JP2024122060A - 電子デバイスの製造方法、および、カバーガラス - Google Patents

電子デバイスの製造方法、および、カバーガラス Download PDF

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Abstract

【課題】アウトガスの発生を抑制して、カバーガラスの光学特性の劣化を抑制する。【解決手段】電子デバイスの製造方法は、光重合成分を含む未硬化の光硬化性樹脂の硬化物からなる反射防止層が形成されたカバーガラスを加熱するベーキング工程と、センサ素子の受光面に対向する位置に、ベーキング工程後のカバーガラスを設置して、センサモジュールを組み立てる組立工程と、センサモジュールを実装基板上に載置して、250℃以上の温度で加熱することにより、センサモジュールを実装基板にはんだ付けするリフロー工程と、を含み、リフロー工程より前にベーキング工程を行うことにより、リフロー工程において、カバーガラスの反射防止層から発生するアウトガスのうち、光重合成分に由来するアウトガスの発生率は、反射防止層の質量に対して0.3質量%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子デバイスの製造方法、および、カバーガラスに関する。
センサ素子が実装基板上に実装された電子デバイスは、例えば、スマートフォン等の携帯端末、自動車、監視システム等に設けられる。電子デバイスにおいて、センサ素子の感度を向上させるために、センサ素子は、反射防止機能を有するカバーガラスによって覆われている。
反射防止機能を有するカバーガラスとして、微細凹凸構造を有する樹脂製の反射防止層を備えるカバーガラスが開発されている。このようなカバーガラスは、原盤と基材との間に、硬化性樹脂組成物を供給して硬化させ、原盤の微細凹凸構造を硬化性樹脂組成物の表面に転写すること(ナノインプリント法)によって製造される(例えば、特許文献1)。
特開2015-214101号公報
上記電子デバイスを製造する際、まず、センサ素子の受光面に対向する位置に、カバーガラスを設置して、センサモジュールを組み立てる。そして、センサモジュールを実装基板上に載置して加熱することにより、センサモジュールを実装基板にはんだ付け(リフロー)する。
このように、リフローの際、センサモジュールを加熱することになるが、この加熱によってカバーガラスの反射防止層からアウトガスが発生する。アウトガスは、カバーガラスの光学特性を劣化させる、特に、400nm以上の波長の光の透過率を低下させるという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、アウトガスの発生を抑制して、カバーガラスの光学特性の劣化を抑制することが可能な、電子デバイスの製造方法、および、カバーガラスを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、
カバーガラスにより覆われたセンサ素子が実装基板上に実装された電子デバイスの製造方法において、
前記カバーガラスは、
ガラス基板と、
前記ガラス基板の少なくとも一側の表面に設けられ、凹凸の平均周期が可視光波長以下である微細凹凸構造を有する反射防止層と、
を備え、
前記製造方法は、
(1)前記ガラス基板の少なくとも一側の表面に設けられ、未硬化の光硬化性樹脂からなる未硬化樹脂層に対して、原盤の前記微細凹凸構造を転写する転写工程と、
(2)前記微細凹凸構造が転写された前記未硬化樹脂層に光を照射することにより、前記未硬化樹脂層を硬化させて、前記光硬化性樹脂の硬化物からなる前記反射防止層を形成する硬化工程と、
(3)前記反射防止層が形成された前記カバーガラスを加熱するベーキング工程と、
(4)前記センサ素子の受光面に対向する位置に、前記ベーキング工程後の前記カバーガラスを設置して、センサモジュールを組み立てる組立工程と、
(5)前記センサモジュールを前記実装基板上に載置して、250℃以上の温度で加熱することにより、前記センサモジュールを前記実装基板にはんだ付けするリフロー工程と、
を含み、
前記未硬化の光硬化性樹脂は、
光重合成分を含み、
前記光重合成分は、樹脂(A)および樹脂(B)を含み、
前記樹脂(A)は、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーであり、
前記樹脂(B)は、2官能以上のアクリレートモノマーであり、
前記光重合成分全体に対する、前記樹脂(A)の含有率は、10質量%超、40質量%以下であり、
前記光重合成分全体に対する、前記樹脂(B)の含有率は、60質量%以上、90質量%未満であり、
前記リフロー工程より前に前記ベーキング工程を行うことにより、前記リフロー工程において、前記カバーガラスの前記反射防止層から発生するアウトガスのうち、前記光重合成分に由来するアウトガスの発生率は、前記反射防止層の質量に対して0.3質量%以下である、電子デバイスの製造方法が提供される。
前記リフロー工程において、前記カバーガラスの前記反射防止層から発生するアウトガスのうち、前記樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率は、0.2質量%未満であってもよい。
前記樹脂(B)は、分子内に環状構造を有するモノマーであってもよい。
前記ベーキング工程では、前記反射防止層が形成された前記カバーガラスを、150℃以上、250℃未満の温度で、10分以上加熱してもよい。
前記反射防止層は、前記ガラス基板の両側の表面に設けられ、
前記転写工程では、前記ガラス基板の両側の表面に設けられた前記未硬化樹脂層に対して、前記原盤の前記微細凹凸構造を転写してもよい。
前記センサ素子は、イメージセンサであってもよい。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、
カバーガラスにより覆われたセンサ素子が実装基板上に実装された電子デバイスの製造方法において、
前記カバーガラスは、
ガラス基板と、
前記ガラス基板の少なくとも一側の表面に設けられ、凹凸の平均周期が可視光波長以下である微細凹凸構造を有する反射防止層と、
を備え、
前記製造方法は、
(1)前記ガラス基板の少なくとも一側の表面に設けられ、未硬化の光硬化性樹脂からなる未硬化樹脂層に対して、原盤の前記微細凹凸構造を転写する転写工程と、
(2)前記微細凹凸構造が転写された前記未硬化樹脂層に光を照射することにより、前記未硬化樹脂層を硬化させて、前記光硬化性樹脂の硬化物からなる前記反射防止層を形成する硬化工程と、
(3)前記反射防止層が形成された前記カバーガラスを加熱するベーキング工程と、
(4)前記センサ素子の受光面に対向する位置に、前記ベーキング工程後の前記カバーガラスを設置して、センサモジュールを組み立てる組立工程と、
(5)前記センサモジュールを前記実装基板上に載置して、250℃以上の温度で加熱することにより、前記センサモジュールを前記実装基板にはんだ付けするリフロー工程と、
を含み、
前記未硬化の光硬化性樹脂は、
光重合成分を含み、
前記光重合成分は、樹脂(A)および樹脂(B)を含み、
前記樹脂(A)は、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーであり、
前記樹脂(B)は、2官能以上のアクリレートモノマーであり、
前記光重合成分全体に対する、前記樹脂(A)の含有率は、10質量%超、40質量%以下であり、
前記光重合成分全体に対する、前記樹脂(B)の含有率は、60質量%以上、90質量%未満であり、
前記ベーキング工程では、前記反射防止層が形成された前記カバーガラスを、150℃以上、250℃未満の温度で、10分以上加熱する、電子デバイスの製造方法が提供される。
前記リフロー工程において、前記カバーガラスの前記反射防止層から発生するアウトガスのうち、前記光重合成分に由来するアウトガスの発生率が、前記反射防止層の質量に対して0.3質量%以下となるように、前記リフロー工程より前に前記ベーキング工程を行ってもよい。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、
電子デバイスの実装基板上に実装されるセンサ素子を覆うカバーガラスであって、
ガラス基板と、
前記ガラス基板の少なくとも一側の表面に設けられ、凹凸の平均周期が可視光波長以下である微細凹凸構造を有し、光硬化性樹脂の硬化物からなる反射防止層と、
を備え、
前記光硬化性樹脂の硬化物は、樹脂(A)および樹脂(B)の重合物であり、
前記樹脂(A)は、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーであり、
前記樹脂(B)は、2官能以上のアクリレートモノマーであり、
前記重合物に含まれる前記樹脂(A)に由来する残存モノマーの含有率は、0.25質量%以下である、カバーガラスが提供される。
本発明によれば、アウトガスの発生を抑制して、カバーガラスの光学特性の劣化を抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る電子デバイスの製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る洗浄および前処理工程、樹脂層形成工程、転写工程、硬化工程、離型工程、および、後硬化工程を説明する工程図である。 本発明の一実施形態に係るベーキング工程を説明する工程図である。 本発明の一実施形態に係る反射防止層を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る組立工程を説明する工程図である。 本発明の一実施形態に係るリフロー工程を説明する工程図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
なお、以下の説明において参照する各図面では、説明の便宜上、一部の構成要素の大きさを誇張して表現している場合がある。したがって、各図面において図示される構成要素同士の相対的な大きさは、必ずしも実際の構成要素同士の大小関係を正確に表現するものではない。
[1.電子デバイスの製造方法]
まず、図1~図6を参照して、本発明の一実施形態に係る電子デバイス300の製造方法について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子デバイス300の製造方法を説明するフローチャートである。図2は、本発明の一実施形態に係る洗浄および前処理工程S110、樹脂層形成工程S120、転写工程S130、硬化工程S140、離型工程S150、および、後硬化工程S160を説明する工程図である。なお、図2中、理解を容易にするために、表面14に対する処理の記載を省略する。図3は、本発明の一実施形態に係るベーキング工程S170を説明する工程図である。図4は、本発明の一実施形態に係る反射防止層40を説明する図である。図5は、本発明の一実施形態に係る組立工程S180を説明する工程図である。図6は、本発明の一実施形態に係るリフロー工程S190を説明する工程図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電子デバイス300の製造方法は、例えば、洗浄および前処理工程S110と、樹脂層形成工程S120と、転写工程S130と、硬化工程S140と、離型工程S150と、後硬化工程S160と、ベーキング工程S170と、組立工程S180と、リフロー工程S190とを含む。以下、各工程について説明する。
[洗浄および前処理工程S110]
まず、ガラス基板10を洗浄する。ガラス基板10は、例えば、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英、サファイア等の透明な材料で形成される。
そして、図2に示すように、ガラス基板10の表面12、および、表面12の反対側の表面14に対し、前処理およびシラン処理を施す。
前処理は、例えば、コロナ放電表面処理、ブラスト表面処理、プラズマ表面処理、エキシマ表面処理、火炎表面処理、エッチング、研磨等である。シラン処理は、ガラス基板10の表面12、14に、プライマーをスピンコートし、加熱することで為される。プライマーは、シランカップリング剤であり、例えば、信越化学工業株式会社製の「KBM5103」、「KBM603」、「KBM403」、「X-12-1048」である。
[樹脂層形成工程S120]
図2に示すように、ガラス基板10の両側の表面12、14に未硬化樹脂層20を形成する。例えば、不図示の塗布装置を用いて、未硬化の光硬化性樹脂をガラス基板10の表面12に塗布することにより、未硬化樹脂層20を形成してもよい。あるいは、未硬化の光硬化性樹脂をガラス基板10の表面12に滴下することにより、未硬化樹脂層20を形成してもよい。つまり、未硬化樹脂層20は、未硬化の光硬化性樹脂からなる。
未硬化の光硬化性樹脂は、例えば、光重合成分および光重合開始剤を含む。光重合成分は、樹脂(A)および樹脂(B)を含む。本実施形態において、光重合成分は、例えば、樹脂(A)および樹脂(B)からなる。樹脂(A)は、単官能のアクリレートモノマーである。樹脂(B)は、2官能以上のアクリレートモノマーである。
本実施形態において、光重合成分全体に対する、樹脂(A)の含有率は、10質量%超、40質量%以下であり、光重合成分全体に対する、樹脂(B)の含有率は、60質量%以上、90質量%未満である。
光重合成分に含まれる樹脂(A)の含有率が、樹脂(B)の含有率以下であることにより、後述するリフロー工程S190におけるアウトガスの発生量を低減させることが可能となる。また、電子デバイス300として組み立てた際に、カバーガラス100の平行線透過率を向上させることが可能となる。さらに、後述する反射防止層40の耐熱性を向上させることができる。
樹脂(A)は、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーである。樹脂(A)は、例えば、フェニルエチルアクリレート、および、ベンジルアクリレートのうちのいずれか一方または両方である。樹脂(A)はフェニル基を有するため、樹脂(A)の炭素骨格は剛直である。したがって、光重合成分が、樹脂(A)を含むことにより、反射防止層40の耐熱性を向上させることができる。
樹脂(B)は、分子内に環状構造を有する2官能以上のアクリレートモノマーであることが好ましい。光重合成分が、樹脂(B)として、分子内に環状構造を有する2官能以上のアクリレートモノマーを含むことにより、耐熱性を向上させることができる。
このため、光重合成分が、樹脂(B)として、分子内に環状構造を有する2官能以上のアクリレートモノマーを含むことにより、リフロー工程S190におけるアウトガスの発生量を低減させることが可能となる。
樹脂(B)は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アクリル酸2-[5-エチル-5-[(アクリロイルオキシ)メチル]-1,3-ジオキサン-2-イル]-2,2-ジメチルエチル、トリメチロールプロパントリアクリレート、および、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートの群から選択されるモノマーのうち、1または複数であることが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、アクリル酸2-[5-エチル-5-[(アクリロイルオキシ)メチル]-1,3-ジオキサン-2-イル]-2,2-ジメチルエチルであることがより好ましい。ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとして、例えば、日本化薬株式会社製の「DPHA」を用いることができる。また、アクリル酸2-[5-エチル-5-[(アクリロイルオキシ)メチル]-1,3-ジオキサン-2-イル]-2,2-ジメチルエチルとして、例えば、日本化薬株式会社製の「KAYARAD R-604」を用いることができる。
本実施形態に係る光重合開始剤は、例えば、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤またはアルキルフェノン系光重合開始剤である。光重合開始剤としては、例えば、IGM Resins B.V.製の「Irgacure184」を用いることができる。
また、未硬化の光硬化性樹脂には、他の成分(添加剤)が含まれていてもよい。他の成分は、例えば、酸化防止剤、蛍光体、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、揺変剤、重合禁止剤、離型剤、金属酸化物の粒子等である。
[転写工程S130]
転写工程S130は、ガラス基板10の両側の表面12、14に設けられる未硬化樹脂層20に対して、原盤30の微細凹凸構造32を転写する工程である。
図2に示すように、未硬化樹脂層20に原盤30を押し当て、未硬化樹脂層20に対して、原盤30の微細凹凸構造32を転写して、未硬化樹脂層20に微細凹凸構造42を形成する。なお、微細凹凸構造42における凹凸の平均周期は、可視光波長以下である。ここで、凹凸の平均周期は、微細凹凸構造32が有する複数の凸部間のピッチ(または、複数の凹部間のピッチ)に相当する。かかる凹凸の平均周期は、カバーガラス100が備える反射防止層40の所望の反射防止特性に応じて、可視光の波長帯域内の任意の波長以下に設定される。例えば、可視光の波長帯域が360nm~830nmである場合、凹凸の平均周期は、例えば、830nm以下または360nm以下などであってよい。また、本実施形態において、原盤30は、光(例えば、紫外線)を透過可能な材料によって形成されることが好ましい。
[硬化工程S140]
硬化工程S140は、微細凹凸構造42が転写された未硬化樹脂層20に光を照射することにより、未硬化樹脂層20を硬化させる工程である。
上記したように、本実施形態において、原盤30は、光を透過可能な材料によって形成されている。したがって、図2に示すように、未硬化樹脂層20に原盤30を押し当てた状態で、未硬化樹脂層20に光を照射する。これにより、ガラス基板10上の未硬化樹脂層20を硬化させる。つまり、本実施形態において、転写工程S130および硬化工程S140は、同時に(並行して)行われる。
[離型工程S150]
未硬化樹脂層20が硬化した後、原盤30を、硬化した未硬化樹脂層22から離型する。
[後硬化工程S160]
離型後の未硬化樹脂層22にさらに光を照射して、未硬化樹脂層22の硬化を促進する。
こうして、図3に示すように、ガラス基板10の表面12に、光硬化性樹脂の硬化物24からなり、凹凸の平均周期が可視光波長以下である微細凹凸構造42を有する反射防止層40が形成される。
図4に示すように、微細凹凸構造42は、例えば、いわゆるモスアイ構造であってもよい。例えば、微細凹凸構造42の凸部および凹部は、ガラス基板10の表面12(XY平面)上に、X方向およびY方向に配列されている。反射防止層40の表面に形成された微細凹凸構造42により、微細凹凸構造42の凹凸の平均周期に応じた反射防止機能を、カバーガラス100に付与することができる。
また、図3に示すように、本実施形態では、ガラス基板10のもう一方の表面14(裏面)に対し、上記の表面12に対する処理と同様の処理を施して、もう一方の表面14に反射防止層40を形成する。
こうして、ガラス基板10の両側の表面12、14に反射防止層40が形成されたカバーガラス100が製造される。しかし、かかる例に限定されず、ガラス基板10の一方の表面のみに反射防止層40を形成してもよい。
[ベーキング工程S170]
ベーキング工程S170は、カバーガラス100を加熱する工程である。ベーキング工程S170は、後述するリフロー工程S190の前処理としての熱処理を施す工程である。本実施形態において、ベーキング工程S170では、カバーガラス100を、150℃以上、250℃未満の温度で、10分以上加熱する。
カバーガラス100の加熱温度が150℃未満であると、反射防止層40に含まれる光重合成分に由来するアウトガス(以下、単に「モノマー由来アウトガス」という場合がある)の発生量が少ない。換言すれば、カバーガラス100の加熱温度が150℃未満であると、反射防止層40に含まれる光重合成分の残存量が多い。そうすると、リフロー工程S190を実行した際に、モノマー由来アウトガスが大量に発生してしまう。
このため、ベーキング工程S170において、カバーガラス100を、150℃以上の温度で加熱することにより、反射防止層40からモノマー由来アウトガスを好適に発生させて、反射防止層40に含まれる光重合成分の残存量を低減させることができる。これにより、後工程であるリフロー工程S190において、カバーガラス100からのモノマー由来アウトガスの発生量を低減させることが可能となる。
一方、カバーガラス100の加熱温度が250℃以上であると、カバーガラス100を構成する反射防止層40が変性してしまい、カバーガラス100の平行線透過率が低下する。
そこで、本実施形態では、ベーキング工程S170において、カバーガラス100を、250℃未満の温度で加熱する。これにより、ベーキング工程S170を実行した後のカバーガラス100の平行線透過率の低下を防止することが可能となる。
具体的に説明すると、カバーガラス100のベーキング工程S170を行った場合、波長400nmの光に対する、当該カバーガラス100の平行線透過率は、例えば96%以上である。また、波長550nmの光に対する、当該カバーガラス100の平行線透過率は、例えば98%以上である。波長650nmの光に対する、当該カバーガラス100の平行線透過率は、例えば98.5%以上である。また、波長900nmの光に対する、当該カバーガラス100の平行線透過率は、例えば98%以上である。
なお、平行線透過率は、下記式(1)に基づいて、算出される。
平行線透過率[%]=(I/I)×100 …式(1)
上記式(1)において、Iは、カバーガラス100へ入射された平行線の強度である。また、Iは、カバーガラス100を透過した平行線の強度である。
また、ベーキング工程S170におけるカバーガラス100の加熱時間が10分未満であると、反射防止層40に含まれるモノマー由来アウトガスの発生量が少ない。換言すれば、カバーガラス100の加熱時間が10分未満であると、反射防止層40に含まれる光重合成分の残存量が多い。そうすると、リフロー工程S190を行った際に、モノマー由来アウトガスが大量に発生してしまう。
そこで、ベーキング工程S170において、カバーガラス100を10分以上加熱することにより、反射防止層40に含まれる光重合成分の残存量を低減させる。これにより、後工程であるリフロー工程S190において、モノマー由来アウトガスの発生量を低減させることが可能となる。
なお、ベーキング工程S170におけるカバーガラス100の加熱時間は、60分以下が好ましい。カバーガラス100の加熱時間が60分超であっても、モノマー由来アウトガスの発生量は、加熱時間が60分である場合と比較してほとんど変化しないため、60分超の加熱に要するエネルギーが無駄になる。このため、ベーキング工程S170におけるカバーガラス100の加熱時間を、60分以下とすることにより、モノマー由来アウトガスの発生量を確保しつつ、加熱に要するエネルギーを削減して、エネルギー効率を向上することが可能となる。
以上の工程により、本実施形態に係るカバーガラス100が製造される。カバーガラス100は、ガラス基板10と、ガラス基板10の両側の表面12、14に設けられる反射防止層40とを備える。反射防止層40は、凹凸の平均周期が可視光波長以下である微細凹凸構造42を有し、光硬化性樹脂の硬化物24からなる。光硬化性樹脂の硬化物24は、樹脂(A)および樹脂(B)の重合物である。
当該重合物に含まれる光重合成分に由来する残存モノマーの含有率は、0.3質量%以下であることが好ましい。これにより、カバーガラス100の平行線透過率を高く維持することができ、また、リフロー工程S190において、モノマー由来アウトガスの発生量を低減させることが可能となる。また、当該重合物に含まれる樹脂(A)に由来する残存モノマーの含有率は、0.25質量%以下であることが好ましい。これにより、カバーガラス100の平行線透過率をさらに高く維持することができ、また、リフロー工程S190において、モノマー由来アウトガスの発生量をさらに低減させることが可能となる。
[組立工程S180]
組立工程S180は、センサ素子220の受光面222に対向する位置に、ベーキング工程S170後のカバーガラス100を設置して、センサモジュール200を組み立てる工程である。
図5に示すように、本実施形態の組立工程S180は、センサユニット210に、カバーガラス100を設置して、センサモジュール200を組み立てる。センサユニット210は、センサ素子220と、パッケージ基板230とを含む。
センサ素子220は、例えば、イメージセンサ、LiDAR等である。イメージセンサは、例えば、可視光イメージセンサ、赤外線イメージセンサ、紫外線イメージセンサ、X線イメージセンサである。イメージセンサは、例えば、CCDイメージセンサ、または、CMOSイメージセンサなどであってよい。
パッケージ基板230は、例えば、ボールグリッドアレイである。本実施形態において、パッケージ基板230は、収容部232と、プリント基板234と、はんだボール236とを含む。収容部232は、プリント基板234を収容する。収容部232は、例えば、エポキシ樹脂で形成される。複数のはんだボール236は、収容部232の下面に設けられる。複数のはんだボール236は、不図示の配線によってプリント基板234に接続される。
センサ素子220は、プリント基板234上に載置される。本実施形態において、センサ素子220の受光面222の反対側の面が、プリント基板234に接触する。センサ素子220とプリント基板234とは、ボンディングワイヤ234aによって接続される。
図5に示すように、本実施形態に係る組立工程S180では、パッケージ基板230の収容部232の上部に、カバーガラス100を設置し、カバーガラス100とセンサ素子220とを離隔させた状態で対向配置して、センサモジュール200を組み立てる。しかし、センサモジュール200を組み立て態様は、図5の例に限定されず、センサ素子220の受光面222に対向する位置にカバーガラス100が設置される態様であれば、他の組み立て態様であってもよい。
[リフロー工程S190]
リフロー工程S190は、センサモジュール200を実装基板250上に載置して、250℃以上の温度で加熱する工程である。本実施形態において、リフロー工程S190は、実装基板250上にセンサモジュール200を載置した状態で、リフロー炉RF内に収容する。そして、リフロー炉RF内を250℃以上の温度とする。
リフロー工程S190での加熱処理により、センサモジュール200の複数のはんだボール236が溶融し、センサモジュール200が実装基板250にはんだ付けされる。これにより、電子デバイス300が製造される。当該電子デバイス300では、カバーガラス100により覆われたセンサ素子220が、実装基板250上に実装されている。
上述したように、本実施形態によれば、リフロー工程S190の前工程の加熱工程として、ベーキング工程S170を行う。これにより、リフロー工程S190において、カバーガラス100の反射防止層40から発生するアウトガスのうち、光重合成分に由来するアウトガスの発生率は、反射防止層40の質量に対して0.3質量%以下となる。また、リフロー工程S190において、カバーガラス100の反射防止層40から発生するアウトガスのうち、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率は、反射防止層40の質量に対して0.2質量%未満となることが好ましい。
なお、アウトガスの発生率は、反射防止層40を265℃に加熱することで発生したアウトガスをガスクロマトグラフィー質量分析計(GC-MS)で分析し、下記式(2)、(3)に基づいて算出される。
OGt[質量%]=PAt×S[mg]/PAs/C[mg]×100 …式(2)
OGa[質量%]=PAa×S[mg]/PAs/C[mg]×100 …式(3)
上記式(2)において、OGtは、光重合成分に由来するアウトガスの発生率[質量%]である。PAtは、ガスクロマトグラフィー質量分析計によって得られる、光重合成分に由来するアウトガスのピーク面積である。上記式(2)、(3)において、PAsは、ガスクロマトグラフィー質量分析計によって得られる、標準物質(例えば、テトラデカン)のピーク面積である。Sは、測定に際し、添加された標準物質の重量[mg]である。Cは、反射防止層40の重量[mg]である。上記式(3)において、OGaは、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]である。PAaは、ガスクロマトグラフィー質量分析計によって得られる、樹脂(A)に由来するアウトガスのピーク面積である。
以上説明したように、本実施形態に係る電子デバイス300の製造方法によれば、樹脂(A)として、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーを用い、かつ、リフロー工程S190より前にベーキング工程S170を行うことにより、リフロー工程S190において、カバーガラス100の反射防止層40から発生するアウトガスのうち、光重合成分に由来するアウトガスの発生率を、反射防止層40の質量に対して0.3質量%以下に低減することができる。
これにより、高温のリフロー工程(例えば、250~270℃)において、電子デバイス300内の配線材料等の腐食を誘発する可能性のあるアウトガスの発生を抑制できる。よって、電子デバイス300のセンサ素子220、プリント基板234、ボンディングワイヤ234a、および、実装基板250などに設けられた各種の配線等の腐食を抑制することが可能となる。
また、アウトガスに起因するカバーガラス100の光学特性の劣化、例えば、カバーガラス100の黄変(短波長側透過率の劣化)、反射防止性能の劣化(微細凹凸構造42のダレ)などを抑制することができる。したがって、電子デバイス300におけるカバーガラス100の平行線透過率を向上させることが可能となり、波長400nm以上の光に対するカバーガラス100の高い透過性能を確保できる。このように、カバーガラス100の透過性能を高めることにより、カバーガラス100で覆われたイメージセンサ等の撮像性能を向上できる。
従来では、カバーガラスを樹脂材料で形成したときに、短波長側の可視光域の光に対して、透過率が落ち込むという問題があった。これに対し、本実施形態に係るカバーガラス100によれば、短波長側の可視光域の光に対する透過率の落ち込みを抑制し、400nm以上の波長の光に対して高透過率を確保できる。
具体的に説明すると、カバーガラス100のリフロー工程S190を実施した場合、波長400nmの光に対する、当該カバーガラス100の平行線透過率は、例えば95.5%以上である。また、波長550nmの光に対する、当該カバーガラス100の平行線透過率は、例えば98%以上である。波長650nmの光に対する、当該カバーガラス100の平行線透過率は、例えば98.5%以上である。また、波長900nmの光に対する、当該カバーガラス100の平行線透過率は、例えば98%以上である。
これにより、外部からの入射光は、高透過率のカバーガラス100を良好に通過して、センサ素子220に到達することができる。したがって、樹脂製のカバーガラス100を使用することに起因するセンサ素子220の受光感度の低下を抑制することが可能となる。
また、センサ素子220によって反射された光が、カバーガラス100により再反射されることを抑制することができる。これにより、カバーガラス100による再反射に起因するセンサ素子220の誤反応を抑制することが可能となる。
また、上記したように、波長400nmの光に対する、リフロー工程S190を実行した後のカバーガラス100、つまり、電子デバイス300のカバーガラス100の平行線透過率は、例えば95.5%以上である。したがって、カバーガラス100は、可視光のみならず、赤外線を受光するセンサ素子220に適用することが可能となる。
また、樹脂(A)として、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーを用いることにより、反射防止層40の耐熱性を向上することができる。したがって、反射防止層40の微細凹凸構造42の変形を抑制することができる。これにより、反射防止層40の反射防止性能の低下を回避することが可能となる。
また、樹脂(B)として、分子内に環状構造を有するモノマーを用いることにより、リフロー工程S190において、カバーガラス100の反射防止層40から発生するアウトガスのうち、光重合成分に由来するアウトガスの発生率を、さらに低減することができる。
以下では、本発明の実施例および比較例について具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、あくまでも一例であって、本発明に係る電子デバイスの製造方法、および、カバーガラスは、下記の実施例に限定されない。
[光重合成分の検討]
カバーガラスとして、実施例1~実施例8、および、比較例1~比較例4を作成した。
[実施例1]
光重合成分および光重合開始剤を混合して、未硬化の光硬化性樹脂組成物を調整した。光重合成分として、樹脂(A)および樹脂(B)を用いた。
樹脂(A)として、大阪有機化学工業株式会社製のフェニルエチルアクリレート(PEA)を用いた。25℃におけるPEAの粘度は、8.4mPa・sであった。
樹脂(B)として、日本化薬株式会社製の「DPHA」および「KAYARAD R-604」を用いた。25℃における「DPHA」の粘度は、5440mPa・sであった。25℃における「KAYARAD R-604」の粘度は、338mPa・sであった。
光重合開始剤としてIGM Resins B.V.製の「Irgacure184」を用いた。
また、実施例1では、樹脂(A)の含有率を20質量%とし、樹脂(B)の含有率を80質量%とした。また、樹脂(B)において、「DPHA」の含有率を30質量%とし、「KAYARAD R-604」の含有率を50質量%とした。光重合開始剤の含有率を3質量%とした。
ガラス基板10にプライマーをスピンコートし、150℃のホットプレートで4分間加熱した。
そして、プライマー処理したガラス基板10上に上記未硬化の光硬化性樹脂組成物をポッティングし、未硬化の光硬化性樹脂組成物の上から原盤30を被せた後、インプリント装置で転写工程S130および硬化工程S140を行った。転写工程S130および硬化工程S140は、常時40℃の条件で行った。
まず、転写工程S130において、30秒間かけて1000Nまで原盤30を加圧した後、30秒間1000Nの加圧を維持した。そして、硬化工程S140において、LEDランプを用いて光硬化性樹脂組成物を露光し、10秒間かけて除圧した。続いて、ガラス基板10上の光硬化性樹脂組成物から原盤30を離型し、その後、UVコンベアを用いて、ガラス基板10上の光硬化性樹脂組成物を、1000mJ/cmで露光して、光硬化性樹脂組成物を硬化させた。これにより、光硬化性樹脂組成物の硬化物24からなり、微細凹凸構造42を有する反射防止層40を、ガラス基板10上に形成し、カバーガラス100を得た。
続いて、ベーキング工程S170を行った。ベーキング工程S170では、ホットプレートを用い、150℃で30分間、カバーガラス100を加熱した。以上の工程により実施例1に係るカバーガラス100を製造した。そして、リフロー工程S190を行った。リフロー工程S190では、265℃で5分間、カバーガラス100を加熱した。また、リフロー工程S190の後に、信頼性試験を行った。信頼性試験では、125℃で2000時間、カバーガラス100を加熱した。
[実施例2]
光重合成分における樹脂(A)含有率および樹脂(B)の含有率以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係るカバーガラス100を製造した。
実施例2では、樹脂(A)の含有率を30質量%とし、樹脂(B)の含有率を70質量%とした。また、樹脂(B)において、「DPHA」の含有率を40質量%とし、「KAYARAD R-604」の含有率を30質量%とした。
[実施例3]
光重合成分における樹脂(A)の含有率および樹脂(B)の含有率以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係るカバーガラス100を製造した。
実施例3では、樹脂(A)の含有率を40質量%とし、樹脂(B)の含有率を60質量%とした。また、樹脂(B)において、「DPHA」の含有率を30質量%とし、「KAYARAD R-604」の含有率を30質量%とした。
[実施例4]
光重合成分における樹脂(A)以外は、実施例3と同様にして、実施例4に係るカバーガラス100を製造した。
実施例4では、樹脂(A)として、大阪有機化学工業株式会社製のベンジルアクリレート(BZA)を用いた。
[実施例5]
光重合成分における樹脂(B)以外は、実施例2と同様にして、実施例5に係るカバーガラス100を製造した。
実施例5では、樹脂(B)として、Miwon Specialty Chemical株式会社製のトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)およびMiwon Specialty Chemical株式会社製の1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)を用いた。25℃におけるTMPTAの粘度は、120mPa・sであった。25℃におけるHDDAの粘度は、6.9mPa・sであった。
樹脂(B)において、TMPTAの含有率を40質量%とし、HDDAの含有率を30質量%とした。
[実施例6]
光重合成分における樹脂(B)以外は、実施例3と同様にして、実施例6に係るカバーガラス100を製造した。
実施例6では、実施例5と同様に、樹脂(B)として、Miwon Specialty Chemical株式会社製のトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)およびMiwon Specialty Chemical株式会社製の1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)を用いた。
樹脂(B)において、TMPTAの含有率を30質量%とし、HDDAの含有率を30質量%とした。
[実施例7]
光重合成分における樹脂(B)以外は、実施例2、5と同様にして、実施例7に係るカバーガラス100を製造した。
実施例7では、樹脂(B)として、日本化薬株式会社製の「DPHA」およびMiwon Specialty Chemical株式会社製の1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)を用いた。
樹脂(B)において、「DPHA」の含有率を40質量%とし、HDDAの含有率を30質量%とした。
[実施例8]
光重合成分における樹脂(B)以外は、実施例3、6と同様にして、実施例8に係るカバーガラス100を製造した。
実施例8では、樹脂(B)として、日本化薬株式会社製の「DPHA」およびMiwon Specialty Chemical株式会社製の1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)を用いた。
樹脂(B)において、「DPHA」の含有率を30質量%とし、HDDAの含有率を30質量%とした。
[比較例1]
光重合成分における樹脂(A)の含有率および樹脂(B)の含有率以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係るカバーガラスを製造した。
比較例1では、樹脂(A)の含有率を10質量%とし、樹脂(B)の含有率を90質量%とした。また、樹脂(B)において、「DPHA」の含有率を50質量%とし、「KAYARAD R-604」の含有率を40質量%とした。
[比較例2]
光重合成分における樹脂(A)以外は、実施例3と同様にして、比較例2に係るカバーガラスを製造した。
比較例2では、光重合成分として、樹脂(A)に代えて、昭和電工マテリアルズ株式会社製のジシクロペンタニルメタクリレート「FA513M」を用いた。25℃における「FA513M」の粘度は、11mPa・sであった。比較例2では、「FA513M」の含有率を40質量%とした。
[比較例3]
光重合成分における樹脂(A)以外は、実施例2と同様にして、比較例3に係るカバーガラスを製造した。
比較例3では、光重合成分として、樹脂(A)に代えて、東京化成工業株式会社製のフェニルエチルメタクリレート(PEMA)を用いた。比較例3では、PEMAの含有率を30質量%とした。
[比較例4]
光重合成分における樹脂(A)以外は、実施例3と同様にして、比較例4に係るカバーガラスを製造した。
比較例4では、光重合成分として、樹脂(A)に代えて、東京化成工業株式会社製のフェニルエチルメタクリレート(PEMA)を用いた。比較例4では、PEMAの含有率を40質量%とした。
[アウトガスの発生率の測定]
上記実施例1~実施例8および比較例1~比較例4において、リフロー工程S190を行うことで発生したアウトガスをガスクロマトグラフィー質量分析計(GC-MS)で分析した。そして、上記式(2)を用いて、光重合成分に由来するアウトガスの発生率[質量%]を算出した。また、実施例1~実施例8、および、比較例1において、上記式(3)を用いて、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]を算出した。比較例2~4において、上記式(3)を用いて、単官能のアクリレートモノマーまたは単官能のメタクリレートモノマーに由来するアウトガスの発生率[質量%]を算出した。
[平行線透過率の測定]
上記実施例1~実施例8および比較例1~比較例4において、ベーキング工程S170を行った後であって、リフロー工程S190を行う前の試料の平行線透過率を測定した。また、上記実施例1~実施例8および比較例1~比較例4において、リフロー工程S190を行った後のカバーガラスの平行線透過率を測定した。また、上記実施例1~実施例8および比較例1~比較例4において、信頼性試験を行った後のカバーガラスの平行線透過率を測定した。
平行線透過率の測定は、日本分光株式会社製の「紫外可視近赤外分光光度計V-770」を用いた。そして、上記式(1)を用いて、波長400nm、550nm、650nm、900nmにおけるカバーガラスの透過率を算出した。
実施例1~実施例4の光重合成分全体に由来するアウトガスの発生率[質量%]、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]、および、平行線透過率を下記表1に示す。実施例5~実施例8の光重合成分全体に由来するアウトガスの発生率[質量%]、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]、および、平行線透過率を下記表2に示す。なお、表1、表2中、「◎」は、各評価項目の評価がとても良いことを示し、「〇」は、当該評価が良いことを示す。
Figure 2024122060000002
Figure 2024122060000003
表1の実施例1~3に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」および「KAYARAD R-604」を用いることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]が0.115%以下と極めて低くなることが確認された。また、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]が0.047%以下と極めて低くなることが確認された。
また、実施例1~3に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」および「KAYARAD R-604」を用いることにより、リフロー工程S190を行う前の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.3%以上と高くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が96.9%以上と高くなることが確認された。さらに、信頼性試験を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が95.6%以上と高くなることが確認された。
また、実施例1~3に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」および「KAYARAD R-604」を用いることにより、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.44%以下と低くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、1.91%以下と低くなることが確認された。つまり、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」および「KAYARAD R-604」を用いることにより、反射防止層40の耐熱性を向上させることができることが確認された。
また、表1の実施例2、3に示すように、樹脂(B)において、「DPHA」の含有率を「KAYARAD R-604」の含有率以上とすることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]が0.079%以下とさらに低くなることが確認された。つまり、実施例1の結果と、実施例2、3の結果とを比較すると、樹脂(B)において、「DPHA」の含有率を「KAYARAD R-604」の含有率以上とすることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]をさらに低減できることが確認された。
表1の実施例4に示すように、樹脂(A)としてBZAを用いることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]が0.163%と低くなることが確認された。また、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]が0.055%と低くなることが確認された。なお、実施例4の結果と実施例3の結果とを比較すると、樹脂(A)としてPEAを用いることにより、樹脂(A)としてBZAを用いるよりも、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]および樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]を低減できることが確認された。
また、実施例4に示すように、樹脂(A)としてBZAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前の試料の、400nmの平行線透過率[%]が96.3%と高くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が95.5%と高くなることが確認された。さらに、信頼性試験を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が95.3%と高くなることが確認された。
また、実施例4に示すように、樹脂(A)としてBZAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.78%と低くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、1.02%と低くなることが確認された。また、実施例4の結果と実施例3の結果とを比較すると、樹脂(A)としてBZAを用いることにより、樹脂(A)としてPEAを用いるよりも、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])を低減できることが確認された。
また、表2の実施例5に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)としてTMPTAおよびHDDAを用いることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]が0.148%と低くなることが確認された。また、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]が0.082%と低くなることが確認された。なお、実施例5の結果と実施例2の結果とを比較すると、樹脂(B)として「DPHA」および「KAYARAD R-604」を用いることにより、樹脂(B)としてTMPTAおよびHDDAを用いるよりも、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]および樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]を低減できることが確認された。つまり、樹脂(B)として分子内に環状構造を有するモノマーを用いることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]および樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]を低減できることが確認された。
また、実施例5に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)としてTMPTAおよびHDDAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.5%と高くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.1%と高くなることが確認された。さらに、信頼性試験を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.1%と高くなることが確認された。
また、実施例5に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)としてTMPTAおよびHDDAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.40%と低くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.45%と低くなることが確認された。
表2の実施例6に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)としてTMPTAおよびHDDAを用いることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]が0.136%と低くなることが確認された。また、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]が0.061%と低くなることが確認された。なお、実施例6の結果と実施例3の結果とを比較すると、樹脂(B)として「DPHA」および「KAYARAD R-604」を用いることにより、樹脂(B)としてTMPTAおよびHDDAを用いるよりも、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]および樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]を低減できることが確認された。つまり、樹脂(B)として分子内に環状構造を有するモノマーを用いることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]および樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]を低減できることが確認された。
また、実施例6に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)としてTMPTAおよびHDDAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.5%と高くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.1%と高くなることが確認された。さらに、信頼性試験を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.0%と高くなることが確認された。
また、実施例6に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)としてTMPTAおよびHDDAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.41%と低くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.46%と低くなることが確認された。
表2の実施例7に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」およびHDDAを用いることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]が0.163%と低くなることが確認された。また、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]が0.102%と低くなることが確認された。なお、実施例7の結果と実施例2の結果とを比較すると、樹脂(B)として、「DPHA」に加えて「KAYARAD R-604」を用いることにより、樹脂(B)として、「DPHA」に加えてHDDAを用いるよりも、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]および樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]を低減できることが確認された。
また、実施例7に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」およびHDDAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.3%と高くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が96.9%と高くなることが確認された。さらに、信頼性試験を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が96.5%と高くなることが確認された。
また、実施例7に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」およびHDDAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.40%と低くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.79%と低くなることが確認された。
表2の実施例8に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」およびHDDAを用いることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]が0.177%と低くなることが確認された。また、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]が0.082%と低くなることが確認された。なお、実施例8の結果と実施例3の結果とを比較すると、樹脂(B)として、「DPHA」に加えて「KAYARAD R-604」を用いることにより、樹脂(B)として、「DPHA」に加えてHDDAを用いるよりも、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]および樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]を低減できることが確認された。
また、実施例8に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」およびHDDAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.5%と高くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が96.5%と高くなることが確認された。さらに、信頼性試験を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が96.9%と高くなることが確認された。
また、実施例8に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」およびHDDAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、1.00%と低くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.58%と低くなることが確認された。
また、表1の実施例1~実施例4、および、表2の実施例5~実施例8に示すように、ベーキング工程S170を行った後であって、リフロー工程S190を行う前の試料の、波長550nmの光、波長650nmの光、波長900nmの光に対する、平行線透過率は、98.3%以上と高いことが確認された。また、リフロー工程S190を行った後の試料の、波長550nmの光、波長650nmの光、波長900nmの光に対する、平行線透過率は、98.1%以上と高いことが確認された。さらに、信頼性試験を行った後の試料の、波長550nmの光、波長650nmの光、波長900nmの光に対する、平行線透過率は、98.0以上と高いことが確認された。
比較例1~比較例4の単官能モノマーに由来するアウトガスの発生率[質量%]、および、平行線透過率を下記表3に示す。なお、表3中、「◎」は、各評価項目の評価がとても良いことを示し、「〇」は、当該評価が良いことを示し、「×」は、当該評価が悪いことを示す。
Figure 2024122060000004
表3の比較例1に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」および「KAYARAD R-604」を用いることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]が0.149%以下と低くなることが確認された。また、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]が0.036%以下と極めて低くなることが確認された。
また、比較例1に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」および「KAYARAD R-604」を用いることにより、リフロー工程S190を行う前の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.9%と高くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.3%と高くなることが確認された。一方、信頼性試験を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が95.1%と低くなることが確認された。
また、比較例1に示すように、樹脂(A)としてPEAを用い、樹脂(B)として「DPHA」および「KAYARAD R-604」を用いることにより、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.64%以下と低くなることが確認された。一方、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、2.82%と高くなってしまうことが確認された。
比較例1の結果と、実施例1~3の結果とを比較すると、樹脂(A)の含有率が10%以下であると、信頼性試験を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が低くなってしまうことが確認された。また、樹脂(A)の含有率が10%以下であると、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、高くなってしまうことが確認された。
また、表3の比較例2に示すように、単官能のアクリレートモノマーとして「FA513M」を用いることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]が0.611%と高くなってしまうことが確認された。また、単官能のアクリレートモノマーに由来するアウトガスの発生率[質量%]が0.461%と高くなってしまうことが確認された。
また、比較例2に示すように、単官能のアクリレートモノマーとして「FA513M」を用いることにより、リフロー工程S190を行う前の試料の、400nmの平行線透過率[%]が98.5%と高くなることが確認された。一方、リフロー工程S190を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が95.2%と低くなってしまうことが確認された。さらに、信頼性試験を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が93.1%と低くなってしまうことが確認された。
また、比較例2に示すように、単官能のアクリレートモノマーとして「FA513M」を用いることにより、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、3.39%と高くなってしまうことが確認された。また、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、5.39%と高くなってしまうことが確認された。
比較例2の結果と実施例3の結果とを比較すると、フェニル基を有しない単官能のアクリレートモノマーを用いると、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]および単官能のアクリレートモノマーに由来するアウトガスの発生率[質量%]が高くなってしまうことが確認された。また、フェニル基を有しない単官能のアクリレートモノマーを用いると、リフロー工程S190を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]、および、信頼性試験を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が低くなってしまうことが確認された。さらに、フェニル基を有しない単官能のアクリレートモノマーを用いると、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])、および、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、高くなってしまうことが確認された。つまり、フェニル基を有しない単官能のアクリレートモノマーを用いると、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーを用いる場合よりも、反射防止層40の耐熱性が低下してしまうことが確認された。
表3の比較例3に示すように、単官能モノマーとしてPEMAを用いることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]が0.316%と高くなってしまうことが確認された。また、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]が0.238%と高くなってしまうことが確認された。
また、比較例3に示すように、単官能モノマーとしてPEMAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.4%と高くなることが確認された。リフロー工程S190を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が95.7%と高くなることが確認された。さらに、信頼性試験を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が95.4%と高くなることが確認された。
一方、比較例3に示すように、単官能モノマーとしてPEMAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、1.75%と高くなってしまうことが確認された。また、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、2.06%と高くなってしまうことが確認された。
比較例3と結果と実施例2の結果とを比較すると、単官能モノマーとして、フェニル基を有する単官能のメタクリレートモノマーを用いると、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーを用いた場合よりも、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]および単官能モノマーに由来するアウトガスの発生率[質量%]が高くなってしまうことが確認された。また、単官能モノマーとして単官能のメタクリレートモノマーを用いると、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])、および、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、高くなってしまうことが確認された。つまり、フェニル基を有する単官能のメタクリレートモノマーを用いると、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーを用いる場合よりも、反射防止層40の耐熱性が低下してしまうことが確認された。
表3の比較例4に示すように、単官能モノマーとしてPEMAを用いることにより、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]が0.306%と高くなってしまうことが確認された。また、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]が0.234%と高くなってしまうことが確認された。
また、比較例4に示すように、単官能モノマーとしてPEMAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前の試料の、400nmの平行線透過率[%]が97.5%と高くなることが確認された。リフロー工程S190を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が96.4%と高くなることが確認された。さらに、信頼性試験を行った後の試料の、400nmの平行線透過率[%]が96.5%と高くなることが確認された。
一方、比較例4に示すように、単官能のモノマーとしてPEMAを用いることにより、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、1.15%と高くなってしまうことが確認された。また、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.99%となることが確認された。
比較例4の結果と実施例3の結果とを比較すると、フェニル基を有する単官能のメタクリレートモノマーを用いると、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーを用いた場合よりも、光重合成分全体のアウトガスの発生率[質量%]および単官能モノマーに由来するアウトガスの発生率[質量%]が高くなってしまうことが確認された。また、単官能のメタクリレートモノマーを用いると、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、高くなってしまうことが確認された。つまり、フェニル基を有する単官能のメタクリレートモノマーを用いると、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーを用いる場合よりも、反射防止層40の耐熱性が低下してしまうことが確認された。
以上説明したように、本実施形態によれば、光重合成分に由来するアウトガスの発生率を低減することと、カバーガラス100の平行線透過率を高く維持することとを両立することが可能となる。したがって、本実施形態に係る電子デバイス300の製造方法は、電子デバイス300の腐食を抑制しつつ、カバーガラス100の平行線透過率を高く維持することができる。
[ベーキング工程S170の検討]
カバーガラスとして、実施例9~実施例15を作成した。そして、上記光重合成分の検討と同様に、アウトガスの発生率の測定および平行線透過率の測定を行った。
[実施例9]
ベーキング工程S170における加熱温度を180℃とし、加熱時間を30分としたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例9に係るカバーガラス100を製造した。
[実施例10]
ベーキング工程S170における加熱温度を200℃とし、加熱時間を10分としたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例10に係るカバーガラス100を製造した。
[実施例11]
ベーキング工程S170における加熱温度を200℃とし、加熱時間を15分としたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例11に係るカバーガラス100を製造した。
[実施例12]
ベーキング工程S170における加熱温度を200℃とし、加熱時間を30分としたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例12に係るカバーガラス100を製造した。
[実施例13]
ベーキング工程S170における加熱温度を230℃とし、加熱時間を10分としたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例13に係るカバーガラス100を製造した。
[実施例14]
ベーキング工程S170における加熱温度を230℃とし、加熱時間を15分としたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例14に係るカバーガラス100を製造した。
[実施例15]
ベーキング工程S170における加熱温度を230℃とし、加熱時間を30分としたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例15に係るカバーガラス100を製造した。
実施例9~実施例12の光重合成分全体に由来するアウトガスの発生率[質量%]、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]、および、平行線透過率を下記表4に示す。実施例13~実施例15の光重合成分全体に由来するアウトガスの発生率[質量%]、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]、および、平行線透過率を下記表5に示す。なお、表4、表5中、「〇」は、各評価項目の評価が良いことを示し、「◎」は、当該評価がとても良いことを示す。
Figure 2024122060000005
Figure 2024122060000006
表4の実施例9に示すように、ベーキング工程S170の加熱温度を180℃にすると、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]が0.043%と極めて低くなることが確認された。
また、実施例9に示すように、ベーキング工程S170の加熱温度を180℃にすると、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.29%と極めて低くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、2.46%と低くなることが確認された。
表4の実施例10~実施例12に示すように、ベーキング工程S170の加熱時間が長くなるに従って、光重合成分全体に由来するアウトガスの発生率[質量%]および樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]が低くなることが確認された。
また、実施例10~実施例12に示すように、ベーキング工程S170の加熱温度を200℃にすると、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.31%以下と極めて低くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.52%以下と極めて低くなることが確認された。
また、実施例10~実施例12の結果と実施例2の結果とを比較すると、ベーキング工程S170の加熱温度を高くすることにより、加熱時間を短くしても、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])を低くできることが確認された。
表5の実施例13~実施例15に示すように、ベーキング工程S170の加熱時間が長くなるに従って、光重合成分全体に由来するアウトガスの発生率[質量%]および樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率[質量%]が低くなることが確認された。
また、実施例13~実施例15に示すように、ベーキング工程S170の加熱温度を230℃にすると、リフロー工程S190を行う前に対する、リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-リフロー工程S190を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.21%以下と極めて低くなることが確認された。また、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])が、0.35%以下と極めて低くなることが確認された。
また、実施例13~実施例15の結果と実施例2の結果とを比較すると、ベーキング工程S170の加熱温度を高くすることにより、加熱時間を短くしても、リフロー工程S190を行う前に対する、信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率の変動率[%](リフロー工程S190を行う前の400nmの平行線透過率[%]-信頼性試験を行った後の400nmの平行線透過率[%])を低くできることが確認された。
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、原盤30の微細凹凸構造32を未硬化樹脂層20に転写しつつ、未硬化樹脂層20に光を照射することにより未硬化樹脂層20を硬化させる場合を例に挙げた。しかし、原盤30の微細凹凸構造32を未硬化樹脂層20に転写した後、未硬化樹脂層20に光を照射することにより未硬化樹脂層20を硬化させてもよい。
また、上記実施形態において、光重合成分に由来するアウトガスの発生率、および、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率を、ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC-MS)による分析結果を用いて算出する場合を例に挙げた。しかし、光重合成分に由来するアウトガスの発生率、および、樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率は、他の方法を用いて算出してもよい。
S130 転写工程
S140 硬化工程
S170 ベーキング工程
S180 組立工程
S190 リフロー工程
10 ガラス基板
12 表面
14 表面
20 未硬化樹脂層
30 原盤
32 微細凹凸構造
40 反射防止層
42 微細凹凸構造
100 カバーガラス
200 センサモジュール
220 センサ素子
222 受光面
250 実装基板
300 電子デバイス

Claims (9)

  1. カバーガラスにより覆われたセンサ素子が実装基板上に実装された電子デバイスの製造方法において、
    前記カバーガラスは、
    ガラス基板と、
    前記ガラス基板の少なくとも一側の表面に設けられ、凹凸の平均周期が可視光波長以下である微細凹凸構造を有する反射防止層と、
    を備え、
    前記製造方法は、
    (1)前記ガラス基板の少なくとも一側の表面に設けられ、未硬化の光硬化性樹脂からなる未硬化樹脂層に対して、原盤の前記微細凹凸構造を転写する転写工程と、
    (2)前記微細凹凸構造が転写された前記未硬化樹脂層に光を照射することにより、前記未硬化樹脂層を硬化させて、前記光硬化性樹脂の硬化物からなる前記反射防止層を形成する硬化工程と、
    (3)前記反射防止層が形成された前記カバーガラスを加熱するベーキング工程と、
    (4)前記センサ素子の受光面に対向する位置に、前記ベーキング工程後の前記カバーガラスを設置して、センサモジュールを組み立てる組立工程と、
    (5)前記センサモジュールを前記実装基板上に載置して、250℃以上の温度で加熱することにより、前記センサモジュールを前記実装基板にはんだ付けするリフロー工程と、
    を含み、
    前記未硬化の光硬化性樹脂は、
    光重合成分を含み、
    前記光重合成分は、樹脂(A)および樹脂(B)を含み、
    前記樹脂(A)は、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーであり、
    前記樹脂(B)は、2官能以上のアクリレートモノマーであり、
    前記光重合成分全体に対する、前記樹脂(A)の含有率は、10質量%超、40質量%以下であり、
    前記光重合成分全体に対する、前記樹脂(B)の含有率は、60質量%以上、90質量%未満であり、
    前記リフロー工程より前に前記ベーキング工程を行うことにより、前記リフロー工程において、前記カバーガラスの前記反射防止層から発生するアウトガスのうち、前記光重合成分に由来するアウトガスの発生率は、前記反射防止層の質量に対して0.3質量%以下である、電子デバイスの製造方法。
  2. 前記リフロー工程において、前記カバーガラスの前記反射防止層から発生するアウトガスのうち、前記樹脂(A)に由来するアウトガスの発生率は、0.2質量%未満である、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  3. 前記樹脂(B)は、分子内に環状構造を有するモノマーである、請求項1または2に記載の電子デバイスの製造方法。
  4. 前記ベーキング工程では、前記反射防止層が形成された前記カバーガラスを、150℃以上、250℃未満の温度で、10分以上加熱する、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  5. 前記反射防止層は、前記ガラス基板の両側の表面に設けられ、
    前記転写工程では、前記ガラス基板の両側の表面に設けられた前記未硬化樹脂層に対して、前記原盤の前記微細凹凸構造を転写する、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  6. 前記センサ素子は、イメージセンサである、請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  7. カバーガラスにより覆われたセンサ素子が実装基板上に実装された電子デバイスの製造方法において、
    前記カバーガラスは、
    ガラス基板と、
    前記ガラス基板の少なくとも一側の表面に設けられ、凹凸の平均周期が可視光波長以下である微細凹凸構造を有する反射防止層と、
    を備え、
    前記製造方法は、
    (1)前記ガラス基板の少なくとも一側の表面に設けられ、未硬化の光硬化性樹脂からなる未硬化樹脂層に対して、原盤の前記微細凹凸構造を転写する転写工程と、
    (2)前記微細凹凸構造が転写された前記未硬化樹脂層に光を照射することにより、前記未硬化樹脂層を硬化させて、前記光硬化性樹脂の硬化物からなる前記反射防止層を形成する硬化工程と、
    (3)前記反射防止層が形成された前記カバーガラスを加熱するベーキング工程と、
    (4)前記センサ素子の受光面に対向する位置に、前記ベーキング工程後の前記カバーガラスを設置して、センサモジュールを組み立てる組立工程と、
    (5)前記センサモジュールを前記実装基板上に載置して、250℃以上の温度で加熱することにより、前記センサモジュールを前記実装基板にはんだ付けするリフロー工程と、
    を含み、
    前記未硬化の光硬化性樹脂は、
    光重合成分を含み、
    前記光重合成分は、樹脂(A)および樹脂(B)を含み、
    前記樹脂(A)は、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーであり、
    前記樹脂(B)は、2官能以上のアクリレートモノマーであり、
    前記光重合成分全体に対する、前記樹脂(A)の含有率は、10質量%超、40質量%以下であり、
    前記光重合成分全体に対する、前記樹脂(B)の含有率は、60質量%以上、90質量%未満であり、
    前記ベーキング工程では、前記反射防止層が形成された前記カバーガラスを、150℃以上、250℃未満の温度で、10分以上加熱する、電子デバイスの製造方法。
  8. 前記リフロー工程において、前記カバーガラスの前記反射防止層から発生するアウトガスのうち、前記光重合成分に由来するアウトガスの発生率が、前記反射防止層の質量に対して0.3質量%以下となるように、前記リフロー工程より前に前記ベーキング工程を行う、請求項7に記載の電子デバイスの製造方法。
  9. 電子デバイスの実装基板上に実装されるセンサ素子を覆うカバーガラスであって、
    ガラス基板と、
    前記ガラス基板の少なくとも一側の表面に設けられ、凹凸の平均周期が可視光波長以下である微細凹凸構造を有し、光硬化性樹脂の硬化物からなる反射防止層と、
    を備え、
    前記光硬化性樹脂の硬化物は、樹脂(A)および樹脂(B)の重合物であり、
    前記樹脂(A)は、フェニル基を有する単官能のアクリレートモノマーであり、
    前記樹脂(B)は、2官能以上のアクリレートモノマーであり、
    前記重合物に含まれる前記樹脂(A)に由来する残存モノマーの含有率は、0.25質量%以下である、カバーガラス。
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