JP2024053921A - 研削盤 - Google Patents

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泰之 尾木
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Abstract

【課題】機械の大型化を抑えて低コストで停電時の機械の重度破損を防止可能な研削盤を提供する。【解決手段】砥石1を退避位置まで相対移動させる砥石切込軸と、砥石切込軸以外の駆動軸と、砥石切込軸及び駆動軸の制御モータ3と、外部電源から供給される電圧を監視して電圧の低下又は停電を検知するとともに、制御モータに電力を供給する制御部4と、制御部が電圧の低下又は停電を検知した際、該制御部に対して非常電力を供給可能なコンデンサ5と、を備え、制御部は、加工時又はドレス時に電圧の低下又は停電を検知すると、前記コンデンサからの非常電力が供給されている間に、砥石切込軸を制御して、砥石を工作物又はドレッサから離れる方向へ退避させた後、砥石切込軸以外の駆動軸を停止させる指令を送信する。【選択図】図5

Description

本発明は、研削盤に関する。
研削盤は、砥石を回転駆動させながら工作物へ接触させ、工作物と砥石との接触部に加工クーラントを吐出しながら加工を行う。研削盤において、加工中に停電が発生すると、加工クーラントの吐出が停止され、砥石はその場で停止するが、砥石の回転はしばらくの間フリーラン回転(惰性回転)する。加工クーラントが供給されないドライ状態で、工作物に接触したまま砥石がフリーラン回転すると、摩擦熱による砥石の破裂、砥石の破裂に巻き込まれた定寸装置の破損、油性クーラントの発火等が発生し、機械が重度破損する危険性がある。
停電時における上記のような破損を防止するため、従来の研削盤では、機械全体をバックアップする無停電電源装置を設置する必要があった。しかし、無停電電源装置は大型で高価であるため、無停電電源装置を備えることなく停電時の処理を行うことのできる機械が要望されている。例えば、特許文献1には、停電時に工具を減速させながら回生エネルギーを発生させ、そのエネルギーで工具を退避させる停電時制御方法が提案されている。
特開平8-54914号公報
特許文献1では、減速により発生させた回生エネルギーのうち、退避動作で消費されなかった余剰エネルギーを消費するために抵抗放電ユニットを必要とする。そのため、抵抗放電ユニットを設けることで装置を大型化させてしまうことや、コスト高となることが問題である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、機械の大型化を抑えて低コストで停電時の機械の重度破損を防止可能な研削盤を提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、停電時に制御部が、砥石切込軸以外の駆動軸の停止に優先して砥石を退避させるものとした。
具体的には、第1の発明では、
砥石と、
前記砥石を退避位置まで相対移動させる砥石切込軸と、
前記砥石切込軸以外の駆動軸と、
前記砥石切込軸及び前記駆動軸の各制御モータと、
外部電源から供給される電圧を監視して電圧の低下又は停電を検知するとともに、前記各制御モータに電力を供給する制御部と、
前記制御部が電圧の低下又は停電を検知した際、該制御部に対して非常電力を供給可能なコンデンサと、を備え、
前記制御部は、加工時又はドレス時に電圧の低下又は停電を検知すると、前記コンデンサからの非常電力が供給されている間に、前記砥石切込軸を制御して、前記砥石を工作物又はドレッサから離れる方向へ退避させた後、前記砥石切込軸以外の前記駆動軸を停止させる指令を送信することを特徴とする。
上記の構成によると、コンデンサから非常電力を供給するため、無停電電源装置を必要とせず、装置の大型化を防ぎ、コストを抑えることができる。また、砥石切込軸以外の駆動軸の停止よりも砥石切込軸による砥石の退避を優先することで、砥石の破損や装置の破損を確実に防ぐことができる。
第2の発明では、第1の発明において、
前記コンデンサは、前記制御部に設けられることを特徴とする。
上記の構成によると、制御部のコンデンサによって非常電力を供給するため、非常電力用の設備を別途備える必要がなく、機械の大型化を防ぎ、低コストで停電時の安全性を高めることができる。
第3の発明では、第2の発明において、
前記コンデンサが前記制御部に非常電力を供給する時間は、前記砥石切込軸以外の前記駆動軸が停止指令を受信して停止が完了するまでの時間よりも短いことを特徴とする。
上記の構成によると、機械を小型化するために、非常電力用の設備を別途備えず、制御部のコンデンサで非常電力を賄う場合、非常電力がごく僅かな時間しか供給されないことがある。この場合、先に砥石切込軸以外の駆動軸を停止させようとすると非常電力の供給時間内に砥石の退避を完了できず、砥石の破損や装置の破損を招く恐れがある。そのため、砥石切込軸以外の駆動軸が停止を完了するまでの時間よりも非常電力の供給時間が短い場合、請求項1の構成とすることにより大きな意義がある。
第4の発明は、第3の発明において、
複数の加工工程と、該複数の加工工程に対応する前記砥石の退避方向とを予め記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された情報を基に、電圧の低下又は停電を検知した際の加工工程に対応する退避方向へ前記砥石を退避させることを特徴とする。
上記の構成によると、加工工程によって砥石を退避させる方向が異なるが、上記のような構成によれば、電圧低下時又は停電時の加工工程に対応する適切な退避方向へ砥石を即座に退避可能となり、より安全性を高めることができる。
第5の発明は、第3の発明において、
前記砥石が取り付けられるクイルを備え、
前記制御部は、前記砥石の研削電力を監視し、該砥石の退避動作開始後、該研削電力が所定の閾値まで低下した際に、該砥石の退避動作を停止させることを特徴とする。
研削盤は、加工負荷によってクイルが大きくたわむため、加工中の工作物と砥石とを非接触状態とするには、クイルのたわみ量を考慮して砥石を退避させねばならず、退避距離を単純な固定値とすることが困難である。そのため、退避完了位置を工作物と接触しないほどの十分な距離を保った位置、例えば工作物の中心に設定にすることが考えられる。退避完了位置までの距離が長く、退避動作中に非常電力の供給が切れた場合、砥石切込軸が惰性で退避し続けてしまい、制御不能状態となるおそれがある。この場合、工作物における研削点の反対側へ砥石が衝突するなどして、砥石や装置が破損する要因となる。上記構成によれば、クイルのたわみ量を考慮する必要がなく、研削電力によって砥石と工作物又はドレッサの接触の有無を監視することが可能である。研削電力が予め設定した閾値まで低下したことを検知することにより、砥石が十分に退避できた状態を把握でき、即座に退避動作を停止させることができる。これにより、砥石を退避させる時間を必要最低限に抑え、非常電力が供給されている間に退避させることが可能であるとともに、砥石を確実に退避させることができる。
第6の発明は、第3の発明において、
前記制御部は、前記コンデンサの電圧を監視し、前記砥石の退避動作開始後、該コンデンサの電圧が所定の閾値まで低下した際に、該砥石の退避動作を停止させることを特徴とする。
砥石の退避動作中に非常電力の供給が切れてしまうと、砥石切込軸が惰性で退避し続けてしまい、制御不能状態となるおそれがある。この場合、工作物における研削点の反対側へ砥石が衝突するなどして、砥石や装置が破損する要因となる。上記構成によれば、コンデンサの電圧を監視することで、コンデンサの電圧不足により砥石が制御不能状態となる前に、退避動作を停止させることができる。これにより、装置の重度破損を確実に防止することができる。
以上説明したように、本開示の技術により、機械の大型化を抑えて低コストで停電時の機械の重度破損を防止可能な研削盤を提供することが可能である。
本発明の実施形態に係る工作物と砥石の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る研削盤の制御モータの構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る研削盤の動作の概要を示すフローチャートである。 非常戻し動作が開始されるまでのフローチャートである。 非常戻し動作のフローチャートである。 内径加工時の砥石の退避方向を示す模式図である。 端面加工時の砥石の退避方向を示す模式図である。 斜め加工時の砥石の退避方向を示す模式図である。 外径ドレス時の砥石の退避方向を示す模式図である。 端面ドレス時の砥石の退避方向を示す模式図である。 斜めドレス時の砥石の退避方向を示す模式図である。 クイルの撓みを説明するための図である。 砥石の動作と研削電力の関係を示すグラフである。 砥石の動作とコンデンサ電圧の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、工作物と砥石の一例を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態の研削盤は、工作物Wの内周面、外周面、端面等を研削する円柱状の砥石1と、この砥石1が取り付けられるクイル2と、クイル2が連結される砥石回転軸(図示省略)と、を備える。図1では、工作物Wは円筒形状であるが、工作物の形状は任意である。
研削盤には、砥石回転軸の他にも、例えば、砥石をX軸方向やZ軸方向へ相対移動させる砥石切込軸や、工作物を回転させる工作物回転軸、砥石を軸方向に微振動させるオシレート軸を備える。また、砥石のドレス時にドレッサを旋回させるためのドレッサ回転軸を備えてもよい。
本発明は、少なくとも砥石切込軸を有する研削盤を対象とし、砥石回転軸、工作物回転軸、オシレート軸、ドレッサ回転軸等の砥石切込軸以外の駆動軸は任意に備えることができる。砥石切込軸以外の駆動軸の種類はこの限りではない。
砥石切込軸は、加工時又はドレス時に、工作物又はドレス工具へ向かって砥石を位置送りするだけでなく、非常戻しボタンが押された時又は非常戻しアラーム発生時、工作物又はドレス工具から離れた退避位置まで砥石を退避させる役割を担う。砥石切込軸の移動方向は任意であるが、一般的には、X軸方向に移動させる切込X軸と、Z軸方向に移動させる切込Z軸とがあり、切込X軸又は切込Z軸の片方又は両方を駆動して砥石を相対移動させることが可能である。
本実施形態では、図1に示すように、工作物Wが工作物回転軸によって回転しつつ、砥石1が砥石回転軸によって回転しながら切込X軸によって工作物Wへ押し付けられることで工作物Wの内周面が加工される。このとき、砥石1はZ軸方向にオシレートする(軸方向に微振動させる)ことにより、面精度を高めることも可能である。この場合、Z軸はオシレートZ軸として機能する。
図2は、本発明の実施形態に係る研削盤の制御モータの構成を示す模式図である。本実施形態の研削盤は、上記の砥石切込軸及び砥石切込軸以外の駆動軸を駆動する各制御モータ3を備える。各制御モータ3は、制御部4によって電力を供給される。制御モータ3は、具体的には、上記各軸を駆動する各モータに分かれており、例えば、砥石を回転駆動する砥石回転軸モータ、砥石切込軸を駆動する切込軸モータ、工作物を回転駆動する工作物駆動モータが含まれる。
制御部4は、外部電源Pと制御モータ3との間に配置される。制御部4は、外部電源Pから供給される電圧を監視して該電圧の低下又は停電を検知する。制御部4は、例えばサーボアンプである。制御部4は、電圧の低下又は停電を検知すると、コントローラ6に停電検知信号を送信する。
本実施形態の研削盤は、制御部4が電圧の低下又は停電を検知した際、制御部4に対して非常電力を供給可能なコンデンサ5を備える。コンデンサ5は、例えば、制御部4の内部に設けられる平滑コンデンサである。コンデンサ5は、制御部4が電圧の低下又は停電を検知した際、制御部4に対して非常電力を0.2秒程度供給することが可能である。別途コンデンサを設け、複数のコンデンサを備えることで非常電力の供給時間を長く確保することが可能となるが、機械が大型化してしまうという問題がある。本実施形態では、機械の小型化を達成するため、別途コンデンサを設けることや複数のコンデンサを備えることは行わず、制御部内のコンデンサ5を非常電力の供給源とした。
本実施形態の研削盤は、CPU等を構成要素とするコントローラ6を備える。コントローラ6から指令信号が送信されると、制御部4がその指令信号を受信して砥石切込軸及び砥石切込軸以外の駆動軸を統括的に制御することができる。
コントローラ6は、複数の加工工程と、該複数の加工工程に対応する砥石の退避方向とを予め記憶する記憶部を備える。制御部4は、記憶部に記憶された情報を基に、電圧の低下又は停電を検知した際の加工工程に対応する退避方向へ砥石1を退避させる。コントローラ6は、非常戻しボタン作動時若しくは非常戻しアラームが発生時、又は、電圧の低下若しくは停電時に、それぞれの状況に適した非常戻し動作を開始させるよう、制御部4に非常戻し信号を送る。
本実施形態の研削盤は、外部電源Pと、制御部4及びコントローラ6との間に、バックアップDC電源7を備える。停電時、バックアップDC電源7から制御部4及びコントローラ6へ1秒程度の制御電源が供給される。
図3は、本発明の実施形態に係る研削盤の動作の概要を示すフローチャートである。図3に示すように、本実施形態の研削盤は、全自動で加工可能な研削盤であり、機械を起動させ、ステップS11において全自動が開始されると、ステップS12において工作物が所定の加工位置へ搬入される。次のステップS13においてドレッサが回転駆動され、砥石がドレスされる。ステップS14では、砥石切込軸、砥石回転軸、工作物回転軸及びオシレート軸が駆動し、工作物の加工が開始される。工作物の加工が終了した後、続けて次の工作物を加工する場合はステップS12へ戻って次の工作物が搬入され、次の工作物がない場合は加工が終了となる(ステップS15)。
このような動作を行う本実施形態の研削盤において、ドレス時であるステップS13及び加工時であるステップS14においては、砥石回転軸やドレッサ回転軸が駆動されている状態である。ステップS13及びステップS14において機械が急停止した場合、フリーラン回転に起因する機械の重度破損を招く恐れがある。そのため、ステップS13及びステップS14では、砥石の非常戻し機能が備えられている。
図4は、非常戻し動作が開始されるまでのフローチャートである。図4に示すように、砥石の非常戻し動作は、従来と同様に、作業者が研削盤の非常戻しボタンを押した際及び研削盤の非常戻しアラームが発生した際に開始される場合と、本実施形態の研削盤で新たに追加されたフローとして、制御部4が電圧の低下又は停電を検知した際に、停電検知信号がONになった状態で開始される場合とがある。コントローラ6は、非常戻しボタン作動時若しくは非常戻しアラーム発生時の非常戻し動作か、又は、電圧の低下若しくは停電時の非常戻し動作かを判定し、それぞれの状況に適した非常戻し動作を開始させるよう、制御部に非常戻し信号を送る。
図5は、非常戻し動作のフローチャートである。非常戻し動作が開始されると、まず、ステップS20において停電検知信号はONか否かが判定される。
作業者が研削盤の非常戻しボタンを押した際及び研削盤の非常戻しアラームが発生した際は、停電検出信号はOFFであるため、ステップS211において従来の非常戻し動作と同じく全軸停止指令と停止の確認が行われる。その後、ステップS212において、砥石が原点位置へ復帰するように砥石切込軸によって相対移動され、ステップS213において、機械が停止する。
加工時又はドレス時に電圧の低下又は停電を検知し、停電検知信号がONになると、ステップS211~S213とは異なるステップが進行する。具体的には、制御部4が電圧の低下又は停電を検知すると、ステップS221において、コンデンサ5から非常電力の供給が開始されるとともに、制御部4は、コンデンサ5からの非常電力が供給されている間に、まず、砥石切込軸を駆動する制御モータを制御して、砥石を工作物又はドレッサから離れる方向へ退避させる。その後、ステップS222において、砥石切込軸以外の駆動軸を停止させるためにそれらを駆動する制御モータに停止指令を送信する。
コンデンサ5が制御部4に非常電力を供給する時間は、砥石切込軸以外の駆動軸が停止指令を受信して停止が完了するまでの時間よりも短い。例えば、本実施形態において、コンデンサ5が制御部4に約0.2秒の非常電力を供給するに対して、砥石回転軸、切込X軸、オシレートZ軸及び工作物回転軸の全軸の駆動モータが停止指令を受信して各軸が停止を完了するまでに0.3秒~1秒かかる。そのため、従来のステップS211~S213のように、先に全軸を停止させていたのでは、砥石の退避の制御が間に合わず、砥石の破損や装置の破損を招くおそれがある。本発明では、コンデンサ5から制御部4に非常電力が供給されている0.2秒以内に、まずステップS221において砥石を工作物又はドレッサから離れる方向へ退避させることで、砥石の破損や装置の破損を確実に防ぐことができる。
[砥石の退避方向]
図6~8は、加工時の砥石の退避方向を示す模式図である。図6は、内径加工時の砥石の退避方向を示し、砥石1は切込X軸によって工作物Wから離れるようにX軸方向に退避移動される。図7は、端面加工時の砥石の退避方向を示し、砥石は切込Z軸によって工作物Wから離れるようにZ軸方向に退避移動される。図8は、斜め加工時の砥石の退避方向を示し、砥石は切込X軸及び切込Z軸によって工作物Wから離れるようにXZ方向に斜めに退避移動される。
図9~11は、ドレス時の砥石の退避方向を示す模式図である。図9は、外径ドレス時の砥石の退避方向を示し、砥石は切込X軸によってドレッサDから離れるようにX軸方向に退避移動される。図10は、端面ドレス時の砥石の退避方向を示し、砥石は切込Z軸によってドレッサDから離れるようにZ軸方向に退避移動される。図11は、斜めドレス時の砥石の退避方向を示し、砥石は切込X軸及び切込Z軸によってドレッサDから離れるようにXZ方向に斜めに退避移動される。
図6~11に示すように、加工面形状や砥石形状によって、砥石1を退避させる方向が異なる。記憶部が、自動運転中の加工工程及び加工動作を示す非常戻しコードを記憶しているため、電圧の低下又は停電を検知した際に、制御部はその非常戻しコードに従って砥石を工作物W又はドレッサDから離れる方向に即座に退避させることができる。
[砥石の退避制御方法1]
図12は、クイルの撓みを説明するための図である。図12のように、工作物Wからの抵抗により、砥石1はクイル2を撓ませながら研削加工を行う。そのため、加工中の工作物と砥石とを非接触状態とするには、クイルのたわみ量を考慮して砥石を退避させねばならず、退避距離を単純な固定値に設定することが困難である。また、クイルのたわみ量を考慮する必要がないほど工作物から十分離れた位置を退避完了位置に設定した場合は、退避完了位置までの距離が長く、退避動作中に非常電力の供給が切れた場合、砥石切込軸の制御モータが制御不能状態となり、砥石切込軸は惰性で退避し続けるおそれがある。
上記の問題を解消するために、本実施形態の研削盤では、制御部は、砥石の研削電力を監視し、砥石の退避動作開始後、研削電力が所定の閾値まで低下した際に、砥石の退避動作を停止させる構成とした。
研削電力は電力検出器等を備えることで検出可能である。研削電力とは、砥石の研削負荷に応じて変動する負荷電力のことである。図13は、砥石の動作と研削電力の関係を示すグラフである。図13において、横軸は時間軸であり、縦軸は、研削電力及び切込軸の位置を示す。切込軸の位置は、縦軸のプラス側へ傾くと工作物に近づく方向、例えばX軸方向へ移動し、縦軸のマイナス側へ傾くと工作物から離れる方向へ移動して退避していることを示す。研削電力は、加工中及びドレス中において砥石が退避動作を開始すると、徐々に低下し、工作物又はドレッサから離れる際に急降下し、所定の閾値(無負荷レベル)と交差する。砥石の退避動作は、研削電力が所定の閾値まで低下した際に完了する。
制御部は、砥石の研削電力を監視し、砥石の退避動作開始後、研削電力が所定の閾値まで低下した際に、砥石の退避動作を停止させる。この所定の閾値とは、本実施形態においては加工又はドレス開始直前の研削電力(無負荷レベル)であり、砥石が工作物又はドレッサから離れた状態における研削電力である。制御部は、加工又はドレス加工の都度、その加工直前の研削電力を無負荷レベルとして記憶しておく。砥石の退避動作開始後、制御部は、研削電力が記憶された無負荷レベルまで低下した際に、砥石の退避動作を停止させる。
このような研削盤によれば、クイルのたわみ量を考慮する必要がなく、研削電力によって砥石と工作物又はドレッサの接触の有無を監視することが可能である。研削電力が予め設定した閾値まで低下したことを検知することにより、砥石が十分に退避できた状態を把握でき、即座に退避動作を停止させることができる。これにより、砥石を退避させる時間を必要最低限に抑え、非常電力が供給されている間に退避させることが可能であるとともに、砥石を確実に退避させることができる。
[砥石の退避制御方法2]
砥石の退避動作中に非常電力の供給が切れてしまうと、砥石は惰性で回転し続け、制御不能状態となるおそれがある。この場合、研削ワークにおける研削点の反対側へ砥石が衝突するなどして、砥石や装置が破損する要因となる。
上記の問題を解消するために、本実施形態の研削盤では、制御部は、コンデンサの電圧を監視し、砥石の退避動作開始後、該コンデンサの電圧が所定の閾値まで低下した際に、該砥石の退避動作を停止させる構成としても良い。
図14は、砥石の動作とコンデンサ電圧の関係を示すグラフである。図14において、横軸は時間軸であり、縦軸は、コンデンサ電圧及び切込軸の位置を示す。切込軸の位置は、縦軸のプラス側へ傾くと工作物に近づく方向、例えばX軸方向へ移動し、縦軸のマイナス側へ傾くと工作物から離れる方向へ移動して退避していることを示す。制御部が、電圧の低下又は停電を検知すると、加工中及びドレス中において砥石が退避し始めるとともに、コンデンサ電圧も徐々に低下する。制御部は、コンデンサの電圧を監視し、コンデンサの電圧不足となり、制御不能になる前に、砥石の退避動作を停止させる。制御部は、制御可能な所定の閾値までコンデンサ電圧が低下した際に、砥石の退避動作を停止させる。
制御不能となるコンデンサの電圧不足レベルは、研削盤毎に設定される。コンデンサ電圧の所定の閾値(電圧不足手前レベル)は、電圧不足レベルよりも大きい値であれば良く、研削盤毎に予め設定することができる。例えば、電圧不足レベルをDC200V、電圧不足手前レベルをDC230Vに設定することができる。
このような研削盤によれば、コンデンサの電圧を監視することで、コンデンサの電圧不足により砥石切込軸が制御不能状態となる前に、退避動作を停止させることができる。これにより、装置の重度破損を確実に防止することができる。
以上のように構成した本実施形態の研削盤は、コンデンサから非常電力を供給するため、無停電電源装置を必要とせず、装置の大型化を防ぎ、コストを抑えることができる。また、砥石切込軸以外の駆動軸の停止よりも砥石切込軸による砥石の退避を優先することで、砥石の破損や装置の破損を確実に防ぐことができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
1 砥石
2 クイル
3 制御モータ
4 制御部
5 コンデンサ
6 コントローラ
7 バックアップDC電源
D ドレッサ
W 工作物

Claims (6)

  1. 砥石と、
    前記砥石を退避位置まで相対移動させる砥石切込軸と、
    前記砥石切込軸以外の駆動軸と、
    前記砥石切込軸及び前記駆動軸の各制御モータと、
    外部電源から供給される電圧を監視して電圧の低下又は停電を検知するとともに、前記各制御モータに電力を供給する制御部と、
    前記制御部が電圧の低下又は停電を検知した際、該制御部に対して非常電力を供給可能なコンデンサと、を備え、
    前記制御部は、加工時又はドレス時に電圧の低下又は停電を検知すると、前記コンデンサからの非常電力が供給されている間に、前記砥石切込軸を制御して、前記砥石を工作物又はドレッサから離れる方向へ退避させた後、前記砥石切込軸以外の前記駆動軸を停止させる指令を送信することを特徴とする研削盤。
  2. 前記コンデンサは、前記制御部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の研削盤。
  3. 前記コンデンサが前記制御部に非常電力を供給する時間は、前記砥石切込軸以外の前記駆動軸が停止指令を受信して停止が完了するまでの時間よりも短いことを特徴とする請求項2に記載の研削盤。
  4. 複数の加工工程と、該複数の加工工程に対応する前記砥石の退避方向とを予め記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶された情報を基に、電圧の低下又は停電を検知した際の加工工程に対応する退避方向へ前記砥石を退避させることを特徴とする請求項3に記載の研削盤。
  5. 前記砥石が取り付けられるクイルを備え、
    前記制御部は、前記砥石の研削電力を監視し、該砥石の退避動作開始後、該研削電力が所定の閾値まで低下した際に、該砥石の退避動作を停止させることを特徴とする請求項3に記載の研削盤。
  6. 前記制御部は、前記コンデンサの電圧を監視し、前記砥石の退避動作開始後、該コンデンサの電圧が所定の閾値まで低下した際に、該砥石の退避動作を停止させることを特徴とする請求項3に記載の研削盤。
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