JP2024072451A - 光学フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】指紋等の汚れが付着した場合の汚れが目立ち難く、かつ付着した汚染物質の拭き取り除去性に優れる光学フィルムを提供する。【解決手段】光学フィルム(100)は、透明フィルム基材(10)の一主面上にハードコート層(11)を備え、ハードコート層上の最表面層として防汚層(7)を備える。光学フィルムの反射率は1%以上である。光学フィルムは、防汚層側の面のオレイン酸接触角が70°以上であり、防汚層側の面の算術平均高さSaが0.1~1μmである。【選択図】図1

Description

本発明は、防汚層を備える光学フィルムに関する。さらに、本発明は、当該光学フィルムを備える画像表示装置に関する。
画像表示装置の最表面に配置される反射防止フィルムや飛散防止フィルム、窓ガラスやショーウィンドウに貼り合わせられるウインドウフィルム等の光学フィルムは、外部から接触可能な状態で使用されるため、指紋や手垢等による汚染の影響を受けやすい。そのため、外部環境からの汚染防止や、付着した汚染物質の除去を容易とする目的で、防汚層が設けられている。
例えば、特許文献1には、ハードコートフィルム上に、屈折率が異なる複数の薄膜の積層体からなる反射防止層を備え、反射防止層上に防汚層を備える光学フィルムが開示されている。特許文献2には、ハードコートフィルム上に、無機酸化物の下地層を備え、下地層上に防汚層を備える光学フィルムが開示されている。
国際公開第2021/106797号 国際公開第2022/014570号
光学フィルムの最表面に防汚層が設けられていることにより、指紋等の汚染物質の付着を防止できるが、汚染物質の付着を完全に防止できるわけではない。特許文献1に記載されているように、屈折率が異なる複数の薄膜の積層体からなる反射防止層上に防汚層を備える光学フィルムは、低反射率であるために外光の映り込みが小さく視認性に優れているが、指紋汚れが付着した際に、汚れが目立ちやすい。特許文献2に記載されている光学フィルムは、指紋汚れの拭き取り除去性が十分ではない。
本発明は、指紋等の汚れが付着した場合の汚れが目立ち難く、かつ付着した汚染物質の拭き取り除去性に優れる光学フィルムの提供を目的とする。
本発明の一実施形態にかかる光学フィルムは、透明フィルム基材の一主面上にハードコート層を備え、ハードコート層上の最表面層として防汚層を備える。光学フィルムは、ハードコート層と防汚層との間に、光学調整層を備えていてもよい。
光学フィルムは、防汚層側の面のオレイン酸接触角が70°以上であり、防汚層側の面の算術平均高さSaが0.1~1μmであることが好ましい。光学フィルムの反射率は1%以上が好ましい。光学フィルムのヘイズは2%以上が好ましい。
ハードコート層は、粒子径が1~10μmの微粒子(マイクロ粒子)を含んでいてもよい。ハードコート層におけるマイクロ粒子の量は、0.5~20重量%であってもよい。
ハードコート層と防汚層の間に光学調整層が配置される場合、光学調整層は、屈折率が1.50以下である低屈折率層を含むことが好ましい。光学調整層は2層以上の薄膜を含んでいてもよい。光学フィルムの反射率は6%以下が好ましい。
本発明の光学フィルムは、最表面に防汚層を備えるために、指紋や手垢等による汚染物質の付着が抑制されている。また、汚染物質が付着した場合でも、汚れが目立ち難く、かつ付着した汚染物質の拭き取り除去性に優れている。
光学フィルムの積層構成例を示す断面図である。
図1は、本発明の一実施形態の光学フィルムの積層構成例を示す断面図である。光学フィルム100は、ハードコートフィルム1のハードコート層11形成面側の最表面層として、防汚層7を備える。ハードコートフィルム1は、透明フィルム基材10の一主面上にハードコート層11を備える。ハードコート層11と防汚層7の間には、光学調整層5が配置されていてもよい。
[ハードコートフィルム]
ハードコートフィルム1は、透明フィルム基材10の一主面上に、ハードコート層11を備える。防汚層7形成面側にハードコート層11が設けられることにより、光学フィルムの表面硬度や耐擦傷性等の機械特性を向上できる。
<透明フィルム基材>
透明フィルム基材10の可視光透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。透明フィルム基材10を構成する樹脂材料としては、例えば、透明性、機械強度、および熱安定性に優れる樹脂材料が好ましい。樹脂材料の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。
透明フィルム基材の厚みは特に限定されないが、強度や取扱性等の作業性、薄層性等の観点から、5~300μm程度が好ましく、10~250μmがより好ましく、20~200μmがさらに好ましい。
<ハードコート層>
ハードコート層11は、硬化性樹脂の硬化物(バインダー樹脂)を含む。ハードコート層11は、さらに微粒子を含んでいてもよい。
(バインダー)
ハードコート層11のバインダーとしては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等の硬化性樹脂が好ましく用いられる。硬化性樹脂の種類としてはポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、アミド系、シリコーン系、シリケート系、エポキシ系、メラミン系、オキセタン系、アクリルウレタン系等が挙げられる。これらの中でも、硬度が高く、光硬化が可能であることから、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、およびエポキシ系樹脂が好ましく、中でもアクリルウレタン系樹脂が好ましい。
光硬化性のバインダー樹脂成分は、2個以上の光重合性(好ましくは紫外線重合性)の官能基を有する多官能化合物を含む。多官能化合物はモノマーでもオリゴマーでもよい。光重合性の多官能化合物としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含む化合物(多官能(メタ)アクリレート)が好ましく用いられる。
(微粒子)
ハードコート層11は、粒子径が1~10μmの微粒子(以下「マイクロ粒子」と記載)を含んでいてもよい。ハードコート層11にマイクロ粒子が含まれることにより、ハードコート層11、およびハードコート層11上に形成される防汚層7の表面に凹凸が形成され、指紋拭き取り性が向上する。また、マイクロ粒子は、ハードコート層11(および光学フィルム)のヘイズの制御にも寄与する。
ハードコート層11上に形成される光学調整層5および防汚層7は厚みが小さいため、防汚層7の表面形状は、ハードコート層11の表面形状に依存する。後述のように、防汚層7の表面の算術平均高さSaは、0.1~1μmが好ましい。防汚層7の表面の算術平均高さを上記範囲とするためには、ハードコート層11の算術平均高さが0.1~1μmであることが好ましい。算術平均高さSaは、レーザー顕微鏡を用いた100μm×100μmの観察像から、ISO 25178に準じて算出される。ハードコート層に含まれる微粒子の粒子径や含有量を調整することにより、ハードコート層11の表面の凹凸形状を調整できる。
マイクロ粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等の各種金属酸化物微粒子、ガラス微粒子、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル-スチレン共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン、ポリカーボネート等の各種透明ポリマーからなる架橋又は未架橋の有機系微粒子、シリコーン系微粒子等の透明性を有するものを特に制限なく使用できる。これら微粒子は、1種または2種以上を適宜に選択して用いることができる。
ハードコート層11に含まれるマイクロ粒子の平均粒子径は、1~10μmである。マイクロ粒子の平均粒子径は、1.5~8μmが好ましく、2~5μmがより好ましい。ハードコート層に2種以上のマイクロ粒子が含まれる場合は、マイクロ粒子全体の平均粒子径が上記範囲内であることが好ましい。平均粒子径は、コールターカウント法により測定される重量平均粒子径である。
マイクロ粒子の粒子径が小さい場合は、表面凹凸が小さく、光学フィルムの指紋拭き取り性が低下する場合がある。マイクロ粒子の粒子径が過度に大きい場合は、透過光や反射光がギラついて視認されやすく、視認性が低下する場合がある。
マイクロ粒子の形状は特に制限されないが、ギラツキ低減の観点からはアスペクト比が1.5以下の球状粒子が好ましい。球状粒子のアスペクト比は、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.1以下である。
ハードコート層11におけるマイクロ粒子の含有量は特に制限されない。ハードコート層11の表面に均一に凹凸を形成する観点から、マイクロ粒子の含有量は、ハードコート層11の全体に対して、0.5~20重量%が好ましく、1~15重量%がより好ましく、2~12重量%がさらに好ましく、3~10重量%が特に好ましい。
ハードコート層11は、粒子径が1μm未満の微粒子(以下「ナノ粒子」と記載する場合がある)を含んでいてもよい。例えば、ハードコート層11が、10nm~100nm程度の平均一次粒子径を有するナノ粒子を含むことにより、ハードコート層11の表面に、マイクロ粒子により形成される凹凸よりも小さなサイズの微細な凹凸が形成され、ハードコート層11と、その上に形成される光学調整層5や防汚層7との密着性が向上する場合がある。また、可視光の波長よりも十分に小さいサイズ(例えば100nm以下)の粒子径を有するナノ粒子を含めることにより、ハードコート層の透明性を低下させることなく、ハードコート層の屈折率を調整できる。
バインダー中での分散性を高める観点から、ナノ粒子の平均一次粒子径は15nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましい。密着性向上に寄与する微細な凹凸形状を形成する観点から、ナノ粒子の平均一次粒子径は90nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましく、50nm以下がさらに好ましい。
ナノ粒子の材料としては、無機酸化物が好ましい。無機酸化物としては、酸化シリコン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化セリウム、酸化マグネシウム等の金属または半金属の酸化物が挙げられる。無機酸化物は、複数種の(半)金属の複合酸化物でもよい。例示の無機酸化物の中でも、密着性向上効果が高いことから、酸化シリコンが好ましい。無機酸化物粒子の表面には、樹脂との密着性や親和性を高める目的で、アクリル基、エポキシ基等の官能基が導入されていてもよい。
ハードコート層がナノ粒子を含む場合、ナノ粒子の量は、バインダー樹脂100重量部に対して、1~150重量部程度であってもよい。ハードコート層11の表面に、無機薄膜との密着性に優れた表面形状を形成する観点から、ハードコート層11におけるナノ粒子の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して、20~100重量部が好ましく、25~90重量部がより好ましく、30~80重量部がさらに好ましい。
(ハードコート層の形成)
透明フィルム基材10上にハードコート組成物を塗布し、必要に応じて溶媒の除去および樹脂の硬化を行うことにより、ハードコート層11が形成される。ハードコート組成物は、上記のバインダー樹脂および微粒子を含み、必要に応じてバインダー成分を溶解または分散可能な溶媒を含む。バインダー樹脂成分光硬化型樹脂である場合には、組成物中に光重合開始剤が含まれることが好ましい。
ハードコート組成物は、上記の他に、レベリング剤、粘度調整剤(チクソトロピー剤、増粘剤等)、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、分散剤、分散安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、界面活性剤、滑剤等の添加剤を含んでいてもよい。
ハードコート組成物がチクソトロピー剤を含むことにより、マイクロ粒子の沈降が抑制され、ハードコート層の表面にマイクロ粒子による凹凸が均一に形成されやすい。チクソトロピー剤としては、有機粘土、酸化ポリオレフィン、変性ウレア等が挙げられる。中でも、スメクタイト等の有機粘土が好ましい。チクソトロピー剤の配合は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.3~5重量部程度が好ましい。
ハードコート組成物がレベリング剤を含むことにより、ハードコート層の表面形状が均一化される傾向がある。レベリング剤としては、例えば、フッ素系またはシリコーン系のレベリング剤があげられ、レベリング剤の配合量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.01~3重量部程度が好ましい。
ハードコート組成物の塗布方法としては、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法、コンマコート法等の任意の適切な方法を採用し得る。塗布後の加熱温度は、ハードコート組成物の組成等に応じて、適切な温度に設定すればよく、例えば、50℃~150℃程度である。バインダー樹脂成分が光硬化性樹脂である場合は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより光硬化が行われる。照射光の積算光量は、好ましくは100~500mJ/cm程度である。
ハードコート層11の厚みは特に限定されないが、高い硬度を実現するとともに、表面形状を適切に制御する観点から、1~30μm程度が好ましく、2~20μmまたは3~10μmであってもよい。
ハードコート層11上に光学調整層5や防汚層7を形成する前に、ハードコート層11の表面処理が行われてもよい。表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、オゾン処理、プライマー処理、グロー処理、アルカリ処理、酸処理、カップリング剤による処理等の表面改質処理が挙げられる。表面処理として真空プラズマ処理を行ってもよい。真空プラズマ処理により、ハードコート層の表面形状さを調整することもできる。真空プラズマ処理(例えば、アルゴンプラズマ処理)の放電電力は、0.1~10kW程度が好ましい。
[光学調整層]
光学フィルムは、反射率低減等を目的として、ハードコート層11と防汚層7の間に、光学調整層5を含んでいてもよい。光学調整層5は、1層以上の薄膜を含む。薄膜の材料としては、金属の酸化物、窒化物、フッ化物等の無機材料が好ましい。
光学調整層5としては、例えば、少なくとも1層の低屈折率層を含むものが挙げられる。低屈折率層の屈折率は1.50以下が好ましく、低屈折率層は、ハードコート層11よりも屈折率が低いことが特に好ましい。ハードコート層11上に低屈折率の光学調整層5(低屈折率層)が設けられていることにより、光学フィルムの反射率が低減する。
光学調整層5を構成する低屈折率層の屈折率は、1.50以下が好ましく、1.48以下がさらに好ましい。低屈折率層の材料としては、酸化シリコン、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化ハフニウム、フッ化ランタン等が挙げられる。中でも酸化シリコン(SiO)が好ましい。
光学調整層5の厚みは、10~220nm程度であり、15~200nmまたは20~150nmであってもよく、薄膜を構成する材料の屈折率等に応じて厚みを設定すればよい。
光学調整層5は、複数の薄膜を含んでいてもよい。例えば、光学調整層5は、低屈折率層に加えて、相対的に屈折率が高い高屈折率層を含んでいてもよい。高屈折率材料としては、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等が挙げられる。
光学調整層が複数の薄膜を含む場合は、防汚層7に接する層(光学調整層5の最外層)が低屈折率層であることが好ましい。光学調整層5の最外層が低屈折率層であることにより、反射率が低減する傾向がある。
光学調整層が複数の薄膜の積層構成である場合は、入射光と反射光の逆転した位相が互いに打ち消し合うように、薄膜の光学膜厚(屈折率と厚みの積)を調整することにより、可視光の広帯域の波長範囲において、反射率を小さくできる。光学調整層5を構成する薄膜の層数を増加させることにより、より精密な光学設計が可能となり、反射率を低減できる。ただし、光学フィルムの反射率が1%未満の場合は、指紋等の汚れが付着した際に、汚れが目立ちやすい。そのため、光学フィルムの反射率は1%以上が好ましい。
なお、本明細書において「反射率」とは、視感反射率(XYZ表色系の三刺激値のY値)であり、D65光源を用いて正反射光込み(SCI)方式で測定した反射スペクトルに基づいてから算出される値である。反射スペクトルの測定においては、裏面の反射光の影響を除去するため、測定対象の裏面に黒色板を貼り合わせた試料を用いる。
光学フィルムの反射率を上記範囲内にするとともに、生産性を高める観点から、光学調整層5を構成する薄膜の層数は、1層または2層が好ましい。光学調整層が1層の場合は、上記の通り、光学調整層は、酸化シリコン等の低屈折率層であることが好ましい。光学調整層が2層の場合は、ハードコート層11側が高屈折率層、防汚層7側が低屈折率層であることが好ましい。低屈折率層および低屈折率層の膜厚は、それぞれ、5~200nm程度である。光学調整層5の合計厚みは、10~220nm程度であり、15~200nmまたは20~150nmであってもよい。
光学調整層5を構成する薄膜の成膜方法は特に限定されず、ウェットコーティング法、ドライコーティング法のいずれでもよい。膜厚が均一な薄膜を形成できることから、真空蒸着、CVD,スパッタ、電子線蒸等のドライコーティング法が好ましい。中でも、膜厚の均一性に優れ、緻密で高強度な膜を形成しやすいことから、スパッタ法が好ましい。
スパッタ法では、ロールトゥーロール方式により、長尺のハードコートフィルムを一方向(長手方向)に搬送しながら、薄膜を連続成膜できる。スパッタ法では、アルゴン等の不活性ガス、および必要に応じて酸素等の反応性ガスをチャンバー内に導入しながら成膜が行われる。スパッタ法による酸化物層の成膜は、酸化物ターゲットを用いる方法、および金属ターゲットを用いた反応性スパッタのいずれでも実施できる。高レートで金属酸化物を成膜するためには、金属ターゲットを用いた反応性スパッタが好ましい。
[防汚層]
光学フィルムは、最表面層(トップコート層)として防汚層7を備える。最表面に防汚層が設けられることにより、外部環境からの汚染(指紋、手垢等)の影響を低減できるとともに、表面に付着した汚染物質の除去が容易となる。
防汚層7の材料としては、防汚性に優れることから、フッ素含有化合物が好ましい。中でも、高い防汚性を発揮できることから、パーフルオロポリエーテル骨格を含有するフッ素系ポリマーが好ましい。防汚性を高める観点から、剛直に並列可能な主鎖構造を有するパーフルオロポリエーテルが特に好ましい。
パーフルオロポリエーテル骨格を含有するフッ素系ポリマーは、好ましくは、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物の縮合物である。パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物としては、例えば、下記の一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
-R-X-(CH2)-Si(OR) …(1)
一般式(1)において、Rは、アルキル基の1つ以上の水素原子がフッ素原子に置換された、直鎖状または分枝を有するフッ化アルキル基であり、Rの炭素数は1~20が好ましい。Rは、アルキル基の水素原子のすべてがフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
は、パーフルオロポリエーテル(PFPE)基の繰り返し構造を少なくとも一つ含む構造2価の有機基であり、好ましくは、PFPE基の繰り返し構造を2つ含む。PFPE基の繰り返し構造としては、例えば、直鎖状PFPE基の繰り返し構造、および、分枝状PFPE基の繰り返し構造が挙げられる。直鎖状PFPE基の繰り返し構造としては、例えば、-(OC2n-で表される構造(nは1~20の整数であり、pは1~50の整数)が挙げられる。分枝状PFPE基の繰り返し構造としては、例えば、-(OC(CF)p-で表される構造、および、-(OCFCF(CF)CF-で表される構造が挙げられる。PFPE基の繰り返し構造は、好ましくは直鎖状であり、中でも、-(OCF-および-(OC-が特に好ましい。
は、炭素数1~4のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。
Xは、エーテル基、カルボニル基、アミノ基、またはアミド基であり、好ましくはエーテル基である。
mは、1以上の整数である。mは、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。
パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物として、一般式(1)で表される化合物の中でも、下記の一般式(2)で表される化合物が特に好ましい。
CF-(OCF-(OC-O-(CH-Si(OCH …(2)
一般式(2)において、qおよびrは、それぞれ独立に1~50の整数である。
防汚層7は、リバースコート法、ダイコート法、グラビアコート法等のウエット法や、真空蒸着法、CVD法等のドライ法等により形成できる。オレイン酸接触角が大きく防汚性の高い膜を形成するために、防汚層は、ドライ法により形成することが好ましく、真空蒸着法が特に好ましい。すなわち、防汚層7は、好ましくは蒸着膜である。
防汚層7が、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物の縮合物を含み、かつドライコーティングにより形成された膜(特に蒸着膜)である場合に、オレイン酸接触角が大きく、防汚性に優れる傾向がある。
防汚層7の厚みは、通常、2~30nm程度である。防汚層7の厚みが大きいほど、防汚性が向上する傾向がある。防汚層の厚みは、4nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、8nm以上がさらに好ましい。一方、防汚層7の表面に、ハードコート層11の凹凸形状を反映した表面形状を形成し、汚染物質の拭き取り性を高める観点から、防汚層の厚みは20nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましく、12nm以下または10nm以下であってもよい。
指紋(指脂)等による汚染の防止、および付着した指脂等の汚染物質の除去性を高める観点から、防汚層7のオレイン酸接触角は、70°以上が好ましく、73°以上がより好ましく、75°以上であってもよい。防汚層7のオレイン酸接触角は、90°以下、85°以下または80°以下であってもよい。防汚層7の水接触角は、105°以上が好ましく、108°以上がより好ましく、110°以上であってもよい。防汚層7の水接触角は、130°以下、125°以下または120°以下であってもよい。
光学フィルム100の最表面層である防汚層7の表面の算術平均高さSaは、0.1μm以上が好ましく、0.15μm以上がより好ましい。防汚層7が表面凹凸を有し、算術平均高さSaが0.1μm以上であることにより、汚染物質のふき取り性に優れる。防汚層7は、オレイン酸の接触角が大きい(すなわち濡れ性が低い)ため、汚染物質が付着した場合も、濡れ広がり難く、防汚層7が表面凹凸を有する場合は、凹凸の凹部よりも凸部の近傍に汚染物質が付着しやすいと考えられる。防汚層7の算術平均高さSaが大きい場合は、その傾向が顕著であり、凸部近傍に付着した汚染物質は拭き取りが容易であることが、拭き取り性向上に寄与していると推定される。
汚染物質の拭き取り性の観点においては、防汚層7の算術平均高さSaは大きいほど好ましい。一方、防汚層7の算術平均高さSaが過度に大きい場合は、表面凹凸による光散乱が大きく、透過光や反射光がギラついて視認されやすいために、視認性が低下する場合がある。そのため、防汚層7の算術平均高さSaは、1μm以下が好ましく、0.7μm以下がより好ましく、0.5μm以下がさらに好ましく、0.4μm以下または0.3μm以下であってもよい。
ハードコート層11上に形成される光学調整層5および防汚層7は薄膜であるため、防汚層7の表面には、ハードコート層11の表面形状を反映した凹凸形状が形成されやすい。そのため、防汚層7の表面の算術平均高さSaを上記範囲とするためには、ハードコート層11にマイクロ粒子を含有させて表面凹凸を形成することが好ましい。また、ハードコート層11に真空プラズマ処理等の表面処理を施すことにより表面形状を調整してもよい。
[光学フィルムの特性]
前述の通り、光学フィルムに防汚層7側から光を入射した際の反射率は、1%以上が好ましい。反射率が1%以上であることにより、防汚層の表面に指紋等の汚れが付着した際に、汚れが目立ち難く、視認性の低下を抑制できる。光学フィルムの反射率は、2%以上がより好ましく、3%以上または5%以上であってもよい。一方、反射率が過度に高い場合は、外光の映り込み等の視認性低下の原因となるため、光学フィルムの反射率は、6%以下が好ましく、5%以下または4%以下であってもよい。上記の通り、ハードコート層11と防汚層7の間に光学調整層5を設けることにより、反射率を低減できる。
光学フィルムのヘイズは2%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上、7%以上または10%以上であってもよい。光学フィルムの反射率が1%以上であり、かつヘイズが2%以上であることにより、防汚層の表面に指紋等の汚れが付着した際に、汚れがより目立ち難くなる。また、ヘイズが2%以上であれば、反射光が散乱されるために、反射率が1%以上であっても、外光の映り込みが抑制され、視認性が向上する傾向がある。一方、ヘイズが過度に大きい場合は、透過光が濁って視認され、鮮明性が低下するため、光学フィルムのヘイズは50%以下が好ましく、45%以下がより好ましく、40%以下、35%以下または30%以下であってもよい。
ハードコート層11がマイクロ粒子を含むことにより、ハードコート層の内部で、バインダーとマイクロ粒子との界面での光の散乱・反射が生じるため、ヘイズ(内部ヘイズ)が大きくなる傾向がある。また、ハードコート層がマイクロ粒子を含むことにより、ハードコート層の表面に凹凸が形成されるため、ヘイズ(外部ヘイズ)が大きくなる傾向がある。ハードコート層に含まれるバインダーとマイクロ粒子の屈折率差、およびマイクロ粒子の含有量を調整することにより、ハードコート層(および光学フィルム)のヘイズを適切な範囲に制御することができる。
前述のように、光学フィルムの表面、すなわち、光学フィルムの最表面層である防汚層7の表面の算術平均高さSaは、0.1~1μmが好ましく、0.15~0.5μmがより好ましい。光学フィルム表面の算術平均高さSaがこの範囲であることにより、付着した汚染物質のふき取り性に優れるとともに、視認性に優れる。
前述のように、光学フィルムの表面、すなわち、光学フィルムの最表面層である防汚層7のオレイン酸接触角は、70°以上が好ましく、73°以上がより好ましく、75°以上であってもよい。光学フィルム表面のオレイン酸接触角が大きいことにより、指紋(指脂)等の汚染物質の付着が抑制されるとともに、付着した指脂等の汚染物質の除去性に優れる傾向がある。
上記の通り、本発明の光学フィルムは、オレイン酸接触角が大きい防汚層7を備えることにより防汚性に優れている。さらに、反射率が1%以上であることにより、汚染物質が付着した場合でも、汚れが目立ち難く、表面の算術平均高さSaが、0.1μm以上であることにより、汚染物質の拭き取り性に優れている。
[光学フィルムの使用形態]
上記の光学フィルムは、防汚フィルムや飛散防止フィルムとして使用できる。上記の光学フィルムは、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像表示装置の表面に配置して用いられる。例えば、液晶セルや有機ELセル等の画像表示媒体を含むパネルの視認側表面に光学フィルムを配置することにより、防汚性を有する飛散防止フィルムとしての機能を発揮する。
特に、本発明の光学フィルムは、タッチパネルを備える画像表示装置にも好適に使用できる。本発明の光学フィルムが最表面に配置された画像表示装置は、画面をタッチ操作した場合にも指紋汚れが付着し難く、指紋汚れが付着した場合でも、汚れが目立ち難い。また、付着した汚染物質を容易に拭き取ることが可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<ハードコート組成物の調製>
バインダー樹脂として、ペンタエリスリトールポリアクリレート(大阪有機化学製「ビスコート♯300」)50重量部およびウレタンアクリレートプレポリマー(日本合成化学製「紫光 UV-1700TL」)50重量部;スチレンとメタクリル酸メチル(MMA)の共重合架橋粒子(積水化成品工業製「テクノポリマー SSX-540TNR」;平均粒子径3.6μm)7.2重量部;チクソトロピー剤として有機化スメクタイト(クニミネ工業製「スメクトンSAN」)1.5重量部;光重合開始剤(IGM Resins製「OMNIRAD907」)3重量部;ならびにレベリング剤(共栄社化学製「ポリフロー LE303」)0.15重量部を混合し、トルエン/シクロペンタノン混合溶媒(重量比70/30)で希釈して、固形分濃度50重量%のハードコート組成物Aを調製した。なお、上記の配合量は、固形分(不揮発分)の量であり、有機化スメクタイトは、トルエンで固形分が6重量%になるように希釈して用いた(以下のハードコート組成物B,Cについても同様)。
<ハードコート層の形成>
上記のハードコート組成物Aを、厚み80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(コニカミノルタオプト製「KC8UA」)に、コンマコーター(登録商標)を用いて塗布し、80℃で1分間加熱した。その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射し、塗布層を硬化させて、厚み6.0μmの防眩性ハードコート層を形成した。
<光学調整層の形成>
上記のハードコートフィルム(ハードコート層が形成されたTACフィルム)を、ロールトゥートール方式のスパッタ成膜装置に導入し、フィルムを走行させながら、ハードコート層にボンバード処理(Arガスによるプラズマ処理)を行った後、厚み100nmのSiO層をスパッタ成膜した。SiO層の成膜にはSiターゲットを用い、プラズマ発光モニタリング(PEM)制御により、成膜モードが遷移領域を維持するように導入する酸素量を調整した。
<防汚層の形成>
パーフルオロポリエーテル基含有アルコキシシラン化合物を含む固形分濃度20%の防汚コーティング剤(信越化学工業製「KY1903-1」)を乾燥して固化したものを蒸着源として、加熱温度260℃で真空蒸着法により、SiO層上に厚み6nmの防汚層を形成した。
[実施例2]
SiO層の厚みを25nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、ハードコートフィルム上にSiO層および防汚層を備える光学フィルムを作製した。
[実施例3]
無機薄膜の形成において、厚み14nmのNb層および厚み80nmのSiO層の2層構成の薄膜をスパッタ成膜した。それ意外は実施例1と同様にして、ハードコートフィルム上に、Nb層およびSiO層の2層からなる無機薄膜、ならびに防汚層を備える光学フィルムを作製した。SiO層の成膜にはSiターゲット、Nb層の成膜にはNbターゲットを用い、PEM制御により、成膜モードが遷移領域を維持するように導入する酸素量を調整した。
[実施例4]
<ハードコート組成物の調製>
バインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学製「ビスコート♯300」)50重量部およびウレタンアクリレートプレポリマー(新中村化学工業製「UA-53H-80BK」)50重量部;シリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製「トスパール130」、平均粒子径3.0μm)3.5重量部;有機化スメクタイト(クニミネ工業製「スメクトンSAN」)2重量部;光重合開始剤(IGM Resins製「OMNIRAD907」)3重量部;ならびにレベリング剤(共栄社化学製「ポリフロー LE303」)0.4重量部を混合し、トルエン/シクロペンタノン混合溶媒(重量比70/30)で希釈して、固形分濃度32重量%のハードコート組成物Bを調製した。
<ハードコート層、無機薄膜および防汚層の形成>
ハードコート組成物Aに代えてハードコート組成物Bを用いてハードコート層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、ハードコートフィルム上にSiO薄膜および防汚層を備える光学フィルムを作製した。
[実施例5]
<ハードコート組成物の調製>
バインダー樹脂としてウレタンアクリレートプレポリマー(DIC製「LUXYDIR17-806」)100重量部;スチレン粒子(総研化学製「SX-350H」、平均粒子径3.5μm)13.8重量部;有機化スメクタイト(クニミネ工業製「スメクトンSAN」)2.5重量部;光重合開始剤(IGM Resins製「OMNIRAD907」)5重量部;ならびにレベリング剤(DIC製「メガファックF-556」)0.5を混合し、トルエン/シクロペンタノン混合溶媒(重量比70/30)で希釈して、固形分濃度32重量%のハードコート組成物Cを調製した。
<ハードコート層、無機薄膜および防汚層の形成>
ハードコート組成物Aに代えてハードコート組成物Cを用いてハードコート層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、ハードコートフィルム上にSiO薄膜および防汚層を備える光学フィルムを作製した。
[比較例1]
<ハードコート組成物の調製>
バインダー樹脂として、ウレタンアクリレートプレポリマー(DIC製「LUXYDIR17-806」)100重量部;光重合開始剤(IGM Resins製「OMNIRAD907」)2.4重量部;ならびにレベリング剤(DIC製「GRANDIC PC-4100」)0.1部を混合し、メトキシプロパノール/シクロペンタノン混合溶媒(重量比65/37)で希釈して、固形分濃度36重量%のハードコート組成物Dを調製した。
<ハードコート層、無機薄膜および防汚層の形成>
ハードコート組成物Aに代えてハードコート組成物Dを用いてハードコート層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、ハードコートフィルム上にSiO薄膜および防汚層を備える光学フィルムを作製した。
[比較例2]
無機薄膜を、厚み10nmのNb層、28nmのSiO層、105nmのNb層および厚み84nmのSiO層の4層構成に変更した。それ以外は実施例3と同様にして、ハードコートフィルム上に、4層構成の無機薄膜および防汚層を備える光学フィルムを作製した。
[比較例3]
ハードコート組成物Aに代えてハードコート組成物Dを用いてハードコート層を形成したこと以外は比較例2と同様にして、ハードコートフィルム上に、4層構成の無機薄膜および防汚層を備える光学フィルムを作製した。
[比較例4]
ハードコート組成物Aに代えてハードコート組成物Dを用いてハードコート層を形成し、真空蒸着に代えて、ウェットコーティングにより、無機薄膜上に防汚層を形成した。これらの変更以外は、比較例2と同様にして、ハードコートフィルム上に、4層構成の無機薄膜および防汚層を備える光学フィルムを作製した。防汚層の形成においては、固形分濃度20%の防汚コーティング剤(信越化学工業製「KY1903-1」)をフッ素系溶媒(スリーエム製「フロリナートFC-40」)により固形分濃度0.1重量%に希釈した溶液を、無機薄膜上に塗布した後、乾燥して、厚み8nmの防汚層を形成した。
[比較例5]
ハードコート組成物Bに代えてハードコート組成物Cを用いてハードコート層を形成したこと以外は比較例4と同様にして、ハードコートフィルム上に、4層構成の無機薄膜および防汚層を備える光学フィルムを作製した。
[評価]
<ヘイズ>
ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製「HM-150」)により、防汚層側から光を照射して、JIS K7136に準じて光学フィルムのヘイズを測定した。
<表面粗さ>
レーザー顕微鏡(キーエンス製「VK-X200」)を用い、倍率10倍での観察像(100μm×100μm)から、ISO 25178に準じて、光学フィルム表面(防汚層)の算術平均表面高さSaを測定した。
<反射スペクトルの測定>
光学フィルムのTACフィルム側の面に、透明アクリル粘着剤を介して厚み2mmの黒色のアクリル板を貼りあわせた試料を作製した。この試料に、防汚層側の面から、D65光源の光を照射して、分光測色計(コニカミノルタ製「CM2600d」)を用いて、正反射光込み(SCI)方式の反射スペクトルを測定した。得られたSCI反射スペクトルから、視感反射率Y、ならびにL表色系の明度指数L、およびクロマティクネス指数aを算出した。
<水接触角およびオレイン酸接触角>
防汚層表面に、約5.0μLの水を滴下した。滴下から2秒後に、接触角測定装置(協和界面化学社製「DMo-701」)を用いて、防汚層の表面と液滴端部の接線との角度を測定し、防汚層の水接触角とした。水に代えてオレイン酸を用いて、オレイン酸接触角を測定した。
<防汚性>
上記の反射スペクトル測定後の試料の防汚層上に、2μLのオレイン酸を滴下し、直径11mmのシリコンパッドを使用して防汚層の表面にオレイン酸を押し拡げた。この試料の反射スペクトルを測定した後、ワイピングクロス(スリーエム製「スコッチ・ブライト No.5000」)を用いて、防汚層の表面を1回擦ることによりオレイン酸を拭き取った。その後、再び反射スペクトルを測定した。
オレイン酸塗布前の試料の反射光のL と、オレイン酸塗布後の反射光のL との差ΔL=L -L を、指紋汚れの目立ちやすさの指標とした。オレイン酸塗布前の試料の反射光と、オレイン酸を塗布して拭き取った後の試料の反射光との色差ΔE abを、指紋汚れのふき取り性の指標とした。
上記の実施例および比較例の光学フィルムの構成(ハードコート組成物の種類、光学調整層の積層構成、ならびに防汚層の成膜方法および厚み)、および光学フィルムの評価結果を、表1に示す。表1の光学調整層の構成は、ハードコート層側からの積層構成を示しており、括弧内の数字は各層の厚み(nm)である。
Figure 2024072451000002
微粒子を含まず、平滑で低ヘイズのハードコート層上に、光学調整層としてのSiO層および防汚層を形成した比較例1では、初期と指紋拭き取り後の色差ΔE abが大きく、指紋拭き取り性が不十分であった。マイクロ粒子を含むハードコート層上に、合計4層の薄膜からなる光学調整層を設け、その上に防汚層を形成した比較例2では、初期とオレイン酸塗布後の明度の差ΔLが大きく、油分による汚れが付着した際に、汚れが目立ちやすいことが分かる。
ハードコート層の組成を変更した比較例3~5も、比較例2と同様、ΔLが大きく、汚れが目立ちやすいことが分かる。特に、塗布により防汚層を形成した比較例4および比較例5では、オレイン酸接触角が小さく、ΔLが特に大きくなっていた。比較例4,5では、実施例、および比較例1~3に比べて、油分の付着防止性が十分ではないことも、ΔLの上昇に関与していると考えられる。
マイクロ粒子を含むハードコート層上に、1層または2層からなる光学調整層を設け、その上に真空蒸着法により防汚層を形成した実施例1~5では、ΔLの絶対値が0.2以下であり、油分による汚れが付着した際も汚れが目立ち難く、かつ初期と指紋拭き取り後の色差ΔE abが0.14以下であり、汚染物質の除去性に優れていることが分かる。
1 ハードコートフィルム
10 透明フィルム基材
11 ハードコート層
5 光学調整層
7 防汚層

Claims (7)

  1. 透明フィルム基材の一主面上にハードコート層を備え、前記ハードコート層上の最表面層として防汚層を備える光学フィルムであって、
    防汚層側の面のオレイン酸接触角が70°以上であり、
    防汚層側の面の算術平均高さSaが0.1~1μmであり、
    反射率が1%以上である、
    光学フィルム。
  2. ヘイズが2%以上である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記ハードコート層と前記防汚層の間に、光学調整層を備える、請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 前記光学調整層は、屈折率が1.50以下の低屈折率層を含む、請求項3に記載の光学フィルム。
  5. 反射率が6%以下である、請求項4に記載の光学フィルム。
  6. 前記ハードコート層が、粒子径が1~10μmの微粒子を、0.5~20重量%含む、請求項1または2に記載の光学フィルム。
  7. 画像表示媒体の視認側表面に、請求項1または2に記載の光学フィルムが配置されている、画像表示装置。

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