JP2024061681A - 半導体製造工程用粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】チップの厚みが薄くても、チップ部品の剥離性能に優れる半導体製造工程用粘着テープを提供する。【解決手段】基材層と、前記基材層の一方の面に第1の粘着層とを有し、前記第1の粘着層は、芳香族ビニルモノマーに由来するブロックと共役ジエンモノマーに由来するブロックとを少なくとも有するブロック共重合体の水素添加体であるベースポリマーが架橋された架橋生成物、及び、紫外線吸収剤を含有し、前記第1の粘着層の厚みは、20μm未満である半導体製造工程用粘着テープ。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体製造工程用粘着テープに関する。
半導体デバイスの製造工程において、粘着層上に配置された多数のチップ部品を駆動回路基板上に転写することがある。
例えば、マイクロLEDディスプレイは、画素を構成するチップの1つ1つが微細な発光ダイオード(LED、Light Emitting Diode)チップであり、このLEDチップ(マイクロLEDチップ)が自発光して画像を表示する表示装置である。マイクロLEDディスプレイは、コントラストが高く、応答速度が速く、また、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等で使用されるカラーフィルターを必要としないこと等により薄型化も可能であることから、次世代の表示装置として注目されている。マイクロLEDディスプレイにおいては、多数のマイクロLEDチップが平面状に高密度で敷き詰められている。
このようなマイクロLEDディスプレイ等の半導体デバイスの製造工程においては、例えば、粘着層上に多数のチップ部品が配置された転写用積層体を、駆動回路基板と対向させ、転写用積層体からチップ部品を剥離させて駆動回路基板と電気的な接続を行う(転写工程)。
転写用積層体からチップ部品を剥離させる方法としては、例えば、転写用積層体の支持体の背面から粘着層に焦点をあててレーザー光を照射する方法が知られている(例えば、特許文献1)。このような方法は、レーザーアブレーション(laser ablation)とも呼ばれる。また、粘着層に熱膨張性粒子、熱膨張性マイクロカプセル等を配合し、転写用積層体と駆動回路基板との熱圧着により熱膨張性粒子、熱膨張性マイクロカプセル等を熱膨張させることで、粘着層の変形による接着面積低下によりチップ部品を剥離させる方法も知られている(例えば、特許文献2、3)。
特開2019-138949号公報 特開2019-15899号公報 特開2003-7986号公報
しかしながら、チップの厚みが薄い場合、従来のテープでは、チップ部品の剥離不良により、歩留まりよくチップ部品を転写することが難しいという問題があった。
本発明は、チップの厚みが薄くても、チップ部品の剥離性能に優れる半導体製造工程用粘着テープを提供することを目的とする。
本開示1は、基材層と、上記基材層の一方の面に第1の粘着層とを有し、上記第1の粘着層は、芳香族ビニルモノマーに由来するブロックと共役ジエンモノマーに由来するブロックとを少なくとも有するブロック共重合体の水素添加体であるベースポリマーが架橋された架橋生成物、及び、紫外線吸収剤を含有し、上記第1の粘着層の厚みは、20μm未満である半導体製造工程用粘着テープである。
本開示2は、上記第1の粘着層のゲル分率が40質量%以上である本開示1の半導体製造工程用粘着テープである。
本開示3は、上記ブロック共重合体中の上記芳香族ビニルモノマーに由来するブロックの含有量が31質量%以下である本開示1又は2の半導体製造工程用粘着テープである。
本開示4は、上記ブロック共重合体が、架橋性官能基を含有する本開示1、2又は3の半導体製造工程用粘着テープである。
本開示5は、上記架橋生成物は、前記ベースポリマーがエポキシ系架橋剤及び/又はイソシアネート系架橋剤で架橋された架橋生成物である本開示1、2、3又は4の半導体製造工程用粘着テープである。
本開示6は、上記第1の粘着層は、波長365nmでの紫外線吸収率が90%以上である本開示1、2、3、4又は5の半導体製造工程用粘着テープである。
本開示7は、上記紫外線吸収剤は、20℃以上25℃以下の温度範囲で液状である本開示1、2、3、4、5又は6の半導体製造工程用粘着テープである。
本開示8は、上記第1の粘着層は、タッキファイヤーを含有する本開示1、2、3、4、5、6又は7の半導体製造工程用粘着テープである。
本開示9は、上記タッキファイヤーは、上記ベースポリマーを100質量部に対して、10質量部以上を含む本開示8の半導体製造工程用粘着テープである。
本開示10は、上記第1の粘着層の23℃における引張弾性率が、0.9MPa以上である本開示1、2、3、4、5、6、7、8又は9の半導体製造工程用粘着テープである。
本開示11は、上記基材層は、ポリエステルフィルムを含む本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の半導体製造工程用粘着テープである。
本開示12は、上記第1の粘着層と上記基材層との間に更に樹脂層を有し、該樹脂層は極性官能基を有する樹脂を含有する本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の半導体製造工程用粘着テープである。
本開示13は、上記基材層の上記第1の粘着層を有する面と反対の面に、更に、第2の粘着層を有する本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の半導体製造工程用粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、特定の組成を含有する厚みの薄い粘着層を用いることにより、チップの厚みが薄い場合であっても、レーザーアブレーションによるチップの剥離性能に優れた粘着テープを得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の半導体製造工程用粘着テープは、基材層と、上記基材層の一方の面に第1の粘着層とを有する半導体製造工程用粘着テープである。
上記第1の粘着層の厚みは20μm未満である。上記第1の粘着層の厚みが20μm未満であれば、半導体製造工程用粘着テープがチップ部品の剥離性能に優れるものとなる。上記第1の粘着層の厚みの好ましい上限は15μm、より好ましい上限は10μm、更に好ましい上限は5μmである。上記第1の粘着層の厚みの好ましい下限は特にないが、粘着テープの製造の観点から、実質的な下限は2μmである。
上記第1の粘着層は、芳香族ビニルモノマーに由来するブロックと共役ジエンモノマーに由来するブロックとを少なくとも有するブロック共重合体の水素添加体であるベースポリマーが架橋された架橋生成物、及び、紫外線吸収剤を含有する。
上記ベースポリマーは、上記芳香族ビニルモノマーに由来するブロックと上記共役ジエンモノマーに由来するブロックとを有するブロック共重合体の水素添加体である。上記第1の粘着層が上記ベースポリマーを含有することにより、上記第1の粘着層のゲル分率、引張弾性率、破断強度等を後述する範囲に調整しやすく、半導体製造工程用粘着テープのチップ部品の剥離性能が向上し、かつ、チップ部品への糊残りを抑えることができる。
上記芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、アルファメチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられる。これらの芳香族ビニルモノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の剥離性能がより向上し、かつ、チップ部品への糊残りをより抑えることができることから、スチレンが好ましい。なお、本明細書において芳香族ビニルモノマーに由来するブロックとは、下記一般式(1)又は(2)に示すような構造を有するブロックのことを指す。
Figure 2024061681000001
一般式(1)又は(2)中、Rは芳香環を有する置換基を表す。芳香環を有する置換基Rとしては、フェニル基、メチルフェニル基、クロロフェニル基等が挙げられる。
上記芳香族ビニルモノマーは、本発明の効果を損なわない範囲で、更に、例えば、環状構造を有する化合物、側鎖置換基が短い化合物等に由来する構造を有していてもよい。
上記ブロック共重合体中、上記芳香族ビニルモノマーに由来するブロックの含有量は特に限定されないが、好ましい上限は31質量%である。上記芳香族ビニルモノマーに由来するブロックの含有量が31質量%以下であることにより、上記第1の粘着層が柔らかくなり、チップ部品の保持性能がより向上する。上記芳香族ビニルモノマーのより好ましい上限は20質量%、更に好ましい上限は15質量%である。
また、上記芳香族ビニルモノマーに由来するブロックの含有量の好ましい下限は2質量%である。上記芳香族ビニルモノマーに由来するブロックの含有量が2質量%以上であることにより、上記第1の粘着層が硬くなり、チップ部品の剥離性能がより向上する。上記芳香族ビニルモノマーに由来するブロックの含有量のより好ましい下限は5質量%、更に好ましい下限は10質量%である。
上記共役ジエンモノマーとしては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-オクタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-シクロヘキサジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、3-ブチル-1,3-オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。これらの共役ジエンモノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、重合反応性が高く、工業的に入手しやすいことから、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましい。
上記ブロック共重合体中、上記共役ジエンモノマーに由来するブロックの含有量は特に限定されず、本発明の効果が発揮されればよいが、好ましい下限は70質量%、より好ましい下限は80質量%であり、好ましい上限は98質量%、より好ましい上限は85質量%である。
上記ブロック共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、架橋性官能基を含有していてもよい。上記ブロック共重合体が架橋性官能基を含有することにより、架橋性官能基の架橋によって上記第1の粘着層の凝集力が高まることから、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の剥離性能がより向上し、かつ、チップ部品への糊残りをより抑えることができる。
上記架橋性官能基としては、例えば、カルボキシ基、酸無水物基、水酸基、エポキシ基、二重結合、三重結合、アミノ基、アミド基、ニトリル基等が挙げられる。
上記ブロック共重合体は、これらの上記架橋性官能基のうち、1種の上記架橋性官能基のみを含有してもよく、2種以上の上記架橋性官能基を含有してもよい。なかでも、半導体製造工程用粘着テープのチップ部品の剥離性能がより向上し、かつ、チップ部品への糊残りをより抑えることができることから、上記ブロック共重合体は、カルボキシ基、酸無水物基、水酸基、エポキシ基、二重結合、三重結合、及び、アミド基からなる群から選択される架橋性官能基のうち、少なくとも1種を含有することが好ましい。そのなかでも、上記ブロック共重合体は、カルボキシ基及び/又は酸無水物基を含有することがより好ましい。
なお、上記ブロック共重合体において、上記芳香族ビニルモノマーに由来するブロック及び上記共役ジエンモノマーに由来するブロックが、上記架橋性官能基を含有することが好ましい。
上記ブロック共重合体中、上記架橋性官能基に由来する構造の含有量(例えば、無水マレイン酸由来の酸無水物基を含有するブロック共重合体の場合、上記ブロック共重合体に結合する無水マレイン酸由来の構造の含有量)は特に限定されないが、好ましい下限は0.5質量%、好ましい上限は4質量%である。上記架橋性官能基に由来する構造の含有量が上記範囲であることで、上記第1の粘着層の凝集力がより高まり、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の剥離性能がより向上し、かつ、チップ部品への糊残りをより抑えることができる。上記架橋性官能基に由来する構造の含有量のより好ましい下限は0.7質量%、更に好ましい下限は0.8質量%であり、より好ましい上限は2質量%、更に好ましい上限は1.5質量%である。
上記ブロック共重合体を得るには、上記芳香族ビニルモノマー及び上記共役ジエンモノマーを、重合開始剤の存在下にてそれぞれラジカル反応させて上記芳香族ビニルモノマーに由来するブロック及び上記共役ジエンモノマーに由来するブロックを得た後、両者を反応させる又は共重合すればよい。また、上記芳香族ビニルモノマーに由来するブロックを得た後、続けて上記共役ジエンモノマーを投入し、共重合してもよい。
上記ラジカル反応をさせる方法、即ち、重合方法としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記ブロック共重合体が上記架橋性官能基を含有する場合は、例えば、上述した方法で得られたブロック共重合体と上記架橋性官能基を含有する化合物とをグラフト重合することにより、上記架橋性官能基を含有する上記ブロック共重合体が得られる。より具体的には、有機過酸、過酸化物等のラジカル発生剤の存在下で、上記ブロック共重合体と上記架橋性官能基を含有する上記化合物とを溶融混練する方法等により、グラフト重合し調製することができる。
また、上記架橋性官能基を含有する上記ブロック共重合体は、上述した上記ブロック共重合体の合成方法において、更に、上記架橋性官能基を含有するモノマーを加えて共重合しても得ることができる。より具体的には、上述した上記ブロック共重合体の合成方法において、上記芳香族ビニルモノマーに由来するブロック及び上記共役ジエンモノマーに由来するブロックを得た後、更に、上記架橋性官能基を含有するモノマーを加えて共重合すること等により、上記架橋性官能基を含有する上記ブロック共重合体を得ることができる。
カルボキシ基を含有する上記ブロック共重合体を製造する場合、上記架橋性官能基を含有する上記化合物としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸が挙げられる。
酸無水物基を含有する上記ブロック共重合体を製造する場合、上記架橋性官能基を含有する上記化合物としては、例えば、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物等の酸無水物が挙げられる。
上記ベースポリマーは、上記ブロック共重合体中の二重結合(不飽和結合)が水素添加により飽和結合に変換された上記ブロック共重合体の水素添加体である。例えば、上記ブロック共重合体中の上記共役ジエンモノマーに由来する構造としての1,3-ブタジエンに由来する構造の二重結合(不飽和結合)が水素添加されると、エチレン-ブチレン構造に変換される。
上記ベースポリマーを得る方法としては、例えば、以下に示す方法等が挙げられる。
即ち、上記ブロック共重合体を重合体濃度5質量%になるよう精製乾燥したシクロヘキサンに溶解した後、撹拌下で水素ガス供給圧0.7MPa-Gauge、反応温度80℃で水素添加反応を開始し、水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻し、反応容器から抜き出すことで上記ベースポリマーを得る方法等が挙げられる。
上記水素添加の比率(水素添加率)は特に限定されないが、部分的に水素添加されていてもよく、大部分が水素添加されていてもよい。
なお、水素添加の比率(水素添加率)は、重水素化クロロホルムを溶媒として用い、20HzでのH-NMRスペクトルを測定して算出することができる。
上記ベースポリマーは市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)の市販品が挙げられる。より具体的には、FG1924、FG1901、G1675、G1652(いずれもクレイトンポリマー社製)、M1943、M1913、M1911、C5025、H1221(いずれも旭化成社製)、DYNARON8300P、DYNARON8600P(いずれもENEOSマテリアル社製)等が挙げられる。
上記第1の粘着層は、上記ベースポリマーが架橋された架橋生成物を含有する。上記ベースポリマーが架橋されることで、上記第1の粘着層の凝集力を高めることができ、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の剥離性能が向上し、かつ、チップ部品への糊残りを抑えることができる。
上記ベースポリマーの架橋方法は特に限定されないが、例えば、架橋剤や電子線(EB)照射による架橋等が挙げられる。なかでも、架橋剤による架橋が好ましい。
上記架橋剤は特に限定されないが、上記ベースポリマー中の上記架橋性官能基の種類に応じて選択され、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。より具体的には、例えば、上記ベースポリマー中の上記架橋性官能基がカルボキシ基の場合、上記架橋剤として、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。
なかでも、上記第1の粘着層のゲル分率、引張弾性率、破断強度等を後述する範囲に調整しやすいことから、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤が好ましい。更にチップ部品の剥離性能がより向上する観点から、エポキシ系架橋剤がより好ましい。
上記ベースポリマーを電子線照射により架橋する場合、例えば、以下の方法により行うことができる。
即ち、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの離型処理面上に、粘着剤溶液を塗工し乾燥させて第1の粘着層を形成した後、第1の粘着層に電子線照射装置(NHVコーポレーション社製、「EBC-200」)等を用いて電子線照射を行うことにより、上記ベースポリマーを架橋することができる。
上記第1の粘着層は、レーザー光を照射することでアブレーションによる変形を生じる観点からは、適度な紫外線吸収率を有することが好ましい。上記第1の粘着層の波長365nmでの紫外線吸収率(以下、単に「第1の粘着層の紫外線吸収率」と示すこともある。)は特に限定されないが、好ましい下限が90%である。上記第1の粘着層の波長365nmでの紫外線吸収率が90%以上であれば、上記第1の粘着層においてレーザー光の刺激が効率よく熱又は振動に変わるため、アブレーションによる変形が起こりやすくなり、半導体製造工程用粘着テープのチップ部品の剥離性能がより向上する。上記第1の粘着層の波長365nmでの紫外線吸収率のより好ましい下限は99%である。上記第1の粘着層の波長365nmでの好ましい紫外線吸収率の上限は特にないが、実質的には99.9%程度が上限である。
なお、上記第1の粘着層の波長365nmでの紫外線吸収率は、例えば、分光光度計(島津製作所社製、「UV-2600i」)等を用いて、JIS L1925に準じて測定することができる。
上記紫外線吸収剤は、上記第1の粘着層の波長365nmでの紫外線吸収率を上記範囲に調整できれば特に限定されず、常温で固体状の紫外線吸収剤でもよいが、常温で液状の紫外線吸収剤が好ましい。上記第1の粘着層が常温で液状の紫外線吸収剤を含有することで、上記第1の粘着層の引張弾性率、破断強度等を後述する範囲に調整しやすいことから、半導体製造工程用粘着テープのチップ部品の剥離性能がより向上する。また、上記紫外線吸収剤が常温で液状であれば、上記紫外線吸収剤が析出しにくくなり、半導体製造工程用粘着テープの保持性能がより向上する。
なお、本明細書において常温とは、20℃以上25℃以下の温度範囲を意味する。
上記紫外線吸収剤は特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシルフェニルトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。また、例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、メトキシケイヒ酸オクチル、パラメトキシ桂皮酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン等が挙げられる。なかでも、上記第1の粘着層において他の成分との相溶性に優れる観点から、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシルフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。これらの紫外線吸収剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線吸収剤の含有量は特に限定されないが、上記第1の粘着層に含まれるベースポリマーと後述するタッキファイヤーの混合物100質量部に対して、好ましい下限は4質量部、好ましい上限は40質量部である。上記紫外線吸収剤の含有量が4質量部以上であれば、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の剥離性能がより向上する。上記紫外線吸収剤の含有量が40質量部以下であれば、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の保持性能がより向上する。上記紫外線吸収剤の含有量のより好ましい下限は8質量部、更に好ましい下限は15質量部であり、より好ましい上限は35質量部、更に好ましい上限は30質量部である。
上記第1の粘着層は、更に、タッキファイヤー(粘着付与剤)を含有してもよい。
上記タッキファイヤーは特に限定されないが、常温で固体状のタッキファイヤーであってもよく、常温で液状のタッキファイヤーであってもよい。上記第1の粘着層が上記タッキファイヤーを含有することで、上記第1の粘着層のゲル分率、引張弾性率、破断強度等を後述する範囲に調整しやすく、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の保持性能がより向上する。
上記常温で固体状のタッキファイヤーは特に限定されないが、例えば、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂等が挙げられる。
上記常温で液状のタッキファイヤーは特に限定されないが、例えば、液状ロジンエステル、液状テルペンフェノール等が挙げられる。
上記タッキファイヤーの含有量は特に限定されないが、上記第1の粘着層に含まれるベースポリマー100質量部に対して、好ましい下限が10質量部である。上記タッキファイヤーの含有量が10質量部以上であることで、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の保持性能がより向上する。上記タッキファイヤーの含有量のより好ましい下限は15質量部、更に好ましい下限は20質量部である。
また、半導体製造工程用粘着テープのチップ部品の剥離性能の観点から、上記タッキファイヤーの含有量の好ましい上限は30質量部である。
上記第1の粘着層は、更に、ヒュームドシリカ等の無機フィラーを含有してもよい。
上記無機フィラーを配合することにより、上記第1の粘着層の凝集力を高めることができ、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の剥離性能がより向上し、かつ、チップ部品への糊残りをより抑えることができる。
上記第1の粘着層は、更に、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記第1の粘着層は特に限定されないが、感圧粘着層であることが好ましい。また、上記第1の粘着層は、チップ部品の剥離性能をより向上させる観点からは、熱硬化型、光硬化型等の硬化型粘着層であってもよい。
上記第1の粘着層のゲル分率は特に限定されないが、好ましい下限は40質量%である。上記ゲル分率が40質量%以上であれば、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の剥離性能がより向上する。上記第1の粘着層のゲル分率のより好ましい下限は50質量%、更に好ましい下限は60質量%である。
また、上記第1の粘着層のゲル分率の好ましい上限は95質量%である。上記ゲル分率が95質量%以下であれば、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の保持性能がより向上する。上記第1の粘着層のゲル分率のより好ましい上限は90質量%、更に好ましい上限は80質量%である。
なお、上記第1の粘着層のゲル分率は、以下の方法により測定することができる。
半導体製造工程用粘着テープから粘着層(粘着剤)のみをW(g)取り出し、トルエン50mL中に浸漬し、振とう機で温度23℃、200rpmの条件で24時間振とうする。振とう後、金属メッシュ(目開き#200メッシュ)を用いて、トルエンとトルエンを吸収し膨潤した粘着剤を分離する。分離後の粘着剤を110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤の質量W(g)を測定し、下記式を用いて上記第1の粘着層のゲル分率を算出する。
ゲル分率(質量%)=100×(W-W)/W
(W:初期粘着剤質量、W:乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤質量、W:金属メッシュの初期質量)
上記第1の粘着層の23℃における引張弾性率(以下、単に「第1の粘着層の引張弾性率」と示すこともある。)は特に限定されないが、好ましい下限は0.9MPaである。上記第1の粘着層の引張弾性率が0.9MPa以上であれば、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の剥離性能がより向上する。上記第1の粘着層の引張弾性率のより好ましい下限は0.95MPa、更に好ましい下限は1.0MPaである。
また、上記第1の粘着層の引張弾性率の好ましい上限は2MPaである。上記第1の粘着層の引張弾性率が2MPa以下であれば、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の保持性能がより向上する。上記第1の粘着層の引張弾性率のより好ましい上限は1.5MPaである。
なお、上記第1の粘着層の23℃における引張弾性率は、例えば、以下の方法により算出できる。
即ち、打ち抜き刃(高分子計器社製、「引張3号形ダンベル状」)等を用いて、上記第1の粘着層をダンベル上に打ち抜いて試験片を作製する。得られた試験片を、例えば、オートグラフ(島津製作所社製、「AGS-X」)等を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下で掴み具間距離25mmに固定し、引張速度500mm/minで測定し試験片を引っ張る。掴み具間距離が25mmを0%、50mmを100%とし、0%から100%の歪みと0%から100%の応力のデータの回帰直線の傾きから引張弾性率を算出することができる。
上記第1の粘着層の破断強度は特に限定されないが、好ましい下限が3MPaである。上記第1の粘着層の破断強度が3MPa以上であれば、レーザーアブレーションによりチップ部品が剥離する際に上記第1の粘着層がよりちぎれにくくなり、チップ部品への糊残りをより抑えることができる。上記第1の粘着層の破断強度のより好ましい下限は4MPa、更に好ましい下限は5MPaである。
上記第1の粘着層の破断強度の上限は特に限定されないが、上記第1の粘着層の破断強度が高すぎると半導体製造工程用粘着テープのチップ部品の剥離性能が低下することから、好ましい上限は20MPa、より好ましい上限は15MPa、更に好ましい上限は10MPaである。
なお、上記第1の粘着層の破断強度は、例えば、以下の方法により算出できる。
即ち、打ち抜き刃(高分子計器社製、「引張3号形ダンベル状」)等を用いて、上記第1の粘着層をダンベル上に打ち抜いて試験片を作製する。得られた試験片を、例えば、オートグラフ(島津製作所社製、「AGS-X」)等を用いて温度23℃、相対湿度50%の環境下で掴み具間距離25mmに固定し、引張速度500mm/minで試験片を引っ張った際の破断時の応力から算出することができる。
なお、上記第1の粘着層の引張弾性率、及び、上記第1の粘着層の破断強度の算出においては、基材層を取り除き、第1の粘着層のみを分離した後に、第1の粘着層の試験片を作製し、測定を行う。基材層を取り除く方法としては、粘着層の変性を避けるため、溶剤を用いた処理、化学反応を伴う処理、高温での処理等を避ける限りにおいて特に限定されない。具体的な方法としては、第1の粘着層同士を貼り合わせた後、適切な温度及び剥離速度を選択し、引き剥がすことによって基材層と第1の粘着層とを剥離し、基材層を取り除く方法、又は、基材層を物理的に研削する方法を選択することができる。また、別途作製した第1の粘着層のみからなる厚み0.5mm程度のシートを用いて試験片を作製してもよい。
上記第1の粘着層のゲル分率、引張弾性率、破断強度等を上記範囲に調整する方法は特に限定されず、例えば、上記第1の粘着層に含まれる上記ベースポリマーの組成及び重量平均分子量(Mw)、上記架橋剤の種類及び量、上記紫外線吸収剤の種類及び量、並びに、上記タッキファイヤーの種類及び量を上述したように調整する方法等が挙げられる。
本発明の半導体製造工程用粘着テープは、基材層を有する。
上記基材層を有することにより、本発明の半導体製造工程用粘着テープは、適度なコシがあって、取り扱い性に優れた粘着テープとなる。
上記基材層は特に限定されないが、レーザーアブレーションによりチップ部品を剥離させる観点からは、適度な紫外線透過率を有することが好ましい。上記基材層の紫外線透過率は特に限定されないが、波長365nmでの紫外線透過率の好ましい下限は1%、より好ましい下限は50%、更に好ましい下限は80%である。上記波長365nmでの紫外線透過率の好ましい上限は特にないが、実質的には95%程度が上限である。
なお、基材層の波長365nmでの紫外線透過率は、例えば、分光光度計(島津製作所社製、「UV-2600i」)等を用いて、JIS L1925に準じて測定することができる。
上記基材層は、上記波長365nmでの紫外線透過率を上記範囲に調整する観点からは、樹脂フィルムであることが好ましい。
上記樹脂フィルムは特に限定されないが、耐熱性に優れることから、ポリエステルフィルムが好ましい。上記ポリエステルフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等からなるフィルムが挙げられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、上記樹脂フィルムは、紫外線透過性に優れる観点からは、アクリル樹脂フィルムであることが好ましい。上記アクリル樹脂フィルムとしては、例えば、ポリメチルメタクレートからなるフィルム等が挙げられる。また、上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、超高分子量ポリエチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー等からなるフィルムも挙げられる。
上記基材層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は188μmである。上記基材層の厚みが上記範囲内であることにより、適度なコシがあって、取り扱い性に優れた粘着テープとすることができる。上記基材層の厚みのより好ましい下限は12μm、より好ましい上限は100μmである。
上記基材層のヘイズは特に限定されないが、レーザー光を効率よく透過させ、チップ部品の剥離性能をより向上させる観点からは、ヘイズが小さいことが好ましい。上記基材層のヘイズの好ましい上限は10%、より好ましい上限は5%、更に好ましい上限は1%である。上記基材層のヘイズの好ましい下限は特になく、小さいほど好ましいが、実質的な下限は0.1%程度である。
なお、上記基材層のヘイズは、例えば、ヘイズメーター(日本電色工業社製、「NDH4000」)等を用いて測定することができる。
本発明の半導体製造工程用粘着テープは、上述したような基材層、及び、第1の粘着層を有していればよいが、本発明の効果を損なわない範囲で、更に他の層を有していてもよい。
本発明の半導体製造工程用粘着テープは、上記基材層と上記第1の粘着層との間に更に樹脂層を有することが好ましく、上記樹脂層は、極性官能基を有する樹脂を含有することが好ましい。
本発明の半導体製造工程用粘着テープが上記極性官能基を含有する樹脂層を有することにより、上記基材層と上記第1の粘着層との間のアンカー性が増すことから、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の剥離性能がより向上し、かつ、チップ部品への糊残りをより抑えることができる。
上記極性官能基は特に限定されないが、PETフィルム等の上記基材層への密着性に優れることから、ニトリル基、カルボニル基、カルボキシ基、及び、アミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1つが好ましい。なかでも、ニトリル基、カルボニル基がより好ましい。
上記極性官能基を有する樹脂として、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、無水マレイン酸由来の酸無水物基を含有するSEBS、アミノ基を含有するSEBS等が挙げられる。なかでも、PETフィルム等の上記基材層との密着性に優れ、かつ、上記第1の粘着層との密着性にも優れることから、NBR、無水マレイン酸の酸無水物基を含有するSEBSが好ましい。
上記樹脂層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は3μmである。上記樹脂層の厚みが上記範囲内であれば、半導体製造工程用粘着テープはチップ部品の剥離性能がより向上する。上記樹脂層の厚みのより好ましい下限は0.5μm、より好ましい上限は2μmである。
上記樹脂層は、必要に応じて、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料等の添加剤、その他の樹脂等を含有していてもよい。
本発明の半導体製造工程用粘着テープは、上記基材層の上記第1の粘着層を有する面と反対の面に、第2の粘着層を有していても良い。上記第2の粘着層を有すると、本発明の半導体製造工程用粘着テープをガラス基板等の支持体に容易に貼り付けることができる。
上記第2の粘着層は、上記第1の粘着層と同じ粘着層であってもよいし、異なる粘着層であってもよい。
上記第2の粘着層が上記第1の粘着層と異なる粘着層である場合、上記第2の粘着層は特に限定されないが、感圧粘着層であることが好ましい。
上記第2の粘着層に含まれるベースポリマーとしては、例えば、A-B-A型ブロックコポリマー、アクリル共重合体、ウレタン共重合体、シリコーン粘着剤等が挙げられる。なかでも、本発明の半導体製造工程用粘着テープをガラス基板等の支持体へ強く貼りつけることができるようになり、かつ、糊残りなく再剥離できるようになる観点から、A-B-A型ブロックコポリマー、アクリル共重合体が好ましい。
上記第2の粘着層の相分離構造は特に限定されないが、強粘着性と再剥離性との両立をさせやすい観点から、相分離構造はスフィア状の相分離構造が好ましい。
上記A-B-A型ブロックコポリマーにおいて、ブロックBは、柔軟な構造を有していれば特に限定されないが、ブロックBは(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造を含有することが好ましく、なかでもブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートを含有することがより好ましい。
なお、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルのことを意味する。
上記第2の粘着層に含まれるベースポリマーとしての上記アクリル共重合体は、(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造を有する共重合体である。
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、強粘着性と再剥離性との両立をさせやすい観点から、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートがより好ましい。
上記アクリル共重合体は、糊残りなく再剥離する観点から更に、架橋性官能基含有モノマーに由来する構造を含有することが好ましい。
上記アクリル共重合体中、上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構造の含有量は特に限定されないが、0.1質量%以上、30質量%以下であることが好ましい。上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構造の含有量が上記範囲であることで、強粘着性と再剥離性とを両立することができる。上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構造の含有量のより好ましい下限は0.5質量%、更に好ましい下限は1質量%、より好ましい上限は25質量%、更に好ましい上限は20質量%である。
上記アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、20万以上、200万以下であることが好ましい。上記重量平均分子量が上記範囲であることで、強粘着性と再剥離性とを両立することができる。上記重量平均分子量のより好ましい下限は40万、より好ましい上限は150万である。
上記第2の粘着層は、更に、架橋剤を含有することが好ましい。
上記架橋剤は特に限定されず、上記第2の粘着層に含まれるベースポリマー中の架橋性官能基の種類に応じて選択され、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。より具体的には、例えば、上記第2の粘着層に含まれるベースポリマー中の架橋性官能基がカルボキシ基の場合、上記架橋剤として、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。
なかでも、強粘着性と再剥離性との両立の観点から、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
上記架橋剤の含有量は特に限定されず、上記第2の粘着層に含まれるベースポリマー中の架橋性官能基の量、及び、上記架橋剤の含有量を調整することで、上記第2の粘着層の架橋度(ゲル分率)を調整することができる。上記架橋剤の含有量は、上記第2の粘着層に含まれるベースポリマー100質量部に対して0.01質量部以上、10質量部以下であることが好ましい。上記架橋剤の含有量が上記範囲であることで、強粘着性と再剥離性とを両立することができる。上記架橋剤の含有量のより好ましい下限は0.1質量部、より好ましい上限は5質量部であり、更に好ましい下限は0.15質量部、更に好ましい上限は3質量部である。
上記第2の粘着層は、更に、タッキファイヤー(粘着付与剤)を含有してもよい。
上記タッキファイヤーは特に限定されないが、適度な紫外線透過率を有することが好ましい。上記タッキファイヤーの紫外線透過率は特に限定されないが、波長365nmでの紫外線透過率の好ましい下限が1%、より好ましい下限が50%、更に好ましい下限が80%である。上記波長365nmでの紫外線透過率の上限は特に限定されないが、実質的には95%程度が上限である。紫外線透過率が高い観点から、水素添加されたタッキファイヤーが好ましい。
上記タッキファイヤーは特に限定されず、例えば、ロジンエステル樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂等が挙げられる。なかでも水素添加ロジンエステル、水素添加テルペンフェノール、水素添加テルペン樹脂が好ましい。
上記タッキファイヤーの含有量は特に限定されないが、再剥離性の観点から、上記第2の粘着層に含有されないことが好ましい。上記タッキファイヤーを含有する場合は、上記第2の粘着層に含まれるベースポリマー100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。上記常温で固体状のタッキファイヤーの含有量が上記範囲であると再剥離時に糊残りしにくい。上記タッキファイヤーの含有量のより好ましい上限は5質量部、更に好ましい上限は3質量部である。
上記第2の粘着層は、適度な紫外線透過率を有することが好ましい。紫外線透過率は特に限定されないが、波長365nmでの紫外線透過率の好ましい下限が1%、より好ましい下限が50%、更に好ましい下限が80%である。上記波長365nmでの紫外線透過率の上限は特に限定されないが、実質的には95%程度が上限である。
上記第2の粘着層は、更に、ヒュームドシリカ等の無機フィラーを含有してもよい。
上記無機フィラーを配合することにより、上記第2の粘着剤の凝集力が向上し、強粘着性と再剥離性との両立がしやすくなる。
上記第2の粘着層は、更に、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記第2の粘着層の粘着力は特に限定されないが、好ましい下限が0.8N/25mmである。上記第2の粘着層の粘着力が0.8N/25mm以上であれば、チップ部品の剥離の際にガラス基板等の支持体からテープが剥離するのを防ぐことができる。上記第2の粘着層の粘着力のより好ましい下限は2N/25mm、更に好ましい下限は6N/25mm、更により好ましい下限は12N/25mmである。
また、上記第2の粘着層の粘着力の上限は特に限定されないが、再剥離性の観点から、好ましい上限は20N/25mm、より好ましい上限は18N/25mm、更に好ましい上限は16N/25mmである。
なお、上記第2の粘着層の粘着力は、例えば、JIS Z0237:2009に準じて、粘着テープを25mm幅に裁断し、ガラス板に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付け、30分間静置した後、オートグラフ(島津製作所社製、「AGS-500NX」)等を用いて、粘着テープを300mm/minの速度で引き剥がして180°剥離強度を測定することで得られる。
上記第2の粘着層のゲル分率は特に限定されないが、好ましい下限が30質量%、好ましい上限が90重量%である。上記第2の粘着層のゲル分率が30質量%以上であれば、再剥離時に糊残りが生じにくい。上記第2の粘着層のゲル分率が90質量%以下であれば、粘着力を高く調整しやすい。上記第2の粘着層のゲル分率のより好ましい下限は40質量%、より好ましい上限は80質量%である。
なお、上記第2の粘着層のゲル分率は、以下の方法により測定することができる。
半導体製造工程用粘着テープから上記第2の粘着層(粘着剤)のみを0.1g取り出し、酢酸エチル50mL中に浸漬し、振とう機で温度23℃、200rpmの条件で24時間振とうする。振とう後、金属メッシュ(目開き#200メッシュ)を用いて、酢酸エチルと酢酸エチルを吸収し膨潤した粘着剤を分離する。分離後の粘着剤を110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤の質量を測定し、下記式を用いて上記第2の粘着層のゲル分率を算出する。
ゲル分率(質量%)=100×(W-W)/W
(W:初期粘着剤質量、W:乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤質量、W:金属メッシュの初期質量)
ただし、上記第2の粘着剤が酢酸エチルで溶けきらない場合は、酢酸エチルの代わりにトルエンやヘキサン、水等の溶媒を用いる。具体的には上記第2の粘着剤が、例えば、スチレン系エラストマーを含有する場合はトルエンやヘキサンを用い、ポリビニルアルコールを含有する場合は90℃の熱水を用いる。
上記第2の粘着層の粘着力、ゲル分率等を上記範囲に調整する方法は特に限定されず、例えば、上記第2の粘着層に含まれるベースポリマーの組成又は重量平均分子量(Mw)、上記架橋剤の種類又は量を上述したように調整する方法等が挙げられる。
上記第2の粘着層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限が3μm、好ましい上限が30μmである。上記第2の粘着層の厚みが3μm以上であれば、チップ部品の剥離の際にガラス基板等の支持体からテープが剥離するのを防ぐことができる。上記第2の粘着層の厚みが30μm以下であれば、再剥離しやすくすることができる。上記第2の粘着層の厚みのより好ましい下限は5μm、より好ましい上限は20μmであり、更に好ましい下限は8μm、更に好ましい上限は12μmである。
本発明の半導体製造工程用粘着テープの可視光線透過率は特に限定されないが、レーザーアブレーションによりチップ部品を剥離させる観点からは、適度な可視光線透過率を有することが好ましい。上記可視光線透過率の好ましい下限は50%、より好ましい下限は80%である。上記可視光線透過率の好ましい上限は特にないが、実質的な上限は95%程度である。
本発明の半導体製造工程用粘着テープのヘイズは特に限定されないが、レーザーアブレーションによりチップ部品を剥離させる観点からは、ヘイズが小さいことが好ましい。上記ヘイズの好ましい上限は10%、より好ましい上限は5%、更に好ましい上限は3%である。上記ヘイズの好ましい下限は特にないが、小さいほど好ましく、実質的な下限は0.1%程度である。
なお、半導体製造工程用粘着テープの可視光線透過率及びヘイズは、例えば、ヘイズメーター(日本電色工業社製、「NDH4000」)等を用いて測定することができる。
本発明の半導体製造工程用粘着テープの用途は特に限定されないが、レーザー光を照射する工程を有する半導体の製造に好適に用いられる。本発明の半導体製造工程用粘着テープは、厚みの薄いチップ部品の剥離性能に優れ、かつ、チップ部品への糊残りを抑えることができることから、チップ部品の転写に更に好適に用いられる。上記厚みの薄いチップ部品は特に限定されないが、例えば、MiniLEDチップ、マイクロLEDチップ、イメージセンサーの光学チップ等が挙げられ、特にマイクロLEDチップが好ましい。
本発明の半導体製造工程用粘着テープを用いたチップ部品の転写方法は特に限定されず、例えば、本発明の半導体製造工程用粘着テープの粘着層上にチップ部品を配置する工程と、レーザー光を照射し、上記チップ部品を剥離させる工程とを含む、チップ部品の転写方法等が挙げられる。
また、本発明の粘着テープを用いたレーザー光を照射する工程を有する半導体の製造方法も特に限定されず、例えば、上記のようなチップ部品の転写方法を含む、半導体等の電子機器部品の製造方法等が挙げられる。これらの方法によれば、チップ部品を歩留まりよく転写することができ、かつ、チップ部品への糊残りを抑えることができる。
本発明によれば、チップの厚みが薄くても、チップ部品の剥離性能に優れる半導体製造工程用粘着テープを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(粘着剤A)
ベースポリマーとして無水マレイン酸由来の酸無水物基を含有するスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(無水マレイン酸由来の酸無水物基を含有するSEBS)であるFG1924(クレイトンポリマー社製)を固形分率が15質量%になるようトルエンに溶解させた。ベースポリマー100質量部に対して、タッキファイヤーとしてアルコンP-125(水素化石油樹脂、荒川化学工業社製)20質量部、紫外線吸収剤として常温で粉末状のTinuvin 928(2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、BASFジャパン社製)9.6質量部を加えて充分に撹拌した後、架橋剤としてテトラッドC(1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、三菱ガス化学社製)1質量部を加えて更に充分に撹拌し、粘着剤Aの粘着剤溶液を得た。
(粘着剤B~Q)
ベースポリマーの組成、タッキファイヤーの種類又は量、紫外線吸収剤の種類又は量、及び、架橋剤の種類又は量を表1~2に示すように変更したこと以外は粘着剤Aと同様にして、粘着剤溶液を得た。
なお、ベースポリマーとして用いたC5025(旭化成社製)は無水マレイン酸由来の酸無水物基を含有するSEBSであり、DYNARON 8300P(ENEOSマテリアル社製)は、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)である。
タッキファイヤーとして用いたYSレジンPX1250(ヤスハラケミカル社製)は、テルペン樹脂である。
Tinuvin 400(BASFジャパン社製)は、常温で液状の、主成分が2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノールの紫外線吸収剤であり、Tinuvin 460(BASFジャパン社製)は、常温で粉末の、主成分が2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノールの紫外線吸収剤であり、RIASORB UV384-2(リャンロン社製)は、常温で液状の、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である。
架橋剤として用いたタケネートD101E(三井化学社製)は、イソシアネート系架橋剤である。
(粘着剤R)
(1)アクリル共重合体(1)の調製
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器に酢酸エチル52質量部を入れて、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。酢酸エチルが沸騰してから、30分後に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.08質量部を投入した。ここにn-ブチルアクリレート(BA)98質量部、アクリル酸(AAc)2質量部からなるモノマー混合物を1時間30分かけて、均等かつ徐々に滴下し反応させた。滴下終了30分後にアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を添加し、更に5時間重合反応させ、反応器内に酢酸エチルを加えて希釈しながら冷却することにより、固形分率30質量%のアクリル共重合体(1)の溶液を得た。
得られたアクリル共重合体(1)について、GPC法により重量平均分子量を測定した。なお、測定機器としてWaters社製「2690 Separations Module」、カラムとして昭和電工社製「GPC KF-806L」、溶媒として酢酸エチルを用い、サンプル流量1mL/min、カラム温度40℃の条件で測定した。
(2)粘着剤溶液の調製
得られたアクリル共重合体(1)を固形分率が15質量%になるよう酢酸エチルに溶解させた。アクリル共重合体(1)100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤としてコロネートL(東ソー社製)3.6質量部を加えて更に充分に撹拌し、粘着剤Rの粘着剤溶液を得た。
(粘着剤S)
アクリル共重合体の組成、及び、架橋剤の種類又は量を表3に示すように変更したこと以外は粘着剤Rと同様にして、アクリル共重合体(2)を含む粘着剤Sの粘着剤溶液を得た。
なお、表3に示す(メタ)アクリル系モノマー、架橋性官能基含有モノマーは以下のものを示す。
・BA:n-ブチルアクリレート
・2-EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
・MA:メチルアクリレート
・AAc:アクリル酸
Figure 2024061681000002
Figure 2024061681000003
Figure 2024061681000004
(実施例1)
(1)粘着テープの製造
得られた粘着剤Aの粘着剤溶液を、乾燥皮膜の厚みが10μmになるようにアプリケーターを用いて基材層としてのコロナ処理がなされた厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗工した後、110℃で3分間乾燥させて、第1の粘着層を形成することにより、第1の粘着層と基材層とを有する粘着テープを得た。
(2)第1の粘着層のゲル分率の測定
粘着テープから第1の粘着層(粘着剤)のみをW(g)取り出し、トルエン50mL中に浸漬し、振とう機で温度23℃、200rpmの条件で24時間振とうした。振とう後、金属メッシュ(目開き#200メッシュ)を用いて、トルエンとトルエンを吸収し膨潤した粘着剤を分離した。分離後の粘着剤を110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤の質量W(g)を測定し、下記式を用いて第1の粘着層のゲル分率(質量%)を算出した。結果を表4に示した。
ゲル分率(質量%)=100×(W-W)/W
(W:初期粘着剤質量、W:乾燥後の金属メッシュを含む粘着剤質量、W:金属メッシュの初期質量)
(3)第1の粘着層の23℃における引張弾性率の測定
第1の粘着層のみからなる厚み0.5mmのシートを別途作製した。打ち抜き刃(高分子計器社製、「引張3号形ダンベル状」)を用いて、上記第1の粘着層のシートをダンベル上に打ち抜いて試験片を作製した。得られた試験片を、オートグラフ(島津製作所社製、「AGS-X」)を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下で掴み具間距離25mmに固定し、引張速度500mm/minで試験片を引っ張り、掴み具間距離が25mmを0%、50mmを100%とし、0%から100%の歪みと0%から100%の応力のデータの回帰直線の傾きから引張弾性率(MPa)を算出した。結果を表4に示した。
(4)第1の粘着層の破断強度の測定
第1の粘着層のみからなる厚み0.5mmのシートを別途作製した。打ち抜き刃(高分子計器社製、「引張3号形ダンベル状」)を用いて、上記第1の粘着層のシートをダンベル上に打ち抜いて試験片を作製した。得られた試験片を、オートグラフ(島津製作所社製、「AGS-X」)を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下で掴み具間距離25mmに固定し、引張速度500mm/minで試験片を引っ張った際の破断時の応力から破断強度(MPa)を算出した。結果を表4に示した。
(5)第1の粘着層の紫外線吸収率の測定
分光光度計(島津製作所社製、「UV-2600i」)を用いて、JIS L1925に準じて第1の粘着層の波長365nmでの紫外線吸収率(%)を測定した。結果を表4に示した。
(実施例2)
基材層としてコロナ処理がなされた厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)であるNipol1042(日本ゼオン社製)をメチルエチルケトンに溶液濃度が5質量%となるように加えて攪拌し調整した樹脂溶液を、乾燥皮膜の厚みが2μmとなるように上記基材層の一方の面に塗工して110℃で3分間乾燥することにより、基材層と樹脂層からなる積層体を作製した。
次いで、厚み50μmの離型処理が施されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの離型処理面上に、得られた粘着剤Aの粘着剤溶液を、乾燥皮膜の厚みが50μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工した後、110℃で3分間乾燥させて、第1の粘着層を形成することにより、粘着シートを作製した。
そして、得られた粘着シートを第1の粘着層が樹脂層に対向した状態となるように基材層と樹脂層からなる積層体に積層することにより、樹脂層を介して第1の粘着層を基材層に転写及び積層一体化させ、基材層と樹脂層と第1の粘着層とを有する粘着テープを得た。
なお、第1の粘着層のゲル分率、第1の粘着層の23℃における引張弾性率、第1の粘着層の破断強度、及び、第1の粘着層の紫外線吸収率は、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表4に示した。
(実施例3~12、14~18、比較例1~3)
各層について表4~5、7に示したとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、粘着テープを得て測定を行なった。結果を表4~5、7に示した。
(実施例13)
得られた粘着剤Kの粘着剤溶液を、乾燥皮膜の厚みが10μmになるようにアプリケーターを用いて基材層としてのコロナ処理がなされた厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗工した。次いで、電子線照射装置(NHVコーポレーション社製、「EBC-200」)を用いて、加速電圧は150kV、電子線照射強度は300kGyの条件で電子線を照射してベースポリマーの架橋を進行させ、第1の粘着層を形成することで、第1の粘着層と基材層とを有する粘着テープを得た。
また、第1の粘着層のゲル分率、第1の粘着層の23℃における引張弾性率、第1の粘着層の破断強度、及び、第1の粘着層の紫外線吸収率は、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表5に示した。
(実施例19)
(1)両面粘着テープの製造
一面が離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面上に得られた粘着剤Rの粘着剤溶液を、乾燥皮膜の厚さが10μmになるようにアプリケーターを用いて塗布し、110℃で3分間乾燥させて、ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に第2の粘着層を有する積層フィルム(r)を作製した。
実施例1と同様にして粘着テープを作製し、得られた粘着テープにおける基材の第1の粘着層を有する面と反対側の表面に、作製した積層フィルム(r)の第2の粘着層をラミネートすることで、基材層と、基材層の一方の面に第1の粘着層と、基材層の第1の粘着層を有する反対の面に第2の粘着層とを有する両面粘着テープを得た。
なお、第1の粘着層のゲル分率、第1の粘着層の23℃における引張弾性率、第1の粘着層の破断強度、及び、第1の粘着層の紫外線吸収率については、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表6に示した。
また、第2の粘着層のゲル分率を、溶媒をトルエンから酢酸エチルに変更した以外は上述した「(2)第1の粘着層のゲル分率の測定」と同様の方法で測定した。結果を表6に示した。
(2)第2の粘着層の粘着力
上記の方法で得られた両面粘着テープを25mm幅に裁断し、両面粘着テープの第1の粘着層の表面に30mm幅に裁断した厚み25μmのPETフィルムを貼り付けた。その後、第2の粘着層の表面を、ガラス板に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。その後、オートグラフ(島津製作所社製、「AGS-500NX」)を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、両面粘着テープの第2の粘着層を300mm/minの速度でガラス板から180°方向に引き剥がし、180°粘着力(N/25mm)を測定した。結果を表6に示した。
(実施例20)
各層について、表6に示したとおりに変更したこと以外は実施例19と同様にして、粘着テープを得て、測定を行なった。結果を表6に示した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた粘着テープ、両面粘着テープについて以下の評価を行った。結果を表4~7に示した。
(1)レーザーアブレーション評価
(1-1)チップ部品の保持性能及び剥離性能
Siチップ(20μm×40μm角、厚み8μm)が10個配列されたウエハのSiチップ側の面に、得られた粘着テープの第1の粘着層を貼り合わせた。その後、ウエハを剥離することで、Siチップを粘着テープ上へ配置した。半導体固体レーザーを用いて、出力4W、4KHzの365nmのレーザー光を粘着テープの基材層側から各Siチップに照射して、Siチップを粘着テープから剥離した。
ウエハから粘着テープ上にSiチップがすべて配置できた場合を「◎」、8~9個のSiチップを粘着テープ上に配置できた場合を「○」、粘着テープ上に配置できたSiチップが7個以下であった場合を「△」としてチップ部品の保持性能を評価した。
粘着テープから10個のSiチップをすべて剥離できた場合を「◎」、8~9個のSiチップを粘着テープから剥離できた場合を「○」、7個のSiチップを粘着テープから剥離できた場合を「△」、粘着テープから剥離できたSiチップが6個以下であった場合を「×」としてチップ部品の剥離性能を評価した。
なお、粘着テープが第2の粘着層を有する実施例19、20の両面粘着テープの場合は、第2の粘着層を厚み2mmのガラス支持体に貼り合わせた後、ガラス支持体を貼り合わせた粘着テープの第1の粘着層をSiチップが配列されたウエハに貼り合わせ、評価を行った。
(1-2)残渣
チップ部品の保持性能及び剥離性能を評価した後、粘着テープから剥離したすべてのSiチップの表面を顕微鏡にて観察し、残渣(糊残り)の有無を確認した。残渣が全くなかった場合を「◎」、剥離したすべてのSiチップの表面の面積の合計20%未満に残渣があった場合を「〇」、剥離したすべてのSiチップの表面の面積の合計20%以上に残渣があった場合を「×」として残渣を評価した。
(1-3)ガラス支持体からの剥離
実施例19~20について、チップ部品の保持性能及び剥離性能を評価した後、粘着テープとガラス支持体との界面を顕微鏡(キーエンス社製、「VHX-6000」、倍率100倍)にて観察し、第2の粘着層のガラス支持体からの剥離の有無を確認した。剥離がなかった場合を「〇」、剥離があった場合を「×」としてガラス支持体からの剥離を評価した。
なお、当該評価が「×」であっても、本発明の半導体製造工程用粘着テープは用途によっては問題なく使用することができる。
Figure 2024061681000005
Figure 2024061681000006
Figure 2024061681000007
Figure 2024061681000008
本発明によれば、チップの厚みが薄くても、チップ部品の剥離性能に優れる半導体製造工程用粘着テープを提供することができる。

Claims (13)

  1. 基材層と、前記基材層の一方の面に第1の粘着層とを有し、
    前記第1の粘着層は、芳香族ビニルモノマーに由来するブロックと共役ジエンモノマーに由来するブロックとを少なくとも有するブロック共重合体の水素添加体であるベースポリマーが架橋された架橋生成物、及び、紫外線吸収剤を含有し、
    前記第1の粘着層の厚みは、20μm未満である
    半導体製造工程用粘着テープ。
  2. 前記第1の粘着層のゲル分率が40質量%以上である請求項1記載の半導体製造工程用粘着テープ。
  3. 前記ブロック共重合体中の前記芳香族ビニルモノマーに由来するブロックの含有量が31質量%以下である請求項1又は2記載の半導体製造工程用粘着テープ。
  4. 前記ブロック共重合体が、架橋性官能基を含有する請求項1又は2記載の半導体製造工程用粘着テープ。
  5. 前記架橋生成物は、前記ベースポリマーがエポキシ系架橋剤及び/又はイソシアネート系架橋剤で架橋された架橋生成物である請求項1又は2記載の半導体製造工程用粘着テープ。
  6. 前記第1の粘着層は、波長365nmでの紫外線吸収率が90%以上である請求項1又は2記載の半導体製造工程用粘着テープ。
  7. 前記紫外線吸収剤は、20℃以上25℃以下の温度範囲で液状である請求項1又は2記載の半導体製造工程用粘着テープ。
  8. 前記第1の粘着層は、タッキファイヤーを含有する請求項1又は2記載の半導体製造工程用粘着テープ。
  9. 前記タッキファイヤーは、前記ベースポリマーを100質量部に対して、10質量部以上含む請求項8記載の半導体製造工程用粘着テープ。
  10. 前記第1の粘着層の23℃における引張弾性率が、0.9MPa以上である請求項1又は2記載の半導体製造工程用粘着テープ。
  11. 前記基材層は、ポリエステルフィルムを含む請求項1又は2記載の半導体製造工程用粘着テープ。
  12. 前記第1の粘着層と前記基材層との間に更に樹脂層を有し、該樹脂層は極性官能基を有する樹脂を含有する請求項1又は2記載の半導体製造工程用粘着テープ。
  13. 前記基材層の前記第1の粘着層を有する面と反対の面に、更に、第2の粘着層を有する請求項1又は2記載の半導体製造工程用粘着テープ。

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