JP2024070038A - 成形治具および複合材料製パネル構造体の製造方法 - Google Patents

成形治具および複合材料製パネル構造体の製造方法 Download PDF

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貴啓 市瀬
Takahiro Ichinose
翔大 木田
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Abstract

【課題】成形時の積層体の位置を安定して維持するとともに、成形品にしわやうねりが発生することを抑止する。【解決手段】成形治具1は、強化繊維およびマトリクス樹脂を含有する複数のシート材が積層された積層体10をプレス成形によってパネル構造体100に成形するための成形治具である。成形治具1は、フレーム2と複数の支持機構3とを有する。支持機構3は、フレーム固定部31と、フレーム固定部31に揺動可能に支持された支持アーム32と、支持アーム32に支持され、複数のシート材の相対的なすべりを許容するように積層体10を支持する積層体支持部33と、を有する。【選択図】図3

Description

本開示は、成形治具および複合材料製パネル構造体の製造方法に関する。
近年、軽く強度の高い特性を有する複合材料が、金属に代わる軽量化材料として、航空機、自動車をはじめとする各種の産業分野で利用されている。このような複合材料の適用が進む中で、高い生産性と低コストでの製造が可能なプレス成形法が注目されている。
特許文献1には、強化繊維を含む複数のプリプレグを積層して積層体を形成し、当該積層体をプレス成形することで、パネル構造体を製造する技術が開示されている。
国際公開第2022/039226号
上記のように強化繊維を含む積層体をプレス成形することでパネル構造体を製造する場合、成形時に積層体の位置を正確に維持できないという問題や、成形品にしわやうねりが発生しやすいという問題があった。例えば積層体が熱可塑性樹脂を含む場合、積層体が予熱装置で融点以上に予熱されたのち、金型でプレス成形される。この際、積層体を予熱装置内や金型内で保持するために、積層体の端部に装着された装着部材をバネや糸で吊る方法が主に採用されていた。前記装着部材として、積層体の端部を強い力で挟持するクランプ部材や、積層体に開口された孔部に挿通された線材などが用いられる。しかし、既存のこれらの方法では、予熱時やプレス成形時に積層体全体の位置が変化しやすく、更に、金型による積層体の変形に各層の強化繊維が充分追従できないことから成形品にしわやうねりが発生しやすくなる。
本開示の目的は、成形時の積層体の位置を安定して維持するとともに、成形品にしわやうねりが発生することを抑止することが可能な成形治具および複合材料製パネル構造体の製造方法を提供することにある。
本開示の一の局面に係る成形治具は、強化繊維およびマトリクス樹脂を含有する複数のシート材が積層された積層体をプレス成形によって成形体に成形するための成形治具であって、フレームと、前記フレームに装着され、前記積層体を支持する複数の支持機構と、を備え、前記複数の支持機構の各々は、前記フレームに固定された固定部と、前記固定部に揺動可能に支持された揺動部と、前記揺動部に支持され、前記複数のシート材の相対的なすべりを許容するように前記積層体を支持する積層体支持部と、を有する。
また、本開示の他の局面に係る複合材料製パネル構造体の製造方法は、強化繊維およびマトリクス樹脂を含有する複合材料製パネル構造体の製造方法であって、前記強化繊維および前記マトリクス樹脂を含む複数のシート材を積層して積層体を形成することと、フレームおよび当該フレームに揺動可能に支持された複数の支持機構を含む成形治具を準備することと、前記成形治具の前記複数の支持機構によって前記積層体に所定の張力を付与した状態で前記積層体を支持することと、前記成形治具によって前記積層体を支持した状態で前記積層体をプレス成形することで前記複数のシート材の相対的なすべりを許容しながら前記積層体から前記パネル構造体を成形することと、を備える。
本開示によれば、成形時の積層体の位置を安定して維持するとともに、成形品にしわやうねりが発生することを抑止することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る複合材料製パネル構造体の製造方法の工程図である。 図2は、本開示の一実施形態に係る成形治具の斜視図である。 図3は、本開示の一実施形態に係る成形治具の支持機構の側面図である。 図4は、本開示の一実施形態に係る成形治具に支持された積層体がプレス成形される様子を示す模式図である。 図5は、本開示の一実施形態に係る成形治具に支持された積層体がプレス成形される様子を示す模式図である。 図6は、本開示の一実施形態に係る成形治具に支持された積層体がプレス成形される様子を示す模式図である。 図7は、本開示の一実施形態に係る成形治具の斜視図である。 図8は、本開示の第1変形実施形態に係る成形治具の支持機構の側面図である。 図9Aは、本開示の第2変形実施形態に係る成形治具の支持機構の模式的な側面図である。 図9Bは、本開示の第2変形実施形態に係る成形治具の支持機構の模式的な側面図である。 図10Aは、本開示の第3変形実施形態に係る成形治具の支持機構の模式的な側面図である。 図10Bは、本開示の第3変形実施形態に係る成形治具の支持機構の模式的な側面図である。 図11Aは、積層体において層間すべりが発生する様子を示す模式図である。 図11Bは、積層体においてうねり、よれが発生する様子を示す模式図である。
以下、図面に基づいて、本開示の一実施形態を詳細に説明する。以下の説明では、複合材料製パネル構造体を単にパネル構造体と称する。当該パネル構造体は、強化繊維およびマトリクス樹脂を含有する。まず、複数のシート材が積層されることで積層体が形成され、当該積層体がプレス成形されることでパネル構造体が製造される。一例として、前記シート材は、強化繊維として連続繊維を含むプリプレグである。
なお、上記のプリプレグについて、パネル構造体の複合材料層を構成する強化繊維および樹脂組成物の具体的な種類は特に限定されるものではない。パネル構造体が適用される部品において良好な物性を実現できるものであれば、強化繊維の具体的な種類は特に限定されないが、例えば、炭素繊維、ポリエステル繊維、PBO繊維すなわちポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、炭化ケイ素繊維、ナイロン繊維、等を挙げることができる。この場合、1種類の強化繊維のみが用いられてもよいし、2種類以上の強化繊維が用いられてもよい。本実施形態では、強化繊維として炭素繊維が好適に用いられる。また、強化繊維の形態は特に限定されないが、代表的には、組物、織物、編物、不織布等で構成された基材が用いられる。
また、強化繊維に含浸される樹脂組成物は、基材を支持するマトリクス材、すなわち母材として使用可能な樹脂材料を含有していればよい。具体的な樹脂材料としては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とが挙げられる。本実施形態では、熱可塑性樹脂が用いられる。
熱可塑性樹脂の具体的な種類も特に限定されないが、PPSすなわちポリフェニレンスルフィド、PEEKすなわちポリエーテルエーテルケトン、PEIすなわちポリエーテルイミド等のエンジニアリングプラスチックが好適に用いられる。これら熱可塑性樹脂の具体的な化学構造は特に限定されず、公知の種々のモノマーが重合されたポリマーであってもよいし、複数のモノマーが重合されたコポリマーであってもよい。また、平均分子量、主鎖および側鎖の構造等についても特に限定されない。
なお、マトリクス材は、上記の熱可塑性樹脂のみで構成されてもよい。すなわちマトリクス材は、公知の樹脂材料のみであってもよい。一方、マトリクス材は、公知の硬化剤、硬化促進剤、繊維基材以外の補強材または充填材、その他公知の添加剤を含んでいてもよい。硬化剤、硬化促進剤等の添加剤の具体的な種類、組成等についても特に限定されず、公知の種類または組成のものが用いられる。
図1は、本開示の一実施形態に係るパネル構造体の製造方法の工程図である。図2は、本実施形態に係る成形治具1の斜視図である。なお、図2以降の各図では説明を容易とするために上下、左右、前後の各方向が図示されているが、当該方向は本開示に係る成形治具、製造方法を限定するものではない。
図1に示すように、本実施形態に係る製造方法は、前述の複数のシート材を積層して積層体を形成するS1工程と、積層体を成形治具に装着するS2工程と、積層体を支持した成形治具を予熱装置に搬入するS3工程と、予熱装置内で積層体を予熱するS4工程と、予熱後に成形治具をプレス装置に搬入するS5工程と、成形治具に装着された積層体にプレス加工を施すS6工程とを含む。S6工程後の成形体から不要な部分が取り除かれると、成形品としてパネル構造体が完成する。
図2に示すように、本実施形態に係る成形治具1は、積層体10を周囲から囲む構造を有し、全体として略平板形状を有している。このような形状を有することで、作業者が積層体10を含む成形治具1を予熱装置やプレス装置に容易に搬入することができる。図2における上下方向が、積層体10に対するプレス方向に相当する。
成形治具1は、フレーム2と、複数の支持機構3とを有している。フレーム2は、平板形状を有し、その中央部には矩形状の開口部2Aが開口されている。フレーム2には、金属材料が用いられている。フレーム2は、予熱装置やプレス装置内で積層体10を保持するための充分な剛性を有している。複数の支持機構3は、フレーム2に揺動可能に装着されており、積層体10を支持する機能を有している。本実施形態では、図2のフレーム2の左右の内側部にそれぞれ3つずつの支持機構3が装着されている。この左右3対の支持機構3の間に、積層体10が配置される。
図2に示される各支持機構3は、上下方向および左右方向における積層体10の移動を許容し、前後方向における積層体10の移動を阻止するように積層体10を支持する。このように、各支持機構3が積層体10の移動方向を規制するため、プレス成形時に積層体10の繊維配向が設計上の方向からずれることが抑止され、成形後のパネル構造体の強度低下が生じにくくなる。
図3は、本実施形態に係る成形治具1の支持機構3の側面図である。図3では、図2の右側の3つの支持機構3のうちの1つの支持機構3が図示されている。なお、図3の二点鎖線は図2における支持機構3の姿勢を示し、図3の実線は後記のように支持機構3が下方に揺動した状態を示す。図2の6つの支持機構3は同じ構造を有しているため、以下では図3の支持機構3を例にして、支持機構3の構造、機能について詳述する。
支持機構3は、固定部31と、支持アーム32と、積層体支持部33と、第1ばね部材34とを有する。
固定部31は、フレーム2に固定される。固定部31は、図3に示すようにL字形状の断面を有している。本実施形態では、固定部31は、ボルトによってフレーム2に固定されている。
支持アーム32は、固定部31に揺動可能に支持されている。支持アーム32は、本開示の揺動部に相当する。図2に示すように、支持アーム32は、前後一対の板状部320を含む。当該一対の板状部320同士は、複数の接続ピン321によって相互に接続されている。
支持アーム32の各板状部320は、固定部31に揺動可能に支持された第1アーム32Aと、積層体支持部33を支持するとともに第1アーム32Aに揺動可能に支持された第2アーム32Bとを含む。
積層体支持部33は、積層体10を支持する機能を有している。積層体支持部33は、支持アーム32の第2アーム32Bに揺動可能に支持されている。積層体支持部33は、第1支持部33Aと、第2支持部33Bとを有する。図3に示すように、積層体10のうち、プレス方向と交差する下面を第1面101、前記下面と反対の上面を第2面102と称する。第1支持部33Aは積層体10の第1面101を支持し、第2支持部33Bは積層体10の第2面102を支持する。本実施形態では、第1支持部33Aおよび第2支持部33Bは、積層体10を上下から挟持する。積層体支持部33が積層体10を挟持した状態で、第2支持部33Bが第1支持部33Aに向かって付勢されることで、積層体10に所定の挟持力が付与される。また、第2支持部33Bは、第1支持部33Aに対して積層体10と平行な方向にスライド移動できる。
なお、図3では、第1支点部P1、第2支点部P2、第3支点部P4が図示されている。第1支点部P1は、第1アーム32Aの固定部31に対する揺動支点である。第2支点部P2は、第2アーム32Bの第1アーム32Aに対する揺動支点である。第3支点部P3は、積層体支持部33の第2アーム32Bに対する揺動支点である。第1アーム32A、第2アーム32Bおよび積層体支持部33の揺動における中心軸は、プレス方向と直交する前後方向に延びている。
第1ばね部材34は、固定部31と積層体支持部33との間に介在する圧縮ばねである。第1ばね部材34の一端部は固定部31に固定されており、第1ばね部材34の他端部は積層体支持部33に固定されている。第1ばね部材34は、積層体10に対するプレス成形時に弾性変形する。第1ばね部材34は、本開示におけるばね部に相当する。
図4乃至図6は、本実施形態に係る成形治具1に支持された積層体10がプレス成形される様子を示す模式図である。図7は、実施形態に係る成形治具1の斜視図であって、図6の状態に対応する図である。
図2に示すように、積層体10が成形治具1に装着、支持された状態で、図1のS3工程、S4工程がそれぞれ実行された後、S5工程において成形治具1がプレス装置Kに搬入される。本実施形態では、成形治具1の複数の支持機構3が積層体10に張力を付与しながら当該積層体10を支持しているため、予熱による積層体10の撓みを防止することができる。また、成形治具1は、予熱装置およびプレス装置への搬入、搬出時に、積層体10の揺れを防止することができる。
図4に示すように、一例として、プレス装置Kは、第1金型部K1と、第2金型部K2とを有する。第1金型部K1には、上方に向かって凹部K11が形成され、第2金型部K2には上方に向かって凸部K21が形成されている。上記の凹部K11と凸部K21とが嵌合することで、積層体10に所定の形状が付与される。
積層体10に対するプレス成形前の段階では、図4に示すように、積層体10が左右方向に水平に延びており、左右の支持機構3が積層体10の両端部をそれぞれ支持している。この際、積層体10が左右両側から支持機構3によって引っ張られることで、積層体10には第1ばね部材34のばね力によって張力が付与されている。このように、支持機構3が積層体10を適度に引っ張った際に、予熱により軟化した積層体10が大きく変形しないよう、第1ばね部材34のばね定数が設定されている。なお、図4の状態の支持機構3の姿勢が、図3では二点鎖線で示されている。
図4に示す状態から図5に示すように第1金型部K1が下降すると、凹部K11と凸部K21とが嵌合し、積層体10が凸部K21に沿った形状に成形される。積層体10が第1金型部K1によって押し下げられることに伴って、右側の支持機構3は図3の下方向かつ左方向に引っ張られる。この結果、図3の矢印で示すように第1アーム32A、第2アーム32Bおよび積層体支持部33がそれぞれ第1支点部P1、第2支点部P2および第3支点部P3回りに回動する。また、図7に示すように、各支持機構3がフレーム2の中央部に向かって下方に回動した状態となる。この際、図4の状態よりも、支持アーム32が伸長し、第1ばね部材34が強制的に引っ張られた状態となる。
図5に示す状態から図6に示すように第1金型部K1が再び上昇すると、積層体10の成形体であるパネル構造体100が、左右の支持機構3によって支持された状態となる。この際も、パネル構造体100が左右両側から支持機構3によって引っ張られているため、パネル構造体100にも第1ばね部材34のばね力によって所定の張力が付与されている。なお、成形後のパネル構造体100の形状を損なうことがないように、第1ばね部材34のばね定数が設定されている。
図11Aは、本実施形態に係る積層体10のプレス成形時に、層間すべりが発生した様子を示す模式図である。図11Bは、積層体10と比較される他の積層体10Zのプレス成形時に、うねりやよれが発生した様子を示す模式図である。積層体10Zの複数のシート材の端部は保持部材Jによって相互に固定されている。保持部材Jは、各シート材に形成された孔部に挿通された金属線材である。
図11Bのように、積層体10Zの複数のシート材の端部が保持部材Jによって相互に固定されている場合、プレス型による積層体10Zの変形に各シート材内の強化繊維が充分追従できないことから、うねり、よれが発生しやすい。この結果、プレス成形後のパネル構造体の表面にも、しわが発生しやすくなる。
一方、本実施形態では、図3の第1支持部33Aに対して第2支持部33Bがスライド移動可能であるため、図11Aに示すように、複数のシート材における層間すべりが促進される。この結果、成形後のパネル構造体100にしわが発生することが抑制される。
以上のように、本実施形態に係る成形治具1では、成形治具1の複数の支持機構3によって積層体10を支持した状態で、積層体10を成形治具1と一体で予熱装置内や金型内に移動させることができる。このため、予熱工程やプレス工程において積層体10の位置を安定して維持することができる。また、複数の支持機構3は、支持アーム32と積層体支持部33とを有し、積層体10の複数のシート材の相対的なすべりを許容するように積層体10を支持する。このため、プレス成形時においてシート材同士のすべりが妨げられることがなく、成形後のパネル構造体100にしわやうねりが発生することを抑止することができる。
また、本実施形態では、積層体支持部33がプレス成形前の積層体10に装着されると第1ばね部材34が積層体10に所定の張力を付与するように弾性変形する。このように、第1ばね部材34の弾性力によってプレス成形前に積層体10に張力を付与しながら積層体10を支持することで、積層体10の位置を更に安定して維持することができる。また、プレス成形前に積層体10に予熱処理を施す場合には、予熱後の積層体10の撓みを抑制することもできる。
更に、本実施形態では、支持アーム32が第1アーム32Aと第2アーム32Bとを有している。このため、支持アーム32が単一の部材である場合と比較して、積層体支持部33がプレス成形時の積層体10の移動にスムーズに追従することができる。
また、積層体支持部33が第1アーム32Aに揺動可能に支持されているため、積層体支持部33がプレス成形時の積層体10の複雑な移動に追従することができる。
更に、本実施形態では、成形治具1が積層体10の前後方向における移動を阻止しながら、プレス方向および左右方向における積層体10の変形を許容するため、積層体10の位置を安定して保持しながらプレス加工を行うことができる。
<第1変形実施形態>
次に、本開示の第1変形実施形態に係る成形治具1について説明する。図8は、本変形実施形態に係る成形治具1の支持機構3の側面図である。図8においても、二点鎖線はプレス成形前の状態を示し、実線はプレス成形時の状態を示している。なお、本変形実施形態では、先の実施形態との相違点を中心に説明する。また、先の実施形態と同様の構造、機能を有する部材については、同じ符号を付している。図8に示すように、支持機構3は、固定部31と、支持アーム32と、積層体支持部33と、第2ばね部材35と、第3ばね部材36とを有する。
本変形実施形態では、積層体支持部33が第1支持部33Cと、第2支持部33Dとを有する。第1支持部33Cは、積層体10の第1面101を支持する。また、第2支持部33Dは、第1支持部33Cとの間で積層体10を所定の挟持力で挟持するように積層体10の第2面102を支持する。上記の挟持力は、第2支持部33Dの基端部に設けられた調整ねじ33Eによって調整することができる。
第2ばね部材35は、固定部31と支持アーム32の第1アーム32Aとの間に介在する。一方、第3ばね部材36は、第3支点部P3に配置されている。第3支点部P3は、積層体支持部33の第2アーム32Bに対する揺動支点である。第3ばね部材36は、トーションスプリングである。第3ばね部材36は、第3支点部P3を支点とする揺動方向に積層体支持部33を付勢する。
本変形実施形態においても、プレス成形前に、第2ばね部材35および第3ばね部材36のばね力によって積層体10に所定の張力を付与した状態で、各支持機構3が積層体10を支持することができる。このため、予熱工程やプレス工程において積層体10の位置を安定して維持することができる。
また、図4乃至図6のように、プレス装置Kの第1金型部K1、第2金型部K2によって積層体10がプレス成形されると、支持機構3は図8の下方向かつ左方向に引っ張られる。この際、第2ばね部材35および第3ばね部材36が弾性変形しながら、第1アーム32A、第2アーム32Bおよび積層体支持部33が、それぞれ第1支点部P1、第2支点部P2および第3支点部P3周りに揺動する。この結果、積層体支持部33が積層体10の移動に容易に追従することができる。この際、第2ばね部材35および第3ばね部材36のばね力によって、支持機構3が積層体10に張力を付与し続けることができる。
更に、プレス成形時には、積層体支持部33の第1支持部33Cおよび第2支持部33Dにおいて積層体10の層間すべりが許容されるため、プレス成形後のパネル構造体100にしわが発生することが抑止される。なお、本変形実施形態では、プレス成形時の積層体10の複数のシート材のすべり力が第1支持部33Cおよび第2支持部33Dの挟持力を超えた場合に、前記複数のシート材が相対的にすべることができる。
<第2変形実施形態>
次に、本開示の第2変形実施形態に係る成形治具1について説明する。図9A、図9Bは、本変形実施形態に係る成形治具1の支持機構3の模式的な側面図である。本変形実施形態では、先の実施形態と比較して、積層体支持部33が積層体10を支持する構造において相違する。例えば、図9Aに示すように、積層体10は、第1シート材10A、第2シート材10Bおよび第3シート材10Cの3層構造を有する。第1シート材10Aの下面部は積層体10の第1面101に相当し、第3シート材10Cの上面部は積層体10の第2面102に相当する。積層体支持部33は、積層体10の第1面101に接着剤33Sによって接着固定されている。なお、他の実施形態において、積層体支持部33は、積層体10の第1面101に融着されてもよい。
図9Aに示される積層体10の端部では、積層体10の予熱時に第2面102は予熱装置の熱を受けて溶けるが、第1面101は積層体支持部33によって覆われており予熱装置の熱を直接受けないため、第2面102と比較すると溶けない。
積層体10の第1シート材10Aは積層体支持部33に接着固定されているため、積層体10のプレス成形時、第1シート材10Aは積層体支持部33に追従して図9Bの矢印Q1方向に移動する。一方、第3シート材10Cは積層体支持部33に拘束されていないため、積層体10の変形に伴う周長差によって第3シート材10Cは矢印Q2方向に移動する。なお、第1シート材10Aと第3シート材10Cとの間の第2シート材10Bも、第3シート材10Cに追従するように移動する。この結果、3層のシート材における層間すべりが促進される。したがって、プレス成形後のパネル構造体100にしわが発生することが抑止される。
<第3変形実施形態>
次に、本開示の第3変形実施形態に係る成形治具1について説明する。図10A、図10Bは、本変形実施形態に係る成形治具1の支持機構3の模式的な側面図である。本変形実施形態においても、先の実施形態と比較して、積層体支持部33が積層体10を支持する構造において相違する。例えば、図10Aに示すように、積層体10は、第1シート材10A、第2シート材10B、第3シート材10C、第4シート材10D、第5シート材10E、第6シート材10Fの6層構造を有する。第1シート材10Aの下面部は積層体10の第1面101に相当し、第6シート材10Fの上面部は積層体10の第2面102に相当する。予熱処理を受ける前の積層体10の状態において、積層体10の端部は段差を有している。具体的に、第1シート材10A、第2シート材10B及び第3シート材10Cは、第4シート材10D、第5シート材10Eおよび第6シート材10Fよりも積層体10の幅方向外側に長く突出している。更に、第1シート材10Aおよび第2シート材10Bは、第3シート材10Cよりも前記幅方向外側に突出している。
一方、積層体支持部33は、第1支持部33Aと第2支持部33Bとを含む。第2支持部33Bはボルトによって第1支持部33Aに固定されている。第1支持部33Aと第2支持部33Bとの間には、積層体10の第1シート材10Aおよび第2シート材10Bのそれぞれの端部が挟持されている。なお、他の実施形態において、第3シート材10Cも同様に挟持されていてもよい。また、第1支持部33Aと第2支持部33Bとの間に挟持されるシート材の数は上記に限定されるものではない。
このように、本実施形態では、積層体10の第1シート材10Aおよび第2シート材10Bは積層体支持部33に強く挟持されている。このため、積層体10のプレス成形時、第1シート材10Aおよび第2シート材10Bは積層体支持部33に追従して図10Bの矢印Q1方向に移動する。一方、第4シート材10D、第5シート材10Eおよび第6シート材10Fは積層体支持部33に拘束されていないため、積層体10の変形に伴う周長差によって矢印Q2方向に移動する。この結果、6層のシート材における層間すべりが促進される。したがって、本変形実施形態においても、プレス成形後のパネル構造体100にしわが発生することが抑止される。
上記のように、図9A、図10Aの態様では、積層体10の第1面101を拘束した状態で第2面102の移動を許容することによって、前記複数のシート材の相対的なすべりを発生させることができる。
以上、本開示の各実施形態に係る成形治具1およびパネル構造体100の製造方法について説明したが、本開示は上掲の実施形態に何ら限定されない。例えば、上述の成形治具1、パネル構造体100の製造方法などについて、次のような変形実施形態を取ることができる。
上記の実施形態では、強化繊維に含浸され基材を支持するマトリクス材が熱可塑性樹脂である態様にて説明したが、マトリクス材は熱硬化性樹脂でもよい。
熱硬化性樹脂の具体的な種類は特に限定されないが、代表的には、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これら熱硬化性樹脂は単独種で用いられてもよいし、複数種が組み合わせられて用いられもよい。また、これら熱硬化性樹脂のより具体的な化学構造も特に限定されず、公知の種々のモノマーが重合されたポリマーであってもよいし、複数のモノマーが重合されたコポリマーであってもよい。また、平均分子量、主鎖および側鎖の構造等についても特に限定されない。
また、この場合も、マトリクス材は、上記の熱硬化性樹脂のみで構成されてもよいし、公知の硬化剤、硬化促進剤、繊維基材以外の補強材または充填材、その他公知の添加剤を含んでいてもよい。
すなわち、本開示において、マトリクス材は、熱硬化性樹脂および他の成分を含有する熱硬化性樹脂組成物、あるいは、熱可塑性樹脂および他の成分を含有する熱可塑性樹脂組成物であってもよい。したがって、本開示における複合材料は、強化繊維と熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂組成物とで構成される「熱硬化型」であってもよいし、強化繊維と熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂組成物とで構成される「熱可塑型」であってもよい。
[本開示のまとめ]
以上説明した具体的実施形態には、以下の構成を有する開示が含まれている。
本開示の第1の局面に係る成形治具は、強化繊維およびマトリクス樹脂を含有する複数のシート材が積層された積層体をプレス成形によって成形体に成形するための成形治具であって、フレームと、前記フレームに装着され、前記積層体を支持する複数の支持機構と、を備え、前記複数の支持機構の各々は、前記フレームに固定された固定部と、前記固定部に揺動可能に支持された揺動部と、前記揺動部に支持され、前記複数のシート材の相対的なすべりを許容するように前記積層体を支持する積層体支持部と、を有する。
本構成によれば、積層体をプレス成形する際に、成形治具の複数の支持機構によって積層体を支持した状態で、積層体を成形治具とともに予熱装置内や金型内に移動させることができる。このため、予熱工程やプレス工程において積層体の位置を安定して維持することができる。また、複数の支持機構は、揺動部と積層体支持部とを有し、複数のシート材の相対的なすべりを許容するように積層体を支持するため、プレス成形時においてシート材同士のすべりが妨げられることに起因して成形体にしわやうねりが発生することを抑止することができる。
本開示の第2の局面に係る成形治具は、第1の局面に係る成形治具において、前記固定部と前記積層体支持部との間に介在し、前記積層体支持部が前記プレス成形前の前記積層体に装着されると前記積層体に所定の張力を付与するように弾性変形するばね部を更に備える。
本構成によれば、ばね部の弾性力によって、プレス成形前に積層体に張力を付与することで積層体の位置を更に安定して維持することができる。また、プレス成形前に積層体に予熱処理を施す場合には、予熱後の積層体の撓みを抑制することができる。
本開示の第3の局面に係る成形治具は、第1または第2の局面に係る成形治具において、前記揺動部は、前記固定部に揺動可能に支持された第1アームと、前記積層体支持部を支持するとともに前記第1アームに揺動可能に支持された第2アームとを含む。
本構成によれば、第1アームおよび第2アームの揺動動作によって、積層体支持部をプレス成形時の積層体の移動にスムーズに追従させることができる。
本開示の第4の局面に係る成形治具は、第3の局面に係る成形治具において、前記積層体支持部は、前記第2アームに揺動可能に支持されている。
本構成によれば、積層体支持部が第2アームに対して揺動できるため、プレス成形時の積層体の複雑な移動に対しても積層体支持部を追従させることができる。
本開示の第5の局面に係る成形治具は、第1から第4の局面に係る成形治具において、前記積層体は当該積層体に対するプレス方向と交差する第1面と、当該第1面とは反対の第2面とを有し、前記積層体支持部は、前記積層体の前記第1面を支持する第1支持部と、前記積層体の前記第2面を支持し前記第1支持部に対してスライド移動可能な第2支持部とを有する。
本構成によれば、第1支持部に対する第2支持部のスライド移動によって、プレス成形時の複数のシート材の相対的なすべりを許容することができる。
本開示の第6の局面に係る成形治具は、第1から第4の局面に係る成形治具において、前記積層体は当該積層体に対するプレス方向と交差する第1面と、当該第1面とは反対の第2面とを有し、前記積層体支持部は、前記積層体の前記第1面を支持する第1支持部と、前記第1支持部との間で前記積層体を所定の挟持力で挟持するように前記積層体の前記第2面を支持する第2支持部とを有する。
本構成によれば、複数のシート材のすべり力が第1支持部および第2支持部の挟持力を超えた場合に、前記複数のシート材の相対的なすべりを発生させることができる。
本開示の第7の局面に係る成形治具は、第1から第6の局面に係る成形治具において、前記支持機構は、前記積層体に対するプレス方向および当該プレス方向と直交する第1方向の各方向における前記積層体の移動を許容し、前記プレス方向および前記第1方向の各々と直交する第2方向における前記積層体の移動を阻止するように前記積層体を支持する。
本構成によれば、成形治具が積層体の第2方向における移動を阻止しながら、プレス方向および第1方向における積層体の変形を許容するため、積層体の位置を安定して保持しながらプレス加工を行うことができる。
本開示の第8の局面に係る複合材料製パネル構造体の製造方法は、強化繊維およびマトリクス樹脂を含有する複合材料製パネル構造体の製造方法であって、前記強化繊維および前記マトリクス樹脂を含む複数のシート材を積層して積層体を形成することと、フレームおよび当該フレームに揺動可能に支持された複数の支持機構を含む成形治具を準備することと、前記成形治具の前記複数の支持機構によって前記積層体に所定の張力を付与した状態で前記積層体を支持することと、前記成形治具によって前記積層体を支持した状態で前記積層体をプレス成形することで前記複数のシート材の相対的なすべりを許容しながら前記積層体から前記パネル構造体を成形することと、を備える。
本方法によれば、積層体をプレス成形する際に、成形治具によって積層体を支持した状態で、積層体を成形治具とともに金型内に移動させることができる。このため、プレス工程において積層体の位置を安定して維持することができる。また、成形治具によって、プレス成形時の複数のシート材の相対的なすべりを許容できるため、シート材同士のすべりが妨げられることに起因してパネル構造体にしわやうねりが発生することを抑止することができる。
本開示の第9の局面に係る複合材料製パネル構造体の製造方法は、第8の局面に係る複合材料製パネル構造体の製造方法において、前記複数の支持機構によって、前記プレス成形前の前記積層体に所定の張力を付与した状態で前記積層体を支持することを更に備える。
本方法によれば、プレス成形前に積層体に張力を付与することで積層体の位置を安定して維持することができる。
本開示の第10の局面に係る複合材料製パネル構造体の製造方法は、第8の局面に係る複合材料製パネル構造体の製造方法において、前記積層体に対するプレス方向および当該プレス方向と直交する第1方向の各方向における前記積層体の移動を許容し、前記プレス方向および前記第1方向の各々と直交する第2方向における前記積層体の移動を阻止するように、前記複数の支持機構によって前記積層体を支持することを更に備える。
本方法によれば、成形治具によって積層体の第2方向における移動を阻止しながら、プレス方向および第1方向における積層体の変形を許容できるため、積層体の位置を安定して保持しながらプレス加工を行うことができる。
本開示の第11の局面に係る複合材料製パネル構造体の製造方法は、第8の局面に係る複合材料製パネル構造体の製造方法において、前記積層体として、当該積層体に対するプレス方向と交差する第1面と、当該第1面とは反対の第2面とを有するものを準備し、前記支持機構として、前記積層体の前記第1面を支持する第1支持部と、前記積層体の前記第2面を支持する第2支持部とを有するものを用いることと、前記積層体をプレス成形する際に、前記第2支持部が前記第1支持部に対してスライド移動することで前記複数のシート材の相対的なすべりを許容することと、を更に備える。
本方法によれば、第1支持部に対する第2支持部のスライド移動によって、プレス成形時の複数のシート材の相対的なすべりを許容することができる。
本開示の第12の局面に係る複合材料製パネル構造体の製造方法は、第8の局面に係る複合材料製パネル構造体の製造方法において、前記積層体として、当該積層体に対するプレス方向と交差する第1面と、当該第1面とは反対の第2面とを有するものを準備し、前記支持機構として、前記積層体の前記第1面を支持する第1支持部と、前記第1支持部との間で前記積層体を所定の挟持力で挟持するように前記積層体の前記第2面を支持する第2支持部とを有するものを用いることと、前記積層体のプレス成形時における前記複数のシート材の相対的なすべりを許容するように前記挟持力を設定することと、を更に備える。
本方法によれば、複数のシート材のすべり力が第1支持部および第2支持部の挟持力を超えた場合に、前記複数のシート材の相対的なすべりを発生させることができる。
本開示の第13の局面に係る複合材料製パネル構造体の製造方法は、第8の局面に係る複合材料製パネル構造体の製造方法において、前記積層体として、当該積層体に対するプレス方向と交差する第1面と、当該第1面とは反対の第2面とを有するものを準備することと、前記積層体をプレス成形する際に前記複数のシート材の相対的なすべりに伴って前記積層体の前記第2面が前記第1面に対してスライド移動することを許容するように、前記支持機構を前記積層体の前記第1面および前記第2面のうち前記第1面のみに固定することと、を更に備える。
本方法によれば、積層体の第1の面を拘束した状態で第2の面の移動を許容することによって、前記複数のシート材の相対的なすべりを発生させることができる。
1 成形治具
10 積層体
100 パネル構造体
101 第1面
102 第2面
2 フレーム
2A 開口部
3 支持機構
31 固定部
32 支持アーム
32A 第1アーム
32B 第2アーム
33 積層体支持部
33A、33C 第1支持部
33B、33D 第2支持部
34 第1ばね部材
35 第2ばね部材
36 第3ばね部材
J 保持部材
K プレス装置
K1 第1金型部
K2 第2金型部
P1 第1支点部
P2 第2支点部
P3 第3支点部

Claims (13)

  1. 強化繊維およびマトリクス樹脂を含有する複数のシート材が積層された積層体をプレス成形によって成形体に成形するための成形治具であって、
    フレームと、
    前記フレームに装着され、前記積層体を支持する複数の支持機構と、
    を備え、
    前記複数の支持機構の各々は、
    前記フレームに固定された固定部と、
    前記固定部に揺動可能に支持された揺動部と、
    前記揺動部に支持され、前記複数のシート材の相対的なすべりを許容するように前記積層体を支持する積層体支持部と、
    を有する、成形治具。
  2. 前記固定部と前記積層体支持部との間に介在し、前記積層体支持部が前記プレス成形前の前記積層体に装着されると前記積層体に所定の張力を付与するように弾性変形するばね部を更に備える、請求項1に記載の成形治具。
  3. 前記揺動部は、前記固定部に揺動可能に支持された第1アームと、前記積層体支持部を支持するとともに前記第1アームに揺動可能に支持された第2アームとを含む、請求項1に記載の成形治具。
  4. 前記積層体支持部は、前記第2アームに揺動可能に支持されている、請求項3に記載の成形治具。
  5. 前記積層体は当該積層体に対するプレス方向と交差する第1面と、当該第1面とは反対の第2面とを有し、
    前記積層体支持部は、前記積層体の前記第1面を支持する第1支持部と、前記積層体の前記第2面を支持し前記第1支持部に対してスライド移動可能な第2支持部とを有する、請求項1に記載の成形治具。
  6. 前記積層体は当該積層体に対するプレス方向と交差する第1面と、当該第1面とは反対の第2面とを有し、
    前記積層体支持部は、前記積層体の前記第1面を支持する第1支持部と、前記第1支持部との間で前記積層体を所定の挟持力で挟持するように前記積層体の前記第2面を支持する第2支持部とを有する、請求項1に記載の成形治具。
  7. 前記支持機構は、前記積層体に対するプレス方向および当該プレス方向と直交する第1方向の各方向における前記積層体の移動を許容し、前記プレス方向および前記第1方向の各々と直交する第2方向における前記積層体の移動を阻止するように前記積層体を支持する、請求項1に記載の成形治具。
  8. 強化繊維およびマトリクス樹脂を含有する複合材料製パネル構造体の製造方法であって、
    前記強化繊維および前記マトリクス樹脂を含む複数のシート材を積層して積層体を形成することと、
    フレームおよび当該フレームに揺動可能に支持された複数の支持機構を含む成形治具を準備することと、
    前記成形治具の前記複数の支持機構によって前記積層体に所定の張力を付与した状態で前記積層体を支持することと、
    前記成形治具によって前記積層体を支持した状態で前記積層体をプレス成形することで前記複数のシート材の相対的なすべりを許容しながら前記積層体から前記パネル構造体を成形することと、
    を備える、複合材料製パネル構造体の製造方法。
  9. 前記複数の支持機構によって、前記プレス成形前の前記積層体に所定の張力を付与した状態で前記積層体を支持することを更に備える、請求項7に記載の複合材料製パネル構造体の製造方法。
  10. 前記積層体に対するプレス方向および当該プレス方向と直交する第1方向の各方向における前記積層体の移動を許容し、前記プレス方向および前記第1方向の各々と直交する第2方向における前記積層体の移動を阻止するように、前記複数の支持機構によって前記積層体を支持することを更に備える、請求項8に記載の複合材料製パネル構造体の製造方法。
  11. 前記積層体として、当該積層体に対するプレス方向と交差する第1面と、当該第1面とは反対の第2面とを有するものを準備し、前記支持機構として、前記積層体の前記第1面を支持する第1支持部と、前記積層体の前記第2面を支持する第2支持部とを有するものを用いることと、
    前記積層体をプレス成形する際に、前記第2支持部が前記第1支持部に対してスライド移動することで前記複数のシート材の相対的なすべりを許容することと、
    を更に備える、請求項8に記載の複合材料製パネル構造体の製造方法。
  12. 前記積層体として、当該積層体に対するプレス方向と交差する第1面と、当該第1面とは反対の第2面とを有するものを準備し、前記支持機構として、前記積層体の前記第1面を支持する第1支持部と、前記第1支持部との間で前記積層体を所定の挟持力で挟持するように前記積層体の前記第2面を支持する第2支持部とを有するものを用いることと、
    前記積層体のプレス成形時における前記複数のシート材の相対的なすべりを許容するように前記挟持力を設定することと、
    を更に備える、請求項8に記載の複合材料製パネル構造体の製造方法。
  13. 前記積層体として、当該積層体に対するプレス方向と交差する第1面と、当該第1面とは反対の第2面とを有するものを準備することと、
    前記積層体をプレス成形する際に前記複数のシート材の相対的なすべりに伴って前記積層体の前記第2面が前記第1面に対してスライド移動することを許容するように、前記支持機構を前記積層体の前記第1面および前記第2面のうち前記第1面のみに固定することと、
    を更に備える、請求項8に記載の複合材料製パネル構造体の製造方法。
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