JP2024061222A - ケーブル用保持具及びケーブル用保持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーブルを断線させにくいケーブル用保持具を提供すること。【解決手段】ケーブル用保持具は、棒状部と、棒状部に形成された保持部と、保持部から離れた位置で棒状部の外方に突出して形成された第1突出部と、を含む。第1突出部は、第1の姿勢であるときにスリットに挿入して通すことができ、また、スリットに挿入され通された状態で且つ第1の姿勢と異なる第2の姿勢であるときに、スリットから引き抜かれるように動かされると、構造体と機械的に干渉する形状及び寸法となっている。棒状部の長手方向における保持部と第1突出部との配置間隔を、スリットの深さ方向の寸法よりも大きくすることにより、第1突出部がスリットに挿入され通された状態で且つ第2の姿勢であるときに、棒状部及び保持部が、構造体に対して、保持部と第1突出部とで規制される範囲内で動くことができる。【選択図】図6A
Description
本発明は、ケーブル用保持具及びケーブル用保持装置に関する。
ケーブルを保持するケーブル用固定具が知られている。例えば特許文献1及び2に、この種のケーブル用固定具の具体的構成が記載されている。
特許文献1及び2に記載のケーブル用固定具は、ケーブルを挟持するクランプを有する。クランプによってケーブルを挟持したケーブル用固定具は、基板やパネル等の基台に取り付けられて固定される。
可動部材に接続されたケーブルをケーブル用固定具で保持する場合がある。例えば、特許文献1及び2において、可動部材の動きがケーブルに伝わると、ケーブルは、クランプで挟持された箇所を支点に屈曲する。このような屈曲が繰り返されると、ケーブルが屈曲箇所で断線することがある。
本発明は上記の事情に鑑み、ケーブルを断線させにくいケーブル用保持具及びこのようなケーブル用保持具を備えるケーブル用保持装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係るケーブル用保持具は、構造体に形成されたスリットに挿入して通すことができる棒状部と、棒状部の一端に形成された、ケーブルを保持する保持部と、保持部から離れた位置で棒状部の外方に突出して形成された第1突出部と、を含む。第1突出部は、第1の姿勢であるときにスリットに挿入して通すことができる形状及び寸法となっており、スリットに挿入され通された状態で且つ第1の姿勢と異なる第2の姿勢であるときに、スリットから引き抜かれるように動かされると、構造体と機械的に干渉する形状及び寸法となっている。本実施形態では、棒状部の長手方向における保持部と第1突出部との配置間隔を、スリットの深さ方向の寸法よりも大きくすることにより、第1突出部がスリットに挿入され通された状態で且つ第2の姿勢であるときに、棒状部及び保持部が、構造体に対して、保持部と第1突出部とで規制される範囲内で動くことができる。
本発明の一実施形態によれば、ケーブルを断線させにくいケーブル用保持具及びこのようなケーブル用保持具を備えるケーブル用保持装置が提供される。
以下の説明は、本発明の一実施形態に係るケーブル用保持具及びケーブル用保持装置に関する。
図1は、本発明の一実施形態に係るケーブル用保持装置1の正面図である。図2は、ケーブル用保持装置1の側面図である。図3は、ケーブル用保持装置1の内部構造を示す断面図である。図4は、図3に示される範囲Aの拡大図である。本実施形態において、ケーブル用保持装置1は、車両のシート4に設置される。
図4に示されるように、本実施形態に係るケーブル用保持装置1は、ケーブル用保持具2によってケーブル3を保持する構成となっている。ケーブル3は、シート4に設置されたシートバック型ディスプレイ5を電源装置と接続する。
なお、図1~図4は、ケーブル用保持装置1及びケーブル用保持具2の適用範囲の一例を示すに過ぎない。ケーブル用保持装置1及びケーブル用保持具2は、車室内の別のケーブルを保持するために適用されてもよく、また、オフィスや一般家庭で配線されるケーブルを保持するために適用されてもよい。
シートバック型ディスプレイ5には、チルト機構が設けられている。このチルト機構により、シートバック型ディスプレイ5は、図2に示されるように、シート4に対して矢印Tit1方向と矢印Tit2方向にチルト可能となっている。
チルト機構は手動又は電動で動作する。シート4の後方シートに着座するユーザは、例えば、シートバック型ディスプレイ5を把持して矢印Tit1方向又は矢印Tit2方向にチルトさせることができ、また、リモートコントローラを操作してシートバック型ディスプレイ5を矢印Tit1方向又は矢印Tit2方向にチルトさせることができる。
このように、チルト機構によってシートバック型ディスプレイ5が動かされると、その動きがシートバック型ディスプレイ5に接続されたケーブル3に伝わる。例えば、ケーブル用保持装置1内において、ケーブル3がケーブル用保持具2によってしっかりと固定されると、ケーブル3は、シートバック型ディスプレイ5の動きに追従して、その固定箇所を支点に屈曲する。固定箇所に対して屈曲に伴う繰り返し応力が作用したり最小曲率半径以下でケーブル3が屈曲したりすることで、ケーブル3の断線が発生しやすくなる。
そこで、本実施形態では、ケーブル用保持具2によるケーブル3の保持箇所に応力が集中しないように、ケーブル用保持装置1内において、保持箇所が、ある程度の範囲内で動けるようになっている。保持箇所をある程度の範囲内で動かせるようにすることで、ケーブル3がシートバック型ディスプレイ5の動きに追従して屈曲する際の曲率半径を大きくすることもできる。そのため、ケーブル3の断線が発生し難くなる。
以下においては、ケーブル用保持装置1及びケーブル用保持具2の具体的説明が示される。
図4に示されるように、ケーブル用保持装置1は、ヒンジ110及びカバー120を含む。ヒンジ110は、チルト機構をなす部品であり、例えば金属製の板状部である。カバー120は、配線部分を隠蔽するため、ケーブル用保持具2及びケーブル3並びにヒンジ110を覆う。
図5は、カバー120を取り外した状態のケーブル用保持装置1の斜視図である。図5に示されるように、ヒンジ110に、スリット112が形成される。
スリット112は、構造体の一例であるヒンジ110に形成されたスリットの一例である。スリット112は、短手幅W1と長手幅W2を持つ矩形状となっている。スリット112の深さ方向の寸法は、ヒンジ110の厚みt1(図4参照)と等しい。
図5に示されるスリット112の形状は一例に過ぎない。すなわち、スリット112の形状には自由度があり、各種の設計変更が可能である。
図5に示されるように、ケーブル用保持具2は、ケーブル3を保持する。詳しくは後述するが、製造時において、例えば作業員が、ケーブル用保持具2の基端をスリット112に挿入して通してケーブル用保持具2を90度回転させると、ケーブル用保持具2及びこれに保持されたケーブル3がヒンジ110に対して緩く保持される。
このように、スリット112は、ケーブル3を保持するための要素の1つである。本実施形態では、スリット112は、専用部品でなく、チルト機構をなす部品(すなわちヒンジ110)に形成される。そのため、ケーブル用保持装置1を含むシートバック型ディスプレイ5周りの構成は、部品点数を削減するのに有利な構成となっている。
図6Aは、ケーブル用保持具2の斜視図である。図6Bは、図6AのB矢視図である。図6Cは、図6AのC矢視図である。図6Dは、図6AのD矢視図である。図7A及び図7Bは、ケーブル用保持具2を用いたケーブル3の保持方法を説明する図である。
ケーブル用保持具2は、棒状部210、保持部220、第1突出部230及び第2突出部240を含む。ケーブル用保持具2は、例えば、棒状部210、保持部220、第1突出部230及び第2突出部240が一体に形成された樹脂成形品である。
棒状部210は、例えば円柱状に形成される。棒状部210は、スリット112に挿入して通すことができるように、その外径D2がスリット112の短手幅W1よりも小さくなっている。便宜上、棒状部210の長手方向をZ軸方向とし、Z軸方向と直交し且つ互いに直交する2方向をX軸方向及びY軸方向とする。
保持部220は、棒状部210の一端に形成される。保持部220は、C字型の固定具として形成されており、内周面220Aがケーブル3の外径と略同径となっている。そのため、保持部220は、ケーブル3を保持することができる。
第1突出部230は、保持部220から離れた位置で棒状部210の外方に突出した板状に形成される。
例示的には、第1突出部230は、半円盤状に形成される。第1突出部230は、棒状部210の他端においてY軸方向正側(第1方向外方の一例)とY軸方向負側(第2方向外方の一例)に突出して形成された一対の扇型板状部230aを含む。
扇型板状部230aは、例えば90度の扇型板状部となっている。扇型板状部230aが有する円周面(側周面)230bは、第2突出部240と対向して位置し、また、第2突出部240を挟んで保持部220と対向して位置する。なお、この扇型板状部は、必ずしも90度である必要は無い。ケーブル用保持具2がスリット112によって緩く保持された際に、その自由度によってヒンジ110の第2面110Bに当接する可能性のある範囲が円周面になっていればよい。
第2突出部240は、保持部220と第1突出部230との間の位置で棒状部210の外方に突出した板状に形成される。
例示的には、第2突出部240は、半円盤状に形成される。第2突出部240は、棒状部210の一端においてY軸方向正側(第1方向外方の一例)とY軸方向負側(第2方向外方の一例)に突出して形成された一対の扇型板状部240aを含む。
扇型板状部240aは、例えば90度の扇型板状部となっている。扇型板状部240aが有する円周面(側周面)240bは、第1突出部230と対向して位置する。なお、この扇型板状部も、必ずしも90度である必要は無い。ケーブル用保持具2がスリット112によって緩く保持された際に、その自由度によってヒンジ110の第1面110Aに当接する可能性のある範囲が円周面になっていればよい。
第1突出部230は、厚みW11(X軸方向の寸法)がスリット112の短手幅W1よりも小さくなっており、且つ幅W12(Y軸方向の寸法)がスリット112の長手幅W2よりも小さくなっている。そのため、製造時において、作業員は、図7Aに示されるように、第1突出部230の向きをスリット112の形状に合わせる(具体的には、第1突出部230の幅方向をスリット112の長手幅方向に合わせる)ことにより、第1突出部230をスリット112に挿入して通すことができる(図7Aの矢印S1参照)。
このように、第1突出部230は、その幅方向がスリット112の長手幅方向に合わせられた姿勢(第1の姿勢の一例)であるときにスリット112に挿入して通すことができる形状及び寸法となっている。
作業員は、図7Aに示されるように、第1突出部230をスリット112に挿入して通した後(矢印S1参照)、第1突出部230の幅方向がスリット112の長手幅方向と直交するように、第1突出部230の向きを90度回転させる(矢印S2参照)。
作業員は、更に、図7Bに示されるように、保持部220をケーブル3に取り付ける。これにより、ケーブル3がヒンジ110に対して緩く保持された状態となる。
ここで、第1突出部230及び第2突出部240の幅W12は、スリット112の短手幅W1よりも大きい。
そのため、第1突出部230は、スリット112から引き抜かれるように、すなわち、矢印S1とは逆の方向に動かされると、ヒンジ110の第2面110Bに当たって停止する。すなわち、第1突出部230は、スリット112から抜けない。
また、第2突出部240は、棒状部210がスリット112に更に挿入される方向に動かされると、ヒンジ110の第1面110Aに当たって停止する。すなわち、第2突出部240は、スリット112に対するケーブル用保持具2の挿入量を規制する。
なお、ヒンジ110の第1面110Aは、ケーブル3と対向する面である。ヒンジ110の第2面110Bは、第1面110Aと反対側の面である。
このように、第1突出部230は、スリット112に挿入され通された状態で且つその幅方向がスリット112の長手幅方向と直交する姿勢(第1の姿勢と異なる第2の姿勢の一例)であるときに、スリット112から引き抜かれるように動かされると、構造体の一例であるヒンジ110と機械的に干渉する形状及び寸法となっている。
また、第2突出部240は、第1突出部230がスリット112に挿入され通された状態で且つその幅方向がスリット112の長手幅方向と直交する姿勢であるときに、棒状部210がスリット112に更に挿入される方向に動かされると、構造体の一例であるヒンジ110と機械的に干渉する形状及び寸法となっている。
図8及び図9は、ケーブル用保持具2の動きを説明する図である。
図8及び図9に示されるように、棒状部210の長手方向(Z軸方向)における第1突出部230と第2突出部240との配置間隔D1は、スリット112の深さ方向の寸法t1よりも大きくなっている。そのため、ケーブル用保持具2は、棒状部210の長手方向(Z軸方向)に関し、ヒンジ110に対して、第1突出部230と第2突出部240とで規制される範囲内で動けるようになっている。具体的には、ケーブル用保持具2は、第1突出部230がヒンジ110の第2面110Bに当たる位置(図8参照)から、第2突出部240がヒンジ110の第1面110Aに当たる位置(図9参照)まで、動けるようになっている。
このように、ケーブル用保持具2は、第1突出部230がスリット112に挿入され通された状態で且つその幅方向がスリット112の長手幅方向と直交する姿勢(第1の姿勢と異なる第2の姿勢の一例)であるときに、棒状部210及び保持部220を含む全体が、構造体の一例であるヒンジ110に対して、第1突出部230と第2突出部240とで規制される範囲内で動けるようになっている。
本実施形態において、ケーブル用保持具2は、ケーブル3を保持しつつも、ヒンジ110に対して、第1突出部230と第2突出部240とで規制される範囲内で動けるようになっている。そのため、例えば、シートバック型ディスプレイ5の動きに追従してケーブル3が動くと、ケーブル用保持具2も上記範囲内であれば動く。そのため、保持部220によるケーブル3の保持箇所に応力が集中し難くなり、また、シートバック型ディスプレイ5の動きに追従して屈曲する際のケーブル3の曲率半径を大きくすることができる。そのため、ケーブル3の断線が発生し難くなる。
ヒンジ110に対するケーブル用保持具2の可動範囲を広くしすぎると、ケーブル用保持具2に保持されたケーブル3が大きく動いて、例えば、ヒンジ110の端部に擦れて断線したり、カバー120に押し当ってカバー120を脱落させたりする虞がある。
そこで、第1突出部230と第2突出部240とによって棒状部210が動く範囲をある程度の範囲に規制することにより、保持部220により保持されたケーブル3が動く範囲が、ヒンジ110とカバー120とで規定される空間SP内に規制されるように、棒状部210の長手方向(Z軸方向)における第1突出部230と第2突出部240との配置間隔D1が定められている。一例として、配置間隔D1は、ヒンジ110とカバー120とのZ軸方向の間隔D3よりも小さく設定される。
第1突出部230と第2突出部240とによってケーブル3の過大な動きが抑制されるため、例えば、ケーブル3がヒンジ110の端部に擦れて断線する不具合や、ケーブル3がカバー120に押し当ってカバー120を脱落させる不具合の発生が防がれる。
上述したように、棒状部210は、外径D2がスリット112の短手幅W1よりも小さくなっている。そのため、棒状部210は、スリット112内をX軸方向にもY軸方向にも動くことができる。従って、ケーブル用保持具2は、Z軸方向(棒状部210の長手方向)だけでなく、X軸方向及びY軸方向にも動くことができる。
シートバック型ディスプレイ5がチルトされると、その動きがケーブル3に伝わって、ケーブル3が動く。ケーブル用保持具2は、ケーブル3の動きに伴い、第1突出部230がヒンジ110の第2面110Bに当たる位置(図8参照)に移動したり、第2突出部240がヒンジ110の第1面110Aに当たる位置(図9参照)に移動したりする。
図8に示されるように、第1突出部230がヒンジ110の第2面110Bに当たる位置にある場合、扇型板状部230aの円周面230bが、第2面110Bと対向するように位置し且つ第2面110Bと接触した状態にある。ケーブル3及びこれを保持する保持部220の動きに伴って第1突出部230が動かされると、第1突出部230は、円周面230bが第2面110Bに接しながら第2面110B上を転がる。これにより、図8の矢印R1に示されるように、ケーブル用保持具2の全体が第1突出部230付近を支点として回転動作する。
このように、円周面230bは、ケーブル用保持具2の動きをガイドして、ケーブル用保持具2を回転動作させる、ガイド面として機能する。ガイド面として機能する円周面230bにより、ケーブル用保持具2の動きをある程度コントロールできるため、ケーブル3がヒンジ110の端部に擦れて断線する不具合や、ケーブル3がカバー120に押し当ってカバー120を脱落させる不具合の発生が防ぎやすくなる。
図9に示されるように、第2突出部240がヒンジ110の第1面110Aに当たる位置にある場合、扇型板状部240aの円周面240bが、第1面110Aと対向するように位置し且つ第1面110Aと接触した状態にある。ケーブル3及びこれを保持する保持部220の動きに伴って第2突出部240が動かされると、第2突出部240は、円周面240bが第1面110Aに接しながら第1面110A上を転がる。これにより、図9の矢印R2に示されるように、ケーブル用保持具2の全体が第2突出部240付近を支点として回転動作する。
このように、円周面240bも、ケーブル用保持具2の動きをガイドして、ケーブル用保持具2を回転動作させる、ガイド面として機能する。ガイド面として機能する円周面240bによっても、ケーブル用保持具2の動きをある程度コントロールできるため、ケーブル3がヒンジ110の端部に擦れて断線する不具合や、ケーブル3がカバー120に押し当ってカバー120を脱落させる不具合の発生が防ぎやすくなる。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。
上記の実施形態では、ケーブル用保持具2に第2突出部240が形成されるが、本発明の構成はこれに限らない。
図10は、変形例1に係るケーブル用保持具2を用いてケーブル3を取り付けた状態を示す。
図10に示されるように、変形例1に係るケーブル用保持具2は、第2突出部240を有さない。この場合、保持部220又はケーブル3がヒンジ110の第1面110Aに当たることにより、ケーブル3が動き範囲が規制される。
変形例1では、棒状部210の長手方向(Z軸方向)における保持部220と第1突出部230との配置間隔D4を、スリット112の深さ方向の寸法t1よりも大きくすることにより、第1突出部230がスリット112に挿入され通された状態で且つその幅方向がスリット112の長手幅方向と直交する姿勢(第2の姿勢の一例)であるときに、棒状部210部及び保持部220が、構造体の一例であるヒンジ110に対して、保持部220と第1突出部230とで規制される範囲内で動けるようになっている。
そのため、上記の実施形態と同様に、保持部220によるケーブル3の保持箇所に応力が集中し難くなり、また、シートバック型ディスプレイ5の動きに追従して屈曲する際のケーブル3の曲率半径を大きくすることができる。そのため、ケーブル3の断線が発生し難くなる。
上記の実施形態では、第1突出部230及び第2突出部240が半円盤状に形成されるが、第1突出部230及び第2突出部240の形状はこれに限らない。
図11は、変形例2に係るケーブル用保持具2を用いてケーブル3を保持した状態を示す。変形例2では、例えば第2突出部240が別の形状で形成される。
具体的には、変形例2に係る第2突出部240は、図11に示されるように、棒状部210の外方に突出した形状の一例である球体状に形成される。球体状の第2突出部240の直径は、スリット112の短手幅W1よりも大きい。そのため、球体状の第2突出部240がヒンジ110の第1面110Aに当たることにより、ケーブル3が動き範囲が規制される。
このように、第1突出部230及び第2突出部240の形状には自由度があり、各種の設計変更が可能である。
1 :ケーブル用保持装置
2 :ケーブル用保持具
110 :ヒンジ
112 :スリット
120 :カバー
210 :棒状部
220 :保持部
230 :第1突出部
240 :第2突出部
2 :ケーブル用保持具
110 :ヒンジ
112 :スリット
120 :カバー
210 :棒状部
220 :保持部
230 :第1突出部
240 :第2突出部
Claims (8)
- 構造体に形成されたスリットに挿入して通すことができる棒状部と、
前記棒状部の一端に形成された、ケーブルを保持する保持部と、
前記保持部から離れた位置で前記棒状部の外方に突出して形成された第1突出部と、を含み、
前記第1突出部は、
第1の姿勢であるときに前記スリットに挿入して通すことができる形状及び寸法となっており、
前記スリットに挿入され通された状態で且つ前記第1の姿勢と異なる第2の姿勢であるときに、前記スリットから引き抜かれるように動かされると、前記構造体と機械的に干渉する形状及び寸法となっており、
前記棒状部の長手方向における前記保持部と前記第1突出部との配置間隔を、前記スリットの深さ方向の寸法よりも大きくすることにより、前記第1突出部が前記スリットに挿入され通された状態で且つ前記第2の姿勢であるときに、前記棒状部及び前記保持部が、前記構造体に対して、前記保持部と前記第1突出部とで規制される範囲内で動くことができる、
ケーブル用保持具。 - 前記第1突出部は、円周面を有する板状に形成され、
前記円周面は、前記第1突出部が前記スリットに挿入され通されたとき、前記ケーブルと対向する前記構造体の第1面と反対側の第2面と対向するように位置し、
前記円周面が前記第2面と接触した状態にあるとき、前記保持部の動きに伴って前記第1突出部が動かされると、前記第1突出部は、前記円周面が前記第2面に接しながら前記第2面上を転がる、
請求項1に記載のケーブル用保持具。 - 前記第1突出部は、前記棒状部から第1方向外方に突出した扇型板状部と、前記棒状部から前記第1方向外方とは逆の第2方向外方に突出した扇型板状部と、を含む、半円盤状に形成され、
一対の前記扇型板状部が有する前記円周面は、前記保持部と対向して位置する、
請求項2に記載のケーブル用保持具。 - 前記保持部と前記第1突出部との間の位置で前記棒状部の外方に突出して形成された第2突出部を更に含み、
前記第2突出部は、前記第1突出部が前記スリットに挿入され通された状態で且つ前記第2の姿勢であるときに、前記棒状部が前記スリットに更に挿入される方向に動かされると、前記構造体と機械的に干渉する形状及び寸法となっており、
前記棒状部の長手方向における前記第1突出部と前記第2突出部との配置間隔を、前記スリットの深さ方向の寸法よりも大きくすることにより、前記第1突出部が前記スリットに挿入され通された状態で且つ前記第2の姿勢であるときに、前記棒状部及び前記保持部が、前記構造体に対して、前記第1突出部と前記第2突出部とで規制される範囲内で動くことができる、
請求項1に記載のケーブル用保持具。 - 前記第2突出部は、円周面を有する板状に形成され、
前記円周面は、前記第1突出部が前記スリットに挿入され通されたとき、前記ケーブルと対向する前記構造体の第1面と対向するように位置し、
前記円周面が前記第1面と接触した状態にあるとき、前記保持部の動きに伴って前記第2突出部が動かされると、前記第2突出部は、前記円周面が前記第1面に接しながら前記第1面上を転がる、
請求項4に記載のケーブル用保持具。 - 前記第2突出部は、前記棒状部から第1方向外方に突出した扇型板状部と、前記棒状部から前記第1方向外方とは逆の第2方向外方に突出した扇型板状部と、を含む、半円盤状に形成され、
一対の前記扇型板状部が有する前記円周面は、前記第1突出部と対向して位置する、
請求項5に記載のケーブル用保持具。 - 請求項1から請求項6の何れか一項に記載のケーブル用保持具と、
スリットが形成された構造体と、を含み、
前記ケーブル用保持具は、前記スリットに挿入され通された状態の前記第1突出部が前記第2の姿勢になっている、
ケーブル用保持装置。 - 請求項4から請求項6の何れか一項に記載のケーブル用保持具と、
スリットが形成された構造体と、
ケーブルを覆うカバーと、を含み、
前記ケーブル用保持具は、前記スリットに挿入され通された状態の前記第1突出部が前記第2の姿勢になっており、
前記第1突出部と前記第2突出部とによって前記棒状部が動く範囲を規制することにより、前記保持部により保持された前記ケーブルが動く範囲が、前記構造体とカバーとで規定される空間内に規制されるように、前記棒状部の長手方向における前記第1突出部と前記第2突出部との配置間隔が定められた、
ケーブル用保持装置。
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