JP2024052534A - バリア性基材、積層体および包装容器 - Google Patents

バリア性基材、積層体および包装容器 Download PDF

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Abstract

【課題】リサイクル性およびガスバリア性に優れる包装容器を作製するための包装材料における基材として有用なバリア性基材を提供する。【解決手段】第1の蒸着膜と、延伸基材と、第2の蒸着膜と、を少なくとも備えるバリア性基材であって、延伸基材は、ポリエチレン層およびバリア性樹脂層を少なくとも備え、ポリエチレン層は、ポリエチレンを主成分として含有し、バリア性樹脂層は、ガスバリア性樹脂を主成分として含有し、延伸基材は、第1の面および第1の面に対向する第2の面を有し、第1の蒸着膜は、延伸基材の第1の面上に設けられており、第2の蒸着膜は、延伸基材の第2の面上に設けられている、バリア性基材。【選択図】なし

Description

本開示は、バリア性基材、積層体および包装容器に関する。
液体および粉体などの流動性を有する内容物を収容するため、包装容器が用いられている。包装容器は、基材およびヒートシール層を備える積層体を備える。例えば、ポリオレフィンフィルムは、柔軟性および透明性を有すると共にヒートシール性に優れることから、ヒートシール層として広く使用されている。また、2軸延伸ポリエステルフィルムは、強度および耐熱性に優れることから、基材として広く使用されている。
近年、環境負荷低減という観点から、包装容器をリサイクルすることが求められている。リサイクル性という観点からは、基材とヒートシール層とがそれぞれ同種の樹脂材料から構成されること(モノマテリアル化)が好ましい。例えば特許文献1は、基材およびヒートシール層をそれぞれポリエチレンから構成することを提案している。
特開2020-55156号公報
本開示者らは、基材として延伸ポリエチレンフィルムを備える積層体を包装材料として用いて、包装容器を作製することを検討した。しかしながら、このような包装容器は、ガスバリア性が充分ではない傾向にあった。そこで本開示者らは、延伸ポリエチレンフィルム上に蒸着膜を設けることを検討した。しかしながら、このような構成でも、やはりガスバリア性が充分ではなかった。
本開示の一つの課題は、リサイクル性およびガスバリア性に優れる包装容器を作製するための包装材料における基材として有用なバリア性基材を提供することにある。
本開示のバリア性基材は、第1の蒸着膜と、延伸基材と、第2の蒸着膜と、を少なくとも備え、延伸基材は、ポリエチレン層およびバリア性樹脂層を少なくとも備え、ポリエチレン層は、ポリエチレンを主成分として含有し、バリア性樹脂層は、ガスバリア性樹脂を主成分として含有し、延伸基材は、第1の面および第1の面に対向する第2の面を有し、第1の蒸着膜は、延伸基材の第1の面上に設けられており、第2の蒸着膜は、延伸基材の第2の面上に設けられている。
本開示によれば、リサイクル性およびガスバリア性に優れる包装容器を作製するための包装材料における基材として有用なバリア性基材を提供できる。
図1は、バリア性基材の一実施形態を示す模式断面図である。 図2は、バリア性基材の一実施形態を示す模式断面図である。 図3は、バリア性基材の一実施形態を示す模式断面図である。 図4は、バリア性基材の一実施形態を示す模式断面図である。 図5は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 図6は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 図7は、積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 図8は、積層体を含むチューブ容器本体と、キャップと、を備えるチューブ容器の一実施形態を示す斜視図である。 図9は、図8のA-A断面図である。
以下、本開示の実施形態について、詳細に説明する。本開示は多くの異なる形態で実施でき、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されない。図面は、説明をより明確にするため、実施形態に比べ、各層の幅、厚さおよび形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定しない。本明細書と各図において、既出の図に関してすでに説明したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本開示において、あるパラメータに関して複数の上限値の候補および複数の下限値の候補が挙げられている場合、そのパラメータの数値範囲は、任意の1つの上限値の候補と任意の1つの下限値の候補とを組み合わせることによって構成されてもよい。上記パラメータとしては、例えば、物性値、成分の含有割合および層の厚さが挙げられる。一例として、「パラメータBは、好ましくはA1以上、より好ましくはA2以上、さらに好ましくはA3以上である。パラメータBは、好ましくはA4以下、より好ましくはA5以下、さらに好ましくはA6以下である。」との記載について説明する。この例において、パラメータBの数値範囲は、A1以上A4以下でもよく、A1以上A5以下でもよく、A1以上A6以下でもよく、A2以上A4以下でもよく、A2以上A5以下でもよく、A2以上A6以下でもよく、A3以上A4以下でもよく、A3以上A5以下でもよく、A3以上A6以下でもよい。
本明細書において、以下の説明で登場する各成分(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、α-オレフィン、ガスバリア性樹脂などの樹脂材料、ならびに添加剤)は、それぞれ1種用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本明細書において、ある層における「主成分」とは、当該層中の含有割合が50質量%超、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である成分をいう。
[バリア性基材]
本開示のバリア性基材は、
第1の蒸着膜と、
延伸基材と、
第2の蒸着膜と、
を少なくとも備える。
延伸基材は、ポリエチレン層およびバリア性樹脂層を少なくとも備える。
ポリエチレン層は、ポリエチレンを主成分として含有する。
バリア性樹脂層は、ガスバリア性樹脂を主成分として含有する。
延伸基材は、第1の面と、第1の面に対向する第2の面と、を有する。第1の蒸着膜は、延伸基材の第1の面上に設けられている。第2の蒸着膜は、延伸基材の第2の面上に設けられている。
延伸基材は、延伸処理が施された基材である。
延伸基材は、2層以上の多層構造を有する。延伸基材の層数は、2層以上であり、好ましくは3層以上であり、好ましくは14層以下であり、より好ましくは12層以下である。延伸基材の層数は、具体的には、4層、6層、8層、10層、12層または14層である。多層構造を有する延伸基材は、例えば、ガスバリア性、強度、剛性、耐熱性、透明性および印刷適性のバランスに優れる。
延伸基材は、ポリエチレン層とバリア性樹脂層との間に、接着性樹脂層をさらに備えてもよい。延伸基材は、ポリエチレン層を2層以上備えてもよい。延伸基材は、バリア性樹脂層を2層以上備えてもよい。延伸基材は、接着性樹脂層を2層以上備えてもよい。
延伸基材は、第1のバリア性樹脂層と、1層または2層以上のポリエチレン層と、第2のバリア性樹脂層とをこの順に備えてもよく、第1のバリア性樹脂層と、第1の接着性樹脂層と、1層または2層以上のポリエチレン層と、第2の接着性樹脂層と、第2のバリア性樹脂層とをこの順に備えてもよい。
延伸基材は、第1のバリア性樹脂層と、第1の接着性樹脂層と、第3aのポリエチレン層と、第2aのポリエチレン層と、第1aのポリエチレン層と、第1bのポリエチレン層と、第2bのポリエチレン層と、第3bのポリエチレン層と、第2の接着性樹脂層と、第2のバリア性樹脂層とをこの順に備えてもよい。
第1a、第2aおよび第3aのポリエチレン層の組成は、互いに同一でもよく、異なってもよい。第1a、第2aおよび第3aのポリエチレン層の厚さは、互いに同一でもよく、異なってもよい。第1b、第2bおよび第3bのポリエチレン層の組成は、互いに同一でもよく、異なってもよい。第1b、第2bおよび第3bのポリエチレン層の厚さは、互いに同一でもよく、異なってもよい。
第1aおよび第1bのポリエチレン層の組成は、互いに同一でもよく、異なってもよいが、同一であることが好ましい。第1aおよび第1bのポリエチレン層の厚さは、互いに同一でもよく、異なってもよいが、同一であることが好ましい。第2aおよび第2bのポリエチレン層の組成は、互いに同一でもよく、異なってもよいが、同一であることが好ましい。第2aおよび第2bのポリエチレン層の厚さは、互いに同一でもよく、異なってもよいが、同一であることが好ましい。第3aおよび第3bのポリエチレン層の組成は、互いに同一でもよく、異なってもよいが、同一であることが好ましい。第3aおよび第3bのポリエチレン層の厚さは、互いに同一でもよく、異なってもよいが、同一であることが好ましい。
第1および第2のバリア性樹脂層の組成は、互いに同一でもよく、異なってもよいが、同一であることが好ましい。第1および第2のバリア性樹脂層の厚さは、互いに同一でもよく、異なってもよいが、同一であることが好ましい。第1および第2の接着性樹脂層の組成は、互いに同一でもよく、異なってもよいが、同一であることが好ましい。第1および第2の接着性樹脂層の厚さは、互いに同一でもよく、異なってもよいが、同一であることが好ましい。
延伸基材は、第4のポリエチレン層と、第1の接着性樹脂層と、バリア性樹脂層と、第2の接着性樹脂層と、第5のポリエチレン層とをこの順に備えてもよい。第4~第5のポリエチレン層の組成は、互いに同一でもよく、異なってもよい。第4~第5のポリエチレン層の厚さは、互いに同一でもよく、異なってもよい。
延伸基材におけるポリエチレンの含有割合は、好ましくは50質量%超、より好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。このような延伸基材を備える積層体(または包装容器)は、例えば、リサイクル性に優れる。
延伸基材は、延伸処理が施された基材である。これにより、例えば、基材の強度、剛性、耐熱性、透明性および印刷適性を向上できる。延伸処理は、1軸延伸でもよく、2軸延伸でもよい。縦方向(基材の流れ方向、MD方向)へ延伸を行う場合の延伸倍率は、好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上であり、好ましくは10倍以下、より好ましくは7倍以下である。横方向(MD方向に対して垂直な方向、TD方向)へ延伸を行う場合の延伸倍率は、好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上であり、好ましくは10倍以下、より好ましくは7倍以下である。
延伸基材は、例えば、1軸延伸された基材であり、具体的には、MD方向へ1軸延伸された基材(MDO基材)である。
延伸基材の厚さは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上であり、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、特に好ましくは40μm以下である。厚さが下限値以上の延伸基材は、例えば、強度、剛性および耐熱性に優れる。厚さが上限値以下の延伸基材は、例えば、加工性に優れる。本明細書において、基材および各層の厚さは、基材表面に対する垂直断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により得られるSEM画像に基づき測定される10箇所の厚さの平均値である。
延伸基材は、例えば、各層を構成する材料を製膜してフィルムを作製した後、該フィルムを延伸することにより作製できる。製膜の方法としては、例えば、インフレーション成形法およびTダイ成形法が挙げられ、インフレーション成形法が好ましい。インフレーション成形法によれば、製膜に続いて延伸を行うことができる。
延伸基材は、一実施形態において、共押出樹脂フィルムである。
延伸基材は、一実施形態において、ポリエチレン層を構成する材料と、延伸基材が接着性樹脂層を備える場合は接着性樹脂層を構成する材料と、バリア性樹脂層を構成する材料とを、共押出インフレーション成形法等により共押出製膜し、得られたフィルムをさらに延伸処理して得られた樹脂フィルムである。
延伸基材は、一実施形態において、バリア性樹脂層を構成する材料と、必要に応じて接着性樹脂層を構成する材料と、ポリエチレン層を構成する材料と、必要に応じて接着性樹脂層を構成する材料と、バリア性樹脂層を構成する材料とを、厚さ方向にこの順に共押出インフレーション成形法等により共押出製膜し、得られたフィルムをさらに延伸処理して得られた樹脂フィルムである。
延伸基材は、一実施形態において、バリア性樹脂層を構成する材料と、必要に応じて接着性樹脂層を構成する材料と、ポリエチレン層を構成する材料とを、共押出インフレーション成形法等により、ポリエチレン層が最内層となるようチューブ状に厚さ方向にこの順に共押出製膜し、次いで、対向するポリエチレン層同士をゴムロールなどにより加熱圧着して得られた樹脂フィルムである。加熱圧着において、温度条件は、例えば45℃以上100℃以下、好ましくは50℃以上85℃以下、さらに好ましくは55℃以上70℃以下であり、圧力条件は、例えば0.1MPa以上1.0MPa以下であるが、特に限定されない。このような方法により延伸基材を製造することにより、欠陥品数を顕著に低減でき、生産効率を向上できる。
延伸基材およびバリア性基材には、表面処理が施されていてもよい。このような延伸基材およびバリア性基材は、例えば、他の層との密着性に優れる。表面処理の方法としては、例えば、物理的処理および化学的処理が挙げられる。物理的処理としては、例えば、コロナ処理、オゾン処理、酸素ガスおよび/または窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、ならびにグロー放電処理が挙げられる。化学的処理としては、例えば、化学薬品を用いた酸化処理が挙げられる。
<ポリエチレン層>
ポリエチレン層は、ポリエチレンを主成分として含有する。
本明細書において、ポリエチレンとは、全繰返し構成単位中、エチレン由来の構成単位の含有割合が50モル%超の重合体をいう。この重合体において、エチレン由来の構成単位の含有割合は、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上である。上記含有割合は、NMR法により測定される。
本明細書において、ポリエチレンは、エチレンの単独重合体でもよく、エチレンと、エチレン以外のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体でもよい。エチレン以外のエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンおよび6-メチル-1-ヘプテン等の炭素数3以上20以下のα-オレフィン、酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニル等のビニルモノマー、ならびに(メタ)アクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
本明細書において、ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレン、ならびにエチレン-酢酸ビニル共重合体およびエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。延伸基材の強度および耐熱性という観点から、高密度ポリエチレンおよび中密度ポリエチレンが好ましい。延伸基材の製膜性および加工性という観点から、直鎖状低密度ポリエチレンおよび中密度ポリエチレンが好ましい。
本明細書において、ポリエチレンの密度は、以下のとおりである。
高密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.945g/cm3を超える。高密度ポリエチレンの密度の上限は、例えば0.965g/cm3である。中密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.930g/cm3を超えて0.945g/cm3以下である。低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.900g/cm3を超えて0.930g/cm3以下である。直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.900g/cm3を超えて0.930g/cm3以下である。超低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.900g/cm3以下である。超低密度ポリエチレンの密度の下限は、例えば0.860g/cm3である。本明細書において、ポリエチレンの密度は、JIS K7112:1999のD法(密度勾配管法、23℃)に準拠して測定される。
低密度ポリエチレンは、例えば、高圧重合法によりエチレンを重合して得られるポリエチレン(高圧法低密度ポリエチレン)である。直鎖状低密度ポリエチレンは、例えば、チーグラー・ナッタ触媒などのマルチサイト触媒またはメタロセン触媒などのシングルサイト触媒を用いた重合法によりエチレンおよび少量のα-オレフィンを重合して得られるポリエチレンである。
密度または分岐が異なるポリエチレンは、重合方法を適宜選択することによって得られる。例えば、重合触媒として、チーグラー・ナッタ触媒などのマルチサイト触媒、またはメタロセン触媒などのシングルサイト触媒を用いて、気相重合、スラリー重合、溶液重合および高圧イオン重合のいずれかの方法により、1段または2段以上の多段で重合を行うことが好ましい。
本明細書において、ポリエチレンとしては、バイオマス由来のポリエチレン(以下「バイオマスポリエチレン」ともいう)を用いてもよい。すなわち、ポリエチレンを得るための原料として、化石燃料から得られるエチレン等に代えて、バイオマス由来のエチレン等を用いてもよい。バイオマスポリエチレンは、カーボンニュートラルな材料であることから、積層体または包装容器による環境負荷を低減できる。バイオマスポリエチレンは、例えば、特開2013-177531号公報に記載されている方法により製造できる。市販されているバイオマスポリエチレンを用いてもよい。
ポリエチレンとしては、メカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエチレン(以下「リサイクルポリエチレン」ともいう)を用いてもよい。これにより、積層体または包装容器による環境負荷を低減できる。メカニカルリサイクルとは、一般的に、回収されたポリエチレンフィルムなどを粉砕し、アルカリ洗浄してフィルム表面の汚れ、異物を除去した後、高温・減圧下で一定時間乾燥してフィルム内部に留まっている汚染物質を拡散させ除染を行い、フィルムの汚れを取り除き、再びポリエチレンに戻す方法である。ケミカルリサイクルとは、一般的に、回収されたポリエチレンフィルムなどをモノマーレベルまで分解し、当該モノマーを再度重合してポリエチレンを得る方法である。
以上のポリエチレンの説明は、本明細書の他の箇所においても適用できる。
ポリエチレン層に含まれるポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、製膜性および加工性という観点から、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.2g/10分以上、さらに好ましくは0.3g/10分以上、特に好ましくは0.5g/10分以上である。ポリエチレンのMFRは、製膜性および加工性という観点から、好ましくは30g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下、さらに好ましくは10g/10分以下、特に好ましくは5g/10分以下である。本明細書において、ポリエチレンのMFRは、JIS K7210-1:2014に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgの条件で、A法により測定される。
ポリエチレン層に含まれるポリエチレンの融点(Tm)は、耐熱性という観点から、好ましくは100℃以上、より好ましくは105℃以上、さらに好ましくは110℃以上、特に好ましくは120℃以上であり、好ましくは140℃以下である。本明細書において、各種材料のTmは、JIS K7121:2012(3.(2)(ただし、冷却速度10℃/分)による状態調節後の試験片を用いる)に準拠して、示差走査熱量測定(DSC)により得られる融解ピーク温度である。
ポリエチレン層におけるポリエチレンの含有割合は、好ましくは50質量%超、60質量%以上、または70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。
ポリエチレン層は、ポリエチレン以外の樹脂材料を含有してもよい。このような樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレンなどの、ポリエチレン以外のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、(メタ)アクリル樹脂、ビニル樹脂、セルロース樹脂およびアイオノマー樹脂が挙げられる。
ポリエチレン層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、相溶化剤、顔料および改質用樹脂が挙げられる。
ポリエチレン層は、後述する相溶化剤をさらに含有してもよい。ポリエチレン層が相溶化剤を含有する場合において、ポリエチレン層における相溶化剤の含有割合は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。延伸基材がポリエチレン層を2層以上備える場合は、少なくとも1層のポリエチレン層が相溶化剤を含有してもよい。延伸基材がポリエチレン層を2層以上備える場合は、上記相溶化剤の含有割合の基準は全ポリエチレン層の合計質量である。
ポリエチレン層の厚さは、好ましくは3μm以上、より好ましくは8μm以上、さらに好ましくは13μm以上であり、好ましくは180μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下である。厚さが下限値以上のポリエチレン層を備える延伸基材は、例えば、強度、剛性、耐熱性およびリサイクル性に優れる。厚さが上限値以下のポリエチレン層を備える延伸基材は、例えば、加工性に優れる。延伸基材がポリエチレン層を2層以上備える場合は、上記「厚さ」は、各ポリエチレン層の厚さの合計を意味する。
延伸基材は、ポリエチレン層を1層備えてもよく、2層以上備えてもよい。
ポリエチレン層を2層以上備える延伸基材において、各ポリエチレン層の密度は同一でもよく、異なってもよい。例えば、延伸基材は、各ポリエチレン層の密度に勾配(密度勾配)を有してもよい。各ポリエチレン層の密度勾配を有する延伸基材は、強度、剛性、耐熱性、および延伸前の基材における延伸性に優れる。
各ポリエチレン層の密度勾配を有する延伸基材において、隣接する任意のポリエチレン層同士の密度差の絶対値は小さいことが好ましい。密度差の絶対値は、例えば0.050g/cm3以下、好ましくは0.040g/cm3以下、より好ましくは0.030g/cm3以下、さらに好ましくは0.020g/cm3以下である。このような延伸基材は、例えば、各ポリエチレン層の界面における剥離(デラミネーション)の発生を効果的に抑制できる。ポリエチレン層の密度は、JIS K7112:1999のD法(密度勾配管法、23℃)に準拠して測定される。
延伸基材は、第1のバリア性樹脂層と、1層または2層以上のポリエチレン層と、第2のバリア性樹脂層とをこの順に備えてもよく、第1のバリア性樹脂層と、第1の接着性樹脂層と、1層または2層以上のポリエチレン層と、第2の接着性樹脂層と、第2のバリア性樹脂層とをこの順に備えてもよい。このような延伸基材は、例えば、耐熱性に優れるとともに、カールの発生を抑制できる。該バリア性樹脂層は、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体を主成分として含有する。
延伸基材は、
第1のバリア性樹脂層と、
第1の接着性樹脂層と、
第1aのポリエチレン層と、
第1bのポリエチレン層と、
第2の接着性樹脂層と、
第2のバリア性樹脂層と、
をこの順に備えてもよい。このような延伸基材は、カールの発生を抑制できる。該バリア性樹脂層は、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体を主成分として含有する。
延伸基材は、
第1のバリア性樹脂層と、
第1の接着性樹脂層と、
第3aのポリエチレン層と、
第2aのポリエチレン層と、
第1aのポリエチレン層と、
第1bのポリエチレン層と、
第2bのポリエチレン層と、
第3bのポリエチレン層と、
第2の接着性樹脂層と、
第2のバリア性樹脂層と、
をこの順に備えてもよい。このような延伸基材は、カールの発生を抑制できる。該バリア性樹脂層は、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体を主成分として含有する。
第1aおよび第1bのポリエチレン層は、それぞれ独立して、例えば、ポリエチレンプラストマー等のポリエチレンを主成分として含有する。第2aおよび第2bのポリエチレン層は、それぞれ独立して、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレンを主成分として含有する。第3aおよび第3bのポリエチレン層は、それぞれ独立して、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレンを主成分として含有する。このような延伸基材は、例えば、各ポリエチレン層の層間強度に優れ、層間剥離の発生を効果的に抑制できるとともに、加工性に優れる。第1および第2のバリア性樹脂層は、それぞれ独立して、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体を主成分として含有する。
第1aおよび第1bのポリエチレン層は、それぞれ独立して、例えば、ポリエチレンプラストマーを主成分として含有する層である。プラストマーは、エラストマー(外力を加えたときに、その外力に応じて変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状に回復する性質を有する高分子)に対する用語であり、エラストマーのような弾性変形を示さず、容易に塑性変形する高分子である。
ポリエチレンプラストマーとは、例えば、メタロセン触媒等のシングルサイト触媒を用いて、エチレンとα-オレフィンとを共重合して得られるポリエチレンである。α-オレフィンとしては、例えば、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンおよび4-メチル-1-ペンテン等の炭素数4以上8以下のα-オレフィンが好ましい。ポリエチレンプラストマーとしては、具体的には、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体およびエチレン-1-オクテン共重合体が挙げられる。
ポリエチレンプラストマーの密度は、延伸基材作製時における最内層同士の融着性という観点から、好ましくは0.920g/cm3以下、より好ましくは0.915g/cm3以下、さらに好ましくは0.910g/cm3以下である。ポリエチレンプラストマーの密度は、0.850g/cm3以上でもよく、0.855g/cm3以上でもよく、0.860g/cm3以上でもよい。
ポリエチレンプラストマーの融点(Tm)は、延伸基材作製時における最内層同士の融着性という観点から、好ましくは115℃以下、より好ましくは110℃以下、さらに好ましくは105℃以下、特に好ましくは100℃以下であり、90℃以下でもよく、80℃以下でもよく、70℃以下でもよい。ポリエチレンプラストマーのTmは、40℃以上でもよく、45℃以上でもよく、50℃以上でもよい。
ポリエチレンプラストマーのMFRは、製膜性および加工性という観点から、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.2g/10分以上、さらに好ましくは0.3g/10分以上、特に好ましくは0.5g/10分以上である。ポリエチレンのMFRは、製膜性および加工性という観点から、好ましくは30g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下、さらに好ましくは10g/10分以下、特に好ましくは5g/10分以下である。ポリエチレンプラストマーのMFRは、JIS K7210-1:2014に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgの条件で、A法により測定される。
第1aおよび第1bのポリエチレン層におけるポリエチレンプラストマーの含有割合は、それぞれ独立して、好ましくは50質量%超、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。
第2aおよび第2bのポリエチレン層は、それぞれ独立して、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含有する層である。第2aおよび第2bのポリエチレン層は、それぞれ独立して、相溶化剤をさらに含有してもよい。第2aおよび第2bのポリエチレン層が相溶化剤を含有することにより、本開示のバリア性基材を加熱溶融してリサイクルする際に、バリア性樹脂層に含まれるガスバリア性樹脂と、他の層に含まれるポリエチレンと、の混合性を向上できる。これにより、リサイクル後に、ポリエチレンの物性が低下することを効果的に抑制でき、また、ポリエチレンの透明性が低下することを効果的に抑制できる。
相溶化剤としては、例えば、酸変性ポリオレフィン等の変性ポリオレフィンが挙げられ、リサイクル性という観点から、酸変性ポリエチレン等の変性ポリエチレンが好ましい。変性ポリオレフィンとしては、例えば、マレイン酸およびフマル酸等の不飽和カルボン酸、またはその酸無水物、エステルもしくは金属塩による、ポリオレフィンの変性物、特にポリオレフィンのグラフト変性物が挙げられる。相溶化剤としては、具体的には、不飽和カルボン酸変性ポリエチレンが好ましく、無水マレイン酸変性ポリエチレンがより好ましい。
第2aおよび第2bのポリエチレン層における直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合は、それぞれ独立して、好ましくは50質量%超、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上、よりさらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは75質量%以上である。第2aおよび第2bのポリエチレン層において、直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合は、それぞれ独立して、100質量%以下であり、99質量%以下でもよく、97質量%以下でもよく、95質量%以下でもよく、90質量%以下でもよく、85質量%以下でもよい。
第2aおよび第2bのポリエチレン層が相溶化剤を含有する場合において、第2aおよび第2bのポリエチレン層における相溶化剤の含有割合は、それぞれ独立して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、よりさらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上であり、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、特に好ましくは25質量%以下である。
第3aおよび第3bのポリエチレン層は、それぞれ独立して、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンを含有する層であり、好ましくは、剛性等の観点から、直鎖状低密度ポリエチレンと中密度ポリエチレンとを含有する層であるか、または、延伸性等の観点から、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含有する層である。
第3aおよび第3bのポリエチレン層における直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合は、一実施形態において、それぞれ独立して、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上、よりさらに好ましくは50質量%以上、特に好ましくは55質量%以上である。第3aおよび第3bのポリエチレン層における直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合は、一実施形態において、それぞれ独立して、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下、よりさらに好ましくは70質量%以下、特に好ましくは65質量%以下である。
第3aおよび第3bのポリエチレン層における中密度ポリエチレンの含有割合は、一実施形態において、それぞれ独立して、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上、よりさらに好ましくは30質量%以上、特に好ましくは35質量%以上である。第3aおよび第3bのポリエチレン層における中密度ポリエチレンの含有割合は、一実施形態において、それぞれ独立して、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下、よりさらに好ましくは50質量%以下、特に好ましくは45質量%以下である。
上記直鎖状低密度ポリエチレンとしては、例えば、コモノマーが少なくとも1-ブテンであるエチレン-1-ブテン共重合体(C4-LLDPE)、コモノマーが少なくとも1-ヘキセンであるエチレン-1-ヘキセン共重合体(C6-LLDPE)、およびコモノマーが少なくとも1-オクテンであるエチレン-1-オクテン共重合体(C8-LLDPE)が挙げられる。これらの共重合体において、上記コモノマーのみに限定されず、さらなるコモノマーが用いられていてもよい。
第1aおよび第1bのポリエチレン層の合計厚さは、ポリエチレン層の合計厚さに対して、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上であり、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下である。
第2aおよび第2bのポリエチレン層の合計厚さは、ポリエチレン層の合計厚さに対して、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上であり、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下である。
第3aおよび第3bのポリエチレン層の合計厚さは、ポリエチレン層の合計厚さに対して、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは55%以上であり、好ましくは75%以下、より好ましくは70%以下、さらに好ましくは65%以下である。
上記ポリエチレン層を備える延伸基材における各ポリエチレン層の密度の大小関係は、基材の延伸性、ならびに延伸基材の耐熱性、強度、剛性および層間密着性を損なわなければ、特に限定されない。
延伸基材は、一実施形態において、第1aのポリエチレン層の密度よりも第2aのポリエチレン層の密度が高く、第2aのポリエチレン層の密度よりも第3aのポリエチレン層の密度が高いか同程度である。
延伸基材は、一実施形態において、第1bのポリエチレン層の密度よりも第2bのポリエチレン層の密度が高く、第2bのポリエチレン層の密度よりも第3bのポリエチレン層の密度が高いか同程度である。
延伸基材は、一実施形態において、第1aのポリエチレン層の密度よりも第2aのポリエチレン層の密度が高く、第2aのポリエチレン層の密度よりも第3aのポリエチレン層の密度が低い。
延伸基材は、一実施形態において、第1bのポリエチレン層の密度よりも第2bのポリエチレン層の密度が高く、第2bのポリエチレン層の密度よりも第3bのポリエチレン層の密度が低い。
延伸基材は、一実施形態において、第1aのポリエチレン層の密度よりも第2aのポリエチレン層の密度が低く、第2aのポリエチレン層の密度よりも第3aのポリエチレン層の密度が高い。
延伸基材は、一実施形態において、第1bのポリエチレン層の密度よりも第2bのポリエチレン層の密度が低く、第2bのポリエチレン層の密度よりも第3bのポリエチレン層の密度が高い。
<バリア性樹脂層>
本開示での延伸基材は、ガスバリア性樹脂を主成分として含有するバリア性樹脂層を備える。したがって、本開示での延伸基材は、従来のポリエチレン延伸基材に比べて、ガスバリア性(特に酸素バリア性)および保香性に優れる。本開示のバリア性基材と、ポリエチレンを主成分として含有するヒートシール層と、を少なくとも備える積層体は、リサイクル性に優れる。
本開示での延伸基材は、上記バリア性樹脂層を備えることから、例えば、従来のポリエチレン延伸基材に比べ、耐熱性および剛性に優れる。したがって、本開示のバリア性基材を備えるスタンディングパウチは、自立性に優れる。
ガスバリア性樹脂としては、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタン、ポリアクリロニトリルおよび(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。これらの中でも、ガスバリア性(特に酸素バリア性)、保香性、耐熱性および剛性などの観点から、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールおよびポリアミドが好ましく、エチレン-ビニルアルコール共重合体およびポリアミドがより好ましく、ガスバリア性および保香性という観点から、エチレン-ビニルアルコール共重合体がさらに好ましい。
エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)は、例えば、エチレンとビニルエステル系モノマーとを共重合させた後にケン化させることにより得られる。エチレンとビニルエステル系モノマーとの共重合は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより行うことができる。
ビニルエステル系モノマーとしては、一般的に酢酸ビニルが用いられるが、他のビニルエステル系モノマーを用いてもよい。他のビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニルおよびバーサチック酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、ならびに安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステルが挙げられる。
EVOHにおいてエチレンに由来する構成単位の含有割合(エチレン含有割合)は、バリア性基材の加工性という観点から、好ましくは20モル%以上、より好ましくは25モル%以上である。EVOHにおけるエチレン含有割合は、バリア性基材の耐熱性、酸素バリア性および水蒸気バリア性や、包装容器の保香性という観点から、好ましくは60モル%以下、より好ましくは50モル%以下である。エチレン含有割合は、NMR法により測定される。
EVOHにおける平均ケン化度は、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは99モル%以上である。平均ケン化度は、JIS K6726:1994(ただしEVOHは水/メタノール溶媒に均一に溶解した溶液を使用)に準拠して測定される。
EVOHの融点(Tm)は、耐熱性という観点から、好ましくは140℃以上、より好ましくは145℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。EVOHのTmは、好ましくは200℃以下、より好ましくは195℃以下、さらに好ましくは190℃以下である。
EVOHのメルトフローレート(MFR)は、製膜性および加工性という観点から、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.3g/10分以上、さらに好ましくは0.5g/10分以上である。EVOHのMFRは、製膜性および加工性という観点から、好ましくは30g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下、さらに好ましくは10g/10分以下、特に好ましくは5g/10分以下である。EVOHのMFRは、JIS K7210-1:2014に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgの条件で、A法により測定される。測定温度は、EVOHの融点に応じて210℃でもよい。
EVOHは、公知の方法により、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化などの変性がされていてもよい。
ポリビニルアルコール(PVA)における平均ケン化度は、好ましくは70モル%以上、より好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは85モル%以上である。平均ケン化度は、JIS K6726:1994に準拠して測定される。
ポリアミドとしては、例えば、脂肪族ポリアミドおよび半芳香族ポリアミドが挙げられる。ポリアミドとしては、脂肪族ポリアミドが好ましく、結晶性脂肪族ポリアミドがより好ましい。
脂肪族ポリアミドとしては、例えば、脂肪族ホモポリアミドおよび脂肪族共重合ポリアミドが挙げられる。以下の例示において、ポリアミドを「PA」とも記載する。
脂肪族ホモポリアミドとしては、具体的には、ポリカプロラクタム(PA6)、ポリエナントラクタム(PA7)、ポリウンデカンラクタム(PA11)、ポリラウリルラクタム(PA12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(PA66)、ポリテトラメチレンドデカミド(PA412)、ポリペンタメチレンアゼラミド(PA59)、ポリペンタメチレンセバカミド(PA510)、ポリペンタメチレンドデカミド(PA512)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(PA69)、ポリヘキサメチレンセバカミド(PA610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(PA612)、ポリノナメチレンアジパミド(PA96)、ポリノナメチレンアゼラミド(PA99)、ポリノナメチレンセバカミド(PA910)、ポリノナメチレンドデカミド(PA912)、ポリデカメチレンアジパミド(PA106)、ポリデカメチレンアゼラミド(PA109)、ポリデカメチレンデカミド(PA1010)、ポリデカメチレンドデカミド(PA1012)、ポリドデカメチレンアジパミド(PA126)、ポリドデカメチレンアゼラミド(PA129)、ポリドデカメチレンセバカミド(PA1210)およびポリドデカメチレンドデカミド(PA1212)が挙げられる。
脂肪族共重合ポリアミドとしては、具体的には、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸共重合体(PA6/66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアゼライン酸共重合体(PA6/69)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノセバシン酸共重合体(PA6/610)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノウンデカン酸共重合体(PA6/611)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノドデカン酸共重合体(PA6/612)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸共重合体(PA6/11)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(PA6/12)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸/ラウリルラクタム共重合体(PA6/66/12)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸/ヘキサメチレンジアミノセバシン酸共重合体(PA6/66/610)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸/ヘキサメチレンジアミノドデカンジカルボン酸共重合体(PA6/66/612)が挙げられる。
脂肪族ポリアミドの相対粘度は、好ましくは1.5以上、より好ましく2以上、さらに好ましくは2.5以上である。脂肪族ポリアミドの相対粘度は、好ましくは5以下、より好ましくは4.5以下である。脂肪族ポリアミドの相対粘度は、JIS K6920-2:2009に準拠して、ポリアミド1gを96%濃硫酸100mLに溶解させ、25℃で測定される。
半芳香族ポリアミドとは、芳香族ジアミンに由来する構成単位と、脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位とを有するポリアミド、または、脂肪族ジアミンに由来する構成単位と、芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位とを有するポリアミドである。例えば、芳香族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから構成されるポリアミド、および脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸とから構成されるポリアミドが挙げられる。
半芳香族ポリアミドとしては、例えば、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(PA6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(PA6I)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(PA9T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド共重合体(PA66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド共重合体(PA66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミド共重合体(PA6T/6)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミド共重合体(PA6I/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカミド共重合体(PA6T/12)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド共重合体(PA6I/6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2-メチルペンタメチレンテレフタルアミド)共重合体(PA6T/M5T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド共重合体(PA66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド共重合体(PA66/6/6I)およびポリメタキシリレンアジパミド(PAMXD6)が挙げられる。
半芳香族ポリアミドのメルトボリュームレート(MVR)は、好ましくは5cm3/10分以上、より好ましくは10cm3/10分以上である。半芳香族ポリアミドのMVRは、好ましくは200cm3/10分以下、より好ましくは100cm3/10分以下である。MVRは、JIS K7210-1:2014に準拠して、温度275℃、荷重5.00kgで測定される。
ポリアミドとしては、結晶性脂肪族ポリアミドが好ましい。結晶性脂肪族ポリアミドとしては、例えば、PA6、PA11、PA12、PA66、PA610、PA612、PA6/66およびPA6/66/12が挙げられる。
結晶性脂肪族ポリアミドの融点(Tm)は、好ましくは180℃以上である。結晶性脂肪族ポリアミドのTmは、好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下、さらに好ましくは230℃以下である。
ポリアミドのメルトフローレート(MFR)は、製膜性および加工性という観点から、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.3g/10分以上、さらに好ましくは0.5g/10分以上である。ポリアミドのMFRは、製膜性および加工性という観点から、好ましくは30g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下、さらに好ましくは10g/10分以下、特に好ましくは5g/10分以下である。ポリアミドのMFRは、JIS K7210-1:2014に準拠して、温度235℃、荷重2.16kgの条件で、A法により測定される。ポリアミドの融点に応じて、適切な測定温度を採用できる。
バリア性樹脂層におけるガスバリア性樹脂の含有割合は、ガスバリア性および保香性などの上述した物性という観点から、好ましくは50質量%超、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。
バリア性樹脂層は、上記添加剤を含有してもよい。
バリア性樹脂層の厚さは、ガスバリア性および保香性などの上述した物性という観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上である。バリア性樹脂層の厚さは、バリア性基材のリサイクル性という観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下、さらに好ましくは6μm以下である。延伸基材がバリア性樹脂層を2層以上備える場合は、上記「厚さ」は、各バリア性樹脂層の厚さの合計を意味する。
バリア性樹脂層の厚さは、バリア性基材の厚さに対して、好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上であり、好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下である。延伸基材がバリア性樹脂層を2層以上備える場合は、上記「厚さ」は、各バリア性樹脂層の厚さの合計を意味する。
<接着性樹脂層>
延伸基材は、ポリエチレン層とバリア性樹脂層との間に、接着性樹脂層をさらに備えてもよい。このような延伸基材は、例えば、ポリエチレン層とバリア性樹脂層との密着性に優れる。
接着性樹脂層は、樹脂材料を含有する。樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂が挙げられる。これらの中でも、リサイクル性および密着性という観点から、ポリオレフィンおよび変性ポリオレフィンが好ましく、酸変性ポリオレフィン等の変性ポリオレフィンがより好ましく、酸変性ポリエチレン等の変性ポリエチレンがさらに好ましい。
変性ポリオレフィンとしては、例えば、マレイン酸およびフマル酸等の不飽和カルボン酸、またはその酸無水物、エステルもしくは金属塩による、ポリオレフィンの変性物、特にポリオレフィンのグラフト変性物が挙げられる。変性ポリオレフィンとしては、具体的には、不飽和カルボン酸変性ポリエチレンが好ましく、無水マレイン酸変性ポリエチレンがより好ましい。
変性ポリオレフィンのメルトフローレート(MFR)は、製膜性および加工性という観点から、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.3g/10分以上、さらに好ましくは0.5g/10分以上である。変性ポリオレフィンのMFRは、製膜性および加工性という観点から、好ましくは30g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下、さらに好ましくは10g/10分以下、特に好ましくは5g/10分以下である。変性ポリオレフィンのMFRは、JIS K7210-1:2014に準拠して、荷重2.16kgの条件で、A法により測定される。MFRの測定温度は、変性ポリオレフィンの融点等に応じて設定され、変性ポリエチレンの場合は190℃である。
接着性樹脂層は、上記添加剤を含有してもよい。
接着性樹脂層の厚さは、上記密着性という観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上である。接着性樹脂層の厚さは、バリア性基材のリサイクル性という観点から、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。延伸基材が接着性樹脂層を2層以上備える場合は、上記「厚さ」は、各接着性樹脂層の厚さの合計を意味する。
<蒸着膜>
本開示のバリア性基材は、蒸着膜を備える。このようなバリア性基材を用いて作製した包装容器は、包装容器内に充填された内容物の質量減少を抑えることができる。
蒸着膜は、例えば、金属および/または無機酸化物から構成される。蒸着膜は、1種または2種以上の金属から構成される金属蒸着膜でもよく、1種または2種以上の無機酸化物から構成される無機酸化物蒸着膜でもよい。金属としては、例えば、アルミニウム、クロム、スズ、ニッケル、銅、銀、金およびプラチナが挙げられる。無機酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウムおよび酸化炭化珪素(炭素含有酸化珪素)が挙げられる。これらの中でも、アルミニウム蒸着膜、酸化アルミニウム(アルミナ)蒸着膜、酸化ケイ素(シリカ)蒸着膜、または酸化炭化珪素蒸着膜が好ましい。
第1の蒸着膜および第2の蒸着膜の組合せは、特に限定されない。
第1の蒸着膜が金属蒸着膜であり、第2の蒸着膜が金属蒸着膜でもよく、ここで両者は同一でもよく異なってもよい。第1の蒸着膜および第2の蒸着膜の一方が金属蒸着膜であり、他方が無機酸化物蒸着膜または透明蒸着膜でもよい。第1の蒸着膜が無機酸化物蒸着膜または透明蒸着膜でもよく、第2の蒸着膜が無機酸化物蒸着膜または透明蒸着膜でもよく、ここで両者は同一でもよく異なってもよい。
第1の蒸着膜がアルミニウム蒸着膜であり、第2の蒸着膜がアルミニウム蒸着膜でもよく、ここで両者は同一のアルミニウム蒸着膜でもよく異なるアルミニウム蒸着膜でもよい。第1の蒸着膜および第2の蒸着膜の一方がアルミニウム蒸着膜であり、他方がアルミナ蒸着膜、シリカ蒸着膜または酸化炭化珪素蒸着膜でもよい。第1の蒸着膜がアルミナ蒸着膜、シリカ蒸着膜または酸化炭化珪素蒸着膜であり、第2の蒸着膜がアルミナ蒸着膜、シリカ蒸着膜または酸化炭化珪素蒸着膜でもよく、ここで両者は同一でもよく異なってもよい。
第1および第2の蒸着膜の厚さは、ガスバリア性という観点から、それぞれ独立に、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、さらに好ましくは10nm以上である。第1および第2の蒸着膜の厚さは、蒸着膜におけるクラックの発生の抑制および包装容器のリサイクル性という観点から、それぞれ独立に、好ましくは150nm以下、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは80nm以下である。
蒸着膜がアルミニウム蒸着膜である場合は、アルミニウム蒸着膜の光学濃度(OD値)は、好ましくは2以上3.5以下である。これにより、例えば、バリア性基材の生産性を維持しつつ、酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上できる。OD値は、JIS K7361-1:1997に準拠して測定できる。
蒸着膜の表面には、上記表面処理が施されていることが好ましい。このような蒸着膜は、例えば、隣接する層との密着性に優れる。
蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法およびイオンプレーティング法などの物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、ならびにプラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法および光化学気相成長法などの化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)が挙げられる。蒸着膜は、物理気相成長法および化学気相成長法の両者を併用して形成される、異種の蒸着膜を2層以上含む複合膜でもよい。
蒸着チャンバーの真空度としては、酸素導入前においては、10-2~10-8mbar程度が好ましく、酸素導入後においては、10-1~10-6mbar程度が好ましい。酸素導入量などは、蒸着機の大きさなどによって異なる。導入される酸素には、キャリヤーガスとしてアルゴンガス、ヘリウムガスおよび窒素ガスなどの不活性ガスを支障のない範囲で使用してもよい。蒸着膜が形成される対象フィルムの搬送速度は、例えば、10m/min以上800m/min以下である。
蒸着膜は、1回の蒸着工程により形成される単層でもよく、複数回の蒸着工程により形成される多層でもよい。蒸着膜が多層である場合、各層は同一の成分から構成されてもよく、異なる成分から構成されてもよい。各層は、同一の方法により形成してもよく、異なる方法により形成してもよい。
本開示のバリア性基材は、上記蒸着膜としての第1の蒸着膜と、延伸基材と、上記蒸着膜としての第2の蒸着膜と、を少なくともこの順に備える。このようなバリア性基材は、ガスバリア性に特に優れる。
一実施形態において、延伸基材が、第1の面を構成する第1のバリア性樹脂層(第1の表層)と、第2の面を構成する第2のバリア性樹脂層(第2の表層)と、を備え、第1の蒸着膜が、第1のバリア性樹脂層の表面に設けられており、第2の蒸着膜が、第2のバリア性樹脂層の表面に設けられている。このような延伸基材は、例えば蒸着膜の形成性、平滑性および密着性に優れ、得られるバリア性基材は、例えば、ガスバリア性、具体的には、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れ、また、蒸着膜が金属蒸着膜である場合は、輝度に優れる。
<バリアコート層>
本開示のバリア性基材は、蒸着膜上に、バリアコート層をさらに備えてもよい。すなわち、バリア性基材は、蒸着膜における延伸基材側の面とは反対側の面上に、バリアコート層をさらに備えてもよい。このようなバリア性基材は、例えば、酸素バリア性および水蒸気バリア性に優れるとともに、蒸着膜が酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素などの無機酸化物から構成される場合は、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に抑制できる。
一実施形態において、バリアコート層は、ガスバリア性樹脂を含有する。ガスバリア性樹脂としては、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタン、ポリアクリロニトリルおよび(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。
バリアコート層におけるガスバリア性樹脂の含有割合は、好ましくは50質量%超、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。このようなバリアコート層は、例えば、ガスバリア性に優れる。
バリアコート層は、上記添加剤を含有してもよい。
ガスバリア性樹脂を含有するバリアコート層の厚さは、ガスバリア性という観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上である。ガスバリア性樹脂を含有するバリアコート層の厚さは、バリア性基材の加工性および包装容器のリサイクル性という観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。
バリアコート層は、例えば、ガスバリア性樹脂などの材料を水または適当な有機溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を、蒸着膜に塗布し、乾燥することにより形成できる。
他の実施形態において、バリアコート層は、金属アルコキシドと、水溶性高分子と、必要に応じてシランカップリング剤とを混合し、必要に応じて水、有機溶剤およびゾルゲル法触媒を添加して得られたガスバリア性組成物を、蒸着膜に塗布し、乾燥することにより形成されるガスバリア性塗布膜である。ガスバリア性塗布膜は、上記金属アルコキシド等がゾルゲル法によって加水分解および重縮合された加水分解重縮合物を含む。このようなバリアコート層を蒸着膜上に設けることにより、蒸着膜が無機酸化物から構成される場合、ガスバリア性を向上できるとともに、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に抑制できる。
金属アルコキシドとしては、例えば、アルコキシシランが挙げられ、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびテトラブトキシシランが挙げられる。
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコールおよびエチレン-ビニルアルコール共重合体等の水酸基含有高分子が挙げられる。酸素バリア性、水蒸気バリア性、耐水性および耐候性などの所望の物性に応じて、ポリビニルアルコールおよびエチレン-ビニルアルコール共重合体のいずれか一方を用いてもよく、両者を併用してもよく、また、ポリビニルアルコールを用いて得られるガスバリア性塗布膜およびエチレン-ビニルアルコール共重合体を用いて得られるガスバリア性塗布膜を積層してもよい。水溶性高分子の使用量は、金属アルコキシド100質量部に対して、好ましくは5質量部以上500質量部以下である。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができ、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好ましく、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランおよびβ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。シランカップリング剤の使用量は、金属アルコキシド100質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下である。
ガスバリア性組成物は、金属アルコキシド1モルに対して、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは0.5モル以上の、好ましくは100モル以下、より好ましくは60モル以下の割合の水を含んでもよい。水の含有量を下限値以上とすることにより、例えば、バリア性基材の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上できる。水の含有量を上限値以下とすることにより、例えば、加水分解反応を速やかに行うことができる。
ガスバリア性組成物は、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコールおよびn-ブチルアルコールが挙げられる。
ゾルゲル法触媒としては、酸またはアミン系化合物が好ましい。
ガスバリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコートおよびアプリケータ等の塗布手段が挙げられる。
以下、ガスバリア性塗布膜の形成方法の一実施形態について説明する。
金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶剤、および必要に応じてシランカップリング剤等を混合して、ガスバリア性組成物を調製する。組成物中では、次第に重縮合反応が進行する。蒸着膜に、常法により、上記組成物を塗布し乾燥する。この乾燥により、金属アルコキシドおよび水溶性高分子(組成物がシランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。上記操作を繰り返して、複数の複合ポリマー層を積層してもよい。例えば、塗布された上記組成物を、好ましくは20℃以上、より好ましくは50℃以上、さらに好ましくは70℃以上の温度で、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下、さらに好ましくは100℃以下の温度で、1秒以上10分以下加熱する。これにより、ガスバリア性塗布膜を形成できる。
ガスバリア性塗布膜の厚さは、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは5μm以下、よりさらに好ましくは2μm以下、特に好ましくは1μm以下である。このようなガスバリア性塗布膜を備えるバリア性基材は、例えば、ガスバリア性に優れ、無機酸化物から構成される蒸着膜におけるクラックの発生を抑制でき、また、包装容器のリサイクル性および加工性に優れる。
<バリア性基材の層構成>
以下、本開示のバリア性基材の層構成について、数例を挙げる。
図1に示すバリア性基材1は、第1の蒸着膜40と、第1のバリア性樹脂層20と、ポリエチレン層10と、第2のバリア性樹脂層20と、第2の蒸着膜40と、を備える。
図2に示すバリア性基材1は、第1の蒸着膜40と、第1のバリア性樹脂層20と、第1の接着性樹脂層30と、ポリエチレン層10と、第2の接着性樹脂層30と、第2のバリア性樹脂層20と、第2の蒸着膜40と、を備える。
図3に示すバリア性基材1は、第1の蒸着膜40と、第1のバリア性樹脂層20と、第1の接着性樹脂層30と、第3aのポリエチレン層10と、第2aのポリエチレン層10と、第1aのポリエチレン層10と、第1bのポリエチレン層10と、第2bのポリエチレン層10と、第3bのポリエチレン層10と、第2の接着性樹脂層30と、第2のバリア性樹脂層20と、第2の蒸着膜40と、をこの順に備える。
図4に示すバリア性基材1は、第1の蒸着膜40と、第4のポリエチレン層10と、第1の接着性樹脂層30と、バリア性樹脂層20と、第2の接着性樹脂層30と、第5のポリエチレン層10と、第2の蒸着膜40と、をこの順に備える。
<バリア性基材のガスバリア性>
本開示のバリア性基材の酸素透過度は、好ましくは3.0cc/(m2・day・atm)以下、より好ましくは2.0cc/(m2・day・atm)以下、さらに好ましくは1.0cc/(m2・day・atm)以下、特に好ましくは0.5cc/(m2・day・atm)以下、0.3cc/(m2・day・atm)以下、または0.1cc/(m2・day・atm)以下である。酸素透過度の下限値は、例えば0.01cc/(m2・day・atm)でもよい。酸素透過度は、JIS K7126-2:2006に準拠して、温度23℃、湿度90%RH環境下にて測定される。
本開示のバリア性基材の水蒸気透過度は、好ましくは3.0g/(m2・day)以下、より好ましくは2.0g/(m2・day)以下、さらに好ましくは1.0g/(m2・day)以下、特に好ましくは0.5g/(m2・day)以下または0.3g/(m2・day)以下である。水蒸気透過度の下限値は、例えば0.01g/(m2・day)でもよく、0.05g/(m2・day)でもよい。水蒸気透過度は、JIS K7129-2:2019に準拠して、温度40℃、湿度90%RH環境下にて測定される。
[積層体]
本開示の積層体は、本開示のバリア性基材とヒートシール層とを少なくとも備える。
ヒートシール層は、ポリエチレンを主成分として含有する。
本開示の積層体は、包装材料として好適に用いることができる。
本開示の積層体全体におけるポリエチレンの含有割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。これにより、例えば、上記積層体を用いてモノマテリアル化した包装容器を作製でき、包装容器のリサイクル性を向上できる。ポリエチレンの含有割合の上限は特に限定されないが、99質量%でもよい。
<基材>
本開示の積層体は、本開示のバリア性基材を備える。本開示の積層体は、バリア性基材を2つ以上備えてもよい。バリア性基材の詳細については上述したとおりであり、本欄での詳細な説明は省略する。
本開示の積層体は、ポリエチレン延伸基材をさらに備えてもよい。
ポリエチレン延伸基材は、延伸処理が施されたポリエチレン基材である。延伸処理は、1軸延伸でもよく、2軸延伸でもよい。縦方向(基材の流れ方向、MD方向)へ延伸を行う場合の延伸倍率は、好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上であり、好ましくは10倍以下、より好ましくは7倍以下である。横方向(MD方向に対して垂直な方向、TD方向)へ延伸を行う場合の延伸倍率は、好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上であり、好ましくは10倍以下、より好ましくは7倍以下である。ポリエチレン延伸基材は、例えば、1軸延伸されたポリエチレン基材であり、具体的には、MD方向へ1軸延伸されたポリエチレン基材(MDO基材)である。
ポリエチレン延伸基材は、ポリエチレンを主成分として含有する。ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンが挙げられる。
ポリエチレン延伸基材は、バイオマスポリエチレンを含有してもよい。
ポリエチレン延伸基材は、リサイクルポリエチレンを含有してもよい。
ポリエチレン延伸基材は、上記添加剤を含有してもよい。
ポリエチレン延伸基材におけるポリエチレンの含有割合は、好ましくは50質量%超、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。
ポリエチレン延伸基材は、単層構造を有してもよく、多層構造を有してもよい。
ポリエチレン延伸基材の厚さは、積層体の強度および耐熱性という観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは8μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、積層体の加工性という観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。
ポリエチレン延伸基材には、上記表面処理が施されていてもよい。このようなポリエチレン延伸基材は、例えば、該基材に隣接する層との密着性に優れる。また、ポリエチレン延伸基材の表面に、従来公知のアンカーコート剤を用いて、アンカーコート層を形成してもよい。
バリア性基材と、ポリエチレン延伸基材と、ヒートシール層とを備える積層体は、例えば、ポリエチレン延伸基材と、バリア性基材と、ヒートシール層とをこの順に備えてもよく、バリア性基材と、ポリエチレン延伸基材と、ヒートシール層とをこの順に備えてもよい。
<印刷層>
本開示の積層体は、上述したバリア性基材および/またはポリエチレン延伸基材における基材の一方の面または両方の面上に、印刷層を備えてもよい。本開示の積層体は、後述する第2のヒートシール層上に、印刷層を備えてもよい。
印刷層は、画像を含む。画像としては、例えば、文字、図形、模様、記号およびこれらの組合せが挙げられる。画像は、商品名、包装容器中の物品の名称、製造者および原材料名等の文字情報を含んでもよい。画像は、単色無地(いわゆるベタ画像)でもよい。
印刷層は、一実施形態において、着色剤を含有する。
着色剤としては、例えば、無機顔料および有機顔料等の顔料、ならびに、酸性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、含金属油溶性染料および昇華性色素等の染料が挙げられる。また、着色剤としては、紫外線を吸収することにより蛍光を発する紫外線発光材料、および赤外線を吸収することにより蛍光を発する赤外線発光材料等の蛍光発光材料も挙げられる。
印刷層における着色剤の含有割合は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。印刷層における着色剤の含有割合は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
印刷層は、一実施形態において、着色剤に加えて樹脂材料を含有する。
樹脂材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の硬化物およびエネルギー線硬化性化合物の硬化物が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、ポリスチレン、(メタ)アクリル樹脂、ビニル樹脂、アセタール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロース樹脂、石油樹脂およびフッ素樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、熱硬化性ポリウレタン、シリコーン樹脂および(メタ)アクリル系熱硬化性樹脂が挙げられる。エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、多官能性(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
印刷層における樹脂材料の含有割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。印刷層における樹脂材料の含有割合は、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下である。
印刷層は、上記添加剤を含有してもよい。
印刷層は、例えば、上述した成分および必要に応じて溶媒を含有するインキ組成物を用いて形成できる。印刷層の形成方法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、活版印刷法および転写印刷法が挙げられる。印刷層は、環境負荷低減という観点から、フレキソ印刷法により形成してもよい。印刷層は、環境負荷低減という観点から、バイオマス由来のインキを用いて形成してもよい。
印刷層の厚さは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である。印刷層の厚さは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。
<表面保護層>
本開示の積層体は、後述する第2のヒートシール層上に設けられた印刷層上に、印刷層の耐擦傷性および耐候性を良好にするために、表面保護層を備えてもよい。本開示の積層体は、印刷層の全領域を覆う表面保護層を備えることが好ましい。印刷層の視認性という観点から、表面保護層は、可視光領域において透明性を有することが好ましく、無色透明であることがより好ましい。
表面保護層は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の硬化物またはエネルギー線硬化性化合物の硬化物を含有する。これらの中でも、耐擦傷性および耐候性を向上できるという観点から、表面保護層は、熱硬化性樹脂の硬化物またはエネルギー線硬化性化合物の硬化物を含有することが好ましく、エネルギー線硬化性化合物の硬化物を含有することがより好ましい。表面保護層の全樹脂成分における上記硬化物の割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。表面保護層の印刷方法としては、例えば、活版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷および熱転写印刷が挙げられる。
表面保護層の厚さは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上であり、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。このような表面保護層を備える積層体は、耐擦傷性および耐候性に優れる。
<ヒートシール層>
本開示の積層体は、ヒートシール層を備える。
ヒートシール層は、ポリエチレンを主成分として含有する。これにより、包装容器のモノマテリアル化を図ることができる。このような包装容器は、リサイクル性に優れ、例えば使用済みの包装容器を回収した後、バリア性基材とヒートシール層とを分離する必要がない。
ヒートシール層に含まれるポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンが挙げられ、ヒートシール性という観点から、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとしては、環境負荷低減という観点から、バイオマスポリエチレンおよび/またはリサイクルポリエチレンを用いてもよい。
ヒートシール性という観点からは、ヒートシール層は低密度ポリエチレンおよび/または直鎖状低密度ポリエチレンを含有することが好ましい。ヒートシール層が低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンを含有する場合、直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合(質量%)が低密度ポリエチレンの含有割合(質量%)よりも大きくてもよい。
ヒートシール層に含まれるポリエチレンの融点(Tm)は、耐熱性およびヒートシール性のバランスという観点から、好ましくは90℃以上、より好ましくは95℃以上であり、好ましくは140℃以下、より好ましくは130℃以下である。
ヒートシール層に含まれるポリエチレンのMFRは、製膜性および加工性という観点から、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.3g/10分以上、さらに好ましくは0.5g/10分以上であり、好ましくは50g/10分以下、より好ましくは30g/10分以下、さらに好ましくは10g/10分以下である。
ヒートシール層におけるポリエチレンの含有割合は、好ましくは50質量%超、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。このようなヒートシール層を備える積層体は、例えば、リサイクル性に優れる。
ヒートシール層は、上記添加剤を含有してもよい。
本開示の積層体は、上記ヒートシール層としての第1のヒートシール層と、本開示のバリア性基材と、上記ヒートシール層としての第2のヒートシール層と、を少なくともこの順に備えてもよい。このような積層体は、例えば、チューブ容器本体の胴部を形成するための包装材料として好適に用いることができる。この場合、第2のヒートシール層は胴部の外面側のシーラント層であり、第1のヒートシール層は胴部の内面側のシーラント層である。すなわち、上記胴部は、胴部の外側から内側に向かって、第2のヒートシール層と、バリア性基材と、第1のヒートシール層と、をこの順に備える。
第1のヒートシール層は、ポリエチレンを主成分として含有する。第2のヒートシール層は、ポリエチレンを主成分として含有する。第1のヒートシール層に含まれるポリエチレンと、第2のヒートシール層に含まれるポリエチレンとは、同一でもよく、異なってもよい。第1のヒートシール層および第2のヒートシール層は、それぞれ加熱によって溶融し、相互に融着し得る。
ヒートシール層は、単層構造を有してもよく、多層構造を有してもよい。
ヒートシール層の厚さは、ヒートシール性および包装容器のリサイクル性という観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは50μm以上、特に好ましくは80μm以上である。ヒートシール層の厚さは、積層体の加工性という観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。
ヒートシール層は、ヒートシール性という観点から、好ましくは未延伸の樹脂フィルムであり、より好ましくは未延伸の共押出樹脂フィルムであり、ヒートシール層を構成する各層は、共押出樹脂層である。上記樹脂フィルムは、例えば、キャスト法、Tダイ法またはインフレーション法等を利用することにより作製できる。「未延伸フィルム」とは、全く延伸されていないフィルムだけでなく、製膜の際に加えられる張力に起因してわずかに延伸されているフィルムも包含する概念である。
例えば、ヒートシール層に対応する未延伸の樹脂フィルムを必要に応じて接着層を介してバリア性基材上に積層してもよく、ポリエチレンまたはその樹脂組成物をバリア性基材上に溶融押出しすることによりヒートシール層を形成してもよい。後者の場合、接着層が設けられていなくてもよい。接着層としては、例えば、後述する接着層が挙げられる。
<接着層>
本開示の積層体は、バリア性基材とヒートシール層との間などの任意の層間に、接着層を備えてもよい。このような積層体は、例えば、バリア性基材とヒートシール層との密着性に優れる。
本開示の積層体は、例えば、バリア性基材と、接着層と、ヒートシール層とをこの順に備えてもよく、ポリエチレン延伸基材と、第2の接着層と、バリア性基材と、第1の接着層と、ヒートシール層とをこの順に備えてもよく、バリア性基材と、第2の接着層と、ポリエチレン延伸基材と、第1の接着層と、ヒートシール層とをこの順に備えてもよい。本開示の積層体は、例えば、第2のヒートシール層と、第2の接着層と、バリア性基材と、第1の接着層と、第1のヒートシール層とをこの順に備えてもよい。
接着層は、一実施形態において、接着剤により構成される接着剤層でもよい。接着剤は、1液硬化型の接着剤、2液硬化型の接着剤、および非硬化型の接着剤のいずれでもよい。接着剤は、無溶剤型の接着剤でもよく、溶剤型の接着剤でもよい。
無溶剤型の接着剤、すなわちノンソルベントラミネート接着剤としては、例えば、ポリエーテル系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤およびウレタン系接着剤が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系接着剤が好ましく、2液硬化型のウレタン系接着剤がより好ましい。
溶剤型の接着剤としては、例えば、ゴム系接着剤、ビニル系接着剤、オレフィン系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤、フェノール系接着剤およびウレタン系接着剤が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系接着剤が好ましく、2液硬化型のウレタン系接着剤がより好ましい。
本開示の積層体は、一実施形態において、バリア性基材と、任意にポリエチレン延伸基材と、ヒートシール層に対応する樹脂フィルムとを、無溶剤型の接着剤を用いたノンソルベントラミネート法により貼り合わせて製造してもよく、溶剤型の接着剤を用いたドライラミネート法により貼り合わせて製造してもよい。
接着剤層は、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法およびトランスファーロールコート法などの方法により、バリア性基材等に接着剤を塗布および乾燥することにより形成できる。
接着剤層の厚さは、0.1μm以上でもよく、0.2μm以上でもよく、0.5μm以上でもよく、10μm以下でもよく、8μm以下でもよく、6μm以下でもよい。接着剤層の厚さは、2μm以下でもよい。
接着層は、一実施形態において、熱可塑性樹脂を含有する接着性樹脂層でもよく、熱可塑性樹脂を含有する押出樹脂層でもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン-マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、およびポリオレフィンに不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはエステル単量体をグラフト重合または共重合した樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、化石燃料由来の材料でもよく、バイオマス由来の材料でもよく、これらの両方を用いてもよい。
押出樹脂層は、好ましくは押出ポリエチレン層である。
押出ポリエチレン層に含まれるポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンが挙げられる。これらの中でも、層間密着性という観点から、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンが好ましく、低密度ポリエチレンがより好ましい。
押出ポリエチレン層に含まれるポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、製膜性および加工性という観点から、好ましくは1g/10分以上、より好ましくは2g/10分以上、さらに好ましくは3g/10分以上であり、好ましくは50g/10分以下、より好ましくは30g/10分以下、さらに好ましくは20g/10分以下である。
押出ポリエチレン層に含まれるポリエチレンの融点(Tm)は、耐熱性および接着性のバランスという観点から、好ましくは100℃以上であり、好ましくは140℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは120℃以下である。
押出ポリエチレン層は、バイオマスポリエチレンを含有してもよい。
押出ポリエチレン層は、リサイクルポリエチレンを含有してもよい。
押出ポリエチレン層は、上記添加剤を含有してもよい。
押出ポリエチレン層におけるポリエチレンの含有割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。このような構成により、例えば、接着性およびリサイクル性を向上できる。
押出ポリエチレン層の厚さは、層間密着性という観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、積層体の生産コストの低減およびその生産性の向上という観点から、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下である。
押出ポリエチレン層は、例えば、ポリエチレンまたはポリエチレンを含有する樹脂組成物を、バリア性基材等に溶融押出することにより形成してもよい。このときの溶融温度は、好ましくは280℃以上、より好ましくは290℃以上であり、好ましくは340℃以下、より好ましくは335℃以下である。
<積層体の層構成>
以下、本開示の積層体の層構成について、数例を挙げる。
図5に示す積層体2は、バリア性基材1と、接着層60と、ヒートシール層80とをこの順に備え、具体的には、第2の蒸着膜40と、第2のバリア性樹脂層20と、ポリエチレン層10と、第1のバリア性樹脂層20と、第1の蒸着膜40と、接着層60と、ヒートシール層80とをこの順に備える。積層体2は、図示せぬ印刷層をさらに備えてもよく、例えば、バリア性基材1における第2の蒸着膜40上またはヒートシール層80側の面上に、図示せぬ印刷層をさらに備えてもよい。
図6に示す積層体2は、ポリエチレン延伸基材70と、第2の接着層60と、バリア性基材1と、第1の接着層60と、ヒートシール層80とをこの順に備え、具体的には、ポリエチレン延伸基材70と、第2の接着層60と、第2の蒸着膜40と、第2のバリア性樹脂層20と、ポリエチレン層10と、第1のバリア性樹脂層20と、第1の蒸着膜40と、第1の接着層60と、ヒートシール層80とをこの順に備える。積層体2は、図示せぬ印刷層をさらに備えてもよく、例えば、ポリエチレン延伸基材70におけるバリア性基材1側の面上に、図示せぬ印刷層をさらに備えてもよい。このような構成を有する積層体は、例えば、スタンディングパウチを形成するための包装材料として好適である。
図7に示す積層体2は、第2のヒートシール層80と、第2の接着層60と、バリア性基材1と、第1の接着層60と、第1のヒートシール層80とをこの順に備え、具体的には、第2のヒートシール層80と、第2の接着層60と、第2の蒸着膜40と、第2のバリア性樹脂層20と、ポリエチレン層10と、第1のバリア性樹脂層20と、第1の蒸着膜40と、第1の接着層60と、第1のヒートシール層80とをこの順に備える。積層体2は、図示せぬ印刷層をさらに備えてもよく、例えば、第2のヒートシール層80の面上に、図示せぬ印刷層をさらに備えてもよい。このような構成を有する積層体は、例えば、チューブ容器本体の胴部を形成するための包装材料として好適である。
図5~図7において、バリア性基材1は、第1の蒸着膜40上に図示せぬバリアコート層をさらに備えてもよく、第2の蒸着膜40上に図示せぬバリアコート層をさらに備えてもよい。
[包装容器]
本開示の積層体は、包装材料用途に好適に使用できる。包装材料は、包装容器を作製するために使用される。本開示の積層体を少なくとも用いることにより、ガスバリア性および保香性に優れる包装容器を製造できる。
包装容器としては、例えば、包装袋、チューブ容器および蓋付き容器が挙げられる。
包装容器としては、例えば、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型およびガゼット型などの種々の形態の包装袋が挙げられる。包装袋は、例えば、小袋でもよく、チャック袋でもよい。包装袋は、ボトルなどの容器へ詰め替えられる、液体および粉体などの流動性を有する内容物を収容する詰替えパウチ、特にスタンディングパウチでもよい。包装袋は、例えば、軟包装袋でもよい。
本開示の包装容器は、本開示の積層体を備える。
本開示の包装容器は、例えば、
1つ以上の本開示の積層体と、
上記積層体のヒートシール層同士が接合されているシール部と、
内容物を収容する収容部と、
を有する。
シール部は、収容部を画成する内縁を含む。
シール部の形成方法としては、例えば、加熱などによって積層体のヒートシール層を溶融させ、ヒートシール層同士を融着させるヒートシールが挙げられ、具体的には、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シールおよび超音波シールが挙げられる。例えば、包装袋中に内容物を収容した後、包装袋の開口部をヒートシールすることにより、包装袋を密封できる。
包装袋は、易開封部を備えてもよい。易開封部としては、例えば、包装袋の引き裂きの起点となるノッチ部や、包装袋を引き裂く際の経路として、レーザー加工やカッターなどにより形成されたハーフカット線が挙げられる。
一実施形態において、蓋付き容器における蓋材として、本開示の積層体が用いられる。蓋付き容器は、収容部を有する容器本体と、収容部を封止するように容器本体に接合(ヒートシール)された蓋材とを備える。ここで、蓋材、すなわち上記積層体のヒートシール層と、容器本体とが、ヒートシールされている。容器本体の形状としては、例えば、カップ型および有底円筒形状が挙げられる。容器本体は、例えば、ポリスチレン製、ポリプロピレン製、ポリエチレン製または紙製である。
包装容器中に収容される内容物としては、例えば、液体、固体、粉体およびゲル体が挙げられる。内容物は、飲食品でもよく、化学品、化粧品、医薬品、金属部品および電子部品等の非飲食品でもよい。内容物としては、例えば、シャンプー、リンス、コンディショナー、ハンドソープ、ボディソープ、芳香剤、消臭剤、脱臭剤、防虫剤、柔軟剤、洗剤;ソース、醤油、ドレッシング、食用油、マヨネーズ、ケチャップ、シロップ、料理用酒類、他の液体または粘稠体の調味料;果汁類;香辛料;液体飲料、ゼリー状飲料、液体スープ、粉末スープ、インスタント食品、他の飲食品;クリーム;歯磨き粉;金属部品および電子部品が挙げられる。本開示の包装容器は、一実施形態において、モノマテリアル化されていながら、上述したように保香性に優れる。したがって、シャンプー、リンス、コンディショナー、柔軟剤および洗剤などの匂いの強い内容物を包装容器に充填した場合でも、匂いの漏れを抑制できる。
一実施形態において、本開示の積層体を、バリア性基材が外側、ヒートシール層が内側に位置するように二つ折にして重ね合わせて、その端部等をヒートシールすることにより、包装容器を作製できる。他の実施形態において、複数の本開示の積層体をヒートシール層同士が対向するように重ね合わせて、その端部等をヒートシールすることにより、包装容器を作製できる。包装容器の全部が上記積層体で構成されてもよく、包装容器の一部が上記積層体で構成されてもよい。
スタンディングパウチは、一実施形態において、側面シートから構成される胴部と、底面シートから構成される底部とを備える。底面シートが側面シートの形状を保持することにより、パウチに自立性が付与され、スタンディング形式のパウチとすることができる。側面シートと底面シートとによって囲まれる領域内に、内容物を収容するための収容部が形成される。スタンディングパウチにおいて、側面シートのみが本開示の積層体でもよく、底面シートのみが本開示の積層体でもよく、側面シートおよび底面シートの両方が本開示の積層体でもよい。
一実施形態において、側面シートは、本開示の積層体が備えるヒートシール層が最内層となるように製袋することにより形成できる。一実施形態において、側面シートは、本開示の積層体を2枚準備し、これらをヒートシール層同士が向かい合うようにして重ね合わせ、両側の側縁部をヒートシールして製袋することにより形成できる。
他の実施形態において、側面シートは、本開示の積層体を2枚準備し、これらをヒートシール層同士が向かい合うようにして重ね合わせ、重ね合わせた積層体の両側の側縁部における積層体間に、ヒートシール層が外側となるようにV字状に折った積層体2枚をそれぞれ挿入し、ヒートシールすることにより形成できる。このような作製方法によれば、側部ガセット付きの胴部を有するスタンディングパウチが得られる。
一実施形態において、底面シートは、製袋された側面シート下部の間に本開示の積層体を挿入し、ヒートシールすることにより形成できる。より具体的には、底面シートは、製袋された側面シート下部の間に、ヒートシール層が外側となるようにV字状に折った積層体を挿入し、ヒートシールすることにより形成できる。
一実施形態において、本開示の積層体を2枚準備し、これらをヒートシール層同士が向かい合うようにして重ね合わせ、次いで、もう1枚の本開示の積層体をヒートシール層が外側となるようにV字状に折り、これを向かい合わせとなった積層体の下部に挟み込み、ヒートシールすることにより底部を形成する。次いで、底部に隣接する2辺をヒートシールすることにより、胴部を形成する。このようにして、一実施形態のスタンディングパウチを形成できる。
[チューブ容器本体]
本開示のチューブ容器本体は、本開示の積層体を備える。
以下、本開示のチューブ容器本体について図面を参照しながら説明する。図8は、チューブ容器120の構成を簡略的に示す図であり、図9は、図8のA-A断面図である。図8に示すように、チューブ容器本体121は、頭部122と胴部123とを備え、該胴部123が本開示の積層体により構成されている。
<頭部>
頭部122は、胴部123の一端に連接している肩部124と、肩部124に連接している抽出口部125とを備える。一実施形態において、注出口部125は、キャップ126を螺合するための螺条127を備える。
一実施形態において、頭部は、ポリエチレンを含有する樹脂組成物により形成されている。これにより、チューブ容器本体のリサイクル性を向上できる。ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンが挙げられる。これらの中でも、保型性および成型性という観点から、高密度ポリエチレンが好ましい。上記樹脂組成物は、バイオマスポリエチレンおよびリサイクルポリエチレンから選択される少なくとも1種を含有してもよい。上記樹脂組成物は、上記添加剤を含有してもよい。
頭部は、従来公知の方法により製造できる。例えば、圧縮成形法(コンプレッション成形法)や射出成形法(インジェクション成形法)により頭部を製造すると共に、胴部と接合させることができる。
<胴部>
本開示のチューブ容器本体121において、胴部123は、頭部122の肩部124に連接されている。胴部123は、例えば、本開示の積層体の一方の端部の第1のヒートシール層側表面と、他方の端部の第2のヒートシール層側表面とが接するように重ね合わせて筒状に丸め、重ね合わされた部分をヒートシールすることにより形成された融着部128を備える。胴部123は、例えば、筒状に丸めた積層体の開口部をヒートシールすることにより形成された底シール部129を備える。
ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シールおよび火炎シールなどの従来公知の方法が挙げられる。
例えば、本開示の積層体の一方の端部の第1のヒートシール層側表面と、他方の端部の第2のヒートシール層側表面とが接するように重ね合わせて筒状に丸め、重ね合わされた部分をヒートシールすることにより、筒状の胴部を製造してもよい。ヒートシール性という観点から、重ね合わせた一方の端部が第1のヒートシール層であり、他方の端部が第2のヒートシール層であることが好ましい。この場合、第1のヒートシール層と第2のヒートシール層とが溶融して接合され、融着部が形成される。
したがって、第2のヒートシール層において、チューブ容器本体の胴部を形成する際にヒートシールが予定される領域には、印刷層および表面保護層が形成されていないことが好ましい。これにより、本開示の積層体を用いて筒状の胴部を形成する際に、上記領域において良好にヒートシールできる。
上記実施形態では、融着部は重ね合わせにより形成されるが、積層体の両端部の同一表面を突き合わせて、第1のヒートシール層同士をヒートシールして接合してもよい。この場合は、積層体の両端部において、第2のヒートシール層上に、印刷層および表面保護層が形成されていてもよい。またこの場合は、胴部の外面側に、当該接合部を覆うようにして接合用テープが貼付されていてもよい。積層体において接合用テープを貼り合わせる箇所には、印刷層および表面保護層を設けないことが好ましい。接合用テープは、上記胴部の内面および外面の両方に設けられていてもよい。
[チューブ容器]
以下、本開示のチューブ容器について図面を参照しながら説明する。図8に示すように、本開示のチューブ容器120は、チューブ容器本体121と、頭部122に装着されるキャップ26とを備える。
<チューブ容器本体>
チューブ容器本体については上述したため、ここでは記載を省略する。
<キャップ>
キャップは、頭部の抽出口部に着脱可能に装着されており、抽出口部を閉鎖する役割を担う。一実施形態において、キャップは、熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物により形成されている。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、セルロース樹脂ならびにビニル樹脂が挙げられる。リサイクル性という観点から、ポリエチレンが特に好ましい。ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび超低密度ポリエチレンが挙げられる。これらの中でも、保型性および開封性という観点から、高密度ポリエチレンが好ましい。上記樹脂組成物は、バイオマスポリエチレンおよびリサイクルポリエチレンから選択される少なくとも1種を含有してもよい。上記樹脂組成物は、上記添加剤を含有してもよい。
キャップは、図8に示すように、抽出口部125が有する螺条127に螺合するように、キャップ内面に凹溝を有するスクリュータイプでもよく、また、抽出口部125に打栓することにより嵌合される打栓タイプでもよい。
本開示は、例えば以下の[1]~[21]に関する。
[1]第1の蒸着膜と、延伸基材と、第2の蒸着膜と、を少なくとも備えるバリア性基材であって、前記延伸基材は、ポリエチレン層およびバリア性樹脂層を少なくとも備え、前記ポリエチレン層は、ポリエチレンを主成分として含有し、前記バリア性樹脂層は、ガスバリア性樹脂を主成分として含有し、前記延伸基材は、第1の面および前記第1の面に対向する第2の面を有し、前記第1の蒸着膜は、前記延伸基材の第1の面上に設けられており、前記第2の蒸着膜は、前記延伸基材の第2の面上に設けられている、バリア性基材。
[2]前記バリア性樹脂層が、前記ガスバリア性樹脂として、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールおよびポリアミドから選択される少なくとも1種を含有する、前記[1]に記載のバリア性基材。
[3]前記延伸基材が、前記ポリエチレン層と前記バリア性樹脂層との間に、接着性樹脂層をさらに備える、前記[1]または[2]に記載のバリア性基材。
[4]前記延伸基材が、前記第1の面を構成する第1のバリア性樹脂層と、前記第2の面を構成する第2のバリア性樹脂層と、を備え、前記第1の蒸着膜が、前記第1のバリア性樹脂層の表面に設けられており、前記第2の蒸着膜が、前記第2のバリア性樹脂層の表面に設けられており、前記[1]~[3]のいずれか一項に記載のバリア性基材。
[5]前記延伸基材が、第1のバリア性樹脂層と、第1の接着性樹脂層と、1層または2層以上のポリエチレン層と、第2の接着性樹脂層と、第2のバリア性樹脂層と、をこの順に備える、前記[4]に記載のバリア性基材。
[6]前記延伸基材が、第1のバリア性樹脂層と、第1の接着性樹脂層と、第3aのポリエチレン層と、第2aのポリエチレン層と、第1aのポリエチレン層と、第1bのポリエチレン層と、第2bのポリエチレン層と、第3bのポリエチレン層と、第2の接着性樹脂層と、第2のバリア性樹脂層と、をこの順に備える、前記[4]または[5]に記載のバリア性基材。
[7]前記第3aのポリエチレン層が、直鎖状低密度ポリエチレンを含有し、前記第2aのポリエチレン層が、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含有し、前記第1aのポリエチレン層が、ポリエチレンプラストマーを主成分として含有し、前記第1bのポリエチレン層が、ポリエチレンプラストマーを主成分として含有し、前記第2bのポリエチレン層が、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含有し、前記第3bのポリエチレン層が、直鎖状低密度ポリエチレンを含有する、前記[6]に記載のバリア性基材。
[8]前記ポリエチレンプラストマーの融点が、115℃以下である、前記[7]に記載のバリア性基材。
[9]前記ポリエチレン層の少なくとも1層が、相溶化剤をさらに含有する、前記[1]~[8]のいずれか一項に記載のバリア性基材。
[10]前記バリア性樹脂層の厚さが、0.5μm以上10μm以下である、前記[1]~[9]のいずれか一項に記載のバリア性基材。
[11]前記第1の蒸着膜が金属蒸着膜であり、前記第2の蒸着膜が金属蒸着膜であるか、前記第1の蒸着膜および前記第2の蒸着膜の一方が金属蒸着膜であり、他方が無機酸化物蒸着膜であるか、または、前記第1の蒸着膜が無機酸化物蒸着膜であり、前記第2の蒸着膜が無機酸化物蒸着膜である、前記[1]~[10]のいずれか一項に記載のバリア性基材。
[12]前記第1の蒸着膜がアルミニウム蒸着膜であり、前記第2の蒸着膜がアルミニウム蒸着膜であるか、前記第1の蒸着膜および前記第2の蒸着膜の一方がアルミニウム蒸着膜であり、他方がアルミナ蒸着膜、シリカ蒸着膜または酸化炭化珪素蒸着膜であるか、または、前記第1の蒸着膜がアルミナ蒸着膜、シリカ蒸着膜または酸化炭化珪素蒸着膜であり、前記第2の蒸着膜がアルミナ蒸着膜、シリカ蒸着膜または酸化炭化珪素蒸着膜である、前記[1]~[11]のいずれか一項に記載のバリア性基材。
[13]前記[1]~[12]のいずれか一項に記載のバリア性基材と、ポリエチレンを主成分として含有するヒートシール層と、を少なくとも備える、積層体。
[14]第1のヒートシール層と、前記バリア性基材と、第2のヒートシール層と、を少なくともこの順に備え、前記第1のヒートシール層は、ポリエチレンを主成分として含有し、前記第2のヒートシール層は、ポリエチレンを主成分として含有する、前記[13]に記載の積層体。
[15]チューブ容器本体の胴部を形成するための積層体であって、前記第2のヒートシール層が前記胴部の外面側のシーラント層であり、前記第1のヒートシール層が前記胴部の内面側のシーラント層である、前記[14]に記載の積層体。
[16]ポリエチレンを主成分として含有するポリエチレン延伸基材と、前記バリア性基材と、前記ヒートシール層と、を少なくとも備える、前記[13]に記載の積層体。
[17]前記積層体全体におけるポリエチレンの含有割合が、80質量%以上である、前記[13]~[16]のいずれか一項に記載の積層体。
[18]前記[13]~[17]のいずれか一項に記載の積層体を備える包装容器。
[19]頭部と胴部とを備えるチューブ容器本体であって、前記頭部は、前記胴部の一端に連接している肩部と、前記肩部に連接している抽出口部とを備え、前記胴部は、前記[14]または[15]に記載の積層体により構成されている、チューブ容器本体。
[20]前記[19]に記載のチューブ容器本体と、キャップと、を備えるチューブ容器。
[21]前記[16]に記載の積層体を備えるスタンディングパウチ。
以下、実施例により本開示のバリア性基材をより具体的に説明するが、本開示のバリア性基材は以下の実施例に限定されない。以下の記載において「質量部」は単に「部」と記載する。
[延伸基材の作製]
延伸基材の作製において、以下の材料を用いた。
・直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
エクソンモービル製、Exceed XP8656ML、
エチレン-1-ヘキセン共重合体、
密度:0.916g/cm3、融点:121℃、MFR:0.5g/10分
・中密度ポリエチレン(MDPE)
エクソンモービル製、Enable 4002MC、
密度:0.938g/cm3、融点:128℃、MFR:0.25g/10分
・中密度ポリエチレン(MDPE)
ダウケミカル製、ELITE 5538G、
密度:0.941g/cm3、融点:129℃、MFR:1.3g/10分
・ポリオレフィンプラストマー1(POP1)
ダウケミカル製、AFFINITY EG8100G、
エチレン-オクテン共重合体、
密度:0.870g/cm3、融点:55℃、MFR:1.0g/10分
・ポリオレフィンプラストマー2(POP2)
ダウケミカル製、AFFINITY PL1881G、
エチレン-オクテン共重合体、
密度:0.902g/cm3、融点:99℃、MFR:1.0g/10分
・エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)
クラレ製、エバールE171B、
密度:1.14g/cm3、融点:165℃、MFR:1.7g/10分、
エチレン含有割合:44モル%
・接着性樹脂
三井化学製、アドマーAT1955T、
無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、
密度:0.890g/cm3、MFR:2.6g/10分
・相溶化剤
ダウケミカル製、RETAIN 3000、
無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、
密度:0.870g/cm3
[実施例1-1]
60部のLLDPE(Exceed XP8656ML)と、40部のMDPE(Enable 4002MC)とを混合して、ブレンドポリエチレン(A)を調製した。
80部のポリオレフィンプラストマー1(AFFINITY EG8100G)と、20部のポリオレフィンプラストマー2(AFFINITY PL1881G)とを混合して、ブレンドポリエチレン(B)を調製した。
EVOH(エバールE171B)と、
接着性樹脂(アドマーAT1955E)と、
ブレンドポリエチレン(A)と、
LLDPE(Exceed XP8656ML)と、
ブレンドポリエチレン(B)と、
をインフレーション成形法により共押出製膜し、ニップ箇所でブレンドポリエチレン(B)層同士を圧着して、1枚のフィルムを得た。その後、得られたフィルムを延伸装置により縦方向(MD方向)に4倍延伸して、延伸基材を作製した。
このようにして得られた延伸基材は、
厚さ2μmのバリア性樹脂層(EVOH層)と、
厚さ2.5μmの接着性樹脂層と、
厚さ5μmのブレンドポリエチレン(A)層と、
厚さ1.5μmのLLDPE層と、
厚さ1.5μmのブレンドポリエチレン(B)層と、
厚さ1.5μmのブレンドポリエチレン(B)層と、
厚さ1.5μmのLLDPE層と、
厚さ5μmのブレンドポリエチレン(A)層と、
厚さ2.5μmの接着性樹脂層と、
厚さ2μmのバリア性樹脂層(EVOH層)と、
を備える。延伸基材の総厚さは、25μmであった。
延伸基材のそれぞれのバリア性樹脂層上に、PVD法により、圧力:3.0×10-2Paの条件で、厚さ30nmのアルミニウム(AL)蒸着膜を形成した。このようにして、バリア性基材を得た。
[実施例1-2]
EVOH(エバールE171B)と、
接着性樹脂(アドマーAT1955T)と、
LLDPE(Exceed XP8656ML)と、
LLDPE(Exceed XP8656ML)と、
ブレンドポリエチレン(B)と、
をインフレーション成形法により共押出製膜し、ニップ箇所でブレンドポリエチレン(B)層同士を圧着して、1枚のフィルムを得た。その後、得られたフィルムを延伸装置により縦方向(MD方向)に4倍延伸して、延伸基材を作製した。
このようにして得られた延伸基材は、
厚さ2μmのバリア性樹脂層(EVOH層)と、
厚さ2.5μmの接着性樹脂層と、
厚さ5μmのLLDPE層と、
厚さ1.5μmのLLDPE層と、
厚さ1.5μmのブレンドポリエチレン(B)層と、
厚さ1.5μmのブレンドポリエチレン(B)層と、
厚さ1.5μmのLLDPE層と、
厚さ5μmのLLDPE層と、
厚さ2.5μmの接着性樹脂層と、
厚さ2μmのバリア性樹脂層(EVOH層)と、
を備える。延伸基材の総厚さは、25μmであった。
延伸基材のそれぞれのバリア性樹脂層上に、PVD法により、圧力:3.0×10-2Paの条件で、厚さ30nmのアルミニウム(AL)蒸着膜を形成した。このようにして、バリア性基材を得た。
[実施例2]
80部のLLDPE(Exceed XP8656ML)と、20部の相溶化剤(RETAIN 3000)とを混合して、ブレンドポリエチレン(C)を調製した。
EVOH(エバールE171B)と、
接着性樹脂(アドマーAT1955T)と、
ブレンドポリエチレン(A)と、
ブレンドポリエチレン(C)と、
ブレンドポリエチレン(B)と、
をインフレーション成形法により共押出製膜し、ニップ箇所でブレンドポリエチレン(B)層同士を圧着して、1枚のフィルムを得た。その後、得られたフィルムを延伸装置により縦方向(MD方向)に4倍延伸して、延伸基材を作製した。
このようにして得られた延伸基材は、
厚さ2μmのバリア性樹脂層(EVOH層)と、
厚さ2.5μmの接着性樹脂層と、
厚さ5μmのブレンドポリエチレン(A)層と、
厚さ1.5μmのブレンドポリエチレン(C)層と、
厚さ1.5μmのブレンドポリエチレン(B)層と、
厚さ1.5μmのブレンドポリエチレン(B)層と、
厚さ1.5μmのブレンドポリエチレン(C)層と、
厚さ5μmのブレンドポリエチレン(A)層と、
厚さ2.5μmの接着性樹脂層と、
厚さ2μmのバリア性樹脂層(EVOH層)と、
を備える。延伸基材の総厚さは、25μmであった。
延伸基材のそれぞれのバリア性樹脂層上に、PVD法により、圧力:3.0×10-2Paの条件で、厚さ30nmのアルミニウム(AL)蒸着膜を形成した。このようにして、バリア性基材を得た。
[比較例1]
MDPE(ELITE 5538G)をインフレーション成形法により単層押出製膜した後、得られたフィルムを延伸装置により縦方向(MD方向)に4倍延伸して、厚さ25μmの延伸ポリエチレンフィルムを作製した。延伸ポリエチレンフィルムのそれぞれの面上に、PVD法により、圧力:3.0×10-2Paの条件で、厚さ30nmのアルミニウム(AL)蒸着膜を形成した。このようにして、バリア性基材を得た。
[ガスバリア性評価]
以上のバリア性基材(以下「試験片」ともいう)について、酸素透過度(cc/(m2・day・atm))および水蒸気透過度(g/(m2・day))を以下の方法により測定した。結果を表1に記載する。
<酸素透過度>
酸素透過度測定装置(MOCON社製、OX-TRAN2/20)を用いて、JIS K7126-2:2006に準拠して、温度23℃、湿度90%RH環境下における試験片の酸素透過度を測定した。
A:酸素透過度が0.1未満である。
B:酸素透過度が0.1以上1.0未満である。
C:酸素透過度が1.0以上2.0未満である。
D:酸素透過度が2.0以上10未満である。
E:酸素透過度が10以上30未満である。
F:酸素透過度が30以上100未満である。
G:酸素透過度が100以上である。
<水蒸気透過度>
水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、PERMATRAN-w 3/33)を用いて、JIS K7129-2:2019に準拠して、温度40℃、湿度90%RH環境下における試験片の水蒸気透過度を測定した。
A:水蒸気透過度が0.3未満である。
B:水蒸気透過度が0.3以上1.0未満である。
C:水蒸気透過度が1.0以上3.0未満である。
D:水蒸気透過度が3.0以上5.0未満である。
E:水蒸気透過度が5.0以上10未満である。
1 バリア性基材
2 積層体
10 ポリエチレン層
20 バリア性樹脂層
30 接着性樹脂層
40 蒸着膜
60 接着層
80 ヒートシール層
120 チューブ容器
121 チューブ容器本体
122 頭部
123 胴部
124 肩部
125 抽出口部
126 キャップ
127 螺条
128 融着部
129 底シール部

Claims (21)

  1. 第1の蒸着膜と、
    延伸基材と、
    第2の蒸着膜と、
    を少なくとも備えるバリア性基材であって、
    前記延伸基材は、ポリエチレン層およびバリア性樹脂層を少なくとも備え、
    前記ポリエチレン層は、ポリエチレンを主成分として含有し、
    前記バリア性樹脂層は、ガスバリア性樹脂を主成分として含有し、
    前記延伸基材は、第1の面および前記第1の面に対向する第2の面を有し、
    前記第1の蒸着膜は、前記延伸基材の第1の面上に設けられており、
    前記第2の蒸着膜は、前記延伸基材の第2の面上に設けられている、
    バリア性基材。
  2. 前記バリア性樹脂層が、前記ガスバリア性樹脂として、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールおよびポリアミドから選択される少なくとも1種を含有する、請求項1に記載のバリア性基材。
  3. 前記延伸基材が、前記ポリエチレン層と前記バリア性樹脂層との間に、接着性樹脂層をさらに備える、請求項1に記載のバリア性基材。
  4. 前記延伸基材が、前記第1の面を構成する第1のバリア性樹脂層と、前記第2の面を構成する第2のバリア性樹脂層と、を備え、
    前記第1の蒸着膜が、前記第1のバリア性樹脂層の表面に設けられており、
    前記第2の蒸着膜が、前記第2のバリア性樹脂層の表面に設けられており、
    請求項1に記載のバリア性基材。
  5. 前記延伸基材が、第1のバリア性樹脂層と、第1の接着性樹脂層と、1層または2層以上のポリエチレン層と、第2の接着性樹脂層と、第2のバリア性樹脂層と、をこの順に備える、請求項4に記載のバリア性基材。
  6. 前記延伸基材が、第1のバリア性樹脂層と、第1の接着性樹脂層と、第3aのポリエチレン層と、第2aのポリエチレン層と、第1aのポリエチレン層と、第1bのポリエチレン層と、第2bのポリエチレン層と、第3bのポリエチレン層と、第2の接着性樹脂層と、第2のバリア性樹脂層と、をこの順に備える、請求項4に記載のバリア性基材。
  7. 前記第3aのポリエチレン層が、直鎖状低密度ポリエチレンを含有し、
    前記第2aのポリエチレン層が、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含有し、
    前記第1aのポリエチレン層が、ポリエチレンプラストマーを主成分として含有し、
    前記第1bのポリエチレン層が、ポリエチレンプラストマーを主成分として含有し、
    前記第2bのポリエチレン層が、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含有し、
    前記第3bのポリエチレン層が、直鎖状低密度ポリエチレンを含有する、
    請求項6に記載のバリア性基材。
  8. 前記ポリエチレンプラストマーの融点が、115℃以下である、請求項7に記載のバリア性基材。
  9. 前記ポリエチレン層の少なくとも1層が、相溶化剤をさらに含有する、請求項1に記載のバリア性基材。
  10. 前記バリア性樹脂層の厚さが、0.5μm以上10μm以下である、請求項1に記載のバリア性基材。
  11. 前記第1の蒸着膜が金属蒸着膜であり、前記第2の蒸着膜が金属蒸着膜であるか、
    前記第1の蒸着膜および前記第2の蒸着膜の一方が金属蒸着膜であり、他方が無機酸化物蒸着膜であるか、または、
    前記第1の蒸着膜が無機酸化物蒸着膜であり、前記第2の蒸着膜が無機酸化物蒸着膜である、
    請求項1に記載のバリア性基材。
  12. 前記第1の蒸着膜がアルミニウム蒸着膜であり、前記第2の蒸着膜がアルミニウム蒸着膜であるか、
    前記第1の蒸着膜および前記第2の蒸着膜の一方がアルミニウム蒸着膜であり、他方がアルミナ蒸着膜、シリカ蒸着膜または酸化炭化珪素蒸着膜であるか、または、
    前記第1の蒸着膜がアルミナ蒸着膜、シリカ蒸着膜または酸化炭化珪素蒸着膜であり、前記第2の蒸着膜がアルミナ蒸着膜、シリカ蒸着膜または酸化炭化珪素蒸着膜である、
    請求項1に記載のバリア性基材。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載のバリア性基材と、
    ポリエチレンを主成分として含有するヒートシール層と、
    を少なくとも備える、積層体。
  14. 第1のヒートシール層と、
    前記バリア性基材と、
    第2のヒートシール層と、
    を少なくともこの順に備え、
    前記第1のヒートシール層は、ポリエチレンを主成分として含有し、
    前記第2のヒートシール層は、ポリエチレンを主成分として含有する、
    請求項13に記載の積層体。
  15. チューブ容器本体の胴部を形成するための積層体であって、前記第2のヒートシール層が前記胴部の外面側のシーラント層であり、前記第1のヒートシール層が前記胴部の内面側のシーラント層である、請求項14に記載の積層体。
  16. ポリエチレンを主成分として含有するポリエチレン延伸基材と、
    前記バリア性基材と、
    前記ヒートシール層と、
    を少なくとも備える、請求項13に記載の積層体。
  17. 前記積層体全体におけるポリエチレンの含有割合が、80質量%以上である、請求項13に記載の積層体。
  18. 請求項13に記載の積層体を備える包装容器。
  19. 頭部と胴部とを備えるチューブ容器本体であって、
    前記頭部は、前記胴部の一端に連接している肩部と、前記肩部に連接している抽出口部とを備え、前記胴部は、請求項14に記載の積層体により構成されている、
    チューブ容器本体。
  20. 請求項19に記載のチューブ容器本体と、
    キャップと、
    を備えるチューブ容器。
  21. 請求項16に記載の積層体を備えるスタンディングパウチ。
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