JP2024067678A - 薬液用バッグ及び薬液の検査方法 - Google Patents

薬液用バッグ及び薬液の検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024067678A
JP2024067678A JP2022177931A JP2022177931A JP2024067678A JP 2024067678 A JP2024067678 A JP 2024067678A JP 2022177931 A JP2022177931 A JP 2022177931A JP 2022177931 A JP2022177931 A JP 2022177931A JP 2024067678 A JP2024067678 A JP 2024067678A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage chamber
bag
drug solution
medicinal liquid
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022177931A
Other languages
English (en)
Inventor
隆彦 国重
亮至 藤井
毅彦 幸
裕馬 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JMS Co Ltd
Original Assignee
JMS Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JMS Co Ltd filed Critical JMS Co Ltd
Priority to JP2022177931A priority Critical patent/JP2024067678A/ja
Publication of JP2024067678A publication Critical patent/JP2024067678A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Abstract

【課題】保管時や投与時には薬液を遮光状態にして薬液の分解を抑制しつつ、製造時には薬液の検査を正確に行えるようにする。【解決手段】可視光の照射によって分解する薬液が収容される薬液用バッグ1は、薬液が収容される第1収容室R1を形成する第1バッグ構成部2と、薬液が収容される第2収容室R2を形成する第2バッグ構成部3と、第1収容室R1に連通し、第1収容室R1に収容される薬液を外部に流出させるための第1ポート部4とを備えている。第2収容室R2の容積は、薬液の容積以上とされている。【選択図】図1

Description

本開示は、光の遮断が必要な薬液が収容される薬液用バッグ及び薬液の検査方法に関する。
例えばビタミン剤や抗癌剤などの薬剤の中には、可視光や紫外線等の光が照射されることによって分解が促進される薬剤がある。このような薬剤を収容する薬液用バッグとして、特許文献1には、プラスチックフィルムにより構成された1次容器と、遮光性を有する遮光材料からなる2次容器とからなる薬液用バッグが開示されている。遮光材料は、紫外線及び可視光線領域の波長の光を遮光するように構成されている。遮光材料による遮光領域以外の部分は透明性を有する透光領域とされており、この透光領域を介して薬液用バッグ内の薬液の残量を確認できるようになっている。
特許第5906644号公報
ところで、光によって分解される薬液を患者の体内に投与する際には、上記特許文献1の薬液用バッグを使用することで投与時の薬液の分解を抑制することが可能になる。一方、製造現場では、このような薬液を薬液用バッグに充填した後、異物等が薬液用バッグに混入していないかを確認する異物検査を行う必要がある。ところが、特許文献1の薬液用バッグでは、透光領域が残量確認のために設けられているだけなので、遮光領域に比べて非常に小さい領域となっており、薬液の一部のみしか視認できない。よって、製造時の異物検査時に透光領域を介して異物混入の有無を確認しようとしても、透光領域以外の領域に異物が移動してしまっているときにはその異物を確認することはできず、検査の正確性を担保するのが困難であり、異物検査をどのようにして行うのかが問題となる。
本開示は、かかる点に鑑みたものであり、その目的とするところは、保管時や投与時には薬液の分解を抑制しつつ、製造時には薬液の検査を正確に行えるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本開示の一態様では、例えばビタミン剤や抗癌剤などのように、紫外線領域または可視光線領域の光線の照射によって分解が促進される薬液が収容される薬液用バッグを前提とすることができる。薬液用バッグは、光線を遮断する、もしくは紫外線領域または可視光線領域の一部の波長のみ透過を許容する遮光材料で構成され、前記薬液が収容される第1収容室を形成する第1バッグ構成部と、可視光線の少なくとも一部の波長を透過する材料で構成され、前記薬液が収容される第2収容室を形成する第2バッグ構成部と、前記第1収容室に連通し、前記第1収容室に収容される前記薬液を外部に流出させるための第1ポート部とを備えている。そして、前記第2バッグ構成部の前記所定波長域の可視光線の透過率が、前記第1バッグ構成部の前記所定波長域の可視光線の透過率よりも大きく設定されている。また、必須ではないが、第2収容室の容積は、前記薬液の容積以上とされていてもよい。
この構成によれば、製造時、薬液を薬液用バッグに収容した後、当該薬液を第2収容室に収容することで、薬液を外部から視認することが可能になる。このとき、例えば第2収容室の容積が薬液の容積以上としておくことで、薬液の全量を第2収容室に収容した後、薬液の全量に対して一度に異物有無の検査が行える。これにより、検査の正確性が高まる。
薬液が収容された薬液用バッグを保管する際には、薬液を第1収容室に収容しておくことで、当該薬液の分解が抑制される。また、薬液を患者に投与する際にも、薬液を第1収容室に収容しておくことで、当該薬液の分解が抑制される。第1収容室の薬液は、第1ポート部を介して患者に投与することができる。
また、前記第1収容室と前記第2収容室とを遮断する液遮断手段として、例えばシール部が設けられていてもよい。また、前記第1収容室と前記第2収容室とを遮断するクリップが設けられていてもよい。すなわち、製造時に薬液を第2収容室に収容して異物検査した後に、第1収容室に薬液を収容してからシール部やクリップによって第1収容室と第2収容室とを遮断しておくことで、第1収容室に収容されている薬液が第2収容室に移動するのを抑制できる。これにより、保管時や投与時に薬液が第2バッグ構成部に流入し難くなり、薬液の分解を抑制できる。
また、前記第1バッグ構成部と前記第2バッグ構成部との境界部分には、前記第1バッグ構成部の外面が前記第2バッグ構成部の外面に重なるように折り曲げる起点となる折り曲げ起点部が設けられていてもよい。すなわち、製造時に薬液を第2収容室に収容して異物検査した後に、第1収容室に薬液を収容してから折り曲げることで、保管時や投与時に薬液が第2バッグ構成部に流入し難くなり、薬液の分解を抑制できる。
また、前記第1収容室と前記第2収容室との境界部分には、絞り部が設けられていてもよい。これにより、第1収容室に収容されている薬液が第2収容室により一層流入し難くなる。
また、第2収容室に連通し、第2収容室に薬液を流入させるための第2ポート部を備えていてもよい。
また、前記第1収容室と前記第2収容室との境界部分には、括れが設けられていてもよい。これにより、第2バッグ構成部を透過した光が第1バッグ構成部に入り難くなり、薬液の分解を抑制できる。
本開示の別の態様では、紫外線領域または可視光線領域の光線の照射によって分解が促進される薬液を薬液用バッグに収容した状態で検査する薬液の検査方法を前提とすることができる。この検査方法では、前記光線を遮断する遮光材料で構成され、前記薬液が収容される第1収容室を形成する第1バッグ構成部と、前記薬剤の分解が促進する所定波長域の可視光線を透過する材料で構成され、前記薬液が収容される第2収容室を形成する第2バッグ構成部とを有する前記薬液用バッグを用意し、前記第2バッグ構成部の前記所定波長域の可視光線の透過率を、前記第1バッグ構成部の前記所定波長域の可視光線の透過率よりも大きく設定しておく。そして、前記第2収容室に前記薬液を収容した後、前記第2収容室に収容した前記薬液を外部から検査することで、これにより、異物検査を正確に行うことができる。
その後、前記第2収容室に収容されている前記薬液を前記第1収容室に収容してから前記第1収容室と前記第2収容室との間をシールすることで、薬液が遮光された状態になるので、薬液の分解が抑制される。また、薬液の保管中や投与中には第1バッグ構成部が不要な部分となるが、この不要な部分である第1バッグ構成部を第2バッグ構成部から切除することで、薬液用バッグがコンパクトになる。
薬液用バッグの第1収容室と第2収容室との間をシールする際にはヒートシール等の手法を用いることができる。また、第1収容室と第2収容室との間をシールするシール工程と同工程で第1バッグ構成部を第2バッグ構成部から切除してもよいし、シール工程後に第1バッグ構成部を第2バッグ構成部から切除してもよい。
以上説明したように、本開示によれば、保管時や投与時には薬液を遮光状態にして薬液の分解を抑制しつつ、製造時には薬液の検査を正確に行うことができる。
本発明の実施形態1に係る薬液用バッグの正面図である。 薬液用バッグの表側樹脂材及び裏側樹脂材の例を示す図である。 第1収容室を下にした状態を示す図1相当図である。 変形例に係る図1相当図である。 変形例に係る図3相当図である。 実施形態2に係る図1相当図である。 実施形態3に係る図1相当図である。 実施形態4に係る検査方法を説明する図である。 実施形態5に係る薬液用バッグの分解図である。 実施形態5に係る薬液用バッグの側面図であり、残量確認時を示す。 実施形態5に係り、残量を確認しないときの薬液用バッグの側面図である。 実施形態6に係る薬液用バッグの分解図である。 実施形態6に係る薬液用バッグの側面図であり、残量確認時を示す 実施形態6に係り、残量を確認しないときの薬液用バッグの側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る薬液用バッグ1の正面図である。薬液用バッグ1には、紫外線領域または可視光線領域の光線の照射によって分解が促進される薬剤が収容される。このような薬剤としては、例えばビタミン剤や抗癌剤等を挙げることができるが、これらに限られるものではなく、紫外線領域または可視光線領域の光線の照射によって分解が促進される薬剤を収容するのに上記薬液用バッグ1は適している。薬液用バッグ1に薬液が収容された状態で製造現場から医療機関まで流通し、医療機関等で保管される。その後、薬液用バッグ1に収容されている薬液が患者に投与される。尚、紫外線領域の光線のみの照射によって分解が促進される薬剤を薬液用バッグ1に収容して保管し、患者へ投与すること、可視光線領域の光線のみの照射によって分解が促進される薬剤を薬液用バッグ1に収容して保管し、患者へ投与することも可能である。
薬液用バッグ1は、第1バッグ構成部2と第2バッグ構成部3と第1ポート部4とを備えている。第1バッグ構成部2は、薬剤の分解を促進する紫外線領域または可視光線領域の光線を遮断する遮光材料で構成され、薬液が収容される第1収容室R1を形成する部分である。遮光材料は、紫外線領域または可視光線領域の一部の波長のみ透過を許容するものであってもよい。例えば、薬品の薬能が低下しない程度の分解であれば許容されるので、その程度の分解を引き起こす一部の波長のみが遮光材料を透過しても実用上問題とはならない。
第1収容室R1の容積は、薬液の容積以上とされている。薬剤の分解を促進する紫外線領域または可視光線領域の光線を遮断している部分を各図に斜線で示している。各図では薬液用バッグ1の表側のみしか示していないが、第1収容室R1の全周が遮光されている。
薬剤の分解を促進する紫外線領域または可視光線領域の光線を遮断する遮光材料としては、例えば黒色や紺色等の濃い色に着色された樹脂材、濃い色の顔料や無機微粒子等が分散した樹脂材、アルミニウム層等の金属層を有する樹脂材、上記紫外線領域または可視光線領域の光線を反射する樹脂材等を挙げることができ、これらのうち、1種または任意の複数種が組み合わされて構成されていてもよい。着色の方法は特に限定されないが、例えば染料を樹脂材に混合することによって着色してもよいし、インクを用いた印刷によって着色してもよい。印刷の方法は、例えばスクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ宇印刷等を挙げることができる。
無機微粒子としては、例えば硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ、炭酸マグネシウム等のなかから選ばれる1種または任意の2種以上を組み合わせて用いることができる。金属層を有する樹脂材としては、例えばアルミニウム箔が積層された樹脂材や、アルミニウム蒸着された樹脂材を挙げることができる。紫外線を遮光する場合には、例えば紫外線吸収剤、紫外線遮光剤等を含有させた材料で第1バッグ構成部2を構成することができる。第1バッグ構成部2は、上記紫外線領域の光線及び可視光線領域の光線の両方を遮断するように構成されていてもよい。尚、第1バッグ構成部2は、紫外線領域または可視光線領域の光線の透過率が0%でなくてもよく、内部に収容されている薬剤の分解が殆ど起こらない程度の光線の透過率(例えば1~10%程度)を有していてもよい。また、赤色領域(波長700nm)の光線で分解し難い薬剤の場合には、第1バッグ構成部2が例えば褐色に着色されていてもよい。
第2バッグ構成部3は、薬剤の分解が促進する所定波長域の可視光線を透過する材料で構成され、薬液が収容される第2収容室R2を形成する部分である。この実施形態では、第1収容室R1と第2収容室R2とを遮断する部分を備えておらず、第1収容室R1と第2収容室R2とが連通している。
第2収容室R2の容積は、薬液の容積以上とされている。これにより、薬液の全量を第2収容室R2に収容することが可能になる。第2収容室R2と容積と、第1収容室R1の容積とは同じであってもよいし、第2収容室R2の容積の方が大きくてもよいし、第2収容室R2の容積の方が小さくてもよい。尚、第1収容室R1の容積、及び第2収容室R2の容積は、特に限定されるものではないが、例えば100ml以上1000ml以下の範囲で設定することができる。
第2バッグ構成部3の所定波長域の可視光線の透過率が、第1バッグ構成部2の所定波長域の可視光線の透過率よりも大きく設定されている。所定波長域の可視光線とは、内部の薬液の検査が可能な光線であり、例えば蛍光灯やLED照明等から照射される光線を挙げることができる。薬剤の分解が促進する所定波長域の可視光線を透過する材料としては、例えば無色透明な樹脂材、薄く着色された透明な樹脂材等を挙げることができる。第2バッグ構成部3は、薬液の異物検査を行う際に利用される部分なので無色透明が好ましく、例えば日本薬局方の「プラスチック製医薬品容器試験法」の透明性試験の項目に従って試験した結果、不溶性異物試験を行うのに差し支えない透明性を確保している。
第1バッグ構成部2及び第2バッグ構成部3を構成する樹脂材は、シートやフィルム状に加工されたものを用いることができ、例えば延伸ナイロンフィルム、6ナイロンを中間層に有するバリアナイロンフィルム等を挙げることができる。材料としては、例えば上述したナイロンや、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、環状オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等を挙げることができるが、これらに限らず、柔軟製及び可撓性を持った材料を用いることができる。第1バッグ構成部2及び第2バッグ構成部3は、複数の樹脂材を積層して一体化した積層材で構成されていてもよいし、1枚の樹脂材で構成されていてもよい。第1バッグ構成部2及び第2バッグ構成部3を構成する樹脂材の厚みは同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第1バッグ構成部2及び第2バッグ構成部3を構成する樹脂材の厚みは、例えば0.1mm以上2.0mm以下の範囲で設定することができる。また、樹脂材はヒートシール性を有するものを用いることができる。
第1ポート部4は、第1収容室R1に連通し、第1収容室R1に収容される薬液を外部に流出させるための部材である。具体的には、第1ポート部4は筒状に形成されていて、一端側が第1収容室R1に差し込まれた状態で第1バッグ構成部2に固定されている。第1ポート部4の他端側には、弁(図示せず)が設けられている。この弁に中空状の針を差し込むことで、薬液が針の内部を流れて外部に流出する。針に輸液チューブ等を接続しておくことで、薬液を患者に投与できる。
薬液用バッグ1の製造時には、例えば表側を構成する表側樹脂材と、裏側を構成する裏側樹脂材とを用意する。すなわち、例えば図2に示すように、第1バッグ構成部2となる部分7と、第2バッグ構成部3となる部分8とが交互に設けられた長尺状の素材を用意し、幅方向の中央部(一点鎖線Aで示す)において切断し、左右に分離する。例えば左側の第1バッグ構成部2となる部分7と第2バッグ構成部3となる部分8とで表側樹脂材が構成され、右側の第1バッグ構成部2となる部分7と第2バッグ構成部3となる部分8とで裏側樹脂材が構成される。第1バッグ構成部2となる部分7と、第2バッグ構成部3となる部分8とが交互に設けられた長尺状の素材は、例えばロール状に巻いて保管しておくことができ、使用時に必要な長さだけ引き出して使用できる。これは一例であり、薬液用バッグ1の製造方法を限定するものではない。
表側樹脂材及び裏側樹脂材を厚み方向に重ねた状態でヒートシールによる融着ないし接着剤を用いて接着する。これにより、第1バッグ構成部2と第2バッグ構成部3とが連続した袋状のものができる。その後、分離することで第1バッグ構成部2と第2バッグ構成部3とを有する薬液用バッグ1を得ることができる。
図1に示すように、薬液用バッグ1の周縁部の融着部分(接着部分)を、表側樹脂材及び裏側樹脂材の重ね合わせ部として符号5で示している。これにより、周縁部からの漏出が確実に防止された薬液用バッグ1を得ることができる。第1ポート部4は、表側樹脂材と裏側樹脂材との間に配置し、当該第1ポート部4の外周面を表側樹脂材及び裏側樹脂材に融着ないし接着する。これにより、第1ポート部4の外周面と表側樹脂材との間、及び第1ポート部4の外周面と裏側樹脂材との間からの薬液の漏出が防止されるとともに、第1ポート部4を薬液用バッグ1に強固に固定できる。
薬液用バッグ1は、正面視で長手方向と短手方向とを有している。第1収容室R1と第2収容室R2とは、薬液用バッグ1の長手方向に並んでいる。第1ポート部4は薬液用バッグ1の長手方向一端部、即ち、第1収容室R1における第2収容室R2と反対側に設けられている。薬液用バッグ1の長手方向他端部には、当該薬液用バッグ1を吊り下げる場合に使用される吊り下げ用開口6が形成されている。吊り下げ用開口6は、表側樹脂材及び裏側樹脂材の重ね合わせ部5に形成されている。尚、吊り下げ用開口6は、必要に応じて設ければよく、吊り下げ用開口6を省略して取っ手のような部材を設けてもよい。
薬液用バッグ1の製造時には、重ね合わせ部5の一部のみ非融着(非接着)しておき、そこから薬液を薬液用バッグ1に充填できる。薬液の充填後、重ね合わせ部5を密封する。つまり、第1バッグ構成部2と第2バッグ構成部3とを有する薬液用バッグ1を用意し、所定量の薬液を薬液用バッグ1に収容する。
その後、図1に示すように、第2バッグ構成部3が下に位置するように薬液用バッグ1を向けると、第2収容室R2に薬液が移動し、収容される。このとき、薬液の容積が第2収容室R2の容積以下であるため、薬液の全量が第2収容室R2に収容される。そして、第2収容室R2に収容した薬液を外部から検査する。第2収容室R2は、第2バッグ構成部3で形成されているので、薬液の全量に対して一度に異物検査でき、検査の正確性が高まる。
保管時には、図3に示すように、第1バッグ構成部2が下に位置するように薬液用バッグ1を向ける。これにより、第1収容室R1に薬液が移動し、収容される。このとき、薬液の容積が第1収容室R1の容積以下であるため、薬液の全量が第1収容室R1に収容される。第1収容室R1は第1バッグ構成部2で形成されているので、第1収容室R1に収容した薬液には、分解を促進する光線が殆ど届かない。これにより、薬液の分解が抑制される。
また、薬液を投与する際には、図3に示すように第1バッグ構成部2が下に位置するように薬液用バッグ1を吊す。これにより、第1収容室R1に薬液の全量が収容されるので、投与中に、分解を促進する光線が薬液に殆ど届かなくなり、薬液の分解が抑制される。つまり、実施形態1によれば、保管時や投与時には薬液の分解を抑制しつつ、製造時には薬液の検査を正確に行うことができる。尚、図示しないが、第1バッグ構成部2には目盛りを設けてもよい。目盛りを設けておくことで、薬液投与中の投与量を知りたい場合に、第1バッグ構成部2の残量に基づいて把握することができる。
図4及び図5は、実施形態1の変形例に係る薬液用バッグ1を示している。この変形例では、第1バッグ構成部2と第2バッグ構成部3との境界部分に括れ10が設けられている。括れ10は、薬液用バッグ1における第1バッグ構成部2と第2バッグ構成部3との境界部分を幅方向(短手方向)両側からそれぞれ切り欠くことによって形成されている。括れ10が形成されている部分も表側樹脂材と裏側樹脂材とが融着ないし接着されている。括れ10を設けることにより、第1収容室R1と第2収容室R2との境界部分に絞り部11が設けられることになる。絞り部11が第1収容室R1と第2収容室R2との境界部分にあることで、第1収容室R1と第2収容室R2との連通部分を狭くすることができる。これにより、第2バッグ構成部3を透過して第2収容室R2に入射した光線が第1収容室R1に届き難くなり、第1収容室R1に収容されている薬液の分解抑制効果がより一層高まる。
括れ10が設けられることで、薬液用バッグ1の第1バッグ構成部2と第2バッグ構成部3との境界部分の幅が他の部分に比べて狭くなる。これにより、括れ10が形成された部分を折り曲げ起点部として、薬液用バッグ1を、第2バッグ構成部3の外面が第1バッグ構成部2の外面に重なるように折り曲げることができる。すなわち、薬液を第1収容室R1に収容した状態で、第2バッグ構成部3の外面が第1バッグ構成部2の外面に重なるように折り曲げることにより、第2収容室R2に入射した光線が第1収容室R1に届き難くなるとともに、第1収容室R1に収容された薬液が第2収容室R2に流入し難くなる。よって、薬液の分解抑制効果がより一層高まる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2に係る薬液用バッグ1を示すものである。この実施形態2は、第1収容室R1と第2収容室R2とを遮断する液遮断手段の一例としてクリップ13を備えている点で実施形態1の変形例とは異なっている。以下、実施形態1の変形例と同一の部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
すなわち、実施形態2の薬液用バッグ1には、第1収容室R1と第2収容室R2とを遮断するクリップ13が設けられている。クリップ13は、薬液用バッグ1における第1バッグ構成部2と第2バッグ構成部3との境界部分を表側及び裏側から挟むことで、表側樹脂材と裏側樹脂材の内面同士を密着させて第1収容室R1と第2収容室R2との連通部分を無くすための部材である。クリップ13は薬液用バッグ1に対して着脱自在となっており、薬液用バッグ1から取り外すことにより、第1収容室R1と第2収容室R2とを連通させることができる。
この実施形態2では、薬液の検査後、薬液を第1収容室R1に収容してからクリップ13を薬液用バッグ1に装着することで、第1収容室R1に収容されている薬液が第2収容室R2に流入し難くなる。また、クリップ13を取り付けると、表側樹脂材と裏側樹脂材の内面同士が密着することにより、第2収容室R2に入射した光線が第1収容室R1に届き難くなる。よって、薬液の分解抑制効果がより一層高まる。クリップ13は、取り付け後に取り外し不能に固定してもよい。
また、実施形態2の薬液用バッグ1は、第2ポート部14を備えている。第2ポート部14は、第2収容室R2に連通し、薬液を第2収容室R2に流入させるための部材であり、第1ポート部4と同様に構成されている。
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3に係る薬液用バッグ1を示すものである。この実施形態3は、第1収容室R1と第2収容室R2とを遮断する液遮断手段の一例としてシール部15を備えている点で実施形態1の変形例とは異なっている。以下、実施形態1の変形例と同一の部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
すなわち、実施形態3の薬液用バッグ1には、第1収容室R1と第2収容室R2とを遮断するシール部15が設けられている。シール部15は、表側樹脂材と裏側樹脂材を融着または接着することにより、第1収容室R1と第2収容室R2との連通部分を無くす部分である。
この実施形態3では、薬液の検査後、薬液を第1収容室R1に収容してからシール部15を設けることで、第1収容室R1に収容されている薬液が第2収容室R2に流入し難くなる。また、シール部15を設けると、表側樹脂材と裏側樹脂材の内面同士が密着することにより、第2収容室R2に入射した光線が第1収容室R1に届き難くなる。よって、薬液の分解抑制効果がより一層高まる。また、実施形態3の薬液用バッグ1は実施形態2と同様に第2ポート部14を備えている。
(実施形態4)
図8は、本発明の実施形態4に係り、薬液の検査方法を説明する図である。図8の左側に示す薬液用バッグ1は、実施形態1の変形例と同様に構成されている。薬液を薬液用バッグ1に収容した後、図8の左側に示すように、第2バッグ構成部3が下に位置するように薬液用バッグ1を向けると、第2収容室R2に薬液が移動し、収容される。このとき、薬液の容積が第2収容室R2の容積以下であるため、薬液の全量が第2収容室R2に収容され、よって、薬液の全量に対して一度に異物検査でき、検査の正確性が高まる。
その後、図8の中央に示すように、第1バッグ構成部2が下に位置するように薬液用バッグ1を向ける。これにより、第2収容室R2に収容されている薬液を第1収容室R1に収容することができる。次いで、第1収容室R1と第2収容室R2との間をシールする。このシールは、実施形態3のシール部15を設ける場合と同様にすることができる。そして、図8の右側に示すように、第2バッグ構成部3を第1バッグ構成部2から切除する。第2バッグ構成部3を切除する際には、第1バッグ構成部2と第2バッグ構成部3との境界部分を刃物(図示せず)によって切断する。
第1収容室R1と第2収容室R2との間をシールする工程で第2バッグ構成部3を切除してもよいし、第1収容室R1と第2収容室R2との間をシールする工程の後、第2バッグ構成部3を切除する工程を設けてもよい。また、薬液を投与する際には、薬液投与量を確認することがある。その際、吊り下げ器具には、計量機能、表示機を設けていてもよい。本計量機能、表示機があることで投与量を一目で確認することができる。
(実施形態5)
図9~図11は、本発明の実施形態5に係るものである。この実施形態5では、投与時の薬液の残量が確認可能に構成されている点で実施形態1のものとは異なっている。以下、実施形態1と同一の部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
実施形態5の薬液用バッグ1は、図8に示す実施形態4により得られたものであるが、これに限らず、実施形態1~3のように、第2バッグ構成部3を有していてもよい。第1バッグ構成部2には、薬液の残量を確認するための残量確認窓2aが設けられている。残量確認窓2aは透光性を有しており、外部から薬液の液面高さを視認することができるようになっている。残量確認窓2aは上下方向に長く形成されており、第1バッグ構成部2の上部から下部まで連続して延びている。
実施形態5の薬液用バッグ1には、覆い部材20が設けられている。覆い部材20は、樹脂製の柔軟なフィルムやシートで構成されており、第1バッグ構成部2を覆う筒状に形成されている。覆い部材20の周方向の一部には、透光部20aが形成されている。透光部20a以外の部分は遮光性を有している。図10に示すように、覆い部材20を第1バッグ構成部2に取り付けると、覆い部材20を第1バッグ構成部2に対して周方向に相対移動させることができる。これにより、覆い部材20の透光部20aを、第1バッグ構成部2の残量確認窓2aと一致させて、薬液の残量を確認できる。薬液の残量確認が不要な時には、図11に示すように、覆い部材20を第1バッグ構成部2に対して周方向に相対移動させて覆い部材20の遮光性を有する部分で第1バッグ構成部2の残量確認窓2aを覆っておく。これにより、残量確認窓2aを設けていても、薬液に光が届き難くなる。
(実施形態6)
図12~図14は、本発明の実施形態6に係るものである。この実施形態6では、投与時の薬液の残量が確認可能に構成されている点で実施形態1のものとは異なっている。以下、実施形態1と同一の部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
実施形態6の薬液用バッグ1は、図8に示す実施形態4により得られたものであるが、これに限らず、実施形態1~3のように、第2バッグ構成部3を有していてもよい。第1バッグ構成部2には、実施形態5と同様に、薬液の残量を確認するための残量確認窓2aが設けられている。
実施形態6の薬液用バッグ1には、残量確認窓2aを覆う帯状の覆い部材21が設けられている。覆い部材21は、樹脂製の柔軟なフィルムやシートで構成されている。覆い部材21は全体が遮光性を有している。図13に示すように、覆い部材21の上部を第1バッグ構成部2に固定し、覆い部材21の他の部分は第1バッグ構成部2に非固定とする。覆い部材21をめくるようにすることで、第1バッグ構成部2の残量確認窓2aを露出させることができ、これにより、薬液の残量を確認できる。薬液の残量確認が不要な時には、図14に示すように、覆い部材21で第1バッグ構成部2の残量確認窓2aを覆っておく。これにより、残量確認窓2aを設けていても、薬液に光が届き難くなる。また、残量確認窓2aには、目盛り(図示せず)を設けていてもよい。目盛りを設けておくことにより、第1バッグ構成部2内の残量を一目で確認する際に特に有効である。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。例えば、複数の上記実施形態のうち、任意の2つの形態以上を組み合わせてもよい。また、薬液用バッグ1に収容される薬液の種類は特に限定されるものではなく、例えば、複数種の薬液を混合したものであってもよい。
以上説明したように、本開示は、例えばビタミン剤や抗癌剤などのように光の遮断が必要な薬液が収容される薬液用バッグに利用できる。
1 薬液用バッグ
2 第1バッグ構成部
3 第2バッグ構成部
4 第1ポート部
14 第2ポート部
10 括れ(折り曲げ起点部)
11 絞り部
13 クリップ(液遮断手段)
15 シール部(液遮断手段)
R1 第1収容室
R2 第2収容室

Claims (10)

  1. 紫外線領域または可視光線領域の光線の照射によって分解が促進される薬液が収容される薬液用バッグであって、
    前記光線を遮断する、もしくは紫外線領域または可視光線領域の一部の波長のみ透過を許容する遮光材料で構成され、前記薬液が収容される第1収容室を形成する第1バッグ構成部と、
    可視光線の少なくとも一部の波長を透過する材料で構成され、前記薬液が収容される第2収容室を形成する第2バッグ構成部と、
    前記第1収容室に連通し、前記第1収容室に収容される前記薬液を外部に流出させるための第1ポート部とを備え、
    前記第2バッグ構成部の前記所定波長域の可視光線の透過率が、前記第1バッグ構成部の前記所定波長域の可視光線の透過率よりも大きく設定されていることを特徴とする薬液用バッグ。
  2. 請求項1に記載の薬液用バッグにおいて、
    前記第2収容室の容積は、前記薬液の容積以上とされていることを特徴とする薬液用バッグ。
  3. 請求項1に記載の薬液用バッグにおいて、
    前記第1収容室と前記第2収容室とを遮断する液遮断手段が設けられていることを特徴とする薬液用バッグ。
  4. 請求項1に記載の薬液用バッグにおいて、
    前記液遮断手段は、前記第1収容室と前記第2収容室とを遮断するシール部であることを特徴とする薬液用バッグ。
  5. 請求項1に記載の薬液用バッグにおいて、
    前記第1バッグ構成部と前記第2バッグ構成部との境界部分を挟むことにより、前記第1収容室と前記第2収容室とを遮断するクリップが設けられていることを特徴とする薬液用バッグ。
  6. 請求項1に記載の薬液用バッグにおいて、
    前記第1バッグ構成部と前記第2バッグ構成部との境界部分には、前記第1バッグ構成部の外面が前記第2バッグ構成部の外面に重なるように折り曲げる起点となる折り曲げ起点部が設けられていることを特徴とする薬液用バッグ。
  7. 請求項6に記載の薬液用バッグにおいて、
    前記第1収容室と前記第2収容室との境界部分には、絞り部が設けられていることを特徴とする薬液用バッグ。
  8. 請求項1に記載の薬液用バッグにおいて、
    前記第2収容室に連通し、前記第2収容室に薬液を流入させるための第2ポート部を備えていることを特徴とする薬液用バッグ。
  9. 請求項1に記載の薬液用バッグにおいて、
    前記第1バッグ構成部と前記第2バッグ構成部との境界部分には、括れが設けられていることを特徴とする薬液用バッグ。
  10. 紫外線領域または可視光線領域の光線の照射によって分解が促進される薬液を薬液用バッグに収容した状態で検査する薬液の検査方法であって、
    前記光線を遮断する遮光材料で構成され、前記薬液が収容される第1収容室を形成する第1バッグ構成部と、前記薬剤の分解が促進する所定波長域の可視光線を透過する材料で構成され、前記薬液が収容される第2収容室を形成する第2バッグ構成部とを有する前記薬液用バッグを用意し、前記第2バッグ構成部の前記所定波長域の可視光線の透過率を、前記第1バッグ構成部の前記所定波長域の可視光線の透過率よりも大きく設定しておき、
    前記第2収容室に、当該第2収容室の容積以下の前記薬液を収容した後、前記第2収容室に収容した前記薬液を外部から検査し、
    その後、前記第2収容室に収容されている前記薬液を前記第1収容室に収容してから前記第1収容室と前記第2収容室との間をシールするとともに、前記第1バッグ構成部を前記第2バッグ構成部から切除することを特徴とする薬液の検査方法。
JP2022177931A 2022-11-07 2022-11-07 薬液用バッグ及び薬液の検査方法 Pending JP2024067678A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022177931A JP2024067678A (ja) 2022-11-07 2022-11-07 薬液用バッグ及び薬液の検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022177931A JP2024067678A (ja) 2022-11-07 2022-11-07 薬液用バッグ及び薬液の検査方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024067678A true JP2024067678A (ja) 2024-05-17

Family

ID=91068449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022177931A Pending JP2024067678A (ja) 2022-11-07 2022-11-07 薬液用バッグ及び薬液の検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024067678A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI107695B (fi) Säiliö, jossa on useita kammioita
ES2215225T3 (es) Recipientes para fluidos parenterales.
US9278051B2 (en) Method for reinforcing weak sealed portion of multi-chamber medical container
US5896989A (en) Flexible medical container packaging
ES2424919T3 (es) Recipiente médico flexible de múltiples compartimentos con sellos preferentemente rompibles
TWI409059B (zh) 多腔袋
AU3650501A (en) Light-protective container assembly and method of making same
TWI314124B (en) Protective packaging for medicament dispenser and combination of a medicament dispenser and a protective package
US8979817B2 (en) Multi-chamber container with seal breach detection
JP2024067678A (ja) 薬液用バッグ及び薬液の検査方法
JP3060133B2 (ja) 複室容器
JPH04364850A (ja) 複室容器
JP6517797B2 (ja) 輸液バック・ボトル収納袋、および、その製造方法
CN111727030A (zh) 塑料容器
JP2004141631A (ja) 複室容器
JP4335334B2 (ja) 薬剤混合輸液容器
JP4649854B2 (ja) 薬剤バッグ
JP2005067730A (ja) 易開封型内容物入り複室容器の製造方法
JP4239198B2 (ja) 少容量混注用容器およびこれを用いたマルチバッグ
JP2004305722A (ja) 薬剤バッグ
JP4179218B2 (ja) 医療用容器
JP2010058795A (ja) 液剤用バッグ
JP5590634B2 (ja) 液剤用バッグ
JP3804504B2 (ja) 容器及びその検査方法
WO2024071350A1 (ja) 液剤入り組合せ医療容器、医療容器セット、液剤入り容器の製造方法、及び液剤入り組合せ医療容器の製造方法