JP2024061512A - 扁平管熱交換器 - Google Patents

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Tatsuji Kawabata
良美 林
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Abstract

Figure 2024061512000001
【課題】扁平管の周りに空気の流れを案内することで、熱交換量を増加させる扁平管熱交換器を提供する。
【解決手段】扁平管熱交換器は、フィン64と、フィン64に貫通する扁平管62とを備え、フィン64は、扁平管62の周囲に形成される平坦部68と、平坦部68へ向けて下り傾斜し平坦部68と、傾斜部72と、傾斜部72と連続するコルゲート部66とを備え、フィン64は、傾斜部72の上部において傾斜部72と連続するコルゲート部66を備え、コルゲート部66は、第1上り斜面66A(上り斜面)と、第1上り斜面66Aとの境界を境に下り傾斜する平坦な第1下り斜面66B(下り斜面)と、第1下り斜面66Bとの境界を境に再び上り傾斜する平坦な第2上り斜面66C(上り斜面)と、第2上り斜面66Cとの境界を境に再び下り傾斜する平坦な第2下り斜面66D(下り斜面)とを連続して備え、空気の流れ方向に沿って傾斜している。
【選択図】図4

Description

本開示は、扁平管熱交換器に関する。
特許文献1は、扁平状をなす伝熱管と、伝熱管に設けられた複数枚のフィンとを備え、伝熱管の内部を流れる冷媒と、複数枚のフィンの間を流れる空気との間で熱交換するように構成された熱交換器において、フィンが、空気の流れ方向に沿って設けられた山部及び谷部を有する伝熱拡大面とを有する熱交換器を開示する。
特開2022-40969号公報
本開示は、扁平管の周りに空気の流れを案内することができ、熱交換量を増加させることができる扁平管熱交換器を提供する。
本開示における扁平管熱交換器は、フィンと、前記フィンに貫通する扁平管と、を備え、前記フィンは、前記扁平管の周囲に形成される平坦部と、前記平坦部へ向けて下り傾斜し前記平坦部と連続する傾斜部と、前記傾斜部の上部において前記傾斜部と連続するコルゲート部と、を備え、前記フィンは、前記傾斜部の上部において前記傾斜部と連続するコルゲート部を備え、前記コルゲート部は、上り斜面と下り斜面とを連続して備え、前記上り斜面及び前記下り斜面は、空気の流れ方向に沿って傾斜していることを特徴とする。
本開示によれば、扁平管の周りに空気の流れを案内することができ、熱交換量を増加させることができる扁平管熱交換器を提供できる。
実施の形態1の空気調和装置の室外ユニットの斜視図 実施の形態1の扁平管熱交換器を示す斜視図 実施の形態1の扁平管熱交換器を示す側面図 実施の形態1のフィンを示す拡大平面図 図4のA-A断面図 図4のB-B断面図 図4のC-C断面図 実施の形態2のフィンを示す拡大平面図 図8のA-A断面図 図8のB-B断面図
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、扁平管熱交換器において、空気の流れ方向に沿って設けられ、上り斜面及び下り斜面を備えたコルゲート部を有するフィンを用いる技術があった。
しかしながら、従来の構成では、フィンに通風した空気を、扁平管の周囲に良好に案内することができなかった。具体的には、従来の構成では、フィンに直接扁平管が貫通する貫通孔が形成されており、扁平管の周囲で十分に熱交換しないままに空気が通過してしまうという課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、扁平管の周りに空気の流れを案内することができ、熱交換量を増加させることができる扁平管熱交換器を提供する。
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1~図3を用いて、実施の形態1を説明する。各図に示す符号FRは、設置面に設置されて通常使用される状態における室外ユニットの前方を示し、符号UPは、当該室外ユニットの上方を示し、符号LHは、当該室外ユニットの左方を示す。以下の説明において、各方向は、これらの室外ユニットの方向に沿った方向である。
[1-1.構成]
[1-1-1.室外ユニットの構成]
図1は、実施の形態1の空気調和装置の室外ユニット1の斜視図である。
本実施の形態の空気調和装置は、室内ユニットに収められた室内熱交換器と、室外ユニット1に収められた圧縮機や膨張弁、扁平管熱交換器50等で形成された冷凍回路を備える。空気調和装置は、この冷凍回路に冷媒を流通させることで、室内ユニットが設けられた被調和空間の空調を行うものである。
図1に示すように、本実施の形態の室外ユニット1は、側面に配置された扁平管熱交換器50を通して内部に空気を吸い込み、当該空気を冷媒と熱交換して他の側面から吹き出す、所謂サイドフロー方式、あるいは横吹き型と呼ばれる室外機である。
室外ユニット1は、図1に示すように、長手方向が左右方向に沿って延びる箱状の筐体10を備える。本実施の形態では、筐体10の各部は、いずれも鋼板によって形成される。
筐体10は、当該筐体10の底面を形成する底板12と、天面を形成する天板14と、前面を形成する前面板16と、背面を形成する図示しない背面板と、左側面を形成する左側板11と、右側面を形成する図示しない右側板とを備える。
図1に示すように、前面板16には、前面吸気口15が設けられる。前面吸気口15は、筐体10の外部から内部に空気が吸い込まれる矩形の開口である。前面板16において、前面吸気口15は、右側板13よりも左側板11に接近した位置に設けられる。
左側板11には、側面吸気口17が設けられる。側面吸気口17は、筐体10の内部に空気が吸い込まれる矩形の開口である。左側板11において、側面吸気口17は、背面板18よりも前面板16に接近した位置に設けられる。
[1-1-2.扁平管熱交換器の構成]
図2は、実施の形態1の扁平管熱交換器50を示す斜視図である。図3は、実施の形態1の扁平管熱交換器50を示す側面図である。
扁平管熱交換器50は、室内機から供給される冷媒を蒸発させる蒸発器、或いは、冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する熱交換器である。
図2、図3に示すように、本実施の形態の扁平管熱交換器50は、全体として平面視で略L字状に形成される。
扁平管熱交換器50は、一対のヘッダパイプ52、54と、第1冷媒配管63Aと、第2冷媒配管63Bと、隔壁60と、複数の扁平管62と、複数のフィン64とを備える。
本実施の形態において、扁平管熱交換器50が備えるこれらの部材は、いずれもアルミニウムあるいはアルミニウム合金で形成される。
ヘッダパイプ52、54は、いずれも筐体10の上下方向沿って延びる中空の柱状部材である。本実施の形態では、ヘッダパイプ52、54は、いずれも円柱状に形成される。これらのヘッダパイプ52、54は、扁平管熱交換器50の両端にそれぞれが設けられる。
一方のヘッダパイプ52には、第1冷媒配管63Aと、第2冷媒配管63Bとが接続される。第1冷媒配管63Aと第2冷媒配管63Bとは、扁平管熱交換器50における冷媒の流入口、または流出口として機能する。
第1冷媒配管63Aは、一方のヘッダパイプ52が備える側面51の上方に接続される。第2冷媒配管63Bは、一方のヘッダパイプ52が備える側面51の下方に接続される。
本実施の形態では、第1冷媒配管63Aと、第2冷媒配管63Bとは、ヘッダパイプ52の周方向において、平面視で略同一の箇所に接続される。
ヘッダパイプ52の内部には、当該ヘッダパイプ52の内部空間SPを上方に位置する上部空間SP1と下方に位置する下部空間SP2との上下に隔てる隔壁60が設けられる。この隔壁60は、当該ヘッダパイプ52の高さ方向において、第1冷媒配管63Aと、第2冷媒配管63Bとの略中間の位置に配置される。
ヘッダパイプ54の内部には、内部空間SQが設けられる。
複数の扁平管62は、内部に冷媒が流れる流路が設けられる扁平な長尺部材である。
各扁平管62は、各ヘッダパイプ52、54の長手方向に沿って、それぞれの長手方向が互いに平行となるように並べられた状態で、当該扁平管62の両端のそれぞれが各ヘッダパイプ52、54の側面51、53のそれぞれに接続される。
すなわち、ヘッダパイプ52の側面51の所定箇所には、当該ヘッダパイプ52の長手方向に沿って、互いに所定の間隔を空けて、各扁平管62の一方の端部が一列に並べて接続される。同様に、ヘッダパイプ54の側面53の所定箇所には、当該ヘッダパイプ54の長手方向に沿って、互いに所定の間隔を空けて、各扁平管62の他方の端部が一列に並べて接続される。
このため、各扁平管62の長手方向は、扁平管熱交換器50の長手方向に一致する。
各扁平管62は、それぞれの幅方向が互いに平行となるように各ヘッダパイプ52、54に接続される。
複数のフィン64は、各扁平管62のそれぞれを挿通可能な複数の挿通孔が平面に設けられた板部材である。各扁平管62は、各フィン64に挿通された状態で、各ヘッダパイプ52、54に接続される。すなわち、各フィン64は、長手方向、及び幅方向が各扁平管62に直交した状態で配置される。このように配置された各フィン64の長手方向は、各ヘッダパイプ52、54の長手方向に一致する。
本実施の形態では、一対のヘッダパイプ52、54と、隔壁60と、第1冷媒配管63Aと、第2冷媒配管63Bと、複数の扁平管62と、複数のフィン64とは、ロウ付けによって互いに固定される。
図1に示すように、扁平管熱交換器50は、前面板16と左側板11とで形成される筐体10の角部23に接近するように屈曲されて配置される。
このように配置された扁平管熱交換器50は、図1に示すように、前面吸気口15と側面吸気口17を介して、各扁平管62と複数のフィン64との大部分が筐体10から露出する。一方、ヘッダパイプ52は、前面板16に遮蔽され、ヘッダパイプ54は、左側板11に遮蔽される。
[1-1-3.フィンの構成]
次いで、フィン64について説明する。
図4は、実施の形態1のフィン64を示す拡大平面図である。図5は図4のA-A断面図である。図6は図4のB-B断面図である。図7は図4のC-C断面図である。
図4に示すように、フィン64は、扁平管62の周囲に形成される平坦部68と、平坦部68へ向けて下り傾斜し平坦部68と連続する傾斜部72と、を備える。
また、フィン64は、傾斜部72の上部において傾斜部72と連続するコルゲート部66を備える。
平坦部68は、扁平管62の楕円形状と略相似の形状を備える。また、平坦部68は、図6に示すように、平板状に形成されている。
フィン64は、平坦部68の内側に扁平管62が貫通する貫通孔70を備える。貫通孔70は、扁平管62の側面と接している。扁平管62は、貫通孔70にロウ付けで固定される。
平坦部68は、後述のように熱交換量の増大に寄与するだけでなく、フィン64に扁平管62を取り付ける際の作業性の観点からも好適な構成である。
平坦部68の幅、すなわち平坦部68と傾斜部72とが接する端から貫通孔70までの幅は、扁平管62の厚みより短く形成される。この幅は、扁平管62の厚みと等しくしてもよい。
コルゲート部66は、平坦な上り斜面である第1上り斜面66Aと、第1上り斜面66Aとの境界を境に下り傾斜する平坦な第1下り斜面66Bと、第1下り斜面66Bとの境界を境に再び上り傾斜する平坦な第2上り斜面66Cと、第2上り斜面66Cとの境界を境に再び下り傾斜する平坦な第2下り斜面66Dと、を備える。これら上り斜面と下り斜面とを区別しないで説明する場合は、「コルゲート部66」とする。
第1上り斜面66Aは風上側に位置し、第2下り斜面66Dは風下側に位置する。
フィン64にコルゲート部66を設けることにより、フィン64の表面積を大きくとることができる。
図4及び図5に示すように、第1下り斜面66Bと第2上り斜面66Cとの境界80を基準にしたときに、コルゲート部66は線対称に形成されている。
境界80の高さは、コルゲート部66においては、高さが一番低い。コルゲート部66において高さが一番低い境界80の高さであっても、平坦部68の面の高さより高い位置に形成してもよい。この場合、後述する傾斜部72は、扁平管62の外側周囲全体に設けられる平坦部68のさらに外側周囲全体にわたって設けられる。傾斜部72を平坦部68のさらに外側周囲全体にわたって側壁として利用することができるため、空気を周方向全体から効率よく平坦部68へ誘導できる。
フィン64には複数の扁平管62が備えられており、境界80は、隣り合う扁平管62の周囲に設けられる各平坦部68と連続する。
境界80は、各扁平管62の短手方向の中央部を結ぶ位置に形成される。
コルゲート部66の外側であって、フィン64の両端部64Aは水平方向に平坦に形成される。両端部64Aの高さは、平坦部68の高さと等しくしてもよい。
フィン64は、フィン64を曲げ加工することにより、コルゲート部66及び傾斜部72を形成している。
第1上り斜面66Aと第1下り斜面66Bとの境界81の高さ及び第2上り斜面66Cと第2下り斜面66Dとの境界82の高さは等しく、これらの高さは、フィン64の中で最も高い位置に位置する。
境界81の高さと境界82の高さを等しく形成し、かつ、前述のように境界80を基準としてコルゲート部66を線対称に形成したため、扁平管熱交換器50を量産する際に、風上、風下の位置を間違えて設置しても問題が生じにくい。
境界81及び境界82は、各扁平管62の短手方向の端部を結ぶ位置にそれぞれ形成される。もっとも、境界81の位置と境界82の位置とは、必ずしも各扁平管62の短手方向の端部を結ぶ位置に位置していなくともよい。
傾斜部72は、コルゲート部66から平坦部68に向けて下方に傾斜する。
傾斜部72は、第1上り斜面66Aに連続する第1傾斜部72Aと、第1上り斜面66A及び第1下り斜面66Bに跨いで連続する第2傾斜部72Bと、第1下り斜面66Bに連続する第3傾斜部72Cと、第2上り斜面66Cと連続する第4傾斜部72Dと、第2上り斜面66C及び第2下り斜面66Dに跨いで連続する第5傾斜部72Eと、第2下り斜面66Dに連続する第6傾斜部72Fと、を備える。なお、これらを区別しないで説明する場合は、「傾斜部72」とする。
傾斜部72は、平坦な面で形成される。
第1傾斜部72A、第6傾斜部72Fは、図6に示すように、平坦部68の面に対して、傾斜角θで傾斜している。第2傾斜部72B、第3傾斜部72C、第4傾斜部72D、第5傾斜部72Eの図示しない各傾斜角θも一様に等しく形成されている。すなわち、傾斜部の各傾斜角θはそれぞれ等しい。
傾斜角θは、0度より大きく90度以下に設定できる。
例えば、傾斜各θが90度のとき、コルゲート部66と平坦部68とは、平坦部68に垂直な傾斜部72で連続する。この場合、例えば、風上側にある第1上り斜面66A流入した空気は、第1傾斜部72Aで垂直に曲がり、平坦部68に至る。
空気が第1上り斜面66Aの表面近傍を流れると、第1上り斜面66Aの表面近傍の空気と、平坦部68の表面近傍の空気との圧力差が生じ、高さの低い平坦部68の側が低圧となる。空気の流れの観点からは、傾斜角が大きいほど好ましい。傾斜角θが90度の場合、風路の迂曲が大きいため、この圧力差も大きくなり、平坦部68に空気が誘引される。
傾斜角θは、30度以上50度以下が、より好適である。
空気の流れの観点からは傾斜角が大きいほど好ましいため、傾斜角を30度以上として平坦部68に空気を誘引し易くする一方で、フィン64を製造する際の抜き勾配の観点から傾斜角を50度以下として製造の簡易化を図ることができる。
扁平管62は、内部に複数の細管62Aを備える。このため、扁平管62内部の表面積が増大し、熱交換量が大きくなる。
[1-2.動作]
以上のように構成された扁平管熱交換器50について、その作用を以下説明する。
フィン64に流入する空気は、コルゲート部66に沿い、次いで傾斜部72を経由して平坦部68に案内される。傾斜部72の傾斜角θは一様なので、空気を平坦部68へ良好に誘導することができる。
平坦部68の表面近傍の空間は、高さが低いため、コルゲート部66の表面近傍より相対的に低圧となる。そのため、例えば、第1上り斜面66Aに達した空気は、圧力差に駆動されて第1傾斜部72Aから平坦部68に向かって流入する。すなわち、扁平管62を囲む平坦部68に空気が案内され、良好に熱交換が行われる。
傾斜角θで傾斜した傾斜部72が設けられているため、傾斜部72が壁となり、平坦部68に流れ込んだ空気が、コルゲート部66に直ちに逃げ込むことを抑制できる。
扁平管62はフィン64の短手方向について中央に位置しているため、フィン64の風上側の端部から扁平管62の風上側の端部への熱伝達と、フィン64の風下側の端部から扁平管62の風下側の端部への熱伝達とが一様となる。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態においては、フィン64と、フィン64に貫通する扁平管62と、を備え、フィン64は、扁平管62の周囲に形成される平坦部68と、平坦部68へ向けて下り傾斜し平坦部68と連続する傾斜部72と、傾斜部72の上部において傾斜部72と連続するコルゲート部66と、を備え、フィン64は、傾斜部72の上部において傾斜部72と連続するコルゲート部66を備え、コルゲート部66は、第1上り斜面66A(上り斜面)と、第1上り斜面66Aとの境界を境に下り傾斜する平坦な第1下り斜面66B(下り斜面)と、第1下り斜面66Bとの境界を境に再び上り傾斜する平坦な第2上り斜面66C(上り斜面)と、第2上り斜面66Cとの境界を境に再び下り傾斜する平坦な第2下り斜面66D(下り斜面)と、を連続して備え、これら斜面で形成されるコルゲート部66は、空気の流れ方向に沿って傾斜している。
例えば、仮に平坦なフィンの扁平管の周りのみ高さを低くする平坦部を設けた場合、平坦部には空気を誘引できるが、平坦部の反対側は通常の平坦なフィンの部分よりも高さが高くなるため、この部分では逆に剥離しやすくなり、扁平管周りに気流が流れにくくなるため熱交換効率は特に向上しない。また、この場合、フィンの両面とも剥離して気流誘引しているために圧損が増加し、結果として風量が低下する。また、フィンの一方の表面を削る場合にはフィンの厚みが薄い為に気流誘引の効果が発生しにくく、かつ設計強度的に問題が発生しうる。
この点、本実施の形態に係る構成によれば、コルゲート部66を備えるため、この部分では元々剥離が発生しており、平坦なフィンの扁平管の周りに高さを低くする平坦部を設けた場合の上述した問題の発生を抑制しつつ、コルゲート部66によりフィン64の表面積を大きく確保しながらも、コルゲート部66に流れる空気をコルゲート部66より高さが低い平坦部68に流すことにより扁平管62の周りに空気の流れを案内することができ、熱交換量を増加させることができる。
また、本実施の形態においては、傾斜部72を複数備え、傾斜部72は、平坦な面で形成され、傾斜部72の傾斜角θは、それぞれ等しい。
これにより、傾斜角θを一様にする事により、平坦部68に流れる気流を扁平管62に誘導するガイドとして傾斜部72を使用でき、熱交換量を増加させることができる。
また、本実施の形態においては、傾斜部72の傾斜角θは、0度<θ≦90度であってもよい。
これにより、傾斜部72が壁となり、平坦部68に流れ込んだ空気が、コルゲート部66に逃げ込むことを抑制できる。そのため、扁平管62の周りに空気の流れを案内することができ、熱交換量を増加させることができる。
また、本実施の形態においては、傾斜部の前記傾斜角θは、30度≦θ≦50度であってもよい。
空気の流れの観点からは傾斜角θが大きいほど好ましいため、傾斜角θを30度以上として平坦部68に空気を誘引し易くする一方で、フィン64を製造する際の抜き勾配の観点から傾斜角を50度以下として製造の簡易化を図ることができる。
また、本実施の形態においては、フィン64の風上側の端部から扁平管62の風上側の端部までの距離と、フィン64の風下側の端部から扁平管62の風下側の端部までの距離とが等しい。
これにより、フィン64の風上側の端部から扁平管62の風上側の端部への熱伝達と、フィン64の風下側の端部から扁平管62の風下側の端部への熱伝達とを一様にすることができる。そのため、フィン64全体で熱交換を行う事ができ、熱交換量が増加する。
(実施の形態2)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。
次に、図面を用いて、実施の形態2を説明する。
[2-1.実施の形態2のフィンの構成]
実施の形態2は、実施の形態1におけるフィン64の他の例を示すものである。実施の形態2においても、扁平管熱交換器の構成に関しては、実施の形態1の扁平管熱交換器50の構成と同様である。以下、実施の形態2におけるフィン164を説明するが、実施の形態1と同様の構成については同一符号を付し、詳しい説明を省略する。
図8は、実施の形態2のフィン164を示す拡大平面図である。図9は図8のA-A断面図である。図10は図8のB-B断面図である。
図8に示すように、フィン164は、扁平管162の周囲に形成される平坦部168と、平坦部168へ向けて下り傾斜し平坦部168と連続する傾斜部172と、を備える。
また、フィン164は、傾斜部172の上部において傾斜部172と連続するコルゲート部166を備える。
コルゲート部166は、平坦な上り斜面である第1上り斜面166Aと、第1上り斜面166Aとの境界を境に下り傾斜する平坦な第1下り斜面166Bと、第1下り斜面166Bとの境界を境に再び上り傾斜する平坦な第2上り斜面166Cと、第2上り斜面166Cとの境界を境に再び下り傾斜する平坦な第2下り斜面166Dと、を備える。これら上り斜面と下り斜面とを区別しないで説明する場合は、「コルゲート部166」とする。
第1上り斜面166Aは風上側に位置し、第2下り斜面166Dは風下側に位置する。
傾斜部172は、第1上り斜面166A及び第1下り斜面166Bに跨いで連続する第1傾斜部172Aと、第1下り斜面166Bに連続する第2傾斜部172Bと、第2上り斜面166C及び第2下り斜面166Dに跨いで連続する第3傾斜部172Cと、を備える。なお、これらを区別しないで説明する場合は、「傾斜部172」とする。
傾斜部172は、平坦な面で形成される。
各傾斜部172の傾斜角θはそれぞれ等しい。
平坦部168は、扁平管162が貫通する貫通孔170を備え、貫通孔170は扁平管162の側面と接している。扁平管162は、貫通孔170にロウ付けで固定される。フィン164と扁平管162とは良好に接続し、熱交換量の増大に寄与する。
また、フィン164は、一方の長辺部164Aであって、平坦部168の風下側に切り欠き部180を備える。切り欠き部180の形状は台形状であり、切り欠き部180の切込み深さは、フィン164の表面積を減少させないよう、浅く形成される。
貫通孔170と切り欠き部180とは連続している。
貫通孔170は、扁平管162を貫通孔170に固定した際に、扁平管162の端部が長辺部164A上に位置するように形成されている。
フィン164が複数あるため、楕円形の扁平管162を複数のフィン164に固定する作業には困難を生じるが、切り欠き部180設けることにより、扁平管162を貫通孔170に固定することが容易となるとともに、フィンの表面積の減少を抑え、熱交換効率の減少を抑制できる。
図8に示すように、フィン164の風上側の端部から扁平管162の風上側の端部までは距離α1である。フィン164の風下側の端部から扁平管162の風下側の端部までは距離α2である。実施の形態2においては、距離α2は0であり、フィン164の風下側の端部と、扁平管162の風下側の端部と重なる。
このように、フィン164の風上側の端部から扁平管162の風上側の端部までの距離α1よりも、フィン164の風下側の端部から扁平管162の風下側の端部までの距離α2の方が短い。
なお、距離α2は0でなくともよいが、フィン164の表面積減少を抑制するためには、短いほうが好ましい。
貫通孔170は、略垂直に突出した6個の爪部182を備える。複数枚のフィン164を重ねるように配置するとき、この爪部182が隣合う各フィン164の全体が接触するのを抑制できる。このため、フィン164同士の隙間が塞がれ、通風しなくなることを抑制できる。
扁平管162は、内部に複数の細管162Aと、突起部162Bを備える。このため、扁平管162内部の表面積が増大し、熱交換量が大きくなる。
[2-2.動作]
以上のように構成されたフィン164について、その作用を以下説明する。
フィン164に流入する空気は、コルゲート部166に沿い、次いで傾斜部172を経由して平坦部168に案内される。傾斜部172の傾斜角θは一様なので、空気を平坦部168へ良好に誘導することができる。
傾斜角θで傾斜した傾斜部172が設けられているため、傾斜部172が壁となり、平坦部168に流れ込んだ空気が、コルゲート部166に逃げ込むことを抑制できる。
また、切り欠き部180を介して、扁平管162を貫通孔170に嵌合させることができ、組立てやメンテナンスの際の作業性が向上する。
各扁平管162はフィン64の風下側の端部寄り位置している。詳細には、各扁平管162の風下側の端部と、フィン64の風下側の端部は重なる位置にある。このため、切り欠き部180の切込み深さを深くしないでよく、フィン64の表面積の減少を抑えることができる。
[2-3.効果等]
以上のように、本実施の形態においては、フィン164は、一方の長辺部164Aに切り欠き部180を備え、扁平管162は、切り欠き部180を介してフィン164に嵌め込まれている。
これにより、切り欠き部180を介して、扁平管162を貫通孔170に嵌合させることができ、組立やメンテナンスの際の作業性が向上する。そのため、作業性と熱交換量との向上を両立させることできる。
また、本実施の形態においては、フィン64の風上側の端部から扁平管162の風上側の端部までの距離α1よりも、フィン64の風下側の端部から扁平管162の風下側の端部までの距離α2の方が短い。
これにより、切り欠き部180を形成することに伴うフィン164の表面積のロスを抑制できる。そのため、フィン164全体で熱交換を行う事ができ、熱交換量が増加する。
(他の実施形態)
本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1及び2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
上記実施の形態1の扁平管62の構成を、実施の形態2の扁平管162の構成に置き換えてもよい。上記実施の形態2の爪部182の構成を、実施の形態1に付加してもよい。
また、上記実施の形態1及び2におけるコルゲート部66、166は線対称の構造でなくてもよく、傾斜の角度や、各コルゲート部66、166の各面の大きさは適宜変更可能である。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
[上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
(付記)
(技術1)
フィンと、前記フィンに貫通する扁平管と、を備え、前記フィンは、前記扁平管の周囲に形成される平坦部と、前記平坦部へ向けて下り傾斜し前記平坦部と連続する傾斜部と、前記傾斜部の上部において前記傾斜部と連続するコルゲート部と、を備え、前記フィンは、前記傾斜部の上部において前記傾斜部と連続するコルゲート部を備え、前記コルゲート部は、上り斜面と下り斜面とを連続して備え、前記上り斜面及び前記下り斜面は、空気の流れ方向に沿って傾斜していることを特徴とする。
例えば、仮に平坦なフィンの扁平管の周りのみ高さを低くする平坦部を設けた場合、平坦部には空気を誘引できるが、平坦部の反対側は通常の平坦なフィンの部分よりも高さが高くなるため、この部分では逆に剥離しやすくなり、扁平管周りに気流が流れにくくなるため熱交換効率は特に向上しない。また、この場合、フィンの両面とも剥離して気流誘引しているために圧損が増加し、結果として風量が低下する。また、フィンの一方の表面を削る場合にはフィンの厚みが薄い為に気流誘引の効果が発生しにくく、かつ設計強度的に問題が発生しうる。
この点、この構成によれば、コルゲート部を備えるため、この部分では元々剥離が発生しており、平坦なフィンの扁平管の周りに高さを低くする平坦部を設けた場合と異なり、上述した問題の発生を抑制しつつ、コルゲート部によりフィンの表面積を大きく確保しながらも、コルゲート部に流れる空気をコルゲート部より高さが低い平坦部に流すことにより扁平管の周りに空気の流れを案内することができ、熱交換量を増加させることができる。
(技術2)
前記傾斜部を複数備え、前記傾斜部は、平坦な面で形成され、前記傾斜部の傾斜角θは、それぞれ等しいことを特徴とする、技術1に記載の扁平管熱交換器。
この構成によれば、傾斜角θを一様にする事により、平坦部に流れる気流を扁平管に誘導するガイドとして傾斜部を使用でき、熱交換量を増加させることができる。
(技術3)
前記傾斜角θは、0度<θ≦90度であることを特徴とする、技術2に記載の扁平管熱交換器。
この構成によれば、傾斜部が壁となり、平坦部に流れ込んだ空気が、コルゲート部に逃げ込むことを抑制できる。そのため、扁平管の周りに空気の流れを案内することができ、熱交換量を増加させることができる。
(技術4)
前記傾斜角θは、30度≦θ≦50度であることを特徴とする、技術2に記載の扁平管熱交換器。
空気の流れの観点からは傾斜角が大きいほど好ましいため、傾斜角を30度以上として平坦部に空気を誘引し易くする一方で、フィンを製造する際の抜き勾配の観点から傾斜角を50度以下として製造の簡易化を図ることができる。
(技術5)
前記フィンの風上側の端部から前記扁平管の風上側の端部までの距離と、前記フィンの風下側の端部から前記扁平管の風下側の端部までの距離とが等しいことを特徴とする、技術2に記載の扁平管熱交換器。
この構成によれば、フィンの風上側の端部から扁平管の風上側の端部への熱伝達と、フィンの風下側の端部から扁平管の風下側の端部への熱伝達とを一様にすることができる。そのため、フィン全体で熱交換を行う事ができ、熱交換量が増加する。
(技術6)
前記フィンは、一方の長辺部に切り欠き部を備え、前記扁平管は、前記切り欠き部を介して前記フィンに嵌め込まれていることを特徴とする、技術2に記載の扁平管熱交換器。
この構成によれば、切り欠き部を介して、扁平管を貫通孔に嵌合させることができ、組立やメンテナンスの際の作業性が向上する。そのため、作業性と熱交換量との向上を両立させることできる。
(技術7)
前記フィンの風上側の端部から前記扁平管の風上側の端部までの距離よりも、前記フィンの風下側の端部から前記扁平管の風下側の端部までの距離の方が短いことを特徴とする、技術6に記載の扁平管熱交換器。
この構成によれば、切り欠き部による、フィンの表面積の減少を抑制できる。そのため、フィン全体で熱交換を行う事ができ、熱交換量が増加する。
本開示は、フィンと扁平管とを備える室外ユニットに適用可能である。
1 室外ユニット
10 筐体
50 扁平管熱交換器
62、162 扁平管
64、164 フィン
66、166 コルゲート部
68、168 平坦部
70、170 貫通孔
72、172 傾斜部
180 切り欠き部
α1 距離
α2 距離
θ 傾斜角

Claims (7)

  1. フィンと、前記フィンに貫通する扁平管と、を備え、
    前記フィンは、前記扁平管の周囲に形成される平坦部と、前記平坦部へ向けて下り傾斜し前記平坦部と連続する傾斜部と、前記傾斜部の上部において前記傾斜部と連続するコルゲート部と、を備え、
    前記フィンは、前記傾斜部の上部において前記傾斜部と連続するコルゲート部を備え、
    前記コルゲート部は、上り斜面と下り斜面とを連続して備え、
    前記上り斜面及び前記下り斜面は、空気の流れ方向に沿って傾斜していることを特徴とする扁平管熱交換器。
  2. 前記傾斜部を複数備え、
    前記傾斜部は、平坦な面で形成され、
    前記傾斜部の傾斜角θは、それぞれ等しいことを特徴とする請求項1に記載の扁平管熱交換器。
  3. 前記傾斜角θは、0度<θ≦90度であることを特徴とする請求項2に記載の扁平管熱交換器。
  4. 前記傾斜角θは、30度≦θ≦50度であることを特徴とする請求項2に記載の扁平管熱交換器。
  5. 前記フィンの風上側の端部から前記扁平管の風上側の端部までの距離と、前記フィンの風下側の端部から前記扁平管の風下側の端部までの距離とが等しいことを特徴とする請求項2に記載の扁平管熱交換器。
  6. 前記フィンは、一方の長辺部に切り欠き部を備え、
    前記扁平管は、前記切り欠き部を介して前記フィンに嵌め込まれていることを特徴とする請求項2に記載の扁平管熱交換器。
  7. 前記フィンの風上側の端部から前記扁平管の風上側の端部までの距離よりも、前記フィンの風下側の端部から前記扁平管の風下側の端部までの距離の方が短いことを特徴とする請求項6に記載の扁平管熱交換器。
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