JP2024066888A - 共押出多層フィルム、積層体及び包装袋 - Google Patents

共押出多層フィルム、積層体及び包装袋 Download PDF

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Abstract

【課題】積層体の材料として用いたときに、得られる積層体がリサイクル性に優れ、且つ、ヒートシール性に優れる共押出多層フィルムを提供すること。【解決手段】本開示の一側面に係る共押出多層フィルムは、表層と、裏層と、を有する共押出多層フィルムであって、裏層が、ポリエチレン樹脂を含み、表層が、ポリエチレン樹脂よりも融点が高い樹脂を含み、表層の厚さが、0.3μm以上6μm以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、共押出多層フィルム、積層体及び包装袋に関する。
包装袋は、包装する内容物の性質、内容物の量、内容物の変質を防ぐための後処理、包装袋を運搬する形態、包装袋を開封する方法、廃棄する方法などによって、さまざまな素材が組み合わせて用いられている。
例えば、積層したフィルムを用いるフレキシブルパッケージの包装袋においては、包装袋の機械的強度を得るためにポリプロピレン樹脂やポリエステル樹脂などの二軸延伸フィルムを用い、包装袋として内容物を封止するためにポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体などをヒートシール材料とするなどの組み合わせにより用いられている。また、内容物の劣化を抑制するために、アルミ箔や、エチレンビニルアルコール共重合体を積層するなども行われている。
上記の機能分離した各種素材を用いた積層体は、内容物の包装から、輸送、保管、開封などの各過程での適性に重点をおいて設計されたものである。しかしながら、近年の環境問題への意識の高まりから、各種製品の省資源、リサイクル性などの機能に重点がおかれるようになり、包装袋に用いられる積層体にも同様の機能が求められてきている。一般に、包装材料に含まれる主要な樹脂の割合が90質量%以上であるとリサイクル性が高いと考えられているが、従来の包装材料の多くは複数の樹脂材料や場合により紙、金属材料を含んで構成されており、且つこの基準を満たしていないため、リサイクルされていないのが現状である。
そこで、特許文献1には、基材と、接着層と、ヒートシール層とを備えた積層体において、基材及びヒートシール層をポリエチレン樹脂から構成することが記載されている。基材及びヒートシール層を同一材料で構成することにより、上記リサイクル性の基準をクリアしやすくなる。
特開2020-55157号公報
しかしながら、特許文献1に記載の積層体を包装袋に適用した際に、包装袋を形成する製袋工程では、積層体のヒートシール層(シーラント層)同士を向かい合わせ、積層体の基材層外面側から高温治具により圧力をかけて挟み込むことで熱溶着(ヒートシール)させる工程がある。ヒートシール機の治具は高温になっており、直接治具に接触する基材層外面側は高温に曝されるため、従来の積層体では基材層が熱に冒されて治具に付着したり、ヒートシール部にシワが発生したりするなどの不具合が生じる場合があり、ヒートシール性が十分ではなかった。そのため、製袋温度の適正条件が狭く、生産性が悪いこと、また、包装袋の強度が十分でない場合があることなどが課題となっていた。
そこで、本開示は、リサイクル性に優れ、且つ、ヒートシール性に優れた積層体及びそれを用いた包装袋を提供する。また、本開示は、積層体の材料として用いたときに、得られる積層体がリサイクル性に優れ、且つ、ヒートシール性に優れる共押出多層フィルムを提供する。
本開示の一側面は、表層と、裏層と、を有する共押出多層フィルムであって、裏層が、ポリエチレン樹脂を含み、表層が、ポリエチレン樹脂よりも融点が高い樹脂を含み、表層の厚さが、0.3μm以上6μm以下である、共押出多層フィルムに関する。このような共押出多層フィルムは、積層体の材料として用いたときに、得られる積層体がリサイクル性に優れ、且つ、ヒートシール性に優れたものとなる。また、このような共押出多層フィルムは、共押出法により一工程で製造可能であるため、製造効率に優れる。
本開示の他の一側面は、上記共押出多層フィルムと、共押出多層フィルムの裏層側に設けられた第一の接着剤層と、シーラント層と、をこの順序で備える積層体であって、シーラント層が、ポリエチレン樹脂を含み、積層体におけるポリエチレン樹脂の含有量が、積層体の全量を基準として90質量%以上である、積層体に関する。このような積層体は、リサイクル性に優れ、且つ、ヒートシール性に優れる。
一態様において、共押出多層フィルムの表層のヒートシール立ち上がり温度とシーラント層のヒートシール立ち上がり温度との差は、40℃以上であってよい。一態様において、上記積層体は、第一の接着剤層とシーラント層との間に、第一の接着剤層側から、ポリエチレンフィルムと、第二の接着剤層と、を更に備えていてよい。一態様において、ポリエチレンフィルムの分子配向度の絶対値は、1.07未満であってよい。
一態様において、ポリエチレンフィルムは、表層と、中間層と、裏層と、をこの順序で有し、ポリエチレンフィルムにおいて、中間層の探針降下温度は、表層の探針降下温度よりも高く、且つ、裏層の探針降下温度以上であり、ポリエチレンフィルムの表層は、0.926g/cm以上の密度を有するポリエチレン樹脂を含んでいてよい。
一態様において、上記積層体は、共押出多層フィルムとポリエチレンフィルムとの間にガスバリア層を更に備えていてよい。一態様において、上記積層体は、ポリエチレンフィルムとシーラント層との間にガスバリア層を更に備えていてよい。
本開示の更に他の一側面は、上記積層体を用いて形成された、包装袋に関する。このような包装袋は、リサイクル性に優れ、且つ、ヒートシール性に優れる。
本開示によれば、リサイクル性に優れ、且つ、ヒートシール性に優れた積層体及びそれを用いた包装袋が提供される。また、本開示によれば、積層体の材料として用いたときに、得られる積層体がリサイクル性に優れ、且つ、ヒートシール性に優れる共押出多層フィルムが提供される。
本開示の一実施形態に係る共押出多層フィルムの断面模式図である。 本開示の一実施形態に係る共押出多層フィルムの断面模式図である。 本開示の一実施形態に係る積層体の断面模式図である。 本開示の一実施形態に係る積層体の断面模式図である。 本開示の一実施形態に係る積層体の断面模式図である。
以下、場合により図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
[共押出多層フィルム]
以下、本開示に係る共押出多層フィルムについて説明する。
<第一実施形態>
図1は、本開示の第一実施形態に係る共押出多層フィルムの断面模式図である。図1に示す共押出多層フィルム1は、表層10と、裏層11とを有する。共押出多層フィルム1は、共押出法により製造される。表層10の厚さは、0.3μm以上6μm以下である。以下、各層について説明する。
(表層)
表層10は、裏層11に含まれるポリエチレン樹脂よりも融点が高い樹脂を含む。表層10は、製袋や充填密封時にヒートシールする際の不具合を防止し、ヒートシール適性を確保するために設けられる。このような役割から、表層10は、後述する積層体の最外層として設けられてよい。
ポリエチレン樹脂よりも融点が高い樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂及びポリスチレン樹脂が挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエチレン樹脂よりも融点が高い樹脂の融点は、共押出多層フィルム1が一層優れたヒートシール性を有する観点から、160℃以上、180℃以上又は200℃以上であってよい。
ポリエチレン樹脂よりも融点が高い樹脂の含有量は、表層10の全量を基準として、10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、70質量%以上、90質量%以上、95質量%以上又は100質量%であってよい。
Tダイ法により共押出多層フィルム1を作製する場合、ポリエチレン樹脂よりも融点が高い樹脂のメルトフローレート(MFR)は、3g/10分以上、20g/10分以下であることが好ましい。MFRを3g/10分以上とすることにより、共押出多層フィルム1の加工適性を向上することができる。また、MFRを20g/10分以下とすることにより、作製された共押出多層フィルム1が破断してしまうことを防止できる。
インフレーション法により共押出多層フィルム1を作製する場合、ポリエチレン樹脂よりも融点が高い樹脂のMFRは、0.1g/10分以上、5g/10分以下であることが好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、共押出多層フィルム1の加工適性を向上することができる。また、MFRを5g/10分以下とすることにより、製膜性を向上することができる。
表層10は、ポリエチレン樹脂を含んでいてもよい。表層10がポリエチレン樹脂を含むことで、表層10とポリエチレン樹脂からなる層とを貼り付ける際に、層間に接着性樹脂を用いなくても層間剥離しにくい密着強度を付与することができる。ポリエチレン樹脂の含有割合は、表層10の全量を基準として、10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、70質量%以上又は90質量%以上であってよい。
表層10の厚さは、0.3μm以上6μm以下である。表層10の厚さが0.3μm以上であることで、共押出多層フィルム1はヒートシール性に優れたものとなる。また、表層10の厚さが6μm以下であることで、共押出多層フィルム1はリサイクル性に優れたものとなる。表層10の厚さは、0.5μm以上又は1μm以上であってよく、5μm以下又は3μm以下であってよい。
(裏層)
裏層はポリエチレン樹脂を含む。このようなポリエチレン樹脂としては、例えば、超低密度ポリエチレン樹脂(略称:VLDPE、密度:0.910g/cm未満)、低密度ポリエチレン樹脂(略称:LDPE、密度:0.910g/cm以上0.930g/cm未満)、中密度ポリエチレン樹脂(略称:MDPE、密度:0.930g/cm以上0.942g/cm未満)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(略称:LLDPE、密度:0.930g/cm以上0.942g/cm未満)及び高密度ポリエチレン樹脂(略称:HDPE、密度:0.942g/cm以上)が挙げられる。
ポリエチレン樹脂の含有量は、裏層の全量を基準として、50質量%以上、70質量%以上、90質量%以上、95質量%以上又は100質量%であってよい。
共押出多層フィルム1の厚さは、特に制限はなく、包装材料としての適性や他の層の積層適性を考慮しつつ、価格や用途によって適宜変更できる。共押出多層フィルム1の厚さは、10μm以上50μm以下であることが好ましく、15μm以上40μm以下であることがより好ましい。共押出多層フィルムの厚さが15μmより大きい場合、製造面の安定性を十分に確保できる傾向がある。共押出多層フィルムの厚さが40μmより大きい場合は製造コストを抑制できる傾向がある。
共押出多層フィルム1に占めるポリエチレン樹脂の含有割合は、共押出多層フィルム1の全量を基準として、70質量%以上、80質量%以上又は90質量%以上であってよい。
共押出多層フィルム1は、各層を構成する材料をTダイ法又はインフレーション法などの共押出法により製膜することで作製できる。共押出多層フィルム1は、未延伸であってもよく、延伸処理が施されてもよい。
共押出多層フィルム1の各層には、各種添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤及び粘着付与剤が挙げられる。
共押出多層フィルム1の表面には、コロナ処理、大気圧プラズマ処理などの乾式の表面処理により易接着処理を施すことができる。
<第二実施形態>
以下、第二実施形態に係る共押出多層フィルムについて説明する。以下で説明がない点については、不整合が生じない限り、第一実施形態に係る共押出多層フィルムと同様である。図2は、本開示の第二実施形態に係る共押出多層フィルムの断面模式図である。図2に示す共押出多層フィルム2は、表層10と、中間層12と、裏層11と、をこの順序で有する。以下、中間層について説明する。
(中間層)
中間層12は、ポリエチレン樹脂を含む。このようなポリエチレン樹脂としては、例えば、超低密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂及び高密度ポリエチレン樹脂が挙げられる。また、中間層12は、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン等の接着性樹脂であってよい。中間層12は、ポリエチレン樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。中間層12は、単層であってよく、複数の層であってもよい。
ポリエチレン樹脂の含有量は、中間層12の全量を基準として、10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、70質量%以上、90質量%以上、95質量%以上又は100質量%であってよい。
以上、第一及び第二実施形態に係る共押出多層フィルムについて説明したが、本開示に係る共押出多層フィルムは、上記実施形態に限定されない。
[積層体]
以下、本開示に係る積層体について説明する。
<第一実施形態>
図3は、本開示の第一実施形態に係る積層体の断面模式図である。図3に示す積層体100は、共押出多層フィルム1と、第一の接着剤層40と、ポリエチレンフィルム20と、第二の接着剤層50と、シーラント層30とを備える。積層体100は、ポリエチレンフィルム20とシーラント層30との間にガスバリア層として無機酸化物層14及びガスバリア性被覆層15を備える。以下、各層について説明する。
(ポリエチレンフィルム)
ポリエチレンフィルム20は、無機酸化物層14を設ける際の加工安定性を向上させる役割を担う。また、ポリエチレンフィルム20は、加熱殺菌処理後のガスバリア性の劣化を抑制する役割を担う。ポリエチレンフィルム20はポリエチレン樹脂を含む層である。ポリエチレンフィルム20に含まれるポリエチレン樹脂としては、特に制限されないが、ガスバリア層を設ける際の優れた加工安定性と、加熱殺菌処理後においてもガスバリア性を維持できる優れた耐熱性の観点からは、高密度ポリエチレン樹脂及び中密度ポリエチレン樹脂が好ましい。これらの材料は、石油由来からなるものでも、植物由来からなるものでもよく、これらの混合物であってもよい。ポリエチレンフィルム20の表面には、コロナ処理、大気圧プラズマ処理などの乾式の表面処理により易接着処理を施すことができる。
ポリエチレンフィルム20の厚さは、特に制限はなく、包装材料としての適性や他の層の積層適性を考慮しつつ、価格や用途によって適宜決定できるが、5μm~100μmが好ましく、10μm~60μmがより好ましく、15μm~40μmが更に好ましい。ポリエチレンフィルム20の厚さが5μm以上であることで、積層体100は耐熱性に一層優れ、製造面の安定性が増加する傾向がある。ポリエチレンフィルム20の厚さが100μm以下であることで製造コストの増大を抑制できる。
ポリエチレンフィルム20は、ポリエチレン樹脂をTダイ法又はインフレーション法などの共押出法により製膜することで作製できる。Tダイ法によりポリエチレンフィルム20を作製する場合、ポリエチレン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、3g/10分以上、20g/10分以下であることが好ましい。MFRを3g/10分以上とすることにより、積層体の加工適性を向上することができる。また、MFRを20g/10分以下とすることにより、作製されたフィルムが破断してしまうことを防止できる。
インフレーション法によりポリエチレンフィルム20を作製する場合、ポリエチレン樹脂のMFRは、0.1g/10分以上、5g/10分以下であることが好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、積層体の加工適性を向上することができる。また、MFRを5g/10分以下とすることにより、製膜性を向上することができる。
ポリエチレン樹脂の含有量は、ポリエチレンフィルム20の全量を基準として、90質量%以上、95質量%以上又は100質量%であってよい。
ポリエチレンフィルム20は、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤及び粘着付与剤等の各種添加剤を含んでいてよい。ポリエチレンフィルム20は、ガスバリア性、酸素吸収性、高剛性及び遮光性などの機能を有していてよい。このような機能は、積層体100の用途に応じて適宜変更されてよい。
ポリエチレンフィルム20は、未延伸であってもよく、延伸処理が施されてもよい。ポリエチレンフィルム20が未延伸であるとは、ポリエチレンフィルム20の分子配向度の絶対値が1.07未満であることを意味する。ポリエチレンフィルム20が未延伸である(分子配向度の絶対値が1.07未満である)ことにより、無機酸化物層14が剥がれにくくなり、シーラント層30との密着性が向上する傾向がある。分子配向度の絶対値は、後述の実施例に記載の方法で測定される値を意味する。
(無機酸化物層)
積層体100において、ポリエチレンフィルム20の少なくとも一方の面には、無機酸化物層14が形成されている。無機酸化物層14は、積層体100に酸素バリア性及び水蒸気バリア性を付与する。積層体100は、ポリエチレンフィルム20とシーラント層30との間に無機酸化物層14及びガスバリア性被覆層15を備えることで、包装袋としたときに内容物により折り曲げられてもガスバリア層に加わる引張力が低減される。その結果、包装袋はガスバリア性に優れたものとなる。
無機酸化物層14の構成としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化錫等の金属酸化物からなる蒸着層が挙げられる。透明性及びバリア性の観点から、金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、及び酸化マグネシウムからなる群より選択されてよい。さらに、コストを考慮すると、酸化アルミニウム、酸化珪素から選択される。さらに、無機酸化物層14を金属酸化物からなるバリア膜とすることにより、積層体100のリサイクル性に影響を与えない範囲のごく薄い層で、高いバリア性を得ることができる。
酸化アルミニウムからなる蒸着層の膜厚は、5nm以上30nm以下であることが好ましい。膜厚が5nm以上であると、十分なガスバリア性を得ることができる。また、膜厚が30nm以下であると、薄膜の内部応力による変形によりクラックが発生することを抑制し、ガスバリア性の低下を抑制することができる。なお、膜厚が30nmを超えると、材料使用量の増加、及び膜形成時間の長時間化等に起因してコストが増加し易いため、経済的観点からも好ましくない。上記と同様の観点から、蒸着層の膜厚は、7nm以上15nm以下であることがより好ましい。
酸化珪素からなる無機酸化物層の膜厚は、5nm以上100nm以下であることが好ましい。膜厚が5nm以上であると、十分なガスバリア性を得ることができる。また、膜厚が100nm以下であると、無機酸化物層21を形成した後に折り曲げや引っ張り等の外的負荷が加わったとしても、無機酸化物層21に亀裂が生じることを抑制することができ、ガスバリア性の低下を抑制することができる。なお、膜厚が100nmを超えると、材料使用量の増加、及び膜形成時間の長時間化等に起因してコストが増加し易いため、経済的観点からも好ましくない。上記と同様の観点から、蒸着層の膜厚は、10nm以上50nm以下であることがより好ましい。
無機酸化物層14は、例えば真空成膜で形成することができる。真空成膜では、物理気相成長法あるいは化学気相成長法を用いることができる。物理気相成長法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。化学気相成長法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記真空成膜では、抵抗加熱式真空蒸着法、EB(Electron Beam)加熱式真空蒸着法、誘導加熱式真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、デュアルマグネトロンスパッタリング法、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)等が特に好ましく用いられる。ただし、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましい。
ポリエチレンフィルム20の無機酸化物層14が形成される側の面に、公知の下引層を形成する塗液を用いて、下引層を形成してもよい。下引層は、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂等の樹脂を含む塗液により形成することができる。下引層は、耐熱性及び層間接着強度の観点から、アクリルウレタン樹脂、又はポリエステル系ポリウレタン樹脂を含む塗液で形成されてもよい。
下引層を形成する塗液を塗工する方法は、公知の塗工方法であってよく、浸漬法(ディッピング法)、スプレー、コーター、印刷機、刷毛等を用いる方法が挙げられる。また、これらの方法に用いられるコーター及び印刷機の種類並びにそれらの塗工方式としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバースグラビア方式、オフセットグラビア方式等のグラビアコーター、リバースロールコーター、マイクログラビアコーター、チャンバードクター併用コーター、エアナイフコーター、ディップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター等を挙げることができる。
下引層を乾燥させる方法としては、特に限定されないが、自然乾燥による方法や、所定の温度に設定したオーブン中で乾燥させる方法、コーター付属の乾燥機、例えばアーチドライヤー、フローティングドライヤー、ドラムドライヤー、赤外線ドライヤー等を用いる方法を挙げることができる。乾燥の条件としては、乾燥させる方法により適宜選択することができ、例えば、オーブン中で乾燥させる方法においては、60~100℃にて、1秒間~2分間程度乾燥させてもよい。
下引層の厚さは、層間の十分な密着性を得やすい観点から、0.01μm以上、0.03μm以上、又は0.05μm以上が好ましい。下引層の厚さは、ガスバリア性が優れる観点から、5μm以下、3μm以下、又は2μm以下が好ましい。
(ガスバリア性被覆層)
ガスバリア性被覆層15は、ガスバリア性の向上及び無機酸化物層14の保護の役割を担う。ガスバリア性被覆層15は、特に限定されるものではないが、水酸基含有高分子化合物を含んでよく、具体的には、水酸基含有高分子化合物及びその加水分解物の少なくともいずれかと、金属アルコキシド、シランカップリング剤及びそれらの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種と、を含有する組成物の加熱乾燥物であってよい。
ガスバリア性被覆層15は、例えば、水酸基含有高分子化合物と、金属アルコキシド及び/又はシランカップリング剤とを、水或いは水/アルコール混合液に添加して得られる組成物(以下、オーバーコート剤という)を用いて形成することができる。オーバーコート剤は、例えば、水溶性高分子である水酸基含有高分子化合物を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液と、金属アルコキシド及び/又はシランカップリング剤とを直接、或いは予めこれらを加水分解させるなどの処理を行ったものとを混合して調製することができる。
水酸基含有高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でもポリビニルアルコール(PVA)をガスバリア性被覆層のオーバーコート剤に用いた場合、ガスバリア性が特に優れるので好ましい。
金属アルコキシドとしては、下記一般式(I)で表わされる化合物が挙げられる。
M(OR(Rn-m …(I)
上記一般式(I)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1~8の1価の有機基であり、メチル基、エチル基等のアルキル基であることが好ましい。MはSi、Ti、Al、Zr等のn価の金属原子を示す。mは1~nの整数である。なお、R又はRが複数存在する場合、R同士又はR同士は同一でも異なっていてもよい。
金属アルコキシドとしては、具体的には、テトラエトキシシラン〔Si(OC〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O-2’-C〕などが挙げられる。テトラエトキシシラン及びトリイソプロポキシアルミニウムは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
シランカップリング剤としては、下記一般式(II)で表される化合物が挙げられる。
Si(OR11(R123-p13 …(II)
上記一般式(II)中、R11はメチル基、エチル基等のアルキル基を示し、R12はアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基、アクリロキシ基で置換されたアルキル基、又は、メタクリロキシ基で置換されたアルキル基等の1価の有機基を示し、R13は1価の有機官能基を示し、pは1~3の整数を示す。なお、R11又はR12が複数存在する場合、R11同士又はR12同士は同一でも異なっていてもよい。R13で示される1価の有機官能基としては、グリシジルオキシ基、エポキシ基、メルカプト基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、又は、イソシアネート基を含有する1価の有機官能基が挙げられる。シランカップリング剤は、上述したシランカップリング剤の二量体及び三量体等の多量体であってもよい。
シランカップリング剤としては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤などが挙げられる。
水溶性高分子がPVAである場合、混合溶液中のPVAの含有量は、混合溶液の全固形分量を基準として、20~50質量%、又は25~40質量%であってもよい。PVAの含有量が20質量%以上であることにより、ガスバリア性被覆層15を形成しやすくなる。PVAの含有量が50質量%以下であることにより、積層体100はガスバリア性が優れたものとなる傾向がある。
オーバーコート剤には、ガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、あるいは、分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を必要に応じて加えることも可能である。
オーバーコート剤は、例えば、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等により塗布することができる。オーバーコート剤を塗布してなる塗膜は、例えば、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、高周波照射法、赤外線照射法、UV照射法、又はそれらの組み合わせにより乾燥させることができる。
上記塗膜を乾燥させる際の温度は、例えば、温度50~150℃とすることができ、温度60~100℃とすることが好ましい。乾燥時の温度を上記範囲内とすることで、無機酸化物層やガスバリア性被覆層にクラックが発生することをより一層抑制でき、優れたバリア性を発現することができる。
ガスバリア性被覆層は、水酸基含有高分子化合物(例えばポリビニルアルコール樹脂)及びシラン化合物を含むオーバーコート剤を用いて形成されてよい。オーバーコート剤には、必要に応じて酸触媒、アルカリ触媒、光重開始剤等を加えてよい。
シラン化合物としては、シランカップリング剤、ポリシラザン、シロキサン等が挙げられ、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
ガスバリア性被覆層の厚さは、50~1000nmであることが好ましく、100~500nmであることがより好ましい。ガスバリア性被覆層の厚さが50nm以上であると、より十分なガスバリア性を得ることができる傾向があり、1000nm以下であると、十分な柔軟性を保持できる傾向がある。
(シーラント層)
シーラント層30は、ポリエチレン樹脂により構成されており、積層体100を用いて包装袋等の包装材料を形成する際に熱融着(ヒートシール)により接合される。シーラント層30を構成するポリエチレン樹脂は、ヒートシール性という観点からは、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂及び超低密度ポリエチレン樹脂が好ましい。また、環境負荷の観点から、バイオマス由来のポリエチレン樹脂又はリサイクルされたポリエチレン樹脂がシーラント層30に使用されることが好ましい。シーラント層30は、未延伸ポリエチレンフィルムで構成されていてよい。シーラント層30には、積層体100の特性を損なわない範囲において、エチレンとその他のモノマーとの共重合体を使用することができる。
シーラント層30の厚さは、作製される包装材料に充填する内容物の重量等に応じて適宜変更できる。例えば、1g以上、200g以下の内容物を充填する包装袋を作製する場合、シーラント層30の厚さは、20μm以上、60μm以下であることが好ましい。厚さを20μm以上とすることにより、充填された内容物が、シーラント層30の破損により漏れてしまうことを防止できる。厚さを60μm以下とすることにより、積層体100の加工適性を向上できる。
他の例として、50g以上、2000g以下の内容物を充填するスタンディングパウチを作製する場合、シーラント層30の厚さは、50μm以上、200μm以下であることが好ましい。厚さを50μm以上とすることにより、充填された内容物が、シーラント層30の破損により漏れてしまうことを防止することができる。また、厚さを200μm以下とすることにより、積層体100の加工適性を向上でき、さらに150μmとすることが好ましい。
(第一及び第二の接着剤層)
第一の接着剤層40は、少なくとも1種類の接着剤を含有した層であり、共押出多層フィルム1とポリエチレンフィルム20との間に設けられて両者を接合する。第二の接着剤層50は、少なくとも1種類の接着剤を含有した層であり、ポリエチレンフィルム20とシーラント層30との間に設けられて両者を接合する。1液硬化型、もしくは2液硬化型ウレタン系接着剤等のいずれの接着剤も第一の接着剤層40及び第二の接着剤層50に使用できる。これらの接着剤は、バリア性をさらに高める目的で、層状無機化合物を含んでもよい。
硬化後にガスバリア性を発現し得る接着剤を用いて第一の接着剤層40や第二の接着剤層50を形成することもできる。特に、ガスバリア性を発現する接着剤で無機酸化物層に接触する接着剤層を形成すると、無機酸化物層のクラック発生によるガスバリア性の低下をさらに抑制することが可能である。これにより、積層体100のガスバリア性能をさらに向上できる。このようなガスバリア性接着剤としては、エポキシ系接着剤、ポリエステル・ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。具体例としては、三菱ガス化学社製の「マクシーブ」、DIC社製の「Paslim」等が挙げられる。
第一の接着剤層40及び第二の接着剤層50の厚さは、0.5μm以上6μm以下であることが好ましく、0.8μm以上5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以上4.5μm以下であることがさらに好ましい。第一の接着剤層40及び第二の接着剤層50の厚さを0.5μm以上とすることにより、第一の接着剤層40及び第二の接着剤層50の接着性を向上することができる。第一の接着剤層40及び第二の接着剤層50の厚さを6μm以下とすることにより、積層体100の加工適性を向上することができる。
第一の接着剤層40及び第二の接着剤層50は、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法及びトランスファーロールコート法などの公知の各種方法により形成できる。
積層体100は、共押出多層フィルム1、ポリエチレンフィルム20、及びシーラント層30がポリエチレン樹脂を含むことで、積層体100に占めるポリエチレン樹脂の含有割合が、積層体100の全量を基準として、90質量%以上となっている。これにより、積層体100は、高いリサイクル性を有する。共押出多層フィルム1、ポリエチレンフィルム20、及びシーラント層30がいずれもポリエチレン樹脂のみからなる場合、積層体100に占めるポリエチレン樹脂の割合(質量%)は、下記式(1)により算出できる。
(共押出多層フィルム1の質量+ポリエチレンフィルム20の質量+シーラント層30の質量)/積層体100全体の質量×100 …(1)
積層体100において、共押出多層フィルム1の表層10のヒートシール立ち上がり温度とシーラント層30のヒートシール立ち上がり温度との差は、良好なシール性を確保できることから、40℃以上であることが好ましく、製袋時のヒートシール温度条件の幅が広くなり高温でのヒートシールが可能となることで製袋の効率を向上できることから、50℃以上であることがより好ましい。共押出多層フィルムの表層のヒートシール立ち上がり温度とシーラント層のヒートシール立ち上がり温度との差は、後述の実施例に記載の方法で測定される値を意味する。
シーラント層30を対向させつつ1枚の積層体100を折り曲げたり、シーラント層30を対向させつつ2枚の積層体100を重ねたりした状態で、内容物の充填部を残して周縁部のシーラント層30をヒートシールにより接合すると、積層体100からなる包装袋を形成できる。折り曲げた底フィルムを挟みつつ上記の様な接合を行うことにより、スタンディングパウチを形成できる。その他、ピロー包装、四方シール、三方シール、ガゼット袋など、各種包装袋として用いることができる。このように、積層体100は、各種包装袋に適用できる。積層体100は、ボイル処理(例えば、ボイル温度:95℃以上)がなされる用途の包装袋に好適に用いることができる。
<第二実施形態>
以下、第二実施形態に係る積層体について説明する。以下で説明がない点については、不整合が生じない限り、第一実施形態に係る積層体と同様である。図4は、本開示の第二実施形態に係る積層体の模式断面図である。図4に示す積層体200は、ポリエチレンフィルム20が表層20a、中間層20b、裏層20cをこの順序で有する点が積層体100と異なる。
表層20aは、0.926g/cm以上の密度を有するポリエチレン樹脂を含むことが好ましく、中密度ポリエチレン樹脂及び高密度ポリエチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。裏層20cは、中密度ポリエチレン樹脂及び高密度ポリエチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。中間層20bは、高密度ポリエチレン樹脂を含むことが好ましい。これらにより、ポリエチレンフィルム20の表面平滑性を有しつつ、無機酸化物層14を設ける際の加工安定性と耐熱性を向上することができる。
ポリエチレンフィルム20全体の密度は、耐熱性の観点から、0.942g/cm以上が好ましい。
中間層20bの厚さは、耐熱性の観点から、ポリエチレンフィルム20全体の3分の1以上を有することが好ましい。
ポリエチレンフィルム20において、中間層20bの探針降下温度は、表層20aの探針降下温度よりも高く、且つ、裏層20cの探針降下温度以上であることが好ましい。これにより、ポリエチレンフィルム20は、表層20aの表面が荒れにくくなり、無機酸化物層14を形成する際に欠陥が生じにくく、かつ優れた耐熱性を実現できる傾向がある。その結果、積層体200は、シワが発生しにくくなり、加工安定性が優れ、加熱殺菌処理後においてもガスバリア性をより維持しやすいものとなる。
探針降下温度は、以下のように測定される。すなわち、加熱機構を有するカンチレバー(探針)から構成されたナノサーマル顕微鏡を備える原子間力顕微鏡を用い、試料台に固定したポリエチレンフィルム(試料)表面にカンチレバー(探針)を接触させて、コンタクトモードにてカンチレバー(探針)を一定の力(触圧)を加え、電圧を印加することにより加熱していくと、試料表面が熱膨張し、カンチレバー(探針)は上昇する。さらにカンチレバー(探針)を加熱すると、試料表面は軟化し大きな硬度の変化がみられ、カンチレバー(探針)は下降し、試料表面に入り込む。このときの急激な変位の変化を検知する。この電圧の変化点が探針降下開始点であり、電圧を温度に変換することで、探針降下温度となる。
以上、第一及び第二実施形態に係る積層体について説明したが、本開示に係る積層体は、上記実施形態に限定されない。例えば、積層体は、共押出多層フィルム1に代えて共押出多層フィルム2を備えていてもよい。積層体は、印刷層を更に備えていてよい。また、積層体は、ポリエチレンフィルム、無機酸化物層及びガスバリア性被覆層のうちの一層以上を備えていなくてもよい。積層体がポリエチレンフィルムを備えない場合、第一の接着剤層は不要であり、無機酸化物層は共押出多層フィルム上に設けられていてよい。また、ガスバリア層は、共押出多層フィルムとポリエチレンフィルムとの間に設けられていてよい。その場合、積層体は、図5に示すものであってよい。
図5に示す積層体300は、共押出多層フィルム1とポリエチレンフィルム20との間に無機酸化物層14及びガスバリア性被覆層15を備える。これにより、得られる包装袋は、内容物によるガスバリア層への影響を抑制することができ、ガスバリア性が向上する傾向がある。ポリエチレンフィルム20は、表層20aが無機酸化物層14側に、裏層20cが第二の接着剤層50側になるように配置されている。
以下、実施例を挙げて本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
[材料]
(接着剤の調製)
三井化学社製のタケラックA525を100質量部に対し、三井化学社製のタケネートA52を11質量部及び酢酸エチル84質量部を混合して、ウレタン系接着剤である接着剤Aを調製した。
(下引層形成用組成物の調製)
アクリルポリオールとトリレンジイソシアネートとを、アクリルポリオールのOH基の数に対してトリレンジイソシアネートのNCO基の数が等量となるように混合し、全固形分(アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量)が5質量%になるよう酢酸エチルで希釈した。希釈後の混合液に、さらにβ-(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを、アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量100質量部に対して5質量部となるように添加し、これらを混合することで下引層形成用組成物(アンカーコート剤)を調製した。
(オーバーコート剤の調製)
下記のA液、B液及びC液を、それぞれ70/20/10の質量比で混合することで、オーバーコート剤を調製した。
A液:テトラエトキシシラン(Si(OC)17.9gとメタノール10gに0.1N塩酸72.1gを加えて30分間攪拌して加水分解させた固形分5質量%(SiO換算)の加水分解溶液
B液:ポリビニルアルコールの5質量%水/メタノール溶液(水:メタノールの質量比は95:5)
C液:1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートを水/イソプロピルアルコールの混合液(水:イソプロピルアルコールの質量比は1:1)で固形分5質量%に希釈した加水分解溶液
[シーラント層]
シーラント層の材料として、「TUX MC-S」、「TUX VCS」、「TUX HC」及び「TUX TC-S」(以上、いずれも三井化学東セロ株式会社製の商品、ポリエチレンフィルム)を準備した。
[多層フィルム及びポリエチレンフィルムを構成する樹脂]
多層フィルム及びポリエチレンフィルムを構成する樹脂として下記に示す材料を準備した。
PP(A):ポリプロピレン樹脂(融点160℃、密度0.9g/cm、MFR0.8g/10分(190℃、2.16kg))、日本ポリプロ製、EG8B(銘柄)
PA(A):ポリアミド樹脂(融点220℃、密度1.15g/cm、相対粘度3.04、宇部興産製、ポリアミド6 1020(銘柄)
PBT(A):ポリブチレンテレフタレート樹脂(融点215℃、密度1.35g/cm、MFR4g/10分(190℃、2.16kg))、東レ製、1400S(銘柄)
EVOH(A):エチレンビニルアルコール共重合体(融点183℃、密度1.19g/cm、MFR1.6g/10分(190℃、2.16kg))、クラレ製、F171B(銘柄)
PE(A):ポリエチレン樹脂(融点133℃、密度0.958g/cm、MFR1g/10分(190℃、2.16kg))、プライムポリマー製、3600F(銘柄)
PE(B):ポリエチレン樹脂(融点130℃、密度0.95g/cm、MFR1.1g/10分(190℃、2.16kg))、プライムポリマー製、3300F(銘柄)
PE(C):ポリエチレン樹脂(融点133℃、密度0.963g/cm、MFR1.35g/10分(190℃、2.16kg))、旭化成製、B161(銘柄)
PE(D):ポリエチレン樹脂(融点129℃、密度0.941g/cm、MFR1.3g/10分(190℃、2.16kg))、ダウケミカル製、5538G(銘柄)
PE(E):ポリエチレン樹脂(融点134℃、密度0.962g/cm、MFR0.85g/10分(190℃、2.16kg))、ダウケミカル製、5960G1(銘柄)
PE(F):ポリエチレン樹脂(融点124℃、密度0.92g/cm、MFR0.85g/10分(190℃、2.16kg))、ダウケミカル製、5100G(銘柄)
接着性樹脂(A):接着性樹脂(融点119℃、密度0.9g/cm、MFR1g/10分(190℃、2.16kg))、ダウケミカル製、M512(銘柄)
[共押出多層フィルムの作製]
<実施例1-1~1-14、実施例2-1~2-11及び比較例1-1~1-3>
共押出空冷インフレーション法により共押出多層フィルムを作製した。具体的には、まず、押出機1~5を準備した。各押出機にそれぞれ表1~5,7及び9に示す材料を充填した。2種の材料を混合して用いた場合には材料名とその混合比率(質量比)を表中に示した。充填した材料を溶融混練(温度:190~230℃)した。各押出機から溶融した材料を押出して積層し、空冷することで共押出多層フィルムを作製した。各押出機の材料は、厚さが表1~5,7及び9に示す値となるように押出した。
[ポリエチレンフィルムの作製]
<実施例2-1~2-11>
共押出空冷インフレーション法により共押出多層フィルムを作製した。具体的には、まず、押出機1~3を準備した。各押出機にそれぞれ表5及び7に示す材料を充填した。充填した材料を溶融混練(温度:190~230℃)した。各押出機から溶融した材料を押出して積層し、空冷することでポリエチレンフィルムを得た。得られたポリエチレンフィルムの表面をコロナ処理した。実施例2-7のポリエチレンフィルムは、MD方向に2~5倍の倍率で延伸処理した。
[積層体の作製]
<実施例1-1~1-14及び比較例1-1~1-3>
共押出多層フィルムの裏層側の表面とシーラント層とを接着剤Aを用いてドライラミネート法により貼り付けてエージング(温度:40℃、期間:4日間)することで積層体を得た。接着剤層の厚さは3μmであった。シーラント層には、表1~4及び9に示す材料を用いた。
<実施例2-1~2-11>
(下引層の形成)
ポリエチレンフィルムのコロナ処理した表層側に、下引層形成用組成物をグラビアコート法により塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥することで厚さが0.1μmの下引層を形成した。
(無機酸化物層の形成)
上記下引層上に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、厚さ30nmの酸化ケイ素又は酸化アルミニウムからなる透明な無機酸化物層を形成した。
(ガスバリア性被覆層の形成)
上記の無機酸化物層の上にオーバーコート剤をグラビアコート法により塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥することでガスバリア機能を有する厚さ0.3μmのガスバリア性被覆層を形成した。
ポリエチレンフィルムのガスバリア性被覆層側の表面とシーラント層とを接着剤Aを用いてドライラミネート法により貼り付けることで第1の積層体を得た。第1の積層体の共押出多層フィルムの裏層側の表面とポリエチレンフィルムの裏層側の表面とを接着剤Aを用いてドライラミネート法により貼り付けることで第2の積層体を得た。第2の積層体をエージング(温度:40℃、期間:4日間)することで積層体を得た。各接着剤層の厚さは3μmであった。シーラント層には、表5及び7に示す材料を用いた。
[積層体の評価]
各例で得られた積層体について下記の評価をした。結果を表1~4,6,8及び9に示した。
<リサイクル性>
各例の積層体に占めるポリエチレン樹脂の含有割合(質量%)を算出した。ポリエチレン樹脂の含有割合を下記の基準に沿って評価した。
(基準)
A:ポリエチレン樹脂の含有割合が90質量%以上。
C:ポリエチレン樹脂の含有割合が90質量%未満。
<ヒートシール性>
積層体をそれぞれ10cm角に切り出して評価用サンプルとした。サンプルをシーラント層側から見て谷折りにして、ヒートシールテスターを用いてヒートシール(圧力:0.2MPa、加熱時間:1秒)した。その後、ヒートシールバーへの積層体の融着の有無を目視により確認した。また、サンプルのシーラント層の融着の有無を確認した。この操作を様々なヒートシール温度で実施し、サンプルのシーラント層同士が融着され、且つヒートシールバーへの積層体の融着が確認されない温度のうち最も高い温度(最高温度)と、最も低い温度(最低温度)とを測定した。最高温度と最低温度との差(ヒートシール温度条件幅)を算出して下記の基準に沿って評価した。また、ヒートシール温度140℃でヒートシールして得られたサンプルのヒートシール部の外観を目視で確認して下記の基準に沿って評価した。
(ヒートシール温度条件幅の評価の基準)
A:ヒートシール温度条件幅が20℃以上
B:ヒートシール温度条件幅が0℃以上20℃未満
(外観の基準)
A:ヒートシール部にシワが認められない。
B:ヒートシール部に使用可能な程度のシワが認められる。
C:ヒートシール部に使用不可能な程度のシワが認められる。
<ヒートシール立ち上がり温度>
各例で得られた積層体における共押出多層フィルムの表層同士を対向させ、テスター産業株式会社製のヒートシーラーを用いて、シール圧0.2MPa、シール時間1秒、シール幅5mmの条件でヒートシールした。シール温度は、130℃~240℃の間で10℃刻みに調整した。その後、各温度でヒートシールされたフィルムをそれぞれ15mm幅×80mmに切出し、株式会社島津製作所製の引張試験機を用いて、300mm/minの引張速度でT字剥離を行い、ヒートシール部分のヒートシール強度を測定した。ヒートシール強度が2N/15mm以上に達した温度を多層フィルムの表層のヒートシール立ち上がり温度とした。各例で得られた積層体のシーラント層についても、多層フィルムの表層と同様にしてヒートシール立ち上がり温度を測定した。また、多層フィルムの表層の立ち上がり温度とシーラント層の立ち上がり温度との差を算出した。
<バリア加工適性>
各例で得られた積層体の外観及び巻姿を目視で確認し、下記基準で判定した。
(基準)
A:ガスバリア性フィルムの外観にシワが見られなかった。
B:ガスバリア性フィルムの外観に軽微なシワが見られた。
C:ガスバリア性フィルムの外観に多数のシワが見られた。
<ガスバリア性>
(ボイル無し)
温度30℃、相対湿度70%の条件でJIS K 7126-2に準拠して積層体の酸素透過度(単位:cc/m・day・atm)を測定し、下記の基準に沿って評価した。
(基準)
A:酸素透過度が2cc/m・day・atm未満
B:酸素透過度が2cc/m・day・atm以上10cc/m・day・atm未満
C:酸素透過度が10cc/m・day・atm以上
(ボイル有り)
積層体を15cm×10cmのサイズに切り出し、切り出した2枚の包装フィルムを、互いのシーラント層が対向するように重ね、パウチ状に3方インパルスシールした。パウチ内に内容物として200mlの水道水を入れ、残り一辺をインパルスシールして、4方シールされたパウチ(包装袋)を作製した。得られたパウチに対し、ボイル処理装置にて95℃で30分間のボイル処理を行った。ボイル後、開封してパウチ内の水道水を捨て、十分に乾燥させた。パウチから積層体を切り出し、ボイル無しのガスバリア性の評価と同様の方法で酸素透過度を測定した。酸素透過度を下記の基準に沿って評価した。
(基準)
A:酸素透過度が2cc/m・day・atm未満
B:酸素透過度が2cc/m・day・atm以上10cc/m・day・atm未満
C:酸素透過度が10cc/m・day・atm以上
D:シーラント層同士が融着して酸素透過度が測定できなかった
<分子配向度>
マイクロ波方式分子配向計(王子計測器株式会社、商品名MOA-5012A)を用いて、マイクロ波偏波電界中でポリエチレンフィルムを回転させることにより、ポリエチレンフィルム面内の分子鎖の分子配向度を測定した。
<探針降下温度>
原子間力顕微鏡としてオックスフォード・インストゥルメンツ株式会社製のMPF-3D-SA(商品名)を用い、これに備えるナノサーマル顕微鏡としてオックスフォード・インストゥルメンツ株式会社製のZtherm(商品名)を用いた。カンチレバー(探針)としてはアナシス・インスツルメンツ社製のAN2-200(商品名)を用いた。
各例のポリエチレンフィルムの任意の場所から切り出し、クライオミクロトームにより-140℃下で断面試料を作製した。断面試料を作製する条件は、切削厚さ100nm、速度1mm/sとして、ダイヤモンドナイフを用いた。
ACモードにて10μm視野の試料の形状測定を行った後、カンチレバー(探針)を試料とZ方向に5~10μm離した。この状態で、コンタクトモードにて最大印加電圧6V、加熱速度0.5V/sの条件で装置のDetrend補正機能を行い、電圧印加によるカンチレバー(探針)のたわみ量(Deflection)の変化を補正した。その後、コンタクトモードにてカンチレバーと試料の接触前後のDeflectionの変化が0.2Vとなるようにカンチレバーを試料に接触させ、Deflectionが一定の値を保ったまま、最大印加電圧6V、加熱速度0.5V/sの条件でカンチレバーに電圧を印加して試料を加熱した。この際のZ変位の変化を記録し、Z変位が上昇から下降に転じ、変化点から50nm下降した時点で測定を停止した。Z変位が変化点から50nm下降せずに最大印加電圧に達した場合は、Detrend補正時と測定時の最大印加電圧を0.5V大きくして再度実施した。記録したZ変位が最大となる印加電圧を温度に変換し、探針降下温度とした。この測定を10μm視野内に対し10点行い、平均値を用いた。表層、中間層及び裏層の探針降下温度の序列を表に示した。
印加電圧を温度に変換するためには、ポリカプロラクトン(融点60℃)、低密度ポリエチレン樹脂(112℃)、ポリプロピレン樹脂(166℃)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(255℃)を校正試料として測定し、印加電圧と温度の検量線を作成した。ここで、融点は昇温速度5℃/分の条件で示差走査熱量計(DSC)により測定した融解ピーク温度である。測定方法は試料の測定と同様であるが、Detrend補正時と測定時の最大印加電圧をポリカプロラクトンは3.5V、低密度ポリエチレン樹脂は5.5V、ポリプロピレンは6.5V、ポリエチレンテレフタレート樹脂は7.8Vとした。各校正試料を測定した際のZ変位が最大となる印加電圧に対する融点の関係を最小二乗法により3次関数で近似して検量線を作成し、試料を測定した際の印加電圧を温度に変換した。
<密着強度>
各実施例及び比較例で得られた積層体から15mm幅の短冊状の試験片を切り出した。オリエンテック社製のテンシロン万能試験機RTC-1250を用いて試験片の端部から共押出多層フィルムとシーラント層との間を剥離して層間の密着強度を測定した。測定は、T型剥離で、常態(温度:23℃、湿度:50%RH)にて剥離速度300mm/minの条件で行った。また、剥離界面を水で濡らしながら剥離する湿潤(温度:23℃、湿度:50%RH)にて剥離速度300mm/minの条件で行った。結果を下記の基準に沿って評価した。
(常態の基準)
A:密着強度が2N/15mm以上
B:密着強度が2N/15mm未満
(湿潤の基準)
A:密着強度が2N/15mm以上
B:密着強度が2N/15mm未満
Figure 2024066888000002
Figure 2024066888000003
Figure 2024066888000004
Figure 2024066888000005
Figure 2024066888000006
Figure 2024066888000007
Figure 2024066888000008
Figure 2024066888000010
本開示の要旨は以下の[1]~[9]に存する。
[1]表層と、裏層と、を有する共押出多層フィルムであって、
裏層が、ポリエチレン樹脂を含み、
表層が、ポリエチレン樹脂よりも融点が高い樹脂を含み、
表層の厚さが、0.3μm以上6μm以下である、共押出多層フィルム。
[2][1]に記載の共押出多層フィルムと、共押出多層フィルムの裏層側に設けられた第一の接着剤層と、シーラント層と、をこの順序で備える積層体であって、
シーラント層が、ポリエチレン樹脂を含み、
積層体におけるポリエチレン樹脂の含有量が、積層体の全量を基準として90質量%以上である、積層体。
[3]共押出多層フィルムの表層のヒートシール立ち上がり温度とシーラント層のヒートシール立ち上がり温度との差が、40℃以上である、[2]に記載の積層体。
[4]第一の接着剤層とシーラント層との間に、第一の接着剤層側から、ポリエチレンフィルムと、第二の接着剤層と、を更に備える、[2]又は[3]に記載の積層体。
[5]ポリエチレンフィルムの分子配向度の絶対値が、1.07未満である、[4]に記載の積層体。
[6]ポリエチレンフィルムが、表層と、中間層と、裏層と、をこの順序で有し、
ポリエチレンフィルムにおいて、中間層の探針降下温度が、表層の探針降下温度よりも高く、且つ、裏層の探針降下温度以上であり、
ポリエチレンフィルムの表層が、0.926g/cm以上の密度を有するポリエチレン樹脂を含む、[4]又は[5]に記載の積層体。
[7]共押出多層フィルムとポリエチレンフィルムとの間にガスバリア層を更に備える、[4]~[6]のいずれかに記載の積層体。
[8]ポリエチレンフィルムとシーラント層との間にガスバリア層を更に備える、[4]~[6]のいずれかに記載の積層体。
[9][2]~[8]のいずれかに記載の積層体を用いて形成された、包装袋。
1,2…共押出多層フィルム、20…ポリエチレンフィルム、30…シーラント層、40,50…接着剤層、100,200,300…積層体。

Claims (9)

  1. 表層と、裏層と、を有する共押出多層フィルムであって、
    前記裏層が、ポリエチレン樹脂を含み、
    前記表層が、前記ポリエチレン樹脂よりも融点が高い樹脂を含み、
    前記表層の厚さが、0.3μm以上6μm以下である、共押出多層フィルム。
  2. 請求項1に記載の共押出多層フィルムと、前記共押出多層フィルムの裏層側に設けられた第一の接着剤層と、シーラント層と、をこの順序で備える積層体であって、
    前記シーラント層が、ポリエチレン樹脂を含み、
    前記積層体におけるポリエチレン樹脂の含有量が、前記積層体の全量を基準として90質量%以上である、積層体。
  3. 前記共押出多層フィルムの表層のヒートシール立ち上がり温度と前記シーラント層のヒートシール立ち上がり温度との差が、40℃以上である、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記第一の接着剤層と前記シーラント層との間に、前記第一の接着剤層側から、ポリエチレンフィルムと、第二の接着剤層と、を更に備える、請求項2に記載の積層体。
  5. 前記ポリエチレンフィルムの分子配向度の絶対値が、1.07未満である、請求項4に記載の積層体。
  6. 前記ポリエチレンフィルムが、表層と、中間層と、裏層と、をこの順序で有し、
    前記ポリエチレンフィルムにおいて、前記中間層の探針降下温度が、前記表層の探針降下温度よりも高く、且つ、前記裏層の探針降下温度以上であり、
    前記ポリエチレンフィルムの前記表層が、0.926g/cm以上の密度を有するポリエチレン樹脂を含む、請求項4に記載の積層体。
  7. 前記共押出多層フィルムと前記ポリエチレンフィルムとの間にガスバリア層を更に備える、請求項4に記載の積層体。
  8. 前記ポリエチレンフィルムと前記シーラント層との間にガスバリア層を更に備える、請求項4に記載の積層体。
  9. 請求項2~8のいずれか一項に記載の積層体を用いて形成された、包装袋。
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