeneca)、AZD9496(AstraZeneca)、リントデストラント(G1 Therapeutics)、ZN-c5(Zentalis)、LSZ102(Novartis)、D-0502(Inventisbio)、LY3484356(Lilly)、SHR9549(Jiansu Hengrui Medicine)等のSERD;ならびに、タモキシフェン、ラロキシフェン、トレミフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン、アフィモキシフェン等のserMを含む。GnRH類似体の例は、デガレリクス、ゴセレリン、ヒストレリン、ロイプロリドおよびトリプトレリンを含む。ペプチドホルモンの例は、ランレオチド、オクトレオチドおよびパシレオチドを含む。抗アンドロゲン剤の例は、アビラテロン、アパルタミド、ビカルタミド、シプロテロン、エンザルタミド、フルタミドおよびニルタミド、ならびに薬学的に許容できるその塩および溶媒和物を含む。
モノクローナル抗体は、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、ベバシズマブ、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブ、セミプリマブ、セツキシマブ、ダラツムマブ、ジヌツキシマブ、デュルバルマブ、エロツズマブ、ゲムツズマブ、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、モガムリズマブ、モキセツモマブパスドトックス、ネシツムマブ、ニボルマブ、オファツムマブ、オララツマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、パーツズマブ、ラムシルマブ、リツキシマブ、トシツモマブおよびトラスツズマブを含む。
タキサンは、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセルおよびパクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤(Nab-パクリタキセル)を含む。
トポイソメラーゼ阻害剤は、エトポシド、イリノテカン、テニポシドおよびトポテカンを含む。
ビンカアルカロイドは、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビノレルビン、ならびに薬学的に許容できるその塩を含む。
種々雑多な抗新生物剤は、アスパラギナーゼ(ペグアスパラガーゼ)、ベキサロテン、エリブリン、エベロリムス、ヒドロキシウレア、イクサベピロン、レナリドマイド、ミトタン、オマセタキシン、ポマリドマイド、タグラクソフスプ、テロトリスタット、テムシロリムス、サリドマイドおよびベネトクラックスを含む。
一部の実施形態では、追加の抗がん剤は、アビラテロン酢酸エステル、アカラブルチニブ、アドトラスツズマブエムタンシン、ジマレイン酸アファチニブ、アフィモキシフェン、アルデスロイキン、アレクチニブ、アレムツズマブ、アルペリシブ、アミフォスチン、アナストロゾール、アパルタミド、アプレピタント、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼエルウィニア・クリサンセミ(erwinia chrysanthemi)、アテゾリズマブ、アバプリチニブ、アベルマブ、アキシカブタジンシロルーセル、アキシチニブ、アザシチジン、AZD9833(AstraZeneca)、AZD9496(AstraZeneca)、バゼドキシフェン、ベリノスタット、ベンダムスチン塩酸塩、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビニメチニブ、ブレオマイシン硫酸塩、ブリナツモマブ、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリグチニブ、カバジタキセル、カボザンチニブS-リンゴ酸、カラスパルガーゼペゴル-mknl、カペシタビン、カプラシズマブ-yhdp、カプマチニブ塩酸塩、カルボプラチン、カルフィルゾミブ、カルムスチン、セミプリマブ-rwlc、セリチニブ、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、コビメチニブ、コパンリシブ塩酸塩、クリゾチニブ、シクロフォスファミド、シタラビン、D-0502(Inventisbio)、ダブラフェニブメシル酸塩、ダカルバジン、ダコミチニブ、ダクチノマイシン、ダラツムマブ、ダラツムマブおよびヒアルロニダーゼ-fihj、ダルベポエチンアルファ、ダロルタミド、ダサチニブ、ダウノルビシン塩酸塩、デシタビン、デフィブロチドナトリウム、デガレリクス、デニロイキンディフティトックス、デノスマブ、デキサメタゾン、デキスラゾキサン塩酸塩、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、ドキソルビシン塩酸塩、デュルバルマブ、デュベリシブ、エラセストラント、エロツズマブ、エルトロンボパグオラミン、エマパルマブ-lzsg、エナシデニブメシル酸塩、エンコラフェニブ、エンホルツマブベドチン-ejfv、エヌトレクチニブ、エンザルタミド、エピルビシン塩酸塩、エポエチンアルファ、エルダフィチニブ、エリブリンメシル酸塩、エルロチニブ塩酸塩、エトポシド、リン酸エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、fam-トラスツズマブデルクステカン-nxki、フェドラチニブ塩酸塩、フィルグラスチム、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、ホスタマチニブ二ナトリウム、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン塩酸塩、ゲムツズマブオゾガマイシン、ギルテリチニブフマル酸塩、グラスデギブマレイン酸塩、グルカルピダーゼ、ゴセレリン酢酸塩、グラニセトロン、グラニセトロン塩酸塩、ヒドロキシウレア、イブリツモマブチウキセタン、イブルチニブ、イダルビシン塩酸塩、イデラリシブ、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、イミキモド、イノツズマブオゾガマイシン、インターフェロンアルファ-2b組換え、イオベングアンI-131、イパタセルチブ、イピリムマブ、塩酸イリノテカン、イサツキシマブ-irfc、イボシデニブ、イクサベピロン、イキサゾミブクエン酸エステル、ランレオチド酢酸塩、ラパチニブトシル酸塩、ラロトレクチニブ硫酸塩、ラソフォキシフェン、レナリドマイド、レンバチニブメシル酸塩、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、酢酸ロイプロリド、ロムスチン、ロルラチニブ、LSZ102(Novartis)、ルルビネクテジン、LY3484356(Lilly)、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルファラン塩酸塩、メルカプトプリン、メトトレキサート、ミドスタウリン、マイトマイシン、ミトキサントロン塩酸塩、モガムリズマブ-kpkc、モキセツモマブパスドトックス-tdfk、ネシツムマブ、ネララビン、ネラチニブマレイン酸塩、ニロチニブ、ニルタミド、ニラパリブトシル酸塩一水和物、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オラパリブ、オマセタキシンメペスクシナート、オンダンセトロン塩酸塩、オシメルチニブメシル酸塩、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、パリフェルミン、パロノセトロン塩酸塩、パミドロン酸二ナトリウム、パニツムマブ、パノビノスタット、パゾパニブ塩酸塩、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ-2b、ペンブロリズマブ、ペメトレキセド二ナトリウム、ペミガチニブ、パーツズマブ、ペキシダルチニブ塩酸塩、プレリキサホル、ポラツズマブベドチン-piiq、ポマリドマイド、ポナチニブ塩酸塩、プララトレキサート、プレドニゾン、塩酸プロカルバジン、プロプラノロール塩酸塩、二塩化ラジウム223、ラロキシフェン塩酸塩、ラムシルマブ、ラスブリカーゼ、ラブリズマブ-cwvz、組換えインターフェロンアルファ-2b、レゴラフェニブ、RG6171(Roche)、リントデストラント、リプレチニブ、リツキシマブ、ロラピタント塩酸塩、ロミデプシン、ロミプロスチム、ルカパリブカンシル酸塩、ルキソリチニブリン酸塩、サシツズマブゴビテカン-hziy、SAR439859(Sanofi)、セリネクソール、セルペルカチニブ、セルメチニブ硫酸塩、SHR9549(Jiansu Hengrui Medicine)、シルツキシマブ、シプリューセル-t、ソニデギブ、ソラフェニブトシル酸塩、タグラクソフスプ-erzs、タラゾパリブトシル酸塩、タリモジーンラハーパレプベック、タモキシフェンクエン酸塩、タゼメトスタット臭化水素酸塩、テモゾロマイド、テムシロリムス、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、チサゲンレクルユーセル、トシリズマブ、トポテカン塩酸塩、トレミフェン、トラベクテジン、トラメチニブ、トラスツズマブ、トラスツズマブおよびヒアルロニダーゼ-oysk、トリフルリジンおよびチピラシル塩酸塩、ツカチニブ、ウリジントリアセテート、バルルビシン、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ベネトクラクス、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビノレルビン酒石酸塩、ビスモデギブ、ボリノスタット、ザヌブルチニブ、ziv-アフリベルセプト、ZN-c5(Zentalis)ならびにゾレドロン酸;または先述の遊離塩基、薬学的に許容できる塩(上記で名を挙げた塩の代替塩形態を含む)もしくは溶媒和形態;またはそれらの組合せからなる群から選択される。
用語「がん」または「がん性」は、悪性および/もしくは侵襲的成長、または異常な細胞成長によって引き起こされた腫瘍を指すまたは記述する。本明細書において使用される場合、「がん」は、それらを形成する細胞の種類に因んで命名された固形腫瘍、および血液、骨髄またはリンパ系のがんを指す。固形腫瘍の例は、肉腫および癌腫を含むがこれらに限定されない。血液のがんの例は、白血病、リンパ腫および骨髄腫を含むがこれらに限定されない。用語「がん」は、体内の特異的部位を起源とする原発性がん、それが始まった場所から体の他の部分へ広がった転移性がん、寛解後の最初の原発性がんからの再発、および後のものとは種類が異なる過去のがんの履歴を持つ人物における新たな原発性がんである二次原発性がんを含むがこれらに限定されない。
ある特定の腫瘍における、本明細書において記述される方法および使用の効能は、他の承認されたまたは実験的ながん療法、例えば、放射線、手術、化学療法剤、標的化療法、腫瘍においては調節不全である他のシグナル伝達経路を阻害する作用物質、ならびにPD-1またはPD-L1アンタゴニスト等の他の免疫増強剤等との組合せによって、強化され得る。本発明の方法および使用は、1つまたは複数の追加の抗がん剤をさらに含み得る。
本発明の結晶性または非晶質形態の投与は、作用部位への化合物の送達を可能にする任意の方法によって影響を受ける場合がある。これらの方法は、経口ルート、十二指腸内ルート、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内または注入を含む)、局所および経直腸投与を含む。
投薬量レジメンは、最適な所望の応答を提供するために調整され得る。例えば、本発明の結晶性または非晶質形態は、単回ボーラスとして、経時的に投与される数回の分割用量として投与されてよく、または、用量は、治療状況の緊急事態によって指示されるように比例的に低減または増大され得る。投与の容易性および投薬量の均一性のために治療剤を投薬量単位形態で製剤化することが特に有利となり得る。投薬量単位形態は、本明細書において使用される場合、哺乳動物対象を処置するための単位投薬量として適した物理的に不連続な単位を指し、各単位は、必要とされる医薬担体と一緒に所望の治療効果を生成するように算出された所定分量の活性化合物を含有する。本発明の投薬量単位形態のための仕様は、(a)固体形態の独自の特徴および実現すべき特定の治療または防護的効果、ならびに(b)個体における感受性の処置のための活性化合物等の化合物化の技術分野に固有の制限によっておよびそれらに直接的に依存して、決定付けることができる。
故に、当業者ならば、本明細書において提供される開示に基づき、用量および投薬レジメンは治療技術分野において周知の方法に従って調整されることが分かるであろう。すなわち、検出可能な治療的利益を対象に提供するために各作用物質を投与するための一時的な要件のように、最大耐量が容易に確立され得、検出可能な治療的利益を対象に提供する有効量も決定され得る。したがって、ある特定の用量および投与レジメンが本明細書において例示されるが、これらの例は、本発明を実践する際に対象に提供され得る用量および投与レジメンを何ら限定するものではない。
用量値は、緩和される状態の種類および重症度に伴って変動する場合があり、単回または複数回用量を含み得ることに留意されたい。任意の特定の対象について、具体的な投薬量レジメンは、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の体内動態および処方医師の裁量等の要因を考慮に入れ、個々の必要性および化合物または医薬組成物を投与するまたはその投与を監督する人物の専門的判定に従って、経時的に調整されるべきであることをさらに理解されたい。本明細書において明記されている投薬量範囲は例示的なものに過ぎず、特許請求されている固体形態または医薬組成物の範囲または実践を限定することを意図しない。例えば、用量は、薬物動態または薬力学的パラメーターに基づいて調整されてよく、これは、毒性効果および/または検査値等の臨床効果を含み得る。故に、本発明は、当業者によって決定された際の患者内の用量漸増を包含する。化学療法剤の投与のための適切な投薬量およびレジメンを決定することは、関連技術分野において周知であり、本明細書において開示される教示がいったん提供されれば、当業者によって包含されることが理解されるであろう。
本発明の結晶性または非晶質形態の投薬量は、典型的には、単回または分割用量で、1日当たり体重1kgにつき約0.001から約100mgまで、好ましくは約1から約35mg/kg/日の範囲内である。70kgのヒトでは、これは、約0.01から約7g/日、好ましくは約0.02から約2.5g/日の量になるであろう。一部の事例において、前記の範囲の下限に満たない投薬量レベルで十分すぎる場合があり、一方、他の場合では、さらに大きい用量がいかなる有害な副作用も引き起こすことなく用いられる場合もあり、ただし、そのようなより大きい用量は、1日を通した投与のためのいくつかの小用量に最初に分割される。投薬量は、単回用量(QD)として投与されてもよいし、BID(1日2回)、TID(1日3回)またはQID(1日4回)投与に好適なより小さい用量に場合により細分されてもよい。投薬量レジメンは、最適な治療応答を提供するために調整され得る。例えば、用量は、副作用を改善するまたは予防することが必要とされる場合に一時的または恒久的な用量低減を含む治療状況の緊急事態によって指示されるように比例的に低減または増大され得る。
投与もしくは投薬レジメンの繰り返し、または投与もしくは投薬レジメンの調整は、所望の処置を実現するために必要に応じて行われ得る。「継続投薬スケジュール」は、本明細書において使用される場合、投薬中断のない、例えば処置の休日がない、投与または投薬レジメンである。処置サイクル間に投薬中断のない21または28日処置サイクルの繰り返しは、継続投薬スケジュールの一例である。
一部の実施形態では、PF-07104091の結晶性または非晶質形態は、1日当たり約1mgから約1000mgまでの1日投薬量で投与される。一部の実施形態では、本発明の結晶性または非晶質形態は、1日当たり約10mgから約500mgまでの1日投薬量で投与され、一部の実施形態では、1日当たり約25mgから約300mgまでの投薬量で投与される。一部の実施形態では、これは、約1、2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、260、270、275、280、290、300、325、350、375、400、425、450、475または500mgの投薬量で、QD、BID、TIDまたはQIDスケジュールにて投与される。
投与もしくは投薬レジメンの繰り返し、または投与もしくは投薬レジメンの調整は、所望の処置を実現するために必要に応じて行われ得る。「間欠的投薬スケジュール」は、投薬中断の期間、例えば処置の休日を含む、投与または投薬レジメンを指す。処置サイクル間に7日の処置中断がある14または21日処置サイクルの繰り返しは、間欠的投薬スケジュールの一例である。2または3週間処置ありおよび1週間処置なしのそのようなスケジュールは、時に、それぞれ2/1週または3/1週処置サイクルと称される。代替として、間欠的投薬は、5日間処置ありおよび2日間処置なしの7日処置サイクルを含み得る。
「継続投薬スケジュール」は、本明細書において使用される場合、投薬中断のない、例えば処置の休日がない、投与または投薬レジメンである。処置サイクル間に投薬中断のない21または28日処置サイクルの繰り返しは、継続投薬スケジュールの一例である。
一部の実施形態では、本明細書において記述されるPF-07104091の結晶性または非晶質形態のいずれかは、間欠的投薬スケジュールで投与される。他の実施形態では、本明細書において記述されるPF-07104091の結晶性または非晶質形態のいずれかは、継続投薬スケジュールで投与される。
「医薬組成物」は、有効成分としての本明細書において記述される治療剤の1つもしくは複数、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと、少なくとも1つの薬学的に許容できる担体または添加剤との混合物を指す。一部の実施形態では、医薬組成物は、2つ以上の薬学的に許容できる担体および/または添加剤を含む。
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容できる担体」は、有機体に重大な刺激を引き起こさず、活性化合物または治療剤の生物学的活性および特性を抑止しない、担体または賦形剤を指す。
薬学的に(pharmaceutical)許容できる担体は、任意の従来の医薬担体または添加剤を含み得る。担体および/または添加剤の選択は、特定の投与モード、溶解度および安定性に対する添加剤の影響、ならびに剤形の性質等の要因にかなりの程度まで依存することになる。
一実施形態では、本発明は、無水結晶性PF-07104091(形態2)と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物に関する。
一実施形態では、本発明は、結晶性PF-07104091一水和物(形態3)と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物に関する。
一実施形態では、本発明は、非晶質PF-07104091(形態4)と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物に関する。
一実施形態では、本発明は、無水結晶性PF-07104091(形態5)と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物に関する。
好適な医薬担体は、不活性賦形剤または充填剤、水および種々の有機溶媒(水和物および溶媒和物等)を含む。医薬組成物は、所望ならば、香味剤、結合剤、添加剤等の追加の成分を含有してよい。故に、経口投与では、クエン酸等の種々の添加剤を含有する錠剤を、デンプン、アルギン酸およびある特定の複合ケイ酸塩等の種々の崩壊剤、ならびにスクロース、ゼラチンおよびアカシア等の結合剤と一緒に用いてよい。添加剤の例は、限定されないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖ならびに各種のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油およびポリエチレングリコールを含む。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルク等の滑沢剤は、多くの場合、錠剤化目的のために有用である。同様の種類の固体医薬組成物は、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤においても用いられ得る。したがって、材料の非限定的な例は、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールを含む。水性懸濁剤またはエリキシル剤が経口投与のために所望される場合、その中の活性化合物を、種々の甘味もしくは香味剤、着色物質または染料、および所望ならば、乳化剤または懸濁化剤と、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンまたはそれらの組合せ等の賦形剤と一緒に組み合わせてよい。
本発明の医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、持続放出製剤、液剤、懸濁剤として経口投与に、滅菌液剤、懸濁剤もしくは乳剤として非経口注射に、軟膏剤もしくはクリーム剤として局所投与に、または坐剤として経直腸投与に好適な形態であってよい。医薬組成物は、正確な投薬量の単回投与に好適な単位剤形であってよい。医薬組成物は、従来の医薬担体または添加剤と、有効成分としての本発明に従う化合物とを含むことになる。加えて、該組成物は、他の薬用または医薬品、担体、アジュバント等を含み得る。
例示的な非経口投与形態は、滅菌水溶液、例えば、プロピレングリコール水溶液またはデキストロース溶液中の、活性化合物の溶液または懸濁液を含む。そのような剤形は、所望ならば、好適に緩衝されていてよい。
具体的な量の活性化合物を加えて種々の医薬組成物を調製する方法は、当業者に公知であるか、または明らかとなるであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easter、Pa.、第19版(1995)を参照されたい。
本明細書において記述される発明の結晶性または非晶質形態のいずれかは、経口的に投与されてよい。経口投与は、治療剤が消化管に入るように嚥下を伴ってもよいし、または治療剤が口から直接血流に入る口腔内もしくは舌下投与が用いられてもよい。
経口投与に好適な製剤は、錠剤、粒子、液体または粉末を含有するカプセル剤等の固体製剤、キャンディー剤(液体充填剤を含む)、チュアブル錠、マルチおよびナノ粒子、ゲル剤、固体液剤、リポソーム、フィルム(粘膜接着剤を含む)、オビュール剤、スプレー剤ならびに液体製剤を含む。
液体製剤は、懸濁剤、液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。そのような製剤は、軟または硬カプセル剤において充填剤として使用されてよく、典型的には、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロースまたは好適な油、ならびに1つまたは複数の乳化剤および/または懸濁化剤を含み得る。液体製剤は、例えばサシェから、固体の復元によって調製されてもよい。
本明細書において記述される発明の結晶性または非晶質形態のいずれかは、Expert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981~986、LiangおよびChen著(2001)において記述されているもの等の速溶性、速崩壊性の剤形で使用されてもよく、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
錠剤剤形では、PF-07104091の結晶性または非晶質形態は、剤形の1重量%(wt%)から80wt%まで、より典型的には剤形の5wt%から60wt%までを占め得る。活性剤に加えて、錠剤は概して崩壊剤を含有する。崩壊剤の例は、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムを含む。概して、崩壊剤は、剤形の1wt%から25wt%まで、好ましくは5wt%から20wt%までを構成し得る。
結合剤は、概して、錠剤製剤に粘着性の品質を付与するために使用される。好適な結合剤は、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ガム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。錠剤は、ラクトース(一水和物、スプレー乾燥一水和物、無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウム二水和物等の賦形剤を含有してもよい。
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80等の表面活性剤ならびに二酸化ケイ素およびタルク等の流動促進剤を場合により含んでいてもよい。存在する場合、表面活性剤は、典型的には錠剤の0.2wt%から5wt%まで、流動促進剤は典型的には錠剤の0.2wt%から1wt%までの量である。
錠剤は、概して、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物等の滑沢剤も含有する。滑沢剤は、概して、錠剤の0.25wt%から10wt%まで、好ましくは0.5wt%から3wt%までの量で存在する。
他の従来の成分は、酸化防止剤、着色剤、香味剤、保存剤および矯味剤を含む。
例示的な錠剤は、約1wt%から約80wt%までの活性剤、約10wt%から約90wt%までの結合剤、約0wt%から約85wt%までの賦形剤、約2wt%から約10wt%までの崩壊剤、および約0.25wt%から約10wt%までの滑沢剤を含有し得る。
錠剤混和物は、錠剤を形成するために直接またはローラーによって圧縮され得る。錠剤混和物または混和物の一部は、代替として、錠剤化前に、湿式、乾式もしくは溶融顆粒化、溶融凝固または押出されてよい。最終製剤は、1つまたは複数の層を含んでよく、コーティングされてもコーティングされなくてもよく、またはカプセル化されてもよい。
錠剤の製剤化は、「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1」、H.LiebermanおよびL.Lachman著、Marcel Dekker、N.Y.、N.Y.、1980(ISBN 0-8247-6918-X)において詳細に論じられており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
吸入器または注入器において使用するためのカプセル(例えば、ゼラチンまたはHPMC製)、ブリスターおよびカートリッジは、治療剤、ラクトースまたはデンプン等の好適な散剤基剤、およびl-ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウム等の性能調節剤の混合粉体を含有するように製剤化されてよい。ラクトースは、無水物であっても一水和物の形態であってよく、好ましくは後者である。他の好適な添加剤は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースを含む。
経口投与のための固体製剤は、即時および/または調節放出であるように製剤化され得る。調節放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的化およびプログラム放出を含む。
好適な調節放出製剤は、米国特許第6,106,864号において記述されている。高エネルギー分散ならびに浸透性および被覆粒子等の他の好適な放出テクノロジーの詳細は、Vermaら、Current Status of Drug Delivery Technologies and Future Directions、Pharmaceutical Technology On-line、(2001)25:1~14において見ることができる。制御放出を実現するためのチューインガムの使用は、WO00/35298において記述されている。これらの参考文献の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書において記述されるPF-07104091の結晶性または非晶質形態のいずれかは、血流中、筋肉中または内臓器官中に直接投与されてもよい。非経口投与のための好適な手段は、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下を含む。非経口投与のための好適なデバイスは、針(顕微針を含む)注射器、無針注射器および注入技術を含む。
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物および緩衝剤等の添加剤を(好ましくは3から9までのpHまで)含有し得る水溶液であるが、いくつかの用途では、滅菌非水溶液としてまたは滅菌パイロジェンフリー水等の好適なビヒクルと併せて使用される乾燥形態として、より好適に製剤化され得る。
滅菌条件下での、例えば凍結乾燥による非経口製剤の調製は、当業者に周知である標準的な薬学技術を使用して、容易に遂行され得る。
非経口溶液の調製において使用される治療剤の溶解度は、溶解度増強剤の組み込み等の適切な製剤化技術の使用によって、潜在的に増大し得る。
本明細書において記述されるPF-07104091の結晶性および非晶質形態は、医薬組成物の投与に好適なキットの形態であってよい。そのようなキットは、活性剤を医薬組成物の形態で含んでよく、この医薬組成物は、活性剤、または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物と、薬学的に許容できる担体とを含む。キットは、容器、分割されたボトルまたは分割されたホイル小包等の、医薬組成物を別個に保持するための手段を含有してよい。そのようなキットの一例は、錠剤、カプセル剤等の包装に使用される家庭用ブリスターパックである。服薬遵守を補助するために、キットは、典型的には投与指示書を含み、記憶補助が備えられていてよい。キットは、賦形剤、フィルター、IVバッグおよびライン、針およびシリンジ等、医薬を投与する際に有用となり得る他の材料をさらに含み得る。
一部の好ましい実施形態では、本発明は、実施形態E1からE41のうちの1つまたは複数を提供する。
E1. 8.4、10.1および21.5°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有する、(1R,3S)-3-[3-({[3-(メトキシメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)-1H-ピラゾール-5-イル]シクロペンチルプロパン-2-イルカルバメート(PF-07104091)一水和物の結晶性形態(形態3)。
E2. 16.9°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークをさらに含むPXRDパターンを有する、実施形態E1の結晶性形態。
E3. 27.0°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークをさらに含むPXRDパターンを有する、実施形態E1またはE2の結晶性形態。
E4. 1657cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する、実施形態E1からE3のいずれか1つの結晶性形態。
E5. 1595cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値をさらに含むラマンスペクトルを有する、実施形態E4の結晶性形態。
E6. 1408cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値をさらに含むラマンスペクトルを有する、実施形態E4またはE5の結晶性形態。
E7. 25.2、37.5および159.3ppm±0.2ppmからなる群から選択される1つ、2つまたは3つの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する、実施形態E1からE6のいずれか1つの結晶性形態。
E8. 151.9および152.5ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値をさらに含む13C固体状態NMRスペクトルを有する、実施形態E7の結晶性形態。
E9. 1657、1595および1408cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する、PF-07104091一水和物の結晶性形態(形態3)。
E10. 25.2および37.5ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含み、159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値をさらに含んでいてもよい13C固体状態NMRスペクトルを有する、PF-07104091一水和物の結晶性形態(形態3)。
E11. 8.4および10.1°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する、実施形態E10の結晶性形態。
E12. 1657cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する、実施形態E10またはE11の結晶性形態。
E13.
(a)8.4、10.1および21.5°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークを含むPXRDパターン、
(b)1657、1595および1408cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトル、もしくは
(c)25.2、37.5および159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル、
または(a)、(b)および(c)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する、PF-07104091一水和物の結晶性形態(形態3)。
E14.
(a)8.4および10.1°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークを含み、21.5°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークをさらに含んでいてもよいPXRDパターン、
(b)1657cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含み、1595および1408cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値をさらに含んでいてもよいラマンスペクトル、もしくは
(c)25.2および37.5ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含み、159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値をさらに含んでいてもよい13C固体状態NMRスペクトル、
または(a)、(b)および(c)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する、PF-07104091一水和物の結晶性形態(形態3)。
E15. 実質的に純粋なPF-07104091一水和物(形態3)である、実施形態E1からE14のいずれか1つの結晶性形態。
E16. 9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する、PF-07104091の無水結晶性形態(形態2)。
E17. 4.2°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークをさらに含むPXRDパターンを有する、実施形態E16の結晶性形態。
E18. 7.5°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークをさらに含むPXRDパターンを有する、実施形態E16またはE17の結晶性形態。
E19. 1691cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する、実施形態E16からE18のいずれか1つの結晶性形態。
E20. 1582cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値をさらに含むラマンスペクトルを有する、実施形態E19の結晶性形態。
E21. 996cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値をさらに含むラマンスペクトルを有する、実施形態E19またはE20の結晶性形態。
E22. 24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppmからなる群から選択される1つ、2つまたは3つの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する、実施形態E16からE21のいずれか1つの結晶性形態。
E23. 21.8および138.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値をさらに含む13C固体状態NMRスペクトルを有する、実施形態E22の結晶性形態。
E24. 1691、1582および996cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する、PF-07104091の無水結晶性形態(形態2)。
E25. 24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する、PF-07104091の無水結晶性形態(形態2)。
E26. 9.8および13.3°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する、実施形態E25の結晶性形態。
E27. 1691cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する、実施形態E25またはE26の結晶性形態。
E28.
(a)9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークを含むPXRDパターン、
(b)1691、1582および996cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含むラマンスペクトル、もしくは
(c)24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル、
または(a)、(b)および(c)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する、PF-07104091の無水結晶性形態(形態2)。
E29.
(a)9.8および13.3°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークを含み、17.4°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークをさらに含んでいてもよいPXRDパターン、
(b)1691cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値を含み、1582および996cm-1±2cm-1の波数(cm-1)値をさらに含んでいてもよいラマンスペクトル、もしくは
(c)24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトル、
または(a)、(b)および(c)のうちの2つ以上の任意の組合せ
を有する、PF-07104091の無水結晶性形態(形態2)。
E30. 実質的に純粋なPF-07104091(形態2)である、実施形態E16からE29のいずれか1つの結晶性形態。
E31. 10.2、12.4、15.4、17.2、17.9、19.8、21.6、22.5、23.7および26.2°2θ±0.2°2θからなる群から選択される、CuKα放射線を使用して測定された2θ値における3つ以上のピークを含むPXRDパターンを有する、PF-07104091の無水結晶性形態(形態5)。
E32. 実施形態E1からE31のいずれか1つの結晶性形態と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物。
E33. それを必要とする対象においてがんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の実施形態E1からE31のいずれか1つの結晶性形態を投与するステップを含む方法。
E34. がんが、乳がん、前立腺がん、肺がん、肝臓がん、腎臓がん、膀胱がん、卵巣がん、腹膜がん、卵管がん、子宮頸がん、子宮がん、膵臓がん、胃がん、結腸直腸がん、食道がん、頭頸部がん、精巣がん、副腎がん、皮膚がん、脳腫瘍、肉腫およびリンパ腫からなる群から選択される、実施形態E33の方法。
E35. PF-07104091の非晶質形態(形態4)。
E36. 約5から約35°2θ±0.2°2θまでの、CuKα放射線を使用して測定された回折角(2θ)におけるブロードピークを含むPXRDパターンを有する、実施形態E35の非晶質形態。
E37. 図4と本質的に同じPXRDパターンを有する、実施形態E35またはE36の非晶質形態。
E38. 59.8±5℃のガラス転移温度(T)を有する、実施形態E35からE37のいずれか1つの非晶質形態。
E39. 実施形態E35からE38のいずれか1つの非晶質形態と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物。
E40. それを必要とする対象においてがんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の実施形態E35からE38のいずれか1つの非晶質形態を投与するステップを含む方法。
E41. がんが、乳がん、前立腺がん、肺がん、肝臓がん、腎臓がん、膀胱がん、卵巣がん、腹膜がん、卵管がん、子宮頸がん、子宮がん、膵臓がん、胃がん、結腸直腸がん、食道がん、頭頸部がん、精巣がん、副腎がん、皮膚がん、脳腫瘍、肉腫およびリンパ腫からなる群から選択される、実施形態E40の方法。
以下で提供される実施例および調製は、本発明の態様および実施形態をさらに例証および例示するものである。本発明の範囲は、以下の実施例の範囲によって限定されないことを理解されたい。
(実施例1)
計器による方法
一般的方法A.粉末X線回折(PXRD)
計器法:
粉末X線回折分析は、Cu放射線源を備えたBruker AXS D8エンデバー回折計を使用して行った。回折される放射線は、電動スリット付きのリンクスアイXE T検出器によって検出した。X線管電圧およびアンペア数は、それぞれ40kVおよび40mAに設定した。データは、ロックドカップル走査のシータ・シータゴニオメーターにおいて、0.01度の増分で3.0から40.0度2シータまでのCu K-アルファ波長(CuKαλ=1.5418Å)にて、1ステップ当たり1.0秒の走査スピードを使用して収集した。散乱線除去スクリーンは、1.5mmの固定距離に設定した。試料は、シリコン低バックグラウンド試料ホルダーに入れることによって調製した。試料を、収集中に1分当たり15回転で回転させた。データは、Bruker DIFFRACプラスソフトウェアを使用して収集した。
ピークピッキング法:
データ分析は、Bruker DIFFRACプラスソフトウェア(バージョン5.0.0)を使用して実施した。ピーク検索前にはPXRDデータファイルを加工しなかった。EVAソフトウェアにおけるピーク検索アルゴリズムを適用して、1の閾値を使用し予備的なピーク割り当てを行った。妥当性を確実にするために、調整を手動で行い、自動割り当ての出力を視覚的に確認し、ピーク位置をピーク最大値に調整した。3%以上の相対強度を持つピークを概して選択した。分割されずノイズと一致もしなかったピークは、選択しなかった。USPに記載されているPXRDからのピーク位置に関連する典型的な誤差は、最大+/-0.2°2-シータである(USP-941)。
一般的方法B.ラマン分光法
計器法:
ラマンスペクトルは、FT-IRベンチに取り付けられたThermo Scientific iS50 FT-ラマンアクセサリーを使用して収集した。CaF2ビームスプリッターは、FT-ラマン配置で利用する。分光計は、1064nmダイオードレーザーおよび室温InGaAs検出器を備えている。データ獲得前に、ポリスチレンを使用して計器性能および較正検証を行った。試料は、ガラスNMR管中で錠剤として、またはデータ収集の間、静的に保持される好適な試料ホルダー中で分析した。スペクトルは、0.1から0.5Wの間のレーザー出力および512の共に追加された(co-added)走査を使用して収集した。収集範囲は3700~100cm-1であった。APIスペクトルは2cm-1分解能を使用して記録し、ハップ・ゲンゼルアポダイゼーションをスペクトルのすべてに利用した。複数のスペクトルが記録され、報告されたスペクトルは2つのスポットを代表するものである。
ピークピッキング法:
ピークピッキングの前に強度スケールを1に対して正規化した。ピークは、Thermoニコレットオムニック9.7.46ソフトウェアを使用して手動で同定した。ピーク位置をピーク最大値でピックし、ピークは、両側の傾斜がある場合のみそのままで同定し、ピークのショルダーは含めなかった。未希釈の形態3のAPIについては、75の感受性を持つ0.012の絶対閾値をピークピッキング中に利用した。未希釈の形態2のAPIについては、75の感受性を持つ0.04の絶対閾値をピークピッキング中に利用した。(1~0.75)、(0.74~0.30)、(0.29~0)の間の正規化されたピーク強度を持つピークを、それぞれ強、中および弱としてラベル付けした。この報告において相対ピーク強度値も例証する。
一般的方法C. 13C固体状態NMR(ssNMR)分光法:
計器法:
固体状態NMR(ssNMR)分析は、Bruker-バイオスピンアバンセIII 500MHz(H周波数)NMR分光計内に位置させたCPMASプローブで行った。材料を4mmのローターに詰めた。15.0kHzのマジックアングルスピニング速度を使用した。
13C ssNMRスペクトルは、プロトンデカップリングされた交差分極マジックアングルスピニング(CPMAS)実験を使用して収集した。80~90kHzの位相変調プロトンデカップリング場をスペクトル獲得中に適用した。交差分極接触時間は、2msに設定した。4.5秒、3.9秒、4.5秒および2.4秒のリサイクル遅延を、形態1、形態2、形態3および形態5についての実験においてそれぞれ使用した。走査数を調整して妥当なシグナル対ノイズ比を取得し、768または1024走査を各APIについて収集した。13C化学シフトスケールは、結晶性アダマンタンの外部標準での13C CPMAS実験を使用し、その高磁場共鳴を29.5ppm(未希釈TMSから決定された)に設定して参照した。
ピークピッキング法:
自動ピークピッキングは、Bruker-バイオスピントップスピンバージョン3.6ソフトウェアを使用して実施した。概して、5%相対強度の閾値を予備的なピーク選択に使用した。自動ピークピッキングの出力を視覚的に確認して妥当性を確実にし、必要ならば、調整を手動で行った。本明細書において具体的な固体状態NMRピーク値が報告されているが、計器、試料および試料調製における差異により、これらのピーク値についてある範囲が存在する。ピーク位置に固有の変動が理由で、これは固体状態NMRの技術分野における一般的な実務である。13C化学シフトx軸値に典型的な変動性は、結晶性固体についておよそプラスまたはマイナス0.2ppmである。本明細書において報告される固体状態NMRピーク高さは、相対強度である。固体状態NMR強度は、CPMAS実験パラメーターの実際の設定および試料の熱履歴に応じて変動し得る。
(実施例2)
無水結晶性PF-07104091(形態2)の調製
Figure 2024503235000003
無水結晶性PF-07104091(形態2)は、PF-07104091一水和物(形態1)(米国特許第11,014,911号で記述されている通りに調製したもの)を50:50%v/v メチルイソブチルケトン:ヘプタンに約80℃で溶解することによって調製した。次いで、溶液を熱から除去し、室温に冷却させた。得られた固体を濾過によって収集し、ヘプタンですすぎ、真空下で乾燥させて結晶性PF-07104091(形態2)を得、これは、元素分析によって無水遊離形態であることが確認された。
PF-07104091(形態2)は、PXRD分析によって示される通り、他の溶媒(例えば、酢酸エチル、シクロヘキサンまたはそれらの混合物)からの結晶化によっても取得された。一部の場合には、少量の残留溶媒がssNMRによって検出可能であったが、これは無水物形態の結晶化中に結晶格子欠陥内に閉じ込められた溶媒による可能性が高い。
示差走査熱量測定(DSC)は、約113℃の開始温度で溶融吸熱(融点測定装置によって確認された)を示した。
PF-07104091(形態2)は、水分収着(DVS)研究によってわずかに吸湿性であることが分かった:60%RHで約0.7%質量増加;75%RHで約1%質量増加;および90%RHで約1.6%質量増加。水分収着後の材料のPXRDは、固体形態における変化を示さなかった。
アセトン:シクロヘキサン(1:2.1)から結晶化した形態2の基準試料に対する熱重量分析(TGA)は、約1%の総重量損失を示し、これは、溶液NMRによって残留溶媒(シクロヘキサン)であることが確認された。
Figure 2024503235000004
Figure 2024503235000005
Figure 2024503235000006
Figure 2024503235000007
†は、閉じ込められた溶媒分子に起因するピークを指し示す
(実施例3)
結晶性PF-07104091一水和物(形態3)の調製
Figure 2024503235000008
N-(5-((1S,3R)-3-ヒドロキシシクロペンチル)-1H-ピラゾール-3-イル)-3-(メトキシメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(化合物A)(187g、0.586モル)(米国特許第11,014,911号の実施例13において記述されている中間体13Bの酸性脱保護によって調製したもの)を、テトラヒドロフラン(THF)(1.78L)に、磁気撹拌を使用して激しくかき混ぜながら溶解した。溶液を25℃に加温し、次いで、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)(142g、0.876モル)を添加した。混合物を25℃で5分間にわたって撹拌し、次いで、50℃に1℃/分で加温し、30分間にわたって保持した。混合物を30℃に冷却し、次いで、2-プロピルアミン(iPrNH)(70g、1.184モル)を投入した。反応物を50℃に1℃/分で加温し、次いで、反応が完了するまで50℃で保持した。必要ならば、追加のiPrNH(18g、0.304モル)を添加して、完了に至った。水(1.22L)を添加し、混合物を50℃に加温した。水(0.561L)中の水酸化カリウム(20g、0.356モル)の溶液を添加し、混合物を50℃で5時間にわたって保持した。反応物を25℃に冷却し、反応混合物を、溶液体積が化合物Aに基づき6mL/g、内部温度が45~50℃の間およびTHFがGCHSにより0.1%未満となるまで、真空下で蒸留した。混合物を25℃に冷却し、次いで、HOを、反応体積が化合物Aに基づき16mL/gになるまで添加した。滴下漏斗を介してアセトニトリル(0.75L)を添加し、10分間にわたって保持し、次いで、水中37%塩酸(29g)を30分間かけて添加して、pHを7~8の間に調整した。追加のHClまたはKOHを添加して、混合物をpH7~8に調整した。混合物を40℃に加温し、3時間にわたって保持した。混合物を15℃に0.1℃/分で冷却し、15℃で1時間にわたって撹拌した。混合物を濾過し、固体を9:1 HO/アセトニトリル(0.500L)ですすいだ。固体を、50℃の加湿真空オーブン内、カールフィッシャー(KF)滴定が4.2%から4.5%の間となるまで乾燥させて、PF-07104091一水和物(形態3)を得た。
Figure 2024503235000009
Figure 2024503235000010
Figure 2024503235000011
(実施例4)
無水結晶性PF-07104091(形態5)の調製
Figure 2024503235000012
無水結晶性PF-07104091(形態5)は、PF-07104091一水和物(形態3)を、およそ50℃のオーブン内の開口皿に入れ、乾燥窒素ガスでおよそ3時間にわたってパージすることによって、調製した。
代替として、無水結晶性PF-07104091(形態5)は、PF-07104091一水和物(形態3)を、周囲温度でドライライト乾燥剤(dessicant)(約0%RH)上にて17日間にわたって貯蔵することによって調製した。
PF-07104091(形態5)の元素分析は、表7に示される通り、無水物形態と一致していた。
Figure 2024503235000013
図15に示される通り、200℃において1%未満の重量損失がPF-07104091(形態5)についての熱重量分析によって観察され、該形態が無水物であることを確認した。
Figure 2024503235000014
Figure 2024503235000015
Figure 2024503235000016
(実施例5)
非晶質PF-07104091(形態4)の調製
Figure 2024503235000017
非晶質PF-07104091(形態4)は、示差走査熱量計(DSC)内でのPF-07104091一水和物(形態1)(米国特許第11,014,911号に記述されている通りに調製したもの)のインサイチュ溶融急冷によって調製した。溶融急冷および凍結乾燥の両方を使用して、非晶質形態4の大規模調製を試みた。
非晶質PF-07104091(形態4)を得るために使用した一般的DSC手順を、以下で提供する。
1. 3~5mgのAPIをアルミ平鍋中に秤量し、アルミ蓋で密閉せずに封をする
2. 50L/分の窒素ガスパージ下、平鍋をDSCに装填する
3. 20℃/分で変化させて-30℃にする
4. 等温で1分間保持する
5. 10℃/分で変化させて160℃にする
6. 等温で1分間保持する
7. 20℃/分で変化させて-30℃にする
8. 等温で1分間保持する
9. 10℃/分で変化させて160℃にする
代表的なDSCサーモグラムは、第2の加熱サイクル(すなわち、上記のステップ9)から図14において提供されており、約59.8±5℃のガラス転移温度(T)(10℃/分の変化速度でDSCによって測定される)を示す。
非晶質PF-07104091(形態4)は、図4に示される通り、結晶性形態の鋭いピークの特徴のいずれもなく、約5から約35°2θ±0.2°2θまでの回折角(2θ)におけるブロードピークを含むPXRDパターン(2θ)を有する。
比較例6
結晶性PF-07104091一水和物(形態1)
Figure 2024503235000018
PF-07104091一水和物(形態1)は、米国特許第11,014,911号の実施例13で記述されている通りに調製した。形態1についてのPXRD、ラマンおよび13C ssNMR特徴付けデータを、それぞれ表11、12および13に提供する。
Figure 2024503235000019
Figure 2024503235000020
Figure 2024503235000021
(実施例7)
安定性研究
スラリー実験を次の通りに行った。PF-07104091の指示されている出発形態を、2mLのバイアルに移した。指示されている溶媒または溶媒混合物を添加して、指定された温度でスラリーを取得した(表14)。必要に応じて追加の固体を添加して、十分に濃厚なスラリーを確実にした。磁気撹拌子を追加し、バイアルにしっかりとキャップをして、溶媒損失を防止した。得られたスラリーを指定された温度で撹拌させておいた。周期的にまたはある特定の持続期間後にアリコートをスラリーから取り出した。固体を遠心濾過によって液体から分離し、固体を粉末X線回折によって特徴付けた。PF-07104091一水和物(形態3)は、4℃、約25℃(周囲)および40℃で熱力学的に最も安定な形態であった。
Figure 2024503235000022
PF-07104091一水和物(形態3)の単結晶x線構造を決定し、図16に示す。コンピュータ分析は、PF-07104091一水和物(形態3)が、PF-07104091一水和物(形態1)と比べて優れた分子間形状、水素結合ネットワークトポロジーおよび空隙の欠如を有し、したがって、より安定であると期待されることを示した。PF-07104091一水和物(形態1)の単結晶x線構造は、米国特許第11,014,911号の図1において提供された。

Claims (26)

  1. 8.4、10.1および21.5°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有する、(1R,3S)-3-[3-({[3-(メトキシメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)-1H-ピラゾール-5-イル]シクロペンチルプロパン-2-イルカルバメート(PF-07104091)一水和物の結晶性形態(形態3)。
  2. 16.9°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークをさらに含むPXRDパターンを有する、請求項1に記載の結晶性形態。
  3. 27.0°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークをさらに含むPXRDパターンを有する、請求項1または2に記載の結晶性形態。
  4. 1657、1595および1408cm-1±2cm-1からなる群から選択される1つ、2つまたは3つの波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の結晶性形態。
  5. 25.2、37.5および159.3ppm±0.2ppmからなる群から選択される1つ、2つまたは3つの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の結晶性形態。
  6. 151.9および152.5ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値をさらに含む13C固体状態NMRスペクトルを有する、請求項5に記載の結晶性形態。
  7. 25.2、37.5および159.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する、PF-07104091一水和物の結晶性形態(形態3)。
  8. 151.9および152.5ppm±0.2ppmからなる群から選択される1つまたは2つの共鳴(ppm)値をさらに含む13C固体状態NMRスペクトルを有する、請求項7に記載の結晶性形態。
  9. 8.4および10.1°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する、請求項7または8に記載の結晶性形態。
  10. 実質的に純粋なPF-07104091一水和物(形態3)である、請求項1から9のいずれか一項に記載の結晶性形態。
  11. 9.8、13.3および17.4°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する、PF-07104091の無水結晶性形態(形態2)。
  12. 4.2°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークをさらに含むPXRDパターンを有する、請求項11に記載の結晶性形態。
  13. 7.5°2θ±0.2°2θの、CuKα放射線を使用して測定された2θ値におけるピークをさらに含むPXRDパターンを有する、請求項11または12に記載の結晶性形態。
  14. 1691、1582および996cm-1±2cm-1からなる群から選択される1つ、2つまたは3つの波数(cm-1)値を含むラマンスペクトルを有する、請求項11から13のいずれか一項に記載の結晶性形態。
  15. 24.1、39.8および41.6ppm±0.2ppmからなる群から選択される1つ、2つまたは3つの共鳴(ppm)値を含む13C固体状態NMRスペクトルを有する、請求項11から14のいずれか一項に記載の結晶性形態。
  16. 21.8および138.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値をさらに含む13C固体状態NMRスペクトルを有する、請求項15に記載の結晶性形態。
  17. 実質的に純粋なPF-07104091(形態2)である、請求項11から16のいずれか一項に記載の結晶性形態。
  18. 10.2、12.4、15.4、17.2、17.9、19.8、21.6、22.5、23.7および26.2°2θ±0.2°2θからなる群から選択される、CuKα放射線を使用して測定された2θ値における3つ以上のピークを含むPXRDパターンを有する、PF-07104091の無水結晶性形態(形態5)。
  19. 請求項1から18のいずれか一項に記載の結晶性形態と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物。
  20. 約5から約35°2θ±0.2°2θまでの、CuKα放射線を使用して測定された回折角(2θ)におけるブロードピークを含むPXRDパターンを有する、PF-07104091の非晶質形態(形態4)。
  21. 図4と本質的に同じPXRDパターンを有する、請求項20に記載の非晶質形態。
  22. 59.8±5℃のガラス転移温度(T)を有する、請求項20または21に記載の非晶質形態。
  23. 請求項20から22のいずれか一項に記載の非晶質形態と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む医薬組成物。
  24. それを必要とする対象においてがんを処置する方法であって、対象に、治療有効量の請求項1から18のいずれか一項に記載の結晶性形態または請求項20から22のいずれか一項に記載の非晶質形態を投与するステップを含む方法。
  25. がんが、乳がん、前立腺がん、肺がん、肝臓がん、腎臓がん、膀胱がん、卵巣がん、腹膜がん、卵管がん、子宮頸がん、子宮がん、膵臓がん、胃がん、結腸直腸がん、食道がん、頭頸部がん、精巣がん、副腎がん、皮膚がん、脳腫瘍、肉腫およびリンパ腫からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 対象に、ある量の追加の抗がん剤を投与するステップをさらに含む、請求項24または25に記載の方法。
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