JP2024049452A - 液圧制御ユニット、鞍乗型車両、及び、液圧制御ユニットの制御方法 - Google Patents

液圧制御ユニット、鞍乗型車両、及び、液圧制御ユニットの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻すことが困難になることを従来よりも抑制できる、モータレス式の鞍乗型車両用の液圧制御ユニットを得る。【解決手段】本発明に係る液圧制御ユニットは、アキュムレータ内のブレーキ液をモータレスでマスタシリンダへ戻す構成であり、アンチロックブレーキ制御時、前記アキュムレータにおけるピストンの第1端部側に設けられた液溜め部にブレーキ液を貯留し、前記アンチロックブレーキ制御の後、前記アキュムレータにおける前記ピストンの第2端部側に設けられた液受け部に、加圧流路を介して前記マスタシリンダのブレーキ液が流入する構成であり、前記第2端部のブレーキ液の受圧面である第2受圧面の面積が、前記第1端部のブレーキ液の受圧面である第1受圧面の面積よりも大きい。【選択図】図2

Description

本発明は、鞍乗型車両用の液圧制御ユニット、該液圧制御ユニットを備えた鞍乗型車両、及び、鞍乗型車両用の液圧制御ユニットの制御方法に関する。
従来の車両には、ブレーキ液が充填されている液圧回路内のブレーキ液の圧力を制御する液圧制御ユニットを備えたものが存在する。液圧制御ユニットは、例えば、車両の運転手がブレーキレバー等のブレーキ操作部を操作している状態において、液圧回路内のブレーキ液の圧力を増減させて、車輪に発生する制動力を調整し、アンチロックブレーキ制御を実行する。具体的には、液圧制御ユニットは、車輪に発生する制動力を低下させる場合、ホイールシリンダからアキュムレータへブレーキ液を逃がし、該ブレーキ液をアキュムレータに貯留する。
ここで、車両の一種である鞍乗型車両は、自動四輪車等の車両と比べて、部品レイアウトの自由度が低く、液圧制御ユニットの搭載の自由度が低い。このため、鞍乗型車両に搭載される液圧制御ユニットに対して、小型化の要望が強い。そこで、鞍乗型車両に搭載される液圧制御ユニットとして、アキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻すポンプ、及び該ポンプの駆動源であるモータを備えず、モータレスでアキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻す、モータレス式の液圧制御ユニットが提案されている(特許文献1参照)。従来のモータレス式の液圧制御ユニットは、アキュムレータ内のピストンがバネで押圧されている。アキュムレータ内のブレーキ液は、アキュムレータから排出され、アキュムレータとマスタシリンダとを連通させる戻り流路を通って、マスタシリンダに戻る。
特開2019-006347号公報
従来のモータレス式の液圧制御ユニットは、鞍乗型車両の運転手がブレーキ操作部を強く操作している際に、アキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻すことが困難になり得るという課題があった。
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、鞍乗型車両に搭載されるモータレス式の液圧制御ユニットであって、アキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻すことが困難になることを従来よりも抑制できる液圧制御ユニットを得ることを、第1の目的とする。また、本発明は、このような液圧制御ユニットを備えた鞍乗型車両を得ることを第2の目的とする。また、本発明は、鞍乗型車両に搭載されるモータレス式の液圧制御ユニットの制御方法であって、アキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻すことが困難になることを従来よりも抑制できる液圧制御ユニットの制御方法を得ることを、第3の目的とする。
本発明に係る液圧制御ユニットは、鞍乗型車両に搭載され、且つ、アンチロックブレーキ制御を実行可能なブレーキシステムの液圧制御ユニットであって、マスタシリンダとホイールシリンダとを連通させる主流路に設けられ、該主流路を開閉する込め弁と、前記主流路における前記込め弁を基準として前記ホイールシリンダ側となる領域に一端が接続された副流路に設けられ、該副流路を開閉する弛め弁と、前記副流路の他端に接続され、前記主流路から前記副流路に流入したブレーキ液を貯留するアキュムレータと、前記アキュムレータと前記マスタシリンダとを連通させる戻り流路に設けられ、前記アキュムレータから前記マスタシリンダへ向かうブレーキ液の流れを許容し、前記マスタシリンダから前記アキュムレータへ向かうブレーキ液の流れを規制する逆止弁と、を備え、前記アキュムレータ内のブレーキ液をモータレスで前記マスタシリンダへ戻す構成であり、前記アキュムレータは、前記副流路の前記他端と接続され、前記主流路から前記副流路に流入したブレーキ液を貯留する液溜め部と、往復動自在に設けられ、第1端部に形成された第1受圧面に前記液溜め部のブレーキ液の圧力が作用し、前記液溜め部のブレーキ液を前記戻り流路に押し出すピストンと、前記ピストンの前記第1端部とは反対側の端部である第2端部によって区画される液受け部と、を備え、当該液圧制御ユニットには、さらに、前記マスタシリンダと前記液受け部とを連通させる加圧流路が形成されており、当該液圧制御ユニットは、さらに、前記加圧流路に設けられ、該加圧流路を開閉する制御弁を備え、前記加圧流路から前記液受け部に流入したブレーキ液の圧力が、前記ピストンの前記第2端部に形成された第2受圧面に作用する構成であり、前記第2受圧面の面積が前記第1受圧面の面積よりも大きい構成となっている。
また、本発明に係る鞍乗型車両は、本発明に係る液圧制御ユニットを備えている。
また、本発明に係る液圧制御ユニットの制御方法は、鞍乗型車両に搭載され、且つ、アンチロックブレーキ制御を実行可能なブレーキシステムの液圧制御ユニットの制御方法であって、前記液圧制御ユニットは、マスタシリンダとホイールシリンダとを連通させる主流路に設けられ、該主流路を開閉する込め弁と、前記主流路における前記込め弁を基準として前記ホイールシリンダ側となる領域に一端が接続された副流路に設けられ、該副流路を開閉する弛め弁と、前記副流路の他端に接続され、前記主流路から前記副流路に流入したブレーキ液を貯留するアキュムレータと、前記アキュムレータと前記マスタシリンダとを連通させる戻り流路に設けられ、前記アキュムレータから前記マスタシリンダへ向かうブレーキ液の流れを許容し、前記マスタシリンダから前記アキュムレータへ向かうブレーキ液の流れを規制する逆止弁と、を備え、前記アキュムレータ内のブレーキ液をモータレスで前記マスタシリンダへ戻す構成であり、前記アキュムレータは、前記副流路の前記他端と接続され、前記主流路から前記副流路に流入したブレーキ液を貯留する液溜め部と、往復動自在に設けられ、第1端部に形成された第1受圧面に前記液溜め部のブレーキ液の圧力が作用し、前記液溜め部のブレーキ液を前記戻り流路に押し出すピストンと、前記ピストンの前記第1端部とは反対側の端部である第2端部によって区画される液受け部と、を備え、当該液圧制御ユニットには、さらに、前記マスタシリンダと前記液受け部とを連通させる加圧流路が形成されており、当該液圧制御ユニットは、さらに、前記加圧流路に設けられ、該加圧流路を開閉する制御弁と、前記込め弁、前記弛め弁及び前記制御弁を制御する制御装置と、を備え、前記加圧流路から前記液受け部に流入したブレーキ液の圧力が、前記ピストンの前記第2端部に形成された第2受圧面に作用する構成であり、前記第2受圧面の面積が前記第1受圧面の面積よりも大きく、前記制御装置が、前記込め弁を閉状態とし、前記弛め弁を開状態とし、前記制御弁を閉状態とする前記アンチロックブレーキ制御の後、前記込め弁を閉状態とし、前記弛め弁を閉状態とし、前記制御弁を開状態とするブレーキ液戻し制御を実行する。
本発明に係る液圧制御ユニットにおいては、加圧流路を介してマスタシリンダから液受け部にブレーキ液を流入させることにより、液受け部に供給されたブレーキ液の圧力がピストンの第2受圧面に作用する。この際、本発明に係る液圧制御ユニットのピストンは、第2受圧面の面積が第1受圧面の面積よりも大きくなっている。このため、本発明に係る液圧制御ユニットにおいては、鞍乗型車両の運転手がブレーキ操作部を操作中でも、ピストンによってアキュムレータの液溜め部に貯留されたブレーキ液を押し出すことができ、アキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻すことができる。したがって、本発明に係る液圧制御ユニットは、従来のモータレス式の液圧制御ユニットではアキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻すことが困難になる状況においても、アキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻すことができる可能性が上がる。このため、本発明に係る液圧制御ユニットは、アキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻すことが困難になることを従来よりも抑制できる。
本発明の実施の形態に係る液圧制御ユニットを備えたブレーキシステムが搭載される鞍乗型車両の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る液圧制御ユニットのアキュムレータ周辺を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る液圧制御ユニットのアキュムレータ周辺を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る液圧制御ユニットの制御装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る液圧制御ユニットがアンチロックブレーキ制御実行時に行う制御動作の一例を説明するための制御フロー図である。 本発明の実施の形態に係る液圧制御ユニットの変形例のアキュムレータ周辺を示す断面図である。
以下に、本発明に係る液圧制御ユニット及び鞍乗型車両の一例について、図面を用いて説明する。
なお、以下では、本発明が鞍乗型車両の一例である自転車(例えば、二輪車、三輪車等)に採用される場合を説明するが、本発明は自転車以外の他の鞍乗型車両に採用されてもよい。自転車以外の他の鞍乗型車両とは、例えば、エンジン及び電動モータのうちの少なくとも一方を駆動源とする自動二輪車、自動三輪車、及びバギー等である。また、自転車とは、ペダルに付与される踏力によって路上を推進することが可能な乗物全般を意味している。つまり、自転車には、普通自転車、電動アシスト自転車、電動自転車等が含まれる。また、自動二輪車又は自動三輪車は、いわゆるモーターサイクルを意味し、モーターサイクルには、オートバイ、スクーター、電動スクーター等が含まれる。
また、以下で説明する構成、動作等は、一例であり、本発明に係る液圧制御ユニット及び鞍乗型車両は、そのような構成、動作等である場合に限定されない。例えば、以下では、液圧制御ユニットが1系統の液圧回路を備えている場合を説明しているが、液圧制御ユニットの液圧回路の数は1系統に限定されない。液圧制御ユニットは、2系統以上の液圧回路を備えていてもよい。
また、各図においては、同一の又は類似する部材又は部分に、同一の符号を付している、又は、符号を付すことを省略している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。また、重複する説明については、適宜簡略化又は省略している。
実施の形態.
<液圧制御ユニットを備えたブレーキシステムの鞍乗型車両への搭載>
本実施の形態に係る液圧制御ユニットを備えたブレーキシステムの鞍乗型車両への搭載について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る液圧制御ユニットを備えたブレーキシステムが搭載される鞍乗型車両の概略構成を示す図である。
例えば自転車である鞍乗型車両200は、フレーム210と、旋回部230と、サドル218と、ペダル219と、後輪220と、後輪制動部260と、を備えている。
フレーム210は、例えば、旋回部230のステアリングコラム231を軸支するヘッドチューブ211と、ヘッドチューブ211に連結されているトップチューブ212及びダウンチューブ213と、トップチューブ212及びダウンチューブ213に連結され、サドル218を保持するシートチューブ214と、シートチューブ214の上下端に連結され、後輪220及び後輪制動部260を保持しているステー215と、を備えている。
旋回部230は、ステアリングコラム231と、ステアリングコラム231に保持されているハンドルステム232と、ハンドルステム232に保持されているハンドルバー233と、ハンドルバー233に取り付けられている制動操作部240と、ステアリングコラム231に連結されているフロントフォーク216と、フロントフォーク216に回転自在に保持されている前輪217と、前輪制動部250と、を備えている。フロントフォーク216は、前輪217の両側に設けられている。フロントフォーク216は、一端がステアリングコラム231に連結され、他端が前輪217の回転中心に接続されている。
制動操作部240は、前輪制動部250の操作部として用いられる機構と、後輪制動部260の操作部として用いられる機構と、を含む。例えば、前輪制動部250の操作部として用いられる機構は、ハンドルバー233の右端側に配設され、後輪制動部260の操作部として用いられる機構は、ハンドルバー233の左端側に配設される。
このように構成された鞍乗型車両200は、液圧制御ユニット1を備えている。本実施の形態では、旋回部230のフロントフォーク216に、液圧制御ユニット1が取り付けられている。なお、液圧制御ユニット1は、フロントフォーク216以外の構成に取り付けられていてもよい。液圧制御ユニット1は、前輪制動部250のブレーキ液の圧力の制御を担うユニットである。なお、後輪制動部260は、ブレーキ液の圧力を増加させることによって制動力を生じさせるタイプの制動部であってもよく、また、機械式に制動力を生じさせるタイプの制動部(例えば、ワイヤに張力を生じさせることによって制動力を生じさせるタイプの制動部等)であってもよい。
また、鞍乗型車両200は、液圧制御ユニット1の電源となる電源ユニット270を備えている。電源ユニット270は、例えば、フレーム210のダウンチューブ213に取り付けられている。電源ユニット270は、バッテリであってもよく、また、発電機であってもよい。発電機には、例えば、鞍乗型車両200の走行によって発電するもの(例えば、前輪217又は後輪220の回転によって発電するハブダイナモ、前輪217又は後輪220の駆動源の電動機であって回生電力を発電するもの等)、太陽光によって発電するもの等が含まれる。
つまり、鞍乗型車両200には、少なくとも、制動操作部240と、前輪制動部250と、液圧制御ユニット1と、電源ユニット270とを含む、ブレーキシステム100が搭載されている。ブレーキシステム100は、前輪制動部250のブレーキ液の圧力を液圧制御ユニット1によって制御することで、例えば、アンチロックブレーキ制御を実行可能である。
<ブレーキシステムの構成>
本実施の形態に係るブレーキシステムの構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの概略構成を示す図である。
液圧制御ユニット1は、基体10を備えている。基体10には、マスタシリンダポート11及びホイールシリンダポート12が形成されている。また、液圧制御ユニット1は、アキュムレータ20を備えている。アキュムレータ20は、基体10に設けられ、アンチロックブレーキ制御時に、後述のホイールシリンダ251から逃がしたブレーキ液が貯留されるものである。換言すると、アキュムレータ20は、アンチロックブレーキ制御時に、後述の主流路13から副流路14に流入したブレーキ液が貯留されるものである。
また、基体10には、ブレーキ液の流路として、主流路13、副流路14、戻り流路15及び加圧流路17が形成されている。主流路13は、マスタシリンダポート11とホイールシリンダポート12とを連通させる流路である。副流路14は、主流路13における後述の込め弁41を基準として後述のホイールシリンダ251側となる領域に、一端である端部14aが接続されている。本実施の形態では、副流路14の端部14aは、主流路13の途中部13aに接続されている。また、副流路14は、他端である端部14bがアキュムレータ20に接続されている。詳しくは、副流路14の端部14bは、アキュムレータ20の後述の液溜め部25に接続されている。
戻り流路15は、アキュムレータ20とマスタシリンダポート11とを連通させるものである。後述のように、マスタシリンダポート11には、液管101を介してマスタシリンダ242が接続される。このため、戻り流路15は、アキュムレータ20とマスタシリンダ242とを連通させるものということもできる。本実施の形態では、戻り流路15の一端である端部15aは、アキュムレータ20に接続されている。詳しくは、戻り流路15の端部15aは、アキュムレータ20の後述の液溜め部25に接続されている。また、戻り流路15の他端である端部15bは、主流路13の途中部13bに接続されている。なお、戻り流路15の端部15bは、後述する込め弁41を基準としてマスタシリンダポート11側に接続されていればよい。例えば、戻り流路15の端部15bは、マスタシリンダポート11に接続されていてもよい。また、図2では、副流路14の端部14b側の流路と、戻り流路15の端部15a側の流路とが、一体の流路として形成され、アキュムレータ20に接続されている。しかしながら、当該構成は、あくまでも一例である。例えば、副流路14の端部14b側の流路と、戻り流路15の端部15a側の流路とは、別体の流路として形成され、アキュムレータ20に接続されていてもよい。
加圧流路17は、アキュムレータ20とマスタシリンダポート11とを連通させるものである。上述のように、マスタシリンダポート11には、液管101を介してマスタシリンダ242が接続される。このため、加圧流路17は、アキュムレータ20とマスタシリンダ242とを連通させるものということもできる。本実施の形態では、加圧流路17の一端である端部17aは、アキュムレータ20に接続されている。詳しくは、加圧流路17の端部17aは、アキュムレータ20の後述の液受け部26に接続されている。また、加圧流路17の他端である端部17bは、主流路13の途中部13cに接続されている。なお、加圧流路17の端部17bは、後述する込め弁41を基準としてマスタシリンダポート11側に接続されていればよい。例えば、加圧流路17の端部17bは、主流路13のうちの途中部13bと込め弁41との間の領域に接続されていてもよく、途中部13bに接続されていてもよく、マスタシリンダポート11に接続されていてもよい。
マスタシリンダポート11には、液管101を介して制動操作部240が接続される。制動操作部240は、ブレーキ操作部の一例であるブレーキレバー241と、マスタシリンダ242と、リザーバ243と、を備えている。制動操作部240の構成のうち、マスタシリンダ242が液管101に接続される。すなわち、マスタシリンダポート11には、マスタシリンダ242に連通する液管101が接続される。また、マスタシリンダ242は、ブレーキレバー241の運転手の操作に連動して移動するピストン部(図示省略)を備えており、液管101及びマスタシリンダポート11を介して、主流路13に接続されている。ピストン部の移動によって、主流路13のブレーキ液の圧力が上昇又は減少する。また、リザーバ243には、マスタシリンダ242のブレーキ液が貯留される。
ホイールシリンダポート12には、液管102を介して前輪制動部250が接続される。前輪制動部250は、ホイールシリンダ251と、ロータ252と、を備えている。前輪制動部250の構成のうち、ホイールシリンダ251が液管102に接続される。すなわち、ホイールシリンダポート12には、ホイールシリンダ251に連通する液管102が接続される。ホイールシリンダ251は、フロントフォーク216の下端部に取り付けられている。ホイールシリンダ251は、液管102の液圧に連動して移動するピストン部(図示省略)を備えており、液管102及びホイールシリンダポート12を介して、主流路13に接続されている。すなわち、主流路13は、マスタシリンダ242とホイールシリンダ251とを連通させる流路である。ロータ252は、前輪217に保持され、前輪217と共に回転する。ホイールシリンダ251のピストン部の移動によって、ロータ252にブレーキパッド(図示省略)が押し付けられることで、前輪217が制動される。
また、液圧制御ユニット1は、基体10に設けられた込め弁41、弛め弁42及び制御弁43を備えている。込め弁41は、主流路13に設けられている。具体的には、込め弁41は、主流路13のうちの、途中部13aを基準としてマスタシリンダポート11側となる領域に設けられている。込め弁41の開閉動作によって、主流路13における込め弁41の設置箇所の流路部分が開閉され、この領域を流通するブレーキ液の流量が制御される。弛め弁42は、副流路14に設けられている。弛め弁42の開閉動作によって、副流路14における弛め弁42の設置箇所の流路部分が開閉され、この領域を流通するブレーキ液の流量が制御される。制御弁43は、加圧流路17に設けられている。制御弁43の開閉動作によって、加圧流路17における制御弁43の設置箇所の流路部分が開閉され、この領域を流通するブレーキ液の流量が制御される。
込め弁41は、例えば、非通電状態である時、開状態となり、双方向へのブレーキ液の流動を許容する。そして、込め弁41は、通電されると、閉状態となってブレーキ液の流動を遮断する。すなわち、本実施の形態では、込め弁41は、非通電時開の電磁弁となっている。また、弛め弁42は、例えば、非通電状態である時、閉状態となって、ブレーキ液の流動を遮断する。そして、弛め弁42は、通電されると、開状態となって、アキュムレータ20へ向かう方向のブレーキ液の流動を許容する。すなわち、本実施の形態では、弛め弁42は、非通電時閉の電磁弁となっている。また、制御弁43は、例えば、非通電状態である時、閉状態となって、ブレーキ液の流動を遮断する。そして、制御弁43は、通電されると、開状態となって、アキュムレータ20へ向かう方向のブレーキ液の流動を許容する。すなわち、本実施の形態では、制御弁43は、非通電時閉の電磁弁となっている。なお、本実施の形態では、制御弁43として、閉状態と開状態の二位置に制御される開閉弁を用いている。このような開閉弁を制御弁43として用いることにより、液圧制御ユニット1のコストを低減することができる。
また、液圧制御ユニット1は、基体に10に設けられた逆止弁16を備えている。逆止弁16は、戻り流路15に設けられている。逆止弁16は、アキュムレータ20からマスタシリンダポート11へ向かうブレーキ液の流れを許容し、マスタシリンダポート11からアキュムレータ20へ向かうブレーキ液の流れを規制するものである。換言すると、逆止弁16は、アキュムレータ20からマスタシリンダ242へ向かうブレーキ液の流れを許容し、マスタシリンダ242からアキュムレータ20へ向かうブレーキ液の流れを規制するものである。
また、液圧制御ユニット1は、液圧センサ103及び液圧センサ104を備えている。液圧センサ103は、ホイールシリンダ251のブレーキ液の圧力を検出するためのものである。本実施の形態では、液圧センサ103は、主流路13のうちの込め弁41を基準としてホイールシリンダ251側となる領域に設けられている。液圧センサ104は、マスタシリンダ242のブレーキ液の圧力を検出するためのものである。本実施の形態では、液圧センサ104は、主流路13のうちの込め弁41を基準としてマスタシリンダ242側となる領域に設けられている。
また、液圧制御ユニット1は、制御装置50を備えている。制御装置50には、液圧センサ103、液圧センサ104、前輪217の回転速度を検出するための車輪速センサ(図示省略)等の各種センサの信号が入力される。なお、制御装置50の各部が、纏められて配設されていてもよく、また、分散して配設されていてもよい。制御装置50は、例えば、マイコン、マイクロプロセッサユニット等を含んで構成されてもよく、また、ファームウェア等の更新可能なものを含んで構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等を含んで構成されてもよい。
制御装置50は、込め弁41、弛め弁42及び制御弁43への通電を制御する。換言すると、制御装置50は、込め弁41、弛め弁42及び制御弁43の開閉動作を制御することによって、ホイールシリンダ251のブレーキ液の圧力、つまり、前輪217の制動力を制御する。
例えば、制御装置50は、運転手によるブレーキレバー241の操作によって前輪217が制動されている際に、車輪速センサ(図示省略)の信号から、前輪217のロック又はロックの可能性があると判断すると、アンチロックブレーキ制御を開始する。
アンチロックブレーキ制御が開始されると、制御装置50は、込め弁41を閉状態とし、マスタシリンダ242からホイールシリンダ251へのブレーキ液の流動を遮断することで、ホイールシリンダ251のブレーキ液の増圧を抑制する。一方、制御装置50は、弛め弁42を開状態とし、ホイールシリンダ251からアキュムレータ20へのブレーキ液の流動を可能にする。なお、この際、制御装置50は、制御弁43を閉状態としている。これにより、ホイールシリンダ251のブレーキ液は、主流路13の途中部13aから副流路14に流入し、アキュムレータ20へ流入する。そして、ホイールシリンダ251のブレーキ液が減圧される。これにより、前輪217のロックが解除又は回避される。制御装置50は、液圧センサ103の信号から、ホイールシリンダ251のブレーキ液が所定の値まで減圧されたと判断すると、弛め弁42を閉状態とし、短時間の間、込め弁41を開状態として、ホイールシリンダ251のブレーキ液の増圧を行う。なお、この際、制御装置50は、制御弁43を閉状態としている。制御装置50は、ホイールシリンダ251の増減圧を1回のみ行ってもよく、また、複数回繰り返してもよい。
アンチロックブレーキ制御が終了すると、アキュムレータ20内のブレーキ液は、マスタシリンダ242に戻されることとなる。ここで、従来のモータレス式の液圧制御ユニットは、アンチロックブレーキ制御が終了すると、アキュムレータ内のブレーキ液を次のようにマスタシリンダに戻す。アンチロックブレーキ制御が終了すると、従来のモータレス式の液圧制御ユニットは、込め弁を開状態とし、弛め弁を閉状態とする。また、アンチロックブレーキ制御が終了すると、従来のモータレス式の液圧制御ユニットは、アキュムレータ内のピストンを押圧するバネの押圧力によって、アキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻す構成となっている。このため、アンチロックブレーキ制御が終了すると、従来のモータレス式の液圧制御ユニットにおいては、アキュムレータ内のブレーキ液は、バネの押圧力によって(すなわちモータレスで)アキュムレータ外へ排出されて戻り流路に流入し、逆止弁を通ってマスタシリンダに戻ることとなる。しかしながら、従来のモータレス式の液圧制御ユニットにおいては、運転手がブレーキ操作部を強く操作している際、アキュムレータ内のピストンをバネが押圧しても、マスタシリンダのブレーキ液の圧力が高いために、ピストンを移動させることが困難な場合があった。すなわち、従来のモータレス式の液圧制御ユニットは、アキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻すことが困難になり得るという課題があった。
そこで、本実施の形態では、アキュムレータ20内のブレーキ液をマスタシリンダ242に戻すことが困難になることを従来よりも抑制すべく、液圧制御ユニット1を次のように構成している。
<液圧制御ユニットの構成>
図3及び図4は、本発明の実施の形態に係る液圧制御ユニットのアキュムレータ周辺を示す断面図である。図5は、本発明の実施の形態に係る液圧制御ユニットの制御装置を示すブロック図である。
なお、図3は、ホイールシリンダ251から流出したブレーキ液がアキュムレータ20内に貯留されていない状態を示している。また、図4は、ホイールシリンダ251から流出したブレーキ液がアキュムレータ20内に貯留されている状態を示している。また、図5は、制御装置50の機能部のうち、アンチロックブレーキ制御に関連する機能部のみが示されている。
図3及び図4に示すように、アキュムレータ20は、内部に空間が形成された筒部21を備えている。すなわち、筒部21は、該空間を囲う周壁で構成されている。なお、本実施の形態では、当該周壁と基体10とが一体で形成されている。これに限らず、当該周壁の少なくとも一部が基体10と別体で形成され、基体10に固定されていてもよい。筒部21の内部に形成された空間は、段部を有する略円筒形状となっている。すなわち、筒部21の内部に形成された空間は、径の異なる2つの空間が連なった形状となっている。以下、筒部21のうち、径が小さい側の空間が形成されている部分を、小径部22と称する。また、筒部21のうち、径が大きい側の空間が形成されている部分を、大径部23と称する。
また、アキュムレータ20は、筒部21内に往復動自在に設けられたピストン30を備えている。筒部21は、段部を有する略円筒形状となっている。そして、ピストン30の一方の端部である第1端部31が、筒部21の小径部22に、往復動自在に収納されている。また、ピストン30における第1端部31とは反対側の端部である第2端部32が、筒部21の大径部23に、往復動自在に収納されている。第2端部32は、第1端部31と比べ、大径となっている。なお、ピストン30の外周部と筒部21の内周部との間は、Oリング等の図示せぬシール部材でシールされている。
図2及び図4に示すように、ホイールシリンダ251から流出したブレーキ液は、主流路13から副流路14に流入し、アキュムレータ20の液溜め部25に貯留される。すなわち、液溜め部25は、副流路14の端部14bと接続されている。換言すると、アキュムレータ20は、副流路14の端部14bと接続され、主流路13から副流路14に流入したブレーキ液を貯留する液溜め部25を備えている。液溜め部25は、筒部21内がピストン30の第1端部31で区画されて構成されたものである。なお、図3及び図4に示すように、本実施の形態では、液溜め部25は、主流路13から副流路14に流入したブレーキ液がアキュムレータ20に貯留される際、出現する構成となっている。液溜め部25のブレーキ液の圧力は、ピストン30の第1端部31に形成された第1受圧面31aに作用する。換言すると、第1受圧面31aは、液溜め部25のブレーキ液の圧力が作用する面である。なお、第1受圧面31aは、平坦であってもよく、湾曲部を含んでいてもよく、また、段差を含んでいてもよい。
また、図3及び図4に示すように、アキュムレータ20は、液受け部26を備えている。液受け部26は、筒部21内がピストン30の第2端部32で区画されて構成されたものである。液受け部26には、加圧流路17の端部17bが接続されている。このため、制御弁43が開状態となることにより、マスタシリンダ242のブレーキ液が、加圧流路17から液受け部26に流入する。そして、液受け部26のブレーキ液の圧力は、ピストン30の第2端部32に形成された第2受圧面32aに作用する。換言すると、第2受圧面32aは、液受け部26のブレーキ液の圧力が作用する面である。なお、第2受圧面32aは、平坦であってもよく、湾曲部を含んでいてもよく、また、段差を含んでいてもよい。
そして、本実施の形態に係るピストン30においては、第2受圧面32aの面積が第1受圧面31aの面積よりも大きい。ここで、第1受圧面31aに接する液溜め部25のブレーキ液の圧力は、最大で、マスタシリンダ242のブレーキ液と同じ圧力となる。また、第2受圧面32aに接する液受け部26のブレーキ液の圧力は、マスタシリンダ242のブレーキ液と同じ圧力となる。このため、第2受圧面32aの面積が第1受圧面31aの面積よりも大きい構成とすることにより、液受け部26のブレーキ液が第2受圧面32aを押す力は、液溜め部25のブレーキ液が第1受圧面31aを押す力よりも大きくなる。したがって、制御弁43を開状態とし、マスタシリンダ242のブレーキ液を液受け部26に流入させることで、ピストン30は、液溜め部25の容積を小さくする方向に移動し、図4の状態から図3の状態となり、液溜め部25のブレーキ液をアキュムレータ20の外部へ押し出す。この際、込め弁41及び弛め弁42が閉状態となっていれば、ピストン30は、アキュムレータ20の液溜め部25のブレーキ液を戻り流路15に押し出すこととなる。すなわち、本実施の形態に係るアキュムレータ20は、込め弁41及び弛め弁42を閉状態とし、制御弁43を開状態とすることにより、アキュムレータ20の液溜め部25のブレーキ液を、モータレスでマスタシリンダ242に戻すことができる。
なお、本実施の形態では、アキュムレータ20は、液溜め部25の容積を小さくする方向にピストン30を押圧する、バネ等の弾性体27を備えている。このため、本実施の形態に係るアキュムレータ20は、アンチロックブレーキ制御の後、マスタシリンダ242のブレーキ液の圧力が低い場合には、従来と同様に、弾性体27の押圧力によって、アキュムレータ20の液溜め部25のブレーキ液を、モータレスでマスタシリンダ242に戻すこともできる。
図5に示すように、本実施の形態に係る制御装置50は、機能部として、アンチロックブレーキ制御実行部51、ブレーキ液戻し制御実行部52、及び液圧回復制御実行部53を備えている。アンチロックブレーキ制御実行部51は、上述のアンチロックブレーキ制御を実行する機能部である。すなわち、アンチロックブレーキ制御実行部51は、前輪217のロック又はロックの可能性がある場合、込め弁41を閉状態とし、弛め弁42を開状態とし、制御弁43を閉状態とする。
ブレーキ液戻し制御実行部52は、アンチロックブレーキ制御の後に、ブレーキ液戻し制御を実行する機能部である。換言すると、制御装置50は、アンチロックブレーキ制御の後に、ブレーキ液戻し制御を実行する構成となっている。ブレーキ液戻し制御では、ブレーキ液戻し制御実行部52は、込め弁41を閉状態とし、弛め弁42を閉状態とし、制御弁43を開状態とする。
これにより、上述のように、マスタシリンダ242のブレーキ液がアキュムレータ20の液受け部26に流入し、液受け部26に供給されたブレーキ液の圧力がピストン30の第2受圧面32aに作用する。この際、ピストン30は、第2受圧面32aの面積が第1受圧面31aの面積よりも大きくなっている。このため、ピストン30は、アンチロックブレーキ制御時にアキュムレータ20の液溜め部25に貯留されたブレーキ液を、戻り流路15に押し出す。そして、戻り流路15に押し出されたブレーキ液は、戻り流路15を通って、マスタシリンダ242に戻る。
このように、ブレーキ液戻し制御では、液受け部26に供給されたブレーキ液の圧力を用いて、アンチロックブレーキ制御時にアキュムレータ20の液溜め部25に貯留されたブレーキ液を、マスタシリンダ242に戻す。このため、ブレーキ液戻し制御では、鞍乗型車両200の運転手がブレーキレバー241を操作中でも、アンチロックブレーキ制御時にアキュムレータ20の液溜め部25に貯留されたブレーキ液を、マスタシリンダ242に戻すことができる。したがって、ブレーキ液戻し制御を実行する本実施の形態に係る液圧制御ユニット1は、従来のモータレス式の液圧制御ユニットではアキュムレータ内のブレーキ液をマスタシリンダに戻すことが困難になる状況においても、アキュムレータ20内のブレーキ液をマスタシリンダ242に戻すことができる可能性が上がる。このため、本実施の形態に係る液圧制御ユニット1は、アキュムレータ20内のブレーキ液をマスタシリンダ242に戻すことが困難になることを従来よりも抑制できる。
なお、ブレーキ液戻し制御は、アンチロックブレーキ制御の後、直ぐに実行されてもよく、所定時間経過後に実行されてもよい。また、ブレーキ液戻し制御は、アンチロックブレーキ制御の後、他の何らかの制御が行われることなく実行されてもよく、他の何らかの制御が行われた後に実行されてもよい。また、アンチロックブレーキ制御の後、弾性体27の押圧力によって、アキュムレータ20の液溜め部25のブレーキ液をマスタシリンダ242に戻すことができる場合には、ブレーキ液戻し制御は実行されなくてもよい。例えば、マスタシリンダ242のブレーキ液の圧力を検出する液圧センサ104の検出値が規定値以下の場合、ブレーキ液戻し制御を実行しない構成としてもよい。
液圧回復制御実行部53は、ブレーキ液戻し制御の後に、液圧回復制御を実行する機能部である。換言すると、制御装置50は、ブレーキ液戻し制御の後に、液圧回復制御を実行する構成となっている。液圧回復制御は、ブレーキ液戻し制御の後に実行すると好適な制御である。液圧回復制御では、液圧回復制御実行部53は、込め弁41を開状態とし、弛め弁42を閉状態とし、制御弁43を閉状態とする。ブレーキ液戻し制御の終了後に、鞍乗型車両200の運転手がブレーキレバー241を操作中だった場合、液圧回復制御を実行することにより、マスタシリンダ242からホイールシリンダ251へブレーキ液が流入する。これにより、ブレーキ液戻し制御の後に、ホイールシリンダ251のブレーキ液の圧力を早期に回復させることができ、液圧制御ユニット1を搭載した鞍乗型車両の200の安全性が向上する。
すなわち、本実施の形態に係る液圧制御ユニット1の制御装置50は、アンチロックブレーキ制御の実行条件が成立すると、以下の図6に示す制御動作を行う。
図6は、本発明の実施の形態に係る液圧制御ユニットがアンチロックブレーキ制御実行時に行う制御動作の一例を説明するための制御フロー図である。
液圧制御ユニット1の制御装置50は、アンチロックブレーキ制御の実行条件が成立すると、ステップS1において、図6に示す制御動作を開始する。ステップS1の後のステップS2において、制御装置50のアンチロックブレーキ制御実行部51は、上述のアンチロックブレーキ制御を実行する。また、ステップS2の後のステップS3において、制御装置50のブレーキ液戻し制御実行部52は、上述のブレーキ液戻し制御を実行する。また、ステップS3の後のステップS4において、制御装置50の液圧回復制御実行部53は、上述の液圧回復制御を実行する。そして、ステップS5において、制御装置50は、図6に示す制御動作を終了する。その後、制御装置50は、アンチロックブレーキ制御の実行条件が成立すると、再び、図6に示す制御動作を開始する。
<液圧制御ユニットの効果>
本実施の形態に係る液圧制御ユニットの効果について説明する。
本実施の形態に係る液圧制御ユニット1は、鞍乗型車両200に搭載され、且つ、アンチロックブレーキ制御を実行可能なブレーキシステム100の液圧制御ユニットである。液圧制御ユニット1は、込め弁41と、弛め弁42と、アキュムレータ20と、逆止弁16とを備えている。込め弁41は、マスタシリンダ242とホイールシリンダ251とを連通させる主流路13に設けられ、該主流路13を開閉するものである。弛め弁42は、主流路13における込め弁41を基準としてホイールシリンダ251側となる領域に端部14aが接続された副流路14に設けられ、該副流路14を開閉するものである。アキュムレータ20は、副流路14の端部14bに接続され、主流路13から副流路14に流入したブレーキ液を貯留するものである。逆止弁16は、アキュムレータ20とマスタシリンダ242とを連通させる戻り流路15に設けられ、アキュムレータ20からマスタシリンダ242へ向かうブレーキ液の流れを許容し、マスタシリンダ242からアキュムレータ20へ向かうブレーキ液の流れを規制するものである。また、液圧制御ユニット1は、アキュムレータ20内のブレーキ液をモータレスでマスタシリンダ242へ戻す構成となっている。また、アキュムレータ20は、液溜め部25と、ピストン30と、液受け部26とを備えている。液溜め部25は、副流路14の端部14bと接続され、アキュムレータ20のうち、主流路13から副流路14に流入したブレーキ液を貯留する部分である。ピストン30は、往復動自在に設けられ、第1端部31に形成された第1受圧面31aに液溜め部25のブレーキ液の圧力が作用し、液溜め部25のブレーキ液を戻り流路15に押し出すものである。液受け部26は、アキュムレータ20のうち、ピストン30の第1端部31とは反対側の端部である第2端部32によって区画される部分である。液圧制御ユニット1には、さらに、マスタシリンダ242と液受け部26とを連通させる加圧流路17が形成されている。また、液圧制御ユニット1は、さらに、加圧流路17に設けられ、該加圧流路17を開閉する制御弁43を備え、加圧流路17から液受け部26に流入したブレーキ液の圧力がピストン30のる第2端部32に形成された第2受圧面32aに作用する構成となっている。そして、液圧制御ユニット1は、第2受圧面32aの面積が第1受圧面31aの面積よりも大きい。
このように構成された液圧制御ユニット1は、液受け部26に供給されたブレーキ液の圧力を用いて、アンチロックブレーキ制御時にアキュムレータ20の液溜め部25に貯留されたブレーキ液をマスタシリンダ242に戻す。このため、このように構成された液圧制御ユニット1においては、鞍乗型車両200の運転手がブレーキレバー241を操作中でも、アンチロックブレーキ制御時にアキュムレータ20の液溜め部25に貯留されたブレーキ液をマスタシリンダ242に戻すことができる。したがって、このように構成された液圧制御ユニット1は、アキュムレータ20内のブレーキ液をマスタシリンダ242に戻すことが困難になることを従来よりも抑制できる。
<変形例>
図7は、本発明の実施の形態に係る液圧制御ユニットの変形例のアキュムレータ周辺を示す断面図である。
図7に示す液圧制御ユニット1は、アキュムレータ20のピストン30の位置を検出する検出装置60を備えている。検出装置60の構成は、特に限定されない。例えば、ピストン30が特定の位置に到達したことを磁気によって検出する磁気センサ、及び、ピストン30が特定の位置に到達したときにオンとオフの信号が切り替わるオンオフセンサ等を、検出装置60として用いることができる。また、例えば、ピストン30の位置を常時検出するストロークセンサ等を、検出装置60として用いることができる。
図7のように構成された液圧制御ユニット1は、ピストン30の位置を検出することにより、液溜め部25の容量を正確に把握することができる。すなわち、図7のように構成された液圧制御ユニット1は、アキュムレータ20に貯留されているブレーキ液の量を正確に把握することができる。したがって、図7のように構成された液圧制御ユニット1は、より適切なタイミングでブレーキ液戻し制御を実行でき、ブレーキ液戻し制御が過度に実行されることを抑制できる。
以上、実施の形態において本発明に係る液圧制御ユニットの一例について説明したが、本発明に係る液圧制御ユニットは実施の形態の説明に限定されない。例えば、本発明に係る液圧制御ユニットは、実施の形態の説明の一部のみが実施されていてもよい。
1 液圧制御ユニット、10 基体、11 マスタシリンダポート、12 ホイールシリンダポート、13 主流路、13a 途中部、13b 途中部、13c 途中部、14 副流路、14a 端部、14b 端部、15 戻り流路、15a 端部、15b 端部、16 逆止弁、17 加圧流路、17a 端部、17b 端部、20 アキュムレータ、21 筒部、22 小径部、23 大径部、25 液溜め部、26 液受け部、27 弾性体、30 ピストン、31 第1端部、31a 第1受圧面、32 第2端部、32a 第2受圧面、41 込め弁、42 弛め弁、43 制御弁、50 制御装置、51 アンチロックブレーキ制御実行部、52 ブレーキ液戻し制御実行部、53 液圧回復制御実行部、60 検出装置、100 ブレーキシステム、101 液管、102 液管、103 液圧センサ、104 液圧センサ、200 鞍乗型車両、210 フレーム、211 ヘッドチューブ、212 トップチューブ、213 ダウンチューブ、214 シートチューブ、215 ステー、216 フロントフォーク、217 前輪、218 サドル、219 ペダル、220 後輪、230 旋回部、231 ステアリングコラム、232 ハンドルステム、233 ハンドルバー、240 制動操作部、241 ブレーキレバー、242 マスタシリンダ、243 リザーバ、250 前輪制動部、251 ホイールシリンダ、252 ロータ、260 後輪制動部、270 電源ユニット。

Claims (8)

  1. 鞍乗型車両(200)に搭載され、且つ、アンチロックブレーキ制御を実行可能なブレーキシステム(100)の液圧制御ユニット(1)であって、
    マスタシリンダ(242)とホイールシリンダ(251)とを連通させる主流路(13)に設けられ、該主流路(13)を開閉する込め弁(41)と、
    前記主流路(13)における前記込め弁(41)を基準として前記ホイールシリンダ(251)側となる領域に一端(14a)が接続された副流路(14)に設けられ、該副流路(14)を開閉する弛め弁(42)と、
    前記副流路(14)の他端(14b)に接続され、前記主流路(13)から前記副流路(14)に流入したブレーキ液を貯留するアキュムレータ(20)と、
    前記アキュムレータ(20)と前記マスタシリンダ(242)とを連通させる戻り流路(15)に設けられ、前記アキュムレータ(20)から前記マスタシリンダ(242)へ向かうブレーキ液の流れを許容し、前記マスタシリンダ(242)から前記アキュムレータ(20)へ向かうブレーキ液の流れを規制する逆止弁(16)と、
    を備え、
    前記アキュムレータ(20)内のブレーキ液をモータレスで前記マスタシリンダ(242)へ戻す構成であり、
    前記アキュムレータ(20)は、
    前記副流路(14)の前記他端(14b)と接続され、前記主流路(13)から前記副流路(14)に流入したブレーキ液を貯留する液溜め部(25)と、
    往復動自在に設けられ、第1端部(31)に形成された第1受圧面(31a)に前記液溜め部(25)のブレーキ液の圧力が作用し、前記液溜め部(25)のブレーキ液を前記戻り流路(15)に押し出すピストン(30)と、
    前記ピストン(30)の前記第1端部(31)とは反対側の端部である第2端部(32)によって区画される液受け部(26)と、
    を備え、
    当該液圧制御ユニット(1)には、さらに、前記マスタシリンダ(242)と前記液受け部(26)とを連通させる加圧流路(17)が形成されており、
    当該液圧制御ユニット(1)は、さらに、前記加圧流路(17)に設けられ、該加圧流路(17)を開閉する制御弁(43)を備え、
    前記加圧流路(17)から前記液受け部(26)に流入したブレーキ液の圧力が、前記ピストン(30)の前記第2端部(32)に形成された第2受圧面(32a)に作用する構成であり、
    前記第2受圧面(32a)の面積が前記第1受圧面(31a)の面積よりも大きい
    液圧制御ユニット(1)。
  2. 前記込め弁(41)、前記弛め弁(42)及び前記制御弁(43)を制御する制御装置(50)を備え、
    前記制御装置(50)は、
    前記込め弁(41)を閉状態とし、前記弛め弁(42)を開状態とし、前記制御弁(43)を閉状態とする前記アンチロックブレーキ制御(S2)の後、
    前記込め弁(41)を閉状態とし、前記弛め弁(42)を閉状態とし、前記制御弁(43)を開状態とするブレーキ液戻し制御(S3)を実行する構成である
    請求項1に記載の液圧制御ユニット(1)。
  3. 前記制御装置(50)は、
    前記ブレーキ液戻し制御(S3)の後、
    前記込め弁(41)を開状態とし、前記弛め弁(42)を閉状態とし、前記制御弁(43)を閉状態とする液圧回復制御(S4)を実行する構成である
    請求項2に記載の液圧制御ユニット(1)。
  4. 前記制御弁(43)は、閉状態と開状態の二位置に制御される開閉弁である
    請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の液圧制御ユニット(1)。
  5. 前記ピストン(30)の位置を検出する検出装置(60)を備えている
    請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の液圧制御ユニット(1)。
  6. 請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の液圧制御ユニット(1)を備えている
    鞍乗型車両(200)。
  7. 鞍乗型車両(200)に搭載され、且つ、アンチロックブレーキ制御(S2)を実行可能なブレーキシステム(100)の液圧制御ユニット(1)の制御方法であって、
    前記液圧制御ユニット(1)は、
    マスタシリンダ(242)とホイールシリンダ(251)とを連通させる主流路(13)に設けられ、該主流路(13)を開閉する込め弁(41)と、
    前記主流路(13)における前記込め弁(41)を基準として前記ホイールシリンダ(251)側となる領域に一端(14a)が接続された副流路(14)に設けられ、該副流路(14)を開閉する弛め弁(42)と、
    前記副流路(14)の他端(14b)に接続され、前記主流路(13)から前記副流路(14)に流入したブレーキ液を貯留するアキュムレータ(20)と、
    前記アキュムレータ(20)と前記マスタシリンダ(242)とを連通させる戻り流路(15)に設けられ、前記アキュムレータ(20)から前記マスタシリンダ(242)へ向かうブレーキ液の流れを許容し、前記マスタシリンダ(242)から前記アキュムレータ(20)へ向かうブレーキ液の流れを規制する逆止弁(16)と、
    を備え、
    前記アキュムレータ(20)内のブレーキ液をモータレスで前記マスタシリンダ(242)へ戻す構成であり、
    前記アキュムレータ(20)は、
    前記副流路(14)の前記他端(14b)と接続され、前記主流路(13)から前記副流路(14)に流入したブレーキ液を貯留する液溜め部(25)と、
    往復動自在に設けられ、第1端部(31)に形成された第1受圧面(31a)に前記液溜め部(25)のブレーキ液の圧力が作用し、前記液溜め部(25)のブレーキ液を前記戻り流路(15)に押し出すピストン(30)と、
    前記ピストン(30)の前記第1端部(31)とは反対側の端部である第2端部(32)によって区画される液受け部(26)と、
    を備え、
    当該液圧制御ユニット(1)には、さらに、前記マスタシリンダ(242)と前記液受け部(26)とを連通させる加圧流路(17)が形成されており、
    当該液圧制御ユニット(1)は、さらに、前記加圧流路(17)に設けられ、該加圧流路(17)を開閉する制御弁(43)と、
    前記込め弁(41)、前記弛め弁(42)及び前記制御弁(43)を制御する制御装置(50)と、
    を備え、
    前記加圧流路(17)から前記液受け部(26)に流入したブレーキ液の圧力が、前記ピストン(30)の前記第2端部(32)に形成された第2受圧面(32a)に作用する構成であり、
    前記第2受圧面(32a)の面積が前記第1受圧面(31a)の面積よりも大きく、
    前記制御装置(50)が、
    前記込め弁(41)を閉状態とし、前記弛め弁(42)を開状態とし、前記制御弁(43)を閉状態とする前記アンチロックブレーキ制御(S2)の後、
    前記込め弁(41)を閉状態とし、前記弛め弁(42)を閉状態とし、前記制御弁(43)を開状態とするブレーキ液戻し制御(S3)を実行する
    液圧制御ユニット(1)の制御方法。
  8. 前記制御装置(50)が、
    前記ブレーキ液戻し制御(S3)の後、
    前記込め弁(41)を開状態とし、前記弛め弁(42)を閉状態とし、前記制御弁(43)を閉状態とする液圧回復制御(S4)を実行する
    請求項7に記載の液圧制御ユニット(1)の制御方法。
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