JP2024059162A - 製紙用サイズ剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は製紙工程で使用される従来のロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、ケテンダイマー系サイズ剤に比べて、硫酸バンドや有機凝結剤を必要とせず優れたサイズ効果を有する製紙用サイズ剤を提供することを課題とする。【解決手段】カチオン性高分子と連鎖移動剤存在下、1種以上の疎水性単量体を乳化重合して得られる製紙用サイズ剤であって、疎水性単量体が、20℃における水への溶解度が1質量%以下である、製紙用サイズ剤によって前記課題を解決できる。カチオン性高分子が、カチオン性高分子と疎水性単量体の量に対し、5~40質量%であることが好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は製紙用高分子型サイズ剤に関する。
製紙用サイズ剤としては、主としてロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、ケテンダイマー系サイズ剤が使用されている。しかし、ロジン系サイズ剤は酸性条件で使用する必要があり、中性以上では効果が低下し、又、定着剤として硫酸バンド、有機凝結剤等が必要であり、添加により紙力が低下するという問題がある。更にアルケニル無水コハク酸系サイズ剤、ケテンダイマー系サイズ剤は、機械安定性、貯蔵安定性等に問題があり、抄紙系内が汚染されやすいという問題がある。
一方、カチオン性高分子分散剤存在下で乳化重合により得られるサイズ剤が知られている(特許文献1~4参照)。これらはいずれもカチオン性単量体と疎水性単量体等を重合して得られる高分子分散剤を使用するものであるが、このようにして得られるサイズ剤は、高分子分散剤の分散性能が不十分である、高分子分散剤を別途製造する必要があり工程が煩雑になる、サイズ性能が不十分である等の問題があった。
特開2001-262495号公報 特開2002-129494号公報 特開2006-16712号公報 特開2009-235597号公報
本発明はロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、ケテンダイマー系サイズ剤の上記課題を解決し、硫酸バンド、有機凝結剤等のサイズ剤の定着剤を必要とせず、簡易な操作で得られ、サイズ効果の高い製紙用高分子型サイズ剤に関する。又、ロジンに見られる様な紙力の低下を伴なわない製紙用高分子型サイズ剤に関する。
前記課題を解決するために鋭意検討した結果、カチオン性高分子と連鎖移動剤の存在下、特定の疎水性を有する1種以上の疎水性単量体を乳化重合することにより得られる高分子を含有する製紙用サイズ剤が上記課題を解決することを見出した。即ち本発明は、カチオン性高分子と連鎖移動剤存在下、1種以上の疎水性単量体を乳化重合して得られる製紙用サイズ剤であって、疎水性単量体が、20℃における水への溶解度が1質量%以下である、製紙用サイズ剤である。
サイズ効果が発現するためには、親水性である紙を構成するパルプ表面を疎水性の物質で被覆する必要がある。疎水性の高分子でパルプ表面を効率的に被覆するためには、抄紙時に、高分子が高い流動性を有する状態を経由する必要があると考えられる。即ち乾燥工程の加温時に流動状態となり、室温では固体様の状態になることが好ましいと考えられる。
高分子が室温で固体であり、抄紙の際の加温工程で高い流動性を有するためには、高分子が一定のガラス転移温度と適度に小さい分子量を有する必要があると考え本発明に至った。更に、この場合には、ロジン等のサイズ剤にみられるような添加による紙力の低下を起こさないことを見出した。
本発明によれば、硫酸バンド、有機凝結剤等を使用することなく効果を発揮し、又、ロジン等のサイズ剤に見られるような添加による紙力の低下を引き起こさず、簡易な製造工程で高い効果を有する製紙用サイズ剤を得ることができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の製紙用サイズ剤は、主として乳化重合して得ることができる。所定の反応容器にカチオン性高分子、疎水性単量体混合物、連鎖移動剤、ラジカル重合開始剤、水、必要に応じ界面活性剤を添加し、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、攪拌、加温することにより目的の高分子を得ることができる。
先ず、カチオン性高分子について説明する。カチオン性高分子は、カチオン性単量体を主成分とする単量体を水中で重合して得ることができる。重合法は、溶液重合、乳化重合、分散重合等、公知の方法が適用可能であるが、溶液重合が好ましい。
カチオン性単量体のうち三級アミノ基含有カチオン性単量体の例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ-ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びこれらの塩等が挙げられる。
又、四級アンモニウム塩基含有カチオン性単量体の例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシ2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。又、ジアリルメチルアミン、ジアリルベンジルアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルメチルベンジルアンモニウムクロリド等が挙げられる。これらを二種以上組み合わせることも可能である。これらのうち、アクリル酸誘導体が好ましい。
本発明におけるカチオン性高分子は重合成分としてさらに共重合可能なノニオン性単量体、アニオン性単量体、架橋性単量体等を含むことができる。カチオン性単量体は80質量%以上であることが好ましい。
重合開始剤としては、例えば、2、2’-アゾビス[2-(5-メチル-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2、2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2、2’-アゾビス-2-アミジノプロパン二塩酸塩等のアゾ系の重合開始剤が挙げられる。又、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物等も挙げられる。これらは単独でも使用できるが、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩等の還元剤と組合せてレドックス系重合開始剤としても使用できる。重合開始剤の添加率は全単量体に対し0.01~2質量%、好ましくは0.1~1質量%である。重合時に連鎖移動剤を添加してもよい。
重合反応は、使用する重合開始剤にもよるが、通常温度30℃~100℃、時間は0.5時間~20時間で行う。重合濃度としては、単量体濃度として10~60質量%であるが、好ましくは15~50質量%である。
得られたカチオン性高分子の分子量に対応する粘度について説明する。本発明におけるカチオン性高分子は、高分子濃度が0.5質量%になるように脱塩水で希釈し、B型粘度計で1号ローターを使用し20℃、60rpmで測定した粘度が1~100mPa・sであることが好ましい。
本発明の製紙用サイズ剤は、前述したカチオン性高分子と連鎖移動剤存在下、疎水性単量体を必須成分とする単量体成分を乳化重合することにより得られる。
カチオン性高分子は、カチオン性高分子と疎水性単量体の量に対し、5~40質量%が好ましい。
本発明において疎水性単量体とは、20℃における水への溶解度が、1質量%以下の単量体をいう。
疎水性単量体としては、例えば、炭素数が4以上のアルキル基を有する単量体、スチレン類が挙げられる。
炭素数が4以上のアルキル基を有する不飽和単量体の例としては、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アルキル(メタ)アクリレート類、ベンジル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類、n-ブチル(メタ)アクリルアミド、n-オクチルアクリルアミド等のN-アルキル(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
スチレン類としては、スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、α-メチルスチレン等が挙げられる。これらを二種以上組み合わせることも可能である。
更に、本発明の高分子は、疎水性単量体の効果を妨げない程度にノニオン性単量体、アニオン性単量体、カチオン性単量体、架橋性単量体を共重合してもよい。疎水性単量体以外の単量体は、多すぎるとサイズ性能が不十分となることから、全単量体に対し20質量%以下、好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
ノニオン性単量体としては、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニルピロリドン、ビニルホルムアミド、グリセロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等がある。また、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類、スチレン類が挙げられる。
アニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸、及びこれらの塩等が挙げられる。
カチオン性単量体としては、前記カチオン性高分子を製造する際に使用するカチオン性単量体が挙げられる。
架橋性単量体としては、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N-メチロールアクリルアミド、トリアリルイソシアネート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらを二種以上組み合わせることも可能である。架橋性単量体の添加率は全単量体に対し1質量%以下が好ましい。
ノニオン性単量体、アニオン性単量体、カチオン性単量体、架橋性単量体の合計量は、全単量体に対し好ましくは0~20質量%、より好ましくは0~10質量%、より一層好ましくは0~5質量%である。
本発明における高分子を製造の際に連鎖移動剤を使用する。連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類、チオグリコール酸、3-メルカプトプロピオン酸等のチオカルボン酸類、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、アリルアミン、次亜リン酸ナトリウム等が挙げられる。又、メタクリルスルホン酸ナトリウム、メタクリルスルホン酸カリウム、メタクリルスルホン酸アンモニウム等のメタクリルスルホン酸塩等の単量体が挙げられる。連鎖移動剤は、カチオン性高分子と疎水性単量体に対して、0.01~1質量%が好ましい。
重合開始剤としては、例えば、2、2’-アゾビス[2-(5-メチル-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2、2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2、2’-アゾビス-2-アミジノプロパン二塩酸塩等のアゾ系の重合開始剤が挙げられる。又、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物等も挙げられる。これらは単独でも使用できるが、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩等の還元剤と組合せてレドックス系重合開始剤としても使用できる。重合開始剤の添加率は全単量体に対し0.01~2質量%、好ましくは0.1~1質量%である。
重合に際しては、界面活性剤を使用することができる。界面活性剤は、分子内に親水性基と疎水性基を有する物質であり、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホネート・ホルマリン縮合物等のアニオン性界面活性剤、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド等のカチオン性界面活性剤が使用可能である。これらを二種以上組み合わせることも可能である。
界面活性剤の添加率は全単量体に対して0.01~5質量%であり、好ましくは0.05~3質量%、更に好ましくは0.1~2質量%である。
重合反応は、使用する重合開始剤にもよるが、通常温度30℃~100℃、時間は0.5時間~20時間で行う。重合濃度としては、カチオン性高分子濃度と単量体濃度の和として10~60質量%であるが、好ましくは15~50質量%である。
重合後、白色の乳化重合物懸濁液として得られる。得られた乳化重合物の粒径は、動的光散乱測定による粒子径が40~2000nmであるが、70~500nmであることが好ましい。動的光散乱測定は大塚電子製ELSZ―1000ZS(ゼータ電位・粒径測定システム)を使用した。
ここで本発明におけるガラス転移温度について説明する。1種類の疎水性単量体から得られる高分子のガラス転移温度は、ポリマーハンドブック(第4版、Wiley―Interscience)記載のものである。
また複数の疎水性単量体から得られる共重合高分子のガラス転移温度は、下記Foxの式から計算した値である。
(Foxの式)1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・Wi/Tgi
ここで、Tgは共重合高分子のガラス転移温度、Wiは不飽和単量体iの全単量体に対する重量分率、Tgiは単量体iから得られる高分子のガラス転移温度である。
本発明における疎水性単量体を共重合して得られる高分子のガラス転移温度は、-10℃以上、80℃以下であり、この範囲であるとサイズ効果が優れる。
本発明における製紙用サイズ剤の使用について説明する。
添加場所としては、製紙工程上流のパルプ乾燥固形分濃度2.0質量%以上のマシンチェストや種箱等の抄紙前の製紙原料に添加することができる。
又、製紙工程において上流からパルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以上で移送されてきた高濃度の製紙原料が抄紙機の直前では白水や清水等によりパルプ乾燥固形分濃度が一般的には0.5~1.5質量%に希釈されており、これらインレット原料やヘッドボックス原料と呼ばれる原料に対して本発明における製紙用サイズ剤を添加しても良い。この場合の添加場所は、せん断工程であるファンポンプ前後やスクリーン前後が適用される。添加率としては、パルプ乾燥固形分に対して、高分子純分で0.01~1質量%である。又、その他の紙力増強剤やピッチコントロール剤、歩留向上剤、濾水性向上剤等の製紙用薬品と併用しても差し支えない。
本発明における製紙用サイズ剤は、表面サイズ剤として直接原紙表面に塗工して使用することができる。又、水に溶解、希釈させて塗工液を調製し、これを原紙表面に塗工して使用することもできる。塗工液を調製する場合は、紙力剤、増粘剤、酸化防止剤、顔料、染料等のその他の薬品と混合して調整する。塗工量は、高分子純分で0.001~2g/mである。
塗工手段としては、サイズプレス法、ゲートロール法、バーコーター法、カレンダー法、スプレー法等が挙げられる。
本発明における製紙用サイズ剤を適用する紙の種類としては、新聞用紙、上質印刷用紙、中質印刷用紙、グラビア印刷用紙、PPC用紙、塗工原紙、微塗工紙、包装用紙、ライナーや中芯原紙の板紙等が挙げられる。よりサイズ性付与が最も要望されるライナーや中芯原紙等の板紙が好ましい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
(カチオン性高分子製造例1)
300mLの4つ口フラスコに、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド40g、次亜リン酸ナトリウム0.01g、2、2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩(富士フィルム和光純薬工業製VA-044)0.04g、脱塩水160gを仕込み250rpmで撹拌しながら窒素ガスを通じた。30分後、45℃まで昇温し、5時間保持した。その後70℃で1時間保持した。その後冷却し、高分子水溶液を得た。カチオン性高分子1(CP1)とする。脱塩水で0.5質量%に希釈して粘度を測定したところ、11.2mPasであった。
(カチオン性高分子製造例2)
300mLの4つ口フラスコに、アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド36.0g、アクリルアミド4.0g、次亜リン酸ナトリウム0.08g、2、2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩(富士フィルム和光純薬工業製VA-044)0.04g、脱塩水160gを仕込み250rpmで撹拌しながら窒素ガスを通じた。30分後、45℃まで昇温し、5時間保持した。その後70℃で1時間保持した。その後冷却し、高分子水溶液を得た。カチオン性高分子2(CP2)とする。脱塩水で0.5質量%に希釈して粘度を測定したところ、4.8mPasであった。
(実施例1)
200mLの4つ口フラスコに、20質量%カチオン性高分子1水溶液10.0g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2g、メルカプトプロピオン酸0.02g、過硫酸アンモニウム0.08g、2-エチルヘキシルアクリレート4.0g、スチレン4.0g、脱塩水32gを仕込み300rpmで撹拌しながら窒素ガスを通じた。30分後、70℃まで昇温し、6時間保持した。その後冷却し、100メッシュの濾布で固形物を除去した後、水を加えて総量50gとして、高分子サイズ剤を得た。これを実施例1として、濃度、ガラス転移温度(計算値)、粒径を表1に示す。
(実施例2~11)
カチオン性高分子の種類と量、疎水性単量体の種類と量、メルカプトプロピオン酸の量を表1に記載した様に変更した以外は実施例1に従い高分子サイズ剤を得た。それぞれ実施例2~11として、濃度、ガラス転移温度(計算値)、粒径を表1に示す。
(比較例1)
メルカプトプロピオン酸を使用しない以外は実施例1に従い高分子サイズ剤を得た。これを比較例1として、濃度、ガラス転移温度(計算値)、粒径を表1に示す。
(比較例2)
2-エチルヘキシルアクリレートの代わりにエチルアクリレートを使用し、メルカプトプロピオン酸を0.5質量%(カチオン性高分子と単量体の総質量に対して)とした以外は実施例1に従い高分子サイズ剤を得た。これを比較例2として、濃度、ガラス転移温度(計算値)、粒径を表1に示す。
(比較例3)
200mLの4つ口フラスコにメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド1.0g、2-エチルヘキシルアクリレート4.5g、スチレン4.5g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2g、メルカプトプロピオン酸0.05g、2、2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩(富士フィルム和光純薬工業製VA-044)0.04g、脱塩水40gを仕込み300rpmで撹拌しながら窒素ガスを通じた。30分後、45℃まで昇温し、5時間保持した。その後70℃で1時間保持した。その後冷却し、高分子サイズ剤を得た。これを比較例3として、濃度、ガラス転移温度(計算値)、粒径を表1に示す。
(表1)
Figure 2024059162000001
(略号の説明)
カチオン性高分子;CP1:カチオン性高分子1、CP2:カチオン性高分子2、MOETAC:メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
疎水性単量体;2EHA:2-エチルヘキシルアクリレート、St:スチレン、
BuM:ブチルメタクリレート、EA:エチルアクリレート
連鎖移動剤;MPA:メルカプトプロピオン酸、添加率(質量%):対カチオン性高分子と疎水性単量体
(実施試験例1)
段ボール古紙を離解、叩解しパルプ固形分2質量%、pH6.5に調整した。叩解度は315mLであった。本紙料を固形分濃度が1質量%になるように水道水で希釈し試験に供した。
パルプ濃度1質量%のスラリー500mLに対し、パルプ固形分に対し0.5質量%となるように表1の実施例の高分子試料を添加し、800rpmで1分間撹拌後、TAPPIスタンダードシートマシンにて抄紙(80メッシュワイヤー使用)し、続いて圧力410kPaで5分間プレスし、更に回転型乾燥機を使用し105℃で乾燥した。温度23℃、湿度50%の条件下で24時間調湿して、坪量80g/cmの紙を得た。
JIS P 8140:1998に従いコッブ吸水度を測定した(接触時間30秒)。又、JIS P8131:2009に従いKRK破裂度試験機(高圧型、熊谷理機工業社製)を用いて比破裂強度を測定した。これらの結果を表2に示す。コッブ吸水度は値が小さいほどサイズ性が良いことを示す。
(比較試験例1)
実施試験例1と同じパルプスラリーを用いて、実施試験例1と同様な試験を表1の比較例の高分子試料あるいは市販ロジン(濃度30質量%)を用いて実施した。又、実施試験例1と同様な試験を、市販ロジン添加、800rpmで10秒攪拌後、市販有機凝結剤[カチオン性ポリアクリルアミド、濃度30質量%、カチオン当量値5.0meq/g(pH7)]を0.04質量%(対パルプ固形分)添加、800rpmで1分間攪拌して実施した。これらの結果を表2に示す。
(表2)
Figure 2024059162000002
本発明における高分子試料を添加した実施試験例は、比較試験例に比べてコッブ吸水度の値が小さく、サイズ度が優れることが分かった。又、硫酸バンドや有機凝結剤を添加することなく、製紙用サイズ剤として有用であることが確認できた。市販ロジンでは有機凝結剤と併用するとサイズ度は優れるが紙力は低下を示した。









Claims (8)

  1. カチオン性高分子と連鎖移動剤存在下、1種以上の疎水性単量体を乳化重合して得られる高分子を含有する製紙用サイズであって、前記疎水性単量体が、20℃における水への溶解度が1質量%以下であることを特徴とする製紙用サイズ剤。
  2. 前記カチオン性高分子が、80質量%以上のカチオン性単量体とこれと共重合可能な単量体を重合して得られるものである請求項1記載の製紙用サイズ剤。
  3. 前記カチオン性高分子が、カチオン性高分子と疎水性単量体の量に対し、5~40質量%である請求項1または2記載の製紙用サイズ剤。
  4. 連鎖移動剤が、カチオン性高分子と疎水性単量体の量に対し、0.01~1質量%である請求項1または2記載の製紙用サイズ剤。
  5. 前記カチオン性高分子が、カチオン性高分子と疎水性単量体の量に対し、5~40質量%であり、前記連鎖移動剤が、カチオン性高分子と疎水性単量体の量に対し、0.01~1質量%である請求項1または2記載の製紙用サイズ剤。
  6. 疎水性単量体を重合して得られる高分子のガラス転移温度が-10~80℃である請求項1または2記載の製紙用サイズ剤。
  7. 前記カチオン性高分子が、カチオン性高分子と疎水性単量体の量に対し、5~40質量%であり、疎水性単量体を重合して得られる高分子のガラス転移温度が-10~80℃である請求項1または2記載の製紙用サイズ剤。
  8. 前記カチオン性高分子が、カチオン性高分子と疎水性単量体の量に対し、5~40質量%であり、前記連鎖移動剤が、カチオン性高分子と疎水性単量体の量に対し、0.01~1質量%であり、疎水性単量体を重合して得られる高分子のガラス転移温度が-10~80℃である請求項1または2記載の製紙用サイズ剤。



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