JP2024047270A - 1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の製造方法 - Google Patents

1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の製造方法 Download PDF

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達也 古川
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Abstract

【課題】向上した生産性を有する、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】(1)式(A)の化合物(A)と、式(B)を有し、2以上のカルボキシ基を有する化合物(B)とを混合することによりエステル化反応を行う工程、(2)得られた反応混合物、Po/w(C)が0.7以上の有機溶媒(C)、塩基性化合物(D)、水及びPo/w(E)が0.5以下の化合物(E)を混合した後に分液操作により水層を抜き取り、1以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の有機溶媒(C)の溶液を取得する工程を含み、Po/w(C)とPo/w(E)との差は0.5以上である、1以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の製造方法。

Description

本発明は、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の製造方法に関する。
近年、フラットパネル表示装置(FPD)に用いられる、偏光板、位相差板等の光学フィルムに適用され得る液晶材料が注目されており、液晶材料の中間体として、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物が好ましく用いられている。
1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の製造方法としては、アルコールとジカルボン酸クロリドとを反応させる方法、アルコールとジカルボン酸とを任意に縮合剤の存在下で反応させる方法(特許文献1)、ジカルボン酸の保護及び脱保護を経てモノエステル化を行う方法等が知られている。
特開2015-157776号公報
従来の製造方法では、未反応物及び/又は副生成物の除去が課題となることがあった。その除去方法又はそれらの除去方法としては、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて除去する方法等が知られているが、この方法は、工業スケールでの製造には適さない。
本発明では、向上した生産性を有する、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の好適な実施形態を提供するものである。
[1](1)式(A):
Figure 2024047270000001
[式中、
は、2価の脂肪族炭化水素基、又は2価の脂環式炭化水素基、又は2価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基は炭素数1~13のアルカンジイル基であり、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-OCO-、-C(=O)-O-、-S-又は-N(R)-で置き換わっていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-又は-N(R)-で置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる-CH(-)-は、-N(-)-又は-S(-)-で置き換わっていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、
は、単結合又は2価の連結基を表し、
kは1~3の整数を表し、kが2以上の整数である場合、複数のA及びBは、互いに同一であっても異なっていてもよく、
は、重合性基又は炭素数1~13のアルキル基を表す]
で示され、1個の水酸基を有する化合物(A)と、式(B):
Figure 2024047270000002
[式中、
及びAは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基、又は2価の芳香族炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-又は-N(R)-で置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる-CH(-)-は、-N(-)-又は-S(-)-で置き換わっていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、
は、単結合又は2価の連結基を表し、
qは1~3の整数を表し、rは1~3の整数を表し、sは0又は1を表し、ただし、qが1のとき、rは2又は3である]
で示され、2個以上のカルボキシ基を有する化合物(B)とを混合することにより、エステル化反応を行う工程、並びに
(2)得られた反応混合物、オクタノール/水分配係数Po/w(C)が0.7以上の有機溶媒(C)、塩基性化合物(D)、水、及びオクタノール/水分配係数Po/w(E)が0.5以下の化合物(E)を混合した後に分液操作により水層を抜き取り、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の有機溶媒(C)の溶液を取得する工程
を含み、Po/w(C)とPo/w(E)との差は0.5以上である、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の製造方法。
[2]工程(1)におけるエステル化反応は縮合剤(F)の存在下で行われる、前記[1]に記載の方法。
[3]縮合剤(F)はカルボジイミド化合物である、前記[2]に記載の方法。
[4]縮合剤(F)は非水溶性である、前記[2]又は[3]に記載の方法。
[5]化合物(E)は水酸基を有する、前記[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]有機溶媒(C)は、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素及びエステル系溶媒からなる群から選択される1以上の溶媒である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、向上した生産性を有する、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の製造方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
本発明の、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物〔以下、化合物(T)と称することがある〕の製造方法は、下記工程(1)及び(2)を含む。
工程(1):式(A)で示され、1個の水酸基を有する化合物(A)〔本明細書において、化合物(A)と称することがある〕と、式(B)で示され、2個以上のカルボキシ基を有する化合物(B)〔本明細書において、化合物(B)と称することがある〕とを混合することにより、エステル化反応を行う工程。
工程(2):得られた反応混合物、オクタノール/水分配係数Po/w(C)が0.7以上の有機溶媒(C)〔本明細書において、有機溶媒(C)と称することがある〕、塩基性化合物(D)、水、及びオクタノール/水分配係数Po/w(E)が0.5以下の化合物(E)〔本明細書において、化合物(E)と称することがある〕を混合した後に分液操作により水層を抜き取り、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の有機溶媒(C)の溶液を取得する工程。ここで、Po/w(C)とPo/w(E)との差は0.5以上である。
[工程(1)]
<化合物(A)>
1個の水酸基を有する化合物(A)は、式(A):
Figure 2024047270000003
[式中、
は、2価の脂肪族炭化水素基、又は2価の脂環式炭化水素基、又は2価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基は炭素数1~13のアルカンジイル基であり、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-OCO-、-C(=O)-O-、-S-又は-N(R)-で置き換わっていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-又は-N(R)-で置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる-CH(-)-は、-N(-)-又は-S(-)-で置き換わっていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、
は、単結合又は2価の連結基を表し、
kは1~3の整数を表し、kが2以上の整数である場合、複数のA及びBは、互いに同一であっても異なっていてもよく、
は、重合性基又は炭素数1~13のアルキル基を表す]
で示される。
、B、P及びkは、所望する1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物に応じて随意に選択できる。
は、好ましくは、炭素数1~13のアルカンジイル基、炭素数3~10の2価の脂環式炭化水素基、又は炭素数6~20の2価の芳香族炭化水素基である。
炭素数1~13のアルカンジイル基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、オクタンジイル基、デカンジイル基及びウンデカンジイル基等が挙げられる。
アルカンジイル基に含まれる-CH-が、-O-、-OCO-、-C(=O)-O-、-S-又は-N(R)-に置き換わったアルカンジイル基の例としては、式(b-1)~式(b-12)で示される基が挙げられる。
Figure 2024047270000004
炭素数1~13のアルカンジイル基に含まれる水素原子は、メトキシ基若しくはエトキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基、又はフッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
炭素数1~13のアルカンジイル基は、より好ましくは炭素数1~8のアルカンジイル基である。
2価の脂環式炭化水素基の例としては、式(g-1)~式(g-4)で示される基が挙げられる。脂環式炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-S-又は-N(R)-に置き換わった2価の脂環式炭化水素基の例としては、式(g-5)~式(g-8)で示される基が挙げられる。脂環式炭化水素基に含まれる-CH(-)-は-N(-)-に置き換わっていてもよい。脂環式炭化水素基に含まれる-CH(-)-が、-N(-)-に置き換わった2価の脂環式炭化水素基の例としては、式(g-9)~式(g-10)で示される基が挙げられる。5員環又は6員環の脂環式炭化水素基であることが好ましい。
Figure 2024047270000005
2価の脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基等の炭素数1~4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~4のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換された炭素数1~4のアルキル基、例えば、トリフルオロメチル基等の炭素数1~4のフルオロアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換された炭素数1~4のアルコキシ基、例えば、トリフルオロメトキシ基等の炭素数1~4のフルオロアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基;で置換されていてもよい。
2価の脂環式炭化水素基は、式(g-1)で示される基であることが好ましく、1,4-シクロヘキサンジイル基であることがさらに好ましく、trans-1,4-シクロへキサンジイル基であることが特に好ましい。
2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、式(a-1)~式(a-8)及び式(a-10)~式(a-11)で示される基が挙げられる。芳香族炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-又は-N(R)-で置き換わっていてもよい。芳香族炭化水素基に含まれる-CH-が-S-に置き換わった2価の芳香族炭化水素基の例としては、式(a-9)で示される基が挙げられる。
Figure 2024047270000006
2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基等の炭素数1~4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~4のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換された炭素数1~4のアルキル基、例えば、トリフルオロメチル基等の炭素数1~4のフルオロアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換された炭素数1~4のアルコキシ基、例えば、トリフルオロメトキシ基等の炭素数1~4のフルオロアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基;で置換されていてもよい。
2価の芳香族炭化水素基としては、式(a-1)で示される基、式(a-3)で示される基、式(a-9)で示される基又は式(a-11)で示される基が好ましく、1,4-フェニレン基がより好ましい。
は、好ましくは、-CR1516-、-(CH-、-(CH-OCO-、-OCO-(CH-、-(CH-C(=O)O-、-C(=O)O-(CH-、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-O-C(=O)-O-、-C(=S)-O-、-O-C(=S)-、-O-C(=S)-O-、-C(=O)-N(R17)-、-N(R17)-C(=O)-、-O-(CH-、-(CH-O-、-SCH-、-CHS-、-C(=O)-S-、-S-C(=O)-、-(C=S)-S-、-S-C(=S)-、-NH-C(=O)-O-、-O-C(=O)-NH-、-NH-C(=O)-NH-、-N(R17)-、-S(=O)-、-O-S(=O)-O-、-N=N-又は単結合である。
より好ましくは、-(CH-、-(CH-OCO-、-OCO-(CH-、-(CH-C(=O)O-、-C(=O)O-(CH-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-NH-C(=O)-、-O-(CH-、-(CH-O-、又は単結合であり、さらに好ましくは-(CH-O-又は単結合である。
ここで、t及びuは、それぞれ独立に、1~13の整数、好ましくは1~8の整数、より好ましくは1~6の整数である。
15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。
17は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。炭素数1~4のアルキル基としては、例えば、前記と同じものが挙げられる。
kは、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
は、重合性基又は炭素数1~13のアルキル基を表す。
本明細書における重合性基とは、重合反応に関与し得る基を含む基である。重合反応に関与し得る基の例としては、ビニル基、p-(2-フェニルエテニル)フェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、カルボキシ基、メチルカルボニル基、水酸基、カルバモイル基、炭素数1~4のアルキルアミノ基、アミノ基、ホルミル基、-N=C=O、-N=C=S、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。
かかる重合性基の例としては、重合反応に関与し得る基、並びに重合反応に関与し得る基に1個以上の(好ましくは1個又は2個の)Bで示される2価の連結基と同じ基及び/又は1個以上の(好ましくは1個の)アルキル基(例えば、メチル基、エチル基若しくはプロピル基等)が結合した基が挙げられる。
重合性基は、光重合に適するという点で、ラジカル重合性基又はカチオン重合性基が好ましく、取り扱いが容易で、製造も容易であるという点で、アクリロイル基又はメタクリロイル基が好ましく、重合性が高いという点で、アクリロイル基がより好ましい。
別の一実施形態では、重合性基は、好ましくは、重合反応に関与し得る基に、1個以上のBで示される2価の連結基と同じ基及び/又は1個以上のアルキル基が結合した基である。そのような基の例としては、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基にBで示される2価の連結基〔例えば、-O-、又は-O-及び-(CH-OCO-、又は-O-及び-(CH-O-〕が結合した基、オキシラニル基にBで示される2価の連結基〔例えば、-(CH-O-〕が結合した基、オキセタニル基にエチル基及びBで示される2価の連結基〔例えば、-(CH-O-〕が結合した基が挙げられる。
炭素数1~13のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びトリデシル基及び等が挙げられる。好ましい例は、炭素数1~6のアルキル基であり、その例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられる。
化合物(A)の例としては、具体的に、下記式(5-1-a)~(5-39-j)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2024047270000007
Figure 2024047270000008
Figure 2024047270000009
Figure 2024047270000010
Figure 2024047270000011
Figure 2024047270000012
Figure 2024047270000013
Figure 2024047270000014
Figure 2024047270000015
Figure 2024047270000016
Figure 2024047270000017

Figure 2024047270000018

Figure 2024047270000019
<化合物(B)>
2個以上のカルボキシ基を有する化合物(B)は、式(B):
Figure 2024047270000020
[式中、
及びAは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基、又は2価の芳香族炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-又は-N(R)-で置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる-CH(-)-は、-N(-)-又は-S(-)-で置き換わっていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、
は、単結合又は2価の連結基を表し、
qは1~3の整数を表し、rは1~3の整数を表し、sは0又は1を表し、ただし、qが1のとき、rは2又は3である]
で示される。
、A、B、q、r及びsは、所望する1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物に応じて随意に選択できる。
及びAとしては、Aにおける2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基と同じものが挙げられる。
としては、Bと同じものが挙げられる。
qは、好ましくは1である。
rは、好ましくは2である。
sは、好ましくは0である。
化合物(B)は、好ましくは(B1)で示される化合物であり、より好ましくは(B2)で示される化合物である。
Figure 2024047270000021
[式中、mは0~3の整数を表し、pは0又は1を表す]
mは、好ましくは0又は1、より好ましくは0であり、pは好ましくは1である。
化合物(B)の具体的な例としては、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、3-メチル-1,2-シクロペンタンジカルボン酸、2-メチル-1,3-シクロペンタンジカルボン酸、3,4-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、2-メチル-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,5-ジメチル-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,6-ジメチル-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、2,2’-ビフェニルジカルボン酸、1,3-アダマンタンジカルボン酸、アントラキノン-2,3-ジカルボン酸、アゾベンゼン-3,3’-ジカルボン酸、アゾベンゼン-4,4’-ジカルボン酸、ベンゾフェノン-4,4’-ジカルボン酸、2,2’-ビキノリン-4,4’-ジカルボン酸、2,2’-ビピリジン-3,3’-ジカルボン酸、2,2’-ビピリジン-4,4’-ジカルボン酸、2,2’-ビピリジン-5,5’-ジカルボン酸、2,2’-ビピリジン-6,6’-ジカルボン酸、ケリダム酸、ケリドン酸、1,1’-シクロブタンジカルボン酸、1,1’-シクロプロパンジカルボン酸、エポキシこはく酸、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、ジフェニルエーテル-4,4’-ジカルボン酸、2,5-チオフェンジカルボン酸、2,3-ピリジンジカルボン酸、2,6-ピリジンジカルボン酸、2,5-フランジカルボン酸、1,1’-フェロセンジカルボン酸、1,2-ベンゼンジカルボン酸、1,3-ベンゼンジカルボン酸、1,4-ベンゼンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,2’-ジチオ二安息香酸、及び2,3-ノルボルナンジカルボン酸等が挙げられる。化合物(B)は、好ましくは1,4-シクロヘキサンジカルボン酸であり、より好ましくはトランス-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸である。
化合物(A)1モルに対する化合物(B)の使用量は、好ましくは1~10モルであり、より好ましくは1~7モルであり、さらに好ましくは1~5モルである。
化合物(A)1モルに対する化合物(B)の使用量が前記下限値以上であると、化合物(T)の十分な収率が達成されやすい。化合物(A)1モルに対する化合物(B)の使用量が前記上限値以下であると、未反応の化合物(B)を除去するための後処理作業が煩雑になって生産性が低下する問題が起こりにくい。
<縮合剤(F)>
エステル化反応は、好ましくは縮合剤の存在下で行われる。
縮合剤の例としては、1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリノエチル)カルボジイミドメト-パラ-トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(水溶性カルボジイミド:WSCとして市販)、ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド及びビス(トリメチルシリル)カルボジイミド等のカルボジイミド化合物、2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物、2,2’-カルボニルビス-1H-イミダゾール、1,1’-オキサリルジイミダゾール、ジフェニルホスフォリルアジド、1-(4-ニトロベンゼンスルフォニル)-1H-1,2,4-トリアゾール、1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、N,N,N’,N’-テトラメチル-O-(N-スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボレート、N-(1,2,2,2-テトラクロロエトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N-カルボベンゾキシスクシンイミド、O-(6-クロロベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート、O-(6-クロロベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、2-ブロモ-1-エチルピリジニウムテトラフルオロボレート、2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムクロリド、2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロホスフェート、2-クロロ-1-メチルピリジニウムアイオダイド、2-クロロ-1-メチルピリジニウム-パラ-トルエンスルホネート、2-フルオロ-1-メチルピリジニウム-パラ-トルエンスルホネート、及びトリクロロ酢酸ペンタクロロフェニルエステル等が挙げられる。
縮合剤を使用する場合、これらの縮合剤を単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
カルボジイミド化合物が好ましく、その中では、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、及びビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)カルボジイミドが好ましい。
好ましい一実施形態において、縮合剤(F)は非水溶性である。非水溶性とは、25℃における水への溶解性が1質量%未満であることをいう。
縮合剤(F)が非水溶性であることにより、高収率の反応を実現できる。非水溶性の縮合剤の例としては、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
縮合剤を使用する場合、その使用量は、化合物(A)1モルに対して、通常1~3モルである。
工程(1)におけるエステル化反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒を用いる場合、溶媒は、化合物(B)を溶解できる化合物であればよい。そのような溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン又はメチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;ペンタン、ヘキサン又はヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン又はクロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;テトラヒドロフラン又はジメトキシエタン等のエーテル溶媒;乳酸エチル等のエステル系溶媒;クロロホルム又はジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド又はヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒;等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
溶媒は、好ましくはアセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の親水性有機溶剤であり、より好ましくは、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒である。
溶媒を使用する場合、その使用量は、化合物(B)1質量部に対して、好ましくは0.5~50質量部であり、より好ましくは1~20質量部であり、さらに好ましくは1~10質量部である。
工程(1)において混合する際、さらに、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール等の酸化防止剤、N-ヒドロキシスクシンイミド、ベンゾトリアゾール、パラニトロフェノール等を添加剤として加えてもよい。添加剤を使用する場合、これらの添加剤を単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。添加剤を使用する場合、その使用量は、化合物(A)1モルに対して、好ましくは0.03~1.2モルである。
工程(1)において混合する際、さらに、N,N-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチルアニリン、ジメチルアンモニウムペンタフルオロベンゼンスルホナート等を触媒として加えてもよい。中でも、N,N-ジメチルアミノピリジン及びN,N-ジメチルアニリンが好ましく、N,N-ジメチルアミノピリジンがより好ましい。触媒を使用する場合、これらの触媒を単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
触媒を使用する場合、その使用量は、化合物(A)1モルに対して、好ましくは0.01~0.5モルである。
工程(1)におけるエステル化反応の温度は、好ましくは-20~120℃であり、より好ましくは20~80℃であり、さらに好ましくは30~60℃である。エステル化反応の時間は、好ましくは1分~72時間であり、より好ましくは1~48時間であり、さらに好ましくは1~24時間である。
上記の温度範囲及び時間範囲でエステル化反応を行うことにより、反応収率が向上し、生産性がより高くなる傾向がある。
[工程(2)]
工程(2)では、エステル化反応を行った後、得られた反応混合物、オクタノール/水分配係数Po/w(C)が0.7以上の有機溶媒(C)、塩基性化合物(D)、水、及びオクタノール/水分配係数Po/w(E)が0.5以下の化合物(E)を混合した後に分液操作により水層を抜き取り、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の有機溶媒(C)の溶液を取得する。ここで、Po/w(C)とPo/w(E)との差は0.5以上である。
得られた反応混合物と、塩基性化合物(D)と、水との混合により、未反応の化合物(B)をイオン化し、水層中に溶解できる。また、得られた反応混合物と、化合物(E)と、水との混合により、ウレアを水層中に溶解できる。ウレアは、例えば、好ましい一実施形態で使用される縮合剤に由来する副生成物として反応混合物に含まれ得る。このような実施形態では特に、化合物(E)を水と共に反応混合物に混合することにより、ウレアを水層中に溶解できるため好ましい。さらに、得られた反応混合物と、有機溶媒(C)と、水との混合により、化合物(T)を有機溶媒(C)に溶解でき、また、ウレアの水層中への溶解を促進できる。その後、分液操作によって水層を抜き取ることにより、水層中に溶解した未反応の化合物(B)及びウレアを除去できる。
工程(2)は1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。
また、任意に、得られた1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の有機溶媒(C)の溶液と、水、又は水及び塩基性化合物(D)、又は水及び化合物(E)と、任意に有機溶媒(C)とを混合した後に、分液操作により水層を抜き取り、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の有機溶媒(C)の溶液を取得してもよい。この任意工程もまた、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。
一実施形態では、工程(2)を下記二段階:
(2-1)得られた反応混合物及び有機溶媒(C)を混合した後に濾過し、濾液を取得する工程、並びに
(2-2)得られた濾液、塩基性化合物(D)、水、化合物(E)及び任意に有機溶媒(C)を混合した後に分液操作により水層を抜き取り、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の有機溶媒(C)の溶液を取得する工程
で行うことが好ましい。
工程(2-1)では、ウレアを析出させることができる。その後、濾過によって、このウレアを固形分として除去できる。
工程(2-1)及び工程(2-2)は、それぞれ1回ずつ又は複数回ずつ行ってもよいし、独立して、一方を1回行い他方を複数回行ってもよい。
また、任意に、得られた1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の有機溶媒(C)の溶液と、水、又は水及び塩基性化合物(D)、又は水及び化合物(E)と、任意に有機溶媒(C)とを混合した後に、分液操作により水層を抜き取り、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の有機溶媒(C)の溶液を取得してもよい。この任意工程もまた、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。
好ましい一実施形態では、工程(2-2)を下記二段階:
(2-2-1)得られた濾液、水、塩基性化合物(D)及び任意に有機溶媒(C)を混合した後に分液操作により水層を抜き取り、有機溶媒(C)の溶液を取得する工程、並びに
(2-2-2)得られた有機溶媒(C)の溶液、水、化合物(E)及び任意に有機溶媒(C)を混合した後に分液操作により水層を抜き取り、有機溶媒(C)の溶液を取得する工程
で行うことができる。
工程(2-2-1)及び工程(2-2-2)は、それぞれ1回ずつ又は複数回ずつ行ってもよいし、独立して、一方を1回行い他方を複数回行ってもよい。
また、任意に、工程(2-2-1)又は工程(2-2-2)で得られた有機溶媒(C)の溶液と、水と、任意に有機溶媒(C)とを混合した後に、分液操作により水層を抜き取って有機溶媒(C)の溶液を取得してもよい。この任意工程もまた、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。
さらに、工程(2-2-1)の後に工程(2-2-2)を実施してもよいし、工程(2-2-2)の後に工程(2-2-1)を実施してもよい。工程(2-2-2)の後に工程(2-2-1)を実施する場合は、工程(2-2-2)では、得られた有機溶媒(C)の溶液に代えて、得られた濾液を用い、工程(2-2-1)では、得られた濾液に代えて、得られた有機溶媒(C)の溶液を用いる。分液操作の回数の観点から、工程(2-2-1)の後に工程(2-2-2)を実施することが好ましい。
<有機溶媒(C)>
有機溶媒(C)は、化合物(T)を溶解できる化合物である。このため、有機溶媒(C)を用いることにより、化合物(T)の製造方法における生産性を向上できる。有機溶媒(C)のオクタノール/水分配係数Po/w(C)は、0.7以上、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.0以上であり、通常は5.0以下、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下である。オクタノール/水分配係数Po/w(C)が0.7以上であると、有機溶媒(C)は化合物(T)を溶解でき、また、ウレアの水層中への溶解を促進できる。Po/w(C)が前記下限値以上かつ前記上限値以下であると、ウレアの水層中への溶解をさらに促進でき、その結果、ウレアの分液性、さらにはウレアの除去率を高めることができる。また、Po/w(C)が前記下限値以上かつ前記上限値以下であると、未反応の化合物(B)の除去が所望の通りに達成されやすい。
オクタノール/水分配係数は、一般に、下記式:
Po/w
=Log(オクタノール層における化合物Xの濃度/水層における化合物Xの濃度)
により表され、ある化合物Xが水層と油層(オクタノール層)の、どちらに分配されやすいかを表す指標として用いられている。有機溶媒(C)のオクタノール/水分配係数Po/w(C)及び後述の化合物(E)のオクタノール/水分配係数Po/w(E)は、フラスコ振盪法若しくはHPLC法等の公知の実験、又はハンセン溶解度パラメータソフトHSPiPのYMB法(物性推算機能)等の公知のシミュレーションにより求めることができる。また、物性データベース又は文献等に記載されている値を用いてもよい。
化合物(T)を溶解させやすい観点から、有機溶媒(C)は、好ましくは、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素及びエステル系溶媒からなる群から選択される1以上の溶媒である。2以上の溶媒を用いる場合は、少なくとも1種の有機溶媒(C)が前記下限値以上かつ前記上限値以下のPo/w(C)を有することが好ましく、全ての有機溶媒(C)が前記下限値以上かつ前記上限値以下のPo/w(C)を有することがより好ましい。
芳香族炭化水素の例としては、トルエン、キシレン、ベンゼン又はクロロベンゼン等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素の例としては、クロロホルム、ジクロロメタン又は1,1,2,2-テトラクロロエタン等が挙げられる。エステル系溶媒の例としては、酢酸エチル、酢酸n-ブチル又は酢酸n-ペンチル等が挙げられる。
有機溶媒(C)を用いた混合工程を複数回実施する場合、その各混合工程で使用する有機溶媒(C)の種類は、相互に独立に、同じであっても異なっていてもよい。
有機溶媒(C)のオクタノール/水分配係数Po/w(C)の一例を下記表に示す。
Figure 2024047270000022
混合時に使用する有機溶媒(C)の量は、理論得量に対して、好ましくは1~15質量部、より好ましくは1~12質量部、さらに好ましくは1~10質量部である。有機溶媒(C)を用いた混合工程を複数回実施する場合、例えば、工程(2-2)を工程(2-2-1)及び工程(2-2-2)の二段階で各工程にて有機溶媒(C)を用いて行う場合、上記した有機溶媒(C)の量は、各工程それぞれの混合時に使用する有機溶媒(C)の量である。有機溶媒(C)の量が前記範囲内であると、良好な分液性かつ高収率で化合物(T)を得やすい。
本明細書における理論得量とは、化合物(B)が化合物(A)と100質量%反応した場合に得られる化合物(T)の質量(計算値)である。
工程(1)により得られた反応混合物が既に有機溶媒(C)に相当する溶媒を含んでいる場合、例えば工程(1)のエステル化反応において有機溶媒(C)に相当する溶媒を用いた場合は、工程(2)又は工程(2-1)において、有機溶媒(C)をさらに混合しても混合しなくてもよい。
工程(2)若しくは工程(2-2)若しくは工程(2-2-1)若しくは工程(2-2-2)における混合後又は工程(2-1)における濾過前に、混合物に含まれている有機溶媒(C)及び/又は(存在する場合の)有機溶媒(C)に相当する溶媒の量は、理論得量に対して、好ましくは1~50質量部、より好ましくは1~20質量部、より好ましくは1~15質量%、より好ましくは1~12質量%、さらに好ましくは1~10質量部である。上記混合物に含まれている有機溶媒(C)及び/又は有機溶媒(C)に相当する溶媒の量が前記範囲内であると、良好な分液性かつ高収率で化合物(T)を得やすい。
<塩基性化合物(D)>
塩基性化合物(D)は、化合物(B)と酸-塩基反応をすることができる化合物であればよい。この酸-塩基反応により、未反応の化合物(B)はイオン化され、水層中に溶解できる。
塩基性化合物(D)は、好ましくは、アルカリ金属の水素化物、アルカリ土類金属の水素化物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ土類金属の炭酸水素塩、アルカリ金属のアルキルオキシ化物、及びアルカリ土類金属のアルキルオキシ化物等の、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を有する塩基性化合物からなる群から選択される1種以上の化合物である。より好ましくは、アルカリ金属の水素化物、アルカリ土類金属の水素化物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、及びアルカリ土類金属の炭酸水素塩等の、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を有する塩基性無機化合物からなる群から選択される1種以上の化合物である。
具体的な例としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、t-ブトキシナトリウム、及びt-ブトキシカリウム等が挙げられる。
塩基性化合物(D)を用いた混合工程を複数回実施する場合、その各混合工程で使用する塩基性化合物(D)の種類は、相互に独立に、同じであっても異なっていてもよい。
塩基性化合物(D)の使用量は、化合物(B)1モルに対して、好ましくは0.05~50モルであり、より好ましくは0.1~10モルであり、さらに好ましくは0.2~2モルである。
化合物(B)1モルに対する塩基性化合物(D)の使用量が前記下限値以上であると、所望の通りに、未反応化合物(B)のイオン化及び水層中への溶解が達成されやすい。化合物(B)1モルに対する塩基性化合物(D)の使用量が前記上限値以下であると、未反応の化合物(B)を除去するための後処理作業が煩雑になって生産性が低下する問題が起こりにくい。
塩基性化合物(D)は水溶液の形態で使用してもよい。この場合の塩基性化合物(D)の濃度は特に限定されないが、通常は5~50質量%、好ましくは15~40質量%である。
<水>
混合時に使用する水の量は、原料として用いた化合物(B)1質量部に対して、好ましくは0.1~50質量部、より好ましくは0.2~10質量部、さらに好ましくは0.5~5質量部である。水を用いた混合工程を複数回実施する場合、例えば、工程(2-2)を工程(2-2-1)及び工程(2-2-2)の二段階で行う場合、上記した水の量は、各工程それぞれの混合時に使用する水の量である。塩基性化合物(D)を水溶液の形態で使用する場合は、その溶媒としての水の量は、上述の、混合時に使用する水の量に含まれる。水の量が前記範囲内であると、所望の通りに、未反応の化合物(B)を、又は未反応の化合物(B)及びウレアを、水層中に溶解させやすい。
<化合物(E)>
化合物(E)のオクタノール/水分配係数Po/w(E)は、0.5以下、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0以下であり、通常は-2.0以上、好ましくは-1.5以上、より好ましくは-1.2以上、さらに好ましくは-1.0以上である。オクタノール/水分配係数Po/w(E)が0.5以下であると、化合物(E)がウレアをよく溶解でき、かつ、化合物(E)が水によく溶解することに起因して、ウレアを水層中に溶解できる。Po/w(E)が前記下限値以上かつ前記上限値以下であると、所望の通りに、ウレアを水層中に溶解させやすい。
ウレアを溶解させやすい観点から、化合物(E)は、好ましくは、低級アルコール、非プロトン性極性溶媒及び低級アミンからなる群から選択される1以上の化合物である。
低級アルコールの例としては、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール又はイソプロピルアルコール等が挙げられる。非プロトン性極性溶媒の例としては、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド又はテトラヒドロフラン等が挙げられる。低級アミンの例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン又はエチルアミン等が挙げられる。
ウレアを溶解させやすい観点から、化合物(E)は、好ましくは水酸基を有する。複数種の化合物(E)を用いる場合は、少なくとも1種の化合物(E)が水酸基を有することが好ましく、全ての化合物(E)が水酸基を有することがより好ましい。
化合物(E)を用いた混合工程を複数回実施する場合、その各混合工程で使用する化合物(E)の種類は、相互に独立に、同じであっても異なっていてもよい。
化合物(E)のオクタノール/水分配係数Po/w(E)の一例を下記表に示す。
Figure 2024047270000023
混合時に使用する化合物(E)の量は、原料として用いた化合物(A)1質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは1.0~8.0質量部、さらに好ましくは2.0~5.0質量部である。化合物(E)を用いた混合工程を複数回実施する場合、例えば、工程(2-2)を2回行う場合、上記した化合物(E)の量は、各工程の混合時に使用する化合物(E)の量である。化合物(E)の量が前記範囲内であると、所望の通りに、ウレアを水層中に溶解させやすい。
工程(1)により得られた反応混合物が既に化合物(E)に相当する溶媒を含んでいる場合、例えば工程(1)のエステル化反応において化合物(E)に相当する溶媒を用いた場合は、工程(2)又は工程(2-2)又は工程(2-2-2)において、化合物(E)をさらに混合しても混合しなくてもよい。
工程(2)若しくは工程(2-2)若しくは工程(2-2-2)における混合後に、混合物に含まれている化合物(E)及び/又は(存在する場合の)化合物(E)に相当する溶媒の量は、原料として用いた化合物(A)1質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部(例えば0.5~7.0質量部)、より好ましくは0.5~6.0質量部、さらに好ましくは2.0~5.0質量部(例えば1.0~5.0質量部)である。上記混合物に含まれている化合物(E)及び/又は化合物(E)に相当する溶媒の量が前記範囲内であると、所望の通りに、ウレアを水層中に溶解させやすい。
Po/w(C)とPo/w(E)との差は、0.5以上、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.0以上(例えば2.5以上)である。Po/w(C)とPo/w(E)との差が0.5以上であると、場合によりウレアが溶解していることがある化合物(E)が水層によく溶解することに起因して、化合物(T)を含む有機層と、未反応化合物(B)及び場合によりウレアを含む水層との分液を、所望の通りに達成できる。Po/w(C)とPo/w(E)との差が前記下限値以上であると、所望の分液性、より高い収率、及び向上したウレア除去率を得やすい。Po/w(C)とPo/w(E)との差の上限値は特に限定されないが、通常は5.0以下である。
工程(2)により、化合物(T)の有機溶媒(C)の溶液が得られる。任意に、得られた溶液を、減圧印加等の公知の方法により濃縮、及び/又は有機溶媒(C)の添加により希釈することで、化合物(T)の濃度を調整してもよい。
<化合物(T)>
化合物(T)の具体的な例としては、下記式(7-1-a)~(7-42-j)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2024047270000024
Figure 2024047270000025
Figure 2024047270000026
Figure 2024047270000027
Figure 2024047270000028
Figure 2024047270000029
Figure 2024047270000030
Figure 2024047270000031
Figure 2024047270000032
Figure 2024047270000033
Figure 2024047270000034
Figure 2024047270000035
Figure 2024047270000036
Figure 2024047270000037
Figure 2024047270000038
Figure 2024047270000039
Figure 2024047270000040
Figure 2024047270000041
Figure 2024047270000042
Figure 2024047270000043
Figure 2024047270000044

Figure 2024047270000045
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明する。なお、本明細書中の「%」及び「部」は、特に記載のない限り、それぞれ質量%及び質量部を意味する。
実施例及び比較例で製造した、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物について、下記評価を実施した。
[分液性]
分液前の30分間静置後の時点での有機層と水層との界面における固形分の有無を目視で観察することにより、分液性を、下記評価基準に従って評価した。
A:固形分なし
B:界面にのみ固形分あり
C:固形分あり
[収率]
まず、分析化学の分野において周知の方法である高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析におけるピーク面積比から、化合物(T)の濃度を算出した。次いで、算出した濃度と化合物(T)の有機溶媒(C)の溶液の質量とを乗じることにより、該溶液における化合物(T)の含有量を算出した。続いて、算出した含有量を化合物(T)の理論収量で除して100を乗ずることにより、化合物(T)の収率を求め、下記評価基準に従って評価した。なお、検量線を作成するために、各化合物(T)の高純度品を、それぞれ標準物質として使用した。
A:>40%
B:≧10%、≦40%
C:<10%
<HPLCの測定条件>
装置:SHIMAZU LC(株式会社島津製作所製)
カラム:L-column(登録商標)ODS(カラム長さ:150mm、カラム内径:3mm、充填剤粒子径:3μm)
カラム温度:40℃
溶離液A:0.1vol%トリフルオロ酢酸/水
溶離液B:0.1vol%トリフルオロ酢酸/(水/アセトニトリル=1/9)
グラジエント条件:B液;5%→25分→100%(10分)
流量:0.5mL/分
サンプル注入量:5μL
検出波長:210nm
[ウレア含有量]
ウレアの含有量を評価した。
具体的には、化合物(T)の有機溶媒(C)の溶液の溶媒を減圧下で留去し、その後、ウレアの含有量をガスクロマトグラフィー(GC)分析におけるピーク面積比から算出し、下記評価基準に従って評価した。なお、検量線を作成するために、各ウレアの高純度品を、それぞれ標準物質として使用した。
A:<1.5wt%
B:≧1.5wt%
化合物(A)として下記化合物(A1)及び(A2)を用い、化合物(B)として下記化合物(B1)を用いた。
Figure 2024047270000046

Figure 2024047270000047

Figure 2024047270000048
[実施例1]
<工程(1)>
2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール6.0g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1モルに対して0.07モル〕及びN-メチル-2-ピロリドン500g〔1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(B1)1質量部に対して1.5質量部〕を、撹拌機、ジムロート冷却管及び温度計を設置した2L容セパラブルフラスコ内に導入し、60℃に昇温した。昇温後、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(B1)333g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1モルに対して5.0モル〕を少しずつ加え、溶解させた。次いで、4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)56gを滴加し、40℃に冷却した。冷却後、ジメチルアミノピリジン0.9g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1モルに対して0.019モル〕を添加し、続いてジイソプロピルカルボジイミド(IPC)64g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1モルに対して1.3モル〕を滴加し、40℃で8時間保温した。
<工程(2)>
エステル化反応終了後、得られた反応混合物に231gのトルエン(理論得量に対して2.0質量部、Po/w(C)は2.73)を添加し、5℃に冷却し、1時間保温した。その後、濾過し、固形分をトルエン173g(理論得量に対して1.5質量部)で洗浄し、濾液とトルエンとの混合物を得た。
得られた混合物を2L容セパラブルフラスコに導入し、次いで、純水233g〔1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(B1)1質量部に対して0.7質量部〕を加え、40℃で1時間保温した。保温後、28質量%水酸化ナトリウム水溶液260g〔1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(B1)1モルに対して0.94モルの水酸化ナトリウム〕を滴加した。40℃で1時間保温した後に30分間静置し、分液操作にて水層を抜き取り、有機層を回収した。有機層に純水900g〔1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(B1)1質量部に対して2.7質量部〕を添加し、40℃で1時間保温した後に30分間静置し、分液操作にて水層を抜き取り、有機層を回収した。有機層に純水800g〔1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(B1)1質量部に対して2.4質量部〕及びメタノール134g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1質量部に対して2.4質量部、Po/w(E)は-0.82、Po/w(C)とPo/w(E)との差は3.55〕を添加し、40℃で1時間保温した後に30分間静置し、分液操作にて水層を抜き取り、有機層を回収した。有機層を減圧下で共沸脱水し、トルエンで濃度調整することで、50質量%の4-アクリロイルブチルオキシカルボニルシクロヘキサンカルボン酸のトルエン溶液を得た。
[実施例2]
<工程(1)>
2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール6.0g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1モルに対して0.07モル〕及びN-メチル-2-ピロリドン200g〔1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(B1)1質量部に対して1.5質量部〕を、撹拌機、ジムロート冷却管及び温度計を設置した1L容セパラブルフラスコ内に導入し、60℃に昇温した。昇温後、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(B1)133g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1モルに対して2.0モル〕を少しずつ加え、溶解させた。次いで、4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)56gを滴加し、40℃に冷却した。冷却後、ジメチルアミノピリジン0.9g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1モルに対して0.019モル〕を添加し、続いてジイソプロピルカルボジイミド64g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1モルに対して1.3モル〕を滴加し、40℃で8時間保温した。
<工程(2)>
エステル化反応終了後、得られた反応混合物に231gのトルエン(理論得量に対して2.0質量部)を添加し、5℃に冷却し、1時間保温した。その後、濾過し、固形分をトルエン173g(理論得量に対して1.5質量部)で洗浄し、濾液とトルエンとの混合物を得た。
得られた混合物を2L容セパラブルフラスコに導入し、次いで、純水93g〔1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(B1)1質量部に対して0.7質量部〕を加え、40℃で1時間保温した。保温後、28質量%水酸化ナトリウム水溶液104g〔1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(B1)1モルに対して0.94モルの水酸化ナトリウム〕を滴加した。1時間保温した後に30分間静置し、分液操作にて水層を抜き取り、有機層を回収した。有機層に純水360g〔1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(B1)1質量部に対して2.7質量部〕を添加し、1時間保温した後に30分間静置し、分液操作にて水層を抜き取り、有機層を回収した。有機層に純水320g〔1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(B1)1質量部に対して2.4質量部〕とメタノール134g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1質量部に対して2.4質量部〕を添加し、1時間保温した後に30分間静置し、分液操作にて水層を抜き取り、有機層を回収した。有機層を減圧下で共沸脱水し、トルエンで濃度調整することで、50質量%の4-アクリロイルブチルオキシカルボニルシクロヘキサンカルボン酸のトルエン溶液を得た。
[実施例3]
工程(2)において、メタノール134g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1質量部に対して2.4質量部〕に代えてメタノール279g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1質量部に対して5.0質量部〕を添加したこと以外は実施例2と同様にして、50質量%の4-アクリロイルブチルオキシカルボニルシクロヘキサンカルボン酸のトルエン溶液を得た。
[実施例4]
工程(1)において4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)に代えて(A2)で示される化合物を用い、工程(2)において濾過前に加えるトルエン量を231gから982g(理論得量に対して8.5質量部)に変更したこと以外は実施例2と同様にして、50質量%の1,4-シクロヘキサンジカルボン酸1-[4-[[6-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)オキシ]ヘキシル]オキシ]フェニル]エステルのトルエン溶液を得た。
[実施例5]
工程(2)において、メタノール134g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1質量部に対して2.4質量部〕に代えてエタノール134g〔4-ヒドロキシブチルアクリレート(A1)1質量部に対して2.4質量部、Po/w(E)は-0.31、Po/w(C)とPo/w(E)との差は3.04〕を添加したこと以外は実施例2と同様にして、50質量%の4-アクリロイルブチルオキシカルボニルシクロヘキサンカルボン酸のトルエン溶液を得た。
[比較例1]
工程(2)において濾過前に加えるトルエン量を231gから404g(理論得量に対して3.5質量部)に変更し、工程(2)においてメタノールを添加しなかったこと以外は実施例1と同条件で工程(1)及び(2)を実施した。
[比較例2]
工程(2)においてトルエン及びメタノールを添加しなかったこと以外は実施例1と同条件で工程(1)及び(2)を実施した。分液することができず、分液性及び収率を評価できなかった。
実施例1~5及び比較例1~2の製造条件及び評価結果を、表1に示す。
Figure 2024047270000049
これらの結果から、実施例1~5の製造方法は、向上した生産性を有することが分かる。

Claims (6)

  1. (1)式(A):
    Figure 2024047270000050
    [式中、
    は、2価の脂肪族炭化水素基、又は2価の脂環式炭化水素基、又は2価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基は炭素数1~13のアルカンジイル基であり、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-OCO-、-C(=O)-O-、-S-又は-N(R)-で置き換わっていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-又は-N(R)-で置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる-CH(-)-は、-N(-)-又は-S(-)-で置き換わっていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、
    は、単結合又は2価の連結基を表し、
    kは1~3の整数を表し、kが2以上の整数である場合、複数のA及びBは、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    は、重合性基又は炭素数1~13のアルキル基を表す]
    で示され、1個の水酸基を有する化合物(A)と、式(B):
    Figure 2024047270000051
    [式中、
    及びAは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基、又は2価の芳香族炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-又は-N(R)-で置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる-CH(-)-は、-N(-)-又は-S(-)-で置き換わっていてもよく、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、
    は、単結合又は2価の連結基を表し、
    qは1~3の整数を表し、rは1~3の整数を表し、sは0又は1を表し、ただし、qが1のとき、rは2又は3である]
    で示され、2個以上のカルボキシ基を有する化合物(B)とを混合することにより、エステル化反応を行う工程、並びに
    (2)得られた反応混合物、オクタノール/水分配係数Po/w(C)が0.7以上の有機溶媒(C)、塩基性化合物(D)、水、及びオクタノール/水分配係数Po/w(E)が0.5以下の化合物(E)を混合した後に分液操作により水層を抜き取り、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の有機溶媒(C)の溶液を取得する工程
    を含み、Po/w(C)とPo/w(E)との差は0.5以上である、1個以上のカルボキシ基を有するカルボン酸エステル化合物の製造方法。
  2. 工程(1)におけるエステル化反応は縮合剤(F)の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 縮合剤(F)はカルボジイミド化合物である、請求項2に記載の方法。
  4. 縮合剤(F)は非水溶性である、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 化合物(E)は水酸基を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 有機溶媒(C)は、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素及びエステル系溶媒からなる群から選択される1以上の溶媒である、請求項1又は2に記載の方法。
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