JP2024115367A - α,β-不飽和カルボン酸化合物の架橋重合体 - Google Patents

α,β-不飽和カルボン酸化合物の架橋重合体 Download PDF

Info

Publication number
JP2024115367A
JP2024115367A JP2023021027A JP2023021027A JP2024115367A JP 2024115367 A JP2024115367 A JP 2024115367A JP 2023021027 A JP2023021027 A JP 2023021027A JP 2023021027 A JP2023021027 A JP 2023021027A JP 2024115367 A JP2024115367 A JP 2024115367A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
carboxylic acid
unsaturated carboxylic
crosslinked polymer
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023021027A
Other languages
English (en)
Inventor
叔毅 林
雄輝 堀川
英介 竹内
なな子 中嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority to JP2023021027A priority Critical patent/JP2024115367A/ja
Publication of JP2024115367A publication Critical patent/JP2024115367A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】多価イオン存在下でも凝集や沈殿が発生せず、且つ、高濃度の金属酸化物を良好に分散させることが可能となる、カルボキシル基含有親水性重合体を提供すること。【解決手段】架橋剤により架橋された、α,β-不飽和カルボン酸化合物の重合体であって、当該重合体の絶対分子量が500~20000Daである架橋重合体。【選択図】なし

Description

本開示は、α,β-不飽和カルボン酸化合物の架橋重合体及びその製造方法等に関する。
親水性増粘剤として、例えば、キサンタンガム、グアーガム等に代表される天然物系増粘剤、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等に代表される半合成物系増粘剤、及び、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド等に代表される合成物系増粘剤、等が広く使用されている。
カルボキシビニルポリマー等のカルボキシル基含有親水性重合体は、少量の使用で優れた増粘性を示すことから、化粧品、トイレタリーをはじめ種々の産業分野において、増粘剤、分散剤、又は乳化安定剤等として好適に使用されている。カルボキシビニルポリマーは、カルボキシル基及びビニル基を有するアクリル酸等の水溶性エチレン性不飽和単量体の重合体であり、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等の油溶性架橋剤により架橋されている場合もある(例えば特許文献1)。
従来、親水性増粘剤として用いられるカルボキシル基含有親水性重合体は、有機溶媒を用いた沈殿重合法により製造されることが多い。沈殿重合法では、重合の進行に伴って有機溶媒に不溶となって析出してくるポリマー粒子が回収される。回収されたポリマー粒子が増粘剤として用いられる。あるいはまた、吸水性樹脂の製造方法において、逆相懸濁重合の採用も検討されている(例えば特許文献2)。
特開2009-079176号公報 国際公開第2012/111224号 国際公開第2020/017346号
一般に、親水性増粘剤として用いられるカルボキシル基含有親水性重合体はカルシウムなどの多価イオン存在下では凝集し、沈殿が生じる。
また、特に日焼け止め化粧料においては、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物粉体が使用されており、高濃度での配合も検討されている(特許文献3)。しかし、従来のカルボキシル基含有親水性重合体にこのような金属酸化物粉体を組み合わせると、得られる組成物の粘度が高くなり過ぎ、流動性を示さず、さらには凝集もしくは沈殿を生じてしまう。
そこで本発明者は、カルシウムなどの多価イオン存在下でも凝集や沈殿が発生せず、且つ、高濃度の金属酸化物を良好に分散させることが可能となる、カルボキシル基含有親水性重合体を提供することを目的に、検討を行った。
本発明者らは、α,β-不飽和カルボン酸化合物架橋重合体(すなわち、架橋剤により架橋された、α,β-不飽和カルボン酸化合物の重合体)であれば、多価イオン存在下でも凝集や沈殿が発生し難く、且つ、高濃度の金属酸化物を良好に分散させ得る傾向があることに気がついた。ただ、そのような傾向はあるものの、α,β-不飽和カルボン酸化合物架橋重合体であれば、通常、当該効果を奏するというほどではなく、当該効果を好ましく奏するためには、さらに条件が存在すると考えられた。
そこで、さらに検討を進めた結果、絶対分子量が比較的小さいα,β-不飽和カルボン酸化合物架橋重合体であれば、前記効果(多価イオン存在下でも凝集や沈殿が発生し難く、且つ、高濃度の金属酸化物を良好に分散させ得るという効果)を好ましく奏し得ることを見いだした。
本開示は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
架橋剤により架橋された、α,β-不飽和カルボン酸化合物の重合体であって、
当該重合体の絶対分子量が500~20000Daである架橋重合体。
項2.
α,β-不飽和カルボン酸化合物が、アクリル酸及びその塩、並びにメタクリル酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1に記載の架橋重合体。
項3.
α,β-不飽和カルボン酸化合物100質量部に対して、架橋剤が0.05~2質量部の割合で重合した重合体である、項1又は2に記載の架橋重合体。
項4.
多価イオンを含有する、波長425nmの光透過率が80%以上の組成物
の調製用である、
項1~3のいずれかに記載の架橋重合体。
項5.
金属酸化物分散組成物調製用である、項1~4に記載の架橋重合体。
多価イオン存在下でも凝集や沈殿が発生せず、且つ、高濃度の金属酸化物を良好に分散させることが可能となる、カルボキシル基含有親水性重合体(より具体的には、α,β-不飽和カルボン酸化合物架橋重合体)が提供される。このようなカルボキシル基含有親水性重合体は多くの分野で有用である。例えば、化粧品、トイレタリーをはじめ種々の産業分野において、増粘剤、分散剤、又は乳化安定剤等として好適に用いられる。中でも、外用組成物(特に日焼け止め組成物)の調製に特に好ましい。
以下、本開示に包含される各実施形態について、さらに詳細に説明する。本開示は、α,β-不飽和カルボン酸化合物架橋重合体(すなわち、架橋剤により架橋された、α,β-不飽和カルボン酸化合物の重合体)及びその製造方法、並びに当該架橋重合体の用途、さらには当該架橋重合体を用いた外用組成物等を好ましく包含するが、これらに限定されるわけではなく、本開示は本明細書に開示され当業者が認識できる全てを包含する。
本開示に包含されるα,β-不飽和カルボン酸化合物架橋重合体(すなわち、架橋剤により架橋された、α,β-不飽和カルボン酸化合物の重合体。架橋型α,β-不飽和カルボン酸化合物重合体ということもある。)は、架橋剤により架橋された、α,β-不飽和カルボン酸化合物の重合体であって、その絶対分子量が500~20000Daである重合体である。当該架橋重合体を、本開示の架橋重合体ということがある。
α,β-不飽和カルボン酸化合物としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、あるいはこれらの塩等が挙げられる。塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸(すなわち、メタクリル酸及び/又はアクリル酸)又はその塩がより好まく、アクリル酸が特に好ましい。α,β-不飽和カルボン酸化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、効果を損なわない範囲において、本開示の架橋重合体主鎖を構成するモノマーとして、α,β-不飽和カルボン酸化合物以外のエチレン性不飽和単量体を用いてもよい。このようなエチレン性不飽和単量体としては、例えば、2-アクリルアミド-2メチルプロパンスルホン酸及びその塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、並びに、N,N-ジメチルアクリルアミド等が例示される。これらの塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩が特に好ましい。これらのエチレン性不飽和単量体は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本開示の架橋重合体としては、本開示の架橋重合体主鎖を構成するモノマーがα,β-不飽和カルボン酸化合物のみであるものがより好ましい。
また、架橋剤としては、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物が好ましい。より具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、サッカロース(ショ糖)、ソルビトール等のポリオールの2置換以上のアクリル酸エステル;これらポリオールの2置換以上のメタクリル酸エステル;これらポリオールの2置換以上のアルケニルエーテル(特にアリルエーテル);フタル酸ジアリル、燐酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5-ヘキサジエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。架橋剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ショ糖アルケニルエーテルがより好ましい。ショ糖アルケニルエーテルのアルケニル基としては、CH=CH-(CH-(式中、nは1、2、3、4、5、又は6を示す)が好ましく、特にCH=CH-CH-(アリル基)が好ましい。
ショ糖アルケニルエーテル(特にショ糖アリルエーテル)のエーテル化度は、好ましくは1.8~4.0程度である。なお、当該エーテル化度は、ショ糖に対するアルケニルエーテル基のモル比の平均値である。エーテル化度は、ショ糖アルケニルエーテル中に残存する水酸基を、ピリジン中で無水酢酸と反応させ、このとき消費される無水酢酸の量から算出される。ショ糖アルケニルエーテルのエーテル化度は、その化学構造から最大で8.0である。
ショ糖アリルエーテルのエーテル化度が高いと、水に対する溶解性が低下するため、水相中においてショ糖アリルエーテルとα,β-不飽和カルボン酸化合物との架橋反応が進行し難くなる傾向がある。係る観点から、ショ糖アルケニルエーテルのエーテル化度は、好ましくは2.0~3.5、より好ましくは2.2~3.2である。
ショ糖アルケニルエーテル(特にショ糖アリルエーテル)は、例えば、ショ糖水溶液に触媒の水酸化ナトリウムを加え、ショ糖をアルカリショ糖に転化した後、臭化アルケニル(特に臭化アリル)を滴下してエーテル化を行う方法により得ることができる。このとき、臭化アルケニルの量を、ショ糖に対して2~6倍モルの、好ましくは2~5倍モルの範囲に調整することにより、効率的にショ糖アルケニルエーテルを得ることができる。エーテル化の反応温度は、例えば80℃程度である。通常、臭化アルケニルの滴下後3時間程度で反応が完結する。反応液から分離した水相にアルコールを添加し、析出する塩類を濾別した後、余分なアルコールと水分を留去させることにより、ショ糖アルケニルエーテルを回収することができる。
本開示の架橋重合体は、α,β-不飽和カルボン酸化合物100質量部に対して、架橋剤が2質量部以下程度の割合で重合した重合体であることが好ましい。また、効果が損なわれない範囲であれば、下限は特に限定されないが、α,β-不飽和カルボン酸化合物100質量部に対して、架橋剤が0.05質量部以上程度の割合で重合した重合体であることが好ましい。当該範囲(0.05~2質量部)の上限又は下限は、0.1、0.15、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、又は1.9質量部であってもよい。例えば当該範囲は0.15~1.5質量部であってもよい。
本開示の架橋重合体は、上記の通り、その絶対分子量が500~20000Daである。当該範囲の上限又は下限は、例えば600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、5000、5100、5200、5300、5400、5500、5600、5700、5800、5900、6000、6100、6200、6300、6400、6500、6600、6700、6800、6900、7000、7100、7200、7300、7400、7500、7600、7700、7800、7900、8000、8100、8200、8300、8400、8500、8600、8700、8800、8900、9000、9100、9200、9300、9400、9500、9600、9700、9800、9900、10000、10100、10200、10300、10400、10500、10600、10700、10800、10900、11000、11100、11200、11300、11400、11500、11600、11700、11800、11900、12000、12100、12200、12300、12400、12500、12600、12700、12800、12900、13000、13100、13200、13300、13400、13500、13600、13700、13800、13900、14000、14100、14200、14300、14400、14500、14600、14700、14800、14900、15000、15500、16000、16500、17000、17500、18000、18500、19000、又は19500であってもよい。例えば当該範囲は700~18000Daであっても好ましい。
本明細書において、重合体の絶対分子量は静的光散乱法により求められる。より具体的には、絶対分子量測定対象の重合体の中和水溶液(段階的に濃度を希釈したもの、より具体的には例えば重合体濃度が2g/L、4g/L、6g/L、8g/L、及び10g/Lの中和水溶液)についてゼータ電位計により静的光散乱を測定し、デバイプロットにより絶対分子量(Da:ダルトン)が求められる。
このような絶対分子量が比較的小さいα,β-不飽和カルボン酸化合物架橋重合体であれば、多価イオン存在下でも凝集や沈殿が発生し難く、且つ、金属酸化物を良好に分散させることができる。このため、本開示の架橋重合体は、特に多価イオンを含有する高透過率組成物の調製のために、並びに/あるいは、金属酸化物分散組成物の調製のために、好ましく用いることができる。これらの組成物は、粘性組成物であることがより好ましい。また、多価イオン含有高透過率組成物は、例えば、本開示の架橋重合体に加えて、例えば多価イオンを含む塩及び水、並びに必要に応じて外用組成物(特に医薬品組成物や化粧品組成物)に用いられることが公知の各種成分を混合することで調製することができる。また、金属酸化物分散組成物は、例えば、本開示の架橋重合体に加えて、例えば金属酸化物及び水、並びに必要に応じて外用組成物(特に医薬品組成物や化粧品組成物)に用いられることが公知の各種成分を混合することで調製することができる。
多価イオンとしては、例えばカルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、鉄イオン、アルミニウムイオン、銅イオン等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、多価イオン含有高透過率組成物における高透過率とは、波長425nmの光透過率が80%以上であることをいい、81、82、83、84、85、86、87、88、89、又は90%以上であることがより好ましく、91、92、93、94、又は95%以上であることがさらに好ましい。当該光透過率は分光光度計を用いて測定される。
金属酸化物としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本開示の架橋重合体は、上記の説明から明らかなように、カルボマー(カルボキシビニルポリマー)であって、上記の絶対分子量範囲を満たすものを、好ましく包含する。(カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸を主鎖とし、ペンタエリスチルアリエーテル、スクロースアリエーテル、又はプロピレンアリルエーテル等で架橋したアクリル酸の重合体であり、本開示の架橋重合体に包含される。)
本開示の架橋重合体の調製方法としては、上記の比較的小さい絶対分子量のα,β-不飽和カルボン酸化合物架橋重合体が得られる限り特に限定はされず、公知の重合方法を用いることができる。本開示の架橋重合体は、例えば水溶液重合や逆相懸濁重合、沈殿重合等により好ましく調製され得る。
当該方法において用いられる好ましいα,β-不飽和カルボン酸化合物及び架橋剤、並びにこれらの使用量については、上で説明した内容がそのまま当てはまる。
重合時に用いる連鎖移動剤の量を調整することにより、得られる重合体の絶対分子量を調整することができる。本開示の架橋重合体を重合する際に用いられる連鎖移動剤としては、例えば、ジ亜リン酸塩(特にジ亜リン酸ナトリウム)、亜硫酸水素塩(特に亜硫酸水素ナトリウム)、亜リン酸塩(亜リン酸ナトリウム)、亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム)、チオール系(チオグリセロール、2-メルカプトエタノール、3-メルカプトプロピオン酸、チオフェノール等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、その使用量としては、用いる連鎖移動剤の種類にもよるが、本開示の架橋重合体が製造できる範囲であれば特に制限はされず、例えばα,β-不飽和カルボン酸化合物100質量部に対して、1~30質量部程度が好ましく、1.5~25質量部程度がより好ましい。
本開示の架橋重合体を、逆相懸濁重合によって調製する場合を例にとって、以下にさらに詳説する。具体的には、α,β-不飽和カルボン酸化合物、架橋剤、連鎖移動剤、及び水を含む水相の液滴を疎水性溶媒中に分散させながら重合反応を行うことが好ましい。
逆相懸濁重合に用いられる疎水性溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる石油系炭化水素溶媒が用いられる。脂肪族炭化水素としては、n-ペンタン、n-ヘキサン及びn-ヘプタン等が挙げられる。脂環式炭化水素としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン及びキシレン等が挙げられる。特に、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサン及びトルエンから選ばれる少なくとも1種の疎水性溶媒が、工業的な汎用溶媒として好適に使用される。疎水性溶媒の比率は、α,β-不飽和カルボン酸化合物等を含む水相100質量部に対して、例えば100~200質量部である。
α,β-不飽和カルボン酸化合物等を含む水相、又は前記疎水性溶媒は、界面活性剤及びラジカル開始剤等の他の成分を含んでいてもよい。
界面活性剤は、主に重合中の懸濁状態を安定化させるために用いられる。界面活性剤は、逆相懸濁重合において通常用いられるものであれば特に限定されない。好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、変性ポリエチレンワックス、変性ポリプロピレンワックス、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、セルロースエーテル(ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース等)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤が用いられる。
界面活性剤の量は、α,β-不飽和カルボン酸化合物に対して好ましくは0.1~10.0質量%、より好ましくは0.5~5.0質量%である。界面活性剤の量が少ないと重合の際の懸濁状態の安定性に問題が生じる可能性があり、界面活性剤の量が多いと経済的に不利となる傾向がある。
ラジカル開始剤は、通常のラジカル重合に用いられるものであれば特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及びアゾ系開始剤などが好適に使用される。例えば、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩をラジカル開始剤として用いることができる。
ラジカル開始剤の量は、α,β-不飽和カルボン酸化合物に対して好ましくは0.01~0.5質量%、より好ましくは0.02~0.2質量%である。ラジカル開始剤の量が少ないと重合反応が進行し難くなったり、反応に長時間が必要となったりする傾向がある。ラジカル開始剤の量が多すぎると、急激な重合反応が起こる可能性があることから、工程の管理が困難になる傾向がある。
逆相懸濁重合の際、α,β-不飽和カルボン酸化合物等を含む液滴のサイズは、得られるポリマー粒子のサイズと密接な関係がある。反応容器及び製造スケール等の条件により異なるが、例えば2Lのフラスコを反応容器として用いた場合、攪拌速度600~1000回転/分の条件で逆相懸濁重合を行うことにより、本発明の目的に特に適したサイズのポリマー粒子を得ることができる可能性が高い。
重合反応のその他の諸条件、例えばラジカル開始剤の量、重合反応温度、反応時間等も適宜調整される。重合反応温度は、例えば50~80℃であり、反応時間は、例えば30分~3時間である。例えば2Lのフラスコを反応容器として用いる場合、その浴温を60℃に調整して重合反応を開始させることができる。この場合、重合反応の開始は、反応容器内の温度が重合熱で70数℃に上昇することから確認できる。その後、30分~3時間程度の熟成反応を行うことで、通常は重合反応が完結する。熟成反応後、浴温を上昇させて反応容器内の水及び石油系炭化水素溶媒を留去させることで、生成物を取得することができる。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。また、本開示は、本明細書に説明した構成要件の任意の組み合わせを全て包含する。
また、上述した本開示の各実施形態について説明した各種特性(性質、構造、機能等)は、本開示に包含される主題を特定するにあたり、どのように組み合わせられてもよい。すなわち、本開示には、本明細書に記載される組み合わせ可能な各特性のあらゆる組み合わせからなる主題が全て包含される。
以下、例を示して本開示の実施形態をより具体的に説明するが、本開示の実施形態は下記の例に限定されるものではない。
製造例1(ショ糖アリルエーテルの合成)
撹拌機、還流冷却管、滴下ロートを取り付けた1Lの四つ口セパラブルフラスコにイオン交換水55.4gと水酸化ナトリウム16.1gを加え、水酸化ナトリウムをイオン交換水に溶解させた。さらにショ糖55.0gを添加して、80℃で60分間、撹拌しながら反応させてアルカリショ糖水溶液を得た。このアルカリショ糖水溶液に対して、エーテル化反応に伴う急激な発熱を制御しながら、臭化アリル48.6gを2時間かけて滴下した。その後、反応液を80℃で3時間熟成してエーテル化反応を完結させた。冷却後、酢酸を加えてpHを7に調整した後、ショ糖アリルエーテルが40質量%になるように脱水を行い169g水溶液を得た。このショ糖アリルエーテルのエーテル化度は、2.3であった。
なお、ショ糖アリルエーテルのエーテル化度は、以下の手順で測定した。
(1)還流冷却管を取り付けた100mLのフラスコに、ショ糖アリルエーテルを0.6g精秤した。
(2)精秤されたショ糖アリルエーテルを、無水酢酸:ピリジン(1:3容積比)の混合溶媒10mLに溶解させた。
(3)溶液を90℃で45分間加熱し、その後、蒸留水10mLを添加し、更に溶液を冷却した。
(3)溶液の冷却の後、20mLのn―ブタノールおよび20mLの蒸留水によりフラスコの内壁を洗浄した。
(4)得られた溶液を200mLのビーカーに移し、さらに20mLの蒸留水によりフラスコの内壁を洗浄した。洗浄液は、ビーカーに加えた。
(5)1N-NaOH標準溶液を用いた滴定を滴定装置により行い、サンプル滴定量を求めた。
(6)ブランク滴定として、ショ糖アリルエーテルが添加されない無水酢酸:ピリジン(1:3容積比)の混合溶液10mLを同様に処理し、1N-NaOH標準溶液を用いた滴定を滴定装置により行い、ブランク滴定量を求めた。
(7)サンプル滴定量およびブランク滴定量の値を用いて、式1にしたがってショ糖アリルエーテルの残存OH基含量(%)を求めた。次いで式2にしたがって、ショ糖中の8個の水酸基のうちアリルエーテル化された基により置換されたものの割合の平均値、即ちエーテル化度nを算出した。
OH基含量(%)=(Bml-Sml)×f×N×17/(Swt×10)・・・式1
Bml:ブランク滴定量(ml)
Sml:サンプル滴定量(ml)
Swt:サンプル量(g)
f:ファクター(1N-NaOH標準溶液の濃度補正係数)
N:1(NaOH標準溶液の規定数)
OH基含量(%)=17×(8-n)×100/(40×n+342)・・・式2
n:エーテル化度(ショ糖中の水酸基のうちアリルエーテル基の置換度)
得られたショ糖アリルエーテルを以下の例に用いた。(以下の例では、ショ糖アリルエーテル水溶液を調製し、当該水溶液を用いた。)
実施例1
500mL三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液58gを加え、これにイオン交換水171g、架橋剤として40質量%のショ糖アリルエーテル水溶液0.44g、連鎖移動剤としてジ亜リン酸ナトリウム11.6g、開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V-50)0.02gを加えて、エチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。これとは別に、撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管を取り付けた2Lの四つ口セパラブルフラスコにn-ヘプタン350gを加え、これにさらに界面活性剤としてPEG30Dipolyhydroxystearate(供給先 クローダジャパン株式会社 製品名CITHROL DPHS-S-(MV))0.87gを加えて、分散及び溶解させた。そこに、先に調製したエチレン性不飽和単量体水溶液を加え、攪拌速度1200回転/分で攪拌しながら、系内を窒素置換すると共に浴温を60℃に保持して、1時間、逆相懸濁重合法により重合を行った。重合終了後、水およびn-ヘプタンを留去して架橋重合体の粉体60gを得た。
実施例2
500mL三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液17gを加え、これにイオン交換水320g、架橋剤として40質量%のショ糖アリルエーテル水溶液0.13g、連鎖移動剤として亜硫酸水素ナトリウム3.4g、開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V-50)0.014gを加えて、エチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。これとは別に、撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管を取り付けた2Lの四つ口セパラブルフラスコにn-ヘプタン310gを加え、これにさらに界面活性剤としてPEG30Dipolyhydroxystearate(供給先 クローダジャパン株式会社 製品名CITHROL DPHS-S-(MV))0.26gを分散及び溶解させた。そこに、先に調製したエチレン性不飽和単量体水溶液を加え、攪拌速度700回転/分で攪拌しながら、系内を窒素置換すると共に浴温を60℃に保持して、1時間、逆相懸濁重合法により重合を行った。重合終了後、水およびn-ヘプタンを留去して架橋重合体の粉体20gを得た。
実施例3
200mL三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液117gを加え、これにイオン交換水38g、連鎖移動剤としてジ亜リン酸ナトリウム1.7g、架橋剤として40質量%のショ糖アリルエーテル水溶液2.34gを加えて、エチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。
別の200mL三角フラスコに開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V-50)4.7g、イオン交換水88.4gを加えて開始剤水溶液を調製した。
これらとは別に、撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管、滴下ポンプを取り付けた2Lの四つ口セパラブルフラスコにイオン交換水400gを加えた。攪拌速度200回転/分で攪拌しながら、系内を窒素置換すると共に沸点還流状態を保持して、そこに、先に調製したエチレン性不飽和単量体水溶液および開始剤水溶液を3時間かけて滴下した。その後、4時間、水溶液重合法により重合を行い、重合終了後、50質量%になるように脱水を行い190gの水溶液を得た。
実施例4
200mL三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液120gを加え、これにイオン交換水50g、連鎖移動剤としてジ亜リン酸ナトリウム6.0g、架橋剤として40質量%のショ糖アリルエーテル水溶液0.70gを加えて、エチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。
別の200mL三角フラスコに開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V-50)4.7g、イオン交換水88.4gを加えて開始剤水溶液を調製した。
これらとは別に、撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管、滴下ポンプを取り付けた2Lの四つ口セパラブルフラスコにイオン交換水400gを加えた。攪拌速度200回転/分で攪拌しながら、系内を窒素置換すると共に沸点還流状態を保持して、そこに、先に調製したエチレン性不飽和単量体水溶液および開始剤水溶液を3時間かけて滴下した。その後、4時間、水溶液重合法により重合を行い、重合終了後、50質量%になるように脱水を行い188gの水溶液を得た。
実施例5
200mL三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液120gを加え、これにイオン交換水40g、連鎖移動剤としてジ亜リン酸ナトリウム6.0g、架橋剤として40質量%のショ糖アリルエーテル水溶液2.4gを加えて、エチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。
別の200mL三角フラスコに開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V-50)4.7g、イオン交換水88.4gを加えて開始剤水溶液を調製した。
これらとは別に、撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管、滴下ポンプを取り付けた2Lの四つ口セパラブルフラスコにイオン交換水400gを加えた。攪拌速度200回転/分で攪拌しながら、系内を窒素置換すると共に沸点還流状態を保持して、そこに、先に調製したエチレン性不飽和単量体水溶液および開始剤水溶液を3時間かけて滴下した。その後、4時間、水溶液重合法により重合を行い、重合終了後、50質量%になるように脱水を行い188gの水溶液を得た。
実施例6
200mL三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液120gを加え、これに連鎖移動剤としてジ亜リン酸ナトリウム6.0g、架橋剤として40質量%のショ糖アリルエーテル水溶液0.68gを加えてエチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。
別の200mL三角フラスコに開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V-50)4.7g、イオン交換水46.5gを加えて開始剤水溶液を調製した。
これらとは別に、撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管、滴下ポンプを取り付けた2Lの四つ口セパラブルフラスコにイオン交換水60gを加えた。攪拌速度200回転/分で攪拌しながら、系内を窒素置換すると共に沸点還流状態を保持して、そこに、先に調製したエチレン不飽和単量体水溶液を2時間40分、開始剤水溶液を3時間かけて滴下した。重合終了後、冷却し40重量%の水溶液を230g得た。
比較例1
攪拌機、温度計、窒素吹込管および冷却管を備えた500mL容の4つ口フラスコに、アクリル酸63g、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル(エーテル化度4)0.35g、アゾビスイソブチロニトリル0.016g、エチレンジクロライド375gを仕込んだ。引き続き、均一に攪拌、混合した後、反応容器の上部空間、原料、および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、攪拌速度400回転/分で攪拌しながら、窒素雰囲気下、70~75℃に保持して3時間、沈殿重合法により重合を行った。重合終了後、エチレンジクロライドを留去して、架橋重合体63gを得た。
比較例2
200mL三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液120gを加え、これにイオン交換水55gを加えてエチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。
別の200mL三角フラスコに開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V-50)1.2g、イオン交換水90.4gを加えて開始剤水溶液を調製した。
これらとは別に、撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管、滴下ポンプを取り付けた2Lの四つ口セパラブルフラスコにイオン交換水400gを加えた。攪拌速度200回転/分で攪拌しながら、系内を窒素置換すると共に内温を70℃に保持して、そこに、先に調製したエチレン性不飽和単量体水溶液および開始剤水溶液を3時間かけて滴下した。その後、4時間、水溶液重合法により重合を行い、重合終了後、50質量%になるように留去を行い192gの水溶液を得た。
比較例3
200mL三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液120gを加え、これにイオン交換水40g、連鎖移動剤としてジ亜リン酸ナトリウム0.9gを加えてエチレン性不飽和単量体水溶液を調製した。
別の200mL三角フラスコに開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製 V-50)4.7g、イオン交換水88.4gを加えて開始剤水溶液を調製した。
これらとは別に、撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管、滴下ポンプを取り付けた2Lの四つ口セパラブルフラスコにイオン交換水400gを加えた。攪拌速度200回転/分で攪拌しながら、系内を窒素置換すると共に内温を70℃に保持して、そこに、先に調製したエチレン性不飽和単量体水溶液および開始剤水溶液を3時間かけて滴下した。その後、4時間、水溶液重合法により重合を行い、重合終了後、50質量%になるように脱水を行い189gの水溶液を得た。
各実施例及び比較例で得られた重合体について、各種特性を以下のようにして測定した。
[絶対分子量]
5質量%の水酸化ナトリウム水溶液50g、イオン交換水450g、硝酸ナトリウム8.76gを混合し、混合溶液を取得した。40質量%に調製した重合体水溶液を2.0g、混合溶液76.8gを混合し、80mLになるまでイオン交換水を加えることで10g/Lの重合体の中和水溶液を得た。10g/Lの重合体の中和水溶液に0.2mol/Lの硝酸ナトリウム水溶液を加えることで2g/L、4g/L、6g/L、8g/Lの重合体の中和水溶液を取得した。これら重合体の中和水溶液を10mmのガラスセルに充填し、ゼータ電位計で静的光散乱を測定し、デバイプロットからダルトンを取得した。
ゼータ電位計:マルバーン社製、ゼータサイザーナノ ZS
RI:1.44
dn/dc:0.227
[凝集性]
0.005mol/Lの塩化カルシウム水溶液を30g、4質量%に調製した重合体水溶液を0.25g、イオン交換水を18.8g混合し、0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液を1.0g加え、室温で十分に攪拌した。10分静置後、白沈および凝集物の有無を目視で確認した。白い沈殿もしくは凝集物が確認できない場合を○、白い沈殿もしくは凝集物が確認できた場合を×と評価した。
[透過率]
0.005mol/Lの塩化カルシウム水溶液を30g、4質量%に調製した重合体水溶液を0.25g、イオン交換水を18.8g混合し、0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液を1.0g加え、室温で十分に攪拌し、水溶液を得た。得られた水溶液を光路長10mmのセルに充填し、分光光度計を用いて、透過率を測定した。
分光光度計:島津製作所製、UV-3150
波長:425nm
[カルシウムイオン補足能]
0.005mol/Lの塩化カルシウム水溶液を30g、4質量%に調製した重合体水溶液を0.25g、イオン交換水を18.8g混合し、0.5質量%水酸化ナトリウム水溶液を1.0g加え、室温で十分に攪拌した。カルシウムイオンメーター(株式会社堀場製作所製、LAQUAtwin-Ca-11)で溶液に残存するカルシウムイオン濃度を測定し、捕捉されたカルシウムイオンを算出した。
[分散性]
各重合体をイオン交換水で50質量%になるように溶解し、その後、18質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH7になるように調製した(つまり、中和した)。得られた各重合体の中和水溶液を2.91gと酸化チタン(テイカ(株)社製)28g、イオン交換水39gを200mLのビーカーに入れ、スプーンでかき混ぜてなじませた。その後、ホモディスパー(プライミクス製、HOMOGENIZING DISPER Model 2.5)を用いて4000rpmで10分攪拌し、分散液を取得した。当該分散液を目視により確認し、流動性のある分散液であれば○、凝集し流動しない分散液であれば×と評価した。
[粘度]
各重合体をイオン交換水で50質量%になるように溶解し、その後、18質量%の水酸化ナトリウムでpH7になるように調製した各重合体の中和水溶液を2.91gと酸化チタン(テイカ(株)社製)28g、イオン交換水39gを200mLのビーカーに入れ、スプーンでかき混ぜてなじませた。その後、ホモディスパー(プライミクス製、HOMOGENIZING DISPER Model 2.5)で4,000rpmで10分攪拌し、分散液を取得した。分散液をB型粘度計で測定した。
B型粘度計:BROOKFIELD社製、LV型
温度:25℃
ロータ:LV-3
回転数:20r/min
結果を表1にまとめて示す。
Figure 2024115367000001

Claims (5)

  1. 架橋剤により架橋された、α,β-不飽和カルボン酸化合物の重合体であって、
    当該重合体の絶対分子量が500~20000Daである架橋重合体。
  2. α,β-不飽和カルボン酸化合物が、アクリル酸及びその塩、並びにメタクリル酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の架橋重合体。
  3. α,β-不飽和カルボン酸化合物100質量部に対して、架橋剤が0.05~2質量部の割合で重合した重合体である、請求項1又は2に記載の架橋重合体。
  4. 多価イオンを含有する、波長425nmの光透過率が80%以上の組成物
    の調製用である、
    請求項1又は2に記載の架橋重合体。
  5. 金属酸化物分散組成物調製用である、請求項1又は2に記載の架橋重合体。
JP2023021027A 2023-02-14 2023-02-14 α,β-不飽和カルボン酸化合物の架橋重合体 Pending JP2024115367A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023021027A JP2024115367A (ja) 2023-02-14 2023-02-14 α,β-不飽和カルボン酸化合物の架橋重合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023021027A JP2024115367A (ja) 2023-02-14 2023-02-14 α,β-不飽和カルボン酸化合物の架橋重合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024115367A true JP2024115367A (ja) 2024-08-26

Family

ID=92499168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023021027A Pending JP2024115367A (ja) 2023-02-14 2023-02-14 α,β-不飽和カルボン酸化合物の架橋重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024115367A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1772470B1 (en) Method for producing carboxyl group-containing water-soluble polymer
EP0346834B1 (en) Process for the manufacture of polymers
US9139671B2 (en) Hydrophilic thickening agent and method of producing same
CN107847419B (zh) 凝胶状组合物
JP6359012B2 (ja) 親水性増粘剤及び化粧料組成物
WO2020226040A1 (ja) 粘性組成物
CN108883051B (zh) 凝胶组合物、化妆料、及凝胶组合物的制造方法
US6084032A (en) Carboxylated polymer composition
JP2024115367A (ja) α,β-不飽和カルボン酸化合物の架橋重合体
US6933356B2 (en) Particles of carboxylated polymer
WO2024171785A1 (ja) α,β-不飽和カルボン酸化合物の架橋重合体の製造方法および重合体
CA2806827A1 (en) Process for producing carboxyl-containing polymer composition, and carboxyl-containing polymer composition
CN115380072A (zh) 粘性组合物
CN112888743A (zh) 凝胶状组合物和分散液以及凝胶状组合物的制造方法
KR101062142B1 (ko) 향상된 입자 분산성 및 점도 안정성을 가지는 알칼리 팽윤성 에멀젼 조성물
WO2023074634A1 (ja) 水溶性エチレン性不飽和単量体の重合体、親水性増粘剤、および、粘性組成物
WO2023074635A1 (ja) 水溶性エチレン性不飽和単量体の重合体、親水性増粘剤、および、粘性組成物
JP2023121559A (ja) 粘性組成物
JP2023121557A (ja) 粘性組成物
JP2010202627A (ja) 化粧料
WO2023127737A1 (ja) カルボキシル基含有水溶性共重合体及びその用途
JPS5813609A (ja) 架橋型両性重合体の製造方法
JP2023121560A (ja) 粘性組成物
JP4261307B2 (ja) カルボキシル基含有水溶性重合体の製造方法
JP2012167050A (ja) 水溶性架橋剤