JP7207427B2 - ガスバリアフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本開示はガスバリアフィルム及びその製造方法、包装フィルム、並びに、包装袋に関する。
食品、医薬品等の包装用材料としては、機密性が高く、水分や酸素による内容物の劣化を防ぐために各種プラスチックフィルムや金属箔、紙などの材質を用いた包装用材料が開発されている。特に、食品・医薬品用途において長期間保存可能な包装形態として、レトルト処理やボイル処理などの加熱殺菌処理を行ったレトルト包装やボイル包装が一般的に用いられている。レトルト・ボイル用包材に要求される特性として、各種ガスバリア性、耐熱水性、保香性、耐変色性、耐衝撃性、耐圧性、突き刺し耐性、屈曲耐性などが挙げられ、加熱処理条件や内容物に適したラミネート構成が設計される。
レトルト・ボイル用包材の一例として、耐熱水性や保香性、印刷適性等を付与するために、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材とし、ガスバリア層として無機蒸着層上に、水溶性高分子と、(a)1種類以上の金属アルコキシドもしくは金属アルコキシド加水分解物、又は、(b)塩化錫の少なくとも一方と、を含む水溶液、或いは、水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被覆層を積層したガスバリアフィルムを用いたボイル・レトルト用包材が提案されている(特許文献1参照)。ボイル・レトルト用包材の構成としては一般的に、上記のようなガスバリアフィルムにシーラントフィルムを積層した構成が採用されている。
また、耐衝撃性、耐圧性、突き刺し耐性に優れた延伸ナイロン(ONY)フィルムを基材としたバリアフィルムも報告されている(特許文献2参照)。しかし、ONYフィルムは吸湿性が高く、基材のガラス転移点(Tg)も低い為、バリアフィルムを積層するときに安定した高いバリア性を発現することが難しく、ONYフィルムを基材としたバリアフィルムとシーラントフィルムとの2層構成では、特にレトルト処理によりバリア性が大きく低下してしまう問題点がある。
特開平7-164591号公報 特開2007-237712号公報
ボイル・レトルト用包材の構成としては、耐衝撃性、耐圧性、突き刺し耐性を付与するため、PETフィルムを基材とするガスバリアフィルムに、延伸ナイロン(ONY)フィルムとシーラントフィルムとを接着剤を介して積層して多層化した形態が実用化されている。これは、PETフィルムが耐熱水性に優れるという長所がある一方、突刺強度は低いという短所があり、ONYフィルムが突刺強度に優れるという長所がある一方、耐熱水性は低いという短所があるため、お互いに長所短所を補完できるためである。しかし、PETフィルムとONYフィルムの両方を用いる場合、ラミネート工程が増え、環境負荷への影響が懸念されると共に、コスト面からも改善が求められている。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、短所を補完するためにPETとONYの両方の層を用いることなく、レトルト処理等の熱水処理を行っても優れたガスバリア性を維持することができると共に、耐衝撃性にも優れたガスバリアフィルム及びその製造方法、包装フィルム、並びに、包装袋を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係るガスバリアフィルムは、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材と、上記フィルム基材上に配置された、無機酸化物を含有する無機酸化物層と、上記無機酸化物層上に配置された、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、及び、それらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含有するガスバリア性被覆層形成用組成物を用いて形成されたガスバリア性被覆層と、を備え、上記フィルム基材のTgが50℃以上70℃以下であり、上記ガスバリア性被覆層の硬度が、該ガスバリア性被覆層の上記フィルム基材側とは反対側の表面から50±5nmの深さ位置において0.6GPa以上2.0GPa以下である。
上記ガスバリアフィルムによれば、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材を用いることにより、物理衝撃によるガスバリアフィルムの破壊(破れ)を抑制することができ、優れた耐衝撃性を得ることができる。但し、当該フィルム基材は、優れた耐衝撃性が得られる反面、フィルム基材として一般的に用いられるPETフィルム等と比較して収縮(シュリンク)しやすく、例えばガスバリア性被覆層を形成する際の熱により収縮し、無機酸化物層やガスバリア性被覆層にクラックが生じやすいという問題があることを本発明者らは見出した。そして、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記フィルム基材のTg及びガスバリア性被覆層の硬度の両方を所定の範囲内とすることで、上記問題を解決できることを見出した。すなわち、本開示のガスバリアフィルムによれば、上記フィルム基材のTgを50℃以上70℃以下とすると共に、ガスバリア性被覆層の硬度を0.6~2.0GPaとすることにより、上述した優れた耐衝撃性を得ながら、無機酸化物層及びガスバリア性被覆層にクラックが生じることを抑制でき、優れたガスバリア性を得ることができると共に、レトルト処理等の熱水処理後も優れたガスバリア性を維持することができる。
本開示の別の側面に係るガスバリアフィルムは、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材と、上記フィルム基材上に配置された、無機酸化物を含有する無機酸化物層と、上記無機酸化物層上に配置された、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、及び、それらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含有するガスバリア性被覆層形成用組成物を用いて形成されたガスバリア性被覆層と、を備え、上記フィルム基材の、温度170℃、張力70N/mの条件で熱機械分析により測定されるMD方向の伸び率が2~5%である。
上記ガスバリアフィルムによれば、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材を用いることにより、物理衝撃によるガスバリアフィルムの破壊(破れ)を抑制することができ、優れた耐衝撃性を得ることができる。但し、当該フィルム基材は、優れた耐衝撃性が得られる反面、フィルム基材として一般的に用いられるPETフィルム等と比較して軟化しやすく、例えばガスバリア性被覆層を形成する際の熱により軟化し、無機酸化物層やガスバリア性被覆層にクラックが生じやすい。特に、無機酸化物層を積層した後に、張力をかけながらガスバリア性被覆層を加熱乾燥によって積層すると、乾燥オーブン中で軟化したフィルムが張力によって伸ばされるためオーブン出口で無機酸化物層やガスバリア性被覆層にクラックが生じる問題があることを本発明者らは見出した。そして、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記フィルム基材として、温度170℃、張力70N/mの条件で熱機械分析(TMA)により測定されるMD方向の伸び率が2~5%であるフィルム基材を用いた場合に、無機酸化物層の上に加熱乾燥が必要なガスバリア性被覆層形成用組成物を用いたコーティングによる高速塗工が可能であることを見出した。すなわち、本開示のガスバリアフィルムによれば、MD方向の上記伸び率が2~5%である上記フィルム基材を用いることにより、該フィルム基材上に上記無機酸化物層及び上記ガスバリア性被覆層を積層する際に、ガスバリア性被覆層をクラックの発生を抑制しながら高速塗工することができるとともに、耐衝撃性、耐圧性、突き刺し耐性に優れ、レトルト処理等の熱水処理後も優れたガスバリア性を維持することができるガスバリアフィルムを製造することができる。
上記ガスバリアフィルムにおいて、上記フィルム基材の突き刺し強度が8N以上であってもよい。上記ガスバリアフィルムの基材はブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有する必要があるため、優れた耐衝撃性を有するガスバリアフィルムを得る観点から、フィルム基材の突き刺し強度は8N以上であることが好ましい。フィルム基材の伸び率は低ければ低いほど、無機酸化物層にクラックを生じさせることなくコーティングによってガスバリア性被覆層を積層することができるが、伸び率が低くなると突き刺し強度、及び物理衝撃に対する強度が低下する傾向があるため、フィルム基材の突き刺し強度を8N以上に保持することが好ましい。
上記ガスバリアフィルムにおいて、上記無機酸化物は酸化ケイ素を含んでいてもよい。無機酸化物が酸化ケイ素を含むことで、無機酸化物層の引っ張り延伸性が向上し、上記フィルム基材を用いた場合であっても、無機酸化物層にクラックが生じることを抑制することができる。そのため、優れたガスバリア性を有すると共に、レトルト処理等の熱水処理後も優れたガスバリア性を維持することができるガスバリアフィルムを得ることができる。
また、無機酸化物層のO/Si比は1.7以上2.0以下であってもよい。O/Si比が上記範囲内であることで、透明性の高い無機酸化物層が得られると共に、無機酸化物層にクラックが生じることをより一層抑制することができる。
上記ガスバリアフィルムにおいて、上記ガスバリア性被覆層形成用組成物は、水酸基含有高分子化合物又はその加水分解物と、金属アルコキシド又はその加水分解物と、シランカップリング剤又はその加水分解物とを含有してもよい。ガスバリア性被覆層形成用組成物が上記成分を含有することで、ガスバリア性被覆層の硬度を0.6~2.0GPaの範囲内に制御しやすいと共に、より優れたガスバリア性を有し、且つ、レトルト処理等の熱水処理後もより優れたガスバリア性を維持できるガスバリアフィルムを得ることができる。また、上記成分を含有するガスバリア性被覆層形成用組成物を用いて硬度が0.6~2.0GPaの範囲内に制御されたガスバリア性被覆層を形成することで、得られるガスバリアフィルムは、通常のレトルト処理よりも高い温度(例えば125℃以上)で行われるハイレトルト処理後においても、優れたガスバリア性を維持することができる。
上記ガスバリアフィルムは、上記フィルム基材と上記無機酸化物層との間に配置された密着層を更に備えてもよい。密着層を設けることで、フィルム基材と無機酸化物層との密着性を向上できると共に、欠陥のない無機酸化物層を形成しやすい。
また、本開示の別の側面に係るガスバリアフィルムの製造方法は、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材の一方の面上に、無機酸化物を含有する無機酸化物層を積層する工程と、上記無機酸化物層上に、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、及び、それらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含有するガスバリア性被覆層形成用組成物を用いてガスバリア性被覆層を形成する工程と、を有し、上記フィルム基材の、温度170℃、張力70N/mの条件で熱機械分析により測定されるMD方向の伸び率が2~5%である。
上記製造方法によれば、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有し、且つ、上記MD方向の伸び率が2~5%であるフィルム基材を用いることにより、当該フィルム基材上に無機酸化物層及びガスバリア性被覆層を積層する際に、無機酸化物層又はガスバリア性被覆層にクラックが生じることを抑制しながら高速塗工することができるとともに、耐衝撃性、耐圧性、突き刺し耐性に優れ、レトルト処理等の熱水処理後も優れたガスバリア性を維持することができるガスバリアフィルムを提供することができる。
上記製造方法において、上記フィルム基材の突き刺し強度が8N以上であってもよい。突き刺し強度が8N以上であるフィルム基材を用いることで、より優れた耐衝撃性を有するガスバリアフィルムを製造することができる。
上記製造方法の上記ガスバリア性被覆層を形成する工程において、上記ガスバリア性被覆層形成用組成物を用いて塗膜を形成した後、オーブン温度140~180℃、張力50~80N/mの条件で上記塗膜を乾燥させて上記ガスバリア性被覆層を形成してもよい。上記方法でガスバリア性被覆層を形成することにより、ガスバリアフィルムを高速塗工によって効率的に製造することができる。また、本開示の製造方法によれば、上記条件で張力をかけながらガスバリア性被覆層を加熱乾燥した場合であっても、無機酸化物層又はガスバリア性被覆層にクラックが生じることを抑制することができる。
また、本開示の別の側面に係る包装フィルムは、上述した本開示のガスバリアフィルムと、該ガスバリアフィルムの上記フィルム基材とは反対側の面上に接着剤層を介して積層されたシーラント層と、を備える。かかる包装フィルムは、耐衝撃性に優れると共に、レトルト処理等の熱水処理を行っても優れたガスバリア性を維持することができる。
更に、本開示の別の側面に係る包装袋は、上述した本開示の包装フィルムを製袋してなるものである。かかる包装袋は、耐衝撃性に優れると共に、レトルト処理等の熱水処理を行っても優れたガスバリア性を維持することができる。
上記包装袋は、80℃以上の温度で加熱処理を施す用途に用いることができ、更に、125℃以上の温度でレトルト殺菌処理を施す用途に用いることもできる。
本開示によれば、短所を補完するためにPETとONYの両方の層を用いることなく、レトルト処理等の熱水処理を行っても優れたガスバリア性を維持することができると共に、耐衝撃性にも優れたガスバリアフィルム及びその製造方法、包装フィルム、並びに、包装袋を提供することができる。
本開示に係るガスバリアフィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 本開示に係る包装フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<ガスバリアフィルム>
図1は、本開示に係るガスバリアフィルムの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すガスバリアフィルム100は、フィルム基材11の上に、密着層12、無機酸化物層13、ガスバリア性被覆層14が順次積層された構造を有する。バリア層15は、無機酸化物層13及びガスバリア性被覆層14からなる。以下に順次、これらの各層について説明する。
(フィルム基材11)
フィルム基材11は、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有し、且つ、下記(1)又は(2)の一方又は両方の条件を満たすフィルムである。
(1)ガラス転移点(Tg)が50℃以上、70℃以下である。
(2)温度170℃、張力70N/mの条件で熱機械分析により測定されるMD方向の伸び率が2~5%である。
ここで、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂とは、該樹脂のジカルボン酸成分とグリコール成分とが結合してなる繰り返し単位の50質量%以上がブチレンテレフタレート単位からなることを意味している。フィルム基材11に含まれるポリエステル樹脂において、ブチレンテレフタレート単位の含有率は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。ブチレンテレフタレート単位の含有率が50質量%未満である(すなわち、ブチレンテレフタレート単位が主たる構成単位ではない)と、フィルム基材11の耐衝撃性、耐圧性及び突き刺し耐性が劣ることとなる。ポリエステル樹脂におけるブチレンテレフタレート単位以外の構成単位としては、エチレンテレフタレート単位、エチレンナフタレート単位、ブチレンナフタレート単位等が挙げられる。ポリエステル樹脂は、ブチレンテレフタレート単位以外の構成単位を2種以上含んでいてもよい。上記ポリエステル樹脂は、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とする1種類のポリエステル樹脂であってもよいが、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂と、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、及び、ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂等の他のポリエステル樹脂との混合物であってもよい。その場合、ポリエステル樹脂は、PBT樹脂以外の他のポリエステル樹脂を2種以上含んでいてもよい。PBT樹脂以外の他のポリエステル樹脂としては、PET樹脂の添加が最も安価で簡便であり、フィルム基材11の熱収縮を抑制しやすいため好ましい。ポリエステル樹脂がPBT樹脂と他のポリエステル樹脂との混合物である場合、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂とは、混合物中のPBT樹脂の含有率が50質量%以上であることを意味している。
〔フィルム基材11のTg〕
PBT樹脂はフィルム状に成形する際の熱履歴によってTgが20℃~80℃と大きく変化する。PBT樹脂を主材料としてフィルム基材11として用いる場合、フィルム基材11のTgは50℃以上、70℃以下であることが好ましい。フィルム基材11のTgが50℃未満では、バリア層15である無機酸化物層13及びガスバリア性被覆層14を積層する際に、積層中にかかる熱の影響を受けてフィルム基材11が変形し、内部応力がかかってバリア層15に亀裂が入り、高いバリア性を発現できない場合がある。一方、Tgが70℃を超えると、フィルム基材11が持つ耐衝撃性、耐圧性、突き刺し耐性が劣る場合がある。上記と同様の観点から、フィルム基材11のTgは、55℃以上、68℃以下であることがより好ましく、58℃以上66℃以下であることが更に好ましい。
フィルム基材11のTgに影響を与える因子は、PBT樹脂に添加されるPET樹脂の割合などの材料因子と、フィルム製膜時の延伸倍率、延伸時の加熱温度、その後の熱固定温度など製膜の際の熱履歴要因の2つの大きな要因があり、目的のTgを有するフィルム基材11を得るために、どちらの因子も適宜調整することができる。
フィルム基材11のTgは、示差走査熱量測定機(パーキンエルマー社製、商品名:DSC8000)にて測定できる。測定に用いるフィルム基材11は、サンプル間で水分の影響を受けないようにドライルームに一晩保管して調整する。その後、測定時には、初期の温度を0℃に設定して、0℃で5分間保持後、昇温速度10℃/分にて連続的に100℃まで昇温して測定を実施するのが望ましい。
〔フィルム基材11の伸び率〕
PBTを主たる構成単位とするフィルム基材は、高温時では軟化するため、高温で且つフィルム基材に張力がかかっていればたやすく伸びる。無機酸化物を含有する無機酸化物層(透明蒸着層)をバリア層としてフィルム基材に積層した場合、無機酸化物層は硬く、クラックが生じやすい性質を持つため、フィルム基材の収縮、伸び、又は、軟化によってバリア性が劣化しやすい。しかし、無機酸化物層がガスバリアフィルムの最外層となることは稀であり、通常は無機酸化物層を形成する工程の後に、無機酸化物層上に他の層を積層する工程、印刷工程、又は、他のフィルムとの貼り合せ工程などの次工程にロール・トゥ・ロールでフィルム基材及び無機酸化物層を含む積層フィルムが搬送され、張力と熱がかかる工程を経て、製品化が行われることとなる。
本実施形態のガスバリアフィルム100では、無機酸化物層13の保護及びバリア性能の向上を目的として、無機酸化物層13上にガスバリア性被覆層14が積層されている。無機酸化物層13上にガスバリア性被覆層14を積層する場合、無機酸化物層13を形成した後、無機酸化物層13上にコーティング剤(ガスバリア性被覆層形成用組成物)をコーティングして塗膜を形成し、ロール・トゥ・ロールで張力をかけながら塗膜を加熱乾燥する工程が行われることとなる。また、包装フィルムなどが用途として挙げられる場合には、生産性を考慮することが必要であり、無機酸化物層13及びガスバリア性被覆層14を備えるガスバリアフィルム100は、広幅で且つ高速加工によって安価に生産される必要がある。広幅のガスバリアフィルム100の高速加工時には、走行中のフィルムのたるみ、滑り、蛇行、しわなどを防いで安定的に加工を行うために一定以上の張力をかける必要がある。さらには高速加工でもコーティング剤を十分に乾燥するために、オーブンの設定温度はコーティング剤の蒸発潜熱による冷却も考慮し、実際にフィルムのコーティング面にかかる温度よりも高温にしておく必要がある。
オーブンの構造として、ロールサポート式や、フローティング方式では、乾燥させるコーティング剤の塗膜の表面温度は低くても、フィルム基材11の無機酸化物層13とは反対側の表面は、オーブンの設定温度に瞬間的にでも触れることになる。特に、ロールサポート式のオーブンは、オーブンの設定温度に到達したロールの上を、フィルム基材11が接しながら搬送されるため、フィルム基材11の無機酸化物層13とは反対側の表面に熱がかかりやすい。
ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材11を用いて、無機酸化物層13を積層し、コーティングによってガスバリア性被覆層14を積層する場合に、枚葉で張力をかけずにガスバリア性被覆層14を積層する方法では容易にガスバリアフィルム100を製造することができる。しかし、例えば500mm以上のフィルム幅で、且つ塗工スピードが例えば100m/min以上で加工する場合、走行中のフィルムのたるみ、滑り、蛇行、しわなどを防いで安定的に加工を行うためには、一定以上の張力と高い乾燥オーブンの設定値が必要である。このような加工条件で無機酸化物層13にクラックを生じさせずにコーティング剤を塗工するには、試行錯誤による鋭意検討の結果、フィルム基材のMD方向の温度170℃、張力70N/mの条件で熱機械分析(TMA)により測定される伸び率が5%以下である必要があることを本発明者らは見出した。
高速加工を行うためには、オーブンの温度は140℃以上とする必要があり、さらには170℃以上にオーブン温度を上げる場合もある。さらに、広幅高速加工を行うためには、張力は50N/m以上とする必要があり、さらには安定加工性の観点から、70N/m程度の張力とする場合もある。このようなオーブン温度と張力で加工を行う場合、TMA測定において、温度170℃、張力70N/mのMD方向の伸び率が5%以下であるフィルム基材11を用いることで、高速安定加工が可能であることを本発明者らは見出した。
しかし、PBTを主たる構成単位とするフィルム基材11が強靭な特性を有する場合、フィルム基材11は高温時に軟化する特徴も併せ持つ。このため、高温時に張力をかけても伸び難いフィルム基材11は、強靭さを十分に発現し難い傾向がある。そのため、フィルム基材11の強靭性を保持するためには、フィルム基材11の、温度170℃、張力70N/mの条件でTMAにより測定されるMD方向の伸び率が2%以上であることが好ましい。
フィルム基材11の高温時の伸び率(延伸性)に影響を与える因子は、PBT樹脂に添加されるPET樹脂の割合などの材料因子と、フィルム製膜時の延伸倍率、延伸時の加熱温度、その後の熱固定温度など製膜の際の熱履歴要因の2つの大きな要因があり、目的の物性を有するフィルム基材11を得るために、どちらの因子も適宜調整することができる。
フィルム基材11のTMAは、熱分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、商品名:TA7000 PCステーション)を用いて測定することができる。測定に用いるフィルム基材11は4mm幅(TD方向の幅)とし、張力が70N/mとなるように荷重をかけ、25℃から昇温速度10℃/分にて連続的に210℃まで昇温し、その後5分間保持して、フィルム基材11のMD方向の伸び率の測定を実施し、温度170℃での伸び率を求めることができる。本明細書中、上記方法で測定されるフィルム基材11のMD方向の伸び率を、単に「伸び率」と言う場合がある。また、本明細書中の張力(単位:N/m)は、フィルムの単位幅当たりの張力を意味する。
フィルム基材11の伸び率は、2~5%であってよく、上述した効果をより十分に得る観点から、2.5~5%、又は、3~5%であってよい。
〔フィルム基材11の突き刺し強度〕
フィルム基材11の突き刺し強度は、8N以上であってよい。突き刺し強度が8N以上であることで、ガスバリアフィルムは優れた耐衝撃性を得ることができる。突き刺し強度の上限値は特に限定されないが、フィルム基材11の伸び率を低減する観点から、10N以下であってよい。
フィルム基材11の突き刺し強度は、引張試験機(オリエンテック社製、商品名:テンシロンRTC-1250)にて測定することができる。突き刺し強度は、JIS Z1707に準拠し、速度50mm/分で直径1mmの針を突き刺した際の負荷を測定することで求めることができる。
〔フィルム基材11の他の特性〕
フィルム基材11としては、未延伸フィルムではなく、延伸フィルムを用いることが好ましい。未延伸フィルム基材11は延伸フィルム基材11と比較して強度や寸法安定性に劣るため用途が限定され、レトルト処理やボイル処理などの加熱調理等の包材としては適さない場合がある。延伸フィルム基材11は、未延伸フィルム基材11よりも強度が高く、耐衝撃性、耐熱性、耐水性に優れるため、レトルト処理やボイル処理を施す用途に好適である。延伸方法としては特に限定されず、インフレーションによる延伸、または一軸延伸、二軸延伸など、寸法が安定したフィルムが供給可能であれば、どのような方法でもよい。
フィルム基材11の厚さは、特に限定されない。厚さは用途に応じて、6μm~200μm程度のものを使用することができるが、9~50μmであることが好ましく、12~38μmであることがより好ましい。フィルム基材11の厚さが上記下限値以上であると、優れた耐衝撃性と優れたガスバリア性とを得ることができる。フィルム基材11の厚さが上記上限値以下であると、十分に薄い包装フィルムを得易くなる。
また、このフィルム基材11には、その積層面(バリア層15等を積層する側の面)に、バリア性能を損なわない範囲でコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの各種前処理を施したり、易接着層などのコート層を設けても構わない。
(密着層12)
密着層12は、透明プラスチック材料からなるフィルム基材11上に設けられ、フィルム基材11と無機酸化物層13の密着性能向上と、平面を平滑にすることで次工程にて無機酸化物層を欠陥なく均一に成膜し易くして高いバリア性を発現する、という二つの効果を得ることを目的とした層である。密着層12は、アンカーコート剤を用いて形成することができる。
このような密着層12を形成するためのアンカーコート剤としては、例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂が挙げられる。これらのアンカーコート剤の中でも、耐熱性及び層間接着強度の観点から、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
また、このような密着層12の厚さは特に限定されないが、この厚さが0.01~5μmの範囲であることが好ましく、0.03~3μmの範囲であることがより好ましく、0.05~2μmの範囲であることが特に好ましい。密着層12の厚さが上記下限値以上であると、より十分な層間接着強度が得られる傾向にあり、他方、上記上限値以下であると所望のガスバリア性が発現し易い傾向にある。
また、密着層12を上記フィルム基材11上に塗工する方法としては、公知の塗工方法が特に制限なく使用可能であり、浸漬法(ディッピング法);スプレー、コーター、印刷機、刷毛等を用いる方法が挙げられる。また、これらの方法に用いられるコーター及び印刷機の種類並びにそれらの塗工方式としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバースグラビア方式、オフセットグラビア方式等のグラビアコーター、リバースロールコーター、マイクログラビアコーター、チャンバードクター併用コーター、エアナイフコーター、ディップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター等を挙げることができる。
さらに、このような密着層12の塗布量としては、アンカーコート剤を塗工して乾燥した後の1mあたりの質量が0.01~5g/mであることが好ましく、0.03~3g/mであることがより好ましい。アンカーコート剤を塗工して乾燥した後の1mあたりの質量が上記下限値以上であると、成膜が十分となる傾向にあり、他方、上記上限値以下であると十分に乾燥し易く溶剤が残留し難い傾向にある。
また、このような密着層12を乾燥させる方法としては、特に限定されないが、自然乾燥による方法や、所定の温度に設定したオーブン中で乾燥させる方法、上記コーター付属の乾燥機、例えばアーチドライヤー、フローティングドライヤー、ドラムドライヤー、赤外線ドライヤー等を用いる方法を挙げることができる。さらに、乾燥の条件としては、乾燥させる方法により適宜選択することができ、例えばオーブン中で乾燥させる方法においては、温度60~100℃にて、1秒間~2分間程度乾燥することが好ましい。
(無機酸化物層13)
ガスバリアフィルム100を構成する無機酸化物からなる無機酸化物層13は、SiO、AlO等で表わされる金属酸化物、もしくはその混合物を用いることができる。これらの中でも特に好ましい無機酸化物は酸化ケイ素である。
Tgが50℃以上70℃以下であるフィルム基材11に、後述する0.6GPa以上、2.0GPa以下の硬度を持つガスバリア性被覆層14を積層するためには、無機酸化物層13は、加工時に引っ張り延伸性が高い蒸着層として酸化ケイ素を用いた層とすることが好ましい。
無機酸化物層13のO/Si比は1.7以上であることが望ましい。O/Si比が1.7以上であると金属Siの含有割合が抑制されて良好な透明性が得られ易い。また、O/Si比は2.0以下であることが好ましい。O/Si比が2.0以下であるとSiOの結晶性が高くなって無機酸化物層13が硬くなり過ぎることを防ぐことができ、良好な引張り耐性が得られるため、次工程のガスバリア性被覆層14を積層する際に無機酸化物層13にクラックが発生することを抑制することができる。また、Tgが50℃以上、70℃以下のフィルム基材11では、包材に成形後もボイルやレトルト処理時の熱によりフィルム基材11が収縮することがあるが、O/Si比が2.0以下であることで無機酸化物層13が上記収縮に追従し易く、バリア性の低下を抑制することができる。これらの効果をより十分に得る観点から、無機酸化物層13のO/Si比は1.75以上1.9以下であることが好ましく、1.8以上1.85以下であることがより好ましい。
無機酸化物層13のO/Si比は、X線光電子分光法(XPS)により求めることができる。例えば、測定装置はX線光電子分光分析装置(日本電子株式会社製、商品名:JPS-90MXV)にて、X線源は非単色化MgKα(1253.6eV)を使用し、100W(10kV-10mA)のX線出力で測定することができる。O/Si比を求めるための定量分析には、それぞれO1sで2.28、Si2pで0.9の相対感度因子を用いることができる。
無機酸化物層13の膜厚は、10nm以上50nm以下であることが好ましい。膜厚が10nm以上であると、十分な水蒸気バリア性を得ることができる。また、膜厚が50nm以下であると、薄膜の内部応力による変形によりクラックが発生することを抑制し、水蒸気バリア性の低下を抑制することができる。なお、膜厚が50nmを超えると、材料使用量の増加、及び膜形成時間の長時間化等に起因してコストが増加し易いため、経済的観点からも好ましくない。上記と同様の観点から、無機酸化物層13の膜厚は、20nm以上40nm以下であることがより好ましい。
無機酸化物層13は、例えば真空成膜で形成することができる。真空成膜では、物理気相成長法あるいは化学気相成長法を用いることができる。物理気相成長法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。化学気相成長法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記真空成膜では、抵抗加熱式真空蒸着法、EB(Electron Beam)加熱式真空蒸着法、誘導加熱式真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、デュアルマグネトロンスパッタリング法、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)等が特に好ましく用いられる。但し、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましい。
(ガスバリア性被覆層14)
ガスバリア性被覆層14は、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、及び、それらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含有するガスバリア性被覆層形成用組成物を用いて形成された層である。ガスバリア性被覆層14の硬度は、0.6GPs以上、2.0GPa以下であることが好ましい。
無機酸化物層13上にガスバリア性被覆層形成用組成物をコーティングし、加熱乾燥して被膜を形成する際に、Tgが50℃以上70℃以下のフィルム基材11では、流れ方向に張力をかけながら加熱乾燥する際にフィルム基材11が変形しやすく、硬度が2.0GPaを超えるガスバリア性被覆層では、この変形に追従できずにクラックが発生し、バリア性を発現できない場合がある。このため、ガスバリア性被覆層14の硬度を2.0GPa以下に保つことが好ましい。ガスバリア性被覆層14が形成される際、応力が最もかかる表層部からクラックが入るため、特に重要なのは、ガスバリア性被覆層14の表層部の膜硬度である。そのため、ガスバリア性被覆層14の無機酸化物層13側とは反対側の表面から50±5nmの深さ位置における硬度を2.0GPa以下に保つことが、クラックのないガスバリア性被覆層14を安定的に得る観点から重要となる。一方、ガスバリア性被覆層14の膜硬度が0.6GPa以下では、ガスバリア性被覆層14の硬化反応が不十分でありバリア性を十分に発揮できない場合がある。上記と同様の観点から、ガスバリア性被覆層14の硬度は、0.7GPa以上、1.5GPa以下であることが好ましく、0.8GPa以上、1.2GPa以下であることがより好ましい。
ガスバリア性被覆層14の硬度は、例えば、MTSナノインスツルメンツ社製のナノインデンターSA2(商品名)を使用して測定することができる。測定は、連続剛性測定法(CSM)オプションを用いて所定の押し込み深さまで連続的に行う。測定は、ガスバリア性被覆層14の表面から目的の押し込み深さの3倍以上の深さまで連続的に行い、目的の押し込み深さの数値を読み取る。測定は、ガスバリア性被覆層14の表層部の任意の5箇所について行い、それらの平均値をガスバリア性被覆層14の硬度とする。なお、温度や湿度の影響による測定結果の不安定要因を排除するために、測定は温度20℃相対湿度25%の環境下で行うことが好ましい。硬度を測定する目的の押し込み深さは、上述した通り50±5nm(45~55nm)である。深さが45nm未満であると、測定値が安定せず、正確な硬度を求めることが困難である。深さが55nmを超えると、応力が最もかかりクラックの発生に影響する表層部の硬度を求めることが困難である。なお、深さが55nmを超えると、ガスバリア性被覆層14の厚さによっては、下層である無機酸化物層13やフィルム基材11の影響を受けてガスバリア性被覆層14の正確な硬度を求めることが困難となる場合がある。このような理由から、ガスバリア性被覆層14の表面から50±5nmの深さ位置における硬度を測定し、且つ、その硬度を0.6GPa以上2.0GPa以下とすることが、本発明の課題を達成する上で重要である。
ガスバリア性被覆層14は、ガスバリア性を持った被膜層であり、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、及び、それらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするガスバリア性被覆層形成用組成物(以下、コーティング剤ともいう)を用いて形成される。コーティング剤は、レトルト処理等の熱水処理後のガスバリア性をより十分に維持する観点から、少なくともシランカップリング剤又はその加水分解物を含有することが好ましく、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種と、シランカップリング剤又はその加水分解物とを含有することがより好ましく、水酸基含有高分子化合物又はその加水分解物と、金属アルコキシド又はその加水分解物と、シランカップリング剤又はその加水分解物とを含有することが更に好ましい。コーティング剤は、例えば、水溶性高分子である水酸基含有高分子化合物を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液に、金属アルコキシドとシランカップリング剤とを直接、或いは予め加水分解させるなどの処理を行ったものを混合して調製することができる。
ガスバリア性被覆層14を形成するためのコーティング剤に含まれる各成分について詳細に説明する。コーティング剤に用いられる水酸基含有高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でもポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)をガスバリア性被覆層14のコーティング剤に用いた場合、ガスバリア性が特に優れるので好ましい。
ガスバリア性被覆層14は、優れたガスバリア性を得る観点から、下記一般式(1)で表わされる金属アルコキシド及びその加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物から形成されることが好ましい。
M(OR(Rn-m …(1)
上記一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1~8の1価の有機基であり、メチル基、エチル基等のアルキル基であることが好ましい。MはSi、Ti、Al、Zr等のn価の金属原子を示す。mは1~nの整数である。なお、R又はRが複数存在する場合、R同士又はR同士は同一でも異なっていてもよい。
金属アルコキシドとして具体的には、テトラエトキシシラン〔Si(OC〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O-2’-C〕などが挙げられる。テトラエトキシシラン及びトリイソプロポキシアルミニウムは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
シランカップリング剤としては、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Si(OR11(R123-p13 …(2)
上記一般式(2)中、R11はメチル基、エチル基等のアルキル基を示し、R12はアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基、アクリロキシ基で置換されたアルキル基、又は、メタクリロキシ基で置換されたアルキル基等の1価の有機基を示し、R13は1価の有機官能基を示し、pは1~3の整数を示す。なお、R11又はR12が複数存在する場合、R11同士又はR12同士は同一でも異なっていてもよい。R13で示される1価の有機官能基としては、グリシジルオキシ基、エポキシ基、メルカプト基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、又は、イソシアネート基を含有する1価の有機官能基が挙げられる。
シランカップリング剤として具体的には、ビニルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤などが挙げられる。
また、シランカップリング剤は、上記一般式(2)で表される化合物が重合した多量体であってもよい。多量体としては三量体が好ましく、より好ましくは1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートである。これは、3-イソシアネートアルキルアルコキシシランの縮重合体である。この1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、イソシア部には化学的反応性はなくなるが、ヌレート部の極性により反応性は確保されることが知られている。一般的には、3-イソシアネートアルキルアルコキシランと同様に接着剤などに添加され、接着性向上剤として知られている。よって1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートを、水酸基含有高分子化合物に添加することにより、水素結合によりガスバリア性被覆層14の耐水性を向上させることができる。3-イソシアネートアルキルアルコキシランは反応性が高く、液安定性が低いのに対し、1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、ヌレート部はその極性により水溶性ではないが、水系溶液中に分散しやすく、液粘度を安定に保つことができる。また、耐水性能は3-イソシアネートアルキルアルコキシランと1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートとは同等である。
1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートは、3-イソシアネートプロピルアルコキシシランの熱縮合により製造されるものもあり、原料の3-イソシアネートプロピルアルコキシシランが含まれる場合もあるが、特に問題はない。さらに好ましくは、1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートであり、より好ましくは1,3,5-トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートである。このメトキシ基は加水分解速度が速く、またプロピル基を含むものは比較的安価に入手し得ることから1,3,5-トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートは実用上有利である。
また、コーティング剤には、ガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、あるいは、分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を必要に応じて加えることも可能である。
ガスバリア性被覆層14の厚さは、50~1000nmであることが好ましく、100~500nmであることがより好ましい。ガスバリア性被覆層14の厚さが50nm以上であると、より十分なガスバリア性を得ることができる傾向があり、1000nm以下であると、十分な柔軟性を保持できる傾向がある。
ガスバリア性被覆層14を形成するためのコーティング剤は、例えば、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等により塗布することができる。このコーティング剤を塗布してなる塗膜は、例えば、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、高周波照射法、赤外線照射法、UV照射法、またはそれらの組み合わせにより乾燥させることができる。塗膜の乾燥は、高速加工性を考慮すると、熱風乾燥法により行うことが最も好ましい。
上記塗膜を乾燥させる際の温度及び張力は、例えば、塗膜表面の温度50~150℃、張力10~70N/mとすることができ、塗膜表面の温度70~100℃、張力20~50N/mとすることが好ましい。乾燥時の塗膜表面の温度及び張力を上記範囲内とすることで、無機酸化物層13やガスバリア性被覆層14にクラックが発生することをより一層抑制でき、優れたバリア性を発現することができる。
高速加工によりガスバリア性被覆層14を形成する場合、上記塗膜を乾燥させる際の温度及び張力は、例えば、オーブン温度50~180℃、張力10~100N/mとすることができ、オーブン温度140~180℃、張力50~80N/mとすることが好ましい。乾燥時のオーブン温度及び張力を上記範囲内とすることで、500mm以上の広幅で、100m/min以上の高速加工において、無機酸化物層13やガスバリア性被覆層14にクラックが発生することをより一層抑制でき、優れたバリア性を発現することができる。
<ガスバリアフィルムの製造方法>
本実施形態に係るガスバリアフィルムの製造方法は、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材の一方の面上に、無機酸化物を含有する無機酸化物層を積層する工程と、上記無機酸化物層上に、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、及び、それらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含有するガスバリア性被覆層形成用組成物を用いてガスバリア性被覆層を形成する工程と、を有する。ここで、フィルム基材としては、上述したフィルム基材11を用いることができる。すなわち、フィルム基材としては、下記(1)又は(2)の一方又は両方の条件を満たすフィルムを用いることができる。その他のフィルム基材11の好ましい特性は、上述した通りである。
(1)ガラス転移点(Tg)が50℃以上、70℃以下である。
(2)温度170℃、張力70N/mの条件で熱機械分析により測定されるMD方向の伸び率が2~5%である。
本実施形態に係るガスバリアフィルムの製造方法は、フィルム基材上に密着層を形成する工程を更に有していてもよい。
上記ガスバリア性被覆層を形成する工程では、上記ガスバリア性被覆層形成用組成物を用いて塗膜を形成した後、所定の温度及び所定の張力をかけながら上記塗膜を乾燥させて上記ガスバリア性被覆層を形成してもよい。上記塗膜を乾燥させる際の温度及び張力は、上述した通りであるが、高速加工によりガスバリア性被覆層を形成する場合は、例えばオーブン温度140~180℃、張力50~80N/mである。
また、本実施形態に係るガスバリアフィルムの製造方法における各層の形成方法は、本実施形態に係るガスバリアフィルム100の説明の中で述べた通りの方法を採用することができる。
<包装フィルム>
図2は、本開示に係る包装フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。図2に示す包装フィルム200は、上述したガスバリアフィルム100のガスバリア性被覆層14上に、印刷層20、接着剤層30、シーラント層40が順次積層された構造を有する。以下、各層について説明する。
(印刷層20)
ガスバリアフィルム100のガスバリア面側に印刷層20を設けることができる。印刷は、内容物に関する情報を表示したり、識別のため、あるいは意匠性向上を目的として、包装フィルム200の外側から見える層に設ける。印刷方法及び印刷インキは特に制限されず、既知の印刷方法及び印刷インキの中からフィルムへの印刷適性、色調などの意匠性、密着性、食品容器としての安全性などを考慮して適宜選択される。印刷方法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法などを用いることができる。中でもグラビア印刷法は生産性や絵柄の高精細度の観点から、好ましく用いることができる。
また、ガスバリア性被覆層14と印刷層20との密着性を高めるため、ガスバリア性被覆層14の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの各種前処理を施したり、易接着層などのコート層を設けても構わない。
(接着剤層30)
接着剤層30を介して、印刷層20上にシーラント層40を積層することができる。接着剤の材料としては、例えば、ポリエステル-イソシアネート系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル系樹脂などを用いることができる。包装フィルム200をレトルト用途に使用するには、レトルト耐性のある2液硬化型のウレタン系接着剤を好ましく用いることができる。
(シーラント層40)
シーラント層40の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。これらの熱可塑性樹脂は、使用用途やボイル、レトルト処理などの温度条件によって適宜選択できる。
シーラント層40の厚さは、内容物の質量や、包装袋の形状などにより定められるが、概ね30~150μmの厚さが好ましい。
シーラント層40の形成方法としては、上述の熱可塑性樹脂からなるフィルム状のシーラント層40を一液硬化型もしくは二液硬化型ウレタン系接着剤等の接着剤で貼りあわせるドライラミネート法、フィルム状のシーラント層40を無溶剤接着剤を用いて貼りあわせるノンソルベントドライラミネート法、上述した熱可塑性樹脂を加熱溶融させ、カーテン状に押し出し、貼りあわせるエクストルージョンラミネート法等、いずれも公知の積層方法により形成することができる。
上記形成方法の中でも、レトルト処理、特に120℃以上の高温熱水処理に対する耐性が高く好ましいのは、ドライラミネート法である。一方、包装フィルム200を85℃以下の温度で処理する用途に用いるのであれば、ラミネート方式は特に制限されない。
加熱殺菌処理方法として、レトルト処理は通常120℃で実施されるが、従来よりも高温(125℃以上)で行うレトルト加工技術(ハイレトルト処理)が用途によって用いられる。本開示のガスバリアフィルムを用いた包装フィルムは、従来よりも高温で殺菌を行うより過酷な処理環境下でもバリア性が低下することがないため、ハイレトルト殺菌処理用包装袋を提供することができる。
<包装袋>
包装袋は、上述した包装フィルム200を製袋してなるものである。包装袋は、1枚の包装フィルム200をシーラント層40が対向するように二つ折りにした後、3方をヒートシールすることによって袋形状としたものであってもよく、2枚の包装フィルム200をシーラント層40が対向するように重ねた後、4方をヒートシールすることによって袋形状としたものであってもよい。包装袋は、内容物として食品、医薬品等の内容物を収容し、レトルト処理やボイル処理などの加熱殺菌処理を施すことができる。
レトルト処理は、一般に食品、医薬品等を保存するために、カビ、酵母、細菌などの微生物を加圧殺菌する方法である。通常は、食品等を包装した包装袋を、105~140℃、0.15~0.30MPaで10~120分の条件で加圧殺菌処理をする。レトルト装置は、加熱蒸気を利用する蒸気式と加圧加熱水を利用する熱水式があり、内容物となる食品等の殺菌条件に応じて適宜使い分ける。ボイル処理は、食品、医薬品等を保存するため湿熱殺菌する方法である。通常は、内容物にもよるが、食品等を包装した包装袋を、60~100℃、大気圧下で、10~120分の条件で湿熱殺菌処理を行う。ボイル処理は、通常、熱水槽を用いて100℃以下で処理を行う。方法としては、一定温度の熱水槽の中に浸漬し一定時間処理した後に取り出すバッチ式と、熱水槽の中をトンネル式に通して処理する連続式がある。
本開示の包装袋は特に、80℃以上の温度で加熱処理を施す用途、及び、125℃以上の温度でレトルト(ハイレトルト)殺菌処理を施す用途に好適に用いることができる。本開示の包装フィルムを用いた包装袋は、これらの加熱処理やレトルト処理、ハイレトルト殺菌処理を施した場合であっても、優れたバリア性を維持することができる。
本開示を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。
<密着層形成用組成物の調製>
密着層形成用組成物は、以下の手順で調製した。
アクリルポリオールとトリレンジイソシアネートとを、アクリルポリオールのOH基の数に対してトリレンジイソシアネートのNCO基の数が等量となるように混合し、全固形分(アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量)が5質量%になるよう酢酸エチルで希釈した。希釈後の混合液に、さらにβ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを、アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量100質量部に対して5質量部となるように添加し、これらを混合することで密着層形成用組成物(アンカーコート剤)を調製した。
<ガスバリア性被覆層形成用組成物の調製>
ガスバリア性被覆層形成用組成物は、以下の手順で調製した。
下記のA液、B液及びC液を、表1に示す質量比で混合することで、ガスバリア性被覆層形成用組成物1~3を調製した。
A液:テトラエトキシシラン(Si(OC)17.9gとメタノール10gに0.1N塩酸72.1gを加えて30分間攪拌して加水分解させた固形分5質量%(SiO換算)の加水分解溶液。
B液:ポリビニルアルコールの5質量%水/メタノール溶液(水:メタノールの質量比は95:5)。
C液:1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートを水/イソプロピルアルコールの混合液(水:イソプロピルアルコールの質量比は1:1)で固形分5質量%に希釈した加水分解溶液。
Figure 0007207427000001
<フィルム基材のTgの測定>
実施例及び比較例に用いたフィルム基材のTgは、示差走査熱量測定機(パーキンエルマー社製、商品名:DSC8000)にて測定した。測定サンプルには、サンプル間で水分の影響を受けないようにドライルームに一晩保管した後のフィルム基材を用いた。測定は、初期の温度を0℃に設定し、0℃で5分間保持した後、昇温速度10℃/分にて連続的に100℃まで昇温して測定を実施し、Tgの測定を行った。
<ガスバリア性被覆層の硬度の測定>
実施例及び比較例で得られたガスバリア性被覆層の硬度は、測定装置としてMTSナノインスツルメンツ社製のナノインデンターSA2(商品名)を使用して測定した。測定は、CSMオプションを用いて300nmの押し込み深さまで連続的に行い、50±5nmの侵入深さでの硬度を求めた。ガスバリア性被覆層の任意の5箇所について上記方法で硬度の測定を行い、それらの平均値をガスバリア性被覆層の硬度とした。測定は、温度20℃、相対湿度25%の環境下で行った。
<フィルム基材の伸び率の測定>
実施例及び比較例に用いたフィルム基材の熱機械分析(TMA)は、熱分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、商品名:TA7000 PCステーション)にて行った。測定サンプルには、4mm幅(TD方向の幅)に切断したフィルム基材を用いた。測定サンプルに対し、単位幅当たりの張力が70N/mとなるように荷重をかけ、25℃から昇温速度10℃/分にて連続的に210℃まで昇温し、その後5分間保持して、フィルム基材のMD方向の伸び率の測定を実施し、温度170℃での伸び率を求めた。
<フィルム基材の突き刺し強度の測定>
実施例及び比較例に用いたフィルム基材の突き刺し強度は、引張試験機(オリエンテック社製、商品名:テンシロンRTC-1250)にて測定した。JIS Z1707に準拠し、速度50mm/分で直径1mmの針をフィルム基材に突き刺した際の負荷を測定した。測定はN=3回実施し、その平均値を突き刺し強度とした。
(実施例1)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主材料とした、PBTとポリエチレンテレフタレート(PET)との混合樹脂を、キャスト法で製膜後、加熱しながらMD方向、TD方向に二軸延伸し、さらに熱固定を行って、厚さ15μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。この二軸延伸ポリエステルフィルムの片面にコロナ処理を行い、フィルム基材(PBTの含有率が60質量%以上であるフィルム)を得た。このフィルム基材のTgは66℃であった。また、このフィルム基材の伸び率は4.8%、突き刺し強度は8.1Nであった。
フィルム基材のコロナ処理面に、上記密着層形成用組成物をグラビアロールコート法にて塗工し、60℃で乾燥及び硬化させ、ポリエステル樹脂の塗布量が0.1g/mである密着層を形成した。次に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、厚さ30nmの酸化ケイ素からなる透明な無機酸化物層(シリカ蒸着膜)を形成した。シリカ蒸着膜としては、蒸着材料種を調整し、O/Si比が1.8である蒸着膜を形成した。O/Si比は、X線光電子分光分析装置(日本電子株式会社製、商品名:JPS-90MXV)にて、X線源は非単色化MgKα(1253.6eV)を使用し、100W(10kV-10mA)のX線出力で測定した。O/Si比を求めるための定量分析には、それぞれO1sで2.28、Si2pで0.9の相対感度因子を用いて行った。
次に、無機酸化物層上に、上記ガスバリア性被覆層形成用組成物1をグラビアロールコート法にて塗工し、オーブン中、張力20N/mで、且つ塗工した塗膜表面の温度が100℃になる条件で加熱乾燥させ、厚さ0.3μmのガスバリア性被覆層を形成した。加熱乾燥は、ヒートラベル(ミクロン社製)を乾燥前の塗膜表面に貼り、乾燥後に温度を確認して任意の温度(本実施例では100℃)になるようオーブン温度を調整して行った。得られたガスバリア性被覆層の硬度は、1.2GPaであった。これにより、フィルム基材(15μm)/密着層(0.1g/m)/無機酸化物層(30nm)/ガスバリア性被覆層(0.3μm)の積層構造を有するガスバリアフィルムを得た。
(実施例2)
ガスバリア性被覆層を形成する際の加熱乾燥条件を、張力50N/m、塗膜表面の温度70℃の条件に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。得られたガスバリア性被覆層の硬度は、0.8GPaであった。
(実施例3)
フィルム基材として、PBT材料100質量%を用いてチューブラー方式で延伸製膜を行い、片面にコロナ処理を行ったチューブラー二軸延伸PBTフィルムを用いたこと以外は実施例2と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。得られたフィルム基材のTgは58℃であった。
(比較例1)
フィルム基材として、PETの配合割合を減らし、延伸倍率を下げ、熱固定温度を下げることでTgが48℃となるように調整した、片面にコロナ処理を行った二軸延伸ポリエステルフィルムを用いたこと以外は実施例2と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。
(比較例2)
フィルム基材として、PETの配合割合を増やし、延伸倍率を上げ、熱固定温度を上げることでTgが72℃となるように調整した、片面にコロナ処理を行った二軸延伸ポリエステルフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。
(比較例3)
フィルム基材として、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(東レフィルム加工株式会社製、商品名:ルミラーP60)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。フィルム基材のTgは78℃であった。
(比較例4)
フィルム基材として、厚さ15μmの延伸ナイロン(Ny)フィルム(ユニチカ株式会社製、商品名:エンブレムONM)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。フィルム基材のTgは45℃であった。
(比較例5)
ガスバリア性被覆層形成用組成物2を用いてガスバリア性被覆層を形成したこと以外は実施例2と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。得られたガスバリア性被覆層の硬度は、0.5GPaであった。
(比較例6)
ガスバリア性被覆層形成用組成物3を用いてガスバリア性被覆層を形成したこと以外は実施例2と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。得られたガスバリア性被覆層の硬度は、2.2GPaであった。
表2に、実施例及び比較例におけるフィルム基材及びガスバリア性被覆層の情報をまとめて示す。表2中のガスバリア性被覆層の形成条件のうち、温度は、加熱乾燥時の塗膜表面の温度を示す。
<ガスバリア性の評価>
実施例及び比較例で得られたガスバリアフィルムの酸素透過度及び水蒸気透過度を以下の方法で測定した。結果を表3~4に示す。
[酸素透過度の測定方法]
ガスバリアフィルムの酸素透過度は、酸素透過度測定装置(MOCON社製、商品名:OX-TRAN2/20)を用いて、温度30℃、相対湿度70%の条件で測定した。測定方法は、JIS K-7126、B法(等圧法)に準拠し、測定値は単位[cc/m・day・MPa]で表記した。なお、同じ測定を三回行い、その平均値を採用した。
[水蒸気透過度の測定方法]
ガスバリアフィルムの水蒸気透過度は、水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、商品名:PERMATRAN-W 3/33)を用いて、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。測定方法は、JIS K-7126、B法(等圧法)に準拠し、測定値は単位[g/m・day]で表記した。なお、同じ測定を三回行い、その平均値を採用した。
<包装袋の作製及び評価>
実施例及び比較例で得られた透明なガスバリアフィルムのガスバリア性被覆層上に、未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(東レフィルム加工株式会社製、商品名:トレファンNO ZK207、厚さ60μm)を、2液型の接着剤(三井化学株式会社製、商品名:A525/A52)を介してドライラミネート法によってラミネートし、ガスバリアフィルム/接着剤層/CPPフィルム(60μm)の積層構造を有する包装フィルムを得た。
次に、得られた包装フィルムを15cm×10cmのサイズに切り出し、切り出した2枚の包装フィルムを互いのCPPフィルムが対向するように重ね、パウチ状に3方インパルスシールし、内容物に200mlの水道水を入れ、残り一辺をインパルスシールして、4方シールされたパウチ(包装袋)を作製した。作製したパウチについて、以下の評価を行った。結果を表3~4に示す。
[レトルト処理後のガスバリア性の評価]
パウチに対し、レトルト装置にて0.2MPa、121℃で30分間レトルト処理を行った。レトルト処理後、パウチ内の水道水を捨て、十分に乾燥させた状態で、上記と同様の方法でガスバリア性の評価を行った。
[耐衝撃性の評価]
レトルト処理後のパウチに対し、以下の方法で落下試験(衝撃試験)を行った。200mlの水道水を入れたままのパウチを5℃の環境下に24時間保管した後、同環境下で、コンクリート製の床から1mの高さより床上へ自由落下させて破袋するまでの回数を確認した。なお、最大落下回数は50回とし、50回目でも破袋しなかった場合は「破袋せず」と判定した。同じ測定を三回(N=1~3)行った。
[ハイレトルト処理後のガスバリア性及び耐衝撃性の評価]
実施例に関しては、作製したパウチに対し、レトルト装置にて0.27MPa、130℃で30分間ハイレトルト処理を行い、上記と同様の方法でガスバリア性及び耐衝撃性の評価を行った。
Figure 0007207427000002
Figure 0007207427000003
Figure 0007207427000004
レトルト処理前のガスバリアフィルムの状態では、実施例1~3及び比較例2~3において、良好なガスバリア性を示した。比較例1はフィルム基材のTgが低いため、ガスバリア性被覆層を積層する際にオーブン温度を低温にしたが、それでもオーブン中の熱によってフィルム基材が変形して無機酸化物層及びガスバリア性被覆層が割れた外観を呈し、ガスバリア性が十分に発現しなかった。また、比較例6では、ガスバリア性被覆層の硬度が2.2GPaであり、フィルム基材のオーブン中の変形に追従できず、ガスバリア性被覆層が割れた外観を呈し、ガスバリア性が十分に発現しなかった。そのため、比較例1及び6については、レトルト処理後の評価を行わなかった。
実施例1~3は、レトルト処理後も高いガスバリア性を示し、落下試験で1袋も破袋しなかった。ナイロン基材を用いた比較例4では、レトルト処理後にガスバリア性が劣化した。また、レトルト処理によって層間の密着強度が低下し、デラミネーション(層間剥離)が発生してしまったため、比較例4では落下試験は実施しなかった。また、ガスバリア性被覆層の硬度が低い比較例5では、膜硬度が低いため耐熱性が低く、レトルト処理後にガスバリア性が大きく劣化した。そのため、比較例5では落下試験は実施しなかった。また、比較例3では、フィルム基材がPETフィルムのためフィルムの強靭性が低く、落下試験で破袋してしまった。同様に比較例2も、フィルム基材のTgが高く、フィルムの強靭性が低いため、破袋が起こった。
更に、実施例1~3は、ハイレトルト処理後も高いガスバリア性を示し、落下試験で1袋も破袋しなかった。
(実施例4)
実施例1と同じフィルム基材を用意した。このフィルム基材の伸び率は4.8%、突き刺し強度は8.1Nであった。また、このフィルム基材のTgは66℃であった。次に、1m幅のフィルム基材のコロナ処理面に、実施例1と同様にして密着層及び無機酸化物層(シリカ蒸着膜)を形成した。
次に、無機酸化物層上に、上記ガスバリア性被覆層形成用組成物1をグラビアロールコート法にて塗工し、オーブン中、張力70N/m、乾燥温度(オーブン温度)170℃の条件で加熱乾燥させ、厚さ0.3μmのガスバリア性被覆層を形成した。得られたガスバリア性被覆層の硬度は、0.8GPaであった。これにより、フィルム基材(15μm)/密着層(0.1g/m)/無機酸化物層(30nm)/ガスバリア性被覆層(0.3μm)の積層構造を有するガスバリアフィルムを得た。
(実施例5)
ガスバリア性被覆層を形成する際の加熱乾燥条件を、張力50N/m、乾燥温度(オーブン温度)160℃の条件に変更したこと以外は実施例4と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。
(実施例6)
フィルム基材として、PBT材料100質量%を用いてチューブラー方式で延伸製膜を行い、片面にコロナ処理を行った厚さ15μmのフィルム基材を得た。このフィルム基材の伸び率は3.0%、突き刺し強度は10.0Nであった。このフィルム基材を用いたこと以外は実施例4と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。
(比較例7)
フィルム基材として、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(東レフィルム加工株式会社製、商品名:ルミラーP60)を用いたこと以外は実施例4と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。フィルム基材の伸び率は1.6%、突き刺し強度は6.6Nであった。
(比較例8)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主材料とした、PBTとポリエチレンテレフタレート(PET)との混合樹脂を、実施例4よりPETの混合量を少ない割合にして、キャスト法で製膜後、加熱しながらMD方向、TD方向に二軸延伸し、張力を落とし、熱固定温度を実施例4より50℃程度低くして、厚さ15μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。この二軸延伸ポリエステルフィルムの片面にコロナ処理を行い、フィルム基材を得た。このフィルム基材の伸び率は7.9%、突き刺し強度は11.8Nであった。このフィルム基材を用いたこと以外は実施例4と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。
表5に、実施例及び比較例におけるフィルム基材及びガスバリア性被覆層の情報をまとめて示す。
<ガスバリア性の評価>
実施例4~6及び比較例7~8で得られたガスバリアフィルムの酸素透過度及び水蒸気透過度を以下の方法で測定した。結果を表6に示す。
[酸素透過度の測定方法]
ガスバリアフィルムの酸素透過度は、酸素透過度測定装置(MOCON社製、商品名:OX-TRAN2/20)を用いて、温度30℃、相対湿度70%の条件で測定した。測定方法は、JIS K-7126、B法(等圧法)に準拠し、測定値は単位[cc/m・day・MPa]で表記した。なお、ガスバリアフィルムの加工幅が1mであるため、中心部を0として、中心部と、中心部より両サイド20cm位置と、中心部より両サイド40cm位置の5点について酸素透過度を測定し、その平均値を採用した。
[水蒸気透過度の測定方法]
ガスバリアフィルムの水蒸気透過度は、水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、商品名:PERMATRAN-W 3/33)を用いて、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。測定方法は、JIS K-7126、B法(等圧法)に準拠し、測定値は単位[g/m・day]で表記した。測定箇所及び測定数は酸素透過度の測定方法に準ずる。
<包装袋の作製及び評価>
実施例4~6及び比較例7~8で得られた透明なガスバリアフィルムのガスバリア性被覆層上に、未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(東レフィルム加工株式会社製、商品名:トレファンNO ZK207、厚さ60μm)を、2液型の接着剤(三井化学株式会社製、商品名:A525/A52)を介してドライラミネート法によってラミネートし、ガスバリアフィルム/接着剤層/CPPフィルム(60μm)の積層構造を有する包装フィルムを得た。
次に、得られた包装フィルムを15cm×10cmのサイズに切り出し、切り出した2枚の包装フィルムを互いのCPPフィルムが対向するように重ね、パウチ状に3方インパルスシールし、内容物に100mlの水道水を入れ、残り一辺をインパルスシールして、4方シールされたパウチ(包装袋)を作製した。作製したパウチについて、以下の評価を行った。結果を表6に示す。
[レトルト処理後のガスバリア性の評価]
パウチに対し、レトルト装置にて0.2MPa、121℃で30分間レトルト処理を行った。レトルト処理後、パウチ内の水道水を捨て、十分に乾燥させた状態で、上記と同様の方法でガスバリア性の評価を行った。
[耐衝撃性の評価]
レトルト処理後のパウチに対し、以下の方法で落下試験(衝撃試験)を行った。100mlの水道水を入れたままのパウチを5℃の環境下に24時間保管した後、同環境下で、コンクリート製の床から1mの高さより床上へ自由落下させて破袋するまでの回数を確認した。なお、最大落下回数は50回とし、50回目でも破袋しなかった場合は「破袋せず」と判定した。同じ測定を三回(N=1~3)行った。
Figure 0007207427000005
Figure 0007207427000006
実施例4~6及び比較例7のガスバリアフィルムは、レトルト処理前後において良好なガスバリア性を示した。比較例8のガスバリアフィルムは、ガスバリア性被覆層を形成する際の高温時のフィルム基材の伸びが大きく、ロール・トゥ・ロールの高速加工においては、フィルム基材が伸びて加工が難しかった。また、比較例8のガスバリアフィルムは、レトルト処理前後ともガスバリア性が劣っていた。
耐衝撃性評価では、比較例7は耐衝撃性が低く破袋したのに対し、実施例4~6及び比較例8は破袋せず、耐衝撃性に優れていた。
本開示によれば、PETとONYの両方の層を用いることなく、レトルト処理等の熱水処理を行っても優れたガスバリア性を維持することができると共に、耐衝撃性にも優れたガスバリアフィルム及びその製造方法、包装フィルム、並びに、包装袋を提供することができる。
11…フィルム基材、12…密着層、13…無機酸化物層、14…ガスバリア性被覆層、15…バリア層、20…印刷層、30…接着剤層、40…シーラント層、100…ガスバリアフィルム、200…包装フィルム。

Claims (2)

  1. ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材の一方の面上に、無機酸化物を含有する無機酸化物層を積層する工程と、
    前記無機酸化物層上に、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、及び、それらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含有するガスバリア性被覆層形成用組成物を用いてガスバリア性被覆層を形成する工程と、
    を有し、
    前記フィルム基材の、温度170℃、張力70N/mの条件で熱機械分析により測定されるMD方向の伸び率が2~5%であり、
    前記ガスバリア性被覆層を形成する工程において、前記ガスバリア性被覆層形成用組成物を用いて塗膜を形成した後、オーブン温度140~180℃、張力50~80N/mの条件で前記塗膜を乾燥させて前記ガスバリア性被覆層を形成する、ガスバリアフィルムの製造方法。
  2. 前記フィルム基材の突き刺し強度が8N以上である、請求項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
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