JP2024063455A - プリント基板、誘導加熱調理器、およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】誘導加熱調理器の仕様によらず共用できるプリント基板、プリント基板を共用した誘導加熱調理器及びその製造方法を提供すること。【解決手段】第１仕様を有する第１誘導加熱調理器、及び、第１仕様とは異なる第２仕様を有する誘導加熱調理器に共用可能なプリント基板は、基板と、互いに絶縁された、基板上の複数の導体パターンと、を備え、基板及び複数の導体パターンには複数の孔が設けられており、複数の孔には第１仕様又は第２仕様に応じた複数種類の電気部品が取り付け可能であり、複数種類の電気部品は、第１仕様に応じた第１の種類の電気部品又は第２仕様に応じた第２の種類の電気部品を含み、複数の導体パターンは、第１の種類の電気部品が取り付けられると、第１経路で接続されて第１仕様を実現し、第２の種類の電気部品が取り付けられると、第１経路とは異なる第２経路で接続されて第２仕様を実現する。【選択図】図３

Description

本開示は、プリント基板、誘導加熱調理器、およびその製造方法に関する。

従来、制御基板の枚数を減らすことで、安価な構成とする誘導加熱調理器が知られている。例えば、特許文献１には、制御基板の枚数を減らし，且つ発熱部品の冷却を容易にする部品配置とすることで、部品の冷却を効率良く行い、且つ安価で容易な構成で複数のヒータを有する誘導加熱調理器が開示されている。

特開２０１２－２４３６０５号公報

求められる性能に応じて誘導加熱調理器がグレードの異なる複数の仕様を有する場合、例えば、複数の誘導加熱調理器は、要求性能が高い方の構成に基づいて回路及び電子部品を実装して共通化され得る。また、グレードの異なる複数の仕様を有する誘導加熱調理器において、仕様ごとに専用の設計が行われることで、各仕様におけるコストの上昇が抑制され得る。このようにいくつかの設計手法があるが、例えばコストが上昇するなど、いずれの方法も課題がある。

本開示は、誘導加熱調理器の仕様によらず共用できるプリント基板、プリント基板を共用した誘導加熱調理器及びその製造方法を提供することを目的とする。

本開示の一態様に係るプリント基板は、加熱に関する第１仕様を有する第１誘導加熱調理器、及び、加熱に関する第２仕様であって、第１仕様と異なる第２仕様を有する第２誘導加熱調理器に共用可能なプリント基板であって、基板と、互いに絶縁された、基板上の複数の導体パターンと、を備え、基板及び複数の導体パターンには複数の孔が設けられており、複数の孔には第１仕様又は第２仕様に応じた複数種類の電気部品が取り付け可能であり、複数の孔は、複数の第１孔と、複数の第２孔と、複数の第３孔とを有し、複数種類の電気部品は、第１仕様に応じた第１の種類の電気部品又は第２仕様に応じた第２の種類の電気部品を含み、複数の第１孔には、第１の種類の電気部品が取り付けられ、複数の第２孔には、第２の種類の電気部品が取り付けられ、複数の第３孔には、第１の種類の電気部品又は第２の種類の電気部品が取り付けられ、複数の導体パターンは、第１の種類の電気部品が複数の第１孔及び複数の第３孔に取り付けられると、複数の導体パターンの少なくとも一部が第１経路で接続されて第１仕様を実現し、第２の種類の電気部品が複数の第２孔及び複数の第３孔に取り付けられると、複数の導体パターンの少なくとも一部が第１経路とは異なる第２経路で接続されて第２仕様を実現する。

本開示の一態様に係る誘導加熱調理器は、複数の導体パターンを有するプリント基板と、電源回路と、第１加熱コイルと、第２加熱コイルと、第１加熱コイルを駆動する第１スイッチング回路、及び第１加熱コイルと接続する第１チョークコイルを含む第１インバータ回路と、第２加熱コイルを駆動する第２スイッチング回路、及び第２加熱コイルと接続する第２チョークコイルを含む第２インバータ回路と、電源回路と電源回路に対する第１チョークコイルの上流側とを接続し、第１インバータ回路を保護する第１ヒューズ、及び電源回路と電源回路に対する第２チョークコイルの上流側とを接続し、第２インバータ回路を保護する第２ヒューズ、又は電源回路と電源回路に対する第１チョークコイルの上流側とを接続する第１接続線、及び電源回路に対する第１チョークコイルの下流側と電源回路に対する第２チョークコイルの上流側とを接続する第２接続線と、を備える。

本開示の一態様に係る誘導加熱調理器を製造する方法は、誘導加熱調理器を製造する方法であって、複数の導体パターンを有するプリント基板を用意するステップと、プリント基板の複数の第１孔及び複数の第３孔に第１の種類の電気部品を実装し、又は複数の第２孔及び複数の第３孔に第２の種類の電気部品を実装するステップと、第１の種類の電気部品を実装した場合、プリント基板に第１の種類の電気部品のうちの少なくとも１つの部品に関する第１情報を少なくとも１つの部品に関連付けて印字し、又は第２の種類の電気部品を実装した場合、プリント基板に第２の種類の電気部品のうちの少なくとも１つの部品に関する第２情報を少なくとも１つの部品に関連付けて印字するステップと、を含み、印字された第１情報と第２情報とは異なる。

本開示によれば、誘導加熱調理器の仕様によらず共用できるプリント基板、プリント基板を共用した誘導加熱調理器及びその製造方法を提供することができる。

本開示の実施の形態に係る誘導加熱調理器の一例の概略図 図１に示す誘導加熱調理器の構成のブロック図 本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器の第１電気回路の一例の概略図 図３に示す第１電気回路の一部の回路図 本実施の形態に係る第２誘導加熱調理器の第２電気回路の一例の概略図 図５に示す第２電気回路の一部の回路図 本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器の第１電気回路の一例の概略図 本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器の本体内の一部の概略図 本開示に係る第１誘導加熱調理器を製造する方法を示すフローチャート

以下、図面を参照しつつ、本開示に係る実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する構成は、本開示の一例に過ぎず、本開示は下記の実施の形態に限定されない。本開示における技術は、これに限定されず、これら実施の形態以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更、置き換え、付加、省略などが可能である。

本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形及び修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。

誘導加熱調理器が求められる性能に基づいて異なる複数の仕様を有する場合、いくつかの設計手法が考えられる。例えば、複数の仕様の誘導加熱調理器は、要求性能が高い方の構成に基づいて回路及び電子部品を実装して共通化され得る。この場合、要求性能が低い方の誘導加熱調理器に要求仕様に対して過剰な性能を有する電子部品が実装され得るため、コストの上昇が生じ得た。他の手法として、仕様ごとに専用の設計が行われることで、誘導加熱調理器はコストの上昇を抑制することができる。この場合、異なるパターンを有するプリント基板が必要となり、開発工数の増加が生じ得た。本開示に係る誘導加熱調理器は、誘導加熱調理器の仕様によらず共用できるプリント基板、プリント基板を共用した誘導加熱調理器及びその製造方法を提供することができる。

本開示に係るプリント基板は、加熱に関する複数の仕様を有する誘導加熱調理器に用いられるプリント基板である。プリント基板は、加熱に関する第１仕様を有する第１誘導加熱調理器、及び、加熱に関する第２仕様であって、第１仕様と異なる第２仕様を有する第２誘導加熱調理器に共用可能である。プリント基板は、基板と、互いに絶縁された、基板上の複数の導体パターンと、を備える。基板及び複数の導体パターンには複数の孔が設けられる。複数の孔には、第１仕様又は第２仕様に応じた複数種類の電気部品が取り付け可能である。複数の孔は、複数の第１孔～複数の第３孔を有する。複数種類の電気部品は、仕様の１つに応じた第１の種類の電気部品と、当該仕様とは異なる仕様に応じた第２の種類の電気部品とを含む。複数の第１孔には、第１の種類の電気部品が取り付けられる。複数の第２孔には、第２の種類の電気部品が取り付けられる。複数の第３孔には、第１の種類の電気部品又は第２の種類の電気部品が取り付けられる。複数の導体パターンは、第１の種類の電気部品が複数の第１孔及び複数の第３孔に取り付けられると、複数の導体パターンの少なくとも一部が第１経路で接続されて第１仕様を実現し、第２の種類の電気部品が複数の第２孔及び複数の第３孔に取り付けられると、複数の導体パターンの少なくとも一部が第１経路とは異なる第２経路で接続されて第２仕様を実現する。

このような構成によれば、プリント基板は、要求される性能に応じて設けられた複数の仕様によらず、複数の種類の誘導加熱調理器に用いられ得る。したがって誘導加熱調理器は、当該プリント基板を実装することで、プリント基板の共通化が行われ、開発工数が軽減され、効率的に設計され得る。

また、本開示に係る誘導加熱調理器は、複数の導体パターンを有するプリント基板と、電源回路と、第１加熱コイルと、第２加熱コイルと、を備える。誘導加熱調理器は、第１加熱コイルを駆動する第１スイッチング回路、及び第１加熱コイルと接続する第１チョークコイルを含む第１インバータ回路を備える。誘導加熱調理器は、第２加熱コイルを駆動する第２スイッチング回路、及び第２加熱コイルと接続する第２チョークコイルを含む第２インバータ回路を備える。誘導加熱調理器は、電源回路と電源回路に対する第１チョークコイルの上流側とを接続し、第１インバータ回路を保護する第１ヒューズ、及び電源回路と電源回路に対する第２チョークコイルの上流側とを接続し、第２インバータ回路を保護する第２ヒューズ、又は電源回路と電源回路に対する第１チョークコイルの上流側とを接続する第１接続線、及び電源回路に対する第１チョークコイルの下流側と電源回路に対する第２チョークコイルの上流側とを接続する第２接続線を備える。

このような構成によれば、要求される性能に応じて設けられた複数の仕様によらず、複数の種類の誘導加熱調理器に共通のプリント基板が用いられ得る。したがって誘導加熱調理器は、当該プリント基板を実装することで、プリント基板の共通化が行われ、開発工数が軽減され、効率的に設計され得る。また、誘導加熱調理器は、プリント基板を共用し、かつ実装する電気部品及びその実装位置を変更するができるため、誘導加熱調理器の一方の仕様に統一して部品をプリント基板に実装することが必要とされない。本開示に係る誘導加熱調理器は、不要な部品又は過大な性能を有する部品を実装する必要がないため、コストを低減することができる。

（実施の形態）
以下、本開示の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。

［構成］
図１は、本開示の実施の形態に係る誘導加熱調理器１の一例の概略図である。図２は、図１に示す誘導加熱調理器１の構成のブロック図である。以下、誘導加熱調理器１について図１及び図２を用いて説明する。なお、図中に示すＸ－Ｙ－Ｚ座標系は、発明の理解を助けるために記載されており、発明を限定することを意図しない。Ｘ軸方向およびＹ軸方向は水平方向を示し、Ｚ軸方向は鉛直方向を示している。

誘導加熱調理器１は、加熱調理対象Ｔを収容する調理容器Ｃを誘導加熱する調理器である。本明細書では、調理容器Ｃは、加熱対象物の一例として説明している。加熱対象物は、調理容器Ｃに限定されず、誘導加熱される対象物であればよい。

図１に示すように、本実施の形態に係る誘導加熱調理器１は、トッププレート２、本体３、加熱コイル４Ａ～４Ｃ、コントローラ５及び入出力インタフェース装置６を備える。また、誘導加熱調理器１は、電源から取得した電流を加熱コイル４Ａ～４Ｃに供給する電気回路を有する。本実施の形態に係る誘導加熱調理器１において、電気回路は、加熱コイル４Ａ，４Ｂに電力を供給する電気回路２０と、加熱コイル４Ｃに電力を供給する図示しない副電気回路とを備える。電気回路２０の詳細は後述する。

トッププレート２は、その上部に容器を載置することができる載置部である。トッププレート２は、本体３の上面に配置される。トッププレート２は、加熱コイル４Ａ～４Ｃが発生させる磁場が透過することができる、例えばガラスなどの材料で構成されている。

本体３は、内部に加熱コイル４Ａ～４Ｃ、コントローラ５、後述するプリント基板１０、及びプリント基板１０に取り付けられた電気部品２１等を有する。また、本体３は、上面にトッププレート２を、側面に入出力インタフェース装置６を有する。

加熱コイル４Ａ～４Ｃは、容器を加熱する加熱部であり、トッププレート２の下方に配置される。加熱コイル４Ａ～４Ｃは、高周波電流が供給されると誘導磁界を発生させる。加熱コイル４Ａ～４Ｃは、当該磁界によってトッププレート２上に配置された容器の底面等を加熱し、それによって容器内に収容された被調理物を加熱することができる。以下、本明細書において、加熱コイル４Ａ及び加熱コイル４Ｂをそれぞれ、第１加熱コイル４Ａ及び第２加熱コイル４Ｂともいう。

図１に示すように、三つの加熱コイル４Ａ，４Ｂ，４Ｃを設けることにより、誘導加熱調理器１は、三つの加熱対象物を同時に加熱調理可能である。図１では、加熱調理対象Ｔを収容する一つの調理容器Ｃが加熱コイル４Ａに載置された例が示されている。調理容器Ｃは、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅等の等の金属材料によって構成され得る。

本実施の形態に係る誘導加熱調理器１は、複数の仕様を有し得る。複数の仕様は、第１仕様と第２仕様とを含む。本実施の形態に係る誘導加熱調理器１は、最大火力の違いによって第１仕様と第２仕様とに区別される。以下、本明細書において、適宜、第１仕様の誘導加熱調理器１を第１誘導加熱調理器１ａともいう。また、適宜、第２仕様の誘導加熱調理器１を第２誘導加熱調理器１ｂともいう。第１誘導加熱調理器１ａは、例えば最大５８００Ｗの出力を有してもよい。第２誘導加熱調理器１ｂは、例えば最大３２００Ｗの出力を有してもよい。第１電気回路２０ａは、第１誘導加熱調理器１ａに搭載される電気回路２０の一例である。第２電気回路２０ｂは、第２誘導加熱調理器１ｂに搭載される電気回路２０の一例である。第１電気回路２０ａと第２電気回路２０ｂとは、電流が流れる経路及び実装される電気部品の少なくとも一部が異なる。

コントローラ５は、誘導加熱調理器１の動作を制御する制御装置である。コントローラ５は、具体的には、各加熱コイル４Ａ～４Ｃの動作を制御し得る。コントローラ５は、演算回路７と、記憶装置８と、を備える。

演算回路７は、コントローラ５における処理を実行する。演算回路７は、プログラムを実行することで所定の機能を実現するＣＰＵまたはＭＰＵのような汎用プロセッサを含む。演算回路７は、記憶装置８と通信可能に構成され、当該記憶装置８に格納された演算プログラム等を呼び出して実行することにより、コントローラ５における各種の処理を実現する。コントローラ５における処理は、例えば、加熱コイル４Ａ，４Ｂを駆動するための後述するスイッチング回路２８Ａ，２８Ｂへの制御信号の出力を含む。演算回路７は、ハードウェア資源とソフトウェアとが協働して所定の機能を実現する態様に限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。すなわち、演算回路７は、ＣＰＵ、ＭＰＵ以外にも、ＧＰＵ、ＦＰＧＡ、ＤＳＰ、ＡＳＩＣ等、種々のプロセッサで実現され得る。このような演算回路７は、例えば、半導体集積回路である信号処理回路で構成され得る。

記憶装置８は、種々の情報を記憶できる記憶媒体である。記憶装置８は、例えば、ＤＲＡＭやＳＲＡＭ、フラッシュメモリ等のメモリ、ＨＤＤ、ＳＳＤ、その他の記憶デバイスまたはそれらを適宜組み合わせて実現される。記憶装置８は、上記したように演算回路７が行う各種の処理を実現するためのプログラムを格納する。

入出力インタフェース装置６は、ユーザからの情報の入力のための入力装置、及びユーザへの情報の出力のための出力装置としての機能を有する。入出力インタフェース装置６は、ユーザが誘導加熱調理器１を操作するための操作パネル、ユーザが火力を変更するためのボタン、並びにユーザに誘導加熱調理器１の状態を報知するためのディスプレイ及びスピーカを含み得る。例えば、ユーザは、入出力インタフェース装置６を操作することで、所定シーケンスで誘導加熱調理器１を作動し得る。

図３は、本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器１ａの第１電気回路２０ａの一例の概略図を示す。図３の第１電気回路２０ａは、本体３内に配置される回路である。図４は、図３に示す第１電気回路２０ａの一部の回路図である。

第１電気回路２０ａは、電源５０から供給される電流を後述する電源回路２２を介して加熱コイル４Ａ，４Ｂへと伝達するように構成される。第１電気回路２０ａは、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｆを有するプリント基板１０と、プリント基板１０上に配置される第１の種類の電気部品２１ａと、を有する。第１の種類の電気部品２１ａは、複数種類の電気部品２１のうちの第１仕様に応じた種類の電気部品である。第１の種類の電気部品２１は、電源回路２２と、第１ヒューズ２３ａと、第２ヒューズ２４ａと、第１インバータ回路２５Ａａと、第２インバータ回路２５Ｂａと、第１加熱コイル４Ａと、第２加熱コイル４Ｂと、を含む。第１インバータ回路２５Ａａは、第１チョークコイル２６ａと、第１スイッチング回路２８Ａと、を含む。第１インバータ回路２５Ａａは、第１コンデンサ２９Ａと、第２コンデンサ３０Ａと、第３コンデンサ３１Ａと、をさらに含む。第２インバータ回路２５Ｂａは、第２チョークコイル２７ａと、第２スイッチング回路２８Ｂと、を含む。第２インバータ回路２５Ｂａは、第４コンデンサ２９Ｂと、第５コンデンサ３０Ｂと、第６コンデンサ３１Ｂと、をさらに含む。

本明細書において、第１ヒューズ２３ａ、第２ヒューズ２４ａ、第１チョークコイル２６ａ、及び第２チョークコイル２７ａは、第１の種類の電気部品２１ａの一例である。また、本明細書において、第１加熱コイル４Ａ、及び第２加熱コイル４Ｂは、第１の種類の電気部品２１ａの一例である。本明細書において、第１コンデンサ２９Ａ、第２コンデンサ３０Ａ、第３コンデンサ３１Ａ、第４コンデンサ２９Ｂ、第５コンデンサ３０Ｂ、及び第６コンデンサ３１Ｂは、第１の種類の電気部品２１ａの一例である。本明細書において、第１スイッチング回路２８Ａ、第２スイッチング回路２８Ｂは、第１の種類の電気部品２１ａの一例である。本明細書において、後述する第１スイッチング素子３２Ａ、第２スイッチング素子３３Ａ、第３スイッチング素子３２Ｂ、第４スイッチング素子３３Ｂは、第１の種類の電気部品２１ａの一例である。

電源回路２２は、電源５０（例えば商用交流電源）から供給される交流電圧を全波整流して直流電圧に変換する整流回路２２２、変換された直流電圧を平滑する平滑コンデンサ２２３及び下流の回路を保護するための電流ヒューズ２２１を備える。整流回路２２２は、例えばダイオードブリッジである。整流回路２２２は、交流電流が入力される２つの端子２２２Ａ，２２２Ｂと、直流電流を出力する端子２２２Ｃ，端子２２２Ｄとを有する。端子２２２Ｄは、第１電気回路の基準電位を示すグラウンド３４に接続されている。平滑コンデンサ２２３の一方の端は、端子２２２Ｃに接続され、他方の端は、端子２２２Ｄに接続される。

プリント基板１０は、基板１１と、互いに絶縁された、基板１１上の複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇと、を有する。各導体パターン１２Ａ～１２Ｇは、導電性材料で形成されており、電源回路２２から出力された電流が流れ得る。詳細は後述するように、プリント基板１０には、複数の孔１３Ａ～１３Ｃが設けられている。プリント基板１０は、第１印字領域１５と、第２印字領域１６と、をさらに含む。

基板１１は、プリント基板１０の板状の部材を示す。

複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇは、基板１１に形成される。基板１１上の複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇは、少なくとも第１導体パターン１２Ａと、第２導体パターン１２Ｃと、第３導体パターン１２Ｆと、を含む。

第１導体パターン１２Ａは、電源回路２２から出力される電流を受ける。つまり、第１導体パターン１２Ａは、電源回路２２から出力される電流の経路において、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇのうちの最も上流側に配置される導体パターンを示す。第１導体パターン１２Ａは、電源回路２２から出力される電流を受ける電源端を有してもよい。電源端は、例えば、整流回路２２２の端子２２２Ｃと接続され得る。

第２導体パターン１２Ｃは、電源回路２２に対して第１導体パターン１２Ａよりも下流側に配置される。詳細は後述するように、第２導体パターンは、第１加熱コイル４Ａと接続され得る。

第３導体パターン１２Ｆは、電源回路２２に対して第１導体パターン１２Ａよりも第２導体パターン１２Ｃとは異なる下流側に配置される。詳細は後述するように、第３導体パターン１２Ｆは、第２加熱コイル４Ｂと接続され得る。

第１印字領域１５及び第２印字領域１６は、第１ヒューズ２３ａの定格電流及び第２ヒューズ２４ａの定格電流が印字され得る。第１印字領域１５及び第２印字領域１６のそれぞれは、各ヒューズ２３ａ，２４ａの定格電流が把握できるように、各ヒューズ２３ａ，２４ａが配置される領域に関連付けて設けられる。例えば、第１印字領域１５は、第１ヒューズ２３ａが取り付けられる場所を示すように設けられてもよい。第２印字領域１６は、第２ヒューズ２４ａが取り付けられる場所を示すように設けられてもよい。このように、第１印字領域１５及び第２印字領域１６は、第１の種類の電気部品２１ａのうちの少なくとも１つの部品に関する第１情報を少なくとも１つの部品に関連付けて印字され得る。上記した各ヒューズ２３ａ,２４ａの定格電流は、第１情報の一例である。例えば、第１印字領域１５及び第２印字領域１６のそれぞれは、各ヒューズ２３ａ，２４ａが配置される領域に接続される線を有する。なお、後述する第２誘導加熱調理器１ｂにおける第２電気回路２０ｂのように第１ヒューズ２３ａ又は第２ヒューズ２４ａが設けられない場合、第１印字領域１５又は第２印字領域１６にはヒューズが設けられないことを示す記号が印字され得る。当該記号は、例えば「※※」であってもよい。このように、第１印字領域１５及び第２印字領域１６は、後述する第２の種類の電気部品２１ｂのうちの少なくとも１つの部品に関する第２情報を少なくとも１つの部品に関連付けて印字され得る。上記した記号は、第２情報の一例である。印字された第１情報と、印字された第２情報とは異なっている。

第１ヒューズ２３ａは、電源回路２２と、電源回路２２に対する第１チョークコイル２６ａの上流側とを接続する。具体的には、第１ヒューズ２３ａは、整流回路２２２の端子２２２Ｃと第１チョークコイル２６ａとを接続するように配置される。また、第１ヒューズ２３ａは、過大な電流が流れると溶断することで、第１ヒューズ２３ａの下流に配置される第１インバータ回路２５Ａａを保護する。

第２ヒューズ２４ａは、電源回路２２と、電源回路２２に対する第２チョークコイル２７ａの上流側とを接続する。具体的には、第２ヒューズ２４ａは、整流回路２２２の端子２２２Ｃと第２チョークコイル２７ａとを接続するように配置される。また、第２ヒューズ２４ａは、過大な電流が流れると溶断することで、第２ヒューズ２４ａの下流に配置される第２インバータ回路２５Ｂａを保護する。

第１チョークコイル２６ａは、第１ヒューズ２３ａの下流に配置されている。第１チョークコイル２６ａは、一方の端が第１ヒューズ２３ａに接続され、他方の端が第１加熱コイル４Ａに接続される。第１チョークコイル２６ａは、第１ヒューズ２３ａを介して、整流回路２２２の端子２２２Ｃと第１加熱コイル４Ａとの間に配置される。

第２チョークコイル２７ａは、第２ヒューズ２４ａの下流に配置されている。第２チョークコイル２７ａは、一方の端が第２ヒューズ２４ａに接続され、他方の端が第２加熱コイル４Ｂに接続される。

第１インバータ回路２５Ａａは、第１チョークコイル２６ａ、第１スイッチング回路２８Ａ及び第１～第３コンデンサ２９Ａ～３１Ａとともに、電源回路２２から出力される直流電流を高周波電流へと変換して、第１加熱コイル４Ａに供給する。

第２インバータ回路２５Ｂａは、第２チョークコイル２７ａは、第２スイッチング回路２８Ｂ及び第４～第６コンデンサ２９Ｂ～３１Ｂとともに、電源回路２２から出力される直流電流を高周波電流へと変換して、第２加熱コイル４Ｂに供給する。

第１スイッチング回路２８Ａは、第１スイッチング素子３２Ａと第２スイッチング素子３３Ａとを有する。第１加熱コイル４Ａは、第１スイッチング素子３２Ａ、第２スイッチング素子３３Ａのオン／オフが切り換えられることで、所定のパラメータを有する高周波の電流が流れるように制御される。

第１スイッチング素子３２Ａは、一方の端が第１加熱コイル４Ａに接続され、他方の端が整流回路２２２の端子２２２Ｄに接続されている。第２スイッチング素子３３Ａは、直列に接続された第３コンデンサ３１Ａとともに、第１加熱コイル４Ａに対して並列に接続されている。

第１コンデンサ２９Ａは、第１チョークコイル２６ａと、整流回路２２２の端子２２２Ｄとに接続されている。具体的には、第１コンデンサ２９Ａは、一方の端が第１チョークコイル２６ａと第１加熱コイル４Ａとの間の接続点と接続され、他方の端が整流回路２２２の端子２２２Ｄに接続されている。

第３コンデンサ３１Ａは、一方の端が第１チョークコイル２６ａと第１加熱コイル４Ａとの間の接続点に接続され、他方の端が第２スイッチング素子３３Ａに接続されている。第２コンデンサ３０Ａは、第１加熱コイル４Ａの両端に接続されている。つまり、第２コンデンサ３０Ａは、第１加熱コイル４Ａに対して並列に接続されている。また、第２コンデンサ３０Ａは、第３コンデンサ３１Ａ及び第２スイッチング素子３３Ａに対して並列に接続されている。

第２インバータ回路２５Ｂａは、第１インバータ回路２５Ａａと同様の構成を有するため、説明を省略する。

本開示に係る第１誘導加熱調理器１ａは、コントローラ５が第１スイッチング素子３２Ａ、第２スイッチング素子３３Ａのオン／オフを切り換えることで、加熱コイル４Ａに所定のパラメータを有する高周波の電流が流れるように制御される。第１誘導加熱調理器１ａは、第１加熱コイル４Ａに高周波の電流が流れることで、トッププレート２の第１加熱コイル４Ａ上に載置された加熱調理対象、例えば調理容器Ｃ、を加熱することができる。また、本開示に係る誘導加熱調理器１ａは、コントローラ５が第３スイッチング素子３２Ｂ、第４スイッチング素子３３Ｂのオン／オフを切り換えることで、第２加熱コイル４Ｂに所定のパラメータを有する高周波の電流が流れるように制御される。第１誘導加熱調理器１ａは、第２加熱コイル４Ｂに高周波の電流が流れることで、トッププレート２の第２加熱コイル４Ｂ上に載置された加熱対象物を加熱することができる。

図５は、本実施の形態に係る第２誘導加熱調理器１ｂの第２電気回路２０ｂの一例の概略図を示す。図５の第２電気回路２０ｂは、本体３内に配置される回路である。図６は、図５に示す第２電気回路２０ｂの回路図である。第２誘導加熱調理器１ｂについては、主に第１誘導加熱調理器１ａと異なる点について説明する。第２誘導加熱調理器１ｂにおいて、第１誘導加熱調理器１ａと同一又は同様の構成については、同じ符号を付して説明する。また、第２誘導加熱調理器１ｂでは、第１誘導加熱調理器１ａと重複する記載は省略することがある。

第２電気回路２０ｂは、電源５０から供給される電流を電源回路２２を介して加熱コイル４Ａ，４Ｂへと伝達するように構成される。第２電気回路２０ｂは、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇを有するプリント基板１０と、プリント基板１０上に配置される第２の種類の電気部品２１ｂと、を有する。第２の種類の電気部品２１ｂは、複数種類の電気部品２１のうちの第２仕様に応じた種類の電気部品である。第２の種類の電気部品２１ｂは、電源回路２２と、第１接続線２３ｂと、第２接続線２４ｂと、第１インバータ回路２５Ａｂと、第２インバータ回路２５Ｂｂと、第１加熱コイル４Ａと、第２加熱コイル４Ｂと、を含む。第１インバータ回路２５Ａｂは、第１チョークコイル２６ｂと、第１スイッチング回路２８Ａと、を含む。第１インバータ回路２５Ａｂは、第１コンデンサ２９Ａと、第２コンデンサ３０Ａ、第３コンデンサ３１Ａと、をさらに含む。第２インバータ回路２５Ｂｂは、第２チョークコイル２７ｂと、第２スイッチング回路２８Ｂと、を含む。第２インバータ回路２５Ｂｂは、第４コンデンサ２９Ｂと、第５コンデンサ３０Ｂ、第６コンデンサ３１Ｂと、をさらに含む。

本明細書において、第１接続線２３ｂ、第２接続線２４ｂ、第１チョークコイル２６ｂ、及び第２チョークコイル２７ｂは、第２の種類の電気部品２１ｂの一例である。また、本明細書において、第１加熱コイル４Ａ、第２加熱コイル４Ｂは、第２の種類の電気部品２１ｂの一例である。本明細書において、第１コンデンサ２９Ａ、第２コンデンサ３０Ａ、第３コンデンサ３１Ａ、第４コンデンサ２９Ｂ、第５コンデンサ３０Ｂ、第６コンデンサ３１Ｂは、第２の種類の電気部品２１ｂの一例である。本明細書において、第１スイッチング回路２８Ａ、第２スイッチング回路２８Ｂは、第２の種類の電気部品２１ｂの一例である。本明細書において、第１スイッチング素子３２Ａ、第２スイッチング素子３３Ａ、第３スイッチング素子３２Ｂ、第４スイッチング素子３３Ｂは、第２の種類の電気部品２１ｂの一例である。

第１接続線２３ｂは、電源回路２２と、電源回路２２に対する第１チョークコイル２６ｂの上流側とを接続する。具体的には、第１接続線２３ｂは、整流回路２２２の端子２２２Ｃと第１チョークコイル２６ｂとを接続するように配置される。

第２接続線２４ｂは、電源回路２２に対する第１チョークコイル２６ｂの下流側と、第２チョークコイル２７ｂの上流側とを接続する。つまり、第２接続線２４ｂは、第１チョークコイル２６ｂと第２チョークコイル２７ｂとを接続するように配置される。具体的には、第２接続線２４ｂは、一方の端が第１チョークコイル２６ｂと第１加熱コイル４Ａとの間の接続点に接続され、他方の端が第２チョークコイル２７ｂに接続されている。

第１インバータ回路２５Ａｂは、第１チョークコイル２６ｂ、第１スイッチング回路２８Ａ及び第１～第３コンデンサ２９Ａ～３１Ａとともに、電源回路２２から出力される直流電流を高周波電流へと変換して、第１加熱コイル４Ａに供給する。

第２インバータ回路２５Ｂｂは、第１及び第２チョークコイル２６ｂ，２７ｂ、第２スイッチング回路２８Ｂ及び第４～第６コンデンサ２９Ｂ～３１Ｂとともに、電源回路２２から出力される直流電流を高周波電流へと変換して、第２加熱コイル４Ｂに供給する。

第１チョークコイル２６ｂは、第１接続線２３ｂの下流に配置されている。第１チョークコイル２６ｂは、一方の端が第１接続線２３ｂに接続され、他方の端が第１加熱コイル４Ａに接続されている。第１チョークコイル２６ｂは、第１接続線２３ｂを介して、整流回路２２２の端子２２２Ｃと第１加熱コイル４Ａとの間に配置される。

第２チョークコイル２７ｂは、第２接続線２４ｂの下流に配置されている。第２チョークコイル２７ｂは、一方の端が第１チョークコイル２６ｂと第１加熱コイル４Ａとの間の接続点に接続され、他方の端が第２加熱コイル４Ｂに接続されている。第２チョークコイル２７ｂは、第２接続線２４ｂを介して、第１チョークコイル２６ｂと第２加熱コイル４Ｂとの間に配置される。本実施の形態に係る第２誘導加熱調理器１ｂにおいて、第２チョークコイル２７ｂは、第１誘導加熱調理器１ａの第２チョークコイル２７ａと比べて、巻数が少ないチョークコイルが使用され得る。

第１コンデンサ２９Ａは、第１チョークコイル２６ｂと、整流回路２２２の端子２２２Ｄとに接続されている。具体的には、第１コンデンサ２９Ａは、一方の端が第１チョークコイル２６ｂと第１加熱コイル４Ａとの間の接続点に接続され、他方の端が整流回路２２２の端子２２２Ｄに接続されている。

第２インバータ回路２５Ｂｂは、第１インバータ回路２５Ａｂと同様の構成を有するため、説明を省略する。

上記した第１の種類の電気部品２１ａと第２の種類の電気部品２１ｂとの間には、共通する部品がある。誘導加熱調理器１ａ，１ｂを作成するため、プリント基板１０には、第１の種類の電気部品２１ａ及び第２の種類の電気部品２１ｂのうちの共通する部品が取り付けられる。具体的には、プリント基板１０には、電源回路２２と、第１加熱コイル４Ａと、第２加熱コイル４Ｂと、が取り付けられる。また、プリント基板１０には、第１コンデンサ２９Ａと、第２コンデンサ３０Ａと、第３コンデンサ３１Ａ、第４コンデンサ２９Ｂ、第５コンデンサ３０Ｂ、第６コンデンサ３１Ｂとが取り付けられる。また、プリント基板１０には、作成される誘導加熱調理器１の仕様に応じて、第１の種類の電気部品２１ａ又は第２の種類の電気部品２１ｂのうちの残りの部品が取り付けられる。

プリント基板１０には複数の孔１３Ａ～１３Ｃが設けられている。具体的には、基板１１及び複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇには複数の孔１３Ａ～１３Ｃが設けられている。複数の孔１３Ａ～１３Ｃには誘導加熱調理器１の仕様に応じた複数種類の電気部品２１が取り付け可能である。つまり、複数種類の電気部品２１は、複数の孔１３Ａ～１３Ｃを介してプリント基板１０に取り付けられる。各電気部品２１は、複数の孔１３Ａ～１３Ｃのそれぞれに取り付けられると、当該孔１３Ａ～１３Ｃが設けられている導体パターン１２Ａ～１２Ｇのそれぞれと電気的に接続される。各電気部品２１は、例えば半田によって複数の孔１３Ａ～１３Ｃのそれぞれに取り付けられ得る。複数の孔は、複数の第１孔１３Ａと、複数の第２孔１３Ｂと、複数の第３孔１３Ｃと、を有する。

複数の第１孔１３Ａには、第１の種類の電気部品２１ａが取り付けられる。複数の第２孔１３Ｂには、第２の種類の電気部品２１ｂが取り付けられる。複数の第３孔１３Ｃには、第１の種類の電気部品２１ａ又は第２の種類の電気部品２１ｂが取り付けられる。

本実施の形態に係る誘導加熱調理器１は、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇの少なくとも一部と、第１又は第２の種類の電気部品２１ａ，２１ｂとが接続されることで、第１又は第２加熱コイル４Ａ，４Ｂに高周波電流を供給するための回路が形成される。誘導加熱調理器１は、仕様に応じて第１の種類の電気部品２１ａ又は第２の種類の電気部品２１ｂのいずれか一方をプリント基板１０に取り付けることで、共通のプリント基板１０を用いて、仕様に応じた異なる回路を形成することができる。それによって、誘導加熱調理器１は、共通のプリント基板１０を用いつつ、第１仕様に係る第１電気回路２０ａ又は第２仕様に係る第２電気回路２０ｂを構成することができる。

まず、図３を参照して、本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器１ａの第１電気回路２０ａにおいて構成される電気的に接続される経路について説明する。図３は、プリント基板１０と電気部品２１とを示す。プリント基板１０は、上記したように互いに絶縁された、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇを有する。

本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器１ａにおいて、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇは、第１導体パターン１２Ａと、第２導体パターン１２Ｃと、第３導体パターン１２Ｆと、を含む。第１導体パターン１２Ａは、電源回路２２から出力される電流を受ける導体パターンを示す。具体的には、整流回路２２２の端子２２２Ｃは、第１導体パターン１２Ａに接続されており、整流回路２２２の端子２２２Ｃから出力された電流が第１導体パターン１２Ａに伝達される。つまり、第１導体パターン１２Ａは、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇのうち、電源回路２２に対して最も上流側に配置されている。

第２導体パターン１２Ｃは、電源回路２２に対して、第１導体パターン１２Ａよりも下流側に配置された導体パターンを示す。第２導体パターン１２Ｃは、第１加熱コイル４Ａと接続され、それによってさらに下流側に配置された導体パターン１２Ｄと接続される。

導体パターン１２Ｆは、電源回路２２に対して、第１導体パターン１２Ａよりも第２導体パターン１２Ｃとは異なる下流側に配置された導体パターンを示す。第３導体パターン１２Ｆは、第２加熱コイル４Ｂと接続され、それによってさらに下流側に配置された導体パターン１２Ｇと接続される。

本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器１ａのプリント基板１０において、第１導体パターン１２Ａは、少なくとも２つの第１孔１３Ａと、少なくとも１つの第２孔１３Ｂと、を有する。導体パターン１２Ｂは、少なくとも２つの第３孔１３Ｃを有する。第２導体パターン１２Ｃは、少なくとも１つの第３孔１３Ｃを有する。導体パターン１２Ｄは、少なくとも１つの第３孔１３Ｃを有する。導体パターン１２Ｅは、少なくとも２つの第１孔１３Ａと、少なくとも２つの第２孔１３Ｂと、を有する。第３導体パターン１２Ｆは、少なくとも１つの第１孔１３Ａと、少なくとも１つの第２孔１３Ｂと、を有する。導体パターン１２Ｇは、少なくとも１つの第３孔１３Ｃを有する。

図３に示すように、第１誘導加熱調理器１ａにおいて、第１導体パターン１２Ａの第１孔１３Ａには、第１ヒューズ２３ａの一方の端が取り付けられる。また、第１導体パターン１２Ａの他の第１孔１３Ａには、第２ヒューズ２４ａの一方の端が取り付けられる。第１の種類の電気部品２１ａが取り付けられる孔は、一例であり、これに限定されない。後述する第２の種類の電気部品２１ｂが取り付けられる孔も同様である。

導体パターン１２Ｂの第３孔１３Ｃには、第１ヒューズ２３ａの他方の端が取り付けられる。導体パターン１２Ｂの他の第３孔１３Ｃには、第１チョークコイル２６ａの一方の端が取り付けられる。

第２導体パターン１２Ｃの第３孔１３Ｃには、第１チョークコイル２６ａの他方の端が取り付けられる。第２導体パターン１２Ｃには、第２導体パターン１２Ｃと接続する第１端子部１４Ａが設けられる。第１端子部１４Ａには、第１加熱コイル４Ａの一方の端が取り付けられる。

導体パターン１２Ｄには、導体パターン１２Ｄと接続する第１端子部１４Ａが設けられる。第１端子部１４Ａには、第１加熱コイル４Ａの他方の端が取り付けられる。

導体パターン１２Ｅの第１孔１３Ａには、第２ヒューズ２４ａの他方の端が取り付けられる。また、導体パターン１２Ｅの他の第１孔１３Ａには、第２チョークコイル２７ａの一方の端が取り付けられる。

第３導体パターン１２Ｆの第１孔１３Ａには、第２チョークコイル２７ａの他方の端が取り付けられる。第３導体パターン１２Ｆには、第３導体パターン１２Ｆと接続する第２端子部１４Ｂが設けられる。第２端子部１４Ｂには、第２加熱コイル４Ｂの一方の端が取り付けられる。

導体パターン１２Ｇには、導体パターン１２Ｇと接続する第２端子部１４Ｂが設けられる。第２端子部１４Ｂには、第２加熱コイル４Ｂの他方の端が取り付けられる。

このように構成されることで、本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器１ａの第１電気回路２０ａにおいて、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇの少なくとも一部が第１経路で電気的に接続される。第１経路は、第１の１次経路と、第１の１次経路とは異なる第１の２次経路と、を含む。

第１の１次経路は、第１導体パターン１２Ａ及び第２導体パターン１２Ｃを含む複数の導体パターンの少なくとも一部と、第１ヒューズ２３ａと、第１チョークコイル２６ａと、を含む経路を示す。具体的には、第１の１次経路は、第１導体パターン１２Ａと、第１ヒューズ２３ａと、導体パターン１２Ｂと、第１チョークコイル２６ａと、第２導体パターン１２Ｃと、を順に接続する経路により構成される。第１の１次経路は、第１加熱コイル４Ａ及び導体パターン１２Ｄをさらに含んでもよい。

第１の２次経路は、第１導体パターン１２Ａ及び第３導体パターン１２Ｆを含む複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇの少なくとも一部と、第２ヒューズ２４ａと、第２チョークコイル２７ａと、を含む経路を示す。具体的には、第１の２次経路は、第１導体パターン１２Ａと、第２ヒューズ２４ａと、導体パターン１２Ｅと、第２チョークコイル２７ａと、第３導体パターン１２Ｆと、を順に接続する経路により構成される。第１の２次経路は、第２加熱コイル４Ｂ及び導体パターン１２Ｇをさらに含んでもよい。

このように第１仕様に応じた第１の種類の電気部品２１ａをプリント基板１０に取り付けることで、共通のプリント基板１０を用いて、第１誘導加熱調理器１ａを構成することができる。

次に、図５を参照して、本実施の形態に係る第２誘導加熱調理器１ｂの第２電気回路２０ｂにおいて構成される電気的に接続された経路について説明する。図５は、プリント基板１０と第２の種類の電気部品２１ｂとを示す。プリント基板１０は、図３に示す第１誘導加熱調理器１ａの場合と同様に構成される。

図５に示すように、第２誘導加熱調理器１ｂにおいて、第１導体パターン１２Ａの第２孔１３Ｂには、第１接続線２３ｂの一方の端が取り付けられる。第１接続線２３ｂの一方の端は、第１導体パターン１２Ａの第１孔１３Ａに取り付けられてもよい。

導体パターン１２Ｂの第３孔１３Ｃには、第１接続線２３ｂの他方の端が取り付けられる。第１接続線２３ｂの他方の端は、導体パターン１２Ｂの第１孔１３Ａに取り付けられてもよい。導体パターン１２Ｂの他の第３孔１３Ｃには、第１チョークコイル２６ｂの一方の端が取り付けられる。

導体パターン１２Ｂの第２孔１３Ｂには、第２接続線２４ｂの一方の端が取り付けられる。

第２導体パターン１２Ｃの第３孔１３Ｃには、第１チョークコイル２６ｂの他方の端が取り付けられる。また、第２導体パターン１２Ｃの第２孔１３Ｂには、第２接続線２４ｂの一方の端が取り付けられる。図３に示す第１誘導加熱調理器１ａの場合と同様、第２導体パターン１２Ｃに設けられた第１端子部１４Ａには、第１加熱コイル４Ａの一方の端が取り付けられる。

図３に示す第１誘導加熱調理器１ａの場合と同様、導体パターン１２Ｄに設けられた第１端子部１４Ａには、第１加熱コイル４Ａの他方の端が取り付けられる。

導体パターン１２Ｅの第２孔１３Ｂには、第２接続線２４ｂの他方の端が取り付けられる。導体パターン１２Ｅの他の第２孔１３Ｂには、第２チョークコイル２７ｂの一方の端が取り付けられる。

第３導体パターン１２Ｆの第２孔１３Ｂには、第２チョークコイル２７ｂの他方の端が取り付けられる。図３に示す第１誘導加熱調理器１ａの場合と同様、第３導体パターン１２Ｆに設けられた第２端子部１４Ｂには、第２加熱コイル４Ｂの一方の端が取り付けられる。

図３に示す第１誘導加熱調理器１ａの場合と同様、導体パターン１２Ｇに設けられた第２端子部１４Ｂには、第２加熱コイル４Ｂの他方の端が取り付けられる。

このように構成されることで、本実施の形態に係る第２誘導加熱調理器１ｂの第２電気回路２０ｂにおいて、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇの少なくとも一部が第２経路で電気的に接続される。第２経路は、第２の１次経路と、第２の１次経路とは異なる第２の２次経路と、を含む。

第２の１次経路は、第１導体パターン１２Ａ及び第２導体パターン１２Ｃを含む複数の導体パターンの少なくとも一部と、第１接続線２３ｂと、第１チョークコイル２６ｂと、を含む経路を示す。具体的には、具体的には、第２の１次経路は、第１導体パターン１２Ａと、第１接続線２３ｂと、導体パターン１２Ｂと、第１チョークコイル２６ｂと、第２導体パターン１２Ｃと、により構成される。第２の１次経路は、第１加熱コイル４Ａ及び導体パターン１２Ｄをさらに含んでもよい。

第２の２次経路は、第１、第２及び第３導体パターン１２Ａ、１２Ｃ、１２Ｆを含む複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇの少なくとも一部と第１接続線２３ｂと、第２接続線２４ｂと、第１チョークコイル２６ｂと、第２チョークコイル２７ｂと、を含む経路を示す。具体的には、第２の２次経路は、第１導体パターン１２Ａと、第１接続線２３ｂと、導体パターン１２Ｂと、第１チョークコイル２６ｂと、第２導体パターン１２Ｃと、第２接続線２４ｂと、導体パターン１２Ｅと、第２チョークコイル２７ｂと、第３導体パターン１２Ｆと、を順に接続する経路により構成される。第２の２次経路は、第２加熱コイル４Ｂ及び導体パターン１２Ｇをさらに含んでもよい。

このように第２仕様に応じた第２の種類の電気部品２１ｂをプリント基板１０に取り付けることで、共通のプリント基板１０を用いて、第２誘導加熱調理器１ｂを構成することができる。

図７は、本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器１ａの第１電気回路２０ａの一例の概略図を示す。図７に示す線Ｌ１は、第１電気回路２０ａにおいて、第１ヒューズ２３ａを取り付けた第１導体パターン１２Ａの第１孔１３Ａ及び導体パターン１２Ｂの第３孔１３Ｃを結ぶ線を示す。線Ｌ１は、実線及び破線を含む。実線及び破線は、第１電気回路２０ａにおいて、第１ヒューズ２３ａを取り付けた第１導体パターン１２Ａの第１孔１３Ａと導体パターン１２Ｂの第３孔１３Ｃとの間を結ぶ直線及びその延長線を示す。第２電気回路２０ｂにおける第１接続線２３ｂを取り付けた第１導体パターン１２Ａの第２孔１３Ｂ及び導体パターン１２Ｂの第３孔１３Ｃを結ぶ線及びその延長線は、線Ｌ１に対応する。

図７に示す線Ｌ２は、第２電気回路２０ｂにおける第２接続線２４ｂを取り付けた第３導体パターン１２Ｃの第２孔１３Ｂ及び導体パターン１２Ｅの第２孔１３Ｂを結ぶ線を示す。線Ｌ２は、実線及び破線を有する。実線及び破線は、第２電気回路２０ｂにおける第２接続線２４ｂを取り付けた第３導体パターン１２Ｃの第２孔１３Ｂと導体パターン１３Ｅの第２孔１３Ｂとの間を結ぶ直線及びその延長線に対応する。

図７に示す線Ｌ３は、第１電気回路２０ａにおいて、第２ヒューズ２４ａを取り付けた第１導体パターン１２Ａの第１孔１３Ａ及び導体パターン１２Ｅの第１孔１３Ａを結ぶ線を示す。線Ｌ３は、実線及び破線を含む。実線及び破線は、第１電気回路２０ａにおいて、第２ヒューズ２４ａを取り付けた第１導体パターン１２Ａの第１孔１３Ａと導体パターン１２Ｅの第１孔１３Ａとの間を結ぶ線及びその延長線を示す。

図７に示す三角形の領域Ｔ１は、線Ｌ１と、線Ｌ２と、線Ｌ３と、囲まれた領域を示す。図７から明らかなように、線Ｌ１と線Ｌ２との交点、線Ｌ２と線Ｌ３との交点、及び線Ｌ３及び線Ｌ１の交点が三角形を示すように、第１孔１３Ａ～第３孔１３Ｃは配置される。第１電気回路２０ａにおいて、第１ヒューズ２３ａが下流の第１チョークコイル２６ａに近接するように配置されると、第１の種類の電気部品２１ａは効率的に配置される。第１電気回路２０ａにおいて、第２ヒューズ２４ａが下流の第２チョークコイル２７ｂに近接するように配置されると、第１の種類の電気部品２１ａは効率的に配置される。第２電気回路２０ｂにおいて、第１接続線２３ｂが下流の第１チョークコイル２６ｂに近接するように配置されると、第２の種類の電気部品２１ｂは効率的に配置される。第２電気回路２０ｂにおいて、第２接続線２４ｂが下流の第２チョークコイル２７ｂに近接するように配置されると、第２の種類の電気部品２１ｂは効率的に配置される。

図８は、本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器１ａの本体３内の一部の概略図を示す。図８は、第１電気回路２０ａに加えて、ファンユニット４０を示す。ファンユニット４０は、ファン４１と、風路壁４２と、を含む。ファンユニット４０は、第２誘導加熱調理器１ｂにおいても同様に構成される。

ファン４１は、第１電気回路２０ａへと送風するための風を生成することができる。本実施の形態において、ファン４１は、図８に示す矢印Ｗ１の方向へ送風する。

風路壁４２は、ファン４１で生成された風を所定の方向へと変更する。本実施の形態において、風路壁４２は、少なくとも矢印Ｗ２の方向へと送風されるように風の向きを変更する。本明細書において、適宜、矢印Ｗ２の方向へ流れる風を冷却風Ｗ２ともいう。

上記したように、第１スイッチング回路２８Ａと第２スイッチング回路２８Ｂとは、第１ヒートシンク３５Ａと第２ヒートシンク３５Ｂとにそれぞれ取り付けられ、各ヒートシンク３５Ａ，３５Ｂへと熱を伝達する。そして、各スイッチング回路２８Ａ，２８Ｂは、各ヒートシンク３５Ａ，３５Ｂを介して放熱する。冷却風Ｗ２は、各ヒートシンク３５Ａ，３５Ｂを冷却する。したがって、各加熱コイル４Ａ，４Ｂの駆動時、各ヒートシンク３５Ａ，３５Ｂの下流において、冷却風Ｗ２は、各ヒートシンク３５Ａ，３５Ｂの上流と比べて高い温度を有し得る。

各チョークコイル２６ａ，２６ｂ，２７ａ，２７ｂは、温度が上昇すると性能が低下し得る。したがって、本実施の形態に係る第１電気回路２０ａにおいて、第１チョークコイル２６ａは、冷却風Ｗ２の上流側から第１ヒートシンク３５Ａを見て、第１ヒートシンク３５Ａに対して横にずれた位置に配置されている。つまり、冷却風Ｗ２の方向に関して、第１チョークコイル２６ａと第１ヒートシンク３５Ａとが一列に並んでいない。このように配置することで、第１加熱コイル４Ａの駆動時、第１誘導加熱調理器１ａは、第１ヒートシンク３５Ａによって熱せられた冷却風Ｗ２が第１チョークコイル２６ａに直接当たることを抑制できる。第１誘導加熱調理器１ａは、そのため、第１チョークコイル２６ａの性能の低下を抑制することができる。

また、第２チョークコイル２７ａは、冷却風Ｗ２の上流側から第２ヒートシンク３５Ｂを見て、第２ヒートシンク３５Ｂに対して横にずれた位置に配置されている。つまり、冷却風Ｗ２の方向に関して、第２チョークコイル２７ａと第２ヒートシンク３５Ｂとが一列に並んでいない。また、冷却風Ｗ２の方向に関して、第１チョークコイル２６ａと第２ヒートシンク３５Ｂとが一列に並んでいない。このように配置することで、第２加熱コイル４Ｂの駆動時、第１誘導加熱調理器１ａは、第２ヒートシンク３５Ｂによって熱せられた冷却風Ｗ２が第１チョークコイル２６ａ及び第２チョークコイル２７ａに直接当たることを抑制できる。第１誘導加熱調理器１ａは、そのため、第１チョークコイル２６ａ及び第２チョークコイル２７ａの性能の低下を抑制することができる。

さらに、本実施の形態に係る第２電気回路２０ｂにおいて、第１チョークコイル２６ｂは、冷却風Ｗ２の上流側から第１ヒートシンク３５Ａを見て、第１ヒートシンク３５Ａに対して横にずれた位置に配置されている。つまり、冷却風Ｗ２の方向に関して、第１チョークコイル２６ｂと第１ヒートシンク３５Ａとが一列に並んでいない。このように配置することで、第１加熱コイル４Ａの駆動時、第２誘導加熱調理器１ｂは、第１ヒートシンク３５Ａによって熱せられた冷却風Ｗ２が第１チョークコイル２６ｂに直接当たることを抑制できる。第２誘導加熱調理器１ｂは、そのため、第１チョークコイル２６ｂの性能の低下を抑制することができる。

また、第２チョークコイル２７ｂは、冷却風Ｗ２の上流側から第２ヒートシンク３５Ｂを見て、第２ヒートシンク３５Ｂに対して横にずれた位置に配置されている。つまり、冷却風Ｗ２の方向に関して、第２チョークコイル２７ｂと第２ヒートシンク３５Ｂとが一列に並んでいない。また、冷却風Ｗ２の方向に関して、第１チョークコイル２６ｂと第２ヒートシンク３５Ｂとが一列に並んでいない。このように配置することで、第２加熱コイル４Ｂの駆動時、第２誘導加熱調理器１ｂは、第２ヒートシンク３５Ｂによって熱せられた冷却風Ｗ２が第１チョークコイル２６ｂ及び第２チョークコイル２７ｂに直接当たることを抑制できる。第２誘導加熱調理器１ｂは、そのため、第１チョークコイル２６ｂ及び第２チョークコイル２７ｂの性能の低下を抑制することができる。

本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器１ａ及び第２誘導加熱調理器１ｂによれば、各電気回路２０ａ，２０ｂは、共通のプリント基板１０を用いて、各チョークコイル２６ａ，２６ｂ，２７ａ，２７ｂの位置を変えずに、構成され得る。そのため、各誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、仕様の違いによらず、同等の冷却構成を有することができる。したがって、誘導加熱調理器１は、回路の共用化を行うことで、開発工数を軽減でき、効率的に設計され得る。

図９は、本開示に係る誘導加熱調理器１ａ，１ｂを製造する方法を示すフローチャートである。図９に示すように、製造方法は、ステップＳ１０において、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇを有するプリント基板１０を用意する。製造方法は、ステップＳ１１において、プリント基板１０の複数の第１孔１３Ａ及び複数の第３孔１３Ｃに第１の種類の電気部品２１ａを実装し、又は複数の第２孔１３Ｂ及び複数の第３孔１３Ｃに第２の種類の電気部品２１ｂを実装する。プリント基板１０に第１の種類の電気部品２１ａが実装されると、当該製造方法により第１誘導加熱調理器１ａに関する第１電気回路２０ａが製造され得る。プリント基板１０に第２の種類の電気部品２１ｂが実装されると、当該製造方法により第２誘導加熱調理器１ｂに関する第２電気回路２０ｂが製造され得る。

製造方法は、第１の種類の電気部品２１ａを実装した場合、ステップＳ１２において、プリント基板１０に第１の種類の電気部品２１ａのうちの少なくとも１つの部品に関する第１情報を当該少なくとも１つの部品に関連付けて印字する。具体的には、第１情報は、第１印字領域１５又は第２印字領域１６の少なくとも一方に印字され得る。製造方法は、第２の種類の電気部品２１ｂを実装した場合、ステップＳ１２において、プリント基板１０に第２の種類の電気部品２１ｂのうちの少なくとも１つの部品に関する第２情報を当該少なくとも１つの部品に関連付けて印字する。具体的には、第２情報は、第１印字領域１５又は第２印字領域１６の少なくとも一方に印字され得る。

本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器１ａにおいて、第１印字領域１５には、第１ヒューズ２３ａの定格電流が印字される。また、第２印字領域には、第２ヒューズ２４ａの定格電流が印字される。

本実施の形態に係る第２誘導加熱調理器１ｂは、第１ヒューズ２３ａ及び第２ヒューズ２４ａの代わりに、第１接続線２３ｂ及び第２接続線２４ｂが実装される。したがって、第１印字領域１５及び第２印字領域には、ヒューズが設けられないことを示す記号が印字される。

製造方法は、任意のコントローラが第１の種類の電気部品２１ａと第２の種類の電気部品２１ｂのいずれがプリント基板１０に実装されたか判断し、実装された電気部品に基づいて、印字する情報を当該コントローラが選択するように構成されてもよい。

このように、本実施の形態に係る第１誘導加熱調理器１ａ又は第２誘導加熱調理器１ｂにおいて、第１の種類の電気部品２１ａ又は第２の種類の電気部品２１ｂの実装後に、当該部品に関する第１情報又は第２情報が印字領域に印字され得る。上記したように、印字された第１情報と、印字された第２情報とは異なっている。第１誘導加熱調理器１ａ又は第２誘導加熱調理器１ｂは、共通のプリント基板１０を用いて製造され得る。したがって、誘導加熱調理器１は、プリント基板１０の共用化を行うことで、開発工数を軽減でき、効率的に設計され得る。

［効果］
本実施の形態に係るプリント基板１０及び誘導加熱調理器１によれば、以下の効果を奏することが出来る。

本開示の実施の形態に係るプリント基板１０は、加熱に関する第１仕様を有する第１誘導加熱調理器１ａ、及び、加熱に関する第２仕様であって、第１仕様と異なる第２仕様を有する第２誘導加熱調理器１ｂに共用可能なプリント基板である。プリント基板１０は、基板１１と、互いに絶縁された、基板１１上の複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇと、を備える。基板１１及び複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇには複数の孔１３Ａ～１３Ｃが設けられている。複数の孔１３Ａ～１３Ｃには第１仕様又は第２仕様に応じた複数種類の電気部品２１が取り付け可能であり、複数の孔１３Ａ～１３Ｃは、複数の第１孔１３Ａと、複数の第２孔１３Ｂと、複数の第３孔１３Ｃとを有する。複数種類の電気部品２１は、第１仕様に応じた第１の種類の電気部品２１ａ又は第２仕様に応じた第２の種類の電気部品２１ｂを含む。複数の第１孔１３Ａには、第１の種類の電気部品２１ａが取り付けられる。複数の第２孔１３Ｂには、第２の種類の電気部品２１ｂが取り付けられる。複数の第３孔１３Ｃには、第１の種類の電気部品２１ａ又は第２の種類の電気部品２１ｂが取り付けられる。複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇは、第１の種類の電気部品２１ａが複数の第１孔１３Ａ及び複数の第３孔１３Ｃに取り付けられると、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇの少なくとも一部が第１経路で接続されて第１仕様を実現し、第２の種類の電気部品２１ｂが複数の第２孔１３Ｂ及び複数の第３孔１３Ｃに取り付けられると、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇの少なくとも一部が第１経路とは異なる第２経路で接続されて第２仕様を実現する。

このような構成によれば、プリント基板１０は、要求される性能に応じて設けられた複数の仕様によらず、複数の種類の誘導加熱調理器１ａ，１ｂに共用可能である。したがって誘導加熱調理器１は、当該プリント基板１０を実装することで、プリント基板１０の共通化が行われ、開発工数が軽減され、効率的に設計され得る。

また、第１誘導加熱調理器１ａ及び第２誘導加熱調理器１ｂは、電源回路２２を備える。プリント基板１０において、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇは、電源回路２２から出力される電流を受ける第１導体パターン１２Ａと、電源回路２２に対して第１導体パターン１２Ａよりも下流側に配置された第２導体パターン１２Ｃと、電源回路２２に対して第１導体パターン１２Ａよりも第２導体パターン１２Ｃとは異なる下流側に配置された第３導体パターン１２Ｆと、を有する。複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇは、第１の種類の電気部品２１ａが複数の第１孔１３Ａ及び複数の第３孔１３Ｃに取り付けられると、第１導体パターン１２Ａと第２導体パターン１２Ｃとが第１の１次経路で接続され、かつ第１導体パターン１２Ａと第３導体パターン１２Ｆとが第１の２次経路で接続される。複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇは、第２の種類の電気部品２１ｂが複数の第２孔１３Ｂ及び複数の第３孔１３Ｃに取り付けられると、第１導体パターン１２Ａと第２導体パターン１２Ｃとが第２の１次経路で接続され、かつ第１導体パターン１２Ａと第３導体パターン１２Ｆとが第２の２次経路で接続される。第１の１次経路と第２の１次経路と、又は第１の２次経路と第２の２次経路と、の少なくとも一方は、互いに異なる。

このような構成によれば、プリント基板１０は、実装する電気部品２１の種類と位置によって電流が流れる経路を変更でき、要求される性能に応じて設けられた複数の仕様によらず、複数の種類の誘導加熱調理器１ａ，１ｂに用いられ得る。したがって誘導加熱調理器１は、当該プリント基板１０を実装することで、プリント基板１０の共通化が行われ、開発工数が軽減され、効率的に設計され得る。

本開示の実施の形態に係る誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇを有するプリント基板１０と、電源回路２２と、第１加熱コイル４Ａと、第２加熱コイル４Ｂと、を備える。誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、第１加熱コイル４Ａを駆動する第１スイッチング回路２８Ａ、及び第１加熱コイル４Ａと接続する第１チョークコイル２６ａ，２６ｂを含む第１インバータ回路２５Ａａ，２５Ａｂを備える。誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、第２加熱コイル４Ｂを駆動する第２スイッチング回路２８Ｂ、及び第２加熱コイル４Ｂと接続する第２チョークコイル２７ａ，２７ｂを含む第２インバータ回路２５Ｂａ，２５Ｂｂを備える。誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、電源回路２２と電源回路２２に対する第１チョークコイル２６ａの上流側とを接続し、第１インバータ回路２５Ａａを保護する第１ヒューズ２３ａ、及び電源回路２２と電源回路２２に対する第２チョークコイル２７ａの上流側とを接続し、第２インバータ回路２５Ｂａを保護する第２ヒューズ２４ａ、又は電源回路２２と電源回路２２に対する第１チョークコイル２６ｂの上流側とを接続する第１接続線２３ｂ、及び電源回路２２に対する第１チョークコイル２６ｂの下流側と電源回路２２に対する第２チョークコイル２７ｂの上流側とを接続する第２接続線２４ｂと、を備える。

このような構成によれば、要求される性能に応じて設けられた複数の仕様によらず、複数の種類の誘導加熱調理器１ａ，１ｂに共通のプリント基板１０が用いられ得る。したがって誘導加熱調理器１は、当該プリント基板１０を実装することで、プリント基板１０の共通化が行われ、開発工数が軽減され、効率的に設計され得る。また、誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、プリント基板１０を共用し、かつ実装する電気部品２１及びその実装位置を変更するができるため、誘導加熱調理器１ａ，１ｂの一方の仕様に統一して部品をプリント基板に実装することが必要とされない。本開示に係る誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、不要な部品又は過大な性能を有する部品を実装する必要がないため、コストを低減することができる。

また、誘導加熱調理器１ａ，１ｂにおいて、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇは、電源回路２２から出力される電流を受ける第１導体パターン１２Ａと、電源回路２２に対して第１導体パターン１２Ａよりも下流側に配置される第２導体パターン１２Ｃと、電源回路２２に対して第１導体パターン１２Ａよりも第２導体パターン１２Ｃとは異なる下流側に配置される第３導体パターン１２Ｆと、を有する。複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇは、第１の種類の電気部品２１ａが複数の第１孔１３Ａ及び複数の第３孔１３Ｃに取り付けられると、第１導体パターン１２Ａと第２導体パターン１２Ｃとが第１の１次経路で接続され、かつ第１導体パターン１２Ａと第３導体パターン１２Ｆとが第１の２次経路で接続される。複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇは、第２の種類の電気部品２１ｂが複数の第２孔１３Ｂ及び複数の第３孔１３Ｃに取り付けられると、第１導体パターン１２Ａと第２導体パターン１２Ｃとが第２の１次経路で接続され、かつ第１導体パターン１２Ａと第３導体パターン１２Ｆとが第２の２次経路で接続される。第１の１次経路と第２の１次経路と、又は第１の２次経路と第２の２次経路と、の少なくとも一方は、互いに異なる経路で複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇを接続する。第２導体パターン１２Ｃは、第１加熱コイル４Ａと接続され、第３導体パターン１２Ｆは、第２加熱コイル４Ｂと接続される。

このような構成によれば、誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、プリント基板１０に実装する電気部品２１の種類と位置によって電流が流れる経路を変更でき、要求される性能に応じて設けられた複数の仕様を有し得る。したがって誘導加熱調理器１は、当該プリント基板１０を実装することで、プリント基板１０の共通化が行われ、開発工数が軽減され、効率的に設計され得る。

また、第１誘導加熱調理器１ａにおいて、第１の種類の電気部品２１ａは、第１チョークコイル２６ａ、第２チョークコイル２７ａ、第１ヒューズ２３ａ、及び第２ヒューズ２４ａを含む。第１の１次経路は、第１導体パターン１２Ａ及び第２導体パターン１２Ｃを含む複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇの少なくとも一部と、第１ヒューズ２３ａと、第１チョークコイル２６ａと、を含む。第１の２次経路は、第１導体パターン１２Ａ及び第３導体パターン１２Ｆを含む複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇの少なくとも一部と、第２ヒューズ２４ａと、第２チョークコイル２７ａと、を含む。第１チョークコイル及び第２チョークコイルは並列に、電源回路２２に接続される。

このような構成によれば、第１誘導加熱調理器１ａは、各経路を各電流ヒューズ２３ａ，２４ａで保護することが出来るため、第２誘導加熱調理器１ｂに比べて、より大きな電流を流すことが出来る。それによって、第１誘導加熱調理器１ａは、第２誘導加熱調理器１ｂに比べて、より大きな火力で第１加熱コイル４Ａ又は第２加熱コイル４Ｂを駆動することができる。このように、第１誘導加熱調理器１ａは、共通のプリント基板１０を用いつつ、異なる仕様を有することができる。

また、第２誘導加熱調理器１ｂにおいて、第２の種類の電気部品２１ｂは、第１チョークコイル２６ｂ、第２チョークコイル２７ｂ、第１接続線２３ｂ、及び第２接続線２４ｂを含む。第２の１次経路は、第１導体パターン１２Ａ及び第２導体パターン１２Ｃを含む複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇの少なくとも一部と、第１接続線２３ｂと、第１チョークコイル２６ｂと、を含む。第２の２次経路は、第１導体パターン１２Ａ、第２導体パターン１２Ｃ及び第３導体パターン１２Ｆを含む複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇの少なくとも一部と、第１接続線２３ｂと、第１チョークコイル２６ｂと、第２接続線２４ｂと、第２チョークコイル２７ｂと、を含む。第１チョークコイル２６ｂ及び第２チョークコイル２７ｂは直列に、電源回路２２に接続される。

このような構成によれば、第２誘導加熱調理器１ｂは、各経路を単独で保護する必要がない場合、電気部品２１の少なくとも一部を安価な部品に変更することができる。それによって、第１誘導加熱調理器１ａよりも要求される最大火力が小さい第２誘導加熱調理器１ｂは、共通のプリント基板１０を用いつつ、第１誘導加熱調理器１ａよりもコストを低減することができる。

また、誘導加熱調理器１ａ，１ｂにおいて、第１ヒューズ２３ａが取り付けられる複数の第１孔１３Ａ若しくは複数の第３孔１３Ｃのうちのいずれか２つを結ぶ線Ｌ１、又は第１接続線２３ｂが取り付けられる複数の第２孔１３Ｂ若しくは複数の第３孔１３Ｃのうちのいずれか２つを結ぶ線Ｌ１と、第２接続線２４ｂが取り付けられる複数の第２孔１３Ｂ又は複数の第３孔１３Ｃのうちのいずれか２つを結ぶ線Ｌ２と、第２ヒューズ２４ａが取り付けられる複数の第１孔１３Ａ又は複数の第３孔１３Ｃのうちのいずれか２つを結ぶ線Ｌ３と、の各交点が三角形Ｔ１を形成するように、第１ヒューズ２３ａ、第２ヒューズ２４ａ、第１接続線２３ｂ又は第２接続線２４ｂが取り付けられる複数の第１孔１３Ａ、複数の第２孔１３Ｂ、及び複数の第３孔１３Ｃは配置される。

また、誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、第１スイッチング回路２８Ａ及び第２スイッチング回路２８Ｂを冷却する風Ｗ２を生成するファン４１を備える。第１チョークコイル２６ａ，２６ｂ及び第２チョークコイル２７ａ，２７ｂは、風Ｗ２の上流側から見て、第２スイッチング回路２８Ｂと重ならないように配置される。

このような構成によれば、第２加熱コイル４Ｂの駆動時、各誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、第２ヒートシンク３５Ｂによって熱せられた冷却風Ｗ２が第１チョークコイル２６ａ，２６ｂ及び第２チョークコイル２７ａ，２７ｂに直接当たることを抑制できる。したがって、各誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、第１チョークコイル２６ａ，２６ｂ及び第２チョークコイル２７ａ，２７ｂの性能の低下を抑制することができる。また、各誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、仕様の違いによらず、同等の冷却構成を有することができる。したがって、誘導加熱調理器１は、回路の共用化を行うことで、開発工数を軽減でき、効率的に設計され得る。

本開示の実施の形態に係る製造方法は、誘導加熱調理器を製造する方法である。方法は、複数の導体パターン１２Ａ～１２Ｇを有するプリント基板１０を用意するステップと、プリント基板１０の複数の第１孔１３Ａ及び複数の第３孔１３Ｃに第１の種類の電気部品２１ａを実装し、又は複数の第２孔１３Ｂ及び複数の第３孔１３Ｃに第２の種類の電気部品２１ｂを実装するステップと、第１の種類の電気部品２１ａを実装した場合、プリント基板１０に第１の種類の電気部品２１ａのうちの少なくとも１つの部品に関する第１情報を少なくとも１つの部品に関連付けて印字し、又は第２の種類の電気部品２１ｂを実装した場合、プリント基板１０に第２の種類の電気部品２１ｂのうちの少なくとも１つの部品に関する第２情報を少なくとも１つの部品に関連付けて印字するステップと、を含む。印字された第１情報と第２情報とは異なる。

このような構成によれば、各誘導加熱調理器１ａ，１ｂは、第１の種類の電気部品２１ａ又は第２の種類の電気部品２１ｂの実装後に、当該部品に関する情報が印字領域に印字され得ることができる。第１誘導加熱調理器１ａ又は第２誘導加熱調理器１ｂは、共通のプリント基板１０を用いて製造され得る。したがって、誘導加熱調理器１は、プリント基板１０の共用化を行うことで、開発工数を軽減でき、効率的に設計され得る。

（態様のまとめ）
以上の説明から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施の形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。

（態様１）本開示に係るプリント基板（１０）は、加熱に関する第１仕様を有する第１誘導加熱調理器（１ａ）、及び、加熱に関する第２仕様であって、前記第１仕様と異なる第２仕様を有する第２誘導加熱調理器（１ｂ）に共用可能なプリント基板（１０）であって、
基板（１１）と
互いに絶縁された、前記基板上の複数の導体パターン（１２Ａ～１２Ｇ）と、
を備え、
前記基板及び前記複数の導体パターンには複数の孔（１３Ａ～１３Ｃ）が設けられており、
前記複数の孔には前記第１仕様又は第２仕様に応じた複数種類の電気部品（２１ａ，２１ｂ）が取り付け可能であり、前記複数の孔は、複数の第１孔（１３Ａ）と、複数の第２孔（１３Ｂ）と、複数の第３孔（１３Ｃ）とを有し、
前記複数種類の電気部品は、前記第１仕様に応じた第１の種類の電気部品（２１ａ）又は前記第２仕様に応じた第２の種類の電気部品（２１ｂ）を含み、
前記複数の第１孔には、前記第１の種類の電気部品が取り付けられ、
前記複数の第２孔には、前記第２の種類の電気部品が取り付けられ、
前記複数の第３孔には、前記第１の種類の電気部品又は前記第２の種類の電気部品が取り付けられ、
前記複数の導体パターンは、前記第１の種類の電気部品が前記複数の第１孔及び前記複数の第３孔に取り付けられると、前記複数の導体パターンの少なくとも一部が第１経路で接続されて前記第１仕様を実現し、前記第２の種類の電気部品が前記複数の第２孔及び前記複数の第３孔に取り付けられると、前記複数の導体パターンの少なくとも一部が前記第１経路とは異なる第２経路で接続されて前記第２仕様を実現する。

（態様２）態様１のプリント基板（１０）において、前記第１誘導加熱調理器（１ａ）及び前記第２誘導加熱調理器（１ｂ）は電源回路（２２）を備え、
前記複数の導体パターン（１２Ａ～１２Ｇ）は、
前記電源回路から出力される電流を受ける第１導体パターン（１２Ａ）と、
前記電源回路に対して前記第１導体パターンよりも下流側に配置された第２導体パターン（１２Ｃ）と、
前記電源回路に対して前記第１導体パターンよりも前記第２導体パターンとは異なる下流側に配置された第３導体パターン（１２Ｆ）と、
を有し、
前記複数の導体パターンは、前記第１の種類の電気部品（２１ａ）が前記複数の第１孔（１３Ａ）及び前記複数の第３孔（１３Ｃ）に取り付けられると、前記第１導体パターンと前記第２導体パターンとが第１の１次経路で接続され、かつ前記第１導体パターンと前記第３導体パターンとが第１の２次経路で接続され、
前記複数の導体パターンは、前記第２の種類の電気部品（２１ｂ）が前記複数の第２孔（１３Ｂ）及び前記複数の第３孔に取り付けられると、前記第１導体パターンと前記第２導体パターンとが第２の１次経路で接続され、かつ前記第１導体パターンと前記第３導体パターンとが第２の２次経路で接続され、
前記第１の１次経路と前記第２の１次経路と、又は前記第１の２次経路と前記第２の２次経路と、の少なくとも一方は、互いに異なっていてもよい。

（態様３）本開示に係る誘導加熱調理器（１ａ，１ｂ）は、
複数の導体パターン（１２Ａ～１２Ｇ）を有する態様１のプリント基板（１０）と、
電源回路（２２）と、
第１加熱コイル（４Ａ）と、
第２加熱コイル（４Ｂ）と、
前記第１加熱コイルを駆動する第１スイッチング回路（２８Ａ）、及び前記第１加熱コイルと接続する第１チョークコイル（２６ａ，２６ｂ）を含む第１インバータ回路（２５Ａａ，２５Ａｂ）と、
前記第２加熱コイルを駆動する第２スイッチング回路（２８Ｂ）、及び前記第２加熱コイルと接続する第２チョークコイル（２７ａ，２７ｂ）を含む第２インバータ回路（２５Ｂａ，２５Ｂｂ）と、
前記電源回路と前記電源回路に対する前記第１チョークコイル（２６ａ）の上流側とを接続し、前記第１インバータ回路（２５Ａａ）を保護する第１ヒューズ（２３ａ）、及び前記電源回路と前記電源回路に対する前記第２チョークコイル（２７ａ）の上流側とを接続し、前記第２インバータ回路を保護する第２ヒューズ（２４ａ）、又は前記電源回路と前記電源回路に対する前記第１チョークコイル（２６ｂ）の上流側とを接続する第１接続線（２３ｂ）、及び前記電源回路に対する前記第１チョークコイルの下流側と前記電源回路に対する前記第２チョークコイル（２７ｂ）の上流側とを接続する第２接続線（２４ｂ）と、
を備える。

（態様４）態様３の誘導加熱調理器（１ａ，１ｂ）において、
前記複数の導体パターン（１２Ａ～１２Ｇ）は、
前記電源回路（２２）から出力される電流を受ける第１導体パターン（１２Ａ）と、
前記電源回路に対して前記第１導体パターンよりも下流側に配置される第２導体パターン（１２Ｃ）と、
前記電源回路に対して前記第１導体パターンよりも前記第２導体パターンとは異なる下流側に配置される第３導体パターン（１２Ｆ）と、
を有し、
前記複数の導体パターンは、前記第１の種類の電気部品（２１ａ）が前記複数の第１孔（１３Ａ）及び前記複数の第３孔（１３Ｃ）に取り付けられると、前記第１導体パターンと前記第２導体パターンとが第１の１次経路で接続され、かつ前記第１導体パターンと前記第３導体パターンとが第１の２次経路で接続され、
前記複数の導体パターンは、前記第２の種類の電気部品（２１ｂ）が前記複数の第２孔（１３Ｖ）及び前記複数の第３孔に取り付けられると、前記第１導体パターンと前記第２導体パターンとが第２の１次経路で接続され、かつ前記第１導体パターンと前記第３導体パターンとが第２の２次経路で接続され、
前記第１の１次経路と前記第２の１次経路と、又は前記第１の２次経路と前記第２の２次経路と、の少なくとも一方は、互いに異なる経路で前記複数の導体パターンを接続し、
前記第２導体パターンは、前記第１加熱コイル（４Ａ）と接続され、
前記第３導体パターンは、前記第２加熱コイル（４Ｂ）と接続されてもよい。

（態様５）態様４の誘導加熱調理器（１ａ）において、
前記第１の種類の電気部品（２１ａ）は、前記第１チョークコイル（２６ａ）、前記第２チョークコイル（２７ａ）、前記第１ヒューズ（２３ａ）、及び前記第２ヒューズ（２４ａ）を含み、
前記第１の１次経路は、前記第１導体パターン（１２Ａ）及び前記第２導体パターン（１２Ｃ）を含む前記複数の導体パターン（１２Ａ～１２Ｇ）の少なくとも一部と、前記第１ヒューズと、前記第１チョークコイルと、を含み、
前記第１の２次経路は、前記第１導体パターン及び前記第３導体パターン（１２Ｆ）を含む前記複数の導体パターンの少なくとも一部と、前記第２ヒューズと、前記第２チョークコイルと、を含み、
前記第１チョークコイル及び前記第２チョークコイルは並列に、前記電源回路（２２）に接続されてもよい。

（態様６）態様４の誘導加熱調理器（１ｂ）において、
前記第２の種類の電気部品（２１ｂ）は、前記第１チョークコイル（２６ｂ）、前記第２チョークコイル（２７ｂ）、前記第１接続線（２３ｂ）、及び前記第２接続線（２４ｂ）を含み、
前記第２の１次経路は、前記第１導体パターン（１２Ａ）及び前記第２導体パターン（１２Ｃ）を含む前記複数のパターン（１２Ａ～１２Ｇ）の少なくとも一部と、前記第１接続線と、前記第１チョークコイルと、を含み、
前記第２の２次経路は、前記第１導体パターン、前記第２導体パターン及び前記第３導体パターン（１２Ｆ）を含む前記複数の導体パターンの少なくとも一部と、前記第１接続線と、前記第１チョークコイルと、前記第２接続線と、前記第２チョークコイルと、を含み、
前記電源回路に前記第１チョークコイル及び前記第２チョークコイルが直列に接続されてもよい。

（態様７）態様３から態様６のいずれかの誘導加熱調理器（１ａ，１ｂ）において、
前記第１ヒューズ（２３ａ）が取り付けられる前記複数の第１孔（１３Ａ）若しくは前記複数の第３孔（１３Ｃ）のうちのいずれか２つを結ぶ線、又は前記第１接続線（２３ｂ）が取り付けられる前記複数の第２孔（１３Ｂ）若しくは前記複数の第３孔のうちのいずれか２つを結ぶ線（Ｌ１）と、
前記第２接続線（２４ｂ）が取り付けられる前記複数の第２孔又は前記複数の第３孔のうちのいずれか２つを結ぶ線（Ｌ２）と、
前記第２ヒューズ（２４ａ）が取り付けられる前記複数の第１孔又は前記複数の第３孔のうちのいずれか２つを結ぶ線（Ｌ３）と、
の各交点が三角形（Ｔ１）を形成するように、前記第１ヒューズ、前記第２ヒューズ、前記第１接続線又は前記第２接続線が取り付けられる前記複数の第１孔、前記複数の第２孔、及び前記複数の第３孔は配置されてもよい。

（態様８）態様３から態様７のいずれかの誘導加熱調理器（１ａ，１ｂ）は、
前記第１スイッチング回路（２８Ａ）及び前記第２スイッチング回路（２８Ｂ）を冷却する風（Ｗ２）を生成するファン（４１）を備え、
前記第１チョークコイル（２６ａ，２６ｂ）及び前記第２チョークコイル（２７ａ，２７ｂ）は、前記風の上流側から見て、前記第２スイッチング回路と重ならないように配置されてもよい。

（態様９）本開示に係る誘導加熱調理器（１ａ，１ｂ）を製造する方法は、
前記複数の導体パターン（１２Ａ～１２Ｇ）を有するプリント基板（１０）を用意するステップと、
前記プリント基板の前記複数の第１孔（１３Ａ）及び前記複数の第３孔（１３Ｃ）に前記第１の種類の電気部品（２１ａ）を実装し、又は前記複数の第２孔（１３Ｂ）及び前記複数の第３孔に前記第２の種類の電気部品（２１ｂ）を実装するステップと、
前記第１の種類の電気部品を実装した場合、前記プリント基板に前記第１の種類の電気部品のうちの少なくとも１つの部品に関する第１情報を前記少なくとも１つの部品に関連付けて印字し、又は前記第２の種類の電気部品を実装した場合、前記プリント基板に前記第２の種類の電気部品のうちの少なくとも１つの部品に関する第２情報を前記少なくとも１つの部品に関連付けて印字するステップと、
を含み、
印字された前記第１情報と前記第２情報とは異なってもよい。

なお、本明細書において、「第１」、「第２」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性又は技術的特徴の順位を明示又は暗示するものとして理解されるべきではない。「第１」と「第２」と限定されている特徴は、１つ又はさらに多くの当該特徴を含むことを明示又は暗示するものである。

本開示に記載の誘導加熱調理器は、ハードウェア資源、例えば、プロセッサ、メモリ、と、ソフトウェア資源（コンピュータプログラム）との協働などによって実現される。

本開示によれば、誘導加熱調理器の仕様によらず共用できるプリント基板、プリント基板を共用した誘導加熱調理器及びその製造方法を提供することができるため、この種の産業分野において好適に利用できる。

１ 誘導加熱調理器
１ａ 第１誘導加熱調理器
１ｂ 第２誘導加熱調理器
２ トッププレート
３ 本体
４Ａ～４Ｃ 加熱コイル
５ コントローラ
１０ プリント基板
１１ 基板
１２Ａ～１２Ｆ 導体パターン
１２Ａ 第１導体パターン
１２Ｃ 第２導体パターン
１２Ｆ 第３導体パターン
１３Ａ 第１孔
１３Ｂ 第２孔
１３Ｃ 第３孔
２０ａ 第１電気回路
２０ｂ 第２電気回路
２１ａ 第１電気部品
２１ｂ 第２電気部品
２２ 電源回路
２３ａ 第１ヒューズ
２３ｂ 第１接続線
２４ａ 第２ヒューズ
２４ｂ 第２接続線
２５Ａａ，２５Ａｂ 第１インバータ回路
２５Ｂａ，２５Ｂｂ 第２インバータ回路
２６ａ，２６ｂ 第１チョークコイル
２７ａ，２７ｂ 第２チョークコイル
２８Ａ 第１スイッチング回路
２８Ｂ 第２スイッチング回路
２９Ａ 第１コンデンサ
２９Ｂ 第４コンデンサ
３０Ａ 第２コンデンサ
３０Ｂ 第５コンデンサ
３１Ａ 第３コンデンサ
３１Ｂ 第６コンデンサ
３４ グラウンド
４０ ファンユニット
４１ ファン
４２ 風路壁
Ｗ２ 冷却風
Ｌ１～Ｌ３ 線
Ｔ１ 領域

Claims (9)

1. 加熱に関する第１仕様を有する第１誘導加熱調理器、及び、加熱に関する第２仕様であって、前記第１仕様と異なる第２仕様を有する第２誘導加熱調理器に共用可能なプリント基板であって、
   基板と
   互いに絶縁された、前記基板上の複数の導体パターンと、
   を備え、
   前記基板及び前記複数の導体パターンには複数の孔が設けられており、
   前記複数の孔には前記第１仕様又は第２仕様に応じた複数種類の電気部品が取り付け可能であり、前記複数の孔は、複数の第１孔と、複数の第２孔と、複数の第３孔とを有し、
   前記複数種類の電気部品は、前記第１仕様に応じた第１の種類の電気部品又は前記第２仕様に応じた第２の種類の電気部品を含み、
   前記複数の第１孔には、前記第１の種類の電気部品が取り付けられ、
   前記複数の第２孔には、前記第２の種類の電気部品が取り付けられ、
   前記複数の第３孔には、前記第１の種類の電気部品又は前記第２の種類の電気部品が取り付けられ、
   前記複数の導体パターンは、前記第１の種類の電気部品が前記複数の第１孔及び前記複数の第３孔に取り付けられると、前記複数の導体パターンの少なくとも一部が第１経路で接続されて前記第１仕様を実現し、前記第２の種類の電気部品が前記複数の第２孔及び前記複数の第３孔に取り付けられると、前記複数の導体パターンの少なくとも一部が前記第１経路とは異なる第２経路で接続されて前記第２仕様を実現する、
   プリント基板。
2. 前記第１誘導加熱調理器及び前記第２誘導加熱調理器は電源回路を備え、
   前記複数の導体パターンは、
   前記電源回路から出力される電流を受ける第１導体パターンと、
   前記電源回路に対して前記第１導体パターンよりも下流側に配置された第２導体パターンと、
   前記電源回路に対して前記第１導体パターンよりも前記第２導体パターンとは異なる下流側に配置された第３導体パターンと、
   を有し、
   前記複数の導体パターンは、前記第１の種類の電気部品が前記複数の第１孔及び前記複数の第３孔に取り付けられると、前記第１導体パターンと前記第２導体パターンとが第１の１次経路で接続され、かつ前記第１導体パターンと前記第３導体パターンとが第１の２次経路で接続され、
   前記複数の導体パターンは、前記第２の種類の電気部品が前記複数の第２孔及び前記複数の第３孔に取り付けられると、前記第１導体パターンと前記第２導体パターンとが第２の１次経路で接続され、かつ前記第１導体パターンと前記第３導体パターンとが第２の２次経路で接続され、
   前記第１の１次経路と前記第２の１次経路と、又は前記第１の２次経路と前記第２の２次経路と、の少なくとも一方は、互いに異なる、
   請求項１に記載のプリント基板。
3. 前記複数の導体パターンを有する請求項１に記載のプリント基板と、
   電源回路と、
   第１加熱コイルと、
   第２加熱コイルと、
   前記第１加熱コイルを駆動する第１スイッチング回路、及び前記第１加熱コイルと接続する第１チョークコイルを含む第１インバータ回路と、
   前記第２加熱コイルを駆動する第２スイッチング回路、及び前記第２加熱コイルと接続する第２チョークコイルを含む第２インバータ回路と、
   前記電源回路と前記電源回路に対する前記第１チョークコイルの上流側とを接続し、前記第１インバータ回路を保護する第１ヒューズ、及び前記電源回路と前記電源回路に対する前記第２チョークコイルの上流側とを接続し、前記第２インバータ回路を保護する第２ヒューズ、又は前記電源回路と前記電源回路に対する前記第１チョークコイルの上流側とを接続する第１接続線、及び前記電源回路に対する前記第１チョークコイルの下流側と前記電源回路に対する前記第２チョークコイルの上流側とを接続する第２接続線と、
   を備える、誘導加熱調理器。
4. 前記複数の導体パターンは、
   前記電源回路から出力される電流を受ける第１導体パターンと、
   前記電源回路に対して前記第１導体パターンよりも下流側に配置される第２導体パターンと、
   前記電源回路に対して前記第１導体パターンよりも前記第２導体パターンとは異なる下流側に配置される第３導体パターンと、
   を有し、
   前記複数の導体パターンは、前記第１の種類の電気部品が前記複数の第１孔及び前記複数の第３孔に取り付けられると、前記第１導体パターンと前記第２導体パターンとが第１の１次経路で接続され、かつ前記第１導体パターンと前記第３導体パターンとが第１の２次経路で接続され、
   前記複数の導体パターンは、前記第２の種類の電気部品が前記複数の第２孔及び前記複数の第３孔に取り付けられると、前記第１導体パターンと前記第２導体パターンとが第２の１次経路で接続され、かつ前記第１導体パターンと前記第３導体パターンとが第２の２次経路で接続され、
   前記第１の１次経路と前記第２の１次経路と、又は前記第１の２次経路と前記第２の２次経路と、の少なくとも一方は、互いに異なる経路で前記複数の導体パターンを接続し、
   前記第２導体パターンは、前記第１加熱コイルと接続され、
   前記第３導体パターンは、前記第２加熱コイルと接続される、
   請求項３に記載の誘導加熱調理器。
5. 前記第１の種類の電気部品は、前記第１チョークコイル、前記第２チョークコイル、前記第１ヒューズ、及び前記第２ヒューズを含み、
   前記第１の１次経路は、前記第１導体パターン及び前記第２導体パターンを含む前記複数の導体パターンの少なくとも一部と、前記第１ヒューズと、前記第１チョークコイルと、を含み、
   前記第１の２次経路は、前記第１導体パターン及び前記第３導体パターンを含む前記複数の導体パターンの少なくとも一部と、前記第２ヒューズと、前記第２チョークコイルと、を含み、
   前記第１チョークコイル及び前記第２チョークコイルは並列に、前記電源回路に接続される、
   請求項４に記載の誘導加熱調理器。
6. 前記第２の種類の電気部品は、前記第１チョークコイル、前記第２チョークコイル、前記第１接続線、及び前記第２接続線を含み、
   前記第２の１次経路は、前記第１導体パターン及び前記第２導体パターンを含む前記複数のパターンの少なくとも一部と、前記第１接続線と、前記第１チョークコイルと、を含み、
   前記第２の２次経路は、前記第１導体パターン、前記第２導体パターン及び前記第３導体パターンを含む前記複数の導体パターンの少なくとも一部と、前記第１接続線と、前記第１チョークコイルと、前記第２接続線と、前記第２チョークコイルと、を含み、
   前記電源回路に前記第１チョークコイル及び前記第２チョークコイルが直列に接続される、
   請求項４に記載の誘導加熱調理器。
7. 前記第１ヒューズが取り付けられる前記複数の第１孔若しくは前記複数の第３孔のうちのいずれか２つを結ぶ線、又は前記第１接続線が取り付けられる前記複数の第２孔若しくは前記複数の第３孔のうちのいずれか２つを結ぶ線と、
   前記第２接続線が取り付けられる前記複数の第２孔又は前記複数の第３孔のうちのいずれか２つを結ぶ線と、
   前記第２ヒューズが取り付けられる前記複数の第１孔又は前記複数の第３孔のうちのいずれか２つを結ぶ線と、
   の各交点が三角形を形成するように、前記第１ヒューズ、前記第２ヒューズ、前記第１接続線又は前記第２接続線が取り付けられる前記複数の第１孔、前記複数の第２孔、及び前記複数の第３孔は配置される、
   請求項３に記載の誘導加熱調理器。
8. 前記第１スイッチング回路及び前記第２スイッチング回路を冷却する風を生成するファンを備え、
   前記第１チョークコイル及び前記第２チョークコイルは、前記風の上流側から見て、前記第２スイッチング回路と重ならないように配置される、
   請求項３から請求項７のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。
9. 誘導加熱調理器を製造する方法であって、
   前記複数の導体パターンを有する請求項１又は請求項２に記載のプリント基板を用意するステップと、
   前記プリント基板の前記複数の第１孔及び前記複数の第３孔に前記第１の種類の電気部品を実装し、又は前記複数の第２孔及び前記複数の第３孔に前記第２の種類の電気部品を実装するステップと、
   前記第１の種類の電気部品を実装した場合、前記プリント基板に前記第１の種類の電気部品のうちの少なくとも１つの部品に関する第１情報を前記少なくとも１つの部品に関連付けて印字し、又は前記第２の種類の電気部品を実装した場合、前記プリント基板に前記第２の種類の電気部品のうちの少なくとも１つの部品に関する第２情報を前記少なくとも１つの部品に関連付けて印字するステップと、
   を含み、
   印字された前記第１情報と前記第２情報とは異なる、
   誘導加熱調理器を製造する方法。

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