JP7460011B1 - 包装フィルム、包装袋及び包装製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装フィルム全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率の低下を抑制しつつ、優れたガスバリア性を有することが可能な包装フィルム、包装袋及び包装製品を提供すること。【解決手段】ガスバリアフィルム、接着層及びシーラント層をこの順に備え、ガスバリアフィルムが、基材層と、蒸着層と、蒸着層と接着層との間に設けられ、蒸着層を被覆する被覆層とを有し、基材層が、ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系基材層を有し、被覆層の断面において、ナノインデンテーション法により測定される硬さが1.15GPa以下であり、接着層が、ポリオレフィン系接着性樹脂を含む接着性樹脂組成物を、ガスバリアフィルムに溶融押出で貼り合わせることによって得られ、シーラント層がポリオレフィン系樹脂を含む、包装フィルム。【選択図】図1

Description

本開示は、包装フィルム、包装袋及び包装製品に関する。
近年、マテリアルリサイクルを容易にする観点から、包装フィルムのモノマテリアル化が進められている。一方、包装フィルムには、ガスバリア性等の機能を保持することも求められる。
これに対し、ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系基材層に蒸着によりガスバリア層を設けてなるガスバリアフィルムと、ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系シーラント層とを、非ポリオレフィン系樹脂を形成し得る接着剤を用いるドライラミネートで貼り合わせた包装フィルムが考えられる。
しかし、このような包装フィルムでは、非ポリオレフィン系樹脂を形成し得る接着剤が用いられるため、包装フィルムのマテリアルリサイクルで得られる再生樹脂の品質が低下する。
そのため、再生樹脂の品質低下を抑制するために、非ポリオレフィン系樹脂を形成し得る接着剤に代えて、無水マレイン酸グラフト重合ポリプロピレンなどのポリオレフィン系の接着性樹脂を含む接着性樹脂組成物を接着層として用いた積層体が知られている(下記特許文献1参照)。
特開2020-049679号公報
しかし、上記特許文献1に記載された積層体は、積層体全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率を高くすることができるものの、ガスバリア性の点で未だ改善の余地を有していた。
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、包装フィルム全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率の低下を抑制しつつ、優れたガスバリア性を有することが可能な包装フィルム、包装袋及び包装製品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本開示の一側面は、ガスバリアフィルム、接着層及びシーラント層をこの順に備え、前記ガスバリアフィルムが、基材層と、蒸着層と、前記蒸着層と前記接着層との間に設けられ、前記蒸着層を被覆する被覆層とを有し、前記基材層が、ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系基材層を有し、前記被覆層の断面において、ナノインデンテーション法により測定される硬さが1.15GPa以下であり、前記接着層が、ポリオレフィン系接着性樹脂を含む接着性樹脂組成物を、前記ガスバリアフィルムに溶融押出で貼り合わせることによって得られ、前記シーラント層がポリオレフィン系樹脂を含む、包装フィルムを提供する。
上記包装フィルムによれば、包装フィルム全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率の低下を抑制しつつ、優れたガスバリア性を有することが可能となる。
上記効果が得られる理由については、以下のとおりではないかと本開示の発明者らは推測する。
すなわち、ポリオレフィン系接着性樹脂を含む接着性樹脂組成物がガスバリアフィルムに溶融押出で貼り合わされた後、接着性樹脂組成物は、ガスバリアフィルムに接触した時点では高温であるが、その後は、冷却ロールで冷却されて低温になり収縮する。このとき、その収縮応力が蒸着層に直接伝わらず、被覆層を介して間接的に伝わる。また、被覆層の硬さが1.15GPa以下であり、被覆層が十分に軟らかいため、その膨張応力及び収縮応力が被覆層で効果的に緩和される。そのため、蒸着層の膨張及び収縮が抑制され、割れやすい蒸着層が伸縮されることが抑制される。その結果、包装フィルムが優れたガスバリア性を有することが可能となる。
また、ガスバリアフィルムは、十分に軟らかい被覆層を含むため、薄くても効果的に蒸着層の膨張及び収縮を抑制できる。このため、包装フィルム全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率の低下を抑制することができる。
上記包装フィルムにおいて、前記被覆層が、ガスバリア性被覆層であることが好ましい。
この場合、包装フィルムのガスバリア性が向上する。また、蒸着層に亀裂等の破損が発生しても、包装フィルムのガスバリア性の低下を抑制することができる。
上記包装フィルムにおいて、前記ポリオレフィン系基材層が延伸フィルムであることが好ましい。
この場合、基材層に含まれるポリオレフィン系基材層及び耐熱層の結晶性が向上し、融点を上げることができるため、シーラント層と基材層との間の融点差を大きくすることができ、包装フィルムのヒートシール時に基材層が溶融することを抑制しやすくなる。
上記包装フィルムにおいて、前記ガスバリアフィルムが、前記蒸着層と前記基材層との間に、ポリウレタン樹脂を含むアンカーコート層をさらに備えることが好ましい。
この場合、接着性樹脂組成物が、ガスバリアフィルムに溶融押出で貼り合わされた後にポリオレフィン系基材層が収縮しても、ポリウレタン樹脂を含むアンカーコート層により、基材層から蒸着層に伝えられる膨張応力及び収縮応力が緩和されやすくなるため、割れやすい蒸着層が伸縮されることが抑制される。その結果、包装フィルムが優れたガスバリア性を有することが可能となる。
本開示の他の側面は、上述した包装フィルムを備える包装袋を提供する。
上記包装袋は、上述した包装フィルムを備えており、包装フィルムによれば、包装フィルム全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率の低下を抑制しつつ、優れたガスバリア性を有することが可能となる。このため、上記包装袋によれば、包装袋全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率の低下を抑制しつつ、優れたガスバリア性を有することが可能となる。
本開示のさらに他の側面は、上記包装袋と、前記包装袋内に収容される内容物とを備える包装製品を提供する。
上記包装製品は、上述した包装袋を備えており、包装袋によれば、包装袋全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率の低下を抑制しつつ、優れたガスバリア性を有することが可能となる。このため、包装製品によれば、開封後のリサイクルを容易に行うことができ、内容物の品質劣化を抑制することもできる。
本開示によれば、包装フィルム全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率の低下を抑制しつつ、優れたガスバリア性を有することが可能な包装フィルム、包装袋及び包装製品が提供される。
本開示の包装フィルムの一実施形態を示す断面図である。 本開示の包装製品の一実施形態を示す断面図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<包装フィルム>
まず、本開示の包装フィルムの実施形態について図1を参照しながら説明する。図1は、本開示の包装フィルムの一実施形態を示す断面図である。
図1に示される包装フィルム100は、ガスバリアフィルム10、接着層60及びシーラント層70をこの順に備えている。ガスバリアフィルム10は、基材層20と、蒸着層40と、蒸着層40と接着層60との間に設けられ、蒸着層40を被覆する被覆層50とを有する。被覆層50の断面において、ナノインデンテーション法により測定される硬さは1.15GPa以下である。
接着層60は、ポリオレフィン系接着性樹脂を含む接着性樹脂組成物をガスバリアフィルム10に溶融押出で貼り合わせることによって得られる。
シーラント層70はポリオレフィン系樹脂を含む。
なお、包装フィルム100は、蒸着層40と基材層20との間にアンカーコート層30をさらに備えてもよい。また、基材層20は、耐熱層22をさらに有していてもよい。耐熱層22は、180℃以上の融点を有する高融点樹脂を含む。
上記包装フィルム100によれば、包装フィルム100全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率の低下を抑制しつつ、優れたガスバリア性を有することが可能となる。
以下、ガスバリアフィルム10、接着層60及びシーラント層70について詳細に説明する。
(1)ガスバリアフィルム
ガスバリアフィルム10は、基材層20及び蒸着層40を有し、基材層20は、ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系基材層21と、耐熱層22とを有している。基材層20は、ポリオレフィン系基材層21と耐熱層22との間に、必要に応じて接着層(以下、「基材接着層」ともいう)をさらに備えてもよい。また、ガスバリアフィルム10は、必要に応じて印刷層を更に備えてもよい。
(ポリオレフィン系基材層)
ポリオレフィン系基材層21は、ポリオレフィン系樹脂を含む。ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン及びプロピレン-αオレフィン共重合体等が挙げられる。α-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性の観点からは、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の中でも、包装フィルム100を用いて得られる包装袋の剛性や耐熱性を重視する場合には、ホモポリマーを使用することが好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂は、バイオマス由来のポリオレフィン系樹脂や、メカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリオレフィン系樹脂であってもよい。
ポリオレフィン系基材層21は、単層構造を有しても、多層構造を有してもよい。
基材層20が、ポリオレフィン系基材層21を備えることにより、基材層20を使用して作製される包装フィルム100の耐熱性および耐油性を向上できる。
ポリオレフィン系基材層21は、延伸フィルムでもよいし、無延伸フィルムでもよいが、ガスバリア性の観点からは、延伸フィルムであることが好ましい。ここで、延伸フィルムとしては、一軸延伸フィルム及び二軸延伸フィルムが挙げられるが、二軸延伸フィルムが、包装フィルム100の耐熱性を向上させることから、好ましい。
ポリオレフィン系基材層21におけるポリオレフィン系樹脂の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
ポリオレフィン系基材層21は、必要に応じて添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料および改質用樹脂などが挙げられる。
ポリオレフィン系基材層21の厚さは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。ポリオレフィン系基材層21の厚さを5μm以上とすることにより、基材層20の強度および耐熱性をより向上できる。
ポリオレフィン系基材層21の厚さは、40μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。ポリオレフィン系基材層21の厚さを40μm以下とすることにより、基材層20の加工適性をより向上でき、包装フィルム100に柔軟性を付与できる。
ポリオレフィン系基材層21は、表面処理が施されてもよい。これにより、耐熱層22との密着性を向上できる。
表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品を用いた酸化処理などが挙げられる。
(耐熱層)
耐熱層22は、180℃以上の融点を有する高融点樹脂を含む。これにより、接着性樹脂組成物がガスバリアフィルム10に溶融押出で貼り合わされる際に、接着性樹脂組成物の熱が蒸着層40を介して基材層20に伝えられた後、基材層20が冷却される場合でも、膨張及び収縮しにくくなり、ポリオレフィン系基材層21の膨張及び収縮を抑制でき、割れやすい蒸着層40が伸縮されることが抑制され、その結果、包装フィルム100が優れたガスバリア性を有することが可能となる。
耐熱層22は、図1に示すように、ポリオレフィン系基材層21の蒸着層40側に設けられていてもよく、ポリオレフィン系基材層21に対し、蒸着層40側に設けられていてもよいが、ポリオレフィン系基材層21の蒸着層40側に設けられていることが好ましい。この場合、蒸着層40とポリオレフィン系基材層21との間に耐熱層22が配置されるため、接着性樹脂組成物が、ガスバリアフィルム10に溶融押出で貼り合わされて接着層60とされた後に、ポリオレフィン系基材層21が収縮しようとしても、耐熱層22の膨張及び収縮が十分に抑制されるため、割れやすい蒸着層40が伸縮されることがより抑制され、包装フィルム100がより優れたガスバリア性を有することが可能となる。
高融点樹脂の融点は、185℃以上であることがより好ましく、190℃以上であることがさらに好ましく、205℃以上であることが特に好ましい。
高融点樹脂の融点が185℃以上であると、接着性樹脂組成物が、ガスバリアフィルム10に溶融押出で貼り合わされた後にポリオレフィン系基材層21が膨張及び収縮しようとしても、耐熱層22の膨張及び収縮がより十分に抑制され、割れやすい蒸着層40が伸縮されることがより一層抑制され、包装フィルム100がより一層優れたガスバリア性を有することが可能となる。また、包装フィルム100によれば、耐熱層22が185℃以上の融点を有する高融点樹脂を含むことで、レトルト処理又はボイル処理などの湿熱処理後でもガスバリア性の低下を抑制できる。
耐熱層22の製膜性の観点からは、高融点樹脂の融点は、265℃以下であることが好ましく、260℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることがさらに好ましい。
高融点樹脂は、180℃以上の融点を有するものであればよく、高融点樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂及びセルロース樹脂などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、ポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂が好ましい。これらの樹脂は、極性基を有するため、耐熱層22と蒸着層40との密着性を顕著に改善でき、蒸着層40のガスバリア性を効果的に向上できる。
ビニル樹脂としては、エチレンビニルアルコール(EVOH)などが挙げられる。EVOH中のエチレン含有率(mol%)は低い方が好ましく、例えば35mol%以下であることが好ましく、32mol%以下であることが好ましい。
ポリエステル樹脂としては、、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)及びポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)などが挙げられる。
ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン6,6、MXDナイロン及びアモルファスナイロンなどが挙げられる。
高融点樹脂は、ポリアミド樹脂であることが好ましい。ポリアミド樹脂の融点は高いため、接着性樹脂組成物が、ガスバリアフィルム10に溶融押出で貼り合わされた後にポリオレフィン系基材層21が膨張及び収縮しようとしても、耐熱層22の膨張及び収縮がより十分に抑制され、割れやすい蒸着層40が伸縮されることがより一層抑制され、包装フィルム100がより一層優れたガスバリア性を有することが可能となる。また、包装フィルム100を屈曲させた後でも包装フィルム100のガスバリア性の低下を抑制でき、包装フィルム100の耐熱性を向上できる。さらに、包装フィルム100を、レトルト処理又はボイル処理などの湿熱処理後でもガスバリア性の低下を抑制できる。
高融点樹脂としては、ナイロン6がより好ましい。
耐熱層22における高融点樹脂の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
耐熱層22の厚さは、1μm以上であることが好ましい。耐熱層22の厚さが1μm以上であると、基材層20が加熱又は冷却される際にポリオレフィン系基材層21の膨張又は収縮を効果的に抑制できる。
耐熱層22の厚さは、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
耐熱層22の厚さが20μm以下であることで、包装フィルム100全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率をより高めることができ、包装フィルム100のリサイクル適性を高めることができる。
上記包装フィルム100において、ガスバリアフィルム10の厚さに占める耐熱層22の厚さの比率は50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましい。
ガスバリアフィルム10の厚さに占める耐熱層22の厚さの比率が50%以下であると、包装フィルム100全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率を高めることができ、包装フィルム100のリサイクル適性を高めることができる。
上記包装フィルム100において、ガスバリアフィルム10の厚さに占める耐熱層22の厚さの比率は2.5%以上、3.0%以上又は5.0%以上であってよい。ガスバリアフィルム10の厚さに占める耐熱層22の厚さの比率が5.0%以上であると、基材層20が加熱又は冷却される際にポリオレフィン系基材層21の膨張又は収縮を効果的に抑制できる。
(基材接着層)
基材接着層は、ポリオレフィン系接着性樹脂を含む。
ポリオレフィン系接着性樹脂としては、例えば酸変性ポリプロピレン系樹脂及び酸変性ポリエチレン系樹脂が挙げられる。
酸変性ポリプロピレン系樹脂としては、例えばマレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂をマレイン酸により変性した樹脂である。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン及びプロピレン-αオレフィン共重合体等が挙げられる。α-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン等が挙げられる。
酸変性ポリエチレン系樹脂としては、例えばマレイン酸変性ポリエチレン系樹脂が挙げられる。
マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂をマレイン酸により変性した樹脂である。
ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンとα-オレフィンとを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられる。α-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ヘキサンが挙げられる。
基材接着層の厚さは、特に制限されるものではないが、1μm以上であることが好ましい。基材接着層の厚さが1μm以上であると、ポリオレフィン系基材層21と耐熱層22との接着性が効果的に向上する。
基材接着層の厚さは、10μm以下であってよい。
(基材層)
基材層20は、共押出などによって得ることができる。
基材層20の厚さは、特に制限されるものではないが、20μm以上であることが好ましい。基材層20の厚さが10μm以上であると、ガスバリアフィルム10とシーラント層70との接着性が効果的に向上する。
基材層20の厚さは、50μm以下又は40μm以下であってよい。
(アンカーコート層)
アンカーコート層30は、基材層20と蒸着層40との密着性をより向上させるための層であり、基材層20と蒸着層40との間に設けられる。
アンカーコート層30を構成する材料は、基材層20と蒸着層40との密着性を向上させることが可能なものであれば特に制限されるものではないが、好ましくはポリウレタン樹脂を含むことが好ましい。
この場合、接着性樹脂組成物が、ガスバリアフィルム10に溶融押出で貼り合わされた後にポリオレフィン系基材層21が膨張及び収縮しようとしても、耐熱層22の膨張及び収縮が十分に抑制されるだけでなく、ポリウレタン樹脂を含むアンカーコート層30により基材層20から蒸着層40に伝えられる膨張応力及び収縮応力が緩和されやすくなるため、割れやすい蒸着層40が伸縮されることが抑制され、包装フィルム100が優れたガスバリア性を有することが可能となる。
このようなポリウレタン樹脂は、例えばオルガノシラン又は有機金属化合物と、ポリオール化合物と、イソシアネート化合物との反応物で構成される。
オルガノシランは、例えば3官能オルガノシラン、又は3官能オルガノシランの加水分解物である。有機金属化合物は、例えば金属アルコキシド又は金属アルコキシドの加水分解物である。有機金属化合物に含まれる金属元素は、例えばAl、Ti、Zr等である。オルガノシランの加水分解物及び金属アルコキシドの加水分解物はそれぞれ、少なくとも一つの水酸基を有していればよい。透明性の観点から、ポリオール化合物はアクリルポリオールであることが好ましい。イソシアネート化合物は、主に架橋剤又は硬化剤として機能する。ポリオール化合物及びイソシアネート化合物は、モノマーでもよいしポリマーでもよい。
アンカーコート層30の厚さは、基材層20と蒸着層40との密着性を向上させることが可能な厚さであれば特に制限されるものではないが、0.02μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましく、0.1μm以上であることがさらに好ましい。アンカーコート層30の厚さが0.02μm以上であると、接着性樹脂組成物がガスバリアフィルム10に溶融押出で貼り合わされた後にポリオレフィン系基材層21が膨張及び収縮しても、ポリウレタン樹脂を含むアンカーコート層30により基材層20から蒸着層40に伝えられる膨張応力及び収縮応力が効果的に緩和されるため、割れやすい蒸着層40が伸縮されることがより抑制され、包装フィルム100がより優れたガスバリア性を有することが可能となる。
包装フィルム100全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率の低下を抑制する観点からは、アンカーコート層30の厚さは2μm以下であることが好ましい。この場合、アンカーコート層30の厚さが2μmを超える場合に比べて、レトルト処理又はボイル処理などの湿熱処理後でもガスバリア性の低下をより抑制することができる。アンカーコート層30の厚さは1nm以下であることがより好ましい。
(蒸着層)
蒸着層40は、蒸着により形成される層であり、蒸着層40は無機物で構成される。無機物としては、例えば金属および金属酸化物が挙げられる。
金属又は金属酸化物を構成する金属としては、Si、Al、Mg、Sn、Ti、及びInからなる群より選択される少なくとも1種の金属が挙げられる。金属酸化物としては、酸化シリコン(SiOx)、酸化アルミニウム(AlOx)又はこれらの混合物が好ましい。SiOx及びAlOxはいずれも水蒸気バリア性に優れるため、包装フィルム100の水蒸気バリア性を向上させることができる。中でも、金属酸化物としては、SiOxが好ましい。この場合、包装フィルム100がより優れた水蒸気バリア性を有することが可能となる。
蒸着層40は単層で構成されてもよく、複数層で構成されてもよい。
蒸着層40の厚さは特に制限されるものではないが、5nm以上であることが好ましい。この場合、蒸着層40の厚さが5nm未満である場合に比べて、包装フィルム100のレトルト処理又はボイル処理などの湿熱処理後でもガスバリア性の低下をより十分に抑制することができる。蒸着層40の厚さは8nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることが特に好ましい。
また、蒸着層40の厚さは300nm以下であることが好ましい。この場合、蒸着層40の厚さが300nmを超える場合に比べて、包装フィルム100のレトルト処理又はボイル処理などの湿熱処理後でも、ガスバリア性の低下をより抑制することができる。また、包装フィルム100全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率を高めることができ、包装フィルム100のリサイクル適性を高めることもできる。蒸着層40の厚さは200nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが特に好ましい。
(被覆層)
被覆層50は、蒸着層40を被覆する層である。ガスバリアフィルム10が被覆層50を有すると、接着性樹脂組成物が、ガスバリアフィルム10に溶融押出で貼り合わされた後、接着性樹脂組成物が膨張及び収縮する時に、その膨張応力及び収縮応力が蒸着層40に直接伝わらず、被覆層50を介して間接的に伝わるため、蒸着層40の膨張及び収縮が抑制される。
被覆層50の断面において、ナノインデンテーション法により測定される硬さは特に限定されるものではないが、1.15GPa以下である。この場合、接着性樹脂組成物がガスバリアフィルム10に溶融押出で貼り合わされた後、接着性樹脂組成物が膨張及び収縮する時に、その膨張応力及び収縮応力が被覆層50により効果的に緩和されるため、割れやすい蒸着層40が伸縮されることがより一層抑制される。また、被覆層50の硬さが1.15GPa以下であり、被覆層50が十分に軟らかいため、その膨張応力及び収縮応力が被覆層50で効果的に緩和される。
被覆層50の断面における硬さは、1.0GPa以下であることが好ましく、0.7GPa以下であることがより好ましい。
被覆層50の断面における硬さは、0.15GPa以上又は0.20GPa以上であってもよい。
被覆層50の断面における硬さは、ナノインデンテーション法より測定される。ナノインデンテーション法とは、目的の測定対象に対して準静的な押し込み試験を行い、試料の機械特性を取得する測定法である。
被覆層50の断面における硬さは測定試料を用意し、この測定試料に対して測定される。測定試料(断面試料)は以下のようにして作製される。
すなわち、包装フィルム100の両面にコロナ処理を実施後、可視光硬化性樹脂(アロニックス LCR D-800、東亞合成株式会社製)に包埋させる。そして、ウルトラミクロトーム Leica EM UC7を用いてダイヤモンドナイフ マイクロスター LHにて、包装フィルム100を積層方向に垂直に切断する。現れた断面に対し、切削厚 Feed 100nm、切削速度 Speed 1mm/sの条件にて仕上げ処理を行い、測定試料とする。
測定には、測定装置としてブルカージャパン株式会社製のHysitron TI-Premier(商品名)を、圧子としてブルカージャパン株式会社製のバーコビッチ型ダイヤモンド圧子が用いられる。測定条件は以下のとおりとする。
・温度:常温(25℃)
・モード:荷重制御モード
・押込み及び除荷:押し込み速度1.5μN/秒にて荷重15μNまで押し込みを行った後、最大荷重にて5秒間保持後、1.5μN/秒の速度にて除荷する。
・測定箇所:圧子によって試料表面を走査する測定装置の形状測定機能によって、試料表面の形状像を取得し、形状像から試料表面において1μm以上の間隔で20点指定する。
硬さの算出に際しては、標準試料として溶融石英を用いて、圧子と試料の接触深さと接触投影面積の関係を予め校正しておく。その後、除荷時の最大荷重に対して60~95%領域の除荷曲線を、Oliver-Pharr法にて解析し、硬さを算出する。
被覆層50は、ガスバリア性被覆層であってもよい。この場合、包装フィルム100のガスバリア性が向上する。また、蒸着層40に亀裂等の破損が発生しても、包装フィルム100のガスバリア性の低下を抑制することができる。
ガスバリア性被覆層は、例えば水溶性高分子と、金属アルコキシド及びその加水分解物の少なくとも1種とを含む組成物の硬化体で構成される。上記組成物は、シランカップリング剤及びその加水分解物の少なくとも1種をさらに含んでもよい。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でもポリビニルアルコール(PVA)は、ガスバリア性フィルムの酸素バリア性を向上させやすいため特に好ましい。
金属アルコキシドとしては、下記の一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
M(OR11(R12n-m ・・・(1)
上記式(1)中、R11は炭素数1~8の1価の有機基であり、メチル基、エチル基等のアルキル基(OR11は加水分解性基)であってもよい。R12は炭素数1~8の1価の有機基であり、メチル基、エチル基等のアルキル基であってもよい。MはSi、Ti、Al、Zr等のn価の金属原子を示す。mは1~nの整数である。なお、R11及びR12が複数存在する場合、R11同士又はR12同士は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
金属アルコキシドとして具体的には、テトラエトキシシラン〔Si(OC〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O-2’-C〕等が挙げられる。テトラエトキシシラン(TEOS)及びトリイソプロポキシアルミニウムは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるため好ましい。
シランカップリング剤としては、下記の一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
(RSi(OR・・・・・・(2)
上記一般式(2)中、Rは1価の有機基を表し、Rは、アルキル基、又は、-COCHを表す。
この場合、ガスバリア性被覆層と蒸着層40との密着性を向上させることが可能となり、包装フィルム100における層間剥離(デラミネーション)を抑制することができる。
なお、RとRは互いに同一でも異なってもよい。R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
で示される1価の有機基としては、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基、又は、イソシアネート基を含有する1価の有機官能基が挙げられる。中でも、1価の有機官能基としては、イソシアネート基が好ましい。この場合、組成物が、硬化によって、より優れた熱水耐性を有することが可能となり、包装フィルム100に対してレトルト処理又はボイル処理などの湿熱処理後でもより大きなラミネート強度を付与することが可能となる。
で表されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基などが挙げられる。中でも、メチル基が好ましい。この場合、加水分解が速く行われる。
nは1以上の整数を表す。nが1である場合、シランカップリング剤は単量体を表すのに対し、nが2以上である場合、シランカップリング剤は多量体を表す。nは3であることが好ましい。この場合、ガスバリア性被覆層の熱水耐性をより向上させることができ、ガスバリア性被覆層に対してレトルト処理又はボイル処理などの湿熱処理後でもより大きなラミネート強度を付与することが可能となる。
シランカップリング剤として具体的には、ビニルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1,3,5-トリス(3-メトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等のシランカップリング剤などが挙げられる。
上記組成物が水溶性高分子としてPVAを含む場合、組成物中のPVAの量は、ガスバリア性被覆層の柔軟性が保持され、ガスバリア性被覆層を形成し易くなる観点から、組成物の全固形分量を基準として、15質量%以上、20質量%以上、又は25質量%以上であってもよい。水溶性高分子としてPVAを含む場合、組成物中のPVAの量は、加熱殺菌処理後においても酸素透過度を低く維持しやすい観点から、組成物の全固形分量を基準として、70質量%以下、60質量%以下、又は50質量%以下であってもよい。
上記組成物が金属アルコキシドとしてTEOS(テトラエトキシシラン)を含む場合、組成物中のTEOSの量は、加熱殺菌処理後においても酸素透過度を低く維持しやすい観点から、組成物の全固形分量を基準として、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上であってもよい。金属アルコキシドとしてTEOSを含む場合、組成物中のTEOSの量は、ガスバリア性被覆層の柔軟性を保持され、ガスバリア性被覆層を形成し易くなる観点から、組成物の全固形分量を基準として、80質量%以下、75質量%以下、又は70質量%以下であってもよい。なお、本明細書においてTEOSの量は、SiO換算の値を意味する。
上記組成物がシランカップリング剤としてイソシアヌレートシランを含む場合、組成物中のイソシアヌレートシランの量は、耐熱水性を実現し易く、加熱殺菌処理後においても優れた密着性を実現しやすい観点から、組成物の全固形分量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、又は5質量%以上であってもよい。シランカップリング剤としてイソシアヌレートシランを含む場合、組成物中のイソシアヌレートシランの量は、組成物中の他の成分の量が少なくなり過ぎず、加熱殺菌処理後においても酸素透過度を低く維持しやすい観点から、組成物の全固形分量を基準として、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下であってもよい。
ガスバリア性被覆層は、ガスバリア性被覆層形成用組成物を蒸着層40上にコーティングした後、加熱乾燥させて形成することができる。ガスバリア性被覆層形成用組成物は、水溶性高分子を水性溶媒(水、水とアルコールとの混合溶媒等)に溶解させたものに、金属アルコキシド及びシランカップリング剤の少なくともいずれか一方を、又はこれらを予め加水分解させたものを混合することで調製できる。この組成物(混合溶液)には、イソシアネート化合物;分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤等の公知の添加剤を添加することもできる。
ガスバリア性被覆層を形成する際の乾燥温度は、例えば、40℃以上、60℃以上、又は90℃以上であってもよく、140℃以下、130℃以下、又は120℃以下であってもよい。
ガスバリア性被覆層の厚さは、80nm以上、90nm以上、又は100nm以上であってもよい。ガスバリア性被覆層の厚さが80nm以上であれば、加熱殺菌処理後においても酸素透過度を低く維持しやすい。ガスバリア性被覆層の厚さは、1000nm以下、700nm以下、500nm以下、又は400nm以下であってもよい。ガスバリア性被覆層の厚さが1000nm以下であれば、塗工時にガスバリア性被覆層の亀裂発生によるガスバリア性の低下を抑えることができる。このような観点から、ガスバリア性被覆層の厚さは、80~1000nmであってもよい。
(印刷層)
ガスバリアフィルム10は、上記のとおり、必要に応じて印刷層をさらに有してもよい。印刷層は、基材層20及び被覆層50の少なくとも一方に設けることができる。
印刷層は、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、又はゴム系などのバインダー樹脂に、各種顔料、可塑剤、乾燥剤、及び安定剤などを添加してなるインキを用いて形成される層である。この印刷層によって、文字、柄、記号およびこれらの組み合わせなどを表示することができる。
インキは、水性インキであっても油性インキであってもよいが、水性インキであることが好ましい。水性インキは、水又はアルコールを溶剤に使用するため、環境負荷をより低減することができる。また、インキは、バイオマスインキであってもバイオマスインキでなくてもよいが、環境負荷を低減する観点からは、バイオマスインキであることが好ましい。ここで、バイオマスインキとは、綿、パルプ、米ぬか、植物油、被子植物の種などの生物由来の資源(バイオマス)から得られた成分を含むインキをいう。
印刷層の形成方法としては、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などの従来公知の印刷法を挙げることができる。
(2)接着層
接着層60は、ポリオレフィン系接着性樹脂を含む接着性樹脂組成物をガスバリアフィルム10に溶融押出で貼り合わせることによって得られる層である。
ポリオレフィン系接着性樹脂としては、例えば酸変性ポリプロピレン系樹脂及び酸変性ポリエチレン系樹脂が挙げられる。
酸変性ポリプロピレン系樹脂としては、例えば無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂を無水マレイン酸によりグラフト変性した樹脂である。無水マレイン酸のグラフト率は、0.1~1質量%であることが好ましい。無水マレイン酸のグラフト率が0.1質量%以上であることで、接着層60の接着性がより向上する。無水マレイン酸のグラフト率が1質量%以下であると、水分を吸着しにくくなり、発泡が生じにくくなる。また、接着性樹脂組成物の加工適性が向上する。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン及びプロピレン-αオレフィン共重合体等が挙げられる。α-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン等が挙げられる。
酸変性ポリエチレン系樹脂としては、例えば無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン系樹脂が挙げられる。
無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂を無水マレイン酸によりグラフト変性した樹脂である。無水マレイン酸のグラフト率は0.1~1質量%であることが好ましい。無水マレイン酸のグラフト率が0.1質量%以上であると、接着層60の接着性がより向上する。無水マレイン酸のグラフト率が1質量%以下であると、水分を吸着しにくくなり、発泡が生じにくくなる。また、接着性樹脂組成物の加工適性が向上する。
ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンとα-オレフィンとを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられる。α-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ヘキサンが挙げられる。
接着層60は、接着性樹脂組成物をガスバリアフィルム10に溶融押出で貼り合わせることによって得られる。接着性樹脂組成物は、ガスバリアフィルム10の被覆層50に接触された後は、冷却ロールにより冷却される。
接着層60の厚さは、特に制限されるものではないが、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。接着層60の厚さが1μm以上であると、ガスバリアフィルム10とシーラント層70との接着性が効果的に向上する。
接着層60の厚さは、40μm以下、又は15μm以下であってよい。
接着層60は、接着性樹脂組成物を加熱処理して得られることが好ましい。この場合、接着層60の接着強度を向上させることができ、包装フィルム100のヒートシール性、耐衝撃性、レトルト処理、ボイル処理及び調湿処理等の湿熱処理耐性を向上させることができる。なお、加熱処理は、接着性樹脂組成物からなる層を形成しておき、この層にヒーターロールやオーブンを通して熱を加えることで行うことができる。この加熱処理は、例えばガスバリアフィルム10とシーラント層70とを、接着性樹脂組成物を介して貼り合わせた状態で行うことができる。
(3)シーラント層
シーラント層70は、ポリオレフィン系樹脂を含む。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン及びプロピレン-αオレフィン共重合体等が挙げられる。α-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性の観点からは、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
さらに、ポリプロピレン系樹脂の中でも、包装フィルム100を用いて得られる包装袋の剛性や耐熱性を重視する場合には、ホモポリプロピレンを使用することが好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂は、バイオマス由来のポリオレフィン系樹脂や、メカニカルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリオレフィン系樹脂であってもよい。
シーラント層70は、単層構造を有しても、多層構造を有してもよい。
シーラント層70は、必要に応じて、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料および改質用樹脂などが挙げられる。
基材層20のポリオレフィン系基材層21に含まれるポリオレフィン系樹脂、及び、接着層60に含まれるポリオレフィン系接着性樹脂がポリプロピレン系樹脂である場合には、シーラント層70に含まれるポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。この場合、包装フィルム100に含まれる単一材料(ポリプロピレン系樹脂)の比率をより高めることができ、包装フィルム100のリサイクル適性がより向上する。
あるいは、基材層20のポリオレフィン系基材層21に含まれるポリオレフィン系樹脂、及び、接着層60に含まれるポリオレフィン系接着性樹脂がポリエチレン系樹脂である場合には、シーラント層70に含まれるポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂であることが好ましい。この場合、包装フィルム100に含まれる単一材料(ポリエチレン系樹脂)の比率をより高めることができ、包装フィルム100のリサイクル適性がより向上する。
シーラント層70に含まれるポリオレフィン系樹脂は、延伸フィルムでも無延伸フィルムでもよいが、無延伸フィルム(例えばCPP)が好ましい。この場合、シーラント層70の融点を低下させることができ、包装フィルム100のヒートシール時に基材層20が溶融することを抑制しやすくなる。
シーラント層70の厚さは、特に限定されるものではないが、ヒートシール性を向上させる観点からは、40μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。
シーラント層70の厚さは、包装フィルム100の柔軟性を向上させる観点からは、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましい。
シーラント層70は、溶融押出で接着層60に貼り付けることで形成することができる。このとき、シーラント層70は、シーラント層70を形成するシーラント層形成用樹脂組成物を溶融押出して接着層60に貼り付けて形成してもよく、接着性樹脂組成物と、シーラント層70を形成するシーラント層形成用樹脂組成物とを共押出して接着性樹脂組成物を接着層60側に向けた状態で接着層60に貼り付けて形成してもよい。あるいは、シーラント層70は、接着層60を形成する接着性樹脂組成物と、シーラント層70を形成するシーラント層形成用樹脂組成物とを共押出して接着層60と同時に形成されてもよい。
<包装製品>
次に、本開示の包装製品の実施形態について図2を参照しながら説明する。なお、図2は、本開示の包装製品の一実施形態を示す断面図である。図2において、図1と同一の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図2に示すように、包装製品300は、包装袋200と、包装袋200内に収容された内容物Cとを備えている。図2に示す包装袋200は、一対の包装フィルム100を用い、シーラント層70同士を対向させた状態で包装フィルム100の周縁部をヒートシールすることによって得られたものである。
この包装製品300は、包装袋200を備えており、包装袋200によれば、包装袋200全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率の低下を抑制しつつ、優れたガスバリア性を有することが可能となる。このため、包装製品300によれば、開封後のリサイクルを容易に行うことができ、内容物Cの品質劣化を抑制することもできる。
なお、包装袋200は、1つの包装フィルム100を折り曲げ、シーラント層70同士を対向させた状態で包装フィルム100の周縁部をヒートシールすることによっても得ることができる。
包装袋200としては、三方パウチ、四方パウチ、スタンディングパウチ、ガゼットパウチ、ピロー包装等を挙げることができる。包装袋200は、用途に応じてスパウトやチャックをさらに有してもよい。。
内容物Cは、特に限定されるものではなく、内容物Cとしては、食品、液体、医薬品、電子部品などが挙げられる。
<本開示の概要>
本開示の概要は以下のとおりである。
[1]ガスバリアフィルム、接着層及びシーラント層をこの順に備え、前記ガスバリアフィルムが、基材層と、蒸着層と、前記蒸着層と前記接着層との間に設けられ、前記蒸着層を被覆する被覆層とを有し、前記基材層が、ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系基材層を有し、前記被覆層の断面において、ナノインデンテーション法により測定される硬さが1.15GPa以下であり、前記接着層が、ポリオレフィン系接着性樹脂を含む接着性樹脂組成物を、前記ガスバリアフィルムに溶融押出で貼り合わせることによって得られ、前記シーラント層がポリオレフィン系樹脂を含む、包装フィルム。
[2]前記被覆層が、ガスバリア性被覆層である、[1]に記載の包装フィルム。[3]前記ポリオレフィン系基材層が延伸フィルムである、[1]又は[2]に記載の包装フィルム。
[4]前記ガスバリアフィルムが、前記蒸着層と前記基材層との間に、ポリウレタン樹脂を含むアンカーコート層をさらに備える、[1]~[3]のいずれかに記載の包装フィルム。
[5][1]~[4]のいずれかのいずれか一項に記載の包装フィルムを備える包装袋。
[6][5]に記載の包装袋と、前記包装袋内に収容される内容物とを備える包装製品。
以下、実施例を挙げて本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
<コート液の調製>
実施例又は比較例で用いられるガスバリア性被覆層形成用組成物としてのコート液1~4を以下のようにして調製した。
(コート液1)
以下のA~C液を混合し、コート液1を得た。コート液1は、固形分を100とした場合に、TEOS(SiO換算値)とPVAとイソシアヌレートシラン(RSi(OH)換算値)との質量比率が68/27/5になるように調製した。
A液:テトラエトキシシラン(商品名:KBE04、固形分:100質量%、信越化学工業株式会社製、「TEOS」ともいう)、メタノール(関東化学株式会社製)、及び0.1N 塩酸(関東化学株式会社製)を17:10:73(質量比)となるように混合し、得られた混合液を30分間撹拌してTEOSを加水分解させた溶液(TEOSの5質量%(SiO換算)加水分解溶液)。
B液:ポリビニルアルコール(商品名:クラレポバール60-98、株式会社クラレ製、「PVA」ともいう)の5質量%水溶液。
C液:シランカップリング剤(SC剤)としての1,3,5-トリス(3-メトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(商品名:X-12-965P、信越化学工業株式会社製)を、水/IPA=1/1(質量比)の混合溶液で、固形分の比率が5質量%(RSi(OH)換算)となるように希釈してなる溶液。
(コート液2)
上記のA~C液を混合し、コート液2を得た。コート液2は、固形分を100とした場合に、TEOS(SiO換算値)とPVAとイソシアヌレートシラン(RSi(OH)換算値)との質量比率が47.5/47.5/4.8になるように調製した。
(コート液3)
上記のA~C液を混合し、コート液3を得た。コート液3は、固形分を100とした場合に、TEOS(SiO換算値)とPVAとイソシアヌレートシラン(RSi(OH)換算値)との質量比率が80/15.2/4.8になるように調製した。
(コート液4)
上記のA~C液を混合し、コート液4を得た。コート液4は、固形分を100とした場合に、TEOS(SiO換算値)とPVAとイソシアヌレートシラン(RSi(OH)換算値)との質量比率が85/10.2/4.8になるように調製した。
<アンカーコート層形成用組成物の調製>
アンカーコート層形成用組成物は以下のようにして調製した。
アクリルポリオールとトリレンジイソシアネートとを、アクリルポリオールのOH基の数に対してトリレンジイソシアネートのNCO基の数が等量となるように混合し、固形分(アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量)が5質量%になるよう酢酸エチルで希釈した。希釈後の混合液に、さらにβ-(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを、アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量100質量部に対して5質量部となるように添加し、これらを混合することでアンカーコート層形成用組成物(アンカーコート剤)を調製した。
<包装フィルムの作製>
(実施例1)
まず、ポリオレフィン系基材層(PO系基材層)としてのホモポリプロピレン(以下「PP」ともいう。融点:162℃、密度:0.9g/cm、MFR(230℃、荷重2.16kg):3.0g/10min)と、基材接着層としてマレイン酸変性ポリプロピレン(以下「PP1」ともいう。融点:165℃、密度:0.89g/cm、MFR(230℃、荷重2.16kg):6.5g/10min)と、耐熱層としてナイロン6(以下「Ny」ともいう。融点:225℃、密度:1.1g/cm、MVR(275℃、荷重5.0kg時):70cm/10min)をそれぞれ表1に示すとおり10μm、5μm及び5μmの厚さを有するよう、共押出フィルム成形機を用いて共押出を行い、二軸延伸処理を行うことで基材を形成した。このとき、各層合流部の温度を260℃に設定した。
次に、この基材層の耐熱層の上に、上記のようにして調製したアンカーコート層形成用組成物を、乾燥後に表1に示す厚さを有するようにグラビアコート法により塗布して塗膜を形成した。そして、塗膜を120℃で10秒間加熱し、乾燥させることにより、ポリウレタン系樹脂(PU)を含むアンカーコート層を形成した。
次に、基材層の表面に、電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて、0.03μmの厚さを有するSiO膜を蒸着層として形成した。
次に、蒸着層の上に、上記コート液を塗工して塗膜を形成した。形成した塗膜に対し、80℃で60秒間の加熱を行うことにより乾燥させて、被覆層として、0.32μmの厚さを有するガスバリア性被覆層を形成した。
次に、ガスバリア性被覆層の上に、グラビア法により白インキを厚さ1μmでベタ印刷し、印刷層を形成した。こうしてガスバリアフィルムを得た。
次に、上記のガスバリアフィルムの印刷層の上に、接着層として無水マレイン酸変性PP(以下、「PP2」ともいう。融点:106℃、密度:0.89g/cm、MFR(230℃、荷重2.16kg):12g/10min)を、表1に示す厚さを有するように成形温度250℃で溶融押出を行うことにより積層し、続いて、接着層の上に、Tダイキャスト法を用いて、シーラント層としてのCPPフィルム(商品名「トレファンZK207」、東レフィルム加工株式会社製、厚さ:40μm)を積層して積層体を得た。
その後、上記積層体に対し、140℃に加熱したロールで40秒間加熱圧着を行った。
以上のようにして包装フィルムを得た。
(実施例2~3及び比較例1)
ガスバリア性被覆層を、表1に示すコート液を用いたこと以外は実施例1と同様にして包装フィルムを作製した。
<被覆層の断面における硬さ>
実施例又は比較例で得られた包装フィルムの被覆層の断面における硬さは、ナノインデンテーション法により以下のようにして測定した。
測定試料(断面試料)は以下のとおり作製した。すなわち、包装フィルムの両面にコロナ処理を実施後、可視光硬化性樹脂(アロニックス LCR D-800、東亞合成株式会社製)に包埋させた。そして、ウルトラミクロトーム Leica EM UC7を用いてダイヤモンドナイフ マイクロスター LHにて、包装フィルムを積層方向に垂直に切断した。現れた断面に対し、切削厚 Feed 200nm、切削速度 Speed 1mm/sの条件にて仕上げ処理を行い、測定試料とした。
測定には、測定装置としてブルカージャパン株式会社製のHysitron TI-Premier(商品名)を、圧子としてブルカージャパン株式会社製のバーコビッチ型ダイヤモンド圧子を用いた。測定条件は以下のとおりとした。
・温度:常温(25℃)
・モード:荷重制御モード
・押込み及び除荷:押し込み速度1.5μN/秒にて荷重15μNまで押し込みを行った後、最大荷重にて5秒間保持後、1.5μN/秒の速度にて除荷
・測定箇所:圧子によって試料表面を走査する測定装置の形状測定機能によって、被覆層断面の形状像を取得し、形状像から被覆層断面上において1μm以上の間隔で20点指定
硬さの算出に際しては、標準試料として溶融石英を用いて、圧子と試料の接触深さと接触投影面積の関係を予め校正した。その後、除荷時の最大荷重に対して60~95%領域の除荷曲線を、Oliver-Pharr法にて解析し、被覆層の断面における硬さを算出した。結果を表1に示す。なお、表1において、被覆層の断面における硬さは、被覆層の形成に使用したコート液の下の括弧内に示した。
<包装フィルムの評価>
(1)ガスバリア性
(レトルト処理前)
まず、実施例及び比較例の包装フィルムから、100mm×100mmの試験片を切り取り、この試験片について、酸素透過度測定装置(製品名「OX-TRAN2/20」、MOCON社製)を用い、温度30℃、相対湿度70%の条件で酸素透過度(単位:cc/m・day・atm)を測定した。このとき、測定は、JIS K-7126-2に準拠して行った。結果を表1に示す。
(レトルト処理後)
実施例及び比較例の包装フィルムを297mm×210mmに切り取り、切り取った包装フィルムを用いて、開口を有する三方パウチを作製した。このとき、三方パウチは、切り取った包装フィルムを、シーラント層同士が対向するように折り曲げ、シーラント層の周縁部同士を熱融着させることによって形成した。そして、開口から水道水(市水)を注入して三方パウチの開口を封止することにより、密封パウチを用意した。
そして、この密封パウチに対し、貯湯式レトルト装置にて、130℃、30分間のレトルト処理を行った。
その後、レトルト処理後の封止体から100mm×100mmの試験片を切り取り、この試験片について、レトルト処理前と同様にして酸素透過度(単位:cc/m・day・atm)を測定した。結果を表1に示す。
(2)包装フィルム全体に占めるポリオレフィン系樹脂比率
実施例及び比較例の包装フィルムについて、包装フィルム全体に占めるポリオレフィン系樹脂比率(質量%)を、包装フィルムの重量から比重換算して算出した。結果を表1に示す。
表1に示す結果より、実施例の包装フィルムはいずれも、包装フィルム全体に占めるポリオレフィン系樹脂比率が90質量%以上と高く、レトルト処理前の酸素透過度が十分に低いことが分かった。
したがって、本開示の包装フィルムは、包装フィルム全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率の低下を抑制しつつ、優れたガスバリア性を有することが確認された。
10…ガスバリアフィルム、20…基材層、21…ポリオレフィン系基材層、22…耐熱層、30…アンカーコート層、40…蒸着層、50…被覆層、60…接着層、70…シーラント層、100…包装フィルム、200…包装袋、300…包装製品、C…内容物。

Claims (6)

  1. ガスバリアフィルム、接着層及びシーラント層をこの順に備え、
    前記ガスバリアフィルムが、基材層と、蒸着層と、前記蒸着層と前記接着層との間に設けられ、前記蒸着層を被覆する被覆層とを有し、
    前記基材層が、ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系基材層を有し、
    前記被覆層の断面において、ナノインデンテーション法により測定される硬さが0.8GPa以下であり、
    前記接着層が、ポリオレフィン系接着性樹脂を含む接着性樹脂組成物を、前記ガスバリアフィルムに溶融押出で貼り合わせることによって得られ、
    前記シーラント層がポリオレフィン系樹脂を含む、包装フィルム。
  2. 前記被覆層が、ガスバリア性被覆層である、請求項1に記載の包装フィルム。
  3. 前記ポリオレフィン系基材層が延伸フィルムである、請求項1に記載の包装フィルム。
  4. 前記ガスバリアフィルムが、前記蒸着層と前記基材層との間に、ポリウレタン樹脂を含むアンカーコート層をさらに備える、請求項1に記載の包装フィルム。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の包装フィルムを備える包装袋。
  6. 請求項5に記載の包装袋と、前記包装袋内に収容される内容物とを備える包装製品。
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