JP2024095299A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】バリア性を保持しながらカット性又は折り曲げ特性の向上が可能な積層体を提供する。【解決手段】一実施形態に係る積層体は、第1面と第2面を有する基材層およびバリア層を有する積層部を備え、基材層は樹脂フィルムであり、積層部は、第1方向に沿って延びる脆化部を有し、脆化部は基材層の前記第1面に溝部を有し、溝部の深さは、基材層の厚さより短く、第1方向に直交する第2方向に対する脆化部の引張破断強度をαとし、脆化部を有しない場合における積層部の記第2方向に対する引張破断強度をβとした場合、強度比であるα/βが、0より大きく且つ0.86以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体に関する。
内容物を密封して収容するための包装体として、たとえば、特許文献1のようなパウチ(三方袋または四方袋の一例)が知られている。上記包装体には、その他、ピロー袋なども挙げられる。更に、容器(カップなど)に対する蓋体なども上記包装体の例に挙げられる。
特開2019-14539号公報
内容物を密封して収容するための包装体には、バリア層を有する積層体(積層シートなど)が用いられる。内容物を密封している包装体から内容物を取り出すためには、包装体の一部をカットして開封する必要がある。包装体が容器に対する蓋体である場合も、たとえば湯切りなどのために蓋体の一部を破断する場合がある。或いは、内容部の包装のために、包装体の一部を折り曲げる必要が生じる場合もある。そのため、上記包装体に使用される積層体には、バリア性を保持しながらカット性又は折り曲げ特性の向上が求められている。
そこで、本発明は、バリア性を保持しながらカット性又は折り曲げ特性の向上が可能な積層体を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る積層体は、第1面と上記第1面と反対に位置する第2面とを有する基材層および上記基材層の第2面に積層されたバリア層を有する積層部を備え、 上記基材層は樹脂フィルムであり、上記積層部は、第1方向に沿って延びる脆化部を有し、上記脆化部は、上記基材層の上記第1面に溝部を有し、上記溝部の深さは、上記基材層の厚さより短く、上記第1方向に直交する第2方向に対する上記脆化部の引張破断強度は、上記脆化部を有しない場合における上記積層部の引張破断強度の、0より大きく且つ0.86以下である。
上記積層体は、基材層とバリア層を含む積層部を有する。積層体は、第1方向に沿って延びる脆化部を有する。脆化部は、基材層を貫通していない溝部を有する。溝部が基材層を貫通していないことから、積層体はバリア性を有する。更に積層部が上記引張破断強度に関する条件を満たしていることから、第1方向に延びた脆化部に沿って積層体をカットする場合にはカット性が向上し、上記脆化部に沿って積層体を折り曲げる場合には折り曲げ特性が向上する。すなわち、積層体は、バリア性を有しながらカット性又は折り曲げ特性の向上も図れている。
上記溝部の最大幅Wに対する上記溝部の深さDの比は0.3以上且つ2.9以下でよい。この場合、上記引張破断強度の条件をより確実に満たすことが可能である。
上記溝部の深さの標準偏差は、1.0以上且つ3.0以下でよい。これにより、脆化部に沿って積層体をカットする場合、安定してカットでき、脆化部に沿って積層体を折り曲げる場合、より折り曲げやすい。
一実施形態に係る積層体は、上記積層部に積層される少なくとも1つの層を更に備え、 上記少なくとも1つの層の材料は、上記樹脂フィルムの材料と同じでよい。この場合、積層体のモノマテリアル化が図られている。よって、積層体の環境への負荷が低減されている。
一実施形態に係る積層体は、上記積層部に積層される紙層を更に備えてもよい。
一実施形態に係る積層体は、上記積層部に積層されており、上記脆化部に対応する部分に表面と裏面の間を貫通している貫通孔が形成された層を有し、上記貫通孔は、厚さ方向から見た場合、上記第1方向に沿って形成されていてもよい。この場合、積層部の他の層を有していても、カット性又は折り曲げ特性の向上が図れている。
本発明によれば、バリア性を保持しながらカット性又は折り曲げ特性の向上が可能な積層体を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体の平面図である。 図2は、図1のII―II線に沿った断面図である。 図3は、変形例1に係る積層体の平面図である。 図4は、変形例2に係る積層体の平面図である。 図5は、変形例3に係る積層体の断面図である。 図6は、変形例4に係る積層体の断面図である。 図7は、変形例5に係る積層体の断面図である。 図8は、引張破断強度測定のための試験片の模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。同一の要素には同一符号を付する。重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致しない。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体の平面図である。図2は、図1のII―I線に沿った断面図である。
積層体(積層部)10は、基材層101と、バリア層102とを有する。積層体10は、たとえばバリアフィルムである。一実施形態において、積層体10は、三方袋、四方袋、ピロー型の袋、ガセット袋のような包装体を構成するための部材(フィルム、シートなど)である。三方袋または四方袋の一例はパウチ(スタンディングパウチも含む)である。積層体10は、容器(カップなど)を封止する蓋体を構成するための部材であってよい。本明細書では、「層」、「膜」、「フィルム」および「シート」は、同一もしくは略同一の意味で用いられる。
基材層101の厚さ方向(基材層101およびバリア層102の積層方向に相当)に直交する2つの方向を第1方向D1および第2方向D2と称す。第1方向D1および第2方向D2は直交している。基材層101の厚さ方向を第3方向D3と称す。たとえば、第1方向D1はMD(Machine Direction)に対応し、第2方向D2はTD(Transverse Direction)に対応する。特に、積層体10を用いてパウチを構成する場合、第1方向D1はMDに対応し、第2方向D2はTDに対応する。
基材層101は、第1面101aと第2面101bとを有する。第2面101bは第1面101aと反対に位置する面である。基材層101は単層である。基材層101は、樹脂フィルム(または樹脂シート)である。基材層101の材料の例はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(NY)、紙である。基材層101の厚さの例は、9μm以上且つ100μm以下である。基材層101の材料が樹脂である場合、基材層101の厚さは、9μm以上且つ40μm以下でよい。基材層101の材料が紙である場合、基材層101の厚さは、30μm以上且つ100μm以下でよい。図1では、基材層101(または積層体10)の平面視形状は矩形である。基材層101の平面視形状は矩形に限定されない。基材層101の平面視形状は、たとえば、正方形でよいし、四角形以外の多角形でもよいし、円形(または楕円形)でもよい。
バリア層102は、第2面101bに積層されている。バリア層102は、たとえば蒸着膜、バリアコート層である。蒸着膜の材料の例は、アルミニウム、アルミナ、シリカ等である。バリアコート層の例は、無機フィラー入りの樹脂層、PVAバインダーからなる層などである。
積層体10は、第1方向D1に沿って延在する脆化部11を有する。脆化部11は、第1方向D1に沿って積層体10を引き裂くための破断線(または破断領域)として機能する。
図1および図2に例示した形態では、脆化部11は、第1面101aに形成されており第1方向D1に沿って延在する溝部111を有する。換言すれば、溝部111が基材層101に形成されていることによって、積層体10は脆化部11を有する。
溝部111の深さD[μm]は、基材層101の厚さT[μm]より短い。すなわち、溝部111は、基材層101を貫通していない。そのため、溝部111は、基材層101に対してハーフカット部でもある。溝部111の深さDの例は、基材層101の厚さTの0.15倍以上且つ0.85倍以下である。深さDの例は、たとえば厚さ12μmのPETフィルムに対して2μm以上且つ10μm以下である。
溝部111の最大幅W[μm]の例は、3μm以上且つ10μm以下(または10μm未満)である。最大幅Wは、3μm以上且つ9μm以下でもよい。
最大幅W[μm]に対する深さD[μm]の比(D/W)は、0.3以上且つ2.9以下である。比(D/W)は、0.4以上且つ2.5以下でもよいし、0.6以上且つ2.0以下でもよい。
溝部111の深さDの標準偏差は、たとえば、1.0以上且つ3.0以下でよい。上記標準偏差は、1.3以上且つ2.7以下でもよいし、1.5以上且つ2.5以下でもよい。
溝部111は、たとえば、肉厚の薄い切削刃、レーザを用いた微細加工によって基材層101の第1面101aに傷加工を施すことによって形成され得る。したがって、溝部111は傷加工部である。
積層体(積層部)10は、脆化部11を有することによって次の引張破断条件をみたす。換言すれば、脆化部11(または溝部111)は次の引張破断条件を満たすように形成されている。
(引張破断条件)
第2方向D2に沿った脆化部11の引張破断強度は、基材層101とバリア層102との積層構造(積層部)において脆化部11を有しない場合の引張破断強度に対し、0より大きく且つ0.86以下である。すなわち、第2方向D2に沿った脆化部11の引張破断強度を着目破断強度α[N/15mm]と称し、基材層101とバリア層102との積層構造(積層部)において脆化部11を有しない場合の引張破断強度を基準破断強度β[N/15mm]と称し、基準破断強度βに対する着目破断強度αの比を強度比(α/β)と称した場合、強度比(α/β)は、0より大きく且つ0.86以下である。
上記引張破断強度は、JIS K7127に準じて測定された値でよい。上記積層構造を有しない場合の引張破断強度は、脆化部11が形成されていない点以外は積層体10と同じ構成を有する積層体(積層部)を準備し、それに対して測定された引張破断強度でもよいし、積層体10において、脆化部11以外の領域を用いて測定された引張破断強度でもよい。
上記強度比(α/β)は、0.07以上(又は0.072以上)でもよいし、0.08以上でもよい。上記強度比(α/β)は、0.858以下(又は0.85以下)もよいし、0.76以下でもよい。上記強度比(α/β)は、たとば、0.07以上且つ0.858以下でもよいし、0.08以上且つ0.76以下でもよい。
積層体10は、たとえば次のようにして製造され得る。ロールツーロール法などによって基材層101を搬送しながら、第2面101bにバリア層102を形成する。バリア層102が蒸着膜の場合は真空蒸着法等で基材層101に蒸着膜を形成すればよい。バリア層102が、バリアコート層である場合、ブレードコーターなどによって形成すればよい。
バリア層102が形成された基材層101を更に搬送しながら、切削刃またはレーザを用いた微細加工によって、基材層101に溝部111を形成する。これによって、溝部111としての脆化部11を有する積層体10が得られる。溝部111は、たとえば、バリア層102が基材層101に形成される前に基材層101に形成されてもよい。
積層体10は、基材層101とバリア層102の積層構造(積層部)を有する。積層体10は、第1方向D1に延在する脆化部11を有する。本実施形態において、脆化部11は、基材層101を貫通していない溝部111を有する。溝部111が基材層101を貫通していないことから、積層体10はバリア性を有する。
積層体10に対する上記強度比(α/β)は、0より大きく且つ0.86以下である。すなわち、積層体10は、上記「引張破断条件」を満たす。これにより、第1方向D1に延びた脆化部11に沿って積層体10をカットする場合のカット性の向上又は脆化部11に沿って積層体10を折り曲げる場合の折り曲げ特性の向上(換言すれば、折り曲げ易さの向上)が図れている。すなわち、積層体10は、バリア性を有しながらカット性又は折り曲げ特性の向上が図れている。
三方袋、四方袋、ピロー型の袋、ガセット袋等のような包装体は、内容物を収容した後に密封される場合がある。このように内容物を密閉した包装体からユーザが内容物を取り出す場合、包装体の開封のために包装体の一部をカットする。上記積層体10は、バリア性を有しながらカット性の向上が図れているので、上記包装体を構成する部材として好適に使用できる。包装体によっては、包装体の一部を折り曲げる必要がある。折り曲げ箇所が必要な包装体の例は、折り曲げるためのタブを有する蓋体である。上記積層体10は、バリア性を有しながら折り曲げ特性の向上が図れているので、折り曲げ箇所が必要な包装体にも好適に使用できる。
包装体を構成する部材として積層体10を使用する場合、積層体10は、たとえば、包装体の表面シートおよび裏面シートの少なくとも一方に用いられてもよいし、表面シートおよび裏面シートの少なくとも一方として用いられてもよい。このように包装体に積層体10を使用する場合、上記脆化部11は開封予定線として機能する。積層体10が適用される包装体は、容器を封止するための蓋体でもよい。
溝部111の最大幅Wに対する深さDの比(D/W)が、0.3以上且つ2.9以下である場合、上記「引張破断条件」を満たしやすい。
溝部111の深さDの標準偏差が1.0以上且つ3.0以下である場合、脆化部11の延在方向に沿って安定して積層体10をカットし易い、または、脆化部11を利用して積層体10を折り曲げやすい。
(変形例1)
図3は、変形例1に係る積層体の平面図である。図3に示した積層体10Aは、脆化部11の代わりに脆化部11Aを備える点で積層体10と相違する。この相違点を中心にして積層体10Aを説明する。
脆化部11Aは、第1方向D1に沿った仮想線VL上に、複数の溝部111を有する。複数の溝部111は仮想線VL上に離散的に配置されている。すなわち、積層体10Aには、破線状またはミシン目状に傷加工が施されている。
溝部111の構成は、図1および図2を用いて説明した溝部111と同じである。従って、比(D/W)は、たとえば、0.3以上且つ2.9以下である。比(D/W)は、0.4以上且つ2.5以下でもよいし、0.6以上且つ2.0以下でもよい。溝部111の深さの標準偏差は、たとえば、1.0以上且つ3.0以下でもよい。
脆化部11Aを有する積層体10Aも上記「引張破断条件」を満たす。換言すれば、積層体10Aが上記「引張破断条件」を満たすように複数の溝部111が形成されている。
積層体10Aも上記「引張破断条件」を満たすことから、積層体10Aは、積層体10の場合と同様に、バリア性を保持しながらカット性又は折り曲げ特性の向上が図れている。
溝部111の構成は、図1および図2を用いて説明した溝部111と同じであることから、比(D/W)および深さDの標準偏差が例示した範囲を満たす場合、積層体10において説明した場合と同様の作用効果を有する。
(変形例2)
図4は、変形例2に係る積層体の平面図である。図4に示した積層体10Bは、脆化部11の代わりに脆化部11Bを備える点で積層体10と相違する。この相違点を中心にして積層体10Bを説明する。
脆化部11Bは、曲線状の溝部111を有する。一例において、溝部111は、第1方向D1に沿った仮想線VLに対して一定の振幅で変動するサイン波状(またはコサイン波状)でもよい。積層体10Bにおいて脆化部11Bは、図4において一点鎖線で示した矩形領域である。図4に示した形態では、脆化部11Bの第2方向D2の幅は、曲線状の溝部111の最大変動幅(仮想線VLに対する振幅の倍)である。
溝部111の構成は、図1および図2を用いて説明した溝部111と同じである。従って、比(D/W)は、たとえば、0.3以上且つ2.9以下である。比(D/W)は、0.4以上且つ2.5以下でもよいし、0.6以上且つ2.0以下でもよい。溝部111の深さの標準偏差は、たとえば、1.0以上且つ3.0以下でもよい。
脆化部11Bを有する積層体10Bも上記「引張破断条件」を満たす。換言すれば、積層体10Bが上記「引張破断条件」を満たすように曲線状の溝部111が形成されている。
積層体10Bも上記「引張破断条件」を満たすことから、積層体10Bは、積層体10の場合と同様に、バリア性を保持しながらカット性又は折り曲げ特性の向上が図れている。
溝部111の構成は、図1および図2を用いて説明した溝部111と同じであることから、比(D/W)および深さDの標準偏差が例示した範囲を満たす場合、積層体10において説明した場合と同様の作用効果を有する。
(変形例3)
図5は、変形例3に係る積層体の断面図である。図5は、第1方向D1に直交する積層体の断面構成を示している。図5に示した積層体10Cは、積層部100と、第1層103とを備える。積層部100は、図1に示した積層体10に相当する。すなわち、積層体10Cは、図1に示した積層体10に第1層103が更に積層された構成を有する。
前述したように、積層部100は、図1に示した積層体10に相当する。よって、積層部100は、基材層101と、バリア層102と、脆化部11とを有する。脆化部11は溝部111を有する。基材層101、バリア層102、脆化部11および溝部111の構成は、図1に示した積層体10の場合と同じであることから説明を省略する。
第1層103は、バリア層102上に積層されている。第1層103はたとえば樹脂層である。
第1層103の材料が基材層101と同じ樹脂である場合、積層体10はモノマテリアル化が図られた部材(モノマテリアル部材)である。そのため、積層体10の環境への負荷の低減が図れている。
第1層103は、シーラント層(樹脂層)でもよい。シーラント層としての第1層103の材料には、シーラント層の材料として公知の材料が用いられる。この場合、積層体10同士、或いは、積層体10を他の部材にヒートシールによって接合可能である。
積層体10Cは、積層部100を有する。積層部100は、前述したように、図1および図2に示した積層体10に相当する。よって、積層体10Cは、積層体10と同様の作用効果を有する。
(変形例4)
図6は、変形例4に係る積層体の断面図である。図6は、第1方向D1に直交する積層体の断面構成を示している。図6に示した積層体10Dは、第2層104を更に備える点で、図5に示した積層体10Cと相違する。この相違点を中心にして積層体10Dを更に説明する。
第2層104は、基材層101においてバリア層102と反対側に設けられている。第2層104は、紙層である。
第2層104を構成する紙は、例えば上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、和紙、模造紙、クラフト紙等である。紙層は、再生紙によって構成されてもよい。第2層104が紙層である場合、プラスチックの使用量の低減が図れるので、積層体10Dは環境への負荷が低減された部材である。特に、紙層(第2層104)の質量が、たとえば、積層体10Dを構成する各層の合計質量(すなわち、積層体10Dの総質量)の50%より大きい場合、積層体10Dは紙製の積層体である。そのため、積層体10Dの構成は環境への負荷低減に資する。
積層体10Dは、積層部100を有する。積層部100は、図1および図2に示した積層体10に相当する。よって、積層体10Dは、積層体10と同様の作用効果を有する。
(変形例5)
図7は、変形例5に係る積層体の断面図である。図7は、第1方向D1に直交する積層体の断面構成を示している。図7に示した積層体10Eは、第2層104に貫通孔12が形成されている点で、積層体10Dと相違する。上記相違点を中心にして積層体10Eを更に説明する。
貫通孔12は、厚さ方向(第3方向D3)において第2層104の表面と裏面との間を貫通している。貫通孔12は、溝部111(または脆化部11)に対応する位置に形成されている。貫通孔12は、第3方向D3からみた場合、第1方向D1に沿って延在している。
第2層104が、貫通孔12を有することから、積層体10Eが積層部100以外の層を有していてもカット性又は折り曲げ特性の向上が図れている。
積層体10Eは、積層部100を有する。積層部100は、前述したように、図1および図2に示した積層体10に相当する。よって、積層体10Eは、積層体10と同様の作用効果を有する。
以上、本発明に係る積層体の種々の実施形態および変形例を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲により示される範囲が含まれることが意図されると共に、特許請求の範囲を均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
たとえば、積層体が積層部の他に層を有する場合の形態は、変形例4~7に例示した形態に限定されない。積層体は、積層部と、少なくとも1つの層を有してもよい。したがって、たとえば、変形例6または変形例7において、積層体は、バリア層側の層(変形例6,7における第1層103)を有しなくてもよい。積層体が上記少なくとも1つの層を有する場合、積層体は、積層部の他に3つ以上の層を有してもよい。積層体が複数の層を有する場合、複数の層はたとえば接着層によって接合されてもよい。積層体は、印刷層を備えてもよい。
例示した実施形態および変形例は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜組合わされてもよい。
実施例を用いて本発明を更に説明する。本発明は以下に説明する実施例に限定されない。
[実施例1a~1d]
実施例1a~1dの積層体は溝部の条件が異なる点以外は同じ構成を有していた。実施例1a~1dの積層体における共通の構成(以下、「第1基本構成」と称す)を説明する。
<実施例1a~1dの基本構成(第1基本構成)>
実施例1a~1dの積層体は、図1および図2に示したように、基材層と、バリア層とを有していた。基材層は、厚さ12μmのPETフィルムであった。バリア層は、基材層の裏面(第2面)に形成されていた。バリア層は、蒸着層であった。
図1に示したように、基材層の表面(バリア層と反対の面)には、第1方向D1に沿って溝部が形成されていた。積層体の厚さ方向(第3方向D3)からみて溝部は、積層体の第1方向D1の全長に渡って直線状に形成されていた。これにより、実施例1a~1dの積層体は、第1方向D1に沿った脆化部を有していた。
実施例1a~1dの積層体は、真空蒸着法によってバリア層を基材層に形成した後、基材層において、バリア層と反対側に上記溝部を形成することによって製造された。上記溝部は、株式会社トーコー製の間欠ミシン機に、肉厚の非常に薄い切削刃をセットし、基材層の表面に傷加工を施すことによって形成されていた。
次に、実施例1a~1dが有していた溝部の条件である最大幅Wと深さDを説明する。実施例1a~1dの溝部の条件(最大幅Wと深さD)は、切削刃を基材層の表面に侵入させる量を変更することによって調整されていた。
<最大幅W及び深さDの測定方法>
最大幅W及び深さDは、キーエンス社製のマイクロスコープ(VHX-2000)を用いた顕微鏡断面観察によって測定した。具体的には、溝部を含むように測定用の試験片を積層体から切り出した。切り出された試験片に対して、キーエンス社製のマイクロスコープ(VHX-2000)を用いた顕微鏡断面観察を実施して、最大幅W及び深さDを測定した。基材層の表面(バリア層と反対側の面)における溝部の幅を最大幅Wとして採用した。
(実施例1aの溝部)
実施例1aにおいて、溝部の最大幅Wは5μmであり、深さDは2μmであった。したがって、実施例1aの溝部の最大幅Wに対する深さDの比(D/W)は、0.4であった。基材層の厚み(12μm)と上記深さDより、脆化部の厚み(溝部を除いた基材層の厚み)は10μmであった。実施例1aの溝部は、図2に示したように、基材層を貫通していなかった。
(実施例1bの溝部)
実施例1bにおいて、溝部の最大幅Wは5μmであり、溝部の深さDは6μmであった。したがって、実施例1bにおいて、上記比(D/W)は1.2であった。基材層の厚み(12μm)と上記深さDより、脆化部の厚みは6μmであった。実施例1bの溝部も基材層を貫通していなかった。
(実施例1cの溝部)
実施例1cにおいて、溝部の最大幅Wは5μmであり、深さDは8μmであった。したがって、実施例1cにおいて、上記比(D/W)は1.6であった。基材層の厚み(12μm)と上記深さDより、脆化部の厚みは4μmであった。実施例1cの溝部も基材層を貫通していなかった。
(実施例1dの溝部)
実施例1dにおいて、溝部の最大幅Wは5μmであり、深さDは10μmであった。したがって、実施例1dにおいて、上記比(D/W)は2.0であった。基材層の厚み(12μm)と上記深さDより、脆化部の厚みは2μmであった。実施例1dの溝部も基材層を貫通していなかった。
[実施例2a~2c]
実施例2a~2cの積層体は溝部の条件が異なる点以外は同じ構成を有していた。実施例2a~2cの積層体における共通の構成(以下、「第2基本構成」と称す)を説明する。
<実施例2a~2cの基本構成(第2基本構成)>
第2基本構成は、厚さ12μmのPETフィルムの代わりに厚さ30μmのPEフィルムを用いた点以外は、第1基本構成と同じであった。
次に、実施例2a~2cが有していた溝部の条件である最大幅W及び深さDを説明する。実施例2a~2cの溝部の条件(最大幅Wと深さD)は、切削刃を基材層の表面に侵入させる量を変更することによって調整されていた。最大幅W及び深さDの測定方法は、上記<最大幅W及び深さDの測定方法>において説明した方法と同じであった。
(実施例2aの溝部)
実施例2aにおいて、溝部の最大幅Wは6μmであり、深さDは15μmであった。したがって、実施例2aの溝部の最大幅Wに対する深さDの比(D/W)は2.5であった。基材層の厚み(30μm)と上記深さDより、脆化部の厚み(溝部を除いた基材層の厚み)は15μmであった。実施例2aの溝部も基材層を貫通していなかった。
(実施例2bの溝部)
実施例2bにおいて、溝部の最大幅Wは7μmであり、深さDは20μmであった。したがって、実施例2bにおいて、上記比(D/W)は2.9であった。基材層の厚み(30μm)と上記深さDより、脆化部の厚みは10μmであった。実施例2bの溝部も基材層を貫通していなかった。
(実施例2cの溝部)
実施例2cにおいて、溝部の最大幅Wは10μmであり、深さDは25μmであった。したがって、実施例2cにおいて、上記比(D/W)は2.5であった。基材層の厚み(30μm)と上記深さDより、脆化部の厚みは5μmであった。実施例2cの溝部も基材層を貫通していなかった。
[実施例3a~3c]
実施例3a~3cの積層体は溝部の条件が異なる点以外は同じ構成を有していた。実施例3a~3cの積層体における共通の構成(以下、「第3基本構成」と称す)を説明する。
<実施例3a~3cの基本構成(第3基本構成)>
第3基本構成は、厚さ12μmのPETフィルムの代わりに厚さ20μmのOPPフィルムを用いた点以外は、第1基本構成と同じであった。
次に、実施例3a~3cが有していた溝部の条件である最大幅Wと深さDを説明する。実施例3a~3cの溝部の条件(最大幅W及び深さD)は、切削刃を基材層の表面に侵入させる量を変更することによって調整されていた。最大幅W及び深さDの測定方法は、上記<最大幅W及び深さDの測定方法>において説明した方法と同じであった。
(実施例3aの溝部)
実施例3aにおいて、溝部の最大幅Wは5μmであり、溝部の深さDは5μmであった。したがって、実施例3aの溝部の最大幅Wに対する深さDの比(D/W)は1.0であった。基材層の厚み(20μm)と上記深さDより、脆化部の厚み(溝部を除いた基材層の厚み)は15μmであった。実施例3aの溝部も基材層を貫通していなかった。
(実施例3bの溝部)
実施例3bにおいて、溝部の最大幅Wは5μmであり、溝部の深さDは10μmであった。したがって、実施例3bにおいて、上記比(D/W)は2.0であった。基材層の厚み(20μm)と上記深さDより、脆化部の厚みは10μmであった。実施例3bの溝部も基材層を貫通していなかった。実施例3bの溝部も基材層を貫通していなかった。
(実施例3cの溝部)
実施例3cにおいて、溝部の最大幅Wは7μmであり、深さDは18μmであった。したがって、実施例3cにおいて、上記比(D/W)は2.6であった。基材層の厚み(20μm)と上記深さDより、脆化部の厚みは2μmであった。実施例3cの溝部も基材層を貫通していなかった。
[実施例4a,4b]
実施例4a,4bの積層体は溝部の条件が異なる点以外は同じ構成を有していた。実施例4a,4bの積層体における共通の構成(以下、「第4基本構成」と称す)を説明する。
<実施例4a,4bの基本構成(第4基本構成)>
第4基本構成は、厚さ12μmのPETフィルムの代わりに厚さ15μmのNYフィルムを用いた点以外は、第1基本構成と同じであった。
次に、実施例4a,4bが有していた溝部の条件である最大幅Wと深さDを説明する。実施例4a,4bの溝部の条件(最大幅Wと深さD)は、切削刃を基材層の表面に侵入させる量を変更することによって調整されていた。最大幅W及び深さDの測定方法は、上記<最大幅W及び深さDの測定方法>において説明した方法と同じであった。
(実施例4aの溝部)
実施例4aにおいて、溝部の最大幅Wは5μmであり、深さDは5μmであった。したがって、実施例4aの溝部の最大幅Wに対する深さDの比(D/W)は1.0であった。基材層の厚み(15μm)と上記深さDより、脆化部の厚み(溝部を除いた基材層の厚み)は10μmであった。実施例4aの溝部も基材層を貫通していなかった。
(実施例4bの溝部)
実施例4bにおいて、溝部の最大幅Wは6μmであり、溝部の深さDは13μmであった。したがって、実施例4bにおいて、上記比(D/W)は2.2であった。基材層の厚み(15μm)と上記深さDより、脆化部の厚みは2μmであった。実施例4bの溝部も基材層を貫通していなかった。
(比較例1)
比較例1の積層体は、溝部の最大幅Wが20μmであり且つ深さDが1μmであった点以外は、実施例1a~1dの積層体と同じであった。比較例1において、上記最大幅Wに対する深さDの比(D/W)は0.1であった。比較例1においても、切削刃を基材層の表面に侵入させる量を変更することによって調整されていた。最大幅W及び深さDの測定方法は、上記<最大幅W及び深さDの測定方法>において説明した方法と同じであった。基材層の厚み(12μm)と上記深さDより、脆化部の厚み(溝部を除いた基材層の厚み)は11μmであった。比較例1の溝部も基材層を貫通していなかった。
(比較例2)
比較例2の積層体は、溝部の最大幅Wが20μmであり且つ深さDが2μmであった点以外は、実施例2a~2cの積層体と同じであった。比較例2において、上記最大幅Wに対する深さDの比(D/W)は0.1であった。比較例2においても、切削刃を基材層の表面に侵入させる量を変更することによって調整されていた。最大幅W及び深さDの測定方法は、上記<最大幅W及び深さDの測定方法>において説明した方法と同じであった。基材層の厚み(30μm)と上記深さDより、脆化部の厚み(溝部を除いた基材層の厚み)は28μmであった。比較例2の溝部も基材層を貫通していなかった。
(比較例3)
比較例3の積層体は、溝部の最大幅Wが20μmであり且つ深さDが4μmであった点以外は、実施例3a~3cの積層体と同じであった。比較例3において、上記最大幅Wに対する深さDの比(D/W)は0.2であった。比較例3においても、切削刃を基材層の表面に侵入させる量を変更することによって調整されていた。最大幅W及び深さDの測定方法は、上記<最大幅W及び深さDの測定方法>において説明した方法と同じであった。基材層の厚み(20μm)と上記深さDより、脆化部の厚み(溝部を除いた基材層の厚み)は16μmであった。比較例3の溝部も基材層を貫通していなかった。
(比較例4)
比較例4の積層体は、溝部の最大幅Wが20μmであり且つ深さDが4μmであった点以外は、実施例4a,4bの積層体と同じであった。比較例4において、上記最大幅Wに対する深さDの比(D/W)は0.2であった。比較例4においても、切削刃を基材層の表面に侵入させる量を変更することによって調整されていた。基材層の厚み(15μm)と上記深さDより、脆化部の厚み(溝部を除いた基材層の厚み)は11μmであった。最大幅W及び深さDの測定方法は、上記<最大幅W及び深さDの測定方法>において説明した方法と同じであった。比較例4の溝部も基材層を貫通していなかった。
(参考例1~4)
参考例1の積層体は溝部を有しない点以外は実施例1a~1d及び比較例1と同じであった。すなわち、参考例1の積層体の構成は、第1基本構成であった。
参考例2の積層体は、溝部を有しない点以外は実施例2a~2c及び比較例2と同じであった。すなわち、参考例2の積層体の構成は、第2基本構成であった。
参考例3の積層体は、溝部を有しない点以外は実施例3a~3c及び比較例3と同じであった。すなわち、参考例3の積層体の構成は、第3基本構成であった。
参考例4の積層体は、溝部を有しない点以外は実施例4a,4b及び比較例4と同じであった。すなわち、参考例4の積層体の構成は、第4基本構成であった。
<引張破断強度測定>
実施例1a~1d、実施例2a~2c、実施例3a~3c、実施例4a,4b及び比較例1~4の積層体における第1方向D1及び第2方向D2に沿った引張破断強度を、JIS K7127に準じて測定した。以下、第1方向D1に沿った引張破断強度を「MD破断強度」と称し、第2方向D2に沿った引張破断強度を「TD破断強度」と称す。実施例1a~1d、実施例2a~2c、実施例3a~3c及び実施例4a,4bを「実施例1a~4b」と称す場合もある。
測定には、実施例1a~4b及び比較例1~4の積層体であって、前述したように断面測定観察を実施した(すなわち、断面観察用の試験片を切り出した)積層体を使用した。
(測定方法)
測定対象の積層体から、引張破断強度測定のために、図8に示した矩形の試験片20を切り出した。図8では、説明の便宜のため。図1等と同様に溝部を「溝部111」として図示している。試験片20の短辺方向の長さは15mmであり、長辺方向の長さは50mmであった。測定対象の積層体のうち、断面観察用の試験片の切り出し領域に隣接した領域から、図8に示したように溝部111が長辺中央に位置するように、試験片20を切り出した。したがって、試験片20の短辺方向は第1方向D1に対応し、長手方向は第2方向D2に対応した。測定対象の積層体からは、MD破断強度の測定用の試験片20とTD破断強度の測定用の試験片20を切り出した。MD破断強度の測定用の試験片20の切り出し位置は、断面観察用の試験片の切り出し領域に隣接していた。TD破断強度の測定用の試験片20の切り出し位置は、断面観察用の試験片の切り出し領域からみてMD破断強度の測定用の試験片20の切り出し位置と反対側において、断面観察用の試験片の切り出し領域に隣接していた。
測定対象の積層体から切り出した2つの試験片20のうちの一方を、MD破断強度の測定に対応するように引張試験機にセットして、300mm/minの速度で引張り、破断した時の強度を測定し、測定結果をMD破断強度として採用した。引張試験機には、島津製作所製AUTOGRAPH(型番AG-IS)を用いた。
測定対象の積層体から切り出した2つの試験片20のうちの他方を、TD破断強度の測定に対応するように上記引張試験機にセットした点以外は、MD破断強度の測定の場合と同じ測定方法(同じ条件)で、引張破断強度を測定し、測定結果をTD破断強度として採用した。
実施例1a~4b及び比較例1~4の積層体を、上記測定対象の積層体とすることによって、実施例1a~4b及び比較例1~4の積層体のMD破断強度及びTD破断強度の測定結果を得た。
参考例1~4の積層体におけるMD破断強度及びTD破断強度を測定した。具体的には、参考例1~4の積層体から、MD破断強度及びTD破断強度の測定のために2つの試験片を切り出した。各試験片の形状及び大きさは試験片20と同じであった。参考例1~4の積層体は、溝部111を有しないため、参考例1~4の積層体から切り出された2つの試験片も溝部111を有しなかった。参考例1~4の積層体において、2つの試験片の切り出し位置は、実施例1a~1d、実施例2a~2c等の積層体における2つの試験片20の切り出し位置と同じであった。
参考例1~4の積層体それぞれから切り出した2つの試験片を利用して、実施例1a4b等の場合と同様にして、MD破断強度及びTD破断強度の測定結果を得た。
<強度比の算出>
参考例1の積層体は溝部を有しない点(すなわち、脆化部を有しない点)以外は実施例1a~1d及び比較例1の積層体と同じであった。そのため、参考例1の積層体に対して得られたTD破断強度は、実施例1a~1d及び比較例1の積層体が脆化部を有しない場合の基準破断強度βに対応する。よって、参考例1の積層体に対して得られたTD破断強度(基準破断強度β)と、実施例1a~1d及び比較例1の積層体に対して得られたTD破断強度(着目破断強度α)それぞれとの強度比を、実施例1a~1d及び比較例1の積層体において、脆化部が形成されていない場合と脆化部が形成されている場合の強度比(α/β)として採用した。
参考例2の積層体は溝部を有しない点(すなわち、脆化部を有しない点)以外は実施例2a~2c及び比較例2の積層体と同じであった。そのため、参考例2の積層体に対して得られたTD破断強度は、実施例2a~2c及び比較例2の積層体が脆化部を有しない場合の基準破断強度βに対応する。よって、参考例2の積層体に対して得られたTD破断強度(基準破断強度β)と、実施例2a~2c及び比較例2の積層体に対して得られたTD破断強度(着目破断強度α)それぞれとの強度比を、実施例2a~2c及び比較例2の積層体において、脆化部が形成されていない場合と脆化部が形成されている場合の強度比(α/β)として採用した。
参考例3の積層体は溝部を有しない点(すなわち、脆化部を有しない点)以外は実施例3a~3c及び比較例3の積層体と同じであった。そのため、参考例3の積層体に対して得られたTD破断強度は、実施例3a~3c及び比較例3の積層体が脆化部を有しない場合の基準破断強度βに対応する。よって、参考例3の積層体に対して得られたTD破断強度(基準破断強度β)と、実施例3a~3c及び比較例3の積層体に対して得られたTD破断強度(着目破断強度α)それぞれとの強度比を、実施例3a~3c及び比較例3の積層体において、脆化部が形成されていない場合と脆化部が形成されている場合の強度比(α/β)として採用した。
参考例4の積層体は溝部を有しない点(すなわち、脆化部を有しない点)以外は実施例4a,4b及び比較例4の積層体と同じであった。そのため、参考例4の積層体に対して得られたTD破断強度は、実施例4a,4b及び比較例4の積層体が脆化部を有しない場合の基準破断強度βに対応する。よって、参考例4の積層体に対して得られたTD破断強度(基準破断強度β)と、実施例4a,4b及び比較例4の積層体に対して得られたTD破断強度(着目破断強度α)それぞれとの強度比を、実施例4a,4b及び比較例4の積層体において、脆化部が形成されていない場合と脆化部が形成されている場合の強度比(α/β)として採用した。
<カット実験>
実施例1a~4b及び比較例1~4の積層体を用いてパウチを構成した場合に実際にカット可能か否かの実験(カット実験)を以下のように行った。
カット実験に使用した実施例1a~4b及び比較例1~4の積層体は、MD破断強度(又はTD破断強度)の測定に使用した実施例1a~4b及び比較例1~4の積層体と同様の製造条件で製造された積層体であった。カット実験の方法は、実施例1a~4b及び比較例1~4において同じであった。
<カット実験の方法>
パウチにおいて積層体は重ねられている。そのため、パウチの構成のモデルとして、溝部が重なるように折り曲げた積層体を使用した。溝部が重なるように折り曲げた積層体を両手でもち、上記折り曲げられれた積層体を溝部に沿って手でカットできるかを評価した。
カット実験では、手でカットできた場合を「可」と評価し、手でカットできなかった場合を「否」と評価した。
<測定結果>
実施例1a~4b及び比較例1~4の積層体に対する最大幅W、深さD、MD破断強度及びTD破断強度の測定結果並びに、参考例1~4の積層体に対するMD破断強度及びTD破断強度の測定結果を表1~表4に示した。表1~表4では、最大幅Wに対する深さDの比(D/W)の算出結果の算出結果及びカット実験の評価結果も示した。
具体的には、表1は、第1基本構成を有する実施例1a~1d、比較例1及び参考例1の積層体に対する結果を示している。表2は、第2基本構成を有する実施例2a~2c、比較例2及び参考例2の積層体に対する結果を示している。表3は、第3基本構成を有する実施例3a~3c、比較例3及び参考例3の積層体に対する結果を示している。表4は、第4基本構成を有する実施例4a,4b、比較例4及び参考例4の積層体に対する結果を示している。
表1~表4では、強度比の算出結果も示した。
表1の強度比は、参考例1のTD破断強度に対する実施例1a~1d及び比較例1それぞれのTD破断強度の比である。たとえば、実施例1aの強度比は、実施例1aのTD破断強度を、参考例1のTD破断強度で除した値である。
表2の強度比は、参考例2のTD破断強度に対する実施例2a~2c及び比較例2それぞれのTD破断強度の比である。たとえば、実施例2aの強度比は、実施例2aのTD破断強度を、参考例2のTD破断強度で除した値である。
表3の強度比は、参考例3のTD破断強度に対する実施例3a~3c及び比較例3それぞれのTD破断強度の比である。たとえば、実施例3aの強度比は、実施例3aのTD破断強度を、参考例3のTD破断強度で除した値である。
表4の強度比は、参考例4のTD破断強度に対する実施例4a,4b及び比較例4それぞれのTD破断強度の比である。たとえば、実施例4aの強度比は、実施例4aのTD破断強度を、参考例4のTD破断強度で除した値である。



表1~表4に示したように、実施例1a~4bでは、強度比は、0より大きく且つ0.86以下である。これに対して、比較例1~4では、強度比は、0.86を超えていた。具体的には、比較例1~4では、0.87以上であった。
表1に示したように、第1基本構成を有する実施例1a~1dの積層体のMD破断強度は、第1基本構成を有する比較例1の積層体のMD破断強度より小さかった。更に、実施例1a~1dの積層体に対して実施した上記カット実験では、積層体を手でカットできたのに対して、比較例1の積層体に対して実施した上記カット実験では、積層体を手でカットできなかった。
表2に示したように、第2基本構成を有する実施例2a~2cの積層体のMD破断強度は、第2基本構成を有する比較例2の積層体のMD破断強度より小さかった。更に、実施例2a~2cの積層体に対して実施した上記カット実験では、積層体を手でカットできたのに対して、比較例2の積層体に対して実施した上記カット実験では、積層体を手でカットできなかった。
表3に示したように、第3基本構成を有する実施例3a~3cの積層体のMD破断強度は、第3基本構成を有する比較例3の積層体のMD破断強度より小さかった。更に、実施例3a~3cの積層体に対して実施した上記カット実験では、積層体を手でカットできたのに対して、比較例3の積層体に対して実施した上記カット実験では、積層体を手でカットできなかった。
表4に示したように、第4基本構成を有する実施例4a,4bの積層体のMD破断強度は、第4基本構成を有する比較例4の積層体のMD破断強度より小さかった。更に、実施例4a,4bの積層体に対して実施した上記カット実験では、積層体を手でカットできたのに対して、比較例4の積層体に対して実施した上記カット実験では、積層体を手でカットできなかった。
したがって、上記強度比が0より大きく且つ0.86以下である場合、すなわち、脆化部を有しない場合の第2方向D2に沿った引張破断強度(基準破断強度β)と、脆化部を有する場合の第2方向D2に沿った引張破断強度(着目破断強度α)との強度比(α/β)が0より大きく且つ0.86以下である場合、カット性の向上が図れていた。
前述したように、実施例1a~4bの積層体において溝部は基材層を貫通していなかった。そのため、バリア層に傷がつくこともなく、バリア層はバリア機能を維持できていた。よって、実施例1a~4bの積層体はバリア性を保持できていた。
以上のことから、上記強度比が0より大きく且つ0.86以下である場合、バリア性を保持しながら、カット性の向上が可能であることが理解できる。
表1~表4に示したように、溝部の最大幅に対する深さの比が0.3以上且つ2.9以下であれば、同じ基本構成を有する一方、溝部の最大幅に対する深さの比が上記範囲を満たさない場合より、小さいTD破断強度を実現できる。そのため、溝部の最大幅に対する深さの比が0.3以上且つ2.9以下であれば、カット性の向上が図れることがわかった。更に、表1~表4より、溝部の最大幅に対する深さの比が0.3以上且つ2.9以下であれば、0より大きく且つ0.86以下である上記強度比を実現できていた。
10,10A,10B,10C,10D,10E…積層体、11,11A,11B…脆化部、12…貫通孔、100…積層部、101…基材層、102…バリア層、101a…第1面、101b…第2面、103…第1層(少なくとも1つの層)、104…第2層(紙層、貫通孔が形成された層)、111…溝部、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向(厚さ方向)。

Claims (6)

  1. 第1面と前記第1面と反対に位置する第2面とを有する基材層および前記基材層の第2面に積層されたバリア層を有する積層部を備え、
    前記基材層は樹脂フィルムであり、
    前記積層部は、第1方向に沿って延びる脆化部を有し、
    前記脆化部は、前記基材層の前記第1面に溝部を有し、
    前記溝部の深さは、前記基材層の厚さより短く、
    前記第1方向に直交する第2方向に対する前記脆化部の引張破断強度をα[N/15mm]とし、前記脆化部を有しない場合における前記積層部の前記第2方向に対する引張破断強度をβ[N/15mm]とした場合、強度比であるα/βが、0より大きく且つ0.86以下である、
    積層体。
  2. 前記溝部の最大幅に対する前記溝部の深さの比が0.3以上且つ2.9以下である、
    請求項1に記載の積層体。
  3. 前記溝部の深さの標準偏差は、1.0以上且つ3.0である、
    請求項1に記載の積層体。
  4. 前記積層部に積層される少なくとも1つの層を更に備え、
    前記少なくとも1つの層の材料は、前記樹脂フィルムの材料と同じである、
    請求項1~3の何れか1項に記載の積層体。
  5. 前記積層部に積層される紙層を更に備える、
    請求項1~3の何れか1項に記載の積層体。
  6. 前記積層部に積層されており、前記脆化部に対応する部分に表面と裏面の間を貫通している貫通孔が形成された層を有し、
    前記貫通孔は、厚さ方向から見た場合、前記第1方向に沿って形成されている、
    請求項1~3の何れか1項に記載の積層体。
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