JP2024062380A - 半導体成型用離型フィルム及び半導体パッケージの製造方法 - Google Patents

半導体成型用離型フィルム及び半導体パッケージの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】離型性を維持しつつ、帯電防止性能に優れる半導体成型用離型フィルム、及びこれを用いる半導体パッケージの製造方法を提供する。【解決手段】離型層と導電層と基材層とをこの順に有し、前記離型層が導電性ポリマーを含む、半導体成型用離型フィルム。【選択図】図2

Description

本開示は、半導体成型用離型フィルム及び半導体パッケージの製造方法に関する。
近年、電子機器、特に携帯電話の薄型化が進むにつれて、半導体素子等の電子部品にも更なる薄型化が求められている。また、放熱性の向上の観点からも、電子部品の全体を封止樹脂で覆うオーバーモールド成形(Over Molding)に代えて、電子部品の表面の一部を露出させる露出成形(Exposed Die Molding)が採用されるケースが増えつつある。
電子部品の一部が露出した状態となるように電子部品を封止する際は、電子部品の露出部への封止材の漏れ(フラッシュバリ)を防ぐ必要がある。そこで、電子部品の露出させる部分に離型性を有するフィルム(離型フィルム)を貼り付けた状態で封止を行い、その後に離型フィルムを剥離して電子部品の表面を露出させることが行われている。
このような離型フィルムとして、例えば、特許文献1には延伸ポリエステル樹脂フィルムからなる基材フィルムの少なくとも片面にフッ素樹脂からなるフィルムが積層されてなる積層フィルムが記載されている。
特開2006-49850号公報
離型フィルムが帯電しやすい材質からなる場合、離型フィルムを電子部品に接触させる際又は離型フィルムを電子部品から剥離する際に放電が起こり、電子部品の静電破壊が発生するおそれがある。近年、半導体素子の高集積化に伴ってプロセスノードの微細化が進み、電子部品の静電破壊が発生するおそれが高まりつつある。
上記事情に鑑み、本開示の一態様は、離型性を維持しつつ、帯電防止性能に優れる半導体成型用離型フィルムを提供することを課題とする。本開示の別の一態様は、この離型フィルムを用いる半導体パッケージの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 離型層と導電層と基材層とをこの順に有し、
前記離型層が導電性ポリマーを含む、半導体成型用離型フィルム。
<2> 前記導電性ポリマーがポリエチレンジオキシチオフェンを含み、前記導電層がポリエチレンジオキシチオフェンを含む、<1>に記載の半導体成型用離型フィルム。
<3> 前記導電性ポリマーが1-メトキシ-2-プロパノールに溶解可能なポリエチレンジオキシチオフェンを含む、<1>又は<2>に記載の半導体成型用離型フィルム。
<4> 前記離型層側の表面抵抗率が1×10Ω/sq以下である、<1>~<3>のいずれか1項に記載の半導体成型用離型フィルム。
<5> 前記離型層に含まれる前記導電性ポリマーの含有率が、前記離型層の総量に対して0.5質量%以上である、<1>~<4>のいずれか1項に記載の半導体成型用離型フィルム。
<6> トランスファーモールド又はコンプレッションモールドに用いられる、<1>~<5>のいずれか1項に記載の半導体成型用離型フィルム。
<7> <1>~<6>のいずれか1項に記載の半導体成型用離型フィルムを用いて、トランスファーモールド工程又はコンプレッションモールド工程を行う、半導体パッケージの製造方法。
<8> 前記トランスファーモールド工程又は前記コンプレッションモールド工程において、露出成形を行う、<7>に記載の半導体パッケージの製造方法。
本開示の実施形態によれば、離型性を維持しつつ、帯電防止性能に優れる半導体成型用離型フィルム、及びこれを用いる半導体パッケージの製造方法が提供される。
離型フィルムの構成を示す概略断面図である。 露出成形において離型フィルムを用いる半導体パッケージの製造方法を説明する概略図である。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
<半導体成型用離型フィルム>
本開示の離型フィルムは、離型層と導電層と基材層とをこの順に有し、離型層が導電性ポリマーを含む。本開示の離型フィルムは、離型層が導電性ポリマーを含むことで、導電層から離型層の表面まで導電粒子を介した導通パスを形成することが可能となり、その結果、離型層側の表面抵抗率を効果的に低くすることができ、離型性が維持されつつ、帯電防止性能に優れる。
基材層、離型層及び導電層を有する離型フィルムの構成の一例を、図1に概略的に示す。図1に示す離型フィルム10は、基材層12と、導電層14と、離型層16と、をこの順に備えている。
[離型層]
離型層16は、半導体パッケージ成型時の離型を担う。離型層16は導電性ポリマーを含む。離型層16は一般に樹脂成分(導電性ポリマーを除く)を含む。
離型層16の樹脂成分は特に限定されない。樹脂成分としては、樹脂、架橋剤により架橋された樹脂等が挙げられる。離型層16において、樹脂は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
樹脂成分は、半導体パッケージとの離型性、離型層16の耐熱性等の観点から、アクリル樹脂又はシリコーン樹脂が好ましく、架橋型アクリル樹脂(以下「架橋型アクリル共重合体」ともいう。)がより好ましい。
アクリル樹脂は、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、2-エチルヘキシルアクリレート等の低ガラス転移温度(Tg)モノマーを主モノマーとし、主モノマーと、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル等の官能基モノマーとを共重合することで得られるアクリル共重合体であることが好ましい。架橋型アクリル共重合体は、上記モノマーを架橋剤を使用して架橋することにより製造することができる。
架橋型アクリル共重合体の製造に使用される架橋剤としては、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の公知の架橋剤が挙げられる。アクリル樹脂中に緩やかに広がった網目状構造を形成するために、架橋剤は3官能、4官能等の多官能架橋剤であることが好ましい。
離型層16に含まれる導電性ポリマーは、導電性を有するポリマーであれば特に制限されない。離型層16に含まれる導電性ポリマーは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
表面抵抗率の効果的な低減の観点からは、導電性ポリマーはポリエチレンジオキシチオフェン(以下、PEDOTともいう)を含むことが好ましい。また、離型層16に含まれる樹脂成分との親和性の観点から、1-メトキシ-2-プロパノールに溶解可能なPEDOTであることが好ましい。「1-メトキシ-2-プロパノールに溶解可能なPEDOT」とは、25℃において100mLの1-メトキシ-2-プロパノールにPEDOTが0.01g以上可溶であることをいう。なお、溶解性の指標として1-メトキシ-2-プロパノールを用いるのであり、他の溶剤に対しての溶解性を限定するものではない。また、離型層の形成に用いる溶剤を限定するものでもない。
導電性ポリマーの総量に対するPEDOTの含有率は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%以上であってもよい。
導電性ポリマーの総量に対する1-メトキシ-2-プロパノールに溶解可能なPEDOTの含有率は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%以上であってもよい。
離型層16に含まれる導電性ポリマーの含有率は、離型層16の総量に対して0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましい。
離型層16に含まれる導電性ポリマーの含有率の上限値は特に制限されず、10質量%以下であってもよく、7質量%以下であってもよい。
離型層16は、導電性ポリマーに加えて導電粒子を含んでもよい。離型層16中の導電粒子の含有率は、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、導電粒子を含まない(0質量%)であることがさらに好ましい。
離型層16は、本開示の離型フィルム10の効果が奏される限り、必要に応じて、溶媒、アンカリング向上剤、架橋促進剤、帯電防止剤、フィラー、着色剤等を含んでもよい。
離型層16の厚みは特に限定されず、0.1μm~100μmであることが好ましい。離型層16の厚みが0.1μm以上であると、モールド工程において必要とされる柔軟性
又は延伸性を発揮するのに十分な樹脂成分を含有でき、導電層14からの離型層16の剥離又は離型層16の欠落が起きにくい。離型層16の厚みが100μm以下であると、離型層16を熱硬化性樹脂を用いて形成する場合において熱硬化時の熱収縮が抑えられ、離型フィルム10の平坦性が保たれる。
離型層16の厚みは上記の観点から、1μm~100μmがより好ましく、10μm~50μmがさらに好ましい。導電層上に従来の離型層が配置されている離型フィルム10において離型層16の厚みが10μm~50μmであると、導電層の帯電防止機能が妨げられる場合があるが、本開示の離型フィルム10においては、導電層14から離型層16の表面まで導電粒子を介した導通パスの形成が可能であるため、導電層14の帯電防止機能が発揮される。
離型層16の厚みは、離型フィルムの断面を走査型顕微鏡写真にて測定を行い、5箇所の測定の平均値である。
[導電層]
導電層14は、帯電防止機能を担う。導電層14としては、各種の蒸着法、金属箔のラミネート等により形成される金属薄膜層;公知の帯電防止剤を塗付して形成した層;導電性ポリマー含有層;などが挙げられる。導電層14は、金属蒸着層又は導電性ポリマー含有層であることが好ましい。
離型フィルム10の表面抵抗率を下げる観点からは、導電層14は金属薄膜層であることが好ましい。形成される層の均一性が高い観点からは、導電層14は金属蒸着層であることがより好ましく、基材層12からの剥離のしにくさ、作業性、及び酸化劣化を抑える観点からは、導電層14は導電性ポリマー含有層であることがより好ましい。
金属薄膜層を構成する金属としては特に限定されないが、金属としては比較的軽く、また、蒸着法による薄膜形成が容易であるアルミニウムが好ましい。
導電性ポリマー含有層に含まれる導電性ポリマーとしては特に限定されない。導電性ポリマー含有層において、導電性ポリマーは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
導電性ポリマーを含む離型層16を設けた際の表面抵抗率の低減効果の観点から、PEDOTを含むことが好ましい。
導電性ポリマーの総量に対するPEDOTの含有率は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%以上であってもよい。
導電性ポリマー含有層に含まれる導電性ポリマーの含有率は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることが特に好ましく、70質量%以上であることが極めて好ましく、100質量%であってもよい。
導電性ポリマー含有層は、バインダー樹脂をさらに含有してもよい。導電性ポリマー含有層が導電性ポリマーに加えてバインダー樹脂をさらに含むと、導電性ポリマー含有層の密着性が向上し、導電性ポリマー含有層の剥離が抑制され、経時での帯電防止が維持されやすい。
導電性ポリマー含有層に含有されるバインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル-ウレタン系樹脂等が挙げられる。導電性ポリマー含有層において、バインダー樹脂は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
バインダー樹脂の重量平均分子量は特に限定されず、例えば、1万以上であってもよく、5万以上であってもよく、10万以上であってもよい。上限は例えば100万であってもよい。
導電性ポリマー含有層がバインダー樹脂を含有する場合、導電性ポリマー含有層に含まれるバインダー樹脂の含有率は、5質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。
また、導電性ポリマー含有層に含まれるバインダー樹脂の含有率は、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。
導電性ポリマー含有層に含有する導電性ポリマーは、予め水に分散された分散液状のものを用いてもよく、予め溶剤に溶解された溶液状のものを用いてもよい。電性ポリマーが予め水に分散された分散液状のものを用いる場合には、バインダー樹脂についても予め水に分散された分散液状のものを用いてもよい。
導電性ポリマー含有層の厚みは、特に限定されず、金属蒸着層の場合には、基材層12からの導電層14の剥離又は導電層14の欠落が起きにくい観点から、10nm~100nmが好ましく、30nm~70nmがより好ましく、40nm~60nmがさらに好ましい。導電性ポリマー含有層の場合には、離型層の表面抵抗率の観点から、導電層14の厚みは、50nm~500nmが好ましく、70nm~400nmがより好ましく、100nm~300nmがさらに好ましい。
導電性ポリマー含有層の厚みは、導電層の有無による重量の違いを測定する手法である、重量法にて測定を行ってもよい。
[基材層]
基材層12は、離型層16及び導電層14を支持する。離型フィルム10が基材層12を有していることで、離型フィルム10に必要な強度が付与され、かつその材質を適切に選択することで伸び率、弾性率等の物性を調整することができる。
基材層12としては特に限定されず、本技術分野で使用されている樹脂含有基材から選択することができる。金型の形状に対する追従性の観点からは、延伸性に優れる樹脂含有基材が好ましい。
基材層12の材質として具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステルエーテル、ポリアミドイミド、フッ素含有樹脂、熱可塑性エラストマーなどの樹脂が挙げられる。基材層12に含まれる樹脂は1種のみでも2種以上であってもよい。
基材層12は、半導体パッケージの樹脂成型が高温(100℃~200℃程度)で行われることを考慮すると、この温度以上の耐熱性を有することが望ましい。離型フィルム10を金型に装着する際及び成型時に樹脂が流動する際に、封止樹脂のシワ、離型フィルム10の破れ等の発生を抑制するために、高温時の弾性率、伸び等を考慮して選択することが望ましい。
基材層12の材料は、耐熱性及び高温時の弾性率の観点から、ポリエステル樹脂であることが好ましい。ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、これらの共重合体又は変性樹脂が挙げられる。
基材層12としては、ポリエステル樹脂を成型したポリエステルフィルムが好ましく、金型への追従性の観点からは、2軸延伸ポリエステルフィルムがより好ましい。
基材層12の厚みは特に限定されず、10μm~300μmが好ましく、20μm~100μmがより好ましい。基材層12の厚みが10μm以上であると、基材層12及び離型フィルム10がやぶれにくく取扱い性に優れる。基材層12の厚みが100μm以下であると、金型に対する基材層12及び離型フィルム10の追従性が優れるため、成型された半導体パッケージのシワ等の発生が抑制される。
基材層12は、1層のみから構成されても、2層以上から構成されてもよい。2層以上から構成される基材層12を得る方法としては、各層の材料を共押出法で押し出して作製する方法、2枚以上のフィルムをラミネートする方法等が挙げられる。
基材層12において導電層14が設けられる側の面は、導電層14に対する密着力を向上させるための処理が施されていてもよい。処理の方法としては、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理、下塗り剤(プライマ)の塗布などが挙げられる。
必要に応じ、基材層12の背面(被着面に貼り付ける側とは逆の面)に、離型フィルム10のロールからの巻き出し性を調節するための背面処理剤が付与されていてもよい。背面処理剤としては、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリビニルアルコール、アルキル基を有する樹脂等が挙げられる。必要に応じ、これらの背面処理剤は変性処理がされてもよい。背面処理剤は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
[離型フィルムの物性等]
離型フィルム10の全体の厚みは特に制限されず、所望の物性(伸び率、弾性率等)に応じて設定できる。例えば、30μm~300μmであってもよく、35μm~250μmであってもよく、40μm~200μmであってもよい。
本開示の離型フィルム10は、離型層16側の表面抵抗率が1.0×10(Ω/sq)以下であることが好ましく、1.0×10(Ω/sq)以下であることがより好ましく、1.0×10(Ω/sq)以下であることがさらに好ましい。離型層16側の表面抵抗率は、離型層16の導電性ポリマーの含有率を変えることで調整可能である。
離型フィルム10の離型層16側の表面抵抗率は、下記の測定方法により測定した値である。
絶縁抵抗計の測定台の上に、離型層16を上にして離型フィルム10を置き、離型フィルム10上に外径50mmの円形電極と、内径70mm且つ外径80mmのリング状電極とを置く。この際、円形電極の中心とリング状電極の中心とを一致させる。両電極に端子をつなぎ、電圧100V、測定時間1分で表面抵抗(Ω)を測定し、下記の式から表面抵
抗率(Ω/sq)を算出する。測定環境は、温度23±2℃、相対湿度50±10%である。
表面抵抗率=π×(D+d)/(D-d)×R
ここで、π:円周率、D:リング状電極の内径、d:円形電極の外径、R:表面抵抗である。
[離型フィルムの製造方法]
本開示の離型フィルム10は、基材層12となる基材の上に導電層14を形成し、さらに、導電層14の上に離型層16を形成することで得られる。導電層14は、例えば、蒸着法、ラミネート法、塗工法により基材上に形成することができる。離型層16は、例えば、導電性ポリマーと樹脂成分と溶媒とを含む組成物を導電層14上に塗布し熱硬化させて形成することができる。導電性ポリマーは予め溶剤に溶解された溶液状のものを用いてもよい。離型層16は、剥離シート上に別途形成し、熱圧着によって導電層14上に積層してもよい。
本開示の離型フィルム10は、必要に応じて、導電層14と基材層12との間に着色層等の層を設けてもよい。
[離型フィルムの用途]
本開示の離型フィルム10は、例えば、半導体チップを封止材で封止する際に用いる。本開示の離型フィルム10は、トランスファーモールド又はコンプレッションモールドに用いられることが好ましい。本開示の離型フィルム10を用いることにより、半導体チップから剥離する際の帯電及び放電を十分に抑えることができるため、露出成形にも好適に用いることができる。
<半導体パッケージの製造方法>
本開示の半導体パッケージの製造方法では、本開示の離型フィルム10を用いてトランスファーモールド工程又はコンプレッションモールド工程を行う。露出成形において本発明の離型フィルム10を用いる半導体パッケージの製造方法の概略を図2に示す。
図2(A)に示すように、一対のロール20、21に架け渡された前述の本開示の離型フィルム10を成型装置の金型の上型30の形状に沿わせて配置する。配置の際、離型フィルム10にはシワがよらないように注意する。真空吸着等により上型30に追従させてもよい。
金型の下型32内には、基板40上に搭載された半導体チップ42を半導体チップ42側が上向きになるように配置する。半導体チップとしては、例えば、半導体素子、コンデンサ、端子等が挙げられる。
そして、図2(B)に示すように、上型30と下型32を閉じる。この状態では、離型フィルム10と半導体チップ42とが接触する。金型を閉じてから溶融した封止材50を金型内の空間に注入し、半導体チップを封止材で封止する。封止材の種類は特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を含む樹脂組成物が挙げられる。
半導体チップを封止した後、図2(C)に示すように金型を開放して、半導体チップが封止材で封止された半導体パッケージを取り出す。金型を開放すると、離型フィルム10が半導体チップ42から剥がされる。
本開示の半導体パッケージの製造方法では、本開示の離型フィルム10を用いるため、半導体チップから剥離する際の帯電及び放電を十分に抑えることができる。そのため、従来のサイズの半導体チップの封止に適用できることに加えて、より小さいサイズの半導体
チップの封止にも好適に適用することができる。例えば、10mm×10mm以下のサイズの半導体チップの封止にも適用可能である。
また、帯電及び放電の発生が抑えられると、半導体チップの表面におけるバリの発生が抑制される傾向にある。よって、本開示の半導体パッケージの製造方法では、半導体パッケージの製造の歩留まりが向上される。
半導体チップを封止した後、離型フィルム10はロールトゥロールで巻き取られ、新しい面が上型30に設置される。このようにロールトゥロールの場合、離型フィルム10は連続的に使用される。
以下、上記実施形態を実施例により具体的に説明するが、上記実施形態の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[基材の準備及び導電層の形成]
SMH-38(ユニチカ(株)製、PETフィルム、片面鏡面・片面マット仕様)を用意した。このPETフィルムの鏡面にPE-DOT(1-メトキシ-2-プロパノールに溶解可能)を塗布し、厚さ200nmの導電層を形成した。
[離型層の形成]
S-43(綜研化学(株)製、アクリル酸エステル共重合物)100質量部、コロネートL(東ソー(株)製、多官能イソシアネート架橋剤)10質量部、トルエン90質量部、メチルエチルケトン10質量部を攪拌し、混合物を調製した。
この混合物に、1-メトキシ-2-プロパノールに溶解したPEDOTを添加した。PEDOTの添加量は、溶剤を除く固形物成分(樹脂成分であるアクリル酸エステル共重合物、架橋剤、及びPEDOT)の総量に対するPEDOTの含有率が1質量%となる量とした。
上記で準備した導電層の上に離型層組成物1をバーコータで塗布した。塗工液を塗布したフィルムを予め120℃に加温した防爆オーブン中に入れ、2分後に取り出した。こうして導電層上に離型層を形成し、離型フィルムを得た。離型層の厚さは3μmであった。
<実施例2~5>
実施例1と同様の方法で、但し、離型層組成物1において固形物成分の総量に対するPEDOTの含有率を2、3、4、又は5質量%となる量に変更し、離型フィルムを得た。
<比較例1>
実施例1と同様の方法で、但し、離型層組成物1においてPEDOTを添加せずに、離型フィルムを得た。
<評価>
(表面抵抗率の測定)
実施例1~5及び比較例1の各離型フィルムに対して上述の方法で表面抵抗率を測定した。評価結果を表1に示す。
(密着性の確認)
離型フィルムについて、JIS(日本工業規格)K5600(1999年 クロスカット法)に準拠したクロスカットテストを行った。クロスカットテストでは、カット間隔を2mmとし、2mm角の正方形の格子を10個形成した。この10個の格子のうち、各層
間で剥がれが認められなかった個数(個/10個)を確認した。評価結果を表1に示す。
(金属への移行性試験)
半導体チップへの残渣を想定として、以下の移行性試験を行った。王子機械株式会社製26t成型機を用いた。鏡面仕様のSUS表面に、離型フィルムの離型層を密着させ、温度180℃、圧力32MPa、時間5分で試験を実施した。処理後、離型フィルムを剥離してSUS表面への離型層の転着を目視で確認した。
(封止材への移行性試験)
硬化した封止材への残渣を想定として、以下の移行性試験を行った。王子機械株式会社製26t成型機を用いた。離型フィルムの離型層面に硬化前の封止材を約10g程度撒き、温度180℃、圧力32MPa、時間5分で試験を実施した。処理後、離型フィルムを剥離して硬化した封止材表面への離型層の転着を目視で確認した。

比較例1は離型層側の表面抵抗率が1.0×10(Ω/sq)を超えており、離型層側の表面抵抗率が大きい。これに対して、実施例1~5はいずれも表面抵抗率が1.0×10(Ω/sq)未満であり、離型層側の表面抵抗率が効果的に低下している。よって、実施例1~5の離型フィルムは帯電防止性能に優れることがわかる。
また、実施例1~5はいずれも基材層と導電層との間、及び導電層と離型層の間での剥離が見られなかった。また、実施例1~5はいずれも金属及び硬化した封止材への離型フィルムの離型層の転着は見られなかった。したがって、実施例1~5の離型フィルムは、離型性が維持されていることがわかる。
10 離型フィルム
12 基材層
14 導電層
16 離型層
20、21 ロール
30 上型
32 下型
40 基板
42 半導体チップ

Claims (8)

  1. 離型層と導電層と基材層とをこの順に有し、
    前記離型層が導電性ポリマーを含む、半導体成型用離型フィルム。
  2. 前記導電性ポリマーがポリエチレンジオキシチオフェンを含み、前記導電層がポリエチレンジオキシチオフェンを含む、請求項1に記載の半導体成型用離型フィルム。
  3. 前記導電性ポリマーが1-メトキシ-2-プロパノールに溶解可能なポリエチレンジオキシチオフェンを含む、請求項1に記載の半導体成型用離型フィルム。
  4. 前記離型層側の表面抵抗率が1×10Ω/sq以下である、請求項1に記載の半導体成型用離型フィルム。
  5. 前記離型層に含まれる前記導電性ポリマーの含有率が、前記離型層の総量に対して0.5質量%以上である、請求項1に記載の半導体成型用離型フィルム。
  6. トランスファーモールド又はコンプレッションモールドに用いられる、請求項1に記載の半導体成型用離型フィルム。
  7. 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の半導体成型用離型フィルムを用いて、トランスファーモールド工程又はコンプレッションモールド工程を行う、半導体パッケージの製造方法。
  8. 前記トランスファーモールド工程又は前記コンプレッションモールド工程において、露出成形を行う、請求項7に記載の半導体パッケージの製造方法。


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