JP2013228125A - フィンチューブ熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】排水性に優れたフィンチューブ熱交換器を提供すること。
【解決手段】複数のフィン1と、前記複数のフィン1を貫通し、内部を流体が流動する複数の伝熱管2とを備え、前記フィン1は、空気の流れ方向に対して複数の山部3を形成するように傾いている第1傾斜部5と、前記伝熱管2の周囲に形成される管周囲部7と、前記管周囲部7と前記第1傾斜部とを互いに接続する第2傾斜部とを有し、重力方向に対する前記管周囲部7の最下点30と、前記第2傾斜部の最下点とが同一位置であるので、第2傾斜部6に水を滞留させることなく、管周囲部7の最下点30を介して水を円滑に排水することができ、通風抵抗の増大と伝熱面積の減少を抑制して、伝熱性能を向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、特に、冷媒の熱交換に用いられるフィンチューブ熱交換器に関するものである。
従来、この種のフィンチューブ熱交換器には、高効率の追求に応じた伝熱促進のために、フィンに波型形状の凹凸を形成しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
図5(a)は、従来のフィンチューブ熱交換器におけるフィンの部分平面図、図5(b)および図5(c)は、それぞれ図5(a)のA−A断面図、B−B断面図である。
従来のフィンチューブ熱交換器は、図5(a)および図5(c)に示すように、一定間隔で平行に複数並べられ、その間を空気が流動するフィン101と、フィン101に所定の段ピッチおよび列ピッチで略直角に挿入され、内部を冷媒が流動する伝熱管102とを有する。
フィン101には、その表面から立ち上げられ、伝熱管102を挿嵌するフィンカラー109と、フィン101上でフィンカラー109の周囲を取り巻く、直径Dの環状の管周囲部107が形成されている。
また、フィン101は、図5(a)および図5(b)に示すように、山部103、谷部104および谷部104aが、空気の流れ方向Sに対して谷部104a、山部103、谷部104、山部103、谷部104aの順に連続する波型形状を形成している。
さらに、フィン101には、山部103と、谷部104および谷部104aとを互いに接続する第1傾斜部105、管周囲部107と山部103とを互いに接続する第2傾斜部106とが形成されている。
そして、山部103の山高さH1は、隣接するフィン101との距離Fpより大きく、この距離の2倍より小さい山高さに形成することで、伝熱性能の向上を図っている。
特開平10−141880号公報
しかしながら、前記従来の構成では、特に、熱交換器を蒸発器として使用する場合、図6に示すように、第2傾斜部106が窪みになることで、フィン101上で凝縮した水が集積して、凝縮水110が発生してしまう。この凝縮水110により、通風抵抗が増大し、また、フィンの伝熱面積が減少することで、伝熱性能が低下するという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、熱交換器に滞留した水を円滑に排水することで、排水性能を向上させ、伝熱性能に優れたフィンチューブ熱交換器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のフィンチューブ熱交換器は、複数のフィンと、前記複数のフィンを貫通し、内部を流体が流動する複数の伝熱管とを備え、前記フィンは、空気の流れ方向に対して複数の山部を形成するように傾いている第1傾斜部と、前記伝熱管の周囲に形成される管周囲部と、前記管周囲部と前記第1傾斜部とを互いに接続する第2傾斜部とを有し、重力方向に対する前記管周囲部の最下点と、前記第2傾斜部の最下点とが同一位置であることを特徴とするものである。
これにより、第2傾斜部を流れる水が、管周囲部を介して重力方向下方へと排水されるので、通風抵抗の増大および伝熱面積の減少を抑制することができる。
本発明によれば、排水性能を向上させ、伝熱性能に優れたフィンチューブ熱交換器を提供することができる。
本発明の実施の形態1におけるフィンチューブ熱交換器の斜視図 (a)同フィンチューブ熱交換器のフィンの部分平面図、(b)図2(a)のA−A断面図、(c)図2(a)においてフィンを積層した場合のB−B断面図 (a)同フィンチューブ熱交換器におけるフィンの別形状の管周囲部の部分平面図、(b)同フィンチューブ熱交換器におけるフィンの別形状の管周囲部の部分平面図、(c)同フィンチューブ熱交換器におけるフィンの別形状の管周囲部の部分平面図 同フィンチューブ熱交換器のフィンの排水作用説明図 (a)従来のフィンチューブ熱交換器のフィンの部分平面図、(b)図5(a)のA−A断面図、(c)図5(a)のB−B断面図 従来のフィンチューブ熱交換器のフィンの排水作用説明図
第1の発明は、複数のフィンと、前記複数のフィンを貫通し、内部を流体が流動する複数の伝熱管とを備え、前記フィンは、空気の流れ方向に対して複数の山部を形成するように傾いている第1傾斜部と、前記伝熱管の周囲に形成される管周囲部と、前記管周囲部と前記第1傾斜部とを互いに接続する第2傾斜部とを有し、重力方向に対する前記管周囲部の最下点と、前記第2傾斜部の最下点とが同一位置であることを特徴とするフィンチューブ熱交換器である。
これにより、第2傾斜部を流れる水が、管周囲部を介して重力方向下方へと排水されるので、通風抵抗の増大および伝熱面積の減少を抑制して伝熱性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるフィンチューブ熱交換器の構成図、図2(a)は、同フィンチューブ熱交換器のフィン1の部分平面図、図2(b)、(c)および(d)はそれぞれ、図2(a)のA−A線、B−B線およびC−C線での断面図、図3(a)〜(c)は、同フィンチューブ熱交換器のフィンの別形状の管周囲部の部分平面図、図4は、同フィンチューブ熱交換器のフィンの排水作用説明図である。
図1は、例えば、空気調和機やヒートポンプ給湯機、ヒートポンプ温水暖房の室外機に
搭載されるフィンチューブ熱交換器である。このフィンチューブ熱交換器は、空気の流れ方向Sに対して流路を形成するように、所定の間隔Fpで積層された複数のフィン1と、フィン1を貫通し、列を成して複数配置される伝熱管2と、フィンチューブ熱交換器を室外機に載置する際の固定、および、複数列のフィンチューブ熱交換器同士をつなぎ合わせるための端板20から構成される。
フィン1は、図2(a)および図2(b)に示すように、空気の流れ方向Sに対して山部3と谷部4および谷部4aが、谷部4a、山部3、谷部4、山部3、谷部4aの順に第1傾斜部5にて連続する、波型形状のM字型コルゲートフィンとなるように形成されている。山部3および谷部4は、隣り合う伝熱管2の間に位置し、山部3の稜線と谷部4の谷線とは、それぞれ略平行である。また、フィン1と伝熱管2とは、伝熱管2を機械拡管もしくは液圧拡管して、図2(c)に示すフィンカラー9で接合される。
また、図2(a)に示すように、フィン1は、空気の流れ方向Sに対して山部3を形成するように傾斜している第1傾斜部5と、伝熱管2の周囲の平坦部である管周囲部7と、管周囲部7と第1傾斜部5とを互いに接続している第2傾斜部6とを有し、重力方向Gに対して、管周囲部7の最下点30が、第2傾斜部の最下点以下の位置に形成されている。
なお、本実施の形態においては、図2(a)に示すように、管周囲部7の最下点30と第2傾斜部の最下点は一致している。
また、第2傾斜部6および管周囲部7は、伝熱管2の重力方向Gに垂直な中心線に対して、線対称に形成されており、谷部4は、最下点30と重力方向Gに対する管周囲部7の最上点31とを結ぶように形成されている。
管周囲部7は、重力方向Gに垂直な方向に幅寸法W1、重力方向Gの方向に長さ寸法W2を有する。
なお、幅寸法W1と長さ寸法W2との関係は、W2をW1と同一長さか、あるいは、W2をW1の1.5倍以下にすることで、伝熱管2から略均一に広がる熱伝達性を維持できるとともに、排水性を向上させることができる。
また、管周囲部7が略二角形状以外の場合は、直径Dの相当直径Deを用いて、D≦De≦1.5Dを適用する。
ここで、管周囲部7は特に限定されず、図2に示すような二角形の形状のほか、例えば、図3(a)〜(c)に示すような、略平行四辺形7a、略楕円形7b、略六角形7cでもよい。本実施の形態では、比較的加工が容易で、管周囲部7の面積拡大が抑えられる略二角形としている。
以上のように構成されたフィンチューブ熱交換器について、以下にその動作および作用を説明する。
本実施の形態におけるフィンチューブ熱交換器は、フィン1の間を通過する空気と、伝熱管2内を流れる冷媒が熱交換を行うものである。ここで、伝熱管2の内部を流れる冷媒は、例えば、R410A、プロパン、プロピレン、二酸化炭素などの環境負荷の少ないものが適しているが、特にこれらに限定されるものではない。
図2(c)に示す、積層されたフィン1を通過する空気は、フィン1に形成された山部3、谷部4および谷部4aによって、その流れが蛇行流Scとなり、これによって乱流促
進や温度境界層の薄膜化を図ることで伝熱性能を向上させることができる。
しかし、特に、フィンチューブ熱交換器を蒸発器として使用する場合、図5および図6に示すように、フィン101上で凝縮した水が集積して、第2傾斜部106の窪みに、凝縮水110による水滴が発生する。このため、通風抵抗の増大およびフィンの伝熱面積の減少が生じ、伝熱性能が低下していた。
また、外気温が低い時には、フィン101の表面に霜が付着するが、その霜を溶かした場合にも、第2傾斜部106で水滴が発生してしまうため、再び霜が成長しやすくなり、頻繁に霜を溶かさなければならないために、ヒートポンプ機器としてのエネルギー効率を低下させてしまう。
これに対する、本実施の形態におけるフィン1の作用を、図4を用いて説明する。図4は左から順に、時系列的に並べられている。
本実施の形態のフィンチューブ熱交換器では、管周囲部7の最下点30が、第2傾斜部6の最下点以下の位置に形成されているため、第2傾斜部6に水が滞留する窪みが形成されることがない。よって、管周囲部7に析出する凝縮水10(図4の左)は、管周囲部7の最下点30へと誘導され(図4の中)、谷部4を介して重力方向下方へと排水されることとなる(図4の右)。
このように、本実施の形態においては、管周囲部7の最下点30を、第2傾斜部の最下点以下の位置に設けたので、特に、熱交換器を蒸発器として使用する場合には、第2傾斜部6を流れる水を滞留させることなく、最下点30と谷部4を介して重力方向下方へと円滑に誘導して排水することができる。
よって、通風抵抗の増大とフィンの伝熱面積の減少を抑制し、伝熱性能を向上させることができる。
また、管周囲部7が、伝熱管2の重力方向Gに垂直な中心線に対して、線対称に形成され、谷部4が、最下点30と最上点31とを結ぶように形成されていると、管周囲部7および谷部4によって、フィン1上を流れる水に対して、1つの流路が形成されることとなるので、排水性をより向上させることができる。
なお、最下点30と最上点31および谷部4を形成する谷線とが、フィンカラーの中心軸線Pに対して垂直な、同一の面上に形成されていると、フィン1上を流れる水を重力下方へと円滑に誘導して、排水性をより向上させることができる。
なお、本実施の形態では、伝熱管2を丸管として記載したが、伝熱管2は丸管でなくても、例えば、偏平管としてもよい。
以上のように、本発明にかかるフィンチューブ熱交換器は、伝熱管を取り巻くように形成される管周囲部により排水性を向上させることができるので、空気調和装置、給湯装置、暖房装置などに用いられる熱交換器に適用することができる。
1 フィン
2 伝熱管
3 山部
4 谷部
5 第1傾斜部
6 第2傾斜部
7 管周囲部
30 最下点
S 空気の流れ方向
G 重力方向

Claims (1)

  1. 複数のフィンと、前記複数のフィンを貫通し、内部を流体が流動する複数の伝熱管とを備え、前記フィンは、空気の流れ方向に対して複数の山部を形成するように傾いている第1傾斜部と、前記伝熱管の周囲に形成される管周囲部と、前記管周囲部と前記第1傾斜部とを互いに接続する第2傾斜部とを有し、重力方向に対する前記管周囲部の最下点と、前記第2傾斜部の最下点とが同一位置であることを特徴とするフィンチューブ熱交換器。
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