JP2024067742A - プリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】カラー印刷が可能なプリンタであって、特定色についてユーザの好みの色合いになり易い技術を提供すること。【解決手段】プリンタ1は、色合いを調整するキャリブレーション処理を実行可能である。プリンタ1は、RGB値で示される画像データを含む印刷ジョブを受け付けた場合に、RGB値をCMYK値に変換する前に、受け付けた印刷ジョブが特別赤を利用する印刷ジョブであるか否かを判断し、キャリブレーションの実行条件を満たしているか否かを判断する。プリンタ1は、受け付けた印刷ジョブが特別赤を利用する印刷ジョブでないと判断した場合、累積枚数が第1閾値よりも大きい場合にキャリブレーションを実行する。プリンタ1は、受け付けた印刷ジョブが特別赤を利用する印刷ジョブであると判断した場合、累積枚数が第2閾値よりも大きい場合にキャリブレーションを実行する。第2閾値は、第1閾値よりも小さい。【選択図】図9
Description
本明細書に開示される技術分野は、カラー印刷が可能なプリンタに関する。
従来、カラー印刷が可能なプリンタであって、特定のRGB値である特定色についてユーザの好みの色合いに対応する技術が知られている。例えば特許文献1には、特定色について複数の類似色のパッチを含むカラーチャートを印刷する機能を有し、各パッチに対応する色番号とCMY値とを対応付ける変換テーブルを記憶するプリンタが開示されている。このプリンタは、特定色の色番号が指定された印刷ジョブを受信した場合に、受信した印刷ジョブに含まれる画像データを示すRGB値をCMY値に変換する。この際、プリンタは、画像データに含まれる特定色のRGB値を、変換テーブルを用いて、印刷ジョブに指定される色番号に対応するCMY値に変換する。その後、プリンタは、CMY値に変換された画像データに示される画像を印刷する。
プリンタでは、印字特性の変化に対応するため、累積の印刷枚数が閾値を超えた場合や温度等の周辺環境が変化した場合に、現像バイアス値の更新やガンマ補正等を行って色合いを調整する、いわゆるキャリブレーション処理が実行される。このキャリブレーション処理の実行後、印刷が数多く実行されることで、色合いに変化が生じる場合がある。そのため、特許文献1に開示されているように、特定色の好みを指定した印刷ジョブを投入した場合に、印刷結果がユーザの好みの色合いにならないことがある。
この課題の解決を目的としてなされたプリンタは、カラー印刷が可能な印刷デバイスを備えるプリンタであって、前記プリンタは、RGB値で示される画像データを含む印刷ジョブを受け付ける受付処理と、前記受付処理にて受け付けられた前記印刷ジョブに含まれる前記画像データを、CMY値に変換するCMY変換処理であって、特定のRGB値である特定色に類似する複数の選択色の1つが指定された前記印刷ジョブである特定印刷ジョブが受け付けられた場合、前記画像データに含まれる前記特定色のRGB値を、指定されている前記選択色に対応するCMY値に変換する前記CMY変換処理と、前記CMY変換処理にてCMY値に変換された前記画像データに示される画像を、前記印刷デバイスに印刷させる印刷処理と、を実行可能であり、前記プリンタはさらに、色合いを調整するためのキャリブレーション処理と、前記受付処理にて前記印刷ジョブを受け付けた場合に、前記CMY変換処理を実行する前に、受け付けた前記印刷ジョブが前記特定印刷ジョブであるか否かを判断する第1判断処理と、前記第1判断処理を実行した後、前記キャリブレーション処理を実行する実行条件を満たしているか否かを判断する第2判断処理と、を実行可能であり、前記実行条件には、第1実行条件と、前記第1実行条件よりも条件を満たし易い第2実行条件とがあり、前記プリンタはさらに、前記第1判断処理にて、受け付けた前記印刷ジョブが前記特定印刷ジョブでないと判断された場合に、前記第2判断処理にて、前記実行条件として前記第1実行条件を満たしているか否かを判断し、前記第2判断処理にて、前記第1実行条件を満たしていると判断された場合に、前記キャリブレーション処理を実行し、前記第1判断処理にて、受け付けた前記印刷ジョブが前記特定印刷ジョブであると判断された場合に、前記第2判断処理にて、前記実行条件として前記第2実行条件を満たしているか否かを判断し、前記第2判断処理にて、前記第2実行条件を満たしていると判断された場合に、前記キャリブレーション処理を実行する、ように構成される。
本明細書に開示されるプリンタは、受け付けた印刷ジョブが、特定色に対応する選択色が指定された特定印刷ジョブではない場合、キャリブレーション処理の実行条件を第1実行条件とし、特定色に対応する選択色が指定された特定印刷ジョブである場合、キャリブレーション処理の実行条件を、第1実行条件よりも条件を満たし易い第2実行条件とする。これにより、特定印刷ジョブの印刷前にキャリブレーション処理が実行される可能性が高まる。従って、色合いが調整された状態で特定印刷ジョブの印刷が行われるので、特定色の印字結果について、ユーザの想定した好みの色合いになり易い。
上記プリンタを含む印刷システム、プリンタの機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、当該プログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
本明細書に開示される技術によれば、カラー印刷が可能なプリンタであって、特定色についてユーザの好みの色合いになり易い技術が実現される。
以下、実施の形態にかかるプリンタについて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は、カラー印刷を実行可能なプリンタを開示するものである。
プリンタ1は、図1に示すように、CPU11と、メモリ12と、を含むコントローラ10を備えている。また、プリンタ1は、ユーザインタフェース(以下、「ユーザIF」とする)13と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)14と、印刷デバイス15と、を備えている。ユーザIF13と通信IF14と印刷デバイス15とは、コントローラ10に電気的に接続されている。
CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、または、ユーザの操作に従って、各種の処理を実行する。メモリ12には、各種のプログラムや各種のデータが記憶されている。メモリ12は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。メモリ12は、CPU11が備えるバッファを含んでも良い。
プリンタ1のメモリ12には、図1に示すように、制御プログラム21と、カラーチャートデータ23と、カラープロファイル24と、おすすめ赤情報25と、変換テーブル26と、特別赤データ27と、累積枚数28と、が記憶されている。メモリ12に記憶されるプログラムやデータについての詳細は、後述する。
なお、メモリ12の一例は、プリンタ1に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、CPU11が読み取り可能かつ書き込み可能なストレージ媒体であっても良い。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバ等からダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
ユーザIF13は、ユーザに情報を報知するための画面を表示するハードウェアと、ユーザによる操作を受け付けるハードウェアと、を含む。ユーザIF13は、タッチパネルを含んでいても良いし、表示部と操作ボタンとの組み合わせであっても良い。
通信IF14は、外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF14の通信規格は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、USBなどである。プリンタ1は、複数の通信規格に対応する複数の通信IF14を備えていても良い。
印刷デバイス15は、各色のトナーを用いて電子写真方式でのカラー印刷が可能な構成を有している。印刷デバイス15は、CMYKの4色の色ごとに、現像ローラ151を備える。印刷デバイス15は、さらに、トナーを収容するトナー筐体を含むトナーカートリッジ152を備える。トナーカートリッジ152は、現像ローラ151と、現像ローラ151にトナーを供給する供給ローラと、を含む。印刷デバイス15は、感光体上に形成した静電潜像を現像ローラ151にて現像することで、トナー像を形成する。なお、プリンタ1は、例えば、トナーカートリッジ152が装着されているか否かを検知する検知部材を備える。検知部材は、トナーカートリッジ152が交換されたか否かを色ごとに判断可能である。
プリンタ1は、印刷対象の画像データが、RGB値を用いて表されているカラー画像の画像データであれば、RGB値をCMYK値に変換し、変換後の画像データに示される画像を各色のトナーを用いて印刷する。RGB値は、R値とG値とB値との組で表された画像データである。CMYK値は、C値とM値とY値とK値との組で表された画像データである。なお、RGB値で示されるカラー画像を、K値を使用せずにCMYの3値で表現することも可能である。CMYK値は、CMY値の一例である。
プリンタ1は、特定色に関する各種の指示を受け付け可能である。特定色は、RGB値で表された画像データにおけるR値、G値、B値の各値が、予め決められた特定の値である色である。例えば、8ビットのRGB値で表される画像データにおける特定色の赤色(以下、「特別赤」とする)とは、R=255、G=0、B=0によって表される色である。以下では、特別赤を特定色の例として説明する。例えば、中国やアラビア系の各国では、赤の色合いを大事にするユーザが多く、ユーザごとに好みの赤が異なる傾向にある。そのため、印刷物に含まれる特別赤を好みの色合いで印刷させたいという要望がある。
次に、実施の形態のプリンタ1の動作について、フローチャートを参照して説明する。なお、以下の処理は、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPUの処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPUの処理を表している。CPUによる処理は、OSのAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OSの記載を省略して各プログラムの動作を説明する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記載は、「プログラムBがOSのAPIを用いてハードウェアCを制御する」ことを指しても良い。また、プログラムに記述された命令に従ったCPUの処理を、省略した文言で記載することがある。例えば、「CPUが行う」のように記載することがある。また、プログラムに記述された命令に従ったCPUの処理を、「プログラムAが行う」のようにCPUを省略した文言で記載することがある。
なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPUが要求することなくデータを受信するという処理も、「CPUがデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「要求する」、「指示する」とは、要求していることを示す情報や、指示していることを示す情報を相手に出力することを示す概念である。また、要求していることを示す情報や指示していることを示す情報のことを、単に、「要求」、「指示」とも記載する。
また、CPUによる、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することがある。CPUによる、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであることを示しているか、を判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判断する」のように概念的に記載することがある。
プリンタ1は、ユーザIF13を介して、各種の指示を受け付け可能である。また、プリンタ1は、例えば、図1に示したように、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」とする)3に接続されている。PC3には、プリンタ1に対応するプリンタドライバ31が組み込まれている。プリンタドライバ31は、ユーザの操作に基づいて、各種のコマンドを含むPJLデータをプリンタ1に送信することができる。プリンタ1は、コマンドを含むPJLデータを受信した場合、そのコマンドに基づく処理を実行する。
プリンタ1は、特別赤に関する指示として、カラーチャートの印刷指示を受け付け可能である。カラーチャート印刷処理の手順について、図2のフローチャートを参照して説明する。カラーチャート印刷処理は、ユーザIF13を介して、あるいは、PJLデータの受信によって、カラーチャートの印刷指示を受け付けたことを契機に、制御プログラム21に基づいて、プリンタ1のCPU11にて実行される。カラーチャートについては、後述する。
カラーチャート印刷処理では、CPU11は、まず補正値設定処理を実行する(S101)。補正値設定処理の手順について、図3のフローチャートを参照して説明する。
補正値設定処理では、CPU11は、まず、現像バイアス補正を実行する(S201)。さらに、CPU11は、補正された現像バイアス値を用いて、ガンマ補正を実行する(S202)。S201とS202との組は、キャリブレーション処理の一例である。キャリブレーションは、印刷物の色合いを調整するための処理であり、現像バイアス補正とガンマ補正との少なくとも一方を含む。現像バイアス補正とガンマ補正との少なくとも一方を行うことで、プリンタ1は、明度ないし彩度が調整された出力画像を生成できる。
現像バイアス補正は、現像ローラ151に印加する現像バイアスをそれぞれに変えた複数のトナーパッチを形成し、形成した各トナーパッチの濃度を検出して、適切な濃度が得られる現像バイアス値を設定する処理である。プリンタ1は、現像バイアス補正を色ごとに実行する。
ガンマ補正は、入力画像の階調に対応する露光面積率を設定することにより、画像の明るさを調整する処理である。プリンタ1は、現像バイアス補正後の現像バイアス値を用いて、例えば、複数の露光面積率に対応するトナー像を形成する。プリンタ1は、形成されたトナー像の濃度を読み取り、入力階調値と露光データの露光面積率とが対応するようにガンマデータを設定する。なお、ガンマデータは、ルックアップテーブルから読み出して設定しても良いし、対応関係を示す数式を用いて算出しても良い。
そして、CPU11は、累積枚数28をリセットして0枚に設定する(S203)。累積枚数28は、キャリブレーションを実行した後に印刷した印刷用紙の枚数である。累積枚数28は、印刷回数の一例である。さらに、CPU11は、今回のキャリブレーションの実行環境の情報をメモリ12に記憶する(S204)。CPU11は、実行環境の情報として、例えば、実行時の温度および湿度、実行日時、を記憶する。S204の後、CPU11は、補正値設定処理を終了して、カラーチャート印刷処理に戻る。
図2のカラーチャート印刷処理の説明に戻る。S101の補正値設定処理にてキャリブレーションを実行した後、CPU11は、メモリ12からカラーチャートデータ23を読み出して(S111)、カラーチャートの印刷を実行する(S112)。S112は、カラーチャート印刷処理の一例である。
プリンタ1のメモリ12には、特別赤のカラーチャートの印刷データであるカラーチャートデータ23が記憶されている。特別赤のカラーチャートデータ23は、例えば、図4に示すように、赤系であってそれぞれ異なる色の複数のパッチと、各パッチに対応する色番号と、が組み合わされた画像のデータである。図4に示すカラーチャートは、色番号が0番から168番までの赤に類似する169種類の選択色で表された169個のパッチを含む。色番号は、カラーチャートに含まれる各選択色を示す番号である。なお、カラーチャートの各選択色は、CMYの3つの値のうち少なくとも1つの値が互いに異なる169種類の赤系の色である。
プリンタ1のメモリ12には、カラーチャートデータ23に含まれる各パッチの色が記憶されている。詳しくは、プリンタ1のメモリ12には、例えば、図5に示すように、色番号とCMYK値との対応を示す変換テーブル26が記憶されている。プリンタ1は、変換テーブル26を用いることで、カラーチャートに含まれる各色番号に対応するCMYK値を取得できる。なお、図5に示す変換テーブル26の例は、特別赤のCMYK値の例である。特別赤のカラーチャートに使用される色は、すべて、K値が0の色であるので、図5ではCMY値のみを示している。
S111とS112とにより、図4に示したようなカラーチャートが印刷された印刷物が出力される。後述するように、ユーザは、そのカラーチャートを参考に、特別赤として利用する選択色を決定する。プリンタ1は、カラーチャートの印刷前にキャリブレーションを実行するので、色合いが調整された状態でカラーチャートが印刷される。そのカラーチャートに基づいて、ユーザは、選択色を決定できる。そのため、その後に印刷される特定赤が、ユーザの好みの色合いになり易い。
さらに、CPU11は、累積枚数28を1加算して(S116)、カラーチャート印刷処理を終了する。累積枚数28は、補正値設定処理のS203にてリセットされており、S116にて1枚となる。この後、プリンタ1は、ユーザIF13への操作、またはPC3から受信した印刷ジョブやPJLデータ、に基づく処理を実行可能な待機状態となる。
次に、選択色登録処理の手順について、図6のフローチャートを参照して説明する。選択色登録処理は、ユーザIF13を介して、あるいは、PJLデータの受信によって、特別赤の登録指示を受け付けたことを契機に、制御プログラム21に基づいて、プリンタ1のCPU11にて実行される。特別赤の登録指示は、複数の選択色の1つを特別赤として使用する色として登録する指示である。複数の選択色は、印刷されたカラーチャートに含まれる複数の赤系の色である。
選択色登録処理では、CPU11は、受け付けた指示が、色番号を指定した指示であるか、おすすめ赤を利用する指示であるか、を判断する(S301)。プリンタ1は、特別赤として利用する色を登録する指示として、カラーチャートの色番号を指定する指示と、おすすめ赤を利用する指示と、を受け付け可能である。おすすめ赤は、プリンタ1に記憶されているおすすめ赤情報25によって示される色である。
おすすめ赤情報25は、特別赤の印刷に用いるおすすめの赤色を示す情報である。プリンタ1は、おすすめ赤情報25として、おすすめの赤色を示す情報を、工場出荷の段階でメモリ12に記憶している。工場出荷の段階で記憶されているおすすめ赤情報25は、例えば、複数のユーザによる好みの色のデータに基づいて、プリンタ1のベンダが予め決定した色の情報である。おすすめ赤情報25は、CMYK値で記憶されていても良いし、色番号で記憶されていても良い。
色番号を指定した指示を受け付けたと判断した場合(S301:色番号)、CPU11は、指定された色番号を示す情報を特別赤データ27としてメモリ12に登録する(S302)。なお、CPU11は、特別赤データ27として、指定された色番号を記憶しても良いし、指定された色番号に対応するCMYK値を記憶しても良い。
一方、おすすめ赤を利用する指示を受け付けたと判断した場合(S301:おすすめ赤)、CPU11は、メモリ12からおすすめ赤情報25を取得し(S311)、特別赤データ27として、取得したおすすめ赤情報25をメモリ12に登録する(S312)。なお、特別赤データ27として、おすすめ赤情報25を利用することを示す情報を記憶しても良い。S302またはS312の後、CPU11は、選択色登録処理を終了して、待機状態となる。
ユーザの指示に基づいて、特別赤として使用する選択色の情報をメモリ12に登録することで、その後に受け付けた印刷ジョブについて、プリンタ1は、登録された選択色を特別赤として利用できる。なお、プリンタ1は、特別赤を利用しない指示、つまり、特別赤データ27の登録を解除する指示を受け付け可能であっても良い。
次に、印刷ジョブ処理の手順について、図7のフローチャートを参照して説明する。印刷ジョブ処理は、印刷ジョブの実行指示を受け付けたことを契機に、制御プログラム21に基づいて、プリンタ1のCPU11にて実行される。印刷ジョブの実行指示を受け付ける処理は、受付処理の一例である。
なお、プリンタ1は、印刷ジョブを、通信IF14を介して外部装置から受信しても良いし、通信IF14に装着されたUSBメモリから読み出して取得しても良い。また、スキャナを備えている装置であれば、プリンタ1は、スキャナにて読み取った画像データを印刷ジョブとして取得しても良い。
印刷ジョブ処理では、CPU11は、まず、受け付けた印刷ジョブを解析し、画像データのラスタライズを開始する(S401)。例えば、PC3のプリンタドライバ31にて生成される印刷ジョブは、印刷対象の画像を示す画像データであるPDLデータ(例えば、PCL、PDF等の形式のデータ)と、印刷に関する各種のパラメータを示すPJLデータと、を含む。CPU11は、印刷ジョブのPDLデータに基づいてラスタライズを行い、ラスタライズ済みのRGBデータを生成する。印刷ジョブのPDLデータがRGB値で表されたデータでなければ、CPU11は、ラスタライズおよびRGB値への変換を行う。その場合、S401は、RGB値で示される画像データを受け付ける処理であり、受付処理の一例である。
ラスタライズを開始した後、CPU11は、印刷準備処理を実行する(S402)。印刷準備処理は、印刷デバイス15に印刷を開始させる前に、プリンタ1にて実行される処理である。印刷準備処理の手順について、図8のフローチャートを参照して説明する。
印刷準備処理では、CPU11は、キャリブレーション判断処理を実行する(S501)。キャリブレーション判断処理は、キャリブレーションの実行条件に基づいて、この印刷ジョブの印刷を開始する前にキャリブレーションを実行するか否かを判断する処理である。キャリブレーション判断処理の手順について、図9のフローチャートを参照して説明する。
キャリブレーションを実行したことによって印刷物の色合いを一旦調整した場合でも、その後に環境が変化したり、印刷を繰り返したりすることで、印刷物の色合いが変化する可能性がある。そのため、プリンタ1は、印刷ジョブの実行指示を受け付けた場合に、キャリブレーションの実行条件を満たしているか否かを判断する。そして、キャリブレーションの実行条件を満たしていると判断した場合には、プリンタ1は、印刷ジョブの印刷を実行する前に、キャリブレーションを実行するように構成されている。
プリンタ1におけるキャリブレーションの実行条件には、例えば、前回のキャリブレーション実行時からの環境の変化が所定の閾値を超えた、前回のキャリブレーションの実行後の累積の印刷枚数が所定の閾値を超えた、がある。なお、プリンタ1は、トナーカートリッジ152が交換された場合、あるいは、ユーザによるキャリブレーションの実行指示を受け付けた場合には、印刷ジョブを受け付けていなくても、キャリブレーションを実行しても良い。
キャリブレーション判断処理では、CPU11は、前回のキャリブレーションの実行時と比較して、温度の差または湿度の差が大きいか否かを判断する(S601)。具体的には、CPU11は、現在のプリンタ1の周囲の温度と湿度とを取得し、メモリ12に記憶されている前回の環境を示す情報と比較する。前回の環境の情報は、補正値設定処理のS204にて記憶される情報である。
温度の差または湿度の差が所定の閾値を超えて大きいと判断した場合(S601:YES)、CPU11は、キャリブレーションの実行条件を満たすと決定して(S602)、キャリブレーション判断処理を終了し、印刷準備処理に戻る。
温度の差も湿度の差も大きくないと判断した場合(S601:NO)、CPU11は、実行対象の印刷ジョブのPJLデータに、特別赤の利用を示すコマンドが含まれているか否かを判断する(S611)。S611は、第1判断処理の一例である。特別赤を示すコマンドとしては、例えば、選択色の1つを特別赤として利用する指定を示す色指定コマンド、おすすめ赤情報25として記憶されている色の利用指示を示すおすすめコマンド、がある。PJLデータに特別赤の利用を示すコマンドが含まれている印刷ジョブは、特定印刷ジョブの一例である。
特別赤の利用を示すコマンドが含まれていないと判断した場合(S611:NO)、CPU11は、特別赤データ27として特別赤として利用する選択色を示す情報がメモリ12に登録されているか否かを判断する(S612)。S612は、第1判断処理の一例である。特別赤データ27は、前述した選択色登録処理にて登録される。特別赤データ27がメモリ12に登録されている状態で受け付けた印刷ジョブは、特定印刷ジョブの一例である。
特別赤を示すコマンドが含まれていると判断した場合(S611:YES)、または、特別赤データ27として特別赤を示す色の情報が登録されていると判断した場合(S612:YES)、CPU11は、印刷ジョブの画像データに特別赤の画像データが含まれているか否かを判断する(S613)。S613は、第3判断処理の一例である。
特別赤の利用を示すコマンドが含まれている印刷ジョブを受け付けた場合や、選択色が特別赤データ27として登録されている状態で印刷ジョブを受け付けた場合、後述するように、その印刷ジョブの特別赤の画像データは、コマンドや特別赤データ27にて指定されている選択色に変換される。ただし、印刷ジョブに特別赤の画像データが含まれていなければ、この変換は行われない。特別赤を利用する印刷ジョブであっても、画像データに特別赤が含まれていない場合には、特別赤を利用しない印刷ジョブであると判断することで、プリンタ1は、キャリブレーションが頻繁に実行されることを抑制する。
画像データに特別赤の画像データが含まれていると判断した場合(S613:YES)、CPU11は、累積枚数28が第2閾値を超えているか否かを判断する(S615)。S615は、第2判断処理の一例である。第2閾値は、第2閾値回数の一例である。累積枚数28が第2閾値を超えたことは、第2実行条件の一例である。
一方、印刷ジョブに特別赤を示すコマンドが含まれておらず、かつ、特別赤データ27として特別赤を示す色の情報が登録されていないと判断した場合(S612:NO)、または、画像データに特別赤の画像データが含まれていないと判断した場合(S613:NO)、CPU11は、累積枚数28が第1閾値を超えているか否かを判断する(S616)。S616は、第2判断処理の一例である。第1閾値は、第1閾値回数の一例である。累積枚数28が第1閾値を超えたことは、第1実行条件の一例である。
プリンタ1は、前回のキャリブレーションの実行後の累積の印刷枚数が、プリンタ1に設定されている第1閾値を超えた場合、キャリブレーションの実行条件を満たしたと判断する。第1閾値は、プリンタ1に予め備えられる固定値であっても良いし、プリンタ1の利用状況や経年変化等に応じて変化する可変値であっても良い。
第2閾値は、プリンタ1に現在設定されている第1閾値よりも小さく、第1閾値よりもキャリブレーションの実行条件を満たし易い閾値である。CPU11は、第2閾値を予め備えていても良いし、第1閾値に基づいて第2閾値を決定しても良い。第2閾値は、例えば、第1閾値の90%である。例えば、第1閾値が1000枚であれば、第2閾値は、900枚である。S615では、S616よりも小さい閾値を利用して判断することで、早期に閾値に達することになる。
なお、第2閾値は、第1閾値よりも小さい値であればよいが、小さすぎるとキャリブレーションの実行頻度が高くなりすぎ、印刷品質の差が僅かにもかかわらず消耗品の消費が大きくなる。第2閾値は、第1閾値の50%より大きく95%より小さい値が好ましい。より好ましくは、第2閾値は、第1閾値の85%~92%である。
特別赤を利用する印刷ジョブであって、累積枚数28が第2閾値を超えていると判断した場合(S615:YES)、または、特別赤を利用しない印刷ジョブであって、累積枚数28が第1閾値を超えていると判断した場合(S616:YES)、CPU11は、S602に進み、キャリブレーションの実行条件を満たすと決定する。
特別赤を利用する印刷ジョブであって、累積枚数28が第2閾値を超えていないと判断した場合(S615:NO)、または、特別赤を利用しない印刷ジョブであって、累積枚数28が第1閾値を超えていないと判断した場合(S616:NO)、CPU11は、キャリブレーションの実行条件を満たさないと決定する(S621)。S602またはS621の後、CPU11は、キャリブレーション判断処理を終了して、印刷準備処理に戻る。
図8の印刷準備処理の説明に戻る。CPU11は、S501のキャリブレーション判断処理にてキャリブレーションの実行条件を満たすと決定したか否かを判断する(S502)。実行条件を満たすと決定した場合には(S502:YES)、CPU11は、図3に示した補正値設定処理を実行する(S503)。実行条件を満たさないと決定した場合には(S502:NO)、CPU11は、補正値設定処理を実行しない。
環境の変化が小さい場合において、キャリブレーションの実行タイミングは、例えば、図10に示すようになる。この図10では、キャリブレーションの実行を「▽」で、カラーチャートの印刷を「□」で、特別赤を利用しない印刷を「○」で、特別赤を利用する印刷を「◎」で、それぞれ示している。図10では、右向きに累積枚数28が増加する。
特別赤を利用しない印刷では、図10の上段に示すように、プリンタ1は、キャリブレーションを実行した印刷Pから、第1閾値であるM枚の印刷を実行するまではキャリブレーションを実行しない。そして、プリンタ1は、累積枚数28が第1閾値Mを超えた後の印刷ジョブの実行前に、再度キャリブレーションを実行する。これにより、累積枚数28がリセットされる。そして、この印刷から累積枚数28が再度、第1閾値Mを超えるまでは、プリンタ1は、キャリブレーションを実行しない。
特別赤を利用する印刷では、ユーザは、まずカラーチャートの印刷を指示することが多い。プリンタ1は、図10の下段に示すように、キャリブレーションを実行した印刷Pからの累積枚数28が第1閾値Mを超えていなくても、カラーチャート印刷Qを行う場合には、印刷前にキャリブレーションを実行する。これにより、累積枚数28がリセットされる。そして、プリンタ1は、カラーチャート印刷Qの後、累積枚数28が第2閾値Nを超えるまでは、特別赤を利用する印刷であるか否かに関わらず、キャリブレーションを実行しない。NはMより小さい値である。
そして、プリンタ1は、累積枚数28が第2閾値Nを超えて、第1閾値Mを超えない場合、特別赤を利用する印刷であるか否かに基づいて、印刷前にキャリブレーションを実行するか否かを決定する。プリンタ1は、累積枚数28が第2閾値Nを超えた後に特別赤を利用する印刷ジョブRを実行する場合には、第1閾値Mを超えていなくても、印刷前にキャリブレーションを実行する。
一方、特別赤を利用しない印刷を実行する場合には、プリンタ1は、累積枚数28が第2閾値Nを超えていても、第1閾値Mを超えていなければ、印刷前にキャリブレーションを実行しない。なお、特別赤を利用しない印刷であっても、累積枚数28が第1閾値Mを超えた場合には、プリンタ1は、印刷前にキャリブレーションを実行する。
プリンタ1では、累積枚数28の増加に伴って、キャリブレーションの実行直後からの色合いの変化が次第に大きくなる可能性が高い。色合いについて特別に重視しない印刷であれば、第1閾値Mを超えるまで次のキャリブレーションを実行しなくても、ユーザの違和感は小さい。プリンタ1は、特別赤を利用しない印刷ジョブであれば、第2閾値Nを超えていても第1閾値Mを超えるまではキャリブレーションの実行条件を満たさないと決定するので、トナーの消費量を抑制できる。
一方、色合いを重視する印刷では、累積枚数28が第2閾値Nを超えていても次のキャリブレーションを実行しないと、ユーザの違和感が大きくなる可能性がある。プリンタ1では、印刷対象の印刷ジョブが特別赤を利用する印刷ジョブRである場合、第2閾値Nを超えていればキャリブレーションの実行条件を満たすと決定するので、前回のキャリブレーションの実行時からの色合いの変化度合が大きくなり難い。例えば、カラーチャートを印刷した時点からの色合いの変化が大きくなり難い。
図8の印刷準備処理の説明に戻る。実行条件を満たすと決定して補正値設定処理を実行した後、または、実行条件を満たさないと決定した場合、CPU11は、使用するカラープロファイル24を決定する(S511)。プリンタ1は、複数種のカラープロファイル24を備えている。メモリ12に記憶されるカラープロファイル24は、RGB値とCMYK値とを対応付けるデータである。カラープロファイル24は、画像データのRGB値の組み合わせをCMYK値の組み合わせに変換するための変換表である。CPU11は、例えば、印刷ジョブのPJLデータに指定されているパラメータに基づいて、使用するカラープロファイル24を決定する。さらに、CPU11は、例えば、印刷条件に応じて、使用するカラープロファイル24を補正しても良い。
そして、CPU11は、印刷対象の印刷ジョブが特別赤を利用する印刷ジョブである場合には、カラープロファイルの特別赤の値を書き換える。そのために、CPU11は、印刷ジョブに特別赤に関するコマンドが含まれているか否かを判断する(S521)。印刷ジョブに、おすすめ赤を利用する指示であるおすすめコマンドが含まれていると判断した場合(S521:おすすめコマンド)、CPU11は、おすすめ赤情報25をメモリ12から読み出して、おすすめ赤情報25に対応するCMYK値を取得する(S522)。
また、印刷ジョブに色指定コマンドが含まれていると判断した場合(S521:色指定コマンド)、CPU11は、コマンドで指定されている指定色に対応するCMYK値を取得する(S523)。CPU11は、色指定コマンドとして色番号を示す情報を取得した場合には、変換テーブル26を用いて、取得した色番号に対応して記憶されているCMYK値を取得する。また、CPU11は、色指定コマンドとしてCMYK値を示す情報を取得した場合には、コマンドから取得したCMYK値を利用する。
一方、印刷ジョブに特別赤に関するコマンドが含まれていないと判断した場合(S521:なし)、CPU11は、特別赤データ27として選択色が登録されているか否かを判断する(S525)。特別赤データ27の登録は、前述した選択色登録処理(図6参照)にて実行される。特別赤データ27が登録されていると判断した場合(S525:YES)、CPU11は、登録されている特別赤データ27に基づいて、CMYK値を取得する(S526)。
S521とS525とは、第1判断処理の一例である。なお、S521は、キャリブレーション判断処理(図9参照)のS611と類似の判断であり、S525は、キャリブレーション判断処理のS612と同様の判断である。CPU11は、S521とS525の判断およびS522、S523、S526の各処理を、キャリブレーション判断処理にて実行しても良い。
S522、S523、S526のいずれかの後、CPU11は、取得したCMYK値を用いて、カラープロファイルを書き換える(S531)。CPU11は、カラープロファイルの特別赤のRGB値に対応するCMYK値を、S522、S523、S526のいずれかにて取得したCMYK値に変更する。S531の後、または、特別赤データ27の登録を受け付けていないと判断した場合(S525:NO)、CPU11は、印刷準備処理を終了して、印刷ジョブ処理に戻る。印刷ジョブに特別赤に関するコマンドが含まれておらず、選択色の登録を受け付けていない場合には、CPU11は、カラープロファイルを書き換えない。
なお、印刷ジョブには特別赤を使用しない指示を示すコマンドを含ませることができても良い。例えば、S521にて特別赤を使用しない指示を示すコマンドが含まれていると判断した場合、CPU11は、S525の判断を行わず、カラープロファイルを書き換えないとしても良い。また、プリンタ1は、特別赤を使用しない指示を示す特別赤データ27の登録を受け付け可能であっても良い。例えば、特別赤を使用しない指示を示す特別赤データ27が登録されている場合、プリンタ1は、PJLデータに特別赤を利用する指示を示すコマンドが含まれていても、カラープロファイルを書き換えないとしても良い。
図7の印刷ジョブ処理の説明に戻る。S402の印刷準備処理の後、CPU11は、S401にて開始したラスタライズが終了した画像データのRGB値を、印刷準備処理にて処理後のカラープロファイル24を使用して、CMYK値に変換する(S405)。S405は、CMY変換処理の一例である。印刷準備処理にて特別赤のCMYK値が元のカラープロファイルから書き換えられていれば、特別赤のRGBデータは、書き換え後のCMYK値に変換される。
さらに、CPU11は、得られたCMYK値に基づいて、印刷デバイス15に印刷を実行させる(S406)。S406は、印刷処理の一例である。さらに、CPU11は、今回の印刷ジョブにて印刷を実行した印刷枚数を、累積枚数28に加算する(S407)。そして、プリンタ1は、印刷ジョブ処理を終了して、待機状態となる。
以上、詳細に説明したように、実施の形態のプリンタ1は、受け付けた印刷ジョブが特別赤を利用する印刷ジョブでなければ、第1閾値に基づいて、補正値設定処理を実行するか否かを判断する。その後、プリンタ1は、受け付けた印刷ジョブが特別赤を利用する印刷ジョブであれば、第2閾値に基づいて、補正値設定処理を実行するか否かを判断する。第2閾値は、第1閾値よりも少ない枚数であるので、特別赤を利用する印刷ジョブの印刷前にキャリブレーションが実行される可能性が高くなる。従って、特別赤を利用する印刷ジョブの印刷時には色合いが調整された状態となっている可能性が高い。そのため、印字結果について、ユーザの想定した好みの色合いになり易くなる。一方、実行指示の対象の印刷ジョブが特別赤を利用しない印刷ジョブであれば、プリンタ1は、実行条件を満たし難い第1閾値に基づいて判断する。そのため、キャリブレーションの実行頻度を下げる。これにより、消耗品の早期の消耗が回避される。
なお、実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。従って本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、プリンタ1は、印刷単機能のものに限らず、複合機、複写機、FAX装置等、カラー印刷機能を備えるものであれば適用可能である。また、プリンタ1は、インクジェット方式のものであっても良い。また、プリンタ1に接続されて印刷ジョブ等を送信する装置は、PC3に限らず、スマートフォン、タブレットコンピュータ、サーバコンピュータでも良い。
また、プリンタ1は、CMYKの4色の着色材を用いて印刷するとしたが、これに限らない。例えば、プリンタ1は、CMYの3色の着色材を用いる装置や、5色以上の着色材を用いる装置であっても良い。このような装置であっても、特別色のRGB値を選択されたCMYK値またはCMY値に変換することで、ユーザの好みの特別色で印刷することができる。また、トナーカートリッジ152は現像ローラ151を含むとしたが、現像ローラ151を含まないトナーカートリッジ152であっても良い。
また、実施の形態では、プリンタ1は、キャリブレーションとして、現像バイアス補正とガンマ補正とをこの順で実行するとしたが、いずれか一方のみでも良いし、さらに他の処理を行っても良い。また、プリンタ1は、現像バイアス補正とガンマ補正とを逆順に実行しても良い。ただし、現像バイアス補正はガンマ補正に影響を与える可能性が高いことから、この順に実行することが好ましい。
また、実施の形態では、累積枚数28として、印刷枚数を記憶するとしたが、これに限らない。例えば、印刷ページ数(両面印刷であれば1枚で2回とする)であっても良いし、印刷ジョブ数であっても良いし、感光体の回転数であっても良い。
また、実施の形態では、キャリブレーション判断処理(図9参照)にて、特別赤を利用する印刷ジョブであるか否かによって、累積枚数28の条件の閾値を変更するとしたが、変更する閾値は、累積枚数28の条件に限らない。例えば、特別赤を利用する印刷では、温度の差や湿度の差に関する閾値を通常の閾値よりも小さい値に変更しても良い。具体的には、プリンタ1は、温度もしくは湿度の差に関する閾値として、第1環境閾値と、第1環境閾値よりも小さい第2環境閾値と、を備えていても良い。この場合、キャリブレーション判断処理のS601では、CPU11は、第1環境閾値を用いて比較する。そして、例えば、S615では、CPU11は、累積枚数28が第2閾値を超えている、または、環境の変化が第2環境閾値を超えている、のいずれかであれば、YESと判断するとしても良い。
また、例えば、特別赤を利用する印刷では、前回のキャリブレーションからの経過時間が所定の時間を超えている場合に、キャリブレーションを実行すると決定しても良い。例えば、キャリブレーション判断処理のS615にて、CPU11は、前回のキャリブレーションからの経過時間が所定の閾値時間を超えている場合には、累積枚数28が第2閾値を超えていなくてもYESと判断するとしても良い。あるいは、プリンタ1は、経過時間の閾値として、第1閾値時間と、第1閾値時間よりも短い第2閾値時間と、を備えていても良い。そして、CPU11は、例えば、S615では、経過時間が第2閾値時間を超えている場合にYESと判断し、S616では、経過時間が第1閾値時間を超えている場合にYESと判断する、としても良い。
また、実施の形態では、特別赤を利用すると設定されている印刷ジョブであっても、画像データに特別赤が含まれていない場合には、キャリブレーションを実行しないとしたが、これに限らない。つまり、特別赤を利用すると設定されている印刷ジョブであれば、画像データに関わらずキャリブレーションを実行するとしても良い。具体的には、キャリブレーション判断処理のS613は、無くても良い。
また、実施の形態では、カラーチャートを印刷する前に、必ずキャリブレーションを実行するとしたが、例えば、キャリブレーションを実行した直後であれば、キャリブレーションを省略しても良い。例えば、前回のキャリブレーション実行後の印刷枚数が所定の枚数以下であれば、キャリブレーションを実行しないとしても良い。また、プリンタ1は、カラーチャートを印刷する代わりに、プリンタ1のユーザIF13やPC3のディスプレイにカラーチャートの画像を表示させても良い。
また、実施の形態では、特別赤についての処理を説明したが、プリンタ1は、特別赤以外の特別色についても同様の処理を行っても良い。例えば、プリンタ1は、複数の特別色についてカラーチャートデータやおすすめの色を記憶し、設定対象とする特別色の選択を受け付けても良い。また、プリンタ1は、複数の特別色について色ごとに色番号の指定を受け付けても良い。また、プリンタ1は、特別色とするRGB値のユーザによる指定を受け付けても良い。その場合、カラーチャートの印刷指示を受け付けた際に、プリンタ1は、指定されたRGB値に対応するデフォルトのCMYK値に基づいて、CMYKの各値を所定のルールで変更したカラーチャートデータを作成して印刷しても良い。
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されても良い。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
1 プリンタ
15 印刷デバイス
151 現像ローラ
15 印刷デバイス
151 現像ローラ
Claims (7)
- カラー印刷が可能な印刷デバイスを備えるプリンタであって、
前記プリンタは、
RGB値で示される画像データを含む印刷ジョブを受け付ける受付処理と、
前記受付処理にて受け付けられた前記印刷ジョブに含まれる前記画像データを、CMY値に変換するCMY変換処理であって、特定のRGB値である特定色に類似する複数の選択色の1つが指定された前記印刷ジョブである特定印刷ジョブが受け付けられた場合、前記画像データに含まれる前記特定色のRGB値を、指定されている前記選択色に対応するCMY値に変換する前記CMY変換処理と、
前記CMY変換処理にてCMY値に変換された前記画像データに示される画像を、前記印刷デバイスに印刷させる印刷処理と、
を実行可能であり、
前記プリンタはさらに、
色合いを調整するためのキャリブレーション処理と、
前記受付処理にて前記印刷ジョブを受け付けた場合に、前記CMY変換処理を実行する前に、受け付けた前記印刷ジョブが前記特定印刷ジョブであるか否かを判断する第1判断処理と、
前記第1判断処理を実行した後、前記キャリブレーション処理を実行する実行条件を満たしているか否かを判断する第2判断処理と、
を実行可能であり、
前記実行条件には、第1実行条件と、前記第1実行条件よりも条件を満たし易い第2実行条件とがあり、
前記プリンタはさらに、
前記第1判断処理にて、受け付けた前記印刷ジョブが前記特定印刷ジョブでないと判断された場合に、前記第2判断処理にて、前記実行条件として前記第1実行条件を満たしているか否かを判断し、前記第2判断処理にて、前記第1実行条件を満たしていると判断された場合に、前記キャリブレーション処理を実行し、
前記第1判断処理にて、受け付けた前記印刷ジョブが前記特定印刷ジョブであると判断された場合に、前記第2判断処理にて、前記実行条件として前記第2実行条件を満たしているか否かを判断し、前記第2判断処理にて、前記第2実行条件を満たしていると判断された場合に、前記キャリブレーション処理を実行する、
ように構成される。 - 請求項1に記載されるプリンタにおいて、
前記第1実行条件は、前回の前記キャリブレーション処理の実行から累積した印刷回数が第1閾値回数を超えたことであり、
前記第2実行条件は、前回の前記キャリブレーション処理の実行から累積した前記印刷回数が前記第1閾値回数よりも小さい第2閾値回数を超えたことである、
ように構成される。 - 請求項1に記載されるプリンタにおいて、
前記第1実行条件は、前回の前記キャリブレーション処理の実行時と現在との温度もしくは湿度の差が第1環境閾値よりも大きいことであり、
前記第2実行条件は、前回の前記キャリブレーション処理の実行時と現在との温度もしくは湿度の差が前記第1環境閾値よりも小さい第2環境閾値よりも大きいことである、
ように構成される。 - 請求項1に記載されるプリンタにおいて、
前記第1実行条件は、前回の前記キャリブレーション処理の実行時からの経過時間が第1閾値時間を超えたことであり、
前記第2実行条件は、前回の前記キャリブレーション処理の実行時からの経過時間が前記第1閾値時間よりも短い第2閾値時間を超えたことである、
ように構成される。 - 請求項1に記載されるプリンタにおいて、
前記印刷デバイスは、現像ローラを有し、
前記プリンタは、
前記キャリブレーション処理において、前記現像ローラに印加される現像バイアスを設定する現像バイアス補正と、入力画像の階調に対応する露光面積率を設定するガンマ補正と、の少なくとも一方を行う、
ように構成される。 - 請求項1に記載されるプリンタにおいて、
前記プリンタは、
前記第1判断処理にて、受け付けた前記印刷ジョブが前記特定印刷ジョブであると判断された場合に、前記特定印刷ジョブに含まれる前記画像データに、前記特定色が含まれているか否かを判断する第3判断処理を実行し、
前記第3判断処理にて、前記特定色が含まれていると判断された場合、前記第2判断処理にて、前記実行条件として前記第2実行条件を満たしているか否かを判断し、前記第2判断処理にて、前記第2実行条件を満たしていると判断された場合に、前記キャリブレーション処理を実行し、
前記第3判断処理にて、前記特定色が含まれていないと判断された場合、前記第2判断処理にて、前記実行条件として前記第1実行条件を満たしているか否かを判断し、前記第2判断処理にて、前記第1実行条件を満たしていると判断された場合に、前記キャリブレーション処理を実行する、
ように構成される。 - 請求項1に記載されるプリンタにおいて、
前記プリンタは、
前記複数の選択色から構成されるカラーチャートを、前記印刷デバイスに印刷させるカラーチャート印刷処理を実行可能であり、
前記プリンタはさらに、
前記カラーチャート印刷処理を実行する場合に、前記カラーチャートを印刷する前に、前記キャリブレーション処理を実行する、
ように構成される。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022178054A JP2024067742A (ja) | 2022-11-07 | 2022-11-07 | プリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022178054A JP2024067742A (ja) | 2022-11-07 | 2022-11-07 | プリンタ |
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---|---|
JP2024067742A true JP2024067742A (ja) | 2024-05-17 |
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ID=91067943
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2022178054A Pending JP2024067742A (ja) | 2022-11-07 | 2022-11-07 | プリンタ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2024067742A (ja) |
-
2022
- 2022-11-07 JP JP2022178054A patent/JP2024067742A/ja active Pending
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