JP2024120424A - クリーム容器用スパチュラ及びこれとクリーム容器との包装体 - Google Patents

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芳樹 武藤
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日栄樹脂工業株式会社
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Abstract

【課題】クリーム容器に外付けされるスパチュラにおいて、コストを低減すると共に違和感も無くす。【解決手段】スパチュラ14は、少なくとも下部が周壁2aになっている容器本体2を備えたクリーム容器1に外付けされる。スパチュラ14は、スプーン部16と把持部17とを有しており、把持部17の基端に、容器本体2の周壁2aに内側から当接する挟持片18を設けており、把持部17と挟持片18とで周壁2aが挟持される。スパチュラ14を装着するための部材は不要であり、スパチュラ14自体が容器本体2に対する保持機能を有するため、低コストで製造できる。また、スパチュラ14を保持する部材はないため、消費者に違和感を与えずに見た目もよい。【選択図】図1

Description

本願発明は、化粧用等のクリーム容器に入れられたクリームを掬い取るのに使用するスパチュラ、及び、これらクリーム容器とスパチュラとの包装体に関するものである。
クリーム用のスパチュラは、クリーム容器を構成する蓋の裏面に配置したり、中蓋の上面に配置したりしていることが多いが、これらの手段では、スパチュラは蓋又は中蓋に設けた係止部によって取り付けられているため、スパチュラの取り外しに際しては、係止部の弾性に抗して蓋又は中蓋から引き離さねばならず、このためスパチュラを取り外しにくい問題がある。
また、蓋の加工に手間がかかる問題もあるし、中蓋を備えている場合は、クリームの取り出しに際して中蓋も取り外さなければならないため、クリームの取り出しも面倒である(この面倒を嫌って、中蓋を捨ててしまうこともある。)。
そこで、スパチュラをクリーム容器の外側に配置することが提案されている。その例として特許文献1,2には、容器本体に下方から嵌め込まれるトレイにスパチュラを起立姿勢に保持する受け部を設けることが開示されて、特許文献3には、容器本体の下端部を抱持するバンドにスパチュラを起立姿勢に保持する受け部を設けることが開示されている。
特許第7158685号公報 特許第6861019号公報 実用新案登録第2542089号公報
特許文献1~3の技術は、クリーム容器に加工を施すものではないため、既存のクリーム容器にそのまま適用できる利点がある。また、蓋や中蓋に装着する方式では長さはクリーム容器の外径よりも短い長さになるが、特許文献1~3の外付け方式では長さの規制はないため、消費者が使用しやすい(持ちやすい)長さに設定できる利点もある。
その反面、特許文献1,2のトレイにしても特許文献3のバンドにしても、容器本体をぐるりと囲う大きさであるため、コストが嵩むという問題がある。また、クリーム容器は紙箱又は樹脂シート製で角形の包装箱に包装されていることが普通であるが、トレイやバンドを設けると包装箱も大型化せざるを得ないため、既存の包装箱に対応し難いという問題もある。
本願発明はこのような現状を背景に成されたものであり、スパチュラをクリーム容器の外側に配置する点では特許文献1~3の考え方を踏襲しつつ、構造を簡易化するなど改良した態様を開示せんとするものである。
さて、クリーム容器は、基本的には容器本体と蓋装置で構成されており、いずれも合成樹脂の射出成形品である。そして、容器本体は1パーツの場合と2パーツの場合とがあるが、いずれにしても、樹脂の使用量抑制等のために下部を筒状の周壁に構成する場合がある。本願発明者はこのタイプの容器本体に着目して、本願発明を着想した。
本願発明のスパチュラは、容器本体の下端部が筒状の周壁に形成されているクリーム容器の外面に起立姿勢で添設し得るスパチュラであって、このスパチュラは、請求項1のとおり、
「前記起立姿勢を基準にして、上部は前記容器本体からクリームを掬い取るスプーン部になって下部は人が摘む把持部になっており、
前記把持部の下端に、前記容器本体における周壁の内部に下方から入り込む挟持片を設けており、前記把持部の下端と前記挟持片とにより、前記容器本体における周壁の一部が弾性的に挟持される」
という構成になっている。
本願発明のスパチュラは、様々に展開できる。その例として請求項2では、
「前記把持部に、前記起立姿勢において外側から見て前記挟持片と重なる抜き穴が形成されており、
前記挟持片の先端部に、前記容器本体における周壁の内面に当たる外向き突起を設けて、
前記把持部のうち前記起立姿勢で前記挟持片の左右外側に位置した部位に、前記容器本体における周壁の外面に当たる突起を設けている」
という構成を採用した。
本願発明は、クリーム容器とスパチュラとの包装体も含んでいる。すなわち、この包装体は、
「請求項1又は2に記載したクリーム容器及びスパチュラと、これらを前記クリーム容器が下になった状態で同梱する角形の包装箱とを有しており、
前記スパチュラは、前記挟持片を下向きにすると共に前記包装箱の対角方向に長い姿勢で前記クリーム容器に載っており、かつ、前記挟持片は、前記包装箱の角部と前記クリーム容器との間のコーナー空間に入り込んでいる」
という構成になっている。
クリーム容器は、基本的に容器本体と蓋装置とで構成されており、蓋装置はねじ蓋方式とヒンジキャップ方式とがあるが、本願発明はいずれの容器にも適用できる。すなわち、容器本体が周壁を備えておれば適用できる。
特許文献1~3では、いずれもスパチュラを保持するための部材(トレーやバンド)が必要であり、このためコストが嵩んでいたが、本願発明はスパチュラ自体が容器本体の周壁に取り付くため、トレーやバンドのような保持部材は不要であり、それだけコストを低減できる。
また、特許文献1~3のトレーやバンドは人目に触れるため、違和感を受ける消費者がいるかもしれないが、本願発明ではトレーやバンドのような部材は存在しないため、消費者が違和感を受けることはなくて美感にも優れている。
スパチュラは合成樹脂の射出成形品であるが、請求項2の構成を採用すると、スパチュラの広幅面と直交した方向に相対動する金型(いわゆるキャビとコア)とを使用して挟持片や突起を成形できる。従って、金型装置の複雑化を防止してコスト抑制に更に貢献できる。また、把持部の下端に内向き突起を設けているため、スパチュラは、クリーム容器との間に間隔を空けた状態に配置できる。従って、スプーン部にクリームが付着していても、これがクリーム容器の上部に付着することを防止できる。従って、衛生的である。
既述のとおり、クリーム容器は、紙製又は樹脂シート製の角形の包装箱に包装していることが多いが、クリーム容器の上端面(蓋の上面)と包装箱の天面との間には若干の遊び(空間)を空けていることが多い。そして、請求項3の包装体では、スパチュラのうち挟持片を除いた部分はクリーム容器の上面と包装箱の天面との間に配置して、挟持片は包装箱のコーナー空間に入り込んでいる。
従って、請求項2の態様を採用することにより、既存の包装箱にスパチュラをクリーム容器と同梱できる。従って、既存のクリーム容器への対応性を更に向上させて、コスト抑制に貢献できる。
第1実施形態を示す図で、(A)はクリーム容器に装着した状態の斜視図、(B)は(A)のB-B視縦断側面図、(C)は起立姿勢でのスパチュラの正面図、(D)はスパチュラの側面図、(E)はスパチュラの平面図である。 (A)はスパチュラの使用状態を示す断面図、(B)は包装状態での平面図、(C)は別例の部分図である。 第2~5実施形態を示す図であり、(A)(B)は起立姿勢の正面図、(C)(D)は縦断側面図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図面の簡単な説明及び以下の説明で、正面図や側面図などの文言を使用するが、これは、起立姿勢を基準にして、広幅面と直交した方向を正面視、端面方向から見た状態を側面視としている。寝かした状態を基準にすると、平面図は起立姿勢の正面図と同じになる。
(1).クリーム容器の構造
まず、クリーム容器1を説明する。本実施形態は、化粧クリーム容器に適用している。クリーム容器1は、上向きに開口した容器本体2とこれに上から装着した蓋装置3とで構成されている。
蓋装置3は、容器本体2の上部に設けた雄ねじ筒4に螺着するリング体5と、リング体5にヒンジ(三点ヒンジ)6を介して連接されたヒンジキャップ7とを備えており、リング体5の内周に下向きシール筒5aを設ける一方、ヒンジキャップ7の下面には、リング体5の下向きシール筒5aに密嵌する中足7aを設けている。なお、蓋装置3は全体が一体構造であるが、図1(B)及び図2(A)では、リング体5とヒンジキャップ7とは異なる方向のハッチングで表示している。
図2(A)に示すように、ヒンジキャップ7のうちヒンジ6と反対側には開封用の指掛けタブ9が突設されており、リング体5のうちタブ9の下方に位置した部位には、指先を逃がすための凹所10を設けている。ヒンジキャップ7の閉じ状態を保持するために、ヒンジキャップ7の内面には内向きの係合突起11を設けて、容器本体2における雄ねじ筒4の上端部外面には係合凹所12を設けている。係合凹所12に代えて係合突起を設ける場合もある。
容器本体2のうち雄ねじ筒4の下端には外側に広がった肩部が形成されており、肩部よりも下方の部位に筒状の周壁2aが形成されている。従って、周壁2aで囲われた部位は、下方に開口した空間になっている。肩部の下方に周壁2aを設けて、容器本体2の肉厚をできるだけ均一化することにより、外周面にヒケが現れることを防止している。周壁2aは、少なくとも容器本体2の下部に形成されていたらよい。なお、図示の例では容器本体2は全体が一体に作られているが、上下に開口した外パーツと底板を有する内パーツとの2つのパーツで構成して、2つのパーツを溶着することも行われている。
(2).スパチュラ
クリーム容器1には、板状のスパチュラ(ヘラ)14が添設されている。スパチュラ14は、起立姿勢を基準にして、上端部はクリーム15を掬い取るスプーン部16になって、下部は人が指先で摘む把持部17になっており、スプーン部16から把持部17に向けて横幅が徐々に小さくなっている。スプーン部16の上端(先端)は円弧状に歪曲しており、また、スプーン部16のうちクリーム15が載る面は僅かに凹んでいる。
図1(E)から理解できるように、スパチュラ14は、クリーム容器1の外周面と重なる面は、起立姿勢での平面視において、クリーム15の半径と略同じ曲率半径の湾曲面になっている。
把持部17の下端(基端)には、容器本体2の周壁2aの内側に位置する上向きの挟持片18が一体に形成されている。把持部17と挟持片18とで周壁2aの一部を弾性的に挟持することにより、スパチュラ14を起立姿勢でクリーム容器1に取り付けることができる。スパチュラ14を取り付けた状態では、クリーム容器1は若干傾いた状態でテーブル等に載置される。
挟持片18は、把持部17の左右幅よりも小さい横幅になっており、把持部17には、正面視で挟持片18と重なる抜き穴19が開口している。スパチュラ14の成形は、例えば図1(C)を基準にすると、紙面と直交した方向に相対動する一対の金型(キャビとコア)とを使用して行われるが、一方の金型に、抜き穴19に対応した突部を設けておくことにより、挟持片18を抜き違いによって成形できる。従って、スライド型は不要であり、それだけスパチュラ14の製造コストを抑制できる。
挟持片18の上端部には、周壁2aの内面に当接する外向き突起20を設けている。外向き突起20は横長姿勢になっており、図1(C)から理解できるように、平面視で、周壁2aの半径と同じ曲率半径の円弧状に形成されている。実施形態のように挟持片18の上端部に外向き突起20を設けると、挟持片18の弾性力によるモーメントを利用して周壁2aをしっかりと掴持できる利点がある。
他方、把持部17のうち挟持片18を挟んで左右両側に位置した部位には、上下長手の一対の内向き突起21を形成している。内向き突起21は、上から下に向けて突出寸法が小さくなっている。従って、スパチュラ14を容器本体2に取り付けた状態では、スパチュラ14とクリーム容器1との間に若干の隙間が空いており、その隙間は上に向けて広がっている。従って、スプーン部16の裏面にクリーム15が付着していても、クリーム15が蓋装置3の外面に付着することはない。
また、スパチュラ14を取り外すに際しては、手の平を上向きにして把持部17と挟持片18とを摘んで下方にずらすこともできるし、手の甲を上にした姿勢でスパチュラ14の中途高さ部位を指先で摘んで下方にスライドさせることもできる。
(3).包装体
図2(A)に示すように、クリーム容器1は、紙製又は樹脂シート製の包装箱22に包装される。クリーム容器1と包装箱22の内面との間に僅かのクリアランスしかないが、包装箱22の対角方向の長さはクリーム容器1の直径より遥かに大きい寸法になっている。そこで、スパチュラ14をクリーム容器1と包装箱22に同梱するにおいて、包装箱22の対角方向に長い姿勢にしてクリーム容器1の上に載せることにより、スパチュラ14の長さをできるだけ長くできる。従って、消費者が使いやすい長さに設定できる。
そして、包装箱22の角部(コーナー部)とクリーム容器1との間にはコーナー空間23が空いているが、図2(B)に示すように、スパチュラ14を挟持片18が下向きになって姿勢でクリーム容器1に載せつつ、挟持片18をコーナー空間23に入り込ませることより、スパチュラ14をクリーム容器1の上面と包装箱22の上シート板(蓋シート)とに密着させることができる。
従って、挟持片18が突設されたスパチュラ14であっても、既存の包装箱22にクリーム容器1と一緒に同梱できる。なお、スパチュラ14は、ポリエチンレフィルムのような樹脂フィルム24で包まれた状態で、クリーム容器1と一緒に包装箱22に同梱されている。
図2(C)に示す別例では、スパチュラ14の基端部を他の部位よりも幅狭の細幅部25に形成して、細幅部25を挟んだ左右両側に一対の挟持片18を設けている。この場合も、一対の挟持片18がコーナー空間23に入り込むように設定している。また、この実施形態でも、成形は一対の金型を使用して行われる。
(4).他の実施形態
次に、図3に示す他の実施形態を説明する。図3のうち(A)に示す第2実施形態では、把持部17を左右に膨れた状態に形成して人が摘みやすくしている。挟持片18の位置は第1実施形態と同様である。
図3(B)に示す第3実施形態でも、把持部17を摘みやすいように左右に膨れた状態に形成しているが、この実施形態では、把持部17に左右一対の挟持片18を形成している。図では明示していないが、把持部17は、容器本体2の外周面に重なるように底面視で湾曲している。
図3(C)に示す第4実施形態はねじ蓋26を有するクリーム容器1に適用しており、スパチュラ14は、その中途部において屈曲した側面視くの字形に形成されている。スパチュラ14のうちねじ蓋26の外側に位置した部位が外側にはみ出ているため、ねじ蓋26の回転操作を容易に行える。
図3(D)に示す第5実施形態もねじ蓋26を有するクリーム容器1に適用しており、この実施形態では、スパチュラ14は側面視でクランク状に曲げることにより、スプーン部16はねじ蓋26の外側にはみ出している。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、スパチュラ14は、帯状の板部の先端に円形のスプーン部を設けた形態も採用できる。或いは、円形の把持部と円形のスプーン部とを帯状の板部で繋いだ形態も採用できる。本願発明は、クリーム状薬剤のクリーム容器にも適用できる。
本願発明は、クリーム用のスパチュラに具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 クリーム容器
2 容器本体
2a 周壁
3 蓋装置
4 雄ねじ筒
5 リング体
7 ヒンジキャップ
14 スパチュラ
15 クリーム
16 スプーン部
17 把持部
18 挟持片
19 抜き穴
20 外向き突起
21 内向き突起
22 包装箱
23 コーナー空間
26 ねじ蓋

Claims (3)

  1. 容器本体の下端部が筒状の周壁に形成されているクリーム容器の外面に起立姿勢で添設し得るスパチュラであって、
    前記起立姿勢を基準にして、上部は前記容器本体からクリームを掬い取るスプーン部になって下部は人が摘む把持部になっており、
    前記把持部の下端に、前記容器本体における周壁の内部に下方から入り込む挟持片を設けており、前記把持部の下端と前記挟持片とにより、前記容器本体における周壁の一部が弾性的に挟持される、
    クリーム容器用スパチュラ。
  2. 前記把持部に、前記起立姿勢において外側から見て前記挟持片と重なる抜き穴が形成されており、
    前記挟持片の先端部に、前記容器本体における周壁の内面に当たる外向き突起を設けて、
    前記把持部のうち前記起立姿勢で前記挟持片の左右外側に位置した部位に、前記容器本体における周壁の外面に当たる突起を設けている、
    請求項1に記載したクリーム容器用スパチュラ。
  3. 請求項1又は2に記載したクリーム容器及びスパチュラと、これらを前記クリーム容器が下になった状態で同梱する角形の包装箱とを有しており、
    前記スパチュラは、前記挟持片を下向きにすると共に前記包装箱の対角方向に長い姿勢で前記クリーム容器に載っており、かつ、前記挟持片は、前記包装箱の角部と前記クリーム容器との間のコーナー空間に入り込んでいる、
    クリーム容器とスパチュラとの包装体。
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