JP2018183889A - 包装袋用包装材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸素ガス、水蒸気等の高度なバリア性を有し、しかも、調味料等の液体を充填包装して、貯蔵、保管ないし流通する際にも、破袋による液漏れを発生することがなく、環境対応にも優れた包装材料を提供すること。【解決手段】ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材1aと、無機酸化物層1bと、ガスバリア性被膜1cとをこの順に積層してガスバリアフィルム1とし、このガスバリアフィルムに熱接着性樹脂層3を積層して包装材料10とする。そして、この包装材料を、150℃で30分加熱した後の熱収縮率が1.0〜3.0%未満となるように構成する。この包装材料は前記フィルム基材を含んでおり、かつ、熱収縮率が1.0〜3.0%未満であるから、湿潤環境下での耐圧物性に優れており、調味料等の液体を充填包装して、貯蔵、保管ないし流通する際にも、破袋による液漏れを発生することがない。【選択図】図1
Description
本発明は包装袋に使用する包装材料に関し、特に液体ないし粘稠体からなる調味料類その他を充填包装する小袋の包装材料に適するものである。
従来、液体ないし粘稠体からなる調味料類、その他等を充填包装する液体充填包装用小袋としては、種々の形態からなるものが開発され、提案されているが、それらの最も一般的なものとしては、基材フィルムとしてのポリエチレンテレフタレ−トフィルムあるいはナイロンフィルム、バリア材としてのアルミニウム箔またはポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物をコ−ティングした樹脂のフィルム、および、熱接着性樹脂層としてのポリエチレン系樹脂層を順次に積層させてなる包装用積層フィルムを製袋してなる小袋が知られている。
これらに、醤油、ソ−ス等の液状の調味料を充填包装した場合、酸素ガスバリア性や水蒸気バリア性等に優れ、更に、保香性、耐薬品性、その他の特性にも優れ、長期間にわたって貯蔵、保管しても、内容物の風味および食味等を損なうことなく、液体小袋としては、優れた特性を有しているものであった。
しかしながら、上記のような液体充填包装用小袋においては、近年の環境問題に対する意識の高まりから、例えば、使用後にゴミとして廃棄し、焼却する場合に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む包装用材料においては、有害なガスを発生する等の問題点が指摘され、また、アルミニウム箔を含む包装用材料においては、焼却炉を破損する等の問題点が指摘され、いずれにしても、その廃棄処理に際し環境への影響が懸念されるのは避けられなかった。
上記のような問題点を解決するために、例えば、バリア性を有する素材として、ポリアミド系樹脂、あるいは、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物等からなる樹脂のフィルムを使用し、これらを使用した積層材等からなる包装用袋等が提案されているが、これらの場合も、バリア性の不足あるいは湿度依存性が大きいこと等から、調味料等を充填包装する小袋の包装材料として十分満足できるものではなかった。
また、近年、バリア性を有する素材として、例えば、ポリエステル系樹脂、あるいは、ポリアミド系樹脂等の樹脂フィルムからなる基材フィルムの一方の面に、珪素酸化物、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を真空蒸着により設けたバリア性フィルムが開発され、提案されている(例えば、特許文献1,2)。
しかしながら、上述のガスバリアフィルムは、耐湿密着性、特に液体小袋として非常に高い耐圧物性(湿潤耐圧物性)を要求される用途に使用した場合には密着力が低下して、このため、充填後の輸送等において破袋することがあるという問題があった。
本発明は、これらの課題を解決するためになされたもので、特に、酸素ガス、水蒸気等の高度なバリア性を有し、しかも、調味料等の液体を充填包装して、貯蔵、保管ないし流通する際にも、破袋による液漏れを発生することがなく、更にまた、環境対応にも優れた包装材料を提供することを課題とするものである。
本発明の請求項1の発明は、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材と、無機酸化物層と、ガスバリア性被膜とをこの順に積層してガスバリアフィルムとし、このガスバリアフィルムに熱接着性樹脂層を積層して成る包装袋用包装材料であって、
150℃で30分加熱した後の、少なくとも一方向について、下記数式1で表わされる熱収縮率が1.0〜3.0%未満である、
ことを特徴とする包装袋用包装材料である。
熱収縮率=(加熱前の長さ−加熱後の長さ)/加熱前の長さ×100%・・・(数式1)
本発明の請求項2の発明は、前記無機酸化物層の少なくとも1層にAl、Siの少なくとも一種が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋用包装材料である。
150℃で30分加熱した後の、少なくとも一方向について、下記数式1で表わされる熱収縮率が1.0〜3.0%未満である、
ことを特徴とする包装袋用包装材料である。
熱収縮率=(加熱前の長さ−加熱後の長さ)/加熱前の長さ×100%・・・(数式1)
本発明の請求項2の発明は、前記無機酸化物層の少なくとも1層にAl、Siの少なくとも一種が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋用包装材料である。
本発明の請求項3の発明は、前記ガスバリア性被膜が、水溶性高分子と、1種以上の金属酸化物を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の包装袋用包装材料である。
本発明の包装袋用包装材料は、フィルム基材と無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性被膜とからなるバリア性フィルムをバリア性素材として使用することから、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性に優れており、また、環境対応にも優れている。
また、本発明の包装材料は、このバリア性フィルムに熱接着性樹脂層を積層して構成されているから、これを使用して製袋した包装用袋は、高い密着強度を有している。
そして、こうして構成された包装材料は、バリア性フィルムのフィルム基材としてブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルムを含んでおり、しかも、この包装材料は熱収縮率が1.0〜3.0%未満であるから、湿潤環境下での耐圧物性に優れており、このため、調味料等の液体を充填包装して、貯蔵、保管ないし流通する際にも、破袋による液漏れを発生することがない。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態に係る包装材料10は、透明ガスバリアフィルム1、ラミネート用接着剤によるラミネート用接着剤層2aもしくはアンカーコート剤によるラミネート用アンカーコート剤層2b、熱接着性樹脂層3を含んでいる。
透明ガスバリアフィルム1は、フィルム基材1aと、無機酸化物層1bと、ガスバリア性被膜1cとを含んでいる。なお、「フィルム」と「シート」とは厚さに応じて使い分け
ることがあるが、ここでは厚さとは無関係に「フィルム」という用語を使用する。
ることがあるが、ここでは厚さとは無関係に「フィルム」という用語を使用する。
フィルム基材1aは、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するものである。無機酸化物層1bはガスバリア層となる。
ここで、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂とは、該樹脂のジカルボン酸成分とグリコール成分が結合してなる繰り返し単位の60質量%以上がブチレンテレフタレート単位からなることを意味している。
フィルム基材1aに含まれる上記ポリエステル樹脂は、ポリブチレンテレフタレートを60質量%以上含むポリブチレンテレフタレート、もしくはポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの混合材料であることが好ましい。ポリブチレンテレフタレートが60質量%未満であるとインパクト強度及び耐ピンホール性が低下してしまい、フィルム特性としては十分なものでなくなってしまう。また、フィルム基材1aは二軸延伸でも一軸延伸でもよいが、熱安定性を持たせるためには二軸延伸がより好ましい。
また、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの混合材料であるポリエステル樹脂を用いることによって、突刺強度も向上する。例えば特開2002−179892によると、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主とするポリエステル樹脂とポリブチレンテレフタレート(PBT)を主とするポリエステル樹脂のブレンドフィルムでありながら、PET相とPBT相が独立した結晶を有することで、耐熱水性を持ちながら、柔軟性も兼ね備えることで突刺強度が強いポリエステルフィルムを得ることができるとされている。
独立した前記結晶を得るためには、ポリエステルフィルムを作製するときに個別に融解することが必要であり、示差走査熱量計(DSC)にて個別に結晶融解ピークを検出することで確認することができる。PBT相の結晶ピークが低温側に出現し、続いてPET相の結晶ピークが出現する。この2つのポリエステル樹脂、PETとPBTを用いることにより、ガラス転移が融合する程度の相溶性を確保しながら、個別に結晶融解が生じるためPET相、PBT相の利点を生かすことができる。
フィルム基材1aの厚さは、特に限定されない。厚いほど突刺強度は向上するが、用途に応じて、6μm〜200μm程度のものを好適に使用することができる。このフィルム基材1aには、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの各種前処理、または易接着層などのアンカーコート層を設けてもよい。また別途、フィルム基材1aの凹凸を低減するために平坦化層を施しても差し支えない。
アンカーコート層や平坦化層のためのコーティング剤としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂が挙げられる。これらのコーティング剤の中でも、耐熱性及び層間接着強度の観点から、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
コーティング剤をフィルム基材1a上に塗工する方法としては、公知の塗工方法が特に制限なく使用可能であり、浸漬法(ディッピング法);スプレー、コーター、印刷機、刷毛等を用いる方法が挙げられる。また、これらの方法に用いられるコーター及び印刷機の種類並びにそれらの塗工方式としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバースグラビア方式、オフセットグラビア方式等のグラビアコーター、リバースロールコーター、マイクログラビアコーター、チャンバードクター併用コーター、エアナイフコーター、ディップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター等を挙げることができる。
コーティング剤の塗布量としては、コーティング剤を塗工して乾燥した後の1m2あたりの質量が0.01〜10g/m2であることが好ましく、0.03〜5g/m2であることがより好ましい。コーティング剤を塗工して乾燥した後の1m2あたりの質量が前記下限未満では、成膜が不十分になる傾向にあり、他方、前記上限を超えると乾燥が不十分で溶剤が残留しやすくなる傾向になる。
無機酸化物層1bは、フィルム基材1a上に気相堆積法によって形成されたガスバリア性の透明な層である。無機酸化物層1bの材料としては、たとえば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化マグネシウム、又はこれらの混合物を使用することができるが、好ましくは酸化珪素が最も望ましい。無機酸化物層1bの形成には、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、またはプラズマ気相堆積法を利用することができる。真空蒸着法を利用する場合、蒸発材料の加熱手段としては、たとえば、電子線加熱、抵抗加熱、または誘導加熱の方式を利用することができる。電子線加熱方式を利用した場合、蒸発材料の選択の自由度が大きい。蒸着の際に、プラズマアシスト法またはイオンビームアシスト法を利用すると、より緻密な無機酸化物層1bを形成することができる。また、蒸着の際に、酸素などのガスを吹き込む反応蒸着を利用すると、透明性に優れた無機酸化物層1bを形成することができる。
無機酸化物層1bの厚さは、厚みが薄い場合は無機酸化物層2を均一な連続膜として形成することが難しく、また十分なガスバリア性が得られない。厚みが厚い場合は、柔軟性が低く、透明ガスバリアフィルム1を撓ませた場合や引っ張った場合に亀裂を生じる可能性がある。また、気相堆積法は、経済的観点からは厚膜の形成には適していない。無機酸化物層1bの厚さは、たとえば、5nmから500nmの範囲内でよい。
ガスバリア性被膜1cは、無機酸化物層1b上に形成された透明な膜であり、透明樹脂と無機酸化物などの無機物とを含んだ混合物からなる。ガスバリア性被膜1cを設けることにより、より高いガスバリア性を有する透明ガスバリアフィルム1および液体小袋包装体30を得ることができる。ガスバリア性被膜1cは、例えば、水溶性高分子と、1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物とを含む水溶液あるいは水とアルコールとの混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥することで得ることができる。また、水溶性高分子と、塩化錫の少とを含む水溶液あるいは水とアルコールとの混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥することで得ることもできる。中でも、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物とを含むコーティング剤を使用することが望ましい。
水溶性高分子としては、たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、またはそれらの混合物を使用することができる。特に、PVAを使用した場合、最もガスバリア性に優れたガスバリア性被膜1cを形成することができる。なお、ここでいうPVAとは、典型的には、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られるものである。このPVAとしては、アセチル基が数10%残存している部分鹸化PVAからアセチル基が数%しか残存していない完全PVAまで様々な鹸化PVAを使用することができる。PVAの分子量に制限はなく、たとえば、重合度が300から数千の範囲内にあるものを使用することができる。なお、一般に鹸化度が高く、かつ重合度が高い高分子量のPVAは優れた耐水性を得ることができる。
なお、金属アルコキシドを加水分解および縮合させることにより得られる金属酸化物膜は硬いため、外力や縮合時の体積縮小によるひずみに起因してクラックが生じ易い。それ
ゆえ、クラックなどを生じることなく、この金属酸化物膜を均一な厚さに形成することは非常に困難である。
ゆえ、クラックなどを生じることなく、この金属酸化物膜を均一な厚さに形成することは非常に困難である。
これに対し、高分子と金属アルコキシドまたはその加水分解物と水とを含有したコーティング液を用いて形成した膜は、金属酸化物膜と比較して柔軟性が高いため、クラックを発生しがたい。但し、この膜は、微視的には金属酸化物が均一に分散しておらず、高いガスバリア性が得られないことがある。この高分子として、水溶性高分子を使用した場合には、高分子の水酸基と金属アルコキシドの加水分解物の水酸基との強い水素結合を利用して、縮合の際に金属酸化物を高分子中に均一に分散させることができる。それゆえ、金属酸化物膜に近いガスバリア性を達成することができる。したがって、このようなガスバリア性被膜1cを無機酸化物層1b上に形成すると、それらを単独で使用した場合と比較して、はるかに高いガスバリア性を達成することができる。
上述の金属アルコキシド又はその加水分解生成物と水酸基を有する水溶性高分子と水とを含有したコーティング液を用いて得られるガスバリア性被膜1cは、水素結合を形成しているため、苛酷な環境で使用した場合に、水の浸入により膨潤して、最終的には溶解を生じることがある。そのため、無機酸化物層1bとガスバリア性被膜1cとを積層することにより、高いガスバリア性を達成することができたとしても、高温多湿環境などの過酷な条件下では、密着性やガスバリア性が容易に劣化する可能性がある。
金属アルコキシドは、一般式M(OR)nで表される化合物である。ここで、MはTi,Al,Zr等の金属またはSiを示し、Rは、CH3基,C2H5基等のアルキル基を示している。また、nは、元素Mの価数を示している。
金属アルコキシドとしては、たとえば、アルコキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C3H7)3〕などがあげられる。中でもアルコキシシランの一種であるテトラエトキシシラン、あるいはトリイソプロポキシアルミニウムは加水分解後、水を含んだ溶液中で比較的安定に存在することができる。
アルコキシシランとしては、たとえば、Si(OR1)4またはR2Si(OR3)3で表される化合物またはそれらの混合物を使用することができる。ここで、R1およびR3はCH3基,C2H5基,C2H4OCH3基などの加水分解性基を示し、R2は有機官能基を示している。
金属アルコキシドとして、たとえば、R2Si(OR3)3で示されるアルコキシシランを使用すると、水が浸入した場合でも膨潤しがたく、耐水性に優れたガスバリア性被膜1cを得ることができる。特に、有機官能基R2が、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、ウレイド基、およびイソシアネート基などの非水溶性官能基である場合、より高い耐水性を達成できる。有機官能基R2が、ビニル、メタクリロキシである場合は製造過程で紫外線または電子線等の電離放射線の照射を行なう。また、金属アルコキシドの加水分解の反応促進剤として、一般に水と触媒(酸、アルカリ)を用いる。
一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランのうち、テトラエトキシシランは加水分解生成物が水系の溶媒中で比較的安定に存在しうるため、これを使用した場合、製造条件の制御が比較的容易である。
他方、金属アルコキシドとして、たとえば、Si(OR1)4で示されるテトラアルコキシシランを使用すると、水が浸入した場合でも膨潤しがたく、耐水性に優れ、非常に高いバリア性を有するガスバリア性被膜1cを得ることができる。特に、加水分解性基R1が、CH3基,C2H5基である場合、より高い耐水性・優れたバリア性を達成できる。
また、金属アルコキシドの加水分解の反応促進剤として、一般に水と触媒(酸、アルカリ)を用いる。
また、金属アルコキシドの加水分解の反応促進剤として、一般に水と触媒(酸、アルカリ)を用いる。
また、金属アルコキシドとして、一般式Si(OR1)4で表されるテトラアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるトリアルコキシシランの2種を使用する場合、これらのアルコキシシランの比は、たとえば、Si(OR1)4のSiO2換算質量とR2Si(OR3)3のR2Si(OH)3換算質量との和に対するR2Si(OR3)3のR2Si(OH)3換算質量の割合が、1%から50%の範囲内となるように設定してもよい。1%より小さくすると耐水性が低くなり、50%を超えると有機官能基R2がガスバリアの孔となり、ガスバリア性が低下する。一般式Si(OR1)4で表されるテトラアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるトリアルコキシシランとの混合比は、上述の割合が、5%から30%の範囲内となるように設定してもよい。この場合、液体内容物または水分含有内容物を煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理し、さらに高温多湿環境中で長期保存するのに十分な耐水性およびハイバリア性を達成することができる。
ガスバリア性被膜1cを形成するコーティング液の各成分である、一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランと水溶性高分子は、どの順番で混合してもよい。たとえば、一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシランと一般式R2Si(OR3)3で表されるアルコキシシランとを別々に加水分解し、その後、水溶性高分子を含んだ溶液中にこれらを添加してもよい。この方法は、シリコン酸化物の分散性や加水分解の効率の点で優れている。
ガスバリア性被膜1cを形成するためのコーティング液には、ガスバリア性被膜1cのインキまたは接着剤に対する濡れ性の向上や密着性の向上、ガスバリア性被膜1cの収縮によるクラック発生の防止などを考慮して、添加物を添加してもよい。この添加物としては、たとえば、イソシアネート化合物、コロイダルシリカ、スメクタイトなどの粘土鉱物、安定化剤、着色剤、レオロジー調整剤、及びそれらの混合物を使用することができる。
ガスバリア性被膜1cの厚みは、厚みが薄い場合ガスバリア性被膜1cを均一な連続膜として形成することが難しく、十分なガスバリア性が得られない。厚みが厚い場合は膜に亀裂を生じ易い。ガスバリア性被膜1cの厚さは、たとえば、0.01μmから50μmの範囲内とする。
ガスバリア性被膜1cを形成するためのコーティング液は、たとえば、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等により塗布することができる。このコーティング液を塗布してなる塗膜は、たとえば、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、高周波照射法、赤外線照射法、UV照射法、またはそれらの組み合わせにより乾燥させることができる。
熱接着性樹脂層3は、熱接着性を有する透明な樹脂層である。熱接着性樹脂層3の材料としては、熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂を使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−αオレフイン共重合体(LLDPE)、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂である。
これらの中でも、エチレン−αオレフイン共重合体(LLDPE)としては、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を使用して重合したエチレン−αオレフイン共重合体を使用することができる。上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−αオレフイン共重合体としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレン−αオレフイン共重合体を使用することができる。
熱接着性樹脂層3は、その樹脂をフィルム状に成型して使用することができる。これらの樹脂をフィルム状に成型する方法としては、Tダイ法、インフレーション法、その他等の成形法を用いることができる。そして、このフィルム状熱接着性樹脂層3は、図1に示すように、ラミネート用接着剤によるラミネート用接着剤層2aを使用して、透明ガスバリアフィルム1にラミネートすることで積層することができる。
ラミネート方法としては例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法等で行うことができる。
また、ラミネート用接着剤層2aを構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマー、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することができる。
この接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。これらラミネート用接着剤は、積層する両者の一方の面に、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、その他等のコート法、あるいは、印刷法等によって施し、次いで、溶剤等を乾燥させてラミネート用接着剤層を形成すことができ、その塗布量としては、0.1〜10g/m2(乾燥状態)位が望ましい。
また、熱接着性樹脂層3は、その樹脂を含む組成物による溶融押出コ−ティング膜の状態で形成することができる。 その膜の厚さとしては、5μmないし300μm位が好ましくは、更には、10μmないし100μm位が望ましい。熱接着性樹脂層3は単層でも、あるいは共押出しによる2層構成、さらには中間フィルム層を設けた3層構成によるものであっても良い。このように熱接着性樹脂層3を溶融押出コ−ティング膜の状態で形成する場合には、ラミネート用アンカーコート剤層2bを介することなく、透明ガスバリアフィルム1に直接、熱接着性樹脂層を溶融押出コ−ティングして形成することができる。また、これらラミネート用アンカーコート剤層2bを介して溶融押出コ−ティングして形成してもよい。
アンカーコート剤層2bを構成するアンカーコート剤としては、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系、その他等のアンカーコーティング剤を使用することができる。
なお、透明ガスバリアフィルム1と熱接着性樹脂層3との間には、用途・要求に応じて、印刷インキ層などを介在させてもよい。
印刷層は包装袋などとして実用的に用いるために形成されるものであり、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式を用いることができる。厚さは0.1〜2.0μmが好ましい。
次に、この包装材料10を製袋して液体充填用包装袋30を製造する方法について説明すると、例えば、この包装材料10の熱接着性樹脂層3を内層としてこれらの面を対向させ、それを折り重ねるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその周辺端部を熱融着してシール部を設けて、種々の形態からなる液体充填用包装袋を製造することができる。その製袋方法としては、この包装材料10を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、その他等のシール形態により熱融着して、本発明にかかる種々の形態の液体充填用包装袋を製造することができる。その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能である。一般に液体充填用包装袋の大きさとして、流れ方向200mm×幅方向150mmよりも小さいサイズが多く用いられているが、特にサイズの制約はない。
上記のようにして製造した液体充填用袋包装袋30は、例えば、スープ、つゆ、醤油、ソース、だし汁、香辛料、料理用酒類、その他等の液体ないし粘調体からなる調味料類、スープ類、果汁類、その他等の各種の液状ないし粘体状の飲食物を充填包装し得るものである。更に、上記液体充填用包装袋は、上記のような飲食品の他に、例えば、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品、その他等の種々の物品の充填包装に使用できる。
こうして、本発明の包装材料10によって構成される液体小袋包装体30は、密着性、特に湿潤環境下での耐圧物性に優れており、調味料等の液体を充填包装して、貯蔵、保管ないし流通する際にも、破袋による液漏れを発生することがない。そしてこのように破袋することがなく、しかもガスバリア性にも優れているため、貯蔵、保管ないし流通する際に内容物の風味および食味等を損なうことないものである。更にまた、本発明においては、液体充填用袋は、例えば、ゴミとして廃棄し、燃焼処理する場合にも、塩素ガス等の有害なガス等の発生を防止し、極めて優れた環境対応に適する液体小袋包装体を製造し得ることができるという利点を有するものである。
以下に、本発明の一実施例を更に詳細に説明する。
<実施例1>
フィルム基材1aとして、厚さ15μmのポリブチレンテレフタレート成分を含む二軸延伸ポリエステルフィルムを用い、このフィルム基材1aに、電子線加熱方式による真空蒸着装置によって、厚み30nmの酸化珪素より形成される無機酸化物層1bを積層した
。
フィルム基材1aとして、厚さ15μmのポリブチレンテレフタレート成分を含む二軸延伸ポリエステルフィルムを用い、このフィルム基材1aに、電子線加熱方式による真空蒸着装置によって、厚み30nmの酸化珪素より形成される無機酸化物層1bを積層した
。
次に、ガスバリア性被膜1c用のコーティング液を調製した。このコーティング液に使用した材料は次のとおりである。
(ガスバリア性被膜用コーティング液溶液の材料)
(a)テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4;以下、TEOSと略記)17.9gとメタノール10gに0.1N塩酸72.1gを加えて30分間攪拌して加水分解させた固形分5%(重量比SiO2換算)の加水分解溶液。
(b)ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記)の5%(重量比)溶液。溶剤は、水/メタノール=95/5(重量比)の混合溶剤である。
(c)1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートを水/イソプロピルアルコ−ル=1/1溶液で固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に調整した加水分解溶液。
(a)テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4;以下、TEOSと略記)17.9gとメタノール10gに0.1N塩酸72.1gを加えて30分間攪拌して加水分解させた固形分5%(重量比SiO2換算)の加水分解溶液。
(b)ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記)の5%(重量比)溶液。溶剤は、水/メタノール=95/5(重量比)の混合溶剤である。
(c)1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートを水/イソプロピルアルコ−ル=1/1溶液で固形分5%(重量比R2Si(OH)3換算)に調整した加水分解溶液。
そして、(a)〜(c)溶液の配合比率を、a液/b液/c液=70/20/10(固形分重量比率)となるように混合して、前記コーティング液とした。
そして、グラビアコート法によって、無機酸化物層1bの上にこのコーティング液を塗布、加熱乾燥して、厚み0.3μmのガスバリア性被膜1cを積層し、透明ガスバリアフィルム1を得た。
さらに、前記透明ガスバリアフィルム1のガスバリア性被膜の上に、二液硬化型ポリウレタン系ラミネート用接着剤(三井化学社製 A525/A52)を、乾燥後の塗布量が4.0g/m2となるように調整してグラビアコート法にて塗布し、ドライラミネーション法によって、厚み60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ社製、TUX−FCS)よりなる熱接着性樹脂フィルムと貼り合わせて、熱接着性樹脂層3を形成し、さらに40℃の恒温室にて7日間養生を行い、包装材料10を得た。
この包装材料10を150℃30分での熱収縮率を測定したところ、MD方向(流れ方向)にて2.6%、TD方向(巾方向)にて0.8%であった。
<比較例1>
フィルム基材1aとして厚み12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製P60)を用いた以外は、実施例1と同様に透明ガスバリアフィルム1及び包装材料10を製造した。
フィルム基材1aとして厚み12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製P60)を用いた以外は、実施例1と同様に透明ガスバリアフィルム1及び包装材料10を製造した。
<比較例2>
フィルム基材1aとして厚み15μmのポリアミドフィルム(ユニチカ製ONM)を用いた以外は、実施例1と同様に透明ガスバリアフィルム1及び包装材料10を製造した。
フィルム基材1aとして厚み15μmのポリアミドフィルム(ユニチカ製ONM)を用いた以外は、実施例1と同様に透明ガスバリアフィルム1及び包装材料10を製造した。
<比較例3>
フィルム基材1aとして厚み15μmのPVDCコート付きポリアミドフィルム(ユニチカ製DCR)を用いて、実施例1と同様に透明ガスバリアフィルム1及び包装材料10を製造した。
フィルム基材1aとして厚み15μmのPVDCコート付きポリアミドフィルム(ユニチカ製DCR)を用いて、実施例1と同様に透明ガスバリアフィルム1及び包装材料10を製造した。
<評価>
実施例、比較例にて得られた透明ガスバリアフィルム1について酸素透過度、水蒸気透過度の測定を、また包装材料10については常態および湿潤ラミネート強度の測定を行った。また、これら包装材料10を使用して液体小袋包装体30を製造し、この液体小袋包
装体30について常態および湿潤破袋強度の測定を行った。そして、これらの測定結果に基づいて、総合的な実用性判断を行った。その測定方法は次のとおりである。なお、液体小袋包装体の製造方法については、液体小袋包装体の破袋強度の測定方法と共に説明する。
実施例、比較例にて得られた透明ガスバリアフィルム1について酸素透過度、水蒸気透過度の測定を、また包装材料10については常態および湿潤ラミネート強度の測定を行った。また、これら包装材料10を使用して液体小袋包装体30を製造し、この液体小袋包
装体30について常態および湿潤破袋強度の測定を行った。そして、これらの測定結果に基づいて、総合的な実用性判断を行った。その測定方法は次のとおりである。なお、液体小袋包装体の製造方法については、液体小袋包装体の破袋強度の測定方法と共に説明する。
(透明ガスバリアフィルム1の酸素透過度の測定)
実施例および比較例で得られた透明ガスバリアフィルム1について、JIS K−7126−B法に準拠して、Modern Control社製のOxtran2/21を用いて、30℃70%RH環境の条件で酸素透過度を測定した。
実施例および比較例で得られた透明ガスバリアフィルム1について、JIS K−7126−B法に準拠して、Modern Control社製のOxtran2/21を用いて、30℃70%RH環境の条件で酸素透過度を測定した。
(透明ガスバリアフィルム1の水蒸気透過度の測定)
実施例および比較例で得られた透明ガスバリアフィルム1について、JIS K−7129−2法に準拠して、Modern Control社製のPermatran W3/33を用いて、40℃90%RH環境の条件で水蒸気透過度を測定した。
実施例および比較例で得られた透明ガスバリアフィルム1について、JIS K−7129−2法に準拠して、Modern Control社製のPermatran W3/33を用いて、40℃90%RH環境の条件で水蒸気透過度を測定した。
(包装材料10の常態および湿潤ラミネート強度の測定)
実施例および比較例で得られた包装材料10の透明ガスバリアフィルム1と熱接着性樹脂3との密着強度を、常態時及び湿潤時の双方について、JIS Z−1707に準拠して測定した。測定条件は、試験幅15mm、剥離速度300mm/min、剥離角度T型とした。また、湿潤時の密着強度の測定の際には剥離界面を水で湿潤させながら行った。
実施例および比較例で得られた包装材料10の透明ガスバリアフィルム1と熱接着性樹脂3との密着強度を、常態時及び湿潤時の双方について、JIS Z−1707に準拠して測定した。測定条件は、試験幅15mm、剥離速度300mm/min、剥離角度T型とした。また、湿潤時の密着強度の測定の際には剥離界面を水で湿潤させながら行った。
(液体小袋包装体の破袋強度の測定)
実施例および比較例で得られた包装材料10の巻取を用いて、液体・粘体高速充填機(DANGAN−TYPE3 大成ラミック社製)にて充填を行い、液体小袋包装体30を作製した。充填は、パウチサイズ120mm(縦)×90mm(横)、速度9m/min、内容物約80g、シール温度縦182℃/横165℃、シール圧力縦左160kPa/縦右80kPa/横左380kPa/横右350kPaでおこなった。内容物は水である。
実施例および比較例で得られた包装材料10の巻取を用いて、液体・粘体高速充填機(DANGAN−TYPE3 大成ラミック社製)にて充填を行い、液体小袋包装体30を作製した。充填は、パウチサイズ120mm(縦)×90mm(横)、速度9m/min、内容物約80g、シール温度縦182℃/横165℃、シール圧力縦左160kPa/縦右80kPa/横左380kPa/横右350kPaでおこなった。内容物は水である。
この液体小袋包装体30について、破袋強度の測定を行った。測定条件は、試験速度10mm/min、最大荷重は500kgとした。
破袋強度は、包装体30を2枚のステンレス板の間に挟み、圧縮速度10mm/minにてステンレス板の上より圧縮させ、三方シール袋が破袋したときの強度で評価した。湿潤の破袋強度は、水道水中に1日浸漬した後に測定した。
この測定結果及び評価結果を表1に示す。
表1から分かるように、実施例1における本発明の包装材料で製造した液体小袋用包材は、酸素透過度のみならず、水蒸気透過度も優れており、常態・湿潤ラミネート強度も高く、さらには液体・粘体高速充填機にて充填した液体小袋包層体での常態・湿潤破袋強度においても優れた強度物性を有していることが確認できる。これらより、高い強度物性が要求される液体内容物や水分含有内容物に適用した場合に、破袋の問題が発生する可能性が低く、要求される実用性能を満足した液体小袋包装体が得ることができる。
これに対し、比較例1では酸素透過度、水蒸気透過度は良好であるが、破袋強度が低く十分な実用性能が得られない。また、比較例2、3では破袋強度試験では十分な強度を確認することができたが、水蒸気透過度が悪く、特に比較例3では酸素透過度も十分な性能が得られていないため内容物の酸化変化や水分蒸散による変化の懸念が残る結果となった。
これらの結果より、本発明の包装材料で製造した液体小袋包装体は、高い密着強度を有し、かつ、ガスバリア性と防湿性の両面を持ち、特に湿潤環境下での耐圧物性に優れることが理解できる。
10‥包装袋用包装材料
1…透明ガスバリアフィルム 1a…フィルム基材 1b…無機酸化物層 1c…ガスバリア性被膜
2a…ラミネート用接着剤によるラミネート用接着剤層 2b…ラミネート用アンカーコート剤によるアンカーコート剤層
3…熱接着性樹脂層
30…液体小袋包装体 31…ヒートシール部 32…開口部(ヒートシール部) 33…内容物
1…透明ガスバリアフィルム 1a…フィルム基材 1b…無機酸化物層 1c…ガスバリア性被膜
2a…ラミネート用接着剤によるラミネート用接着剤層 2b…ラミネート用アンカーコート剤によるアンカーコート剤層
3…熱接着性樹脂層
30…液体小袋包装体 31…ヒートシール部 32…開口部(ヒートシール部) 33…内容物
Claims (3)
- ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材と、無機酸化物層と、ガスバリア性被膜とをこの順に積層してガスバリアフィルムとし、このガスバリアフィルムに熱接着性樹脂層を積層して成る包装袋用包装材料であって、
150℃で30分加熱した後の、少なくとも一方向について、下記数式1で表わされる熱収縮率が1.0〜3.0%未満であることを特徴とする包装袋用包装材料。
熱収縮率=(加熱前の長さ−加熱後の長さ)/加熱前の長さ×100%・・・(数式1) - 前記無機酸化物層の少なくとも1層にAl、Siの少なくとも一種が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋用包装材料。
- 前記ガスバリア性被膜が、水溶性高分子と、1種以上の金属酸化物を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の包装袋用包装材料。
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WO2020129291A1 (ja) * | 2018-12-21 | 2020-06-25 | 凸版印刷株式会社 | ガスバリアフィルム及びその製造方法、包装フィルム、並びに、包装袋 |
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-
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JP7279363B2 (ja) | 2019-01-08 | 2023-05-23 | 凸版印刷株式会社 | ガスバリアフィルムおよび包装用フィルム |
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