JP2014089019A - フィンチューブ熱交換器及びそれを備えた冷凍サイクル装置 - Google Patents

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正宣 広田
Tomiyuki Noma
富之 野間
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昭一 横山
Takumi Kida
琢己 木田
Kenji Nagoshi
健二 名越
Kensho Yamamoto
憲昭 山本
Makoto Tachimori
誠 朔晦
Takahiro Oshiro
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【課題】耐着霜性向上と伝熱面積向上によって熱交換性能に優れたフィンチューブ熱交換器を提供すること。
【解決手段】積層される複数のフィン1と、前記フィン1を貫通する複数の伝熱管2と、を備え、前記フィン1は気流方向に対して山部6a、6bと谷部7が交互に出現するコルゲート状に形成されるとともに、気流100方向に対してフィン1の中央より風下側、かつ、鉛直方向に隣接する伝熱管2の間の、前記山部6bの稜線上にルーバー9を設けたので、気流100方向に対して、フィン1の中央より風下側にルーバー9を設けて耐着霜層性を向上させ、また、フィン1全体をコルゲート形状に形成するとともに、コルゲート形状を有効活用してルーバー9を形成するので、伝熱面積の増大、乱流促進を図ることができ、着霜の有無によらず熱交換性能に優れたフィンチューブ熱交換器を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に、冷媒の熱交換に用いられるフィンチューブ熱交換器に関するものである。
従来、この種のフィンチューブ形熱交換器としては、所定間隔のフィンピッチで並べられたフィン20と、フィン20に略直角に挿入されて貫通する伝熱管22とから構成されている。
熱交換器には、送風機(図示せず)などによって導入された気流100(例えば空気)が、積層されたフィン20の間隙を流動しながら、フィン20を介して伝熱管22の内部を流通する流体(例えばR410a、二酸化炭素などの冷媒)と熱交換を行う。
また、伝熱管22の内部を流通する流体は、一般的には、液相と気相の二相状態にあって、気流100との熱交換によって液相が蒸発し、過熱ガスとなって熱交換器から流出する。
このようなフィンチューブ熱交換器において、特に低外気温時の耐着霜性を向上させて暖房能力の向上を図ったものがある(例えば、特許文献1参照)。
図7(a)は、特許文献1に記載の従来のフィンチューブ熱交換器を構成するフィンの正面要部拡大図である。
図7(b)は、図7(a)のA−A断面図であり、図7(c)は、フィンの積層状態を示す断面図である。
図7(a)のフィン20には、伝熱管22を挿通して拡管固着するための円筒状のカラー部23が設けられ、また、矢印で示す熱交換用の空気流100に対して、フィン20の中央部を境にした風上側に、空気流100に対して山と谷が交互に出現する緩やかな傾斜を有する折曲部24が形成される。さらに、フィン20には、空気流100に対して伝熱管22の中心よりも風下側かつ、鉛直方向に対して隣り合う伝熱管22の間に、スリット状の切り起こし25が設けられている。このようなフィン20を図7(c)に示すように積層して使用する。
このように、着霜の恐れが少ないフィン20の風下側のみに、空気流の温度境界層を再形成して伝熱を促進させる切り起こし25を設けることで、フィン20の風上側に切り起こしを設けた場合と比較して、着霜による性能低下防止を図っている。
特開2001−091101号公報
しかしながら、前記従来の構成では、切り起こし25を設けるフィン20の風下側を平面状に形成している。よって、気流100とフィン20との接触面積(伝熱面積)が減少してしまう。すなわち、耐着霜性を向上させるがために、通常運転時の伝熱性能を低下さ
せることとなり、熱交換性能が低下するという課題を有していた。
また、前記従来の構成では、切り起こし25は、気流100の風上側に開口部25aを有していることから、切り起こし25によって、気流100の風上側に前縁部25bが形成される。よって、切り起こし25がフィン風下側のみに配設されていたとしても、低外気温時の暖房運転においては、運転時間の経過とともに前縁部25bから着霜が生じ、開口部25aが着霜によって閉鎖されて、通風抵抗の増加や伝熱性能の低下が生じるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、耐着霜性を向上させるとともに、フィンの伝熱面積最大化と、切り起こしによる乱流促進とを図ることで、熱交換性能に優れたフィンチューブ熱交換器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するため、本発明は、積層される複数のフィンと、前記フィンを貫通する複数の伝熱管と、を備え、前記フィンは気流方向に対して山と谷が交互に出現するコルゲート状に形成されるとともに、気流方向に対して前記フィンの中央より風下側、かつ、鉛直方向に隣接する伝熱管の間の、前記山の稜線上にルーバーを設けたフィンチューブ熱交換器である。
これにより、気流方向に対して、フィン中央より風下側にルーバーを設けたことで耐着霜層性を向上させ、また、フィン全体をコルゲート形状に形成するとともに、コルゲート形状によって出現する山谷形状を活用してルーバーを形成するので、フィンの伝熱面積を最大限に増大させ、また、積層されたフィン間を流動する空気流を衝突させて乱流促進を図ることができるので、熱交換性能に優れたフィンチューブ熱交換器を提供することができる。
本発明によれば、耐着霜性を向上させると共に、伝熱面積の増大と、気流の乱流化を促進した、熱交換性能に優れたフィンチューブ熱交換器を提供することができる。
本発明の実施の形態1におけるフィンチューブ熱交換器の構成図 本発明の実施の形態1におけるフィンの要部拡大斜視図 (a)同フィンの正面要部拡大図(b)図3(a)のA−A断面図 同フィンのルーバーの山部稜線方向の長さの説明図 同フィンのルーバーの他の形状を示す要部拡大斜視図 同フィンのルーバーの立ち上がり面による死水域への気流誘導の説明図 (a)従来のフィンチューブ熱交換器のフィンの正面要部拡大図、(b)図7(a)のA−A断面図、(c)同フィンの積層状態を示す断面図
第1の発明は、積層される複数のフィンと、前記フィンを貫通する複数の伝熱管と、を備え、前記フィンは気流方向に対して山部と谷部が交互に出現するコルゲート状に形成されるとともに、気流方向に対して前記フィンの中央より風下側、かつ、鉛直方向に隣接する伝熱管の間の、前記山部の稜線上にルーバーを設けたフィンチューブ熱交換器である。
これにより、空気流に対して、フィン中央より下流側にルーバーを設けたことで、耐着霜層性を向上させ、また、コルゲート形状のフィンによって、伝熱面積の増大を図るとともに乱流促進を図ることができる。
また、山部の稜線上にルーバーを設けたので、積層されるフィンの山部と谷部とを通過する気流が、ルーバーの開口部において衝突することでさらに乱流が促進される。さらに、ルーバーを通過する空気により温度境界層を再形成させ、ルーバーによって形成される前縁部の熱伝達を促進させることができる。
つまり、コルゲート形状によって出現する山谷形状を有効活用してルーバーを形成するので、フィンの伝熱面積を最大限に増大させ、また、積層されたフィン間を流動する空気流を衝突させて乱流促進を図ることができる。
よって、耐着霜性の向上、伝熱面積増大、乱流促進、前縁効果、温度境界層の再形成が複合し、高い伝熱性能を得ることが可能となる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記ルーバーは、前記山部の稜線より風下側のフィンが立ち上げられて形成され、前記ルーバーは、気流方向に対して風下側のみに開口する開口部を有するものである。
これにより、着霜が生じやすいルーバーの前縁部をより風下側に位置させることができるので、耐着霜性をさらに向上させることができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、前記開口部の両端に形成される立ち上がり面は、気流方向に対して傾斜しているものである。
これにより、ルーバーの端部に接触した空気流は、伝熱管の風下側の死水域に誘導され、フィンの伝熱性能が向上する。また、ルーバー両端の立ち上がり面が水平方向に対して傾斜していることで、ルーバーに生じる凝縮水が滞留せずにフィン表面へと流れ落ち、通風抵抗の増加を抑制することができる。
第4の発明は、特に第1から第3の発明において、前記ルーバーと、前記ルーバーと隣接する2つ伝熱管との最短距離を、それぞれL1AおよびL1Bとしたとき、L1AとL1Bとの和は、2つの前記伝熱管の間の最短距離L2と同一、または、2つの前記伝熱管の間の最短距離L2よりも大きいものである。
これにより、低外気温時に運転時間が経過して、最終的にルーバーが着霜により閉塞した場合でも、ルーバーの両端と2つの伝熱管との最短距離L1aおよびL1bの和が、2つの伝熱管の間の最短距離L2に対して、同等以上となるように、ルーバーの長さが設定されているので、フィンを流通する空気流の通風抵抗の過度な増加を抑制することができ、熱伝達性能の低下や、送風機への入力増加を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるフィンチューブ熱交換器の構成図、図2は、同フィンチューブ熱交換器を構成するフィンの要部拡大斜視図である。図3(a)は、同フィンの正面要部拡大図、図3(b)は、図3(a)のA−A断面図である。
図1において、本発明の実施の形態1にかかるフィンチューブ形熱交換器は、所定間隔のフィンピッチで並べられたフィン1と、フィン1に略直角に挿入されて貫通する伝熱管2を備える。
熱交換器には、送風機(図示せず)などによって導入された気流100(例えば空気)が、積層されたフィン1の間隙を流動しながら、フィン1を介して伝熱管2の内部を流通する流体と熱交換を行う。伝熱管2の内部を流通する流体は、一般的には、液相と気相の二相状態にあって、気流100との熱交換によって液相が蒸発し、過熱ガスとなって熱交換器から流出する。
伝熱管2に流す冷媒としては、HFC冷媒、HFO冷媒、HC冷媒、CO2冷媒、または、これらの混合冷媒を用いることができる。これにより、オゾン層の破壊がなく、またHC冷媒あるいはCO2冷媒は地球温暖化係数が小さいなど環境に配慮した空気調和機や冷凍機などの商品とすることができる。
図2、図3(a)および(b)において、フィン1は、気流100方向に対して、山部6a、谷部7、山部6bが交互に出現するW型のコルゲート形状(他に、波形状、ワッフル状などとも呼ばれる)に形成されており、8は、伝熱管2が挿入されるフィンカラー3の周囲に気流100を案内するために設けられた平坦な座部である。
この構成により、気流100の風上側から順に、フィン1の風上側端部と山部6aとの間の傾斜面11a、山部6aと谷部7との間の傾斜面11b、谷部7と山部6bとの間の傾斜面11c、および、山部6bとフィン1の風下側端部との間の傾斜面11dが形成される。
9は、気流方向に対してフィン1の風下側の山部6bの稜線10上に設けられたルーバーである。
ルーバー9は、下流側の山部6bの稜線10よりも風下側のフィン1に切り込みを入れ、山部6bの稜線10を支点(支点となる稜線10を稜線10bとして点線で示す)に、フィンカラー3が形成される方向にフィン1を立ち上げて形成される。このとき、ルーバー9の両端の立ち上がり面9cは、フィン1の傾斜面11dと連続した状態である。
これにより、ルーバー9の開口側の端部9aは、気流100に対して山部6bの稜線10よりも風下側に配設され、端部が気流方向風上側に向かった前縁端部9bが形成される。
また、図3(b)の断面に示すように、ルーバー9の長手面12は、ルーバー9より風上側の谷部7からルーバー9の端部9aまで一直線状になるように形成されている。すなわち、ルーバー9は、谷部7から山部6bに向かう傾斜面11cが、山部6bの稜線10よりも延設されることによって形成されている。
さらに、ルーバー9の両端は、立ち上がり面9cによって、傾斜面11dと接続されており、立ち上がり面9cは、気流100に対して傾斜している。ここで、立ち上がり面9cは、ルーバー9の両端の距離が風下側に向かって長くなるように傾斜して形成される。
また、図4に示すように、ルーバー9は、両端の立ち上がり面9cと、ルーバー9に隣接し、伝熱管2が挿入されるフィンカラー3との最短距離をL1a及びL1b、鉛直方向に隣接するフィンカラー3間の最短距離をL2とするとき、L1a+L1b≧L2の関係を満足するように形成される。
以上のように構成されたフィンチューブ熱交換器について、以下にその動作および作用を説明する。
本実施の形態におけるフィンチューブ熱交換器は、気流方向に対して山部6a、谷部7、山部6b、が交互に出現する。これにより、フィン1と気流との接触面積(伝熱面積)を最大限に増大させることができる。また、積層されたフィン1の風上部1aにおいて、フィン1の間隙を通過する気流100は、交互に出現する山部6a、6b、谷部7によって蛇行流となり、乱流が促進される。
さらに、フィンの風下部1bにおいては、風下側の山部6bを通過する気流と、ルーバー9を通過する気流が、図3(b)に示すように衝突し、乱流化がさらに促進される。
また、ルーバー9の切り起こし元の前縁端部9bにおいては、気流100が前縁端部9bに接触する前縁効果により熱伝達が促進されるとともに前縁端部9b通過後の気流は温度境界層が再形成されように動作する。
以上の、伝熱面積増大効果、乱流促進効果、前縁効果、温度境界層の再形成効果が複合し、高い伝熱性能を得ることが可能となる。
また、ルーバー9は、山部6bの稜線10よりさらに下流側に前縁端部9bを設けており、特に、フィンの温度が0℃未満となって熱交換器への着霜がある運転条件で動作させる場合でも、フィン1全体に形成されたコルゲート形状によって、ルーバー9の前縁端部9bに気流が到達する段階で、空気との温度差が少なくなっているため、着霜の恐れが少なく、伝熱性能を長時間維持することができる。
また、ルーバー9の開口部9dが着霜で最終的に閉塞した場合であっても、ルーバー9とルーバー9と隣接する2つのフィンカラー3との最短距離L1aおよびL1bの総和が、フィンカラー3間の最短距離L2以上となる大きさに、ルーバー9が形成されるので、フィン1を流通する空気流の通風抵抗は過度に増加することなく、熱伝達性能の大幅な低下や、送風機の入力増加を抑制することができる。
なお、ルーバー9の鉛直方向の長さは、L1a+L1b≧L2の関係を満たしていれば、低外気温時の耐着霜性を向上させ、通風抵抗の増加を抑制するために、図5に示すように、さらに短く設定してもよい。
また、図6に示すように、ルーバー9の両端の立ち上がり面9cが、気流100に対して最も近接するフィンカラー3に近づくように傾斜して形成されるので、気流100は、立ち上がり面9cとフィンカラー3の間での圧縮作用を受けて、フィンカラー3の下流側の死水域に誘導されるため、フィン1の風下部1bの熱伝達性能がさらに向上する。
また、暖房運転条件において、フィン1に凝縮水が付着し、ルーバー9に凝縮水が溜まるような場合でも、立ち上がり面9cが傾斜しているため、ルーバー9に凝縮水が滞留せずにフィンの鉛直下方へと流れ落ち、通風抵抗を増大させることがなく、フィンチューブ熱交換器に送風する送風機の入力の増大や熱伝達性能低下を抑制できる。
以上のように、本実施の形態では、フィンの伝熱性能と、耐着霜性の向上と、着霜時の通風抵抗増加を抑制できる、熱交換性能に優れたフィンチューブ熱交換器を得ることができる。
なお、本実施の形態では、フィンカラー3を円筒状に、すなわち、伝熱管が円筒形状である場合を想定して記載したが、伝熱管は円筒形状でなくてもよく、例えば、偏平管でもよい。
以上のように、本発明にかかるフィンチューブ熱交換器は、耐着霜性の向上、伝熱面積の増大、乱流の促進を図ることにより、熱交換性能を向上させることができるので、空気調和装置、給湯装置などの用途として使用される種々の冷凍サイクル装置の熱交換器として適用することができる。
1 フィン
6a、6b 山部
7 谷部
9 ルーバー
9a 端部
9b 前縁端部
9c 立ち上がり面
9d 開口部
10、10b 稜線
11a、11b、11c、11d 傾斜面
12 長手面
100 気流
L1a、L1b ルーバーとフィンカラーとの最短距離
L2 フィンカラー間の最短距離

Claims (5)

  1. 積層される複数のフィンと、前記フィンを貫通する複数の伝熱管と、を備え、
    前記フィンは気流方向に対して山部と谷部が交互に出現するコルゲート状に形成されるとともに、気流方向に対して前記フィンの中央より風下側、かつ、鉛直方向に隣接する伝熱管の間の、前記山部の稜線上にルーバーを設けたフィンチューブ熱交換器。
  2. 前記ルーバーは、前記山部の稜線より風下側のフィンが立ち上げられて形成され、前記ルーバーは、気流方向に対して風下側のみに開口する開口部を有する請求項1に記載のフィンチューブ熱交換器。
  3. 前記開口部の両端に形成される立ち上がり面は、気流方向に対して傾斜している請求項1または請求項2に記載のフィンチューブ熱交換器。
  4. 前記ルーバーと、前記ルーバーと隣接する2つ伝熱管との最短距離を、それぞれL1aおよびL1bとしたとき、L1aとL1bとの和は、2つの前記伝熱管の間の最短距離L2と同一、または、2つの前記伝熱管の間の最短距離L2よりも大きい請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィンチューブ熱交換器。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィンチューブ熱交換器を備える冷凍サイクル装置。
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