JP2024046286A - タイヤ滑り止め装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、降雪時、気温が高いとその大きな雪片がやや溶けた状態で地上に降ってくるので、ボタボタ降るような湿った雪になる。さらに、水蒸気が少なく、気温が低ければ、結晶が大きくならず、溶けずに地上まで降ってくるので、乾いた雪となる。
また、降る雪の状態が、コロコロとした球形の玉雪、大きな塊となってボタボタと降ってくるぼたん雪、灰のようにヒラヒラと降ってくる灰雪の場合に、雪上を人が歩くと雪が踏み固められるような雪が路面に堆積する場合には、スタッドレススノータイヤで走行が可能となる。
そこで、従来から、例えば、特許文献1に示す如く、タイヤ両測部に巻装される連結部材間にタイヤトレッド部を横切って連結される路面接地部材を、硬い金属チェーンで形成してなる金属製のスリップ防止チェーンをノーマルタイヤの上に巻き付けて、車両が走行中にタイヤが雪によってスリップするのを防止している。
しかしながら特許文献1に示す如き硬い金属製のスリップ防止チェーンは、積タイヤが積雪路面上を走行するに当たっては都合が良いが、晴天時に乾いた路面を走行するときは、路面接地部材の路面との接触時に衝撃振動と衝撃音が生じ、路面と路面接地部材との衝撃により路面接地部材に摩耗が生じ、タイヤチェーンの耐久性を低下させるとともに、路面表面へ損傷を与える等の問題点がある。
しかしながら、ノーマルタイヤの上に硬い金属製のスリップ防止チェーンを巻き付けたまま乾いた路面を走行すると、路面接地部材の路面との接触時に衝撃振動と衝撃音が生じ、路面と路面接地部材との衝撃により路面接地部材に摩耗が生じ、タイヤチェーンの耐久性が低下するとともに、路面表面へ損傷を与える等の問題点がある。
そして、走行している道路が降雪になると、タイヤがスリップするのを防止するため、スリップ防止チェーンを取り付けるというようにスリップ防止チェーンを着脱することを行っている。
したがって、乾いた路面を走行するときは、スリップ防止チェーンを装着せずに走行し、降雪路面を走行するときは、スリップ防止チェーンを装着して走行し、再び、乾いた路面を走行することになった場合は、スリップ防止チェーンを取り外すといったこまめにスリップ防止チェーンの着脱を行っている。
このため走行する路面が降雪状態か、乾燥状態か、その路面の状態に合わせて、スリップ防止チェーンの着脱を行うことになり、その都度、手間がかかるという問題がある。
しかしながら、近年、チェーンを巻き付けたタイヤやスノースパイクタイヤで、積雪していない路面上を走行すると、ノーマルタイヤに巻き付けたタイヤチェーンや、スノースパイクタイヤの表面に打ち込まれているスパイクによって道路表面を損傷し、道路のアスファルトなどの粉塵を巻き上げ、この巻き上げられた粉塵を人が吸い込むことによって健康を害することが問題となっている。
そのため、車両が積雪した路面上を走行する際、雪によってタイヤがスリップするのを防止することができ、また積雪していない路面上を走行することによって、道路表面を損傷することのないタイヤチェーンが嘱望されていた。
このタイヤの表面の路面への接触によって、タイヤの回転力は、車両の推進力となって作用する。このような降雪道路上に車両を走行させるに当たって、従来から、スパイクタイヤを用いたり、スタッドレスタイヤを用いたり、ノーマルタイヤにタイヤチェーンを巻き付ける等をして滑り止めの対策が講じられている。これらの対策は、降雪道路に対して、いずれもスリップ防止に効果を発揮している。
また、車両は、乾燥した平坦な道路を走行するだけでなく、海岸の砂地の上を走行することもある。また、降雨が極端に少なく、砂や岩石の多い土地である砂漠地帯を有する国においては、平坦な道路を走行することに加え、乾燥した砂や岩石の多い土地である砂漠地帯を走行することが多い。
この砂漠地帯における砂地は、車両が走行して砂地の上からタイヤが砂地面を踏みつけると、砂は、タイヤの押圧によって雪のように溶けることはなく、雪と同様にスリップを起こし、タイヤの回転力が車両の推進力となって作用しない。
このようにノーマルタイヤにタイヤチェーンを巻き付けて雪上を走行する場合は、タイヤの回転し始めに、タイヤに巻き付けたタイヤチェーンが路面の一番上に降雪している雪を走行方向後方に掻き出して飛ばす。
この道路上に降雪している雪が掻き出され、タイヤに巻き付けたタイヤチェーンが降雪している雪の下にあるアスファルト等の硬い路面に到達し、タイヤチェーンが硬い路面を蹴って車両を前方に走行させる推進力を得ている。
しかし、砂漠のように水分のない通常の砂地の場合は、砂地の砂は乾いていてさらさらしており、砂地の表面と同じさらさら状態が砂地の地中まで続いているため、タイヤチェーンを巻き付けたタイヤが回転しはじめると、タイヤチェーンが砂地の砂を走行方向後方に掻き出し飛ばす。したがって、タイヤを回転させても、タイヤの回転によってタイヤチェーンが砂を走行方向後方に掻き出してしまい、車両を前方に走行させる推進力を得ることはできない。
このように、砂地が砂漠のように乾いてさらさらしている場合は、タイヤチェーンがタイヤの下にあるさらさらした砂を車両の走行方向の後方に掻き出すことになる。すなわち、タイヤの回転によって車両を前方に走行させるよりも、タイヤをその場において砂地の下方方向、すなわちタイヤが沈む方向に掘り進むことになり、タイヤは、砂地に沈み込むことになる。
このようにタイヤは、砂地の上を回転するとき自動車が前方に走行する推進力よりも、砂地に嵌まったタイヤが空回りしてタイヤの下側にある砂を掘り起こして、車両を前進させることなく、砂地の地中に沈む方向に潜り込んで行く。
そこで、車両で砂漠地帯を走行する場合、従来は、積雪道路を走行する場合と同様に、スパイクタイヤを用いたり、スタッドレスタイヤを用いたり、ノーマルタイヤにタイヤチェーンを巻き付けて滑り止めの対策を講じている。
このように砂地の上を走行するときの自動車のスリップは、積雪道路上のスリップとは異なり、砂地の上でタイヤが回転すると、タイヤの直下の砂が掻き出され、砂を掻き出すことによってタイヤの側面の砂がタイヤの直下側に崩れ落ち、この砂がタイヤの回転によってさらに自動車の走行方向の後方に掻き出され、側溝がさらに掘り崩されて大きな側溝となり、砂がさらに自動車の走行方向の後方に掻き出される。この砂の掻き出しの繰り返しによって砂地の上を走行する車両は、スリップ状態となり、タイヤを砂の側溝に潜り込ませて、車両を前方方向に走行させることが難しくなっている。
そこで荒地、不整地等の悪路において車両を駆動する車両推進装置として、通常カタピラが用いられている。ところが、このキャタピラは従来の積雪道路スリップ防止治具に比して重量が大きく、地面に対する負荷が大きいため支持力の弱い柔らかい雪上、砂上等を走行する必要のある車両に対してはトルク伝達効率が悪く、実際には原動機の能力を充分に活用することが出来ない。
このような雪上、砂上走行用車両は、推進装置3を車両本体1から分離し、車両本体1をそり1a、1bによって支持し、推進機12,13の一端を自在継手10、11を介して原動機に連結し、他端を車両本体1から延びるアーム16に弾性的に支持することによって、重量を軽くし、車両本体1の重心を下げるとともに、推進装置3に負荷媒体を駆動するのに適したねじ軸12,13を用い、ねじ軸12,13に対して上下方向に自由度を与え、雪、砂の上における走行に適した車両を得ている。
すなわち,特許文献4に示す如き雪上、砂上走行用車両にあっては、雪の上だけを走行したり、あるいは、砂の上だけを走行するのに適しているが、一般の道路を走行するには適さないものとなっている。
トレッド部と、該トレッド部の左右のそれぞれに連続するショルダー部と、該左右のそれぞれのショルダー部に連続するサイドウォール部を備えるタイヤの少なくともトレッド部とショルダー部に架けて着脱自在に覆い被せるものであって、
少なくとも前記タイヤのトレッド部を覆う装着部と、該装着部に連続して下方に折曲し、前記タイヤのショルダー部を覆う側壁部とを備え、
前記タイヤのトレッド部を覆う前記装着部には、周回してタイヤの直径方向に向かって複数の壁が所定間隔をもって立設されてなり、
前記装着部に形成される前記複数の壁の相隣り合う壁によって上部が開口する上部開口部を備えた溝がタイヤの幅方向に複数本形成されてなり、
前記装着部に形成される前記溝は、互いに向かい合う壁によって形成される空間が該溝の底部から上部開口部に向かって広がりをもって形成されてなり、
前記装着部に形成される前記溝の各底部には、上部開口部に向かって突出する突起部が周回して適宜間隔をもって複数個形成されてなることを特徴とする。
一般には、チューブレスタイヤが主流だが、オフロードモデルなどには、チューブタイヤが採用されている。本発明に係るタイヤ滑り止め装置は、チューブタイヤとチューブレスタイヤの両方に適用できるようになっている。
バイアスタイヤの場合は斜めに巻いていくだけだが、ラジアルタイヤの場合はカーカスの上に「ベルト」と呼ばれる高強度の帯を縦に巻き付けてある。一般的にラジアルタイヤの方がグリップ力と耐摩耗性が高いといわれている。本発明については、ラジアルタイヤとバイアスタイヤの両方に適用できるようになっている。
図1において、タイヤ1は、車輪(ホイール)の外側のリムを丸く囲むゴム製の帯状の構造で、路面・地面の上を転がる踏面(トレッド)を形成するためのものである。このタイヤ1は、リング状に形成され直接路面に接する部分でタイヤ内側のコード層を保護し、厚いゴム層でできている円周状の外周面であるトレッド部2が備えられている。
そして、このトレッド部2の表面には、グルーブと呼ばれる溝(トレッドパターン)が彫られている。このグルーブは、トレッド部2と路面の間に入った水を排出してタイヤ1がスリップするのを防止したり、操舵性や乗り心地を向上させる役割を有している。
タイヤ1のトレッド部2の中央部分に十分な溝が残っていても、ショルダー部3、4の溝がなくなると操舵性能が著しく低下する。このショルダー部3、4は、タイヤ1の内側のコード層(カーカス)を保護し、厚いゴム層でできており、車両の走行中に発生するタイヤ1の内部の熱を放散する役割を有している。
このサイドウォール部5、6は、路面には接しないが、走行中は路面の凸凹に対応するために、激しく屈伸し、最も動く場所であり、乗り心地にも影響し、クラック(細かい亀裂)も入りやすいデリケートな場所である。
一般には、チューブレスタイヤが主流だが、オフロードモデルなどには、チューブタイヤを採用している。本発明については、チューブタイヤとチューブレスタイヤの両方を対象にしている。
バイアスタイヤの場合は斜めに巻いていくだけだが、ラジアルタイヤの場合はカーカスの上に「ベルト」と呼ばれる高強度の帯を縦に巻き付けてある。一般的にラジアルタイヤの方がグリップ力と耐摩耗性が高いといわれている。本発明については、ラジアルタイヤとバイアスタイヤの両方を対象にしている。
そして、このタイヤ滑り止め装置10の装着部11の幅方向の両端部には、該装着部11に連続して形成され、前記タイヤ1のショルダー部3、4を覆い被せるように下方に折曲する側壁部12、13が形成されている。
また、前記タイヤ1のトレッド部2を覆う前記装着部11の外側には、周回してタイヤ1の直径方向に向かって複数の壁14が、幅方向に所定間隔をもって立設されている。
さらに前記タイヤ1のトレッド部2を覆うタイヤ滑り止め装置10の前記装着部11の上部に形成される前記溝16の各底部17には、該装着部11の上部に形成される前記溝16の上部開口部15に向かって突出する突起部18が周回して適宜間隔をもって複数個形成されている。
そして、前記タイヤ1のトレッド部2を覆うタイヤ滑り止め装置10の前記装着部11に形成される前記溝16の本数は、図1においては、タイヤ1の幅方向に3本形成されている。このタイヤ滑り止め装置10の前記装着部11に形成される前記溝16の本数は、実施例1においては、3本となっているが、タイヤ1の幅によって異なり、3本に限られず、タイヤ1の幅方向に2~6本に形成するのが適している。
すなわち、溝16の各底部17に設けられる突起部18は、車両を前方向に走行させるための推進力を得るためのものである。
したがつて、前記タイヤ1のトレッド部2を覆うタイヤ滑り止め装置10の前記装着部11に形成される前記溝16の各底部17から上部開口部15に向かって突出する前記突起部18の高さは、前記溝16の深さの1/4~4/5の高さに突出させるのが適している。
前記タイヤ1のトレッド部2を覆うタイヤ滑り止め装置10の前記装着部11に形成される前記溝16の各底部17から上部開口部15に向かって突出する前記突起部18のずらす設置位置は、図3に示す如く相隣接する溝16との間で千鳥状に配設されている。
このように突起部18の形状を船底形に形成するのは、車両のタイヤ1に装着したタイヤ滑り止め装置10が砂地に入り込んで、車両を前方向に走行するためタイヤ1を回転させるときに砂地に入り、装着部11に形成されている溝16によって踏み固めた砂を走行方向より後方に蹴るのに適しているからである。
すなわち、車両のタイヤ1に装着したタイヤ滑り止め装置10が砂地に入り込んだときに、車両を回転させることにより装着部11に形成されている溝16によって踏み固められた砂を後方に蹴り上げ、車両を前方向に走行させる。
このタイヤ滑り止め装置10は、樹脂によって構成されている。また、このタイヤ滑り止め装置10は、ゴムで構成してもよい。
図4において、タイヤ1のトレッド部2を覆うタイヤ滑り止め装置10の前記装着部11に形成される前記溝16は、前記装着部11に形成される前記溝16の各底部17がU字状19に形成されている。
この底部17がU字状19に形成される装着部11の溝16の本数は、タイヤ1の幅方向に3本形成されている。このタイヤ滑り止め装置10の前記装着部11に形成される前記溝16の本数は、この実施例では、3本となっているが、前記装着部11に形成される前記溝16は、タイヤ1の幅方向に2~6本形成するのが適している。
図5に図示のタイヤ滑り止め装置10には、タイヤ1のトレッド部2を覆い装着するための幅を備えた板状の装着部11が設けられている。この装着部11の幅方向の両端部には、装着部11に連続して形成され、タイヤ1を覆い被せるように内側に折曲され、前記タイヤ1のショルダー部3、4を覆う側壁部12、13が形成されている。
そして、タイヤ滑り止め装置10の前記タイヤ1のトレッド部2を覆う前記装着部11には、周回してタイヤ1の直径方向の外側に向かって複数の壁14が、幅方向に所定間隔をもって立設されている。
さらに前記タイヤ1のトレッド部2を覆うタイヤ滑り止め装置10の前記装着部11に形成される前記溝16の各底部17には、上部開口部15に向かって突出する突起部18が周回して適宜間隔をもって複数個形成されている。
このタイヤ滑り止め装置10は、樹脂によって構成されている。また、このタイヤ滑り止め装置10は、ゴムで構成してもよい。
そして、前記タイヤ1のトレッド部2を覆うタイヤ滑り止め装置10の前記装着部11に形成される前記溝16の本数は、図1においては、タイヤ1の幅方向に3本形成されている。このタイヤ滑り止め装置10の前記装着部11に形成される前記溝16の本数は、実施例1においては、3本となっているが、タイヤ1の幅によって異なり、3本に限られず、タイヤ1の幅方向に2~6本に形成するのが適している。
すなわち、溝16の各底部17に設けられる突起部18は、車両を前方向に走行させるための推進力を得るためのものである。
したがって、前記タイヤ1のトレッド部2を覆うタイヤ滑り止め装置10の前記装着部11に形成される前記溝16のそれぞれの底部17から上部開口部15に向かって突出する前記突起部18の高さは、前記溝16の深さの1/4~4/5の高さに突出させるのが適している。
図6に図示のタイヤ滑り止め装置20は、図1に図示のタイヤ滑り止め装置10を周回方向で6分割した1/6の構成部品である。
このタイヤ滑り止め装置20は、タイヤ1のトレッド部2を覆い装着するための幅を備えた6分割した1/6の板状の装着部21が設けられている。この装着部21の幅方向の両端部には、装着部21に連続して形成され、タイヤ1を覆い被せるように内側に折曲され、前記タイヤ1のショルダー部3、4を覆う側壁部22、23が形成されている。
そして、タイヤ1のトレッド部2を覆う装着部21には、周回してタイヤ1の直径方向に向かって複数の壁24が、幅方向に所定間隔をもって立設されている。
このタイヤ滑り止め装置20は、樹脂によって構成されている。また、このタイヤ滑り止め装置20は、ゴムで構成してもよい。
さらに前記タイヤ1のトレッド部2を覆うタイヤ滑り止め装置20の前記装着部21に形成される前記溝26の各底部27には、前記装着部21に形成される前記溝26の各底部27には、上部開口部25に向かって突出する突起部28が周回して適宜間隔をもって複数個形成されている。
そして、前記タイヤ1のトレッド部2を覆うタイヤ滑り止め装置20の前記装着部21に形成される前記溝26の本数は、タイヤ1の幅方向に3本形成されている。
図7には、タイヤ1のトレッド部2を覆う図6に図示のタイヤ滑り止め装置20の正面図が示されている。
図6に図示のタイヤ滑り止め装置20は、図1に図示のタイヤ滑り止め装置10を周回方向で6分割した1/6の構成部品となっている。この6分割した1/6の構成部品を6個を繋ぎ合わせると、タイヤ1のトレッド部2の全体を覆うようになっている。
タイヤ1の径の大きさは、規格によって定められており、車両に合わせてタイヤの種類が定められている。このタイヤ1の大きさの規格に合わせて6等分に分割して形成すると、この6分割して形性された1/6の構成部品を6個繋ぎ合わせることで図1に図示のタイヤ滑り止め装置10を構成することができるようになっている。
図6に図示のタイヤ滑り止め装置20を6個繋ぎ合わせ、向かい合わせるタイヤ滑り止め装置20の端部に装着穴30が設けられている。この装着穴30に紐31、または図示していない鎖32が取り付けられており、この紐31、または鎖32によって図8に示す如くタイヤ1の中心径の内側に向かって締め付けられている。このように図8に示す如く内側に向かって締め付けることで組み合わせた図示のタイヤ滑り止め装置20が、タイヤ1の外周面より脱落するのを防止することができる。
このように図6に図示のタイヤ滑り止め装置20に保形性を持たせることによって、図6に図示のタイヤ滑り止め装置20を6個つなぎ合わせて1個の図1に図示のタイヤ滑り止め装置10を形成することが容易となる。
図8に示す如く、図6に図示のタイヤ滑り止め装置20を6個つなぎ合わせて1個の図1に図示のタイヤ滑り止め装置10を形成する場合には、向かい合ったタイヤ滑り止め装置20の側壁部22、23の内側端部に装着穴30を設け、この装着穴30に紐31、または図示していない鎖32を取り付け、この紐31、または鎖32によって図8に示す如くタイヤ1の中心径の内側に向かって締め付ける。
図9に図示の6個のタイヤ滑り止め装置20をタイヤ1の外周面に装着する方法は、タイヤ滑り止め装置20を6個つなぎ合わせて1個の図1に図示のタイヤ滑り止め装置10を形成するのに、6個のタイヤ滑り止め装置20をタイヤ1のホイール7に固定するようになっている。
すなわち、図6に図示の6個のタイヤ滑り止め装置20のそれぞれの側壁部22、23の内側端部に装着穴30が設けられている。また、タイヤ滑り止め装置20を6個繋ぎ合わせた相隣り合う壁24の両側端に相隣り合うタイヤ滑り止め装置20を繋ぎ合わせる取付孔33が形成されている。この取付孔33に締結具34が取り付けられている。この締結具34によって相隣り合うタイヤ滑り止め装置20が締結される。
すなわち、図9に図示のタイヤ滑り止め装置20は、図6に図示のタイヤ滑り止め装置20を6個つなぎ合わせ、向かい合わせるタイヤ滑り止め装置20の端部に装着穴30が設けられている。また、タイヤ1のホイール7には、1/6等間隔に締結孔8が設けられている。この締結孔8には、一端が装着穴30に取り付けられている紐31、または図示していない鎖32の他端が取り付けられている。この締結孔8と装着穴30に渡した紐31、または図示していない鎖32によって固定されている。
図10は、図1に図示のタイヤ滑り止め装置10をタイヤ1の外周に装着した状態で、車両を砂地40上に踏み込み始めた状態を示している。すなわち、図10は、タイヤ1の外周に図1に図示のタイヤ滑り止め装置10を装着した状態で、車両が砂地40の上に乗り上げた状態である。
図1に図示のタイヤ滑り止め装置10の壁14の先端が砂地40の表面に乗った状態では、タイヤ滑り止め装置10の溝16の上部開口部15に砂地40の上面が当接した状態となっている。
図1に図示のタイヤ滑り止め装置10には、壁14によって溝16が形成されており、この図10においては、この溝16と砂地40の表面41とによって空間が形成されている。
この図10に示す如き溝16と砂地40の表面41とによって空間が形成されている状態から、さらに車両を砂地40の上に乗り入れると、図11に図示の下方向きの矢印に示す如き車両の荷重によって、図1に図示のタイヤ滑り止め装置10の壁14が下方に押圧される。
すなわち、図1に図示のタイヤ滑り止め装置10の壁14に加わる押圧によって、先端に尖った形状となっている溝16を形成する壁14の両側面から矢印Aに示す如く、中央に向かって砂に圧力が掛かり、壁14の壁面によって砂が掻き集められ、溝16内の砂は、溝16内で先端方向に向かって盛り上がる。
さらに車両を砂地40の上に乗り入れると、壁14に入り込んだ砂は、車両の重量によってタイヤ滑り止め装置10の壁14に押圧となり、壁14に入り込んだ砂は、押し固められる。
そして、溝16に押し込められた砂は、図12に示す如く、車両の荷重によってさらに押し固められる。
このように押し固められた砂を図1に図示のタイヤ滑り止め装置10の溝16の各底部17に形成されている突起部18によって車両走行方向の後方に蹴り上げ車両を前方方向に走行する推進力を得ている。
このため、図1に図示のタイヤ滑り止め装置10を装着しているタイヤ1又は、図6に図示のタイヤ滑り止め装置20を装着しているタイヤ1は、砂地40に潜り込むのを防止することができる。
一方、ノーマルタイヤにタイヤチェーンを巻き付けて砂上を走行する場合、砂地が海岸沿いの砂地のように水分によって固められている場合は、砂地がアスファルトの路面のように堅くなっているため、タイヤチェーンが固まった砂を蹴って車両を前方に走行させる推進力を得ることができる。
しかし、砂漠のように水分のない通常の砂地の場合は、砂地の砂は乾いていてさらさらしており、砂地の表面と同じさらさら状態が砂地の地中まで続いているため、タイヤチェーンを巻き付けたタイヤが回転しはじめると、タイヤチェーンが砂地の砂を走行方向後方に掻き出し飛ばしてしまう。したがって、タイヤを回転させても、タイヤの回転によってタイヤチェーンが砂を走行方向後方に掻き出してしまい、車両を前方に走行させる推進力を得ることはできない。
2…………………トレッド部
3,4……………ショルダー部
5,6……………サイドウォール部
7…………………ホイール
8…………………締結孔
10,20………タイヤ滑り止め装置
11,21………装着部
12,13,22,23……側壁部
14,24………壁
15,25………上部開口部
16,26………溝
17,27………底部
18,28………突起部
30………………装着穴
31………………紐
32………………鎖
34………………締結具
40………………砂地
トレッド部と、該トレッド部の左側に連続する左側のショルダー部と、前記トレッド部の右側に連続する右側のショルダー部とを有し、前記左側のショルダー部と前記右側のショルダー部に連続するサイドウォール部を備えるタイヤのトレッド部とショルダー部に架けて着脱自在に覆い被せるものであって、
前記タイヤのトレッド部を覆う装着部と、該装着部の左側に連続して前記タイヤの左側のショルダー部を覆うように折曲して形成される左側の側壁部と、前記装着部の右側に連続して前記タイヤの右側のショルダー部を覆うように折曲して形成される右側の側壁部とを備え、
前記左側の側壁部に連続して前記装着部よりもタイヤの直径方向に突出する左側の壁と前記右側の側壁部に連続して前記装着部よりもタイヤの直径方向に突出する右側の壁とを備え、
前記タイヤのトレッド部を覆う前記装着部の外側で前記左側の壁と前記右側の壁との間に前記タイヤの直径方向に向かって前記装着部に周回突出して形成される複数の壁が前記タイヤの幅方向に所定間隔をもって立設され、
前記装着部に周回突出して形成される前記複数の壁の相隣り合う壁によって前記装着部の上部に形成される空間が底部から上部開口部の開放端に向かって拡がりをもって形成され、該上部開口部を備えた前記溝が前記複数の壁によって前記タイヤの幅方向に複数本形成されてなり、
前記装着部の上部に形成される前記複数の溝の各底部には、前記上部開口部の開口端側に向かって突出する突起部が前記複数の溝を周回して適宜間隔をもって複数個形成されてなり、
前記装着部に立接して形成される前記複数の壁の相隣り合う壁によって前記装着部の上部に形成される空間の底部から上部開口部に向かって突出する前記突起部は、相隣り合う溝同士で横に並び重ならないようにずらして千鳥状に形成されてなることを特徴とする。
前記タイヤの周方向で複数個に分割してなる構成部品を複数個を繋ぎ合わせて構成され、
前記各構成部品は、
前記タイヤのトレッド部に覆い装着するための幅を備える装着部と、該装着部の左側に連続して前記タイヤの左側のショルダー部を覆うように折曲して形成される左側の側壁部と、前記装着部の右側に連続して前記タイヤの右側のショルダー部を覆うように折曲して形成される右側の側壁部とを備え、
前記左側の側壁部に連続して前記装着部よりもタイヤの直径方向に突出する左側の壁と前記右側の側壁部に連続して前記装着部よりもタイヤの直径方向に突出する右側の壁とを備え、
前記タイヤのトレッド部を覆う前記装着部の外側で前記左側の壁と前記右側の壁との間に前記タイヤの直径方向に向かって前記装着部に周回突出して形成される複数の壁が前記タイヤの幅方向に適宜間隔をもって立設され、
前記装着部に周回突出して形成される前記複数の壁の相隣り合う壁によって前記装着部の上部に形成される空間が底部から上部開口部の開放端に向かって拡がりをもって形成され、該上部開口部を備えた前記溝が前記複数の壁によって前記タイヤの幅方向に複数本形成されてなり、
前記立設される複数の壁によって形成される構成部品における複数の溝が周回方向に段差を設けて形成され、該構成部品における複数の溝の底部が直線状に形成され、
前記構成部品を複数個繋ぎ合わせると前記構成部品における複数の溝の底部の周回方向に対して横から見る形状が多角形に形成され、
前記構成部品を複数個タイヤに覆い被せ、各構成部品を繋ぎ合わせることによって、タイヤのトレッド部とショルダー部全体を覆うことを特徴とする。
Claims (6)
- トレッド部と、該トレッド部の左右のそれぞれに連続するショルダー部と、該左右のそれぞれのショルダー部に連続するサイドウォール部を備えるタイヤの少なくともトレッド部とショルダー部に架けて着脱自在に覆い被せるものであって、
少なくとも前記タイヤのトレッド部を覆う装着部と、該装着部に連続して下方に折曲し、前記タイヤのショルダー部を覆う側壁部とを備え、
前記タイヤのトレッド部を覆う前記装着部には、周回してタイヤの直径方向に向かって複数の壁が所定間隔をもって立設されてなり、
前記装着部に形成される前記複数の壁の相隣り合う壁によって上部が開口する上部開口部を備えた溝がタイヤの幅方向に複数本形成されてなり、
前記装着部に形成される前記溝は、互いに向かい合う壁によって形成される空間が該溝の底部から上部開口部に向かって広がりをもって形成されてなり、
前記装着部に形成される前記溝の各底部には、上部開口部に向かって突出する突起部が周回して適宜間隔をもって複数個形成されてなることを特徴とする
タイヤ滑り止め装置。 - 前記装着部に形成される前記溝は、上部開口部に向かって拡がるV字状又はU字状に形成したものである
請求項1に記載のタイヤ滑り止め装置。 - 前記装着部に形成される前記溝は、タイヤの幅方向に2~6本形成してなることを特徴とする
請求項1又は2に記載のタイヤ滑り止め装置。 - 前記装着部に形成されタイヤの幅方向に複数本形成される前記溝のそれぞれに設けられる前記突起部は、相隣り合う溝同士で横に並び重ならないようにずらして形成したものである
請求項1又は2に記載のタイヤ滑り止め装置。 - 前記装着部に形成されタイヤの幅方向に複数本形成される前記溝のそれぞれに設けられる前記突起部の形状は、船底形に形成してなることを特徴とする
請求項1又は2に記載のタイヤ滑り止め装置。 - 前記タイヤ滑り止め装置は、前記タイヤのトレッド部外周に装着する周回方向で、6つに分割して形成してなることを特徴とする
請求項1又は2に記載のタイヤ滑り止め装置。
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