JP2024070787A - 化合物、発光材料および有機発光素子 - Google Patents

化合物、発光材料および有機発光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2024070787A
JP2024070787A JP2023070188A JP2023070188A JP2024070787A JP 2024070787 A JP2024070787 A JP 2024070787A JP 2023070188 A JP2023070188 A JP 2023070188A JP 2023070188 A JP2023070188 A JP 2023070188A JP 2024070787 A JP2024070787 A JP 2024070787A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
light
group
layer
emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023070188A
Other languages
English (en)
Inventor
貴弘 柏▲崎▼
寛晃 小澤
裕美子 大森
亜衣子 後藤
智基 湯川
哲 大野
友希 石津
幸誠 金原
ユバラズ 凱令
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyulux Inc
Original Assignee
Kyulux Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyulux Inc filed Critical Kyulux Inc
Priority to KR1020230153413A priority Critical patent/KR20240069637A/ko
Priority to CN202311486627.8A priority patent/CN118027077A/zh
Publication of JP2024070787A publication Critical patent/JP2024070787A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】優れた発光特性を有する化合物の提供。【解決手段】具体的には、例えば下記式4の化合物が示される。JPEG2024070787000065.jpg63160【選択図】なし

Description

本発明は、良好な発光特性を有する化合物に関する。また本発明は、その化合物を用い
た発光材料および有機発光素子にも関する。
有機発光ダイオード(OLED)などの有機発光素子の発光効率を高める研究が盛んに
行われている。
例えば、非特許文献1には、5,9-Diphenyl-5H,9H-[1,4]benzazaborino[2,3,4-kl]phena
zaborine (DABNA-1)のように多重共鳴効果を発現する化合物を用いることによ
り、逆系間交差過程による熱活性型遅延蛍光を発現し、半値幅が狭くて色純度が高い発光
を実現したことが記載されている。このような発光は、高い発光効率を達成することがで
きることから、ディスプレイを志向した用途において有用である。
また、非特許文献1および2には、DABNA-1を修飾することによって、最高被遷
移分子軌道(HOMO)および最低空分子軌道(LUMO)などのエネルギー準位を調整
し、また発光へと寄与する蛍光放射過程や逆系間交差過程を促進して、エレクトロルミネ
ッセンス量子効率を改善したことが記載されている。
Adv. Mater. 2016, 28, 2777-2781 Angew. Chem. Int. Ed. 2018, 57, 11316-11320
このように多重共鳴効果を発現する化合物に関する研究が種々行われているが、その構
造と発光特性の関係については未知な点も多い。実用性のある発光素子を製造するために
は、少しでも発光特性が優れた材料を提供することが必要とされている。
そこで、本発明者らは、多重共鳴効果を発現する化合物の誘導体と発光特性の関係を検
討して、優れた発光特性を示す構造を一般化することを目的として鋭意検討を進めた。
鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、多重共鳴効果を発現する化合物の中でも特定の
構造を有するものが優れた発光特性を有することを見いだした。本発明は、このような知
見に基づいて提案されたものであり、以下の構成を有する。
[1] 下記一般式(1)で表される化合物。
[一般式(1)において、XおよびXは、各々独立に、単結合、O、S、N(R)、
水素原子2個、重水素原子2個、または水素原子1個と重水素原子1個を表す。Rは置換
基を表す。R~R26は、各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。R
とR、RとR、RとR、RとR、RとR、R10とR11、R11
12、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R20とR21、R21
22、R23とR24、R24とR25は、互いに結合して環状構造を形成していても
よい。]
[2] XおよびXが単結合である、[1]に記載の化合物。
[3] R、R11、R21およびR24が、各々独立に置換基である、[1]または
[2]に記載の化合物。
[4] R、R11、R21およびR24が、同じ置換基である、[3]に記載の化合
物。
[5] RおよびR~R26が表す置換基が、置換もしくは無置換のアルキル基、また
は、置換もしくは無置換のアリール基である、[1]~[4]のいずれか1つに記載の化
合物。
[6] R~RおよびR14~R19が、各々独立に水素原子または重水素原子であ
る、[1]~[5]のいずれか1つに記載の化合物。
[7] R~R26のうちの少なくとも22個が、各々独立に水素原子または重水素原
子である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の化合物。
[8] RとR、RとR、R10とR11、R11とR12、R20とR21
21とR22、R23とR24、R24とR25のうちの少なくとも1組が、互いに結
合して環状構造を形成している、[1]~[7]のいずれか1つに記載の化合物。
[9] 前記環状構造がベンゾフロ構造であるかベンゾチエノ構造である、[8]に記載
の化合物。
[10] RとRが互いに結合して環状構造を形成しており、かつ、R16とR17
が互いに結合して環状構造を形成している、[1]~[9]のいずれか1つに記載の化合
物。
[11] 前記環状構造がシクロペンタジエン構造であるかシクロヘキサジエン構造であ
る、[10]に記載の化合物。
[12] RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、R10とR
11、R11とR12、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R20とR
21、R21とR22、R23とR24、R24とR25はいずれも、互いに結合して環
状構造を形成していない、[1]~[7]のいずれか1つに記載の化合物。
[13] RとR14、RとR15、RとR16、RとR17、RとR18
とR19、RとR20、RとR21、RとR22、R10とR23、R11
24、R12とR25、R13とR26が、それぞれ同一である、[1]~[12]の
いずれか1つに記載の化合物。
[14] 回転対称構造を有する、[1]~[13]のいずれか1つに記載の化合物。
[15] [1]~[14]のいずれか1つに記載の化合物からなる発光材料。
[16] [1]~[14]のいずれか1つに記載の化合物を含む膜。
[17] [1]~[14]のいずれか1つに記載の化合物を含む有機半導体素子。
[18] [1]~[14]のいずれか1つに記載の化合物を含む有機発光素子。
[19] ホスト材料と遅延蛍光材料と前記化合物を含む発光層を有しており、素子に含
まれる材料のうち、前記化合物からの発光量が最大である、[18]に記載の有機発光素
子。
[20] 遅延蛍光を放射する、[18]または[19]に記載の有機発光素子。
本発明の化合物は、優れた発光特性を示す。本発明の化合物は有機発光素子の材料とし
て有用である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明
は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はその
ような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用
いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含
む範囲を意味する。また、本発明に用いられる化合物の分子内に存在する水素原子の一部
または全部は重水素原子(H、デューテリウムD)に置換することができる。本明細書
の化学構造式では、水素原子はHと表示しているか、その表示を省略している。例えばベ
ンゼン環の環骨格構成炭素原子に結合する原子の表示が省略されているとき、表示が省略
されている箇所ではHが環骨格構成炭素原子に結合しているものとする。本明細書にて「
置換基」という用語は、水素原子および重水素原子以外の原子または原子団を意味する。
一方、「置換もしくは無置換の」という用語は、水素原子が重水素原子または置換基で置
換されていてもよいことを意味する。
[一般式(1)で表される化合物]
下記一般式(1)で表される化合物について説明する。
一般式(1)において、XおよびXは、単結合、O、S、N(R)、水素原子2個
、重水素原子2個、または水素原子1個と重水素原子1個を表す。Rは置換基を表す。X
およびXが単結合であるとき、その単結合を含めた5員環(炭素原子4個と窒素原子
1個で構成される5員環)が形成される。XおよびXがO、SまたはN(R)である
とき、そのO、SまたはNを含めた6員環(炭素原子4個と窒素原子1個と、O、Sまた
はNで構成される6員環)が形成される。XおよびXが水素原子2個、重水素原子2
個、または水素原子1個と重水素原子1個であるとき、環状構造は形成されず、以下の一
般式(1a)で表される構造が形成される。一般式(1a)において、R27~R30
各々独立に水素原子または重水素原子を表し、R~R26の定義は一般式(1)と同じ
である。
およびXは同一であっても、異なっていてもよいが、好ましいのは同一である場
合である。本発明の一態様では、XおよびXは各々独立に単結合、O、SおよびN(
R)から選択する。本発明の一態様では、XおよびXは各々独立に単結合、Oおよび
Sから選択する。本発明の一態様では、XおよびXは各々独立に単結合およびN(R
)から選択する。本発明の一態様では、XおよびXは各々独立に単結合、水素原子2
個、重水素原子2個、および水素原子1個と重水素原子1個から選択する。本発明の一態
様では、XおよびXは単結合である。本発明の一態様では、XおよびXはOであ
る。本発明の一態様では、XおよびXはSである。本発明の一態様では、Xおよび
はN(R)である。本発明の一態様では、XおよびXは、水素原子2個、重水素
原子2個、または水素原子1個と重水素原子1個である。
Rが表す置換基は、下記の置換基群Aから選択してもよいし、下記の置換基群Bから選
択してもよいし、下記の置換基群Cから選択してもよいし、下記の置換基群Dから選択し
てもよい。好ましくは下記の置換基群Eから選択する。例えば、アルキル基やアリール基
で置換されていてもよいフェニル基を挙げることができる。
一般式(1)において、R~R26は、各々独立に水素原子、重水素原子または置換
基を表す。RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、R10とR
11、R11とR12、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R20とR
21、R21とR22、R23とR24、R24とR25は、互いに結合して環状構造を
形成していてもよい。
とR、RとR、RとR、RとR、RとR、R10とR11、R
11とR12、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R20とR21、R
21とR22、R23とR24、R24とR25のうち、互いに結合して環状構造を形成
している組み合わせの数は0であってもよいし、例えば1~6のいずれかであってもよい
。例えば1~4のいずれかであってもよく、1を選択したり、2を選択したり、3または
4を選択したりすることができる。本発明の一態様では、少なくともRとRが互いに
結合して環状構造を形成している。本発明の一態様では、少なくともRとRが互いに
結合して環状構造を形成している。本発明の一態様では、少なくともRとRが互いに
結合して環状構造を形成している。
とR、RとR、RとR、RとR、RとR、R10とR11、R
11とR12、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R20とR21、R
21とR22、R23とR24、R24とR25が互いに結合して形成する環状構造は、
芳香環であっても脂肪環であってもよく、またヘテロ原子を含むものであってもよく、さ
らに他の環が1環以上縮合していてもよい。ここでいうヘテロ原子としては、窒素原子、
酸素原子および硫黄原子からなる群より選択されるものであることが好ましい。形成され
る環状構造の例として、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジ
ン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾリン環、
フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチ
アゾール環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環、シクロペンテン環、シクロペン
タジエン環、シクロヘプタトリエン環、シクロヘプタジエン環、シクロヘプテン環、およ
びこれらの環からなる群より選択される1つ以上の環がさらに縮合した環を挙げることが
できる。
本発明の一態様では、環状構造はシクロペンタジエン環またはシクロヘキサジエン環で
あり、より好ましくはシクロペンタジエン環である(これらの環にはさらに環が縮合して
いてもよいが、縮合していないことが好ましい)。本発明の好ましい一態様では、R
が互いに結合してシクロペンタジエン環またはシクロヘキサジエン環を形成している
か、RとR、R16とR17が、いずれも互いに結合してシクロペンタジエン環また
はシクロヘキサジエン環を形成している。後者がより好ましく、シクロペンタジエン環を
形成している場合がより好ましい。
本発明の一態様では、環状構造は置換もしくは無置換の複素芳香環であり、好ましくは
ベンゾフランのフラン環、ベンゾチオフェンのチオフェン環である。本発明の好ましい一
態様では、RとR、RとR、R10とR11、R11とR12、R20とR21
、R21とR22、R23とR24、R24とR25のうちの少なくとも1組(より好ま
しくは2~4組で、さらに好ましくは2組)が、互いに結合して置換もしくは無置換の複
素芳香環(好ましくはベンゾフランのフラン環、ベンゾチオフェンのチオフェン環)を形
成している。
本発明の一態様では、RとR、R20とR21は、それぞれ互いに結合して同じ環
状構造を形成している。本発明の一態様では、RとR、R21とR22は、それぞれ
互いに結合して同じ環状構造を形成している。本発明の一態様では、R10とR11、R
23とR24は、それぞれ互いに結合して同じ環状構造を形成している。本発明の一態様
では、R11とR12、R24とR25は、それぞれ互いに結合して同じ環状構造を形成
している。
隣接するR(n=3~12、16~25)と互いに結合していないR~R26は、
水素原子、重水素原子または置換基である。R、R、R、R、R12~R15
19、R20、R25およびR26は、各々独立に水素原子または重水素原子であるこ
とが好ましい。
~R26が採りうる置換基としては、後述の置換基群A~Eのいずれかから選択さ
れる基を採用することができる。R~R26が採りうる好ましい置換基は、置換もしく
は無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のジアリ
ールアミノ基であり、例えば置換基は置換もしくは無置換のアリール基であってもよいし
、例えば置換基は置換もしくは無置換のアルキル基であってもよいし、例えば置換基は置
換もしくは無置換のジアリールアミノ基であってもよい。ここでいうアルキル基、アリー
ル基、ジアリールアミノ基の置換基も置換基群A~Eのいずれかから選択される基を採用
することができるが、好ましくはアルキル基、アリール基およびジアリールアミノ基から
なる群より選択される1以上の基であり、より好ましくは置換基群Eの基であり、無置換
であってもよい。本発明の一態様では、R~Rの少なくとも1つが置換基であり、好
ましくは置換基群Eの基である。本発明の一態様では、R~R12の少なくとも1つが
置換基であり、好ましくは置換基群Eの基である。本発明の一態様では、RおよびR
の少なくとも1つが置換基であり、好ましくは置換基群Eの基である。本発明の一態様で
は、Rが置換基であり、好ましくは置換基群Eの基である。本発明の好ましい一態様で
は、R~R、R~R11、R16~R18、R21~R24の少なくとも1つが無
置換のアルキル基である。特に、炭素数2以上のアルキル基(好ましくは炭素数3以上の
アルキル基、より好ましくは炭素数3~8のアルキル基、さらに好ましくは3または4の
アルキル基)であるとき、膜にしたときに配向性が高くなり好ましい。本発明の好ましい
一態様では、R、R11、R21およびR24が置換基であり、好ましくは置換基群E
の基であり、さらに好ましくは無置換のアルキル基であり、さらにより好ましくは4つと
も同一である。例えば、後掲の化合物4は化合物1よりも配向性が高い。
以下において、R~R26が採りうる基の具体例を挙げる。ただし、本発明で採用す
ることができる基は、以下の具体例により限定的に解釈されることはない。なお、本明細
書中ではメチル基はCHの表示を省略している。このため、例えば下記のZ2~Z4は
、順にメチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基を表し、Z6は4-メチルフェニル基
を表す。*は結合位置を表す。
Z1~Z18に存在するすべての水素原子を重水素原子に置換したものを、順にZ19
~Z36としてここに例示する。
本発明の一態様では、R~R26は、各々独立にZ1~Z36の中から選択する。本
発明の一態様では、R~R26は、各々独立にZ1~Z4およびZ19~Z22の中か
ら選択する。本発明の一態様では、R~R26は、各々独立にZ1、Z5~Z15、Z
19およびZ23~Z33の中から選択する。本発明の一態様では、R~R26は、各
々独立にZ1、Z16~Z19およびZ34~Z36の中から選択する。本発明の一態様
では、R~RおよびR14~R19は、各々独立にZ1またはZ19である。本発明
の一態様では、R~R12およびR20~R26は、各々独立にZ1またはZ19であ
る。本発明の一態様では、R~R26は、各々独立にZ1またはZ19である。本発明
の一態様では、R~R26のうちの少なくとも18個が、各々独立にZ1またはZ19
である。本発明の一態様では、R~R26のうちの少なくとも22個が、各々独立にZ
1またはZ19である。本発明の一態様では、RとR14、RとR15、RとR
、RとR17、RとR18、RとR19、RとR20、RとR21、R
22、R10とR23、R11とR24、R12とR25、R13とR26が、それぞ
れ同一である。
一般式(1)で表される化合物は対称構造を有していてもよいし、対称構造を有してい
なくてもよい。対称構造を有する場合は、回転対称構造であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物として、以下の一般式(2)~(11)のいずれかで表
される化合物を採用することができる。一般式(2)~(11)におけるX、X、R
~R、R~R11、R16~R18、R21~R24の定義と説明については、一
般式(1)の対応する定義と説明を参照することができる。
以下において、一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げる。ただし、本発明で用
いることができる一般式(1)で表される化合物は、以下の具体例により限定的に解釈さ
れることはない。
表1では、一般式(2)におけるX、X、R~R、R~R11、R16~R
18、R21~R24を化合物ごとにそれぞれ特定することにより化合物1~281の構
造を個別に示している。表1では、XとXは同一であり、R、R11、R21、R
24は同一であり、R、R10、R22、R23は同一であり、RとR16は同一で
あり、RとR17は同一であり、RとR18は同一である。表1の「X,X」の
欄に記載されている「ー」はXとXがそれぞれ単結合であることを意味しており、「
NPh」はXとXがそれぞれフェニル基が結合した窒素原子であることを意味してお
り、「H,H」はXとXがそれぞれ2個の水素原子であることを意味している。例え
ば、化合物2は、XとXがいずれも単結合であり、R、R11、R21、R24
いずれもZ2(メチル基)であり、R、R10、R22、R23、R、R16、R
、R17、R、R18がいずれも水素原子である構造を有している。
表2~11は、それぞれ一般式(2)~(11)で表される化合物の具体例を表にして
示したものである。
表2は、一般式(2)で表される化合物の具体例を示している。一般式(2)の各段に
は、複数の化合物のX、X、R~R、R~R11、R16~R18、R21
24をまとめて表示している。例えば、表2の化合物1~36の段であれば、XとX
がいずれも単結合であり、R、R11、R21、R24が順にZ1~Z36であり、
、R10、R22、R23、R、R16、R、R17、R、R18がいずれも
水素原子である構造を、それぞれ化合物1~36の構造として示している。すなわち、表
2の化合物1~36の段は、表1で特定される化合物1~36をまとめて表示したもので
ある。例えば、表2の化合物177~211の段であれば、XとXがいずれも単結合
であり、R、R11、R21、R24、R、R16が順にZ1~Z36であり、R
、R10、R22、R23、R、R17、R、R18がいずれも水素原子である構造
を、それぞれ化合物177~211の構造として示している。同じ要領により、表2の他
の段の化合物の各構造も特定している。
また、表2と同じ要領により、表3~11の一般式(3)~(11)で表される化合物
の各構造も特定している。
上記化合物1~35830の分子内に存在する水素原子をすべて重水素原子に置換した
ものを化合物1(D)~35830(D)として開示する。
以上の番号で特定される化合物は、すべてが個別に開示されているものとする。なお、
上記の化合物具体例のうち、回転異性体が存在する場合は、回転異性体の混合物と、分離
した各回転異性体も、本明細書に開示されているものとする。
本発明の一態様では、化合物1~35830の中から化合物を選択する。本発明の一態
様では、化合物1(D)~35830(D)の中から化合物を選択する。
本発明の一態様では、化合物1~35830および化合物1(D)~35830(D)
のうち、上記[2]を満たす群から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物1~
35830および化合物1(D)~35830(D)のうち、上記[3]を満たす群から
化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物1~35830および化合物1(D)~
35830(D)のうち、上記[6]を満たす群から化合物を選択する。本発明の一態様
では、化合物1~35830および化合物1(D)~35830(D)のうち、上記[7
]を満たす群から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物1~35830および
化合物1(D)~35830(D)のうち、上記[8]を満たす群から化合物を選択する
。本発明の一態様では、化合物1~35830および化合物1(D)~35830(D)
のうち、上記[9]を満たす群から化合物を選択する。本発明の一態様では、化合物1~
35830および化合物1(D)~35830(D)のうち、上記[11]を満たす群か
ら化合物を選択する。
一般式(1)で表される化合物の分子量は、例えば一般式(1)で表される化合物を含
む有機層を蒸着法により製膜して利用することを意図する場合には、1500以下である
ことが好ましく、1200以下であることがより好ましく、1000以下であることがさ
らに好ましく、900以下であることがさらにより好ましい。分子量の下限値は、一般式
(1)で表される化合物群の最小化合物の分子量である。
一般式(1)で表される化合物は、分子量にかかわらず塗布法で成膜してもよい。塗布
法を用いれば、分子量が比較的大きな化合物であっても成膜することが可能である。一般
式(1)で表される化合物は有機溶媒に溶解しやすいという利点がある。このため、一般
式(1)で表される化合物は塗布法を適用しやすいうえ、精製して純度を高めやすい。
一般式(1)で表される化合物は、膜中における配向性が高い。特に一般式(1)のR
~R26の少なくとも1つが置換基であり、好ましくはR~R、R~R11、R
16~R18およびR21~R24の少なくとも1つが置換基であり、さらに好ましくは
置換基群Eの基(例えば重水素原子やアルキル基で置換されていてもよいアリール基)で
あるときに、さらにより好ましくはアルキル基であるときに、膜中における配向性が特に
高い。このような高い配向性は、ホスト材料とともに一般式(1)で表される化合物を含
む膜において好ましく発現する。また、このような高い配向性は、ホスト材料と、アシス
トドーパントとして機能する遅延蛍光材料とともに一般式(1)で表される化合物を含む
膜において好ましく発現する。このような高い配向性を示す化合物を用いれば、発光効率
が高い有機発光素子を提供することができる。配向性は、配向値(S値)にて評価するこ
とができる。負の値が大きいほど(数値が小さいほど)配向性が高いことを意味する。配
向値(S値)は、Scientific Reports 2017, 7, 8405に記載される方法により決定するこ
とができる。本発明の膜における一般式(1)で表される化合物の配向値は-0.25未
満であることが好ましく、-0.30未満であることがより好ましく、-0.35未満で
あることがさらに好ましく、-0.40未満であることが特に好ましい。
本発明を応用して、分子内に一般式(1)で表される構造を複数個含む化合物を、発光
材料として用いることも考えられる。
例えば、一般式(1)で表される構造中にあらかじめ重合性基を存在させておいて、そ
の重合性基を重合させることによって得られる重合体を、発光材料として用いることが考
えられる。具体的には、一般式(1)で表される構造のいずれかに重合性官能基を含むモ
ノマーを用意して、これを単独で重合させるか、他のモノマーとともに共重合させること
により、繰り返し単位を有する重合体を得て、その重合体を発光材料として用いることが
考えられる。あるいは、一般式(1)で表される化合物どうしをカップリングさせること
により、二量体や三量体を得て、それらを発光材料として用いることも考えられる。
一般式(1)で表される構造を含む繰り返し単位を有する重合体の例として、下記一般
式で表される構造を含む重合体を挙げることができる。
上記一般式において、Qは一般式(1)で表される構造を含む基を表し、LおよびL
は連結基を表す。連結基の炭素数は、好ましくは0~20であり、より好ましくは1~
15であり、さらに好ましくは2~10である。連結基は-X11-L11-で表される
構造を有するものであることが好ましい。ここで、X11は酸素原子または硫黄原子を表
し、酸素原子であることが好ましい。L11は連結基を表し、置換もしくは無置換のアル
キレン基、または置換もしくは無置換のアリーレン基であることが好ましく、炭素数1~
10の置換もしくは無置換のアルキレン基、または置換もしくは無置換のフェニレン基で
あることがより好ましい。
101、R102、R103およびR104は、各々独立に置換基を表す。好ましく
は、炭素数1~6の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1~6の置換もしくは無置
換のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは炭素数1~3の無置換のアルキ
ル基、炭素数1~3の無置換のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子であり、さらに好ま
しくは炭素数1~3の無置換のアルキル基、炭素数1~3の無置換のアルコキシ基である

およびLで表される連結基は、Qを構成する一般式(1)で表される構造のいず
れかの位置に結合することができる。1つのQに対して連結基が2つ以上連結して架橋構
造や網目構造を形成していてもよい。
繰り返し単位の具体的な構造例として、下記式で表される構造を挙げることができる。
これらの式を含む繰り返し単位を有する重合体は、一般式(1)で表される構造のいず
れかの位置にヒドロキシ基を導入しておき、それをリンカーとして下記化合物を反応させ
て重合性基を導入し、その重合性基を重合させることにより合成することができる。
分子内に一般式(1)で表される構造を含む重合体は、一般式(1)で表される構造を
有する繰り返し単位のみからなる重合体であってもよいし、それ以外の構造を有する繰り
返し単位を含む重合体であってもよい。また、重合体の中に含まれる一般式(1)で表さ
れる構造を有する繰り返し単位は、単一種であってもよいし、2種以上であってもよい。
一般式(1)で表される構造を有さない繰り返し単位としては、通常の共重合に用いられ
るモノマーから誘導されるものを挙げることができる。例えば、エチレン、スチレンなど
のエチレン性不飽和結合を有するモノマーから誘導される繰り返し単位を挙げることがで
きる。
一般式(1)で表される化合物は、金属原子を含まないことが好ましい。ここでいう金
属原子にはホウ素原子は含まれない。例えば、一般式(1)で表される化合物として、炭
素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子およびホウ素原子からな
る群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例えば、一般式(1)
で表される化合物として、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子、酸素原子および
ホウ素原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択することができる。例え
ば、一般式(1)で表される化合物として、炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素原子
、硫黄原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択するこ
とができる。例えば、一般式(1)で表される化合物として、炭素原子、水素原子、重水
素原子、窒素原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子からなる化合物を選択
することができる。
本明細書において「アルキル基」は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。
また、直鎖部分と環状部分と分枝部分のうちの2種以上が混在していてもよい。アルキル
基の炭素数は、例えば1以上、2以上、4以上とすることができる。また、炭素数は30
以下、20以下、10以下、6以下、4以下とすることができる。アルキル基の具体例と
して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチ
ル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシ
ル基、2-エチルヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、n-オクチル基、イソ
オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デカニル基、イソデカニル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基を挙げることができる。置換基たるアル
キル基は、さらにアリール基で置換されていてもよい。
「アリール基」および「ヘテロアリール基」は、単環であってもよいし、2つ以上の環
が縮合した縮合環であってもよい。縮合環である場合、縮合している環の数は2~6であ
ることが好ましく、例えば2~4の中から選択することができる。環の具体例として、ベ
ンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ナフタレン環、アントラセン環、
フェナントレン環、トリフェニレン環、キノリン環、ピラジン環、キノキサリン環、ナフ
チリジン環を挙げることができ、これらが縮合した環であってもよい。アリール基または
ヘテロアリール基の具体例として、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-
アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、2-ピリジル基、3
-ピリジル基、4-ピリジル基を挙げることができる。アリール基の環骨格構成原子数は
6~40であることが好ましく、6~20であることがより好ましく、6~14の範囲内
で選択したり、6~10の範囲内で選択したりしてもよい。ヘテロアリール基の環骨格構
成原子数は4~40であることが好ましく、5~20であることがより好ましく、5~1
4の範囲内で選択したり、5~10の範囲内で選択したりしてもよい。「アリーレン基」
および「ヘテロアリール基」は、アリール基およびヘテロアリール基の説明における価数
を1から2へ読み替えたものとすることができる。
本明細書において「置換基群A」とは、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えばフッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(例えば炭素数1~40)、アル
コキシ基(例えば炭素数1~40)、アルキルチオ基(例えば炭素数1~40)、アリー
ル基(例えば炭素数6~30)、アリールオキシ基(例えば炭素数6~30)、アリール
チオ基(例えば炭素数6~30)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~30
)、ヘテロアリールオキシ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールチオ
基(例えば環骨格構成原子数5~30)、アシル基(例えば炭素数1~40)、アルケニ
ル基(例えば炭素数1~40)、アルキニル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシカ
ルボニル基(例えば炭素数1~40)、アリールオキシカルボニル基(例えば炭素数1~
40)、ヘテロアリールオキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、シリル基(例え
ば炭素数1~40のトリアルキルシリル基)およびニトロ基からなる群より選択される1
つの基または2つ以上を組み合わせて形成される基を意味する。
本明細書において「置換基群B」とは、アルキル基(例えば炭素数1~40)、アルコ
キシ基(例えば炭素数1~40)、アリール基(例えば炭素数6~30)、アリールオキ
シ基(例えば炭素数6~30)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~30)
、ヘテロアリールオキシ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ジアリールアミノアミ
ノ基(例えば炭素原子数0~20)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を
組み合わせて形成される基を意味する。
本明細書において「置換基群C」とは、アルキル基(例えば炭素数1~20)、アリー
ル基(例えば炭素数6~22)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~20)
、ジアリールアミノ基(例えば炭素原子数12~20)からなる群より選択される1つの
基または2つ以上を組み合わせて形成される基を意味する。
本明細書において「置換基群D」とは、アルキル基(例えば炭素数1~20)、アリー
ル基(例えば炭素数6~22)およびヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~2
0)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を組み合わせて形成される基を意
味する。
本明細書において「置換基群E」とは、アルキル基(例えば炭素数1~20)およびア
リール基(例えば炭素数6~22)からなる群より選択される1つの基または2つ以上を
組み合わせて形成される基を意味する。
本明細書において「置換基」や「置換もしくは無置換の」と記載されている場合の置換
基は、例えば置換基群Aの中から選択してもよいし、置換基群Bの中から選択してもよい
し、置換基群Cの中から選択してもよいし、置換基群Dの中から選択してもよいし、置換
基群Eの中から選択してもよい。
ある実施形態では、一般式(1)で表される化合物は発光材料である。
ある実施形態では、一般式(1)で表される化合物は、遅延蛍光を発することができる
化合物である。
本開示のある実施形態では、一般式(1)で表される化合物は、熱的または電子的手段
で励起されるとき、UV領域、可視スペクトルのうち青色、緑色、黄色、オレンジ色、赤
色領域(例えば約420nm~約500nm、約500nm~約600nmまたは約60
0nm~約700nm)または近赤外線領域で光を発することができる。
本開示のある実施形態では、一般式(1)で表される化合物は、熱的または電子的手段
で励起されるとき、可視スペクトルのうち赤色またはオレンジ色領域(例えば約620n
m~約780nm、約650nm)で光を発することができる。
本開示のある実施形態では、一般式(1)で表される化合物は、熱的または電子的手段
で励起されるとき、赤外スペクトル領域(例えば780nm~2μm)で光を発すること
ができる。
本開示のある実施形態では、一般式(1)で表される化合物を用いた有機半導体素子を
作製することができる。例えば、一般式(1)で表される化合物を用いたCMOS(相補
型金属酸化膜半導体)などを作製することができる。本開示のある実施形態では、一般式
(1)で表される化合物を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子や固体撮像素子(例
えばCMOSイメージセンサー)などの有機光素子を作製することができる。
小分子の化学物質ライブラリの電子的特性は、公知のab initioによる量子化
学計算を用いて算出することができる。例えば、基底として、6-31G*、およびベッ
ケの3パラメータ、Lee-Yang-Parrハイブリッド汎関数として知られている
関数群を用いた時間依存的な密度汎関数理論を使用してHartree-Fock方程式
(TD-DFT/B3LYP/6-31G*)を解析し、特定の閾値以上のHOMOおよ
び特定の閾値以下のLUMOを有する分子断片(部分)をスクリーニングすることができ
る。
それにより、例えば-6.5eV以上のHOMOエネルギー(例えばイオン化ポテンシ
ャル)があるときは、供与体部分(「D」)が選抜できる。また例えば、-0.5eV以
下のLUMOエネルギー(例えば電子親和力)があるときは、受容体部分(「A」)が選
抜できる。ブリッジ部分(「B」)は、例えば受容体と供与体部分を特異的な立体構成に
厳しく制限できる強い共役系であることにより、供与体および受容体部分のπ共役系間の
重複が生じるのを防止する。
ある実施形態では、化合物ライブラリは、以下の特性のうちの1つ以上を用いて選別さ
れる。
1.特定の波長付近における発光
2.算出された、特定のエネルギー準位より上の三重項状態
3.特定値より下のΔEST
4.特定値より上の量子収率
5.HOMO準位
6.LUMO準位
ある実施形態では、77Kにおける最低の一重項励起状態と最低の三重項励起状態との
差(ΔEST)は、約0.5eV未満、約0.4eV未満、約0.3eV未満、約0.2
eV未満または約0.1eV未満である。ある実施形態ではΔEST値は、約0.09e
V未満、約0.08eV未満、約0.07eV未満、約0.06eV未満、約0.05e
V未満、約0.04eV未満、約0.03eV未満、約0.02eV未満または約0.0
1eV未満である。
ある実施形態では、一般式(1)で表される化合物は、25%超の、例えば約30%、
約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、
約75%、約80%、約85%、約90%、約95%またはそれ以上の量子収率を示す。
[一般式(1)で表される化合物の合成方法]
一般式(1)で表される化合物は、新規化合物である。
一般式(1)で表される化合物は、既知の反応を組み合わせることによって合成するこ
とができる。例えば、閉環反応を利用したり、置換反応を利用したりすることにより合成
することができる。合成条件の詳細については、後述の合成例を参照することができる。
[一般式(1)で表される化合物を用いた構成物]
ある実施形態では、一般式(1)で表される化合物と組み合わせ、同化合物を分散させ
、同化合物と共有結合し、同化合物をコーティングし、同化合物を担持し、あるいは同化
合物と会合する1つ以上の材料(例えば小分子、ポリマー、金属、金属錯体等)と共に用
い、固体状のフィルムまたは層を形成させる。例えば、一般式(1)で表される化合物を
電気活性材料と組み合わせてフィルムを形成することができる。いくつかの場合、一般式
(1)で表される化合物を正孔輸送ポリマーと組み合わせてもよい。いくつかの場合、一
般式(1)で表される化合物を電子輸送ポリマーと組み合わせてもよい。いくつかの場合
、一般式(1)で表される化合物を正孔輸送ポリマーおよび電子輸送ポリマーと組み合わ
せてもよい。いくつかの場合、一般式(1)で表される化合物を、正孔輸送部と電子輸送
部との両方を有するコポリマーと組み合わせてもよい。以上のような実施形態により、固
体状のフィルムまたは層内に形成される電子および/または正孔を、一般式(1)で表さ
れる化合物と相互作用させることができる。
[フィルムの形成]
ある実施形態では、本発明の一般式(1)で表される化合物を含むフィルムは、湿式工
程で形成することができる。湿式工程では、本発明の化合物を含む組成物を溶解した溶液
を面に塗布し、溶媒の除去後にフィルムを形成する。湿式工程として、スピンコート法、
スリットコート法、インクジェット法(スプレー法)、グラビア印刷法、オフセット印刷
法、フレキソ印刷法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。湿式工
程では、本発明の化合物を含む組成物を溶解することができる適切な有機溶媒を選択して
用いる。ある実施形態では、組成物に含まれる化合物に、有機溶媒に対する溶解性を上げ
る置換基(例えばアルキル基)を導入することができる。
ある実施形態では、本発明の化合物を含むフィルムは、乾式工程で形成することができ
る。ある実施形態では、乾式工程として真空蒸着法を採用することができる、これに限定
されるものではない。真空蒸着法を採用する場合は、フィルムを構成する化合物を個別の
蒸着源から共蒸着させてもよいし、化合物を混合した単一の蒸着源から共蒸着させてもよ
い。単一の蒸着源を用いる場合は、化合物の粉末を混合した混合粉を用いてもよいし、そ
の混合粉を圧縮した圧縮成形体を用いてもよいし、各化合物を加熱溶融して冷却した混合
物を用いてもよい。ある実施形態では、単一の蒸着源に含まれる複数の化合物の蒸着速度
(重量減少速度)が一致ないしほぼ一致する条件で共蒸着を行うことにより、蒸着源に含
まれる複数の化合物の組成比に対応する組成比のフィルムを形成することができる。形成
されるフィルムの組成比と同じ組成比で複数の化合物を混合して蒸着源とすれば、所望の
組成比を有するフィルムを簡便に形成することができる。ある実施形態では、共蒸着され
る各化合物が同じ重量減少率になる温度を特定して、その温度を共蒸着時の温度として採
用することができる。
[一般式(1)で表される化合物の使用の例]
一般式(1)で表される化合物は、有機発光素子の材料として有用である。特に有機発
光ダイオード等に好ましく用いられる。
有機発光ダイオード:
本発明の一態様は、有機発光素子の発光材料としての、本発明の一般式(1)で表され
る化合物の使用に関する。ある実施形態では、本発明の一般式(1)で表される化合物は
、有機発光素子の発光層における発光材料として効果的に使用できる。ある実施形態では
、一般式(1)で表される化合物は、遅延蛍光を発する遅延蛍光(遅延蛍光体)を含む。
ある実施形態では、本発明は一般式(1)で表される構造を有する遅延蛍光体を提供する
。ある実施形態では、本発明は遅延蛍光体としての一般式(1)で表される化合物の使用
に関する。ある実施形態では、本発明は一般式(1)で表される化合物は、ホスト材料と
して使用することができ、かつ、1つ以上の発光材料と共に使用することができ、発光材
料は蛍光材料、燐光材料または遅延蛍光材料(TADF)でよい。ある実施形態では、一
般式(1)で表される化合物は、正孔輸送材料として使用することもできる。ある実施形
態では、一般式(1)で表される化合物は、電子輸送材料として使用することができる。
ある実施形態では、本発明は一般式(1)で表される化合物から遅延蛍光を生じさせる方
法に関する。ある実施形態では、化合物を発光材料として含む有機発光素子は、遅延蛍光
を発し、高い光放射効率を示す。
ある実施形態では、発光層は一般式(1)で表される化合物を含み、一般式(1)で表
される化合物は、基材と平行に配向される。ある実施形態では、基材はフィルム形成表面
である。ある実施形態では、フィルム形成表面に対する一般式(1)で表される化合物の
配向は、整列させる化合物によって発せられる光の伝播方向に影響を与えるか、あるいは
、当該方向を決定づける。ある実施形態では、一般式(1)で表される化合物によって発
される光の伝播方向を整列させることで、発光層からの光抽出効率が改善される。
本発明の一態様は、有機発光素子に関する。ある実施形態では、有機発光素子は発光層
を含む。ある実施形態では、発光層は発光材料として一般式(1)で表される化合物を含
む。ある実施形態では、有機発光素子は有機光ルミネッセンス素子(有機PL素子)であ
る。ある実施形態では、有機発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL
素子)である。ある実施形態では、一般式(1)で表される化合物は、発光層に含まれる
他の発光材料の光放射を(いわゆるアシストドーパントとして)補助する。ある実施形態
では、発光層に含まれる一般式(1)で表される化合物は、その最低の励起一重項エネル
ギー準位にあり、発光層に含まれるホスト材料の最低励起一重項エネルギー準位と発光層
に含まれる他の発光材料の最低励起一重項エネルギー準位との間に含まれる。
ある実施形態では、有機光ルミネッセンス素子は、少なくとも1つの発光層を含む。あ
る実施形態では、有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも陽極、陰極、および
前記陽極と前記陰極との間の有機層を含む。ある実施形態では、有機層は、少なくとも発
光層を含む。ある実施形態では、有機層は、発光層のみを含む。ある実施形態では、有機
層は、発光層に加えて1つ以上の有機層を含む。有機層の例としては、正孔輸送層、正孔
注入層、電子障壁層、正孔障壁層、電子注入層、電子輸送層および励起子障壁層が挙げら
れる。ある実施形態では、正孔輸送層は、正孔注入機能を有する正孔注入輸送層であって
もよく、電子輸送層は、電子注入機能を有する電子注入輸送層であってもよい。有機エレ
クトロルミネッセンス素子の例を図1に示す。
発光層:
ある実施形態では、発光層は、陽極および陰極からそれぞれ注入された正孔および電子
が再結合して励起子を形成する層である。ある実施形態では、層は光を発する。
ある実施形態では、発光材料のみが発光層として用いられる。ある実施形態では、発光
層は発光材料とホスト材料とを含む。ある実施形態では、発光材料は、一般式(1)で表
される化合物である。ある実施形態では、有機エレクトロルミネッセンス素子および有機
光ルミネッセンス素子の光放射効率を向上させるため、発光材料において発生する一重項
励起子および三重項励起子を、発光材料内に閉じ込める。ある実施形態では、発光層中に
発光材料に加えてホスト材料を用いる。ある実施形態では、ホスト材料は有機化合物であ
る。ある実施形態では、有機化合物は励起一重項エネルギーおよび励起三重項エネルギー
を有し、その少なくとも1つは、本発明の発光材料のそれらよりも高い。ある実施形態で
は、本発明の発光材料中で発生する一重項励起子および三重項励起子は、本発明の発光材
料の分子中に閉じ込められる。ある実施形態では、一重項および三重項の励起子は、光放
射効率を向上させるために十分に閉じ込められる。ある実施形態では、高い光放射効率が
未だ得られるにもかかわらず、一重項励起子および三重項励起子は十分に閉じ込められず
、すなわち、高い光放射効率を達成できるホスト材料は、特に限定されることなく本発明
で使用されうる。ある実施形態では、本発明の素子の発光層中の発光材料において、光放
射が生じる。ある実施形態では、放射光は蛍光および遅延蛍光の両方を含む。ある実施形
態では、放射光は、ホスト材料からの放射光を含む。ある実施形態では、放射光は、ホス
ト材料からの放射光からなる。ある実施形態では、放射光は、一般式(1)で表される化
合物からの放射光と、ホスト材料からの放射光とを含む。ある実施形態では、TADF分
子とホスト材料とが用いられる。ある実施形態では、TADFはアシストドーパントであ
り、発光層中のホスト材料よりも励起一重項エネルギーが低く、発光層中の発光材料より
も励起一重項エネルギーが高い。
一般式(1)で表される化合物をアシストドーパントとして用いるとき、発光材料(好
ましくは蛍光材料)として様々な化合物を採用することが可能である。そのような発光材
料としては、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ピレン誘導体
、ペリレン誘導体、クリセン誘導体、ルブレン誘導体、クマリン誘導体、ピラン誘導体、
スチルベン誘導体、フルオレン誘導体、アントリル誘導体、ピロメテン誘導体、ターフェ
ニル誘導体、ターフェニレン誘導体、フルオランテン誘導体、アミン誘導体、キナクリド
ン誘導体、オキサジアゾール誘導体、マロノニトリル誘導体、ピラン誘導体、カルバゾー
ル誘導体、ジュロリジン誘導体、チアゾール誘導体、金属(Al,Zn)を有する誘導体
等を用いることが可能である。これらの例示骨格には置換基を有してもよいし、置換基を
有していなくてもよい。また、これらの例示骨格どうしを組み合わせてもよい。
以下において、一般式(1)で表される構造を有するアシストドーパントと組み合わせ
て用いることができる発光材料を例示する。
上記の例示化合物の全水素原子を重水素原子に置換した化合物もホスト材料として用い
ることができる。また、上記例示化合物のうちカルバゾール-9-イル基を含むものにつ
いては、そのカルバゾール-9-イル基の全水素原子を重水素原子に置換した化合物もホ
スト材料として用いることができる。
また、WO2015/022974号公報の段落0220~0239に記載の化合物も
、一般式(1)で表される構造を有するアシストドーパントとともに用いる発光材料とし
て、特に好ましく採用することができる。
ある実施形態では、ホスト材料を用いるとき、発光層に含まれる発光材料としての本発
明の化合物の量は、0.1重量%以上である。ある実施形態では、ホスト材料を用いると
き、発光層に含まれる発光材料としての本発明の化合物の量は、1重量%以上である。あ
る実施形態では、ホスト材料を用いるとき、発光層に含まれる発光材料としての本発明の
化合物の量は、50重量%以下である。ある実施形態では、ホスト材料を用いるとき、発
光層に含まれる発光材料としての本発明の化合物の量は、20重量%以下である。ある実
施形態では、ホスト材料を用いるとき、発光層に含まれる発光材料としての本発明の化合
物の量は、10重量%以下である。
ある実施形態では、発光層のホスト材料は、正孔輸送機能および電子輸送機能を有する
有機化合物である。ある実施形態では、発光層のホスト材料は、放射光の波長が増加する
ことを防止する有機化合物である。ある実施形態では、発光層のホスト材料は、高いガラ
ス転移温度を有する有機化合物である。
いくつかの実施形態では、ホスト材料は以下からなる群から選択される:
本発明の好ましい態様では、上記の欄に記載した12-(3-(ジベンゾ[b,d]フ
ラン-3-イル)フェニル)-12H-ベンゾフロ[2,3-a]カルバゾール(後掲の
参考例で使用している化合物H1)、その重水素化体およびアルキル置換体からなる群よ
りホスト材料を選択する。ここで、「重水素化体」は、12-(3-(ジベンゾ[b,d
]フラン-3-イル)フェニル)-12H-ベンゾフロ[2,3-a]カルバゾールの分
子内に存在する水素原子の少なくとも1つを重水素原子で置換した化合物を意味し、分子
内に存在する水素原子の一部を重水素原子で置換したものであってもよいし、分子内に存
在する水素原子の全てを重水素原子で置換したものであってもよい。「アルキル置換体」
は、12-(3-(ジベンゾ[b,d]フラン-3-イル)フェニル)-12H-ベンゾ
フロ[2,3-a]カルバゾールの分子内に存在する水素原子の少なくとも1つをアルキ
ル基で置換した化合物を意味し、分子内に存在する水素原子の一部をアルキル基で置換し
たものであってもよいし、分子内に存在する水素原子の全てをアルキル基で置換したもの
であってもよい。アルキル基の説明については、上記の「アルキル基」についての記載を
参照することができる。アルキル置換体が2つ以上のアルキル基を有するとき、複数のア
ルキル基は互いに同一であっても異なっていてもよい。また、アルキル置換体は、その分
子内に存在する水素原子の少なくとも1つを重水素原子で置換した重水素化アルキル置換
体であってもよい。重水素原子で置換される水素原子は、アルキル置換体の環骨格構成原
子に結合している水素原子であってもよいし、アルキル基の炭素原子に結合している水素
原子であってもよい。本発明のより好ましい態様では、12-(3-(ジベンゾ[b,d
]フラン-3-イル)フェニル)-12H-ベンゾフロ[2,3-a]カルバゾール、お
よび、その分子内に存在する水素原子の一部または全てを重水素原子で置換した重水素化
体からなる群よりホスト材料を選択する。
ある実施形態では、発光層は2種類以上の構造が異なるTADF分子を含む。例えば、
励起一重項エネルギー準位がホスト材料、第1TADF分子、第2TADF分子の順に高
い、これら3種の材料を含む発光層とすることができる。このとき、第1TADF分子と
第2TADF分子は、ともに最低励起一重項エネルギー準位と77Kの最低励起三重項エ
ネルギー準位の差ΔESTが0.3eV以下であることが好ましく、0.25eV以下で
あることがより好ましく、0.2eV以下であることがより好ましく、0.15eV以下
であることがより好ましく、0.1eV以下であることがさらに好ましく、0.07eV
以下であることがさらにより好ましく、0.05eV以下であることがさらにまた好まし
く、0.03eV以下であることがさらになお好ましく、0.01eV以下であることが
特に好ましい。発光層における第1TADF分子の濃度は、第2TADF分子の濃度より
も大きいことが好ましい。また、発光層におけるホスト材料の濃度は、第2TADF分子
の濃度よりも大きいことが好ましい。発光層における第1TADF分子の濃度は、ホスト
材料の濃度よりも大きくてもよいし、小さくてもよいし、同じであってもよい。ある実施
形態では、発光層内の組成を、ホスト材料を10~70重量%、第1TADF分子を10
~80重量%、第2TADF分子を0.1~30重量%としてもよい。ある実施形態では
、発光層内の組成を、ホスト材料を20~45重量%、第1TADF分子を50~75重
量%、第2TADF分子を5~20重量%としてもよい。ある実施形態では、第1TAD
F分子とホスト材料の共蒸着膜(この共蒸着膜における第1TADF分子の濃度=A重量
%)の光励起による発光量子収率φPL1(A)と、第2TADF分子とホスト材料の共
蒸着膜(この共蒸着膜における第2TADF分子の濃度=A重量%)の光励起による発光
量子収率φPL2(A)が、φPL1(A)>φPL2(A)の関係式を満たす。ある実
施形態では、第2TADF分子とホスト材料の共蒸着膜(この共蒸着膜における第2TA
DF分子の濃度=B重量%)の光励起による発光量子収率φPL2(B)と、第2TAD
F分子の単独膜の光励起による発光量子収率φPL2(100)が、φPL2(B)>φ
PL2(100)の関係式を満たす。ある実施形態では、発光層は3種類の構造が異なる
TADF分子を含むことができる。本発明の化合物は、発光層に含まれる複数のTADF
化合物のいずれであってもよい。
ある実施形態では、発光層は、ホスト材料、アシストドーパント、および発光材料から
からなる群より選択される材料で構成することができる。ある実施形態では、発光層は金
属元素を含まない。ある実施形態では、発光層は炭素原子、水素原子、重水素原子、窒素
原子、酸素原子、硫黄原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子のみから構成
される材料で構成することができる。あるいは、発光層は、炭素原子、水素原子、重水素
原子、窒素原子、酸素原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子のみから構成
される材料で構成することもできる。あるいは、発光層は、炭素原子、水素原子、窒素原
子、酸素原子およびホウ素原子からなる群より選択される原子のみから構成される材料で
構成することもできる。
発光層が本発明の化合物以外のTADF材料を含むとき、そのTADF材料は公知の遅
延蛍光材料であってよい。好ましい遅延蛍光材料として、WO2013/154064号
公報の段落0008~0048および0095~0133、WO2013/011954
号公報の段落0007~0047および0073~0085、WO2013/01195
5号公報の段落0007~0033および0059~0066、WO2013/0810
88号公報の段落0008~0071および0118~0133、特開2013-256
490号公報の段落0009~0046および0093~0134、特開2013-11
6975号公報の段落0008~0020および0038~0040、WO2013/1
33359号公報の段落0007~0032および0079~0084、WO2013/
161437号公報の段落0008~0054および0101~0121、特開2014
-9352号公報の段落0007~0041および0060~0069、特開2014-
9224号公報の段落0008~0048および0067~0076、特開2017-1
19663号公報の段落0013~0025、特開2017-119664号公報の段落
0013~0026、特開2017-222623号公報の段落0012~0025、特
開2017-226838号公報の段落0010~0050、特開2018-10041
1号公報の段落0012~0043、WO2018/047853号公報の段落0016
~0044に記載される一般式に包含される化合物、特に例示化合物であって、遅延蛍光
を放射しうるものが含まれる。また、ここでは、特開2013-253121号公報、W
O2013/133359号公報、WO2014/034535号公報、WO2014/
115743号公報、WO2014/122895号公報、WO2014/126200
号公報、WO2014/136758号公報、WO2014/133121号公報、WO
2014/136860号公報、WO2014/196585号公報、WO2014/1
89122号公報、WO2014/168101号公報、WO2015/008580号
公報、WO2014/203840号公報、WO2015/002213号公報、WO2
015/016200号公報、WO2015/019725号公報、WO2015/07
2470号公報、WO2015/108049号公報、WO2015/080182号公
報、WO2015/072537号公報、WO2015/080183号公報、特開20
15-129240号公報、WO2015/129714号公報、WO2015/129
715号公報、WO2015/133501号公報、WO2015/136880号公報
、WO2015/137244号公報、WO2015/137202号公報、WO201
5/137136号公報、WO2015/146541号公報、WO2015/1595
41号公報に記載される発光材料であって、遅延蛍光を放射しうるものを好ましく採用す
ることができる。なお、この段落に記載される上記の公報は、本明細書の一部としてここ
に引用する。
以下において、有機エレクトロルミネッセンス素子の各部材および発光層以外の各層に
ついて説明する。
基材:
いくつかの実施形態では、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は基材により保
持され、当該基材は特に限定されず、有機エレクトロルミネッセンス素子で一般的に用い
られる、例えばガラス、透明プラスチック、クォーツおよびシリコンにより形成されたい
ずれかの材料を用いればよい。
陽極:
いくつかの実施形態では、有機エレクトロルミネッセンス装置の陽極は、金属、合金、
導電性化合物またはそれらの組み合わせから製造される。いくつかの実施形態では、前記
の金属、合金または導電性化合物は高い仕事関数(4eV以上)を有する。いくつかの実
施形態では、前記金属はAuである。いくつかの実施形態では、導電性の透明材料は、C
uI、酸化インジウム・スズ(ITO)、SnOおよびZnOから選択される。いくつ
かの実施形態では、IDIXO(In-ZnO)などの、透明な導電性フィルムを
形成できるアモルファス材料を使用する。いくつかの実施形態では、前記陽極は薄膜であ
る。いくつかの実施形態では、前記薄膜は蒸着またはスパッタリングにより作製される。
いくつかの実施形態では、前記フィルムはフォトリソグラフィー方法によりパターン化さ
れる。いくつかの実施形態では、パターンが高精度である必要がない(例えば約100μ
m以上)場合、当該パターンは、電極材料への蒸着またはスパッタリングに好適な形状の
マスクを用いて形成してもよい。いくつかの実施形態では、有機導電性化合物などのコー
ティング材料を塗布しうるとき、プリント法やコーティング法などの湿式フィルム形成方
法が用いられる。いくつかの実施形態では、放射光が陽極を通過するとき、陽極は10%
超の透過度を有し、当該陽極は、単位面積あたり数百オーム以下のシート抵抗を有する。
いくつかの実施形態では、陽極の厚みは10~1,000nmである。いくつかの実施形
態では、陽極の厚みは10~200nmである。いくつかの実施形態では、陽極の厚みは
用いる材料に応じて変動する。
陰極:
いくつかの実施形態では、前記陰極は、低い仕事関数を有する金属(4eV以下)(電
子注入金属と称される)、合金、導電性化合物またはその組み合わせなどの電極材料で作
製される。いくつかの実施形態では、前記電極材料は、ナトリウム、ナトリウム-カリウ
ム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム-銅混合物、マグネシウム-銀混合物、
マグネシウム-アルミニウム混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-
酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム-アルミニウム混合物お
よび希土類元素から選択される。いくつかの実施形態では、電子注入金属と、電子注入金
属より高い仕事関数を有する安定な金属である第2の金属との混合物が用いられる。いく
つかの実施形態では、前記混合物は、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-アルミニ
ウム混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-酸化アルミニウム(Al
)混合物、リチウム-アルミニウム混合物およびアルミニウムから選択される。い
くつかの実施形態では、前記混合物は電子注入特性および酸化に対する耐性を向上させる
。いくつかの実施形態では、陰極は、蒸着またはスパッタリングにより電極材料を薄膜と
して形成させることによって製造される。いくつかの実施形態では、前記陰極は単位面積
当たり数百オーム以下のシート抵抗を有する。いくつかの実施形態では、前記陰極の厚は
10nm~5μmである。いくつかの実施形態では、前記陰極の厚は50~200nmで
ある。いくつかの実施形態では、放射光を透過させるため、有機エレクトロルミネッセン
ス素子の陽極および陰極のいずれか1つは透明または半透明である。いくつかの実施形態
では、透明または半透明のエレクトロルミネッセンス素子は光放射輝度を向上させる。
いくつかの実施形態では、前記陰極を、前記陽極に関して前述した導電性の透明な材料
で形成されることにより、透明または半透明の陰極が形成される。いくつかの実施形態で
は、素子は陽極と陰極とを含むが、いずれも透明または半透明である。
注入層:
注入層は、電極と有機層との間の層である。いくつかの実施形態では、前記注入層は駆
動電圧を減少させ、光放射輝度を増強する。いくつかの実施形態では、前記注入層は、正
孔注入層と電子注入層とを含む。前記注入層は、陽極と発光層または正孔輸送層との間、
並びに陰極と発光層または電子輸送層との間に配置することがきる。いくつかの実施形態
では、注入層が存在する。いくつかの実施形態では、注入層が存在しない。
以下に、正孔注入材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
次に、電子注入材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
障壁層:
障壁層は、発光層に存在する電荷(電子または正孔)および/または励起子が、発光層
の外側に拡散することを阻止できる層である。いくつかの実施形態では、電子障壁層は、
発光層と正孔輸送層との間に存在し、電子が発光層を通過して正孔輸送層へ至ることを阻
止する。いくつかの実施形態では、正孔障壁層は、発光層と電子輸送層との間に存在し、
正孔が発光層を通過して電子輸送層へ至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、障
壁層は、励起子が発光層の外側に拡散することを阻止する。いくつかの実施形態では、電
子障壁層および正孔障壁層は励起子障壁層を構成する。本明細書で用いる用語「電子障壁
層」または「励起子障壁層」には、電子障壁層の、および励起子障壁層の機能の両方を有
する層が含まれる。
正孔障壁層:
正孔障壁層は、電子輸送層として機能する。いくつかの実施形態では、電子の輸送の間
、正孔障壁層は正孔が電子輸送層に至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、正孔
障壁層は、発光層における電子と正孔との再結合の確率を高める。正孔障壁層に用いる材
料は、電子輸送層について前述したのと同じ材料であってもよい。
以下に、正孔障壁層に用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
電子障壁層:
電子障壁層は、正孔を輸送する。いくつかの実施形態では、正孔の輸送の間、電子障壁
層は電子が正孔輸送層に至ることを阻止する。いくつかの実施形態では、電子障壁層は、
発光層における電子と正孔との再結合の確率を高める。電子障壁層に用いる材料は、正孔
輸送層について前述したのと同じ材料であってもよい。
以下に電子障壁材料として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げる。
励起子障壁層:
励起子障壁層は、発光層における正孔と電子との再結合を通じて生じた励起子が電荷輸
送層まで拡散することを阻止する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層は、発光層に
おける励起子の有効な閉じ込め(confinement)を可能にする。いくつかの実施形態では
、装置の光放射効率が向上する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層は、陽極の側と
陰極の側のいずれかで、およびその両側の発光層に隣接する。いくつかの実施形態では、
励起子障壁層が陽極側に存在するとき、当該層は、正孔輸送層と発光層との間に存在し、
当該発光層に隣接してもよい。いくつかの実施形態では、励起子障壁層が陰極側に存在す
るとき、当該層は、発光層と陰極との間に存在し、当該発光層に隣接してもよい。いくつ
かの実施形態では、正孔注入層、電子障壁層または同様の層は、陽極と、陽極側の発光層
に隣接する励起子障壁層との間に存在する。いくつかの実施形態では、正孔注入層、電子
障壁層、正孔障壁層または同様の層は、陰極と、陰極側の発光層に隣接する励起子障壁層
との間に存在する。いくつかの実施形態では、励起子障壁層は、励起一重項エネルギーと
励起三重項エネルギーを含み、その少なくとも1つが、それぞれ、発光材料の励起一重項
エネルギーと励起三重項エネルギーより高い。
正孔輸送層:
正孔輸送層は、正孔輸送材料を含む。いくつかの実施形態では、正孔輸送層は単層であ
る。いくつかの実施形態では、正孔輸送層は複数の層を有する。
いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は、正孔の注入または輸送特性および電子の障
壁特性のうちの1つの特性を有する。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は有機材料
である。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は無機材料である。本発明で使用できる
公知の正孔輸送材料の例としては、限定されないが、トリアゾール誘導体、オキサジアゾ
ール誘導剤、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、
ポリアリールアルカン誘導剤、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミ
ン誘導体、アリルアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチ
リルアントラセン誘導剤、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、
シラザン誘導体、アニリンコポリマーおよび導電性ポリマーオリゴマー(特にチオフェン
オリゴマー)、またはその組合せが挙げられる。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料
はポルフィリン化合物、芳香族三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物から選択さ
れる。いくつかの実施形態では、正孔輸送材料は芳香族三級アミン化合物である。以下に
正孔輸送材料として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げる。
電子輸送層:
電子輸送層は、電子輸送材料を含む。いくつかの実施形態では、電子輸送層は単層であ
る。いくつかの実施形態では、電子輸送層は複数の層を有する。
いくつかの実施形態では、電子輸送材料は、陰極から注入された電子を発光層に輸送す
る機能さえあればよい。いくつかの実施形態では、電子輸送材料はまた、正孔障壁材料と
しても機能する。本発明で使用できる電子輸送層の例としては、限定されないが、ニトロ
置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボ
ジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体、
オキサジアゾール誘導体、アゾール誘導体、アジン誘導体またはその組合せ、またはその
ポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態では、電子輸送材料はチアジアゾール誘導剤
またはキノキサリン誘導体である。いくつかの実施形態では、電子輸送材料はポリマー材
料である。以下に電子輸送材料として用いることができる好ましい化合物の具体例を挙げ
る。
さらに、各有機層に添加可能な材料として好ましい化合物例を挙げる。例えば、安定化
材料として添加すること等が考えられる。
有機エレクトロルミネッセンス素子に用いることができる好ましい材料を具体的に例示
したが、本発明において用いることができる材料は、以下の例示化合物によって限定的に
解釈されることはない。また、特定の機能を有する材料として例示した化合物であっても
、その他の機能を有する材料として転用することも可能である。
デバイス:
いくつかの実施形態では、発光層はデバイス中に組み込まれる。例えば、デバイスには
、OLEDバルブ、OLEDランプ、テレビ用ディスプレイ、コンピューター用モニター
、携帯電話およびタブレットが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、電子デバイスは、陽極、陰極、および当該陽極と当該陰極と
の間の発光層を含む少なくとも1つの有機層を有するOLEDを含む。
いくつかの実施形態では、本願明細書に記載の構成物は、OLEDまたは光電子デバイ
スなどの、様々な感光性または光活性化デバイスに組み込まれうる。いくつかの実施形態
では、前記構成物はデバイス内の電荷移動またはエネルギー移動の促進に、および/また
は正孔輸送材料として有用でありうる。前記デバイスとしては、例えば有機発光ダイオー
ド(OLED)、有機集積回線(OIC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、
有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽
電池(O-SC)、有機光学検出装置、有機光受容体、有機磁場クエンチ(field-
quench)装置(O-FQD)、発光燃料電池(LEC)または有機レーザダイオー
ド(O-レーザー)が挙げられる。
バルブまたはランプ:
いくつかの実施形態では、電子デバイスは、陽極、陰極、当該陽極と当該陰極との間の
発光層を含む少なくとも1つの有機層を含むOLEDを含む。
いくつかの実施形態では、デバイスは色彩の異なるOLEDを含む。いくつかの実施形
態では、デバイスはOLEDの組合せを含むアレイを含む。いくつかの実施形態では、O
LEDの前記組合せは、3色の組合せ(例えばRGB)である。いくつかの実施形態では
、OLEDの前記組合せは、赤色でも緑色でも青色でもない色(例えばオレンジ色および
黄緑色)の組合せである。いくつかの実施形態では、OLEDの前記組合せは、2色、4
色またはそれ以上の色の組合せである。
いくつかの実施形態では、デバイスは、
取り付け面を有する第1面とそれと反対の第2面とを有し、少なくとも1つの開口部を
画定する回路基板と、
前記取り付け面上の少なくとも1つのOLEDであって、当該少なくとも1つのOLE
Dが、陽極、陰極、および当該陽極と当該陰極との間の発光層を含む少なくとも1つの有
機層を含む、発光する構成を有する少なくとも1つのOLEDと、
回路基板用のハウジングと、
前記ハウジングの端部に配置された少なくとも1つのコネクターであって、前記ハウジ
ングおよび前記コネクターが照明設備への取付けに適するパッケージを画定する、少なく
とも1つのコネクターと、を備えるOLEDライトである。
いくつかの実施形態では、前記OLEDライトは、複数の方向に光が放射されるように
回路基板に取り付けられた複数のOLEDを有する。いくつかの実施形態では、第1方向
に発せられた一部の光は偏光されて第2方向に放射される。いくつかの実施形態では、反
射器を用いて第1方向に発せられた光を偏光する。
ディスプレイまたはスクリーン:
いくつかの実施形態では、本発明の発光層はスクリーンまたはディスプレイにおいて使
用できる。いくつかの実施形態では、本発明に係る化合物は、限定されないが真空蒸発、
堆積、蒸着または化学蒸着(CVD)などの工程を用いて基材上へ堆積させる。いくつか
の実施形態では、前記基材は、独特のアスペクト比のピクセルを提供する2面エッチング
において有用なフォトプレート構造である。前記スクリーン(またマスクとも呼ばれる)
は、OLEDディスプレイの製造工程で用いられる。対応するアートワークパターンの設
計により、垂直方向ではピクセルの間の非常に急な狭いタイバーの、並びに水平方向では
大きな広範囲の斜角開口部の配置を可能にする。これにより、TFTバックプレーン上へ
の化学蒸着を最適化しつつ、高解像度ディスプレイに必要とされるピクセルの微細なパタ
ーン構成が可能となる。
ピクセルの内部パターニングにより、水平および垂直方向での様々なアスペクト比の三
次元ピクセル開口部を構成することが可能となる。更に、ピクセル領域中の画像化された
「ストライプ」またはハーフトーン円の使用は、これらの特定のパターンをアンダーカッ
トし基材から除くまで、特定の領域におけるエッチングが保護される。その時、全てのピ
クセル領域は同様のエッチング速度で処理されるが、その深さはハーフトーンパターンに
より変化する。ハーフトーンパターンのサイズおよび間隔を変更することにより、ピクセ
ル内での保護率が様々異なるエッチングが可能となり、急な垂直斜角を形成するのに必要
な局在化された深いエッチングが可能となる。
蒸着マスク用の好ましい材料はインバーである。インバーは、製鉄所で長い薄型シート
状に冷延された金属合金である。インバーは、ニッケルマスクとしてスピンマンドレル上
へ電着することができない。蒸着用マスク内に開口領域を形成するための適切かつ低コス
トの方法は、湿式化学エッチングによる方法である。
いくつかの実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターンは、基材上のピクセ
ルマトリックスである。いくつかの実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパター
ンは、リソグラフィー(例えばフォトリソグラフィーおよびeビームリソグラフィー)を
使用して加工される。いくつかの実施形態では、スクリーンまたはディスプレイパターン
は、湿式化学エッチングを使用して加工される。更なる実施形態では、スクリーンまたは
ディスプレイパターンは、プラズマエッチングを使用して加工される。
デバイスの製造方法:
OLEDディスプレイは、一般的には、大型のマザーパネルを形成し、次に当該マザー
パネルをセルパネル単位で切断することによって製造される。通常は、マザーパネル上の
各セルパネルは、ベース基材上に、活性層とソース/ドレイン電極とを有する薄膜トラン
ジスタ(TFT)を形成し、前記TFTに平坦化フィルムを塗布し、ピクセル電極、発光
層、対電極およびカプセル化層、を順に経時的に形成し、前記マザーパネルから切断する
ことにより形成される。
OLEDディスプレイは、一般的には、大型のマザーパネルを形成し、次に当該マザー
パネルをセルパネル単位で切断することによって製造される。通常は、マザーパネル上の
各セルパネルは、ベース基材上に、活性層とソース/ドレイン電極とを有する薄膜トラン
ジスタ(TFT)を形成し、前記TFTに平坦化フィルムを塗布し、ピクセル電極、発光
層、対電極およびカプセル化層、を順に経時的に形成し、前記マザーパネルから切断する
ことにより形成される。
本発明の他の態様では、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイの製造方法を提
供し、当該方法は、
マザーパネルのベース基材上に障壁層を形成する工程と、
前記障壁層上に、セルパネル単位で複数のディスプレイユニットを形成する工程と、
前記セルパネルのディスプレイユニットのそれぞれの上にカプセル化層を形成する工
程と、
前記セルパネル間のインタフェース部に有機フィルムを塗布する工程と、を含む。
いくつかの実施形態では、障壁層は、例えばSiNxで形成された無機フィルムであり
、障壁層の端部はポリイミドまたはアクリルで形成された有機フィルムで被覆される。い
くつかの実施形態では、有機フィルムは、マザーパネルがセルパネル単位で軟らかく切断
されるように補助する。
いくつかの実施形態では、薄膜トランジスタ(TFT)層は、発光層と、ゲート電極と
、ソース/ドレイン電極と、を有する。複数のディスプレイユニットの各々は、薄膜トラ
ンジスタ(TFT)層と、TFT層上に形成された平坦化フィルムと、平坦化フィルム上
に形成された発光ユニットと、を有してもよく、前記インタフェース部に塗布された有機
フィルムは、前記平坦化フィルムの材料と同じ材料で形成され、前記平坦化フィルムの形
成と同時に形成される。いくつかの実施形態では、前記発光ユニットは、不動態化層と、
その間の平坦化フィルムと、発光ユニットを被覆し保護するカプセル化層と、によりTF
T層と連結される。前記製造方法のいくつかの実施形態では、前記有機フィルムは、ディ
スプレイユニットにもカプセル化層にも連結されない。
前記有機フィルムと平坦化フィルムの各々は、ポリイミドおよびアクリルのいずれか1
つを含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記障壁層は無機フィルムであってもよい
。いくつかの実施形態では、前記ベース基材はポリイミドで形成されてもよい。前記方法
は更に、ポリイミドで形成されたベース基材の1つの表面に障壁層を形成する前に、当該
ベース基材のもう1つの表面にガラス材料で形成されたキャリア基材を取り付ける工程と
、インタフェース部に沿った切断の前に、前記キャリア基材をベース基材から分離する工
程と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記OLEDディスプレイはフレキシ
ブルなディスプレイである。
いくつかの実施形態では、前記不動態化層は、TFT層の被覆のためにTFT層上に配
置された有機フィルムである。いくつかの実施形態では、前記平坦化フィルムは、不動態
化層上に形成された有機フィルムである。いくつかの実施形態では、前記平坦化フィルム
は、障壁層の端部に形成された有機フィルムと同様、ポリイミドまたはアクリルで形成さ
れる。いくつかの実施形態では、OLEDディスプレイの製造の際、前記平坦化フィルム
および有機フィルムは同時に形成される。いくつかの実施形態では、前記有機フィルムは
、障壁層の端部に形成されてもよく、それにより、当該有機フィルムの一部が直接ベース
基材と接触し、当該有機フィルムの残りの部分が、障壁層の端部を囲みつつ、障壁層と接
触する。
いくつかの実施形態では、前記発光層は、ピクセル電極と、対電極と、当該ピクセル電
極と当該対電極との間に配置された有機発光層と、を有する。いくつかの実施形態では、
前記ピクセル電極は、TFT層のソース/ドレイン電極に連結している。
いくつかの実施形態では、TFT層を通じてピクセル電極に電圧が印加されるとき、ピ
クセル電極と対電極との間に適切な電圧が形成され、それにより有機発光層が光を放射し
、それにより画像が形成される。以下、TFT層と発光ユニットとを有する画像形成ユニ
ットを、ディスプレイユニットと称する。
いくつかの実施形態では、ディスプレイユニットを被覆し、外部の水分の浸透を防止す
るカプセル化層は、有機フィルムと無機フィルムとが交互に積層する薄膜状のカプセル化
構造に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、前記カプセル化層は、複数の薄膜が
積層した薄膜状カプセル化構造を有する。いくつかの実施形態では、インタフェース部に
塗布される有機フィルムは、複数のディスプレイユニットの各々と間隔を置いて配置され
る。いくつかの実施形態では、前記有機フィルムは、一部の有機フィルムが直接ベース基
材と接触し、有機フィルムの残りの部分が障壁層の端部を囲む一方で障壁層と接触する態
様で形成される。
一実施形態では、OLEDディスプレイはフレキシブルであり、ポリイミドで形成され
た柔軟なベース基材を使用する。いくつかの実施形態では、前記ベース基材はガラス材料
で形成されたキャリア基材上に形成され、次に当該キャリア基材が分離される。
いくつかの実施形態では、障壁層は、キャリア基材の反対側のベース基材の表面に形成
される。一実施形態では、前記障壁層は、各セルパネルのサイズに従いパターン化される
。例えば、ベース基材がマザーパネルの全ての表面上に形成される一方で、障壁層が各セ
ルパネルのサイズに従い形成され、それにより、セルパネルの障壁層の間のインタフェー
ス部に溝が形成される。各セルパネルは、前記溝に沿って切断できる。
いくつかの実施形態では、前記の製造方法は、更にインタフェース部に沿って切断する
工程を含み、そこでは溝が障壁層に形成され、少なくとも一部の有機フィルムが溝で形成
され、当該溝がベース基材に浸透しない。いくつかの実施形態では、各セルパネルのTF
T層が形成され、無機フィルムである不動態化層と有機フィルムである平坦化フィルムが
、TFT層上に配置され、TFT層を被覆する。例えばポリイミドまたはアクリル製の平
坦化フィルムが形成されるのと同時に、インタフェース部の溝は、例えばポリイミドまた
はアクリル製の有機フィルムで被覆される。これは、各セルパネルがインタフェース部で
溝に沿って切断されるとき、生じた衝撃を有機フィルムに吸収させることによってひびが
生じるのを防止する。すなわち、全ての障壁層が有機フィルムなしで完全に露出している
場合、各セルパネルがインタフェース部で溝に沿って切断されるとき、生じた衝撃が障壁
層に伝達され、それによりひびが生じるリスクが増加する。しかしながら、一実施形態で
は、障壁層間のインタフェース部の溝が有機フィルムで被覆されて、有機フィルムがなけ
れば障壁層に伝達されうる衝撃を吸収するため、各セルパネルをソフトに切断し、障壁層
でひびが生じるのを防止してもよい。一実施形態では、インタフェース部の溝を被覆する
有機フィルムおよび平坦化フィルムは、互いに間隔を置いて配置される。例えば、有機フ
ィルムおよび平坦化フィルムが1つの層として相互に接続している場合には、平坦化フィ
ルムと有機フィルムが残っている部分とを通じてディスプレイユニットに外部の水分が浸
入するおそれがあるため、有機フィルムおよび平坦化フィルムは、有機フィルムがディス
プレイユニットから間隔を置いて配置されるように、相互に間隔を置いて配置される。
いくつかの実施形態では、ディスプレイユニットは、発光ユニットの形成により形成さ
れ、カプセル化層は、ディスプレイユニットを被覆するためディスプレイユニット上に配
置される。これにより、マザーパネルが完全に製造された後、ベース基材を担持するキャ
リア基材がベース基材から分離される。いくつかの実施形態では、レーザー光線がキャリ
ア基材へ放射されると、キャリア基材は、キャリア基材とベース基材との間の熱膨張率の
相違により、ベース基材から分離される。
いくつかの実施形態では、マザーパネルは、セルパネル単位で切断される。いくつかの
実施形態では、マザーパネルは、カッターを用いてセルパネル間のインタフェース部に沿
って切断される。いくつかの実施形態では、マザーパネルが沿って切断されるインタフェ
ース部の溝が有機フィルムで被覆されているため、切断の間、当該有機フィルムが衝撃を
吸収する。いくつかの実施形態では、切断の間、障壁層でひびが生じるのを防止できる。
いくつかの実施形態では、前記方法は製品の不良率を減少させ、その品質を安定させる

他の態様は、ベース基材上に形成された障壁層と、障壁層上に形成されたディスプレイ
ユニットと、ディスプレイユニット上に形成されたカプセル化層と、障壁層の端部に塗布
された有機フィルムと、を有するOLEDディスプレイである。
以下に合成例と実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下に示す材
料、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる
。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものでは
ない。なお、発光特性の評価は、ソースメータ(ケースレー社製:2400シリーズ)、
半導体パラメータ・アナライザ(アジレント・テクノロジー社製:E5273A)、光パ
ワーメータ測定装置(ニューポート社製:1930C)、光学分光器(オーシャンオプテ
ィクス社製:USB2000)、分光放射計(トプコン社製:SR-3)およびストリー
クカメラ(浜松ホトニクス(株)製C4334型)を用いて行った。
(合成例)化合物4の合成
化合物A
窒素気流下、3,6-ジ-tert-ブチルカルバゾール(1.07g,3.82mmol
)と水素化ナトリウム(0.19g,4.77mmol)のN,N-ジメチルホルムアミ
ド溶液(12mL)を室温で1時間撹拌した。反応混合物に、1,4-ジブロモ-2,5
-ジフルオロ-3,6-ジヨードベンゼン(1.00g,1.91mmol)を加えて8
0℃で16時間撹拌した。これを室温に戻し、水を加えて固体をろ過した。この固体を短
いシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製することで白色固体の化合物
A(1.97g,1.89mmol,収率99%)を得た。
1HNMR (400 MHz, CDCl3, δ) : 8.18 (s, 4H), 7.53 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 7.00 (d, J
= 8.8 Hz,4H), 1.49 (s, 36H).
MS (ASAP) : 1042.49 (M+). Calcd for. C46H48Br2I2N2 : 1042.03
化合物B
窒素気流下、化合物A(1.97g,1.89mmol)、1-ナフタレンボロン酸(
0.65g,3.78mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(
0)(0.22g,0.189mmol)、炭酸カリウム(0.65g,4.72mmo
l)のテトラヒドロフラン/水溶液(20mL/10mL)を80℃で16時間撹拌した
。この混合物を室温に戻し、ろ液の溶媒を留去した。この残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ジクロロメタン:ヘキサン=2:8)にて精製することで、白色固体の化
合物B(0.50g,0.479mmol,収率25%)を得た。
MS (ASAP):1042.79 (M+). Calcd for. C66H62Br2N2:1042.33
化合物4
窒素気流下、化合物B(0.50g,0.479mmol)のトルエン溶液(50mL
)に0℃でn-BuLi(1.6mol/Lヘキサン溶液,0.9mL,1.44mmo
l)を加えて50℃で30分間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、三臭化ホウ素(0
.36g,1.44mmol)を加えて室温で30分間攪拌した後、N,N-ジイソプロ
ピルエチルアミン(0.37g,2.88mmol)、o-ジクロロベンゼン(50mL
)を加えて170℃で17時間攪拌した。この混合物を室温に戻し、アセトニトリルを加
えた後に溶媒を留去した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:
ヘキサン=3:7)にて精製し、ジクロロメタンとメタノールにて再結晶することで、緑
色固体の化合物4(10mg,0.0111mmol,収率2%)を得た。
1HNMR (400 MHz, CDCl3, δ):9.42 (brs, 2H), 9.20 (s, 2H), 8.61 (s, 2H), 8.31-8.2
6 (m, 2H), 8.13 (s, 2H), 7.99 (t, J = 7.6 Hz, H), 7.80-7.74 (m, H), 7.52-7.47 (m
, 2H), 7.00-6.94 (m, 2H), 6.81 (dd, J= 8.8 Hz, 1.6 Hz, 2H), 6.60-6.53 (m, 2H), 1
.75 (s, 18H), 1.35 (s, 18H).
MS (MALDI) : 901.90 (M+H+). Calcd for. C66H58B2N2 : 900.48
合成例で合成した化合物は昇華精製してから以下の用途に用いた。
(参考合成例)化合物H1の合成
化合物C
3-ブロモジベンゾフラン(10.1g,40.7mmol)、ビスピナコラートジボ
ロン(11.4g,44.8mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フ
ェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.49g,2.04mmol)および酢酸カリ
ウム(8.00g,81.5mmol)を1,4-ジオキサン(90mL)中に溶解し、
110℃で18時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、セライト/シリカゲルにてろ過
後、ろ液の溶媒を除去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン
:ヘキサン=5:5)により精製することで淡黄色固体の化合物Cを得た(11.9g,
99%)
MS (ASAP): 295.11 (M+H+). Calcd. for C18H19BO3: 294.14.
化合物D
化合物C(5.90g,20.2mmol)、1-ブロモ-4-ヨードベンゼン(5.
81g,24.1mmol)、テトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(0)(
1.16g,1.01mmol)、および炭酸カリウム(5.54g,40.1mmol
)をテトラヒドロフランと水(65mL/30mL)中に溶解し、75℃で16時間撹拌
した。反応溶液を室温まで冷却し、溶媒を除去後の残渣にジクロロメタン、水を加えて抽
出洗浄を2回ずつ行った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を除去した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:ヘキサン=1:9)にて
精製することで白色固体の化合物Dを得た(3.18g,58%)。
1H NMR (400MHz, CDCl3, δ): 8.01 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.98 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 7
.84 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.63-7.59 (m, 2H), 7.56 (dd,
J = 8.0 Hz, 1.6 Hz, 1H), 7.53-7.45 (m, 2H), 7.40-7.33 (m, 2H).
MS (ASAP): 321.94 (M+). Calcd. for C18H11BrO: 322.00.
化合物H1
化合物D(3.18g,9.85mmol)、12H-ベンゾフロ[2,3-a]カル
バゾール(2.79g,10.8mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラ
ジウム(0)(0.902g,0.985mmol)、トリ-tert-ブチルホスホニウム
テトラフルオロボラート(0.571g,1.97mmol)およびナトリウムtert-ブ
トキシド(1.89g,19.7mmol)をトルエン(85mL)中に溶解し、130
℃で15時間還流した。反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ過後、溶媒を除去した。残
渣にクロロホルム、水を加えて抽出洗浄を2回ずつ行った。有機溶媒を硫酸マグネシウム
にて乾燥、ろ過後、溶媒を除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム:ヘキサン=4:6)により精製した。さらに再結晶(トルエン/アセ
トン)により白色固体の化合物H1を得た(0.967g,20%)。
1H NMR (400MHz, CDCl3, δ): 8.24 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.17 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 8
.07-8.01 (m, 3H), 7.97 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.92-7.86
(m, 2H), 7.76-7.73 (m, 3H), 7.63 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 8.4 Hz, 1H),
7.50-7.33 (m, 7H).
MS (ASAP): 500.16 (M+H+). Calcd. for C36H21NO2: 499.16.
(特性評価)
化合物4のトルエン溶液(濃度1.0×10-5M)を調製し、620nmの励起光を
照射して発光特性を調べた。その結果、691nmをピークとする半値幅(FWHM)が
52nmの発光スペクトルが観測された。発光量子収率(PLQY)は60%であった。
下記の構造を有する比較化合物のトルエン溶液を調製して、同様に励起光を照射して発
光特性を調べたところ、ピーク波長は652nm、半値幅は70nm、発光量子収率は5
0%であった。
このことから、一般式(1)で表される化合物は、半値幅が小さくて、発光効率が高い
ことが確認された。
(発光素子の調製)
膜厚100nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)からなる陽極が形成されたガラス
基材上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度1×10-5Paで積層する。まず、ITO
上にHATCNを10nmの厚さに形成し、その上に、NPDを30nmの厚さに形成し
、さらにEBL1を10nmの厚さに形成する。次に、Host、遅延蛍光材料TADF
、化合物4を異なる蒸着源から共蒸着し、40nmの厚さの発光層を形成する。Host
、遅延蛍光材料TADF、化合物4の含有量は、順に64.5重量%、35.0重量%、
0.5重量%とする。次に、SF3-TRZを10nmの厚さに形成した後、LiqとS
F3-TRZを異なる蒸着源から共蒸着し、30nmの厚さの層を形成する。この層にお
けるLiqとSF3-TRZの含有量はそれぞれ30重量%と70重量%とする。さらに
Liqを2nmの厚さに形成し、次いでアルミニウム(Al)を100nmの厚さに蒸着
することにより陰極を形成し、有機エレクトロルミネッセンス素子とする。
(参考例)
EBL1の代わりにTrisPCzを用い、発光層の形成に用いる3つの蒸着源(ホス
ト材料、遅延蛍光材料、ドーパント)をそれぞれ化合物H1、遅延蛍光材料TADF2、
化合物F1に変更して、上記の「発光素子の調製」と同様の手順で有機エレクトロルミネ
ッセンス(EL素子1)を作製した。このとき、化合物H1、遅延蛍光材料TADF2、
化合物F1の含有量は、順に64.7重量%、35.0重量%、0.3重量%とした。
また、これとは別に、化合物H1の代わりに化合物H2またはH3をホスト材料に用い
て、同様の手順で有機エレクトロルミネッセンス素子(EL素子2、3)を作製した。
参考例で作製した各EL素子について、50.0mA/cmで発光強度が95%にな
るまでの時間(LT95)を測定した結果を表12に示す。表12では、EL素子3のL
T95を1としたときの比の値で表している。また、15.4mA/cmでの電圧を測
定したところ、EL素子3に対してEL素子1は0.15Vほど電圧が低かった。
表12に示すように、ホスト材料として化合物H1を用いたEL素子1は電圧が低く、
EL素子2、3に比べて長寿命であり、特に優れた特性を示した。

Claims (20)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物。
    [一般式(1)において、XおよびXは、各々独立に、単結合、O、S、N(R)、
    水素原子2個、重水素原子2個、または水素原子1個と重水素原子1個を表す。Rは置換
    基を表す。R~R26は、各々独立に水素原子、重水素原子または置換基を表す。R
    とR、RとR、RとR、RとR、RとR、R10とR11、R11
    12、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R20とR21、R21
    22、R23とR24、R24とR25は、互いに結合して環状構造を形成していても
    よい。]
  2. およびXが単結合である、請求項1に記載の化合物。
  3. 、R11、R21およびR24が、各々独立に置換基である、請求項1に記載の化
    合物。
  4. 、R11、R21およびR24が、同じ置換基である、請求項3に記載の化合物。
  5. RおよびR~R26が表す置換基が、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置
    換もしくは無置換のアリール基である、請求項4に記載の化合物。
  6. ~RおよびR14~R19が、各々独立に水素原子または重水素原子である、請
    求項1に記載の化合物。
  7. ~R26のうちの少なくとも22個が、各々独立に水素原子または重水素原子であ
    る、請求項1に記載の化合物。
  8. とR、RとR、R10とR11、R11とR12、R20とR21、R21
    とR22、R23とR24、R24とR25のうちの少なくとも1組が、互いに結合して
    環状構造を形成している、請求項1に記載の化合物。
  9. 前記環状構造がベンゾフロ構造であるかベンゾチエノ構造である、請求項8に記載の化
    合物。
  10. とRが互いに結合して環状構造を形成しており、かつ、R16とR17が互いに
    結合して環状構造を形成している、請求項1に記載の化合物。
  11. 前記環状構造がシクロペンタジエン構造であるかシクロヘキサジエン構造である、請求
    項10に記載の化合物。
  12. とR、RとR、RとR、RとR、RとR、R10とR11、R
    11とR12、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R20とR21、R
    21とR22、R23とR24、R24とR25はいずれも、互いに結合して環状構造を
    形成していない、請求項1に記載の化合物。
  13. とR14、RとR15、RとR16、RとR17、RとR18、RとR
    19、RとR20、RとR21、RとR22、R10とR23、R11とR24
    12とR25、R13とR26が、それぞれ同一である、請求項1に記載の化合物。
  14. 回転対称構造を有する、請求項1に記載の化合物。
  15. 請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物からなる発光材料。
  16. 請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物を含む膜。
  17. 請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物を含む有機半導体素子。
  18. 請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物を含む有機発光素子。
  19. ホスト材料と遅延蛍光材料と前記化合物を含む発光層を有しており、素子に含まれる材
    料のうち、前記化合物からの発光量が最大である、請求項18に記載の有機発光素子。
  20. 遅延蛍光を放射する、請求項18に記載の有機発光素子。
JP2023070188A 2022-11-11 2023-04-21 化合物、発光材料および有機発光素子 Pending JP2024070787A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1020230153413A KR20240069637A (ko) 2022-11-11 2023-11-08 화합물, 발광 재료 및 유기 발광 소자
CN202311486627.8A CN118027077A (zh) 2022-11-11 2023-11-09 化合物、发光材料及有机发光元件

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022180880 2022-11-11
JP2022180880 2022-11-11

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024070787A true JP2024070787A (ja) 2024-05-23

Family

ID=91128746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023070188A Pending JP2024070787A (ja) 2022-11-11 2023-04-21 化合物、発光材料および有機発光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024070787A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2022249505A1 (ja) 化合物、発光材料および発光素子
KR20220137073A (ko) 호스트 재료, 조성물 및 유기 발광 소자
CN115698016A (zh) 化合物、发光材料及发光元件
WO2023140130A1 (ja) 化合物、発光材料および有機発光素子
JP7152805B1 (ja) 化合物、組成物、ホスト材料、電子障壁材料および有機発光素子
JP7408125B2 (ja) 電荷輸送材料および有機発光素子
JP2023097788A (ja) 化合物、発光材料および発光素子
WO2022168956A1 (ja) 化合物、発光材料および有機発光素子
JP2024070787A (ja) 化合物、発光材料および有機発光素子
WO2023053835A1 (ja) 化合物、組成物、ホスト材料、電子障壁材料および有機発光素子
WO2023276918A1 (ja) 化合物、電子障壁材料、有機半導体素子および化合物
WO2022230574A1 (ja) 電荷輸送材料、組成物および有機発光素子
KR20240069637A (ko) 화합물, 발광 재료 및 유기 발광 소자
JP2023056802A (ja) 化合物、発光材料および有機発光素子
WO2023112808A1 (ja) 化合物、ホスト材料、電子障壁材料、組成物および有機発光素子
JP2023032402A (ja) 化合物、発光材料および有機発光素子
JP2023002881A (ja) 化合物、発光材料および有機発光素子
WO2023079993A1 (ja) 化合物、組成物、ホスト材料および有機発光素子
JP2023089875A (ja) 化合物、組成物、ホスト材料および有機発光素子
JP2023056804A (ja) 化合物、発光材料および有機発光素子
WO2023210192A1 (ja) 化合物、発光材料および有機発光素子
TW202334159A (zh) 化合物、發光材料及發光元件
WO2024111223A1 (ja) 化合物、発光材料および発光素子
WO2023166883A1 (ja) 化合物、発光材料および発光素子
JP2022168813A (ja) 電荷輸送材料、組成物および有機発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20230426