JP2010058795A - 液剤用バッグ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 遮光性および柔軟性を有し、流動性のある医療剤を収容するバッグ本体2と、バッグ本体2から医療剤を注出するための注出部材3とを備える薬液バッグ1において、バッグ表面12における幅方向略中央部に、帯状のホログラムフィルム24を、上辺側(他方側)から下辺側(一方側)へ延びるように貼着する。
【選択図】図4
Description
このため、バッグの外側からバッグ内部を目視で観察できないため、薬液バッグに収容された医療剤が投与者に投与される場合、内容量を確認することが困難である。
また、PE(ポリエチレン)フィルムとPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムとが積層されてなる透明層、アルミニウム箔からなる遮光層、およびガスシールド性を有するPETフィルムからなる外層が順次積層された積層フィルムを用いて形成され、外層および遮光層が、透明層に対して剥離可能に接着されている薬液バッグが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
また、本発明の別の目的は、液剤の量を知ることができて安価な液剤用バッグを提供することにある。
請求項2に記載の発明は、遮光性および柔軟性を有し、流動性のある液剤を収容する液剤用バッグであって、液剤用バッグの少なくとも一方表面には、その表面形状に応じて表示態様が変化する特定フィルムの領域が含まれていることを特徴とする、液剤用バッグである。
請求項4に記載の発明は、前記特定フィルムは、前記液剤用バッグの幅方向略中央部において、上辺側から下辺側へ延びて貼着されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の液剤用バッグである。
請求項6に記載の発明は、前記液剤用バッグは、液剤を自重により注出する吊り下げ使用可能な液剤用バッグであり、前記液剤用バッグの吊り下げ状態において、液剤が自重で下方へ移動することにより、前記液剤用バッグ表面は、液剤上面よりも下方において外方へ凸湾曲する外湾曲面と、液剤上面よりも上方において内方へ凸湾曲する内湾曲面とが表われるように変形し、前記特定フィルムの表示態様は、前記液剤用バッグ表面の変形に伴い、前記外湾曲面に対する接線の外接点と前記内湾曲面に対する接線の内接点との間における部分が、前記外接点の下方および前内接点の上方における部分とは異なるように変化することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の液剤用バッグである。
請求項2に記載の発明によれば、液剤用バッグの外側から、特定フィルムの表示態様を目視することにより、柔軟性のバッグの表面形状を変化させる液剤の様態を知ることができる。したがって、この特定フィルムの表示態様により、液剤の量を知ることができる。そして、特定フィルムは、遮光性を有するバッグの表面に含まれている領域であるので、特定フィルムにより液剤用バッグの遮光性を損なうことがない。つまり、この発明によれば、遮光性を損なうことなく、液剤の量を簡単に知ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、特定フィルムの表示態様を目視することにより、バッグ表面の膨らみ具合を知ることができる。この膨らみ具合によって、液剤の量が相対的に多くて大きく膨らんだ部分と、液剤の量が相対的に少なくて小さく膨らんだ部分とを知ることができて、液剤の量を知ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、特定フィルムがホログラムフィルムであるので、フィルムに映し出される(再生される)像の態様を目視することにより、液剤の量を知ることができる。また、液剤用バッグをより安価に作製することもできる。
請求項7に記載の発明によれば、特定フィルムの表示態様により、薬剤または食品の量を知ることができる。
A.薬液バッグの全体構成および使用方法
図1は、本発明の一実施形態に係る薬液バッグの(a)正面図(b)側面図である。
薬液バッグ1は、流動性のある医療剤を収容する部屋を1つ持つ単室バッグであって、医療剤を収容するバッグ本体2と、バッグ本体2から医療剤を注出するための注出部材3とを備えている。
このようなフィルムとしては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン)、ポリテトラフルオロエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、エチレン−テトラシクロドデセンなどのポリ環状オレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルなどのビニル系重合体樹脂、ナイロン−6、ナイロン−12、ナイロン−6,6などのポリアミド系樹脂などの汎用樹脂が挙げられる。
このようなフィルムとしては、たとえば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、上記汎用樹脂に顔料(アゾ縮合系顔料などの有機顔料や、酸化鉄などの無機顔料)を含有した着色フィルム、上記汎用樹脂フィルムに着色塗装(印刷)を施したフィルムなどが挙げられる。
なお、バッグ本体2は、たとえば、3層フィルムをインフレーション法などの公知の方法によって袋状またはチューブ状に形成し、得られた袋状またはチューブ状のフィルムの周縁部をヒートシールすることによっても作製することができる。
注出部材3は、バッグ本体2に固定されるベース部材6と、ノズル7とを備えている。
ベース部材6は、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのプラスチックからなる。ベース部材6は、バッグ本体2の作製時に、2枚の3層フィルムにより挟まれた状態でヒートシールされることにより、3層フィルムに密着してバッグ本体2に固定される。また、ベース部材6には、バッグ本体2の内側に、折り切り可能な封止部材(図示せず)が設けられている。
図2は、薬液バッグの医療剤の流出(投与)に伴う、バッグ表面の変化具合を示す図である。
図1に示す薬液バッグ1に収容された医療剤13を患者に投与するには、まず、吊り下げ孔5に吊り下げ用フック8が引っ掛けられて、バッグ本体2が吊り下げ状態にされる。この状態では、バッグ本体2は、図2(a)に示すように、その表面12(バッグ表面)が下辺側(一方側)から上辺側(他方側)へ向かって滑らかな弧状になるように、全体的に膨らんでいる。
すなわち、薬液バッグ1の吊り下げ使用時、バッグ本体2を構成する2枚の3層フィルムの間には、医療剤13が介在される部分と介在されない部分とが生じる。そのため、バッグ表面12には、医療剤13の液面21よりもやや下方において外方へ凸湾曲する(外側へ膨らむ)外湾曲面14と、液面21よりもやや上方において内方へ凸湾曲する(内側へ凹む)内湾曲面15とが表われる。
つまり、バッグ表面12は、傾斜面20と、2つの変曲点(外接点17および内接点19)を介してこの傾斜面20と上下に連続し、傾斜面20とは傾斜角度(たとえば、垂直方向に対する傾斜角度)の異なる2つの面(下側面22および上側面23)とが連続する曲面形状となる。
そこで、本発明では、バッグ表面12に、バッグ本体2の柔軟性を阻害しない特定フィルムを貼着しておき、傾斜面20における特定フィルムの反射光が、下側面22および上側面23における特定フィルムの反射光と異なる態様を示すことから、特定フィルムの表示態様(反射光の態様)によって、傾斜面20に対応する位置にある医療剤13の液面21を確認できるようにしたものである。
B.特定フィルムの貼着態様および本実施形態の作用効果
本実施形態において、以上説明した構成の薬液バッグ1には、たとえば、下記に複数示す態様で特定フィルム(たとえば、ホログラムフィルム)を貼着することができる。
この第1の態様では、バッグ表面12における幅方向略中央部には、帯状のホログラムフィルム24が、上辺側(他方側)から下辺側(一方側)へ延びて貼着されている。
ホログラムフィルム24は、光の入射方向に応じて、予め記録された像を映し出す(再生する)フィルムであって、薬液バッグ1に貼着された状態では、医療剤13の量の変化に応じて膨らみ具合が変化するバッグ表面12の各部に、それぞれ異なった像を映し出す。
ホログラムフィルム24のバッグ表面12への貼着方法としては、たとえば、ホログラムフィルム24をシールとして作製して直接貼る方法、接着剤を用いて貼る方法、ヒートシールにより貼る方法などが挙げられる。なお、レインボーホログラムが貼着される場合、レインボーホログラムとバッグ表面12との間に、照射光を反射させる金属箔などを介在させた状態で、ホログラムが貼着される。
そのため、各面に映し出される像を目視することにより、それらの像の相違を確認でき、傾斜面20の位置を確認することができる。この傾斜面20の位置により、傾斜面20に対応する液面21の位置を知ることができるので、バッグ本体2内の医療剤13の量を知ることができる。
また、バッグ表面12にホログラムフィルム24を貼着するだけでよいので、この薬液バッグ1は安価に作製可能である。
さらに、ホログラムフィルム24からの光を偏光する偏光具(たとえば、偏光めがね、カメラレンズなど)を介して傾斜面20を見ることにより、傾斜面20と、下側面22および上側面23との表示態様の違いを、一層明確に確認することができる。
この第2の態様では、バッグ表面12には、3枚の帯状のホログラムフィルム25が、下辺側から上辺側へ向かう長手方向に所定の間隔を空けて貼着されている。
ホログラムフィルム25としては、上記とホログラムフィルム24と同様のものが挙げられる。
そのため、各面に映し出される像を目視することにより、それらの像の相違を確認でき、傾斜面20の位置を確認することができる。その結果、バッグ本体2内の医療剤13の量を知ることができる。
この第3の態様では、バッグ表面12における幅方向一方側(図6の左右方向右側)に、液量表示26が印字されている。液量表示26は、たとえば、100ml〜400mlまで100ml刻みで配置されており、薬液バッグ1の吊り下げ状態において、医療剤13の液面21が当該位置にきたときのバッグ本体2内の医療剤13の量を示すものである。
ホログラムフィルム27としては、上記とホログラムフィルム24と同様のものが挙げられる。
そのため、各面に映し出される像を目視することにより、それらの像の相違を確認でき、傾斜面20の位置を確認することができる。この傾斜面20の位置により、傾斜面20に対応する液面21の位置を知ることができる。そして、この液面21の位置(傾斜面20の位置)と、液量表示26とを比較することにより、バッグ本体2内の医療剤13の量を細かく知ることができる。
この第4の態様では、第3の態様と同様、バッグ表面12における幅方向一方側(図7の左右方向右側)に、液量表示28が印字されている。液量表示28は、液量表示26(図7参照)と同様、たとえば、100ml〜400mlまで100ml刻みで配置されており、薬液バッグ1の吊り下げ状態において、医療剤13の液面21が当該位置にきたときのバッグ本体2内の医療剤13の量を示すものである。
ホログラムフィルム29としては、上記とホログラムフィルム24と同様のものが挙げられる。
そして、第4の態様では、医療剤13の流出に伴って下辺側へ下がる傾斜面20が各ホログラムフィルム29に達したとき、当該ホログラムフィルム29および他のホログラムフィルム29には、それぞれ異なった像が映し出される。
この第5の態様では、バッグ表面12には、幅方向一方側(右側)から他方側(左側)に跨る帯状のホログラムフィルム30が、上辺側(他方側)から下辺側(一方側)へ延びて貼着されている。
そして、第5の態様では、薬液バッグ1の吊り下げ使用時、傾斜面20と、下側面22および上側面23とに照射される光の入射角度が異なることから、傾斜面20が帯状のホログラムフィルム30における各液量表示31に達したとき、当該液量表示31が映し出される。
図9は、ホログラムフィルムが貼着された薬液バッグの第6の態様を示す正面図である。
この第6の態様では、バッグ表面12には、4枚の帯状のホログラムフィルム32が、下辺側から上辺側へ向かう長手方向に所定の間隔を空けて貼着されている。
そして、第6の態様では、医療剤13の流出に伴って下辺側へ下がる傾斜面20が各ホログラムフィルム32に達したとき、当該ホログラムフィルム32に記録された液量表示33が映し出される。
図10は、ホログラムフィルムが貼着された薬液バッグの第7の態様を示す正面図である。
この第7の態様では、バッグ表面12における幅方向略中央部には、長手方向中央部が幅広な帯状のホログラムフィルム34が、上辺側(他方側)から下辺側(一方側)へ延びて貼着されている。
そして、第7の態様では、薬液バッグ1の吊り下げ使用時、傾斜面20と、下側面22および上側面23とに照射される光の入射角度が異なることから、帯状のホログラムフィルム34には、上記各面毎に、それぞれ異なった像が映し出される。
また、ホログラムフィルム34の長手方向中央部が幅広であるため、傾斜面20の位置を確認し易い。そのため、医療剤13の減り具合を簡単に知ることができる。
この第8の態様では、バッグ表面12における幅方向略中央部には、長手方向中央部が括れた帯状のホログラムフィルム35が、上辺側(他方側)から下辺側(一方側)へ延びて貼着されている。
そして、第8の態様では、薬液バッグ1の吊り下げ使用時、傾斜面20と、下側面22および上側面23とに照射される光の入射角度が異なることから、帯状のホログラムフィルム34には、上記各面毎に、それぞれ異なった像が映し出される。
図12は、ホログラム層を備えた薬液バッグの一態様を示す正面図である。
ホログラム層36としては、たとえば、上記ホログラムフィルム24と同様のホログラムフィルムなどを適用することができる。
そして、この一態様では、薬液バッグ1の吊り下げ使用時、傾斜面20と、下側面22および上側面23とに照射される光の入射角度が異なることから、ホログラム層36には、上記各面毎に、それぞれ異なった像が映し出される。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
また、ホログラムフィルムおよびホログラム層は、バッグ表面12の一方側の面だけに設けられてもよいし、両方の面に設けられていてもよい。
また、ホログラム層が表れる領域は、バッグ表面12全域である必要はなく、たとえば、図4〜図11に示される、ホログラムフィルムが貼着される領域であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 バッグ本体
4 周縁部
12 バッグ表面
13 医療剤
14 外湾曲面
15 内湾曲面
16 外側接線
17 外接点
18 内側接線
19 内接点
21 液面(液剤上面)
24 ホログラムフィルム
25 ホログラムフィルム
27 ホログラムフィルム
29 ホログラムフィルム
30 ホログラムフィルム
32 ホログラムフィルム
34 ホログラムフィルム
35 ホログラムフィルム
36 ホログラム層
Claims (7)
- 遮光性および柔軟性を有し、流動性のある液剤を収容する液剤用バッグであって、
液剤用バッグの表面に、その表面形状に応じて表示態様が変化する特定フィルムが貼着されていることを特徴とする、液剤用バッグ。 - 遮光性および柔軟性を有し、流動性のある液剤を収容する液剤用バッグであって、
液剤用バッグの少なくとも一方表面には、その表面形状に応じて表示態様が変化する特定フィルムの領域が含まれていることを特徴とする、液剤用バッグ。 - 前記特定フィルムは、前記液剤用バッグに収容された液剤の量の変化に応じて、液剤用バッグ表面の膨らみ具合が変化することに伴い、その表示態様が変化することを特徴とする、請求項1または2に記載の液剤用バッグ。
- 前記特定フィルムは、前記液剤用バッグの幅方向略中央部において、上辺側から下辺側へ延びて貼着されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の液剤用バッグ。
- 前記特定フィルムが、ホログラムフィルムであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の液剤用バッグ。
- 前記液剤用バッグは、液剤を自重により注出する吊り下げ使用可能な液剤用バッグであり、
前記液剤用バッグの吊り下げ状態において、液剤が自重で下方へ移動することにより、前記液剤用バッグ表面は、液剤上面よりも下方において外方へ凸湾曲する外湾曲面と、液剤上面よりも上方において内方へ凸湾曲する内湾曲面とが表われるように変形し、
前記特定フィルムの表示態様は、前記液剤用バッグ表面の変形に伴い、前記外湾曲面に対する接線の外接点と前記内湾曲面に対する接線の内接点との間における部分が、前記外接点の下方および前内接点の上方における部分とは異なるように変化することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の液剤用バッグ。 - 前記液剤が、薬剤または食品であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の液剤用バッグ。
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