JP7207427B2 - ガスバリアフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
図1は、本開示に係るガスバリアフィルムの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すガスバリアフィルム100は、フィルム基材11の上に、密着層12、無機酸化物層13、ガスバリア性被覆層14が順次積層された構造を有する。バリア層15は、無機酸化物層13及びガスバリア性被覆層14からなる。以下に順次、これらの各層について説明する。
フィルム基材11は、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有し、且つ、下記(1)又は(2)の一方又は両方の条件を満たすフィルムである。
(1)ガラス転移点(Tg)が50℃以上、70℃以下である。
(2)温度170℃、張力70N/mの条件で熱機械分析により測定されるMD方向の伸び率が2~5%である。
PBT樹脂はフィルム状に成形する際の熱履歴によってTgが20℃~80℃と大きく変化する。PBT樹脂を主材料としてフィルム基材11として用いる場合、フィルム基材11のTgは50℃以上、70℃以下であることが好ましい。フィルム基材11のTgが50℃未満では、バリア層15である無機酸化物層13及びガスバリア性被覆層14を積層する際に、積層中にかかる熱の影響を受けてフィルム基材11が変形し、内部応力がかかってバリア層15に亀裂が入り、高いバリア性を発現できない場合がある。一方、Tgが70℃を超えると、フィルム基材11が持つ耐衝撃性、耐圧性、突き刺し耐性が劣る場合がある。上記と同様の観点から、フィルム基材11のTgは、55℃以上、68℃以下であることがより好ましく、58℃以上66℃以下であることが更に好ましい。
PBTを主たる構成単位とするフィルム基材は、高温時では軟化するため、高温で且つフィルム基材に張力がかかっていればたやすく伸びる。無機酸化物を含有する無機酸化物層(透明蒸着層)をバリア層としてフィルム基材に積層した場合、無機酸化物層は硬く、クラックが生じやすい性質を持つため、フィルム基材の収縮、伸び、又は、軟化によってバリア性が劣化しやすい。しかし、無機酸化物層がガスバリアフィルムの最外層となることは稀であり、通常は無機酸化物層を形成する工程の後に、無機酸化物層上に他の層を積層する工程、印刷工程、又は、他のフィルムとの貼り合せ工程などの次工程にロール・トゥ・ロールでフィルム基材及び無機酸化物層を含む積層フィルムが搬送され、張力と熱がかかる工程を経て、製品化が行われることとなる。
フィルム基材11の突き刺し強度は、8N以上であってよい。突き刺し強度が8N以上であることで、ガスバリアフィルムは優れた耐衝撃性を得ることができる。突き刺し強度の上限値は特に限定されないが、フィルム基材11の伸び率を低減する観点から、10N以下であってよい。
フィルム基材11としては、未延伸フィルムではなく、延伸フィルムを用いることが好ましい。未延伸フィルム基材11は延伸フィルム基材11と比較して強度や寸法安定性に劣るため用途が限定され、レトルト処理やボイル処理などの加熱調理等の包材としては適さない場合がある。延伸フィルム基材11は、未延伸フィルム基材11よりも強度が高く、耐衝撃性、耐熱性、耐水性に優れるため、レトルト処理やボイル処理を施す用途に好適である。延伸方法としては特に限定されず、インフレーションによる延伸、または一軸延伸、二軸延伸など、寸法が安定したフィルムが供給可能であれば、どのような方法でもよい。
密着層12は、透明プラスチック材料からなるフィルム基材11上に設けられ、フィルム基材11と無機酸化物層13の密着性能向上と、平面を平滑にすることで次工程にて無機酸化物層を欠陥なく均一に成膜し易くして高いバリア性を発現する、という二つの効果を得ることを目的とした層である。密着層12は、アンカーコート剤を用いて形成することができる。
ガスバリアフィルム100を構成する無機酸化物からなる無機酸化物層13は、SiOx、AlOx等で表わされる金属酸化物、もしくはその混合物を用いることができる。これらの中でも特に好ましい無機酸化物は酸化ケイ素である。
ガスバリア性被覆層14は、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、及び、それらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含有するガスバリア性被覆層形成用組成物を用いて形成された層である。ガスバリア性被覆層14の硬度は、0.6GPs以上、2.0GPa以下であることが好ましい。
M(OR1)m(R2)n-m …(1)
上記一般式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1~8の1価の有機基であり、メチル基、エチル基等のアルキル基であることが好ましい。MはSi、Ti、Al、Zr等のn価の金属原子を示す。mは1~nの整数である。なお、R1又はR2が複数存在する場合、R1同士又はR2同士は同一でも異なっていてもよい。
Si(OR11)p(R12)3-pR13 …(2)
上記一般式(2)中、R11はメチル基、エチル基等のアルキル基を示し、R12はアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基、アクリロキシ基で置換されたアルキル基、又は、メタクリロキシ基で置換されたアルキル基等の1価の有機基を示し、R13は1価の有機官能基を示し、pは1~3の整数を示す。なお、R11又はR12が複数存在する場合、R11同士又はR12同士は同一でも異なっていてもよい。R13で示される1価の有機官能基としては、グリシジルオキシ基、エポキシ基、メルカプト基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、又は、イソシアネート基を含有する1価の有機官能基が挙げられる。
本実施形態に係るガスバリアフィルムの製造方法は、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材の一方の面上に、無機酸化物を含有する無機酸化物層を積層する工程と、上記無機酸化物層上に、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、及び、それらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含有するガスバリア性被覆層形成用組成物を用いてガスバリア性被覆層を形成する工程と、を有する。ここで、フィルム基材としては、上述したフィルム基材11を用いることができる。すなわち、フィルム基材としては、下記(1)又は(2)の一方又は両方の条件を満たすフィルムを用いることができる。その他のフィルム基材11の好ましい特性は、上述した通りである。
(1)ガラス転移点(Tg)が50℃以上、70℃以下である。
(2)温度170℃、張力70N/mの条件で熱機械分析により測定されるMD方向の伸び率が2~5%である。
図2は、本開示に係る包装フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。図2に示す包装フィルム200は、上述したガスバリアフィルム100のガスバリア性被覆層14上に、印刷層20、接着剤層30、シーラント層40が順次積層された構造を有する。以下、各層について説明する。
ガスバリアフィルム100のガスバリア面側に印刷層20を設けることができる。印刷は、内容物に関する情報を表示したり、識別のため、あるいは意匠性向上を目的として、包装フィルム200の外側から見える層に設ける。印刷方法及び印刷インキは特に制限されず、既知の印刷方法及び印刷インキの中からフィルムへの印刷適性、色調などの意匠性、密着性、食品容器としての安全性などを考慮して適宜選択される。印刷方法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法などを用いることができる。中でもグラビア印刷法は生産性や絵柄の高精細度の観点から、好ましく用いることができる。
接着剤層30を介して、印刷層20上にシーラント層40を積層することができる。接着剤の材料としては、例えば、ポリエステル-イソシアネート系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル系樹脂などを用いることができる。包装フィルム200をレトルト用途に使用するには、レトルト耐性のある2液硬化型のウレタン系接着剤を好ましく用いることができる。
シーラント層40の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。これらの熱可塑性樹脂は、使用用途やボイル、レトルト処理などの温度条件によって適宜選択できる。
包装袋は、上述した包装フィルム200を製袋してなるものである。包装袋は、1枚の包装フィルム200をシーラント層40が対向するように二つ折りにした後、3方をヒートシールすることによって袋形状としたものであってもよく、2枚の包装フィルム200をシーラント層40が対向するように重ねた後、4方をヒートシールすることによって袋形状としたものであってもよい。包装袋は、内容物として食品、医薬品等の内容物を収容し、レトルト処理やボイル処理などの加熱殺菌処理を施すことができる。
密着層形成用組成物は、以下の手順で調製した。
アクリルポリオールとトリレンジイソシアネートとを、アクリルポリオールのOH基の数に対してトリレンジイソシアネートのNCO基の数が等量となるように混合し、全固形分(アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量)が5質量%になるよう酢酸エチルで希釈した。希釈後の混合液に、さらにβ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを、アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量100質量部に対して5質量部となるように添加し、これらを混合することで密着層形成用組成物(アンカーコート剤)を調製した。
ガスバリア性被覆層形成用組成物は、以下の手順で調製した。
下記のA液、B液及びC液を、表1に示す質量比で混合することで、ガスバリア性被覆層形成用組成物1~3を調製した。
A液:テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)17.9gとメタノール10gに0.1N塩酸72.1gを加えて30分間攪拌して加水分解させた固形分5質量%(SiO2換算)の加水分解溶液。
B液:ポリビニルアルコールの5質量%水/メタノール溶液(水:メタノールの質量比は95:5)。
C液:1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートを水/イソプロピルアルコールの混合液(水:イソプロピルアルコールの質量比は1:1)で固形分5質量%に希釈した加水分解溶液。
実施例及び比較例に用いたフィルム基材のTgは、示差走査熱量測定機(パーキンエルマー社製、商品名:DSC8000)にて測定した。測定サンプルには、サンプル間で水分の影響を受けないようにドライルームに一晩保管した後のフィルム基材を用いた。測定は、初期の温度を0℃に設定し、0℃で5分間保持した後、昇温速度10℃/分にて連続的に100℃まで昇温して測定を実施し、Tgの測定を行った。
実施例及び比較例で得られたガスバリア性被覆層の硬度は、測定装置としてMTSナノインスツルメンツ社製のナノインデンターSA2(商品名)を使用して測定した。測定は、CSMオプションを用いて300nmの押し込み深さまで連続的に行い、50±5nmの侵入深さでの硬度を求めた。ガスバリア性被覆層の任意の5箇所について上記方法で硬度の測定を行い、それらの平均値をガスバリア性被覆層の硬度とした。測定は、温度20℃、相対湿度25%の環境下で行った。
実施例及び比較例に用いたフィルム基材の熱機械分析(TMA)は、熱分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、商品名:TA7000 PCステーション)にて行った。測定サンプルには、4mm幅(TD方向の幅)に切断したフィルム基材を用いた。測定サンプルに対し、単位幅当たりの張力が70N/mとなるように荷重をかけ、25℃から昇温速度10℃/分にて連続的に210℃まで昇温し、その後5分間保持して、フィルム基材のMD方向の伸び率の測定を実施し、温度170℃での伸び率を求めた。
実施例及び比較例に用いたフィルム基材の突き刺し強度は、引張試験機(オリエンテック社製、商品名:テンシロンRTC-1250)にて測定した。JIS Z1707に準拠し、速度50mm/分で直径1mmの針をフィルム基材に突き刺した際の負荷を測定した。測定はN=3回実施し、その平均値を突き刺し強度とした。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主材料とした、PBTとポリエチレンテレフタレート(PET)との混合樹脂を、キャスト法で製膜後、加熱しながらMD方向、TD方向に二軸延伸し、さらに熱固定を行って、厚さ15μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。この二軸延伸ポリエステルフィルムの片面にコロナ処理を行い、フィルム基材(PBTの含有率が60質量%以上であるフィルム)を得た。このフィルム基材のTgは66℃であった。また、このフィルム基材の伸び率は4.8%、突き刺し強度は8.1Nであった。
ガスバリア性被覆層を形成する際の加熱乾燥条件を、張力50N/m、塗膜表面の温度70℃の条件に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。得られたガスバリア性被覆層の硬度は、0.8GPaであった。
フィルム基材として、PBT材料100質量%を用いてチューブラー方式で延伸製膜を行い、片面にコロナ処理を行ったチューブラー二軸延伸PBTフィルムを用いたこと以外は実施例2と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。得られたフィルム基材のTgは58℃であった。
フィルム基材として、PETの配合割合を減らし、延伸倍率を下げ、熱固定温度を下げることでTgが48℃となるように調整した、片面にコロナ処理を行った二軸延伸ポリエステルフィルムを用いたこと以外は実施例2と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。
フィルム基材として、PETの配合割合を増やし、延伸倍率を上げ、熱固定温度を上げることでTgが72℃となるように調整した、片面にコロナ処理を行った二軸延伸ポリエステルフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。
フィルム基材として、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(東レフィルム加工株式会社製、商品名:ルミラーP60)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。フィルム基材のTgは78℃であった。
フィルム基材として、厚さ15μmの延伸ナイロン(Ny)フィルム(ユニチカ株式会社製、商品名:エンブレムONM)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。フィルム基材のTgは45℃であった。
ガスバリア性被覆層形成用組成物2を用いてガスバリア性被覆層を形成したこと以外は実施例2と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。得られたガスバリア性被覆層の硬度は、0.5GPaであった。
ガスバリア性被覆層形成用組成物3を用いてガスバリア性被覆層を形成したこと以外は実施例2と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。得られたガスバリア性被覆層の硬度は、2.2GPaであった。
実施例及び比較例で得られたガスバリアフィルムの酸素透過度及び水蒸気透過度を以下の方法で測定した。結果を表3~4に示す。
ガスバリアフィルムの酸素透過度は、酸素透過度測定装置(MOCON社製、商品名:OX-TRAN2/20)を用いて、温度30℃、相対湿度70%の条件で測定した。測定方法は、JIS K-7126、B法(等圧法)に準拠し、測定値は単位[cc/m2・day・MPa]で表記した。なお、同じ測定を三回行い、その平均値を採用した。
ガスバリアフィルムの水蒸気透過度は、水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、商品名:PERMATRAN-W 3/33)を用いて、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。測定方法は、JIS K-7126、B法(等圧法)に準拠し、測定値は単位[g/m2・day]で表記した。なお、同じ測定を三回行い、その平均値を採用した。
実施例及び比較例で得られた透明なガスバリアフィルムのガスバリア性被覆層上に、未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(東レフィルム加工株式会社製、商品名:トレファンNO ZK207、厚さ60μm)を、2液型の接着剤(三井化学株式会社製、商品名:A525/A52)を介してドライラミネート法によってラミネートし、ガスバリアフィルム/接着剤層/CPPフィルム(60μm)の積層構造を有する包装フィルムを得た。
パウチに対し、レトルト装置にて0.2MPa、121℃で30分間レトルト処理を行った。レトルト処理後、パウチ内の水道水を捨て、十分に乾燥させた状態で、上記と同様の方法でガスバリア性の評価を行った。
レトルト処理後のパウチに対し、以下の方法で落下試験(衝撃試験)を行った。200mlの水道水を入れたままのパウチを5℃の環境下に24時間保管した後、同環境下で、コンクリート製の床から1mの高さより床上へ自由落下させて破袋するまでの回数を確認した。なお、最大落下回数は50回とし、50回目でも破袋しなかった場合は「破袋せず」と判定した。同じ測定を三回(N=1~3)行った。
実施例に関しては、作製したパウチに対し、レトルト装置にて0.27MPa、130℃で30分間ハイレトルト処理を行い、上記と同様の方法でガスバリア性及び耐衝撃性の評価を行った。
実施例1と同じフィルム基材を用意した。このフィルム基材の伸び率は4.8%、突き刺し強度は8.1Nであった。また、このフィルム基材のTgは66℃であった。次に、1m幅のフィルム基材のコロナ処理面に、実施例1と同様にして密着層及び無機酸化物層(シリカ蒸着膜)を形成した。
ガスバリア性被覆層を形成する際の加熱乾燥条件を、張力50N/m、乾燥温度(オーブン温度)160℃の条件に変更したこと以外は実施例4と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。
フィルム基材として、PBT材料100質量%を用いてチューブラー方式で延伸製膜を行い、片面にコロナ処理を行った厚さ15μmのフィルム基材を得た。このフィルム基材の伸び率は3.0%、突き刺し強度は10.0Nであった。このフィルム基材を用いたこと以外は実施例4と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。
フィルム基材として、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(東レフィルム加工株式会社製、商品名:ルミラーP60)を用いたこと以外は実施例4と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。フィルム基材の伸び率は1.6%、突き刺し強度は6.6Nであった。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)を主材料とした、PBTとポリエチレンテレフタレート(PET)との混合樹脂を、実施例4よりPETの混合量を少ない割合にして、キャスト法で製膜後、加熱しながらMD方向、TD方向に二軸延伸し、張力を落とし、熱固定温度を実施例4より50℃程度低くして、厚さ15μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。この二軸延伸ポリエステルフィルムの片面にコロナ処理を行い、フィルム基材を得た。このフィルム基材の伸び率は7.9%、突き刺し強度は11.8Nであった。このフィルム基材を用いたこと以外は実施例4と同様にして、ガスバリアフィルムを得た。
実施例4~6及び比較例7~8で得られたガスバリアフィルムの酸素透過度及び水蒸気透過度を以下の方法で測定した。結果を表6に示す。
ガスバリアフィルムの酸素透過度は、酸素透過度測定装置(MOCON社製、商品名:OX-TRAN2/20)を用いて、温度30℃、相対湿度70%の条件で測定した。測定方法は、JIS K-7126、B法(等圧法)に準拠し、測定値は単位[cc/m2・day・MPa]で表記した。なお、ガスバリアフィルムの加工幅が1mであるため、中心部を0として、中心部と、中心部より両サイド20cm位置と、中心部より両サイド40cm位置の5点について酸素透過度を測定し、その平均値を採用した。
ガスバリアフィルムの水蒸気透過度は、水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、商品名:PERMATRAN-W 3/33)を用いて、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。測定方法は、JIS K-7126、B法(等圧法)に準拠し、測定値は単位[g/m2・day]で表記した。測定箇所及び測定数は酸素透過度の測定方法に準ずる。
実施例4~6及び比較例7~8で得られた透明なガスバリアフィルムのガスバリア性被覆層上に、未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(東レフィルム加工株式会社製、商品名:トレファンNO ZK207、厚さ60μm)を、2液型の接着剤(三井化学株式会社製、商品名:A525/A52)を介してドライラミネート法によってラミネートし、ガスバリアフィルム/接着剤層/CPPフィルム(60μm)の積層構造を有する包装フィルムを得た。
パウチに対し、レトルト装置にて0.2MPa、121℃で30分間レトルト処理を行った。レトルト処理後、パウチ内の水道水を捨て、十分に乾燥させた状態で、上記と同様の方法でガスバリア性の評価を行った。
レトルト処理後のパウチに対し、以下の方法で落下試験(衝撃試験)を行った。100mlの水道水を入れたままのパウチを5℃の環境下に24時間保管した後、同環境下で、コンクリート製の床から1mの高さより床上へ自由落下させて破袋するまでの回数を確認した。なお、最大落下回数は50回とし、50回目でも破袋しなかった場合は「破袋せず」と判定した。同じ測定を三回(N=1~3)行った。
Claims (2)
- ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するフィルム基材の一方の面上に、無機酸化物を含有する無機酸化物層を積層する工程と、
前記無機酸化物層上に、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、及び、それらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含有するガスバリア性被覆層形成用組成物を用いてガスバリア性被覆層を形成する工程と、
を有し、
前記フィルム基材の、温度170℃、張力70N/mの条件で熱機械分析により測定されるMD方向の伸び率が2~5%であり、
前記ガスバリア性被覆層を形成する工程において、前記ガスバリア性被覆層形成用組成物を用いて塗膜を形成した後、オーブン温度140~180℃、張力50~80N/mの条件で前記塗膜を乾燥させて前記ガスバリア性被覆層を形成する、ガスバリアフィルムの製造方法。 - 前記フィルム基材の突き刺し強度が8N以上である、請求項1に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
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