JP2024066006A - ミシン用糸張力制御装置及びミシン用糸張力付与装置 - Google Patents

ミシン用糸張力制御装置及びミシン用糸張力付与装置 Download PDF

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Abstract

【課題】糸取りばねの変位を検出することにより、張力を付与することができる上糸張力制御装置であって、張力付与の応答を高速に行なうことができるとともに、電磁石を逆励磁しつづけなくても、糸張力付与を遮断できる上糸張力制御装置を提供する。【解決手段】糸張力制御装置1は、糸取りばね機構部5と糸張力付与部105とを有し、糸取りばね機構部5には、糸取りばね51が設けられ、糸取りばね51には、糸係止部56が設けられるとともに磁石部64が設けられ、さらに、磁石部64に対向して磁気センサ80が設けられている。糸張力付与部105においては、電磁石ホルダ120、140にそれぞれ電磁石が収納され、2つの電磁石の間には糸押さえ皿180、190が設けられている。天秤が上糸を引っ張って、磁石部64が磁気センサ80から離れると、電磁石を励磁して吸引させることにより、2つの糸押さえ皿間の上糸Jに張力を付与する。【選択図】図10

Description

本発明は、ミシンの上糸に張力を付与する装置に関するものである。
従来、ミシンにおける上糸の張力を制御する糸張力制御装置として、特許文献1に示すものが存在する。
すなわち、特許文献1の糸張力制御装置は、糸巻きから天秤に至る糸経路上に配置された支持部材12と、支持部材に回動可能に支持され、先端に糸掛け部を有する糸取りばね14と、糸経路上に配置され、糸に対して張力を付与可能な糸張力調節部材3と、糸張力調節部材を駆動し、糸張力を可変する駆動手段(マグネット11)と、糸取りばねの回動位置を検知する検知手段(検知板13及び近接センサ15)と、検知手段のミシン主軸位相の釜締め区間の検知出力に基づき、設定値と比較して、糸張力を増減するように駆動手段を制御する制御装置22を有し、糸取りばね14の変位量から糸張力を検出して、検出した糸張力を設定値と比較して、糸張力の増減値を演算し、演算された糸張力に基づいて制御装置22が駆動手段へ制御電流を供給する。
なお、特許文献1の糸張力制御装置において、駆動手段(マグネット11)が励磁されると、可動鉄心10が吸引され、可動鉄心10の吸引動作により、一対の糸調子皿8、9が移動して、一対の糸調子皿8、9間の糸に張力が付与される。
また、特許文献2の糸張力調整装置においては、互いに対峙する第1及び第2ディスク21、22の対峙面211、221同士の間に挟んだ糸Yに付与される張力を調整する糸張力調整装置2において、第1ディスク21を第2ディスク22に対し同一の軸23上で接離可能に構成し、第1ディスク21に永久磁石24を設けるとともに、第2ディスク22に電源に磁極変更可能にかつ通電量変更可能に連結された電磁石25と、第1ディスク21を第2ディスク22側に近づけるように常時付勢するコイルばね27を設け、電磁石25の磁極を変更することにより、永久磁石24の極性に対する吸引力と反発力が得られ、通電量に応じて永久磁石24に対する吸引力及び反発力を可変にできる。すなわち、コイルばね27の付勢力は、電磁石25の磁極を永久磁石24とは異なる極性に変更した際の吸引力によって増大し、一方、電磁石25の磁極を永久磁石24と同じ極性に変更した際の反発力によって減衰する。
特開2004-8713号公報 特開2020-204106号
しかし、特許文献1の糸張力制御装置においては、駆動手段(マグネット11)を励磁することにより、可動鉄心10が吸引されて、一対の糸調子皿8、9間の糸に張力が付与される構成であるので、駆動手段の励磁から糸張力付与までの応答に時間がかかって高速な応答を得ることができないという問題があった。
つまり、可動鉄心10が吸引されると、可動鉄心10の頭部10aが糸張力調節部材カバー部3a側に移動し、頭部10aが移動すると、糸調子皿8が頭部10aに押されて移動し、さらに、糸調子皿8が移動すると、糸調子皿8に押されて糸調子皿9が糸張力調節部材カバー部3aに接するまで移動し、糸調子皿9が糸張力調節部材カバー部3aに接した状態で糸調子皿8が糸調子皿9に密着した状態で糸張力が付与されることから、可動鉄心10自体が移動する応答時間が短くても、糸張力を付与するまでには時間が掛かってしまう。
また、特許文献2の糸張力調整装置においては、電磁石25の極性を変化させて永久磁石24との間で吸引・反発させることにより糸張力付与の応答を早くすることができるものの、永久磁石24が設けられているために、電磁石25の励磁を遮断するのみでは、永久磁石24が電磁石25の磁性体に吸引してしまい、糸張力付与を遮断するには、永久磁石24に対して反発するように電磁石25を逆励磁しつづけなければならない。つまり、糸張力付与と糸張力遮断を切り換えるには、電磁石25を常に励磁しながら極性を変化させなければならない。
そこで、本発明は、糸取りばねの変位を検出することにより、上糸張力を付与することができる上糸張力制御装置であって、張力付与の応答を高速に行なうことができるとともに、電磁石を逆励磁しつづけなくても、糸張力付与を遮断することができる上糸張力制御装置を提供することを目的とするものである。
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、上糸経路における天秤の上流側に設けられたミシン用糸張力制御装置であって、糸取りばね機構部(5)と糸張力付与部(105)と制御部(316)を有し、糸取りばね機構部は、ミシンに着脱自在に固定される固定ユニット(9)と、固定ユニットに設けられた糸取りばねで、固定ユニットに固定された固定部(52)と、固定部から連設され固定部に対して回動する糸係止ユニットで、上糸が係止する糸係止部(56)を有する糸係止ユニット(57)を有する糸取りばね(51)と、糸係止ユニットに固定して設けられた磁石部(64)と、固定ユニットに固定して設けられた磁気センサで、糸係止ユニットが固定部に対して回動していない状態で、磁石部に対して対向して設けられた磁気センサ(80)と、を有し、糸張力付与部は、第1電磁石を収納するための第1収納部(132)を有する第1電磁石ホルダ(120)と、第2電磁石を収納するための第2収納部(152)を有する第2電磁石ホルダ(140)とを有する電磁石ホルダユニットであって、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダとが互いに間隔を介して設けられ、第1収納部の第2電磁石ホルダ側に開口部(132K)が設けられるとともに、第2収納部の第1電磁石ホルダ側に開口部(152K)が設けられ、2つの開口部が互いに対向して設けられた電磁石ホルダユニット(119)と、第2電磁石側に吸着面(162a)を有する第1電磁石で、第1収納部の第2電磁石ホルダ側を左側とし第2収納部の第1電磁石ホルダ側を右側とした場合に、左右方向に移動可能に第1収納部内に収納された第1電磁石(160)と、第1電磁石側に吸着面(172a)を有する第2電磁石で、左右方向に移動可能に第2収納部内に収納された第2電磁石(170)と、第1電磁石と第2電磁石の間に設けられた第1糸押さえ皿で、第1電磁石の吸着面に対向する板状部(182)を有する第1糸押さえ皿(180)と、第1電磁石と第2電磁石の間で、第1糸押さえ皿よりも第2電磁石側に設けられた第2糸押さえ皿で、第2電磁石の吸着面に対向する板状部(184)を有する第2糸押さえ皿(190)と、電磁石ホルダユニットをミシンに着脱自在に固定するための固定部材(110)と、を有し、糸取りばね機構部において、上糸は糸係止部に係止し、糸係止部は、上糸経路における天秤の上流側に設けられ、糸張力付与部は、上糸経路における糸取りばね機構部の上流側に設けられて、第1糸押さえ皿と第2糸押さえ皿の間に上糸経路が設けられ、制御部は、天秤が上糸を引っぱることにより糸係止ユニットが回動し、糸係止ユニットが回動して磁石部と磁気センサ間の距離が長くなって、磁気センサにより検知される磁石部の磁力の値が予め定められた値よりも小さくなった場合に、第1電磁石と第2電磁石を励磁して、第1電磁石と第2電磁石とを吸引させることにより、第1糸押さえ皿の板状部と第2糸押さえ皿の板状部で上糸を挟んだ状態として、上糸に張力を付与し、一方、天秤が上糸を引っぱる状態が解除されて、糸係止ユニットが回動して磁石部と磁気センサ間の距離が短くなって、磁気センサにより検知される磁石部の磁力の値が予め定められた値以上になった場合に、第1電磁石と第2電磁石を励磁を停止して、第1電磁石と第2電磁石との吸引を解除することにより、上糸への張力付与を解除することを特徴とする。
よって、糸張力を付与する場合に、第1電磁石と第2電磁石が吸引するように第1電磁石と第2電磁石を励磁すればよく、特に、第1電磁石と第2電磁石を同時に励磁することにより、素早く第1電磁石と第2電磁石を吸引させることができるので、張力付与の応答を高速で行なうことができる。
また、糸張力付与を遮断する場合にも、第1電磁石への電流の供給と第2電磁石への電流の供給を停止することにより、電磁石を逆励磁しなくても糸張力付与を遮断することができる。また、第1電磁石への電流の供給と第2電磁石への電流の供給を同時に停止することにより、第1電磁石と第2電磁石の励磁を素早く遮断して張力遮断の応答を高速で行なうことができる。
また、糸張力を付与しない場合には、第1電磁石と第2電磁石への電流供給を停止すればよく、電磁石を逆励磁しつづけなくてもいいので、第1電磁石と第2電磁石の発熱を抑えることができ、第1電磁石と第2電磁石を小型化することができる。
また、2つの電磁石により糸張力を付与するので、大きな糸張力を付与することができ、結果として、糸張力がない状態から該大きな糸張力まで幅広い範囲の糸張力を付与することができる。
また、糸取りばね機構部における糸係止ユニットの挙動に基づく磁気センサの検知結果に応じて第1電磁石と第2電磁石を制御し、ミシンにおける制御部における他の制御信号とは関連しないので、既存のミシンへの取付けが容易である。
さらには、糸取りばね機構部には、ミシンに着脱自在に固定される固定ユニットが設けられ、糸張力付与部には、電磁石ホルダユニットをミシンに着脱自在に固定するための固定部材が設けられていて、糸取りばね機構部と糸張力付与部が別体に形成されているので、既存のミシンに糸張力制御装置を取り付ける際に、糸取りばね機構部と糸張力付与部の取付け位置を調整することができ、既存のミシンへの取付けが容易となる。
また、第2には、上糸経路における天秤の上流側に設けられたミシン用糸張力制御装置であって、糸取りばね機構部(5)と糸張力付与部(105)と制御部(316)を有し、糸取りばね機構部は、ミシンに着脱自在に固定される固定ユニット(9)と、固定ユニットに設けられた糸取りばねで、固定ユニットに固定された固定部(52)と、固定部から連設され固定部に対して回動する糸係止ユニットで、上糸が係止する糸係止部(56)を有する糸係止ユニット(57)を有する糸取りばね(51)と、糸係止ユニットに固定して設けられた磁石部(64)と、固定ユニットに固定して設けられた磁気センサで、糸係止ユニットが固定部に対して回動していない状態で、磁石部に対して対向して設けられた磁気センサ(80)と、を有し、糸張力付与部は、第1電磁石を収納するための第1収納部(132)を有する第1電磁石ホルダ(120)と、第2電磁石を収納するための第2収納部(152)を有する第2電磁石ホルダ(140)とを有する電磁石ホルダユニットであって、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダとが互いに間隔を介して設けられ、第1収納部の第2電磁石ホルダ側に開口部(132K)が設けられるとともに、第2収納部の第1電磁石ホルダ側に開口部(152K)が設けられ、2つの開口部が互いに対向して設けられた電磁石ホルダユニット(119)と、第2電磁石側に吸着面(162a)を有する第1電磁石で、第1収納部の第2電磁石ホルダ側を左側とし第2収納部の第1電磁石ホルダ側を右側とした場合に、左右方向に移動可能に第1収納部内に収納された第1電磁石(160)と、第1電磁石側に吸着面(172a)を有する第2電磁石で、左右方向に移動可能に第2収納部内に収納された第2電磁石(170)と、第1電磁石と第2電磁石の間に設けられた第1糸押さえ皿で、第1電磁石の吸着面に対向する板状部(182)を有する第1糸押さえ皿(180)と、第1電磁石と第2電磁石の間で、第1糸押さえ皿よりも第2電磁石側に設けられた第2糸押さえ皿で、第2電磁石の吸着面に対向する板状部(184)を有する第2糸押さえ皿(190)と、を有し、固定ユニットは、糸張力付与部に向けて伸びる板状部(110、111)を有し、電磁石ホルダユニットは、板状部に設けられ、糸取りばね機構部において、上糸は糸係止部に係止し、糸係止部は、上糸経路における天秤の上流側に設けられ、糸張力付与部は、上糸経路における糸取りばね機構部の上流側に設けられて、第1糸押さえ皿と第2糸押さえ皿の間に上糸経路が設けられ、制御部は、天秤が上糸を引っぱることにより糸係止ユニットが回動し、糸係止ユニットが回動して磁石部と磁気センサ間の距離が長くなって、磁気センサにより検知される磁石部の磁力の値が予め定められた値よりも小さくなった場合に、第1電磁石と第2電磁石を励磁して、第1電磁石と第2電磁石とを吸引させることにより、第1糸押さえ皿の板状部と第2糸押さえ皿の板状部で上糸を挟んだ状態として、上糸に張力を付与し、一方、天秤が上糸を引っぱる状態が解除されて、糸係止ユニットが回動して磁石部と磁気センサ間の距離が短くなって、磁気センサにより検知される磁石部の磁力の値が予め定められた値以上になった場合に、第1電磁石と第2電磁石を励磁を停止して、第1電磁石と第2電磁石との吸引を解除することにより、上糸への張力付与を解除することを特徴とする。
よって、糸張力を付与する場合に、第1電磁石と第2電磁石が吸引するように第1電磁石と第2電磁石を励磁すればよく、特に、第1電磁石と第2電磁石を同時に励磁することにより、素早く第1電磁石と第2電磁石を吸引させることができるので、張力付与の応答を高速で行なうことができる。
また、糸張力付与を遮断する場合にも、第1電磁石への電流の供給と第2電磁石への電流の供給を停止することにより、電磁石を逆励磁しなくても糸張力付与を遮断することができる。また、第1電磁石への電流の供給と第2電磁石への電流の供給を同時に停止することにより、第1電磁石と第2電磁石の励磁を素早く遮断して張力遮断の応答を高速で行なうことができる。
また、糸張力を付与しない場合には、第1電磁石と第2電磁石への電流供給を停止すればよく、電磁石を逆励磁しつづけなくてもいいので、第1電磁石と第2電磁石の発熱を抑えることができ、第1電磁石と第2電磁石を小型化することができる。
また、2つの電磁石により糸張力を付与するので、大きな糸張力を付与することができ、結果として、糸張力がない状態から該大きな糸張力まで幅広い範囲の糸張力を付与することができる。
また、糸取りばね機構部における糸係止ユニットの挙動に基づく磁気センサの検知結果に応じて第1電磁石と第2電磁石を制御し、ミシンにおける制御部における他の制御信号とは関連しないので、既存のミシンへの取付けが容易である。
さらには、固定ユニットは、糸張力付与部に向けて伸びる板状部を有し、電磁石ホルダユニットは、板状部に設けられていて、糸取りばね機構部と糸張力付与部が一体に形成されているので、糸張力制御装置をミシンに取り付ける際に、糸取りばね機構部と糸張力付与部との位置関係を調整する必要がない。
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、ミシン用糸張力制御装置には、第1電磁石と第2電磁石を励磁する際の電流値を各ステッチごとに記憶した電流データを記憶した記憶装置(318)が設けられ、制御部は、各ステッチにおいて、第1電磁石と第2電磁石を励磁する際に、電流データに記憶された電流値に従い、第1電磁石と第2電磁石を励磁することを特徴とする。
よって、電流データを設けることにより、各ステッチごとに第1電磁石と第2電磁石を励磁する際の電流値を調整して、各ステッチごとに上糸張力を制御することができる。
また、第4には、上記第1又は第2の構成において、固定ユニットは、中心構成部(41)と、中心構成部に取り付けられた先端部(72)と、ガイド壁部(30)とを有し、中心構成部は、糸取りばねを取り付けるための糸取りばね装着部で、円柱状の周面を有する糸取りばね装着部(42)と、糸取りばね装着部の背面側に設けられた軸部で、円柱状の周面を有し糸取りばね装着部の外径よりも小さい外径を有する軸部(46)と、を有し、ガイド壁部は、軸部の背面側に設けられ、糸取りばね装着部側に突出した環状凸部(34)を有するとともに、軸部の外径よりも大きい外径を有し、先端部は、糸取りばね装着部の外径よりも大きい内径の内周面を有し、略筒状を呈するカバー部(79)を有し、糸取りばね装着部は、カバー部の内周面の内側に設けられ、糸取りばねは、線状部材により形成され、糸取りばねの固定部は、糸取りばね装着部の周面に固定され、糸係止ユニットは、固定部から連設され糸取りばね装着部の周面に対して突出した突出部(54)を有し、糸係止部は、突出部の先端から連設されていて、磁石部は、突出部に取り付けられ、磁気センサは、カバー部の背面側の端部領域に設けられ、糸張力付与部から導かれた上糸は、軸部の周面に接触した後に糸係止部に係止することを特徴とする。
よって、軸部は、糸取りばね装置部やガイド壁部に挟まれて、糸取りばね装着部やガイド壁部30も小径に形成されているので、上糸を軸部の周面に接した状態としやすくできる。また、軸部の周面に接した上糸をガイド壁部に接した状態とすることにより、上糸の前後方向の位置を安定させることができ、ガイド壁部においては、環状凸部が糸取りばね装着部側に突出しているので、上糸がガイド壁部に接触しても円滑に上糸を移送させることができる。
また、第5には、上記第1又は第2の構成において、電磁石ホルダユニットが、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダを連結する第1連結部材で、円柱状の外周面を有する第1連結部材(134)と、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダを連結する第2連結部材で、円柱状の外周面を有する第2連結部材(136)とを有し、第1連結部材と第2連結部材は、円柱状の外周面の軸線を左右方向にして設けられ、第1連結部材は、電磁石ホルダユニットの背面部分に設けられるとともに、第2連結部材は、電磁ホルダユニットの正面部分に設けられ、第1連結部材と第2連結部材は、第1糸押さえ皿及び第2糸押さえ皿を介して相対する位置に設けられ、糸張力付与部の上流から導かれた上糸の上糸経路は、第1連結部材から第2連結部材に至った後に第1連結部材に戻り、その後、糸取りばね機構部に至ることを特徴とする。
よって、第1連結部材と第2連結部材の2つの連結部材を利用して、第1糸押さえ皿と第2糸押さえ皿の間に上糸経路を設けることができ、特に、上糸経路が、第1連結部材から第2連結部材に至った後に第1連結部材に戻るので、2つの上糸経路を第1糸押さえ皿と第2糸押さえ皿の間に設けることができ、効率的に上糸に張力を付与することができる。
また、第5-1の構成として、上記第5の構成において、第1連結部材は、電磁石ホルダユニットの背面部分における上面側に設けられ、第2連結部材は、電磁石ホルダユニットの正面部分における底面側に設けられていることを特徴とするものとしてもよい。
また、第6には、上記第1又は第2の構成において、第1収納部と第2収納部の2つの収納部のうちのいずれかの収納部である対象収納部には、該対象収納部に収納された電磁石で第1電磁石と第2電磁石のいずれかである電磁石を対象収納部の開口部側に付勢する付勢手段(200)が設けられていることを特徴とする。
よって、第1電磁石と第2電磁石が励磁されていない場合でも、第1糸押さえ皿の板状部と第2糸押さえ皿の板状部が互いに接した状態となるとともに、第1糸押さえ皿が第1電磁石に接し、第2糸押さえ皿が第2電磁石に接した状態になっているので、第1電磁石と第2電磁石を励磁した際に、即座に上糸に張力を付与することができ、張力付与の応答をより高速に行なうことができる。
また、第6-1の構成として、上記第4の構成において、中心構成部が、軸部の背面側の端部から背面側に連設された第2軸部で、軸部の外径よりも小さい外径を有し、周面にネジ溝が形成された第2軸部(48)を有し、ガイド壁部には、第2軸部が挿通する貫通穴で、軸部の外径よりも小さい外径の貫通穴(31)が設けられ、糸取りばね機構部が、板状を呈し、第2軸部を挿通する貫通穴(21)が設けられた取付板部(20)と、ミシンの筐体に設けられた挿入係止用の穴部に挿入して係止するための挿入係止部で、第2軸部が螺着するネジ穴が設けられた挿入係止部(10)と、を有し、ガイド壁部の背面側に取付板部が設けられ、取付板部の背面側に挿入係止部が設けられ、第2軸部がガイド壁部の貫通穴と取付板部の貫通穴に挿通した状態で、挿入係止部のネジ穴に螺着されていて、軸部と挿入係止部の間にガイド壁部と取付板部が固定されていることを特徴とするものとしてもよい。
また、第6-2の構成として、上記第6-1の構成において、中心構成部が、糸取りばね装着部の正面側の端部から連設された第3軸部(44)を有し、先端部は、カバー部(79)の正面から突出した筒状部で、第3軸部が挿入する穴部(73)を有する筒状部(76)が設けられ、第3軸部が穴部に挿入した状態で筒状部が第3軸部に固定されることにより、先端部が中心構成部に固定され、カバー部は、筒状部から連設され、該筒状部よりも外径が大きい外径を有する第2筒状部(74)と、第2筒状部の外周面に設けられ、背面側に突出した磁気センサ取付部(78)を有し、磁気センサは、磁気センサ取付部に取り付けられていることを特徴とするものとしてもよい。
また、第7には、上糸経路における天秤の上流側に設けられたミシン用糸張力付与装置であって、第1電磁石を収納するための第1収納部(132)を有する第1電磁石ホルダ(120)と、第2電磁石を収納するための第2収納部(152)を有する第2電磁石ホルダ(140)とを有する電磁石ホルダユニットであって、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダとが互いに間隔を介して設けられ、第1収納部の第2電磁石ホルダ側に開口部(132K)が設けられるとともに、第2収納部の第1電磁石ホルダ側に開口部(152K)が設けられ、2つの開口部が互いに対向して設けられた電磁石ホルダユニット(119)と、第2電磁石側に吸着面(162a)を有する第1電磁石で、第1収納部の第2電磁石ホルダ側を左側とし第2収納部の第1電磁石ホルダ側を右側とした場合に、左右方向に移動可能に第1収納部内に収納された第1電磁石(160)と、第1電磁石側に吸着面(172a)を有する第2電磁石で、左右方向に移動可能に第2収納部内に収納された第2電磁石(170)と、第1電磁石と第2電磁石の間に設けられた第1糸押さえ皿(180)と、第1電磁石と第2電磁石の間で、第1糸押さえ皿よりも第2電磁石側に設けられ、第1糸押さえ皿と対向して設けられた第2糸押さえ皿(190)と、を有し、第1糸押さえ皿と第2糸押さえ皿の間に上糸経路が設けられ、第1電磁石と第2電磁石を励磁して、第1電磁石と第2電磁石とを吸引させることにより、第1糸押さえ皿と第2糸押さえ皿で上糸を挟んだ状態として、上糸に張力を付与することを特徴とする。
よって、糸張力を付与する場合に、第1電磁石と第2電磁石が吸引するように第1電磁石と第2電磁石を励磁すればよく、特に、第1電磁石と第2電磁石を同時に励磁することにより、素早く第1電磁石と第2電磁石を吸引させることができるので、張力付与の応答を高速で行なうことができる。
また、糸張力付与を遮断する場合にも、第1電磁石への電流の供給と第2電磁石への電流の供給を停止することにより、電磁石を逆励磁しなくても糸張力付与を遮断することができる。また、第1電磁石への電流の供給と第2電磁石への電流の供給を同時に停止することにより、第1電磁石と第2電磁石の励磁を素早く遮断して張力遮断の応答を高速で行なうことができる。
また、糸張力を付与しない場合には、第1電磁石と第2電磁石への電流供給を停止すればよく、電磁石を逆励磁しつづけなくてもいいので、第1電磁石と第2電磁石の発熱を抑えることができ、第1電磁石と第2電磁石を小型化することができる。
また、2つの電磁石により糸張力を付与するので、大きな糸張力を付与することができ、結果として、糸張力がない状態から該大きな糸張力まで幅広い範囲の糸張力を付与することができる。
また、第8には、上記第7の構成において、ミシン用糸張力付与装置が、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダを連結する第1連結部材で、円柱状の外周面を有する第1連結部材(134)と、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダを連結する第2連結部材で、円柱状の外周面を有する第2連結部材(136)とを有し、第1連結部材と第2連結部材は、円柱状の外周面の軸線を左右方向にして設けられ、第1連結部材は、電磁石ホルダユニットの背面部分に設けられるとともに、第2連結部材は、電磁ホルダユニットの正面部分に設けられ、第1連結部材と第2連結部材は、第1糸押さえ皿及び第2糸押さえ皿を介して相対する位置に設けられ、糸張力付与部の上流から導かれた上糸の上糸経路は、第1連結部材から第2連結部材に至った後に第1連結部材に戻り、その後、糸取りばね機構部に至ることを特徴とする。
よって、第1連結部材と第2連結部材の2つの連結部材を利用して、第1糸押さえ皿と第2糸押さえ皿の間に上糸経路を設けることができ、特に、上糸経路が、第1連結部材から第2連結部材に至った後に第1連結部材に戻るので、2つの上糸経路を第1糸押さえ皿と第2糸押さえ皿の間に設けることができ、効率的に上糸に張力を付与することができる。
また、第9には、上記第7又は第8の構成において、第1収納部と第2収納部の2つの収納部のうちのいずれかの収納部である対象収納部には、該対象収納部に収納された電磁石で第1電磁石と第2電磁石のいずれかである電磁石を対象収納部の開口部側に付勢する付勢手段(200)が設けられていることを特徴とする。
よって、第1電磁石と第2電磁石が励磁されていない場合でも、第1糸押さえ皿の板状部と第2糸押さえ皿の板状部が互いに接した状態となるとともに、第1糸押さえ皿が第1電磁石に接し、第2糸押さえ皿が第2電磁石に接した状態になっているので、第1電磁石と第2電磁石を励磁した際に、即座に上糸に張力を付与することができ、張力付与の応答をより高速に行なうことができる。
本発明に基づくミシン用糸張力制御装置及びミシン用糸張力付与装置によれば、糸張力を付与する場合に、第1電磁石と第2電磁石が吸引するように第1電磁石と第2電磁石を励磁すればよく、特に、第1電磁石と第2電磁石を同時に励磁することにより、素早く第1電磁石と第2電磁石を吸引させることができるので、張力付与の応答を高速で行なうことができる。
また、糸張力付与を遮断する場合にも、第1電磁石への電流の供給と第2電磁石への電流の供給を停止することにより、電磁石を逆励磁しなくても糸張力付与を遮断することができる。また、第1電磁石への電流の供給と第2電磁石への電流の供給を同時に停止することにより、第1電磁石と第2電磁石の励磁を素早く遮断して張力遮断の応答を高速で行なうことができる。
また、糸張力を付与しない場合には、第1電磁石と第2電磁石への電流供給を停止すればよく、電磁石を逆励磁しつづけなくてもいいので、第1電磁石と第2電磁石の発熱を抑えることができ、第1電磁石と第2電磁石を小型化することができる。
また、2つの電磁石により糸張力を付与するので、大きな糸張力を付与することができ、結果として、糸張力がない状態から該大きな糸張力まで幅広い範囲の糸張力を付与することができる。
また、本発明に基づくミシン用糸張力制御装置によれば、糸取りばね機構部における糸係止ユニットの挙動に基づく磁気センサの検知結果に応じて第1電磁石と第2電磁石を制御し、ミシンにおける制御部における他の制御信号とは関連しないので、既存のミシンへの取付けが容易である。
糸張力制御装置と糸張力制御装置のミシンへの取付け状態を示す斜視図である。 糸取りばね機構部の斜視図である。 糸取りばね機構部の分解斜視図である。 糸取りばね機構部の要部断面図である。 糸張力付与部の斜視図である。 糸張力付与部の左側面側から見た斜視図である。 糸張力付与部の右側面側から見た斜視図である。 糸張力制御装置の使用状態を示す側面図である。 糸張力付与部の使用状態を示す断面図である。 糸張力制御装置の使用状態を示す正面図である。 ミシンの構成を示す説明図である。 刺繍データの構成を示す説明図である。 電流データの構成を示す説明図である。 主軸データの構成を示す説明図である。 ミシンの動作を示す説明図である。 糸張力制御装置の動作を示すフローチャートである。 第1変形例の糸張力制御装置を示す正面図である。 第1変形例の糸張力制御装置を示す斜視図である。 第1変形例の糸張力制御装置を示す分解斜視図である。 第2変形例の糸張力制御装置を示す正面図である。 第3変形例の糸張力制御装置を示す正面図である。
本発明においては、糸取りばねの変位を検出することにより、上糸張力を付与することができる上糸張力制御装置であって、張力付与への応答を高速に行なうことができるとともに、電磁石を逆励磁しつづけなくても、糸張力付与を遮断することができる上糸張力制御装置を提供するという目的を以下のようにして実現した。
本発明に基づくミシン用糸張力制御装置としての糸張力制御装置1は、図1~図16に示すように構成され、糸取りばね機構部5と、糸張力付与部105と、制御回路316とを有し、糸取りばね機構部5は、糸張力付与部105の下方に設けられる。
糸取りばね機構部5は、図1~図4、図8、図10に示すように構成され、ミシン300のアーム部301の筐体部302に挿入して取り付けるための挿入係止部10と、挿入係止部10の正面側に設けられる板状の取付板部20と、取付板部20の正面側に取り付けられるガイド壁部30と、挿入係止部10、取付板部20、ガイド壁部30と、先端ユニット70に挿通し、糸取りばね機構部5の中心を構成する中心構成ユニット40と、中心構成ユニット40に固定して取り付けられた糸取りばねユニット50と、糸取りばね機構部5の正面側の先端を構成する先端ユニット70と、先端ユニット70に設けられた磁気センサ(磁力センサとしてもよい)80とを有している。なお、挿入係止部10と取付板部20とガイド壁部30と中心構成ユニットにおける中心構成部41と先端ユニット70とで、ミシンに着脱自在に固定される固定ユニット9が構成される。
ここで、挿入係止部10は、略円形の筒状を呈し、円筒状の筒状部12と、筒状部12の正面側に設けられた環状部14と、筒状部12の背面側に設けられた係止部16とを有し、環状部14は、板状の環状を呈し、係止部16は、板状の環状における両側の端部を欠切した形状を呈し、互いに対向する円弧状辺部と互いに平行な直線状の辺部により囲まれた板状を呈し、環状部14の直径と係止部16の円弧状辺部における直径は、筒状部12の直径よりも大きく形成され、挿入係止部10を筐体部302に設けられた取付け穴302a(図8参照)に挿入した後に回転させることにより、係止部16が該取付け穴302aに係止することにより、糸取りばね機構部5が筐体部302に取り付けられるようになっている。
この挿入係止部10には、正面側の端部から背面側の端部にまでネジ穴11が設けられていて、このネジ穴11には、中心構成部41(後述)における軸部48が螺合するようになっている。
また、取付板部20は、円形の外形を有する板状を呈し、正面側の面と背面側の面は平面状を呈し、中央には円形の貫通穴21が設けられ、貫通穴21の直径は軸部48の直径と略同一であり、貫通穴21には軸部48が挿通可能となっている。取付板部20の直径は、環状部14の直径よりも大きく形成されている。糸取りばね機構部5を筐体部302に取り付けた場合に、取付板部20の背面側の面が筐体部302に接した状態で取り付けられる。
また、ガイド壁部30は、環状の凸状を呈し、周状に正面側(つまり、糸取りばね装着部42側)に突出する形状を有している。すなわち、ガイド壁部30は、環状の板状を呈する中心部32と、中心部32の外周端から連設された環状凸部34とを有し、環状凸部34は、中心部32の外周端から連設され、正面側にいくほど径が大きくなる筒状を呈する内側傾斜部35と、内側傾斜部35の中心部32とは反対側の端部から連設され、環板状を呈する凸面部36と、凸面部36の外周端から連設され、背面側にいくほど径が大きくなる筒状を呈する外側傾斜部37とを有している。ガイド壁部30は、軸部46の背面側に設けられ、軸部46の外径(直径)よりも大きい外径(直径)を有している。
中心部32の中央には貫通穴31が設けられ、内側傾斜部35と外側傾斜部37は略円錐台状を呈している。凸面部36の正面側の面は、軸線P(図3参照)に対して直角となっている。
このガイド壁部30は、軸部46(後述)の周面に接して導かれる上糸Jに接する部材であり、上糸がガイド壁部30に接した状態とすることにより、上糸の前後方向(図3のY1-Y2方向(軸線Pの方向)、図4では左右方向)の位置を安定させることができ、特に、図8に示すように、糸張力付与部105から導かれた上糸が軸部46の前後方向略中央位置で軸部46に接した後に、ガイド部材304との係止位置を軸部46の前後方向略中央位置よりも背面側として、上糸が軸部46に接した状態ではなるべくガイド壁部30側となるようにすることにより、上糸の糸取りばね機構部5における前後方向の位置を安定させることができ、また、ガイド壁部30の環状凸部34は、図4に示すように、軸部46の前後方向(図4では左右方向)の略中央位置にまで突出しているので、上糸を軸部46の前後方向のなるべく略中央に位置させることができる。
なお、図4は、磁気センサ取付部78と磁気センサ80以外の部材を要部とした要部断面図となっている。
また、上糸Jがガイド壁部30に接する際には、凸面部36に接するが、凸面部36は環状凸部34の正面側の端部に設けられていて、凸面部36の面積が小さく形成されているので、上糸Jが接触する面積も小さく、上糸Jがガイド壁部30に接触しても円滑に上糸Jを天秤306側に移送させることができる。
なお、貫通穴31の直径は軸部48の直径と略同一であり、貫通穴31には軸部48が挿通可能となっている。
また、中心構成ユニット40は、全体に略軸状を呈する中心構成部41と、中心構成部41に固定された糸取りばねユニット50とを有している。
中心構成部41は、円柱状の糸取りばね装着部42と、糸取りばね装着部42の正面側の面から連設された軸部44と、糸取りばね装着部42の背面側の面から連設された軸部46と、軸部46の背面側の面から連設された軸部48とを有している。
糸取りばね装着部42は、円柱状を呈し、正面側の面と背面側の面が平面状に形成されている。つまり、糸取りばね装着部42は、円柱状の周面を有している。
また、軸部(第3軸部)44は、円柱状を呈し(つまり、円柱状の周面を有している)、軸部44の直径は、糸取りばね装着部42の外径(直径)や、軸部46の外径(直径)よりも小さく形成されている。
また、軸部46は、円柱状を呈し(つまり、円柱状の周面を有している)、軸部46の外径は糸取りばね装着部42の外径よりも小さく形成されるとともに、中心部32の外径(直径)よりも小さく形成され、さらに、貫通穴31よりも大きく形成されている。つまり、糸取りばね機構部5を組み立てた状態では、軸部46の背面側の面は、中心部32の正面側の面に接した状態となっている。
なお、軸部46の軸線方向(前後方向)(図3のY1-Y2方向(軸線Pの方向))の長さは、内側傾斜部35の軸線方向の長さよりも長く形成され、これにより、糸取りばね装着部42の背面側の端部とガイド壁部30の凸面部36との間には軸線方向に間隔W(図8参照)が設けられている。
軸部46は、糸取りばね装着部42やガイド壁部30に挟まれて、糸取りばね装着部42やガイド壁部30よりも小径に形成されているので、上糸を軸部46の周面に接した状態としやすくできる。つまり、軸部46の周面に接した位置が上糸経路となる。
また、軸部(第2軸部)48は、略円柱状を呈し、円柱状における背面側の先端がテーパー状(つまり、円錐台状)に形成された形状となっている。つまり、軸部48の直径は、軸部46の直径よりも小さく形成され、軸部48における円柱状の周面にはネジ溝が形成されている。
軸部48を挿入係止部10に螺合して締め付けた状態では、軸部46と挿入係止部10の間に取付板部20とガイド壁部30が挟まれた状態で固定される。
なお、糸取りばね装着部42と軸部44、46、48における各軸線は一致している。
また、糸取りばねユニット50は、線状部材により形成された糸取りばね51と、糸取りばね51に取り付けられた磁石部64とを有している。
糸取りばね51は、糸取りばね装着部42に巻回されて糸取りばね装着部42に固定された巻回部52と、巻回部52の端部から連設された突出部54と、突出部54の先端から連設された糸係止部56とを有している。糸係止部56と突出部54により、糸係止ユニット57が構成される。
巻回部52は、糸取りばね装着部42の外周面に沿って周状に巻回されていて、巻回部52の端部(突出部54側とは反対側の端部)が糸取りばね装着部42に固定されている。つまり、該端部を糸取りばね装着部42の表面に設けられた穴部に差し込む等して巻回部52が糸取りばね装着部42の周面に固定されている。巻回部52は、固定ユニット9に固定された固定部にあたる。
突出部54は、巻回部52の端部から屈曲して形成され略直線状を呈し、巻回部52側である基端側から糸係止部56側である先端側に行くに従い、糸取りばね装着部42の外周面から遠ざかるように、該外周面に対して突出して形成されている。
糸係止部56は、突出部54の先端から略直角に屈曲して形成された基端部58と、基端部58の先端から連設された中間部60と、中間部60の先端から連設された先端部62とを有し、基端部58と先端部62は、略直線状を呈し、中間部60は、略円弧状を呈している。つまり、糸係止部56は全体に略U字状を呈し、基端部58と先端部62は間隔を介して略平行となっている。なお、基端部58と先端部62は同一の仮想平面上に配置されるが、該仮想平面は、軸線Pに対して平行であり、基端部58と先端部62の方向は軸線Pに対して略直角の方向となる。
なお、糸係止部56の軸線方向における位置は、間隔Wの範囲が、基端部58と先端部62間の間隔U(図8参照)の範囲に含まれる位置であり、好ましくは、間隔Wの軸線方向における中間位置(間隔Wの範囲における一方の端部と他方の端部から等距離の位置)が、間隔Uの軸線方向における中間位置(間隔Uの範囲における一方の端部と他方の端部から等距離の位置)と略一致する位置である。
上糸Jは、糸係止部56の内側を通り、天秤306により上糸Jが引っ張られると、上糸Jが中間部60に係止して、糸係止ユニット57が巻回部52に対して回動する。
また、磁石部64は、中央に貫通穴を有する筒状(具体的には、円筒状)の永久磁石であり、該貫通穴に突出部54が挿通された状態で磁石部64が突出部54に固定されている。なお、磁気センサ80により磁気を検知できればよいので磁化の方向は任意であるが、例えば、貫通穴の軸線に対して直角の境界面を介して一方をN極とし他方をS極とする。つまり、貫通穴の軸線方向における中央を介して一方をN極とし他方をS極とする。その場合、N極とS極の位置としては、N極を突出部54の先端側としていもいいし、S極を突出部54の先端側としてもよい。
先端ユニット70は、筒状を呈する先端部72と、ビス77と、先端部72の外周面に設けられた磁気センサ取付部78とを有している。
先端部72は、円筒状を呈する筒状部74と、筒状部74の正面に設けられた先端壁部75と、先端壁部75から正面側に突出して形成された円筒状の筒状部76とを有し、先端壁部75と筒状部76には、貫通穴73が設けられている。貫通穴73の直径は、軸部44の直径と略同一であり、軸部44が貫通穴73に挿通可能となっている。また、筒状部76の外径は筒状部74の外径よりも小さく形成されている。
ここで、筒状部74の内径は、糸取りばね装着部42の外径よりも大きく形成され、巻回部52を取り付けた状態の糸取りばね装着部42を配置可能な大きさに形成されていて、中心構成ユニット40に先端ユニット70を取り付けた状態では、図4に示すように、筒状部74の内周面と糸取りばね装着部42の外周面の間には隙間が形成されている。
また、筒状部76には、ビス77を螺合するためにネジ穴76aが軸線方向と直角の方向に形成されていて、軸部44を貫通穴73に挿通した状態でビス77をネジ穴76aに螺合して、ビス77の先端により軸部44を押さえることにより先端ユニット70が軸部44に固定される。
また、磁気センサ取付部78は、略直方体形状を呈し、筒状部74の外周面に固定され、磁気センサ取付部78は、筒状部74の背面側の端部よりも背面側に突出して形成されている。つまり、磁気センサ取付部78の側面には磁気センサ80が固定されるが、磁気センサ80が磁石部64に近接した位置で磁石部64と対向するように、磁気センサ取付部78は、筒状部74の背面側の端部よりも背面側に突出している。
なお、筒状部74と磁気センサ取付部78とで、「糸取りばね装着部の外径よりも大きい内径の内周面を有し、略筒状を呈するカバー部79」が構成され、カバー部79は、図4等に示すように、糸取りばね装着部42の後端領域を除いて糸取りばね装着部42の外側をカバーしており、中心構成部41は、カバー部79の内周面の内側に設けられている。巻回部52のための空間を確保するために、カバー部79の内周面と糸取りばね装着部42の外周面の間には間隔が設けられている。
また、磁気センサ80は、磁気センサ取付部78の側面に固定され、具体的には、磁気センサ取付部78の側面における背面側の端部領域(つまり、磁気センサ取付部78における筒状部74の背面側の端部から背面側に突出した領域)に設けられている。これにより、先端ユニット70を中心構成部41に取り付けた状態では、図4、図8に示すように、磁気センサ80の軸線方向(軸線Pの方向)の位置と磁石部64の軸線方向(軸線Pの方向)の位置とは略一致していて、磁石部64は、磁気センサ80と接近した状態となっている。つまり、糸係止ユニット57が巻回部52に対して回動していない状態で、磁気センサ80は、磁石部64に対して対向して設けられている。なお、糸取りばねユニット50における突出部54と糸係止部56は、筒状部74の背面側の端部よりも背面側に位置しているので、突出部54や糸係止部56からなる糸係止ユニット57が回動する際に、筒状部74が邪魔になることがなく、また、磁石部64は、筒状部74の外周面の仮想延長面よりも外側(軸線Pから遠い側)に設けられているので、磁石部64が糸係止ユニット57とともに回動する際に、筒状部74が邪魔になることがない。
なお、筒状部74と磁気センサ取付部78とでカバー部79が構成され、磁気センサ80は、磁気センサ取付部78の側面における背面側の端部領域に設けられているので、磁気センサ80は、カバー部79の背面側の端部領域に設けられているといえる。
糸取りばね機構部5を組み立てた状態では、軸部48を挿入係止部10のネジ穴11に螺合させて締め付けることにより、挿入係止部10が軸部48に固定されるとともに、ガイド壁部30と取付板部20が軸部46により挿入係止部10側に押しつけられて固定され、さらに、軸部44を貫通穴73に挿通した状態でビス77により固定することにより、先端ユニット70が軸部44に固定されている。
また、上記のように、挿入係止部10と取付板部20とガイド壁部30と中心構成ユニットにおける中心構成部41と先端ユニット70とで固定ユニット9が構成されるので、糸取りばね51や磁気センサ80は、固定ユニットに設けられているといえる。
糸取りばね機構部5は、上記のように構成されていて、糸張力付与部105から搬送された上糸Jは、軸部46の右側面側(X2側)から軸部46の周面の下側部分に接し、その後、糸係止部56に係止した後に、ガイド部材304を介して、天秤306に至る。そして、天秤306が上昇することにより、上糸Jが引っ張られると、糸係止部56が下方に回動し、糸係止部56が下方に回動することにより突出部54も回動する(つまり、糸係止ユニット57全体が回動する)ので、これにより、磁石部64が磁気センサ80から離れる。磁石部64が磁気センサ80から離れると、磁気センサ80により検出される磁力が弱くなる。
なお、糸取りばね機構部5を構成する各部材(具体的には、挿入係止部10、取付板部20、ガイド壁部30、中心構成部41、先端ユニット70(先端部72、磁気センサ取付部78等))は、非磁性体により構成する。つまり、磁石部64が磁性体に吸引されて磁石部64に外力が加わることにより、上糸Jが糸係止部56に係止することにより糸係止部56が回動する際の支障とならないように、糸取りばね機構部5を構成する各部材は非磁性体とする。なお、非磁性体としては、アルミニウムやステンレスが挙げられ、強度に問題がなければ合成樹脂でもよい。
次に、糸張力付与部(ミシン用糸張力付与装置)105は、図1、図5~図10に示すように構成され、ミシン300のアーム部301の筐体部302に取り付けるための取付板部110と、電磁石160を収納するための電磁石ホルダ120と、棒状部材(第1連結部材)134と、筒状部材(第2連結部材)136と、電磁石170を収納するための電磁石ホルダ140と、電磁石160と、電磁石170と、電磁石160と電磁石170間に設けられた糸押さえ皿180、190と、電磁石170と電磁石ホルダ140の間に設けられたばね200と、上糸ガイド部210とを有している。なお、電磁石ホルダ120と棒状部材134と筒状部材136と電磁石ホルダ140とビス137、154(後述)とで、電磁石ホルダユニット119が構成される。
取付板部(固定部材)110は、縦長長方形状の板状を呈し、取付板部110の上側領域には、筐体部302に取り付けるとともに上糸ガイド部210を取り付けるためのネジを挿通するための挿通穴110aや、上糸ガイド部210を取り付けるためのネジを螺着するためのネジ穴110bが設けられ、下側領域には、筐体部302に取り付けるためのネジを挿通するための挿通穴110cが設けられ、さらに、上側領域と下側領域の間の中間領域には、電磁石ホルダ120を取り付けるためのネジを挿通するためのネジ穴110dが設けられている。
また、電磁石ホルダ(第1電磁石ホルダ)120は、電磁石160を収納するための収納部(第1収納部)132が左側面側(X1側)に開口したホルダであり、ホルダ本体121とを有し、ホルダ本体121は、上面部122と、上面部122の正面側(Y1側)の端部分から下方に向けて連設された正面部124と、上面部122の背面側(Y2側)の端部分から下方に向けて連設された背面部126と、上面部122の右側面側(X2側)の端部分と正面部124の右側面側の端部分と背面部126の右側面側の端部分とから連設された右側面部128と、正面部124の下端部分と背面部126の下端部分と右側面部128の下端部分から連設された底面部130とを有していて、上面部122の右側面側の面と、右側面部128の右側面側の面と、底面部130の右側面側の面とは、1つの平面を構成し、上面部122の左側面側の面と、正面部124の左側面側の面と、背面部126の左側面側の面と、底面部130の左側面側の面とは、1つの平面を構成している。
底面部130には、左側面側の端部から右側面側に向けて帯状に形成された切欠部129が形成され、該切欠部129の上側には、収納部132が設けられている。
収納部132は、開口部132K側の端部領域が他の領域よりも大径に形成された収納部であり、収納部本体132-1と、収納部本体132-1よりも大径に形成された大径部132-2を有している。
収納部本体132-1は、円柱状の周面に沿った内周面132aと、該内周面132aから連設された右側面側の平面132bとで囲まれた空間であり、内周面132aの径は、電磁石160を収納可能なように、電磁石160の外径よりも大きく形成され、糸押さえ皿180の外径よりも小さく形成されている。糸張力付与部105が組み立てられた状態では、収納部本体132-1には、電磁石160が収納される。
また、大径部132-2は、円柱状の周面に沿った内周面132cと、内周面132cから連設された環状の平面132dとに囲まれた空間であり、内周面132cの径は、糸押さえ皿180を収納可能なように、糸押さえ皿180の外径よりも大きく形成されている。糸張力付与部105が組み立てられた状態では、大径部132-2には、糸押さえ皿180が配置される。平面132dは、内周面132aからも連設されている。
また、収納部132の軸線方向(軸線Qの方向)の長さ(内周面132aの軸線方向の長さと内周面132cの軸線方向の長さを加算した長さ)は、電磁石160の軸線方向の長さと略同一であるが、電磁石160の軸線方向の長さよりも長い長さであってもよい。
また、大径部132-2の軸線方向の長さ(内周面132cの長さ)は、糸押さえ皿180の厚みと略同一又は糸押さえ皿180の厚みよりも長く形成されている。
また、内周面132a、132cの下端からは、切欠部129を構成する一対の壁面129a、129bが連設され、壁面129a、129bの右側面側の端部からは平面132bが連設されている。内周面132a、132cの中心線は、軸線Qの方向(左右方向(X1-X2方向))を向いている。収納部132は、電磁石ホルダ140側に開口部132Kを有している。
電磁石ホルダ120の正面部124の底面側(Z1側)の端部分には、筒状部材136を挿通するための貫通穴125が設けられ、上面部122の背面側の端部分には、棒状部材134を挿通するための貫通穴127が設けられている。なお、底面部130の下面と貫通穴125の間には、ビス137を螺着するためのネジ穴が設けられている。
また、棒状部材134は、円柱状の外周面を有する棒状部材であり、電磁石ホルダ120と電磁石ホルダ140とを連結する。棒状部材134は、円柱状の外周面の軸線を左右方向にして設けられる。棒状部材134は、電磁石ホルダ120、140の背面部分における上面側(Z2側)に設けられている。
また、筒状部材136は、円柱状の外周面を有する筒状部材であり、電磁石ホルダ120と電磁石ホルダ140とを連結する。筒状部材136は、円柱状の外周面の軸線を左右方向にして設けられる。筒状部材136は、電磁石ホルダ120、140の正面部分における底面側に設けられている。筒状部材136には、電磁石170の配線が挿通される。
つまり、棒状部材134と筒状部材136は、糸押さえ皿180、190を介して相対する位置に設けられている。なお、棒状部材134が、電磁石ホルダ120、140の背面部分における上面側に設けられ、筒状部材136が、電磁石ホルダ120、140の正面部分における底面側に設けられているとしたが、棒状部材134が電磁石ホルダ120、140の背面部分に設けられるとともに、筒状部材136が電磁石ホルダ120、140の正面部分に設けられ、棒状部材134と筒状部材136が糸押さえ皿180、190を介して相対する位置に設けられていればよい。
棒状部材134と筒状部材136を糸押さえ皿180、190を介して相対する位置に設けることにより、棒状部材134と筒状部材136を利用して糸押さえ皿180と糸押さえ皿190の間に上糸経路を設けることができ、特に、図9に示すように、上糸経路を棒状部材134から筒状部材136に至った後に棒状部材134に戻るように設けることにより、2つの上糸経路を糸押さえ皿180と糸押さえ皿190の間に設けることができ、効率的に上糸に張力を付与することができる。
また、電磁石ホルダ120の背面側の面には、取付板部110に電磁石ホルダ120を取り付けるためのネジ226、228を螺着することができるように、ネジ穴138a、138bが設けられている。
また、電磁石ホルダ(第2電磁石ホルダ)140は、電磁石170を収納するための収納部(第2収納部)152が右側面側に開口したホルダであり、上面部142と、上面部142の正面側の端部分から下方に向けて連設された上正面部144-1と、上面部122の背面側の端部分から下方に向けて連設された背面部146と、上面部142の左側面側の端部分と上正面部144-1の左側面側の端部分と背面部146の左側面側の端部分とから連設された左側面部148と、背面部146の下端部分と左側面部148の下端部分とから連設された底面部150と、底面部150の正面側の端部分と左側面部148の下側部分とから連設された下正面部144-2とを有していて、上面部142の左側面側の面と、左側面部148の左側面側の面と、底面部150の左側面側の面とは、1つの平面を構成し、上面部142の右側面側の面と、上正面部144-1の右側面側の面と、背面部146の右側面側の面と、底面部150の右側面側の面と、下正面部144-2の右側面側の面とは、1つの平面を構成している。
下正面部144-2は、左右方向に板状に形成された下正面本体144-2aと、下正面本体144-2aの右側の端部から連設され、正面側に突出した突状部144-2bとを有し、下正面本体144-2aは、左側面部148及び底面部150から連設され、突状部144-2bは、底面部150から連設されている。上正面部144-1の下端と下正面部144-2の上端の間には、隙間149が形成されていて、該隙間149の背面側には、収納部152が設けられている。
収納部152は、開口部152K側の端部領域が他の領域よりも大径に形成された収納部であり、収納部本体152-1と、収納部本体152-1よりも大径に形成された大径部152-2を有している。
収納部本体152-1は、円柱状の周面に沿った内周面152aと、該内周面152aから連設された左側面側の平面152bとで囲まれた空間であり、内周面152aの径は、電磁石170を収納可能なように、電磁石170の外径よりも大きく形成され、糸押さえ皿190の外径よりも小さく形成されている。糸張力付与部105が組み立てられた状態では、収納部本体152-1には、電磁石170が収納される。
また、大径部152-2は、円柱状の周面に沿った内周面152cと、内周面152cから連設された環状の平面152dとに囲まれた空間であり、内周面152cの径は、糸押さえ皿190を収納可能なように、糸押さえ皿190の外径よりも大きく形成されている。糸張力付与部105が組み立てられた状態では、大径部152-2には、糸押さえ皿190が配置される。平面152dは、内周面152aからも連設されている。
また、収納部152の軸線方向(軸線Qの方向)の長さ(内周面152aの軸線方向の長さと内周面152cの軸線方向の長さを加算した長さ)は、収納部132の軸線方向の長さよりもばね200が収納される分長く形成され、電磁石170の軸線方向の長さよりも長く形成されている。
また、大径部152-2の軸線方向の長さ(内周面152cの長さ)は、糸押さえ皿190の厚みと略同一又は糸押さえ皿190の厚みよりも長く形成されている。
該内周面152a、152cの正面側の端部からは、上正面部144-1の下面と、下正面部144-2の上面が連設されている。内周面152a、152cの中心線は、軸線Qの方向を向いている。
収納部152は、電磁石ホルダ120側に開口部152Kを有している。なお、電磁石ホルダ120と電磁石ホルダ140とは、互いに間隔を介して設けられ、開口部132Kと開口部152Kは、互いに間隔を介して対向している。
また、上面部142の背面側の端部分から背面部146の上面側の端部分にかけての領域には、左右方向に凹部147が設けられ、凹部147は、円筒形状における内周面の一部を呈し、円柱状の棒状部材134が凹部147に嵌合するようになっている。
また、突状部144-2bには、円筒形状における内周面を呈する貫通穴145が左右方向に形成され、円筒形状の筒状部材136が挿通可能となっている。なお、突状部144-2bの下面と貫通穴145の間には、ビス154を螺着するためのネジ穴が設けられている。
また、電磁石(第1電磁石)160は、磁性体162と、磁性体162に巻回されたコイル164と、磁性体162及びコイル164を収納するカバー部166とを有し、磁性体162は、略円柱状を呈するとともに、磁性体162とコイル164の状態でも略円柱状を呈していて、カバー部166は、円筒状の一方の端部を円形板部で閉じた形状を有し、カバー部166は、円筒状の筒状部166aと、円形板部166bとを有している。電磁石160において、磁性体162の露出面(平面状の左側面側の露出面)が吸着面162aとなる。なお、電磁石160が収納部132内で左右方向に移動可能なように、カバー部166の直径は、電磁石ホルダ120の収納部132における内周面132aの直径よりも若干小さく形成されている。筒状部166aの中心線は、軸線Qの方向を向いている。
また、電磁石160の軸線方向(軸線Qの方向)の長さは、収納部132の軸線方向の長さ(内周面132aの軸線方向の長さと内周面132cの軸線方向の長さを加算した長さ)と略同一であるが、収納部132の軸線方向の長さよりも短い長さであってもよい。
また、電磁石(第2電磁石)170は、電磁石160と同様の構成であり、電磁石170は、磁性体172と、磁性体172に巻回されたコイル174と、磁性体172及びコイル174を収納するカバー部176とを有し、磁性体172は、略円柱状を呈するとともに、磁性体172とコイル174の状態でも略円柱状を呈していて、カバー部176は、円筒状の一方の端部を円形板部で閉じた形状を有し、カバー部176は、円筒状の筒状部176aと、円形板部176bとを有している。電磁石170において、磁性体172の露出面(平面状の右側面側の露出面)が吸着面172aとなる。なお、電磁石170が収納部152内で左右方向に移動可能なように、カバー部176の直径は、電磁石ホルダ140の収納部152における内周面152aの直径よりも若干小さく形成されている。筒状部176aの中心線は、軸線Qの方向を向いている。
また、糸押さえ皿(第1糸押さえ皿)180は、略皿状を呈し、円形の板状(具体的には、平板状)の板状部182と、板状部182の周端から設けられた縁部184とを有し、縁部184は、板状部182の周端から離れるに従い、径が大きくなるテーパ状(つまり、略円錐台状)を呈している。なお、板状部182の径は、カバー部166の外径よりも大きく形成され、板状部182により電磁石160の左側面側の面を被覆できるようになっている。
また、糸押さえ皿(第2糸押さえ皿)190は、糸押さえ皿180と同様の構成であり、糸押さえ皿190は、略皿状を呈し、円形の板状(具体的には、平板状)の板状部192と、板状部192の周端から設けられた縁部194とを有し、縁部194は、板状部192の周端から離れるに従い、径が大きくなるテーパ状(つまり、略円錐台状)を呈している。なお、板状部192の径は、カバー部176の外径よりも大きく形成され、板状部192により電磁石170の右側面側の面を被覆できるようになっている。
また、ばね200は、コイルばねであり、ばね200の軸線(中心線)が軸線Qの方向を向いた状態で左側面部148と電磁石170の間の位置に設けられ、具体的には、ばね200の一方の端部が、左側面部148の内側の面、すなわち、収納部152の平面152bに固定して設けられ、他方の端部は、カバー部176の円形板部176bに接し、ばね200は、電磁石170を右側面側に付勢している。つまり、対象収納部としての収納部152には、電磁石170を収納部152の開口部152K側に付勢するばね(付勢手段)200が設けられている。
なお、糸押さえ皿180、190はばね200により付勢されており、電磁石160と電磁石170が2つとも励磁されていない場合でも、糸押さえ皿180の板状部182と糸押さえ皿190の板状部192が互いに接した状態となるとともに、糸押さえ皿180が電磁石160に接し、糸押さえ皿190が電磁石170に接した状態になっているので、電磁石160、170を励磁した際に、即座に上糸に張力を付与することができ、張力付与の応答をより高速に行なうことができる。また、糸押さえ皿180、190及び電磁石170がばね200により付勢されていて、糸押さえ皿180の縁部184が電磁石160の周端を覆うとともに、糸押さえ皿190の縁部194が電磁石170の周端を覆うので、電磁石160、170を励磁しない状態でも、糸押さえ皿180、190が糸張力付与部105から脱落することがない。また、糸押さえ皿180の一部が大径部132-2内に位置し、糸押さえ皿190の一部が大径部152-2内に位置しているので、これによっても、電磁石160、170を励磁しない状態でも、糸押さえ皿180、190が糸張力付与部105から脱落することがない。なお、ばね200の付勢力は、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190が接することができる最小の付勢力であればよい。
また、上糸ガイド部210は、巻き糸から送られた上糸Jを糸押さえ皿180と糸押さえ皿190間の位置に導くための部材であり、上糸ガイド部210は、縦板部212と、縦板部212の下端に固定された横板部214とを有している。
縦板部212は、方形状の板状を呈し、横方向の長さは取付板部110の横方向の長さと同一に形成され、縦方向の長さは、取付板部110の上端から電磁石ホルダ120の上面までの長さよりも短くされている。
また、横板部214は、長方形状の板状を呈して、水平方向に形成され、縦板部212に対して直角方向に形成されている。横板部214には、上糸Jを挿通するためのガイド穴215が設けられ、該ガイド穴215は、横板部214の正面側及び左側面側の角部に設けられているが、ガイド穴215を左右方向に糸押さえ皿180、190の位置の近くに配置するために、横板部214は、縦板部212の左側面側の端部よりも左側面側に突出している。横板部214の右側面側の端部は、縦板部212の右側面側の端部と一致している。つまり、横板部214は、縦板部212よりも左側面側に突出する分、横方向に縦板部212よりも長く形成されている。なお、横板部214には、ガイド穴215を配置するための穴部が設けられている。
ガイド穴215は、筒状を呈し、横板部214の穴部の内側に設けられた筒状部215aと、筒状部215aの上端から連設されたリング状部215bを有し、リング状部215bの外径は、筒状部215aの外径よりも大きく形成され、リング状部215bの外側の下面は、横板部214の上面に接している。リング状部215bの縦断面は、図9に示すように、一対の略半円状を呈し、上側が円弧状に形成されているので、上糸Jがガイド穴215に引っかかって損傷することがない。
上糸ガイド部210を取付板部110に取り付けた状態では、一対のネジ222がネジ穴110bに螺着された状態となっている。
なお、糸張力付与部105を構成する各部材で、電磁石160、170(ただし、カバー部166、176を除く)以外の部材(具体的には、取付板部110、電磁石ホルダユニット119(電磁石ホルダ120、140、棒状部材134、筒状部材136等)、糸押さえ皿180、190、ばね200、上糸ガイド部210)は、非磁性体により形成する。つまり、電磁石160、170を励磁することにより磁性体162、172同士が吸引する際の支障とならないように、上記の部材は非磁性体とする。なお、非磁性体としては、アルミニウムやステンレスが挙げられ、強度に問題がなければ合成樹脂でもよい。
糸張力付与部105を組み立てた状態では、電磁石160が電磁石ホルダ120の収納部132に収納され、電磁石170が電磁石ホルダ140の収納部152内に収納されるとともに、ばね200が電磁石ホルダ140の左側面部148とカバー部176の間に設けられ、電磁石160と電磁石170の間に糸押さえ皿180、190が設けられた状態で、電磁石ホルダ140が電磁石ホルダ120に取り付けられており、ビス137を電磁石ホルダ120に螺着し、ビス154を電磁石ホルダ140に螺着することにより、貫通穴125と貫通穴145に挿通された筒状部材136を電磁石ホルダ120と電磁石ホルダ140に固定し、また、棒状部材134を貫通穴127と凹部147に嵌合することにより、電磁石ホルダ140が電磁石ホルダ120に取り付けられる。また、上糸ガイド部210が取付板部110に取り付けられた状態となっている。
なお、電磁石160と電磁石170とは、磁性体162と磁性体172が互いに対向した向きに設けられていて(つまり、糸押さえ皿180、190を介して磁性体162と磁性体172が互いに対向している)、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190においては、板状部182、192の外側の面(各糸押さえ皿において、縁部側とは反対側の面)が互いに対向する向きに配置されていて、ばね200により付勢されているので、板状部182と板状部192が接した状態となっている。つまり、板状部182の外側の面182aが左側面側を向き、板状部192の外側の面192aが右側面側を向いていて、外側の面182aと外側の面192aとが互いに対向している。
糸張力付与部105を筐体部302に取り付けた状態では、一対のネジ220が挿通穴110aに挿通した状態で筐体部302のネジ穴302bに螺着され、一対のネジ224が挿通穴110cに挿通した状態で筐体部302のネジ穴302cに螺着される。
また、糸張力付与部105を筐体部302に取り付けた状態で、筐体部302における電磁石ホルダ120の右側面側には、電磁石160、170への配線を導出するための穴部が設けられ、電磁石160に対する配線は、電磁石ホルダ120の右側面側の面から電磁石ホルダ120の底面側に至り、切欠部129を介して電磁石160に至る。また、電磁石170に対する配線は、電磁石ホルダ120の右側面側の面から筒状部材136に至り、該配線が、筒状部材136の右側面側の端部から筒状部材136に入り、左側面側の端部から導出され、筒状部材136の左側面側の端部から導出された配線は、電磁石ホルダ140の隙間149を介して収納部152内の電磁石170に至る。
糸張力付与部105においては、電磁石160と電磁石170とが互いに吸引するように、電磁石160と電磁石170を励磁することにより、磁性体162と磁性体172が吸引しあって、電磁石160と電磁石170とが互いに接近する。例えば、磁性体162の吸着面をN極とし、磁性体172の吸着面をS極とすることにより、2つの吸着面が吸引し、電磁石160と電磁石170とが互いに接近する。すると、糸押さえ皿180が電磁石160に押されるとともに、糸押さえ皿190が電磁石170に押されて、糸押さえ皿180の板状部182と糸押さえ皿190の板状部192が互いに押しつけ合うので、板状部182と板状部192間の上糸Jを板状部182と板状部192により挟んだ状態とすることができ、上糸Jを挟んだ状態で天秤306により上糸Jを引っ張ることにより、上糸Jに張力が付与されることになる。
糸取りばね機構部5と糸張力付与部105がアーム部301の筐体部302に取り付けられた状態における糸取りばね機構部5と糸張力付与部105の位置関係としては、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190間を通過した上糸Jが軸部46の周面に接した後に糸係止部56に係止するようにするので、図1、図8、図10に示すように、糸張力付与部105の下方に糸取りばね機構部5が位置するようにし、好ましくは、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190間の境界線(鉛直方向の境界線)と、軸部46の周面の右側面側の位置における鉛直方向の接線とが一致する位置とする。
つまり、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190間の境界線(鉛直方向の境界線)の延長線が軸部46の右側面側の端部に接するようにし、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190間を鉛直方向に導かれた上糸Jが、鉛直方向の方向を変えることなく軸部46の周面に接し、軸部46の周面に接した後は、軸部46の周面に沿って左側面側にカーブし、その後、軸部46の周面を離れて糸係止部56に係止する。
このように、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190間の境界線(鉛直方向の境界線)と、軸部46の周面における鉛直方向の接線とが一致する位置(境界線と接線がとが一致する位置)とすることにより、糸張力付与部105から導出された上糸Jが円滑に糸取りばね機構部5に導かれて、上糸Jに不必要な負荷がかかることがない。例えば、境界線と接線とが一致する位置に対して糸取りばね機構部5が左右のいずれかにずれた場合には、上糸Jは、糸押さえ皿180、190の下端に接触して該下端で曲がってしまい、上糸Jに負荷がかかったり、上糸Jが電磁石ホルダ120、140の下端に接触して上糸Jに負荷がかかるおそれがあるが、境界線と接線がとが一致する位置であればそのようなおそれがない。
また、糸取りばね機構部5は、図1、図10に示すように、筐体部302に取り付けられたガイド部材304の近傍に設けられ、ガイド部材304は、上糸経路における糸係止部56と天秤306との間の位置に設けられ、天秤306が上糸Jをひっぱった際(図1の例では、上方にひっぱった際)に、上糸Jが糸係止ユニット57をひっぱって下方へ回動させる(具体的には、磁石部64が磁気センサ80から離れる方向に回動させる)ことができる位置に設けられ、具体的には、上糸Jが糸係止部56をひっぱっていない状態で、糸係止部56の中間部60の斜め下方の位置(正面視において、中間部60に対して軸部46側とは反対側の斜め下方(つまり、図10の例では、左斜め下方))に設けられている。
糸張力付与部105が筐体部302に取り付けられた状態では、取付板部110の背面が筐体部302の正面側の面に接した状態となっていて、電磁石ホルダ120の左側面側の面や電磁石ホルダ140の右側面側の面が、筐体部302の正面側の面に対して直角で、上下方向を向いた仮想平面と平行になるように取り付けられる。これにより、糸押さえ皿180の板状部182の外側の面182aが左側面側を向き、糸押さえ皿190の板状部192の外側の面192aが右側面側を向く。
また、糸取りばね機構部5を筐体部302の正面側の面に取り付けた状態では、磁気センサ取付部78は、筒状部74の上側に位置し、磁気センサ80は、左側面側を向いている。また、磁石部64は、糸係止ユニット57が回動していない状態で、磁気センサ80の左側面側の斜め下方に位置し、糸係止部56は、糸取りばね装着部42の左側面側に位置している。
糸張力制御装置1を筐体部302に取り付けるには、糸取りばね機構部5と糸張力付与部105とを筐体部302に取り付けるが、糸取りばね機構部5を取り付けるには、挿入係止部10を取付け穴302aに挿入した後に挿入係止部10を回転させることにより係止部16を取付け穴302aに係止させる。
また、糸張力付与部105を筐体部302に取り付けるには、一対のネジ220を挿通穴110aに挿通した状態で筐体部302のネジ穴302bに螺着し、一対のネジ224を挿通穴110cに挿通した状態で筐体部302のネジ穴302cに螺着させる。つまり、取付板部110を筐体部302に取り付けることにより、糸張力付与部105を筐体部302に取り付ける。
糸張力制御装置1における上糸Jの経路について、図1、図8~図10を使用して説明すると、巻き糸から送られた上糸Jは、上糸ガイド部210のガイド穴215を通って、糸張力付与部105に至り、棒状部材134の周面に接した後に、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190の間を通って、筒状部材136の周面に接して反転し、さらに、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190の間を通って、棒状部材134の周面に接した後に下方に至って糸張力付与部105から脱して、糸取りばね機構部5に至る。つまり、上糸Jは、棒状部材134から筒状部材136に至った後に棒状部材134に戻ることにより、上糸Jを棒状部材134と筒状部材136間に懸架するようにして、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190の間を2回通るようにしている。
その後、糸取りばね機構部5に送られた上糸Jは、軸部46の周面に接した後に、糸係止部56に係止し、糸係止部56に係止した後にガイド部材304に係止し、その後、天秤306に至る。天秤306を経た上糸Jは、針棒308の縫い針に至る。
つまり、糸取りばね機構部5は、上糸経路における天秤306の上流側に設けられるとともに、糸張力付与部105は、上糸経路における糸取りばね機構部5の上流側に設けられて、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190の間に上糸経路が設けられている。
なお、糸張力制御装置1が設けられたミシンの構成を模式的に表すと、図11のようになり、天秤306、針棒308、釜310は、主軸312の回転力をカム機構又はベルト機構等の動力伝達手段を介して伝達することにより駆動し、主軸312は、主軸モータ314により駆動する。
また、制御回路(制御部)316は、主軸モータ314と電磁石160、170の動作を制御する回路であり、記憶装置318に記憶されたデータに従い、各部の動作を制御する。つまり、制御回路316は、記憶装置318から読み出された刺繍データに従い主軸データ(図14参照)を作成し、作成した主軸データに従い主軸モータ314の動作を制御する。また、磁気センサ80の検出結果に従い、電磁石160、170の動作を制御する。
そして、主軸角度(すなわち、主軸の回転方向の位置)、厳密には、主軸を駆動する主軸モータ314の角度(すなわち、主軸モータの回転方向の位置)に応じて、図15に示すように、天秤306、針棒308、釜の位置(上死点と下死点間の位置)が特定される。主軸角度は、主軸モータ314と制御回路316間に設けられたエンコーダにより検出される。
刺繍データは、図12に示すように、各ステッチごとに、ステッチ幅(すなわち、ステッチ幅の値)と、ステッチ方向(つまり、ステッチ方向を示す値)と、糸の種類のデータが格納されている。この刺繍データは、入出力装置320を介して外部から入力することにより、記憶装置318に記憶される。ここで、ステッチ方向としては、予め決められた方向(例えば、水平方向における一方の方向)に対する角度の値のデータとなっている。
また、記憶装置318には、電磁石160、170を励磁する際の電流値のデータを各ステッチごとに記憶した電流データ(図13)が格納されている。
この電流データにおける電流値は各ステッチにおけるステッチ幅、ステッチ方向、糸種類に従い作成されたものであり、例えば、ステッチ幅が長い場合には、上糸の締付けを強くする必要があるので、電流値を大きくし(ステッチ幅が短い場合には、電流値を小さくする)、また、ステッチの方向が前回のステッチの方向との角度の差が大きい場合には、もともと上糸の締付けが強いので、電流値を小さくし(ステッチの方向が前回のステッチの方向との角度の差が小さい場合には、電流値を大きくする)、また、糸の太さが太い場合には、上糸の締付けを強くする必要があるので、電流値を大きくする(糸の太さが細い場合には、電流値を小さくする)。また、上糸を強く締める場合には、電流値を大きくする(上糸を弱く締める場合には、電流値を小さくする。)。刺繍の仕上げを固くする場合には、電流値を大きくする。
上記構成の糸張力制御装置1の動作について説明する。ミシンにおいては、天秤306、針棒308、釜310は、主軸312の回転力をカム機構又はベルト機構等の動力伝達手段を介して伝達することにより駆動する。
また、天秤306が加工布に対して上糸Jを引っぱる区間、つまり、天秤306が上昇する区間であるとともに、針棒308が下降する区間において、上糸Jが加工布に対して締め付けられることから、天秤306が上昇するとともに針棒308が下降する区間において、糸張力付与部105により上糸Jを2つの糸押さえ皿180、190で挟むことにより上糸Jに張力を与えることができる。
そこで、天秤306が上昇して天秤306が上糸Jを引っ張ることにより、糸係止部56に係止した上糸Jが糸係止ユニット57を回動させ、磁石部64と磁気センサ80間の距離が長くなって、磁気センサ80により検知される磁力の値が予め定められた値よりも小さくなった場合(この場合を磁気センサ80により磁力がオフと検知されたものとする)に、2つの電磁石160、170を励磁して、電磁石160と電磁石170を互いに吸引させる。
磁気センサ80により磁力がオフと検知される場合の磁石部64の位置としては、天秤306が上昇するとともに、針棒308が下降する状態において、上糸Jが締め付けられるので、図15において、天秤306の上昇区間(約300度~約60度)と針棒が下降する区間(図15では、約0度~約180度)が重なる区間(つまり、約0度~約60度)におけるいずれかの位置に天秤306が位置する場合の磁石部64の位置の磁力をしきい値(予め定められた磁力の値)として、磁気センサ80により検知された磁力がしきい値未満となった場合に、磁力をオフと検知する。例えば、該区間における位置を10度の位置とした場合には、10度の位置に天秤306が位置する場合の磁石部64の位置における磁気センサ80の検出値をしきい値とする。
磁気センサ80により磁力がオフと検知された場合には、電磁石160と電磁石170を励磁して、電磁石160と電磁石170を吸引させ、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190により上糸Jを挟んだ状態として、上糸Jを挟んだ状態で天秤306が上糸Jを引っ張るので、上糸Jに対して張力が付与される。なお、電磁石160、170の磁力を大きくすれば、その分糸押さえ皿180、190で上糸Jを挟む力が強くなるので、上糸Jに付与される張力は大きくなる。
また、天秤306が上糸を引っ張る状態が解除されて、糸係止ユニット57がもとに戻るように回動し、磁石部64と磁気センサ80間の距離が短くなって、磁気センサ80により検知される磁力の値が予め定められた値以上となった場合(この場合を磁気センサ80により磁力がオンと検知されたものとする)に、2つの電磁石160、170の励磁を停止して、電磁石160と電磁石170の吸引を解除し、上糸への張力付与を解除する。
糸張力制御装置1の具体的な動作としては、図16のフローチャートに示すようになり、まず、対象ステッチを1(つまり、ステッチ1)とし(S1)、このステッチ1の期間において、磁気センサ80により磁力がオフと検知されるか否かが検知され(S2)、磁力がオフと検知された場合には、電流データから該当するステッチについての電流値を読み出し(S3)、読み出した電流値に従い、2つの電磁石160、170を励磁して、電磁石160と電磁石170を吸引させる(S4)。つまり、電磁石160と電磁石170が吸引するように電磁石160と電磁石170を励磁し、電磁石160と電磁石170を同時に励磁する。つまり、糸係止ユニット57が回動して、磁気センサ80により検知される磁力がオフとなった場合には、電磁石160、170を励磁して上糸に張力を付与する。
そして、糸係止ユニット57の回動がもとに戻って磁気センサ80により検知される磁力がオンになった場合には、電磁石160、170の励磁を停止する(S5、S6)。つまり、磁力がオンになった場合には、すでに天秤306は上糸を上方に引っ張っておらず、上糸に張力を付与する必要ないので、電磁石160、170の励磁を停止する。電磁石160、170の励磁を停止するには、電磁石160への電流の供給と電磁石170への電流の供給を停止し、電磁石160への電流の供給と電磁石170への電流の供給を同時に停止する。なお、磁力がオンになるまでは、電磁石160、170の励磁を継続する。
そして、対象ステッチが最終ステッチか否かが判定されて(S7)、最終ステッチである場合には、処理を終了し、最終ステッチでない場合には、対象ステッチを更新する(S8)。つまり、対象ステッチが1であった場合には、対象ステッチを2とする。
その後は、ステップS2に戻って、磁気センサ80によりオフが検出されたら、電流データからステッチ2についての電流値を読み出して(S3)、該電流値に従い電磁石160、170を励磁し(S4)、オンが検出されるまで励磁を続ける(S5、S6)。以上の動作を繰り返して、各ステッチごとに上糸に張力を付与していく。
以上のように、本実施例の糸張力制御装置1によれば、糸張力を付与する場合に、電磁石160と電磁石170が吸引するように電磁石160と電磁石170を励磁すればよく、特に、電磁石160と電磁石170を同時に励磁することにより、素早く電磁石160と電磁石170を吸引させることができるので、張力付与の応答を高速で行なうことができる。
また、糸張力付与を遮断する場合にも、電磁石160への電流の供給と電磁石170への電流の供給を停止することにより、電磁石を逆励磁しなくても糸張力付与を遮断することができる。また、電磁石160への電流の供給と電磁石170への電流の供給を同時に停止することにより、電磁石160、170の励磁を素早く遮断して張力遮断の応答を高速で行なうことができる。張力付与の応答と張力遮断の応答を高速に行なうことができるので、ステッチごとに張力制御を行なうことができる。
また、糸張力を付与しない場合には、電磁石160、170への電流供給を停止すればよく、電磁石を逆励磁しつづけなくてもいいので、電磁石160、170の発熱を抑えることができ、電磁石160、170を小型化することができる。
また、2つの電磁石160、170により糸張力を付与するので、大きな糸張力を付与することができ、結果として、糸張力がない状態から該大きな糸張力まで幅広い範囲の糸張力を付与することができる。
また、糸取りばね機構部5における糸係止ユニット57の挙動に基づく磁気センサ80の検知結果に応じて電磁石160、170を制御するので、ミシンにおける制御回路316における他の制御信号(例えば、主軸モータ314を制御する制御信号)とは関連せず、既存のミシンへの取付けが容易である。
また、糸取りばね機構部5と糸張力付与部105が別体に形成されているので、既存のミシンに糸張力制御装置1を取り付ける際に、糸取りばね機構部5と糸張力付与部105の取付け位置を調整することができ、既存のミシンへの取付けが容易となる。
また、電流データを設けることにより、各ステッチごとに電磁石160、170を励磁する際の電流値を調整して、各ステッチごとに上糸張力を制御することができる。
また、2つの電磁石160、170が設けられているので、上糸を切断する際(つまり、糸切りを行なう際)等上糸に掛かる張力を解放したい場合には、電磁石160と電磁石170を互いに反発する極性とする(つまり、逆励磁する)ことにより、ばね200による張力も付与されないようにして、上糸に掛かる張力を確実に遮断することができる。
なお、糸張力制御装置1は、上糸の張力を制御するのみならず、他の用途にも使用することができる。
例えば、天秤306が上昇する区間においては、天秤306が上糸Jをひっぱることから、天秤306が上死点に到達するまでに磁気センサ80は磁力をオフと検知するはずであるが、上糸Jが切れている場合には、天秤306が上糸Jを引っ張ることができないため、磁気センサ80はオンを検知し続ける。よって、あるステッチの天秤306の上昇区間(図15の例では、(約300度~約80度))において、磁気センサ80の検知結果がオンのまま(つまり、オフにならない)の場合(実際には、あるステッチにおいて、磁気センサ80の検知結果がオンのままの場合)には、糸係止ユニット57が回動せず、上糸Jが切れている可能性が高いと判断することができる。つまり、糸張力制御装置1を上糸の糸切れ検出に使用することができる。なお、実際には、天秤306が上昇しないステッチも考えられることから、複数ステッチ分の時間において、磁気センサ80の検知結果がオンのまま(つまり、オフにならない)の場合、上糸が切れている可能性が高いと判断することができる。
また、上糸が釜310をくぐる(下方に向けて回転する釜310に上糸が係止される)と、上糸が釜310に引っ張られるので、糸係止ユニット57が回動し(図15の例では、約245度~約290度の範囲で、上糸Jが釜310に引っ張られる)、その後、天秤306が上昇すると、さらに上糸Jが天秤306に引っ張られるので、糸係止ユニット57がさらに回動する(図15の例では、約300度~約80度の範囲で、上糸Jが天秤306に引っ張られる)が、上糸Jが釜310をくぐらない、いわゆる、目飛びが発生した場合には、上糸Jが釜310に引っ張られないので、その区間においては、糸係止ユニット57は回動しない。なお、図15において、約245度~約290度の範囲は、天秤306が下降する区間である。
そこで、天秤306が下降する区間であり、かつ、上糸Jが釜310をくぐる区間(図15の例では、約245度~約290度の範囲)において、磁気センサ80の検知結果がオンのまま(つまり、オフにならない)場合には、目飛びが発生した可能性が高いと判断することができる。つまり、つまり、糸張力制御装置1を目飛び検出に使用することができる。
なお、上記の説明においては、ばね200は、電磁石ホルダ140の収納部152内に設けられるとしたが、電磁石ホルダ120の収納部132内に設けてもよい(つまり、収納部132が対象収納部となる)。その場合には、収納部132の軸線方向の長さが収納部152の軸線方向の長さよりも長く形成されることになる。
また、上記の説明では、ばね200を設けるとして説明したが、ばね200の構成を省略してもよい。すなわち、電磁石160が収納部132の右側面側の平面132bに接するとともに、電磁石170が収納部152の左側面側の平面152bに接する場合(つまり、電磁石160と電磁石170間の距離が最も大きい場合)でも、糸押さえ皿180の一部が大径部132-2内に位置するとともに、糸押さえ皿190の一部が大径部152-2内に位置して、糸押さえ皿180、190が落下するおそれがない場合には、ばね200の構成を省略してもよい。
また、上記の説明では、電流データを設けて、各ステッチごとに電磁石160、170を励磁する際の電流値を定めておき、各ステッチごとに上糸張力の大きさを制御するとしたが、このような電流データを設けることなく、電磁石160、170を励磁する際の電流値は各ステッチについて同じとし、磁気センサ80により検出される磁力がオフになっている間は、電磁石160、170を励磁して上糸張力を付与するようにしてもよい。
このように電磁石160、170を励磁する際の電流値を各ステッチについて同じとする場合でも、上記の効果のうち、各ステッチごとに上糸張力を制御できる効果以外の効果を得ることができる。つまり、張力付与や張力遮断の応答を高速に行なうことができ、電磁石を励磁した状態でなくても糸張力付与を遮断することができ、電磁石160、170を小型化することができ、糸張力がない状態から該大きな糸張力まで幅広い範囲の糸張力を付与することができ、既存のミシンへの取付けが容易となる。特に、電流データを設ける必要ないので、既存のミシンへの取付けがより容易であるといえる。
また、上記の説明においては、糸張力制御装置1は、筐体部302における天秤306の正面視右側の領域に設けられるとしたが、糸張力制御装置1を左右対称の構成として、天秤306の正面視左側の領域に設けてもよい。
次に、糸張力制御装置1の変形例について説明する。第1変形例としての糸張力制御装置1Aは、図17に示すように構成され、糸張力制御装置1と略同様の構成であるが、糸取りばね機構部の構成が異なる。
すなわち、糸張力制御装置1Aは、糸取りばね機構部5’と糸張力付与部105とを有し、糸取りばね機構部5’は、糸取りばね機構部5と略同様の構成であるが、糸取りばね機構部5’を筐体部302に取り付けた状態における磁気センサ取付部78の位置が異なるとともに、磁気センサ80の磁気センサ取付部78に対する取付け位置が異なり、さらには、糸取りばねユニット50の糸取りばね装着部42への取付け状態が異なる。
すなわち、糸取りばね機構部5を筐体部302に取り付けた状態では、磁気センサ取付部78が筒状部74の右側面側に設けられ、磁気センサ80が磁気センサ取付部78の底面側となるように設けられている。つまり、糸取りばね機構部5の場合と比較して、先端ユニット70が正面視で右方向に略90度回転するとともに、磁気センサ80が磁気センサ取付部78の底面側に配置している。
さらに、糸取りばねユニット50については、糸取りばね機構部5の糸取りばねユニット50に対して、軸線Pを通る仮想平面で、鉛直方向に対して約45度右側面側に傾斜した仮想平面を介して面対称の構成となっている。つまり、糸取りばね機構部5’の糸取りばねユニット50は、線状部材により形成された糸取りばね51と、糸取りばね51に取り付けられた磁石部64とを有し、糸取りばね51は、糸取りばね装着部42に固定された巻回部(図示せず)と、巻回部の端部から連設された突出部54と、突出部54の先端から連設された糸係止部56を有している。なお、糸取りばね機構部5の巻回部52が突出部54の基端から糸取りばね装着部42の周面に沿って正面側に向けて右方向に巻回しているのに対して、糸取りばね機構部5’の巻回部は、突出部54の基端から糸取りばね装着部42の周面に沿って正面側に向けて左方向に巻回している。
そして、突出部54に取り付けられた磁石部64は、磁気センサ80の下方位置(厳密には、正面視において、磁気センサ80の左斜め下方位置)に位置し、糸係止部56の中間部60は、軸部46の下方に位置する。
なお、糸取りばね機構部5’と糸張力付与部105を筐体部302に取り付けた状態における糸取りばね機構部5’と糸張力付与部105の位置関係は糸張力制御装置1の場合と同様であり、糸張力付与部105の下方に糸取りばね機構部5’が位置するようにし、好ましくは、糸押さえ皿180と糸押さえ皿190間の境界線(鉛直方向の境界線)と、軸部46の周面の右側面側の位置における鉛直方向の接線とが一致する位置とする。
また、糸張力制御装置1の場合と同様に、糸取りばね機構部5’は、図17に示すように、ガイド部材304の近傍に設けられ、ガイド部材304は、上糸経路における糸係止部56と天秤306との間の位置に設けられ、天秤306が上糸Jをひっぱった際に、上糸Jが糸係止ユニット57をひっぱって正面視で左方向に回動させる(具体的には、磁石部64が磁気センサ80から離れる方向に回動させる)ことができる位置に設けられ、具体的には、ガイド部材304は、上糸Jが糸係止部56をひっぱっていない状態で、糸係止部56の中間部60の正面視の左方向の位置に設けられている。
糸張力制御装置1Aの筐体部302への取付け方法は、糸張力制御装置1と同様であり、糸取りばね機構部5’と糸張力付与部105とを筐体部302に取り付ける。糸取りばね機構部5’の取付け方法は、糸張力制御装置1の糸取りばね機構部5と同様であり、糸張力付与部105の取付け方法は、糸張力制御装置1の糸張力付与部105と同様である。
糸張力制御装置1Aにおける上糸Jの経路は、糸張力制御装置1の場合と同様であり、糸張力付与部105内を通った上糸は、糸取りばね機構部5’に送られ、糸取りばね機構部5’において、上糸Jは、軸部46の周面に接した後に、糸係止部56に係止し、糸係止部56に係止した後にガイド部材304に係止し、その後、天秤306に至る。天秤306を経た上糸Jは、針棒308の縫い針に至るが、糸取りばね機構部5では、上糸Jが糸係止部56の中間部60の上側に接するのに対して、糸取りばね機構部5’においては、糸係止部56がガイド部材304の右方向に設けられているために、上糸Jが糸係止部56の中間部60の下側に接する。
糸張力制御装置1Aの動作は、糸張力制御装置1と同様であり、天秤306が上昇して天秤306が上糸Jを引っ張ることにより、糸係止部56に係止した上糸Jが糸係止ユニット57を回動させ(正面視で右方向に回動させる)、磁石部64が磁気センサ80から離れたことを磁気センサ80により検知された場合(つまり、この場合、磁気センサ80により磁力をオフと検知する)に、2つの電磁石160、170を励磁して、電磁石160と電磁石170を互いに吸引させて、上糸に張力を付与する。
具体的な動作は、上記の図16のフローチャートによる説明と同様であるので、詳しい説明を省略する。
糸張力制御装置1Aにおいても、張力付与や張力遮断の応答を高速に行なうことができこれによりステッチごとに張力制御を行なうことができ、電磁石を励磁した状態でなくても糸張力付与を遮断することができ、電磁石160、170を小型化することができ、糸張力がない状態から該大きな糸張力まで幅広い範囲の糸張力を付与することができ、既存のミシンへの取付けが容易となる。また、電流データを設けることにより、各ステッチごとに電磁石160、170を励磁する際の電流値を調整して、各ステッチごとに上糸張力を制御することができる。
次に、糸張力制御装置1の他の変形例について説明する。第2変形例としての糸張力制御装置1Bは、図18~図20に示すように構成され、糸張力制御装置1と略同様の構成であるが、糸取りばね機構部5と糸張力付与部105とを一体の構成とした点が異なる。つまり、糸張力制御装置1では、糸取りばね機構部5と糸張力付与部105とが別体であるのに対して、糸張力制御装置1Bでは、糸取りばね機構部5と糸張力付与部105とが一体となっている。
つまり、糸張力制御装置1Bにおいては、図18、図19に示すように、取付板部20と取付板部110とが1つの取付板ユニット100により形成され、取付板部20と、取付板部110と、取付板部20と取付板部110間の中間板部111により、取付板ユニット100が形成され、取付板ユニット100は、1枚の板状部材により構成されている。これにより、固定ユニット9は、糸張力付与部105に向けて伸びる板状部(取付板ユニット100と中間板部111)を有し、電磁石ホルダユニット119は、該板状部に設けられている。
すなわち、糸張力制御装置1Bは、糸取りばね機構部5と、糸張力付与部105と、中間板部111とを有し、糸取りばね機構部5は、挿入係止部10と取付板部20とガイド壁部30と中心構成ユニット40と糸取りばねユニット50と先端ユニット70と磁気センサ80とを有し、糸張力付与部105は、取付板部110と、電磁石ホルダ120と、電磁石ホルダ140と、電磁石160と、電磁石170と、糸押さえ皿180、190と、ばね200と、上糸ガイド部210とを有している。
ここで、糸取りばね機構部5は、取付板部20が取付板ユニット100として取付板部110や中間板部111と一体になっている点以外は、糸張力制御装置1の糸取りばね機構部5と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
また、糸張力付与部105は、取付板部110が取付板ユニット100として取付板部20や中間板部111と一体になっている点以外は、糸張力制御装置1の糸張力付与部105と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
ここで、取付板ユニット100について説明すると、取付板ユニット100は、全体に板状を呈し、円形板状の領域である取付板部20と、縦長長方形状の板状の領域である取付板部110と、取付板部110の下端と取付板部20の右上部分をつなぐ領域である中間板部111とを有し、取付板部110の下端からは中間板部111が連設され、取付板部20の右上部分からは中間板部111が連設されている。つまり、中間板部111は、取付板部110の左辺から下方に延長され、取付板部20の外周(円弧状の辺部)まで形成された左辺111aと、取付板部110の右辺の下端から斜め下方に直線状に形成された右辺111bとを有している。右辺111bは、下方にいくほど左側となるように傾斜し、右辺111bを正面視すると、取付板部20の外周に対する接線となるように取付板部20の外周に接する。
糸張力制御装置1Bの筐体部302への取付け方法は、糸張力制御装置1と同様であり、挿入係止部10を筐体部302の取付け穴に挿入して係止するとともに、一対のネジ220と一対のネジ224を筐体部302に螺着する。なお、一対のネジ220と一対のネジ224による取付けを省略し、挿入係止部10を挿入して係止するのみで筐体部302に取り付けてもよい。
糸張力制御装置1Bにおける上糸Jの経路は、糸張力制御装置1の場合と同様である。
糸張力制御装置1Bの動作は、糸張力制御装置1と同様であり、天秤306が上昇して天秤306が上糸Jを引っ張ることにより、糸係止部56に係止した上糸Jが糸係止ユニット57を回動させ(正面視で左方向に回動させる)、磁石部64が磁気センサ80から離れたことを磁気センサ80により検知された場合(つまり、この場合、磁気センサ80により磁力をオフと検知する)に、2つの電磁石160、170を励磁して、電磁石160と電磁石170を互いに吸引させて、上糸に張力を付与する。
具体的な動作は、上記の図16のフローチャートによる説明と同様であるので、詳しい説明を省略する。
糸張力制御装置1Bにおいても、張力付与や張力遮断の応答を高速に行なうことができ、これによりステッチごとに張力制御を行なうことができ、電磁石を励磁した状態でなくても糸張力付与を遮断することができ、電磁石160、170を小型化することができ、糸張力がない状態から該大きな糸張力まで幅広い範囲の糸張力を付与することができ、既存のミシンへの取付けが容易となる。また、電流データを設けることにより、各ステッチごとに電磁石160、170を励磁する際の電流値を調整して、各ステッチごとに上糸張力を制御することができる。
さらに、糸張力制御装置1Bにおいては、糸取りばね機構部5と糸張力付与部105とが一体に構成されているので、筐体部302に取り付ける際に、糸取りばね機構部5と糸張力付与部105との位置関係を調整する必要がない。
次に、糸張力制御装置1の他の変形例について説明する。第3変形例としての糸張力制御装置1Cは、図21に示すように構成され、糸張力制御装置1Aと略同様の構成であるが、糸取りばね機構部5’と糸張力付与部105とを一体の構成とした点が異なる。つまり、糸張力制御装置1Aでは、糸取りばね機構部5’と糸張力付与部105とが別体であるのに対して、糸張力制御装置1Cでは、糸取りばね機構部5’と糸張力付与部105とが一体となっている。
つまり、糸張力制御装置1Cにおいては、図21に示すように、取付板部20と取付板部110とが1つの取付板ユニット100により形成され、取付板部20と、取付板部110と、取付板部20と取付板部110間の中間板部111により取付板ユニット100が形成され、取付板ユニット100は、1枚の板状部材により構成されている。
ここで、糸取りばね機構部5’は、取付板部20が取付板ユニット100として取付板部110や中間板部111と一体になっている点以外は、糸張力制御装置1Aの糸取りばね機構部5’と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
また、糸張力付与部105は、取付板部110が取付板ユニット100として取付板部20や中間板部111と一体になっている点以外は、糸張力制御装置1Aの糸張力付与部105と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
また、糸張力制御装置1Cにおける取付板ユニット100は、糸張力制御装置1Bにおける取付板ユニット100と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
糸張力制御装置1Cの筐体部302への取付け方法は、糸張力制御装置1Aと同様であり、挿入係止部10を筐体部302の取付け穴に挿入して係止するとともに、一対のネジ220と一対のネジ224を筐体部302に螺着する。なお、一対のネジ220と一対のネジ224による取付けを省略し、挿入係止部10を挿入して係止するのみで筐体部302に取り付けてもよい。
糸張力制御装置1Cにおける上糸Jの経路は、糸張力制御装置1Aの場合と同様である。
糸張力制御装置1Cの動作は、糸張力制御装置1と同様であり、天秤306が上昇して天秤306が上糸Jを引っ張ることにより、糸係止部56に係止した上糸Jが糸係止ユニット57を回動させ(正面視で右方向に回動させる)、磁石部64が磁気センサ80から離れたことを磁気センサ80により検知された場合(つまり、この場合、磁気センサ80により磁力をオフと検知する)に、2つの電磁石160、170を励磁して、電磁石160と電磁石170を互いに吸引させて、上糸に張力を付与する。
具体的な動作は、上記の図16のフローチャートによる説明と同様であるので、詳しい説明を省略する。
糸張力制御装置1Cにおいても、張力付与や張力遮断の応答を高速に行なうことができ、これによりステッチごとに張力制御を行なうことができ、電磁石を励磁した状態でなくても糸張力付与を遮断することができ、電磁石160、170を小型化することができ、糸張力がない状態から該大きな糸張力まで幅広い範囲の糸張力を付与することができ、既存のミシンへの取付けが容易となる。また、電流データを設けることにより、各ステッチごとに電磁石160、170を励磁する際の電流値を調整して、各ステッチごとに上糸張力を制御することができる。
さらに、糸張力制御装置1Cにおいては、糸取りばね機構部5’と糸張力付与部105とが一体に構成されているので、筐体部302に取り付ける際に、糸取りばね機構部5と糸張力付与部105との位置関係を調整する必要がない。
なお、上記糸張力制御装置1A~1Cの各変形例においても、ばね200を電磁石ホルダ120の収納部132内に設けてもよく、また、ばね200の構成を省略してもよい。
また、電磁石160、170を励磁する際の電流値は各ステッチについて同じとしてもよく、また、糸張力制御装置1A~1Cを左右対称の構成として、天秤306の正面視左側の領域に設けてもよい。
1、1A、1B、1C 糸張力制御装置
5 糸取りばね機構部
5’ 糸取りばね機構部
9 固定ユニット
10 挿入係止部
11 ネジ穴
12 筒状部
14 環状部
16 係止部
20 取付板部
21 貫通穴
30 ガイド壁部
31 貫通穴
32 中心部
34 環状凸部
35 内側傾斜部
36 凸面部
37 外側傾斜部
40 中心構成ユニット
41 中心構成部
42 糸取りばね装着部
44 軸部
46 軸部
48 軸部
50 糸取りばねユニット
51 糸取りばね
52 巻回部
54 突出部
56 糸係止部
57 糸係止ユニット
58 基端部
60 中間部
62 先端部
64 磁石部
70 先端ユニット
72 先端部
73 貫通穴
74 筒状部
75 先端壁部
76 筒状部
76a ネジ穴
77 ビス
78 磁気センサ取付部
79 カバー部
80 磁気センサ
100 取付板ユニット
105 糸張力付与部
110 取付板部
110a 挿通穴
110b ネジ穴
110c 挿通穴
110d ネジ穴
111 中間板部
119 電磁石ホルダユニット
120 電磁石ホルダ
121 ホルダ本体
122 上面部
124 正面部
125 貫通穴
126 背面部
127 貫通穴
128 右側面部
129 切欠部
129a、129b 壁面
130 底面部
132 収納部
132a 内周面
132b 平面
132c 内周面
132d 平面
132K 開口部
134 棒状部材
136 筒状部材
137 ビス
138a、138b ネジ穴
140 電磁石ホルダ
142 上面部
144-1 上正面部
144-2 下正面部
144-2a 下正面本体
144-2b 突状部
145 貫通穴
146 背面部
147 凹部
148 左側面部
149 隙間
150 底面部
152 収納部
152a 内周面
152b 平面
152c 内周面
152d 平面
152K 開口部
154 ビス
160 電磁石
162 磁性体
162a 吸着面
164 コイル
166 カバー部
166a 筒状部
166b 円形板部
170 電磁石
172 磁性体
172a 吸着面
174 コイル
176 カバー部
176a 筒状部
176b 円形板部
180 糸押さえ皿
182 板状部
184 縁部
190 糸押さえ皿
192 板状部
194 縁部
200 ばね
210 上糸ガイド部
212 縦板部
214 横板部
215 ガイド穴
215a 筒状部
215b リング状部
220、222、224、226、228 ネジ
300 ミシン
301 アーム部
302 筐体部
302a 取付け穴
302b、302c ネジ穴
304 ガイド部材
306 天秤
308 針棒
310 釜
312 主軸
314 主軸モータ
316 制御回路
318 記憶装置
320 入出力装置
J 上糸
P、Q 軸線
U、W 間隔

Claims (9)

  1. 上糸経路における天秤の上流側に設けられたミシン用糸張力制御装置であって、
    糸取りばね機構部(5)と糸張力付与部(105)と制御部(316)を有し、
    糸取りばね機構部は、
    ミシンに着脱自在に固定される固定ユニット(9)と、
    固定ユニットに設けられた糸取りばねで、固定ユニットに固定された固定部(52)と、固定部から連設され固定部に対して回動する糸係止ユニットで、上糸が係止する糸係止部(56)を有する糸係止ユニット(57)を有する糸取りばね(51)と、
    糸係止ユニットに固定して設けられた磁石部(64)と、
    固定ユニットに固定して設けられた磁気センサで、糸係止ユニットが固定部に対して回動していない状態で、磁石部に対して対向して設けられた磁気センサ(80)と、
    を有し、
    糸張力付与部は、
    第1電磁石を収納するための第1収納部(132)を有する第1電磁石ホルダ(120)と、第2電磁石を収納するための第2収納部(152)を有する第2電磁石ホルダ(140)とを有する電磁石ホルダユニットであって、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダとが互いに間隔を介して設けられ、第1収納部の第2電磁石ホルダ側に開口部(132K)が設けられるとともに、第2収納部の第1電磁石ホルダ側に開口部(152K)が設けられ、2つの開口部が互いに対向して設けられた電磁石ホルダユニット(119)と、
    第2電磁石側に吸着面(162a)を有する第1電磁石で、第1収納部の第2電磁石ホルダ側を左側とし第2収納部の第1電磁石ホルダ側を右側とした場合に、左右方向に移動可能に第1収納部内に収納された第1電磁石(160)と、
    第1電磁石側に吸着面(172a)を有する第2電磁石で、左右方向に移動可能に第2収納部内に収納された第2電磁石(170)と、
    第1電磁石と第2電磁石の間に設けられた第1糸押さえ皿で、第1電磁石の吸着面に対向する板状部(182)を有する第1糸押さえ皿(180)と、
    第1電磁石と第2電磁石の間で、第1糸押さえ皿よりも第2電磁石側に設けられた第2糸押さえ皿で、第2電磁石の吸着面に対向する板状部(184)を有する第2糸押さえ皿(190)と、
    電磁石ホルダユニットをミシンに着脱自在に固定するための固定部材(110)と、
    を有し、
    糸取りばね機構部において、上糸は糸係止部に係止し、糸係止部は、上糸経路における天秤の上流側に設けられ、糸張力付与部は、上糸経路における糸取りばね機構部の上流側に設けられて、第1糸押さえ皿と第2糸押さえ皿の間に上糸経路が設けられ、
    制御部は、天秤が上糸を引っぱることにより糸係止ユニットが回動し、糸係止ユニットが回動して磁石部と磁気センサ間の距離が長くなって、磁気センサにより検知される磁石部の磁力の値が予め定められた値よりも小さくなった場合に、第1電磁石と第2電磁石を励磁して、第1電磁石と第2電磁石とを吸引させることにより、第1糸押さえ皿の板状部と第2糸押さえ皿の板状部で上糸を挟んだ状態として、上糸に張力を付与し、一方、天秤が上糸を引っぱる状態が解除されて、糸係止ユニットが回動して磁石部と磁気センサ間の距離が短くなって、磁気センサにより検知される磁石部の磁力の値が予め定められた値以上になった場合に、第1電磁石と第2電磁石を励磁を停止して、第1電磁石と第2電磁石との吸引を解除することにより、上糸への張力付与を解除することを特徴とするミシン用糸張力制御装置。
  2. 上糸経路における天秤の上流側に設けられたミシン用糸張力制御装置であって、
    糸取りばね機構部(5)と糸張力付与部(105)と制御部(316)を有し、
    糸取りばね機構部は、
    ミシンに着脱自在に固定される固定ユニット(9)と、
    固定ユニットに設けられた糸取りばねで、固定ユニットに固定された固定部(52)と、固定部から連設され固定部に対して回動する糸係止ユニットで、上糸が係止する糸係止部(56)を有する糸係止ユニット(57)を有する糸取りばね(51)と、
    糸係止ユニットに固定して設けられた磁石部(64)と、
    固定ユニットに固定して設けられた磁気センサで、糸係止ユニットが固定部に対して回動していない状態で、磁石部に対して対向して設けられた磁気センサ(80)と、
    を有し、
    糸張力付与部は、
    第1電磁石を収納するための第1収納部(132)を有する第1電磁石ホルダ(120)と、第2電磁石を収納するための第2収納部(152)を有する第2電磁石ホルダ(140)とを有する電磁石ホルダユニットであって、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダとが互いに間隔を介して設けられ、第1収納部の第2電磁石ホルダ側に開口部(132K)が設けられるとともに、第2収納部の第1電磁石ホルダ側に開口部(152K)が設けられ、2つの開口部が互いに対向して設けられた電磁石ホルダユニット(119)と、
    第2電磁石側に吸着面(162a)を有する第1電磁石で、第1収納部の第2電磁石ホルダ側を左側とし第2収納部の第1電磁石ホルダ側を右側とした場合に、左右方向に移動可能に第1収納部内に収納された第1電磁石(160)と、
    第1電磁石側に吸着面(172a)を有する第2電磁石で、左右方向に移動可能に第2収納部内に収納された第2電磁石(170)と、
    第1電磁石と第2電磁石の間に設けられた第1糸押さえ皿で、第1電磁石の吸着面に対向する板状部(182)を有する第1糸押さえ皿(180)と、
    第1電磁石と第2電磁石の間で、第1糸押さえ皿よりも第2電磁石側に設けられた第2糸押さえ皿で、第2電磁石の吸着面に対向する板状部(184)を有する第2糸押さえ皿(190)と、
    を有し、
    固定ユニットは、糸張力付与部に向けて伸びる板状部(110、111)を有し、電磁石ホルダユニットは、板状部に設けられ、
    糸取りばね機構部において、上糸は糸係止部に係止し、糸係止部は、上糸経路における天秤の上流側に設けられ、糸張力付与部は、上糸経路における糸取りばね機構部の上流側に設けられて、第1糸押さえ皿と第2糸押さえ皿の間に上糸経路が設けられ、
    制御部は、天秤が上糸を引っぱることにより糸係止ユニットが回動し、糸係止ユニットが回動して磁石部と磁気センサ間の距離が長くなって、磁気センサにより検知される磁石部の磁力の値が予め定められた値よりも小さくなった場合に、第1電磁石と第2電磁石を励磁して、第1電磁石と第2電磁石とを吸引させることにより、第1糸押さえ皿の板状部と第2糸押さえ皿の板状部で上糸を挟んだ状態として、上糸に張力を付与し、一方、天秤が上糸を引っぱる状態が解除されて、糸係止ユニットが回動して磁石部と磁気センサ間の距離が短くなって、磁気センサにより検知される磁石部の磁力の値が予め定められた値以上になった場合に、第1電磁石と第2電磁石を励磁を停止して、第1電磁石と第2電磁石との吸引を解除することにより、上糸への張力付与を解除することを特徴とするミシン用糸張力制御装置。
  3. ミシン用糸張力制御装置には、第1電磁石と第2電磁石を励磁する際の電流値を各ステッチごとに記憶した電流データを記憶した記憶装置(318)が設けられ、
    制御部は、各ステッチにおいて、第1電磁石と第2電磁石を励磁する際に、電流データに記憶された電流値に従い、第1電磁石と第2電磁石を励磁することを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン用糸張力制御装置。
  4. 固定ユニットは、中心構成部(41)と、中心構成部に取り付けられた先端部(72)と、ガイド壁部(30)とを有し、
    中心構成部は、
    糸取りばねを取り付けるための糸取りばね装着部で、円柱状の周面を有する糸取りばね装着部(42)と、
    糸取りばね装着部の背面側に設けられた軸部で、円柱状の周面を有し糸取りばね装着部の外径よりも小さい外径を有する軸部(46)と、を有し、
    ガイド壁部は、軸部の背面側に設けられ、糸取りばね装着部側に突出した環状凸部(34)を有するとともに、軸部の外径よりも大きい外径を有し、
    先端部は、糸取りばね装着部の外径よりも大きい内径の内周面を有し、略筒状を呈するカバー部(79)を有し、糸取りばね装着部は、カバー部の内周面の内側に設けられ、
    糸取りばねは、線状部材により形成され、糸取りばねの固定部は、糸取りばね装着部の周面に固定され、糸係止ユニットは、固定部から連設され糸取りばね装着部の周面に対して突出した突出部(54)を有し、糸係止部は、突出部の先端から連設されていて、磁石部は、突出部に取り付けられ、
    磁気センサは、カバー部の背面側の端部領域に設けられ、
    糸張力付与部から導かれた上糸は、軸部の周面に接触した後に糸係止部に係止することを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン用糸張力制御装置。
  5. 電磁石ホルダユニットが、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダを連結する第1連結部材で、円柱状の外周面を有する第1連結部材(134)と、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダを連結する第2連結部材で、円柱状の外周面を有する第2連結部材(136)とを有し、第1連結部材と第2連結部材は、円柱状の外周面の軸線を左右方向にして設けられ、
    第1連結部材は、電磁石ホルダユニットの背面部分に設けられるとともに、第2連結部材は、電磁ホルダユニットの正面部分に設けられ、第1連結部材と第2連結部材は、第1糸押さえ皿及び第2糸押さえ皿を介して相対する位置に設けられ、
    糸張力付与部の上流から導かれた上糸の上糸経路は、第1連結部材から第2連結部材に至った後に第1連結部材に戻り、その後、糸取りばね機構部に至ることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン用糸張力制御装置。
  6. 第1収納部と第2収納部の2つの収納部のうちのいずれかの収納部である対象収納部には、該対象収納部に収納された電磁石で第1電磁石と第2電磁石のいずれかである電磁石を対象収納部の開口部側に付勢する付勢手段(200)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン用糸張力制御装置。
  7. 上糸経路における天秤の上流側に設けられたミシン用糸張力付与装置であって、
    第1電磁石を収納するための第1収納部(132)を有する第1電磁石ホルダ(120)と、第2電磁石を収納するための第2収納部(152)を有する第2電磁石ホルダ(140)とを有する電磁石ホルダユニットであって、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダとが互いに間隔を介して設けられ、第1収納部の第2電磁石ホルダ側に開口部(132K)が設けられるとともに、第2収納部の第1電磁石ホルダ側に開口部(152K)が設けられ、2つの開口部が互いに対向して設けられた電磁石ホルダユニット(119)と、
    第2電磁石側に吸着面(162a)を有する第1電磁石で、第1収納部の第2電磁石ホルダ側を左側とし第2収納部の第1電磁石ホルダ側を右側とした場合に、左右方向に移動可能に第1収納部内に収納された第1電磁石(160)と、
    第1電磁石側に吸着面(172a)を有する第2電磁石で、左右方向に移動可能に第2収納部内に収納された第2電磁石(170)と、
    第1電磁石と第2電磁石の間に設けられた第1糸押さえ皿(180)と、
    第1電磁石と第2電磁石の間で、第1糸押さえ皿よりも第2電磁石側に設けられ、第1糸押さえ皿と対向して設けられた第2糸押さえ皿(190)と、
    を有し、
    第1糸押さえ皿と第2糸押さえ皿の間に上糸経路が設けられ、
    第1電磁石と第2電磁石を励磁して、第1電磁石と第2電磁石とを吸引させることにより、第1糸押さえ皿と第2糸押さえ皿で上糸を挟んだ状態として、上糸に張力を付与することを特徴とするミシン用糸張力付与装置。
  8. ミシン用糸張力付与装置が、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダを連結する第1連結部材で、円柱状の外周面を有する第1連結部材(134)と、第1電磁石ホルダと第2電磁石ホルダを連結する第2連結部材で、円柱状の外周面を有する第2連結部材(136)とを有し、第1連結部材と第2連結部材は、円柱状の外周面の軸線を左右方向にして設けられ、
    第1連結部材は、電磁石ホルダユニットの背面部分に設けられるとともに、第2連結部材は、電磁ホルダユニットの正面部分に設けられ、第1連結部材と第2連結部材は、第1糸押さえ皿及び第2糸押さえ皿を介して相対する位置に設けられ、
    糸張力付与部の上流から導かれた上糸の上糸経路は、第1連結部材から第2連結部材に至った後に第1連結部材に戻り、その後、糸取りばね機構部に至ることを特徴とする請求項7に記載のミシン用糸張力付与装置。
  9. 第1収納部と第2収納部の2つの収納部のうちのいずれかの収納部である対象収納部には、該対象収納部に収納された電磁石で第1電磁石と第2電磁石のいずれかである電磁石を対象収納部の開口部側に付勢する付勢手段(200)が設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載のミシン用糸張力付与装置。
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