JP2013151614A - 粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】最表層にのみ気体発生剤を含有する二層構造の粘着剤層を有する粘着テープであって、気体発生剤の層間移動による気体発生剤の希釈が発生しにくく、かつ、一般的な紫外線照射装置で光を照射した場合でも気体が発生して容易に剥離可能な粘着テープを提供する。
【解決手段】基材の少なくとも一方の面に粘着剤層が形成された粘着テープであって、前記粘着剤層は、被着体に接する側に形成された、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤と、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合性ポリマーとを含有する気体発生層と、前記気体発生層の前記基材側の面に形成された、分子量が2700以上の重合性多官能オリゴマーと非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤とを含有する重合性多官能オリゴマー層とを有する粘着テープ。
【選択図】なし

Description

本発明は、再表層にのみ気体発生剤を含有する二層構造の粘着剤層を有する粘着テープであって、気体発生剤の層間移動による気体発生剤の希釈が発生しにくく、かつ、一般的な紫外線照射装置で光を照射した場合でも気体が発生して容易に剥離可能な粘着テープに関する。
半導体の製造においては、加工時に半導体の取扱いを容易にし、破損したりしないようにするために半導体加工用テープを貼付することが行われている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合に、厚膜ウエハを支持板に接着して補強する際に両面粘着テープが用いられる。また、所定の厚さに研削された薄膜ウエハを個々の半導体チップにダイシングする際にも、ダイシングテープと呼ばれる粘着テープが用いられる。
半導体加工用に用いる粘着テープには、加工工程中に半導体を強固に固定できるだけの高い粘着性とともに、工程終了後には半導体を損傷することなく剥離できることが求められる。
これに対して特許文献1には、紫外線等の光を照射することにより硬化して粘着力が低下する光硬化型粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着テープが開示されている。このような粘着テープは、加工工程中には半導体を固定できるとともに、紫外線等を照射することにより容易に剥離することができるとされる。しかしながら、特許文献1に記載された粘着テープでは、光照射前後における粘着力の変化の幅は大きくはない。従って、ダイシング時の半導体ウエハの位置ずれ等を充分に防止できる程度に高い粘着力を付与した場合には、光照射後の粘着力もあまり低下せず、半導体を損傷することなく剥離できないことがあった。
これに対して特許文献2には、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤層を有する粘着テープが記載されている。このような粘着テープに紫外線等の光を照射すると、気体発生剤から発生した気体が粘着剤層と半導体チップとの界面に放出され、接着面の少なくとも一部を剥がして粘着力を大きく低下させる。従って、充分に高い粘着力を付与した場合にでも、光照射により粘着力が充分に低下して、半導体を損傷することなく剥離することができる。
特開平5−32946号公報 特開2003−231872号公報
特許文献2に記載された粘着テープは、高い粘着性と易剥離性とを両立したものであり、特に厚さが50μm以下の半導体チップを製造する際には極めて有用である。しかしながら、このような粘着テープは、高価な気体発生剤を大量に含有する必要があること、バインダーとなる光硬化性樹脂も高価であること、気体発生時に基材側で剥離が起こって糊残りが発生しないようにするために基材表面に加工を要すること等の理由により、全体として高価であるという問題があった。近年では、半導体チップもより安価で高性能なものが求められており、その生産材である半導体加工用の粘着テープにも大幅なコストダウンが要求されている。とりわけ、バンプ付き半導体チップの製造に用いる半導体加工用の粘着テープでは、他の用途に比べて厚い粘着剤層を要することから、特許文献2に記載されたような高価な粘着テープでは採用できないのが現状であった。
これに対して、バインダー樹脂をより安価な、重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤からなる光硬化性樹脂に代替したり、気体発生剤を被着体に接する側の表面のみに配合してその使用量抑えたりする等の、様々なコストダウンの検討が行われてきた。しかしながら、重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型アクリル系粘着剤からなる光硬化性樹脂中に気体発生剤を配合すると、光を照射しても充分な気体発生が行われなくなり、充分な剥離圧力が得られなかった。また、気体発生剤を被着体に接する側の表面のみに配合しても、拡散によって気体発生剤が他の層に移行してしまうことにより希釈されてしまうという問題があった。
そこで本発明者は、気体発生剤を被着体に接する側の表面のみに配合してその使用量抑える一方、拡散による気体発生剤の希釈を防止する方法として、被着体に接する側の表面に、気体発生剤と、気体発生剤との相性のよい分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合性ポリマーとを含有する気体発生層を設け、その下の基材側に、安価な重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤からなる光硬化性樹脂層を設けた、二層構造の粘着剤層を有する粘着テープを検討した。このように上下で異なるバインダー樹脂を用いることにより、気体発生剤の希釈を抑制することが期待された。また、このような二層構造の粘着剤層では、基材側の層(中間層)の硬さを調整することにより、例えばバンプ付き半導体チップの製造に用いて研削工程を行ったときにバンプが破損するのを保護する等の優れた効果を付与することもできる。
しかしながら、このような構成にすることにより、気体発生剤の希釈の問題は解決できるものの、なぜか気体発生剤からの気体発生性が低下してしまい、気体発生のためには一定以上の照射量の紫外線を照射することが必要となり、一般的な紫外線照射装置では光を照射してから気体が発生するまでに長時間を要して、剥離性が著しく低下するという問題があった。
本発明は、上記現状に鑑み、最表層にのみ気体発生剤を含有する二層構造の粘着剤層を有する粘着テープであって、気体発生剤の層間移動による気体発生剤の希釈が発生しにくく、かつ、一般的な紫外線照射装置で光を照射した場合でも気体が発生して容易に剥離可能な粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層が形成された粘着テープであって、前記粘着剤層は、被着体に接する側に形成された、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤と、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合性ポリマーとを含有する気体発生層と、前記気体発生層の前記基材側の面に形成された、分子量が2700以上の重合性多官能オリゴマーと非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤とを含有する重合性多官能オリゴマー層とを有する粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、鋭意検討の結果、上記二層構造の粘着剤層を有する粘着テープにおいて、上層にのみ気体発生剤を配合する一方、下層の光硬化性樹脂層中に含まれる重合性多官能オリゴマーの分子量は2700以上にしたときには、気体発生剤の層間移動による気体発生剤の希釈を抑えつつ、一般的な紫外線照射装置で光を照射した場合であっても容易に気体を発生させることができ、高い剥離性を発揮できることを見出した。
なぜ気体発生剤が含まれない光硬化性樹脂層の配合が、気体発生剤層中の気体発生剤からの気体の発生に影響するのかは不明である。しかしながら、重合性多官能オリゴマーを大量に含有する粘着剤中に気体発生剤を配合した場合に気体の発生が低下することを考えると、重合性多官能オリゴマーが気体発生剤の挙動に大きく影響するものと考えられる。光硬化性樹脂層に重合性多官能オリゴマーを配合した場合、光硬化性樹脂層から気体発生層に重合性多官能オリゴマーが移行することも考えられる。重合性多官能オリゴマーの分子量が一定以上になると、この光硬化性樹脂層から気体発生層への重合性多官能オリゴマーの移行が抑制され、その結果、気体発生剤への影響が抑えられるのではないかと考えている。
本発明の粘着テープは、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層が形成された粘着テープである。本発明の粘着テープは、基材の片面にのみ粘着剤層を有する片面粘着テープであってもよく、基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープであってもよい。本発明の粘着テープが両面粘着テープである場合、一方の粘着剤層のみが上記気体発生層と重合性多官能オリゴマー層とを有するものであってもよく、両方の粘着剤層が上記気体発生層と重合性多官能オリゴマー層とを有するものであってもよい。
上記基材は、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
上記基材の表面には、粘着剤層との密着性を向上させるための表面処理が施されてもよい。ただし、気体発生層が直接に基材には接しない本発明の粘着テープの構成上、気体による基材と粘着剤層との間の剥離圧力を想定した強い密着性向上処理は不要である。この点においても、本発明の粘着テープはコスト性に優れる。
上記粘着剤層は、被着体に接する側に形成された気体発生層と、前記気体発生層の前記基材側の面に形成された重合性多官能オリゴマー層とを有する。
なお、上記粘着剤層は、本願発明の効果を阻害しない範囲において、上記気体発生層と重合性多官能オリゴマー層以外に、更に他の層を有してもよい。
上記気体発生層は、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤(以下、単に「気体発生剤」ともいう。)と、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合性ポリマー(以下、単に「重合性ポリマー」ともいう。)とを含有する。
このような重合性ポリマーを含有する気体発生層は、光の照射により層の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下する。また、弾性率の上昇した硬い硬化物中で気体発生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、放出された気体は、被着体から粘着剤の接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
上記気体発生剤は、例えば、アゾ化合物、アジド化合物、アゾジカルボンアミド化合物、ジニトロソペンタメチレンテトラミン化合物、テトラゾール化合物等が挙げられる。
上記気体発生層における上記気体発生剤の含有量は、上記重合性ポリマー100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記気体発生剤の含有量が5重量部未満であると、光を照射したときの気体の発生量が少なく、充分な剥離圧力が得られないことがあり、50重量部を超えると、被着体に対する粘着力が低下することがある。上記気体発生剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記気体発生層は、光重合開始剤を含有してもよい。
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤を用いる場合には、酸素による上記後硬化型粘着剤の硬化阻害を防止するために、2phr以上配合することが好ましい。
上記気体発生層は、以上の成分のほか、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
上記気体発生層は、後述する重合性多官能オリゴマーを含有しないことが好ましい。原因は不明であるが、重合性多官能オリゴマーを配合すると、光を照射したときの気体発生剤からの気体発生が阻害される傾向にある。上記気体発生層の光硬化性を向上する目的で重合性多官能オリゴマーを配合する場合でも、その配合量は上記重合性ポリマー100重量部に対して20重量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とすることがより好ましい。
上記気体発生層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は50μmである。上記気体発生層の厚さが10μm未満であると、光を照射したときの気体の発生量が少なく、充分な剥離圧力が得られないことがあり、50μmを超えると、全体としての気体発生剤の配合量が多くなり、いたずらにコストが増大することがある。上記気体発生層の厚さはのより好ましい下限は20μm、より好ましい上限は40μmである。
上記重合性多官能オリゴマー層は、分子量が2700以上の重合性多官能オリゴマー(以下、単に「重合性多官能オリゴマー」ともいう。)と、非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤(以下、単に「非硬化型粘着剤」ともいう。)とを含有する。
上記重合性多官能オリゴマーは、重合性多官能オリゴマー層に光硬化性を付与するものである。
上記重合性多官能オリゴマーとは、分子内に不飽和結合を2つ以上有するオリゴマーを意味する。
上記重合性多官能オリゴマーは、分子量の下限が2700である。分子量が2700以上の重合性多官能オリゴマーを用いることにより、比較的低照射量の紫外線でも気体発生層から気体を発生させることができ、一般的な紫外線照射装置でも光を照射してから短時間に充分な剥離圧力を発生させて剥離を行うことができる。上記重合性多官能オリゴマーの分子量の下限の好ましい下限は3000、より好ましい下限は3600である。
上記重合性多官能オリゴマーの分子量の上限は特に限定されないが、重合したオリゴマーの粘度による取り扱いのし易さから100000以下であることが好ましい。上記重合性多官能オリゴマーの分子量のより好ましい上限は50000である。
上記重合性多官能オリゴマーの官能数、即ち、1分子中に含まれる重合性官能基の数は2以上であれば特に限定されないが、3以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましい。上記重合性多官能オリゴマーの官能数が6以上であると、比較的少量の重合性多官能オリゴマーの添加で上記重合性多官能オリゴマー層に光硬化性を付与することができる。
上記重合性多官能オリゴマーは、例えば、2官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。なかでも、分子量の設計の自由さから、ウレタンアクリレート等が好適である。
上記重合性多官能オリゴマーは、例えば、U−200PA(新中村化学社製、分子量2700)、UN−901T(根上工業社製、分子量3600)、UN−6060PTM(根上工業社製、分子量6000)、UN−6060P(根上工業社製、分子量6000)、KSX−4(根上工業社製、分子量6800)、UN−7600(根上工業社製、分子量11500)、UN−6300(根上工業社製、分子量13000)、UN−9200A(根上工業社製、分子量15000)、UN−7700(根上工業社製、分子量20000)、UN−6301(根上工業社製、分子量33000)、UN−5500(根上工業社製、分子量50000)等の市販品を用いることができる。
上記重合性多官能オリゴマー層における上記重合性多官能オリゴマーの含有量は、上記非硬化型粘着剤100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が75重量部である。
上記重合性多官能オリゴマーの含有量が5重量部未満であると、重合性多官能オリゴマー層に充分な光硬化性を付与できず、バンプ付き半導体チップの製造に用いた場合に光を照射しても剥離できなかったり、糊残りが生じたりすることがあり、75重量部を超えると、配合時に重合性多官能オリゴマーと非硬化型粘着剤が分離してしまい塗工ムラが発生することがある。上記重合性多官能オリゴマーの含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は50重量部である。
上記非硬化型粘着剤は特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤が好ましい。
上記アクリル系粘着剤は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと官能基含有モノマーとの共重合体からなるアクリル系ポリマーを主成分とするものが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。
上記官能基含有モノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
上記共重合の方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
上記アクリル系粘着剤が上記アクリル系ポリマーを主成分とするものである場合、該アクリル系ポリマーは、内部に一部架橋構造を有することが好ましい。一部架橋構造を有するアクリル系ポリマーを用いることにより、粘着剤層の凝集力が高められることから、本発明の粘着テープを被着体から剥離する際に糊残りしにくくすることができる。
このような架橋構造は、上記官能基含有モノマーと反応し得る架橋剤の使用によって形成することができる。上記架橋剤は、例えば、エポキシ架橋剤、脂肪族又は芳香族イソシアネート系架橋剤等が好適である。
上記重合性多官能オリゴマー層は、光重合開始剤を含有する。上記光重合開始剤としては、上記気体発生層に用いられるものと同様のものを用いることができる。
上記重合性多官能オリゴマー層は、以上の成分のほか、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
上記重合性多官能オリゴマー層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は50μm、好ましい上限は300μmである。上記重合性多官能オリゴマー層の厚さが50μm未満であると、二層構造にする効果が得られないことがあり、300μmを超えると、曲げ応力等をかけたときにより粘着テープにシワが発生することがある。上記重合性多官能オリゴマー層の厚さはのより好ましい下限は80μm、より好ましい上限は200μmである。
本発明の粘着テープを製造する方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。具体的には例えば、グラビア等のロールコーター、コンマコーター、ダイコーター等を用いて上記基材の片面に上記重合性多官能オリゴマー層を形成する一方、別に離型フィルム上に上記気体発生層を形成し、その後、基材上の重合性多官能オリゴマー層上に離型フィルム上の気体発生層を、重合性多官能オリゴマー層と気体発生層とが接するように積層して貼り合わせる方法等が挙げられる。
本発明の粘着テープにおいては、高価な気体発生剤や重合性ポリマーを、剥離に必要な被着体に接する側にのみ形成する一方、安価な重合性多官能オリゴマー層を設けることにより、粘着剤層に要求される充分な厚みを確保しながら、大幅にコストダウンを図ることができる。本発明においては気体発生層と重合性多官能オリゴマー層とでバインダー樹脂が異なることから、気体発生剤の拡散による移行を防止することができる。更に、重合性多官能オリゴマー層中に含まれる重合性多官能オリゴマーの分子量を一定以上にすることにより、気体発生剤に対する悪影響を抑えて、一般的な紫外線照射装置でも光を照射してから短時間のうちに充分な剥離圧力を発生させて剥離を行うことができる。
本発明の粘着テープは、半導体の製造においては、加工時に半導体の取扱いを容易にし、破損したりしないようにするために半導体加工用の粘着テープとして好適に用いることができる。なかでも、バンプ付き半導体チップの製造に特に好適である。
本発明によれば、再表層にのみ気体発生剤を含有する二層構造の粘着剤層を有する粘着テープであって、気体発生剤の層間移動による気体発生剤の希釈が発生しにくく、かつ、一般的な紫外線照射装置で光を照射した場合でも気体が発生して容易に剥離可能な粘着テープを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)気体発生層の調製
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部、ポリイソシアネート0.5重量部を混合し粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
・ブチルアクリレート 79重量部
・エチルアクリレート 15重量部
・アクリル酸 1重量部
・2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
・光重合開始剤 0.2重量部(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
・ラウリルメルカプタン 0.01重量部
得られた粘着剤の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)30重量部、及び、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部を混合して、気体発生剤を含有する重合性ポリマーの酢酸エチル溶液を調製した。
得られた気体発生剤を含有する重合性ポリマーの酢酸エチル溶液を、離型処理が施された厚さ25μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが約20μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させ、気体発生層を形成した。乾燥後の気体発生層は乾燥状態で粘着性を示した。その後、40℃、3日間静置して養生を行った。
(2)重合性多官能オリゴマー層の調製
非硬化型粘着剤としてSW−2B(綜研化学社製)の樹脂固形分100重量部に対して、重合性多官能オリゴマーとしてU−200PA(新中村化学社製、分子量2700、官能基数2)30重量部、光重合開始剤としてイルガキュア651を2重量部、架橋剤としてTETRAD−X(三菱ガス化学社製)を3重量部加えて、重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を調製した。
得られた重合性多官能オリゴマーを含有する非硬化型粘着剤の酢酸エチル溶液を、コロナ処理が施された厚さ50μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥皮膜の厚さが約80μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させ、重合性多官能オリゴマー層を形成した。乾燥後の重合性多官能オリゴマー層は乾燥状態で粘着性を示した。その後、40℃、3日間静置して養生を行った。
(3)粘着シートの製造
得られたコロナ処理を施されたPETフィルム上の重合性多官能オリゴマー層上に、離型処理が施されたPETフィルム上の気体発生層を、重合性多官能オリゴマー層と気体発生層とが接するように積層して貼り合わせた。
これによりコロナ処理を施されたPETフィルム上に重合性多官能オリゴマー層と気体発生層とがこの順に形成され、気体発生層表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された粘着テープを得た。
(実施例2)
重合性多官能オリゴマー層の調製においてU−200PA(新中村化学社製、分子量2700、官能基数2)に代えてUN−901T(根上工業社製、分子量3600、官能基数10)を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例3)
重合性多官能オリゴマー層の調製においてU−200PA(新中村化学社製、分子量2700、官能基数2)に代えてKSX−4(根上工業社製、分子量6800、官能基数6)を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例4)
重合性多官能オリゴマー層の調製においてU−200PA(新中村化学社製、分子量2700、官能基数2)に代えてUN−7700(根上工業社製、分子量20000、官能基数2)を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(実施例5)
重合性多官能オリゴマー層の調製においてU−200PA(新中村化学社製、分子量2700、官能基数2)に代えてUN−5500(根上工業社製、分子量50000、官能基数2(当量4000))を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(比較例1)
重合性多官能オリゴマー層の調製においてU−200PA(新中村化学社製、分子量2700、官能基数2)に代えてU−6LPA(新中村化学社製、分子量600、官能基数6)を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(比較例2)
重合性多官能オリゴマー層の調製においてU−200PA(新中村化学社製、分子量2700、官能基数2)に代えてUA−4200(新中村化学社製、分子量1300、官能基数2)を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(比較例3)
重合性多官能オリゴマー層の調製においてU−200PA(新中村化学社製、分子量2700、官能基数2)に代えてUN−2600(根上工業社製、分子量2500、官能基数2)を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを製造した。
(評価)
実施例及び比較例で得られた粘着テープを10cm×10cmの大きさに切断した。切断後の粘着テープから離型処理が施されたPETフィルムを剥がし、厚さ2mmの透明なガラス板に貼付した。ガラス板に貼付された粘着テープのPETフィルム側より、超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度28mW/cmで照射した。照射開始1分後(照射量1200mJ/cm)及び2分後(照射量2400mJ/cm)に、ガラス板側から剥離の程度を観察した。目視にて観察して、剥離した面積が90%を超えた場合を「◎」、50%を超えて90%以下であった場合を「○」、20%を超えて50%以下であった場合を「△」、20%以下であった場合を「×」として剥離性を評価した。
結果を表1に示した。
Figure 2013151614
本発明によれば、最表層にのみ気体発生剤を含有する二層構造の粘着剤層を有する粘着テープであって、気体発生剤の層間移動による気体発生剤の希釈が発生しにくく、かつ、一般的な紫外線照射装置で光を照射した場合でも気体が発生して容易に剥離可能な粘着テープを提供することができる。

Claims (2)

  1. 基材の少なくとも一方の面に粘着剤層が形成された粘着テープであって、
    前記粘着剤層は、被着体に接する側に形成された、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤と、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合性ポリマーとを含有する気体発生層と、前記気体発生層の前記基材側の面に形成された、分子量が2700以上の重合性多官能オリゴマーと非硬化型(メタ)アクリル酸アルキルエステル系粘着剤とを含有する重合性多官能オリゴマー層とを有する
    ことを特徴とする粘着テープ。
  2. 重合性多官能オリゴマーの分子量が2700〜50000であることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022202414A1 (ja) * 2021-03-25 2022-09-29 積水化学工業株式会社 保護テープ、半導体保護テープ及び半導体デバイスの製造方法

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