JP2024058187A - 成形機 - Google Patents

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Abstract

【課題】異常等の発生要因の特定が容易化される成形機を提供する。【解決手段】ダイカストマシン1において、コントロールユニット5は、センサ31からの検出信号SG1が入力されるとともに駆動部33に制御信号SG2を出力する。コントロールユニット5において、PLC21は、レジスタ35を有している。リングバッファ37は、検出信号SG1、制御信号SG2、及びレジスタ35のうちの1つである第1対象を含む1以上の対象の状態について、成形サイクルの進行に伴って時々刻々と新しい情報が記憶されるとともに古い情報が消去されることによって更新される時系列データD5を保持する。コントロールユニット5は、所定の停止条件が満たされたことを条件として時系列データD5の更新を停止する。ディスプレイ17は、更新が停止された時系列データD5に基づいて上記第1対象の状態を表示する。【選択図】図2

Description

本開示は、成形機に関する。成形機は、例えば、金属を成形するダイカストマシン、又は樹脂を成形する射出成形機である。
産業機器の動作に係るデータを収集する技術が種々知られている(例えば特許文献1~4)。また、成形機の状態の経時変化を波形によって表示する技術が知られている(例えば特許文献5~8)。
特開2010-211555号公報 特開2020-123230号公報 国際公開第2020/44908号 国際公開第2020/44909号 特開2004-155065号公報 特開2015-142977号公報 国際公開第2014/76752号 特開2019-13933号公報
例えば、異常等の発生要因の特定が容易化される成形機が待たれる。
本開示の一態様に係る成形機は、センサ及び駆動部を有しているマシン本体と、前記センサからの検出信号が入力されるとともに前記駆動部に制御信号を出力するコントロールユニットと、前記コントロールユニットによって制御されるディスプレイと、を有しており、前記コントロールユニットは、レジスタを有しているPLCと、前記検出信号、前記制御信号及び前記レジスタのうちの1つである第1対象を含む1以上の対象の状態について、成形サイクルの進行に伴って時々刻々と新しい情報が記憶されるとともに古い情報が消去されることによって更新される時系列データを保持するメモリと、を有しており、所定の停止条件が満たされたことを条件として前記時系列データの更新を停止し、前記ディスプレイは、更新が停止された前記時系列データに基づいて前記第1対象の状態を表示する。
上記の構成によれば、異常等の発生要因の特定が容易化される。
実施形態に係るダイカストマシンの構成を示す側面図。 図1のダイカストマシンの信号処理系の構成を示すブロック図。 図1のダイカストマシンにおける波形表示の画面の例。 図1のダイカストマシンにおける波形表示の画面の他の例。 図1のダイカストマシンにおける波形表示の画面の更に他の例。 図1のダイカストマシンにおける設定画面の例。 図1のダイカストマシンにおける記録対象の例を説明する模式図。 図1のダイカストマシンにおける記録対象の他の例を説明する模式図。 図1のダイカストマシンにおける記録パターンの例を説明する模式図。 図1のダイカストマシンにおいて記録に係る動作を実現するためにコントロールユニットが実行する処理の手順の概要を示すフローチャート。 図1のダイカストマシンにおける設定保存のための構成の概要を示すブロック図。
以下、図面を参照して、本開示に係る複数の態様について説明する。なお、複数の態様のうち相対的に後に説明される態様については、基本的に、先に説明された態様との相違点についてのみ述べる。特に言及が無い事項については、先に説明された態様と同様とされたり、先に説明された態様から類推されたりしてよい。また、複数の態様において互いに対応する構成については、相違点があっても、便宜上、互いに同一の符号を付すことがある。
(実施形態に係る成形機の概要)
図1は、実施形態に係るダイカストマシン1(成形機の一例)の構成を示す側面図(一部は断面図又はブロック図)である。図の上下方向は鉛直方向である。
ダイカストマシン1は、金型101内(空間107)に不図示の溶湯(溶融状態の金属)を充填することによってダイカスト品(上位概念では成形品)を作製する。ダイカストマシン1は、機械的な動作を行うマシン本体3と、マシン本体3を制御するコントロールユニット5とを有している。また、ダイカストマシン1は、コントロールユニット5とオペレータ(上位概念ではユーザ)とを仲介するHMI(Human Machine Interface)13を有している。HMI13は、例えば、オペレータの操作を受け付ける入力装置15と、任意の画像を表示するディスプレイ17とを有している。
図2は、ダイカストマシン1の信号処理系の構成を示すブロック図である。
マシン本体3は、マシン本体3の各部の状態等を検出する複数のセンサ31(図2では1つのみ例示)と、マシン本体3の各部を駆動する複数の駆動部33(図2では1つのみ例示)とを有している。なお、以下の説明では、便宜上、特に断り無く、1つのセンサ31及び1つの駆動部33を例に取ることがある。コントロールユニット5は、例えば、マシン本体3の制御を直接的に担うコントローラ19と、コントローラ19を介してマシン本体3を制御することによってシーケンス制御を実現するPLC(Programmable Logic Controller)を有している。
コントローラ19は、センサ31から検出信号SG1が入力されるとともに、駆動部33に制御信号SG2を出力する。PLC21は、コントローラ19から入力信号SG3が入力されるとともに、コントローラ19に出力信号SG4を出力する。入力信号SG3は、例えば、PLC21おける制御の各段階を進めるか否かの判定に供される情報を含んでいる。出力信号SG4は、例えば、制御の各段階を進めるための指令を含んでいる。コントローラ19は、検出信号SG1及び出力信号SG4に基づいて制御信号SG2を生成する。
PLC21は、複数のレジスタ35を有している。PLCに関して、レジスタを含む複数の用語については、PLCのメーカによって異なることがある。後に詳述するが、各レジスタ35は、例えば、メーカによってデバイスと称される機能に対応するメモリである。レジスタ35が記憶している情報は、例えば、制御の各段階を進めるか否かの判定に供される。
実施形態の説明では、便宜上、種々の信号(SG1~SG4)及びレジスタ35を「対象」等と称することがある。コントローラ19は、上記の種々の対象の少なくとも1つの「対象の状態」の情報を常に(換言すれば継続的に)記憶するメモリ(例えばリングバッファ37)を有している。対象の状態は、例えば、対象の電位、電圧又は電流であり、通常、対象が保持している情報に対応している。リングバッファ37が記憶する情報は、その状態自体(例えば電位、電圧又は電流)の情報であってもよいし、対象がその状態によって保持している情報(例えば速度又は圧力)であってもよい。対象の状態は、信号(対象)が出力されていない状態、及び対象が情報を保持していない状態等を含む、より広い概念であってよい。
リングバッファ37は、より詳細には、例えば、対象の状態について、最新の時系列データを保持している。具体的には、リングバッファ37は、対象の状態について、成形サイクルの進行に伴って時々刻々と新しい情報が記憶されるとともに古い情報が消去される。これにより、リングバッファ37が保持している時系列データは、時々刻々と更新されて最新のものに維持されている。
コントローラ19は、所定の停止条件が満たされたことを条件として、時系列データの更新を停止する。停止条件は、後述するように種々可能であるが、ここでは簡便に、異常が発生したときに時系列データの更新を停止する態様を例に取る。そして、コントローラ19は、更新が停止された時系列データに基づいて、対象の状態の情報をディスプレイ17に表示させる。
これにより、例えば、異常が生じたときに事後的に当該異常が生じるまでのダイカストマシン1の状況を把握することができる。従って、異常が発生する状況を再現するテストを行ってダイカストマシン1の状況を把握する必要性が低減される。その結果、異常の要因特定が容易化される。また、再現テストを行っても、同じ異常が生じるとは限らないから、異常の要因特定に時間を要することがある。従って、本実施形態では、異常の要因特定の早期化も図られる。また、例えば、対象の状態について古い情報を消去しつつ記録を行っていることから、記憶容量を節約しつつ、異常が生じたときの状態を多数の対象の状態について記録することができる。異常の要因が予想外のものである場合においては、上記要因の特定が困難である。しかし、多数の対象の経時変化を把握できることによって異常の要因特定の容易化及び/又は早期化が図られる。
以上が実施形態に係るダイカストマシン1の概要である。以下では、概略、下記の順に説明を行う。
1.マシン本体(図1)
1.1.マシン本体全般
1.2.センサ及び駆動部
2.コントロールユニット(図2)
2.1.コントロールユニット全般
2.2.リングバッファ及びレジスタ
3.HMI(図2)
4.画面の例(図3~図6)
4.1.画面全般
4.2.波形表示
4.2.1.波形表示全般
4.2.2.第1波形画像(図3及び図4)
4.2.3.第2波形画像(図5)
4.3.数字画像(カーソル値表示、図3)
5.記録される対象(図7及び図8)
5.1.記録される対象全般
5.2.記録される対象が選択される態様(図8)
6.記録の停止条件
6.1.記録のパターン(図9)
6.2.停止条件の例
6.3.停止条件の設定画面の例(図4及び図6)
6.3.1.停止条件全般の設定画面
6.3.2.レジスタによるトリガの設定画面
7.記録に係る動作手順の例(図10)
8.過去の設定の利用(図11)
9.エクスポート機能(図2)
10.実施形態のまとめ
(1.マシン本体)
(1.1.マシン本体全般)
図1に示すマシン本体3は、既述の金型101を保持している。金型101は、製品に応じて交換される。従って、マシン本体3(別の観点ではダイカストマシン1)は、金型101を除いて定義されてもよいし、金型101を含んで定義されてもよい。実施形態の説明では、特に断り無く、前者を例に取ることがある。
同様に、金型101に付随するセンサ31及び駆動部33は、マシン本体3の構成要素として捉えられなくてもよいし、捉えられてもよい。実施形態の説明では、特に断り無く、前者を例に取ることがある。金型101に付随するセンサ31としては、例えば、溶湯の所定位置への到達を検出するセンサ、及び金型101の温度を検出するセンサが挙げられる。また、金型101に付随する駆動部33としては、例えば、中子を駆動する駆動部、及び局部加圧を行う駆動部が挙げられる。
金型101は、例えば、固定型103と、移動型105とを含んでいる。ダイカストマシン1は、図1において2点鎖線で示されているように、固定型103に対して移動型105を近づけて当接させる(型閉じを行う)。これにより、固定型103と移動型105との間に成形品の形状と同様の形状を含む空間107が構成される。
マシン本体3は、既述のとおり、空間107に溶湯を充填する(射出を行う。)。空間107に充填された溶湯は金型101に熱を奪われて凝固する。これにより、成形品が作製される。その後、マシン本体3は、成形品を取り出すために、移動型105を固定型103から離す(型開きを行う。)。
マシン本体3は、例えば、上記のような型閉じ、射出及び型開きが順に行われる成形サイクルを繰り返す。成形サイクルは、コントロールユニット5によってマシン本体3の種々の駆動部33が制御されることによって実現される。溶湯は、上位概念でいえば、未硬化状態の成形材料である。未硬化状態は、液状の他、固液共存状態を含む。
上記のような動作を実現するために、マシン本体3は、例えば、金型101の開閉及び型締めを行う型締装置7と、金型101内に溶湯を射出する射出装置9と、ダイカスト品を固定型103又は移動型105(図1では移動型105)から押し出す押出装置11とを有している。これらの構成は、種々の態様とされてよく、公知の構成とされて構わない。
例えば、型締装置7は、トグル機構を利用して型開閉及び型締めを行うものであってもよいし(図示の例)、トグル機構を有さないものであってもよい。後者の態様において、型開閉と、型締めとは別個の駆動源によって行われてもよい。また、例えば、型締装置7の駆動方式は、電動式、液圧式(油圧式)又はこれらを組み合わせたハイブリッド式であってよい。
射出装置9は、例えば、コールドチャンバマシン用のものであってもよいし(図1の例)、ホットチャンバマシン用のものであってもよいし、両者を組みわせたようなハイブリッド式のものであってもよい。また、例えば、射出装置9の駆動方式は、電動式、液圧式(油圧式)又はこれらを組み合わせたハイブリッド式であってよい。
押出装置11は、例えば、移動型105から成形品を押し出すものであってもよいし(図1の例)、固定型103から成形品を押し出すものであってもよい。また、例えば、押出装置11は、電動式又は液圧式(油圧式)の駆動源を有するものであってもよいし、型締装置7による型開きを利用するもの(駆動源を有さないもの)であってもよい。
(1.2.センサ及び駆動部)
センサ31(図2)は、例えば、成形サイクルに係る物理量を計測する。当該物理量は、換言すれば、例えば、成形サイクルの進行に伴って値が変化する物理量、及び/又は成形サイクル同士で値が異なる物理量である。複数のセンサ31は、種々のものとされてよく、例えば、公知のものとされてよい。
以下にセンサ31の具体例を挙げる。射出速度を検出するセンサ、射出圧力を検出するセンサ、型締力を検出するセンサ、駆動部33を構成する液圧回路の適宜な位置の圧力又は流量を検出するセンサ、駆動部33を構成する電動機のトルクを検出するセンサ、所定の部材が所定の位置に到達したことを検出するリミットスイッチ。
上記から理解されるように、センサ31(例えば位置センサ又は圧力センサ)は、例えば、所定のサンプリング周期で継続的に物理量を検出し、その検出された物理量の値に応じた状態の検出信号SG1を出力するものであってよい。また、センサ31(例えばリミットスイッチ)は、ON又はOFFのときにのみ検出信号SG1を出力するものであってもよいし、ON及びOFFのときに互いに異なる状態の検出信号SG1を出力するものであってもよい。
センサ31は、物理量を電気信号に変換するトランスデューサーのみを有していてもよいし、トランスデューサーに加えて、電気信号に対して増幅及び/又は演算等の処理を行う処理部を有していてもよい。トランスデューサーと処理部とは互いに固定されてマシン本体3の特定の位置に共に配置されていてもよいし、トランスデューサーのみが上記の特定の位置に配置されていてもよい。いずれの配置においても、上記の説明とは異なり、処理部は、センサ31の一部ではなく、コントロールユニット5の一部であると捉えられてもよい。換言すれば、センサ31がトランスデューサーを含んでいる限り、センサ31とコントロールユニット5(又はコントローラ19)との境界は、そのハードウェア構成等によらずに、適宜に定義されてよい。
これまでの説明から理解されるように、センサ31からコントロールユニット5に入力される制御信号SG1は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。デジタル信号は、2値であってもよいし、多値であってもよい。また、制御信号SG1は、1ビットの情報(例えばON及びOFF)を含むものであってもよいし、2ビット以上の情報(例えば数値)を含むものであってもよい。本段落の説明は、矛盾等が生じない限り、他の信号(例えばSG2~SG8)に援用されてよい。
駆動部33(図2)は、成形サイクルに係る駆動力を生じる。駆動部33の具体例を以下に挙げる。型締装置7に設けられ、移動型105を保持する移動ダイプレートの移動に係る1以上の駆動部。射出装置9に設けられ、溶湯を空間107へ押すプランジャの移動に係る1以上の駆動部。押出装置11に設けられ、製品を型から押し出す押出ピンの移動に係る1以上の駆動部。上記の各装置の1以上の駆動部は、より具体的には、例えば、移動対象(例えば移動ダイプレート、プランジャ又は押出ピン)を直接的に移動させる電動機、ポンプを駆動する電動機、作動液(例えば作動油)の流れを制御するバルブである。
駆動部33は、例えば、直接的に駆動力を生じる要素(例えば電動機及びバルブ)と、上記要素に電力を供給するドライバとを有している。コントロールユニット5(又はコントローラ19)から駆動部33へ出力される制御信号SG2は、例えば、ドライバに入力されるものである。もっとも、コントロールユニット5は、ドライバを含んで定義されても構わない。
(2.コントロールユニット)
(2.1.コントロールユニット全般)
コントロールユニット5(図2)は、例えば、既述のように、コントローラ19及びPLC21を有している。ただし、図示の態様とは異なり、コントロールユニット5は、PLC機能を有するコントローラを含む構成(コントロールユニット5がPLC機能を有するコントローラ自体である態様を含む。)であってもよい。コントロールユニットがPLCを有するというとき、PLCは、上記のようなPLC機能を有するコントローラであってもよいし、そのうちのPLC機能であってもよい。実施形態の説明では、便宜上、基本的に、図示の態様(コントローラ19及びPLC21が設けられている態様)を例に取る。
コントローラ19は、例えば、コンピュータによって構成されていてよい。コンピュータは、例えば、特に図示しないが、CPU(central processing unit)、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)及び補助記憶装置を含んで構成されている。CPUがROM及び/又は補助記憶装置に記憶されているプログラムを実行することによって、種々の演算を行う種々の機能部が構築される。例えば、リングバッファ37への対象の状態の記録を制御する記憶制御部及びディスプレイ17を制御する表示制御部が構築される。コントローラ19は、一定の処理のみを行う論理回路を含んでいてもよい。
PLC21は、例えば、コントローラ19と同様に、コンピュータによって構成されている。PLC21のコンピュータも、例えば、CPU、ROM、RAM及び補助記憶装置を含んで構成されている。そして、CPUがROM及び/又は補助記憶装置に記憶されているプログラムを実行することによって、種々の演算を行う種々の機能部が構築される。PLC21も、一定の処理のみを行う論理回路を含んでいてもよい。ただし、より詳細には、PLC21のコンピュータは、PLC21に要求される耐久性等に応じて、利用されるメモリの構成等がコントローラ19のコンピュータとは異なることがある。また、PLC21は、シーケンス制御用のプログラミング言語を用いて構成されたプログラム(ラダープログラム等)を使用する。
コントローラ19及びPLC21は、適宜に分散されてよい。別の観点では、実施形態の説明におけるコントローラ19は、複数のコントローラを1つのコントローラとして概念したものであってよい。PLC21についても同様である。例えば、コントローラ19は、型締装置7、射出装置9及び押出装置11にそれぞれ対応する複数のコントローラを含んでいてよい。この複数のコントローラは、例えば、PLC21からの出力信号SG4に応じて動作することによって同期が図られる。複数のコントローラを含むコントローラ19が、より精密な同期を図るための機能を有していてもよい。コントローラ19とPLC21との役割分担は適宜に設定されてよい。
コントロールユニット5は、例えば、不図示の制御盤に設けられている。コントロールユニット5の一部は、ハードウェア的にHMI15と組み合わされていてもよい。コントロールユニット5の一部は、制御盤とは離れて他の適宜な位置に配置されていてもよい。
(2.2.リングバッファ及びレジスタ)
リングバッファ37(図2)は、公知のように、また、後述する図7に示すように、複数の要素バッファ37aが概念的に環状につなげられて構成されているバッファ(記憶領域)である。複数の要素バッファ37aは、例えば、それぞれ所定の容量を有しており、先端の要素バッファ37aから終端の要素バッファ37aまで物理的に並んでいる。また、先端と終端とは論理的につながっている。そして、先端側から終端側へ要素バッファ37aに対する情報の記憶が順に行われ、終端に至ると、先端に戻って、情報の記憶が継続される。
コントロールユニット5は、所定のサンプリング周期が経過する度に、記録が意図されている全ての対象の状態の情報を1つの要素バッファ37aに記録する。これにより、リングバッファ37には時系列データが保持される。また、一旦、情報が記録される順番が終端の要素バッファ37aへ至ると、古い情報は、新しい情報に上書きされていく。これにより、時系列データが更新される。これまでの説明から理解されるように、図7のリングバッファ37(複数の要素バッファ37a)を示す図形は、時系列データD5を模式的に示した図形と捉えられてもよい。
なお、対象(SG1~SG4及び35等)の状態について、時々刻々と新しい情報が記憶されるとともに古い情報が消去されるメモリは、リングバッファ37以外のメモリによって実現されても構わない。また、実施形態の説明では、便宜上、リングバッファ37に利用される記憶領域のうちの、いわゆる剰余となる部分については無視した表現をすることがある。リングバッファ37への記録が開始されるときの要素バッファ37aは、先頭の要素バッファ37aでなくてよい。ただし、便宜上、特に断り無く、両者が同じであることを前提とした表現をすることがある。
上記のように、1つの要素バッファ37aには、所定のサンプリング周期毎(便宜上、1つの時点ということがある)の、記録が意図されている全ての対象の状態の情報が記録されている。換言すれば、1つのリングバッファ37は、記録が意図されている全ての対象に対応している。もっとも、対象毎に1つのリングバッファ37が用意されたり、所定数の対象毎に1つのリングバッファ37が用意されたりして、複数のリングバッファ37が設けられても構わない。ただし、複数のリングバッファを1つのリングバッファとして捉えることも可能である。また、実施形態の説明では、便宜上、特に断り無く、1つのリングバッファ37が設けられている態様を前提とした表現をすることがある。
リングバッファ37の容量は、コントロールユニット5の製造者によって設定されていてもよいし、入力装置15等に対する操作によってユーザによって設定されてもよいし、コントロールユニット5が種々の情報に基づいて設定してもよい。ユーザ及び/又はコントロールユニット5によって容量を設定可能である場合において、その最大値(換言すればリングバッファ37のために用意されている記憶領域の容量)は、例えば、製造者によって設定されている。実施形態の説明では、特に断り無く、リングバッファ37の容量が最大値とされていることを前提とした表現をすることがある。
リングバッファ37の容量及び/又はその最大値の大きさは任意である。例えば、リングバッファ37の容量及び/又はその最大値は、1回以上(換言すれば1回又は複数回)の成形サイクルの時系列データを記憶可能な容量とされてよい。後述するように、記憶される対象は、ユーザが選択可能であってもよい。この場合、例えば、選択可能な全ての対象が選択されたときに、リングバッファ37の容量の最大値は、1回以上(換言すれば1回又は複数回)の成形サイクルの時系列データを記憶可能であってもよいし、なくてもよい。なお、記憶される対象がユーザによって選択可能でない場合においても、リングバッファ37の容量の最大値は、1回の成形サイクル未満の時系列データを記憶可能なだけであっても構わない。
既述のように、1つの要素バッファ37aには、1つのサンプリング周期における各対象の状態が記録される。ただし、1つの要素バッファ37a内に、連続する2以上のサンプリング周期の情報が記録されてもよい。また、例えば、コントロールユニット5がセンサ31の検出信号SG1から情報を得る検出周期が上記サンプリング周期の半分未満である態様において、1つの要素バッファ37aに記録される情報は、1つのサンプリング周期に含まれる2以上の検出周期で得られた2以上の情報であってもよいし、上記2以上の情報から適宜に選択された1つの情報であってもよい。検出信号SG1を例に取ったが、他の対象についても同様である。
上記のサンプリング周期は、制御の周期と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、後者の場合において、サンプリング周期を設定する主体は任意である。例えば、サンプリング周期は、コントロールユニット5の製造者によって設定されていてもよいし、入力装置15等に対する操作によってユーザによって設定されてもよいし、コントロールユニット5が鋳造条件等に応じて設定してもよい。
後述するように、リングバッファ37に状態が記録される対象は、入力装置15に対する操作等によって選択可能(換言すれば変更可能)であってよい。この場合、要素バッファ37aの容量は、選択結果に応じて変更されてもよいし、選択結果によらずに一定とされてもよい。別の観点では、要素バッファ37aは、利用されない記憶領域が存在してもよいし、存在しなくてもよい。
レジスタ35(図2)は、既述のように、PLCのメーカによってはデバイスと称される機能に対応するメモリである。そのようなデバイスとしては、例えば、1ビット(bit)の記憶容量を有するビットデバイス、又は複数ビット(例えば8ビット又は16ビット)の記憶容量を有するバイトデバイス若しくはワードデバイスが挙げられる。ビットデバイスとしては、例えば、内部リレー(補助リレー又は仮想リレーと称されることもある。)が挙げられる。バイトデバイス又はワードデバイスとしては、例えば、タイマ、カウンタ、任意の数値(例えば電動機の回転数等)を記憶するメモリ(メーカによっては、このメモリがデータレジスタ等のレジスタの語で称されることもある。)が挙げられる。
レジスタ35が記憶している情報は、例えば、既述のように、制御の各段階を進めるか否かの判定に供される。従って、レジスタ35は、例えば、ラダー図において、横線内に位置する要素を実現するメモリということもできる。
PLC21において、入力信号SG3が入力される入力リレー及び出力信号SG4を出力する出力リレーは、プログラムによって実現される機能部ではなく、物理的なデバイスであることから、一般に、上記のようなレジスタ35(デバイス)とは区別される。ただし、入力信号SG3及び出力信号SG4が保持する情報は処理のためにPLC21のメモリに一時的に記憶される。レジスタ35の概念は、このメモリに拡張されても構わない。換言すれば、入力リレー及び出力リレーに対応するレジスタ35が設けられていると捉えられてよい。実施形態の説明においては、矛盾等が生じない限り、入力信号SG3及び出力信号SG4の状態と、入力リレー及び出力リレーに対応するレジスタ35の状態とは、等価と捉えられてよい。
コントロールユニット5は、既述のように、PLC機能を有するコントローラを有する構成であってよい。この場合においては、入力信号SG3及び出力信号SG4は生成されず、これらの信号のための入力リレー及び出力リレーは設けられない。ただし、入力信号SG3及び出力信号SG4が保持する情報に対応する情報は、処理のために一時的にメモリに記憶される。従って、前段落と同様に、入力リレー及び出力リレーに対応するレジスタ35が設けられていると捉えられてよい。そして、コントローラ19とPLC21とが別である態様と同様に、レジスタ35の状態の記憶及び表示によって、入力信号SG3及び出力信号SG4の状態の記憶及び表示と等価な動作が実現される。
レジスタ35(及びレジスタ35に付随する要素)の物理的な構成は任意である。例えば、レジスタ35は、停電が生じても情報を保持可能であってもよいし、保持不可能であってもよいし、ユーザの設定によって上記のような可否を選択できてもよい。また、複数のレジスタ35は、上記のような停電のときの情報の保持の可否が互いに異なっていてよい。
(3.HMI)
HMI13(図1及び図2)の構成は、種々の構成とされてよく、例えば、公知の構成とされて構わない。また、ここでのHMIの語は、広く解釈されてよい。例えば、HMIは、マシン本体3の構成等に応じて専用に構成されたものだけでなく、タッチパネル式のPC(Personal Computer)及び一般的な構成のPC(キーボード及びディスプレイを含むもの)によって構成されたものを含む。図1では、ダイカストマシン1に専用のものが例示されている。
HMI13は、既述のとおり、入力装置15及びディスプレイ17を有している。特に図示しないが、HMI13は、上記の他、点灯状態によって情報を提示するランプ(例えばLED)、及び音響的に情報を提示するもの(例えばスピーカ)を有していてもよい。
入力装置15及びディスプレイ17の構成も任意である。例えば、入力装置15は、タッチパネルと、機械式のスイッチとを含んで構成されてよい。また、例えば、ディスプレイ17は、液晶表示ディスプレイ又は有機ELディスプレイを含んでいてよい。ディスプレイ17は、上記のタッチパネルの表示部を構成してよい。
入力装置15は、例えば、オペレータの操作に応じた信号SG5を生成してコントローラ19に出力する。また、ディスプレイ17は、例えば、コントローラ19から入力された信号SG6に基づいて画像を表示する。
HMI13の配置位置は任意である。図1では、HMI13は、型締装置7の不動部分(固定ダイプレート)に固定されている。図示の例とは異なり、HMI13は、不図示の制御盤に位置していてもよいし、制御盤とは別に、マシン本体3から離れて位置していてもよい。
HMI13とコントローラ19との役割分担は適宜に設定されてよい。例えば、コントローラ19は、対象(SG1~SG4及び35)の状態の情報に基づいて画像データを生成し、当該画像データの情報を含む信号SG6をHMI13へ出力してよい。上記とは異なり、コントローラ19は、対象の状態の情報を含む信号SG6を出力し、HMI13が信号SG6に基づいて上記画像データを生成してもよい。
前段落の説明とは異なり、ハードウェア構成に関わらずに、コントローラ19とHMI13との境界が適宜に定義されてもよい。例えば、上記画像データの生成を行うCPUが、コントローラ19の少なくとも一部を含むことが明らかな制御盤と、ディスプレイ17を有するタッチパネルPC(図1の例とは異なる態様)とのいずれに位置しているかに関わらず、画像データの生成を行う部分までがコントローラ19と定義されてもよい。
(4.画面の例)
(4.1.画面全般)
図3~図6は、ディスプレイ17に表示される画面の例を示している。これらの図に例示されている画面の説明では、特に断り無く、ディスプレイ17がタッチパネルの表示部である態様を例に取ることがある。なお、以下の説明におけるタッチパネルの語は、矛盾等が生じない限り、入力に関しては入力装置15の語に置換されてよく、表示に関してはディスプレイ17の語に置換されてよい。
図3、図4及び図5は、それぞれ、対象(SG1~SG4及び35)の状態の記録を停止した後、リングバッファ37に記録されている対象の状態の情報(時系列データ)に基づいて対象の状態を示す画面201A、201B及び画面201Cを示している。図6は、リングバッファ37による記録を停止する条件を設定するための画面201Dを示している。ここでは、主として、画面201A~201Cについて説明する。画面201Dについては、後述する第6節の記録の停止条件の説明において説明する。
画面201A~201C(画像)のそれぞれは、例えば、ディスプレイ17の画面(画像を映し出す面)の全体に表示される。そして、入力装置15に対する操作によって選択的にディスプレイ17に表示される。例えば、各画面(画像)の右下の複数のボタンBT1のいずれかを操作することによって、他のいずれかの画面(画像)に切り換わる。
画面201A~201Cのいずれも、対象の状態の経時変化を波形(線Ln1又はLn3)によって示す画像を含んでいる。画面201A及び201Bは、例えば、1本以上(図では3つを例示)の線Ln1によって、検出信号SG1及び/又は制御信号SG2の状態を示す第1波形画像203Aを含んでいる。画面201Cは、例えば、1本以上(図では4本を例示)の線Ln3(Ln3a及び3bを含む。)によって、レジスタ35の状態(入力信号SG3及び出力信号SG4を含んでよい。)の状態を示す第2波形画像203Cを含んでいる。
画面201A及び201Bは、第1波形画像203Aが共通している。そして、第1波形画像203A以外の領域(換言すれば画面の一部)に互いに異なる画像を含んでいる。具体的には、例えば、画面201Aは、対象の状態を数字(上位概念では文字)で示す数字画像205Aを含んでいるのに対して、画面201Bは、リングバッファ37による記録に関する設定を示す設定画像205Bを含んでいる。なお、設定画像205Bの詳細については、ここ(第4節)ではなく、後述する第6節の記録の停止条件の説明において説明する。
種々の画面(201A~201D)の表示に際しては、画像表示に関する公知の種々の手法が適用されてよい。例えば、波形が表示される範囲は、スクロールバー(不図示)によって変更可能であってよい。これにより、例えば、波形を示す画像の縦軸又は横軸の任意かつ一部の範囲が表示されたり、互いに異なる領域に表示された複数の波形(画面201Cを参照)のうち一部の波形が表示されたりしてよい。
本開示の説明では、ディスプレイ17が、リングバッファ37に記憶されている情報(時系列データD5)に基づく表示を行うというような表現を用いることがある。この場合、HMI13がリングバッファ37を有していないことから明らかなように、リングバッファ37に記録されている情報が直接的に表示に利用される必要はない。コントローラ19からHMI13への信号SG6、及び/又はリングバッファ37からコピーされた情報を保持している他のメモリに基づいて表示が行われてよい。他のメモリにコピーされた時系列データD5に基づいて表示が行われても、リングバッファ37の時系列データD5に基づく表示が行われていることに変わりはない。
(4.2.波形表示)
(4.2.1.波形表示全般)
第1波形画像203A及び第2波形画像203Cにおいて、横軸は、時間tを示している。縦軸は、表示される対象の状態に対応する値を示している。縦軸の値は、対象の状態自体(例えば信号の電位、電圧又は電流)であってもよいし、状態に応じた情報(例えば速度又は圧力)であってもよい。横軸及び縦軸の具体的な図形(表示態様)は任意である。例えば、図示の例のように軸状であってもよいし、波形を表示する領域の外縁の辺であってもよい。
横軸及び縦軸の始点、終点及び/又は縮尺(軸が示す値の範囲と画面上の軸の長さ(画素数)との相対関係)は、適宜に変更可能であってよい。例えば、複数のボタンBT1のいずれかに対する操作によって、数字画像205Aに代えて、始点、終点及び/又は縮尺を変更するための画像が表示されてよい。換言すれば、画面201A~201Cとは異なる画面に切り換えられてよい。そして、その画面で、始点、終点及び/又は縮尺を指定可能であってよい。
複数の要素バッファ37aへ順に記録が行われるサンプリング周期は、例えば、一定である。従って、要素バッファ37aの順番と経過時間とは線形の関係にあり、複数の要素バッファ37a(対象の状態)と時間t(横軸)とは容易に対応付けられる。コントローラ19は、リングバッファ37への記録を開始したときに記録が行われた要素バッファ37aを特定する情報(例えば、アドレス、インデックス又はポインタ)を取得するなど、所定の時点(例えば記録開始時点)と要素バッファ37aの順番とを適宜に対応付けてよい。
記録開始時点は、波形を表示するときの横軸(時間t)のゼロとされてもよいし、されなくてもよい。また、横軸においては、時間tに加えて、又は代えて、他の情報(例えば「射出開始」などのシーケンス制御の段階を示す情報)が表示されてもよい。時間tに代えて上記他の情報が表示される態様においては、横軸上の位置と経過時間とは線形の関係になくてもよい。このような態様であっても、対象の状態の経時変化を示す波形が表示されていると捉えられてよい。
波形表示に際しては、波形表示に関する公知の種々の手法が適宜に適用されてよい。例えば、元のデータだけが用いられて点及び/又は線が描かれてもよいし、データ間の補間がなされたり、逆に、データの間引きがなされたりして点及び/又は線が描かれてもよい。
(4.2.2.第1波形画像)
第1波形画像203A(図3及び図4)は、既述のように、例えば、検出信号SG1及び/又は制御信号SG2の状態を示す。また、別の観点では、第1波形画像203Aは、図示の例のように、2値の状態ではなく、アナログ的又はデジタル的に種々の値を取り得る状態の経時変化を示す。もっとも、第1波形画像203Aは、2値の状態の経時変化を示しても構わない。複数の波形は、例えば、横軸及び縦軸を共用して同一の領域に表示されている。ただし、後述する第2波形画像203Cのように、複数の波形は、互いに異なる領域に表示されても構わない。
第1波形画像203Aに表示される対象は、リングバッファ37に状態が記録された対象から選択可能であってよい。例えば、画面201Aにおいて第1波形画像203Aの直下に配置された複数(ここでは4つを例示)のボタンBT3に対する操作によって、状態が記録された複数の対象から任意の対象が選択され、その選択された対象についてのみ表示がなされてよい。
(4.2.3.第2波形画像)
第2波形画像203C(図5)は、既述のように、例えば、レジスタ35の状態を示す。レジスタ35は、既述のとおり、1ビットの情報又は2ビット以上の情報を保持する。従って、別の観点では、第2波形画像203Cは、2値の状態の経時変化を示してもよいし(線Ln3a)、デジタル的に種々の値を取り得る状態の経時変化を示してもよい(線Ln3b)。複数の波形は、例えば、横軸の始点及び終点の、画面の横方向における位置が共通化されつつも、互いに異なる領域に表示されている。これにより、2値の状態を示す複数の波形の視認が容易化されている。ただし、第1波形画像203Aのように、複数の波形は、互いに共通の領域に表示されても構わない。
第2波形画像203Cに表示される対象は、入力装置15に対する適宜な操作等によってリングバッファ37に状態が記録された対象から選択可能であってよい。例えば、画面201Cにおいて第2波形画像203Cの左側部分に配置された複数の入力欄IF1にレジスタ35を指定する情報(例えばラベル又はアドレスと称される。)を入力することによって、波形が表示されるレジスタ35が選択されてよい。
図示の例では、レジスタ35を指定する情報が入力された入力欄IF1と、その指定されたレジスタ35の状態の波形とが画面上の同じ高さに表示されている。別の観点では、両者は隣り合っている。空欄となっている入力欄IF1の隣には、波形が表示されていない。
(4.3.数字画像(カーソル値表示))
数字画像205A(図3)は、例えば、第1波形画像203A上のカーソル207が指し示す時点における対象の状態を示す値(例えば速度又は圧力)を数字(図3では、便宜上、数字に代えて丸が描画されている。)によって表示する。数字によって値が表示される対象は、例えば、数字画像205Aに波形が表示されている全て(一部でもよい)の対象である。なお、数字画像205Aは、対象の状態ではなく、2以上の対象の状態から算出した値(例えば2つの圧力センサの検出値の差)を表示してもよい。
カーソル207の具体的な形状及び操作方法等は種々の態様とされてよい。図示の例では、カーソル207は、縦軸に平行で、縦軸の長さに亘る長さの線によって構成されている。また、カーソル207は、例えば、入力装置15に対する適宜な操作(例えばタッチパネルに対するスワイプ)によって時間軸(横軸)に沿って移動可能である。図示の例とは異なり、例えば、カーソル207は、矢印によって構成され、複数の波形からいずれかの波形を選択可能であってよい。この場合において、選択された波形の選択された時点の状態が数字画像205Aに数字で表示されてもよい。
(5.記録される対象)
(5.1.記録される対象全般)
図7及び図8は、リングバッファ37に状態が記録される対象を説明するための模式図であり、また、コントロールユニット5のブロック図である。便宜上、図7に示すコントロールユニット5をコントロールユニット5Aということがあり、図8に示すコントロールユニット5をコントロールユニット5Bということがある。
図7は、種々の信号SG(SG1~SG4)の全ての信号について状態を記録する態様を例示している。一方、図8は、種々の信号SGの一部の信号について状態を記録する態様を例示している。なお、既述のとおり、コントロールユニット5がPLC機能を有するコントローラを含む構成である態様においては(あるいは入力信号SG3及び出力信号SG4が生成される態様においても)、入力信号SG3及び出力信号SG4の状態の記録に代えて、入力リレー及び出力リレーに対応するレジスタ35の状態の記録が行われてよい。
ここでの信号SGの種類は、特に断りが無い限り、検出信号SG1、制御信号SG2、入力信号SG3及び出力信号SG4の大分類による区別の他、上記の4種類の信号内の小分類による区別を含む。具体的には、出力元のセンサ31が互いに異なる検出信号SG1は互いに種類が異なる。出力先の駆動部33が互いに異なる制御信号SG2は互いに種類が異なる。PLC21の入力リレーが互いに異なる入力信号SG3は互いに種類が異なる。PLC21の出力リレーが互いに異なる出力信号SG4は互いに種類が異なる。
図7の態様について、確認的に記載すると、コントロールユニット5Aでは、全種類の検出信号SG1、全種類の制御信号SG2、全種類の入力信号SG3及び全種類の出力信号SG4の状態が記録される。
図7及び図8のいずれの態様においても、信号SG(SG1~SG4)に加えて、レジスタ35の状態がリングバッファ37に記録されてよい。この場合において、図7及び図8のいずれの態様においても、全てのレジスタ35の状態が記録されてもよいし、一部のレジスタ35の状態が記録されてもよい。
リングバッファ37に状態が記録された1以上の対象の全ては、1以上の画面(画像)によってディスプレイ17に表示可能とされてよい。従って、実施形態の説明において、記録される対象の語は、矛盾等が生じない限り、表示可能とされる対象の語に置換されてよい。ただし、実施形態の説明とは異なり、リングバッファ37に記録されているにも関わらず、表示不可能とされている対象が存在しても構わない。このような対象の状態の情報は、例えば、コントロールユニット5と通信可能な外部の支援装置によって利用されてよい。
(5.2.記録される対象が選択される態様)
図8の態様において、リングバッファ37に状態が記録される信号SGは、適宜なものとされてよい。例えば、記録される信号SGは、異常と関連性が高いものとされてよい。より詳細には、例えば、コントロールユニット5Bは、信号SG(図8では信号SGaとして例示)が保持する情報に基づいて異常を検出する異常検出部41を有している。記録される信号SGは、異常の検出に利用される信号SGa、及び/又は当該信号SGaと相関が高い信号SGとされてよい。
異常検出部41は、種々の観点の機能を実現するものであってよい。そのような機能としては、例えば、以下のものが挙げられる。コントロールユニット5B(別の観点ではコントローラ19及び/又はPLC21。本段落において、同様。)に基本機能として備わっているアラーム機能。ダイカストマシン1に固有の事情を考慮してコントロールユニット5Bに追加された機能。生産管理機能及び/又は品質管理機能。
異常検出部41の動作の具体例を挙げる。例えば、異常検出部41は、射出速度及び/又は射出圧力の検出値(別の観点では検出信号SG1の状態)が所定の範囲外になると、異常が生じたと判定する。また、例えば、異常検出部41は、適宜な信号(例えば入力信号SG3)から把握される単位時間当たりの生産個数が所定の範囲外になると、異常が生じたと判定する。なお、種々の異常判定において、上記所定の範囲(別の観点では閾値)は、製造者によって設定されてもよいし、入力装置15等を介してユーザによって設定されてもよいし、鋳造条件等に応じてコントロールユニット5B(又はコントロールユニット5Bと通信可能な外部の支援装置)によって設定されてもよい。
図8の態様において、記録される信号SGを選択する主体は任意である。例えば、記録される信号SGは、コントロールユニット5Bの製造者によって選択されていてもよいし(以下、「第1態様」ということがある。)、入力装置15に対する操作によってオペレータによって選択されてもよいし(以下、「第2態様」ということがある。)、コントロールユニット5B(又はコントロールユニット5Bと通信可能な外部の支援装置)がAI(artificial intelligence)技術を利用して過去の異常等に基づいて選択してもよい。
図8においては、第1態様の例及び第2態様の例が模式的に表現されている。具体的には、以下のとおりである。
まず、第1態様の例について説明する。異常検出部41は、信号SGaに基づいて異常の有無を判定するから、当然に、信号SGaを特定する情報(利用情報D1)を保持(記憶)している。そして、コントロールユニット5Bの記憶制御部43は、異常検出部41が保持している利用情報D1に基づいて、リングバッファ37に状態が記録される信号SGとして信号SGaを選択する。異常検出部41がいずれの信号SGに基づいて異常を判定するかは、通常、コントロールユニット5Bの製造者によって設定される。従って、この態様は、第1態様の例として捉えられてよい。なお、記憶制御部43は、異常検出部41が参照する記憶領域とは別の記憶領域に記憶された利用情報D1を参照してもよい。
次に、第2態様の例について説明する。入力装置15は、リングバッファ37に状態が記録される信号SGを選択する操作を受け付ける。コントロールユニット5Bは、当該操作によって選択された信号SGを特定する選択情報D3を記憶する。そして、記憶制御部43は、選択情報D3に基づいて、リングバッファ37に状態が記録される信号SGを選択する。なお、図示の例とは異なり(前段落の説明とは異なり)、記憶制御部43は、利用情報D1を参照しなくてもよい。そして、入力装置15に対する操作によって、異常検出部41の異常判定に利用される信号SGaが選択され、選択情報D3が参照されることによって、信号SGaの状態がリングバッファ37に記録されてもよい。
上記の説明では、図8の態様は、種々の信号SGの一部の状態が記録されるものとして説明したが、種々の信号SG及び種々のレジスタ35の一部の状態が記録されてもよい。このようにいうとき、例えば、全ての信号SGの記録が行われず、一部又は全部のレジスタ35の状態が記録されてもよい。また、上記の説明(5.2節)において、矛盾等が生じない限り、「信号SG」の語は、「信号SG及びレジスタ35」の語又は「レジスタ35」の語に置換されてよい。
(6.記録の停止条件)
(6.1.記録のパターン)
図9は、対象(SG1~SG4及び35)の状態をリングバッファ37に記録するときのパターンを例示する模式図である。各パターンの図は、左から右へ時間が経過することがイメージされている。そして、矢印が描かれている範囲は、記録が行われている期間を示している。
第1パターンは、実施形態の概要の説明で述べた態様を含むものである。このパターンでは、記録開始は任意の時期とされてよい。例えば、成形サイクルの開始に伴って記録が開始されてよい。そして、所定のトリガ(図9では「故障」を例示)が生じたときに記録が停止される。換言すれば、トリガの「前」に記録が行われる。これにより、トリガが生じる直前まで、リングバッファ37の容量に応じた容量で、対象の状態の情報が記憶される。このパターンでは、トリガの発生と、記録を停止する停止条件とは、同一視されてよい。
第2パターンは、第1パターンとは逆のパターンである。具体的には、トリガ(図9では「射出スタート」を例示)が生じたときにリングバッファ37への記録が開始される。そして、所定の容量(例えばリングバッファ37の容量)の情報が記録されたとき、記録が停止される。すなわち、トリガの「後」に記録が行われる。このパターンでは、停止条件は、「トリガが生じてから、リングバッファ37への記録が所定の基準まで進んだこと」であるということができる。なお、所定の基準は、容量ではなく、経過時間(又はこれらに相関する事象)とすることもできる。
第3パターンは、第1パターンと第2パターンとの組み合わせである。このパターンでは、記録開始は、第1パターンと同様に、任意の時期とされてよい。記録開始後、所定のトリガ(図9では「ある状態」としている。)が生じると、そこからリングバッファ37の容量よりも小さい容量(例えば半分の容量)の情報が記録されたときに記録が停止される。すなわち、トリガの「前後」に記録が行われる。なお、停止条件は、第2パターンと同様に、「トリガが生じてから所定の基準(具体的には第2パターンとは異なる基準)まで記録が進んだこと」であるということができる。
(6.2.停止条件の例)
停止条件としては、上記のように、トリガの発生、及びトリガの発生から記録が所定の基準まで進んだことを例示した。また、トリガとして、これまでに、異常検出、故障(異常の一種として捉えられてよい)、及び射出開始を例示した。
トリガは、他の種々の事象とされてよい。例えば、トリガの他の例としては、以下のものが挙げられる。ダイカストマシン1による成形サイクルの開始、射出装置9による高速射出の開始、射出装置9による増圧射出開始、不図示の給湯装置による射出装置9への給湯の開始、ダイカストマシン1の停止(正常停止又は異常停止)、入力装置15に対する所定の操作。これらのトリガの発生の有無は、種々の信号(SG1~SG4)及び種々のレジスタ35のいずれかに基づいて判定可能である。
また、別の観点では、トリガは、種々の信号(SG1~SG4)及び種々のレジスタ35から選択される1以上の対象(「判定対象」ということがある。)の状態が特定の状態になったときとされてよい。ここでいう特定の状態は、判定対象が1つのみであれば、当該判定対象の状態であり、判定対象が複数であれば、複数の判定対象全体としての状態(複数の状態の組み合わせ)である。この特定の状態は、前段落で述べたような明確な概念によって捉えることができる事象と対応していなくてもよい。特定の状態については、後述する第6.3.2節も参照されたい。
上記の判定対象は、例えば、リングバッファ37に記録される対象のみから選択されてもよいし、そのような制約無しに、種々の対象から選択されてもよい。また、上記では、判定対象は、種々の信号(SG1~SG4)及び種々のレジスタ35から選択されるものとしたが、特定の複数の対象のみから選択されても構わない。例えば、判定対象は、種々の信号(SG1~SG4)のみから選択されたり、種々のレジスタ35のみから選択されたりしてもよい。
(6.3.停止条件の設定画面の例)
(6.3.1.停止条件全般の設定画面)
停止条件(トリガ及び/又はパターン)を設定する主体は任意である。例えば、停止条件は、コントロールユニット5の製造者によって設定されていてもよいし、入力装置15等に対する操作によってユーザによって設定されてもよいし、コントロールユニット5(又はコントロールユニット5と通信可能な外部の支援装置)がAI技術を利用して過去の異常等に基づいて設定してもよい。
以下では、停止条件が入力装置15を介してオペレータによって設定される態様の具体例について例示する。ここでは図4及び図6を参照する。
図4の画面201Bの設定画像205Bは、既述のとおり、記録に係る種々の項目の設定状態を表示している。表示される種々の項目には、例えば、記録の停止条件が含まれている。また、設定画像205Bは、種々の項目を設定する操作を受け付ける領域ともなっている。
図示の例では、設定画像205Bは、表形式とされている。左側の欄には、記録に係る項目が示されており、右側の欄には、左側の欄に示された項目の設定状態が示されている。
左側の欄の項目としては、「トリガ」、「パターン」及び「サンプリング」が例示されている。「トリガ」及び「パターン」については、図9を参照して説明したとおりである。「サンプリング」は、リングバッファ37へ対象の状態を記録するときのサンプリング周期を示している。
図4の例では、「トリガ」として、「レジスタ」が設定されている状態が例示されている。「レジスタ」は、複数のレジスタ35から選択された1以上の判定対象の状態が特定の状態になったことをトリガとする態様である。この他、「トリガ」には、前節において例示した種々のトリガが設定されよい。トリガの項目は、例えば、予め用意された複数の選択肢から1つを選択する操作によって設定されてよい。より詳細には、例えば、「レジスタ」が表記されているマスに対するタップによって選択肢のリストが表示され、リスト内の任意の選択肢に対するタップによってトリガの設定が行われてよい。
また、図4の例では、「パターン」として、「前後」が設定されている状態が例示されている。すなわち、第3パターンが設定されている。他の設定としては、「前」(第1パターン)及び「後」(第2パターン)が挙げられる。パターンの項目は、トリガの項目と同様に、予め用意された3つの選択肢から1つを選択する操作によって設定されてよい。
また、図4の例では、「サンプリング」として、「100ms」が設定されている状態が例示されている。サンプリング周期は、例えば、「100ms」が表記されているマス(空欄)に対する数値入力によって設定されてよい。
設定画像205Bは、種々変更されてよい。例えば、設定画像205Bには、図4に例示された項目以外の項目が表示されてもよい。例えば、第2及び/又は第3パターンにおいて、トリガが生じた後に記録を停止するための所定の基準(容量及び/又は経過時間)を表示(さらには設定)するための項目が追加されてもよい。逆に、これまでの説明からも理解されるように、図4に例示された項目の一部は、ユーザによって設定可能な項目でなくても構わない。また、例えば、設定画像205Bは、複数のトリガを設定可能とされてよい。複数のトリガは、AND条件及び/又はOR条件に利用されてよい(次の6.3.2節のレジスタ35によるトリガの説明を参照。)。
(6.3.2.レジスタによるトリガの設定画面)
図6に示す画面201Dは、図4に示す設定画像205Bにおいて、トリガとして、複数のレジスタ35から選択された1以上の判定対象の状態が特定の状態になることが選択された場合に、その具体的な設定を行うための画面の例となっている。画面201Dは、例えば、画面201A~201Cと同様に、ディスプレイ17の画面(画像を映し出す面)の全体に表示される。そして、入力装置15に対する操作によって選択的にディスプレイ17に表示される。例えば、画面201A~201CのボタンBT5に対する操作によって、これらの画面から画面201Dに切り換わり、画面201DのボタンBT5に対する操作によって、元の画面に戻る。
画面201Dの最も左側には、レジスタ35を特定する情報(例えばラベル又はアドレスと称されるもの)を入力する入力欄IF3の列が配置されている。入力欄IF3には、例えば、入力欄IF3に対するタップの後にソフトウェアキーボードを介して文字(数字及び記号を含むものとする)が入力される。その右側には、入力欄IF3によって特定されたレジスタ35を判定対象として利用するか否かを指定するチェックボックスBX1の列が配置されている。チェックボックスBX1は、例えば、タップの度に、選択状態と非選択状態とが切り換えられる。その右側には、レジスタ35のいずれの状態(図示の例ではON又はOFF)を、トリガの発生条件として設定するかを指定するボタンTA1の列が配置されている。ボタンTA1は、例えば、タップの度に、ON及びOFFが切り換えられる。特に図示しないが、レジスタ35として、数値を保持可能なものが指定された場合は、ボタンTA1に代えて、閾値等を入力する入力欄が配置されてよい。
上記から理解されるように、オペレータは、入力装置15に対する操作によって、複数のレジスタ35から判定対象を選択することができる。より詳細には、入力欄IF3とチェックボックスBX1とによって、判定対象の候補を選択する操作と、選択された候補からさらに実際に判定対象を選択する操作との2段階の操作を行うことができる。これにより、異常等が生じたときの調査における試行錯誤が容易化される。
図6の例では、複数の判定対象のそれぞれの状態を、AND条件及びOR条件のいずれにするかを設定可能となっている。具体的には、例えば、最上段にボタンTA3が配置されており、タップの度に、AND条件及びOR条件が切り換えられる。図6では、OR条件が選択されている状態が例示されている。念のために記載すると、AND条件は、複数の判定対象の全てが、指定された状態になったときに、トリガが生じた(複数の判定対象の状態が特定の状態になった)と判定するものである。OR条件は、複数の判定対象の少なくとも1つが、指定された状態になったときに、トリガが生じた(複数の判定対象の状態が特定の状態になった)と判定するものである。
図6の例では、パターン(「前後」)及びサンプリング(「100ms」)も表示されている。これらは、画面201B(図4)で設定されるものとしたが、この画面201Dにおいても設定可能であってよい。
図4及び図6に示した画面の例、又はこれらの画面から導かれる設定方法は、種々変更されてよい。
例えば、判定対象の候補を選択する操作と、候補から実際に利用される判定対象を選択する操作との2段階の操作は1段階の操作とされてもよい。より具体的には、例えば、チェックボックスBX1が無くされ、入力欄IF3によって指定されたレジスタ35は、そのまま判定対象とされてよい。
また、例えば、AND条件及びOR条件は、切換不可能であってもよい。例えば、いずれか一方のみが強制されてもよい。逆に、AND条件及びOR条件は、より柔軟に設定可能であってよい。例えば、複数(1つも可)の判定対象を含む各グループ内ではAND条件を設定し、複数のグループに対してはOR条件を設定したり、逆に、各グループ内ではOR条件を設定し、複数のグループに対してはAND条件を設定したりすることが可能であってもよい。
また、例えば、操作のための具体的な要素(入力欄IF3、チェックボックスBX1、ボタンTA1等)は、他の種々の形式の要素とされて構わない。例えば、入力欄IF3に代えて、複数の選択肢のリストから1つを選択する要素が配置されてもよい。
図4及び図6においては、複数のレジスタ35のみから選択された1以上の判定対象が特定の状態を満たすことをトリガとする態様が例示された。既述のように、判定対象が選択される範囲は、種々の信号を含んでいても構わない。
(7.記録に係る動作手順の例)
図10は、以上に述べた記録に係る動作を実現するためにコントロールユニット5が実行する処理の手順の概要を示すフローチャートの一例である。この処理は、例えば、ダイカストマシン1(コントロールユニット5)に電源が投入されたとき、又は最初の成形サイクルが開始されたときに開始されてよい。
ステップST1では、コントロールユニット5は、対象(SG1~SG4及び35)の状態のリングバッファ37への記録を開始する。ステップST1は、既述のとおり、第1及び第3パターン(図9)では、任意の時期に実行されてよい。例えば、図10に示す処理の開始と同時に実行されても構わない。また、第2パターンにおいては、ステップST1は、トリガが発生したときに実行される。
ステップST2では、コントロールユニット5は、リングバッファ37への記録を停止する停止条件が満たされたか否か判定する。例えば、第1パターンであれば、トリガが発生したか否か判定する。第2パターンであれば、トリガ(ステップST1)からの記録が所定の基準まで継続されたか否か判定する。第3パターンであれば、トリガからの記録が所定の基準(第2パターンとは異なってよい。)まで継続されたか否か判定する。そして、コントロールユニット5は、肯定判定のときは、ステップST3に進み、否定判定のときはステップST2を繰り返す(記録を継続する。)。
ステップST3では、コントロールユニット5は、リングバッファ37への記録を停止する。そして、ステップST4では、コントロールユニット5は、図3~図5に画面の例を示したように、リングバッファ37に記録されている情報を表示する。
図10の例では、記録が停止されると、自動的にリングバッファ37に記録されている情報を表示する処理が実行されている。図示の例とは異なり、記録が停止された後、入力装置15に対して所定の操作がなされたときにリングバッファ37に記録されている情報の表示がなされてもよい。
なお、図10の例とは異なり、記録を停止する前に、対象の状態を表示することも可能である。例えば、リングバッファ37のうち情報が記録されている要素バッファ37aから離れている要素バッファ37aから情報が読み出されて対象の状態が表示されてよい。ただし、この場合も、記録を停止した後まで表示が維持されたり、記録を停止した後に再表示がなされたりすれば、記録を停止した後に表示がなされるという要件が満たされ、本開示に係る技術に含まれる。
また、停止条件が満たされ、リングバッファ37の記録を停止した後、リングバッファ37に記憶されている情報を他のメモリにコピーし、リングバッファ37への記録を再開し、その後、リングバッファ37への記録が行われている状態で、上記の他のメモリに記憶されている情報に基づいて表示を行うことも可能である。この場合も、リングバッファ37への記録が(一旦は)停止された後に表示が行われていることに変わりはない。
(8.過去の設定の利用)
図3~図5等を参照して、ディスプレイ17に状態が表示される対象(SG1~SG4及び35)は、ユーザによって選択されてよいことについて説明した。また、図4及び図6等を参照して、リングバッファ37への記録を停止する停止条件は、ユーザによって設定されてよいことについて説明した。この停止条件は、複数の対象から選択される1以上の判定対象が特定の状態となったこととされてよいことも述べた。
上記のような表示及び/又は停止条件に係る設定は、保存及び呼出が可能とされてよい。これにより、例えば、異常等の調査の度にユーザが設定を最初から行う必要性が低減される。特に、リングバッファ37に記録される対象(又は記録される対象として選択可能な対象)の数は、ダイカストマシン1においては膨大であり、ユーザにとっての利便性が格段に向上する。保存可能な設定の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
図11は、上記のような機能を実現するための構成の概要を示すブロック図である。以下の説明では、まず、表示に係る設定について説明する。
コントロールユニット5は、表示に係る現在の設定状態に係る情報(現在設定D11)を第1メモリM1に記憶している。第1メモリM1は、例えば、揮発性メモリ(例えばRAM)である。現在設定D11は、例えば、少なくとも、表示対象として選択されている対象を特定する情報を含んでいる。例えば、レジスタ35であれば、図5の入力欄IF1に入力された情報を含んでいる。現在設定D11は、さらに、表示態様を特定する情報を含んでいてもよい。例えば、横軸(時間t)の縮尺を特定する情報を含んでいてもよい。
コントロールユニット5は、現在設定D11によって特定されている表示対象について、リングバッファ37に記録されている状態をディスプレイ17に表示する。また、コントロールユニット5は、現在設定D11が表示態様(縮尺等)を特定している場合は、その表示態様を反映する。また、コントロールユニット5は、オペレータの入力装置15に対する操作によって表示対象(及び表示態様)が変更(設定)された場合においては、現在設定D11の内容を更新する。なお、現在設定D11の最初の内容(デフォルト)は、適宜なものとされてよい。
コントロールユニット5は、入力装置15に対して所定の操作がなされると、現在設定D11の内容を過去の設定状態を特定する情報(過去設定D13)として第2メモリM2に記憶する。第2メモリM2は、例えば、不揮発性メモリ(例えば補助記憶装置)である。第2メモリM2は、例えば、複数の過去設定D13を記憶可能である。
コントロールユニット5は、入力装置15を介して、第2メモリM2に保存されている複数の過去設定D13から任意の過去設定D13を選択する操作を受け付け可能である。そして、いずれかの過去設定D13が選択されると、コントロールユニット5は、選択された過去設定D13を現在設定D11として第1メモリM1にコピーする。これにより、過去設定D13に基づく表示がなされる。
なお、上記の説明とは異なり、第2メモリM2が1つの過去設定D13のみを保存可能な場合は、例えば、リングバッファ37に記録された情報の表示を終えるときに、自動的に現在設定D11が過去設定D13として保存されてよい。また、リングバッファ37に記録された情報の表示を開始するときに、自動的に過去設定D13が現在設定D11とされてよい。
また、第2メモリM2が複数の過去設定D13を保存している場合において、リングバッファ37に記録された情報の表示を開始するときは、過去設定D13のいずれかが自動的に利用されてもよいし、利用されなくてもよい。後者としては、例えば、過去設定D13とは別に自動的に保存された前回の設定が自動的に利用される態様(前段落で述べた態様に類似した態様)が挙げられる。
図11は、停止条件に係る設定に援用可能である。上記の説明は、矛盾等が生じない限り、「表示」の語を「停止条件」の語に置換して援用されてよい。念のために、上記の説明を停止条件に援用した場合の相違点を含めて、概要について以下に述べる。
現在設定D11は、停止条件に係る現在の設定状態に係る情報を含む。例えば、現在設定D11は、トリガの種類及びパターンを特定する情報を含む。トリガが、1以上の判定対象が特定の状態になったことを含む場合は、現在設定D11は、例えば、その1以上の判定対象と、特定の状態とを特定する情報を含む。
コントロールユニット5は、図4及び図6を参照して説明したように、停止条件の設定がなされているときは、現在設定D11の内容を反映した表示を行う。また、停止条件が変更(設定)された場合においては、現在設定D11の内容を更新する。その後、図10を参照して説明した処理が実行されるときは、ステップST1及び/又はステップST2において、現在設定D11で特定された停止条件(別の観点ではトリガ及び/又はパターン)が利用される。
コントロールユニット5は、入力装置15に対する適宜な操作に応じて、現在設定D11を過去設定D13として第2メモリM2に記憶する。また、コントロールユニット5は、入力装置15に対する適宜な操作に応じて、第2メモリM2に保存されている複数の過去設定D13のいずれかを現在設定D11として第1メモリM1にコピーする。前回の設定は、自動的に今回の設定に利用されてもよいし、されなくてもよい。
(9.エクスポート機能)
これまでの説明では、主として、リングバッファ37に記憶された情報は、そのままコントロールユニット5内で利用されるものとして説明した。ただし、図2に示すように、リングバッファ37に記憶された情報は、外部記録媒体45へエクスポート可能であってもよい。これにより、例えば、リングバッファ37の容量を超える結果を保存することができ、事例の蓄積及び/又は統計による分析が可能となる。
外部記録媒体45は、例えば、コントロールユニット5(又はコントローラ19)から見て、外部の要素である。外部記録媒体45は、ダイカストマシン1の構成要素であってもよいし、ダイカストマシン1の外部の要素であってもよい。図2においては、便宜上、外部記録媒体45は、ダイカストマシン1の外部の要素として表現されている。
外部記録媒体45がダイカストマシン1の構成要素である態様としては、例えば、外部記録媒体45が、コントロールユニット5及びHMI13のいずれかの配下にある態様が挙げられる。外部記録媒体45がダイカストマシン1の外部の要素である態様としては、外部記録媒体45がネットワーク上の独立したユニットとなっている態様が挙げられる。
上記に関連して、エクスポートは、例えば、図2において実線の矢印で信号を表しているように、コントロールユニット5(コントローラ19)によってなされてもよいし、2点鎖線の矢印で信号を表しているように、HMI13によってなされてもよい。また、例えば、外部記録媒体45がネットワーク上の独立したユニットである態様においては、コントロールユニット5及びHMI13のいずれからも保存が可能であってもよい。
エクスポートは、リングバッファ37への記録が停止された場合に、入力装置15に対する操作によって、及び/又は自動で行われてよい。及び/又は、リングバッファ37に所定量の情報が蓄積された場合に、入力装置15に対する操作によって、及び/又は自動で行われてよい。所定量は、例えば、容量を基準としてもよいし、要素バッファ37aの数を基準としてもよい(実質的には同じである。)。また、成形サイクルの回数等を基準としてもよい。
エクスポートされる情報の態様は、種々のものとされてよい。例えば、リングバッファ37に記憶されている情報(対象の状態を示すデジタル値)がそのままエクスポートされてもよい。また、例えば、図3等に示した波形表示された画面の一部又は全部の画像(例えばスクリーンショットと同様の機能による画像)のデータがエクスポートされてもよい。
(10.実施形態のまとめ)
以上のとおり、本実施形態では、成形機(ダイカストマシン1)は、マシン本体3と、コントロールユニット5と、ディスプレイ17と、を有している。マシン本体3は、センサ31及び駆動部33を有している。コントロールユニット5は、センサ31からの検出信号SG1が入力されるとともに駆動部33に制御信号SG2を出力する。ディスプレイ17は、コントロールユニット5によって制御される。コントロールユニット5は、PLC21と、メモリ(リングバッファ37)とを有している。PLC21は、レジスタ35を有している。リングバッファ37は、検出信号SG1、制御信号SG2及びレジスタ35のうちの1つである第1対象を含む1以上の対象の状態について、成形サイクルの進行に伴って時々刻々と新しい情報が記憶されるとともに古い情報が消去されることによって更新される時系列データD5を保持する。コントロールユニット5は、所定の停止条件が満たされたことを条件として時系列データD5の更新を停止する(ステップST2及びST3)。ディスプレイ17は、更新が停止された時系列データD5に基づいて上記第1対象の状態を表示する。
従って、例えば、実施形態の概要で述べたように、事後に状況を把握することが容易化され、ひいては、異常等の要因の特定の容易化及び/又は早期化が図られる。
上記メモリはリングバッファ37であってよい。
この場合、例えば、コントロールユニット5の負荷を低減しつつ継続的に記録を行うことができる。
ディスプレイ17は、上記第1対象の状態の経時変化を示す波形(線Ln1及びLn3)を表示してよい。
この場合、例えば、対象の状態の経時変化を把握することが容易化され、上述した効果が向上する。
ディスプレイ17は、波形の任意の時点を指し示すカーソル207を表示してよく、また、カーソル207によって指し示された時点の上記第1対象の状態を数字(数字画像205A)によって表示してよい。
この場合、例えば、対象の状態をより具体的に把握することが容易化され、上述した効果が向上する。
メモリ(リングバッファ37)は、検出信号SG1の状態とレジスタ35の状態とについて時系列データD5を保持してよい。ディスプレイ17は、時系列データD5に基づいて、検出信号SG1の状態の経時変化を示す波形(線Ln1)と、レジスタ35の状態の経時変化を示す波形(線Ln3)とを、互いに別の画面(画面201A及び201C)に表示してよい。
表示されることが意図される検出信号SG1は、多値の値を取るものである蓋然性が相対的に高い。一方、表示されることが意図されるレジスタ35は、2値の値を取るものである蓋然性が高い。従って、例えば、両者を別の画面201A及び201Cによって表示することによって、視認性が向上する。ひいては、対象の状態を把握することが容易化され、上述した効果が向上する。
上記第1対象はレジスタ35であってよい。
一般に、射出速度及び射出圧力等のセンサ31による検出値は波形表示される機会が多い。しかし、レジスタ35の状態は、通常、波形表示されない。このようなレジスタ35の状態を波形表示することによって、これまでは不可能だった状況把握が可能となる。また、例えば、原因の予測が困難な異常が生じた場合にも、その原因の早期特定が可能になる。
メモリ(リングバッファ37)は、検出信号SG1、制御信号SG2及びレジスタ35の全ての状態について、時系列データD5を保持してよい。ディスプレイ17は、時系列データD5に基づいて、検出信号SG1、制御信号SG2及びレジスタ35の全ての状態を1つ以上の画面によって表示してよい。
通常、ダイカストマシン1においては、複数の検出信号SG1、複数の制御信号SG2及び複数のレジスタ35が利用される。前段落において、「全て」は、これらの全てという意味ではなく、1つの検出信号SG1、1つの制御信号SG2、及び1つのレジスタ35の全てという意味である。換言すれば、上記の3種の対象から少なくとも1つずつ、記録が意図されている対象として選択されているという意味である。
このような態様においては、種々の対象の記録及び表示が意図されているということができる。これにより、例えば、これまでは不可能だった状況把握が可能となる。また、例えば、原因の予測が困難な異常が生じた場合にも、その原因の早期特定が可能になる。特に、当該効果は、図7を参照して説明したように、全ての検出信号SG1、全ての制御信号SG2及び全てのレジスタ35が記録の対象とされた場合に向上する。
コントロールユニット5は、複数のセンサ31からの複数の検出信号SG1、複数の駆動部33への複数の制御信号SG2、及び複数のレジスタ35を含む、複数種かつ複数個の対象のうちの、1以上の特定の対象に基づく異常検出を行ってよい。メモリ(リングバッファ37)は、上記複数種かつ複数個の対象のうちの、上記1以上の特定の対象を含む、一部の対象の状態について、時系列データD5を保持してよい(図8参照)。ディスプレイ17は、時系列データD5に基づいて、上記一部の対象の状態を1つ以上の画面(201A~201C)によって表示してよい。
この場合、例えば、全ての検出信号SG1、全ての検出信号SG1、全ての制御信号SG2及び全てのレジスタ35が記録の対象とされた場合に比較して、所定の期間に亘って時系列データD5を記録する場合のリングバッファ37の容量を小さくすることができる。別の観点では、所定の容量を有するリングバッファ37によって長期に亘って時系列データD5を記録することができる。なお、前段落における「1以上の特定の対象」は、種々の対象が異常検出に利用される態様において、上記種々の対象の一部であってもよいし、全部であってもよい。
成形機(ダイカストマシン1)は、入力装置15を有していてよい。入力装置15は、複数のセンサ31からの複数の検出信号SG1、複数の駆動部33への複数の制御信号SG2、及び複数のレジスタ35を含む、複数種かつ複数個の対象から1以上の記録対象を選択する操作を受け付けてよい(図8)。メモリ(リングバッファ37)は、複数種かつ複数個の対象のうちの、上記1以上の記録対象を含む、一部の対象の状態について、時系列データD5を保持してよい。ディスプレイ17は、時系列データD5に基づいて、上記一部の対象の状態を1つ以上の画面(201A~201C)によって表示してよい。
この場合、ユーザが、調査する対象を選択することができる。その結果、例えば、全ての対象の状態を記録する態様に比較して、リングバッファ37の容量を小さくできる。一方で、予め製造者によって設定された一部の対象の状態のみを記録する態様に比較して、例えば、種々の対象の状態を把握することができる。その結果、例えば、予め製造者によって設定された一部の対象の状態のみからは特定が困難であった異常の要因の特定が容易化される。
停止条件(ステップST2)は、コントロールユニット5によって異常検出がなされたことを含んでよい。
この場合、例えば、異常が生じたときに、自動的にリングバッファ37への記録を停止することができる。ひいては、例えば、異常が検出される前又は前後の時系列データD5が保存される。その結果、同じ異常を生じさせて異常の要因を特定する再現テストを行う必要性が低減される。
停止条件は、所定の第1条件が満たされてから(所定のトリガが発生してから)時系列データD5が所定の基準まで更新されたことを含んでよい(第2及び第3パターン)。
この場合、例えば、トリガの発生前の時系列データだけでなく、トリガの発生後又はトリガの発生前後の時系列データを得ることができる。その結果、例えば、異常の要因となる対象の状態の変化が異常の発生前には小さく、異常の発生後に大きいような状況において、異常の要因を特定することが容易化される。
成形機(ダイカストマシン1)は、入力装置15を有していてよい。入力装置15は、複数のセンサ31からの複数の検出信号SG1、複数の駆動部33への複数の制御信号SG2、及び複数のレジスタ35を含む、複数種かつ複数個の対象から、1以上の判定対象と、当該1以上の判定対象の特定の状態と、を選択する操作を受け付けてよい(図6)。停止条件は、上記1以上の判定対象が上記特定の状態になったことを含んでよい。
この場合、例えば、ユーザは、種々のトリガを基準として時系列データを参照することができる。その結果、例えば、これまでは原因を特定することが困難であった異常の原因を特定され、又は異常の原因の早期特定が容易化される。なお、1以上の判定対象を選択する操作は、判定対象の数及び判定対象の種類を選択する操作であってもよいし(図6の例)、予め定められた数(1つ又は2以上)だけ、判定対象の種類を選択する操作であってもよい。
コントロールユニット5は、上記1以上の判定対象と、当該1以上の判定対象の特定の状態との組み合わせが、互いに異なる複数の停止条件(複数の過去設定D13)を記憶してよい。入力装置15は、コントロールユニット5が記憶している複数の停止条件から次に利用される停止条件(現在設定D11)を選択する操作を受け付けてよい。
この場合、例えば、既に述べたように、異常等の調査の度にユーザが停止条件に係る設定を最初から行う必要性が低減される。その結果、例えば、これまでの調査の経験を容易に利用することができる。また、例えば、異常の再現テストが行われ、かつリングバッファ37の容量が1回の成形サイクルに対して不足している場合においては、複数の過去設定D13を順次呼び出して繰り返し再現テストを行うことによって、種々の事象の前、後又は前後の情報を収集することを容易に行うことができる。以上のことから、例えば、異常の原因の早期特定が容易化される。
なお、複数の停止条件同士で、1以上の判定対象と、当該1以上の判定対象の特定の状態との組み合わせが互いに異なる態様としては、例えば、以下のものが挙げられる。1以上の判定対象の数及び/又は1以上の判定対象の少なくとも一部の種類が互いに異なる態様。1以上の判定対象の数及び種類は互いに同じであるが、特定の状態(少なくとも1つの判定対象に設定された状態)が互いに異なる態様。
成形機(ダイカストマシン1)は、入力装置15を有していてよい。入力装置15は、複数のセンサ31からの複数の検出信号SG1、複数の駆動部33への複数の制御信号SG2、及び複数のレジスタ35を含む、複数種かつ複数個の対象から、時系列データD5に基づいてディスプレイ17によって状態が表示される1以上の表示対象を選択する操作を受け付けてよい(図3の複数のボタンBT3及び図5の入力欄IF1を参照)。ディスプレイ17は、現在の選択状態(現在設定D11)に基づいて上記1以上の表示対象の状態を表示してよい。コントロールユニット5は、上記1以上の表示対象が互いに異なる複数の選択状態の情報(複数の過去設定D13)を記憶してよい。入力装置15は、コントロールユニット5が記憶している複数の選択状態(複数の過去設定D13)のいずれかを、現在の選択状態(現在設定D11)に適用する操作を受け付けてよい。
この場合、例えば、既に述べたように、異常等の調査の度にユーザが表示に係る設定を最初から行う必要性が低減される。その結果、例えば、これまでの調査の経験を容易に利用することができる。また、例えば、複数の過去設定D13を順次呼び出して表示を行うことによって、種々の対象の状態の経時変化を複数の観点から視認することを容易に行うことができる。以上のことから、例えば、異常の原因の早期特定が容易化される。なお、複数の選択状態同士で、1以上の表示対象が互いに異なる態様としては、例えば、1以上の判定対象の数及び/又は1以上の判定対象の少なくとも一部の種類が互いに異なる態様が挙げられる。
コントロールユニット5は、メモリ(リングバッファ37)に記憶されている上記第1対象の状態を示す情報を外部の記録媒体(外部記録媒体45)へエクスポートしてよい。
この場合、例えば、既述のように、リングバッファ37の容量を超える結果を保存することができ、事例の蓄積及び/又は統計による分析が可能となる。
以上の実施形態において、ダイカストマシン1は成形機の一例である。リングバッファ37はメモリの一例である。
本開示に係る技術は、以上に例示した態様に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
成形機は、ダイカストマシンに限定されない。例えば、成形機は、他の金属成形機であってもよいし、樹脂を成形する射出成形機であってもよいし、木粉に熱可塑性樹脂等を混合させた材料を成形する成形機であってもよい。また、成形機は、横型締横射出に限定されず、例えば、縦型締縦射出、縦型締横射出、横型締縦射出であってもよい。
1…ダイカストマシン(成形機)、3…マシン本体、5…コントロールユニット、17…ディスプレイ、21…PLC、31…センサ、33…駆動部、35…レジスタ、37…リングバッファ(メモリ)、D5…時系列データ、SG1…検出信号、SG2…制御信号。

Claims (15)

  1. センサ及び駆動部を有しているマシン本体と、
    前記センサからの検出信号が入力されるとともに前記駆動部に制御信号を出力するコントロールユニットと、
    前記コントロールユニットによって制御されるディスプレイと、
    を有しており、
    前記コントロールユニットは、
    レジスタを有しているPLCと、
    前記検出信号、前記制御信号及び前記レジスタのうちの1つである第1対象を含む1以上の対象の状態について、成形サイクルの進行に伴って時々刻々と新しい情報が記憶されるとともに古い情報が消去されることによって更新される時系列データを保持するメモリと、を有しており、
    所定の停止条件が満たされたことを条件として前記時系列データの更新を停止し、
    前記ディスプレイは、更新が停止された前記時系列データに基づいて前記第1対象の状態を表示する
    成形機。
  2. 前記メモリがリングバッファである
    請求項1に記載の成形機。
  3. 前記ディスプレイは、前記第1対象の状態の経時変化を示す波形を表示する
    請求項1に記載の成形機。
  4. 前記ディスプレイは、前記波形の任意の時点を指し示すカーソルを表示するとともに、前記カーソルによって指し示された時点の前記第1対象の状態を数字によって表示する
    請求項3に記載の成形機。
  5. 前記メモリは、前記検出信号の状態と前記レジスタの状態とについて前記時系列データを保持し、
    前記ディスプレイは、前記時系列データに基づいて、前記検出信号の状態の経時変化を示す波形と、前記レジスタの状態の経時変化を示す波形とを、互いに別の画面に表示する
    請求項1に記載の成形機。
  6. 前記第1対象が前記レジスタである
    請求項1に記載の成形機。
  7. 前記メモリは、前記検出信号、前記制御信号及び前記レジスタの全ての状態について、前記時系列データを保持し、
    前記ディスプレイは、前記時系列データに基づいて、前記検出信号、前記制御信号、及び前記レジスタの全ての状態を1つ以上の画面によって表示する
    請求項1に記載の成形機。
  8. 前記コントロールユニットは、複数の前記センサからの複数の前記検出信号、複数の前記駆動部への複数の前記制御信号、及び複数の前記レジスタを含む、複数種かつ複数個の対象のうちの、1以上の特定の対象に基づく異常検出を行い、
    前記メモリは、前記複数種かつ複数個の対象のうちの、前記1以上の特定の対象を含む、一部の対象の状態について、前記時系列データを保持し、
    前記ディスプレイは、前記時系列データに基づいて、前記一部の対象の状態を1つ以上の画面によって表示する
    請求項1に記載の成形機。
  9. 複数の前記センサからの複数の前記検出信号、複数の前記駆動部への複数の前記制御信号、及び複数の前記レジスタを含む、複数種かつ複数個の対象から1以上の記録対象を選択する操作を受け付ける入力装置を更に有し、
    前記メモリは、前記複数種かつ複数個の対象のうちの、前記1以上の記録対象を含む、一部の対象の状態について、前記時系列データを保持し、
    前記ディスプレイは、前記時系列データに基づいて、前記一部の対象の状態を1つ以上の画面によって表示する
    請求項1に記載の成形機。
  10. 前記停止条件は、前記コントロールユニットによって異常検出がなされたことを含む
    請求項1に記載の成形機。
  11. 前記停止条件は、所定の第1条件が満たされてから前記時系列データが所定の基準まで更新されたことを含む
    請求項1に記載の成形機。
  12. 複数の前記センサからの複数の前記検出信号、複数の前記駆動部への複数の前記制御信号、及び複数の前記レジスタを含む、複数種かつ複数個の対象から、1以上の判定対象と、当該1以上の判定対象の特定の状態と、を選択する操作を受け付ける入力装置を更に有し、
    前記停止条件は、前記1以上の判定対象が前記特定の状態になったことを含む
    請求項1に記載の成形機。
  13. 前記コントロールユニットは、前記1以上の判定対象と、当該1以上の判定対象の特定の状態との組み合わせが、互いに異なる複数の前記停止条件を記憶し、
    前記入力装置は、前記コントロールユニットが記憶している複数の前記停止条件から次に利用される前記停止条件を選択する操作を受け付ける
    請求項1に記載の成形機。
  14. 複数の前記センサからの複数の前記検出信号、複数の前記駆動部への複数の前記制御信号、及び複数の前記レジスタを含む、複数種かつ複数個の対象から、前記時系列データに基づいて前記ディスプレイによって状態が表示される1以上の表示対象を選択する操作を受け付ける入力装置を更に有し、
    前記ディスプレイは、現在の選択状態に基づいて前記1以上の表示対象の状態を表示し、
    前記コントロールユニットは、前記1以上の表示対象の少なくとも一部が互いに異なる複数の前記選択状態の情報を記憶し、
    前記入力装置は、前記コントロールユニットが記憶している複数の前記選択状態のいずれかを、現在の前記選択状態に適用する操作を受け付ける
    請求項1に記載の成形機。
  15. 前記コントロールユニットは、前記メモリに記憶されている前記第1対象の状態を示す情報を外部の記録媒体へエクスポートする
    請求項1に記載の成形機。
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