JP2024062288A - 欠肉検査装置及び欠肉検査装置を備えたトランスファー型プレス加工機 - Google Patents
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Abstract
Description
一方で、生産性を高めるためのトランスファー型プレス加工機が知られている。
絞り(ドロー)成形においては、ワークの搬送時の位置ずれや、金型内のワークの位置決め品の摩耗により、ワークが正規の位置からずれた状態となると、加工時のブランクホルダーによるワークの抑えが弱まり、ワークが偏って流入し、材料の端部が短くなる不具合が生じる。この場合、搬送方向とは異なる位置に正規寸法よりも短い状態のワークが発生することもある。
また、一連のプレス作業工程において、ヒューマンエラーを皆無とすることはできない。
これらの要因により、搬送方向あるいは異なる方向にワークの寸法が短くなる欠肉、金属板(例えば高張力鋼板)の場合において寸法が短い欠肉材料が生じることがある。
また、欠肉が発生しても接合に不具合が生じないよう、あらかじめ製品外周に余裕を持たせ、トランスファープレスの最終工程で余分な領域をトリムすることも考えられるが、材料の歩留りが悪化し量産には不適である。
そこで発生した欠肉を確実に検知できるような仕組みが必要である。
しかるに、把持手段は、設備の関係で、プレス機による材料の送り方向に対し、直交する方向の両サイドにしか取り付けることができないため、欠肉の検出は、前記直交する方向の(サイド方向)寸法のみに限定され、送り方向の寸法の欠肉は検出できない。
したがって、送り方向の例えば5mm以内の欠肉を検出することが困難であり、生産性に影響を与える。
第一の方向の第1側において縦向きに設けられた第1側ガイドと、
前記第一方向における前記第1側に対向する第2側において縦向きに設けられた第2側ガイドと、
前記第1側において、前記第1側ガイドより前記第2側の位置に設けられた第1着座と、
前記第2側において、前記第2側ガイドより前記第1側の位置に設けられた、上方の第2上着座及び下方の第2下着座と、
を備え、
前記第2上着座は、前記第一の方向に進退自在に構成され、前進時、前記第2上着座の先端が前記第2下着座より前記第1側に進出する、
ことを特徴とする欠肉検査装置。
一組のスライド及びボルスタに複数の金型を配列し、ワークが複数の金型を備えた工程ごとの順番でプレス加工されるようにワークを搬送する搬送機構を備えたトランスファー型プレス加工機であり、
前記欠肉検査装置が、前記複数の金型の配列内に設けられ、
前記搬送機構が、前記欠肉検査装置内に搬入された前記ワークを把持し、次の金型へ搬出するように構成された把持手段を有し、
前記把持手段は前記ワークの把持の可否検出手段を有しており、
前記把持の可否検出手段は前記ワークの把持が不可のとき、前記プレス加工機に対しそのプレス動作を停止させる信号を与えるようにしてある、
ことを特徴とする欠肉検査装置を備えたトランスファー型プレス加工機。
そこで、まずトランスファー型プレス加工機1について、図10によって概説する。
ワーク側からみると、複数の金型の対により、順番でプレス加工工程を経ることになる。
第2上着座31は、第一の方向H1に進退自在に構成されており、前進時、第2上着座31の先端は、第2下着座32A、32Bの先端より第1側に進出するように構成されている
他の実施の形態においては、例えば第2下着座32A、32Bを設けない態様、あるいは第2下着座32A、32Bが第2側ガイド14A、14Bより第1側LD側に延出するものの、その延出程度が小さいために、第2上着座31が限度まで後退した位置において、第2下着座32A、32Bの延出縁を外れるように構成した態様も提案される。
これらの態様では、ワークWが第2上着座31をから外れて落下したとき、下方の第2台板42の上面、あるいは機台40の上面40aなどに着座する。
実施の形態では、第1側ガイド12A,12B、第2側ガイド14A、14B及び側面ガイド16の上部には傾斜面が形成され、上方から下方に向けて供給されるワークW(例えば板状体である鋼板)の側面をガイドして所定の位置に載置されるようになって、係止部P1へのワーク位置決めができる。
第1側ガイド12A,12Bと第2側ガイド14A,14Bが対向する方向は、図1に示されるように、ワークの送り方向に限定されず、ワークの欠肉発生個所及び欠肉を検査したい方向に対応させて、平面視で適宜、自由に変更できる。
第1台板41対向して第2台板42が設けられ、この第2台板42に、第2側ガイド14A、14B、第2下着座32A、32Bが固定されている。
第2下着座32A、32Bの上面は、第1台板41の上面とほぼ同じ高さとされている。
第2台板42に前後進シリンダ33が固定され、前後進シリンダ33のロッドに中間ガイド34が固定され、第2上着座31は中間ガイド34と共に前後進するように構成されている。
第2上着座の先端は、第2上着座の前進時、前記第2下着座より前記第1側に変位した位置まで進出する。
また、第2下着座32A、32Bは、別体に形成されているが、連続した一体の部材(例えば板体)でもよい。
欠肉検査装置10の動作及び搬送機構に設けられた把持手段としてのフィンガー1Fは、プレス加工機1の送り角度と連動するように構成されている。
・第1角度範囲(0度→90度):上型が上死点から中間点に達するまでの角度範囲
・第2角度範囲(90度→180度):上型が中間点から下死点に達するまでの角度範囲
・第3角度範囲(180度→270度):上型が下死点から中間点に達するまでの角度範囲
・第4角度範囲(270度→0度):上型が中間点から上死点に達するまでの角度範囲
まず、例えばトランスファー型プレス加工機1の搬送機構に設けられた把持手段としてのフィンガー1Fにより把持されたワークWが、図4に示すように、欠肉検査装置10上に移送され、上方より下降された後、把持が解放される。
結果として、ワークWは、第2上着座31上と第1台板41上の第1着座21上とに跨がって傾斜状態(第1の角度θ1を有した状態、すなわち、ワークWの底面が係止部P1を通る水平線とのなす角度である、第1の角度θ1をもって傾斜した状態)になる。
この第1の角度θ1としては、15~45度が好ましい。第1の角度θ1が過度に小さいと、ワークWの図5状態から図6状態への移行が明確にあらわれ難く、他方、第1の角度θ1が過度に大きいと、ワークWの第2上着座31上への係止が不安定となる傾向を招く。
次に、図6に示すように、第2上着座31が中間ガイド34と共に後退移動すると、ワークWの前方端部は、第2上着座31から外れて落下する。このときにワークWは、第1台板41上の第1着座21上の係止部P1において固定されているため、係止部P1を回転中心に図5において時計方向回りに回転して水平方向に対し第2の角度θ2(ワークWの底面が係止部P1を通る水平線とのなす角度)を有した状態となる。
第2の角度θ2は第1の角度θ1よりも小さく、ワークWをフィンガー1Fにより把持できる角度であるのが望ましく、この観点から、第2の角度θ2は+5度~-5度が望ましい。この角度範囲であると、欠肉の有無の判断が容易である。実施の形態では第2の角度θ2は水平方向に対してほぼ0度である。
フィンガー1Fには、ワークWの把持の可否検出手段を構成するセンサ(図示せず)が付設されており、ワークWに傾きのないほぼ水平状態(例えば水平に対して±5度以内の角度範囲)では、センサが動作し、図示しない制御手段により、正常であると判断され、図6に示すように、フィンガー1FによりワークWが把持され、欠肉検査装置10から次のプレス工程へと搬出される。
結果として、第1台板41上の第1着座21上と、第2台板42上又は機台40の上面40aとに跨がった、ワークWの前方側が下り傾斜状態となる。
この状態ではフィンガー1Fに付設のセンサが動作せず、制御手段により、異常であると判断され、プレス機が停止される。その結果、ワークWは欠肉検査装置10から次のプレス工程へと搬出されず、その後に、オペレータ又は他の搬出手段(図示せず)により取り除かれる。
上記のとおり、欠肉検査装置の動作とフィンガーの動作によるワークの投入及び搬送はプレス機の送り角度に基づき行われる。そのため、生産性を高めるためにプレス機の加工速度を上げても、ワークの投入、搬送と欠肉検査装置の動作のタイミングがずれることはなく、安定した欠肉の検出が可能である。
その結果、実際は欠肉ではないワークWについて、フィンガー1Fに付設のセンサが動作せず、制御手段により、異常であると判断され、プレス機が停止される事態に陥る。
これに対して、第2上着座31を設けると、仮にワークWが傾いて落下したとしても、ワークWの前方端部を第2上着座31で支承できる利点がある。
ワークの他端の位置決めにより、ワークWの長短(欠肉の有無)を、ワーク一端が第2下着座32A,32Bに載置される否かを基準に判別可能になる。
要すれば、実施の形態の欠肉検査装置10は高精度で、検出の安定性及び検出の迅速性に優れたものとなる。
これに対し、実施の形態の欠肉検査装置10によれば、実際に、金属板(プレス工程での送り方向(第一の方向H1)の寸法が例えば25~150cm)の場合において、送り方向において、10mm以内、特に5mm以内の欠肉の検出が可能であることが判明している。
このことは、例えば図13に示す形状の金属板について、従来はL2方向の欠肉検出であったものを、欠肉検査装置10によりL1方向の欠肉検出が可能となったことを意味している。
さらに、例えば、ガイド12C、14Cを設けることにより、L3方向の欠肉を検出することができるようになる。
なお、第2下着座32A、32Bの位置と長さを調整することにより、製品の公差に応じて、検出精度を容易に変更することができる。
トランスファー型プレス加工機1については、既述のとおりである。
トランスファー型プレス加工機1の搬送機構は、欠肉検査装置10内に搬入されたワークWを把持し、次の金型へ搬出するように構成されており、例えばフィンガー1Fを有する把持手段を備えている。
把持手段はワークWの把持の可否検出手段(例えば前記センサ)を有しており、把持の可否検出手段はワークWの把持が不可のとき、プレス加工機に対しそのプレス動作を停止させる信号を与えるようにしてある。自動でプレス機が停止するため欠肉材料の検出が容易である。
例えば、トランスファー型プレス加工機1の一連の複数の金型の配列内に、アイドル工程部分を設け、その位置に欠肉検査装置10を配置することができる。アイドル工程では成形を行わない遊び工程である。プレス加工機のライン外に検査装置などを設置する場合と比べ工場の省スペース化を図ることができる。
符号1A~1Dは、他の工程を示し、トリム工程、下方穴明け加工工程、横穴明け加工工程、曲げ加工工程などを示している。
成型後の複雑な形状のワークは、ワーク内に影ができやすく、カメラ等による検査は難しい。一方で欠肉検査装置10は、製品幅を直接検査する物である。そのため欠肉検査装置10を成型工程DRより後工程に配置すれば、製品の影等の影響を受けずに成型後の複雑形状のワークであっても容易に検査可能である。
符号1E~1Hは、他の工程を示し、成形工程、トリム工程、下方穴明け加工工程、横穴明け加工工程、曲げ加工工程などを示している。
欠肉検査装置10を第1工程に配置することで、板状の材料の欠肉を、トランスファー型プレス加工機1に供給する段階で検査できる。
欠肉が発生した材料を成形すると、例えば成型工程が絞り(ドロー)成形の場合、ブランクホルダーによるワークの抑えが低下し、ワークの流入が大きくなりシワ等の不具合が発生する。成型工程でシワの発生したワークに、成型、曲げ、切断加工等を行うと、シワの発生した部分から金型の破損が生じる。欠肉検査装置10を第1工程に配置することでこのような問題を解消することができる。
1F…フィンガー
2…スライド
3…ボルスタ
4…上型
5…下型
10…欠肉検査装置
12A,12B…第1側ガイド
14A、14B…第2側ガイド
16…側面ガイド
21…第1着座
31…第2上着座
32A、32B…第2下着座
33…前後進シリンダ
34…中間ガイド
40…機台
40a…上面
41…第1台板
42…第2台板
H1…第一の方向
H2…第二の方向
LD…第1側
RD…第2側
W、W1…ワーク
Claims (8)
- 第一の方向の第1側において縦向きに設けられた第1側ガイドと、
前記第一方向における前記第1側に対向する第2側において縦向きに設けられた第2側ガイドと、
前記第1側において、前記第1側ガイドより前記第2側の位置に設けられた第1着座と、
前記第2側において、前記第2側ガイドより前記第1側の位置に設けられた、上方の第2上着座及び下方の第2下着座と、
を備え、
前記第2上着座は、前記第一の方向に進退自在に構成され、前進時、前記第2上着座の先端が前記第2下着座より前記第1側に進出する、
ことを特徴とする欠肉検査装置。 - 前記第一の方向と交差する第二の方向において、少なくとも一つの前記第2上着座を挟んで、それぞれ少なくとも一つの第2下着座が設けられている、
請求項1記載の欠肉検査装置。 - 前記第2上着座が、被検査用ワークにおける前記第一の方向の第2側の端縁部を支承し、前記被検査用ワークを水平方向に対し傾斜状態で支承するものである請求項1又は請求項2記載の欠肉検査装置。
- 前記第2下着座が、被検査用ワークにおける前記第一の方向の第2側の端縁部を支承し、前記被検査用ワークをほぼ水平状態で支承するものである請求項1又は請求項2記載の欠肉検査装置。
- 一組のスライド及びボルスタに複数の金型を配列し、ワークが複数の金型を備えた工程ごとの順番でプレス加工されるようにワークを搬送する搬送機構を備えたトランスファー型プレス加工機であり、
請求項1記載の前記欠肉検査装置が、前記複数の金型の配列内に設けられ、
前記搬送機構が、前記欠肉検査装置内に搬入された前記ワークを把持し、次の金型へ搬出するように構成された把持手段を有し、
前記把持手段は前記ワークの把持の可否検出手段を有しており、
前記把持の可否検出手段は前記ワークの把持が不可のとき、前記プレス加工機に対しそのプレス動作を停止させる信号を与えるようにしてある、
ことを特徴とする欠肉検査装置を備えたトランスファー型プレス加工機。 - 前記欠肉検査装置が、前記複数の金型の配列内のアイドル工程位置に設けられている、請求項5記載の欠肉検査装置を備えたトランスファー型プレス加工機。
- 前記欠肉検査装置が、前記複数の金型の配列内の成型工程より後工程の位置に設けられている、請求項5記載の欠肉検査装置を備えたトランスファー型プレス加工機。
- 前記欠肉検査装置が、前記複数の金型の配列内の成型工程より前工程の位置に設けられている、請求項5記載の欠肉検査装置を備えたトランスファー型プレス加工機。
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