JP3048090U - 自動車タイヤの滑り止め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 豫め自動車タイヤに装着し雪路・凍結路にお
いてスリップを防止し、雪路外にても装着したまま走行
できる滑り止め装置の提供。 【解決手段】 タイヤ胴体ｔ の半分面を覆う直径で厚
み約４０ｍｍの合成樹脂材により一体成型にてボルト固
定部と、複数のリブと、先端面間の環状線上に衝撃吸収
緩衝材支持枠とによりプレート基板を形成し、基板に合
成ゴム製衝撃吸収緩衝材を嵌装し、該緩衝材の表面に多
数の凸起を設け、その内の任意数の凸起にセラミックピ
ンを挿嵌した滑り止めプレートＡを形成し、プレートＡ
をタイヤＴの外側ににボルトにて取付け、雪路等走行の
際はバルブを緩めプレートがタイヤのトレッドと水平と
なってタイヤと並行することによりタイヤのスリップを
防止できる装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、自動車が雪路或いは凍結路上を走行する際にタイヤの外側に着脱 自在に装着してスリップを防止するようにした自動車タイヤの滑り止め装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、積雪路面或いは凍結路面上をスリップすることなく自動車を安全に走行 するための手段としては、スノーチェーンやスパイクタイヤを使用しているもの が殆んどであって、スノーチェーン使用の場合はタイヤに着脱の都度車体を交互 にジャッキアップして行わねばならず、かつ、その装着にかなりの時間と労力を 要し、しかも走行中に激しい振動や騒音に悩まれる等の欠点があり、又スパイク タイヤ使用の場合は、ノーマルとは別に用意せねばならず、かつ、その着脱の際 車体をジャッキアップし、ハブナットを緩め、締め付け作業を行う必要があり、 その着脱に手間を要する等の欠点があり、そして、これら従来の方法は何れも高 コストを要し、しかも路面を損傷し、その粉塵による環境汚染が社会問題となり 、その改善が求められていた。

【０００３】 上記従来のものの欠点を改良した数件の考案が、最近開示されているが、何れ も構成が複雑で更に高コスト要するのみで、従来のものの欠点を抜本的に解消し 得る自動車タイヤの滑り止め装置は未だ存在しない。

【０００４】

【考案が解消しようとする課題】

そこで、本考案は、降雪時季に至る少し前に豫め自動車タイヤの外側に縦に装 着して置いて積雪、凍結時に雪路や凍結路面をスリップを効果的に防止しながら 走行でき、かつ、その装着は女子でも簡単になし得られ、走行中に振動や騒音が 小さく、又路面を傷付け粉塵を飛散させることも少なく、自動車が雪路や凍結路 外に出るときも、タイヤの空気圧を減圧するだけで滑り止めプレート（ワッパ） を着装したまま走行でき、着脱自在で、しかも構成簡素のため低コストで生産で きる自動車タイヤの雪路滑り止め装置を開発して上記従来のものの欠点を解消す ることを目的とする。

【０００５】 即ち従来のスノーチェーン等による滑り止め装置においては、タイヤの横線上 に、又は縦横に跨って装着して使用するものであるに対し、本考案の滑り止め装 置にあってはタイヤの外側の縦線上に装着して使用する簡素な円形のプレート（ ワッパ）構成により成るものであって、従来の滑り止め装置の在り方から全く脱 皮したタイヤの外側に極めて手軽に装着固定して使用する新規の自動車タイヤの 雪路・凍結路滑り止め装置を得ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するため、種々研究試作の末、自動車タイヤの外側に 装着して使用するようにした雪路・凍結路滑り止め装置であって、自動車タイヤ のホイール全面とタイヤの胴体の幅面の１／２までを覆う直径を有し、厚み約４ ０ｍｍ以上の強靭な合成樹脂材を用いて一体成型により中心部に任意の多角形又 は円形のボルト固定部を設け、該ボルト固定部に４個以上複数のボルト差込孔を 穿設し、同ボルト固定部の周縁から複数の同型同寸のリブを外方へ向けて放射状 に派出し、各リブとリブとの間に任意形状の空間を設けて自動車が雪路や凍結路 走行の際におけるタイヤのエアー抜取・注入窓口となし、さらに各リブの先端面 間を結ぶ環状線上に、環状の衝撃吸収緩衝材支持枠をその内辺において各リブの 先端面に枢着して張り繞らし設けることにより滑り止めプレートの基板を形成し 、該基板の衝撃吸収緩衝材支持枠に合成ゴム製の衝撃吸収緩衝材を一体的に被覆 嵌合し、該衝撃吸収緩衝材の表面には、深さ約５ｍｍ、縦方の幅約１０ｍｍ、横 の長さ約２５ｍｍの凹溝を周方向に約１０ｍｍ毎にジグザグに２列にして多数穿 設することにり、高さ約５ｍｍ幅１０ｍｍの多数の凸起を形成し、該凸起の内一 定間隔毎の凸起に直径約５ｍｍ〜８ｍｍ、高さ約２０ｍｍのセラミックピンを頭 部約５ｍｍを露出させて挿入し、その底部を衝撃吸収緩衝材支持枠内に至らしめ て固定することにより、本考案の主体をなす自動車タイヤの滑り止めプレート（ ワッパ）が一体的に成型形成され、次いで該滑り止めプレートを自動車タイヤの 外側に約１ｃｍ程隔てた縦線上に配置し、上記複数個のボルト差込孔に各々ボル トを差し込み、それぞれダブルナットを介してホイールのタイヤ固定ボルトに螺 着することにより本装置は一体的に構成され、しかして自動車が雪路又は凍結路 面を走行の際上記滑り止めプレートのエアー注入・抜取用窓口からタイヤの胴体 側面に手指を差し入れてタイヤのバルブをゆるめてエアーを約４０％〜５０％抜 取ってタイヤの空気圧を約半分に減圧することにより上記滑り止めプレートの底 部をタイヤのトレッドと水平にして雪路面又は凍結路面に接してタイヤと並行し て走行させることにより、該プレートのジグザグ二列に設けられた歯車式凸起と 凸起に挿嵌されたセラミックピンの作用によりタイヤのスリップを防止するよう にし、かつ自動車が雪路や凍結路面から脱出した場合にはタイヤの空気圧を元に 戻すことにより、上記滑り止めプレートは路面から自動的に浮き上って平常通り タイヤのみで走行するようにした自動車タイヤの雪路・凍結路滑り止め装置を開 発するに至り上記課題を解決し得た。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下本考案の実施の形態を添付図面による基本的実施例に基づいて説明する。 普通自動車、小型自動車等の一般乗用車の雪路・凍結路滑り止め装置において 、図１、図３（イ）、（ロ）及び図４、図５に示す通り自動車タイヤＴのホイー ル１２全面とタイヤの胴体ｔの幅面の１／２までを覆う直径を有し、厚み４０ｍ ｍ以上の強靭なプラスチック製板材を用いて一体成型により中心部に八角形のボ ルト固定部１を設け、該ボルト固定部内に４個のボルト差込孔５を穿設し、同ボ ルト固定部の各辺から８本の細長円錐状のリブ２を外方に向けて派出し、各リブ とリブとの間に扇面形状の空間を設けて自動車が雪路や凍結路を走行にする際に おけるタイヤＴのエアー抜取・注入用窓口４となし、さらに、各リブ２…の各先 端面間をめぐる環状線上に環状の衝撃吸収緩衝材支持枠３を、その内辺において 各リブの各先端面に枢着して、張り繞らし設けることにより滑り止めプレート基 板ａを形成し、上記衝撃吸収緩衝材支持枠３に合成ゴム製の衝撃吸収緩衝材ｂを 被覆嵌装して一体的に接合着し、該衝撃吸収緩衝材ｂの表面に深さ約５ｍｍ、縦 方向の幅約１０ｍｍ、横の長さ約２５ｍｍの凹溝６…を周方向に向って１０ｍｍ 間隔毎にジグザグに２列に穿設することにより、周方向に向って５ｍｍ間隔毎に 高さ約５ｍｍ、縦方向の幅約１０ｍｍ、横方向の長さ約２５ｍｍの凸起７…がジ グザグ２列に配列形成され、上記滑り止めプレート基板ａから派出された各リブ ２…の先端間に６個の凸起７…がジグザグ２列に配列形成され（即ち内側列に３ 個と、それとジグザグに対向して外側列に３個が形成される）、衝撃吸収緩衝材 全周にわたっては計４８個の凸起７…が形成され、その内上記各リブの先端の真 正面にそれぞれ向い合った凸起７′と各リブの各先端間の中央部に向い合った凸 起７″には図３に示す通り直径約５ｍｍ〜８ｍｍ、高さ約２０ｍｍのセラミック ピン８（計２４個）を頭部を約５ｍｍ凸起より露出させて挿入し、その底部を衝 撃吸収緩衝材支持枠内に貫入ｂ′して固定することにより、本考案の主体をなす 自動車タイヤ滑り止めプレート（ワッパ）Ａが一体的に形成され、次いで、図２ に示す通り該滑り止めプレートＡを自動車タイヤＴの外側に約１ｃｍ程隔てた縦 線上に配置し、上記４個のボルト差込孔５にボルト９を差し込み、それぞれダブ ルナット１０を介してホイール１２のタイヤ固定ボルト１３に螺着することによ り本考案の装置は構成され、しかして自動車が雪路又は凍結路面を走行する際図 ６に示すとおり、上記滑り止めプレートＡのエアー抜取・注入用窓口４からタイ ヤ７の胴体側面に手指を差し入れタイヤのバルブ１４を緩めてエアーを約４０％ 〜５０％抜取ってタイヤの空気圧を約半分に減圧することにより、上記滑り止め プレートＡの底部をタイヤのトレッド１５と水平となし、雪路面１６又は凍結路 面に接してタイヤと並行して走行させることにより、該滑り止めプレートＡの基 板ａに被覆した衝撃吸収緩衝材ｂの表面にジグザグ二列に設けられた４８個の歯 車式凸起７…とその内の２４個の凸起に設けたセラミックピンの作用により、タ イヤのスリップを防止するようにし、かつ自動車が雪路外又は凍結路外に出た場 合には、タイヤの空気圧を元に戻すことにより、上記滑り止めプレートＡは路面 から自動的に浮き上って平常通りタイヤのみで走行するようにした自動車タイヤ の滑り止め装置である。図面中、８′はピン固定部、１１は座金である。

【０００８】

【考案の効果】 以上の説明で明らかなように本考案の雪路・凍結路走行の際の自動車タイヤの 滑り止め装置によれば、次ぎのような効果を奏する。 タイヤへの装置を、その外側から至極簡単な操作で行い得られ、着脱自在で女 子等誰でも容易に装着でき、かつその取り外しも極めて容易であると共に、その 取運び等の作業がすべて容易である。しかも堅固に装着できるので自動車の走行 中に容易に脱落することはない。

【０００９】 降雪季節前或いは雪路に至る前に豫めタイヤに装着し、雪路又は凍結路を走行 する際にタイヤの空気圧を簡単な操作で減圧するだけで、雪路滑り止めプレート がタイヤと水平に接地してタイヤと並行して走行しタイヤのスリップを完全に防 止できる。

【００１０】 本考案によれば、その接地する滑り止めプレートの全周に嵌装され、表面にセ ラミックピンを挿嵌した多数の歯車式凸起を設けた衝撃吸収緩衝材の作用により 自動車車体へ与える衝撃は極めて少なく、又振動、騒音も抑制せられるので、至 極乗心地がよく、さらに走行路面を損傷し、粉塵を周囲に飛散して環境汚染する ことも最少限に抑制できると共に、スムーズに走行できるので自動車の燃費を節 約する効果がある。

【００１１】 なお、タイヤがパンクした際も上記プレートが自動的に接地して警報するため 事故予防ができ更に該プレートをタイヤに装着することによりホイールカバーは 不要となり、かつホイールカバー同様の美感を有し常時装着使用してもよい。

【００１２】 本考案の装置は合成樹脂材と合成ゴム材により、極めて簡素な一体構成による ものであるから従来のものに比し、生産費が極めて低く、安価に提供し得られる と共に、その材質上堅固で、かつ防錆等の必要も少なく長期使用に耐え、前記の 燃費節約と共に、その経済的効果大なるものがある等本考案は便益多大なもので あって社会的に貢献し得るものと云える。

【図面の簡単な説明】

【図１】ボルトによりタイヤの外側に装着する以前の本
考案の一部切欠タイヤの滑り止めプレートの斜視図であ
る。

【図２】滑り止めプレートをタイヤの外側に装着してな
る本考案の自動車タイヤの滑り止め装置の一部断面図で
ある。

【図３】（イ）はセラミックピンを衝撃吸収緩衝材の内
側の列の凸起に挿入貫通させ衝撃吸収緩衝材支持枠内に
至らしめて固定させた状態を示す滑り止めプレートの一
部拡大断面図である。（ロ）はセラミックピンを衝撃吸
収緩衝材の外側の列の凸起に挿入貫通させ衝撃吸収緩衝
材支持枠内に至らしめて固定させた状態を示す滑り止め
プレートの一部拡大断面図である。

【図４】滑り止めプレート内に衝撃吸収緩衝材を嵌装し
た状態の平面図である。

【図５】衝撃吸収緩衝材の一部拡大側面図である。

【図６】使用状態図であって、（イ）は滑り止めプレー
トを装着した際及び乾燥路面を走行する際における滑り
止め装置の側面図である。（ロ）は雪路・凍結路面を走
行する際における滑り止めプレートの側面図である。

【図７】本考案の使用状態図である。

【符号の説明】

Ａ タイヤの滑り止めプレート ａ 滑り止めプレート基板 １ ボルト固定部 ２ リブ ３ 衝撃吸収緩衝材支持枠 ｂ 衝撃吸収緩衝材 ｂ′ 衝撃吸収緩衝材貫入孔 ４ エア抜取・注入窓口 ５ ボルト差込孔 ６ 凹溝 ７，７′，７″ 凸起 ８ セラミックピン ８′ ピン固定部 ９ ボルト １０ ダブルナット １１ 座金 Ｔ タイヤ ｔ タイヤの胴体 １２ ホイール １３ タイヤ固定ボルト １４ バルブ １５ タイヤのトレッド １６ 雪路面 １７ 乾燥路面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車タイヤの外側に装着して使用する
   雪路・凍結路滑り止め装置であって、自動車タイヤのホ
   イール全面とタイヤの胴体の幅面の１／２を覆う直径を
   有し、厚み４０ｍｍ以上の強靭な合成樹製板を用いて一
   体成型により、中心部に多角形又は円形のボルト固定部
   を設け、該ボルト固定部に４個以上複数個のボルト差込
   孔を穿設し、同ボルト固定部の周縁から複数の同形同寸
   のリブを外方へ放射状に派出し、各リブとリブとの間に
   任意形状の空間を設けて自動車が雪路や凍結路面走行の
   際におけるタイヤのエアー注入・抜取用窓口となし、さ
   らに上記各リブの各先端面間を結ぶ環状線上に環状の衝
   撃吸収緩衝材支持枠を配置して、その内辺に上記各リブ
   の先端面を枢着して張り繞らし設けることにより滑り止
   めプレートの基板を形成し、該基板の衝撃吸収緩衝材支
   持枠に合成ゴム製の環状の衝撃吸収緩衝材を被覆して一
   体的に嵌合し、該衝撃吸収緩衝材の表面に２列にジグザ
   グさせて深さ約５ｍｍ、縦方向の幅約１０ｍｍ、横の長
   さ約２５ｍｍの凹溝を周方向に約１０ｍｍ間隔毎に多数
   穿設することにより、凹溝と同寸の高さと面積を有する
   多数の凸起が形成され、該凸起の内一定の間隔毎の凸起
   に直径約５ｍｍ〜８ｍｍ、高さ約２０ｍｍのセラミック
   ピンを頭部約５ｍｍを露出させて挿入し、その底部を衝
   撃吸収緩衝材支持枠内に至らしめて固定することにより
   本考案の主体である自動車タイヤの滑り止めプレートが
   形成され、次いで該滑り止めプレートを自動車タイヤの
   外側に約１ｃｍ程度隔てた縦線上に配置し、上記の各ボ
   ルト差込孔に各々ボルトを差し込み、それぞれダブルナ
   ットを介してホイールのタイヤ固定ボルトに螺着するこ
   とにより本装置は一体的に構成され、しかして自動車が
   雪路又は凍結路面を走行の際上記滑り止めプレートのエ
   アー注入・抜取用窓口からタイヤの胴体側面に手指を差
   入れてタイヤのバルブをゆるめてエアーを約４０％〜５
   ０％抜取ってタイヤの空気圧を約半分に減圧することに
   より上記滑り止めプレートの底部をタイヤのトレッドと
   水平にして雪路面又は凍結路面に接してタイヤと並行し
   て走行させることにより、該プレートの二列にジグザグ
   して設けられた多数の歯車式凸起と、凸起に挿嵌された
   複数のセラミックピンの作用により、タイヤのスリップ
   は防止され、かつ自動車が雪路や凍結路から脱出した際
   には、タイヤの空気圧を元に戻すことにより、上記滑り
   止めプレートは路面から浮き上って平常通りタイヤのみ
   で走行するように構成したことを特徴とする自動車タイ
   ヤの滑り止め装置。
2. 【請求項２】 自動車タイヤの滑り止めプレートにおけ
   る基板を合成樹脂材により一体成型し、それに合成ゴム
   製の衝撃吸収緩衝材を被覆嵌合して成ることを特徴とす
   る請求項１記載の自動車タイヤの滑り止め装置。