JP2024038839A - チューブ容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙を使用することにより樹脂使用量の低減を図りつつ、要求性能を満たしたチューブ容器を提供する。【解決手段】筒状の注出筒部と、抽出筒部の一方端に接続され、抽出筒部の外方に延伸するフランジ部とを有するスパウトと、紙を含むシート材により形成され、一方端が閉塞され、他方端から所定範囲の部分がスパウトのフランジ部にシールされたチューブ状の胴部とを備え、紙の坪量が30~400g/m2であり、JIS P 8113に準拠して測定される紙のMD方向における引張破断伸びが3%以上であり、紙のMD方向におけるループスティフネスが200~500mNである、チューブ容器。【選択図】図1

Description

本発明は、チューブ容器に関する。
医薬品や化粧品、食品等の包装材として、樹脂を主体とした材料からなるチューブ容器が広く用いられている。例えば、特許文献1には、内容物を抽出する注出ユニットと、注出ユニットに溶着され、内容物を収容する胴部とから構成されるチューブ容器が記載されている。
特開2016-199280号公報
近年、環境負荷の軽減や資源保護、廃棄の容易性の観点から、包装容器に使用する樹脂量の低減が要望されており、樹脂の一部を紙に置き換えた包装容器が種々検討されている。チューブ容器としては、樹脂製のスパウト及び樹脂製の胴部からなるラミネートチューブが一般的であるが、チューブ容器においても、樹脂使用量の低減を図ることが求められている。チューブ容器における樹脂使用量を低減する手法として、例えば、チューブ容器の胴部を構成するシートの基材に紙を用いることが考えられる。
しかしながら、樹脂と紙とでは剛性(柔軟性)や成形性、機械適性等の諸特性が異なるため、胴部を構成するシートの樹脂層を単に紙で代替したとしても、樹脂を主体として形成したチューブ容器と同様の機能や外観、生産性を達成するのは困難であった。
それ故に、本発明は、紙を使用することにより樹脂使用量の低減を図りつつ、要求性能を満たしたチューブ容器を提供することを目的とする。
本発明に係るチューブ容器は、筒状の注出筒部と、抽出筒部の一方端に接続され、抽出筒部の外方に延伸するフランジ部とを有するスパウトと、紙を含むシート材により形成され、一方端が閉塞され、他方端から所定範囲の部分がスパウトのフランジ部にシールされたチューブ状の胴部とを備え、紙の坪量が30~400g/mであり、JIS P 8113に準拠して測定される紙のMD方向における引張破断伸びが3%以上であり、紙のMDにおけるループスティフネスが200~500mNであるものである。
本発明によれば、紙を使用することにより樹脂使用量の低減を図りつつ、要求性能を満たしたチューブ容器を提供できる。
実施形態に係るチューブ容器の斜視図 図1に示したスパウトの拡大図 図2に示したIII-IIIラインに沿う拡大断面図
図1は、実施形態に係るチューブ容器の斜視図である。
チューブ容器100は、チューブ状の胴部1と、胴部1に取り付けられたスパウト(注出口部)2とを備える。
チューブ容器100は、スパウト2の注出筒部3に着脱可能なキャップ11を更に備えていても良い。チューブ容器100がキャップ11を備える場合、チューブ容器100の開封後に再封することが容易となる。キャップ11は、螺合により注出筒部3に着脱可能であっても良いし、嵌合により注出筒部3に着脱可能であっても良い。また、チューブ容器100は、キャップ11に代えて、ヒンジキャップを備えていても良い。ヒンジキャップを設ける場合、図1に示した注出筒部3に螺合によりヒンジキャップをスパウト2に取り付けても良い。あるいは、注出筒部3の外面にネジ山の代わりにリブを設け、リブを介した嵌合によりヒンジキャップをスパウト2に取り付けても良い。
胴部1は、内容物を収容するための部材であり、略平行な一対の端縁を有するシートを筒状に丸めて部分的にシールすることにより形成されている。胴部1は、例えば、シートの一対の端縁のそれぞれを含む帯状の部分の内面同士を合掌状に突き合わせて溶着させることにより、筒状に形成されている。胴部1の一方の端部5a(図1における下端)はシールされて閉鎖されている。一方、胴部1の他方の端部5b(図1における上端)の近傍部分は、折り畳まれた状態で、後述するフランジ部4の外面8にシールされている。胴部1とフランジ部4との溶着部には、胴部1を構成するシートが折り畳まれてなるプリーツ12が複数形成される。シートの一対の端縁のそれぞれを含む帯状の部分を貼り合わせることにより、胴部1には、貼り合わせ部7(背貼り部)が形成されている。貼り合わせ部7は、胴部1の外面に沿うように折り曲げられて胴部1に貼り合わされていても良い。貼り合わせ部7の胴部1への貼合方法は特に限定されず、胴部1を構成するフィルムの表面全体または部分的に設けられるヒートシール性の樹脂を介して両者を溶着しても良いし、ホットメルト等の接着剤を介して両者を接着しても良い。図1の例では、丸めたシートを合掌状に突き合わせて貼り合わせているが、一方の端縁に沿う帯状の部分の外面に、他方の端縁に沿う帯状の部分の内面を貼り合わせることによって、胴部1を形成しても良い。
図2は、図1に示したスパウトの拡大図であり、図3は、図2に示したIII-IIIラインに沿う拡大断面図である。尚、図2及び図3は、注出口部に胴部をシールする前の状態を示している。
スパウト2は、胴部1に収容された内容物を外部に抽出するための部材である。スパウト2は、筒状の注出筒部3とフランジ部4とを備える。フランジ部4は、注出筒部3の一方の端部6a(図1における下端)に接続され、注出筒部3の外方に延伸する平板状の部分である。本実施形態では、フランジ部4は、注出筒部3の中心軸(一点鎖線)と直交する方向(図3における左右方向)に延伸するように形成されている。ただし、フランジ部4の延伸方向は必ずしも注出筒部3の軸方向と直交する方向である必要はなく、また、本実施形態では、フランジ部4は、円環状に形成されているが、胴部1を接合することができる限り、フランジ部4の形状は限定されず、楕円形、長円形、トラック形、多角形等であっても良い。
図2及び図3に示すように、フランジ部4の外面8(注出筒部3の端部6b側の面)には、環状の凸部9及び凹部10が設けられている。スパウト2のフランジ部104に胴部1を溶着する際、凸部9が最初に溶融し、溶融した樹脂が胴部1の内面とフランジ部4との間に広がる。また、溶融した樹脂の一部は凹部10に流れ込む。この結果、凸部9が溶融した樹脂を介して、胴部1の内面とフランジ部4の外面8とを面で溶着することができ、溶着強度を向上できる。凸部9及び凹部10の数は特に限定されず、それぞれ2以上であっても良い。また、凸部9と凹部10の数は同数でなくても良く、例えば、1本の凸部9の内側及び外側に2本の凹部10を設けても良い。凸部9の高さ(フランジ部4の外面8からの高さ)は、0.05~2mmであることが好ましく、0.1~1mmであることがより好ましい。凹部10の深さ(フランジ部4の外面8からの深さ)は、0~2mmであることが好ましく、0~1mmであることが好ましい。凸部9が低い場合は、凹部10はなくても良い。尚、凸部9及び凹部10は必須ではなく、一方及び両方を省略しても良い。
スパウト2は、例えば、熱可塑性樹脂により形成することができる。スパウト2の材料に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド及びシクロポリオレフィンのいずれか1種、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。熱可塑性樹脂には、タルク、カオリン、紙粉及びセルロース繊維のいずれか1種以上のフィラーを混合しても良い。スパウト2の材料として、熱可塑性樹脂と、樹脂以外のフィラーの混合物を用いることにより、成型性や胴部1のシート材との熱溶着性を維持しつつ、樹脂の使用量を低減することが可能となる。スパウト2の成型方法は特に限定されないが、射出成形、真空成形・熱板圧空成型等のサーモフォーミング、コンプレッション成型等の既存の成型方法を利用可能である。
チューブ容器100の製造時に胴部1及びスパウト2を溶着する方法としては、超音波溶着、高周波溶着、ヒートシール溶着、ホットエア溶着等を利用することができるが、紙の断熱性に左右されにくい点で超音波溶着を採用することが好ましい。
また、注出筒部3の端部6bには、チューブ容器100の未開封状態において注出筒部3を閉鎖するフィルムがシールされていても良い。
更に、注出筒部3の内部は、チューブ容器100の未開封状態において容器内部を密閉状態に保つために、隔壁により閉鎖されていても良い。隔壁を設ける場合、注出筒部3の内周に沿って円形状のハーフカットを設けると共に、ハーフカットによって囲まれた部分に接続されるプルリングを設けることが好ましい。このように構成すれば、チューブ容器100の開封時には、使用者がプルリングを引っ張って隔壁のハーフカットの部分を破断させることにより、ハーフカットで囲まれた隔壁の一部を除去して、胴部1から注出筒部3へと内容物を注出するための開口部を形成することができる。
以下、本実施形態に係るチューブ容器の胴部を構成するシートの詳細を説明する。
チューブ容器100の胴部1は、紙を主体とするシートにより構成される。胴部1を構成するシートは、紙と、紙の一方面側の最表面に積層されたシーラント層とを少なくとも備えていれば良い。紙とシーラント層との間には、シートの物理的強度を向上させるための樹脂フィルム層や、バリア層等の機能層が設けられていても良い。また、紙の他方面側には、紙を保護するための保護層や、インキ層、オーバーコート層等が設けられていても良い。
胴部1を構成するシートの例としては、チューブ容器100の外側となる面から順に、「紙/ポリエチレンテレフタレート(PET)/ナイロン(NY)/シーラント層」の層構成を有するもの、「樹脂層/紙/PET/NY/シーラント層」の層構成を有するもの、「ニス層/紙/NY/アルミニウム箔/シーラント層」の層構成を有するものを挙げることができる。ただし、ここで示した層構成は例に過ぎず、チューブ容器100に充填される内容物やチューブ容器100に要求される性能に応じて、紙及びシーラント層以外の層を適宜組み合わせることができる。以下、各層の詳細を説明する。
(紙)
紙は、チューブ容器100の胴部1に強度及びコシを付与する構造層である。胴部1のシートに用いる紙が満たすべき条件は次の通りである。
胴部1に用いる紙は特に限定されないが、単層紙、単層紙を貼り合わせた紙、多層紙を使用することができる。ここで、単層紙とは、抄紙段階において単層抄きした紙を指す。また、単層紙を貼り合わせた紙とは、単層紙を接着剤等で貼り合わせた紙を指す。多層紙とは、、多層型抄紙機を用いて積層された複数の紙層を抄紙段階で積層した多層抄きの紙(多層紙)を指す。図1に示したように、胴部1の一端は、スパウト2のフランジ部4の周縁に沿って折り曲げられ、折り畳んだ状態でフランジ部4にシールされる。胴部1に単層紙または単層紙を貼り合わせた紙を使用した場合、フランジ部4に溶着した箇所の層間剥離が生じにくく、チューブ容器100の外観が良好となるため、好ましい。
胴部1に用いる紙の坪量は、30~400g/mであることが好ましく、70~200g/mであることがより好ましい。胴部1に用いる紙の坪量が30g/m未満の場合、後述する引張強さや、引張破断伸びが小さくなりすぎ、チューブ容器100の胴部1の強度が低下するため好ましくない。また、胴部1に用いる紙の坪量が30g/m未満の場合、胴部1を構成するシートに占める紙の割合(質量割合)が小さくなり、樹脂使用量の低減が不十分となるため好ましくない。一方、胴部1に用いる紙の坪量が400g/mを超える場合、紙厚が大きくなるために、フランジ部4への溶着が困難となる。また、溶着できたとしても、溶着箇所に層間剥離が生じやすく、チューブ容器100の外観を損なうため好ましくない。
胴部1に用いる紙の引張破断伸びは、少なくとも紙のMD方向(抄紙時の流れ方向)において3%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。紙の引張破断伸びは、JIS P 8113に準拠して測定した値である。尚、チューブ容器の長さ方向(図1の上下方向)と紙のMD方向とが一致している。紙の引張破断伸びが3%未満の場合、内容物を充填したチューブ容器100の胴部1に衝撃(例えば、落下時の衝撃)が加わったときに、胴部1のシートが破断しやすくなるため好ましくない。
胴部1に用いる紙の引張破断強度(引張強さ)は、3~16kN/mであることが好ましい。紙の引張破断強度は、JIS P 8113に準拠して測定した値である。紙の引張破断強度が、3kN/m未満の場合、包装容器に内容物を充填した製品の落下等の衝撃に対する強度が悪化するため好ましくない。耐衝撃強度を高めるために紙以外のフィルムを厚くする必要があるが、樹脂使用率の上昇に繋がり、環境適性が悪くなる。紙の引張破断強度が、16kN/mを超える場合、紙が厚くなるため、胴部1の製袋時に紙の断熱性によりヒートシール性が悪化し、生産性が低下する可能性がある。また、紙が厚くなると、胴部1におけるフランジ部4への溶着箇所に層間剥離を生じやすくなる。
胴部1に用いる紙のループスティフネスは、少なくとも紙のMD方向において200~500mNであることが好ましい。ループスティフネスとは、所定寸法の短冊状にカットしたシートを用いてループを形成し、このループを径方向に所定量だけ押しつぶした状態で測定したループの反発力をいい、シートの剛性を表す指標である。ループスティフネスが大きいほど、シートの剛性が高いと言える。尚、本明細書におけるループスティフネスは、ループスティフネステスタ(株式会社東洋精機製作所製)を用いて測定した値である。測定に当たり、胴部1に用いられるシート材を幅15mm、長さ200mmの短冊状に切り出し、切り出した短冊状シートの長手方向がループの周方向となるように、ループ長が100mmのループを形成した。その後、形成したループに装置の当て板を押し付けてループを押しつぶし、ループの反発力を測定した。押しつぶし距離は10mmとし、圧縮速度は3.3mm/sとした。
ループスティフネスが200mN未満の場合、胴部1の剛性が低くなりすぎ、胴部1に内容物を充填した状態で胴部1の形態を保てず変形してしまう可能性がある。また、胴部の剛性が低すぎる場合、胴部1の内容物を注出するために胴部1を押圧したときに、胴部1にシワが生じる可能性がある。また、胴部1への内容物の充填量が多くなると、胴部の閉鎖部分(図1の下端部分)からスパウト2にかけて胴部1の断面形状が滑らかに変化せず、内容物を充填した段階で胴部1にシワが生じる可能性がある。
一方、ループスティフネスが500mNを超える場合、胴部1の剛性が高くなりすぎ、胴部1の貼り合わせ部7の近傍にフラットな部分ができ、胴部1の断面が非円形となる。また、シートを合掌状に貼り合わせる代わりに、シートの幅方向の端面同士を突き合わせてテープにより貼り合わせることによって胴部1を構成することも考えられるが、端面同士の突き合わせ部分が折れ曲がって尖った形状となり、この場合も胴部1の断面が非円形となる。胴部1の断面が非円形の場合、内容物の充填時に充填ノズルの挿入がしにくくなり、生産性を損なう可能性がある。また、胴部の剛性が高すぎる場合、胴部1の内容物を注出するために胴部1を押圧したときに、胴部1の変形量が大きくなり、注出量の調整が難しくなる。また、胴部1の端部を図1のように直線状にシールして閉鎖した場合、紙の剛性の高さによって、シール部が直線状を維持しようとするため、充填容量が少なくなってしまうという問題もある。
更に、紙のMD方向におけるループスティフネスと、紙のTD方向におけるループスティフネスとの差は、200mN以下であることが好ましい。MD方向及びTD方向のループスティフネスの差が200mN以下であることにより、胴部シール部の直線維持性が低くなり、断面が円形に近くなる。また、胴部1をスパウト2のフランジ部4に溶着する際、シートを丸めたスリーブの端部を曲げて溶着を行うが、反発性が低くなり溶着し易くなると共に、プリーツ12を綺麗に形成できるので、溶着不良が減り、溶着強度が高くなる。更には、紙の層間剥離を生じにくくなる。
紙の種類は特に限定されないが、強度、屈曲耐性、印刷適性を備える点で、例えば、片艶クラフト紙や両艶クラフト紙を用いることができる。また、上述した各条件を満たす限り、必要に応じて、耐水紙、耐油紙、またはカップ原紙等を使用しても良い。また、胴部のシートに用いる紙は、パルプ繊維(セルロース繊維)を50%以上含む紙であれば良く、パルプ繊維の他に樹脂繊維を含む混抄紙であっても良い。
(シーラント層)
シーラント層は、貼り合わせ部7の溶着のため、及び、スパウト2と胴部1との溶着のために設けられる層である。シーラント層の材質は特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂であることが好ましい。シーラント層に用いる熱可塑性樹脂は、後述するスパウト2の材料を構成する熱可塑性樹脂に対して接着性を有するものであれば良いが、スパウト2に用いる熱可塑性樹脂と同じ材質であることが好ましい。シーラント層に用いる熱可塑性樹脂とスパウト2に用いる熱可塑性樹脂層とを同じにすることにより、胴部1とスパウト2とのシール強度を向上させることができる。シーラント層の厚みは、20~150μmであることが好ましい。
(樹脂フィルム層)
樹脂フィルム層は、耐熱性や強靱性等の物理的強度を付与する層である。樹脂フィルム層は、後述するバリア層の基材となる層でもある。樹脂フィルム層の材質は特に限定されないが、耐熱性及び物理的強度の観点から、PET等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド等からなる延伸フィルムを用いることが好ましい。
(バリア層)
バリア層は、酸素や水蒸気等を遮断して、内容物の保存性を向上させる機能層である。バリア層は、例えば、シリカやアルミナ等の無機化合物の蒸着膜、アルミニウム等の金属蒸着膜、アルミニウム等の金属箔、板状鉱物及び/またはバリア性樹脂を含むバリアコート剤の塗膜の1種以上により構成することができる。バリア層を金属の蒸着膜または金属箔により形成した場合、胴部1に遮光性を付与することもできる。バリアコート剤に用いるバリア性樹脂としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)やポリ塩化ビニリデン(PVDC)等を使用することができ、バリアコート剤にはバリア性樹脂以外のバインダー樹脂が適宜配合される。バリア層は、予め基材フィルム層上に積層されてバリアフィルムを構成していても良いし、単層膜として設けられても良い。
(保護層)
保護層は、紙層への内容物や汚れの付着から保護するための層である。保護層の材料や形成方法は特に限定されないが、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂の押出コートや、耐水剤あるいは耐油剤等のコート剤のコートにより紙保護層を積層することができる。紙保護層の厚みは、0.2~50μmであることが好ましく、0.5~20μmであることがより好ましい。
(インキ層、オーバーコート層)
インキ層は、各種表示を行うために印刷により施される層であり、オーバーコートニス層は、耐摩性等を付与するための層である。インキ層とオーバーコートニス層の積層順序は特に限定されない。また、オーバーコートニス層が紙保護層を兼ねていても良い。
胴部1を構成するシートの厚み(総厚)は、特に限定されないが、20~300μmであることが好ましい。胴部1を構成するシートの厚みが、この範囲であれば、製袋機やピロー・スティック包装機等を用いて胴部1を容易に筒状に加工することができる。また、紙層によって強度とコシが付与されるため、一般的なラミネートチューブ(厚み300~500μm)と比べて、薄くすることができ、樹脂使用量も低減できる。
尚、上述したシートの層構成は一例であり、バリア層、保護層、インキ層及びオーバーコートニス層の1層以上を省略しても良い。
以上説明したように、本実施形態に係るチューブ容器100においては、胴部1を構成するシートに用いる紙として、単層紙、または、単層紙を貼り合わせた紙であって、坪量が30~400g/mであり、引張破断伸びがMD方向及びTD方向の両方で3%以上であり、引張破断強度が、3~16kN/mであり、MD方向及びTD方向におけるループスティフネスがいずれも200~500mNであるものを使用する。これらの条件を満たす紙を胴部1に用いることにより、胴部1の剛性(柔軟性)が従来の樹脂製のラミネートチューブと同程度となり、ラミネートチューブと同様の使用感とすることができる。チューブ容器100は、胴部1をスクイーズして内容物を注出する容器であるが、繰り返し使用しても割れや端面からの層間剥離が発生しない胴部1を実現できる。また、引張破断伸びが高い紙を用いているため、チューブ容器100に落下等の衝撃が加わった場合でも破れの発生を抑制できる。胴部1のシートに紙を含むことにより、樹脂の使用量を低減することができる。紙の割合がチューブ容器100の全体の50%以上の場合は、紙容器として廃棄が可能であるので、廃棄のしやすさも向上できる。
また、本実施形態に係るチューブ容器100のスパウト2において、フランジ部4は、注出筒部3の中心軸(図3の一点鎖線)に対して略直交する方向に延伸するように形成されている。この場合、胴部1のうち、フランジ部4にシールする部分が他の部分に対して略90度折り曲げられた状態となる。このような構成でも、上記条件を満たす紙を胴部1に用いることにより、フランジ部4へのシール箇所の層間剥離や割れを防止することができる。また、上述した紙を用いることにより、プリーツ12の形成も容易に行うことができる。
以下、本発明を具体的に実施した実施例を説明する。
胴部を構成するシートとして、外側となる面から順に、ポリプロピレン(50μm)/紙/PET(12μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリプロピレン(シーラント層、50μm)の層構成を有する積層シートを作成した。実施例1~3及び比較例1~14で用いた紙の坪量、厚み、引張破断伸び、引張は断強度、ループスティフネスの値を表1に示す。また、表1に、紙と他の層を積層したシートのMD方向のループスティフネスを併せて示す。尚、実施例1で使用した紙は単層紙であり、実施例2~6及び比較例1~11で使用した紙は多層紙(抄紙段階で積層された紙)である。
作成したシートを用いて図1に示す形状のチューブ容器を作成した。具体的には、作成したシートを丸めて、直径(内径)が35mm、長さが180mmの筒状とし、対向する端縁に層部分の内面同士を合掌状に突き合わせて貼り合わせ部を形成し、この中間体の一方端を直線状にシールして閉鎖すると共に、他方端をスパウトのフランジ部に溶着した。スパウトは、ポリプロピレンの射出成形品(フランジ部の外径35mm)を使用し、フランジ部への胴部の溶着は超音波溶着により行った。作成したチューブ容器の容量は、100mlであった。
実施例1、2及び比較例1~5に係るシートを用いて作成したチューブ容器について、以下の評価を行った。
<層間剥離の有無>
作成したチューブ容器の胴部を目視にて観察し、胴部の端面における層間剥離の有無を「○:層間剥離なし、△:一部に層間剥離が発生、×:層間剥離あり」の評価基準で評価した。
<胴部溶着>
作成したチューブ容器の胴部の溶着箇所(貼り合わせ部、閉鎖シール部)を目視にて観察し、「○:溶着不良なし、△:溶着箇所の浮きが認められ溶着がやや不十分、×:溶着箇所に剥離や割れがあり溶着が不十分」の評価基準で評価した。
<スパウト溶着>
作成したチューブ容器の胴部とフランジ部との溶着箇所を目視にて観察し、「○:溶着不良なし、△:溶着箇所の浮きが認められ溶着がやや不十分、×:溶着箇所に剥離や割れがあり溶着が不十分」の評価基準で評価した。
<落下耐性>
作成したチューブ容器に、水100mlを充填して封止した状態で、1mの高さからチューブ容器の姿勢がランダムになるように10回落下させ、胴部の破れの有無を目視で観察した。胴部に破れが生じたサンプルの数に基づき、「○:0個、△:1~2個、×:3個以上」の評価基準で評価した。
表2に評価結果を示す。
表2に示すように、実施例1~6に係るチューブ容器においては、胴部1を構成する紙として、坪量、引張破断伸び、引張破断強度及びループスティフネスが上述した条件を満たす単層紙を使用したため、いずれの評価も良好であり、胴部のシートの層間剥離や溶着不良がなく、落下耐性にも優れていた。また、実施例1、3~6に係るチューブ容器においては、胴部に使用した紙に適度な剛性(柔軟性)があるため、従来のラミネートチューブに似た使用感が得られた。
実施例2に係るチューブ容器は、相対的に厚みが大きい紙を使用したため、胴部の溶着箇所及び胴部とスパウトとの溶着箇所にやや浮きが見られたが、実用可能な程度であった。
比較例1に係るチューブ容器は、ループスティフネスが小さすぎるために胴部の合成が低くなり、実施例と比べて落下耐性が劣っていた。また、胴部の剛性が低いため、内容物を充填した状態で形状を保持できず、また、シワも入りやすいため、実施例と比べて外観が劣っていた。
比較例2に係るチューブ容器は、胴部の剛性が低いため、内容物を充填した状態で形状を保持できず、また、シワも入りやすいため、実施例と比べて外観が劣っていた。
比較例3に係るチューブ容器は、ループスティフネスの値が大きく、胴部の剛性が高すぎることから、胴部の端面の層間剥離が認められ、実施例と比べて外観が劣っていた。
比較例4に係るチューブ容器もループスティフネスの値が大きく、胴部の剛性が高すぎることから、胴部の端面の層間剥離が認められた。また、引張破断伸びの値が小さいために、実施例1と比べて落下耐性も劣っていた。
比較例5に係るチューブ容器は、引張破断伸びの値が小さすぎるために、落下耐性が不十分であった。また、胴部の剛性が低いため、内容物を充填した状態で形状を保持できず、また、シワも入りやすいため、実施例と比べて外観が劣っていた。
比較例6~9に係るチューブ容器は、胴部の剛性が低いため、内容物を充填した状態で形状を保持できず、また、シワも入りやすいため、実施例と比べて外観が劣っていた。
比較例10に係るチューブ容器は、引張破断伸びの値が小さすぎるために、落下耐性が不十分であった。
比較例11に係るチューブ容器は、ループスティフネスの値が大きく、胴部の剛性が高すぎることから、胴部の端面の層間剥離が認められ、実施例と比べて外観が劣っていた。
本発明は、医薬品や化粧品、食品等の包装用途のチューブ容器に利用できる。
1 胴部
2 スパウト
3 注出筒部
4 フランジ部
5a、5b 端部
6a、6b 端部

Claims (3)

  1. チューブ容器であって、
    筒状の注出筒部と、前記抽出筒部の一方端に接続され、前記抽出筒部の外方に延伸するフランジ部とを有するスパウトと、
    紙を含むシート材により形成され、一方端が閉塞され、他方端から所定範囲の部分が前記スパウトのフランジ部にシールされたチューブ状の胴部とを備え、
    前記紙の坪量が30~400g/mであり、
    JIS P 8113に準拠して測定される前記紙のMD方向における引張破断伸びが3%以上であり、
    前記紙のMD方向におけるループスティフネスが200~500mNである、チューブ容器。
  2. 前記紙のMD方向におけるループスティフネスと、前記紙のTD方向におけるループスティフネスとの差が200mN以下である、請求項1に記載のチューブ容器。
  3. 前記フランジ部は、前記注出筒部の中心軸に対して略直交する方向に延伸しており、
    前記胴部のうち、前記他方端から前記所定範囲の部分が他の部分に対して略90度折り曲げられた状態で前記フランジ部にシールされている、請求項1または2に記載のチューブ容器。
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