JP2024044888A - 段差解消機およびプラットホーム - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献4または特許文献5の技術では、第2の駆動機構がプラットホーム上またはプラットホーム下の避難場所に現れるため、ユーザフレンドリーとは言えない。
特許文献6の技術では、第1連結棒および第2連結棒が必要となり、大きな動力の駆動装置が必要となる。同様に、特許文献7の技術では、大きな動力の駆動装置が必要となる。
一局面に従う段差解消機は、プラットホームに埋設される段差解消機であって、逆V型のリンク機構により昇降部が軸回転により昇降部の端部が上下昇降する上下昇降機構と、昇降部の端部の一部をスライド移動させるスライド機構と、昇降部に設けられた複数のセンサーからなる検知センサーと、上下昇降機構、スライド機構および検知センサーと、を制御する制御部と、を含み、制御部は、検知センサーの複数のセンサーのうち少なくとも1のセンサーからの情報に応じて上下昇降機構を駆動し始めた後、スライド機構を駆動させるものである。
また、従来のパンダグラフ方式では、作用点となる部分が連結されているため、調整が複雑になったり、伸長動作を行う場合に、リフト機構自体を大きく移動させたりする必要があるという課題が多かった。さらに、作用点となる部分が連結されているため、負荷荷重が大きくなってしまうという課題もあった。
一方、本発明における段差解消機は、逆V型のリンク機構により作用点の負荷荷重を低減することができ、回動動作の後に伸長動作を行うことができるため、段差解消機自体の機構を簡略化することができる。
第2の発明にかかる段差解消機は、一局面に従う段差解消機において、上下昇降機構は、メンテナンス機構をさらに含み、メンテナンス機構は、メンテナンスの場合に、軸回転により昇降部の端部を90度近くまで回転できるメンテナンス回転機構を含んでもよい。
第3の発明にかかる段差解消機は、一局面に従う段差解消機において、上下昇降機構および/またはスライド機構の駆動部は、台形ねじまたはボールねじを用いてもよい。
特に、上下昇降機構においては、負荷が大きくかかるため、台形ねじを使用し、スライド機構においては、負荷が軽いので、ボールねじを使用してもよい。
第4の発明にかかる段差解消機は、一局面に従う段差解消機において、制御部は、列車の種類、列車の時刻表、列車の床の高さ、プラットホームの高さ、ホームドア、月、日、曜日、時間、気候、天気を含めた情報を用いてAIを用いて上下昇降機構および/またはスライド機構の駆動部を制御してもよい。
他の発明に従う段差解消機を備えたプラットホームは、一局面から第4の発明にかかる段差解消機を複数並列したものである。
図1は、本実施の形態にかかる段差解消機100を備えたプラットホーム200の一例を示す模式図である。図1(a)は、プラットホーム200の模式的平面図であり、図1(b)は、プラットホーム200の模式的側面図である。
図1に示すように、プラットホーム200の一部に、凹部G200を形成し、段差解消機100を3個並列に配置させた状態である。本実施の形態においては、段差解消機100を凹部G200に対して、アンカーボルト(図示省略)で固定する。
なお、本発明は、プラットホーム200に到着する列車において、車椅子対応の場所の幅に応じて、段差解消機100を複数並べてもよい。
また、図1(b)に示すように、凹部G200の下面には、1または複数の溝G10が形成されている。溝G10は、雨等の水を線路側へ流すことができるように形成されている。
図2は、本実施の形態にかかる段差解消機100の内部機構の一例を示す模式的平面図である。
接触センサー520は、防水構造であることが望ましく、差動トランス(LVDT)方式、スケール方式のいずれであってもよい。
また、接触センサー520と一体に、または別体で、列車と距離を検出する近接スイッチを内蔵してもよい。近接スイッチを設けることで、段差解消機100が列車に接触すること無しに安全に停止することができる。この近接スイッチは5mm±10%以上離れているとき作動するセンサーを選定することが好ましい。
一方、近接スイッチを内蔵することで、列車に対して最低1mmから3mm程度の隙間を持たせた状態で伸縮面120を停止させることができる。すなわち、列車に伸縮面120が接触することを防止し、列車のボディ、および/または段差解消機100の破損を防止することができる。
距離センサー530は、防水構造であることが望ましく、Lidar方式、ミリ波方式、超音波方式、ステレオカメラ方式のいずれであってもよい。
また、本実施の形態にかかるDネジ軸プッシャー545は、台形ねじ(TM)のサイズTM18以上のDネジ軸から形成される。この理由については、後述する。
図3は、段差解消機100の駆動前の状態の一例を示す模式図であり、図4は、段差解消機100の第一段階の駆動状態の一例を示す模式図であり、図5は、段差解消機100の第二段階の駆動前の状態の一部を示す模式図である。
このように、本実施の形態における段差解消機100は、伸長動作および回動動作によりシンプルな構造で強度を確保しやすいというメリットがある。
なお、本実施の形態においては、図4および図5を別々の動作として開示しているが、これに限定されず、図4の回動動作を行いつつ、図5の伸長動作を行ってもよい。その結果、短時間で段差解消を実施することができる。
次に、図6は、リンク機構300の詳細の一例を示す模式図であり、図7は、リンク機構300の機構モデルの一例を示す模式図である。
図6に示すように、駆動部540が動作していない場合には、回動面110は、フレーム190(凹部G200)とほぼ平行な状態である。
次いで、駆動部540が動作した場合、Dネジ軸プッシャー545が延長される。その結果、軸335が押し出され、かつ固定軸315は固定されているため、リンク軸325が上方向へ移動する。その結果、リンク軸325の上昇により回動面110が矢印R10(図4参照)の方向へ回動される。
そして、図7(b)に示すように、駆動部540が動作し、回動面110が移動した場合、固定軸315および軸335の距離Ln‘(Ln>Ln’)、固定軸315および軸335の水平面からリンク軸325までの垂直方向の距離h2(h2>h1)となる。
この場合、固定軸315が支点となり、リンク軸325が作用点となり、軸335が力点として考えることができる。また、第1リンク310の距離L31と第2リンク320の距離L32のリンク比を、2:3とすることで、目標定格荷重をWとした場合、3/2Wの負荷荷重で対応することになる。
すなわち、距離L31が長さ2とすると、距離L32は長さ3となる(L31とL32との比は、2:3)。そして、距離L31と距離L32とのなす角Θとした場合、軸335への力F2は、リンク軸325にかかる負荷の力F0をもちいて、力F2=F0×1/2(tan1/2Θ)であらわすことができる。
なお、角Θは、距離L31、距離L32、リンク軸325の高さh2、軸335の位置により決定される。
一方、本発明における段差解消機100は、作用点の負荷荷重を低減することができ、回動動作の後に伸長動作を行うことができるため、段差解消機100自体の機構を簡略化することができる。
次に、図8は、本実施の形態にかかる段差解消機100の制御部500の制御の一例を示す模式的構造図である。
また、本実施の形態にかかる制御部500は、AI学習機能を有しており、過去の記録部510のデータから、最適な段差解消機100の動作を判定し、駆動させる。記録部510の詳細データの内容については、後述する。
また、図1に示したように、段差解消機100は、並列して配置される場合もあるため、並列された段差解消機100それぞれの制御部500が一つとして設けられてもよく、それぞれ設ける場合には、互いの制御部500が通信できる状態であることが望ましい。
例えば、並列配置された段差解消機100のうち1つの段差解消機100においてメンテナンスまたは、故障等の場合に、他の段差解消機100の駆動を停止させることが望ましいからである。
また、その他にも、駅構内に設けられた監視カメラからのデータを、機械学習、深層学習、ディープラーニング、YOLO、R-CNN、HOG、DETR(End-to-End Object Detection with Transformers)、SSD(Single Shot MultiBox Detector)、DCN等を用いて、人数を計算し、列車の混雑状況、車両毎の混雑状況を推定した情報を含んでもよい。さらには、段差解消機100を備えたプラットホーム200の前の駅、すなわち列車からすると上流にある駅の上記人数、混雑状況、現在の列車の床の高さ等の情報を含んでもよい。
乗り込む場合には、列車の床の高さと同じかそれより数ミリ高い方が好ましく、降りる場合には、列車の床の高さと同じかそれより数ミリ低い方が好ましい。
そのため、列車が到着した場合には、列車から降りる方が多いため、列車の床の高さと同じかそれより数ミリ低く設定し、列車が到着してから所定時間が経過した場合には、列車の床の高さと同じかそれより数ミリ高くなるよう微妙な制御を行ってもよい。
さらに、記録部510に記録された、月、日、曜日、時間、気候、天気などは、人数の変動、混雑状態等の情報と紐づけられている。また、図示していないが、駅舎付近のデパート、商業施設、イベント会場、飲食店等の混雑具合を固定カメラ、または携帯のGPSの個数等と紐づけてもよい。それにより、人の動きに応じて混雑情報等を推定することができる。さらには、車椅子のみならず、手動または電動ベビーカを使用する方の履歴を取得し、よく使われる駅から訪問先の駅までの情報等を取得し、上流の段差解消機100から下流の訪問先の段差解消機100へ情報を送信してもよい。
さらに、本実施の形態においては、付加していないが、報知装置を設けて音声で注意を促す、または、安全に乗車してください、安全に降車してください。等を知らせるようにしてもよい。
図9は、制御部500の制御の一例を示すフローチャートである。
続いて、制御部500は、接触センサー520および/または距離センサー530からのセンサー検知を取得する(ステップS3)。
ここで、制御部500は、センサーの種類に応じて温度補正を実施してもよい。すなわち、屋外における温度特性を有するセンサーは、温度補正をすることが望ましい。
制御部500は、接触センサー520に接触履歴が無いかを確認し、距離センサー530からの距離データが、記録部510の列車情報と一致しているかを判定する。
次いで、ホームドアが閉まり始め、列車のドアが閉まり始めた場合に、スライド駆動部550を駆動させ、スライド収納を開始する。なお、ホームドアが閉まり始める前、または列車のドアが閉まり始める前に、スライド収納を開始させてもよい。
最後に、制御部500は、駆動部540を駆動させ、段差解消機100を収納する(ステップS7)。
図10は、緊急原点復帰装置560の動作の一例を示す模式的説明図である。
次に、図10(b)に示すように、制御部500が、緊急事態であると判定した場合、緊急原点復帰装置560が動作される。この場合、緊急原点復帰装置560が動作し、ピン形状が矢印R50の方向に回転する。
さらに、図10(c)に示すように、さらに緊急原点復帰装置560が動作し、ピン形状が矢印R50の方向に回転して、Dネジ軸プッシャー545および/または伸縮プッシャー555の一部から外れる。その結果、Dネジ軸プッシャー545および/または伸縮プッシャー555が段差解消機100の回動面110、伸縮面120が矢印S50の方向へ自動的に移動する。この場合、移動速度は、周囲に影響を与えない速度であることが望ましい。
図11は、段差解消機100のメンテナンスの一例を示す模式的説明図である。
その結果、駆動部540またはスライド駆動部550、接触センサー520、距離センサー530、Dネジ軸プッシャー545、回動ハウジング546、伸縮プッシャー555、ローラ600等の点検またはメンテナンス、修理等を実施することができる。特に、回動面110が大きく回動することによりメンテナンス等を実施しやすいという効果が得られる。
図12は、接触面圧Pとすべり速度Vとの関係の一例を示す模式的説明図であり、図13は、自責負荷時(駆動時)と許容回転数との関係を示す模式的説明図である。
図12に示すように、潤滑油を用いた鋼と黄銅とからなるDネジ軸プッシャー545の場合(図中1点鎖線)、無潤滑(ドライ)で鋼と樹脂とからなるDネジ軸プッシャー545の場合(図中3点鎖線)は、安全ラインよりも危険側に配置されてしまうという問題がある。
本実施の形態にかかる段差解消機100においては、安全ラインよりも左側にくるように設定している。これらは、構造解析シミュレーション(EFA解析)により強度不足がでないように確認している。
なお、台形ねじ(TM)のサイズTM18以上のDネジ軸であるため、本実施の形態にかかる段差解消機100においては、サイズTM20のDネジ軸を用いた。
続いて、本実施の形態にかかる段差解消機100の制御部500および記録部510の他の例について説明を行う。
上述した制御部500は、AIによる機器の稼働データで自己診断機能を付加してもよい。例えば、本実施の形態にかかる段差解消機100においては、モータ負荷に関して、3軸ずつ3ユニットのモータ、および検知センサーが数種類ずつ数セット配置されている。
特に、利用客数の多い駅では、故障による停止で、サービスの低下または駅員の業務負担軽減の為にAI分析が可能な駅務機器の増設が求められている。
そのため、段差解消機100の制御部500が自ら、故障前に点検要請したり、潤滑油供給、部品交換、点検などを事前に通信で要求したりしてくるので、無駄なメンテナンス不要、夜間作業で旅客営業時間内に稼働を止めることなく、メンテナンスを計画し、実施することができる。
また、CBMとは、コンディション・ベースド・メンテナンス(Condition Based Maintenance)の略であり、「状態に基づいた保全」を意味する。これは、機械・設備の状態を監視し、状態に応じてメンテナンスを行うことで、故障を未然に防ぐことを目的としたものである。このCBMは、「状態基準保全」または「状態監視保全」などとも呼ばれている。
すなわち、本実施の形態にかかる段差解消機100の制御部500は、AI解析エンジンを搭載しており、段差解消機100の稼働データ、例えば、駆動する部位に関しての前進及び後退・上昇及び下降のモータ軸部・排熱用送風ファン・温度センサー等、検知センサーに関するセンサーでの判別部、電装盤に関する排熱用送風ファン、盤内エアコン、温度センサー・エラー情報、またはその他情報について、被測定物である列車に関して、列車および検知不良・距離測定異常およびエラー・モータ過負荷・段差解消機100内部温度上昇異常、その他の付属する電装盤または機器等の異常、等について、時間軸上で関連する部品等の稼働履歴上のデータを都度(毎日)季肋部510に積み上げ、学習してTBMからAI故障分析するCBMを実施する。それにより、CBMによる予知保全を実現することができる。
本実施の形態にかかる段差解消機100の制御部500は、AI分析による段差解消機利用者の判別または/および顔認証・形態認証システムを採用してもよい。
例えば、駅改札において、車椅子またはベビーカ等の利用者を識別、特に、利用頻度の多い人は顔認証を併せて実施してもよい。この場合、これらの利用者に対して、エレベーターの案内を実施することもでき、さらには、段差解消機100の配置エリアへの自動案内も実施することができる。案内は音声および表示機器(LED表示等を含む)で、安全な乗車位置である段差解消機100の配置エリアの車両停車位置へ誘導することができる。
その結果、駅務員の業務を削減することができ、乗客にも適切なサービスを実施することができる。特に、乗客数の多い駅または主要駅においては、大きな効果を得ることができる。以上のように、本実施の形態にかかる段差解消機100の制御部500においては、総合的判断をする認証アルゴリズムを生成してメンテナンス時期を判断したり、誘導サービスを実施することができる。
110 :回動面
120 :伸縮面
200 :プラットホーム
300 :リンク機構
500 :制御部
510 :記録部
520 :接触センサー
530 :距離センサー
540 :駆動部
545 :Dネジ軸プッシャー
550 :スライド駆動部
555 :伸縮プッシャー
560 :緊急原点復帰装置
Claims (5)
- プラットホームに埋設される段差解消機であって、
逆V型のリンク機構により昇降部が軸回転により前記昇降部の端部が上下昇降する上下昇降機構と、
前記昇降部の端部の一部をスライド移動させるスライド機構と、
前記昇降部に設けられた複数のセンサーからなる検知センサーと、
前記上下昇降機構、前記スライド機構および前記検知センサーと、を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記検知センサーの複数のセンサーのうち少なくとも1のセンサーからの情報に応じて前記上下昇降機構を駆動し始めた後、前記スライド機構を駆動させる、段差解消機。 - 前記上下昇降機構は、
メンテナンス機構をさらに含み、
前記メンテナンス機構は、メンテナンスの場合に、前記軸回転により前記昇降部の端部を90度近くまで回転できるメンテナンス回転機構を含む、請求項1記載の段差解消機。 - 前記上下昇降機構および/または前記スライド機構の駆動部は、台形ねじまたはボールねじを用いる、請求項1記載の段差解消機。
- 前記制御部は、列車の種類、列車の時刻表、列車の床の高さ、前記プラットホームの高さ、ホームドア、月、日、曜日、時間、気候、天気を含めた情報を用いてAIを用いて前記上下昇降機構および/または前記スライド機構の駆動部を制御する、請求項1記載の段差解消機。
- 請求項1記載の段差解消機が、複数並列されて埋設された、プラットホーム。
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